[解説ニュース]

滞納固定資産税の”相続”問題にご用心

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

1. はじめに


相続の現場では、財産整理や遺産分割が速やかに行われていなかったことが災いして、税務上不利な状況に見舞われるケースが少なくありません。

 

よく知られているのは、相続税申告の際、相続税の特例である、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例事業承継税制が適用できないということ。固定資産税にも気を付ける必要があります。財産・債務の整理や遺産分割を放置していたことから、後になって思わぬ税負担を求められるケースが少なくないためです。

 

というのも、不動産の相続があった場合、被相続人の固定資産税の納税義務は、次の通り相続人が承継することになっているからです。「相続があった場合には、その相続人(包括受遺者を含む)は、被相続人(包括遺贈者を含む。以下同)に課されるべき、又は被相続人が納付し、若しくは納入すべき地方団体の徴収金を納付し、又は納入しなければならない」(地法9①)。

 

市町村は、固定資産税の徴収をする場合ときには、納税者に文書で納付又は納入の告知をしなければならないことになっています(地法13)。その上で督促、滞納処分に入ることになります。

 

納税者の中には、このように降って湧いたような納税義務に、抵抗する人もいます。しかしその言い分はなかなか聞いてもらえないのが実情です。そこで最近、実際に税務上争いになった事例を見てみましょう。

 

 

2. 未分割で請求が回ってきた事例


被相続人の滞納固定資産税の納付を管轄の市町村から請求されたとき、無視して支払わないと督促の上、最悪の場合、督促された相続人の預金等が差押えられ、税金を強制的に徴収されることがあります。

 

中でも気を付けたいのは、相続人が複数いる場合に遺産分割をせず相続財産が共有になったままのケースです。

 

なぜなら共有物の税金は連帯納付義務が生じるからです。(地法10の2)。連帯納付義務のある税金については、徴収権のある市町村は、連帯納税義務者の1人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての連帯納税義務者に対し、その税金の支払いを請求することができる点に注意が必要です。

 

 

花巻市の事例です(平成28年11月22日裁決)。

 

市内の30物件の所有者である被相続人Xさん対し数年度分課税していた固定資産税につき、花巻市は、遺産分割前だったことから複数の共同相続人のうち代表者として相続人Aさんを指定し、賦課徴収の書類を送付していました。

 

ところがAさんは、納期限後になっても納付しません。そこで一転、花巻市は平成28年3月、別の相続人Bさんに納期限を3月末とする連帯納税通知書を送付しました。Bさんも無視。花巻市は同年4月20日付で、督促状をBさんに送付しました。

 

Bさんはここで督促処分に不服を申立てました。いわく「Aが単独で課税対象不動産を流用し、年間100万円超の賃料収入を得ており、その固定資産税はAから徴収すべき」と。

 

しかし、審理した花巻市は、督促処分に違法性はないとする裁決を下しています。

 

 

3. 90年以上前の相続が発端の事例


防府市の事例です(平成29年10月4日裁決)。

 

90年以上前に亡くなった祖父の兄弟名義の不動産につき、相続人と見なされて、課税されたうえ、預貯金を差し押さえられたケースがありました。

 

防府市は、平成18年になって、問題の不動産の現況が原野から雑種地に変わっていたことから固定資産税の課税評価をしたところ、免税点を超えたため祖父の代の兄弟やその子の世代も亡くなっている中、相続人14人を確認し、市内に住む祖父の兄弟の孫Cさんを相続人代表者と認定。課税処分したうえ、滞納処分に入り、預貯金を差押さえて、強制的に固定資産税を徴収してしまいました。

 

Cさんは、「市内に居住していることのみを理由として相続人代表者に指定され、自分だけに課税され、それに基づいて差押処分を受けることには納得できない。」と反発、不服申立しました。

 

審査した防府市は、相続人間の公平性を損なう事情があり、新たな課税は取消されるべきだが、不服申立をする期間を過ぎて時効となった課税分は取消できず、徴収した税額については滞納固定資産税に充当済みで、「取消しによって審査請求人の権利の回復を図ることはできず、審査請求の申立ての利益はないことから却下せざるを得ない」としてCさんの言い分を退けています。

 

子や孫が苦労しないためにも財産整理・遺産分割は、しっかり済ませておきたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/01/07)より転載

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①M&Aにおいて一部門を譲受(譲渡)する際の注意点

~一部門を譲受(譲渡)する際に把握しておくべき情報とは?売買金額のつけ方とは?~

 

〈解説〉

公認会計士 大原達朗

 

 

 

 


今回は、“一部門を譲受(譲渡)する際の注意点”というテーマです。 まず一部門を譲渡するというのはどういうことかを確認します。

 

 

 

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[株式譲渡と事業譲渡]

通常M&Aというと、株式譲渡を想定される方が多いと思います。改めて、株式譲渡とはどのようなものかを整理します。

 

 

 

売り手とは、対象会社のオーナー(株主)となります。中小企業の場合は、社長が株主を兼ねていることが多いので、株主兼社長のような方が株式譲渡における売り手になることが多くなります。

 

 

その方が持っている会社の株を、買い手が買うというのが、シンプルなM&Aとなります。何も言わないでM&Aというと、ほとんどの方がこれを想像すると思います。ただし、この場合(株式譲渡)、対象会社の権利は全て買い手に移ってしまいますので、100%の株を譲渡した場合、例えば、この対象会社が店を3つ持っていた場合、3つ全ての権利義務が売り手から買い手に移ります。

 

 

もしかすると、3つのお店(事業)のうち、1つのお店(事業)のみ、買い手が欲しい場合もあるかと思います。実務的に言えば、このようなケースは意外とあります。場合によっては、「不採算部門(事業・店舗)のみを売却したい」「儲かっていないから、それだけを引き取って欲しい」というように考える売り手もいるかと思います。一方で、「儲かっていない事業はいらないから、儲かっている事業のみ売って欲しい」という買い手もいると思いますので、部分的に会社の一部だけを譲渡しなければいけないというケースは思ったよりあるわけです。

 

 

そのような時に、株式譲渡という通常のスキームを使ってしまうと、言い方が悪いですが“いらない部分(事業)”も含めて、会社を丸ごと引き取らないといけないわけです。

 

 

 

それを避けるための1つの方法が“事業譲渡”となります。事業譲渡というスキームは、会社の一部を切り取って売買の対象とすることができるので、先ほどの“株式譲渡”の絵とは少し変わってきます。 この“事業譲渡”の売り手というのは、先ほどで言うところの対象会社になります。自分の会社の一部を切り取って、買い手に売るわけですので、対象会社が“事業譲渡”の当事者となります。

 

 

1つの会社の中にビジネスが3つあり、そのうち1つのビジネスを買い手に買ってもらう。こうなると、当たり前ですが対象会社というのは譲渡契約の当事者となりますので、譲渡代金はこの売り手である対象会社に入ってくる(支払われる)ことになります。 この点が、株式譲渡と少し違うところです。

 

 

 

このような形で、会社の一部譲渡というのが行われています。事業譲渡というのは、これはこれで便利な部分もあるのですが、デメリットもあります。理由があって、事業譲渡のスキームは使えないということがあります。しかしながら、どうしても会社の一部だけを欲しいといったニーズもあります。

 

 

そのような場合は、そもそもの売買の対象となる会社のうち、譲渡の対象としたい事業の一部のみを新しく作った会社に振る(会社を分ける)ことができるのです。 これを“会社分割”と言いますが、例えば譲渡の対象としたい会社の「一部のみを譲渡したい」とします。その一部を切り取って新しい会社に振る(会社を分ける)わけです。その新しい会社の株を売り手と買い手で売買するということを行います。このようなやり方もあるわけです。 このスキームは、弁護士の先生にしっかりと相談して、法的に問題が無いかの確認を取ってもらいたいと思います。やり方はいくらでもあるということです。

 

 

どうしても、会社とか事業の一部を譲渡しなければならないといったニーズはあるわけです。ですので、一部門を譲渡するということは比較的、頻繁に起きているということです。

 

 

[一部譲受の際に必要な情報とは?]

その際に注意しなければならないことですが、会社の一部(一部門)の譲受(譲渡)をする場合には当然ですが“当該部門の情報が必要”となります。

 

 

全社の数字(BS、PLなど)ではなくて、譲渡の対象となっている部門やお店の情報がないと話にならないわけです。なぜならば、会社全体を引き取るわけではないためです。 たとえば、全く利益が出ていない事業を譲受しようとした際に、会社全体の数字を見て「こんなに儲かっているのですか?」と言っても何も意味がないわけです。 反対に、会社全体としての業績は良くないのですが、業績の良い事業を買収して、売り手はその資金を基に、残っている会社(事業譲渡しなかった事業)を再生したいといった場合は、会社全体を見れば悪いに決まっているわけですので、「こんなに悪いのか」と考えても仕方がないのです。

 

 

ターゲットとなっているお店もしくは事業の財務状態や契約関連などを把握しなければならないわけです。そのようなことから、会社全体の財務数値を入手しても始まらないわけです。

 

 

むしろ売り手の方にとってみると、「売買の対象となっていないような事業の情報を、なんで買い手候補に出さなければいけないのか?」といった話になるわけです。そもそも会社全体は売り物でなく、会社のほんの一部が譲渡対象でしかないのに、「それ以外の情報をなぜ提供しなければならないのか?」というのは売り手の立場に立ってみれば当然のことになります。

 

 

買い手としては、譲渡対象外の情報も「提供してくれるなら欲しい」と言われる方も当然いるかと思いますが、「その情報をもらって何に使うのですか?」というところもあるわけです。お互いのメリット・デメリットのことを考えると、しっかりとフォーカスをして必要な情報を取っていくことを念頭に置いておかなければならないのです。

 

 

ですから、全社の数字がどうしても欲しいと、例えばM&Aの本に“M&Aをする際は、少なくとも全社の過去3年間分の決算書が必要”と書いてあったから「3年間分の全社の数字をください」と言っても意味がないわけです。譲渡の対象(ターゲット)となっている箇所(部門)の数字を見なければいけないということになります。

 

 

 

[一部譲受の売買金額のつけ方]

では、その一部の譲受(譲渡)の時の金額のつけ方についてですが、基本的に株式譲渡の場合と変わりません。ターゲットとなっている対象事業の財務諸表の数値をベースにバリュエーションを実施することになります。

 

 

 

これは中小企業の事例(案件)になると、実務的にネックになるところです。「部門別あるいはお店別の収支や財務状況をください」とお願いしても、現実問題として作成していない会社があります。先ほど、全社の数字を見ても仕方がないと言いましたが、全社の数字は年に1回税務申告をしなければいけないため、どの会社も基本的にはあります。しかし、対象となっている事業やお店の数字がないとなると基本的には諦めることになると思います。

 

 

 

どれくらい稼いているかさっぱり分からない、どのような資産を持っているかさっぱり分からない事業の買収は中々できません。ただし、それで諦めるのはもったいないというのであれば、我々はこのようなやり方を行います。

 

 

少なくとも売上に関しては実在していないと話になりませんので、過去の売上の実績がどれぐらいであったのかといったチェックをしてもらいます。これは財務デュー・ディリジェンスの一環でもありますが、それほど難しいことではないです。

 

 

売上が分からないのであれば、その案件は止めた方がよいかもしれません。売上が全く分からないというケースは殆んど無いので、「そのデータをベースに本当に入金されているのか?」を預金通帳などでチェックすればよいのです。そう考えればさほど難しくはないわけです。

 

 

 

では、売上だけしか分からなくて、「事業の譲渡ができるのか?」「価値の算定ができるのか?」という話ですが、買い手が買った後に「どのように経営をしていくのか?」ということを想定します。例えば、店舗を想像してもらえると分かるかもしれませんが、“意外と難しくない”のです。発生する経費と言えば賃料があります。あるいはスタッフの方の人件費、あとは店舗で使う消耗品類、あるいは飲食店などであれば部材や商材などがあると思います。あと水道光熱費など、その他もろもろです。

 

 

事業を買収した後に、「どんな経費が掛かるのか?」「どんなコストがかかるのか?」というのは意外とシミュレーションできるものなのです。自分が譲渡を受けた後に、「このような体制でやっていくのだ」と、数字もシミュレーションできるので、そのシミュレーションした数字をベースに金額を算出することが出来るわけです。

 

 

 

もちろん、売り手にとってはちゃんとした情報や数字を出し、自分たちが有利に交渉を進めるようにした方が良いに越したことはないですが、そうは言ってもそのような部門別の数字なんて今まで作ったことがない。そうなると、どうしても今回事業を売りたいというのであれば、買い手の立場に立って、協力してそのようなシミュレーションをすることもできます。

 

 

M&Aというのは多種多様の案件によって事情が異なりますので、「数字が出て こないので、情報が不足しているから買収は止めよう」というように考えるのでは少しもったいない案件もあります。必ずしも、このようなやり方で一部譲渡のM&A案件全てが上手くいくわけではないのですが、工夫の仕方によって、このようなことが出来るということを覚えて置いて頂きたいと思います。

 

 

 

事業譲渡契約は個別にリストアップしていきます。「これとこれとこれを下さい」「これとこれとこれを譲り渡します」といった契約になりますので、簿外債務を引き継ぐ必要がないのです。つまりはリスクが非常に低いのです。ただし、株式譲渡の場合は会社丸ごとになりますので、譲渡をしたときに気が付かなかった債務や負債を引き継ぐ可能性があります。事業譲渡にはそれがないので、財務のデュー・ディリジェンスについてもやり方次第では、かなりコストや工数も軽くなります。つまりは、コストや時間やリスクも取らずに、事業を譲渡することができるのです。

 

 

このようなやり方もあるのだということを皆さんには是非知っておいて頂きたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 


動画解説を見る(外部サイト)

[M&Aニュース](2019年12月16日〜12月27日)

◇みらかホールディングス<4544>、食品検査事業の日本食品エコロジー研究所を子会社化、◇アニコム ホールディングス<8715>、ペット関連インターネットサービスのシムネットを子会社化、◇フリークアウト・ホールディングス<6094>、金融保証業務子会社のGardiaを伊藤忠商事<8001>に譲渡、◇ハマキョウレックス<9037>、九州地盤に物流センター事業を手がけるシティーラインを子会社化、◇ミネベアミツミ<6479>、アナログ半導体メーカーのエイブリックを子会社化、◇アズマハウス<3293>、和歌山市にある賃貸住宅センターなど3社を子会社化、◇エスクリ<2196>、結婚式場「ラヴィマーナ神戸」の運営と衣装事業を取得 ほか

 

 

 

 

 

第一交通産業<9035>、中国専業旅行社の西日本日中旅行社を子会社化

第一交通産業は、中国専業旅行会社の西日本日中旅行社(福岡市)の株式99.8%を取得し、27日付で子会社化した。ツアー業務の企画・募集を通じた外国人観光客の取り込みとともに、上海と大連にある中国子会社との連携による相乗効果を見込む。取得価額は非公表。

 

 

 

小僧寿し<9973>、「サ高住」事業子会社の介護サポートサービスを東洋商事に譲渡

小僧寿しは、サービス付き高齢者住宅の運営事業を手がける子会社の介護サポートサービス(東京都品川区)の全株式を、業務用食品商社の東洋商事(東京都中央区)に譲渡した。小僧寿しは2016年に介護・福祉事業に参入したが、中核と位置づける持ち帰り寿司事業とデリバリー(宅配)事業に経営資源を集中する。譲渡価額は非公表。譲渡日は2019年12月26日。

東洋商事はJFLAホールディングス傘下の業務用食品商社で、病院食や介護食の卸売事業にも取り組んでいる。

 

 

 

アステラス製薬<4503>、がん免疫治療医薬品開発の米ザイフォス・サイエンシズを子会社化

アステラス製薬は27日、がん免疫治療技術を用いた医薬品の研究開発に取り組む米ザイフォス・バイオサイエンシズ(サンフランシスコ)を買収したと発表した。全株式を1億2000万ドル(約130億円)で取得し、完全子会社化した。今後、開発の進捗に応じて支払う対価と合わせると、買収金額は最大で総額6億6500万ドル(約727億円)となる。ザイフォスは2017年に設立した新興企業で、従業員は7人。独自手法により、次世代のがん免疫療法をめぐる研究開発をリードしているという。

 

 

 

ケーユーホールディングス<9856>、メルセデス・ベンツ正規販売店4店舗経営のシュテルン横浜東を子会社化

ケーユーホールディングスは、メルセデス・ベンツの正規販売店を神奈川県内で4店舗展開するシュテルン横浜東(横浜市。売上高114億円、営業利益4億5100万円、純資産146億円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

シュテルン横浜東は1988年設立で、「メルセデス・ベンツ横浜東」「同日吉」「同逗子」「同藤沢」を持つ。ケーユーホールディングスは同社を傘下に取り込むことで、メルセデス・ベンツの販売網が東京都南部、神奈川県北部、静岡県に加え、神奈川県東部、神奈川県南部に広がる。取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月31日。

 

 

 

北越コーポレーション<3865>、感熱紙製造の中国子会社「浙江越宏新材料」を合弁相手に譲渡

北越コーポレーションは、感熱紙を製造する中国合弁子会社「浙江越宏新材料有限公司」(浙江省長興県)の全出資持ち分(89.48%)を、合弁相手の上海敦普貿易中心有限合伙(上海)に譲渡した。2018年11月に合弁会社を設立し、感熱紙製造に向けて準備を進めてきたが、将来的な市場変化などを踏まえ、合弁を解消することにした。譲渡価額は非公表。

 

 

 

安楽亭<7562>、吉野家HD傘下で「ステーキのどん」「フォルクス」展開のアークミールを子会社化

安楽亭は26日、吉野家ホールディングス傘下でレストランチェーンを手がけるアークミール(東京都中央区。売上高202億円、営業利益△9億3000万円、純資産△3億3700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。アークミールは「ステーキのどん」「どん亭」「フォルクス」「donイタリアーノ」の各ブランドで、ステーキやしゃぶしゃぶのレストランを158店舗(11月末時点)運営するが、外食産業を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、業績が急速に悪化していた。2020年2月末までに買収完了を目指す。取得金額は非公表。

安楽亭は焼肉レストラン「安楽亭」「七輪房」などを中心とする飲食店を関東圏を主体に219店舗(うち直営158店舗、12月時点)を展開する。外食産業は原材料価格や人件費の上昇、消費者の節約志向の高まりなどに直面しているが、安楽亭の主要業態である焼肉とアークミールのステーキ・しゃぶしゃぶ業態の間で、食材や店舗運営など共通部分が多いことから、収益基盤を強化するうえでシナジー(相乗効果)創出が期待できると判断した。

アークミールは1970年にスーパーのダイエーが大阪府内に出店したステーキレストラン「フォルクス」を起源とする。2008年に吉野家の傘下に入った。

アークミールを子会社化する安楽亭の2019年3月期の業績は売上高163億円、営業利益1億8500万円、純資産61億1500万円。売上高が勝るアークミールを傘下に収めることで、経営規模は一挙に倍以上に拡大するが、債務超過状態のアークミールの立て直しが急務となる。

 

 

 

栗田工業<6370>、半導体分野で精密洗浄大手の米ペンタゴン・テクノロジーズを子会社化

栗田工業は、半導体分野の精密洗浄事業を手がける米ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ(カリフォルニア州)の株式を追加取得し子会社化することを決めた。現在26%の持ち株比率を51%に引き上げる。

ペンタゴン・テクノロジーズは米国内に拠点を持つ半導体メーカーと半導体製造装置メーカーを主要顧客とし、半導体精密洗浄市場で世界トップクラスのシェアを持つという。栗田工業は2019年4月に米子会社を通じてペンタゴン・テクノロジーズ株式の25%を取得した。さらに子会社化に踏み切ることで、国内精密洗浄事業との相乗効果を通じてビジネス拡大につなげる。

取得価額は58億7500万円。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

ジャパンシステム<9758>、セキュリティー事業を両備システムズに譲渡

ジャパンシステムは、ICカード認証システム「ARCACLAVIS」を中心とするセキュリティー事業を、システム構築・ソフト開発の両備システムズ(岡山市)に譲渡することを決めた。譲渡対象事業の直近売上高は6億1300万円。事業を譲渡後は両備システムズの販売代理店として「ARCACLAVIS」などの既存製品の販売とサポートを続ける。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年3月31日。

 

 

 

ピーエイ<4766>、認可保育所「ココカラ高津」をソラストに譲渡

ピーエイは、保育事業子会社のピーエイケイ(福島県郡山市)が運営する認可保育所「ココカラ高津」(川崎市。対象5カ月~5歳、定員60人)を、ソラストに譲渡することを決議した。ピーエイケイが中核とする小規模保育施設事業との相乗効果が期待通り発揮できていなかったことから、切り離す。ココカラ高津の直近業績は売上高9780万円、営業利益592万円。譲渡価額は5500万円。譲渡予定日は2020年4月1日。

 

 

 

SAMURAI&J PARTNERS<4764>、maneoのソーシャルレンディングサービスサイトの運営事業を取得

SAMURAI&J PARTNERSは、クラウドファンディングサイト「SAMURAI」を運営する子会社のSAMURAI証券(東京都港区)を通じて、maneoマーケット(東京都千代田区)が管理するソーシャルレンディング(融資仲介)サービスサイト「さくらサイト」の運営事業を取得することを決めた。「SAMURAI」の利便性や効率性を向上させるとともに、安全性の投資型プラットフォームの再構築につなげる狙い。取得価額は100万円。取得日は2019年12月25日。

取得する当該事業の業績は売上高163万円、営業利益163万円。

 

 

 

楽天<4755>、電子書籍・オーディオブック配信の米子会社OverDriveを現地投資会社に譲渡

楽天は、図書館や教育機関に電子書籍、オーディオブック、雑誌などの配信サービスを展開する米子会社OverDrive Holdings,Inc.(クリーブランド市)を、現地投資会社Aragorn Parent Corporation(ニューヨーク市)に譲渡することを決めた。経営資源配分の最適化を図る狙いという。OverDriveは1986年設立。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年1月末。

 

 

 

中電工<1941>、熱絶縁工事の昭和コーポレーションを傘下に持つホライズン1を子会社化

中電工は、投資業のホライズン1(東京都港区)の全株式を取得し子会社化することを決議した。ホライズン1傘下で、熱絶縁工事の設計・施工や断熱配管支持金具の製造を手がける昭和コーポレーション(東京都港区。売上高215億円、営業利益12億9000万円、純資産37億6000万円)を取り込むのが目的。中電工は自社の設備工事部門と昭和コーポの熱絶縁工事部門との協業を進め、総合的なサービスを提供する。昭和コーポは1954年に設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月3日。

 

 

 

サッポロホールディングス<2501>、米飲料統括持ち株会社のカントリーピュアフーズを現地投資会社BPCPに譲渡

サッポロホールディングスは、米国飲料事業を統括する持ち株会社である現地カントリーピュアフーズ(CPF、デラウエア州。売上高279億円、営業利益△7億6300万円、純資産56億6000万円)の全保有株式(所有割合51%)を、米投資会社BPCP CPF Holdings Inc.(オハイオ州)に譲渡することを決めた。サッポロは2012年に米の果汁飲料事業(米ビール市場には1963年進出)に参入したが、苦戦していた。米市場では今後は酒類事業に経営資源を集中する。CPFの合弁相手は豊田通商で、49%を出資する。譲渡価額は約40億円。譲渡日は2019年12月24日。

 

ジー・スリーホールディングス<3647>、渋谷109でショップ運営の子会社「SBY」を双葉貿易に譲渡

ジー・スリーホールディングスは、100%出資子会社のSBY(東京都品川区。売上高9億2700万円、営業利益△4260万円、△純資産4030万円)の全株式を、カラーコンタクトレンズや化粧品の卸売を手がける双葉貿易(新潟県三条市)に譲渡することを決議した。SBYは東京・道玄坂のファッションビル「渋谷109(イチマルキュー)」でエンターテインメントショップを運営する。SBY子会社で米バーガーブランド「FATBURGER」を国内展開するGreen Micro Factory(東京都品川区。売上高9190万円、営業利益△4760万円、純資産△1億3800万円)の譲渡も含まれる。譲渡価額は1円。譲渡予定日は2020年1月1日。

 

 

 

ブティックス<9272>、介護用品・健康器具のEC事業をヤマシタに譲渡

ブティックスは、介護用品や健康器具を取り扱う電子商取引サイトの管理・運営事業を、福祉用具レンタル・販売のヤマシタ(静岡県島田市)に譲渡することを決議した。競合サイトとの販売価格競争に対抗する値下げキャンペーンの実施などで収益が悪化していたことから、事業を切り離す。譲渡先のヤマシタは福祉用レンタル・販売で30年の歴史を持つ業界大手。ブティックスは今後、商談型展示会事業とM&A仲介事業に経営資源を集中させる。譲渡価額は3250万円。譲渡予定日は2020年3月31日。

 

 

 

三井E&Sホールディングス<7003>、プラント子会社の三井E&SプラントエンジニアリングをJFEエンジニアリングに譲渡

三井E&Sホールディングスは24日、プラント設計・建設を手がける傘下の三井E&Sプラントエンジニアリング(千葉市。売上高120億円、営業利益3億3500万円、純資産24億9000万円)の全株式を、JFEエンジニアリング(東京都千代田区)に2020年3月31日付で譲渡することで最終合意したと発表した。譲渡価額は非公表。経営再建中の三井E&Sは子会社などの資産売却やグループ従業員の約1割にあたる1000人規模の削減・配置転換を柱とする事業構造改革を進めており、その一環。

三井E&Sは2019年3月期に695億円の最終赤字となり、20年3月期はさらに880億円に最終赤字幅が拡大する見通し。インドネシアの火力発電所工事関連の巨額損失が経営の屋台骨を揺るがす事態となっている。

 

 

 

ネクソン<3659>、モバイル・ソーシャルゲーム開発子会社のgloopsをジーアールドライブに譲渡

ネクソンは、モバイル・ソーシャルゲーム開発子会社のgloops(東京都港区。売上高43億3000万円、営業利益△3億7400万円、純資産△9億8000万円)の全株式を、コンピューターグラフィックス制作のジーアールドライブ(埼玉県川口市)に譲渡することを決議した。ネクソンは2012年にgloopsを傘下に収めたが、当初の想定を下回る困難な経営状況が続いていた。譲渡価額は1円。譲渡予定日は2020年2月1日。

 

 

 

東芝、ニューフレアテクノロジーTOBの買付期間を10日間延長

東芝は23日、親子上場の解消を目的に半導体製造装置メーカーのニューフレアテクノロジーに対して実施中のTOB(株式公開買い付け)に関し、12月25日までとしていた買付期間を2020年1月16日まで10営業日延長すると発表した。東芝はTOB成立の条件となる買付予定数の下限を14.27%と設定し、最大で100%、最低でもすでに保有する52.4%を合わせて3分の2以上の取得を目指している。ニューフレアを巡っては東芝のTOBが不成立になった場合、HOYAが東芝を上回る買付価格でTOBを2020年4月に実施する意向を表明している。

東芝は子会社の東芝デバイス&ストレージ(東京都港区)を通じて、ニューフレアに対するTOBを11月14日に開始。一方、HOYAは12月13日に、ニューフレアへのTOBを実施すると発表した。HOYAはニューフレア株の買付価格について、東芝を1000円上回る1株1万2900万円を提示している。

東芝によるTOBが成立するかどうかについては、15.8%を保有するニューフレアの第2位株主の東芝機械の動向に注目が集まっている。

 

 

 

トーホー<8142>、業務用食品卸売の香港Suitfitを子会社化

トーホーは、香港の業務用食品卸会社Suitfit Company Limited(売上高20億7000万円、純資産4億8900万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。シンガポール、マレーシアに続く3カ所目の海外進出で、外食向けに日本食材などの業務用食品卸売事業を強化する狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月7日。

 

 

 

エディオン<2730>、プログラミング教室を運営する「夢見る」を子会社化

エディオンは、プログラミング教室を運営する夢見る(堺市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。エディオンは2018年12月からプログラミング教育事業をスタートさせており、事業拡大の一助とする。夢見るは全国100教室以上のロボットプログラミング教室を展開し、STEM教育(Science 科学・Technology 技術・Engineering 工学・Math数学)の基礎を学びながら、プログラミングや論理的思考力・問題解決力などを身につける独自のカリキュラムで知られる。

取得価額は非公表。取得日は2019年12月23日。

 

 

 

JALUX<2729>、農産物加工輸出のタイ子会社Taniyama Siamをソノリクに譲渡

JALUXは、農産物加工輸出を手がけるタイ子会社のTaniyama Siam Co., Ltd.のグループ会社保有分を含めた全株式を、物流会社のソノリク(佐賀県鳥栖市)に譲渡することを決議した。譲渡理由は明らかにしていない。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年3月16日。ソノリクは農産物の一時保管・加工・出荷・配送による一貫物流事業を展開しており、国内とタイでの農産物の流通拡大につなげる。

 

 

 

メディアスホールディングス<3154>、医療機器販売・賃貸のアクティブメディカルを子会社化

メディアスホールディングス(HD)は、医療機器の販売・賃貸を手がけるアクティブメディカル(東京都文京区。売上高171億円、営業利益2億6100万円、純資産12億5000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

メディアスHDは手術室業務支援ソフトウエア「SURGLane」や医療材料 データベース・医療材料分析サービス「meccul」などの医療機関向けサービスの拡充による医療材料の販売に加え、M&Aによる事業規模の拡大を基本方針とする。地域的には東海、首都圏、北関東、北陸、東北で基盤強化に力を入れている。アクティブメディカルは首都圏と北海道で循環器領域を中心に営業展開する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月。

 

 

 

Denkei<9908>、監視システムなど製造の新栄電子計測器を子会社化

Denkeiは、各種電子機器開発の新栄電子計測器(神奈川県藤沢市。売上高2億7500万円、営業利益△2000万円、純資産3億4600万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。新栄電子は1978年に設立し、太陽光発電所の点検・維持管理に必要なメンテナンス機器や監視システムのほか、太陽光発電モニター、耐久試験機、バッテリーテスターなど各種計測機器を手がける。日本電計は「技術商社」を旗印とし、多様な製品群を取り込み、業容拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月16日。

 

 

 

コマニー<7945>、間仕切りの中国生産子会社・格満林新型建材を現地社に譲渡

コマニーは、パーティション(間仕切り)を製造する中国子会社の格満林(南京)新型建材科技有限公司(南京市。売上高21億4000万円、営業利益△9200万円、純資産12億8000万円)の全持ち分を、現地コンサルティング会社の南京若林企業管理諮詢有限公司(南京市)に譲渡することを決議した。事業の選択と集中の一環。譲渡価額は16億8000万円。譲渡予定日は2020年1月15日。

コマニーは2012年に全額出資で格満林を設立し、パーティションの製造・販売に乗り出した。しかし、販売競争の激化で収益確保が困難な状況が続いていた。出資持ち分の譲渡に伴い、貸付金17億4500万円の債権放棄を行う予定。

 

 

 

東和薬品<4553>、スペインの後発医薬品メーカーPensaを子会社化

東和薬品は23日、スペインの後発医薬品メーカーPensa Investments, S.L. (カタルーニャ州、売上高325億円、営業利益2億4200万円、純資産291億円)の全株式を取得し子会社化すると発表した。欧米での販売網とともに、生産面でも欧州に拠点を確保して、海外展開を本格化する。取得価額は320万ユーロ(約389億円)。2020年1月末までの取得完了を目指す。

Pensaはスペインの大手医薬品メーカー、Esteve グループの傘下にあり、グループの後発医薬品事業を手がける。Pensa の後発医薬品事業は1999年にスタートし、現在、20カ国以上で300品目以上を提供している。2009年には同業の米Breckenridge Pharmaceutical Inc.を買収した。

東和薬品はPensaを傘下に取り込むことで、欧州の事業基盤とともに、米での後発医薬品市場への参入も果たす。

 

 

 

ジューテックホールディングス<3157>、プレカット加工や建築資材卸の角野産業を子会社化

ジューテックホールディングスは、プレカット加工・販売や建築資材の卸売りを手がける角野産業(堺市。売上高29億5000万円、営業利益3100万円、純資産13億4000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。関西での事業基盤強化が狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月6日。

 

 

 

ニチレキ<5011>、埋設型伸縮装置を製造するヒートロック工業を子会社化

ニチレキは、橋梁工事に使われる埋設型伸縮装置を製造するヒートロック工業(新潟市)の全株式を取得し子会社化した。橋面舗装・防水事業のメニュー拡大や既存事業との相乗効果を見込む。取得価額は非公表。取得日は2019年12月23日。

 

 

 

Eストアー<4304>、ECサイト構築ソフト開発のコマースニジュウイチを子会社化

Eストアーは、ヤフー子会社でEC(電子商取引)サイト構築ソフトウエアを開発するコマースニジュウイチ(コマース21、東京都港区。売上高20億3000万円、営業利益3億6200万円、純資産7億8300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

コマース21が強みとするパッケージ型インテグレーションECシステムを取り込むことで、大企業から中小企業まで様々なニーズに対応したECシステムの品ぞろえを強化する。

取得価額は13億200万円。取得予定日は2020年1月29日。

 

 

 

ツクイ<2398>、アサヒサンクリーンから訪問看護事業を取得

ツクイは、介護事業を展開するアサヒサンクリーン(静岡市)から訪問介護事業を取得することを決議した。取得対象は訪問介護事業所10カ所で、当該事業の直近売上高は6億4500万円。取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

ツクイは1983年に訪問入浴を開始して介護事業に参入した。その後、訪問介護やデイサービス、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などに事業を展開してきた。

 

 

 

メドピア<6095>、医療品・医療機器コンテンツ制作のコルボを子会社化

メドピアは、医療品・医療機器コンテンツの企画制作を手がけるコルボ(東京都中央区。売上高14億6000万円、営業利益1100万円、純資産3億5000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。取得価額は5億4550万円。取得予定日は2020年1月1日。

メドピアは医師専用コミュニティーサイト「MedPeer」を運営し、医薬品の口コミ情報や症例相談、Web講演会などの各種コンテンツを提供する。現在、MedPeerには12万人の医師(国内医師の3人に1人)が会員登録する。現在、MedPeerを軸に、製薬企業におけるマーケティング戦略の策定からコンテンツ制作、配信、効果検証までのワンストップサービスの実現に力を入れている。

コルボは1993年に創業し、専門性の高い学術情報部、製薬協コードや関連法規制に通じた校閲・校正チーム、グラフィックス・映像からスペースデザインまで実現する制作部を社内に持ち、医療品・医療機器のコンテンツ制作で実績を積んできた。

 

 

 

ユニゾホールディングス<3258>、従業員による買収(EBO)で非公開化

ユニゾホールディングスは22日、従業員による買収(EBO=エンプロイー・バイアウト)を実施して非公開化すると発表した。従業員と米投資ファンドのローン・スターが出資する新会社がユニゾに対してTOB(株式公開買い付け)を行い、全株式の取得を目指す。ユニゾをめぐっては現在、ソフトバンクグループ傘下の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOBが8月以降現在も進行中だが、ユニゾ株の買付価格としてフォートレスを1000円上回る5100円を提示した。買付代金は最大1745億円。

ユニゾ株の買付主体となるチトセア投資(東京都中央区)はユニゾ従業員が73%、ローン・スターが27%を出資して設立した。買付価格5100円は先週末(20日)のユニゾ株の終値4900円に約4%のプレミアムを加えた設定。最大100%(3422万126株)、最低でも3分の2以上(2281万3400株)の取得を目指す。買付資金はローン・スターが支援する。

買付期間は12月24日~2020年2月4日。買付代理人は東海東京証券。

ユニゾに対しては現在、フォートレスによるTOBが進行中。別途、ユニゾは米投資会社のブラックストーンをはじめ、国内外の投資ファンドや事業会社との間で買収提案に関する協議を進めていたが、今回の従業員主導によるTOB開始に伴い、フォートレスを含めて一連の協議を終了する。

今回のTOBが成立すれば、小崎哲資ユニゾ社長はじめ、グループのすべての取締役、監査役、執行役員が2020年3月16日付で辞任する予定。

 

 

 

放電精密加工研究所<6469>、タイのアルミ押出用金型合弁会社を子会社化

放電精密加工研究所は、アルミ押出用金型製造のタイ合弁会社KYODO DIE-WORKS(KDT)の株式を追加取得して子会社化することを決めた。1987年に現地得意先と折半出資でKDTを設立したが、従来50%だった持ち株比率を51%に引き上げる。金型製造に加え、近年は自社開発のサーボプレス機や機能性塗料などの拡販に力を入れており、経営のスピードを速めるには子会社化が欠かせないと判断した。今後、社長を派遣するなど経営資源を投入し、業績拡大を目指す。取得価額は1300万円。取得予定日は2020年1月24日。

 

 

 

スペースシャワーネットワーク<4838>、音楽ソフト企画・制作子会社のPヴァインをMBOで譲渡

スペースシャワーネットワークは、音楽ソフト企画・制作と音楽著作権管理を手がける100%子会社のPヴァイン(東京都渋谷区。売上高6億500万円、純資産7億1500万円)の全株式を、Pヴァインの水谷聡男社長が設立したニュースクール(東京都世田谷区)に2020年3月31日までに譲渡することを決めた。MBO(経営陣が参加する買収)の一環で、水谷氏から譲渡の申し出があったという。譲渡価額は非公表。スペースシャワーネットワークは子会社売却損8億9600万円を2020年3月期決算に計上する。

 

 

 

SGホールディングス<9143>、中国物流企業の上海虹迪物流科技を子会社化

SGホールディングスは、中国上海を拠点に物流事業を手がける上海虹迪物流科技股份有限公司(RUNBOW、売上高79億9000万円、営業利益5億4200万円、純資産47億1000万円)の株式 70%を取得し子会社化することを決議した。中国の日系進出企業への物流サービスの向上が狙い。RUNBOWは上海、成都、武漢、西安、天津、瀋陽に物流拠点を構え、アパレルとケミカル分野に強みを持つという。取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

ケアサービス<2425>、クレアバーグから訪問看護事業を取得

ケアサービスは、不動産売買・仲介のクレアバーグ(東京都江戸川区)が手がける訪問看護事業を取得することを決議した。ケアサービスは東京23区に出店を集中するドミナント戦略を通じて在宅介護事業を強化しており、その一環。取得するのは江戸川区と墨田区にある訪問介護事業所2カ所で、当該事業の直近売上高は4900万円。取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月1日。

 

 

 

宇部興産<4208>、山口市内のゴルフ場「宇部72カントリークラブ」を市川興業に譲渡

宇部興産は、傘下の宇部興産開発(山口市)が運営するゴルフ場事業を、市川興業(東京都練馬区)に譲渡することを決めた。ゴルフ場名は「宇部72カントリークラブ」(山口市)。宇部興産開発が設立した同名の新会社が事業を引き継いだうえで、新会社の全株式を譲渡する。

宇部72カントリークラブは1960年に営業開始し、4コースを持つ西日本最大級のゴルフ場とされてきたが、プレー人口が減少する中で、厳しい経営が続いていた。宇部興産は譲渡に伴い約48億円の特別損失を2020年3月期決算に計上する。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年3月2日。

 

 

 

ヤマノホールディングス<7571>、個別指導塾「スクールIE」FC加盟店大手のマンツーマンアカデミーを子会社化

ヤマノホールディングス(HD)は、個別指導塾「スクールIE」のFC(フランチャイズ)加盟店事業を手がけるマンツーマンアカデミー(千葉県旭市。売上高6億1800万円、営業利益3600万円、純資産7億3700万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ヤマノHDは美容事業・和装宝飾事業・DSM(訪販)事業を展開するが、新分野開拓に向けてM&Aの取り組みを強化中。創始者・山野愛子の事業の原点が「美容」と「教育」であることを踏まえ、教育を成長分野と位置づける。

マンツーマンアカデミーは、やる気スイッチグループ(東京都中央区)が全国展開する個別指導塾「スクーIE」のFC加盟店事業を主力とし、関東圏(千葉県、茨城県、埼玉県)で36店舗(2019年11月時点)を運営。FC加盟店としては20年以上、生徒数全国トップの実績を誇るメガフランチャイジーという。今後は全国規模で出店エリアの拡大を検討している。

取得価額は4億9300万円。取得予定日は2020年3月2日。

 

 

 

SHIFT<3697>、データ分析の分析屋を子会社化

SHIFTは、データ分析やシステム構築事業を手がける分析屋(神奈川県藤沢市。売上高5億7000万円、営業利益1910万円、純資産1160万円)の全株式を取得し子会社化した。顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みに伴う課題分析やビッグデータ分析基盤の構築につなげる。分析屋は2011年に設立し、医療業界やマーケティングにおける分析領域で実績とノウハウを持つ。取得価額は非公表。取得日は2020年12月20日。

 

 

 

イード<6038>、学研プラスからアニメ出版事業を取得

イードは、学研ホールディングス子会社の学研プラス(東京都品川区)からアニメ出版事業などを取得することを決議した。取得するのはアニメ専門月刊誌「アニメディア」、声優専門誌「声優アニメディア」、男性向けアニメ専門誌「メガミマガジン」、ウェブメディア「超!アニメディア」の運営に関する事業。取得価額は未定。取得予定日は2020年2月1日。

イードはアニメに特化したウェブメディアとして「アニメ!アニメ!」「アニメ!アニメ!ビズ」を運営する。

 

 

 

新田ゼラチン<4977>、コラーゲンケーシング製造の米子会社を現地社に譲渡

新田ゼラチンは、コラーゲンケーシングを製造する米子会社ニッタケーシングズ(ニュージャージー州。売上高44億9000万円、営業利益△9500万円、純資産△1億6100万円)の全株式を、人工ケーシングメーカーの米Viscofan(アラバマ州)に譲渡することを決議した。事業の選択と集中の一環。

新田ゼラチンはカナダにある子会社ニッタケーシングズ(カナダ)(オンタリオ州、売上高4億5400万円、営業利益―、純資産8100万円)の全株式も同時に譲渡する。譲渡価額は2社合計で14億5600万円。譲渡日は2019年12月19日。

 

 

 

ソフィアホールディングス<6942>、和歌山県で調剤薬局を経営する「わかば薬局」を子会社化

ソフィアホールディングスは、調剤薬局のわかば薬局(和歌山県御坊市。売上高2億6800万円、営業利益348万円、純資産2110万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。わかば薬局は御坊市1店舗、岩出市(和歌山県)1店舗を持つ。取得価額は9172万円。取得予定日は2020年2月1日。

 

 

 

新東京グループ<6066>、産業廃棄物業者のグリーンシステムズを子会社化

新東京グループは、産業廃棄物業者のグリーンシステムズ(川崎市。売上高1億2200万円、営業利益△200万円、純資産△2900万円)の全株式を取得し子会社化した。12月19日付。取得価額は200円。新東京グループは今年4月に民事再生手続き中のグリーンシステムズに対する再建支援スポンサー契約を結んでいた。

 

 

 

長谷工コーポレーション<1808>、細田工務店<1906>をTOBで子会社化

長谷工コーポレーションは19日、戸建住宅分譲の細田工務店(ジャスダック上場)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化すると発表した。長谷工はマンション建築最大手だが、戸建住宅分野への本格進出に向けた足がかりとする。細田工務店はTOBに賛同する意見を表明している。

細田工務店株式の買付価格は1株あたり130円で、TOB公表前日の終値121円に7.44%のプレミアムを加えた。買付期間は12月20日~2020年2月4日。買付代金は最大約24億3600万円。買付予定数の下限は所有割合で66.67%。決済の開始日は2020年2月12日。買付代理人は大和証券。

細田工務店は1947年に創業し、1957年に法人化した。木造戸建住宅の開発・分譲を主力とし、2004年にジャスダックに上場した。用地取得競争の激化による仕入原価の上昇や供給過多に伴う販売価格の下落などが重なり、厳しい経営環境が続いていた。

 

 

 

米フォートレスの対ユニゾTOB、1月8日まで9度目の期間延長

不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対して子会社を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施中の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループは18日、12月27日を期限としていた買付期間を2020年1月8日まで営業日ベースで3日延長すると発表した。8月19日にTOBを始めて以降、買付期間の延長は9度目。これにより、買付期間は93日に及ぶとともに、越年が決定した。11月15日に買付価格を当初の4000円から4100円に100円引き上げて以降では4度目の延長。

18日のユニゾ株の終値は前日比10円安の4895円。市場価格が買付価格を大きく上回り、TOB成立が依然難しい状況が続いている。一方、ユニゾはフォートレスとの間で買付価格を5000円に引き上げるよう求めて協議を継続している。

 

 

 

GameWith<6552>、アットフリークスのゲーム攻略情報サービス「@WIKI(アットウィキ)」を取得

GameWithは、アットフリークス(和歌山市)からゲーム攻略情報に特化した掲示板サービス「@WIKI(アットウィキ)」事業を取得することを決議した。これに伴い、同事業を継承する新会社としてアットウィキ(東京都港区)を設立した。当該事業の直近売上高は1億200万円。取得価額は非公表。取得予定日は2019年12月25日。

GameWithはスマホゲームの情報サイト「GameWith」を運営している。

 

 

 

いすゞ自動車<7202>、ボルボと提携しUDトラックスを買収

いすゞ自動車は18日、スウェーデンの商用車大手、ボルボと業務提携し、ボルボ子会社のUDトラックス(旧日産ディーゼル工業、埼玉県上尾市)を買収すると発表した。2000年末までにUDトラックスの全株式の取得を目指す。買収金額は今後詰めるが、いすゞはUDトラックスの事業価値について2500億円程度と見積もっている。

自動車業界は100年に一度といわれる変革期を迎え、商用車分野でも電動化や自動運転など「CASE」と呼ばれる先進技術への対応が待ったなしとなっており、いすゞとボルボの両社は長期的な協力関係の構築で一致した。技術開発面での相互補完をはじめ、日本・アジアを中心とした海外市場での大型トラック事業の強化、物流革命に向けた中・小型トラックの協業可能性の追求などに取り組む。

一連の提携の第一弾がいすゞによるUDトラックスの子会社化。同社の全株式とUDブランドで展開している海外事業を取得する。UDトラックスは中・小型トラックに強みを持ち、旧日産ディーゼル工業時代の2007年にボルボの傘下に入り、2010年に現社名に変更した。

 

 

 

プロルート丸光<8256>、コンサートグッズ制作のSanko Advanceを子会社化

プロルート丸光は、アーティストのコンサートグッズの版権管理などを手がけるSanko Advance(東京都港区。売上高―、営業利益―、純資産98万8000円)を株式交換で完全子会社化することを決議した。Sankoは2018年10月に設立したばかりだが、将来の成長性が有望と判断した。

Sankoはコンサートグッズの製造・販売に関する権利を生産者に許諾し、その対価として商品販売額の一定額をローヤルティーとして受け取る事業を主力としている。コンサートグッズの市場規模は現在約800億円とされる。

株式交換比率はプロルート丸光1:Sanko1450で、Sankoの1株に対してプロルート丸光の1450株を割り当てる。株式交換予定日は2020年1月20日。

 

 

 

富士フイルムホールディングス<4901>、日立から画像診断関連事業を1790億円で買収

富士フイルムホールディングスは18日、傘下の富士フイルムを通じて、日立製作所の画像診断関連事業を買収すると発表した。買収金額は1790億円。日立が展開するCT(コンピューター断層撮影装置)、MRI(核磁気共鳴断層撮影装置)、X線診断装置、超音波診断装置など世界クラスの製品群を取り込み、メディカルシステム事業の拡大を目指す。

日立は新会社を設立して対象事業(2019年3月期の売上高は1432億円)を移管し、そのうえで富士フイルムが新会社の全株式を取得する。2020年7月1日の買収完了を予定する。

 

 

 

昭和電工<4004>、日立化成<4217>を9640億円投じてTOBで子会社化へ

昭和電工は18日、日立製作所傘下で東証1部上場の日立化成に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。日立化成の株式51.24%を保有する親会社の日立はTOBに応募することで合意している。買収金額は最大9640億円。今年の日本企業がかかわるM&Aとして、豪ビール大手を約1兆2000億円で買収することを決めたアサヒグループホールディングスの案件に次ぐ2番目の規模となる。

日立は社会インフラ事業やIoT(モノのインターネット)事業に経営資源を集中させる方針に基づき、グループ子会社の見直しを進めていた。日立化成は1962年に日立から分離独立して発足した中核子会社で、エレクトロニクス関連の機能材料などに強みを持つ。

日立化成株式の買付価格は1株につき4630円。TOB公表前日の終値4080円に13.48%のプレミアムを加えた。買付予定数の下限は議決権ベースで3分の2にあたる1億3881万3300株。昭和電工は買付主体となるHCホールディングス(東京都港区)を設立した。

買い付けは2020年2月開始を目指す。買付代理人はみずほ証券。

 

 

 

ヒビノ<2469>、イベント用映像・音響システム企画立案のシグマ映像を子会社化

ヒビノは、イベント用映像・音響システムの企画立案を手がけるシグマ映像(横浜市。売上高8億9000万円、営業利益1億1900万円、純資産6億円6400万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

シグマ映像は1990年に設立し、展示会や企業イベントなどの大型映像サービスを主力とする。日本では特定複合観光施設区域整備法の成立で、IR(統合型リゾート)施設建設に向けた動きが出ているが、IRでは大規模なMICE施設(国際会議場、展示場)を含むことが要件となっている。ヒビノはシグマ映像を傘下に取り込むことで、MICE市場の拡大に照準を合わせ、大型映像サービスの対応力強化を目指す。

取得価額は6億9500万円。取得予定日は2020年2月1日。

 

 

 

テクノスジャパン<3666>、CRM関連ソフト会社のアックを子会社化

テクノスジャパンは、ソフトウエア関連のアック(大阪市。売上高5億9400万円、営業利益5500万円、純資産1億4300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

アックは1991年に設立。CRM(顧客管理システム)のリーディング企業である米セールスフォース・ドットコムのクラウド関連サービスとERP(統合基幹業務システム)関連サービスを主力とする。近年、ビッグデータの活用が経営課題となり、CRM分野の重要性が一段と増している。こうした中、テクノスジャパンはアックを傘下に取り込み、CRM関連の事業強化を目指す。

取得価額は3億2200万円。取得予定日は2020年1月10日。

 

 

 

エスクリ<2196>、結婚式場「ラヴィマーナ神戸」の運営と衣装事業を取得

エスクリは、ラヴィマーナ神戸(神戸市)が手がける結婚式場「ラヴィマーナ神戸」の運営と扇屋(大阪市)が同施設で営む衣装事業を取得することを決議した。ラヴィマーナ神戸の宮里武司社長が扇屋を兼務し、両社は一体的に事業を行う関係にある。取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月1日。「ラヴィマーナ神戸」は神戸空港島(神戸市)の西岸に位置し、約5万2000平方メートルの敷地に2つの独立型チャペル、貸し切り可能な4つのヴィラ(宿泊所)を含む9つのパーティー会場で構成する。

 

 

 

アズマハウス<3293>、和歌山市にある賃貸住宅センターなど3社を子会社化

アズマハウスは、不動産賃貸事業の賃貸住宅センター(和歌山市。売上高4億900万円、営業利益6770万円、純資産3億1000万円)などグループ3社を子会社化することを決議した。アズマハウスは和歌山市に本社を置き、住宅建設を中心に不動産賃貸事業や土地分譲などを手がけ、対象3社とは取引関係にある。

子会社化するのは賃貸住宅センターのほか、不動産管理事業のシージェーシー管理センター(同。売上高3億9100万円、営業利益7770万円、純資産3億1000万円)、リフォーム工事のアイワライフネット(同。売上高8億6800万円、営業利益1億4200万円、純資産8億5800万円)。3社の株式をそれぞれ70%取得する。3社の社長はいずれも塚本治雄氏が務める。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月31日。

 

 

 

ミネベアミツミ<6479>、アナログ半導体メーカーのエイブリックを子会社化

ミネベアミツミは17日、アナログ半導体メーカーのエイブリック(千葉市。売上高328億円、営業利益41億7000万円、純資産234億円)を買収すると発表した。エイブリックの親会社で70%の株式を保有する日本政策投資銀行と30%の株式を持つセイコーインスツル(千葉市)から全株式を343億9300万円で取得する。医療機器向けのアナログ半導体の拡販や、カーインフォテイメントと呼ばれる次世代車載情報通信システム市場でのシェア向上を目指す。

エイブリックは電源用IC、リチウムイオン電池保護IC、車載用EEPROM(不揮発性メモリーの一種で、書き換え可能)、医療機器用超音波イメージングICなどを中心に小型、低消費電力の高精度アナログ半導体を生産している。2015年にセイコーホールディングスグループのセイコーインスツルから半導体事業を分社し、エスアイアイ・セミコンダクタとして独立。2018年1月に共同出資相手の政投銀が持ち株比率を70%に高め、筆頭株主になったのを機に、現社名に変更した。

ミネベアはアナログ半導体を主力事業の一つとし、産業・住宅機器市場に強みを持つ。医療機器や車載機器向けに特徴のある製品群を展開するエイブリックとは足りない分野を相互補完できる製品構成であることなどから、幅広く相乗効果が期待できると判断した。

買収完了時期は2020年7月ごろを想定している。また、ミネベアは買収後のエイブリックの業績に応じて、最大15億円の追加支払いを行うことで合意している。

 

 

 

ハマキョウレックス<9037>、九州地盤に物流センター事業を手がけるシティーラインを子会社化

ハマキョウレックスは、物流センター事業を手がけるシティーライン(福岡県志免町。売上高20億2000万円、営業利益5100万円、純資産2億8100万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

シティーラインは1984年設立で、福岡県を中心に九州を地盤として、ラストワンマイル(最寄拠点から利用者の間)や医療関連の運送業務を軸に物流サービスを提供している。ハマキョウレックスは同社を取り込み、九州地区での事業拡充につなげる。

取得価額は非公表。取得日は2019年12月17日。

 

 

 

フリークアウト・ホールディングス<6094>、金融保証業務子会社のGardiaを伊藤忠商事<8001>に譲渡

フリークアウト・ホールディングスは、金融関連保証業務を手がける子会社のGardia(東京都港区。売上高10億5000万円、営業利益1億8400万円、純資産1億4700万円)の株式90%を、伊藤忠商事に譲渡することを決議した。豊富な資金力を持つ伊藤忠主導の下、共同経営体制に移行する。フリークアウトは2018年12月に伊藤忠と資本業務提携している。譲渡価額は2億円。譲渡予定日は2019年12月17日。

Gardiaは2017年10月設立で、①飲食店などを無断キャンセルのリスクから守るリスク保証サービス、②Visaプリペイドカードなどに対して保証付き後払い決済を行うペイメントサービスを提供している。

 

 

 

アニコム ホールディングス<8715>、ペット関連インターネットサービスのシムネットを子会社化

アニコム ホールディングスは、ペット関連インターネットサービスの企画・開発を手がけるシムネット(仙台市)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

シムネットは2001年設立で、同社子会社がブリーダーマッチングサイト「みんなのブリーダー」「みんなの子猫ブリーダー」などを運営する。アニコムはペット保険事業を主力とし、近年は遺伝子検査を通じて安心してペットを飼育できる環境の提供に力を入れている。今回、シムネットを傘下に取り込むことで、ブリーダーとの接点を確保し、事業拡大につなげる。

 

 

 

みらかホールディングス<4544>、食品検査事業の日本食品エコロジー研究所を子会社化

みらかホールディングス(HD)は、食品検査事業を手がける日本食品エコロジー研究所(神戸市)の全株式を取得し子会社化することを決議した。みらかHDは今年6月に東京都内に新会社を設立し、食品検査事業に再参入した。関西を地盤とする日本食品エコロジーを傘下に取り込み、食品検査事業の拡大を目指す。取得価額は非公表。取得予定日は12月中。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[M&A案件情報(譲渡案件)](2019年12月24日)

-以下のM&A案件(3件)を掲載しております-

 

●【特長あり・財務内容良好】ブライダルプロデュース事業

[業種:ブライダルプロデュース事業/所在地:関西地方]

●教育関連や大学を顧客とし、底堅い経営をしている広告業

[業種:広告業/所在地:西日本]

●スポーツサイクルの輸入販売/ブランド製品・ノーブランド製品を取扱う

[業種:スポーツサイクルの輸入販売/所在地:関西地方]

 

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案件No.SS005664
【特長あり・財務内容良好】ブライダルプロデュース事業

 

(業種分類)その他

(業種)ブライダルプロデュース事業

(所在地)関西地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)ブライダルプロデュース事業

 

〔特徴・強み〕

◇式場運営無し

 

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案件No.SS005267
教育関連や大学を顧客とし、底堅い経営をしている広告業

 

(業種分類)出版・印刷・広告

(業種)広告業

(所在地)西日本

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)広告業

 

〔特徴・強み〕

◇学校法人を主に顧客としており、高い評価を受けている。
◇堅実な経営を手掛けており、着実に利益を積み上げている。

 

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案件No.SS004918
スポーツサイクルの輸入販売/ブランド製品・ノーブランド製品を取扱う

 

(業種分類)商社・卸・代理店

(業種)スポーツサイクルの輸入販売

(所在地)関西地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)事業譲渡

(事業概要)スポーツサイクルの輸入販売(ブランド製品・ノーブランド製品ともに扱う)

 

〔特徴・強み〕

◇有名ブランドとのライセンス契約を持つメーカーと取引あり(=日本市場での販売権)
◇取引先数の多さ

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

 

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[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「非上場株式の譲渡に当たり交渉支援、契約内容の検討等を依頼した弁護士費用等について」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】M&Aに伴う手数料の処理

■【Q&A】税理士事務所の事業承継と一時払金の処理

 

 

 


[質問]

非上場会社M社のオーナー社長A(持株比率100%)は、この度上場企業P社より、M社株式の全株購入(買収)を持ち掛けられ、提案を前向きに検討し、弁護士B及び公認会計士Cにその交渉支援、契約内容の法的チェック等を依頼することになりました。この場合の弁護士費用等は、株式譲渡に係る譲渡費用と解して問題ないでしょうか。

 

 

 

[回答]

所得税基本通達33-7は、譲渡費用の範囲について仲介手数料、運搬費等を例示したうえで「・・・当該譲渡のために直接要した費用」とする旨明らかにしております。

 

おたずねの弁護士費用等をA氏のM株式の譲渡に係る譲渡費用とすることができるかどうかもこの取扱いに照らし、M株式譲渡のために直接要した費用であるかどうかを検討しその可否を判断することになります。したがって、A氏がM株式の譲渡に当たりB弁護士およびC公認会計士に対して支払った費用をM株式の譲渡に係る譲渡費用に算入できるかどうかは、支払った費用別にそれぞれその支払いがM株式を譲渡するために直接要するものであったかどうかを検討してその可否を判断する必要があります。

 

国税庁のホームページの質疑応答事例によると、譲渡代金の取立てに要した弁護士費用や譲渡資産に係る訴訟に際し支払った弁護士費用については、いずれも譲渡に直接要した費用であるとは認められないので譲渡費用に該当しないと回答しております。

 

ご照会の事例の支払費用についても交渉支援、法的チェック等の詳細について検討したうえで、それらがM株式を譲渡するために欠かせないものであったかどうかにより譲渡費用に該当するかどうか判断すべきものと考えます。

 

株式の譲渡に備えて一般的な事項について関与を求めてその報酬として支払ったものであるとすると、それをM株式の譲渡費用に該当するとの結論には賛否両論があるのではないかと思われ、賛否のいずれによるかは当事者A氏の考えによることになるのではないかと考えます。

 

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2019年10月7日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。

 

 

 

 


[解説ニュース]

相続人が米国の連邦所得税上の居住者である場合の手続、報告義務等

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田 房枝/税理士)

 

【前提】

父(日本国籍・日本在住)が死亡しました。相続人である長男(日本国籍)は、仕事の関係で2年前から米国に住んでおり、日本の市区町村に住民登録はありません。父の財産は、すべて日本の国内財産であり、長男はそのうち1,500万円ほどを相続予定です。

 

〔Q〕日本の相続税法における納税義務者と課税財産の範囲について教えてください。

〔A〕日本の相続税法では、被相続人が日本国籍かつ日本在住であれば、相続人の国籍や居住地に関係なく、相続人は日本の無制限納税義務者となり、相続により取得した国内財産・国外財産すべてに対して、日本の相続税が課税されます。本問の場合、長男は、相続により取得した財産すべてに対して、日本の相続税が課税されます。

 

 

〔Q〕米国の連邦遺産税における納税義務者と課税財産の範囲について教えてください。

〔A〕米国の連邦遺産税では、被相続人が米国市民又は米国居住者でなければ、被相続人は米国の制限納税義務者となり、被相続人の財産のうち、米国国内にある財産のみに対して、連邦遺産税が課税されます。
本問の場合、被相続人である父の財産は日本国内にしかないということですので、米国で連邦遺産税が課税される財産はありません。

 

 

〔Q〕日本の相続税の申告をする上で相続人の住民票や印鑑証明が必要な場合、日本の市区町村に住民登録がない長男はどうすればよいですか?

〔A〕米国の日本大使館や領事館で、住民票に代わる書類として在留証明書の、印鑑証明に代わる書類として署名証明書の発行を受けることができます。
在留証明は、どこに住所を有しているかを証明するものです。また、署名証明は、領事の面前で行われた私文書上の署名が申請された本人のものであることを証明するものです。

 

 

〔Q〕米国の居住者である長男にとって、相続後に米国で必要となる手続はありますか?

〔A〕上述のとおり、本問の場合には連邦遺産税は課税されません。しかし、米国の居住者である長男には次のような報告義務があります。怠った場合のペナルティもあるため、提出を忘れないよう、留意が必要です
(出所:税理士法人タクトコンサルティング編『Q&A国際相続の実務と国外転出時課税』Q125日本法令)。

 

 

(1) IRSへ相続財産の報告


①報告(Form 3520)
米国の居住者は、米国の非居住外国人から年間10万ドルを超える財産を相続や贈与により取得した場合には、原則として翌年4月15日までに、IRS(米国内国歳入庁)へ報告しなければなりません。

 

②ペナルティ
無申告や期限後申告の場合には、1万ドル以下の罰金が科されることがあります。

 

 

(2) 米国財務省へ米国外金融資産の報告


①報告(FinCEN Form 114)
米国の居住者は、米国外にある金融資産の年度内最高残高が1万ドルを超える場合には、翌年4月15日までに、米国財務省へその情報を報告しなければなりません。

 

② ペナルティ
報告漏れが意図的でないと認められる場合には1万ドル以下の罰金が、意図的に隠ぺいしたと判断される場合には10万ドル又は総資産残高の50%の大きいほうの金額以下の罰金が科されることがあり、さらに刑事罰が適用されるケースもあります。

 

 

(3)IRSへ米国外金融資産の報告


①報告(Form 8938)
米国の居住者は、米国外にある金融資産の合計残高が年度内に7.5万ドル超又は年末に5万ドル超(夫婦合算申告の場合はそれぞれ倍額)である場合には、翌年4月15日までに、IRSへその情報を報告しなければなりません。

 

②ペナルティ
報告漏れがあった場合等には、6万ドル以下の罰金が科されることがあり、さらに刑事罰が適用されるケースもあります。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/12/23)より転載

[M&A担当者がまず押さえておきたい10のポイント]

第3回:売却するならどこがいい? -同業他社?大企業?ファンド?-

 

[解説]

松本久幸 公認会計士・税理士(株式会社Stand by C)

大和田寛行 公認会計士・税理士(株式会社Stand by C)

 

 

▷第2回:売却したいけれどどうしたらいい?  -会社を売却すると決めたら-

▷第4回:「事業譲渡と株式譲渡」どっちがいいの?-M&Aのスキーム-

▷第5回:実際に売却するときの留意点は?-DDの受入れや価格交渉-

 


会社を売却することを決めて、買い手候補先を探す場合に、どういった先がよいでしょうか?

 

前章にあったように、懇意にしている取引先がいて、そこが買い手候補先となってくれるというようなケースは、事業の内容もよくわかっているでしょうし、従業員もあの取引先であればと安心するでしょう。

 

しかし、そのような身近なところに買い手候補先があるケースは稀です。そうなると、顧問税理士や取引銀行、またはM&A仲介会社等にある程度幅広く買い手候補を探してもらうことになります。その場合にまず聞かれるのが、どういった先に売却することが、会社として、または、会社オーナーとして望ましいと考えるか、ということです。

 

 

会社の事業を継続して従業員や取引先も今まで通りの関係を継続して、ということになると、同業者や近い事業をしている事業会社が望ましい、ということになります。その場合に、買い手候補先の規模が小さ過ぎたり、資金力がなかったり等、何らかの不安があるような会社であれば買い手候補先としては不十分となってしまうでしょう。

 

最近の傾向としては、資金力もあって事業運営もしっかりしていて、人材も経営資源も豊富な上場会社が、自社の事業と近い事業を営む会社を買収するということが多くなっています。ですので、まずは自社と近い事業を営んでいる上場会社(またはそれに準ずる企業)から探してみる、ということが最初に考えられるステップです。

 

 

また、事業会社ではないものの、近年は様々な企業を買収して、種々の施策を打ってより良い会社にしていくことを目的とするファンドに売却するケースも増えています。事業会社では事業面や資金面での様々な制約があって売買条件が納得いくものとはならないようなケースであっても、ファンドであればそのような制約を乗り越えて納得のいく条件を提示してくれる、というケースもあります。

 

また、一昔前までは、ファンドという響きに対してネガティブなイメージもありましたが、最近はファンドもM&Aの有力な受け皿であるということが一般的に認知されてきておりますし、ファンド自体もそういったイメージを払拭しようとしていますので、以前ほどファンドに売却することを躊躇うケースは減っているのではないかと思われます。

 

そのため、まずは同業や近い業種の比較的規模の大きな事業会社を買い手候補先として探しながら、条件次第ではファンドにも接触する、というようなケースが多く見受けられるようになってきています。

 

 

 

 

どちらに売却するにしても、売却する側としては、会社が将来に向かって発展していくことを望むでしょうから、買い手候補先の将来のビジョンや当該M&Aの目的について、きちんと説明を受けた上で、売却する相手先を決めることが必要となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[氏家洋輔先生が解説する!M&Aの基本ポイント]

第1回:「M&Aの概要」「M&Aの流れと専門家の役割」を理解する

~M&Aとは?M&Aの流れと専門家の役割とは?~

 

〈目次〉

1、M&Aとは?

2、M&Aの流れと専門家の役割とは?

① 売手企業と買手企業のマッチング

② IM(Information Memorandum)の作成

③ 売手企業に対するデューデリジェンス、バリュエーショ

④ 株式譲渡契約の締結

3、まとめ

 

〈解説〉

公認会計士・中小企業診断士 氏家洋輔

 

 

▷関連記事:財務デューデリジェンス(財務DD)の費用の相場とは?

▷関連記事:中小企業のM&Aの売手の流れ、買手の流れとは?

▷関連記事:事業引継ぎ支援センターとは?どのような相談ができる?

 

1、M&Aとは?


M&A(Mergers and Acquisitions)にはいくつかの種類がありますが、大きくは「会社の全部を譲渡する方法」と「会社の一部だけを譲渡する方法」の2つの方法に分けることができます。

 

前者の会社の全部を譲渡するスキームには「株式譲渡」「株式交換・株式移転」「合併」があり、後者の会社の一部を譲渡するスキームには「会社分割」「事業譲渡」があります。

 

それぞれのスキームには特徴があり、M&Aの目的や事業遂行上の問題、それぞれの企業の置かれている状況等により最適なスキームは異なってくるため、スキームの検討は専門家を交えて慎重に行う必要があります。

 

最も一般的なスキームである株式譲渡のイメージを下記に示します。

 

 

 

 

 

株式譲渡の場合、一般的には買手企業の方が規模が大きいことが多いため、上図では売手企業よりも買手企業を大きく描いています。

 

買手企業が売手企業の株主へ現金等を支払い、売手企業の株主から売手企業の株式全てを取得します。その結果、売手企業は買手企業の100%子会社となり、売手企業の株主は現金等の対価を手にすることになります。

 

2、M&Aの流れと専門家の役割とは?


①売手企業と買手企業のマッチング

一般的にM&AはFA(フィナンシャルアドバイザー)と呼ばれる専門家が関与します。

 

FAは、M&Aのマッチングからクロージングまで、売手企業又は買手企業(場合によっては双方)に対して、進め方のサポートや価格や条件面での交渉のアドバイス等を行う役割を担います。FAは様々な企業が行っており、M&Aの仲介会社はもとより、証券会社、投資銀行、銀行、コンサルティング会社、弁護士、公認会計士等が行います。

 

 

 

 

上図は、売手企業と買手企業の双方にFAがついている場合のイメージ図です。昨今では、投資先を探している企業が多く、売手企業に比べ買手企業が多いため、上図でも買手企業を3社としています。

 

FA(買手側)は買手企業A、買手企業B、買手企業Cとそれぞれアドバイザリー契約を結んでいて(結んでいない場合もあります)、FA(売手側)は売手企業の株主とアドバイザリー契約を結んでいることが一般的です。価格等を含む様々な条件により、買手企業と売手企業がマッチングしたら、基本合意契約を結びます。

 

 

②IM(Information Memorandum)の作成

売手企業と買手企業をマッチングさせ、プロセスをスムーズに進めるためにはIM(Information Memorandum)が必要になります。

 

売手企業がIMを作成することで、IMがない場合と比べて、買手企業は売手企業のことを短期間で深く理解することが可能となります。このIMの作成をサポートするのが、FAまたは財務等の専門家です。

 

財務等の専門家は、売手企業とアドバイザリー契約を結び、IMの作成支援を行います。財務等の専門家はIMの作成のみにとどまらず、売手企業の事業計画の策定支援や、株価上昇等のアドバイスを実施することもあります。

 

 

 

 

 

③売手企業に対するデューデリジェンス、バリュエーション

基本合意書を結んだ後、買手企業は売手企業を ①買うか買わないか、②買う場合、いくらで買うのか、③金額以外の条件はどうするか、④買収後の統合に向けた情報の整理等を検討します。

 

これらの検討は専門スキルが必要となるため、公認会計士、税理士および弁護士等が外部アドバイザーとして調査することが一般的です。

 

 

 

 

 

 

買手企業の財務等の専門家は買手企業と財務等アドバイザリー契約を結び、売手企業のデューデリジェンス、バリュエーション等を実施します。

 

買手企業の場合、M&Aが初めての会社もあれば毎月のようにM&Aを実施する会社もありますが、売手企業にとっては、財務デューデリジェンスの対象会社となることは、初めてのケースが多いです。

 

財務デューデリジェンスは専門的な調査を短期間で行うことが多く、売手企業にとっては大きな負担となります。そこで、売手企業の財務等の専門家がデューデリジェンスのサポートを行うことで、売手企業の負担を軽減することが可能となります。

 

さらに、M&Aの専門家である財務等の専門家がサポートを行うことで、買手企業の財務等の専門家とのコミュニケーションが円滑化され、買手売手双方にとってストレスを軽減し、スムーズにデューデリジェンスを完了することが可能となります。

 

 

④株式譲渡契約の締結

デューデリジェンスとバリュエーションの結果を受けて、買手企業と売手企業は最終の条件交渉を行い、双方合意すれば株式譲渡契約を締結します。

 

法務の専門家は契約書の作成や法律面でのアドバイスを、財務の専門家は金額等の財務面にかかる契約条件等のアドバイスを行います。

 

 

3、まとめ


以上のように、M&AではFAや財務の専門家、法律の専門家等様々な専門家が関与して多面的なサポートを行います。

 

特に中小零細企業では、M&A自体初めてのことも多く、たとえ案件規模がそれほど大きくなかった場合であっても、専門家の幅広いサポートが必要となることが多いです。また一定規模以上の会社では、専門家が社内にいる場合もありますが、M&Aをより成功に導くために、多くの社外専門家と上手く連携しM&Aをすすめてくことが重要となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[M&A案件情報(譲渡案件)](2019年12月17日)

-以下のM&A案件(3件)を掲載しております-

 

●経営管理者向けソフトウェアの開発、その他基幹システムの開発を請け負う。

[業種:受託開発ソフトウェア業/所在地:関東地方]

●種苗卸売業、有名キャラクター雑貨卸売業の2事業を展開

[業種:種苗卸売業/所在地:中部地方]

●品質には自信あり 高い技術力で基板実装を手掛けるEMS企業

[業種:EMS事業/所在地:近畿地方]

 

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案件No.SS005623
経営管理者向けソフトウェアの開発、その他基幹システムの開発を請け負う。

 

(業種分類)IT・ソフトウェア

(業種)受託開発ソフトウェア業

(所在地)関東地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)経営管理者向けソフトウェア・パッケージの開発、販売、導入支援を行う他、基幹システムの開発も請け負う。

 

〔特徴・強み〕

◇商品特性上、多数の大企業を顧客として抱え、進行期も業績は安定して推移。
◇実質無借金経営、自己資本に裏付けされた展開が続く。

 

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案件No.SS005531
種苗卸売業、有名キャラクター雑貨卸売業の2事業を展開

 

(業種分類)商社・卸・代理店

(業種)種苗卸売業

(所在地)中部地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)種苗及び雑貨卸売業

 

〔特徴・強み〕

◇種苗卸売業、雑貨卸売業の2事業を展開。売上比率は概ね5:5。
◇大手筋への販路を有する。
◇有名キャラクターのライセンスを保有。自社デザイナー用い商品企画している。

 

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案件No.SS005307
品質には自信あり 高い技術力で基板実装を手掛けるEMS企業

 

(業種分類)製造業

(業種)EMS事業

(所在地)近畿地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)100名超

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)基板実装を行うEMS事業(電子機器製造受託サービス)

 

〔特徴・強み〕

◇工作機械や電源装置の制御基板等、様々な製品の基盤実装を手掛けている。
◇試作や少量多品種生産にも対応可能。
◇日本国内だけでなく、海外にも製造拠点を有している。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

 

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[解説ニュース]

速報!令和2年度税制改正案 ~大綱に盛り込まれた資産課税を中心とする改正案の主な内容は以下のとおり~

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

【土地・住宅税制(所得税・登録免許税・印紙税)】

《「令和2年度税制改正大綱」P33~34、27~28、29、50、52》改正案


1.国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例【創設】

(1)個人が令和3年以後の各年において、国外中古建物から生ずる不動産所得を有する場合に、その年分の不動産所得の金額の計算上、国外不動産所得の損失の金額があるときは、その国外不動産所得の損失の金額のうち国外中古建物の償却費に相当する部分の金額は、所得税に関する法令の規定の適用において生じなかったものとみなされる。

 

(注1)「国外中古建物」とは、個人において使用され又は法人において事業の用に供された国外にある建物であって、個人が取得してその個人の不動産所得を生ずべき業務の用に供したもののうち、不動産所得の金額の計算上その建物の償却費として必要経費に算入する額を計算する際の耐用年数を、次の方法により算定しているものをいう。

 

①法定耐用年数の全部を経過した資産について、その法定耐用年数の20%に相当する年数を耐用年数とする方法。

 

②法定耐用年数の一部を経過した資産について、その資産の法定耐用年数から経過年数を控除した年数に、経過年数の20%に相当する年数を加算した年数を耐用年数とする方法。

 

③その用に供した時以後の使用可能期間の年数を耐用年数とする方法(使用可能期間の年数が適切であることを証する一定の書類の添付がある場合を除く)。

 

(注2)「国外不動産所得の損失の金額」とは、不動産所得の金額の計算上生じた国外中古建物の貸付けによる損失の金額(その国外中古建物以外の国外にある不動産等から生ずる不動産所得の金額がある場合は、その損失の金額をその国外にある不動産等から生ずる不動産所得の金額の計算上控除してもなお控除しきれない金額)をいう。

 

 

(2)上記(1)の適用を受けた国外中古建物を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算上、その取得費から控除する償却費の額の累計額からは、上記(1)によりなかったものとみなされた償却費に相当する部分の金額が除かれる。

 

 

2.配偶者居住権の消滅等に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費【整備】

(1)配偶者居住権及び又は配偶者居住権の目的となっている建物の敷地の用に供される土地等を配偶者居住権に基づき使用する権利(以下「配偶者敷地利用権」)が消滅等し、その消滅等に係る対価の支払を受ける場合には、その対価の額に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、次の算式により計算される。

 

(算式)被相続人に係る配偶者居住権の目的となっている建物又はその建物の敷地の用に供される土地等(以下「居住建物等」)の取得費*1×配偶者居住権等割合*2-配偶者居住権の設定から消滅等までの期間に係る減価の額

 

*1 建物の取得費については、その取得の日からその消滅等の日までの期間に係る減価の額を控除する。
*2 配偶者居住権等割合=その配偶者居住権の設定時における配偶者居住権又は配偶者敷地利用権の価額に相当する金額÷居住建物等の価額に相当する金額

 

 

(2)相続により居住建物等を取得した相続人が、配偶者居住権及び配偶者敷地利用権が消滅する前にその居住建物等を譲渡した場合において、譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、その居住建物等の取得費から配偶者居住権又は配偶者敷地利用権の取得費を控除した金額とされる。

 

(注)上記の居住建物等のうち建物の取得費については、その取得の日から譲渡の日までの期間に係る減価の額を控除することとし、上記の配偶者居住権又は配偶者敷地利用権の取得費については、その配偶者居住権の設定の日から譲渡の日までの期間に係る減価の額を控除する。

 

 

3.居住用財産の譲渡に係る譲渡所得の特例【適用期限の延長・見直し】

(1)①特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例、②居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等及び③特定居住用財産の讓渡損失の繰越控除等の適用期限が、それぞれ2年延長される。

 

 

(2)住宅の取得等をした家屋(以下「新規住宅」)をその居住の用に供した個人が、その居住の用に供した日のする年から3年目に該当する年中に新規住宅及びその敷地の用に供されている土地等以外の資産の譲渡(以下「従前住宅等の譲渡」)をした場合に、その者が従前住宅等の譲渡につき次に掲げる特例の適用を受けるときは、新規住宅について、所得税の住宅借入金等特別控除等の適用を受けることができない。

 

①居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
②居住用財産の譲渡所得の特別控除
③特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期渡所得の課税の特例
④既成市街地等内の土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例

 

(注)上記の改正は、令和2年4月1日以後に従前住宅等の譲渡をする場合について適用される。

 

 

4.登録免許税・印紙税の特例【適用期限の延長】

(1)住宅用家屋の所有権保存登記等に係る登録免許税の税率の特例の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長される。

 

(2)不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長される。

 

【消費税】

《令和2年度税制改正大綱」P84~85、82》改正案


1.居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除制度等【見直し】

(1)住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって高額特定資産に該当するもの(以下「居住用賃貸建物」)の課税仕入れについては、仕入税額控除制度の適用が認められない。ただし、居住用賃貸建物のうち、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分については、引き続き仕入税額控除制度の対象とされる。

 

(注)高額特定資産とは一取引単位につき支払対価の額が税抜1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をいう。

 

 

(2)上記(1)により仕入税額控除制度の適用を認めないこととされた居住用賃貸建物について、その仕入れの日から同日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間の末日までの間に住宅の貸付け以外の貸付けの用に供した場合又は譲渡した場合には、それまでの居住用賃貸建物の貸付け及び譲渡の対価の額を基礎として計算した額を、その課税期間又は譲渡した日の属する課税期間の仕入控除税額に加算して調整が行われる。

 

 

2.住宅の貸付けに係る消費税の非課税【見直し】

契約において貸付けに係る用途が明らかにされていない場合であっても、その貸付けの用に供する建物の状況等から人の居住の用に供することが明らかな貸付けについては、消費税は非課税とされる。

 

 

3.高額特定資産を取得した場合の事業者免税点制度及び簡易課税制度【見直し】

適用を制限する措置の対象に、高額特定資産である棚卸資産が納税義務の免除を受けないこととなった場合等の棚資産に係る消費税額の調整措置(以下「棚卸卸産の調整措置」)の適用を受けた場合が追加される。

 

(注)上記1の改正は令和2年10月1日以後に居住用賃貸建物の仕入れを行った場合について、上記2の改正は同年4月1日以後に行われる貸付けについて、上記3の改正は同日以後に棚卸資産の調整措置の適用を受けた場合について、それぞれ適用される。ただし上記1の改正は、同年3月31日までに締結した契約に基づき同年10月1日以後に居住用賃貸建物の仕入れを行った場合には、適用されない。

 

 

4.法人に係る消費税の申告期限の特例【創設】

法人税の確定申告書の提出期限の延長の特例の適用を受ける法人が、消費税の確定申告書の提出期限を延長する旨の届出書を提出した場合には、その提出をした日の属する事業年度以後の各事業年度の末日の属する課税期間に係る消費税の確定申告書の提出期限が1ヶ月延長される。

 

(注)上記4の改正は、令和3年3月31日以後に終了する事業年度の末日の属する課税期間から適用される。なお上記提出期限が延長された期間の消費税の納付は、その延長された期間に係る利子税を併せて納付する必要がある。

 

 

【その他 (法人税・相続税・贈与税・国外財産調書等)】

《「令和2年度税制改正大綱」P76、50、94~96、93》


1. 法人の長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物等への買換えの特例【適用期限の延長・見直し】

買換資産から鉄道事業用車両運搬具を除外し、所要の経過措置が講じられた上で、その適用期限が令和5年3月31日まで3年延長される。

 

 

2.医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等【適用期限の延長】

良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律の改正を前提に、医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等の適用期限が令和5年9月30日まで3年延長される。

 

 

3.国外財産調書制度等【見直し等】

(1)相続国外財産に係る相続直後の国外財産調書への記載の見直し等

相続開始年の12月31日においてその有する国外財産に係る国外財産調書については、その相続又は遺贈により取得した国外財産(以下「相続国外財産」)を記載しないで提出することができる。この場合において、国外財産調書の提出義務については、国外財産の価額の合計額からその相続国外財産の価額の合計額を除外して判定する。

 

なお上記の取扱いは、財産債務調書における相続又は遺贈により取得した財産(以下「相続財産」)も同様とされる。

 

(注)上記の改正は、令和2年分以後の国外財産調書又は財産債務調書について適用される。

 

(2)国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の見直し

①国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置(以下「加算税の加重措置」)の適用対象に、相続国外財産に対する相続税に関し修正申告等があった場合が追加される。

 

②その年の12月31日において相続国外財産を有する者の責めに帰すべき事由がなく、提出期限内に国外財産調書の提出がない場合や、国外財産調書に記載すべき相続国外財産の記載がない場合(記載不備を含む)には、原則として加算税の加重措置は適用されない。(財産債務調書における相続財産についても同様とされる)。

 

(3)国外財産調書に記載すべき国外財産に関する書類の提示等がない場合の加算税の軽減・加重措置の特例の創設

国外財産を有する者が、国税庁職員から国外財産調書に記載すべき国外財産の取得、運用又は処分等に係る書類のうち、その者が通常保存し、又は取得することができると認められるものの提示又は提出を求められた場合において、その提示等を求められた日から一定の日までにその提示等をしなかったときは、原則として①その国外財産に係る加算税の軽減措置は適用せず、②その国外財産に係る加算税の加重措置については、その加算する割合が10%*(適用前加算割合:5%)とされる。

*上記(2)②に該当する場合には、その加算する割合が5%(適用前加算割合:なし)とされる。

 

(注)上記の改正は、令和2年分以後の所得税又は令和2年4月1日以後に相続若しくは遺贈により取得する財産に係る相続税について適用される。

 

 

4.納税地の異動があった場合の振替納税手続の簡素化【見直し】

個人が令和3年1月1日以後に提出する納税地の異動届出書等について、「振替納税を行う個人が他の税務署管内へ納税地を異動した場合には、異動後も従前の金融機関の口座から振替納税を行う」旨をその異動届出書等に記載したときは、異動後の所轄税務署長に対してする申告等について振替納税を引き続き行うことが可能とされる。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/12/16)より転載

[M&Aニュース](2019年12月3日〜12月13日)

◇ぺんてる陣営が株式「50%超」を確保、コクヨによる子会社化を阻止、◇HOYA<7741>、ニューフレアテクノロジー<6256>の子会社化を目指してTOB参戦、東芝グループに対抗、◇コクヨ、子会社化を目指す「ぺんてる」株の持ち株比率45.66%に、◇サノヤスホールディングス<7022>、電力関連機器メーカーのハピネスデンキを子会社化、◇大王製紙<3880>、民事再生手続き中のカタログ印刷「千明社」の事業を取得、◇西華産業<8061>、水中ポンプの欧州販売代理店である英 Obart Pumpsを子会社化、◇ヤマダ電機<9831>、経営再建中の大塚家具<8186>を子会社化、◇ソニー<6758>、子ども向けアニメ制作会社の米シルバーゲートを買収 ほか

 

 

 

 

 

ぺんてる陣営が株式「50%超」を確保、コクヨによる子会社化を阻止

2019-12-13

筆記具大手のぺんてる(東京都中央区)と文具総合大手のプラス(東京都港区)は13日、ぺんてる株を買い付けるためにプラスが設立したジャパンステーショナリーコンソーシアム合同会社、JSC)が持ち株比率で約30%を取得したと発表した。ぺんてる経営陣の保有分と合わせて、全発行済み株式に対する持ち株比率は「50%を優に超える」としている。ぺんてるを巡っては子会社化を目指して業界最大手のコクヨが株式の買い付けを進めていたが、過半数に届かず、ぺんてる・プラス陣営が勝利した。

コクヨは11月15日に、持ち分法適用関連会社であるぺんてるの株式を追加取得し、37.8%の持ち株比率を50%超に引き上げて子会社化する方針を発表した。これに反発するぺんてる経営陣の賛同を得て、プラスは12月10日を期限として、1株3500円でぺんてる株式の買い付けに乗り出していた。

ぺんてるの発表によると、約200人(持ち株比率約30%)の同社株主がプラス傘下のJSCの株式買い付けに応募した。コクヨはプラスを700円上回る4200円(当初3500円で、その後2度引き上げ)の買付価格を提示したが、ぺんてるの従業員やOBを中心とする株主の多くが会社側を支持した。ぺんてるは、コクヨによる子会社化という目論見が阻止され、自主独立の経営を継続することが確保されたとの判断を示した。

ぺんてるとプラスは今後、協業関係を推し進める考え。一方、ぺんてるは敵対的買い付けを行ったコクヨとの「協力関係構築に向けた協議」を打ち切る。

コクヨは12日、45.66%のぺんてる株式を取得予定だと発表した。これに対し、ぺんてるはコクヨが買い付けた約8%の株式について譲渡を承認しない方針を示した。

ただ、子会社化を阻止したとはいえ、引き続き、対立関係にあるコクヨがぺんてるの筆頭株主であることは変わらず、自主独立の経営を進めるうえで道のりは険しい。

 

 

 

 

HOYA<7741>、ニューフレアテクノロジー<6256>の子会社化を目指してTOB参戦、東芝グループに対抗

2019-12-13

HOYAは13日、東芝グループの半導体製造装置メーカー、ニューフレアテクノロジー(ジャスダック上場)に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付代金は最大約1477億円。ニューフレアを巡っては現在、同じく完全子会社化を目指して東芝子会社の東芝デバイス&ストレージ(東京都港区)によるTOBが12月25日を期間として進行中。このTOBが不成立になった場合に、HOYAは2020年4月をめどにTOBを開始予定。TOBに新たに参戦するHOYAは買付価格として東芝デバイス&ストレージを1000円上回る1万2900円を提示している。

HOYAは買付予定数の下限を総議決権の3分の2以上にあたる66.67%(所有割合)と設定。上限については設定せず、完全子会社化を目指す。ニューフレアの株式52.4%を持つ東芝デバイス&ストレージがHOYAのTOBに応募することが条件となる。ニューフレアについては東芝機械も16%弱を保有する。

買付価格は東芝デバイス&ストレージの1万1900円に対し、HOYAの提示は1万2900円。TOB公表前日のニューフレア株式の終値1万1872円に対して8.13%、直近6カ月間の終値単純平均値8343円に対して54.62%のプレミアムを加えた。HOYAは、東芝グループにとっても今回のTOBは魅力的なものであり、応募いただけるものと考えている、としている。

ニューフレアは親会社の東芝デバイス&ストレージの意向を確認し、対応を検討する予定。

 

 

 

 

コクヨ、子会社化を目指す「ぺんてる」株の持ち株比率45.66%に

2019-12-12

コクヨは12日、子会社化を目指す筆記具大手のぺんてる(東京都中央区)株式の買付状況について、議決権ベースで7.86%の応募があり、同日時点で持ち株比率が45.66%になったと発表した。株主から応募の意向があったもののうち、売買契約が締結されていない株式数(約0.6%)は含まれていない。約300人の全株主のうち、100人を超える応募があったとしている。買付価格は1株あたり4200円。買付期間は15日までで、最終的に50%超の取得を目指している。

コクヨは11月15日に、持ち分法適用関連会社であるぺんてるの株式を追加取得し、子会社化する方針を発表した。1株3500円で既存株主から株式を買い取り、37.8%の持ち株比率を50%超に高める内容だった。ところが、これに反発するぺんてる経営陣の賛同を得て、同業の総合文具大手、プラスが同じ3500円でぺんてる株の買い付けを開始したことを受け、その後、コクヨは買付価格を2度積み増して4200円に引き上げた経緯がある。

プラスによる買い付けは12月10日に終了。20%程度の応募があったとされているが、詳細は明らかにしていない。

コクヨとしては買付期間の15日までに目標とする50%超の持ち株比率に届くかどうか微妙な状況。今後の方針として、今回の買い付けに応募しなかったぺんてる株主のうち、あらためて株式を売却したいとの意向があれば、追加で株式を取得することを検討するとしている。

 

 

 

 

サノヤスホールディングス<7022>、電力関連機器メーカーのハピネスデンキを子会社化

2019-12-12

サノヤスホールディングスは、電力関連機器メーカーのハピネスデンキ(東京都大田区。売上高31億1000万円、営業利益1億8500万円、純資産6億7200万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ハピネスデンキは1919年に創業。動力制御盤や分電盤、配電盤などを製造し、官公庁や大学、大型ビル、空港などに多数の納入実績を持つ。サノヤスは造船・プラント事業を主力とするが、ハピネスを傘下に取り込むことで、第2の柱である各種産業機器事業の基盤強化につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月6日。

 

 

 

 

大王製紙<3880>、民事再生手続き中のカタログ印刷「千明社」の事業を取得

2019-12-12

大王製紙は12日、民事再生手続き中で通販向けカタログ印刷を主力とする千明社(東京都千代田区)に対し、スポンサーとして再建支援することを決めたと発表した。新会社として同名の千明社(埼玉県幸手市)を設立し、千明社の事業を2020年1月7日付で承継する。千明社は11月13日に東京地裁に民事再生法の適用を申請し、約30億円の負債を抱え、行き詰まった。

大王製紙は製紙業界で唯一、商業印刷やシール・ラベル印刷、ビジネスフォーム印刷などからなる総合印刷会社をグループ内に抱え、原紙から印刷まで一貫して対応できる独自の営業体制を築いている。千明社は創業64年で、大手直需ユーザーと強固な取引基盤を持つ。大王製紙グループとの一体運営により早期にシナジー(相乗効果)獲得を目指す。

取得価額は非公表。

 

 

 

 

西華産業<8061>、水中ポンプの欧州販売代理店である英 Obart Pumpsを子会社化

2019-12-12

西華産業は、水中ポンプに関する欧州販売代理店の英 Obart Pumps (Holdings) Limitedの株式80%を取得し子会社化することを決議した。Obart Pumpsは持ち株会社で、その傘下の事業会社の業績は売上高7億1200万円、営業利益7400万円、純資産3億1400万円。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月1日。

 

 

 

 

ヤマダ電機<9831>、経営再建中の大塚家具<8186>を子会社化

2019-12-12

ヤマダ電機は12日、経営再建中の大塚家具の第三者割当増資を引き受け、12月30日付で子会社化すると発表した。43億7400万円を投じて、議決権ベースで51.74%の株式を取得する。住まい分野への事業展開を進めるヤマダ電機は今年2月に大塚家具と業務提携したが、自社の利益向上や大塚家具の経営改革の進展が確認できたとし、子会社化に踏み込むことにした。併せて総額21億8700万円で新株予約権も引き受ける。

ヤマダ電機はリフォームやインテリアなど住宅関連の売り場を充実した「家電住まいる館」の展開に力を入れている。大塚家具との業務提携により、「家電住まいる館」への商品供給やホテル・オフィスといった法人分野での家具納入などで協業を進めてきた。

大塚家具の2018年12月期決算は売上高373億円、営業赤字51億円、最終赤字32億円で、3年連続で減収、3年連続の赤字となった。2020年4月期(16カ月変則決算)はこれまで売上高442億円、営業利益1億5700万円、最終利益2500万円を見込んでいたが、同日、各項目について「未定」に修正した。大塚家具は再建の一環として、昨年12月には中国の家具大手の「居然之家」(イージーホーム)と業務提携している。

 

 

 

 

ソニー<6758>、子ども向けアニメ制作会社の米シルバーゲートを買収

2019-12-11

ソニーは11日、米子会社ソニー・ピクチャーズエンタテイメントの傘下企業を通じて、子ども向けメディア企業の米シルバーゲート・メディアを買収したと発表した。買収金額は約1億9500万ドル(約213億円)。アニメーション「すすめ!オクトノーツ」の権利を保有する会社の49%の持ち分や、「ピーターラビット」テレビシリーズを制作する会社の31%の持ち分が含まれる。

シルバーゲートは2011年に設立し、子ども向けアニメの開発・制作とライセンスの提供を手がける。中国ビジネスに強みを持つという。

 

 

 

 

キングジム<7962>、作業用手袋製造のウインセスなど2社を子会社化

2019-12-11

キングジムは、工場用作業手袋を製造するウインセス(高松市。売上高10億5000万円、営業利益6100万円、純資産10億2000万円)の株式65.7%、クリーンルーム用手袋製造のウインズ(高松市、売上高1億8000万円、営業利益500万円、純資産1億6500万円)の全株式をそれぞれ取得し子会社化することを決議した。両社は兄弟会社。

キングジムは文具事務用品とインテリア雑貨の製造・販売を主力とする。販売面の補完関係など、相互の経営資源を有効活用して事業拡大を目指すことで認識が一致したとしている。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月10日。

 

 

 

 

ベステラ<1433>、インターアクションから3次元スキャン・モデリング事業を取得

2019-12-10

ベステラは、光源装置・画像検査装置メーカーのインターアクション(横浜市)から3次元(3D)事業などを取得することを決議した。ベステラが月内に全額出資で設立する新会社の3Dビジュアル(千葉市)が事業を引き継ぐ。

ベステラは電力や製鉄、石油精製、石油化学などの大規模プラント設備の解体工事を主力とし、3Dスキャン技術などを活用して安全で効率的な解体工事計画の提案に力を入れている。

今回、インターアクションから取得するのは3Dスキャン・3Dモデリング(造形)事業とプラント設計事業。対象事業の直近売上高は1億1300万円。取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月1日。

 

 

 

 

ハークスレイ<7561>、仕出し料理の味工房スイセンを子会社化

2019-12-10

ハークスレイは、仕出し料理やケータリング事業を手がける味工房スイセン(東京都品川区)の全株式を取得し子会社化した。味工房スイセンは1991年に設立。ハークスレイは持ち帰り弁当「ほっかほっか亭」を全国展開する。取得価額は非公表。取得日は2019年12月9日。

 

 

 

 

アイフリークモバイル<3845>、ソフト開発のリアルタイムメディアなど2社を子会社化

2019-12-09

アイフリークモバイルは、ソフト開発のリアルタイムメディア(東京都渋谷区。売上高3億8200万円、営業利益△1210万円、純資産7990万円)、コンテンツ配信サーバーの設計・開発を手がけるリアリゼーション(東京都港区。売上高4億8100万円、営業利益△1310万円、純資産4230万円)の2社を株式交換で子会社化することを決めた。高度なIT技術と人的資源の獲得が狙い。

株式交換比率はアイフリーク1:リアルタイムメディア2831.54、アイフリーク1:リアリゼーション538.67。株式交換日は2020年1月1日。リアリゼーションはリアルタイムメディアの関係会社。

 

 

 

 

GA technologies<3491>、高級賃貸サービスサイトを運営するモダンスタンダードを子会社化

2019-12-09

GA technologiesは、高級賃貸サービスサイトを運営するモダンスタンダード(東京都港区。売上高8億2900万円、営業利益△5100万円、純資産2700万円)の株式67%を取得し、9日付で子会社化した。そのうえで、2020年1月15日に残る株式を株式交換で取得し、完全子会社化する。株式取得価額は10億円。株式交換比率はGA1:モダンスタンダード1515。

モダンスタンダードは2009年設立で、7万人の会員を持つ高級賃貸サービスサイト「Modern Standard」を運営し、富裕層や高所得者層を中心にユーザーを獲得している。

GAは中古不動産の売買を中心にリノベーションや不動産投資などのサービスを提供する自社の不動産テック総合ブランド「RENOSY」を展開している。モダンスタンダードを傘下に取り込むことで、販売網の相互活用などを通じて両社のサービス提供機会を拡大する。

 

 

 

 

ヘリオス テクノ ホールディングス<6927>、人材サービス子会社の日本技術センターをMBOの一環で雄渾キャピタル・パートナーズに譲渡

2019-12-09

ヘリオス テクノ ホールディングスは、100%出資の人材サービス子会社の日本技術センター(兵庫県姫路市。売上高60億5000万円、営業利益8700万円、純資産8億6400万円)の全株式を、投資会社の雄渾キャピタル・パートナーズ(東京都千代田区)に譲渡することを決議した。日本技術センターの竹中隆社長ら経営陣からの申し出に基づくMBO(経営陣による買収)の一環。

ヘリオスが主力とする産業機械や検査・計測装置などの製造装置事業とのシナジー効果が十分に発揮・活用できていない状況にあることから、人材サービス事業を切り離す。併せて、人材サービス子会社のテクノリンク(京都市)も雄渾キャピタル・パートナーズに譲渡する。

日本技術センター、テクノリンクのいずれも譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年1月6日。

 

 

 

 

加賀電子<8154>、エレクトロニクス商社のエクセルを子会社化

2019-12-09

加賀電子は9日、同業のエレクトロニクス商社で東証1部上場のエクセルと2020年4月1日に経営統合すると発表した。旧村上ファンド系の投資会社であるシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が主導したうえで、加賀電子がエクセルの全株式を取得する。株式の取得価額は1億円(別にアドバイザリー費用2億5000万円)。これに伴い、加賀電子は約82億円を負ののれん発生益として、2020年3月期決算の特別利益に計上する。

シティインデックスイレブンスは、金銭対価による株式交換でエクセルを完全子会社化する。旧村上ファンドの関係者が運営する企業グループはエクセル株式の40%弱を保有しており、残る株式について1株あたり1610円で金銭を交付する(総額は約139億円)。そのうえで、エクセルは事業運営上必要な資産を残したうえで、事業運営に必ずしも必要とならない不動産などその他の資産を現物配当としてシティインデックスに移管する。この現物出資を踏まえ、シティインデックスがエクセルの全株式を加賀電子に譲渡する手順となる。

加賀電子はエクセル株の取得に合わせ、エクセルの資金繰りを支援するため、80億円程度の運転資金を貸し付ける予定。

2020年3月期の売上高予想は加賀電子が4300億円、エクセルが570億円。エクセルは2020年2月14日の臨時株主総会で統合を諮る。上場廃止日は同年3月30日。

 

 

 

 

AGC<5201>、セントラル硝子<4044>と国内建築用ガラス事業を2020年12月に統合へ

2019-12-09

AGCとセントラル硝子は9日、国内建築用ガラス事業を統合することで基本合意したと発表した。2020年12月末をめどに事業統合の完了を目指す。新設住宅着工の減少や複層ガラスの普及に伴う需要構造の変化などを受け、今後も厳しい環境が予想されることから、事業統合によって経営の効率化や収益性の向上などを目指す。事業統合の具体的な内容については両社間で今後協議を進める。

AGCは国内ガラス業界首位で、セントラル硝子は同3位。両社とも経営の主軸を自動車用ガラスなどに置いており、とりわけ国内市場が縮小する建築用ガラスについてはかねてから抜本的な構造改革が課題となっていた。

 

 

 

 

ジェイテクト<6473>、トヨタ自動車傘下の豊精密工業を子会社化

2019-12-04

ジェイテクトは4日、トヨタ自動車が100%出資する自動車部品メーカー、豊精密工業(愛知県瀬戸市。売上高485億円、営業利益22億6000万円、純資産126億円)の全株式を取得し、子会社化すると発表した。取得価額は100億4500万円。取得予定日は2020年1月1日。豊精密は1958年設立で、自動車の駆動部品であるデファレンシャルギヤやデファレンシャルアッセンブリーの開発・製造を主力とする。

 

 

日本電産<6594>、無人搬送機用電子部品の米ロボテックを子会社化

2019-12-04

日本電産は、無人搬送機に使われる電子部品(超低電圧ドライブ)の設計・開発を手がける米ロボテック(アリゾナ州)の株式90%を取得し、子会社化した。同社を取り込むことで、無人搬送機メーカーにサーボモーターと精密ギアボックス製品にとどまらず、モーター制御システムに関する各種サポートをワンストップで提供可能になるという。取得価額、取得日は非公表。

ロボテックは2002年に設立し、2019年12月期の売上高は約9億9000万円を見込む。従業員は20人。

 

 

 

 

日本ヒューム<5262>、プレキャストコンクリート製品のタイ子会社化を現地企業に譲渡

2019-12-03

日本ヒュームは、プレキャストコンクリート製品の製造・販売、施工を手がけるタイ子会社NIPPON HUME CONCRETE(バンコク。売上高4億9700万円、営業利益△6940万円、純資産△3億9700万円)の株式60%を、現地投資会社MONGHENG GROUPに譲渡することを決議した。持ち株比率は15.95%に低下するが、現地企業とのパートナーシップを通じて事業再構築を進めることが得策と判断した。NIPPON HUME CONCRETEは1987年に設立。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年12月4日。

 

 

 

 

アステラス製薬<4503>、遺伝子治療分野強化へ米バイオ企業「オーデンテス」を約3200億円で子会社化

2019-12-03

アステラス製薬は3日、米バイオテクノロジー企業のオーデンテス・セラピューティクス(サンフランシスコ)を買収することで合意したと発表した。TOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化を目指す。買収金額は約30億ドル(約3200億円)で、2020年1~3月の完了を見込む。今後の成長領域と位置づける遺伝子治療薬の事業強化につなげる。

オーデンテスは2012年に設立し、米ナスダックに株式上場。希少かつ重篤な神経筋疾患を対象にアデノ随伴ウイルス(AAV)に基づく遺伝子治療薬の研究開発に取り組んでいる。AAVを活用した有望なパイプライン(新薬に結び付く開発中の新規候補物質)を持つ。

アステラスは米子会社を通じてオーデンテスに対してTOBを実施する。買付価格は1株60ドルで、12月2日の終値(28.61ドル)に110%のプレミアムを加えた。オーデンテスの取締役会は株主にTOBへの応募を推奨している。

 

レッグス<4286>、インフルエンサーマーケティング事業のRERAISEを子会社化

2019-12-03

レッグスは、インフルエンサーマーケティング事業を手がけるRERAISE(東京都渋谷区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。インフルエンサーを活用した販促プロモーションの企画・実施やグッズの企画・製作・販売などの取り組みを強めるのが狙い。取得価額は4000万円。取得日は非公表。

 

 

ミンカブ・ジ・インフォノイド<4436>、不動産ファンドに特化した情報・システム会社Prop Tech plusを子会社化

2019-12-03

ミンカブ・ジ・インフォノイドは、不動産ファンドに関する情報サイトの運営などを手がけるProp Tech plus(東京都港区。売上高8億4200万円、営業利益9450万円、純資産6億3700万円)の株式66.73%を取得し子会社化することを決議した。

Prop は不動産投資信託(REIT)など不動産ファンドに特化した個人投資家向け情報サイト「JAPAN REIT.COM」を運営するほか、不動産ファンド向けシステム開発・Web構築などのソリューション事業を展開している。

ミンカブは国内株式を中心に外国株式、外国為替、商品先物、指数、仮想通貨、保険など様々な金融情報を提供している。約17兆円と時価総額で東証2部の倍以上の規模を持つREIT市場の有力情報・システム会社を傘下に取り込むことで、新たな安定収益源を獲得する。

取得価額は12億9200万円。取得予定日は2019年12月27日。

 

 

日本PCサービス<6025>、スマホステーションのスマホ修理事業を取得

2019-12-03

日本PCサービスは、スマホステーション(東京都武蔵野市)が手がけるスマートフォン修理事業を取得することを決めた。当該事業の直近売上高は8620万円。取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月。来年1月に設立する同名の新会社「スマホステーション」(東京都武蔵野市)が事業を引き継ぐ。

スマホステーションはスマホ修理店を関東から沖縄にかけて11店舗(直営店2、フランチャイズ店9)を展開するほか、スマホの修理状況や店舗運用、顧客管理などの関連システムを自社で開発してきた。日本PCサービスは同社をグループに迎えることで、スマホ修理店の増加によるスケールメリットの拡大にとどまらず、システム開発力を取り込み、業務効率改善を期待している。

日本PCサービスは今年3月に、スマホやゲーム機器の修理店「スマホスピタル」を関東や関西で約80店舗運営するスマホスピタル(大阪市)を傘下に収め、出遅れていた修理分野の強化に乗り出している。今回のスマホステーションからの事業取得もこの一環。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[税理士のための中小企業M&Aコンサルティング実務]

第1回:実行段階におけるM&A 支援業務の相互関連性

~デューデリジェンス・スキーム策定・バリュエーションの関連性~

 

〈解説〉

公認会計士・税理士 宮口徹

 


Q、税理士が行うM&A 支援業務の相互の関連性を教えてください。

 

A、DD により検出されたリスク要因をスキームの工夫によって遮断・軽減できる場合があります。また、リスク要因はバリュエーションにマイナスの影響を及ぼしますが、これもスキームの工夫で軽減させることが可能な場合があるなど各業務は密接に関連しています

 

 

 

 

 

図表はM&A の実行段階における支援業務の全体像と関連性を示したものです。DD、バリュエーション及びスキーム策定は独立したものではなく相互に関連していることを理解することが重要です。

 

 

まず、DD ですが、図に列挙したとおり、各種観点から対象会社をM&A で取得する際のリスク要因を洗い出す手続きとなります。税理士や会計士が行う財務・税務DD は必須の手続きと言えます。

 

 

弁護士が行う法務DD も大多数の案件で行われますが、図表 のDD の欄内の④以降のDD については必要に応じて行われます。めっき工場の売買で土地の環境汚染が心配であれば専門家に依頼し環境DD を行いますし、多様な形態で人員を雇用し、未払残業代や名ばかり管理職など労働法規上の問題が懸念されるのであれば社会保険労務士に依頼して人事面の調査を行うといった感じです。こうしたDD を行う場合、案件全体をコントロールする税理士としては常にリスクを定量化する思考を持つことが大切です。金額に換算できるリスクであれば売買金額の調整などでクリアできるためです。

 

 

次にスキーム策定ですが、DD において検出されたリスクについてスキームを工夫することで遮断したり軽減したりできることがあります。株式取得では対象会社の潜在リスクが全て引き継がれますが、スキームを事業譲渡に切り替えることによりリスクを遮断するといった対応が可能です。また、スキームを工夫することで税金コストの削減が可能になるのであれば、利益やキャッシュフローが増加しますので株価評価にもプラスの影響が生じます。

 

 

最後にバリュエーション(価値算定)ですが、DD においてリスクが検出された場合、当然に評価額に対してマイナスの影響を与えます。中小企業のM&A では仲介会社方式と呼ばれる方法が一般的です。

 

 

以上、M&A の実行段階における支援業務の相互関連について説明しました。

 

 

 

(「税理士のための中小企業M&Aコンサルティング実務」より)

 

 

 

[M&A案件情報(譲渡案件)](2019年12月10日)

-以下のM&A案件(5件)を掲載しております-

 

●自社開発のブランドを有する食肉卸売小売会社

[業種:食肉卸売業/所在地:中部地方]

●無垢素材を活用した木造住宅の設計施工販売と高い収益力を有する太陽光売電事業を展開

[業種:木造建築工事業/所在地:関東地方]

●海洋深層水ミネラルウォーターの製造・販売を手掛ける。

[業種:飲料卸売業/所在地:西日本]

●豪華設備を有するリゾートホテル。特徴的な立地で、景観目当ての利用客多数。

[業種:旅館・ホテル/所在地:関東地方]

●【好立地】重量物運送業

[業種:一般貨物自動車運送業/所在地:関東地方]

 

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案件No.SS005577
自社開発のブランドを有する食肉卸売小売会社

 

(業種分類)商社・卸・代理店

(業種)食肉卸売業

(所在地)中部地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)食肉卸売小売業

 

〔特徴・強み〕

◇豚肉、牛肉を中心に扱う食肉卸売、小売会社。
◇契約牧場から直接仕入れる商流であり、育種の段階から品質向上に努める。
◇自社ブランド豚は約20年かけ開発。
◇得意先は中部から関東にまで及び200先超。

 

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案件No.SS005465
無垢素材を活用した木造住宅の設計施工販売と高い収益力を有する太陽光売電事業を展開

 

(業種分類)建設・土木

(業種)木造建築工事業

(所在地)関東地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)木造住宅設計施工業及び太陽光等売電事業

 

〔特徴・強み〕

◇木造住宅部門は自然素材の活用した独自のブランドと、高い設計力に強みを有する。
◇太陽光等売電事業部門は固定買取価格42円の極めて高い収益性を有する。

 

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案件No.SS005259
海洋深層水ミネラルウォーターの製造・販売を手掛ける。

 

(業種分類)商社・卸・代理店

(業種)飲料卸売業

(所在地)西日本

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)海洋深層水を脱塩処理した飲料水を製造、販売している。

 

〔特徴・強み〕

◇一定の販路を有し、災害備蓄用のOEM製品も製造。
◇業績は安定しているが、増産余地があり、更なる販路拡大を目指す。

 

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案件No.SS005029
豪華設備を有するリゾートホテル。特徴的な立地で、景観目当ての利用客多数。

 

(業種分類)ホテル・旅館業

(業種)旅館・ホテル

(所在地)関東地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)50~100名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)宿泊・温浴施設運営。 客室50室以上。低価格帯~高級路線まで幅広いニーズに対応可能。

 

〔特徴・強み〕

◇施設は築年数浅く、当地内で最新。
◇漁港から直接仕入れる鮮魚が高評価。

 

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案件No.SS004502
【好立地】重量物運送業

 

(業種分類)物流・運送

(業種)一般貨物自動車運送業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)重量物運送業

 

〔特徴・強み〕

◇産業用機械等重量物をトレーラーで運搬する運送業者
◇好立地で足許黒字

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

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[解説ニュース]

法人税法132条の2・・・組織再編成に係る行為・計算の一般的否認規定・・・の及ぶ範囲

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(亀山 孝之/税理士)

 

1. 法人税法132条の2と同法57条②③


法人税法132条の2は、合併、分割、現物出資(中略)又は株式交換若しくは株式移転」に係る法人の法人税につき更正をする場合において、法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる行為又は計算が行われたときに、税務署長がその行為又は計算にかかわらず法人税額等を計算することができる旨規定しています(組織再編成に係る一般的否認規定)。

 

適格合併(同法2条12の8)が行われた場合、同法57条2項は、被合併法人にいわゆる繰越欠損金があるとき、簡単に言うと、合併法人がその繰越欠損金を引き継いで自らの繰越欠損金として利用できる旨規定しています。一方、その規定に対する個別の否認(制限)規定として同条3項があり、同項は適格合併に係る被合併法人と合併法人等との間に支配関係(いずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式の50%を超える数の株式を直接又は間接に保有する関係その他の一定の関係)があり、その支配関係が、合併法人の適格合併があった事業年度開始の日の5年前の日後に生じている場合は、その適格合併が、共同で事業を営むための一定の場合に該当しない限り、その被合併法人の支配関係が生じた日の属する事業年度より前の事業年度に生じた繰越欠損金は合併法人に引き継げない旨規定しています。この3項の規定は、上記の支配関係が上記5年前の日より前に生じている場合(以下「支配関係5年超」)には適用されないので、2項の規定によれば被合併法人の繰越欠損金は制限なく合併法人に引き継がれます。

 

3項が適用されない支配関係5年超の適格合併に係る繰越欠損金の引継ぎについて、さらに上記の一般的否認規定を適用することが許されるのか、ということが争われた裁判例を2で紹介します。許されるとなれば、次に、その適格合併による繰越欠損金の引継ぎが「法人税の負担を不当に減少させる結果となる」か否かの判定に進むことになります。

 

2. 令和元年6月27日東京地裁判決の判示の要旨


「同法132条の2は、その文言上、組織再編成に係る特定の行為又は計算を否認の対象とし、あるいは否認の対象から除外するとはされていない。また、同条は、組織再編成が、その形態や方法が複雑かつ多様であるため、これを利用して巧妙な租税回避行為が行われやすく、租税回避の手段として濫用されるおそれがあることから、税負担の公平を維持するため、組織再編成において法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる行為又は計算が行われた場合に、それを正常な行為又は計算に引き直して法人税の更正を行う権限を税務署長に認め、組織再編成に係る租税回避を包括的に防止する規定として設けられたものと解される(平成28年の最高裁判決参照)。この一般的否認規定が設けられているのは、立法の際に、組織再編成を利用したあらゆる租税回避行為をあらかじめ想定した上で、個別的な否認規定を網羅的に設けることが困難であることによるものと解される。そうすると、個別の否認規定である同法57条3項が適用されない支配関係5年超の適格合併についても、同項の規定が一般的否認規定の適用を排除するものと解されない限り、(中略)同法132条の2が適用されることを予定しているものと解される。」としました。そして、「同法57条3項の適用が排除される支配関係5年超の適格合併につき、同項の規定が一般的否認規定の適用を排除するものと解されるか否かを原告の主張に基づいて検討する」として、「法人税法57条3項は未処理欠損金額を利用したあらゆる租税回避行為をあらかじめ想定して網羅的に定めたものとはいい難く、支配関係5年超の適格合併であっても、法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる行為又は計算が行われる場合が想定されないとはいい難い。同項は、典型的な租税回避行為としてあらかじめ想定されるものを対象として定めた具体的な否認規定にすぎない」などと判示し、法人税法は支配関係5年超の適格合併についても、同法132条の2が適用されることを予定しているものと解するのが相当と判断しました。

 

この裁判では、この判断に続き、合併の経緯やその後の事業態様等の事実認定を行い、合併法人が同法57条2項により被合併法人の繰越欠損金を引き継いでその所得金額の計算において損金の額に算入したことは「法人税の負担を不当に減少させる」ものと判断し、その損金算入を否認した国税局の処分を適法と認めました。合併法人は控訴中ですが、小職は高裁でも結論は変わらないだろうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/12/09)より転載

[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「無対価合併における適格要件について」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】適格合併の適否及び被合併法人の未処理欠損金の引継ぎ制限

■【Q&A】合併における税制適格要件について

 

 

 


[質問]

A社はB社の株式を取得後、A社の100%子会社であるC社を存続会社とした合併を予定しています。

 

100%子会社同士の合併であり、無対価合併とするつもりです。

 

ここで、B社は自己株式を所有しており、合併と同時に自己株式は消却されることとなると思いますが、このような場合であっても100%子会社同士の無対価合併として適格合併となるでしょうか。

 

A社・B社・C社ともに8月決算

 

8月  B社が自己株式取得
9月  A社がB社株式取得
10月   B社とC社が合併

 

 

[回答]

被合併法人と合併法人との間に同一の者による完全支配関係があり、合併後もその同一の者による完全支配関係が継続することが見込まれている場合の合併は適格合併に該当します。

 

ただし、当該合併が無対価合併である場合には、次に掲げる関係がある場合に限られています(令4の3②)。

 

① 合併法人が被合併法人の発行株式の全部を保有する関係
② 被合併法人及び合併法人の株主のすべてについてその者が保有する被合併法人株式の数の被合併法人の発行済株式の総数のうちに占める割合とその者が保有する合併法人の株式の数の合併法人の発行済総のうちに占める割合とが等しい場合における被合併法人と合併法人との関係

 

なお、この場合の発行済株式には自己株式を除くとされています(法2十二の七の五)。

 

ご照会事例については、被合併法人C社と合併法人B社との間にA社による完全支配関係にあることから、上記②の要件を満たすことになりますので、適格無対価合併に該当することになります。

 

ただし、株式の移動から無対価合併までの一連の取引に経済的合理性がなく、何らかの租税回避行為のみを目的としたものであるとの事実認定によっては、同族会社の行為計算否認規定(法132)及び組織再編成に係る行為計算否認規定(法132の2)に抵触する恐れがありますのでご留意ください。

 

 

(参考)

株式会社は、取締役会又は取締役の決議に基づき取得した自己株式を消却することができるとされています(会社法178)。そして、自己株式を消却した場合には、その消却する自己株式の帳簿価額を原則としてその他資本剰余金の額から減額することとされています(会社計算規則24)。

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2019年9月24日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。

 

 

 

 


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[M&A担当者がまず押さえておきたい10のポイント]

第2回:売却したいけれどどうしたらいい?  -会社を売却すると決めたら-

 

[解説]

松本久幸 公認会計士・税理士(株式会社Stand by C)

大和田寛行 公認会計士・税理士(株式会社Stand by C)

 

 

▷第1回:何のためのM&A? ーM&Aの目的を考えるー

▷第3回:売却するならどこがいい? -同業他社?大企業?ファンド?-

▷第4回:「事業譲渡と株式譲渡」どっちがいいの?-M&Aのスキーム-

 


それでは、会社を売却したいと思った場合は、どうすればいいでしょうか?

 

売却したいというからには、この場合は売り手の立場でのお話となります。

 

会社を売却したいと考える場合は、前章でも述べた通り、会社を将来に向けて継続させることを前提に、株式を売却して経営を他の人に任せる、ということを目指します。その場合、まずは株式を買ってくれて、会社を自身に変わって経営してくれる人を探すことになります。

 

 

では、そのような人をどうやって探せばよいのでしょうか?

 

よくあるケースとしては、懇意にしている取引先に相談して、その取引先に資金力や経営能力等があれば、その取引先に買ってもらう、ということが考えられます。また、日頃から経営相談をしている税理士の先生や取引銀行に相談して、買い手候補を探してもらう、ということもよくあるケースです。

 

最近では、M&A専門の仲介会社がたくさん出てきていますので、インターネットなどでそういった仲介会社を探して、そこに相談して買い手候補を探してもらう、ということも多くなっています。

 

 

このように、買い手候補を探す場合は、自身で探すには限界があることから、誰かしらに相談して買い手候補を探していく、ということが現実的な方法になっています。

 

 

その場合に、留意すべき点は、会社を売却したいと思って買い手候補先を探しているということを、可能な限り秘密にして動くということです。

 

会社を売却しようとしていることが、例えば従業員や取引先の耳に入ってしまうと、従業員が不安になって会社を辞めたり、また、取引先がいらぬ勘繰りをして取引を絞り込んだりする可能性がないとは言えません。そういう事態を招かないためにも、買い手候補を探す段階においては、社内の信頼できるごく一部の人間にだけ相談して秘密裏に進める慎重さが必要となります。

 

会社を売却すると決めたら、まずは信頼できる人に相談して、買い手候補を探しましょう。そのためにも、普段からM&Aに関する情報収集や、信頼できる・相談できる相手を作っておく、という準備は行っておくべきだと思います。

 

 

 

 

 

 

また、会社の経営管理体制をしっかりと整備しておくことも、会社を売却する際の買い手からの評価にはプラスとなり、より売り易くなることから、日頃から意識しておくべきと考えます。

 

特に、会計処理の適正化や、契約書等の法的書類の整備、労務管理のあたりは、いざM&Aを実行する際にここができていないと、後々追加的な負担が生じるため買い手からの評価を下げることになり、M&Aを進める上で大きなボトルネックとなったりしますので、日頃から意識して整備しておくことをお薦めします。

 

 

次章では、買い手探しの際のポイントについて解説したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[中小企業経営者のためのワンポイント解説]

「事業存続に向けて検討すべき方策」~コンサルティングという観点からの『事業承継』とは?⑧~

 

コンサルティングという観点からみた「事業承継」と題した8回目の今回は、前回に引き続き、第1回でご紹介したタイプD(健全性が低く親族内後継者がいない会社)に着目します。 前回は最終的に会社が廃業・清算を選択した場合の手続の流れを説明いたしましたが、今回は廃業という選択に至る前に事業存続に向けて検討すべき方策について紹介いたします。

 

〈解説〉

税理士法人髙野総合会計事務所 前田俊/公認会計士

 


【検討すべき方策】

タイプDの会社に限らず、承継に向けては、①経営状況・経営課題等の把握(見える化)をし、②事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)を進める必要があります。これは専門家を活用することでより効率的・効果的に実行することができます。

 

①では、外部専門家を活用し、先入観を除外した第三者の視点でより詳細な分析を行うことで、経営状況や課題等をより適切に把握することができます。今まで会社では認識できていなかった収益源泉や強み(人材、取引先、技術、知的財産等)を認識する機会になり得ます。

 

①を基に、②として競争力強化のための「強み」を作り、「弱み」を改善する取り組みを策定・実行していくことで経営改善(収益力の改善)を進めていきます。ここでも外部専門家による知見はより効果的な改善に向けて有益となります。①②のような取り組みだけで財務の健全化が図れない場合、金融支援による再生(私的整理)という選択肢もあります。

 

 

0521.bmpのサムネール画像

 

 

また、上記のような対応により財務健全性を高めることで、M&AやMBOも選択肢になります(タイプDからタイプBへのポジション移行)。上記①で認識した強みが、事業の買手にとって魅力となり得ることがあります。

 

 

0523.bmp

 

 

なお、健全性を高めることが出来れば、健全性が低いことを理由に事業承継に消極的であった親族(ご子息等)に対して親族内事業承継を再検討する可能性も生じます(タイプDからタイプAへのポジション移行)。

 

 

税理士法人髙野総合会計事務所 「TSKニュース&トピックス」(2019年5月21日)より再編集のうえ掲載

[M&A案件情報(譲渡案件)](2019年12月3日)

-以下のM&A案件(4件)を掲載しております-

 

●自動車のIoT関連デバイス開発を手掛けるファブレスメーカー

[業種:通信・制御デバイス開発/所在地:関東地方]

●【自動車整備業】指定工場の許認可を取得、地場顧客を中心に自動車整備業を営む

[業種:自動車一般整備業/所在地:関東地方]

●【飲食業】商品力を強みに多店舗展開する知名度ある飲食店

[業種:飲食業/所在地:関東地方]

●イベント関連事業者。業績良好・財務堅調。

[業種:イベント関連事業者/所在地:関東地方]

 

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案件No.SS005621
自動車のIoT関連デバイス開発を手掛けるファブレスメーカー

 

(業種分類)IT・ソフトウェア

(業種)通信・制御デバイス開発

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)通信・制御デバイスの開発

 

〔特徴・強み〕

◇自動車IoTに関するデバイス開発・販売、自動運転関連ビジネス等を手掛ける
◇システム受託開発も可能
◇知財戦略に力を入れている(特許を多数保有)
◇今後の成長の為のパートナーを募集

 

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案件No.SS005361
【自動車整備業】指定工場の許認可を取得、地場顧客を中心に自動車整備業を営む

 

(業種分類)その他

(業種)自動車一般整備業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)自動車整備業

 

〔特徴・強み〕

◇関東地域にて車検、板金塗装を中心に営む
◇指定工場として許認可を取得
◇2級整備士2名在籍
◇財務内容に大きな変化なく、近年は堅調に推移

 

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案件No.SS005285
【飲食業】商品力を強みに多店舗展開する知名度ある飲食店

 

(業種分類)外食・食品関連

(業種)飲食業

(所在地)関東地方

(直近売上高)10~50億

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)飲食業

 

〔特徴・強み〕

◇ドミナント戦略で10店舗以上展開する飲食店。
◇地場で知名度ある店舗として展開。
◇仕入れルートに強みあり。
◇自社便を保有しているため、状況に応じて新鮮な商品配送を実現。
◇近年競合厳しく売上利益共に減少傾向にあるものの全店舗で黒字を確保している。
◇自己資本比率30%以上あり財務内容は良好な水準。

 

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案件No.SS005271
イベント関連事業者。業績良好・財務堅調。

 

(業種分類)その他

(業種)イベント関連事業者

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)イベント関連事業者。 営業基盤確立しており、業績・財務ともに良好。 後継者不在の事業承継案件。

 

〔特徴・強み〕

◇事業に係る大手発注元を押さえており、競合少ない。
◇通年のイベントスケジュール決まっており、安定した売上を計上。

 

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[解説ニュース]

美術品(重要文化財)を相続・売却した際の優遇措置について

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(青木 喬/税理士)

 

 

【問】

趣味で美術品の収集をしていますが、収集した日本絵画のうち1点が重要文化財に指定されています。

具体的な評価額は不明ですが、他にも財産があり多額の相続税が生じると考えています。相続税を金銭で納付することができない場合には物納になると思いますが、可能であればこの絵画は相続人に引き継いで貰いたいです。ただ、日常的な保存管理も必要であるため、相続人には負担を掛けると思います。もし相続人が将来的にこの絵画を相続することを了承しない場合には、適切に引き継いでくれる第三者に売却することも考えています。以上を踏まえ、相続の場合と譲渡の場合の税制についてそれぞれ教えてください。

 

 

【回答】

1. 相続の場合


(1)美術品の評価について

相続(遺贈)により取得した財産の価額は、相続が発生した時における時価になります。美術品についての時価の算定は、一般的に画廊やオークションハウスにて鑑定を行うこととなります。相続をした直後に相続人等が売却した場合には、その売却価額を時価とするケースもあります。

 

美術年鑑で記載されている価格は保存状態の良いものを画廊等で販売するときの価格になります。したがって、必ずしも所有されている絵画の時価を表しているものではありません。

 

なお美術品のなかでも「登録美術品」については、相続人からの申請により文化庁長官がその登録美術品の価格を評価し、その結果を通知します。

 

登録美術品制度とは、重要文化財や国宝、世界的に優れた美術品を所有者の申請により、国が審査のうえ登録し、登録した美術品を所有者から美術館に引渡して公開することにより、国民が優れた美術品を鑑賞する機会を拡大することを目的とした制度です。

 

(2)納税資金の手当てができない場合

相続税は金銭による納付が原則ですが、それが困難な場合、税務署長の許可を得て相続財産を物納することができます。物納可能な財産は以下の通りです。数字は物納に充てることができる財産の優先順位です。

 

 

①不動産、船舶、国債、地方債・上場株式等
②非上場株式等
③動産

 

 

美術品は③の動産に該当しますが、登録美術品については、上記の順序に関わらず物納の許可を受けることができます。ただ、相続が発生する前にこの美術品について国から登録を受けておく必要があります(相法41②、措法70の12①)。

 

(3)美術品についての相続税の納税猶予

物納により相続税の納付を行うことは可能ですが、所有権を失うため相続人に美術品を引き継ぐことができません。そこで、「特定の美術品についての相続税の納税猶予及び免除制度」を検討すべきでしょう。

 

この制度は、一定の条件を満たした美術館等に特定美術品(重要文化財として指定された絵画等の動産、登録有形文化財のうち一定のもの)を寄託(※)していた被相続人に相続が発生した場合において、相続人が寄託先美術館の設置者への寄託を継続するときは、納付すべき相続税額のうち、その特定美術品に係る課税価格(評価額)の80%に対応する相続税の納税が猶予される制度です(措法70の6の7)。
(※)被相続人において以下の手続が必要となります。

 

・寄託先美術館の設置者と契約期間、美術品を適切に公開する旨、基本的に所有者からの解約の申し入れができない旨を記載した寄託契約を結んでいること

・寄託契約の内容等を記載した保存活用計画について文化庁の認定を受けていること

 

2. 譲渡の場合


個人が絵画を譲渡した場合には、譲渡による所得について所得税が課税されます。事業所得・不動産所得・給与所得などと合算し、一般の累進税率を適用して税額を計算する総合課税により計算が行われます。

 

ところで、美術品のなかでも重要文化財について第三者に売却しようとするときは、事前に文化庁に「売却の相手方」や「予定対価の額」等を申し出る必要があります(文化財保護法46条)。これは文化財を適正に保護する観点から、国に優先買取権が認められているためです。ただ最近では、無届けの売買が多く、個人所有の重要文化財のほぼ半数の所在が確認できていないといわれています。

 

国が買い取る場合には、申出のあった予定対価の額で買い取りを行いますが、国に譲渡した場合の譲渡所得については、非課税とされています(措法40の2)。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/12/02)より転載