[M&A事業承継の専門家によるコラム]

第4回:第三者承継(M&A)の進め方とM&A専門用語の意味

 

中小零細企業経営者や経営者をサポートする専門家の方が抱えるM&Aや事業承継に関するお悩みを、中小零細企業のM&A支援・事業計画支援を専門で行っている株式会社N総合会計コンサルティングの平野栄二氏にアドバイスいただきます。

 

〈解説〉

株式会社N総合会計コンサルティング

平野栄二

 

 

 

「私(K氏)は現在75歳です。従業員5人の製造業を経営しています。業績は現在芳しくなく、売上も減少傾向です。後継者候補は現在存在していません。そこで、ここ数年、検討することを躊躇していましたが、そろそろ後継者を選んで、経営の引き継ぎをしたいと考えいてます。第三者に承継(M&A)を行う場合、 どのような手順で進めればよろしいでしょうか。」

 

 


 

平野:M&Aのフローについて、簡単にステップを説明をいたします。専門用語が多いので、それぞれの用語の意味を、まとめましたので参考にしてください。

 

 

M&Aの大きな流れ


一般的なM&Aのフローは以下のようになります。大体、個別相談から成約までは、早くて6か月、一般的には1年前後かかるケースが多いので、早めに相談をする必要があります。以下、実行フローとそのポイントを記載します。

[図表(PDF)で確認する]

 

(1)個別相談(M&Aが可能かを検討する) 

■誰に相談するか決める。(詳細は次章でお話します)

事前に相談したいことを箇条書きで記載しおく

・相談に必要な資料としては、決算書・株主構成など

・自社の状況で可能性があるのか、どのように進めていくのかを確認する

・費用はどれくらいかかるのかを確認する

 

(2)秘密保持契約の締結

・M&Aで最重要なことは「秘密保持」です。秘密保持契約を最初に締結する

 

(3)ファイナンシャル・アドバイザリー(FA)契約、または仲介契約の締結

■信頼できるアドバイザーが決まれば、アドバイザリー契約を締結し、開始する

■着手金・案件化料・企業評価料を支払う

最近は、着手金等を支払うケースが減少しているが、着手金が必要な企業ほど、責任をもって業務を行ってもらえるケースも多い。あくまでも、信頼できる業者を選定することが重要。

■ご依頼の意思決定をしてもらう

 

(4)M&Aのスキーム(方法)の検討

・必要資料の収集

・承継にあたり問題点(取引先・株主・従業員)を整理し、譲渡までの課題を抽出

・承継における譲受先へのアピールポイントを検討する

・売買条件(価格・引継ぎ方法・日程・譲渡先等)基本方針決定

 

実際、この時点では、詳細な条件は決まらないケースが多いため、その後のステップと併行しながら進めていく。

 

(5)企業概要書・ノンネームシートの作成と候補先への開示

■ノンネームシート(名前を表示せずに候補先の依頼を行うためのシート)

■企業概要書の作成 

・提携先のアドバイザー、配布して候補先の検討をしてもらう。

・事業引継ぎ支援センターに同行し、相談する。

・譲渡先の承諾を得てM&Aプラットフォームに登録する。

 

(6)バリュエーション(企業価値評価・事業価値評価)(株価)の算定

先ずは、決算書をもとに、資産や負債の時価評価を行い、時価純資産を算定する。

・役員報酬が同業他社の平均よりも過大や過少な場合や、臨時的な損益があれば、調整をおこなって、正常な収益力や、キャッシュフローを算定する。

・時価純資産価額法や、EBITDA倍率法やDCF法など、その企業に適した評価を行う。

 

(7)株式の社長への集約手続き (株式譲渡契約→代金決裁)

・経営に参画していない者が株主になっている場合、代表株主が、M&Aを行うまえに株式を買い取り、集約することが望ましい。譲り受け側としては、100%の株式を買い取り、経営権を保有したいと考える。他の株主がM&Aに反対された場合、M&Aの進行が滞る可能性があるので、早期に行動を起こす。

・所在不明な株主がいる場合などは、弁護士や司法書士に相談をし、対策を検討する。

 

(8)譲渡先の探索と決定 (マッチング→交渉) 

①候補先の紹介→ネームクリアの決定→候補先に情報開示(秘密保持厳守)

②各種検討の資料の提出と検討

③社長同士のトップ面談

④候補先から意向表明書の提出を受ける

候補先をまずは1社に絞る

⑤基本合意のための条件交渉

 

(9)基本合意契約の締結

■取引先・従業員等へのディスクローズの決定

■目的・譲渡内容・対価・条件・役員社員の処遇

合意後の手続き・守秘義務事項・独占交渉権・有効期限など

 

(10)買収監査(デュ-デリジェンス) 

 

(11)最終契約の締結

■最終条件の交渉

■最終契約(株式譲渡契約)締結 

 

(12)クロージング手続き

■代表者・取締役の退任手続き→司法書士

■株式の譲渡、譲渡代金の決済

■役員退職金の支払

■M&Aアドバイザリー手数料(成功報酬)

 

(13)PMI  (統合・引継ぎ業務)

代表者の個人保証等がある場合は、解除手続き

 

 

 

[POINT]

・譲渡企業は、少しでも疑問や不安を感じたときは一歩立ち止まって検討する

・アドバイザーは譲渡企業の社長の心情を理解し、寄り添う姿勢を崩さないこと

 

 

 

■□■事業者が知っておきたい専門用語の説明■□■


※中小M&Aガイドライン(中小企業庁)より一部抜粋・編集

 

[仲介契約]

仲介契約とは、仲介者が譲り渡し側・譲り受け側双方との間で結ぶ契約をいい、これに基づく業務を仲介業務という。仲介者とは、譲り渡し側・譲り受け側の双方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関をいう。

 

ファイナンシャル・アドバイザリー契約(FA契約)]

FA 契約とは、FA が譲り渡し側・譲り受け側の一方との間で結ぶ契約をいう。我が国においては、中小 M&A に関しても、譲り渡し側・譲り受け側の一方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関を FA と称することが一般的である。FA(フィナンシャル・アドバイザー)とは、譲り渡し側又は譲り受け側の一方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関をいう。

 

[秘密保持契約(NDA、CA)]

秘密保持契約とは、秘密保持を確約する趣旨で締結する契約をいう。具体的には、譲り受け側が、ノンネーム・シート(ティーザー)を参照して譲り渡し側に関心を抱 いた場合に、より詳細な情報を入手するために譲り渡し側との間で締結するケース や、譲り渡し側や譲り受け側が仲介者・FAとの間で締結するケース(仲介契約・FA契約の中で秘密保持条項として含められるケースが多い。)がある。「NDA(NonDisclosure Agreement)」や「CA(Confidential Agreement)」ともいう。

 

[企業概要書(IM、IP)]

譲り渡し側が、秘密保持契約を締結した後に、譲り受け側に対し て提示する、譲り渡し側についての具体的な情報(実名や事業・財務に関する一般的 な情報)が記載された資料をいう。インフォメーション・メモランダム「IM(Information Memorandum)」やインフォメーション・パッケージ「IP(Information Package)」ともいう。

 

[ノンネーム・シート(ティーザー)]

ノンネーム・シート(ティーザー)とは、譲り渡し側が特定されないよう企業概要を簡単に要約した企業情報をいう。譲り受け側に対して関心の有無を打診するために使用される。

 

[バリュエーション(企業価値評価・事業価値評価)]

バリュエーションとは、企業又は事業の価値を定量的に評価することをいう。評価額は、中小M&Aで譲渡額を決める際の目安の一つとして取り扱われる。評価手法は様々なものがあり、企業の実態や事業の特性等に応じた手法が選択される。

 

[マッチング]

マッチングとは、譲り渡し側と譲り受け側が M&Aの当事者となり得る者として接触 することをいう。譲り渡し側と譲り受け側の交渉は、マッチング後に開始することにな る。

 

[意向表明書]

意向表明書とは、譲り渡し側が譲り受け側を選定する入札手続を行う場合等に、 譲り受け側が譲り受けの際の希望条件等を表明するために提出する書面をいう。

 

[基本合意書(LOI、MOU)]

基本合意書とは、譲り渡し側が、特定の譲り受け側に絞って M&Aに関する交渉を行うことを決定した場合に、その時点における譲り渡し側・譲り受け側の了解事項を確認する目的で記載した書面をいう。「LOI(Letter Of Intent)」「MOU(MemorandumOf Understanding)」ともいう。基本的に法的拘束力がないものの、譲り受け側の独占的交渉権や秘密保持義務等については、法的拘束力を認めることが通常である。

 

[デュー・ディリジェンス(DD)]

デュー・ディリジェンス(Due Diligence)とは、対象企業である譲り渡し側における各種のリスク等を精査するため、主に譲り受け側がFAや士業等専門家に依頼して実施する調査をいう(「DD」と略することが多い。)。調査項目は、M&A の規模や実施希望者の意向等により異なるが、一般的に、資産・負債等に関する財務調査(財務 DD)や株式・契約内容等に関する法務調査(法務 DD)等から構成される。なお、その他にも、ビジネスモデル等に関するビジネス(事業)DD、税務 DD(財務DD 等に一部含まれることがある。)、人事労務 DD(法務 DD 等に一部含まれることがある。)、知的財産(知財)DD、環境 DD、不動産 DD、ITDD といった多様な DD が存在する。

 

[クロージング]

クロージングとは、M&A における最終契約の決済のことをいい、株式譲渡、事業譲渡等に係る最終契約を締結した後、株式・財産の譲渡や譲渡代金(譲渡対価)の全部又は一部の支払を行う工程をいう。

 

[PMI]

PMI(Post-Merger Integration)とは、クロージング後の一定期間内に行う経営統合作業をいう。

 

 

 

 

 

依頼者は、専門家が意味の分からない専門用語を使ったときは、臆せず、意味をたずねるようにいたしましょう。また、専門家は、なるべく意味が分かるように優しい言葉で、依頼者に説明することが大切です。

 

[業界別・業種別 M&Aのポイント]

第11回:「食肉卸売業のM&Aの特徴や留意点」とは?

~原価計算の方法は?販路別の売り上げや利益は?~

 

〈解説〉

公認会計士・中小企業診断士  氏家洋輔

 

 

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Q、食肉卸売業のM&Aを検討していますが、食肉卸売業M&Aの特徴や留意点はありますか?


食肉業界は、牛肉、豚肉、鶏肉等を扱いますが、BSE(牛海綿状脳症)や口蹄疫、鳥インフルエンザ等の感染症の影響により市場環境が大きく変化する業界です。

 

食肉は、簡便的に説明すると、和牛の場合肥育を行い28ヵ月になると、市場等に出荷されます。市場等から卸売業者や加工業者を通していく過程で、枝肉、ブロック肉、精肉に加工されます。

 

 

 

 

食肉卸売業者の場合、どこから仕入れてどこに売るのか、加工を行うのか行わないのか等の特徴があります。より上流から仕入れて、下流に販売することができる卸売業者の方がマージンは大きくなることが一般的です。

 

また、牛肉であれば、例えばロースは12月の売上量が多くなり、単価も高くなるなど季節性があることも特徴であり、各社様々な営業戦略をとっています。

 

仕入については、市場等から枝肉を仕入れるのか、卸売業者からブロック肉を仕入れるのか等の違いがあります。市場で枝肉を仕入れるには買参権が必要であるため、誰でも仕入ができるわけではありません。つまり、買参権を保有していることは1つの強みとなります。また、ブロック肉を仕入れてそのままブロック肉として販売する場合は、食肉の加工の部分以外での付加価値が必要となります。

 

食肉卸の加工部分での差別化ができる内容としては、枝肉を解体して精肉にまで加工できる設備や技術の有無、熟成技術の有無、急速冷凍の設備の有無、ハムやカレー等の加工食品の製造設備や技術の有無等が挙げられます。最終製品を製造することで、B to B だけでなくB to Cの販売も可能になり販路が拡大します。

 

M&Aの検討対象として食肉加工卸業者を見る場合、どのような特徴、強みがあるのかを正確に把握した上で、自社とのシナジー等を検討しましょう。

 

また、枝肉から精肉まで加工を行う場合、歩留まりの把握も含めて原価計算が複雑となります。枝肉を解体して、ヒレやロース、ウデ等のブロック肉となりますが、それらの販売単価は異なるため、どのような原価に設定するかは企業によって異なります。原価計算の方法により、部位ごとの粗利率も異なってくるため、販売意思決定にも関わります。また在庫の金額にも影響があるため、どのような原価計算で部位ごとの原価を決定しているかは正確に理解する必要があります。

 

さらに、販路ごとに売上高は把握している企業は多いですが、販路ごとの粗利や貢献利益の把握までできている会社は少ないのが現状です。貢献利益を分析してみると赤字であったあり、利益率の高くない取引先に熱心に営業をしている場合等が少なからずあります。これらの利益の分析は財務の専門家等を活用して正確に理解する必要があります。

 

食肉卸売業のM&Aを検討する場合は、業界の特色を理解した上で、流通構造のどの部分を事業としているのか、対象会社の特徴や強み、原価計算の方法や販路別の売上・利益を理解しましょう。原価計算や販路別の利益の分析は、専門性が高いため財務の専門家をうまく活用して理解した上で、M&Aの検討することが望ましいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

業績見通しに関する企業の意識調査(2021年4月公開分)

 

 

◇2021年度の業績見通しに関する企業の意識調査

2021年度の業績、収益の増減予想は拮抗
~ 資金繰りの苦しさは「個人向けサービス業」で鮮明に ~

 

国内景気は、新型コロナウイルスの影響により経済活動が左右される状況が続いている。緊急事態宣言は解除され、ワクチン接種や新しい生活様式に対応した需要創出など徐々に明るい兆しも見え始めているものの、一部地域では「まん延防止等重点措置」が適用されるなど、収束の時期は未だ鮮明には見えていない。一方で、2020年から延期となった東京五輪・パラリンピックの開催や5Gの本格的な普及などによる景気回復が期待されている。

そこで、帝国データバンクは、2021年度の業績見通しに関する企業の意識について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2021年3月調査とともに行った。

※調査期間は2021年3月18日~3月31日、調査対象は全国2万3,703社、有効回答企業数は1万1,261社(回答率47.5%)。なお、業績見通しに関する調査は2009年2月以降、毎年実施し、今回で13回目
※本調査における詳細データは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している

 

※詳細はこちら

 

 

 

 

 

情報提供元(出所):株式会社帝国データバンク

[M&A案件情報(譲渡案件)](2021年4月27日)

-以下のM&A案件(1件)を掲載しております-

 

●当地で一定の知名度を誇る不動産売買業者。土地仕入のネットワークあり

[業種:土地売買業/所在地:関東地方]

 

 

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-

(お問い合せ・ご相談は「無料会員登録」が必要です)

 


案件No.SS007126
当地で一定の知名度を誇る不動産売買業者。土地仕入のネットワークあり

 

(業種分類)住宅・不動産

(業種)土地売買業

(所在地)関東地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)不動産売買業者

 

〔特徴・強み〕

◇当地に根差す不動産売買業者。建築部門もあり土地の仕入から建物の建築まで一気通貫で対応可能。
◇土地仕入に関するネットワークを保有しており、コロナ禍でも安定した仕入ができている。
◇譲渡理由は後継者不在。

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-


情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

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[解説ニュース]

M&Aの株の売却価額と評価額とのかい離で財産評価基本通達6項が適用された事例

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

■同族株主が相続等により取得した非上場株式の相続税評価

■非上場株式を後継者等(非居住者)に贈与した場合の留意点

 

1.財産評価基本通達6項の適用事案


中小企業のM&Aの目前に中小企業オーナーが亡くなり、相続人が相続直後に亡きオーナーが取りまとめていたM&Aを実行に移し同社株式を売却した事案で、相続人が相続税申告で財産評価基本通達(以下、財基通という。)通りに中小企業の株式を評価した評価額と、M&Aで合意された売却金額との間に「著しいかい離」があるとして税務当局から更正された事案に注目が集まっています。この事案は相続人が審査請求し国税不服審判所で争われました(令和2年7月8日)。今回はこの事案について見ていきます。

2.財産評価基本通達6項とは


相続税の財産評価とは、財産の経済的価値を見積もることです。原則は、相続により取得した財産の時価です。実務では、特に税法で評価の定めがあるもの以外は、国税庁の定めた財基通に基づいて経済的価値を見積もることになっています。これは納税者の申告の際の負担を少なくするため、公平性を担保するためといわれています。たとえば、市街地の宅地の相続税評価の物差しとなる「路線価」も財基達に定められた評価に直結する指標となっていることで、よく知られています。

 

ところが、この財基通6項には、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」との規定があります。この規定の適用については、平成28事務年度の東京国税局の研修資料で次のような着眼点が示されています。

 

①財基通に定められた評価方法を形式的に適用することの合理性が欠如していること
②財基通に定められた評価方法のほかに、他の合理的な評価方法が存在すること
③財基通に定められた評価方法による評価額と他の合理的な評価方法による評価額との間に著しい乘雜が存在すること
④上記③の著しいかい離が生じたことにつき納税者側の行為が介在していること

3.事案の概要


事案の経過は次のとおりです。

 

ア、中小企業オーナーであった被相続人は、平成26年5月に、経営する会社の株式の譲渡に向けて買収会社と協議、基本合意書を締結しました。会社の株式は1株約10万円で譲渡することに合意していました。

 

イ、同年中に被相続人が死亡しました。相続人3人のうち一人が売却する株式の発行会社の代表取締役になる一方、買収交渉を継続し、同年7月に「相続人の一人に全ての株式を集めたうえでその相続人は、全ての株式を買収会社に基本合意書の価格(約10万円)で譲渡しました。相続人らは相続税の申告では財基通に基づき「取引相場のない株式で大会社のもの」として評価し1株約8千円として申告していました。

 

ウ、所轄税務署は、平成30年8月に国税庁長官の指示に基づき評価を行う専門家によるDCF法の評価(約8万円)で更正処分等をしました。この評価の際、買収価格も参考にしたとしています。

4.国税不服審判所の審理


相続人側は、処分を不服として再調査請求を経て国税不服審判所(以下、審判所という)に平成31年1月に審査請求をしました。

 

主な争点は評通6項の適用は違法か否かです(争点はもう一つありますが割愛します)。

審判所は相続税法22条を受けて財基通で評価することに一般的な合理性を認めるとともに「著しく公平を欠くような特別な事情があるときは、個々の財産の態様に応じた適正な「時価」の評価方法によるべきであり、評価通達6はこのような趣旨に基づくもの」としました。これを受けた具体的な検討では次のような指摘をしています。

 

①1株当たりの価額で比較すると、申告時の評価額は専門家のDCF法の評価の約10%にとどまり、譲渡価格等の約8%にとどまること。
②譲渡契約等について、市場価格と比較して特別に高額又は低額な価額で合意が行われた旨をうかがわせる事情等は見当たらない。
③譲渡される会社は、清算を予定しておらず、株主価値の算定方法としてDC F法を採用したことは相当。

 

審判所は、こうしたことから財基通に基づく評価額はDCF法による評価額や株式譲渡価格等と著しくかい離しており、「租税負担の実質的な公平を著しく害することが明らかというべきであり、財基通の定める評価方法以外の評価方法によって評価すべき特別な事情がある」と結論づけています。

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2021/04/26)より転載

[中小企業経営者の悩みを解決!「M&A・事業承継 相談所」]

~M&Aで会社や事業を売却しようとご検討の中小企業経営者におすすめ~

 

第5回:顧問先企業のオーナーから、後継者がいないので会社を誰かに譲りたいと相談されました。

 

 

〈解説〉

株式会社ストライク

 


M&A(合併・買収)仲介大手のストライク(東証一部上場)が、中小企業の経営者の方々の事業承継やM&Aの疑問や不安にお答えします。

 

 

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Q.顧問先企業のオーナーから、後継者がいないので会社を誰かに譲りたいと相談されました。

 

私が運営する会計事務所の顧問先企業はご高齢の経営者が多く、先日もある会社から「引退をしたいが後継者がいない。どこか引き継いでくれる会社はないか」という相談がありました。「体裁もあるので地元以外の会社で探してほしい」とのことでした。他の会計事務所の方々はM&A相談についてどのように対応されているのでしょうか?

 (山形県 会計事務所 S・Gさん)

 

 

 

A.顧問先企業からのM&A相談は、積極的に対応した方が良い結果につながります。

 

経営者の多くが、事業売却に関する相談相手について、「長年の付き合いがあり、会社の状態も知り尽くしている税務顧問の先生が最適」と考えていらっしゃるようです。先生方の知らないところで譲渡されるような事態を避けるためにも、相談を受けたときには、先生方にイニシアチブをとっていただくことをお勧めします。ストライクのようなM&A専門会社にご相談いただければ、最適な譲渡スキームの構築等を共同で行うことが可能です。

 

顧問先減少につながると考える先生方もおられますが、会社分割方式を使えるような事案であれば、顧問先を減らさずに済むケースもあります。他エリアのお相手とのM&Aを望まれるケースでは、買い手企業より引き続き税務顧問を依頼されるケースもあります。

 

例えば、会社分割で本業と不動産賃貸業とを分け、不動産事業は元の経営者が引き続き経営し、本業の会社を株式譲渡したという事例がありました。税務顧問の先生を通じてご相談いただいた案件でしたが、先生は不動産事業の税務顧問を引き続き担当されています。

 

M&Aが成立するまでのプロセスには、財務諸表を含む資料の開示、買収監査への対応、各種税金の納付等があり、税務顧問の先生なしには進められません。相談の初期段階でのメリットやリスクの説明、売却意思の確認、M&Aアドバイザー選定の必要性等の助言は、長年に渡り築いてきた経営者との信頼関係や幅広い知識力が重要です。後継者不在を理由に存在意義のある会社が廃業に追い込まれないようにするためにも、M&Aについて前向きに考えていただければと思います。

 

 

 

 

[M&A担当者のための 実務活用型誌上セミナー『税務デューデリジェンス(税務DD)』]

第3回 M&A取引に伴う税務リスクとその対応

 

[解説]

税理士法人LINK 公認会計士・税理士 長野弘和

 

〈目次〉

1.M&A取引に伴う税務リスク

(①法人税、②消費税、③源泉所得税、④関税)

2.グループ企業に係る税務リスク

(①棚卸資産取引、②役務提供取引、③固定資産取引、④資金貸借取引)

3.オーナー企業に係る税務リスク

(①役員給与、②個人資産と会社資産の混同)

4.グローバル企業に係る税務リスク

(①移転価格税制、②タックスヘイブン対策税制、③海外子会社の所在する国の税制に係る税務リスク)

5.発見された税務リスクへの対応

(1)買収価格への反映による対応

(2)表明保証による対応

(3)ストラクチャーの変更による対応

(4)M&Aの中止による対応

 

 

▷第1回:M&Aにおける税務デューデリジェンスの目的、手順、調査範囲など

▷第2回:M&A取引の税務ストラクチャリング

 

1.M&A取引に伴う税務リスク


M&Aにおける一般的な税務リスクは、買収対象となる企業や事業の過去の税務処理の内容(税務申告書の内容等)に誤りがあり、それが買収後の税務調査等において露見し、想定外のデメリットを負うことと言えます。税務リスクの特徴として、企業の存続を脅かすような重大なリスクとなる可能性は高くありませんが、税務調査は定期的に行われることから、リスクが顕在化する可能性は高いと言えます。また、それがメディア等で報じられることによるレピュテーションリスクもあります。

 

 

M&Aの後に顕在化する可能性のある主な税務リスクを税目別に見ると、①法人税、②消費税、③源泉所得税、④関税等が挙げられます。

 

 

①法人税は、その他の税目に比べて税率が高く、また住民税や事業税と連動することもあり、金額的な重要性は高いです。税制も複雑で毎年のように税制改正が行われることもあり、税務処理を誤るリスクも高いです。M&Aにおいて複雑な組織再編を伴う場合には税制の適用を誤るリスク、グローバル企業の案件等では特に影響の大きい移転価格税制やタックスヘイブン対策税制等に係る税務リスク等、税務リスクを検討する上で最も重要性は高い税目と言えます。

 

②消費税は、近年の税率引き上げに伴い重要性は高まっていると言えます。一般的には金融業や不動産業等と言われますが、他の業種でも課税売上割合が低く、仕入税額控除が制限される会社については、税務リスクの重要性が高まります。特に詳細な検討を行う必要がある場合を除き、法人税と比べて調査の範囲・深度は限定的となる場合が多いと言えます。

 

③源泉所得税は、課税所得が発生していない場合でも支払が行われるという特徴があります。海外への支払がある場合、非経常的な支払がある場合等、源泉徴収漏れが生じやすい取引が行われている場合には、税務リスクが高まります。特に詳細な検討を行う必要がある場合を除き、法人税と比べて調査の範囲・深度は限定的となる場合が多いと言えます。

 

④関税は、国や業種によって重要性が高い場合があり、特に欧州では関税について税務調査等で問題となるケースが見られます。関税の専門家の関与が必要となるという特徴もあります。上記の税目とは異なり、一般的には調査が必要と判断された場合にのみDDが行われています。

 

 

2.グループ企業に係る税務リスク


資本関係のある企業グループは、グループ会社間で様々な規模・種類の取引が行われています。グループ会社間において、経済合理性に疑義のある取引が行われている場合、税務調査において寄附金や受贈益の認定が行われるリスクがあります。

 

グループ会社間の取引には、①棚卸資産取引、②役務提供取引、③固定資産取引、④資金貸借取引など、様々な取引があります。

 

 

 

 

 

①棚卸資産取引については、(後述する移転価格税制を除き)通常大きな税務リスクは想定されませんが、不自然な取引が行われていないか、頻繁な(異常な)取引価格の変更が行われていないか等には留意が必要です。

 

②役務提供取引③固定資産取引④資金貸借取引などについては、実態を伴った取引か、対価の授受が行われているか、対価の設定が適切かどうか、といった点が税務調査の主な論点となります。取引実態の伴わない支払いが行われている、資金の貸付を行っているにも関わらず利息を受け取っていない、出張者や出向者に係る人件費等の費用が請求されていない等、様々なケースがあります。対価の設定が適切かどうかという点については、その妥当性の検討が難しいところですが、どのような考え方で取引価格を設定しているか確認するとともに、明らかに異常と考えられる取引価格になっていないか、頻繁な(異常な)取引価格の変更が行われていないか等には留意が必要です。

 

 

3.オーナー企業に係る税務リスク


個人やその一族が所有する会社(オーナー企業)は、上述のグループ企業と同様の税務リスクがありますが、それだけでなく、その個人(一族)との取引についても税務リスクがあります。

 

例えば、①役員給与、②個人資産と会社資産の混同などが挙げられます。

 

 

 

 

 

①役員給与については、不相当に高額と指摘された場合には、不相当に高額な部分について損金の額に算入することができません。また、いわゆる「定期同額給与」や「事前確定届出給与」等に該当しない役員給与についても損金の額に算入することができません。これらはオーナー企業に限った話ではありませんが、株主と役員が一致しているオーナー企業では特に留意が必要です。

 

②個人資産と会社資産の混同については、主にオーナー企業で見られる事象です。個人やその一族にとって、個人で支出すると節税効果がない場合でも、法人で支出すると節税効果が見込まれます。本来は個人で負担すべきものを法人に負担させている可能性がある点には留意が必要です。

 

 

4.グローバル企業に係る税務リスク


対象会社が海外に子会社を有する場合、留意すべき税務リスクが大幅に広がります。日本の税制だけをとっても、いわゆる国際税務に係る税務リスクが関わってきますが、その中でも特に留意すべき税務リスクとして、①移転価格税制と②タックスヘイブン対策税制が挙げられます。また、③海外子会社の所在する国の税制に係る税務リスクも関わってきますので、日本の税務専門家だけでなく、海外の税務専門家と連携した検討が必要となります。

 

 

 

 

 

①移転価格税制については、グローバル企業にとって影響が非常に大きく、税務調査で否認された場合の税負担が多額になりやすいという特徴があります。税務DDでは限られた時間・情報の中で調査をすることになりますが、移転価格税制への対応状況や取引規模、グループ各社の利益水準等から、効果的かつ効率的な調査を行い、重要な税務リスクを抱えていないか留意が必要です。

 

②タックスヘイブン対策税制については、軽課税国(税負担割合が20%未満)に所在する海外子会社が多額の利益を計上している場合には、特に検討が必要となります。ペーパーカンパニーではなく事業実態の伴った(適用除外要件を満たす)海外子会社であっても、資産性所得(利息、ロイヤリティ等)を多く有する場合には合算課税を受ける可能性がありますので、重要な税務リスクを抱えていないか留意が必要です。

 

③海外子会社の所在する国の税制に係る税務リスクについては、海外子会社についても同様に詳細な税務DDを行うことが望まれます。しかしながら、全ての海外子会社について詳細な税務DDを実施することは時間的・物理的な制約から現実的ではありません。特に重要な海外子会社は詳細な税務DDを実施するとしても、残りの海外子会社については日本の親会社を通じて得られる情報を用いたハイレベルな調査を実施する、重要な項目に限定して詳細な調査を行う等により、重要な税務リスクの特定に努める必要があります。重要性がないと考えられる海外子会社についても、想定外の税務リスクを抱えている可能性は否定できませんので、全く何も検討しないというのは避けた方が良いと言えます。

 

 

5.発見された税務リスクへの対応

税務DDを通じて発見された税務リスクについては、それぞれ対応方法を検討することになりますが、それには大きく4つの方法があります。

 

(1)買収価格への反映による対応

税務DDを通じて発見された税務リスクについては、なるべく定量化するとともに、可能な限り買収価格に反映すべきです。税務リスクは定量化が難しい場合も少なくありませんが、リスクの金額は極力大きく算定した上で、売手と交渉することが望ましいと考えます。

 

(2)表明保証による対応

売買契約書における売手の表明保証という形で対応する方法もあります。表明保証とは、売買契約書において、一定の事項が真実かつ正確であることを表明するもので、真実あるいは正確ではなかった場合には、金銭による補償等を可能とする条項が合わせて定められます。例えば、税務申告や納税が適正に行われていること等がありますが、発見された税務リスクのうち、定量化が困難なもの、あるいは買収価格への反映が困難なものについては、表明保証による対応が考えられます。

なお、表明保証による対応については、金額や期間に一定の制限が設けられることが一般的です。また、実際に売手からの補償が得られそうかという点についても留意が必要です。

 

(3)ストラクチャーの変更による対応

ストラクチャーの変更によって、税務リスクに対応する方法もあります。例えば、ストラクチャーについて株式買収から事業買収へ変更することで、税務リスクを切り離してしまうという方法があります。ストラクチャーの変更は、売手が難色を示すことも少なくありませんので、売手との交渉が重要になります。

 

(4)M&Aの中止による対応

いずれの方法によっても税務リスクへの対応が出来ず、かつ、それが許容できない税務リスクと判断された場合は、M&Aの中止を検討することになります。

[M&A案件情報(譲渡案件)](2021年4月20日)

-以下のM&A案件(1件)を掲載しております-

 

●業歴長く、業績堅調な搬送設備設計・機械器具設置業者

[業種:機械器具設置工事業/所在地:関東地方]

 

 

 

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案件No.SS007106
業歴長く、業績堅調な搬送設備設計・機械器具設置業者

 

(業種分類)製造業

(業種)機械器具設置工事業

(所在地)関東地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)搬送設備設計・機械器具設置業者

 

 

〔特徴・強み〕

◇往年の実績を背景に既存取引先からリピート受注及び紹介受注が大半を占める。
◇現場監督は当社から派遣し、実際の施工は外注にて対応。
◇業績・財務共に堅調に推移。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

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[M&A専門会社スペシャルインタビュー]

株式会社 Stand by C 代表取締役 松本久幸 氏

~「サービスクオリティの高さ」が最大の魅力 PPAをはじめとするM&Aサービスの専門ファーム~

 


 

大手会計系ファーム出身の公認会計士や税理士で構成された独立系ファーム。大手会計系ファームでの経験と、M&A専業で行っている豊富な実績をもとにした「クオリティの高さ」が同社最大の強み。また、顧客ニーズに合わせて依頼業務内容がオーバークオリティにならないよう配慮し、費用面においても大手会計系ファームとの差別化を打ち出している。今回は、同社代表の松本久幸氏に、同社の特徴やクライアントからのニーズ、また、近年ニーズが高まっているPPAの会計処理についてなど、お話を伺った。

 

株式会社Stand by C 代表取締役 松本久幸 氏

 

 

大手会計系ファームが報酬面やクオリティ面で手を出さない領域やニーズに対応した独立系の専門ファーム。


――:貴社(株式会社Stand by C)の創業からこれまでの経緯をお話いただけますでしょうか。

 

松本:弊社は、私が大手会計系ファームを辞めて独立した2010年1月に創業いたしました。当時は、あまり具体的な目的やポリシーを持って独立したわけではありませんでした。しかし、色々な方よりお仕事のお声掛けをいただく中で、M&Aを会計・税務・数字面から総合的にサポートできるファームは、大手会計系ファーム等の限られたところしかなく、また、その大手会計系ファームが報酬面やクオリティ面で手を出さない領域やニーズがあることを徐々に知り、そのニーズに合うような専門ファームとなっていったというのが、創業からこれまでの経緯です。

 

 

 

――:大手会計系ファームが手を出さない領域やニーズとは? 具体的に教えていただけますか。

 

松本:はい。私は元々、大手会計系ファームで修業を積ませていただきましたが、大手会計系ファームは大企業をクライアントとして、新聞に載るような大きな案件を高い報酬で引き受ける、というビジネスモデルでした。そのため、大手会計系ファーム在籍時は、中堅・中小企業やベンチャー企業とはあまり接点がありませんでした。ですが、独立後は、中堅・中小企業やベンチャー企業においてもM&Aが積極的になされる時代へと変遷していったこともあり、そこに大きなニーズがあるということを知りました。また、大企業においても、海外案件や大きな案件であれば高い報酬を支払ってでも大手会計系ファームに依頼しますが、M&Aが一般化するにつれて、国内の中小規模の案件にまで高い報酬を支払って、オーバークオリティな調査や評価を依頼することは必ずしも必要ない、という考え方に移っていき、大手会計系ファームから独立した弊社のような専門ファームへ依頼される方向へと変わってきたのでは、と感じています。

 

 

 

――:中堅・中小企業のM&Aが活発化されてきたこと、また、クライアントもM&Aの規模や内容など、そのM&A案件の実情に合わせた依頼をされ始めたということですね。

 

松本:はい。そうだと思います。そういうこともあって、弊社へのご依頼がどんどんと増えていったのだろうと思っています。

 

 

 

「サービスクオリティの高さ」が最大の魅力。オーバークオリティにならない配慮で、予算面でも大手会計系ファームとの違いを見出す。


――:貴社の特徴や強みについて教えていただけますでしょうか。

 

松本:弊社の特徴としましては、まず「サービスクオリティの高さ」です。業務に中心的に携わる人間はほぼ全員が公認会計士または税理士の資格を持っており、かつ、大手会計系ファームで働いていた経験があり、その経験が活かされているのだと思います。特にM&A関連のサポートサービスでは、大手を除くほとんどの会計系ファームは、税務顧問業務や監査業務をメインとし、その中からM&A関連のサポートが必要な場面において、非日常業務としてM&A関連のサービスを提供されていると拝察していますが、弊社はM&Aサポートサービスを専門として行っておりますので、その点で経験値や品質面において、差別化ができていると思っています。

 

特に、財務報告目的で実施され監査対象となる「のれんの減損テスト」や「PPA」のサポートは、公認会計士等の資格がなくても行える業務ではあるものの、弊社では評価実務と監査実務の経験を兼ね備えた公認会計士が業務にあたりますので、監査法人とのコミュニケーションにおいて強みを発揮できると考えています。

 

 

 

――:大手会計系ファームでご経験を積んだ公認会計士や税理士のメンバーが、M&A業務を専業で携わっているということで、クライアントからすると非常に心強いですね。

 

松本:はい。そのように感じでもらえると嬉しいです。もちろん、かけるコストや人員数が違いますので、そこは大手会計系ファームには、敵わないのは当然ですが、M&Aの案件によっては、そこまで人や時間やコストをかけずにやりたい、というニーズも多くあります。大手会計系ファームに依頼した場合はオーバースペックかつ予算オーバーだが、弊社であれば「報酬も予算内に収まり、かつ、クオリティも求める水準」である、ということで、そこに大手会計系ファームとの違いを見出してお仕事をご依頼いただくことが多いのだと思います。

 

 

 

東京のほか、大阪、京都、福岡に拠点を設け、全国各地のクライアントをサポートする体制を確立。


――:貴社の組織体制はどのようになっていますか。

 

松本:今年からは大阪にある税理士事務所と弊社の税理士法人(税理士法人Stand by C)が経営統合して、関西でも腰を据えて業務を行っていく体制となりました。ちなみにですが、2021年4月1日からは、大阪の中の島にあるフェスティバルタワーへ大阪の拠点を移して、より一層関西方面での活動に力を入れていくことを考えております。

 

また、福岡にも拠点があり常駐の者が1名おりますし、京都にも拠点があります。各地域の様々な企業様のM&Aや数字面に関わるサポートをこれからも積極的にどんどん行っていきたいと思っています。

 

 

 

――:M&A全体のニーズの高まりに合わせて、貴社の拠点も拡大しているようですね。大阪、京都、福岡と拠点が広がり、全国各地のクライアントから業務を受け付ける体制が整いつつありますね。

 

松本:はい。そのようになっていると思います。コロナ禍以降はZoomやTeamsなどでお客様や対象会社などとやり取りすることも一般的になってきましたが、各地に拠点を設けて活動していくことは、地域のお客様とのつながりやコミュニケーションの上でプラスになるものと考えています。

 

 

 

 

企業側に求めれれる第三者評価。実務面からも事前の調査が求めれている。


――:それでは、どのようなクライアントが多いのでしょうか。

 

松本:クライアントは、M&Aのサポートサービスが必要な会社ということになりますので、その多くは上場企業様となります。また、PEファンド様も、会社買収の際は必ずデューデリジェンスを実施される、ということから、広くお付き合いがあります。

 

特に最近の傾向としては、繰り返しにもなりますが、大企業やPEファンドが、以前は大手会計系ファームに高額な報酬を支払ってハイスペックな調査や評価を依頼していましたが、一部の案件については、そこまでコストをかけなくても十分な調査や評価ができるのではないか、ということで、弊社のような独立系の専門ファームにご依頼いただくことが多くなっている印象があります。そのような流れもあって、弊社ではいわゆる大企業と呼ばれる会社様も多くクライアントとしていらっしゃいます。

 

 

 

――:クライアントである企業様はどのような課題を抱えていると感じていますでしょうか。

 

松本:最近のコーポレートガバナンスの厳格化やそれに伴う情報開示を充実させる、という流れの中で、特に上場会社様は、第三者による評価や調査を実施する必要性に迫られている、というところに大きな課題を抱えていらっしゃると思います。

 

 

 

――:具体的にお話していただけますか。

 

松本:自社内だけの調査や評価でM&Aを実行しようとした場合、例えば、社外役員から「第三者からの調査報告書や評価書は入手していないのか?」との意見が出たり、また、「適時開示規則の中で第三者評価の入手が必要」ということであったりするようです。

 

また、実質面からでも、M&Aが一般化してきたことから、M&Aを実行する際にはきちんと調査や評価を行って、買収によるメリットやデメリットをきちんと検討された上でM&Aを実行する、ということも一般的になってきたと感じます。

 

 

 

――︓ますます、貴社が提供するM&Aサポートサービスの重要性が増していきそうですね。

 

松本︓はい。そうなるといいですね。M&Aを進めていくうえで、先ほどお話したような課題やお悩みなどがございましたら、ぜひ、弊社にご相談いただければと思います。

 

 

 

PPAにかかる無形資産価値評価サービスへのニーズが急増。のれんやPPAの会計処理に注⽬が集まっている。


――︓それでは、貴社の具体的なサービスラインについて教えてください。

 

松本︓弊社のサービスラインは⼤きく分けると、「M&Aサポートサービス」「ベンチャー⽀援サービス」「決算/経理サポートサービス」「税務業務」「ファミリーオフィスサポートサービス(富裕層向けファミリーオフィスサポート)」の5つになります。

 

 

 

――︓M&Aサポートサービスとはどのようなサービス業務内容となりますか。

 

松本︓M&Aサポートサービスは、「株式価値算定」「財務/税務デューデリジェンス」「PPAにかかる無形資産価値評価」「財務モデリング」「税務ストラクチャリング」になります。いずれも、弊社の専⾨性を⽣かしたサービス内容となっています。

 

 

 

――︓貴社HPを拝⾒するとIPOやストックオプション評価も業務サービスとして展開されているようですが。

 

松本︓先ほどお話ししたとおり、弊社は、元々はM&Aを会計・税務・数字⾯からサポートするM&Aサポート業務、いわゆるFAS業務を専業でやっていたのですが、その中から、時には「買収後の会社の経理や会計⾯のサポートをお願いしたい」というご要望や、「IPOを⽬指すのでそのサポートをしてほしい」といった様々なお声がけを受けて徐々に業務領域を拡⼤していったということです。現在では、IPO⽀援サービス、決算経理サポートサービス、また、ストックオプション評価等の業務も⾏っております。

 

 

 

――︓クライアントである企業様からは、貴社サービスに関して、具体的にどのような業務へのご依頼が多いのでしょうか。

 

松本︓ここ数年は、PPAにかかる無形資産価値評価サービスへのニーズが急増しております。これは、2010年より⽇本の会計基準においても、M&A時に発⽣する「のれん」について、抽象的なのれんのままで終わらせるのではなく、具体的な資産、特にブランドや顧客や技術といった無形資産として区分してBSに計上することが求められたことから、特に近年ご依頼が多くなっております。

 

特に、数年前のいわゆるオリンパス事件や東芝事件において、のれんやPPAの会計処理にスポットがあたったことから、監査法⼈が厳しく監査をするようになったことに伴い、PPAにかかる無形資産価値評価の実績では⽇本有数の弊社へ、HPからであったり、ご紹介であったりでお問合せが増えました。

 

ZEIKEN LINKS様にも寄稿させて頂きましたが、セミナーや雑誌等への寄稿依頼も、PPAに関するご要望が⼀番多い状況となっております。

 

 

▷参考記事︓ZEIKEN LINKS 特集解説「経営企画部⾨、経理部⾨のためのPPA誌上セミナー」

 

 

 

 

――︓PPAを含めて、M&A全体の流れと貴社サービスの関係性を教えていただけますか。

 

松本︓M&Aにおいては、以下のようなプロセスに沿って、様々な検討がなされます。

 

弊社では、『事前調査』のプロセスのとろで⾊付けされている「株式価値算定」「事業計画策定」「財務デューデリジェンス」「税務デューデリジェンス」「ストラクチャリングアドバイス」に関する業務を主にご提供させていただいてております。

 

また、『クロージング後』のところでは、無形資産価値算定(PPA)業務をご提供させて頂いておりますが、PPAについては、事前の検討段階でも「Pre PPA」ということでご提供させて頂いております。

 

なお、これら以外でも、必要やご要望に応じて、様々な業務をクライアントの傍に⽴ってご提供させて頂いておりますので、何なりとお問合せ頂ければと思います。

 

 

 

 

 

 

PPAとは、M&Aにおける買収対価(買収価額)を、買収対象企業の資産及び負債の基準⽇時点における時価を基礎として、買収対象企業の資産及び負債に配分する⼿続きのこと。


――︓「PPA」について、わかりやすく教えて頂いてもよろしいでしょうか。

 

松本︓パーチェスプライスアロケーション(PPA)とは、M&A完了後に買い⼿企業が⾏う⼀連の会計処理であり、M&Aにおける買収対価(買収価額)を、買収対象企業の資産及び負債の基準⽇時点における時価を基礎として、買収対象企業の資産及び負債に配分する⼿続きのことです。

 

PPAの概念図を資料にまとめましたので、ご参考にして頂ければと思います。また、無形資産の例⽰として、マーケ―ティング関連、顧客関連、契約関連、技術関連に分けて図表にしましたので、こちらもあわせてご覧いただくと、PPAに関する基本的な理解が深まると思います。

 

⻑い間、多くの⽇本企業にとってなじみの薄い実務であったPPAですが、昨今のM&Aの増加や監査の厳格化等を背景に、いまやM&Aとセットで考えなければならない会計的イシューとなったと⾔っても過⾔ではありませんので、基本的な事項だけでも押さえておいた⽅がよろしいかと思います。

 

 

 

 

[PPAの概念図]

●パーチェスプライスアロケーション(以下、PPA)とは、M&Aにおける買収対価(買収価額)を、買収対象企業の資産及び負債の基準⽇時点における時価を基礎として、買収対象企業の資産及び負債に配分する⼿続であり、会計(財務報告)⽬的で⾏われる。
●PPAは、オフバランスとなってB/S計上されていない無形資産も併せて時価評価する必要があることから、PPA⼿続の⼀環として、買収対象企業に存在すると考えられる無形資産(商標権、顧客関連資産等)を識別・測定し、買収対価を当該無形資産に配分する⼿続が必要となる。
●買い⼿企業においては、会社買収後1年以内にPPAの処理が求められる。無形資産の識別・測定は会計上の⾒積項⽬であり、かつ、計算には⾼度な専⾨性が要求されること等から、外部第三者による評価が利⽤されることが多い。

 

 

[無形資産の例⽰(マーケティング関連)]

 

[無形資産の例⽰(顧客関連)]

 

[無形資産の例⽰(契約関連)]

 

[無形資産の例⽰(技術関連)]

 

 

 

 

どの程度の調査が必要なのか。事前の社内コンセンサスが、依頼会社の選定やコストにも影響する。


――︓事業会社のM&A担当者として気を付けておくべきことは、どのようなことがありますでしょうか。担当者の⽅へのアドバイスをお願いいたします。

 

松本︓M&Aのサポートをご依頼される際には、予算を先に決められて、そこからサポート会社を選んでいくというプロセスを取られることも多いと思いますが、M&Aにおいては、買収対象会社の規模や所在国、また、買い⼿企業においてどの程度広く深く検討を⾏うかによって、依頼すべきサポート会社も異なってきますので、まずはその案件において、どの程度の調査が必要かを社内でコンセンサスを取って頂ければと思います。

 

 

 

――︓どの程度調査が必要かについて、社内でしっかりとコンセンサスを取ることが⼤切なのですね。

 

松本︓はい、そうです。というのも、先程お話しました通り、海外企業や、⼤きい会社を買収する場合においては、専⾨性や⼈的リソースを相当かけてでもきちんと調査や評価を⾏って、事前検討を⾏う必要がありますが、⼀⽅で、よく知っている取引先を買収する場合や、国内の⼩規模事業者を買収する場合などは、そこまでリソースやコストを掛けて調査をする必要がない場合もあります。

 

リソースを掛けてでも調査をするべき場合は、コストを掛けて⼤⼿会計系ファームへ依頼した⽅が良いかと思います。そういった案件において、例えば、⽇頃は税務顧問業務や監査をメインとしているファームへM&Aの調査や評価の依頼をした場合においては、必要⼗分な調査がなされなかったり、少しずれたアドバイスを受ける、というようなことになりかねません。

 

⼀⽅で、あまりリソースを掛ける必要がないような案件において、⼤⼿会計系ファームに依頼した場合、必要ない⼿続や調査が時間をかけてなされて、売り⼿企業が怒ってしまったり、細かな検出事項に捉われてしまって交渉が前に進まない、というようなことになりかねません。

 

 

 

 

――︓対象案件により、どこまで調査が必要であるかと把握し、それに⾒合うファームに依頼すべきなんですね。そこを⾒誤ると、コストも時間も必要以上に発⽣したり、または、不⾜してしまったりするのですね。

 

松本︓はい、その通りです。M&Aの案件には、難易度等の⾼低があり、その⾼低によって依頼すべきファームが変わってくる、ということは、M&Aに慣れていらっしゃる会社であればよくご存知ですが、M&Aはそうちょくちょく実施されるものではありませんので、数年に⼀度のM&Aを検討する際にも、案件の重要度や難易度を⾒極めて、依頼するファームを決定するべきであると思います。

 

 

 

 

――︓これまで、M&Aのご経験がない企業の場合は、その判断も難しそうですね。

 

松本︓そうでね。M&Aが初めて、その辺りの感覚もわからない、ということであれば、まずは弊社へご相談頂ければ、ファーム選定についてもアドバイスさせて頂きますので、お気軽にご連絡をいただければと思います。

 

 

 

 

クライアントの⽴場に⼀緒に⽴って考えて、調査や評価やアドバイスを⾏うことが「Stand by C」のモットー。


――︓クライアントと接する際に、⼤切にしていることはありますでしょうか。ご経験談を含めてお答えください。

 

松本︓弊社は、社名が「Stand by Client」でStand by Cとなります。クライアントの近くで、クライアントの⽬線に⽴って、という意味の社名となります。その点からも、弊社において⼀番⼤切にしていることは、クライアントの⽴場に⽴った調査や評価、アドバイスを⾏う、ということとなります。

 

例えば、株式価値評価においては、もちろん、第三者評価機関ということでご依頼されておりますので、第三者性はしっかりと担保した上ではありますが、評価を⾏う際に、売り⼿側に⽴つか、買い⼿側に⽴つか、で評価の考え⽅や⽅針が180度異なります。

 

売り⼿であれば⾼く売りたいわけですし、買い⼿であれば出来る限り安く買いたいということは当たり前のことですが、あまり経験のないファームに依頼した場合は、第三者性ばかりを強調して、買い⼿についているのか、はたまた売り⼿についているのか、そこが明確にならないままに株式価値の算定がなされる、ということはよくあるケースです。

 

そういったことからも、弊社は、特にM&Aサポートにおいては、クライアントの⽴場に⼀緒に⽴って考えて、調査や評価やアドバイスを⾏うことをモットーとしています。

 

 

 

 

――︓最後に、事業会社の担当者の⽅々へメッセージをお願いします。

 

松本︓⽇本でもここ数年、M&Aは企業の成⻑戦略として⼀般的なものとなってきました。⾼齢化社会となる⽇本においては、経営者の⾼齢化の問題から後継者問題によるM&Aも益々増えていくことでしょう。そのような中でもしM&Aを検討されることになった際は、専⾨性の⾼いM&Aサポートの会社へまずはご相談されることをお勧めします。

 

M&Aを考えるに当たっては、⾝近な顧問税理⼠や銀⾏担当者へ相談されるというケースも多いと聞きますが、M&Aは⼤きな⾦額が動く取引でもありますし、やはり専⾨性の⾼いファームへまずはご相談された⽅が、報酬が⾼い、というケースもあるとは思いますが、結果としてはよかった、ということになることが多いと思いますので、その点も考慮されてご検討頂ければと思います。

 

 

 

――︓ありがとうございました。

 

 

 

 

 

[事務所概要]
会社名︓株式会社Stand by C
本社︓東京都千代⽥区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング 17階

大阪営業所:大阪府大阪市北区中之島2-3-18 中之島フェスティバルタワー16階
設⽴︓2010年1⽉
代表取締役︓松本久幸
主な事業内容︓PPAサポート(無形資産価値算定)、ストック・オプション評価、IPO⽀援、デューデリジェンス、株式価値算定、フィナンシャル・アドバイザー(FA)、財務モデリング策定⽀援
対応エリア︓全国(⽇本国内)
URL︓https://standbyc.com/

 

 

 

 

 


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お問合せ先︓links@zeiken.co.jp

 


 

[M&A案件情報(譲渡案件)](2021年4月13日)

-以下のM&A案件(1件)を掲載しております-

 

●底堅い需要を有する砂利採取及びリサイクル企業

[業種:砂利採取業/所在地:中部地方]

 

 

 

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案件No.SS007150
底堅い需要を有する砂利採取及びリサイクル企業

 

 

(業種分類)その他

(業種)砂利採取業

(所在地)中部地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)砂利採取から産業廃棄物の収集運搬、中間処理まで一貫して対応

 

〔特徴・強み〕

◇長年の業歴を有し、安定した営業基盤を確立。
◇工場を保有し、その他設備も充実。
◇新規参入が難しい分野で独占的な受注を確保。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

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[解説ニュース]

同族株主が相続等により取得した非上場株式の相続税評価

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■非上場株式を後継者等(非居住者)に贈与した場合の留意点

■相続税法64条1項の同族会社等の行為又は計算の否認規定の適用要件

 

 

1.はじめに


相続又は遺贈(「相続等」)により非上場株式を取得した個人がその株式を発行した会社(評価会社)の同族株主に該当する場合、その株式の相続税評価額は常に原則的評価方式により評価すると考えがちです。

しかし、同族株主である個人が有する議決権割合によっては、その相続等により取得した株式を特例的評価方式により評価する場合もありえます。

 

2.同族株主のいる非上場会社で、同族株主グループに属する個人が相続等により取得したその会社の株式の相続税評価


「同族株主」とは、原則、課税時期における評価会社の株主のうち、株主の1人及びその親族等の「同族関係者」の所有議決権の合計数が、その会社の議決権総数の30%以上である場合における、その株主及びその同族関係者(以下、両者をあわせて「同族株主グループ」という。)をいいます(財産評価基本通達188(1))。

同族株主グループに属する個人株主が相続等により取得した非上場株式の相続税評価方式は、その取得後の議決権割合(その株主の有する議決権数÷評価会社の議決権総数)に応じ、次のとおりとなります(財産評価基本通達178・188)。

 

(1)その議決権割合が5%以上の同族株主の株式原則的評価方式により評価します。

 

(2)その議決権割合が5%未満の同族株主の株式

 

①評価会社に中心的な同族株主がいない場合は、原則的評価方式により評価します。

 

②評価会社に中心的な同族株主がいる場合は、その同族株主が次のいずれに当たるかに応じ、それぞれに掲げる方式で評価します。
イ.中心的な同族株主は、原則的評価方式により評価します。
ロ.課税時期において評価会社の役員である同族株主または課税時期の翌日から法定申告期限までの間に評価会社の役員となる同族株主は、原則的評価方式により評価します。
ハ.イ及びロ以外の同族株主が取得した株式は、特例的評価方式により評価します。

 

③「中心的な同族株主」とは、同族株主のいる会社の株主で、課税時期において次のイ〜ハの株主グループの有する議決権の合計数が、評価会社の議決権総数の25%以上である場合における、その株主をいいます(財産評価基本通達188(2))。
イ.同族株主の1人
ロ.イの株主の配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び一親等の姻族
ハ.イ及びロの者の同族関係者である会社のうち、イ及びロの者が有する議決権の合計数が、その会社の議決権総数の25%以上である会社

 

3.事例による非上場株式の相続税評価方式の判定


非上場会社の㈱Y(議決権総数10,000個)の代表取締役の甲が死亡し、その遺言により甲所有の㈱Yの株式を、甲の長男Aと孫C(次男Bの子)が取得しました。これにより長男Aの有する㈱Yの議決権数は9,600個、孫Cの有する議決権数は400個となりました(甲に係る相続税の申告期限において、Aは㈱Yの役員ですが、Cは役員ではありません)。この場合、AとCが取得した㈱Y株式の相続税評価は、次のとおりとなります。

 

(1)長男Aの取得した株式の評価方式

Aは㈱Yの議決権総数の96%を有する同族株主です。したがって、Aが取得した㈱Yの株式の評価方式は前述2(1)より、原則的評価方式となります。

 

(2)孫Cの取得した株式の評価方式

Aは中心的な同族株主となり、㈱Yは中心的な同族株主のいる会社となります。これに対し、Cは同族関係者(叔父)であるAとあわせて㈱Yの議決権をすべて有するので、同族株主に該当します。Cについて中心的な同族株主の判定を行うと、Cが有する㈱Yの議決権数は議決権総数の4%(25%未満)、C以外の㈱Yの株主は叔父のAのみであり、株主のなかにCの配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び1親等の姻族はいません。よってCは中心的な同族株主には該当しません。また、Cの有する㈱Yの議決権数は議決権総数の5%未満であり、かつCは甲に係る相続税の申告期限までに㈱Yの役員となるわけでもありません。したがって、Cが取得した㈱Yの株式の評価方式は、前述2(2)②ハより、特例的評価方式となります。

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2021/4/12)より転載

[マッチングサイトを活用したスモールM&A]

~年商1,000万円から2億円までのM&Aの現場から~

第4回:「マッチングサイトを使ったスモールM&A」こそ専門家選びが重要!

 

〈解説〉

税理士 今村仁

 

 

 

▷売上1,000万円程度からの「スモールM&Aお任せサービス」受付開始!M&A仲介業者への依頼に至らない規模の小さい案件も依頼しやすい手数料で。まずはお気軽にご相談を。

 

(1)ネットM&Aの世界は文字でしかない

後継者不在などの理由で、「廃業」ではなく「第三者承継(M&A)」を売り手社長が選択したとします。年商2億円以下のスモール企業(中小零細企業)であれば、「対面(リアル)」でお相手を探す銀行やM&A仲介業者には高額な費用の面で頼むことができません。

 

そこで、前々回お伝えしましたように、バトンズやトランビのようなM&Aマッチングサイトに無料登録を試みようとします。当然ですが、会社が特定されないノンネーム状態の会社概要のような感じでの登録となりますが、そのノンネーム状態の会社概要に、買い手の興味を引くような、もっといえば条件に合った買い手が現れるような情報を書き込まないといけません。

 

買い手からしてみると、最初は対面の説明など一切なく、また写真や動画ももちろんなく、文字オンリーでの情報で、買いたいか買いたくないかを判断する必要があります。そこに単に、「関西、製造業、従業員3名、売上6,000万円、赤字、安定した売上が特長」とだけ書かれていて、買い手が買いたいと思うでしょうか。

 

逆に、下記のような会社概要であれば、買い手はどう感じ、どのように行動するでしょうか。

 

超極細ばねから太物まで!バネの総合メーカー

【事業内容】

金属製スプリングの製作並びに販売 お客様からご注文をいただいた際は原材料・部品の購入から完成品として出荷されるまでの工程の各段階での、管理特性や管理方法を記載した表を使いご提案。その上で15社ほどの生産協力会社の中から適合性の高い先を選定し、製品の生産を依頼しています。 出来上がった製品を検査データとともに受け取り、当社にて受入検査を行ったのち、梱包・出荷をいたします。

【譲渡希望額】

1,000万円〜2,000万円

【会社概要】

[事業形態]法人

[都道府県・地域]××県

[設立年月]10年以上

[従業員数(正社員数、パート・アルバイトの合計)]1人〜4人

【財務概要】 ※ 公開日、または更新日から起算した直近期の財務概要です。

[売上高]5,000万円〜1億円

[売上総利益]2,000万円〜5,000万円

[営業利益]-100万円〜0円

[役員報酬総額]1,000万円〜2,000万円

[減価償却費]0円〜100万円

[現預金等]300万円〜500万円

[売掛金等]500万円〜1,000万円

[金融借入金]1,000万円未満

[純資産]1,000万円〜2,000万円

【M&A譲渡概要】

[譲渡希望額]1,000万円〜2,000万円

[譲渡対象]会社譲渡

[M&A交渉対象]すべて(個人も含む)

[その他希望条件]連帯保証の解除, 従業員雇用継続, 車を引き取りたい
【補足】借入金500万円の連帯保証の解除をお願いします。

 

[譲渡に際して最も重視する点]想いを継いでくれること

[譲渡理由]後継者不在

[支援専門家の有無]あり

【事業概要】

●商流(仕入先、販売先やエンドユーザー、モノの流れ)

 

[顧客、エンドユーザーについて]

家電や航空業界に使われるバネを販売。またばねの総合メーカーともお取引がございます。

 

[仕入れ先の特徴や関係性について]

長年の付き合いがあり、安定したお付き合いを続けています。

 

 

●アピールポイント(商品・サービス、資産・立地、会社の歴史等の強み)

 

[商品・技術・サービスの特徴や魅力]

15社ほどの生産協力会社との独自ネットワークを築き上げております。そのため一般的なスプリングの生産は勿論のことながら、特殊製品にも対応し数多くの商品を取り扱っています。

 

[当事業の歴史や創業の背景、想い]

社長は元々サラリーマンとして同業界の企業にお勤めでしたが、2002年、定年を機に当社を創業。長年の経験で得た知識・ネットワークを生かし、自ら営業活動を行ってまいりました。順調に仕事を増やしてきましたが、次を担う後継者がいらっしゃらないことからこちらへ掲載をすることになりました。社長は譲渡を急いでいるわけではなく働ける限りは現場にて業務に取り組みたいというお気持ちです(経理と荷造り担当の妻も同様)。 お客様のどんなニーズにもお応えすることがモットーです。

 

[事業の強み、発展性]

売上先が安定しております。 また、新規開拓をしていないため、売上向上の余地があります(見込先一覧表あり)。 品質には自信ありです。

 

 

以下、省略


(M&A総合支援プラットフォーム バトンズhttps://batonz.jp/より転載、一部修正)

 

 

 

 

M&Aという性格上、多数の優良な買い手にアピールしたいと思う反面、秘密保持にはそれ以上に注意を払わないといけません。そのため、売り手が特定されるような情報は載せられませんので、当然ながら写真等も基本的には掲載不可となります。

 

つまり、売り手は最初、「ほぼ文字だけの情報で、秘密を守りながら買い手へのアピール」を行わなければなりません。文章が得意な社長であればまだいいのですが、そうでなければ、文章力や表現力が豊富なマッチングサイトでのM&Aに特化したアドバイザーに頼まれた方がいいでしょう。文章作りは得意という方でも、「買い手目線で」会社概要を書かないといけないということと、買い手の数より質を高めることが重要でそのため「条件に合う良質な買い手を集める」という視点でも書かないといけませんので、やはり、売り手の方は、最初からこういったM&Aマッチングサイトの特性をよく知ったアドバイザーに頼んだ方がいいでしょう。

 

因みにですが、買い手が現れたらアドバイザーを入れようとするのはタイミングとして間違いです。不動産の売り案件と一緒で、一般的には最初に来る客が一番良い客であることが多いですので、最初のM&Aマッチングサイトに載せるところからアドバイザーに相談されることをお勧めします。

 

 

(2)買い手も最初からM&Aマッチングサイトに精通したアドバイザーを付けるとスムーズ

一方、買い手においては、サイト上で売り案件を見て、興味のあるものに対して、サイト上でメールを送るような感覚で、質問や実名開示依頼を行っていきます。

 

前回の解説で説明しましたが、M&Aマッチングサイト初心者の買い手がよくやる落とし穴は、「自己紹介や購入理由等の記載が何もなく、また売り手への配慮が無い言葉で質問のみ」を実行して、その後、売り手や売り手アドバイザーから「音沙汰なし」又は「返信はあるが素っ気ない」対応をされてしまうことです。

 

いずれは変化があると思いますが現在では、M&Aマッチングサイトは、買い手9割売り手1割の世界です。特に優良な売り案件には、20人以上の買い手が当然のように手を挙げます。M&Aマッチングサイトでは、買い手は、多数の買い手から売り手やそのアドバイザーにまずは選んでもらないといけないということを、常に念頭において交渉を進めないといけません、特に最初が肝心です。

 

弊社では過去に多数の売り手アドバイザーをしてきています。その結果、多数の買い手からのオファーをネット上で買い手同士の文章比較をしながら見ていますが、「よく売り手の立場を考えて練られた文章を送ってくる買い手や買い手アドバイザー」と「それ以外」は明白です。いくら、買い手に知名度や資金力があっても、M&Aマッチングサイトでは選ばれる買い手にならないと優良な売り案件にはその交渉の場にすらたどり着くことができません。過去にどれほど大きなディールに取り組まれていようが、「M&AマッチングサイトにはM&Aマッチングサイトなりの流儀やお作法」というものが存在します。そういった意味では、買い手も最初から、M&Aマッチングサイトに明るいM&Aアドバイザーを付けてその方に交渉をお任せした方が良いでしょう。

 

 

(3)全国の会計事務所に立ち上がって欲しい

私自身も会計事務所(税理士事務所)を経営していますが、顧客の8割は年商2億円以下のスモール企業です。もっと具体的にいえば、「年商8,000万円、従業員3名、トントンか赤字」といった感じの規模感等です。

 

会計事務所や税理士事務所の皆さん、このようなメイン顧客の社長が70歳を超えて後継者不在の場合、どんなアドバイスや支援をされてきましたか?高齢の社長より、「息子が継ぎたくないっていっているけど、この先どうしよう?」と言われて、どんな励ましの言葉をかけることができましたか、どんな対策を提案されてきましたか?

 

既存のM&A仲介業者や銀行等に頼むと、最低手数料1,000万円からと言われますので、ご紹介すらできませんし、先方も引き受けてくれません。

 

今までこのような顧問先にできることといえば、粛々と廃業に向けての「会社の終活支援」や「廃業支援」くらいではなかったでしょうか?さらにいえば、これらの支援すらしてあげられなかったのが、多くの会計事務所の実態ではないでしょうか。

 

同業者ですからご容赦願う前提でストレートに言わせていただければ、今までの会計事務所の後継者不在スモール企業への対応は、「ほったらかし」でした。もしその顧問先の年間顧問料が50万円で、20年のお付き合いがあれば50万円×20年=1,000万円、40年のお付き合いがあれば50万円×40年=2,000万円を、今まで頂戴してきたにも関わらず、最後にできることは、「ほったらかし」です。

 

これでいいのでしょうか?こんな無策で、本当に間違っていないのでしょうか?こんな仕事のやり方で、子供世代に会計業界について自信をもって説明できますか?

 

「M&Aマッチングサイトを使ったスモールM&A」では、このような後継者不在企業に、平均して7社の買い手候補を、無料で連れてきてくれます。「M&Aマッチングサイトを使ったスモールM&A」の仕組みを顧問先に伝えることは、会計事務所の使命ではないかと思います。

 

例えばですが、バトンズというM&Aマッチングサイトでは、無料登録が可能で更には登録サポートも無料になっています。社長やその親族等に、「バトンズとネット検索してみて」などとお伝えしてみてはいかがでしょうか。

 

できれば、会計事務所の方が登録の仕方やネットを使ったスモールM&Aの仕組みを理解して、登録代行等をしてあげるとなお良いでしょう。M&Aマッチングサイトを通じてマッチングをしてきた買い手の情報を顧問先にお持ちすると、それこそ飛び上がって喜ばれることもあります。「廃業しかないと思っていたのに、継いでくれる可能性のある人が現れるとは!」、と。

 

今まで廃業しか選択肢が無かった、特に地方のスモール企業に、第三者承継という手段を与えたという意味で、控えめにいって、プラットフォームとも呼ばれるM&Aマッチングサイトは、「革命」を起こしたと言えるでしょう。廃業であれば、650万人の雇用と22兆円のGDPが喪失する可能性がありますが、廃業ではなく第三者承継が実現すれば、取引先や雇用が継続されます。売り手社長自身にとっても、廃業より手残りが多くなるでしょう。

 

M&Aマッチングサイトを革命の第1章とすれば、革命の第2章は、全国の会計事務所や税理士事務所が立ち上がって、後継者不在の顧問先をマッチングサイトに多数登録していくような状況をいうのではないかと考えています。全国には、127万者の後継者不在企業等がありますが、まだまだM&Aマッチングサイトを見る限りそれらの一部しか登録がされていません。廃業予備軍ともいえる多数のスモール企業に、M&Aマッチングサイトを使ったM&Aの世界がまだまだ認知されていないからです。これら全国のスモール企業にリーチできるのは、全国の会計事務所しかありません。そう考えると、革命の第2章の主役は、全国の、特に地方の会計事務所や税理士事務所ではないでしょうか。全国の会計事務所や税理士事務所の皆さん、共に立ち上がり、革命第2章を共に歩みましょう。

 

 

 

 

 

 

[M&A案件情報(譲渡案件)](2021年4月6日)

-以下のM&A案件(2件)を掲載しております-

 

●美容・コスメ業界向けIoTシステム、広告等の開発ベンチャー企業

[業種:システム開発/所在地:関東地方]

●【高品質な商品提供】水産物の輸出入・卸売会社

[業種:生鮮魚類卸売業/所在地:関東地方]

 

 

 

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(お問い合せ・ご相談は「無料会員登録」が必要です)

 


案件No.SS007031
美容・コスメ業界向けIoTシステム、広告等の開発ベンチャー企業

 

(業種分類)IT・ソフトウェア

(業種)システム開発

(所在地)関東地方

(直近売上高)1億以下

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)美容業界向けに、デバイス開発・ソフトウェア・アプリケーションのIOT・広告サービスを展開するベンチャー企業

 

〔特徴・強み〕

◇デバイス・ソフトウェア・アプリケーションの特許を保有し、業界内シェアは1位。
◇デバイス販売、アプリケーション利用課金、広告収入の3つの収益源の構築を見込み、今後の成長が期待できる。
◇メディアからの注目度も高く、今後市場浸透度合で大きな収益を見込める。

 

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案件No.SS006587
【高品質な商品提供】水産物の輸出入・卸売会社

 

(業種分類)商社・卸・代理店

(業種)生鮮魚類卸売業

(所在地)関東地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)高鮮度な水産物の卸売事業

 

〔特徴・強み〕

◇海外現地にて、高鮮度・高品質な水産物の買い付けを行っている。
◇仲卸業務も手掛けている。
◇大手優良取引先を有している。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

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[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「個人事業で代替わりする場合の従業員に対する退職金の取扱い」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】従業員である相続人に退職金を支払った場合の債務控除の可否

■【Q&A】個人事業者が事業を廃止した場合の事業用資産に係る課税関係

 


[質問]

今年の12月で個人事業主Aが廃業し、来年1月から子B(生計別)に承継する予定です。この場合に、現在Aに雇用されている従業員(他人)に退職金を支給し、必要経費にすることは可能ですか。従業員はBに引き続き雇用される予定です。

 

相続による承継のケースは、退職金としての必要経費算入はできない旨の相談事例がありましたが、今回のケースも同様ですか。

 

[回答]

所得税法第63条は、事業を廃止した後にその事業に係る必要経費に算入されるべき費用が生じた場合、その費用を事業廃止年分等の必要経費に算入する旨規定し、同法第152条は、かかる場合の更正の請求の特例について規定しています。

 

したがって、親Aが事業を廃止し、子Bが事業を承継した後、親Aの時代から引き続き従業員として勤務していたCが退職したことにより、Cに退職金を支給した場合、親Aに勤務していた期間に係る部分の退職金は、所得税法第63条により、親Aの必要経費に算入することができることになります。これは、親Aが事業を廃止した時点で従業員Cに退職金を支給していない場合ですが、親Aが事業廃止時に従業員Cに退職金を支給していたとすれば、これを親Aの必要経費に算入することができないとする所得税法上の根拠は見出しがたいものと考えます。

 

ただし、ご検討されましたように、相続により事業承継した場合の裁判例(平成27年11月4日広島地裁判決、退職金の支払い事実がなく、承継者が未払費用として処理していたもの)もありますから、退職金を親Aの事業廃止時に親Aから従業員Cに実際に支払うとともに「退職所得の受給に関する申告書」や子Bと従業員Cとの雇用契約書などの書類は整えておくべきものと考えます。

 

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2020年12月10日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。

 

 

 

 


[M&Aニュース](2021年3月22日〜2021年4月2日)

◇ソニー・グループ<6758>、ブラジルの独立系音楽会社ソンリブレを約283億円で買収、◇ガーラ<4777>、菊川グループCEOが大株主でツリーハウスリゾート事業のツリーフルを子会社化、◇リログループ<8876>、不動産の日商ベックスグループ3社を子会社化、◇ヤマダホールディングス<9831>、建築系廃棄物中間処理業の三久を子会社化、◇nmsホールディングス<2162>、カンタツから3Dプリンター事業を取得、◇ロコガイド<4497>、しずおかオンラインを子会社化、◇ココカラファイン<3098>、福祉用具レンタル・販売のキコーメディカルを子会社化、◇セントラルフォレストグループ<7675>、給食向け食品卸の三給を子会社化、◇価値開発<3010>、福岡市内のホテル「ベストウェスタンプラス福岡天神南」の信託受益権を保有する特別目的会社を子会社化、◇エルアイイーエイチ<5856>、輸入肉・国産肉卸のエルモアミートを子会社化 ほか

 

 

ワールド、2年連続の希望退職に予定を上回る125人応募
2021/04/02

ワールドは2日、構造改革の追加実施に伴う希望退職者募集に125人の応募があったと発表した。アパレルブランドを主に百貨店チェンネルで販売するフィールズインターナショナル(神戸市)と、直営店を展開するワールドストアパートナーズ(東京都港区)の子会社2社に在籍する40歳以上の社員(定年再雇用者を含む。店舗従事者は除く)を対象とし、3月9日~19日に募った(退職日は4月20日)。応募者は募集人数の約100人を25%上回った。

ワールドは2月初め、百貨店で展開するアパレルブランドを中心に不採算の7ブランドを廃止し、2022年3月期中に約450店舗を閉店する構造改革を発表しており、今回の希望退職はこの一環。

同社は昨年8月、5ブランドの廃止や2021年3月期中の358店舗閉店、200人規模の希望退職(2020年9月に募集。応募294人)を柱とする構造改革を打ち出した。しかし、新型コロナウイルス感染の影響拡大による業績悪化を受け、今年に入ってもう一段の追加措置を迫られた。

ソニー・グループ<6758>、ブラジルの独立系音楽会社ソンリブレを約283億円で買収
2021/04/02

ソニー・グループは2日、ブラジルの独立系音楽会社ソンリブレを買収すると発表した。傘下の音楽事業統括会社ソニー・ミュージック・エンタテインメント(SME)を通じて、全株式と関連資産を約283億円で取得する。成長が続くブラジル市場を開拓するとともに、ブラジルの人気アーティストや楽曲を世界に売り込む。買収完了は関係当局の承認・許可を前提にしており、現時点で未確定。

ガーラ<4777>、菊川グループCEOが大株主でツリーハウスリゾート事業のツリーフルを子会社化
2021/04/02

ガーラは、ツリーハウスリゾート開発・運営のツリーフル(沖縄県名護市。売上高10万円、営業利益△900万円、純資産△800万円)が実施する第三者割当増資を引き受け、子会社化することを決めた。ツリーフル株式の97%を所有す大株主はガーラ取締役グループCEOの菊川暁氏であり、ガーラと同一の内容の議決権を行使すると認められる緊密者にあたると判断した。ガーラが1億6000万円で増資引き受け後、ガーラと緊密者の菊川氏を合算した議決権所有割合は90.8%(うちガーラ所有は8.8%)となる。ガーラはオンラインゲーム事業、スマートフォンアプリ事業を主力とするが、新たな収益源を目指してツリーハウスリゾート事業に進出する。第三者割当増資引受実行日は2021年4月30日。

ツリーフルは2020年3月に設立。清流として知られる源河川畔(名護市)に開業準備中で、木の上で完全に空中に浮いたハウスに宿泊できる。

リログループ<8876>、不動産の日商ベックスグループ3社を子会社化
2021/04/02

リログループは不動産事業の日商ベックス(東京都渋谷区。売上高4億2600万円、営業利益1億6100万円、純資産44億3000万円)を中心とする日商ベックスグループ3社の全株式を取得し、子会社化することを決めた。「リロの賃貸」のブランドで展開する不動産賃貸仲介・賃貸管理の事業拡大の一環。取得価額は3社合計で約86億円。取得予定日は2021年4月5日。

日商ベックスグループは1979年に設立以来、都内と神奈川県を地盤に不動産管理・賃貸仲介、営繕工事を手がけ、賃貸管理戸数は約7000戸。リログループが傘下に収めるのは日商ベックスのほか、日商管理サービス(東京都渋谷区。売上高20億8000万円、営業利益1億8100万円、純資産22億4000万円)、グランインテリア(同。売上高1億6800万円、営業利益2300万円、純資産5億3400万円)。

霞ヶ関キャピタル<3498>、再生可能エネルギー発電事業を手がけるAlpha Energy3を子会社化
2021/04/02

霞ヶ関キャピタルは、再生可能エネルギー発電事業を手がけるAlpha Energy3(東京都港区)に2億7200万円の匿名組合出資を行い、子会社化した。Alpha Energy3の設立は2019年。出資日は2021年3月18日。

JVCケンウッド<6632>、通信指令・管理システム開発の米国子会社Zetronを豪Codanに譲渡
2021/04/01

JVCケンウッドは、通信指令・管理システム機器などの開発、生産を手がける米国子会社Zetron,Inc.(ワシントン州)の全株式を、オーストラリアの通信関連サービス企業Codan Limitedに譲渡することを決めた。事業再構築の一環として無線システム事業におけるZetronの位置づけを見直したのに伴う。譲渡価額は約49億8000万円。2021年4月末をめどに譲渡完了の見込み。

JVCケンウッドは2007年にZetronを子会社化し、自社の無線端末とZetronの通信指令・管理システムを組み合わせてトータルシステムとして提供してきたが、近年、市場ニーズの変化に直面していた。

ヤマダホールディングス<9831>、建築系廃棄物中間処理業の三久を子会社化
2021/04/01

ヤマダホールディングスは、建築系廃棄物のリサイクル・再資源化を中心に廃棄物の中間処理を手がける三久(茨城県小美玉市。売上高11億5000万円、営業利益9060万円、純資産4億8700万円)の全株式を取得し、子会社化した。環境関連事業の強化の一環で、資源循環体制の拡充につながると判断した。三久は2008年設立。取得価額は非公表。取得日は2021年3月31日。

nmsホールディングス<2162>、カンタツから3Dプリンター事業を取得
2021/04/01

nmsホールディングスは電子機器製造受託サービス(EMS)子会社のTKR(東京都大田区)を通じて、スマートフォン用レンズメーカーのカンタツ(栃木県矢板市)から3D(3次元)プリンター事業を取得した。これまではTKRがカンタツから製造のみを受託していたが、市場拡大が見込まれる3Dプリンター事業の展開を加速させるためには、装置の開発設計から製造、販売、保守サービスまで一貫して手がける体制が必要と判断し、事業のすべてを譲り受けることにした。取得価額、取得日は非公表。

ロコガイド<4497>、しずおかオンラインを子会社化
2021/04/01

ロコガイドは、地域生活情報メディアを運営するしずおかオンライン(静岡市。売上高8億2000万円、営業利益8600万円、純資産1億9600万円)を1日付で子会社化した。株式を追加取得し、34.3%だった持ち株比率を100%に高めた。地域情報サービスの開発を加速させるのが狙い。ロコガイドは全国のスーパーの特売情報などを発信するサービス「トクバイ」を主力とする。取得価額は非公表。

ロコガイドが傘下に収めるしずおかオンラインは2001年設立で、静岡県内を中心に各種フリーマガジン、Webサイトなどで地域情報事業を展開している。ロコガイドは2020年10月に同社に出資し、持ち分法適用関連会社としていた。

ココカラファイン<3098>、福祉用具レンタル・販売のキコーメディカルを子会社化
2021/04/01

ココカラファインは、福祉用具レンタル・販売のキコーメディカル(堺市。売上高9300万円)の全株式を取得し、1日付で子会社化した。主力であるドラッグストア・調剤事業と介護事業の連携強化の一環。キコーメディカルは1987年に設立。取得価額は非公表。

セントラルフォレストグループ<7675>、給食向け食品卸の三給を子会社化
2021/04/01

セントラルフォレストグループは傘下の食品卸会社トーカン(名古屋市)を通じて、同じく食品卸売の三給(愛知県岡崎市。売上高53億8000万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。三給が強みとする給食市場に新たに参入するとともに、中食・総菜向けの売上拡大につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月12日。

インターネットイニシアティブ<3774>、SI事業のシンガポールPTC SYSTEMを子会社化
2021/04/01

インターネットイニシアティブは、システムインテグレーション(SI)事業を手がけるシンガポールPTC SYETEM(S)PTE LTD(売上高82億5000万円)の全株式を取得し、1日付で子会社化した。ASEAN(東南アジア諸国連合)地域における事業基盤の強化が狙い。PTCは1991年設立で、ストレージ・サーバー関連のシステム構築を主力とする。取得価額は約36億1900万円。

リンテック<7966>、米国の粘着製品メーカーDuramarkを子会社化
2021/04/01

リンテックはラベル用粘着紙・粘着フィルムなど各種粘着製品メーカーの米国Duramark Products, Inc.(サウスカロライナ州。売上高79億6000万円、営業利益△27億6000万円、純資産△15億4000万円)の全株式を取得し、1日付で子会社化した。北米での生産体制を拡充するとともに、日本など他地域での事業強化にもつなげる。取得価額は約6100万ドル(約67億5000万円)。

リンテックは2016年に買収した粘着製品製造の米国子会社MACtac(オハイオ州)を通じて、Duramarkを傘下に収めた。MACtacでは主力製品のラベル用粘着紙・粘着フィルムの生産能力の増強が必要になっており、今回の買収で関連する生産設備を即時に手に入れる運び。またDuramarkが持つグラフィックフィルムの一貫生産体制を取り込むことで、新たな商権の獲得や拡販を期待している。

VTホールディングス<7593>、英国自動車メーカーCaterham Carsを子会社化
2021/04/01

VTホールディングスは、輸入車販売子会社のエスシーアイ(東京都大田区)の主力販売車種「スーパーセブン」を生産する英国自動車メーカーCaterham Cars Group Limitedを1日付で買収した。日本国内の輸入業者として安定的な取引関係にあることから、現オーナーのマレーシアの投資家グループから事業継承の打診が寄せられた。特徴的な車両である「スーパーセブン」はニッチな市場ではあるものの、これまで小規模自動車として販売実績があり、今後も一定の需要が見込まれると判断した。取得価額は非公表。

三ツ知、人数を定めず早期退職優遇制度を実施
2021/03/31

三ツ知は31日、早期退職優遇制度を実施すると発表した。人数は定めず、53歳から57歳までの社員を対象に4月19日~5月14日に募る(退職日は6月30日)。同社はシート用を中心に自動車部品の製造を主力とする。今回の早期退職は年齢別構成の適正化を図るのが狙いとしている。所定の退職金に特別加算金を上乗せ支給し、再就職を支援する。

東邦ガス<9533>、三菱商事<8058>傘下でカナダ西海岸でLNG事業展開のDIAMOND LNG CANADA INVESTMENTを子会社化
2021/03/31

東邦ガスは、三菱商事傘下でカナダ西海岸で液化天然ガス(LNG)事業を展開する現地DIAMOND LNG CANADA INVESTMENT LTD.(DLCI。売上高0円、営業利益△560万円、純資産129億円)の全株式を取得を取得し、子会社化することを決めた。これにより、カナダ初の大型LNG事業「LNGカナダプロジェクト」に参画することになる。取得価額は非公表。7月中に取得予定。

価値開発<3010>、福岡市内のホテル「ベストウェスタンプラス福岡天神南」の信託受益権を保有する特別目的会社を子会社化
2021/03/31

価値開発は、2020年10月に福岡市内に開業したホテル「ベストウェスタンプラス福岡天神南」(236室)の信託受益権を保有する特別目的会社(SPC)の天神ホテル管理(東京都港区)を子会社化することを決めた。同ホテルの購入を目的とし、4月末にSPCに対する4億円の匿名組合出資を予定している。コロナ後を見据え、自己所有することで契約済みの賃貸借契約と比べ高い利益率が期待できると判断した。

価値開発は現在、傘下企業を通じ、ベストウェスタンプラス福岡天神南について長期固定賃料型の賃貸借契約(期間40年間)を結んでいるが、今後は所有者(信託受益者)兼運営者(オーナー・オペレーター)となるため、既契約が解除される。

廣済堂<7868>、x-climbのIT関連事業を取得
2021/03/31

廣済堂は、x-climb(東京都中央区)がIT関連事業を会社分割して設立する新会社x-climbソリューション(東京都港区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。取得価額は1億1200万円(子会社後の業績状況に応じて最大1億7200万円)。グループにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)化推進の一環。取得予定日は2021年6月1日。

x-climbは2013年設立で、受託開発とSES(システムエンジニアリング契約)事業を中心にAI(人工知能)などの開発やデジタルマーケティングに強みを持つ。

エルアイイーエイチ<5856>、輸入肉・国産肉卸のエルモアミートを子会社化
2021/03/31

エルアイイーエイチは、輸入肉や国産肉の卸会社であるエルモアミート(川崎市。売上高20億5000万円、営業利益△1600万円、純資産200万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。小売りスーパー事業における肉の仕入れを充実し、収益拡大につなげる。エルアイイーエイチは首都圏で業務用食品スーパー「業務スーパー」をFC(フランチャイズ)展開する。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月1日。

日立製作所<6501>、米IT企業のグローバルロジックを1兆円超で買収
2021/03/31

日立製作所は31日、米IT企業のグローバルロジック(カリフォルニア州)を買収すると発表した。投資ファンドなどから全株式を約85億ドル(約9180億円)で取得する。グローバルロジックの有利子負債を含めた買収総額は約96億ドル(1兆368億円、別にアドバイザリー費用が約54億円)に上り、日立の企業買収としては過去最大となる。2021年7月末までに買収完了を見込む。日立はITやエネルギー、鉄道、モビリティー(移動手段)、ヘルスケアなどの先進的な社会インフラのDX(デジタルトランスフォーメーション)を世界規模で加速する。

グローバルロジックは2000年設立で、シリコンバレーがあるサンノゼ市に本社を置く。デジタルエンジニアリングサービス市場のリーディングカンパニーと目され、世界14カ国に約2万人の従業員を抱える。2021年3月期の売上高見込みは9億2100万ドル(約1014億円)。

東京通信<7359>、電話相談サービス「カリス」運営のティファレトを子会社化
2021/03/31

東京通信は、電話相談サービス「カリス」を企画・運営するティファレト(東京都渋谷区。売上高17億9000万円、営業利益6億800万円、純資産4億1200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。「カリス」を足がかりに、多様なコミュニケーションプラットフォーム展開を視野に入れている。取得価額は20億800万円。取得予定日は2021年4月1日。

「カリス」は電話相談を通じて、恋愛や仕事、人生に関する悩みを抱えるユーザーと経験豊かなアドバイザーをマッチングするもので、2011年にサービスを開始。電話による音声マッチングの技術やアドバイザーの採用力に強みを持つ。

ランドビジネス<8944>、メーカーズシャツ鎌倉から紳士重衣料・トラウザーズのカスタムオーダー事業を取得
2021/03/31

ランドビジネスは、メーカーズシャツ鎌倉(神奈川県鎌倉市)から紳士重衣料(コート、スーツ、ジャケット)とトラウザーズ(スラックス)のカスタムオーダー事業を取得することを決めた。時代に流されることのないベーシックな価値を持つ「装う楽しみ」を実現するために事業を譲り受けることにしたという。ランドビジネスは不動産投資を主力事業とする。メーカーズシャツ鎌倉は1995年に設立。取得価額、取得日は非公表。

ランドコンピュータ<3924>、SAP導入コンサルティングのインフリーを子会社化
2021/03/31

ランドコンピュータは、独SAP製ERP(基幹業務システム)導入コンサルティングや既存ソフトに機能を追加するアドオン開発を手がけるインフリー(東京都千代田区。売上高3億3000万円、営業利益2100万円、純資産5000万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。パッケージベースのシステムインテグレーション・サービスにインフリーが強みとするSAP関連のノウハウを取り込み、付加価値の高い次世代サービスの提供につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月1日。

アルテリア・ネットワークス<4423>、都内のデータセンターをデジタルエッジ・ジャパンに譲渡
2021/03/31

アルテリア・ネットワークスはデータセンター事業の一部を、データセンター運営のデジタルエッジ・ジャパン(東京都千代田区)に譲渡することを決めた。譲渡対象は「ComSpaceⅡ」(東京都新宿区。床面積9336平方メートル)で、国内6カ所で展開するデータセンターの一つ。譲渡価額は非公表。譲渡は機械設備一式が2021年3月31日、顧客契約が同日以降段階的に行われる。

AVANTIA<8904>、京都府内を地盤とする戸建て住宅のドリームホームグループを子会社化
2021/03/31

AVANTIAは、京都府内を地盤に戸建住宅事業を展開するドリームホームグループを子会社化することを決めた。ドリームホームグループは戸建住宅を設計・施工する中核会社のDreamTown(京都市。売上高116億円、営業利益2億500万円、純資産10億3000万円)など3社で構成する。AVANTIAは東海地区を地盤に戸建て住宅を供給しているが、京都府内でトップクラスのドリームホームグループを傘下に取り込み、関西地区での事業基盤を拡充する。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月30日。

傘下の収めるのはDreamTownのほか、販売会社の株式会社ドリームホーム(京都市。売上高43億4000万円、営業利益3230万円、純資産2億3400万円)、ドリームホーム株式会社(京都市。売上高5億6400万円、営業利益△61万4000円、純資産253万円)。3社の全株式を取得する。

ナレッジスイート<3999>、AI CROSSのビジネスチャット事業「InCircle」を取得
2021/03/31

ナレッジスイートは、AI CROSS(東京都港区)からビジネスチャット事業を取得することを決めた。同事業を会社分割で承継する新会社DXクラウド(東京都港区)の全株式を取得する形とする。現在開発を進めている次世代型SFA(営業支援)/CRM(顧客管理)クラウドサービス「Knowledge Suite」の基盤上にチャットサービスの実装を検討している。取得価額は3億200万円。取得予定日は2021年6月1日。

AI CROSSから取得するビジネスチャット事業は「InCircle(インサークル)」。官公庁や金融、医療機関など高いセキュリティーが求められる企業を中心に導入されている。

サイジニア<6031>、ECサイト内検索サービスのZETAを子会社化
2021/03/31

サイジニアは、EC(電子商取引)サイト内検索サービスを手がけるZETA(東京都世田谷区。売上高8億2600万円、営業利益2億2900万円、純資産5億200万円)を株式交換で子会社化することを決めた。サイジニアはビッグデータ解析と多数の広告在庫を取り扱う広告配信基盤に強みを持つ。ZETAとは2020年1月に資本業務提携し、営業活動や新サービス開発を進めてきたが、子会社化を通じて一層連携を強化することで収益の拡大を目指せると判断した。

株式交換比率はサイジニア1:ZETA125で、ZETAの1株に対してサイジニアの125株を割り当てる。株式交換予定日は2021年7月1日。

ポプラ、希望退職に予定数を2割上回る62人応募
2021/03/30

ポプラは30日、希望退職に62人の応募があったと発表した。約50人の募集人員を2割上回った。コンビニ事業の業績不振を受けて北陸や中部からの撤退など事業構造改革を進めており、その一環として30歳以上59歳以下の正社員を対象に3月1日~19日まで募った。退職日は4月20日。

日本板硝子、早期退職に131人応募
2021/03/30

日本板硝子は30日、早期退職に131人の応募があったと発表した。日本板硝子単体の40歳以上の社員を対象とし、人数は未定としたうえで1月18日~2月12日に募った(退職日は3月31日)。同社は新型コロナウイルス感染拡大による業績悪化に対応して昨年11月に国内外で2000人規模の人員削減を盛り込んだ事業構造改革を打ち出した。そのうち国内ではグループ企業を含めて約400人の削減を予定しており、早期退職の実施はその一環をなす。早期退職措置による退職者以外ではグループ会社における削減や退職者の不補充などで対応するとしている。

サンフロンティア不動産<8934>、リンコーコーポレーション<9355>傘下の「ホテル大佐渡」を子会社化
2021/03/30

サンフロンティア不動産はグループ企業を通じて、リンコーコーポレーション傘下で「ホテル大佐渡」を運営するホテル大佐渡(新潟県佐渡市。売上高5億2700万円、営業利益3090万円、純資産5億8600万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。サンフロンティア不動産は佐渡島でホテル・旅館、タクシー・レンタカー、観光・旅行事業などを総合的に展開しており、新たに佐渡を代表する老舗ホテルの一つをグループに取り込む。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月26日。

「ホテル大佐渡」(74部屋)は1964年に開業し、佐渡島有数の景勝地である西海岸の相川地区春日崎にある。サンフロンティア不動産グループが展開する「佐渡リゾート ホテル吾妻」とは約650メートルの至近に位置する。

日本ルツボ<5355>、塗装設備・器具メーカーの日本ピーシーエスを子会社化
2021/03/30

日本ルツボは、塗装設備・器具メーカーの日本ピーシーエス(東京都渋谷区。売上高5億9500万円、営業利益2070万円、純資産6億3100万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。両社の主要顧客である自動車関連を中心とする取引拡充を見込む。日本ピーシーエスは1966年設立で、自動車関連向け塗装工程で使われる自動省力機、塗料循環装置に強みを持つ。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月5日。

日本ルツボは自動車関連を主体に耐火物事業を展開する。自動車関連にとどまらず、工業炉などのエンジニアリング事業でも日本ピーシーエスとの設計技術の融合を通じて新製品の開発促進などを期待している。

大盛工業<1844>、港湾・河川土木工事の港シビルを子会社化
2021/03/30

大盛工業は、港湾・河川土木工事の港シビル(東京都港区。売上高11億3000万円、営業利益710万円、純資産7290万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。建設事業の基盤強化が狙い。大盛工業は同じ土木分野でも下水道・地中工事を主体とする。取得価額は1億4100万円。取得予定日は2021年6月30日。

アドバンスト・メディア<3773>、施工管理士派遣のRixioを譲渡
2021/03/30

アドバンスト・メディアは、建設現場への施工管理士派遣を手がける100%子会社Rixio(東京都豊島区。売上高2億9900万円、営業利益500万円、純資産3200万円)の全株式を、30日付で個人(市村潤一氏)に譲渡した。クラウドサービスを利用した人材サービスの推進を目的に2018年8月にRixioを傘下に取り込んだものの、ITと相乗効果が低いRixioの事業上の課題が顕在化していたという。譲渡価額は非公表。

アドバンスト・メディアは建設業界向けに検査業務の効率化や検査結果のデータ化を実現するクラウドサービスの開発・提供に取り組んでいる。

スマートバリュー<9417>、プロバスケットボール「西宮ストークス」の運営会社を子会社化
2021/03/30

スマートバリューは、プロバスケットボールBリーグ所属の「西宮ストークス」を運営するストークス(兵庫県西宮市。売上高2億4600万円、営業利益△3660万円、純資産△2960万円)の株式51%を取得し、子会社化することを決めた。スマートバリューは神戸ウォーターフロントの「新港突堤西地区(第2突堤)再開発事業」で公募採択された多目的アリーナ(2024年完成予定。1万人収容規模)を運営することになっており、その有力コンテンツの一つとして「西宮ストークス」に着目した。

取得価額は6525万円。取得予定日は2021年4月1日。

ログリー<6579>、「転職アンテナ」運営のmotoを子会社化
2021/03/30

ログリーは、転職メディア「転職アンテナ」を運営するmoto(東京都中央区。売上高3億1600万円、営業利益8030万円、純資産1億5500万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。転職サービス市場を対象とする広告配信ジャンルの拡大に加え、「転職アンテナ」における転職者傾向のデータ分析を掛け合わせることで、新たな事業創出が可能と判断した。取得価額は7億3500万円。買収後の業績に応じて成功報酬を合わせると最大10億5000万円となる。取得予定日は2021年4月2日。

ログリーはネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」を主力事業とし、広告主(代理店を含む)の広告効果の最大化や媒体社(メディア)の収益向上を支援している。今回子会社化するmotoは「転職アンテナ」を運営する媒体社で、キャリアに関する考え方、転職ノウハウ、おすすめ転職サイト・エージェントの紹介などの情報を発信する。

サムティ<3244>、ラグジュアリーホテル「シャングリ・ラ京都二条城」の特別目的会社を子会社化
2021/03/29

サムティは、世界的なホテルチェーンのシャングリ・ラグループが取り組むホテル開発プロジェクト「シャングリ・ラ京都二条城(仮称、京都市)」の特別目的会社「Shangri-La Kyoto Nijojo特定目的会社」(東京都千代田区。売上高43万8000円、営業利益△2090万円、純資産86億円)の持ち分80%を取得し、子会社化することを決めた。アフターコロナを見据え、ホテルの需要回復後のビジネスチャンスを取り込む。11月末までに49%、残り31%を12月末までに取得する予定。取得価額は非公表。

持ち分はサムティのシンガポール子会社を通じて取得する。連結子会社化に伴い、2021年11月期決算に約27億円、2022年11月期決算に約16億円の負ののれんが発生する見込みという。

シャングリ・ラグループは世界26カ国で4ブランド・102のホテルを展開する。このうち「シャングリ・ラ ホテルズ」は5つ星のラグジュアリーホテルで、日本国内では2009年に「シャングリ・ラ東京」(東京都千代田区)が初進出。今回の「京都二条城」プロジェクト(客室数80~100室)は国内2番目となり、2022年1月に着工し、2024年12月開業のスケジュール。

SHIFT<3697>、アデコ傘下でフリーランスエンジニアのマッチング事業を手がけるA-STARを子会社化
2021/03/29

SHIFTは、フリーランスエンジニアのマッチングサービス事業を展開するA-STAR(東京都渋谷区。売上高11億4000万円、営業利益△5810万円、純資産1630万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。A-STARが保有する多種多様なエンジニア情報を取り込み、SHIFTが運営するプラットフォーム事業の拡大につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年3月31日。

A-STARは2012年に設立で、2018年にアデコ(東京都千代田区)の傘下に入った。アデコはスイスに本拠を置く世界的な総合人材サービス会社アデコの日本法人。

フーバーブレイン<3927>、IT人材派遣のGHインテグレーションを子会社化
2021/03/29

フーバーブレインは、IT人材派遣のGHインテグレーション(東京都新宿区。売上高2億2000万円、営業利益1100万円、純資産2900万円)を子会社化することを決めた。4月5日付で株式70%を取得し、残る30%は同23日付で株式交換により取得する。即戦力エンジニアを獲得し、今後普及する5G(第5世代通信規格)をはじめ幅広いIT需要に応えられる体制づくりが目的。

株式の取得価額は2億500万円。株式交換比率はフーバーブレイン1:GHインテグレーション623.59で、GHの1株にフーバーの623.59株を割り当てる。

エステー<4951>、カイロ製造のイタリア子会社ZETAを現地社に譲渡
2021/03/29

エステーはカイロ製造のイタリア子会社ZETA S.R.L.(ナポリ。売上高1億3600万円、営業利益△3300万円、純資産△2300万円)の全株式を、投資会社の同国REGA HOLDINGS S.R.L.(ナポリ)に譲渡することを決めた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で事業活動が制限され、収益確保が困難な状況にあった。ZETAに対する売掛債権と貸付金のすべてを債権放棄する。譲渡価額は約1万2900円(100ユーロ)。譲渡予定日は2021年3月30日。

エステーは2019年9月にカイロを製造するZETAの持ち分75%を取得し、子会社化(2020年4月に25%を追加取得し完全子会社化)。同社のブランドと販路を活用して欧州で事業を展開してきた。

レノバ<9519>、2023年運転開始予定の徳島津田バイオマス発電所を子会社化
2021/03/29

レノバは、木質バイオマス発電事業者で2023年3月運転開始を目指す徳島津田バイオマス発電所合同会社(徳島市。売上高-、営業利益-、純資産130億円)の株式24.7%を追加取得し、29日付で子会社化した。36.1%だった持ち株比率を60.8%に高めた。徳島津田バイオマスは2019年3月に設計着手し、現在基礎工事中。建設本格化に先立ち、経営への関与を強めるのが狙い。取得価額は6億1800万円。

J-オイルミルズ<2613>、接着剤・ホルマリンの販売子会社J-ケミカルを三菱ガス化学<4182>に譲渡
2021/03/29

J-オイルミルズは、接着剤・ホルマリンを販売する全額出資子会社のJ-ケミカル(東京都中央区。売上高62億2000万円、営業利益5億6000万円)の全株式を、三菱ガス化学に譲渡することを決めた。事業の選択と集中、効率化の一環。J-ケミカルはJ-オイルミルズの前身の1つである旧豊年製油の化成品部門を母体とする。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年5月31日。

RVH<6786>、美容関連広告子会社のK2Dを第三者の個人に譲渡
2021/03/29

RVHは、美容分野を中心とする広告子会社のK2D(東京都港区。売上高6億3700万円、営業利益3080万円、純資産2950万円)の全株式を、第三者の個人(本多将昭氏)に29日付で譲渡した。元々、グループ内の美容企業向けWeb広告案件を主体としてきたが、昨年4月に美容脱毛サロンのミュゼプラチナムなど2社を売却した後は新規顧客開拓に力を注いてきた。しかし、コロナ禍で美容業界の集客広告需要が大幅に減り、事業環境は厳しさを増していた。譲渡価額は2000万円。

松屋<8237>、持ち分法適用関連会社でショッピングセンター「銀座インズ」の物件賃貸を手がける銀座インズを子会社化
2021/03/29

松屋は、東京・銀座のショッピングセンター「銀座インズ」の物件賃貸を手がける持ち分法適用関連会社の銀座インズ(東京都中央区。売上高14億8000万円、営業利益5100万円、純資産20億8000万円)を子会社化することを決めた。東京高速道路(東京都中央区)から株式17.67%を追加取得し、持ち株比率を現在の33.33%から51%に高める。銀座インズの安定的運営と松屋グループとの全体的な相乗効果を引き出す観点から経営権を掌握する。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月7日。

ソーダニッカ<8158>、化学工業薬品・食品添加物製造の野津善助商店を子会社化
2021/03/29

ソーダニッカは、化学工業薬品や食品添加物を製造・販売する野津善助商店(松江市。売上高26億円、経常利益△1180万円、純資産2億9500万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。手薄だった山陰地区での事業強化につなげる。野津善助商店は1956年に設立。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月1日。

リーガルコーポレーション、希望退職に95人応募
2021/03/26

製靴大手のリーガルコーポレーションは26日、希望退職に96人の応募があったと発表した。50歳以上の社員(再雇用社員を含む)を対象とし、100人程度を予定数として3月8日~19日に募った(退職日は4月30日)。募集人員は全社員のほぼ1割にあたる。コロナ禍を契機とする在宅勤務の広がりで主力のビジネスシューズ需要が大きく落ち込み、厳しい経営状況が続いている。

希望退職の実施に並行して、製靴製造の国内4子会社のうち、4月末で解散する米沢製靴(千葉県浦安市)の従業員47人が退職する。

希望退職と子会社解散に伴う退職者への特別退職金、再就職支援などにかかる関連費用約7億4000万円を2021年3月期決算に特別損失として計上する予定。

サムティ<3244>、「アロフト大阪堂島」の信託受益権保有・運営のアール・アンド・ケイを子会社化
2021/03/26

サムティは、2021年4月に開業予定のホテル「アロフト大阪堂島」(大阪市、305室)を信託財産とする信託受益権を保有・運営するアール・アンド・ケイ(東京都千代田区。売上高10万円、営業利益△1億2800万円、純資産97万7000円)の持ち分55.6%を取得し子会社化することを決めた。取得金額は非公表。取得は2021年4月8日と同30日に分けて行う。

「アロフト」は世界的ホテルチェーンのマリオット・インターナショナルが運営するホテルブランド。アロフト大阪堂島は堂島浜エリアの四ツ橋筋に位置し、ターミナル駅の大阪(梅田)駅、繁華街の北新地駅、ビジネス街の中之島駅への徒歩圏内にある。

サムティはアール・アンド・ケイの子会社化に伴い、2021年11月期決算に負ののれん相当額を営業外収益と特別利益に合わせて約47億円計上する見込み。

芙蓉総合リース<8424>、介護福祉用具リース・割賦販売の日本信用リースを子会社化
2021/03/26

芙蓉総合リースは、持ち分法適用関連会社で介護福祉用具や医療機器のリース・割賦販売を手がける日本信用リース(東京都千代田区。売上高92億4000万円、営業利益9700万円、純資産13億8000万円)の株式を追加取得し、子会社化することを決めた。現在30%の持ち株比率を100%に高める。グループ内の医療・福祉に対する取り組み強化の一環。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月1日。

日本信用リースは1999年にニチイ学館(東京都千代田区)と芙蓉総合リースが共同出資で設立した。

スズケン<9987>、医療介護専用SNS運営のエンブレースを子会社化
2021/03/26

スズケンは、医療介護専用SNS「メディカルケアステーション」を運営するエンブレース(東京都港区。売上高4億3000万円、営業利益△5億3100万円、純資産6億5800万円)の株式80.8%を取得し子会社化することを決めた。デジタル化に対応した医療情報・流通プラットフォーム構築に向けた取り組みの一環。取得価額は15億4000万円。取得予定日は2021年4月1日。

エンブレースが運営する「メディカルケアステーション」は病院、クリニック、薬局、介護施設などで働く医療介護者の多職種連携や患者・家族とのコミュニケーションツールとして全国200以上の医師会、約13万人に利用されているという。

STG<5858>、アルミダイカスト製品メーカーのマレーシアSTX PRECISIONを子会社化
2021/03/26

STGは、マレーシアのアルミダイカスト製品メーカーSTX PRECISION(JB)SDN.BHD.(売上高17億8000万円、当期純利益△1億1300万円、純資産6億9900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。主要顧客の重複がほとんどなく、STGのマグネシウムダイカスト技術の移転を通じてサプライチェーンの多元化などの相乗効果を見込む。取得価額は7億6400万円。取得予定日は2021年3月31日。

新東京グループ<6066>、産業廃棄物処理のグリーンシステムズを譲渡
2021/03/26

新東京グループは産業廃棄物処理業のグリーンシステムズ(川崎市。売上高6800万円、営業利益△900万円、純資産△3500万円)の全株式を26日付で譲渡した。譲渡先、譲渡価額はいずれも非公表。新東京グループは2019年に民事再生手続き中だったグリーンシステムズを傘下に収めて同社の再建を進めてきたが、所期の目的をおおむね達したのに伴い、事業の選択と集中の観点からグループ内での役割を見直すことにした。

ワキタ<8125>、建機レンタルのグランドアースなど2社を子会社化
2021/03/26

ワキタは、九州北部地区を地盤に建設機械関連事業を手がける2社を子会社化することを決めた。建機レンタルなどのグランドアース(福岡県須恵町。売上高6億7500万円、営業利益1900万円、純資産1億9300万円)と建機販売・修理の九州機械センター(同。売上高10億3000万円、営業利益1900万円、純資産2億7300万円)で、いずれも株式の90%を取得する。ワキタは九州北部地区での建機事業の業容拡大や既存拠点との相乗効果を期待している。取得価額は非公表。取得予定日は2021年9月1日。

ワキタが傘下に収める2社はいずれも新留幸一氏が社長を務め、兄弟関係にある。

ラオックス<8202>、レディース靴企画・販売のモード・エ・ジャコモなど3子会社をアイティエルホールディングスに譲渡
2021/03/26

ラオックスは、レディース靴やバッグ、皮革製品の企画・販売を手がけるモード・エ・ジャコモ(東京都港区。売上高6億2100万円、営業利益2400万円、純資産△4億2200万円)など3子会社を、アイティエルホールディングス(東京都港区)に譲渡することを決めた。新型コロナウイルス感染拡大で訪日外国人が大幅に減る中、総合免税店を展開するラオックスとの相乗効果が期待できない状況になっていた。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年4月30日。

譲渡するのはモード・エ・ジャコモのほか、皮革婦人靴販売・製造のオギツ(東京都港区。売上高40億9000万円、営業利益△2億9700万円、純資産26億円)、オギツグループのシステム管理を手がける恒和総業(東京都港区。売上高-、営業利益△0百万円、純資産△1億8200万円)。

オンワードホールディングス<8016>、高級スポーツシューズメーカーのイタリア子会社フリーランドを譲渡
2021/03/26

オンワードホールディングスは、イタリア子会社を通じて保有する高級スポーツシューズ製造の同国フリーランドs.r.l.(フィレンツェ。売上高67億4000万円、営業利益12億4000万円)の全保有株式(所有割合60%)を、現地投資会社のFREE S.r.l.(フィレンツェ)に譲渡することを決めた。これにより、イタリアでの一連の事業構造改革が完了するとしている。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年3月29日。

日本金銭機械、希望退職に60人応募
2021/03/25

日本金銭機械は25日、希望退職に60人の応募があったと発表した。45歳以上勤続3年以上の正社員・再雇用契約社員が対象で、60人程度を予定して3月8日~19日に募った(退職日は5月31日)。

同社は紙幣を識別したり、硬貨を数えたりする貨幣処理機の製造を主力とするが、新型コロナウイルス感染拡大を契機とするキャッシュレス化の拡大で需要減退に見舞われている。こうした傾向はコロナ収束後も続くとみて、今後の事業規模に見合った人員体制の構築を目指す。

大丸エナウィン<9818>、LPガス販売の太陽プロパンを子会社化
2021/03/25

大丸エナウィンは、LPガス販売の太陽プロパン(福井市。売上高1億7000万円、営業利益△1680万円、純資産3億3300万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。北陸地域での事業エリア拡大が狙い。太陽プロパンは1968年設立で、福井市内に強固な営業基盤を持つ。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月1日。

大丸エナウィンは近畿圏を地盤にLPガス、住宅設備機器の販売を主力とし、ミネラルウォーターの製造・宅配や在宅医療機器のレンタルなどを手がける。

ネットイヤーグループ<3622>、ソーシャルメディアマーケティング事業子会社のトライバルメディアハウスを譲渡
2021/03/25

ネットイヤーグループは、ソーシャルメディアを活用した宣伝販促支援サービスを手がける子会社のトライバルメディアハウス(TMH、東京都中央区。売上高20億5000万円、営業利益△1億2700万円、純資産2億7800万円)の全保有株式(所有割合92.6%)を、同社社長の池田紀行氏、事業会社、投資事業有限責任組合など7者に譲渡することを決めた。譲渡価額は7億円。譲渡予定日は2021年4月2日。

ネットイヤーグループはオウンドメディア上でのデジタルマーケティング支援を主要事業領域とするが、2008年にTMHを傘下に収め、ソーシャルメディア領域に進出した。しかし、その後、オウンドメディア案件とソーシャルメディア案件に必要とされる専門性がそれぞれ高まるにつれ、当初想定していた相乗効果が十分に引き出せない状況が続いていたという。

メディアドゥ<3678>、RIZAPグループ<2928>傘下の日本文芸社を子会社化
2021/03/25

メディアドゥはRIZAPグループ傘下の出版社、日本文芸社(東京都江東区。売上高38億8000万円、営業利益520万円、純資産26億円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。メディアドゥが主力とするデジタルコンテンツ流通・配信事業と日本文芸社の出版コンテンツを掛け合わせることで相乗効果を追求する。取得価額は15億1500万円。取得予定日は2021年3月30日。

日本文芸社は1953年に設立し、生活実用書、コミック、小説などの書籍、ゴルフ関連などの雑誌を発行する。近年はマンガアプリの開発・配信などデジタル化にも力を入れている。2016年3月にRIZAPグループに買収された。

RIZAPグループは現在、美容・ヘルスケアを中心とした成長事業に経営資源を集中させる事業構造改革を推進しており、相乗効果が見込めず、短期的な収益改善が難しい子会社・事業について縮小・撤退、売却を進めている。

テリロジー<3356>、ITソリューション事業のクレシードを子会社化
2021/03/25

テリロジーは、ITソリューション事業のクレシード(東京都台東区。売上高7億7300万円、営業利益6200万円、純資産1億2300万円)の株式90%を取得し、子会社化することを決めた。テリロジーが大手企業を主力顧客とするのに対し、クレシードは中堅・中小企業を顧客基盤とする。顧客基盤の相互乗り入れを通じて事業機会の拡大・強化を目指す。取得価額は非公表。取得予定日は2021年3月29日。

クレシードは油・化学品の専門商社であるカネダ(東京都台東区)の情報システム部門が分社して1990年に発足した。主に中堅・中小企業の情報システムパートナーとして実績を積んできた。

粧美堂<7819>、コンタクトレンズ販売の台湾子会社「台灣妝美堂」を現地社に譲渡
2021/03/25

粧美堂は、コンタクトレンズの販売・輸出を手がける台湾子会社の台灣妝美堂股份有限公司(台北市。売上高1億3000万円、営業利益△723万円、純資産△3011万円)の全株式を、精密機器卸売りの昕琦科技股份有限公司(新竹市)に譲渡することを決めた。現地のドラッグストアやコンビニを中心に販売してきたが、価格競争の激化や新型コロナウイルス感染拡大の影響で中期的にも業績回復が見込めないと判断した。譲渡価額は1億1700万円。譲渡予定日は2021年4月30日。

セガサミーホールディングス<6460>、アミューズメント機器輸入・販売の英国子会社SAIを経営陣に譲渡
2021/03/25

セガサミーホールディングスは、アミューズメント機器の輸入・販売を手がける英国子会社Sega Amusements International Limited(SAI、サリー州チェシントン。売上高42億4000万円、営業利益2億5300万円、純資産24億8000万円)の全株式を、SAI経営陣が設立した新会社KAIZEN ENTERTAINMENT LIMITED(サリー州チェシントン)に譲渡することを決めた。欧米でのアミューズメント機器販売は新型コロナウイルス感染拡大の影響で低調に推移していることから、MBO(経営陣による買収)方式での譲渡について協議を進めていた。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年3月30日。

NFCホールディングス<7169>、比較サイト運営子会社のウェブクルーを経営陣に譲渡
2021/03/25

NFCホールディングスは、比較サイト運営子会社のウェブクルー(東京都世田谷区。売上高46億9000万円、営業利益4億500万円、純資産35億1000万円)の全株式を、同社社長の藤島義琢氏が設立したFW(東京都世田谷区)に譲渡することを決めた。譲渡価額は35億円。譲渡予定日は2021年6月1日。

株式譲渡の実行は、ウェブクルー子会社であるプラス少額短期保険(旧セント・プラス少額短期保険、東京都新宿区)の株式をNFCホールディングスが取得することを停止条件としている。

NFCホールディングスはコールセンターや訪問販売、実店舗、Webなど多様なチャンネルで保険商品を販売している。一方、子会社のウェブクルーは保険、引っ越し、自動車、シニア、教育など比較サイトを運営する。

近鉄グループホールディングス<9041>、米投資ファンドのブラックストーンに8ホテルを譲渡
2021/03/25

近鉄グループホールディングスは、京都市や神戸市などにある8ホテルを米投資ファンドのブラックストーン・グループとの間で設立する特別目的会社に譲渡することを決めた。資産流動化の手法を取り入れ、資産圧縮や資金調達につなげる。新型コロナウイルス感染拡大を受け、鉄道やホテルなど主力事業の構造改革を進めており、その一環。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年10月1日。

譲渡する8ホテルは都ホテル京都八条(京都市)、神戸北野ホテル(神戸市)、都リゾート志摩ベイサイドテラス(三重県志摩市)、都ホテル博多(福岡市)など。8ホテル計で帳簿価額は423億円、客室数は2294室(いずれも2020年3月末)。譲渡先の特別目的会社が対象ホテル資産の信託受益権を保有し、運営については引き続き近鉄グループが担う。

東和薬品<4553>、ウシオ電機<6925>傘下で疾病リスク検査サービスのプロトセラを子会社化
2021/03/24

東和薬品は、ウシオ電機傘下で疾病リスクの検査サービス事業を手がけるプロトセラ(大阪市。売上高1000万円、営業利益△1億1100万円、純資産△5億3800万円)が実施する第三者割当増資を引き受けて株式77.1%を取得し、子会社化することを決めた。プロトセラを傘下に取り込み、新規事業として検査事業を立ち上げる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年3月31日。

プロトセラは2004年設立で、ウシオ電機が86.52%を出資する。タンパク質の解析に関する独自技術を持ち、衛生検査所として認定を受け、疾病リスクの検査サービスを主力事業とする。

ライトオン、希望退職に47人応募
2021/03/23

ジーンズを中心とするカジュアル衣料品チェーンのライトオンは23日、希望退職に47人の応募があったと発表した。応募者は募集人数の40人程度を2割近く上回った。新型コロナウイルス感染拡大で業績が急降下したのを受け、40歳以上60歳未満の正社員を対象とし、3月1日~16日に募った(退職日は3月31日)。

特別加算金と再就職支援にかかる関連費用約8200万円を2021年8月期決算に特別損失として計上する予定。

今年1月半ばの2020年9~11月期(第1四半期)業績発表時点の通期(2021年8月期)予想は売上高17%増の620億円、営業利益15億円(前期は37億円の赤字)、最終利益6億円(同57億円の赤字)と2ケタ増収・赤字脱却を見込む。ただ、同時期の緊急事態宣言の再発令などで苦戦を強いられたことから、業績予想の修正に迫られる可能性もある。

千趣会<8165>、婚礼事業のディアーズ・ブレインなど2子会社を香港投資ファンドのCLSAキャピタルパートナーズに譲渡
2021/03/23

千趣会は23日、ディアーズ・ブレイン(東京都港区)など婚礼事業の全額出資子会社2社を香港投資ファンドのCLSAキャピタルパートナーズに譲渡すると発表した。千趣会は2007年に婚礼事業に参入したが、世の中の結婚観の変化などを踏まえ、自社運営にこだわらないノンコア(非中核)事業と位置づけ、「ベルメゾン」ブランドなどで知られる通信販売事業に経営資源を集中させる。

譲渡するのはハウスウエディング(一軒家のレストランなどを貸し切り挙式・披露宴を行う)事業のディアーズ・ブレイン(売上高68億円、営業利益△30億7000万円、純資産10億3000万円)のほか、ゲストハウス(結婚式場)ウエディング事業のプラネットワーク(大阪府吹田市。売上高14億7000万円、営業利益△5億4400万円、純資産3億8300万円)。千趣会は対象2社の全株式を譲渡する。譲渡金額は非公表。譲渡予定日は2021年3月31日。

千趣会はCLSAキャピタルパートナーズが設立した婚礼事業の統括会社に5%出資する予定。

千趣会は2007年にディアーズ・ブレインと資本業務提携し、婚礼事業に参入。翌2008年に同社を子会社化し、続いて2015年にプラネットワークを子会社化した。

当初、引き出物として千趣会のギフトカタログなどの利用が順調に推移したものの、近年、結婚式と新生活スタートのタイミングが必ずしも一致しない傾向が強まり、通販事業への送客も限定的だったという。さらに昨年来、新型コロナウイルス感染拡大の影響が重なり、業績が急速に悪化していた。

譲渡先のCLSAキャピタルパートナーズは1995年設立で、香港に本拠を置く。日本企業を含めてアジア企業への投資を活発に展開している。

セプテーニ・ホールディングス<4293>、調剤薬局向け医療用医薬品二次流通などの子会社Pharmarketをカケハシに譲渡
2021/03/23

セプテーニ・ホールディングスは、調剤薬局向け医療用医薬品の二次流通事業や患者-薬局間のコミュニケーションアプリ開発・運営を手がける子会社のPharmarket(東京都新宿区)の全株式を、調剤薬局向け業務システム開発のカケハシ(東京都中央区)に譲渡することを決めた。セプテーニはネット広告大手で、収益の柱であるデジタルマーケティング事業や今後成長が見込まれるメディアプラットフォーム事業など注力領域へ経営資源を集中する方針を打ち出している。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年4月1日。

出版社の秀和システム、中堅家電メーカーの船井電機<6839>をTOBで子会社化|1株918円
2021/03/23

IT・ビジネス書を中心に出版事業を展開する秀和システム(東京都江東区)は23日、中堅家電メーカーの船井電機に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。船井電機はTOBに賛同している。買付代金は最大約209億円。船井電機は秀和システムの傘下で中長期的な発展・再成長を目指す。船井電機は東証1部への上場が廃止となる見通し。

TOB主体は秀和システム子会社の秀和システムホールディングス(東京都江東区)。船井電機株式の買付価格は1株につき918円。TOB公表前日の終値696円に31.9%のプレミアムを加えた。買付予定数は2278万2386株。買付予定数の下限は所有割合32.49%にあたる1116万20株で、船井電機創業者の長男である船井哲雄氏が保有する株式34.18%(TOBには不応募)と合わせると発行済み株式の3分の2以上にあたる。

買付期間は3月24日~5月10日。公開買付代理人はSMBC日興証券。決済の開始日は5月14日。

予定通りTOBが完了すれば、船井電機は8月に本減資などを行ったうえで、船井哲雄氏が保有する34%余りについて自己株式取得を実施する。

船井電機は1961年に船井軽機工業で手がけるトランジスタラジオ事業の拡大に伴い、分離独立する形で発足。テレビなど映像機器事業を主力とし、積極的な海外展開で知られる。2000年に東証1部に上場した。

リテールパートナーズ<8167>、宮崎県日南市で食品スーパー4店舗経営の戸村精肉本店を子会社化
2021/03/23

リテールパートナーズは傘下スーパーのマルミヤストア(大分県佐伯市)を通じて、地場スーパーの戸村精肉本店(宮崎県日南市。売上高32億3000万円、営業利益6620万円、純資産23億7000万円)の全株式を取得し、23日付で子会社化した。南九州でのドミナント(集中出店)戦略の一環。戸村精肉本店は日南市内にスーパー4店舗とレストラン1店舗を展開する。取得価額は非公表。

戸村精肉本店は1972年に設立。同社100%子会社として焼肉のたれで県内シェアトップの「戸村のたれ」を製造する戸村フーズ(宮崎県日南市)を持つ。

小僧寿し<9973>、宇都宮市で食品スーパー経営のだいまるを子会社化
2021/03/23

小僧寿しは、食品スーパー経営のだいまる(宇都宮市。売上高7億9300万円、営業利益△1500万円、純資産2億5300万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。食品小売り事業への参入が狙いで、「小僧寿し」「茶月」のブランドで知られる持ち帰り寿司店(全国196店舗)を通じて飲料、食品などの商品を提供する。また、「デリズ」ブランドで展開する配達専門のデリバリー事業との連携も推し進める。取得価額は非公表。取得予定日は2021年3月31日。

だいまるは1966年に設立し、屋号は「だいまるストアー」。

綿半ホールディングス<3199>、「Shelfit」ブランドの組立家具を展開する大洋を子会社化
2021/03/23

綿半ホールディングスは傘下企業を通じて、「Shelfit」ブランドの組立家具を展開する大洋(静岡県島田市)の全株式を取得し、23日付で子会社化した。大洋は1926年に製材業として創業し、現在は収納棚などの組立家具を製造・販売する。取得価額は非公表。

かんなん丸、希望退職に68人応募
2021/03/22

居酒屋を運営するかんなん丸は22日、希望退職に68人の応募があったと発表した。新型コロナウイルス感染拡大による来店客の激減で業績が大幅に悪化し、6月末までに全店舗の半数近くにあたる27店舗の閉鎖を決めた。これに合わせ、子会社を含む正社員を対象に80人程度(予定)を3月1日~15日に募った。退職日は4月1日。

2021年6月期決算に特別退職金や再就職支援にかかる関連費用約3700万円を特別損失として計上する予定。

かんなん丸は居酒屋チェーン大手、大庄のフランチャイズ加盟店。埼玉県を地盤とし、「庄や」「日本海庄や」「やるき茶屋」などを展開する。

ジューテックホールディングス<3157>、フローリング工事の中部フローリングを子会社化
2021/03/22

ジューテックホールディングスは、フローリング工事の中部フローリング(名古屋市。売上高29億8000万円、営業利益8400万円、純資産3億1400万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。中部フローリングは1976年設立で、公共施設や店舗など非住宅分野でのフローリング工事に強みを持つ。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月1日。

ジューテックHDは建材卸大手。M&Aによる業容拡大に力を入れている。

gooddaysホールディングス<4437>、ITソリューションコンサルティングのアネックスシステムズを子会社化
2021/03/22

gooddaysホールディングスは傘下企業のオープンリソース(ORC、東京都千代田区)を通じて、ITソリューションコンサルティング事業のアネックスシステムズ(東京都千代田区。売上高1億3200万円、営業利益△5200万円、純資産2億9800万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。アネックスが持つ金融・決済系システム開発のノウハウとORCの流通系システム開発のノウハウを融合し、事業・顧客基盤の拡充につなげる。

取得価額は2億円。取得予定日は2021年4月1日。子会社化後、ORCとアネックスは5月末をめどに合併する予定。

インバウンドテック<7031>、コールセンター業務を手がける岩手県花巻市のシー・ワイ・サポートを子会社化
2021/03/22

インバウンドテックは、コールセンター業務のシー・ワイ・サポート(岩手県花巻市。売上高1億500万円、営業利益714万円、純資産5540万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。シー・ワイ・サポートは花巻市内と盛岡市内の2カ所に拠点を持つ。インバウンドテックは既存の新宿本社(東京都新宿区)、SATSUMA BPOセンター(鹿児島県南さつま市)と合わせ国内4拠点体制となる。取得価額は9643万円。取得予定日は2021年4月1日。

インバウンドテックは24時間365日対応の多言語コンタクトセンター運営とセールスアウトソーシング事業を主力とする。

太陽化学<2902>、持ち分適用関連会社で製パン事業の中国「香奈維斯(天津)食品」を子会社化
2021/03/22

太陽化学は、中国で製パン事業を手がける持ち分適用関連会社の香奈維斯(天津)食品有限公司(天津市。売上高8億6100万円、営業利益△5200万円、純資産1億9800万円)の株式1%を追加取得し、子会社化(所有割合51%)することを決めた。経営権を掌握し、年率10%以上で成長を続ける中国の製パン市場で事業の拡大・強化を目指す。取得価額は約1525万円(91万3000元)。取得は6月中を予定。

香奈維斯(天津)食品は2012年に、太陽化学と製パン事業のニューイングベーカリー九州(福岡県新宮町)が折半出資で設立した。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[わかりやすい!! はじめて学ぶM&A  誌上セミナー] 

第6回:デューデリジェンスとは何か?デューデリジェンスはなぜ必要なの? デューデリジェンスの種類とは?

 

 

〈解説〉

公認会計士・税理士 清水寛司

 

〈目次〉

1.デューデリジェンスとは何か

2.デューデリジェンスはなぜ必要なの?

3.デューデリジェンスの種類

①財務デューデリジェンス

②税務デューデリジェンス

③法務デューデリジェンス

④ビジネスデューデリジェンス

⑤人事労務デューデリジェンス

⑥環境デューデリジェンス

⑦ITデューデリジェンス

 

 

第5回では相手会社を「しっかりと」知るためにデューデリジェンスを行うことに触れました。M&A実行後に何か致命的な問題が出てきても後の祭りです。当初見込んでいた相乗効果を上回る程の費用が発生してしまい、最悪の場合は自社の信用が失墜してしまいます。

 

対象会社についてしっかりと把握し、「概要しか知らない」会社や事業を買う「怖さ」を減らすために行うデューデリジェンスについて見ていきましょう。

 

 

 

1. デューデリジェンスとは何か


実務でM&Aを行う場合、必ず「デューデリジェンス(Due Diligence)」という言葉を聞く機会があります。頭文字を取ってDDと略されることが多いデューデリジェンスですが、いったい何のことなのでしょうか。

 

1単語ずつ訳すとDueは「正当の、当然の、相応の」、Diligenceは「勤勉、精励、注意」ですので、「当然の勤勉」や「正当な注意」と直訳することができるでしょうか。

 

M&Aに限らず不動産投資やプロジェクトファイナンス等で出てくる単語で、取引を行う前に投資対象の事業内容・実態を詳細に調査することを言います。

 

会社や事業を行う前に詳細に調査することは「当然行うべきこと」とも言えますし、投資対象として適切かどうかを確認することは「正当な注意」と言えますね。そこから派生して、現在では「デューデリジェンス」という言葉がよく使われています。

 

 

 

 

2. デューデリジェンスはなぜ必要なの?


デューデリジェンスを行う段階はどの段階でしょうか。第5回でご説明させていただきました、M&Aの実行段階でしたね。ターゲット会社に接触して基本合意書を締結した後に行うのが一般的ですから、かなり「本気度が高い」状況で行うことになります。

 

<第5回:実行段階の流れ(再掲)>

 

この「本気度が高い」というのがポイントで、どの会社にしようかと迷っていたり、理想を求める手法としてM&A以外の選択肢があったりするときは、対象となる会社について「ある程度」の知識のみで問題ありません。他と比較して意思決定を行うことができるだけの情報で事足りるからです。

 

例えば家電を買う際に、まずはある程度のスペックや金額だけでいろいろ比較しますね。カタログに載るような、比較できる項目のみを知っていれば問題ないのです。

 

一方、基本合意書を締結した後ということは、この会社と「本格的に交渉する」ことを決定していることになります。他と目移りしている状況ではなく、会社を絞って本気でM&Aを実行すると決めた状況になります。ここで会社や事業を買う側の気持ちになってみると、「ある程度」の情報だけで会社の命運を左右するかもしれないM&Aを行うのはかなり怖いです。家電を買う際はメーカーが保証してくれる部分も大きいですし、変なものが混じっている怖さはあまりないでしょう。しかし、M&Aは「ビジネスを行う組織を売買すること」でした。組織を買うとなると、単純なモノを買うより厄介ごとが含まれている可能性が高そうです。

 

 

 

具体的には、組織を買う場合は以下のような怖さがあります。

 

●思わぬ訴訟を抱えている

●全く知らない簿外負債を抱えている

●相乗効果を見込んで買収したのに、実は自社と全く相乗効果が発揮されない分野だった

●組織風土が自社と大きく異なる

●税務署から指摘される可能性のある処理をしている

●環境問題を抱えている

●残業代を巡って労働者と対立している

●保有する技術に重大な瑕疵がある

●優良顧客がM&A後に離れてしまう可能性がある

●自社と全く合わないシステムを使用しており、統合に際し多大な労力がかかる

 

これらを買う前に知ることができたのと、買った後で知ったのとでは大違いです。

 

事前に知っておくことで費用の発生をある程度予見することができますし、社会的信用が失墜する可能性を検討することもできます。それらは全て価格に織り込むことができますし、致命的な事項が見つかった場合はM&Aを破談にすることもできます。

 

この「怖さ」を減らし、相手会社を「しっかりと」知るために「デューデリジェンス」が必要となります。多くの場合において「本気度が高い」状況になるとデューデリジェンスを行うことになります。(なお、この「怖さ」の程度を表す言葉の1つとして、「リスク」という表現がよく使われます。)

 

買う会社の規模が非常に小さい場合や、リスクがあまりないと想定される会社であれば簡易的なデューデリジェンスで済ませる場合がありますが、そのM&Aが重要であればあるほど、相手会社のことをしっかりと知りたいと感じてデューデリジェンスを行う流れとなります。

 

 

[Point]

デューデリジェンスは、M&Aにおけるリスク(怖さ)を確認し、必要な対策を講じるために行うもの。

 

 

 

3. デューデリジェンスの種類


デューデリジェンスは相手会社を知ることですから、その種類は相手会社によって変わってきます。ここではよく行われるデューデリジェンスについて、概要を見ていきましょう。

 

① 財務デューデリジェンス

会社や事業を買う際の価格決定に当たってまず参考とする情報は、相手会社の「財務諸表」でしょう。どのような損益構造で、どのような資産構造かの把握は必須と言えます。財務デューデリジェンスでは、財務に関する事項に焦点を絞って詳細に知っていくこととなります。

 

不良資産・簿外負債・債務保証・不採算事業を財務の観点から事前に発見することができ、不当に高額な取引価格となることを防ぐことができます。また、結果に応じてどのように買収するかを決定することもできますし、一部事業のみの買収といった形態に変更する意思決定を行うこともできるようになります。

 

②税務デューデリジェンス

会社を買収すると、基本的にはその会社の過去の税務処理について買い手が引き継ぐこととなります。過去の税務処理が誤っていると、思わぬ追加税金の発生があり得ますので、会社の過去の税務申告を分析し、税務リスクの程度を確認する必要があります。

 

税務リスクには主として以下のようなものがあります。

 

●税務申告が適正ではないため、過小申告・繰越欠損金の過大計上がなされている。

●関係会社間取引について、寄附金認定・移転価格税制適用による追加税金発生があり得る。

●過去の税務調査で指摘されているにもかかわらず、対応策がない。

●税務処理能力があまりないため、買収後に新たな間違いをしてしまう。

 

これらの税務リスクを早期に確認し、買収することに問題がないかを税務の観点から見ていくのが税務デューデリジェンスです。

 

 

実施者

上記の財務デューデリジェンスや税務デューデリジェンスは、企業内部で財務・税務に精通したメンバーによって行われることもありますし、外部の公認会計士や税理士に依頼して行われることもあります。専門性が求められる分野でもありますし、外部への説明の際に独立した立場からの調査の方が信頼度が増しますので、外部の専門家に依頼することの方が多いですね。

 

 

③法務デューデリジェンス

法律関係の詳細な調査が法務デューデリジェンスです。企業活動には契約関係や人事問題はもちろん、許認可や関連資産、関連会社、訴訟等、様々な法律分野に関する活動が含まれています。これから買収する予定の会社が、どのような法務上の問題を抱えているかを確認せずにM&Aを実施するのは非常にリスクが高く、必須の手続と言えるでしょう。

 

デューデリジェンスに際しては、財務・税務チームと法務チームで連携を取って、対象会社の事業内容を調査していきます。財務・税務上の問題が法務に影響を与えることは多いですし、法律上の問題を数値に落とし込む必要がある場合も多いためです。

 

よくある例として、チェンジオブコントロール(COC:Change of control)条項が挙げられます。チェンジオブコントロール条項とは、買収予定の会社の主要取引先との契約書において、経営権の移動があった場合の対応が記載されている条項です。会社が取引先と交わしている契約を解除せざるを得なかったり、契約相手に対して事前の承諾が必要となる場合、事業計画分析に多大な影響を与えます。法務デューデリジェンスで確認している「主要な相手先との取引がなくなる可能性」を、財務デューデリジェンスのリスクに落とし込む形です。

 

 

実施者

法務デューデリジェンスは企業内部で法務に精通したメンバーによって行われることもありますが、多くの場合において外部の弁護士が実施しています。弁護士はどのようにM&Aを行うかといった仕組みづくりを法律の面からサポートし、契約書案を会社とともに作成する等、M&Aの多くの局面で活躍します。

 

 

④ビジネスデューデリジェンス

会社の事業内容を把握して、どのような事業からどのように利益を獲得することができるのかを調査するのがビジネスデューデリジェンスです。ビジネスを分析することは非常に難しく、その分析手法は多岐に渡ります。例えば強み(strengths)、弱み(weaknesses)、機会(opportunities)、脅威(threats)を分析するSWOT分析を用いて、買収予定の会社を分析します。

 

⑤人事労務デューデリジェンス

人事・労務の観点から詳細な調査を行うのが人事労務デューデリジェンスです。主に労働争議や労働組合との関係、未払賃金や未払退職金の有無、労働法の遵守状況を確認します。

 

法務デューデリジェンスのように広範な調査ではなく、人事労務の観点に焦点を絞った調査です。特に議論になるのが未払残業代の有無で、買収後に労働者又は退職者から追加の未払残業代支払を求める声が上がると、M&Aの買い手としては追加の費用が発生する可能性が高くなりますし、社会的信頼を損なうことにもつながります。会社は残業代を固定分として支払済であると認識していたとしても、法令に照らし合わせると支払義務が生じることもありますので、事前に調査を行います。

 

⑥環境デューデリジェンス

会社や主要な工場を取り巻く環境に関するリスク調査です。

 

では、環境リスクとはどのようなリスクでしょうか。分かりやすいのは、工場から排出される有害物質の影響で周辺の土壌汚染や大気汚染が起こる場合です。原状回復費用は膨大になりますし、企業の社会的信頼も著しく損なうことになります。

 

騒音問題や振動問題、産業廃棄物処理、危険物や特殊な液体等を扱う施設の管理状況等、一たび発生すると致命的になりかねないリスクが多いため、特殊な環境下にある企業を買収する際には欠かせない手続となります。

 

⑦ ITデューデリジェンス

ITシステムに関する状況を確認するリスク調査です。

 

ビジネスを行う上でITシステムはどの企業も取り入れている項目ですが、その状況はまちまちです。

 

買収対象となる会社のITが脆弱で追加の投資が必要となった場合、大規模な追加費用が発生することになってしまいます。また、ITが脆弱ではない場合でも、自社のシステムと買収対象のシステムがマッチするとは限りません。買収後の相乗効果を考えて、システムを統一する会社も多いです。このような状況を詳細に調査し、M&A前にシステム計画を設計できるよう、システムに関するリスクを確認していくこととなります。

 

 

このように様々なデューデリジェンスがありますが、M&Aでは会社に内在する様々なリスク(怖さ)を鑑み、必要なデューデリジェンスを実施していきます。

 

 

 

 

 

 

[Point]

M&Aにおけるリスク(怖さ)の程度に応じて、必要なデューデリジェンスが実施される。

 

 

以上、M&Aの対象となる会社の特殊性や、リスクの度合いを鑑み、様々なデューデリジェンスがあることが分かりました。案件に応じて実施されるデューデリジェンスとされないデューデリジェンスがありますが、デューデリジェンスに対する漠然としたイメージが、少しでも具体的になっていただけると嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[M&A案件情報(譲渡案件)](2021年3月30日)

-以下のM&A案件(2件)を掲載しております-

 

●関東の富裕層居住エリアにある介護付き有料老人ホーム(1施設)の事業譲渡

[業種:介護事業/所在地:関東地方]

●有資格者多数在籍、チルド製品に強みのある運送会社

[業種:運送業/所在地:関東地方]

 

 

 

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案件No.SS006669
関東の富裕層居住エリアにある介護付き有料老人ホーム(1施設)の事業譲渡

 

(業種分類)介護・医療

(業種)介護事業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)事業譲渡

(事業概要)介護付き有料老人ホームの運営

 

〔特徴・強み〕

◇閑静な富裕層居住エリアに所在するミドルアッパー層をターゲットとした施設
◇室数50室以上あり、安定した入居を維持し、質の高いサービスを提供している
◇従業員スキルも高く、自走も可能

 

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案件No.SS004813
有資格者多数在籍、チルド製品に強みのある運送会社

 

(業種分類)物流・運送

(業種)運送業

(所在地)関東地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)50~100名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)チルド製品を主力とした運送会社

 

〔特徴・強み〕

◇トラック約50台保有しており、チルド製品を主力とした飲料・食品関係の運送を行っている。
◇運送事業の他、一部庫内作業も手掛けている。
◇運行管理者等の有資格者が多数在籍。
◇売上・利益共に毎期安定した推移をしている。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

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[解説ニュース]

地価動向の曲がり角:住宅譲渡損をカバーする特例について再確認

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

自宅家屋を取壊して敷地を譲渡した場合の譲渡所得の3,000万円控除の取扱い②

■住宅取得等資金の贈与の非課税制度 コロナ禍の影響で入居等が遅れた場合

 

1.はじめに


不動産価格が下落局面になると、活用が期待される住宅税制があります。
その税制とは、「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除(措法41の5)(以下、この特例という。)」です。

 

この特例は、バブル崩壊以降、不動産の値下がりによって含み損を抱えたマイホーム所有者の「損切り」を推し進めることで、住宅買い換えの後押しを狙いとして登場しました。

 

制度の仕組みは、マイホームを売却して出た損失額がある場合、給与所得などと損益通算でき、損失額が給与所得などを上回り、その年の所得が赤字になった場合、赤字を翌年以降3年間繰り越すというものです。

 

主な適用の要件は、次の通りです。

1.売却する年の1月1日時点で住宅の保有期間が5年超

2.売却する年の前年1月から売却した年の翌年末までに新たな住宅に買い換えて居住すること

3.買換え先の住宅の床面積は50㎡以上

4.買い換えにあたっても償還期間10年以上ローンがあり、特例を適用する年の末日に残高があること

 

2.最新の基準地価動向は下落に転じる


昨年公表された7月1日時点の都道府県地価調査によると、三大都市圏では住宅地は平成25年以来7年ぶりに下落に転じたほか、地方圏では住宅地の平均変動率は▲0.9%と下落を継続し、下落幅が拡大(ただし地方圏のうち、地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)の平均変動率は3.6%と8年連続の上昇)とシテイます。地価Lookレポートなどによると、最近の地価動向でも新型コロナウイルス感染症の影響もあってか、年率20%以上の下げを記録しており大阪市中央区道頓堀など路線価の減額補正を必要とする地域も出てきています。このため住宅価格そのものの動向への悪影響も少なからずあるのではないかと懸念が出てきました。3月24日には今年1月1日時点の公示地価が公表され、地価下落傾向が強まりを見せています。

 

3.最近の特例の適用動向


住宅買い換えの場合の譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例の適用動向は、地価動向や住宅の価格動向の影響を比較的よく反映します。平成18事務年度までは年間2万件もの件数がありましたが、その後、減少を続け、平成22事務年度には1万件の大台を割り込んでいます。直近の動向は以下のとおりです(事務年度とは7月1日〜翌年6月30日までの1年間のことです)。

 

平成26事務年度     9,467件
平成27事務年度     8,701件
平成28事務年度     7,401件
平成29事務年度     6,367件
平成30事務年度     5,522件

 

住宅の損切りを必要とするケースが増える事態となれば、今後、同特例の適用件数は増加することが予想されます。

 

4.繰越控除の適用上の注意点等


住宅買い換えの場合の譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例が適用できない場合は、特例の性格上、「損益通算・繰越控除ができない場合」と「繰越控除ができない場合」との2段構えになっています。
特に注意したいのは繰越控除が適用できない場合です。

 

ア.売却した住宅の敷地の面積が500㎡を超える場合、500㎡を超える部分に対応する譲渡損失の繰越控除はできません(措法41の5⑦三)。ただし譲渡した年は、500㎡を超える部分に係る譲渡損失の金額についても損益通算と対象とすることができます。

 

イ.繰越控除を適用する年の12月31日で買換え先の住宅に償還期間10年以上の住宅ローンがない場合も、損失の繰越控除はできません。なお、資金は「住宅の用に供する家屋の新築若しくは取得又は当該家屋の敷地の用に供される土地若しくは当該土地の上に存する権利の取得に要するもの」とされているため(措法41の5⑦四)、家屋か敷地どちらか一方が10年以上の償還期間を持つなら適用があるとされます。
ウ.合計所得金額が3,000万円を超える年分は、その年分で損失の繰越控除はできません(措法41の5④)。

 

 

このほか、注意すべき場合として、買換え先の住宅にいったん居住後、転勤等により翌年居住しなくなった場合がありますが、この場合は、住まなくなっても繰越控除はできることとされています。

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2021/03/29)より転載

[M&A案件情報(譲渡案件)](2021年3月23日)

-以下のM&A案件(6件)を掲載しております-

 

●【1級建築士多数在籍】ニッチな分野を手掛ける建築設計事務所

[業種:建築設計業/所在地:中部地方]

●財務優良。収益性高い管工事業。

[業種:管工事業/所在地:北海道地方]

●理化学機器の開発を得意とする老舗企業

[業種:分析機器製造業/所在地:非公表]

●設計開発から装置完成まで一括受注を行い、大手との取引基盤を持つ医療機器製造業者

[業種:医療用機械器具製造業/所在地:関東地方]

●【無借金経営】食品の紙カップの製造業を営む。優良取引との営業基盤を構築

[業種:菓子類の紙カップの製造/所在地:中部地方]

●【リフトマン多数在籍】倉庫内作業を中心とした派遣・請負を行っている人材派遣会社。

[業種:労働者派遣業/所在地:中部地方]

 

 

 

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案件No.SS007024
【1級建築士多数在籍】ニッチな分野を手掛ける建築設計事務所

 

(業種分類)建設・土木

(業種)建築設計業

(所在地)中部地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)建築設計事務所

 

〔特徴・強み〕

◇ニッチな分野を手掛ける建築設計事務所。
◇1級建築士が多数在籍。
◇財務体質良好。

 

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案件No.SS007022
財務優良。収益性高い管工事業。

 

(業種分類)建設・土木

(業種)管工事業

(所在地)北海道地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)水道・空調設備の管工事業

 

〔特徴・強み〕

◇収益性高く、実質無借金の優良な財務内容。
◇業歴長いが、赤字は過去に1回のみ。
◇公共工事と民間工事をバランスよく行っている。
◇競合が少ないエリアで事業展開しており、安定した受注が見込める。

 

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案件No.SS006895
理化学機器の開発を得意とする老舗企業

 

(業種分類)製造業

(業種)分析機器製造業

(所在地)非公表

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)理化学機器の開発

 

〔特徴・強み〕

◇理化学機器の開発、製造を主力事業としている。
◇純資産比率80%超であり、実質無借金経営。
◇大手優良企業等を取引先とした営業基盤を構築

 

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案件No.SS006829
設計開発から装置完成まで一括受注を行い、大手との取引基盤を持つ医療機器製造業者

 

(業種分類)製造業

(業種)医療用機械器具製造業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)研究開発から製造組立までの一貫したシステムを通じて、大手企業からも高い信頼を持つ医療機器製造業者

 

〔特徴・強み〕

◇ISO13485、医療機器分野の品質マネジメントシステム認証を保有するなど、高い信頼を持つ製品品質
◇大手企業との安定した取引基盤を保有
◇既存製品の設計変更など柔軟に対応が可能

 

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案件No.SS006706
【無借金経営】食品の紙カップの製造業を営む。優良取引との営業基盤を構築

 

(業種分類)製造業

(業種)菓子類の紙カップの製造

(所在地)中部地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)食品の紙カップ等の製造を営む。

 

〔特徴・強み〕

◇国内の優良取引先を中心とした営業基盤を構築。
◇業歴は30年以上あり、安定的な仕入先、販売網を保有。

 

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案件No.SS006631
【リフトマン多数在籍】倉庫内作業を中心とした派遣・請負を行っている人材派遣会社。

 

(業種分類)人材派遣・アウトソーシング

(業種)労働者派遣業

(所在地)中部地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)50~100名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)倉庫内作業等の派遣・請負を主力事業としている。

 

〔特徴・強み〕

◇フォークリフト資格保有者多数在籍。
◇取引先は大手優良企業であり、盤石な営業基盤を構築。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

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[M&A事業承継の専門家によるコラム]

第3回:事業承継における後継者の選定方法について

~親族承継、従業員承継、第三者承継(M&A)のメリット・デメリットと事前対策~

◆参考になる成功事例!取引先の社長へ株式譲渡し、従業員が社長になった事例◆

 

中小零細企業経営者や経営者をサポートする専門家の方が抱えるM&Aや事業承継に関するお悩みを、中小零細企業のM&A支援・事業計画支援を専門で行っている株式会社N総合会計コンサルティングの平野栄二氏にアドバイスいただきます。

 

〈解説〉

株式会社N総合会計コンサルティング

平野栄二

 

 

 

 

「私(K氏)は現在75歳です。ここ数年、検討することを躊躇していましたが、そろそろ後継者を選んで、甲社の経営の引き継ぎをしたいと考えています。しかし、娘はサラリーマンの男性(A氏)と結婚し、現在は専業主婦で経営に参画をしておらず、事業を引き継ぐ意思がありません。可能性があるとしたら、娘婿(A氏)が脱サラをして、後を引き継いでもらうということです。

 

また、従業員に、引き継ぐ人材がいるかというと、以前に、番頭格の幹部(B氏)に、お酒の席の雑談の中で、確認を行いましたが、B氏は「承継は荷が重く、妻も反対している」というという感想でした。

 

以上のような状況で、M&Aという選択肢も視野に入れて、後継者の検討をしていますが、①親族が承継する場合、②従業員が承継する場合、③第三者に承継(M&A)を行う場合、それぞれの留意点などを、お教えいただきますでしょうか。」

 

 

 

 

 

平野:それでは、順番にご回答いたします。

 

1.親族への承継(娘婿への承継)について


一般的に親族への承継は、他の方法と比べて、①社内・社外の関係者から心情的に受け入れられやすい、②後継者の早期決定により長期の準備期間の確保が可能である、③相続等により財産や株式を後継者に移転できるため所有と経営の一体的な承継が期待できる、といったメリットがあります。

 

しかし、甲社のケースで、嫁婿(A氏)に承継させる場合、①まったく異業種で甲社の実務経験と経営者としての経験がない、②A氏本人のやりたいという意思を確認していない、③直系血族ではなく、実務経験もないA氏が、従業員から直ぐに受け入れられるか、などの懸念があります。

 

まずは、娘様とA氏にしっかりとお話をして、意思を確認するとともに、A氏が甲社の経営者としての資質・能力があるのかを、K氏ご自身がしっかりと判断することが重要です。また、実務経験や経営者としての経験がないため、5年から10年の準備期間を設ける必要があります。そのため、75歳のK氏のご年齢を考えると、少なくとも80歳までは経営の指揮をとり、A氏を後継者として育成していく覚悟をしておかなければなりません。

 

 

 

2.従業員・役員への承継について


現在、従業員・役員への承継は増加傾向であり、①経営者としての能力のある人材を見極めてから承継することができる、②社内で長期間働いてきた従業員であれば経営方針等の一貫性を保ちやすい、③社内の信頼の厚い適任者に承継させることで社内外の関係者より受け入れてもらいやすい、といったメリットがあります。

 

ご質問の甲社の場合、従業員B氏は、承継には消極的な姿勢であったということが懸念されます。しかし、雑談の中で、お話をしただけでは、B氏の本意が分かりませんので、しっかりとした席を設け、意思確認を行う必要があります。

 

B氏は番頭格で、社内の信頼も厚いので、適任者と考えられますが、経営者の補佐役としての才覚が発揮できても、経営者としての資質がないケースもあります。無理をして、経営者になった場合、リーダーシップが発揮できなかったり、重責に耐えられず心身に支障が生じるケースも見受けられます。また、B氏の家族にも受け入れられないと、株式の買い取りや、個人保証の引き継ぎを家族に反対されると、本人に意思があっても、頓挫するケースもあります。

 

引き継ぐ場合は、現経営者が、全面的にサポートを行い、後継者教育を計画的に行っていきます。

 

 

 

3.第三者へのM&Aによる承継


親族・従業員以外の第三者へ承継を行う方法は、広く候補者を外部に求めることができ、また、現経営者は会社の株式を譲渡した利益を得ることができる等のメリットがあります。第三者への引継ぎを成功させるためには、本業の強化や、内部の諸問題を解決し、企業価値を十分に高めておく必要があります。そのためには、現経営者にはできるだけ早期に専門家に相談を行い、企業価値(株価)の向上(磨き上げ)に着手することが望まれます。

 

M&Aを行う場合は、①相応しい譲受企業の発掘とその企業との交渉、②企業評価の算定・譲渡価額の提案、③譲受企業へ承継のメリットの提案、④法務・労務・税務上の問題点の抽出と解決策の提案など、さまざまな専門的な知見が必要になります。そのため、目先の利益を追うのではなく、最適な選択ができるように助言が受けられる、信頼のおけるアドバイザーを確保する必要があります。

 

ご質問の甲社の場合、親族、従業員への承継という選択肢も残されていますので、それぞれの長所・短所を検討し、優先順位を決めて、行動を起こす必要があると考えます。慎重に検討しつつも、行動することで、躊躇しがちな決断を促すことに繋がります。

 

M&Aの場合、行動を起こしてから成約まで早くても半年、場合によっては2~3年かかるケースもあります。そのため、秘密が取引先や従業員に漏洩しないように注意しつつ、早期に相手先の探索に取り掛かる必要があります。そして、譲受企業の選定が見込まれそうな段階を見て、親族やB氏に、意思確認を行うなど、M&Aと他の選択肢を併行して、検討を進めていかれることを推奨いたします。また、現経営者(K氏)は、バトンタッチがされるまで、甲社を更なる魅力ある企業へ、磨き上げを行うことも頑張っていただきたいです。

 

 

 

 

◆参考になる成功事例!取引先の社長へ株式譲渡し、従業員が社長になった事例

①事業承継の決意し、専門家に相談

従業員5人の、食に関連する卸売業で創業40年の企業(甲社)です。後継者がいないままで、社長(K氏)が70歳になり、事業承継の着手をはじめられました。最初は、サラリーマンの息子に事業を引き継ぐ予定でいましたが、息子の妻の強い反対にあい断念し、第三者承継を目指すべく、M&Aのアドバイザーと相談しながら、後継候補先の探索を始めることになりました。

 

②取引先へ話を持ち込む

業界は、昔ながらのネットワークが存在し、まずは、取引先に継承をしてもらうことを考え、創業当時から懇意にしている取引先の社長(D氏)に相談をいたしました。話し合いの中で、「株式は、私が譲り受けるが、経営は今いる従業員に任せたい」という意向を持たれました。対象となる従業員(A氏)は、実務には精通していましたが、経営の経験どころか、管理職の経験もありませんでした。

 

③意欲のある従業員を社長に

A氏に、その話を打診したところ、突然の打診に驚きながらも、「せっかくの、職業人生、社長という仕事をやってみたい」と意欲をもたれました。幸い甲社の借入金は少額であり、A氏は、家族の賛成も得ることができました。話し合いの末、晴れて話がまとまり、D氏は、役員にはならず、従業員A氏が代表取締役社長に就任されました。他の従業員も、納得し、新たな体制がスタートしました。旧経営者のK氏は1年ほど会長という呼称で、引継ぎを行った後、引退をされました。

 

④身の丈にあった経営に

その後、A社長より先輩の社員が退職したり、新しい社員を採用しても育たず退職したりと問題は発生しましたが、株主であるD社長は、じっと甲社とA氏を見守り続け、「身の丈のあった規模で経営をすればよい」と、採算の合わない分野は撤退をするなど、規模を縮小しながらも、利益がでる体質へと企業再構築を図っていきました。5年経った現在は、高い経常利益率を維持しています。将来は、D氏の持つ株式を社長へ段階的に譲渡する運びで話が進んでいます。

 

 

 

 

 

 

 

〈事業承継が成功した要因を考えてみましょう〉

1.小規模事業者であったこと  


①変化に対応しやすい組織であったこと 

事業承継に成功した理由の一つとして、従業員が5人という小規模であったため、組織をまとめやすかったことがあります。また、株式の譲受者(D氏)にとっても株式価額が少額で、投資がしやすく、外部の借入金も少額であったため、万一の場合でも、本業が受けるダメージも少ないことも後押ししたことになったと思われます。よく、「うちは小規模事業だから、M&Aはできない」と思っておられる経営者の声を聴きますが、小規模事業者だからこそ、M&Aが成立する場合もありますので、決して諦めないことが重要です。

 

②身の丈にあった組織に再構築したこと

会社の規模を拡大することだけが、成長戦略ではないと考えます。甲社の場合、不採算の事業から撤退することで、A氏が経営者として身の丈にあったマネジメントができる体制に再構築したことも、承継が成功した要因であると考えられます。

 

 

2.従業員が、勤勉で、後継する強い意欲があったこと   


①後継者がポジティブであったこと

A氏は、代表になることに前向きな姿勢を崩さなかったことも、大きな成功要因です。 高い実務能力があっても、引き継ぐ意欲が低いと、当事者意識の欠如により、組織内で紛争が起きることがあります。また、意欲があっても、責任感が強すぎると、重荷となって、意思決定が遅れて経営判断を誤ったり、精神的に疲弊してしまう後継者も多く見受けられます。そのため、前向きな姿勢で経営に邁進されたことは、経営者の資質があったといえます。従業員承継を検討する場合は、後継者の「意欲と覚悟」の有無は、仕事の能力以上に、重要な成功要因であると言えます。

 

②後継者が勤勉であったこと

A氏は勤勉で、実務能力に長けており、通常業務は滞りなく任せられたため、先代社長K氏が引退後も、強力なマネジメントの必要性がなかったことも成功要因だと考えられます。 承継後は、毎月の業績報告をD氏に行い、都度重要な意思決定は相談を行うなど、コミュニケーションを円滑にとることができたことも、株主との信頼関係を維持し、事業が継続できた要因です。

 

 

3.取引先社長(D氏)との長年の信頼関係があったこと  


①業界のことを良く知り、専門家と相談しながら戦略的に進めたこと

業界の結束が固く、他の異業種からM&Aによって参入されることは取引先(D氏)にとっても脅威であったため、D氏自らが株主になることで、サプライチェーン(商品の供給連鎖)の強化をはかり、参入障壁を高める戦略的な意図もありました。

 

譲渡者がM&Aを検討する場合、業界の慣習や動向、顧客の動向をよく分析を行うことで、最適な譲受先に、最適な提案が可能であるので、M&A専門家と相談するなどしてじっくり検討を行う事が重要です。このケースの場合、異業種の候補先に話を持ち込んでいたら、承継後、問題が生じていたかもしれません。

 

②利害関係者との良好な人間関係を構築していたこと

K氏とD氏は、創業当時から苦楽を共にした仲で、同志的な信頼関係が構築できていました。事業承継の成功要因で、「良好な人間関係」は大切な要素になります。得意先、仕入先、取引業者、従業員、同業者、家族、株主など、普段からなるべく良好な人間関係を構築していると、思わぬ協力をいただける可能性もあり、事業承継がスムーズに運ぶことができます。

 

現在、関係性が悪い場合があっても、会社の存続のために、今からでも遅くはありませんので、関係の修復をはかる努力することが重要だと考えます。