[新型コロナウイルスに関するM&A・事業再生の専門家の視点]

「M&Aの検討段階における新型コロナウイルス等による影響」とは?

 

〈解説〉

公認会計士・中小企業診断士  氏家洋輔

 

 

▷関連記事:新型コロナウイルス等による業績悪化を理由とした M&A ・事業売却

▷関連記事:家賃支援給付金の詳細情報が公表(2020年7月7日)。制度内容は、給付額は、申請方法は。

▷関連記事:【Q&A】経営状況が悪化した場合の定期同額給与 ~コロナウイルスの影響で大幅に売上高が落ち急激に業績が悪化、役員報酬の大幅な減額を検討~

 

 

M&Aを検討していますが、新型コロナウイルス等による影響はありますか?

新型コロナウイルスは、執筆時点(2020年3月末)において未だ収束の目途が立たず、世界的な混乱に陥っている状況です。このような状況下で、M&Aを検討あるいは既に進めている企業にとっては、どのような影響があるのか、どのように進めるのがよいか悩まれていることと思います。そこで、新型コロナウイルスによる影響を特にM&Aを行う観点からまとめました。

 

 

[関連解説]

■「新型コロナ対策融資と特例リスケ」 ~事業再生の専門家の観点から~

■「超速報!新型コロナウイルス対策税制」

■「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」

■「コロナ対応としての中小企業経営の留意点」~コロナとその先へ~

 

①M&Aの見送り・延期

売手企業よりも、特に買手企業の方に影響がありますが、経営環境の先行き不透明感や株式市場の乱高下による混乱した社会情勢の中、M&Aを行うことに対して慎重な意見があります。このような意見が採用されて、M&Aを見送るあるいは混乱が落ち着くまで延期するといった経営判断をする会社が少なくない状況です。そのため、まずは会社の風土や経営判断を確認して、このような状況下でのM&Aに対する姿勢を把握する必要があります。

 

②輸出入等取引上の影響

新型コロナウイルスの影響で、売手企業の得意先や仕入先が直接的・間接的に海外(特に中国等)に依存している場合に、得意先や仕入先との取引が一時的に停止していることが考えられます。これらの事象の有無を正確に把握して、事象がある場合には、経営に対する影響を把握する必要があります。

 

飲食店や宿泊業等であれば、業績が悪化していることは容易に想像されます。それら以外の業種では、例えば仕入先からの仕入ができない状況であるならば、現状の在庫での販売は何か月可能か、仕入先の代替先はあるか、その他の手段はあるか等を確認の上、業績に与えるインパクトを把握する必要があります。

 

このように、既に業績悪化している。あるいは今後業績悪化の可能性がある場合には、譲渡金額へ反映する必要があります。

 

③従業員の在宅勤務等による稼働率の影響

新型コロナウイルスの影響で、従業員にどのような影響があるのかを把握します。現状の勤務状況等を把握して、今後在宅勤務となるような場合に、在宅勤務が可能な体制となっているかどうか等を確認します。在宅勤務等、通常とは異なった勤務形態をとった場合の、稼働率や効率性等を勘案し、業績への影響を検討する必要があります。

 

④株式市場の株価下落による価値評価への影響

新型コロナウイルスの混乱により日経平均株価は大きく下落している状況が続いています。譲渡金額の算定に、上場企業の株価を用いている場合には、どの時点の株価を用いているのかを確認する必要があります。評価の基準日(対象会社の直近の期末日又は試算表等の数値が把握可能な直近月末等)の株価を用いることが一般的であり、新型コロナウイルスの影響による下落前の株価を用いていることが想定されます。この株価の下落の影響を譲渡金額に織り込むかどうかを、買手企業と売手企業で交渉する必要があります。

 

 

 

 

新型コロナウイルスにより、様々な形で多くの企業の事業運営に影響があり、現在または将来の業績に影響を及ぼす可能性が非常に高くなっています。そのため、先行きが見通せない状況を嫌い、M&Aをそもそも見送る場合や延期する場合もあります。M&Aを行わない場合にも様々な影響がありますので、M&A担当者は、どのような影響があるのかを事前に把握した上で、交渉に臨む必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「解散をした場合の役員退職金の支給について」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】解散に際して支払われる役員退職金の課税関係

■【Q&A】経営状況が悪化した場合の定期同額給与

 

 

 


[質問]

12月決算法人で、今年の4月末を目途に法人を清算・解散することを予定しています。社長の退職金を時期について教えてください。4月末を解散事業年度とする場合、その後の清算決了期間がありますが、社長を清算人とした場合、4月末までの解散事業年度で退職金を支払うことは問題があるのでしょうか。
清算決了期間まで待って退職金を支払わないといけないのでしょうか。

 

[回答]

法人が解散した場合において清算事務に従事する清算人も法人税法上は役員でありますので、法人税法上の役員の地位は継続しているとみることもできましょうが、清算人は、現務の結了、債権の取立て等の清算業務の執行を行うものであり、取締役の職務執行とは異なります。

ご照会の件につきましては、国税庁HPに、以下の質疑応答事例が収録されています。

 

 

〇解散後引き続き役員として清算事務に従事する者に支給する退職給与

【照会要旨】
法人が解散した場合において、引き続き清算人として清算事務に従事する旧役員に対しその解散前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与(下線は筆者)については、法人税法上退職給与として取り扱われますか。

【回答要旨】
退職給与として取り扱われます。

(理由)
法人が解散した場合において、引き続き役員又は使用人として清算事務に従事する者に対し、その解散前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与は、所得税法上退職手当等として取り扱われています(所得税基本通達30-2(6))ので、法人税法上も退職給与として取り扱うことが相当と考えられます。

【関係法令通達】
法人税法第34条
所得税基本通達30-2(6)

 

 

したがいまして、解散の決議・清算人の選任を行う臨時株主総会において、併せて役員退職金の支給決議を行い、直ちに支給する場合には、不相当に高額な場合を除き、解散事業年度の損金の額に算入することになると考えます。

なお、所得税基本通達30-2(6)は、次のとおり規定されておりますので、ご確認いただけますでしょうか。

 

 

(引き続き勤務する者に支払われる給与で退職手当等とするもの)
30-2 引き続き勤務する役員又は使用人に対し退職手当等として一時に支払われる給与のうち、次に掲げるものでその給与が支払われた後に支払われる退職手当等の計算上その給与の計算の基礎となった勤続期間を一切加味しない条件の下に支払われるものは、30-1にかかわらず、退職手当等とする。
(1)~(5) 省略
(6)  法人が解散した場合において引き続き役員又は使用人として清算事務に従事する者に対し、その解散前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与

 

 

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2020年01月27日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。

 

 

 

 


[M&A案件情報(譲渡案件)](2020年3月24日)

-以下のM&A案件(2件)を掲載しております-

 

●高品質の食肉卸・加工事業

[業種:食肉加工・卸/所在地:関東地方]

●優良な財務内容と収益性。今後の成長も期待できる事業内容。

[業種:解体工事業/所在地:東日本]

 

 

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案件No.SS005265
高品質の食肉卸・加工事業

 

(業種分類)商社・卸・代理店

(業種)食肉加工・卸

(所在地)関東地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)細部にこだわった食肉の加工を実行し、顧客に納品 高い利益率

 

〔特徴・強み〕

◇小ロットから納品可能
◇顧客の約9割は居酒屋

 

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案件No.SS005032
優良な財務内容と収益性。今後の成長も期待できる事業内容。

 

(業種分類)建設・土木

(業種)解体工事業

(所在地)東日本

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)解体工事、とび・土工事

 

〔特徴・強み〕

◇実質無借金の優良な財務内容。
◇解体工事業での認知度は高く、安定して仕事が入ってくる状態。
◇有資格者多数在籍。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

 

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「休廃業・解散」動向調査(2020年2月公開分)

 

 

 

◇群馬県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は3年連続減少、前年比4.4%減の498件
~ 「休廃業・解散」は「法的整理」の5.7倍に ~

※詳細はこちら

 

◇秋田県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の休廃業・解散は181件
~ 「休廃業・解散」の件数は「倒産」件数の4.4倍 ~

※詳細はこちら

 

◇山形県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」 前年をピークとして減少に転じる、前年比6.9%減の284件
~ 一方、 「解散」の合計は120件と増加へ ~

※詳細はこちら

 

◇和歌山県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は226件、2年連続で増加
~ 「倒産」と「休廃業・解散」ともに2018年に続き2年連続で増加 ~

※詳細はこちら

 

◇多摩地区「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の休廃業・解散は前年比14.0%増の398件

※詳細はこちら

 

◇栃木県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年に消滅した企業は505社
~ 「休廃業・解散」高水準、新設企業は「未稼働」の構図強く ~

※詳細はこちら

 

◇愛知県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」1156件、3年ぶりの増加
~ 代表者「60代」以上が8割、高齢化傾向続く ~

※詳細はこちら

 

◇佐賀県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業」 リーマン・ショック以降で最少、前年比28.6%減の130件
~「休廃業・解散」の合計は206件、2年ぶりの減少~

※詳細はこちら

 

◇神奈川県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の「休廃業・解散」 1067件、3年連続減少
~業種別では「建設業」がトップ~

※詳細はこちら

 

◇長崎県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の「休廃業・解散」は281件
~倒産件数の8.5倍~

※詳細はこちら

 

◇千葉県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は791件、「倒産」の約3.2倍
~代表者の年代別、「70代」以上で5割超え~

※詳細はこちら

 

◇四国地区 「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散982件、5年ぶりの増加
~業種別、「建設業」が268件で最多~

※詳細はこちら

 

◇茨城県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の「休廃業・解散」は483件、倒産件数の約3.5倍
~「建設業」が全体の4割以上~

※詳細はこちら

 

◇長野県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は434件、3年ぶりに増加
~対「倒産」件数倍率は5.6倍、調査開始以来最大に~

※詳細はこちら

 

 

 

 

 

 

情報提供元(出所):株式会社帝国データバンク

[解説ニュース]

民法における養子の取扱い

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田 房枝/税理士)

 

 

[関連解説]

■相続税法における養子の取扱い

■民法改正 ~特別の寄与~

 

 

1. 「普通養子縁組」と「特別養子縁組」


民法上、養子縁組には、実の血族との親族関係が終了しないいわゆる「普通養子縁組」と、実の血族との親族関係が終了する「特別養子縁組」とがあります。それぞれの主な違いをまとめると次表のとおりです。

 

 

※1 ただし、配偶者のある者が未成年者(2022年4月1日以降は18歳未満の者)を養子とするには、配偶者とともにしなければならない(配偶者の嫡出子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合を除く)。また、配偶者のある者が縁組をするには、その配偶者の同意が必要(配偶者とともに縁組をする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合を除く)。
※2 未成年者(2022年4月1日以降は18歳未満の者)を養子とするには、家庭裁判所の許可が必要(自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合を除く)。
※3 2022年4月1日以降も同じ。「18歳以上」とはならない。

 

 

2. 普通養子縁組における、養子の子(F)と、養子の親(A・B・C・D)との関係


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3. 節税目的でされた養子縁組の効力


節税目的でされた養子縁組の効力に関し、最高裁の平成29年1月31日判決においては、相続税の節税の動機と縁組をする意思とは、併存し得るとされ、専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても、直ちに当該養子縁組について無効とはならないとされました。

 

 

4. 最後に


本稿では、民法における養子の主な取扱いをご紹介しました。上記1の表「親の死亡時(相続)」に記載のとおり、養親が死亡した場合には、その養子縁組が普通養子縁組であったとしても特別養子縁組であったとしても、民法上は、養子はその養親の相続人(子)として取り扱われ、その相続分は実子と変わりません。
一方、税務上は、養子の数を増やすことで公平性が損なわれること等があるため、普通養子縁組やいわゆる孫養子の場合には一定の規定が設けられています。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/03/23)より転載

[経営企画部門、経理部門のためのPPA誌上セミナー]

【第3回】PPAにおける無形資産として何を認識すべきか?

 

〈解説〉

株式会社Stand by C(松本 久幸/公認会計士・税理士)

 

 

▷第2回:PPAのプロセスと関係者の役割とは?

▷第4回:PPAにおける無形資産の認識プロセスとは?

▷第5回:PPAにおける無形資産の測定プロセスとは?

 

 

 

1.何を無形資産として認識すべきか?

第3回は,PPAを実施した際に計上すべき無形資産をどのように認識するか,について解説します。

まず,のれんと無形資産の関係について,図表1をご覧ください。

 

PPAに関する会計基準がなかった時代は,図表1(左側)の図の買収価額と資産・負債の時価(=時価純資産額)との差額がのれんとして計上され,償却されていました。

 

PPAに関する会計基準導入後は,原則として当該差額の内訳として無形資産が計上されることとなります。

(差額を超える無形資産が計上される場合は,差額を超える金額が負ののれんとして取扱われることとなる。)

 

 

 

【図表1】PPAにおける無形資産評価手続の概要

 

 

 

 

 

図表1(右側)の図のように,無形資産を計上する際には,2つのステップが必要となります。

 

Step1が,本稿の主題である何を無形資産として認識するかであり,

Step2が,Step1で認識した無形資産の評価額の算出,です。

 

その意味では,Step1において認識すべき無形資産を的確に把握しないと,そのあとの無形資産の評価にまで影響を及ぼし,見当違いな無形資産が貸借対照表に計上されることとなるため,無形資産の認識の手続は,PPA手続の最初の山場となるところであり,しっかりした分析と検討が必要となります。

 

また,この段階で「無形資産として認識すべきものはない」との結論が導き出されることもあり得ます。その場合,無形資産の評価の手続は省略されます。

 

 

 

2. 無形資産の認識基準‐IFRSと日本基準

PPAにおける無形資産の認識基準は,厳密にはIFRSと日本基準の認識基準は微妙に異なるものとなっています。

日本基準では,分離して譲渡可能な無形資産が含まれる場合には,当該無形資産は識別可能なものとして取扱う,とされ,分離して譲渡可能かどうかが実質的な判断基準となっています。

 

一方,IFRSでは,資産が分離可能かどうかを問わず,契約または法的権利から生じている場合は識別可能とされ(契約・法律規準),契約・法律規準を満たさない場合でも,分離可能であれば識別可能とされます(分離可能性規準)。

 

また,日本基準においては,分離して譲渡可能な無形資産とは,当該無形資産の独立した価格を合理的に算定できなければならないとし,企業結合の目的の1つが,特定の無形資産の受入れにあり,その無形資産の金額が重要になると見込まれる場合には,当該無形資産については分離して譲渡可能なものとして取扱う,とされています。

 

日本基準の認識基準は少し分かり辛いですが,意訳すると日本基準もIFRSも,法律や契約で保護されるものであるかどうか,または,分離して譲渡可能かどうか,ということが実質的な判断基準となります。

 

商標や特許は,登録されていれば法的に保護されているので,無形資産としての認識基準を満たしていることとなります。

 

一方で,商標登録をされていないがブランドとして広く認知されているものや,特許として登録はされていないが特殊な技術で価値があるものについては,法的に保護はされないが,分離して譲渡することが可能(簡単に言うと,売却することが出来る)であることから,日本基準においてもIFRS基準においても無形資産としての認識基準を満たしていることとなります。

 

 

3.具体的な無形資産の例示

無形資産の認識基準は上述のとおりですが,実際は,対象会社の業種やビジネスの概要,商流等から,何が無形資産として認識されるのかを分析・検討していくこととなります。

 

本稿では,具体的に無形資産の例示を見ながらポイントを解説します。こちらをご覧頂ければ,どのような業種の会社にどのような無形資産が認識されるか,ポイントをご理解頂けるのではないでしょうか。

なお,当該例示は,認識される全ての無形資産を網羅しているものではない点にご留意ください。

 

 

①マーケティング関連の無形資産

マーケティング関連の無形資産の例示は,図表2のとおりですが,実際に認識される無形資産は,ほとんどが商標・商号・ブランドです。筆者の経験上は,その他のものについて実際に認識されることは稀です。

 

 

 

【図表2】無形資産の例示(マーケティング関連)

 

 

 

 

②顧客関連の無形資産

顧客関連の無形資産の例示は,図表3のとおりです。顧客関連の無形資産は,業種に関係なく認識されます。

顧客との関係に価値があるかどうかは,主観的な判断が伴う場合も多いので,対象会社のビジネスにおいて顧客との関係が収益稼得の源泉となっているかどうかを,ヒアリング等で把握して分析・検討していくこととなります。

 

もし仮に,製造業の会社で,特定の顧客との関係があって,その顧客が対象会社の製品を購入しているために対象会社のビジネスが成り立っている場合においても,顧客が対象会社製品の機能や品質等の技術的なものを評価して購入しているような場合は,その技術が存在しなくなった場合に顧客関係は継続されないことも推測できることから,そのような場合においては,顧客関係を無形資産として認識すべきかどうかについては,より慎重な分析・検討が必要となります(図表6参照)。

 

 

 

【図表3】無形資産の例示(顧客関連)

 

 

 

 

③契約関連の無形資産

契約関連の無形資産の例示は,図表4のとおりです。多くの会社は,様々な取引先と種々の契約を締結しています。そのため,全ての契約について個々に検討することは現実的ではありません。

 

ポイントは,その契約が,会社の収益稼得に貢献する重要なものであるかどうかです。会社が収益を稼得する際に必要不可欠な契約,その契約が解除された場合に会社の収益が激減する契約等,直接的・間接的を問わずに,そういった契約がないかどうかをインタビュー等にて洗い出していくこととなります。

 

 

 

【図表4】無形資産の例示(契約関連)

 

 

 

 

④技術関連の無形資産

技術関連の無形資産の例示は,図表5のとおりです。製造業においては,特許や特許を含む技術が認識されることが多いです。

 

 

 

 

【図表5】無形資産の例示(技術関連)

 

 

 

4.まとめ

以上のように,実務上,無形資産の認識は,対象会社の業種やビジネスの概要,商流等を把握しながら,無形資産の例示に当て嵌めて,何を無形資産として計上すべきかを分析・検討していくことになります。

 

業種によっては,簡単に無形資産を認識することができる一方,ビジネスが複雑であったり,特殊な業種であったり,または複数の事業を営んでいるような会社の場合は,無形資産の認識についてはより慎重な分析と検討が求められることとなります。

 

無形資産として何を認識するかが,そのあとの無形資産の評価額の算出の際に,評価手法の選択であったり,経済的耐用年数の設定である場合についても影響し,評価額そのものが大きく変動する可能性があります。そのため,的確に無形資産を認識しておくことが肝要です。

 

勘所をご理解頂ければ,買収前においてどういった無形資産が認識されるのかをある程度推察可能となることから,事前検討の際には是非本稿を一読頂ければ幸いです。

 

最後に,筆者が無形資産の認識を分析・検討する際に用いている「無形資産の所在の考察」に関する簡単な図を掲記します。

このように商流や仕入先,顧客との関係性を整理すれば,自ずと何を無形資産として認識すべきかが見えてくることとなります。

 

 

 

【図表6】無形資産の所在の考察(例)

 

 

 

 

 

 

—本連載(全12回)—

第1回 PPA(Purchase Price Allocation)の基本的な考え方とは?

第2回 PPAのプロセスと関係者の役割とは?

第3回 PPAにおける無形資産として何を認識すべきか?
第4回 PPAにおける無形資産の認識プロセスとは?
第5回 PPAにおける無形資産の測定プロセスとは?
第6回 PPAにおける無形資産の評価手法とは?-超過収益法、ロイヤルティ免除法ー
第7回 WACC、IRR、WARAと各資産の割引率の設定とは?
第8回 PPAにおいて認識される無形資産の経済的対応年数とは?
第9回 PPAで使用する事業計画とは?
第10回 PPAの特殊論点とは?ー節税効果と人的資産ー
第11回 PPAプロセスの具体例とは?-設例を交えて解説ー
第12回 PPAを実施しても無形資産が計上されないケースとは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[伊藤俊一先生が伝授する!税理士のための中小企業M&Aの実践スキームのポイント]

④一部株式譲渡スキームの危険性とその対応策

 

〈解説〉

税理士  伊藤俊一

 


[関連解説]

■プレM&Aにおける株式譲渡スキームを採用した場合の、売主株主における少数株主からの株式買取(スクイーズアウト)に係るみなし贈与

■株式譲渡スキームにおける役員慰労退職金支給~現金支給・現物支給の有利不利判定~

 

 

 

株式譲渡スキームを選択した場合、どうしても一部譲渡しかできなかったとします。この場合の対応策を考えます。

 

 

中小零細企業M&Aにおける株式譲渡スキームで一部譲渡は大変危険です。交渉で全部譲渡にするか、事業譲渡スキームに変更するか、個別資産等売買契約に変更するか、それとも、破談するかを選択します。ベストは破談です。中小零細企業M&Aにおける株式の一部譲渡は実行するべきではありません[注1]。

 

 

公開企業M&Aにおいては、この場合、アーンアウト条項が付されます[注2]。

 

 

アーンアウト条項とは、クロージング日以後の一定期間を定め、当該期間において買収対象事業が一定の目標(経営指標:KPI)を達成した場合、買主が売主に対し、予め合意した算定方法に基づき、買収対価の一部を順次支払う取り決めです。

 

 

買収対価の一部順次支払いと買収後における一定の目標達成とを連動させるのは買主・売主のリスクの適切な分配がその目的とされます。公開企業M&Aにおいては、買主が想定する買収価格と売主が想定している売り価格に齟齬がある場合、最も効力を発揮するといわれます。すなわち、買主は売買価額10億円だと想定しており、売主は、「うちの企業価値は15億円である、もっと高く評価してもらいたい」などと、企業価値の認識にギャップがある場合、懐疑的な買主に対し、売主側がクロージング日以降、一定のKPI(経営指標)を達成し、売主側の提示した価格を納得させた上で、差額を支払わせるのです。

 

 

当該条項のメリットは以下の点です。売主としては、クロージング日以後、株式を手放しても、経営に関与し続け、一定の結果を出せば当初約定の追加キャッシュを手にすることが可能です。買主としては、当初約定の一定期間に売主の表明保証違反が発覚すれば、譲渡代金の減額が可能です。資金繰りという意味で、当初は手堅いと想定される範囲で資金を出し、売主のパフォーマンス次第で、ボーナス的な意味合いで支払いを随時とすることができ有利です。デメリットとして売主では一度にキャッシュを受領できないことが挙げられます。

 

 

このように当該条項は、専ら買主が自身のリスクを軽減させる目的で採用します[注3]。したがって、現在のように、中小零細企業M&Aが売手市場である状況においては、買主が有利な契約は現実的に合意に至りにくく、また、通常は売主側(の代理人弁護士、FA等)が先に最終契約書のドラフティングを行うこと等諸事情から、下記ではあくまでも上記の公開企業M&Aの実例を踏まえた上で、中小・零細企業M&Aで少しでも応用できないかを模索した買主の理想像を述べています 。

 

 

売主の役員報酬を業績連動型(法人税法第34条の業績連動給与ではない)として、株式譲渡対価の一部にその当該報酬を充当するなどの交渉も行ったりします。こうすることで、1株あたりの譲渡価額の計算に過去3期分それぞれの経常利益増加割合等を反映させることが可能となり、譲渡価額を大きくすることも可能という分割払いが代用されます。実質的には同じであり、実効力はこちらのほうが遥かにあります。なお、最終契約書に一定の期間を明示するわけですが、その期間内に表明保証違反が発覚すれば、譲渡代金の支払いをストップしてしまえばよいのです。補償条項に基づく損害賠償請求よりよほど実効性があります。

 

なお、上記とは全く逆の流れになるクローバック条項も存在はしますが、(公開企業も含めて)実務ではほぼ実行されません[注4]。

 

 

最後に、アーンアウト条項に係る収入時期についての取扱いが初めて判断された裁決をご紹介します[注5]。

 

 


 

(収入すべき金額/非上場株式の譲渡)

本件譲渡契約に、代金の一部について、会社の将来における業績に応じて算出される金額をもって分割して支払う旨の条項が置かれていることを勘案しても、当該株式の引渡しがあった日に、譲渡代金の全額が確定的に発生したものと認めるのが相当であるとした事例(平成29年2月2日裁決)

 

〔裁決の要旨〕

1 請求人甲は、平成25年中に非上場会社(A社)の株式を譲渡したが、譲渡契約に、代金の一部について、A社の将来における業績に応じて算出される金額(調整金額)をもって分割して支払う旨の条項が置かれていることを根拠に、当該条項に基づく金額を株式等に係る譲渡所得の収入金額に含めずに平成25年分の所得税等の確定申告をし、その後、上記条項に基づく金額の支払を受けた後に、当該金額を収入金額に加算して同年分の修正申告をしていた。本件は、原処分庁が、譲渡代金全額を一括して収入金額として計上すべきであるとして更正処分等をした事案である。

 

2 所属税法36条1項にいう「収入すべき金額」の意義

 

3 譲渡所得に対する課税は、資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に、これを清算して課税する趣旨のものであり、年々に蓄積された当該資産の増加益が所有者の支配を離れる機会に一挙に実現したものとみて課税する建前が採用されていることにも鑑みると、譲渡所得に係る収入の原因たる権利が確定的に発生した時、すなわち、原則としてその所得の基因となる資産の引渡しがあった日の属する年に、当該譲渡所得に係る収入金額の全部が発生したものとして、これをその年において収入すべき金額と認めるべきものと解される。

 

4 本件譲渡契約の実行日に、譲渡契約に基づき、A社株式に係る株券が交付されるとともに、株主名簿に、買主が請求人甲からA社株式を譲り受けてこれを取得した旨が記載されたことに照らせば、A社株式の引渡しがあった日は、本件実行日であると認めるのが相当である。

 

5 本件調整条項は、A社が成長著しいものの社歴の浅い新興企業であることを考慮した買主の要望により、A社の経営リスクを請求人甲及び乙に分担させる趣旨で設けられたものであるが、A社は、右肩上がりの急成長を遂げており、調整金額の算定指標である計画値は、そうした同社の好調な経営状態を踏まえて設定されたものと認められる。そのうえ、そうした急成長を成し遂げたA社の生みの親である請求人甲及び乙が、株式を譲渡した後も引き続き代表取締役ないし取締役として同社に残り、その経営に携わることが予定されていたことや、本件調整条項は、かかる両名に対するインセンティブとなるものでもある。

6 さらに、ある事業年度において計画値を達成できず、調整金額が満額支払われないことがあったとしても、その後の事業年度において計画値以上の業績を挙げた場合には、過去の未達分が埋め合わせられるものとされていたことに加え、請求人甲と同時にA社株式を譲渡したものに係る譲渡契約には、調整条項のような条項はなく、代金全額が一括で支払われるものとされていたこととの均衡も考慮すれば、本件調整条項は、基本的には、計画値がいずれの事業年度においても達成され、調整金額が満額支払われることを想定して設けられたものとみるのが相当である。

 

7 以上によれば、本件譲渡契約に調整条項が置かれていることを勘案しても、A社株式の引渡しがあった実行日に、譲渡に係る収入金額たる譲渡代金の全額が確定的に発生したものと認めるのが相当(下線筆者)である。したがって、本件譲渡に係る平成25年において収入すべき金額は、譲渡代金の全額であると認められる。

 

出典:TAINS

(TAINSコード F0-1-767)

 

 


【注釈】

[注1] 理由は前問解説「プレM&Aにおける株式譲渡スキームを採用した場合の、売主株主における少数株主からの株式買取(スクイーズアウト)に係るみなし贈与」における「仮に売主株式を100%取得しないと、取得できなかった、つまり、クロージング日以後も、旧売主株主として残存している者から、会社法上の少数株主に各種認められる権利を行使して、いわゆる嫌がらせをされる可能性があるため」参照のこと。

[注2] アーンアウト条項が付された取引をアーンアウト・ディールといい、追加代金の支払い義務のことをアーンアウトと呼びます。

[注3] この点につき、実際の活用場面として、森・濱田松本法律事務所 (編)「M&A法大系」311頁(有斐閣 2015)参照のこと。

[注4] クローバックは当初譲渡代金全額を支払、表明保証違反や一定の期間におけるKPI未達成等、各種返還条項を別途定め、それに該当した場合、売主が買主に返還する取引です。この「当初満額支払、契約書各種条項違反があったら返還」というのはM&Aに限定されたものではなく、公開企業における役員給与設定等の場面でも見受けられます。租税法上の取扱いについての一考察として、日本公認会計士協会 「租税調査会研究報告第35号 法人税法上の役員報酬の損金不算入規定の適用をめぐる実務上の論点整理」64~72頁(2019年),佐藤丈文・田端公美「一定の事由で役員報酬を返還させるしくみ『クローバック条項』導入上の法的留意点」(旬刊経理情報No.1557 中央経済社 2019年)を参照のこと。

[注5] この点につき、詳細等は森・濱田松本法律事務所「最新事例解説―アーンアウト条項付の株式譲渡において、譲渡代金のうち当該条項の対象となる部分の収入時期を株式の引渡時期であると判断した裁決」(TAX LAW NEWSLETTER 2018年10月号 Vol.32)参照のこと。

 

 

 

 

 

[解説ニュース]

被相続人が相続開始直前に老人ホームに入居していた場合の「相続した空き家の敷地に係る譲渡所得の特別控除」

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

1. 特例の概要


相続の開始の直前において、被相続人のみが主として居住の用に供していた家屋で、昭和56年5月31日以前に建築されたも(区分所有建築物を除く。以下「被相続人居住用家屋」)及びその敷地の両方を相続又は遺贈により取得した個人が、被相続人居住用家屋を取壊した後にその敷地を譲渡した場合は、一定の要件を満たすことにより、所得税の計算上、譲渡所得の金額から最大3,000万円を控除できる特例が設けられています(租税特別措置法(措法)35条第3項2号、4項、措法施行令23条6項。以下この特例を「本特例」といいます)。

 

 

 

2. 被相続人居住用家屋の意義


この特例の対象となる「被相続人居住用家屋」とは、次の①~③のすべての要件を満たす家屋をいいます(措法35条4項)。

 

①相続開始の直前において、被相続人の居住の用に供されていた家屋であること。
②昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物を除きます。)であること。
③相続の開始の直前において、被相続人以外に居住をしていた者がいなかったものであること。

 

 

 

3. 被相続人が相続開始の直前に老人ホームに入居していた場合の本特例の適用


(1) 被相続人居住用家屋とその敷地の対象の拡大

上記2①より、「被相続人居住用家屋」は相続開始の直前に被相続人の居住の用に供されていた家屋であることが要件とされ、老人ホームに入居中に 相続が開始した場合は、被相続人が入居前に住んでいた自宅は相続開始の直前に被相続人の居住の用に供されていないことから、被相続人居住用家屋に該当しません。しかし高齢者が自宅を離れ老人ホームに入居後に元の自宅に戻る場合や、元の自宅を家財置き場等として使用する場合があり、生活の本拠が完全に老人ホームに移ったとは言えないケースもあります。そこで被相続人が相続開始の直前に老人ホームに入居したときでも、一定の要件を満たす場合には元の自宅が「被相続人居住用家屋」に該当するものとして、本特例の適用が認められています。

 

具体的には、本特例の適用対象となる被相続人居住用家屋およびその敷地として、「”『対象従前居住の用』に供されていた”被相続人居住用家屋およびその敷地」が含まれることとされています。 (措法35条4項、措法施行令23条7項、6項)

 

(2)「対象従前居住の用」の意義

「対象従前居住の用」とは、 [1]次の①~③の要件を満たし、かつ[2]下記(3)の特定事由により相続の開始直前において家屋が被相続人の居住の用に供されていなかった場合における、その特定事由により居住の用に供されなくなる直前のその被相続人の居住の用をいいます。

 

①特定事由により、被相続人居住用家屋が被相続人の居住の用に供されなくなった時から相続の開始の直前まで、引き続き被相続人居住用家屋がその被相続人の物品の保管その他の用に供されていたこと
②特定事由により、被相続人居住用家屋が被相続人の居住の用に供されなくなった時から相続の開始の直前まで、その被相続人居住用家屋が事業の用、貸付けの用又は被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。
③被相続人が、(3)①の有料老人ホーム等に入居等をした時から、相続開始の直前までの間において、被相続人の居住の用に供する家屋が2以上ある場合には、これらの家屋のうち、その施設等が、被相続人が主としてその居住の用に供していた一の家屋に該当するものであること。

 

(3) 特定事由の意義

特定事由は、次の①又は②の事由をいいます。

 

①介護保険法の要介護認定又は要支援認定を受けていた被相続人が、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、サービス付き高齢者向け住宅等に入居等をしていたこと。
②一定の障害者区分の認定を受けた被相続人が、障害者支援施設等に入居等をしていたこと。

 

(注)上記の要介護認定等を受けていたかどうかは、特定事由により被相続人居住用家屋が被相続人の居住の用に供されなくなる直前において判定します。

 

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/03/16)より転載

[M&Aニュース](2020年3月2日〜3月13日)

◇前田建設工業、敵対的TOB成立し前田道路を19日付で子会社に、◇ソルクシーズ<4284>、クレジット向けコンサルのアリアドネ・インターナショナル・コンサルティングを子会社化、◇ぱど<4833>、浜松支局のフリーペーパー事業や子会社「九州ぱど」などを譲渡へ、◇識学<7049>、プロバスケットB2「福島ファイヤーボンズ」の経営権を取得、◇三栄建築設計<3228>、建売分譲のマックホームを子会社化、◇ユニゾ従業員TOB、買付期間を3月26日まで4度目の延長、◇フィックスターズ<3687>、ソフトウエア並列化サービスのオスカーテクノロジーを子会社化 ほか

 

 

 

 

 

前田建設工業、敵対的TOB成立し前田道路を19日付で子会社に

前田建設工業は13日、前田道路の子会社化を目的としたTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。予定していた株式数を買い付け、従来24.68%だった所有割合を51.29%に高めた。子会社化は公開買い付けの決済開始日である3月19日付。買付代金は861億5500万円。前田道路は「事業へのシナジー(相乗効果)が見込めない」として前田建設によるTOBに反対を表明し、敵対的買収に発展していた。

前田建設は1月21日に、持ち分適用関連会社の前田道路に対してTOBを開始した。買付価格は1株3950円。前田道路は対抗策として2月20日に、総額535億円の特別配当(1株あたり650円の特別配当)を実施する計画を、さらに同27日には同業最大手のNIPPOとの資本業務提携に向けた協議開始を発表し、TOBへの対抗姿勢を鮮明にしていた。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて国内株式相場が全面安となる中、前田道路の株価はTOB期限の3月12日の2752円(終値)まで下落。株価に特別配当分を加えても、買付価格3950円を下回る状況となり、TOB成立が有力視されていた。

 

 

 

ソルクシーズ<4284>、クレジット向けコンサルのアリアドネ・インターナショナル・コンサルティングを子会社化

ソルクシーズは、クレジットカード向けコンサルティングサービスを手がけるアリアドネ・インターナショナル・コンサルティング(東京都港区)の株式76.9%を取得し子会社化することを決めた。ソルクシーズはシステム構築・受託開発事業の競争力強化の一環として、フィンテック事業の推進に向けてクレジット分野のパートナー企業を模索していた。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

 

ぱど<4833>、浜松支局のフリーペーパー事業や子会社「九州ぱど」などを譲渡へ

ぱどは13日、事業構造改革の一環として、浜松支局(浜松市)で手がけるフリーペーパー事業、フリーペーパー子会社の九州ぱど(福岡市。売上高2億4800万円、営業利益△1500万円、純資産1億800万円)、インターネット広告子会社のぱどラボ(東京都千代田区。売上高1億9500万円、営業利益1200万円、純資産9100万円)をそれぞれ譲渡する方針を発表した。いずれも譲渡先、譲渡金額、時期は未定。

ぱどはフリーペーパー事業の業績低迷に伴い、収益改善に向けて営業・制作拠点や本社機能の再編、発行エリアの見直し、子会社再編などを推進中。昨年12月にはRIZAPグループ傘下を離れた。

ぱどの2020年3月期業績予想は売上高110億円(前期79億9700万円)、営業損失2億9000万円(同1億9700万円の損失)、最終損失2億9600万円(同5億2300万円の損失)。

 

 

 

 

識学<7049>、プロバスケットB2「福島ファイヤーボンズ」の経営権を取得

識学は12日、Bリーグ2部(B2)のプロバスケットボールチーム「福島ファイヤーボンズ」を運営する福島スポーツエンタテインメント(福島県郡山市。売上高2億1600万円、営業利益190万円、純資産△6330万円)が実施する第三者割当増資を引き受け、株式56.4%を取得し、4月1日付で子会社化すると発表した。取得価額は8960万円(アドバイザリー費用460万円を含む)。福島ファイヤーボンズは2020年6月期末までに債務超過を解消できなければ、シーズンの成績にかかわらず、Bリーグのクラブライセンスを失う窮地にある。

識学は、独自の「識学」理論に基づく組織コンサルティングを手がけ、1400社を超える企業を顧客とする。近年は企業以外に、スポーツチームにも組織コンサルティングを提供している。2019年に「識学」講師をコーチとして派遣した立教大学ラグビー部はAグループ昇格、早稲田大学ラグビー部は全国大会優勝という結果を残した。

今回の子会社化を通じて、組織改善に向けたノウハウを導入し、運営会社の福島スポーツの業績向上とチームの成績向上を実現するとしている。

 

 

 

 

三栄建築設計<3228>、建売分譲のマックホームを子会社化

三栄建築設計は、建売分譲を主力とするマックホーム(埼玉県朝霞市。売上高74億8000万円、営業利益2億9900万円、純資産11億4000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

マックホームは2002年に設立し、朝霞市、志木市、和光市、新座市の埼玉県南部を中心とするハウスビルダー。三栄は中期経営計画「MELDIA ACTION PLAN2021」の中で分譲住宅供給5000棟を掲げており、マックホームを傘下に取り込み、計画達成に弾みをつける。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月下旬。

 

 

 

 

ユニゾ従業員TOB、買付期間を3月26日まで4度目の延長

不動産・ホテル業のユニゾホールディングに対し、従業員による買収(EBO)を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施中のチトセア投資(東京都中央区)は11日、3月18日までとしていた買付期間を3月26日まで5営業日延長すると発表した。昨年12月24日にTOBを始めて以来、買付期間の延長は4度目。1株5700円の買付価格については変更していない。

11日のユニゾ株の終値は前日と同じ5610円。ユニゾ株は終値で2月下旬に6010円の高値に上昇したが、折からの新型コロナウイルスの感染拡大を受けて株式市場全体が値を下げる中、3月9日の終値は5680円と買付価格を下回る水準まで低下。翌10日は5610円に続落した。これにより、TOB成立に向けて見通しが開け得る株価情勢となっている。

ユニゾをめぐっては別に、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOBが1株5200円で同時進行中で、買付期間は3月18日。

 

 

 

 

フィックスターズ<3687>、ソフトウエア並列化サービスのオスカーテクノロジーを子会社化

フィックスターズは、ソフトウエアの並列化サービス・コンサルティングを手がけるオスカーテクノロジー(東京都新宿区。売上高1億1200万円、営業利益△1億3100万円、純資産5000万円)の株式52.88%を取得し子会社化することを決めた。両社のマルチコアプロセッサー関連の技術を融合し、大量データの高速処理や省電力化につながるソフトウエアの提供につなげる。

今回子会社化するオスカーテクノロジーは早稲田大学基幹理工学部笠原・木村研究室の研究成果をもとにマルチコア並列処理技術の商用化を目的に2013年に発足した。同社には産業革新投資機構傘下のINCJ(旧産業革新機構)が12.71%を出資している。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月30日。

 

 

 

 

IBJ<6071>、イオン傘下の結婚紹介サービス「ツヴァイ」<2417>をTOBで子会社化

IBJは11日、イオン傘下で結婚相手紹介サービスのツヴァイ(東証2部)に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付代金は35億700万円。ツヴァイ株式の64.43%を保有する親会社のイオンは全株式をTOBに応募する。ツヴァイは仲人型のビジネスモデルを主力とするが、ネットを利用したマッチングアプリ型に押され、入会者が伸び悩み、2期連続の最終赤字に陥るなど業績が低迷していた。IBJは婚活パーティーやネット婚活に強みがあり、両社の会員を相互紹介や見込み客の送客などを通じて事業拡大を目指す。

ツヴァイは同日、TOBに賛同の意見表明を発表した。

ツヴァイ株の買い付け価格は1株あたり884円で、TOB公表前日の終値572円に54.55%のプレミアムを加えた。買付予定数の下限は所有割合66.67%(264万4900株)。買付期間は3月12日~4月24日。公開買い付け代理人はみずほ証券。決済開始日は4月30日。

ツヴァイは1984年にジャスコ(現イオン)の100%出資子会社として発足した。2004年に株式を店頭登録し、ジャスダック上場を経て、2007年から東証2部上場。現在、全国に51拠点を置く。

ツヴァイを傘下に収めるIBJは東名阪を中心に8都府県に直営23店を展開する。全国的には約2400社が加盟する結婚相談所ネットワークを運営する。

 

 

 

 

三洋貿易<3176>、食品添加物輸入販売のNKSコーポレーションを子会社化

三洋貿易は、食品添加物や工業用薬品の輸入販売を主力とするNKSコーポレーション(東京都中央区。売上高5億1800万円、純資産4100万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ライフサイエンス分野を補完する商材の取り込みが狙い。NKSコーポは2003年に設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月19日。

 

 

 

 

SHIFT<3697>、サイト制作のナディアとアプリ開発のxbsを子会社化

SHIFTは、Web・モバイルサイト制作などのNadia(東京都港区)の事業と、アプリケーション開発のxbs(東京都港区。売上高1億1600万円、営業利益2400万円、純資産2770万円)の全株式をそれぞれ取得することを決めた。ソフトウエアの品質保証サービス拡充の一環。

Nadiaとxbsはいずれもデジタルコンテンツ制作を手がけるDECEM(東京都港区)の全額出資子会社。Nadiaの事業(直近売上高約20億円)については新設分割で承継する新会社ナディア(東京都港区)の全株式を取得する。取得価額はナディア、xbsの両社を合わせて17億600万円。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

 

安江工務店<1439>、マノモクハウジングから住宅リフォーム・不動産流通事業を取得

安江工務店は、住宅用木材プレカット事業などのマノモクハウジング(愛知県豊田市)から住宅リフォーム・不動産流通事業を取得することを決めた。安江工務店は愛知県を地盤に住宅リフォーム・新築住宅・不動産流通の3事業を展開する。マノモクから同種の事業を取り込み、営業提案力や施工ノウハウを融合してシナジー(相乗効果)獲得を狙う。マノモクは1988年に設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月16日。

 

 

 

 

チノー<6850>、船舶エンジン用温度センサー製造の明陽電機を子会社化

チノーは、船舶エンジン用温度センサー製造の明陽電機(静岡市。売上高25億8000万円、営業利益2億6600万円、純資産38億円)の株式26.79%を追加取得し、子会社化(所有割合53.58%)することを決めた。チノーは2019年7月に明陽電機に出資し、持ち分法適用関連会社とした。今回の子会社化で製品開発や販売に関する経営資源を共有化し、相乗効果を一層高める。明陽電機は1948年に設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

 

極楽湯ホールディングス<2340>、日本アジアグループ傘下で温泉掘削のエオネックスなど2社を子会社化

極楽湯ホールディングスは、日本アジアグループ傘下で温泉掘削を手がけるエオネックス(金沢市。売上高22億6000万円、営業利益1億3300万円、純資産5億300万円)、測量・地下水調査などの利水社(金沢市。売上高4億500万円、営業利益△1800万円、純資産1億5100万円)の両社を子会社化することを決めた。極楽湯が各地で展開する温浴施設の効率的な運営やメンテナンス体制強化を目指す。

極楽湯は日本や中国で「極楽湯」「RAKU SPA」ブランドで温浴施設を展開する。一方、エオネックス、利水社は石川県など北陸をはじめ全国で温泉掘削や温泉設備工事、地質調査、測量、温浴施設運営(2店舗)などを手がける。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

 

LIXILグループ、希望退職者募集に497人応募

LIXILグループは9日、キャリアオプション制度に基づく希望退職者の募集に497人の応募があったと発表した。本体と国内の一部子会社に在籍する50歳以上勤続10年以上の正社員を対象に、人数を定めず、2月17日~2月28日に募集した。通常の退職金に特別退職金を加算して支給する。2020年3月期決算に特別退職金と再就職支援サービスにかかる費用を約55億円計上する。

LIXILグループが希望退職者を募集するのは2012年以来。前回は建材・住宅設備事業子会社のLIXILを中心に900人規模で募集し、倍以上の1884人の応募があった。今回導入したキャリアオプション制度については今後5年間の運用を予定している。

LIXILグループの2020年3月期業績予想は売上高0.9%増の1兆8500億円、営業利益380億円(前期は150億円の損失)、最終利益150億円(同521億円の損失)。

 

 

 

 

ツルハホールディングス<3391>、福岡県地盤の江頭エーザイからドラッグストア1店舗を取得

ツルハホールディングスは子会社のツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本(広島市)を通じて、ドラッグストアチェーン展開の江頭エーザイ(福岡県大川市)から福岡県内のドラッグストア1店舗を取得することを決めた。ドミナント戦略の一環。ツルハグループドラッグ&ファーマシーは中国・九州地区で283店舗を運営している。取得価額は非公表。取得予定日は2020年5月1日。

 

 

 

 

出光興産<5019>、シェルブランド潤滑油事業を譲渡へ

出光興産は9日、潤滑油事業の100%出資子会社であるシェルルブリカンツジャパン(SLJ、東京都港区)の全株式とSLJが営む日本でのシェルブランドの潤滑油事業を、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル傘下の関係企業に譲渡することについて協議を開始すると発表した。昭和シェル石油との経営統合後、出光興産本体が出光ブランドの潤滑油事業を、子会社のSLJがシェルブランドの潤滑油事業をそれぞれ手がけていた。

 

 

 

 

乾汽船、次期中計の公表を見合わせ|新型コロナで前提条件に変動

乾汽船は6日、4月に始まる次期中期経営計画(2023年3月期までの3カ年)の公表を見合わせると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による世界情勢の混乱を踏まえ、中期計画の前提条件に変動が生じうる事実が発生しているため、としている。同社は外航海運と倉庫・運送事業を柱とする。

現行の中期経営計画の最終年度にあたる2020年3月期の業績見込みは売上高4.1%減の220億5400万円、営業損失8億7500万円(前の期は3億9600万円の黒字)、最終利益80.1%減の1億2700億円。現中計では売上高212億円、営業利益19億9500万円、最終利益19億円を当初目標に掲げていた。

 

 

 

 

TIS<3626>、タイのIT企業のMFECをTOBで子会社化

TISは6 日、タイのITサービス企業MFEC Public Company Limited(バンコク。売上高36億8000万円、営業利益2億4100万円、純資産18億5000万円)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社化すると発表した。株式を追加取得し、現在24.9%の持ち株比率を49%に引き上げる。買付価格は1株につき5タイバーツ(約17.35円)。買付代金は18億4600万円。

MFECはタイ証券取引所に上場する企業向けITサービス大手。TISは2014年に同社と資本・業務提携し、協業の推進や追加出資(現在、持ち分適用関連会社)を通じて関係を強化してきた。傘下に取り込むことで、MFEC の事業構造転換を加速するとともに、グループとして海外事業の拡大を目指す。

TOB開始の時期は現時点で未定だが、子会社化手続きの完了は9月末をめどとしている。タイでは外国株主よる株式保有は49%が上限。

 

 

 

 

三井松島ホールディングス<1518>、水晶デバイス用生産設備製造の三生電子を子会社化

三井松島ホールディングスは、水晶デバイス用生産設備を製造する三生電子(東京都狛江市。売上高27億9000万円、営業利益7100万円、純資産39億3000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。非石炭生産事業への多角化推進の一環。

三生電子は1963年に設立。水晶デバイスの製造工程のうち、組み立てから検査までをカバーしたインラインシステムを製造・構築可能な国内唯一の装置メーカーという。自動車の電装化や通信インフラの5G(第5世代通信システム)対応など成長分野での用途拡大に伴い、製品需要も中長期的に底堅く推移すると期待されている。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

 

TAKARA&COMPANY<7921>、ベネッセ傘下で通訳・翻訳大手「サイマル・インターナショナル」を子会社化

TAKARA&COMPANY(旧宝印刷)は6日、ベネッセホールディングス子会社で通訳・翻訳の大手、サイマル・インターナショナル(東京都中央区。売上高51億円、営業利益7000万円、純資産11億5000万円)を買収すると発表した。49億5000万円を投じて、発行済み株式のすべてを3月31日付で取得する。顧客企業の事業活動のグローバル化に伴い、情報開示書類の翻訳ニーズが急速に膨らんでいるのに対応し、サービス体制を強化するのが狙い。

サイマルは1965年に日本初の国際会議の通訳専門会社として発足。1998年にベネッセグループの傘下に入った。近年は通訳事業に加え、より市場規模が大きい翻訳事業にも力を注いできた。サイマルは企業・官庁向けが主体で、ベネッセグループからの売上も全体の1割に満たなかった。このため、ベネッセはグループ内で既存事業との相乗効果が限定的だとしてサイマルを切り離す。

TAKARAは企業情報の開示にかかわる専門印刷会社。近年は外国人株主の増加やコーポレートガバナンス・コード(企業統治の指針)対応などを背景に、情報開示書類の翻訳需要が拡大している。今回傘下に収めるサイマルは多言語に対応する2000人を超える業界随一の登録通訳者を擁し、翻訳者・校閲者についても厚い人材基盤を持つ。

 

 

 

 

東海染工、岐阜事業所で約20人の希望退職者を募集

東海染工は4日、20人程度の希望退職者を募集すると発表した。岐阜事業所(岐阜県羽島市)に勤務する40歳以上(3月31日時点)の正規社員が対象で、募集期間は3月9日~16日。国内染色加工事業を取り巻く厳しい経営環境に対応し、市場規模に見合った生産体制への再編・見直しを進めるのが狙い。退職日は4月15日とする。所定の退職金に特別加算金を上乗せする。

今回、希望退職者を募集する岐阜事業所では短繊維ニットの無地から捺染までの一貫加工を手がけている。

東海染工は染色加工大手。加工料金の見直し、取引条件の改善、コスト削減などを進めてきたが、米中貿易摩擦の影響、世界経済の減速などで先行きが一段と不透明になっており、特に編物(ニット)染色事業の受注環境は予想を上回る勢いで悪化しているという。

 

 

 

 

INCLUSIVE<7078>、サッポロビールから地域ウェブメディア「北海道Likers」を取得

INCLUSIVEは、サッポロビールが所有するウェブメディア「北海道Likers」(2020年1月に運営終了)を取得することを決めた。地域情報メディア事業の強化が狙い。地域メディアの展開は東海地区の「CUCURU」、関西地区の「anna」、福岡地区の「ARNE」に続く。対象事業の業績や取得価額などは非公表。

INCLUSIVEはファッションやコスメ、経済など、特定の興味・関心ごとに特化して情報を発信し、ユーザーを集客するターゲットメディアの運営支援を主力とするが、今後の方向として「地域」を軸としたメディア展開に力を注ぐ方針を打ち出している。

今回取得する「北海道Likers」はサッポロビールが地域活性化を目的に2012年にスタートしたが、今年1月に運営を終了していた。

 

 

 

 

神戸製鋼所<5406>、傘下の神鋼建材工業と日鉄建材の道路関連事業を4月に統合

神戸製鋼所は4日、傘下の神鋼建材工業(兵庫県尼崎市)と日本製鉄子会社である日鉄建材(東京都千代田区)の道路関連事業(防護柵、防音壁など)を統合することで基本合意したと発表した。統合対象は日鉄建材の事業のうち道路関連事業と神鋼建材工業の全事業。4月1日に発足する統合新会社は「日鉄神鋼建材」(東京都千代田区)とし、日鉄建材が65%、神鋼が35%を出資する。

公共投資の縮減に伴い、道路関連事業を取り巻く環境の一段の悪化が予想されることを踏まえ、両社の経営資源を統合し、競争力を強化するのが狙い。

主力製品の一つである防護柵の製造について、東日本地区は日鉄建材・野木製造所(栃木県野木町)、西日本地区は神鋼建材・本社工場(尼崎市)の東西2拠点体制とする。これに伴い、日鉄建材の大阪製造所(大阪府高石市)の防護柵製造設備は統合2年後をめどに休止する予定。

 

 

 

 

曙ブレーキ、「新型コロナ」を受け 早期退職者の募集期間を延長

経営再建中の曙ブレーキ工業は3日、2月24日から実施している200人規模の早期退職者の募集期間を延長すると発表した。当初は3月9日を募集期間としていたが、3月23日までに変更した。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた措置。政府から大人数会議の制限、時差出勤などの予防措置の推奨や、小中高への臨時休校要請が出ているのを受け、出社が難しい社員が想定され、早期退職にかかる説明などコミュニケーションが不十分なまま応募締め切りを迎えることが懸念されるため、としている。

早期退職者の募集対象は2020年1月1日時点で①勤続3年以上、満40歳以上の正社員②60歳以上の再雇用契約社員③勤続3年以上の契約社員。退職日は4月30日としている。

曙ブレーキは米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)からの新規受注の失敗に端を発して業績が大幅悪化。私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)に基づき、昨年9月に560億円に上る債権放棄や国内外6工場の閉鎖などを柱とする再建計画が承認された。

 

 

北越メタル<5446>、鉄鋼一次・二次製品販売のコーテックスを子会社化

北越メタルは、鉄鋼一次・二次製品販売のコーテックス(東京都新宿区)を子会社化することを決めた。株式取得の相手方、取得価額は非公表だが、発行済み株式の過半数を4月1日付で取得する予定という。

北越メタルは新潟県を地盤とする電炉メーカー。棒鋼、線材、形鋼の素材供給のほか、特殊ボルト類、各種メッシュ・フープ製品などの鉄鋼二次製品を手がける。鉄筋コンクリート構造物の柱を地震から守るフープ筋については子会社のコーテックス工業(東京都新宿区)が加工を担う。

取得価額は2020年4月1日。

 

 

 

 

ゼットン<3057>、結婚式場運営のエルフラットから婚礼施設「YOKKAICHI HARBOR尾上別荘」を取得

ゼットンは、結婚式場運営のエルフラット(岐阜市)が三重県四日市に持つ婚礼施設「YOKKAICHI HARBOR尾上別荘」の事業を3日付で取得した。当該事業の直近業績は売上高3億2500万円、営業利益3700万円。取得価額は非公表。

エルフラットは愛知、岐阜、三重で12の婚礼施設を運営。このうち今回、ゼットンが取得したYOKKAICHI HARBOR尾上別荘は四日市市の東、伊勢湾の海沿いに立地し、敷地内には四日市市の名士・小菅剣之助(戦前、棋士、実業家、国会議員として活躍)の別荘として使われた「尾上別荘」がある。

 

 

 

 

第一交通産業<9035>、三重県地場タクシーのタカモリタクシーを子会社化

第一交通産業はグループ会社を通じて三重県の地場タクシー会社、タカモリタクシー(津市)の全株式を取得し、3日付で子会社化した。保有車両台数は27台。タカモリタクシーを傘下に収め、三重県内での保有台数は既存グループ会社1(タクシー10台、乗合5台)と合わせて42台、国内のグループ全体では8422台となる。取得価額は非公表。

 

 

 

 

ユアサ商事<8074>、神奈川県で戸建住宅・マンションのリフォーム工事を手がける高千穂を子会社化

ユアサ商事は、戸建住宅・マンションのリフォーム工事を手がける高千穂(横浜市。売上高14億5000万円)の全株式を取得し、2日付で子会社化した。同社とは住宅設備機器の仕入れを通じて取引関係があった。神奈川県下における住設機器販売事業との相乗効果を見込む。取得価額は非公表。

 

 

 

 

フルスピード<2159>、動画広告のRitaを子会社化

フルスピードは、動画広告企画・制作のRita(東京都台東区。売上高7300万円、営業利益245万円、純資産658万円)の全株式を取得し、2日付で子会社化した。取得価額は非公表。フルスピードは子会社のフォーイット(東京都渋谷区)を通じて成果報酬型広告事業を手がける。高い広告効果を持つ動画広告の領域を取り込み、広告主への提案力を向上させる。

Ritaは2018年2月に設立したベンチャー企業。同社をめぐっては今年2月半ば、パチンコ向け広告を主力とするゲンダイエージェンシーが子会社化することで基本合意したが、数日後にRita側の申し入れで基本合意が白紙撤回となった経緯がある。

 

 

 

 

JKホールディングス<9896>、北海道道東を地盤に建築資材販売を手がける長谷川建材を子会社化

JKホールディングスは、建築資材の販売と建設工事を手がける長谷川建材(北海道北見市。売上高9億3700万円、営業利益1000万円、純資産4億3100万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。これまで拠点がなかった北海道道東地区での営業基盤の確保が狙い。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

 

ノーリツ鋼機<7744>、旧パイオニアでDJ・クラブ機器最大手のAlpha Thetaを350億円で子会社化

ノーリツ鋼機は2日、パイオニアから分割独立したDJ・クラブ機器メーカーの最大手、Alpha Theta(アルファシータ、横浜市。売上高253億円、営業利益33億1000万円、純資産271億円)の全株式を取得し子会社化すると発表した。取得代金は350億円(アドバイザリー費用を含む)。成長分野への事業多角化を進めるのが狙い。株式取得のほか、Alpha Thetaが抱える有利子負債約300億円の返済も行う。

Alpha Thetaは2015年に米投資ファンドのコールバーグ・グラビス・ロバーツ(KKR)の主導でパイオニアから独立。今年1月1日にパイオニアDJから現社名に変更した。1994年に世界初のフラットトップ型DJプレーヤーを開発し、DJ・クラブ機器市場に参入。以来、世界トップシェアを持つという。

ノーリツ鋼機は今後設立する特別目的会社(SPC)を通じて、KKR(所有割合85.05%)とパイオニア(同14.95%)が持つAlpha Thetaの全株式を4月3日付で取得する。

ノーリツ鋼機はAlpha Thetaの企業価値について650億円と算定しており、SPCはノーリツ鋼機からの出資約350億円に加え、約300億円のユーロ建てノンリコース(非遡及型)ローンを活用して、有利子負債の返済を引き受ける。

 

 

 

 

Cominix<3173>、切削工具・油圧機器販売の大西機工を子会社化

Cominixは、切削工具や油圧機器などの販売を手がける大西機工(大阪府東大阪市。売上高10億9000万円、営業利益△1500万円、純資産4億500万円)の株式68%を取得し、子会社化した。2月27日付。また同日に大西機工が自己株式32%を取得したことにより、同社を完全子会社とした。取得価額は非公表。

Cominixは切削工具、耐摩工具、光製品などの販売を主力にグローバル展開している。大手企業を顧客に持ちながら、後継者不足や顧客の海外進出に対応できないといった課題を持つ企業との戦略的提携を推し進めており、大西機工の子会社化もその一環。切削工具事業の業容拡大などで相乗効果を期待している。大西機工は1950年に設立。

 

 

 

 

ユアサ商事<8074>、SUBARU傘下でコンテナハウス製造の富士重工ハウスを子会社化

ユアサ商事は、SUBARU子会社で組み立て式仮設ハウス(コンテナハウス)を製造する富士重工ハウス(群馬県伊勢崎市。売上高24億5000万円)の全株式を取得し、2日付で子会社化した。ユアサ商事の建設機械部門は富士重工ハウスとコンテナハウスに関して40年に及ぶ取引がある。取得価額は非公表。

富士重工ハウスが手がけるコンテナハウスは災害対策や農業分野での利用など、建設現場以外でニーズが広がっており、有望商品と位置づけている。ユアサ商事は同社を傘下に収めることで、商品開発段階から関与が可能になり、コンテナハウスの可能性を最大限追求する。2日付で富士重工ハウスは「富士クオリティハウス」に社名変更した。

 

 

昴<9778>、大学受験予備校「即解ゼミ 127°E」を沖縄県で6校運営するタケジヒューマンマインドを子会社化

昴は、大学受験予備校「即解ゼミ 127°E」を沖縄本島で6校運営するタケジヒューマンマインド(那覇市。売上高4億円、営業利益1340万円、純資産1億4300万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。昴は鹿児島県、宮崎を中心に、熊本、福岡を含む九州4県で学習塾・進学塾66校を展開する。沖縄に新展開し、経営基盤を拡大する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月23日。

 

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[税理士のための中小企業M&Aコンサルティング実務]

第3回:売却候補先選定の考え方

~M&Aの買手による違い、スキーム、売却後の経営体制、売却価格、売却スケジュールなど~

 

〈解説〉

公認会計士・税理士 宮口徹

 


Q、M&A における買手先選定の着眼点と手続きを教えてください。

 

A、買手には同業他社や既存取引先、また属性としてはオーナー系事業会社、上場企業、投資ファンドなど様々考えられますが、何を重視するかによって適した買手が異なってきます。

 

 

図表は買手候補とM&A の全体方針の関係についてまとめたものです。

 

まず、①同業他社ですが、事業に関する説明をする必要がないので自社の良い面も悪い面も評価されます。数字には表れていないが卓越した製造技術や特許を保有していたり、大手の会社と取引口座を持っているなど同業であるからこそ評価できるポイントがあります。

 

一方で業界特有のリスクや問題点についても熟知している点は売手にとっては不利になります。ライバル会社の子会社となることを嫌うオーナーも多いですし、それにより従業員の士気が下がる可能性がある点はマイナス要因です。また、情報漏洩や業界内に事業売却のうわさが広まってしまうことも懸念されるので慎重な対応が必要です。

 

 

②の既存取引先への譲渡は実務上よくあるケースです。売手としては相手と長年の付き合いがありますので安心感がある点がメリットとなります。デメリットとしては既存顧客が離反する可能性が挙げられます。複数の上場メーカーを顧客に持つ卸売会社が、そのうちの1 社であるA 社の傘下に入ったところA 社のライバルであるB 社やC 社が商品を買ってくれなくなったといった話もあります。

 

また、同業他社同様、情報漏洩の可能性もあります。M&Aの過程では顧客別の取引条件など機密事項も開示をすることになりますが、M&A が成立しなかった場合、取引先に機密情報を知られただけに終わることにもなりますので情報開示には慎重な対応が必要です。

 

 

③から⑤は買手の属性の比較です。③のオーナー系事業会社であれば意思決定が早くスケジュールが比較的スムーズに進みます。考慮点ですが、オーナー企業はオーナーの個性が企業の個性に強く反映しますので社風が合わない場合、従業員が退職してしまうなどのデメリットが生じます。

 

なお、株価評価については現在、非上場企業による非上場企業を対象としたM&A では仲介会社方式が一般的となります。

 

 

④上場企業は③と全く逆で、デュー・ディリジェンス(DD)や機関決定などの手続きがあるためスケジュールは後ろ倒しになります。

 

また、譲渡価格は厳格なDD を行った上でDCF 法(ディスカウント・キャッシュフロー法)などを用いて決められますので成熟企業の評価額は厳しいものになることが多いです。従業員にとっては知名度のある企業グループに入れることになるので仕事の進め方についていけるかといった課題はあるものの、士気が上がる効果も期待できます。オーナーが従業員の将来を案じて信頼できる上場企業に自社を託すというのはストーリーとしても美しいのですが、上記のデメリットも勘案して候補にするか決めたいところです。

 

 

最後の⑤投資ファンドも基本的には上場企業と同じですが、一番異なるのはファンドは投資の回収で利益を上げないといけないので、原則として3 年~5年後には再売却されるという点です。また、ファンドは金融投資家であり、事業経営のノウハウは持たないことが多いので、交渉次第ですが、株式を売却した後も経営陣として残留できるメリットもあります。

 

 

(「税理士のための中小企業M&Aコンサルティング実務」より)

 

[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「税理士事務所の事業承継と一時払金の処理」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】M&Aに伴う手数料の処理

■【Q&A】非上場株式の譲渡に当たり交渉支援、契約内容の検討等を依頼した弁護士費用等について

 

 

 

 

 


[質問]

この度、先代の税理士より事務所の承継を行いましたが、顧問先をそのまま譲るための費用として、一定の金額を支払いました。

 

この費用は、いわゆる暖簾(営業権)となるのでしょうか。

また、暖簾となる場合は、下記の処理で宜しいのでしょうか。

 

① 無形固定資産  定額法  残存価額 ゼロ
② 償却年数5年 (税制改正により月割り計算を行うこととされた。)

 

 

[回答]

現行所得税法の判断を行う各審級(地裁・高裁・最高裁)における裁判例では、税理士事務所の事業主変更に伴い授受される金員の所得区分については雑所得に該当するとしています。

 

 

これらの裁判所の判断は、課税庁側の主張を全面的に採用したものとなっているわけですが、課税庁側の主張の源流は、昭和42年7月27日付直審(所)47「税務及び経理に関する業務の譲渡に伴う所得の種類の判定について(個別通達)」にあります。

 

 

すなわち、当該通達において、上申局である広島国税局長に対し、国税庁長官から「税理士が、その業務を他の税理士等に引き継いだ対価として受ける金銭等は(企業権とか営業権の譲渡とは考えられず)、あっせんの対価と認められる」ので、雑所得として取り扱うよう指示したところに拠っているものと認められます。

 

 

それでは、対価を支出した「他の税理士側の会計処理」はどうかというと、現時点まで具体的な取扱い例を示しているものはないものと考えていますが、東京高裁(平成25年10月10日判決)平成25年(行コ)第236号所得税更正処分等取消請求控訴事件の 判決の傍論部分で「承継法人(回答者(注)本件の税務・会計業務を引き継いだ者は、税理士法人です。)は、業務譲渡の対価を顧問先紹介に係る『市場開発費』として経理処理している」と判示している箇所があります。当該判決はその経理処理の是非を直接判断しているわけではありませんが、判決文の趨勢からすると、この会計処理を容認しているかのように窺知し得るものと考えられます。

 

 

だとすると、税務上は、当該金銭の支出は、営業権の譲受けによるその取得対価に該当するものとは解さず、顧問先の紹介という開発費(市場の開拓のために特別に支出する費用)に該当するものとして処理することが相当ではないかと考えられます(所得税法施行令第7条第1項第2号参照)。

 

 

従って、当該繰延資産の償却は、同令第137条第1項第1号に規定するところに従い計算した金額(=支出額÷60×各年の月数)を各年分(5年~6年間)の必要経費に算入することが相当であろうと考えられ、結果的にはご照会の算定額と同様の額になるものと考えます。

 

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2020年02月04日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。

 

 

 

 


[M&A案件情報(譲渡案件)](2020年3月10日)

-以下のM&A案件(3件)を掲載しております-

 

●高収益の各種比較サイトのメディア運営事業

[業種:各種比較サイトのメディア運営業/所在地:関東地方]

●手作りの高級仕出し弁当製造業者。特定の業界に強い販路を有する。

[業種:弁当製造/所在地:関東地方]

●高い技術力を有するプラスチック射出成型用金型の設計・製造事業者

[業種:生産用機械器具製造業/所在地:関東地方]

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-

(お問い合せ・ご相談は「無料会員登録」が必要です)

 


案件No.SS006010
高収益の各種比較サイトのメディア運営事業

 

(業種分類)IT・ソフトウェア

(業種)各種比較サイトのメディア運営業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)各種メディアサイトの運営業 売上の約50%が月額課金による、ストックの収益

 

〔特徴・強み〕

◇優良業者の登録社数と管理ノウハウ
◇契約までのマッチングノウハウ
◇見積もり依頼集客の安定性
◇マネジメント及び教育ノウハウ

 

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案件No.SS005965
手作りの高級仕出し弁当製造業者。特定の業界に強い販路を有する。

 

(業種分類)製造業

(業種)弁当製造

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)関東の複数拠点で弁当を製造。 価格帯は1,500~2,500円程度。

 

〔特徴・強み〕

◇特定の業界に強い販路を持っている。
◇全て手作り。食材にもこだわりがあり、ファンが多い。
◇5種類以上のラインナップ。
◇業績上向き傾向であり、単月黒字化が近い。

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-


案件No.SS005509
高い技術力を有するプラスチック射出成型用金型の設計・製造事業者

 

(業種分類)製造業

(業種)生産用機械器具製造業

(所在地)関東地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)プラスチック射出成型用金型の設計・製造

 

〔特徴・強み〕

◇取引先は自動車部品、OA機器、電気機器関連等多岐に渡る
◇若手からベテランまで幅広い年代の社員が在籍しており、職人技術も伝承されている
◇財務基盤堅実。実質借入水準低位

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-


情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

 

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[解説ニュース]

譲渡所得税の最近のトラブル事例集

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

■借地人の建物を地主が取壊した際の費用をめぐる税金トラブル

■不動産取得税の「相続による取得」を巡る最近のトラブル

 

1.はじめに


所得税の確定申告時期で申告手続きの最盛期を迎えています。そこで、譲渡所得税に関係する最近の裁決事例から、少し変わったトラブル事例を集めてみました。

 

2.スーパーカーの売却益は譲渡所得?


1台8,000万円もする限定生産のフェラーリなどのスーパーカーの売却益を巡って納税者と税務署の間で争いになった事例がありました(国税不服審判所令和元年6月18日裁決)。

 

裁決書によると、この争いは、納税者が「自己保有していたスーパーカーは生活の用に供する動産であるから、その売却益は非課税になる」との考えから、税務署が行った譲渡所得として課税の取消し等を求めたものです。

 

自家用車の売却益については、その自家用車が例えば通勤用なら、非課税とされます。生活に要する資産と認められるからです(所法9①九、所令25)。逆に売却損が出たとしても、損失はなかったものとされます。これに対し、自家用車が個人のレジャー用などの場合は、その利益は譲渡所得に区分され、課税対象となります。

 

さて、国税不服審判所は、この納税者が「平成22年6月から平成29年5月までの間に、少なくとも15台の車両を購入しており、特に、平成25年及び平成26年には、それぞれ1年聞に3台の車両を購入するなど、同時に複数台の車両を保有している」等の事実関係を認定。こうしたことを受けて、国税不服審判所は、売却された限定生産のスーパーカー3台は、500台以下の生産数しかなく、「購入者が限られる上、(中略)購入時の車両 本体価格がいずれも8,000万円を超える高級車であること等を考慮すると、各限定車が通常の社会生活を営むのに必要とされる動産であるとは認められない。(中略)各限定車は、「生活に通常必要な動産」に該当しない」と判断、納税者の言い分を退けています。

 

3.予め特例を変更できるようにしていたつもり?


譲渡所得の申告で、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法31の2、以下、優良住宅地特例という。)と特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税 の特例(措法37、以下、買換え特例という。)の適用を受けるべく申告書に書き、一方の特例が受けられなかったことから、修正申告で変更しようとしたところ、税務署が認めなかったため争いとなった事例があります(国税不服審判所裁決平成30年1月25日)。

 

裁決書によると、納税者は、夫から相続し、花の栽培など事業の用に供していた市街化区域内の土地を2億円余りで売りました。

 

譲渡所得税の申告の際には、上記の両特例の適用を受ける旨の申告書に書いたうえ、マンションに買い換えることを予定し、税額は買換え特例の定めに則って計算して申告していました。

 

ところが、買い換えが出来なかったため、改めて優良住宅地特例で税額を計算し直して修正申告をしたところ、税務署から更正処分されたため、争いとなったものです。

 

納税者は「当初の申告で買換特例の適用を受けたとしても、その後の修正申告で買換特例の適用を受けないなら、買換特例と優良住宅地特例の重複適用を認めない法の趣旨(両特例の重複適用が屋上屋を重ねることとなり適当ではないというもの)に反しないから、修正申告で優良住宅地特例の適用を認めるべき」と主張しました。

 

 

国税不服審判所は、「措法第31の2④」について次のように解釈。

 

いわく同項は「買換特例の適用を受けるときは、その土地の譲渡は、優良住宅地等のための譲渡に該当しないものとみなす旨規定し、優良住宅地特例の適用を排除している。この「規定の適用を受けるとき」とは、当初の申告において、その有する土地につき、将来買換資産を取得する見込みであるとして買換特例の適用を受けた(同法37④)が、その後、買換資産を所定の期間内に取得しなかったため、義務的修正申告書を提出した場合を含むもの」。

 

このため「納税者が、当初の申告において、(中略)買換特例の適用を選択した場合には、その譲渡は、その後、買換資産を所定の期間内に取得せず、義務的修正申告書を提出したとしても、同法第31の2④により、優良住宅地等のための譲渡に該当しないとみなされて、その納税者は、義務的修正申告書において、買換特例に代えて本件特例の適用を受けることができないものと解される」と判断、義務的修正申告書において買換特例に代えて優良住宅地特例の適用を受けようとすることは、当初の確定申告における買換特例の適用を撤回することになるが、瑕疵なく確定申告した以上、これを自由に撤回することができないとして、納税者の主張を認めませんでした。

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/03/09)より転載

[氏家洋輔先生が解説する!M&Aの基本ポイント]

第4回:「法務デューデリジェンス(法務DD)」とは?

~目的は?調査分析項目とは?~

 

〈解説〉

公認会計士・中小企業診断士  氏家洋輔

 

 

▷関連記事:デューデリジェンスとは?-各種DDと中小企業特有の論点―

▷関連記事:「事業デューデリジェンス(事業DD)」とは?

▷関連記事:M&A における株式評価方法と中小企業のM&A における株式評価方法

 

 

法務デューデリジェンス(法務DD)とは?


1、法務デューデリジェンスの目的

デューデリジェンスを行う際に、買手企業がある程度の規模を有している場合には、財務デューデリジェンスと同様に法務デューデリジェンスを行うことは一般的です。

 

法務デューデリジェンスの目的は対象企業の法務リスクを洗い出すことですが、それらを細分化すると下記の4点に分類されます。

 

 

①事業継続の障害となりうる項目の確認

対象企業について法的な観点から、「その事業が中断されるリスクがある、もしくは当該事業について競争力の源泉が毀損される恐れのある事業が存在するか」を確認します。

 

 

②ディールブレイクとなる項目の確認

ディールにおいて法制度や法規制が阻害要因にならないかを確認します。

 

 

③対象会社の価値を減少させる項目の確認

事業継続そのものや法的問題の解決によって対象企業の収益性が危ぶまれることはないものの、法的問題の解決によって対象企業の収益性が減少する、もしくは資産が毀損するなどにより、企業価値を減少させることとなるような事項を確認します。

 

 

④当該ディールの法的スキームの検討

M&Aを実施することにおいて株式の取得のほか、会社分割や株式移転、事業譲渡など、様々なスキームが発生します。これらのスキームについて、想定通りに実行できるかを検証します。

 

 

 

 

2、法務デューデリジェンスにおける調査分析項目

調査項目は、①会社の基本的事項の確認、②資産・債務の調査、③リース、④契約関係の調査、⑤人事労務関係の調査、⑥訴訟等、⑦知的財産権、⑧環境等多岐にわたります。

 

 

①会社の基本的事項の確認

沿革、法人格と商業登記、株主の概要と大株主の状況、株式の種類と株式数(発行数、授権株式数)、定款、ガバナンス(取締役、監査役会・その他機関)、組織・会議体、許認可の状況、過去の事業買収・合併・事業譲渡・営業譲受等を確認することで、会社の基盤を確認すると同時に、ガバナンスのスタイル等を理解します。

 

 

②資産資産・債務の調査

資産や負債の金額的な分析は財務デューデリジェンスが行うため、法務デューデリジェンスではこれらの法的な評価を行います。

 

 

③リース

リース物件の所有権、契約期間、契約期間中の解約、解約金、瑕疵担保責任、危険負担などの調査を行います。

 

 

④計画関係の調査

会社は一般的に、取引(基本)契約、外注契約、ライセンス契約、共同事業(ジョイントベンチャー)契約等、営業に直接かかわる業務契約以外にも、賃貸借契約、消費貸借契約、債務保証契約、保険契約等、通常、様々な契約を締結しています。契約の承継はスキームによって異なるため、慎重に調査する必要があります。

 

 

⑤人事労務関係の調査

雇用契約の実態や契約の履行状況を把握します。また、労働関連法の遵守状況や、現状の労使関係と今までの経緯、労働紛争の有無等過去の労働争議や従業員との間に法的トラブルがなかったかについて調査します。

さらに、従業員について、属性や雇用契約を把握・調査します。

 

 

⑥訴訟等

訴訟係属中の紛争があれば、その背景や結審の見通し、訴訟にかかる費用、事業に与える影響等について調査します。法務デューデリジェンスで粗相係属中の紛争および予期し得る紛争の存在が明らかとなった場合はその他のデューデリジェンスとの連係が重要になります。

 

 

⑦知的財産権

対象会社の名称や事業名、事業内容が他人の権利を侵害しているリスクの有無を調査します。

 

 

⑧環境

対象会社の関連法令の遵守状況、過去に当局から受けた調査や是正勧告の履歴、当局への報告書類や対応実績等について調査を行います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[M&A担当者がまず押さえておきたい10のポイント]

第7回:M&Aのプロジェクトチームはどうする?-社内メンバーと社外専門家の活用-

 

[解説]

松本久幸 公認会計士・税理士(株式会社Stand by C)

大和田寛行 公認会計士・税理士(株式会社Stand by C)

 

 

▷第6回:売買価格の決め方は?-価値評価の考え方と評価方法の違い-

▷第8回:デューデリジェンスとは?-各種DDと中小企業特有の論点―

▷第9回:M&A時の会計処理は?-企業業績へのインパクトは!?-

 


M&Aは売り手・買い手双方にとって重要な取引です。特に買い手側ではM&Aのプロセス推進を担うプロジェクトチームが組成されます。

 

プロジェクトチームは経営企画部門、事業部門、財務部門、経理部門等から部門横断的にメンバーを選任する必要があります。M&Aでは、的確な理解力、分析力、判断力といったスキルが求められますので、上記部門において相応の経験や知見をもった社員から構成することが望ましいと考えます。

 

経営企画部門はM&A全体の取り纏め、推進を担います。他部門の意見を取りまとめ、調整し、経営陣とコミュニケーションを取り、案件全体の舵取りを行います。また、後述するフィナンシャル・アドバイザーとの窓口を務め、平時においては案件のソーシングを行うのも経営企画部門の役割であることが多いです。

 

事業部門は、買い手企業と同業の企業を買収する場合等で、特にその知見を発揮することが期待され、そうした場合、ビジネスDDを事業部門が行うケースもあります。

 

財務部門は資金全般を担当します。M&Aでは多額の資金が必要となるケースが多く、財務部門の役割も重要といえます。

 

経理部門はプロジェクトチームの中では後方部隊に位置付けられます。M&Aに伴う業績や財務状況へのインパクトを分析・把握し、事業計画や財務報告に反映させるという非常に重要な役割を担います。一般的な投資家にとって企業のM&Aは将来の業績や株価に影響を与える重要なイベントです。上場企業には、投資家に対してM&Aの目的や狙いを的確に説明するとともに、将来業績への貢献度合いを高い精度を持って予測し開示することが求められています。

 

ここまでは買い手企業の社内におけるプロジェクトチームについてみてきましたが、M&Aを成功に導く上では社内リソースだけでなく社外専門家を活用することも不可欠といえます。多くのM&Aで社外の専門家が起用されます。社外専門家には、案件全般にわたってサポートを行うフィナンシャル・アドバイザー(FA)、デューデリジェンスを行う公認会計士や弁護士等の各種専門家などが挙げられます。通常、一定規模以上のM&Aでは、売り手と買い手それぞれにFAが付き、DD対応や交渉全体の取りまとめを行うことが一般的です。FAには、M&A仲介会社、証券会社の投資銀行部門などが起用されます。

 

M&Aの買い手企業においては、社内のプロジェクトチーム間のみならず、社外専門家ともうまく連携していくことが、プロジェクトを円滑に進める上で大変重要となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[M&A案件情報(譲渡案件)](2020年3月3日)

-以下のM&A案件(3件)を掲載しております-

 

●京都の老舗料理旅館

[業種:旅館業・料理提供業/所在地:関西地方]

●官公庁や地元建設業者を主体に管工事、水道施設工事を手掛ける地場優良企業

[業種:一般管工事業/所在地:中国地方]

●【3期連続増収増益】 ファブレス形態の精密プレス金型/金属部品企画設計企業

[業種:金属加工業/所在地:中部地方]

 

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案件No.SS005863
京都の老舗料理旅館

 

(業種分類)ホテル・旅館業

(業種)旅館業・料理提供業

(所在地)関西地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)京都で旅館・料亭を経営

 

〔特徴・強み〕

◇観光地にて長年の歴史を有する

 

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案件No.SS004774
官公庁や地元建設業者を主体に管工事、水道施設工事を手掛ける地場優良企業

 

(業種分類)建設・土木

(業種)一般管工事業

(所在地)中国地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)県内エリアを中心に管工事、水道施設工事を手掛け​、官公庁や地元建設業者に広く受注地盤を築いてる​。

 

〔特徴・強み〕

◇財務内容良好、内部留保厚く無借金経営
◇1級管工事施工管理士等の有資格者多数在籍
◇業歴長く、官公庁や地元建設業者からの信頼は厚い

 

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案件No.SS004133
【3期連続増収増益】 ファブレス形態の精密プレス金型/金属部品企画設計企業

 

(業種分類)商社・卸・代理店

(業種)金属加工業

(所在地)中部地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)精密プレス金型/金属部品企画設計企業

 

〔特徴・強み〕

◇ファブレス形態で各種精密プレス金型、金属部品の企画設計事業を展開。
◇大手電気機器メーカーを中心に有力な顧客基盤を保有。
◇2019年度まで3期連続増収増益。
◇将来性の高い医療機器関連への供給が増加。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

 

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[M&Aニュース](2020年2月17日〜2月28日)

◇オートバックスセブン<9832>、三重県内に4拠点を持つ高森自動車整備工業を子会社化、◇カルビー<2229>、さつまいもの加工卸販売のポテトかいつかを子会社、◇生化学工業<4548>、カナダの医薬品製剤開発・製造受託会社 Daltonを子会社化、◇ナビタス<6276>、ソフト開発のウェブインパクトを子会社化、◇ヤマウ<5284>、橋梁・高架道路用伸縮装置を製造する中外道路を子会社化、◇JMDC<4483>、医療・介護データベース開発のミーカンパニーを子会社化、◇日東精工<5957>、分析機器製造の三菱ケミカルアナリテックを子会社化 ほか

 

 

 

 

 

オートバックスセブン<9832>、三重県内に4拠点を持つ高森自動車整備工業を子会社化

オートバックスセブンは、三重県内の4拠点で車検・整備、板金事業を手がける高森自動車整備工業(津市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。高森自動車整備工業の設立は1961年。取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

カルビー<2229>、さつまいもの加工卸販売のポテトかいつかを子会社

カルビーは28日、さつまいも加工卸販売のポテトかいつか(茨城県かすみがうら市。売上高52億600万円、営業利益4億8600万円、純資産26億8000万円)を買収すると発表した。約139億円を投じて、4月1日付で全株式を取得する。甘しょ(さつまいも)事業に参入するのが狙い。

ポテトかいつかは1967年に、さつまいもの卸売会社として創業した。現在では、オリジナルブランドのさつまいも「紅天使」を主体に、焼き芋用原料の小売り販売のほか、焼き芋などの直販も手がける。

カルビーは主力のポテトチップスで培った馬鈴しょの品種開発や貯蔵技術などを活用し、新分野である甘しょ事業の拡大を目指す。

国内さつまいも市場では、品種改良が進み、糖度の高い品種への人気が高まっていることに加え、小売店舗での焼き芋機の導入もあり、需要が拡大。また、中華圏や東南アジアで焼き芋の認知度が高まり、近年は輸出も増えている。ポテトかいつかが本社を置く茨城県はさつまいもの国内収穫量2位で、同社の取り扱いシェアも上位という。

 

 

 

生化学工業<4548>、カナダの医薬品製剤開発・製造受託会社 Daltonを子会社化

生化学工業は、カナダの医薬品製剤開発・製造受託会社Dalton Chemical Laboratories, Inc.(トロント。売上高14億円、営業利益1億5600万円、純資産7億6000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

生化学工業はDaltonを傘下に取り込むことで、化学合成技術や医薬品の製造工程開発に関するノウハウに加え、海外でGMP(医薬品と医薬部外品の製造管理・品質管理)に準拠した製造拠点を確保することになる。治験薬や一部製品についてDaltonへの製造移管も進める。Daltonは1986年に設立。

取得価額は最大約33億2000万円。取得予定日は2020年3月中下旬。

 

 

 

ナビタス<6276>、ソフト開発のウェブインパクトを子会社化

ナビタスは、ソフト開発のウェブインパクト(東京都千代田区)の株式約67.6%を取得し子会社化することを決めた。画像検査ソフトの開発体制強化が狙い。

ウェブインパクトは1998年に設立し、現在はクラウドサービスとシステムの受託開発を中心に事業を展開する。ナビタスは画像検査を中核事業とするが、今後の海外や新市場への展開を見据え、画像検査ソフトの開発力向上を経営課題の一つとしている。

取得価額は非公表。取得日は2020年2月28日。

 

 

 

ヤマウ<5284>、橋梁・高架道路用伸縮装置を製造する中外道路を子会社化

ヤマウは、橋梁・高架道路用伸縮装置の製造・設置工事を手がける中外道路(兵庫県芦屋市。売上高20億4000万円、営業利益1億7700万円、純資産14億600万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

ヤマウは水門や堰の製造・施工、地質調査、コンクリート構造物の点検・調査、補修工事などを中核事業とし、九州一円を地盤とする。

公共投資の内容が既存インフラ維持管理や防災・減災関連にシフトする中、西日本地域に顧客基盤を築く中外道路をグループに迎えることで、シナジー(相乗効果)を引き出しつつ、事業拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

JMDC<4483>、医療・介護データベース開発のミーカンパニーを子会社化

JMDCは、医療機関・薬局・介護データベースの開発、販売を主力とするミーカンパニー(東京都新宿区。売上高2億3600万円、営業利益8000万円、純資産9700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

ミーカンパニーは2010年に設立。医療機関、調剤薬局、介護事業所のオープンデータを統合した「SCUEL(スクエル)」を構築し、製薬会社や医療機器メーカーに提供している。JMDCは同社を傘下に取り込むことで、主要顧客である製薬会社向けのデータベースの品ぞろえを充実させる。

取得価額は10億5900万円。取得日は2020年2月28日。

 

 

 

日東精工<5957>、分析機器製造の三菱ケミカルアナリテックを子会社化

日東精工は、三菱ケミカルの全額出資子会社で分析関連機器の開発・製造を手がける三菱ケミカルアナリテック(神奈川県大和市。売上高32億2000万円、営業利益2億600万円、純資産11億3000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

三菱ケミカルアナリテックは元素計や水分計といった分析機器に強みを持つ。日東精工は食品・飲料や医薬、造船業界などで使われる流量計を主力製品の一つとする。三菱ケミカルアナリテックの販売先と共通するところが多く、顧客の共有化や製品開発面で事業シナジー(相乗効果)が期待できるとみている。

 

 

 

石光商事<2750>、コーヒー生豆焙煎の東京アライドコーヒーロースターズを子会社化

石光商事は、コーヒー生豆の焙煎とレギュラーコーヒーの加工・販売を手がける持ち分法適用関連会社の東京アライドコーヒーロースターズ(東京都大田区。売上高80億3000万円、営業利益△8400万円、純資産62億9000万円)の株式5.3%を追加取得し、子会社化(持ち株比率50.2%)することを決めた。

東京アライドコーヒーは、コーヒー焙煎にかかわる公害問題への対応や中小焙煎業者の合理化を目的として1972年に発足した。現在は石光商事が同社株式の44.9%を持つ筆頭株主で、丸紅が23.8%で続く。近年は、缶コーヒーの市場が伸び悩み、競合他社との販売競争激化も加わり、苦戦を強いられている。子会社化により、石光商事主導で抜本的な構造改革を推し進める。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月。

 

 

 

ぐるなび<2440>、スキー場情報提供の「SURF&SNOW」事業をSGグループに譲渡

ぐるなびは、スキー場情報を提供する「SURF&SNOW」事業を、総合人材サービス事業のSGグループ(東京都新宿区)に譲渡することを決めた。中核事業である飲食店販促支援事業への経営資源集中の一環。当該事業の直近売上高は1億9000万円。譲渡価額は4000万円。譲渡予定日は2020年6月1日。

ぐるなびを分割会社とし、SGグループが全額出資で設立した新会社のインプレイ(東京都新宿区)を承継会社とする。

 

 

 

ツムラ<4540>、漢方製剤用原料の調達先である中国「盛実百草」を子会社化

ツムラは28日、中薬材、飲片を生産・販売する中国の天津盛実百草中薬科技有限公司(天津市。売上高143億円、営業利益17億円、純資産81億6000万円)の株式80%を約187億円で取得し、子会社化すると発表した。日本への原料生薬の安定的供給体制の強化や中国事業の拡大などが狙い。盛実百草はツムラにとって漢方製剤用原料の中国における主要調達先。

盛実百草は2011年の設立当初からツムラと取引を開始し、ツムラ向けが全売上高の約70%を占める。2016年にはツムラと業務提携し、原料生薬の供給・調達、生薬栽培・加工に関する研究などを進めてきた。

ツムラは盛実百草と長期的かつ強固な戦略的パートナーシップを築くため、昨年11月から子会社化を軸とする資本提携に向けた協議を進めてきた。3月中に子会社化を完了する見通し。

 

 

 

ミライト・ホールディングス<1417>、シンガポールの電気工事会社YL Integratedを子会社化

ミライト・ホールディングスは、電気工事業のシンガポールYL Integrated Pte Ltd(YL、売上高20億6000万円、営業利益2億8300万円、純資産5億2600万円)の株式85%を取得し子会社化することを決めた。

ミライトはシンガポール子会社のLantrovisionを通じてYLを傘下に収める。LantrovisionはLAN配線の設計・施工やコンサルティング業務を中心にシンガポールをはじめ、アジア13カ国・地域、28都市で事業を展開中。YLをグループに迎え、現地での電気工事体制を強化する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

千代田化工建設<6366>、傘下の千代田システムテクノロジーズが手がけるIT事業をTISに譲渡

千代田化工建設は、全額出資子会社の千代田システムテクノロジーズ(横浜市)が手がけるIT事業を、TISに譲渡することを決めた。対象事業(直近売上高43億円)を新設会社に移管したうえで、この新設会社の株式66%をTISに譲渡する形をとる。譲渡価額は3億9600万円。譲渡予定日は2020年10月1日。

 

 

 

フォートレス、ユニゾTOBの買付期間を3月18日まで延長

不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対して子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施している米投資会社フォートレス・インベストメント・グループ(サッポロ合同会社)は27日、2月28日までとしていた買付期間を3月18日まで13営業日延長すると発表した。ユニゾをめぐっては同社従業員による買収(EBO)が1株5700円で進行中だが、こちらも買付期間は現時点で3月18日まで。

フォートレスは昨年8月19日に対ユニゾTOBを開始して以来、14度目の延長で、買付期間は140営業日に及ぶ。今年1月29日に1株あたり5200円(従来4100円)に引き上げた買付価格は変更していない。

27日のユニゾ株の終値は6010円。フォートレス、ユニゾ従業員側の買付価格はいずれも株価を下回っている。

 

 

 

三井E&S、千葉工場の造船事業終了で200人の希望退職を募集

三井E&Sホールディングスは27日、中核子会社である三井E&S造船の千葉工場(千葉県市原市)での造船事業を3月末に終了するのに伴い、同工場従業員(約460人)を対象に200人の希望退職者を募集すると発表した。玉野艦船工場(岡山県玉野市)のほか、三井E&Sホールディングス傘下各社への再配置を進めるが、千葉工場の全従業員について再配置先を確保するのは困難と判断した。募集期間は6月1日~6月15日。

 

 

 

ULSグループ<3798>、システムコンサルティング業務のアークウェイを子会社化

ULSグループは、システムコンサルティング業務のアークウェイ(東京都渋谷区。売上高2億4600万円、営業利益1580万円、純資産2億8700万円)の株式80%を取得し子会社化することを決めた。高度化・複雑化が見込まれるデジタルトランスフォーメーション(DX)関連のサービス体制を強化するのが狙い。

アークウェイは2004年に設立し、顧客企業のIT資産の最適化や開発生産性の向上に向けたコンサルティングを手がけてきた。取得価額は非公表。取得予定日は2020年9月1日。

 

 

 

オリエントコーポレーション<8585>、自動車ローンのインドネシアMizuho Balimor Financeを子会社化

オリエントコーポレーションは、インドネシアで自動車ローン事業を手がけるPT.Mizuho Balimor Finance(ジャカルタ)の株式51%を取得し、子会社化することを決めた。みずほ銀行が保有する全株式を譲り受ける。

Mizuho Balimor Financeは1989年に設立した自動車ローン会社。主に新車を取り扱ってきたが、オリコ傘下入り後は中古車ローン事業にも本格参入し、業容拡大を目指す。

オリコは2015年にタイで自動車ローン事業を始め、フィリピンでも営業開始の準備を進めている。インドネシアは世界4位の人口規模や安定した経済成長が続き、今後も中間所得層の増加が見込まれることから、自動車ローン市場も有望とみている。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月末。

 

 

 

アインホールディングス<9627>、病院を中心に施設内売店を受託運営するシダックスアイを子会社化

アインホールディングスは、病院を中心に企業・官公庁、大学などの施設内売店を受託運営するシダックスアイ(東京都調布市。売上高132億円、営業利益△9200万円、純資産6億3700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

アインは調剤薬局を全国1100店舗以上展開する。シダックスアイは給食・食堂運営受託大手のシダックスの全額出資子会社で、病院内売店を主力に、全国で400を超える施設内売店を運営している。

アインによるシダックスアイの子会社化に合わせ、アインとシダックスの両社は調剤薬局出店と病院向けアウトソース業務受注に向けた営業協力に関して業務提携した。

取得価額は15億円。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

三井E&Sホールディングス<7003>、大分事業所で運営する太陽光発電事業を譲渡

三井E&Sホールディングスは27日、大分市内で手がける太陽光発電事業を譲渡すると発表した。対象事業は子会社である三井E&Sマシナリーの大分事業所内で2013年12月に運転開始し、発電能力は約21メガワット。三井不動産との共同事業によるもので、三井E&Sの持分51%を譲渡する。経営再建に向けた事業構造改革の一環。譲渡先、譲渡価額は非公表。

 

 

 

JBCCホールディングス<9889>、情報システム開発のフィニティを子会社化

JBCCホールディングスは、情報システム開発のフィニティ(名古屋市。売上高4億6100万円、営業利益9500万円、純資産5億600万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。JBCCの情報子会社であるシーアイエス(名古屋市)と傘下に収めるフィニティとの相互連携を進め、東海地区トップクラスのシステムインテグレーター(SI)を目指す。

フィニティは1997年設立で、東海地区の大手・中堅企業に生産管理システムや原価管理システムなどの基幹システムを提供してきた。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

大王製紙<3880>、トルコ衛生用品メーカーのウゼンを子会社化

大王製紙はトルコの衛生用品メーカー、ウゼン(売上高35億7000万円、営業利益△1億6200万円、純資産△5億3800万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。トルコにベビー用紙おむつを中心とする衛生用品の生産拠点を確保し、中東、北アフリカからロシアとその周辺を視野に入れて事業拡大を目指す。取得価額は約30億円。取得予定日は2020年4月上旬。

大王製紙は2017年にイスタンブールに駐在員事務所を開設。翌18年からベビー用紙おむつ「GOO.N」の販売を始め、トルコ国内で一定の認知を得たことから、現地生産を検討していた。ウゼンは1998年に設立し、イスタンブール近郊に工場を持ち、ベビー用紙おむつ、ウエットワイプ、液体せっけんを主力製品とする。

 

 

 

大王製紙<3880>と丸紅<8002>、ブラジルの衛生用品メーカー大手Santherを584億円で買収

大王製紙は27日、丸紅と共同でブラジルの衛生用品メーカー大手のSanther(サンパウロ。売上高385億円、純利益7億4000万円、純資産9億円)を買収すると発表した。大王が51%、丸紅が49%出資する買収子会社を通じて、Santherの全株式を約23億レアル(約584億円)で取得する。取得予定日は6月30日。

Santherは1938年に設立。衛生用紙、ベビー用おむつ、生理用ナプキンなどの個人向け商品の製造・販売を手がけ、ブラジルでは「Personal(ペルソナル)」のブランド名で知られている。

大王・丸紅による買収を機に、Santherの生産体制を再構築するとともに、大王が強みとする大人用おむつへの参入や病院・クリニック向け製品の強化などを推し進める。丸紅はブラジルだけでなく、南米全域とアフリカを見据え、事業展開する。

ブラジルでは過去5年間で衛生用紙が年率5.6%、紙おむつが同5.4%の成長を遂げ、人口増加や経済発展・生活水準の向上を追い風に今後も継続的な市場拡大が見込まれる。

 

 

 

ソラスト<6197>、大分県の介護サービス事業大手「恵の会」を子会社化

ソラストは、介護サービスを手がける株式会社恵の会(大分市。売上高13億1000万円、営業利益2億300万円、純資産5億4200万円)、有限会社恵の会(大分市。売上高10億1000万円、営業利益1億7800万円、純資産3億6500万円)の両社の全株式を取得し子会社化することを決めた。ソラストにとってこれまで大分県は事業拠点がなく、空白エリアだった。

恵の会はデイサービス、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などのサービスを26事業所で運営し、いずれも県内でトップクラスの規模を持つという。

取得価額は33億7300万円。取得予定日は2020年3月19日。

 

 

 

リアルワールド<3691>、子会社リアルXのポイントサービス「Gendama」をサイブリッジグループに譲渡

リアルワールドは、全額出資子会社のリアルX(東京都渋谷区)が運営するポイントサービス「Gendama」を、インターネットメディア事業のサイブリッジグループ(東京都港区)に譲渡することを決めた。経営資源の選択と集中の一環。リアルXは2019年9月末段階で1億4700万円の債務超過に陥っている。

Gendamaは買い物をしたり、記事を投稿したりするとポイントが得られるサービス。譲渡スキームについては新設分割などを含めて現在、協議・検討中。譲渡完了は2020年9月末までをめどとしている。

 

 

 

日本電技<1723>、自動制御ソフト開発などのエヌ・ディ・ティを子会社化

日本電技は、自動制御工事の設計や自動制御ソフト開発を手がけるエヌ・ディ・ティ(東京都台東区。売上高4800万円、営業利益26万1000円、純資産461万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。エヌ・ディ・ティとは中央監視装置の画面ソフトなどの作成依頼を通じて取引関係があり、同社を傘下に取り込むことで、業務の効率化につなげる。

エヌ・ディ・ティは有限会社から株式会社に改組し、そのうえで日本電技が全株式を取得する。取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

RVH<6786>、ミュゼプラチナムと不二ビューティの美容子会社2社をG.P.ホールディングに譲渡

RVHは26日、美容脱毛サロンを展開するミュゼプラチナム(東京都渋谷区)、エステティックサロン「たかの友梨ビューティクリニック」を運営する不二ビューティ(東京都港区)の美容サロン子会社2社の全株式をG.P.ホールディング(東京都新宿区)に譲渡すると発表した。競争激化や深刻な人材不足に加え、広告宣伝費がかさむなど厳しい経営環境が続き、業績が低迷していた。譲渡先のG.P.ホールディングは高野(たかの)友梨氏が代表を務め、不二ビューティの元親会社。

RVHは2016年1月にミュゼプラチナムを、2017年2月に不二ビューティを傘下に収めた。両社はRVHの連結売上高の約85%を占めており、譲渡によって売上高は激減する。今回の譲渡は株主総会での特別決議を必要とし、RVHは4月13日に開く臨時株主総会に付議する。

2019年4月~12月期(第3四半期累計)の業績はミュゼが売上高304億円、営業利益10億2000万円、純損失3億円、不二が売上高73億円、営業損失1200万円、純利益1600万円。ミュゼは全国に約190店舗、不二は約100店舗を運営する。

譲渡代金はミュゼが約21億2300万円、不二が約57億3000万円。ただし、不二の譲渡代金はRVHが不二に負う債務をG.P.ホールディングが引き継ぐことにより、全額を相殺する形となる。ミュゼについても譲渡代金のうち12億3000万円を同様に相殺して決済する予定。

著名美容家の高野友梨氏率いるG.P.ホールディングは今回、一度手放した不二の経営権を取り戻すことになる。高野氏はRVH傘下入りした不二で現在、会長職を務める。

 

 

 

ユニゾ従業員TOB、買付期間を3月18日まで延長

不動産・ホテル業のユニゾホールディングに対し、従業員による買収(EBO)を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施中のチトセア投資(東京都中央区)は25日、2月28日までとしていた買付期間を3月18日まで13営業日延長すると発表した。昨年12月24日にTOBを始めて以来、買付期間の延長は今回で3度目。1株5700円の買付価格については変更していない。

25日のユニゾ株の終値は前日比160円高の6010円に上昇した。前日24日に、米投資会社ブラックストーンがユニゾに対し、同社の同意を前提とするTOBについて、買付価格6000円を提案したことから、これに株価がさや寄せした格好。市場価格が従業員側の買付価格をさらに上回る高値となったことで、TOB成立が困難視される。

ユニゾをめぐっては別に、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOBが1株5200円で同時進行中で、買付期間は2月28日。

 

 

 

ブラックストーン、ユニゾに1株6000円でTOB提案

米投資会社のブラックストーンは24日、不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対し、同社の同意を前提に実施する予定のTOB(株式公開買い付け)について、買付価格を従来提案の1株5600円から6000円に引き上げたと発表した。ユニゾをめぐっては現在、ユニゾ従業員が5700円、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループが5200円でそれぞれTOBを実施中(いずれも期間は28日まで)で、買収合戦となっているが、両者の買付価格を上回るブラックストーンの提案はかく乱要因となりそうだ。

3連休前21日のユニゾ株の終値は5850円。現時点で従業員側、フォートレスの買付価格はいずれも市場価格を下回り、TOB成立が見通せない状況にあるのに対し、ブラックストーンはユニゾの市場価格を超える水準を提案した。

ユニゾ従業員側は米投資会社ローンスターと組んで昨年12月末からユニゾにTOBを開始し、2月9日に、買付価格を当初の5100円から5700円に引き上げた。一方、フォートレスは昨年8月から4000円でTOBを始め、4100円を経て、1月29日に5200円に引き上げた。ユニゾ株は昨夏から2000円以上上昇している。

 

 

 

ひかりホールディングス、ミヤガワから建築写真撮影事業を取得

ひかりホールディングス(HD)は子会社を通じて、写真館と結婚式事業を営むミヤガワ(長野市)から建築写真撮影事業を取得することを決めた。ひかりHDが手がけるタイル・石材建築工事業との親和性が高く、相乗効果が見込め、新たな顧客開拓の一助になると判断した。当該事業の直近売上高は7500万円。取得価額は4900万円。取得予定日は2020年3月30日。

 

 

 

クレスコ<4674>、システムエンジニアリングサービスのエニシアスを子会社化

クレスコは、システムエンジニアリングサービスのエニシアス(東京都品川区。売上高8億8400万円、営業利益△300万円、純資産5800万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。今後一段と需要拡大が見込めるクラウド関連事業を取り込むのが狙い。エニシアスは2014年に設立。取得価額は2億8000万円。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

三菱地所<8802>、伊豆熱川地域の別荘地事業をひまわりに譲渡

三菱地所は伊豆熱川地域での別荘地事業とこれに付随する事業を、リゾート物件の不動産事業を手がける、ひまわり(新潟県湯沢町)の傘下企業に譲渡することを決めた。対象事業は三菱地所が昭和40年代に開発・分譲した。譲渡に伴う対価は0円。取得予定日は2020年8月1日。

三菱地所を分割会社とし、ひまわりが今回の事業を取得するため設立した子会社のエンゼルフォレストリゾートトゥレ(静岡県熱海市)を承継会社とする。ひまわりは伊豆地域でもM&Aを通じて積極的に別荘地に関連する事業を展開している。

 

 

 

あさくま<7678>、都内で寿司・和食店を運営する竹若を子会社化

あさくまは、寿司・和食店を都内で運営する竹若(東京都中央区。売上高22億7000万円、営業利益700万円、純資産2億5000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。あさくまはステーキハウス87店舗を中部、関東を中心に展開するが、今後の成長戦略として新たな業態を取り込み、客数の底上げを目指す。取得価額は1億5000万円。取得予定日は2020年2月28日。

 

 

 

博報堂DYホールディングス<2433>、台湾広告大手のGROWWW MediaをTOBで子会社化

博報堂DYホールディングスは25日、台湾の大手広告会社GROWWW Media(台北市。売上高109億円、営業利益9億7100万円、純利益36億円)を買収すると発表した。TOB(株式公開買い付け)を実施し、株式78.81%を取得する。TOB成立後、残りの株式11.19%について現金対価の株式交換を行い、完全子会社化する。台湾での広告ビジネス拡大が狙い。

買付価格は1株につき69台湾ドル(約251円)。買付代金は約67億4500万円。買付予定数の下限は所有割合50%に設定しているが、株式36人との間でTOB応募(所有割合50%)の合意を得ているという。買付期間は2月26日~4月15日。株式取得予定日は2020年4月24日。

 

 

 

ベルテクスコーポレーション<5290>、コンクリート二次製品メーカーのディーシーを子会社化

ベルテクスコーポレーションは、コンクリート二次製品メーカーのディーシー(福岡市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ディーシーは1959年に設立し、下水道関連を中心に、ヒューム管やSR推進管(曲線推進工法用鉄筋コンクリート管)などを製造し、施工管理も手がける。

ベルテクスはグループ企業を通じて下水道・浸水対策関連に使われる各種コンクリート二次製品や、落石・土砂防護柵の製造、据え付け工事などを東北地方から中国地方で展開している。九州北部を地盤とするディーシーを傘下に取り込むことで、グループの事業基盤を強化する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

エムティーアイ<9438>、経費精算クラウドサービスのクラウドキャストを子会社化

エムティーアイは、法人向けにキャッシュレスサービス事業を手がけるクラウドキャスト(東京都千代田区。売上高2570万円、営業利益△7300万円、純資産6130万円)の株式29.2%を追加取得し、子会社化することを決めた。第三者割当増資を引き受けて、持ち株比率を52.01%に引き上げる。クラウドキャストは2011年に設立し、経費精算クラウドサービス「Staple」や法人プリペイドカード「Stapleカード」などを提供する。

取得価額は7億2000万円。取得予定日は2020年2月28日。

 

 

 

那須電機鉄工<5922>、東北電力<9506>傘下の会津碍子を子会社化

那須電機鉄工は、東北電力子会社で碍子(がいし)を製造する会津碍子(福島県会津若松市)を子会社化することを決めた。電力・通信・鉄道などのインフラ各社向け碍子の安定供給に向けて生産体制を強固にする狙い。会津碍子は1952年設立で、従業員は79人。那須電機は東北電力が持つ全株式(所有割合95%)について、2020年3月31日に61.2%、2021年3月31日に33.8%を二段階取得する。取得価額は非公表。

 

 

 

EduLab<4427>、「大学受験パスナビ」運営の教育デジタルソリューションズを子会社化

EduLabは、教育デジタルソリューションズ(東京都千代田区。売上高16億9000万円、営業利益700万円、純資産2億1100万円)を株式交換により完全子会社化することを決めた。大学入試広報領域におけるメディア事業を強化する狙い。教育デジタルソリューションズは国内最大規模の大学受験情報サービス「大学受験パスナビ」を旺文社と共同運営している。

株式交換比率はEduLab 1:教育デジタル211で、教育デジタルの1株にEduLabの211株を割り当てる。株式交換実施予定日は2020年4月1日。

 

 

 

TOKAIホールディングス<3167>、仙台CATVを子会社化

TOKAIホールディングスは、CATV(ケーブルテレビ)事業の仙台CATV(仙台市。売上高10億3000万円、営業利益6600万円、純資産17億8000万円)の株式87.9%を取得し子会社化することを決めた。TOKAIは現在、東京、神奈川、千葉、静岡、長野、岡山の1都5県でCATV事業を手がけている。

仙台CATVは1983年に設立し、仙台、名取の両市をサービスエリアとする。多チャンネル放送、インターネット接続などで5万7000件の顧客を持つ。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

ナビタス<6276>、インモールド成形転写・転写フィルム事業を千代田グラビアに譲渡

ナビタスは、印刷子会社のナビタスニイズ(堺市)が手がけるインモールド成形転写事業と転写フィルム事業などを、千代田グラビア(東京都品川区)に譲渡することを決めた。グループ内の経営資源の最適配分の一環。当該事業の直近業績は売上高6億5800万円、営業利益1400万円。

ナビタスはインモールド成形転写事業と転写フィルム事業について、顧客ニーズに応える加飾(器物などモノの表面に装飾を施すこと)を行うために、フィルムメーカーと緊密に協力して事業を展開してきた。ただ、自社でフィルム製造技術を持たないことが競争上不利になっていたという。千代田グラビアは受け皿となる新会社のエヌアイエス(堺市)を設立し、対象事業を譲り受ける。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年4月1日。

 

 

 

投資ファンドのMETA Capital、澤田ホールディングス<8699>をTOBで子会社化

投資ファンドのMETA Capital(東京都港区)は20日、エイチ・エス証券やハーン銀行(モンゴル)などを傘下に持つ澤田ホールディングスに対し、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。株式の50.10%を取得し子会社化を目指す。TOB成立後も澤田HDのジャスダック上場は維持する方針。澤田HDは20年1月下旬にMETAから連絡を受け協議を続けてきたが、まだ検討中としてTOBに賛同するかは明らかにしていない。

澤田HDの会長で筆頭株主の澤田秀雄氏(所有割合26.81%)と同氏の資産管理会社(同2.77%)はTOBに応募する意向を示している。TOBの実施主体はMETAが設立したウプシロン投資事業有限責任組合(東京都港区)。METAは元ソニー会長の出井伸之氏が取締役会議長を務める投資ファンド。澤田HDは傘下に国内外で金融事業を展開するが、最近は株価が低迷している。METAは澤田HDの潜在的な成長力に着目し、これまでの投資経験やスタッフの知見を利用するなどして澤田HDの成長を支援するという。

買付価格は1株当たり1050円。TOB公表前営業日の対象株式の終値1005円に対して4.48%のプレミアムを加えた。買付予定数は1985万9758株。上限、下限ともに同じで、下限に満たない場合は全部の買い付けを行わない。買付予定額は208億5274万5900円。公開買付期間は2020年2月20日から3月19日まで。

決済の開始日は3月27日。買付代理人はSBI証券。

 

 

 

ファミリーマート、早期退職に予定数を3割上回る1000人超が応募

ファミリーマートは19日、2月初めに実施した早期退職者募集の結果を発表した。早期退職者数は1025人(正社員924人、非正規社員101人)と、約800人としていた募集者数を3割近く上回った。実際の応募は1111人だったが、日常業務の継続に支障を来す一部社員については制度の適用外としたという。割増退職金総額は約150億円で、2020年2月期決算に全額を費用計上する。

ファミリーマートは本部組織の構造改革の一環として早期退職者の募集を打ち出した。市場の飽和や競争激化、人手不足などコンビニ業界を取り巻く厳しい経営環境を乗り切るために組織のスリム化・業務効率化を進めるのが目的で、対象者は2月末時点で40歳以上(出向者を含む)の社員。当初予定では2月10日~21日を募集期間としていたが、2月3日~7日に繰り上げ、期間も短縮した。退職日は3月31日。

 

 

 

ファーマライズホールディングス<2796>、有料職業紹介のウィークを子会社化

ファーマライズホールディングスは、有料職業紹介事業のウィーク(東京都文京区)の株式51%を取得し子会社化することを決めた。ウィークはMR(医薬情報担当者)やSE(システムエンジニア)などの派遣を主力とする。取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

旧村上ファンド系、東芝機械の要請を受け入れTOBを4月16日まで30日延長

東芝機械<6104>に対してTOB(株式公開買い付け)を実施している旧村上ファンド系投資会社のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)は18日、3月4日までとしていた買付期間を4月16日まで30営業日延長して60営業日とすることを公表した。3月27日に買収防衛策の発動を諮る臨時株主総会を開催する東芝機械の要請を受け入れた形。これにより、敵対的TOBに対する株主の意思を問う株主総会がTOB期間中に開かれることになった。

東芝機械側は買付期間が延長されなかった場合、取締役会で買収防衛策の発動を決議する構えを見せていた。旧村上系は1月21日に東芝機械に対するTOBを開始。これに対し、東芝機械は反対を表明している。

旧村上系は既所有分12.5%と合わせ東芝機械株43.82%の取得を目指している。買付価格は1株3456円で、買付代金は最大約259億円。買付期間は当初、1月21日~3月4日までの30営業日だった。東芝機械は12日付書簡で旧村上系側に19日正午を期限として60営業日までの延長を要請していた。

18日の東芝機械株の終値は前日比85円安の3260円。

 

 

 

パートナーエージェント<6181>、フォトウエディングのMクリエイティブワークスを子会社化

パートナーエージェントは、フォトウエディング事業のMクリエイティブワークス(東京都品川区。2020年3月期見込み=売上高1億800万円、営業利益△2700万円、純資産―)を買収することを決めた。株式85.1%を追加して完全子会社化する。

近年、結婚式スタイルは従来型の挙式披露宴に代わり、カジュアルウエディング(会費会食婚、フォトウエディング、挙式のみなど)が台頭している。パートナーエージェントはこれまでフォトウエディングを取り扱っていなかったが、Mクリエイティブを傘下に取り込むことで、カジュアルウエディングのサービス体制を充実する。

取得価額は2億1400万円。取得予定日は2020年3月31日。

Mクリエイティブの前身は事業活動休止中の日本現代生活総合研究所。2018年4月に現社名に変更し、フォトウエディング事業を立ち上げ、同年11月に東京・台場に邸宅ロケーションスタジオ「LUMINOUS tokyo」をオープン。これまで500件以上のフォトウエディングや結婚式の前撮りなどを手がけてきた。2019年3月期は一連の先行投資により、6600万円の債務超過に陥っているが、来期(2021年3月期)以降、早期の黒字化と債務超過解消を目指す。

 

 

 

ゲンダイエージェンシー<2411>、デジタル広告のRita子会社化を撤回

ゲンダイエージェンシーは17日、デジタル広告の企画・制作を手がけるRita(東京都台東区)の子会社化を撤回すると発表した。14日にRitaの全株取得に関する基本合意書を締結したが、17日に対象株式を保有する同社の藤本尚也社長から売却意向を取り下げたいとの申し出があったという。ゲンダイは、交渉継続は不可能と判断した。

当初スケジュールによると、2月末日に最終契約書締結と株式譲渡の実行を予定。取得価額は非公表だった。

ゲンダイは主要顧客としてきたパチンコホール向け広告需要が低迷する中、インターネット広告への対応力を強め、パチンコホール以外の新分野で広告主の開拓を推進中。こうした取り組みの一環として、5G(第5世代通信)普及に伴い市場拡大が見込まれる動画広告に強みを持つRitaを傘下に取り込むことにしていた。Ritaは2018年2月に設立したベンチャー企業。

 

 

 

G-7ホールディングス<7508>、ミニスーパー「miniピアゴ」73店舗運営の99イチバを子会社化

G-7ホールディングスは、ユニー子会社でミニスーパー「miniピアゴ」を東京、神奈川で73店舗運営する99イチバ(横浜市。売上高136億円、営業利益1億4300万円、純資産△4億9900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。首都圏での店舗拡大が狙い。G-7は業務用スーパー事業や農産物直売所「めぐみの郷」の店舗展開、精肉販売などを手がけている。

取得価額は12億6500万円。2020年4月1日に80%、2022年4月1日に残りの20%を2段階で取得する。

99イチバは2006年、ユニーと当時のユニーの子会社だったサークルKサンクスとの共同出資会社で設立し、ユニーのスーパーマーケット運営のノウハウを生かした狭商圏対応のミニスーパーとして展開してきた。99イチバの親会社であるユニーは2019年1月にパン・パシフィック・インターナショナルホールディング(旧ドンキホーテホールディングス)傘下となった。パン・パシフィックにおける経営資源の最適配分の一環として、99イチバをグループから切り離す。

 

 

 

ジーンテクノサイエンス<4584>、ノーリツ鋼機傘下の日本再生医療を子会社化

ジーンテクノサイエンスは、ノーリツ鋼機子会社で再生医療技術・製品の研究開発を手がける日本再生医療(東京都港区。売上高―、営業利益△2億8200万円、純資産2億3000万円)を17日付で子会社化した。株式94.7%を追加取得し、持ち株比率を100%とした。取得価額は0円。

日本再生医療は2013年に、小児先天性心疾患に対する再生医療製品の事業化に取り組んできたが、開発進捗が遅れている状況が続いていた。小児先天性心疾患は生まれながらに心臓に何らかの異常を持つ疾患。

ジーンテクノサイエンスはバイオ医薬品の技術・開発や再生医療事業を手がける北大初ベンチャー。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[M&A案件情報(譲渡案件)](2020年2月26日)

-以下のM&A案件(4件)を掲載しております-

 

●大手企業を主要取引先に持つ電気工事業者

[業種:一般電気工事業/所在地:西日本]

●独自開発した技術を強みとしたデザイン住宅の設計・施工を行う

[業種:建築工事業/所在地:西日本]

●経験豊富な社員が多数在籍しているシステム開発会社

[業種:受託開発ソフトウェア業/所在地:関東地方]

●特定分野に強みを持つ旅行代理店

[業種:旅行業/所在地:関東地方]

 

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案件No.SS005900
大手企業を主要取引先に持つ電気工事業者

 

(業種分類)建設・土木

(業種)一般電気工事業

(所在地)西日本

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)中部地方にある一般電気工事業者。社屋・マンション・公共施設等の鉄骨・鉄筋物件の施工工事が主体。

 

〔特徴・強み〕

◇主要取引先は大手優良企業。
◇取引先からは従業員の技術力が高く評価されており、工事実績十分。
◇CAD設計者も在籍しており、育成も可能。

 

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案件No.SS005779
独自開発した技術を強みとしたデザイン住宅の設計・施工を行う

 

(業種分類)建設・土木

(業種)建築工事業

(所在地)西日本

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)中部地方の戸建建築業者。 現在は自社の強みを生かしたリフォームにも注力している。

 

〔特徴・強み〕

◇独自開発した技術と設計力には定評があり、総合力で他社との差別化を図っている。
◇従業員の平均年齢は若く、女性も活躍できる環境が整っている。

 

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案件No.SS005762
経験豊富な社員が多数在籍しているシステム開発会社

 

(業種分類)IT・ソフトウェア

(業種)受託開発ソフトウェア業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)客先駐在によるシステム開発

 

〔特徴・強み〕

◇実績:保険システム、WEBシステム、官公庁、製造販売、クレジット 等
◇社員15名程度、外注15名程度。
◇平均年齢45歳程度で経験豊富な社員多数在籍。
◇汎用系:オープン系が6対4の人員比率。
◇大手企業との取引も有す。

 

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案件No.SS004825
特定分野に強みを持つ旅行代理店

 

(業種分類)娯楽・スポーツ

(業種)旅行業

(所在地)関東地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)国内外向け個人旅行、団体旅行等の企画・手配及び販売、旅行会社向けの卸売を手掛ける

 

〔特徴・強み〕

◇特定分野に特化し、強みを発揮している
◇無借金で財務内容健全、業績拡大中

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

 

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[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「遺言書に沿った遺産の分割が合意に至っていない場合の相続税の申告について」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】個人版事業承継税制について ~先代事業者が医師、後継者が歯科医師の場合~

■【Q&A】分割協議により遺言と異なる者が財産を取得した場合の贈与課税の有無

 

 

 


[質問]

被相続人の自筆証書遺言があります。裁判所の検認も受けており、遺言書としての法的効力も認められております。

 

法定相続人に相続させる旨、及び、法定相続人以外(甥、姪など)に遺贈する旨が書かれておりますが、相続人間で遺産分割に関して揉めており、遺言書通りに執行できず遺産分割ができない状況です。

 

この場合、相続税の申告は、申告期限までに、遺言書に基づいて申告を行うのか、もしくは未分割財産として申告を行うのか、どちらが正しいのでしょうか。

 

 

[回答]

ご照会の事例は、遺産の分割が行われておりませんので相続税法55条の定めるところにより未分割遺産に対する課税の手続きによることになります。

 

被相続人の遺産は不動産、動産、無形資産など多様な構成となっており、その個々の遺産を承継する地位を有する相続人等がどのように取得するかを定めるのが遺産分割です。例えば、被相続人甲の遺産にA町に所在する地積100㎡、価額500万円のa土地とB町に所在する地積100㎡、価額500万円のb土地があるという場合において、それぞれ法定相続分2分の1を有する相続人乙および丙がいずれもa土地の取得を望んだとする法定相続分が等しくa土地とb土地の地積および価額も等しいところから、その所在地の別を如何にするかだけが問題として残されます。この点について協議してそれぞれの相続する土地を決めるのが遺産分割協議であり、個々の遺産について個別にその取得者を定めるために遺産分割の協議は行われます。

 

ご照会の事例では、この遺産分割の協議が行われない状態にあり、相続税の申告は上記のとおり相続税法55条の定めに従い申告手続きを進めることになります。

 

 

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2019年12月09日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。

 

 

 

 


[解説ニュース]

2次相続の申告後に、1次相続に係る遺留分侵害額請求に基づく支払額が確定した場合

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田 房枝/税理士)

 

 

[関連解説]

■遺留分侵害額の請求があった場合の税務上の取扱い

■遺留分制度を潜脱する意図で利用された信託(東京地裁H30.9.12)

 

 

 

【問】

私(C)の祖父(A)は、X1年1月に死亡しました(以下「1次相続」)。祖父はすべての財産1,000を私の父(B)に相続させるという遺言を残しており、これに対して叔母(Z)が遺留分侵害額請求をしてきました。

 

また、X1年2月、父(B)が死亡しました(以下「2次相続」)。父はすべての財産を私(C)に相続させるという遺言を残していました。

 

祖父(A)の相続税の申告期限までに叔母(Z)への支払額が確定しなかったため、1次相続に係る父(B)の相続税申告は、祖父(A)の遺言通り、父(B)が1,000すべてを相続したものとして、X1年11月に行いました。

 

また、父(B)の相続税の申告期限までにも叔母(Z)への支払額が確定しなかったため、2次相続に係る私(C)の相続税申告は、父(B)に祖父(A)から相続した1,000の財産があるものとして、X1年12月に行いました。

 

その後、X2年2月に、遺留分侵害額請求に基づく支払額が確定し、叔母へは200を支払うこととなり、その結果、父(B)が相続した財産は800となりました。

 

この場合、1次相続に係る父(B)の相続税申告、及び2次相続に係る私(C)の相続税申告において、更正の請求をすることはできますか?

 

 

 

〔親族関係図〕
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〔1次相続に係る課税価格〕

 

〔2次相続に係る課税価格(1次相続の影響のみ記載)〕

 

 

【解説】

1. 相続税法における更正の請求


相続税の申告書を提出した者は、遺留分侵害額請求に基づき支払うべき金銭の額が確定したことにより、その申告に係る課税価格及び相続税額が過大となったときは、その確定したことを知った日の翌日から4か月以内に、更正の請求をすることができます。

 

2. 本問への当てはめ


(1)1次相続に係るBの相続税申告

上記1の規定のとおり、B(実際に手続をするのはその相続人)は、更正の請求をすることができます。
なお、1次相続に係る相続税申告についてBが更正の請求をする場合、Zが期限後申告をしなければ、Zは決定処分を受けることになります。ただし、更正の請求及び期限後申告をしたとしても、しなかった場合と比べて相続税の総額は変わらないため、実務的にはこれらの申告等を行なわず、当事者のB・Z間で修正税額の精算のみを行うこともあります。

(2)2次相続に係るCの相続税申告

上記1の赤字の箇所は、次の波線のような言葉を補って解釈するものと考えます。

その者(遺留分侵害額請求をされた相続に係る申告書を提出した者)が 遺留分侵害額請求に基づき支払うべき金銭の額が確定したことにより、その 遺留分侵害額請求をされた相続の 申告に係る課税価格及び相続税額が過大となったときは、」

すなわち、上記1の規定は、遺留分侵害額請求をされた相続に係る申告(本問の場合、1次相続に係る申告)に関しての更正の請求について定められたものであり、遺留分侵害額請求とは直接関係のない申告(本問の場合、2次相続に係る申告)についても更正の請求を認めるという規定ではないと解されます。また、本問の場合、国税通則法の更正の請求事由にも該当しません。したがって、Cは、2次相続に係る相続税について更正の請求をすることはできないと考えます。

 

3. 最後に


上述のとおり、相続税法における更正の請求の規定は本問の場合の2次相続については適用されず、その結果、Cは1次相続においてBが相続しないこととなった財産200についても2次相続で相続税を負担しなければならないことになると考えます。

(参考:大阪国税局WAN質疑応答事例検索システム相続税関係2929)

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/02/25)より転載