[中小企業経営者の悩みを解決!「M&A・事業承継 相談所」]

~M&Aで会社や事業を売却しようとご検討の中小企業経営者におすすめ~

 

第4回:M&Aの株式価値評価と自社株の相続税評価の違いは何でしょうか?

 

 

〈解説〉

株式会社ストライク

 


M&A(合併・買収)仲介大手のストライク(東証一部上場)が、中小企業の経営者の方々の事業承継やM&Aの疑問や不安にお答えします。

 

 

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Q.M&Aの株式価値評価と自社株の相続税評価の違いは何でしょうか

 

同族会社で30 年以上、食品卸業を営んできました。息子に会社を承継させるため、顧問税理士に相続税について相談していましたが、突然に息子が病気になってしまいました。回復に相当な時間がかかるため、外部の会社に譲渡することを考えています。顧問税理士に自社株式の相続税評価額を計算してもらっていますが、知人から「M&Aの場合はもっと高く売れる」とも言われています。両者はどう違うのでしょうか?

 

(福岡県 K・Nさん)

 

 

A.M&Aの株式価値評価は、相続税評価の数倍になることもあります

 

一般的に、M&Aで株式を譲渡する場合の価額は、相続税評価額より高くなります。例えば相続税評価額の数倍で会社株式を譲渡したオーナー経営者もおられます。「相続税評価」と「M&Aの株式価値評価」には、決定的な違いがあるためです。

 

親族内で事業を承継する場合、相続税を低く抑えるため、株式価値を低くすることがよくあります。一方で、M&Aによって株式を外部に売却する場合、オーナー経営者は、売却金額の目安となる株式価値を高くしたいと考える傾向があります。

 

M&Aでは時価純資産に「のれん(営業権)」が上乗せされます。「のれん」は会社の無形資産の一種で、会社の買収・合併時の「買収された会社の時価純資産」と「譲渡価額」との差額のことです。例えば将来収益の見込み、信用力やブランドイメージなど、目に見えない収益獲得能力です。市場拡大の見込まれる業種であった場合、他の業種に比べて、のれんは高くなります。他では得難い技術やノウハウ、権益や有力な販路なども、のれんが高くなる要因となります。

 

M&Aで買い手候補が複数になると、価格が高くなることもあります。M&Aの株式価値評価は、評価者の経験や知識によって差異が出ますが、高すぎても安すぎても、現実味のない評価はその後の条件交渉に悪影響を及ぼします。当社は在籍する公認会計士も多く、M&Aの価値評価のご相談も数多く承っております。M&Aの株式価値評価については、信頼のおけるM&A専門会社にご相談されることをお勧めします。

 

 

 

 

 

 

[M&A案件情報(譲渡案件)](2020年12月15日)

-以下のM&A案件(3件)を掲載しております-

 

●財務良好な総合建設業

[業種:総合建設業/所在地:関東地方]

●高品質のハンドメイドシューズを製造

[業種:婦人靴製造業/所在地:西日本]

●海外にも拠点を持つワイヤーハーネスの製造業者

[業種:電気音響機械器具製造業/所在地:東日本]

 

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案件No.SS006563
財務良好な総合建設業

 

(業種分類)建設・土木

(業種)総合建設業

(所在地)関東地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)一般土木工事(民間・公共)、住宅建築、リノベなど施工範囲広く対応可能

 

〔特徴・強み〕

◇従業員の定着率が良く、有資格者が多数在籍。
◇取引先が分散されており、営業基盤が確立されている。
◇財務堅調推移。

 

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案件No.SS006366
高品質のハンドメイドシューズを製造

 

(業種分類)製造業

(業種)婦人靴製造業

(所在地)西日本

(従業員数)50~100名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)高品質ハンドメイドシューズの製造販売を手掛ける。

 

〔特徴・強み〕

◇メイドインジャパンに拘り、自社で一貫生産している。
◇軽さと履きやすさにこだわったハンドメイドシューズを製造。
◇自社で職人を抱えており、30代が多く活躍。
◇オリジナルブランドを保有。
◇品質の高さからファンが多い。

 

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案件No.SS005999
海外にも拠点を持つワイヤーハーネスの製造業者

 

(業種分類)製造業

(業種)電気音響機械器具製造業

(所在地)東日本

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)ワイヤ―ハーネス、電子ケーブルの製造を行っている。主要取引先と長年の取引が継続出来ており、新規の取引先も拡大している。

 

〔特徴・強み〕

◇中国に関連会社の製造工場を持ち、社内システムにて取引先の需要を先読み船便により輸送コストを安く済ませることが出来る。
◇日本にも独立した生産拠点を有し小回りの利く生産を行っている。
◇英語が得意な人材がおり、海外取引先とは英語にて会議打ち合わせを行うことが出来る。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

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[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「持続化給付金・家賃支援給付金の収益計上時期」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】持続化給付金と家賃支援給付金の未収計上について

■【Q&A】経営状況が悪化した場合の定期同額給与 ~コロナウイルスの影響で大幅に売上高が落ち急激に業績が悪化、役員報酬の大幅な減額を検討~

 

 

 


[質問]

持続化給付金、家賃支援給付金の収益計上時期についてご教授ください。

 

今期申請を行い、決算をまたいで翌期に給付決定がなされ、入金がなされる場合、どちらの期で益金算入すべきでしょうか。

 

法人税基本通達2-1-42を準用してよいと判断したのですが、①事実があった(月売上が50%以上下がった)期に概算計上するべきものなのか、②支給決定があった日の属する事業年度で益金算入すべきなのか読み切れず、教えていただけると助かります。

 

持続化給付金は実際の経費の支出を前提としていないため②に該当し、家賃支援給付金の場合は家賃の支払いを前提としているので①に該当するのか①でよいのかと、考えている次第です。

 

[回答]

御質問の場合の給付金に係る収益の計上時期については、御指摘のとおり法基通2—1—42の取扱いの考え方を踏まえて判断することになります。この点、費用と収益の対応関係からすると御指摘のとおりの考え方があり得ます。しかし、持続化給付金及び家賃支援給付金については、法人がこれらの給付金を受けるための特別な行為を行ったというものではなく、法人の意思に関係のない業績の悪化という事実が後発的に生じたため給付されるものであるといえます。

 

このことからすると、持続化給付金及び家賃支援給付金のいずれについても給付が決定した日を含む事業年度の収益に計上することになると考えます。

 

 

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2020年9月18日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。

 

 

 

 


[解説ニュース]

速報!令和3年度税制改正案

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

 

 

~与党税制改正大綱に盛り込まれた資産課税を中心とする改正案の主な内容は以下のとおり~

 

 

■【相続税・贈与税】《「令和3年度税制改正大綱」P45、41~42、42~43、43~44》

1.事業承継税制(非上場株式等に係る相続税の納税猶予の特例措置)【拡充】

非上場株式等に係る相続税の納税猶予の特例措置につき、次に掲げる場合には、後継者が被相続人の相続開始の直前において特例認定承継会社の役員でないときであっても、本特例措置の適用を受けることができる(①は、一般制措置についても同様とされる)。

 

①被相続人が、70歳未満(現行:60歳未満)で死亡した場合
②後継者が、経営承継円滑化法施行規則の規定により都道府県知事の確認を受けた特例承継計画において、特例後継者として記載されている者である場合

 

 

2.直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置等【拡充】

(1)令和3年4月1日から同年12月31日までの間に、耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋の新築等に係る契約を締結した場合における非課税限度額が、次のとおり、令和2年4月1日から令和3年3月31日までの間の非課税限度額と同額まで引き上げられる。

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(注)一般の住宅用家屋に係る非課税限度額は、上記の非課税限度額からそれぞれ500万円を減じた額とされる。

 

(2)受贈者が贈与を受けた年分の所得税に係る合計所得金額が 1,000万円以下である場合に限り、床面積要件の下限が40㎡以上(現行:50 ㎡以上)に引き下げられる。
(注)上記の改正は、令和3年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用される。

 

(3)特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税制度の特例につき、床面積要件の下限が40㎡以上(現行:50㎡以上)に引き下げられる。
(注)上記の改正は、令和3年1月1日以後に贈与により取得される住宅取得等資金に係る贈与税につき適用される。

 

(4)税務署長が、納税者から提供された既存住宅用家屋等に係る不動産識別事項等を使用して入手等をした当該既存住宅用家屋等の登記事項により床面積要件等を満たすことの確認ができた住宅が、本措置の対象となる既存住宅用家屋等に含めることとされる。
(注)上記の改正は、令和4年1月1日以後に贈与税の申告書を提出する場合について適用される。

 

3.直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置【適用期限の延長・見直し】

次の措置を講じた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長される。

 

(1)信託等があった日から教育資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死亡した場合(その死亡の日において受贈者が①23歳未満である場合、②学校等に在学している場合、③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合の、いずれかに該当する場合を除く。)には、その死亡の日までの年数にかかわらず、同日における管理残額(=非課税拠出額-教育資金支出額)を、受贈者が当該贈与者から相続等により取得したものとみなされる。

 

(2)上記(1)により相続等により取得したものとみなされる管理残額につき、贈与者の子以外の直系卑属に相続税が課される場合には、当該管理残額に対応する相続税額が、相続税額の2割加算の対象とされる。
(注)上記(1)と(2)の改正は、令和3年4月1日以後の信託等により取得する信託受益権等について適用される。

 

4.直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置【適用期限の延長・見直し】

次の措置を講じた上、その適用期限が令和5年3月31日まで2年延長される。

 

(1)贈与者から相続等により取得したものとみなされる管理残額(=非課税拠出額-結婚・子育て資金支出額)につき、当該贈与者の子以外の直系卑属に相続税が課される場合には、当該管理残額に対応する相続税額が、相続税額の2割加算の対象とされる。
(注)上記の改正は、令和3年4月1日以後の信託等により取得する信託受益権等について適用される。

 

(2)民法の成年年齢の引き下げに伴い、受贈者の年齢要件の下限を18歳以上(現行:20 歳以上)に引き下げる。
(注)上記の改正は、令和4年4月1日以後の信託等により取得する信託受益権等について適用される。

 

 

 

 

■【住宅・土地税制】《令和3年度税制改正大綱」P23~24、44、45、52》

1.住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除【拡充】

(1)住宅の取得等で特別特例取得に該当するものをした個人が、その特別特例取得をした家屋を令和3年1月1日から令和4年12月31日までの間にその者の居住の用に供した場合には、住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除及び当該控除の控除期間の3年間延長の特例を適用することができる。
(注)上記の「特別特例取得」とは、その対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合の住宅の取得等で、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に定める期間内にその契約が締結されているものをいう。
①居住用家屋の新築 …令和2年10月1日から令和3年9月30日までの期間
②居住用家屋で建築後使用されたことのないもの若しくは既存住宅の取得又はその者の居住の用に供する家屋の増改築等…令和2年12月1日から令和3年11月30日までの期間

 

(2) 上記(1)の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の特例は、個人が取得等をした床面積が40㎡以上50㎡未満である住宅の用に供する家屋についても適用される。ただし、床面積が40㎡以上50㎡未満である住宅の用に供する家屋に係る上記(1)の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の特例は、その者の13年間の控除期間のうち、その年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円を超える年については適用されない。
(注)上記(1)と(2)について、その他の要件等は、現行の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除と同様とされる。

 

(3)税務署長が納税者から提供された既存住宅等に係る不動産識別事項等を使用して、入手等をした当該既存住宅等の登記事項により床面積要件等を満たすことの確認ができた住宅を、住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の対象となる既存住宅等に含めることとされる。
(注)上記の改正は、令和4年1月1日以後に確定申告書を提出する場合について適用される。

 

2.宅地等に係る固定資産税等の負担調整措置【拡充】

(1)宅地等に係る固定資産税の負担調整措置は、令和3年度から令和5年度までの間、据置年度に価格の下落修正を行う措置並びに商業地等に係る条例減額制度及び税負担急増土地に係る条例減額制度を含め、現行の仕組みが継続される。

 

(2)(1)に加えて、令和3年度限りの措置として、次の措置が講じられる。
①宅地等(商業地等は負担水準が 60%未満の土地に限り、商業地等以外の宅地等は負担水準が100%未満の土地に限る。)について、令和3年度の課税標準額は令和2年度の課税標準額と同額とされる。
②令和2年度において条例減額制度の適用を受けた土地については、所要の措置が講じられる。

 

(3)宅地等に係る都市計画税の負担調整措置についても、 (1)と(2)の固定資産税の改正に伴う所要の改正が行われる。

 

3.その他【適用期限の延長】

(1)土地の売買による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限が、令和5年3月31日まで2年延長される。

 

(2)①宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準を価格の2分の1とする特例措置並びに、②住宅及び土地の取得に係る不動産取得税の標準税率(本則4%)を3%とする特例措置の適用期限が、令和6年3月31日まで3年延長される。

 

 

 

 

■【中小企業税制(法人税)】《「令和3年度税制改正大綱」P68、72~73》

1.中小企業者等の法人税の軽減税率の特例(税率を15%とする特例)【適用期限の延長】

適用期限が2年延長され、令和5年3月31日までに開始する事業年度について適用される。

 

2.中小企業(法人)の経営資源の集約化に資する税制【創設】

(1)青色申告書を提出する中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)のうち、令和6年3月31日までの間に、中小企業等経営強化法の経営力向上計画(経営資源集約化措置(仮称)が記載されたものに限る。)の認定を受けたものが、その認定に係る経営力向上計画に従って他の法人の株式等の取得(購入による取得に限る。)をし、かつ、これをその取得の日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合(その株式等の取得価額が10億円を超える場合を除く。)において、その株式等の価格の低落による損失に備えるため、その株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、その事業年度の法人税の計算上、損金に算入することができる。

 

(2)(1)の準備金は、[1]①その株式等の全部又は一部を有しなくなった場合、②その株式等の帳簿価額を減額した場合等においては取り崩して、その事業年度の法人税の計算上、益金に算入する。さらに、[2]その積み立てた事業年度終了の日の翌日から5年を経過した日を含む事業年度から5年間で、その経過した準備金残高の均等額を取り崩し、各事業年度の法人税の計算上、益金に算入する。
(注)上記の「中小企業者」とは、中小企業等経営強化法の中小企業者等であって、租税特別措置法の中小企業者に該当するものをいう。

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/12/14)より転載

[M&Aニュース](2020年11月30日〜12月11日)

◇タナベ経営<9644>、経営コンサルティングのグローウィン・パートナーズを子会社化、ソフトバンクグループ<9984>、傘下の米ロボット企業ボストン・ダイナミクスを韓国の現代自動車に売却、◇オンワードホールディングス<8016>、高級ブランド衣料品・シューズのイタリア子会社を譲渡、◇サイバーセキュリティクラウド<4493>、ソフト開発のソフテックを子会社化、◇オプテックスグループ<6914>、産業用コンピューターシステム開発のサンリツオートメイションを子会社化、◇ソニー<6758>、AT&T傘下で米アニメ配信大手「クランチロール」の運営会社イレーションを1222億円で買収、◇こころネット<6060>、サ高住運営などの介護事業子会社「こころガーデン」の全事業を譲渡、◇小津産業<7487>、家庭紙・日用雑貨卸売子会社のアズフィットをセンコーグループホールディングス<9069>に譲渡 ほか

 

 

 

ソフトバンクグループ<9984>、傘下の米ロボット企業ボストン・ダイナミクスを韓国の現代自動車に売却

2020-12-11

ソフトバンクグループ(SBG)は11日、傘下の米国ロボットメーカー、ボストン・ダイナミクス(売上高2億800万円、純資産283億円)を韓国の現代自動車に売却することで合意したと発表した。現代自動車が約80%の株式を取得し、SBGは子会社を通じて約20%を継続保有することでボストン・ダイナミクスの経営に一定に関与する。売却価額は非公表だが、同社の株式価値は総額11億円(約1144億円)としている。2021年6月までに売却完了を見込む。

ボストンは1992年、米マサチューセッツ工科大学(MIT)発の大学ベンチャーとして設立。2013年に米グーグルが買収した。その後、SBGは2018年にグーグルの親会社アルファベットから同社を買収し、全株式を保有する。

オンワードホールディングス<8016>、高級ブランド衣料品・シューズのイタリア子会社を譲渡

2020-12-11

オンワードホールディングスは、高級ブランドの衣料品・シューズを製造販売するイタリア子会社のオンワードラグジュアリーグループ(OLG、フィレンツェ。売上高157億円、営業利益△18億6000万円)の全株式を、同社経営陣を中心とする現地投資会社に譲渡した。11日付。新型コロナの感染拡大で欧州を中心とした海外事業の経営環境が悪化する中、グローバル事業構造改革の一環として不採算事業を切り離した。譲渡価額は非公表。

サイバーセキュリティクラウド<4493>、ソフト開発のソフテックを子会社化

2020-12-11

サイバーセキュリティクラウドは、ソフト開発のソフテック(東京都足立区。売上高2億8900万円、営業利益8600万円、純資産3億4700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。Webサイト・サーバーの脆弱性管理に強みを持つソフテックを傘下に取り込み、Webセキュリティー分野の技術・サービス向上につなげる。取得価額は4億3200万円。取得予定日は2020年12月18日。

ソフテックは1991年に設立。脆弱性情報サービス「SIDfm」事業とWebセキュリティー診断事業を手がけている。

オプテックスグループ<6914>、産業用コンピューターシステム開発のサンリツオートメイションを子会社化

2020-12-11

オプテックスグループは、産業用コンピューターシステムの開発・製造を手がけるサンリツオートメイション(東京都町田市。売上高37億9000万円、営業利益3億5100万円、純資産24億6000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。両社の技術力や顧客基盤を融合し、交通制御・駐車場管理、空港・鉄道などの安全管理や、IoT(モノのインターネット)関連分野で事業開拓を推し進める。取得価額は非公表。取得予定日は2020年12月18日。

サンリツは1971年に設立で、現在、筆頭株主のトヨタ自動車が40.1%を出資する。産業分野用に組み込みボード製品をはじめ、CPUボード、I/Oボード、コントローラーなど組込用コンピューターに必要な製品を提供している。

ソニー<6758>、AT&T傘下で米アニメ配信大手「クランチロール」の運営会社イレーションを1222億円で買収

2020-12-10

ソニーは10日、米通信大手AT&Tの子会社でアニメ配信事業「クランチロール」を運営する米イレーション・ホールディングスを買収することで合意したと発表した。全株式を約1222億円(11億7500万ドル)で取得する。クランチロールは200以上の国・地域で300万人の有料会員と9000万人の無料会員を持ち、アニメ、ドラマ、マンガなどの映像コンテンツやモバイルゲームを配信している。ソニーは同社を傘下に取り込み、エンターテイメント事業の成長を加速させる。買収完了は関係当局の承認などを条件としており、現時点で未確定。

こころネット<6060>、サ高住運営などの介護事業子会社「こころガーデン」の全事業を譲渡

2020-12-10

こころネットは介護事業を手がける全額出資子会社、こころガーデン(福島市)の全事業を譲渡することを決めた。譲渡先と譲渡価額は最終契約後に開示する予定。こころガーデンは2013年設立で、福島市内でサービス付き高齢者向け住宅「こころガーデン八島田」を運営するほか、訪問介護、通所介護、居宅介護支援などを展開する。譲渡対象事業の直近業績は売上高8300万円、営業赤字800万円。譲渡予定日は2021年1月31日。

北日本紡績<3409>、ヘルスケア製品販売の中部薬品工業を子会社化

2020-12-10

北日本紡績は、ヘルスケア製品販売の中部薬品工業(愛知県北名古屋市。売上高1億3000万円、営業利益0円、純資産1200万円)を株式交換で子会社化することを決めた。マスク製造を第一弾として新規参入したヘルスケア事業の成長を促進するのが狙い。

傘下に収める中部薬品工業は歯磨きパウダー、健康茶、のど飴、肝油ドロップなどのヘルスケア商材を国内の大手ドラックストア、国内外のEC(電子商取引)サイトなどに販売している。北日本紡績は高齢化や平均寿命の延伸などで今後成長が期待されるとして、ヘルスケア事業に今年参入したばかり。

株式交換比率は北日本紡績1:中部薬品工業50.77で、中部薬品1株に対し北日本紡績株の50.77株を割り当てる。株式交換予定日は2021年1月12日。

小津産業<7487>、家庭紙・日用雑貨卸売子会社のアズフィットをセンコーグループホールディングス<9069>に譲渡

2020-12-10

小津産業は、全額出資子会社で家庭紙・日用雑貨卸売のアズフィット(東京都中央区。売上高273億円、営業利益4900万円、純資産31億円)の株式80%を、センコーグループホールディングスに譲渡することを決めた。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年1月。

アズフィットは首都圏を中心にドラックストア、スーパーマーケット、ホームセンターなどに家庭紙や日用雑貨を販売している。譲渡先のセンコーも同じく家庭紙卸売業の子会社を持つ。家庭紙卸売をめぐっては物流環境や小売市場の変化などで、卸売業に求められる要求レベルが高まっており、総合物流企業のセンコーの傘下で強固な事業基盤を目指すことにした。小津産業はアズフィット株の20%を引き続き保有し、同社を持ち分法関連会社とする。

日本精工<6471>、英スペクトリスから設備・製造ラインの状態監視システム事業を211億円で取得

2020-12-10

日本精工は英国の精密機器メーカー、スペクトリスから各種設備・製造ラインの状態を監視するコンディショニング・モニタリング・システム(CMS)事業を取得することを決めた。CMS事業は事後保全・予防保全に続く次世代の保全手法とされる予知保全の分野で成長が期待されている。取得価額は約211億円(約1億6900万ユーロ)。2021年3月末に取得する予定。

スペクトリスが手がけるCMS事業は北海油田リグ(掘削機)の常時監視を祖業とし、1942年にデンマークで始まった。現在では、石油化学コンビナートや発電プラント、風力発電などで使われるポンプ、タービン、コンプレッサー、発電機といった回転機械向けの設備保全や状態監視の世界的大手に数えられる。スペクトリスはロンドン証券取引所の上場企業。

日本精工は軸受(ベアリング)の国内最大手。同社が今後の重点分野の一つに掲げる予知保全は設備や製造ラインの異常や故障の兆候を早期に発見してトラブルを未然に防ぐ手法で、保全にとどまらず、生産性向上や品質改善への貢献が期待されている。

ジェクシード<3719>、教育事業のXYEEDを子会社化

2020-12-09

ジェクシードは、教育事業のXYEED(東京都千代田区)を第三者割当増資の引き受けなどを通じて全株式を取得し、子会社化することを決めた。ジェクシードはITシステム構築を主力事業とする。XYEEDを傘下に取り込み、教育関連のプラットフォーム事業を推進する。XYEEDの設立は2020年10月。取得価額は1000万円(うち株式譲渡50万円)。取得予定日は2020年12月23日。

ドリームインキュベータ<4310>、アウトドア・スポーツ・料理関連など中堅出版社「枻出版社」の一部事業など取得

2020-12-09

ドリームインキュベータは新設子会社を通じて、アウトドア・スポーツ・料理などに関する中堅出版社の枻出版社(東京都世田谷区)の一部事業と同社子会社で映像・Webコンテンツ企画制作のピークス(同)の全事業を取得することを決めた。取得価額は非公表。取得予定日は2021年2月1日。

ドリームインキュベータは今回の事業取得に合わせて受け皿会社として、対象企業と同名の新会社「ピークス」(東京都千代田区)を設立した。

タナベ経営<9644>、経営コンサルティングのグローウィン・パートナーズを子会社化

2020-12-09

タナベ経営は、経営コンサルティング会社のグローウィン・パートナーズ(東京都千代田区。売上高10億7000万円、営業利益9900万円、純資産2億4100万円)を子会社化することを決めた。株式譲受と第三者割当増資引き受けにより、50.1%の株式を取得する。取得価額は総額8億200万円。取得予定日は2021年1月29日。

グローウィン・パートナーズは2004年に設立。M&A全般の支援や生産性向上に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略立案などで実績を積んできた。タナベはグローウィンと連携し、事業承継や業態転換などに伴うM&Aニーズや、経理・財務部門などバックオフィス業務のデジタル化支援への対応力向上を目指す。

三洋貿易<3176>、研究機器向け試験片・部品を製造販売するテストマテリアルズを子会社化

2020-12-09

三洋貿易は傘下企業を通じて、研究機器向け試験片・部品の製造販売を手がけるテストマテリアルズ(東京都千代田区。売上高8100万円、純資産1600万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。三洋貿易グループの理化学研究機器事業との相乗効果を期待している。テストマテリアルズは1987年に設立。取得価額は非公表。取得予定日は2020年12月18日。

新都ホールディングス<2776>、再生プラスチックリサイクル事業の大都商会を子会社化

2020-12-08

新都ホールディングスは、再生プラスチックリサイクル事業を手がける大都商会(東京都豊島区。売上高3億4300万円、営業利益△660万円、純資産2億600万円)を株式交換により完全子会社化することを決めた。主力である貿易事業の拡大が狙いで、プラスチック再生製品の中国向け輸出を推し進める。新都HDの鄧明輝社長は現在、大都商会の代表取締役を兼務している。

株式交換比率は新都HD1:大都商会3409.10。株式交換予定日は2020年12月30日。

三菱自動車、希望退職に予定を約2割上回る654人が応募

2020-12-07

三菱自動車は7日、間接部門を対象に実施した希望退職に654人の応募があったと発表した。募集期間は11月16日~30日。550人を予定していた募集人員を応募が約2割上回った。退職日は2021年1月31日付。三菱自動車は今年7月に2021年3月期の最終損益が2年連続で赤字となる見通しを受けて構造改革を発表し、この中で間接部門について人件費圧縮のため、新規採用抑制や希望退職制度の実施などを盛り込んでいた。

希望退職の対象は45歳以上60歳未満で勤続1年以上の管理職社員と一般社員(純間接員に限る。医務系列社員は除く)、60歳以上65歳未満の定年後再雇用者(同)。過去の拡大路線により人員と労務費が大幅に増加し、年齢構成の高齢化や管理職比率の高さが課題となっていたとしている。

割増退職金を支給し、再就職支援サービスを提供する。割増退職金など関連費用約72億円を2021年3月期に特別損失として計上する。

デンソー<6902>、持ち分法適用関連会社で自動車時計製造のジェコー<7768>を株式交換で完全子会社化

2020-12-07

デンソーは、持ち分法適用関連会社で自動車時計の製造を主力とするジェコーを株式交換で完全子会社化することを決めた。デンソーは株式41.89%を持つ筆頭株主で、ジェコーの売上高の約77%はデンソー向けという関係にある。需要家の自動車業界で電動化、自動運転など「CASE」と呼ばれる変革の動きが加速する中、経営を一体化させることでデンソーグループとしての競争力強化につなげる。

株式交換比率はデンソー1:ジェコー0.55で、ジェコー1株にデンソー株の0.55株を割り当てる。株式交換予定日は2021年4月1日。ジェコーの東証2部上場は廃止となる。

ジェコーは1952年にラジオコントロール付き真空時計の生産を目的に、日本真空時計として設立。現在は自動車時計、エアコンパネル、コンビネーションメーターなど表示装置を中心に、電流センサー、安全運転支援部品などを手がける。トヨタ自動車系の自動車部品メーカーで、2002年からデンソーが筆頭株主。

藤田観光、早期希望退職者を募集 創業来最大の危機に対処へ

2020-12-04

藤田観光は4日、早期希望退職者を募集すると発表した。新型コロナの影響拡大による経営危機の克服に向けた事業構造改革の一環。本体の正社員・契約社員とグループ会社社員のうち、40歳以上で勤続年数が社員は10年以上、契約社員は5年以上を対象とし、募集期間は2021年2月5日~15日(退職日は3月31日)。募集人数は未定としている。所定の退職金に加え、転進援助金を上乗せ支給し、再就職を支援する。

藤田観光は椿山荘(東京)、太閤園(大阪)に代表される宴会施設や、ワシントンホテルの展開を主力とする。しかし、コロナ禍で需要が急減し、厳しい業績を余儀なくされている。同社は創業以来最大の危機だとして、7月に緊急対策本部を設置。不採算事業所の撤退・縮小、新規出店計画の中止、賃料減額、賞与ゼロと給与・諸手当の減額を通じた賃金カット、退職不補充などのコスト縮減策を推し進めている。

11月に発表した2020年1~9月期業績は売上高が前年同期比64%減の176億円、営業赤字167億円(前年同期は7億2000万円の赤字)、最終赤字171億円(同4億2100万円の赤字)だった。

投資会社のライジング・ジャパン・エクイティ、尾張精機<7249>をTOBで子会社化

2020-12-04

尾張精機は4日、投資会社のライジング・ジャパン・エクイティ(RJE、東京都千代田区)が同社に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。RJEは尾張精機の完全子会社化を目指しており、尾張精機の筆頭株主の日立金属、2位株主のトヨタ自動車などはTOBに応募を決めている。買付代金は最大約39億2900万円。尾張精機はTOBに賛同している。尾張精機の名証2部上場は廃止となる見通し。

TOB主体はRJEが組成したファンドが設立した会社のプレサイス・プロダクツ・ホールディングス。尾張精機株の買付価格は1株3370円。買付予定数は116万5914株。買付予定数の下限は所有割合66.67%にあたる77万7300株とした。

買付期間は12月7日~2021年1月22日。決済の開始日は2021年1月29日。公開買付代理人はSMBC日興証券。

尾張精機は鍛造品やネジ類の製造を主力とし、売上高の約98%を自動車業界向けで占める。自動車業界は100年に1度の変革期とされ、生き残りに向けて部品メーカーは環境変化への的確な対応が求められている。ファンドの支援を得て成長戦略を実行する。

RJEは三井住友銀行、住友商事、三井住友信託銀行を主要スポンサーとする。

LIXIL<5938>、地盤・建物調査子会社のジャパンホームシールドをみずほキャピタルパートナーズに譲渡

2020-12-04

LIXIL(12月1日にLIXILグループから社名変更)は、地盤調査・建物調査を手がける100%子会社のジャパンホームシールド(東京都墨田区。売上高120億円、営業利益8億円、純資産40億4000万円)の全株式を、投資会社のみずほキャピタルパートナーズ(東京都千代田区)に譲渡することを決めた。譲渡価額は非公表。2021年2月に譲渡予定。

ジャパンホームシールドは1990年に設立し、累計で地盤調査180万棟、建物検査20万戸を超える実績を持つ。LIXILは経営効率を高めるため、基幹事業の建材・住設機器分野に経営資源を集中させており、今回のジャパンホームシールド切り離しもその一環。

オリンパス<7733>、呼吸器関連医療機器メーカーの米Veran Medicalを子会社化

2020-12-04

オリンパスは4日、呼吸器関連医療機器メーカーの米Veran Medical Technologies(VMT、ミズーリ州セントルイス。売上高30億2000万円、営業利益△12億1000万円)の全株式を取得し、子会社化すると発表した。取得金額は約3億ドル(約312億円)。取得予定日は2020年12月31日。

Veranは2003年に設立。気管支内視鏡を用いた治療・診断を専門分野とし、気管支の末梢部分へのスムーズな到達をサポートする電磁ナビゲーションシステムなどに強みを持つ。オリンパスは同社を傘下に取り込み、呼吸器科分野の製品構成を拡充し、事業拡大につなげる。

オリンパスは治療機器事業に関し、消化器科、泌尿器科を並ぶ重点分野に呼吸器科を位置づけ、業界トップクラスのポジション確保を目指している。今回の買収は、オリンパスの米子会社が設立した特定目的会社(SPC)とVMTとの合併契約に基づき、VMTの全株式を取得する。

ホッカンホールディングス<5902>、スープ・タレ製造の真喜食品を子会社化

2020-12-03

ホッカンホールディングスは、スープ・タレ製造の真喜食品(新潟市。売上高9億1700万円、純資産6億8300万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ホッカン子会社で清涼飲料受託充填事業を手がける日本キャンパック(東京都千代田区)が計画している食品分野進出の一環。取得価額は非公表。取得予定日は2021年2月1日。

真喜食品は1977年設立で、鍋やおでんなどのスープ・タレのほか、近年は健康食品分野への展開に力を入れている。

三井E&Sホールディングス<7003>、傘下の三井E&S環境エンジニアリングをJFEエンジニアリングに譲渡

2020-12-03

三井E&Sホールディングスは傘下の三井E&S環境エンジニアリング(MKE、千葉市。売上高181億円、営業利益9億8800万円、純資産31億円)の全株式を、JFEエンジニアリング(東京都千代田区)に譲渡することを決めた。この前提として、子会社を通じて保有する別海バイオガス発電(北海道別海町)、西胆振環境(北海道室蘭市)の全保有株をMKEが承継する。

三井E&Sは経営再建の一環として、環境リサイクル・バイオガス関連の事業をMKEに集約したうえで、グループ外企業への譲渡を含めて検討を進めていた。MKE株式の譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年4月1日。

曙ブレーキ工業、国内生産拠点で180人程度の早期退職を実施

2020-12-01

経営再建中の曙ブレーキ工業は1日、国内生産拠点で180人程度の早期退職措置を実施すると発表した。募集期間は12月21日~2021年2月12日(退職日は2021年3月31日付)。国内生産再編に伴う人員適正化が目的。同社は今年2~3月に本社間接系社員を対象に200人規模の早期退職を実施(154人応募)しており、これに続く第二弾となる。

今回の早期退職措置は曙ブレーキ山形製造(山形県寒河江市)、曙ブレーキ福島製造(福島県桑折町)、曙ブレーキ岩槻製造(さいたま市)、曙ブレーキ山陽製造(岡山県総社市)のグループ4工場のほか、運送・梱包のアロックス(さいたま市)、曙ブレーキ工業本体(生産部門、工場再編推進室、生産技術部など)。このうち、岩槻製造、福島製造については生産状況により一部は9月30日退職とする。

所定の退職金に加えて特別加算金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

曙ブレーキは業績悪化に伴い私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請し、昨年9月に再生計画が承認された。再生計画では国内4工場の縮小などが盛り込まれている。

ツルハホールディングス<3391>、鳥取県で調剤薬局経営の「たかきファーマシー」から1店舗を取得

2020-12-01

ツルハホールディングスは傘下企業を通じて、調剤薬局経営のたかきファーマシー(鳥取県米子市)から1店舗を取得することを決めた。ツルハは中国・九州地区でドラッグストアを中心に285店舗(うち調剤併設79店舗、調剤専門薬局20店舗)を展開する。取得価額は非公表。取得予定日は2021年2月1日。

ココカラファイン<3098>、ルーカスから兵庫県内の調剤薬局2店舗を取得

2020-12-01

ココカラファインは傘下企業を通じて、調剤薬局経営のルーカス(神戸市)から2店舗を1日付で取得した。兵庫県内でのドミナント戦略の一環。取得価額は非公表。

ココカラファイン<3098>、日本メディケアから調剤薬局1店舗を取得

2020-12-01

ココカラファインは傘下企業を通じて、調剤薬局経営の日本メディケア(東京都港区)から1店舗を1日付で取得した。ドミナント(地域集中出店)の一助。取得価額は非公表。

トナミホールディングス<9070>、倉庫・運輸業の御幸倉庫を子会社化

2020-12-01

トナミホールディングスは、倉庫・運輸業の御幸倉庫(愛知県春日井市。売上高8億5000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。御幸倉庫は中部地区を地盤とし、メーカー物流に強みを持つ。取得価額は非公表。取得予定日は2020年12月21日。

ユアサ商事<8074>、切削工具商社の中川金属を子会社化

2020-12-01

ユアサ商事は、切削工具商社の中川金属(東京都千代田区。売上高47億円)の全株式を取得し、1日付で子会社化した。ユアサは産業機器部門の中核事業である切削工具販売事業の強化につなげる。中川金属は創業84年で、全国に11営業拠点を持つ。取得価額は非公表。

エルテス<3967>、警備業のアサヒ安全業務社を子会社化

2020-11-30

エルテスは傘下企業を通じて、警備業のアサヒ安全業務社(横浜市。売上高8億1000万円、営業利益7510万円、純資産4億6000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。エルテスはソーシャルリスク、情報漏洩、内部不正といった内部脅威リスクの予兆検知や鎮静化対応サービスを主力とする。デジタル新時代の新たな警備業を創出するためには自社で警備業を手がけ、各種検証などを行う必要があると判断した。

取得価額は6億5000万円。取得予定日は2020年12月25日。

エルテスは2017年に、伝統的な警備業とデジタル技術の融合を目的とする子会社のエルテスセキュリティインテリジェンス(東京都千代田区)を設立。セキュリティー事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)をめぐる取り組みに着手した。

今回子会社化するアサヒ安全業務社は1973年に設立。鉄道関連工事での列車監視業務を中心に雑踏、交通誘導、常駐保安警備などを提供している。

THEグローバル社<3271>、宿泊施設経営・運営受託子会社のグローバル・ホテルマネジメントをRマネジメントに譲渡

2020-11-30

THEグローバル社は、宿泊施設の経営・運営受託子会社のグローバル・ホテルマネジメント(東京都新宿区。売上高8億9800万円、営業利益△18億8000万円、純資産△13億2000万円)の全株式を、Rマネジメント合同会社(東京都新宿区)に譲渡した。30日付。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で先行き不透明な状態が続く中、グループの経営再建を促進するのが狙い。譲渡価額は非公表。

極東貿易<8093>、ミツトヨから地震計関連事業を取得

2020-11-30

極東貿易は子会社を通じて、計測器大手メーカーのミツトヨ(川崎市)から地震計関連事業を取得することを決めた。電力設備など重要インフラに対する機器の販売や保守・サービス業務の充実につなげる。地震計関連の事業開始は2022年4月を予定する。取得価額、取得日は非公表。

台湾Walsin傘下の釜屋電機、電子部品メーカーの双信電機<6938>をTOBで子会社化

2020-11-30

釜屋電機(神奈川県大和市)は30日、電子部品メーカー中堅の双信電機に対して子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。過半の株式取得を目指しており、買付代金は最大35億9500万円。双信電機はTOBに賛同している。公開買付者の釜屋電機は台湾の電子部品メーカー、華新科技股份有限公司(Walsin)の傘下企業。双信電機の東証1部上場は維持される見通し。

双信電機株の約40%を保有する筆頭株主の日本ガイシは35%程度についてTOBに応じ、約5%を継続所有する。釜屋電機による買付価格は1株460円で、TOB公表前営業日の終値と同額。買付予定数は781万5600株。予定通りに買い付けができれば、所有割合は50.1%となる。買付予定数の下限は所有割合35.64%にあたる556万株に設定した。

買付期間は12月1日~2021年1月4日までの21営業日。決済の開始日は2021年1月12日。公開買付代理人は野村証券。

双信電機は1938年に天然鉱物の雲母を原料とした無線機に使われるマイカコンデンサーの専業メーカーとして発足した。

SHIFT<3697>、ITインフラ設計・構築のサーベイジシステムを子会社化

2020-11-30

SHIFTは傘下企業を通じて、ITインフラ設計・構築のサーベイジシステム(東京都千代田区。売上高1億9200万円、営業利益△380万円、純資産2830万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。通信ネットワーク・インテグレーション領域でのサービス強化が狙い。取得価額は非公表。取得日は2020年11月30日。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[M&A案件情報(譲渡案件)](2020年12月8日)

-以下のM&A案件(2件)を掲載しております-

 

●【高収益・財務内容良好案件】ダクト製造及びダクト工事業者

[業種:管工事業/所在地:関東地方]

●シューズ・アパレル・雑貨等の販売会社

[業種:繊維・衣服等卸売業/所在地:関東地方]

 

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案件No.SS006643
【高収益・財務内容良好案件】ダクト製造及びダクト工事業者

 

(業種分類)建設・土木

(業種)管工事業

(所在地)関東地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)関東地方にてダクト製造及びダクト工事業を営む企業

 

〔特徴・強み〕

◇ダクト製造業及びダクト工事業を営む企業
◇サブコンからの信頼が厚く、施工件数も非常に多い
◇確かな技術力と施工能力を背景に、盤石な営業基盤を構築
◇財務内容良好、業績右肩上がり

 

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案件No.SS006549
シューズ・アパレル・雑貨等の販売会社

 

(業種分類)商社・卸・代理店

(業種)繊維・衣服等卸売業

(所在地)関東地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)シューズ・アパレル・雑貨等の販売会社

 

〔特徴・強み〕

◇自社ブランドを複数有し、多数の販売チャネルにて展開中
◇卸売事業、小売事業(EC事業含む)のバランスのとれた両軸経営と高収益構造

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

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[会計事務所の事業承継・M&Aの実務]

第3回:M&Aの譲渡対価とその後の処遇

 

[解説]

辻・本郷税理士法人 辻・本郷ビジネスコンサルティング株式会社

黒仁田健 土橋道章

 

〈目次〉

⑴譲渡対価の計算方法

⑵譲渡対価の支払方法と事後的な価格調整条項

⑶承継後にかかる負担の確認も

⑷経営統合後の待遇等について

⑸役員退職慰労金

⑹従業員退職金

 

 

 

 

▷関連記事:いくらで売却できる?-譲渡金額の算出方法-  ~ゼロから学ぶ「M&A超入門」

▷関連記事:株式譲渡スキームにおける役員慰労退職金支給~現金支給・現物支給の有利不利判定~

 

⑴譲渡対価の計算方法

譲渡対価について、ディスカウント・キャッシュ・フロー等の収益還元的な考えに基づく評価方法や、時価純資産等の静的な評価方法などが考えられます。

 

一方で、一身専属に基づく士業という事業の特殊性から、その収益獲得の源泉が、代表者の個人的な実力によるところもあれば、数十人規模での組織的な実力によるところもあり、その評価はケースによりまちまちなのが実態です。

 

そのような中で実務的な慣習として、年間報酬総額に一定率を乗じて算出されるケースが多いのも事実です。顧問報酬、税務申告報酬などの継続的に収入が見込める報酬をベースに検討されますが、よほどスポット業務(相続税や保険手数料など)の売上割合が多くない限り、別途計算はせず、年間報酬総額として算出します。

 

例えば、法人の顧問報酬で毎年3,000万円、個人の確定申告報酬で毎年1,000万円、相続税の申告報酬で1,000万円が年間の報酬であった場合、毎年継続的に見込まれる4,000万円が年間報酬総額となります。

 

また、譲渡対価の検討時には、譲渡資産の特定をしておかないと、どこまでが対象かわからないので、対象範囲を契約内容に盛り込んでおく必要があります。

 

 

⑵譲渡対価の支払方法と事後的な価格調整条項

譲渡対価の支払方法については、

①クロージング時に一括で支払う方法

②クロージング時に一部を支払い、分割又は一定期間経過後に残金を支払う方法

があります。

 

売主にとっては、①の方法が望ましい反面、買主にとっては資金調達の問題や譲渡後の顧問契約や雇用契約の継続が未確定であることから、②の方法が望ましいこととなります。

 

また、顧問契約等の継続状況に応じて、譲渡後一定期間を経過した後、譲渡対価を見直す方式をとることも可能ですが、継続をしなかった理由が買主側に起因することも想定されるため、支払方法や事後的な譲渡対価の見直しは慎重に協議したうえで、契約書に明記する必要があります。

 

 

さらに、譲渡対価の分割又は一定期間経過後に残金を支払う方法を選んでいて、売主が死亡したときは、その相続人が債権者となります。売主及び買主はその点も留意して、支払方法や事後的な譲渡対価の価格調整条項を設定します。

 

 

⑶承継後にかかる負担の確認も

譲渡対価の決定に際して、承継後にかかる費用も確認する必要があります。

 

継続的に発生する経費もありますが、比較的大きな支出は会計ソフトにかかるものとなり、使用しているソフトのバージョンや更新時期等を確認し、その負担も考慮して譲渡対価を決める必要もありますので、注意してください。

 

また、事務所を借りている場合には、更新時期に手数料が発生しますので、確認が必要となります。これらの後発的に発生が見込まれる費用について、譲渡対価の算定上、織り込んでおく必要があります。

 

 

⑷経営統合後の待遇等について

一般的に承継元の代表者は、顧問先や従業員の引継ぎの関係から、事業承継後も一定期間は社員税理士や顧問として関与することになります。社用車や交際費の利用など、事前に細かく取り決めをしておくと後々のトラブルを回避できます。

 

また、競合避止義務との関係がありますが、顧問先の監査役に就任しているケースも見受けられます。このような場合の取扱いについて、どのようにするかの取り決めを統合前に行っていくことと、それを踏まえて譲渡対価の算定を行う必要があります。

 

 

⑸役員退職慰労金

税理士法人を取得する場合に、承継元の代表が退任する際に退職慰労金の支給があるときは、当然、出資持分の譲渡対価の金額は減少します。退職金は実際に退職するまで支給ができない点で、承継元にとっては、受領できるまで時間を要する一方、承継先にとっては退職までの期間、きちんと承継業務に従事できる点と、支給時には法人にとって損金となるため、税務メリットを得ることができます。

 

なお、個人事業で行っている場合には、退職金という考え方は発生しません。

 

 

⑹従業員退職金

従業員の退職金制度として、特定退職金共済制度に加入しているケースが見受けられます。また、独自の退職金制度を導入している事務所もありますので、これらの退職金制度を継続するのか、継続する場合には譲渡対価に反映するべきか検討が必要です。

 

 

 

 

 

▷参考URL:M&A各種契約書等のひな形(書籍『会計事務所の事業承継・M&Aの実務』掲載資料データ)

 

[M&A案件情報(譲渡案件)](2020年12月1日)

-以下のM&A案件(6件)を掲載しております-

 

●【高収益・財務良好】業務用食品卸売業

[業種:その他の食料・飲料卸売業/所在地:関東地方]

●【自社工場保有】 関東地方にて複数店舗展開するクリーニング店

[業種:クリーニング業/所在地:関東地方]

●創業50年を超える熱絶縁工事業者

[業種:熱絶縁工事業/所在地:関西地方]

●建築リフォーム工事を得意とする建築会社

[業種:建築リフォーム工事業/所在地:関東地方]

●業歴長く、関西で地盤を形成する電材商社

[業種:電気機械器具卸売業/所在地:関西地方]

●特定の層に極めて高い人気を誇る木造アパートの設計・施工業者

[業種:建築工事業/所在地:中部地方]

 

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案件No.SS006605
【高収益・財務良好】業務用食品卸売業

 

(業種分類)商社・卸・代理店

(業種)その他の食料・飲料卸売業

(所在地)関東地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)業務用食品卸

 

〔特徴・強み〕

◇特定の業界に特化した業務用食品卸売業者
◇同業比高い利益率を確保
◇財務内容も良好
◇自社の成長に資する相乗効果のある企業との提携を希望

 

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案件No.SS006511
【自社工場保有】 関東地方にて複数店舗展開するクリーニング店

 

(業種分類)その他

(業種)クリーニング業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数50~100名

(譲渡スキーム株式譲渡

(事業概要関東地方にて複数店舗展開するクリーニング店

 

〔特徴・強み〕

◇自社工場を保有。
◇業歴が長く、質の高いサービスを提供。
◇後継者不在により譲渡を予定。

 

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案件No.SS006470
創業50年を超える熱絶縁工事業者

 

(業種分類)建設・土木

(業種)熱絶縁工事業

(所在地)関西地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)熱絶縁工事業

 

〔特徴・強み〕

◇ビル、マンション、商業施設テナント、プラント(廃棄物処理、水処理)等を得意とする。
◇機械用ボイラー、熱交換器、各種機器の熱絶縁工事についても年間相応の実績あり。
◇無借金であり、財務内容良好。

 

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案件No.SS006330
建築リフォーム工事を得意とする建築会社

 

(業種分類)建設・土木

(業種)建築リフォーム工事業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)建築リフォーム工事を得意とする建築工事会社

 

〔特徴・強み〕

◇建築リフォーム工事、注文住宅の施工、耐震工事等を行う
◇民間工事から官公庁工事まで幅広く元請工事を受注
◇長年の業歴を有する

 

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 案件No.SS006285
業歴長く、関西で地盤を形成する電材商社

 

(業種分類)商社・卸・代理店

(業種)電気機械器具卸売業

(所在地)関西地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)電設資材の卸売

 

〔特徴・強み〕

◇業歴長く関西圏で実績を積み重ねる。
◇大手との直接取引あり。取引先との強固な関係性が強み。
◇自社で配送用の車両を保有。現場に寄り添った丁寧な配送も強み。

 

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 案件No.SS005492
特定の層に極めて高い人気を誇る木造アパートの設計・施工業者

 

(業種分類)建設・土木

(業種)建築工事業

(所在地)中部地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)中部地方の中核都市周辺で事業を展開 土地オーナー(富裕層)からの受注がメイン

 

〔特徴・強み〕

◇全国展開が狙える特徴を持つ物件を提供
◇入居者となる層のデータを多数保有しているため空室リスクが低く、オーナーの満足度は高水準
◇狭小地に高利回り物件を提供可能なノウハウを保有

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

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[M&Aニュース](2020年11月16日〜11月27日)

◇DCMホールディングス、島忠へのTOB期間を8営業日延長、◇住友商事<8053>、豪穀物子会社のEmerald Grainを私募ファンドに譲渡、◇三井不動産<8801>、東京ドーム<9681>をTOBで子会社化へ、◇レオパレス21<8848>、リロケーション事業子会社のエンプラスをリコーリース<8566>に譲渡、◇カヤック<3904>、広告事業などのSANKOを子会社化、◇ピー・シー・エー<9629>、ITサービス子会社のKeepdataをビーエスピーアセットに譲渡、◇スタンレー電気、300人程度の早期退職を募る特別転進支援制度を実施、定年延長も、◇双日<2768>、子会社を通じてプラマテルズ<2714>をTOBで完全子会社化、◇エン・ジャパン<4849>、M&Aマッチングサイト「MAfolova」事業をピナクルに譲渡 ほか

 

 

 

 

DCMホールディングス、島忠へのTOB期間を8営業日延長

DCMホールディングスは27日、ホームセンターの島忠に対して10月5日から実施中のTOB(株式公開買い付け)について、12月1日までとしていた買付期間を同11日まで8営業日延長すると発表した。2度目の延長で、買付期間は48営業日となる。1株4200円の買付価格は変更していない。

島忠を巡ってはニトリホールディングスがDCMを上回る買付価格5500円を提示して12月28日を期間として対抗TOBを行っている。

住友商事<8053>、豪穀物子会社のEmerald Grainを私募ファンドに譲渡

住友商事は、穀物買い付けや集荷を手がける豪子会社Emerald Grain Pty Ltd(売上高336億円、営業利益△17億円、純資産34億6000万円)の全株式を、私募ファンドの豪Longriver Farms Pty Limitedに譲渡することを決めた。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年12月2日。

三井不動産<8801>、東京ドーム<9681>をTOBで子会社化へ

三井不動産は27日、東京ドームの完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付代金は最大1205億円。東京ドームは東京都心でプロ野球読売巨人軍が本拠地とする球場、遊園地、ホテルなどを運営する。三井不動産はスポーツ・エンターテイメントを軸とする街づくりや、新規領域のスタジアム・アリーナ事業への本格展開につなげる。

東京ドームはTOBに賛同している。三井不動産による東京ドームの完全子会社化後、巨人を傘下に持つ読売新聞グループ本社が三井不動産から東京ドーム株の20%を取得することで合意した。

買付価格は1株につき1300円で、TOB公表前日の終値897円に44.93%のプレミアムを加えた。買付予定数は9270万7684株。買付予定数の下限は所有割合66.67%にあたる6180万5100株。

買付期間は11月30日~2021年1月18日。決済の開始日は2021年1月25日。公開買付代理人は野村証券。

東京ドームは1936年に設立。翌年9月にプロ野球専用球場として「後楽園スタヂジアム」を東京・水道橋に完成した。1949年に東証1部に上場。1955年に「後楽園ゆうえんち」を開業した。また、1988年には国内初の全天候型多目的スタジアム「東京ドーム」をオープンし、野球場にとどまらず、国内外のアーチストによるコンサート会場などとして人気を集めている。

レオパレス21<8848>、リロケーション事業子会社のエンプラスをリコーリース<8566>に譲渡

レオパレス21は、リロケーション(転勤者の留守宅賃貸)管理事業などを手がける子会社のエンプラス(東京都千代田区)の全保有株式(所有割合98.3%)を、リコーリースに譲渡することを決めた。レオパレスは経営再建に向けた事業構造改革の一環。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年11月30日。

エンプラスは2004年に設立し、海外赴任者向けに留守宅の賃貸サービスや赴任先での住居仲介、外国人向け賃貸・売買仲介などを展開。レオパレスは国際事業から撤退に伴い、関連事業の見直しに動いている。

カヤック<3904>、広告事業などのSANKOを子会社化

カヤックは、広告事業などのSANKO(東京都千代田区。売上高7億4300万円、営業利益2710万円、純資産4億6100万円)の株式75%を取得し子会社化することを決めた。取得価額は4億945万円。取得予定日は2020年11月30日。

SANKOは1965年に設立。広告事業を主力とし、傘下にeスポーツ事業のRIZeST(東京都千代田区)、漫画デザインのマンガデザイナーズラボ(東京都渋谷区)の2子会社を持つ。カヤックは急拡大を続けるeスポーツ市場での事業拡大などを期待している。

ピー・シー・エー<9629>、ITサービス子会社のKeepdataをビーエスピーアセットに譲渡

ピー・シー・エーは、IT関連サービス子会社のKeepdata(東京都中央区。売上高8570万円、営業利益△2590万円、純資産△2億3100万円)の全株式を、投資会社のビーエスピーアセット(東京都中央区)に譲渡することを決めた。昨年3月にKeepdataを子会社化したが、当初想定していたシステム連携や営業面でのシナジー(相乗効果)が得ることが難しいと判断した。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年12月7日。

ピー・シー・エーは中堅・中小企業向け基幹業務パッケージソフト「PCA会計シリーズ」「給与シリーズ」「商魂・商管シリーズ」などを展開する。Keepdataを傘下に取り込み、基幹業務ソフトの周辺サービスの拡充を期待していた。

スタンレー電気、300人程度の早期退職を募る特別転進支援制度を実施、定年延長も

スタンレー電気は26日、300人程度の早期退職者を募る特別転進支援制度を実施すると発表した。49歳以上60歳未満で勤続10年以上の基幹社員を対象とし、募集期間は2021年1月7日~13日(退職日は2月28日付)。特別退職金を支給し、再就職支援サービスを提供する。併せて同社は、現在60歳の定年年齢を65歳に引き上げる定年延長制度の導入を決めた。

スタンレー電気は主力の自動車ランプが売上高の約8割を占める。足元では新型コロナウイルス感染症の影響で得意先の自動車業界で生産停止や減産が広がったことなどから、業績が落ち込んでいる。2020年4~9月の半期業績は前年同期に比べ売上高が24%減の1558億円、営業利益が60%減の86億円、最終利益が76%減の37億円。

定年延長制度の内容は60歳到達後も昇格・職位就任を可能するスキルアップ型、生活スタイルを重視し育児や介護以外の理由でも時間短縮勤務が可能なライフバランス型の2コースを用意した。

双日<2768>、子会社を通じてプラマテルズ<2714>をTOBで完全子会社化

双日<2768>は26日、子会社の双日プラネットを通じてプラマテルズ<2714>に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化すると発表した。

買付期間は2020年11月27日から 2021年1月14日までの30営業日。買付価格は1株につき770円で、TOB公表前日の終値(555円)に38.74%のプレミアムを加えた。買付予定数は約456万株。買付代金は約35億1700万円。

予定通りに買い付けられれば、現在46.56%の持株比率が100%となる。プラマテルズの上場は廃止する。

買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券とauカブコム証券。

エン・ジャパン<4849>、M&Aマッチングサイト「MAfolova」事業をピナクルに譲渡

エン・ジャパンは、「MAfolova」の名称で展開するM&Aマッチングサイト事業を、経営コンサルティング業のピナクル(東京都港区)に譲渡することを決めた。新型コロナウイルスの感染拡大でM&A案件の中止や先送りの影響を受けていた。事業切り離しにあたっては、MAfolova事業を分割して設立する新会社「マフォロバ」(東京都新宿区)の全株式を譲り渡す。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年12月10日。

MAfolovaは2018年にマッチングサービスを開始し、登録企業数は4700社、案件紹介数は1万3000件を超えるという。直近売上高は900万円。

ノジマ<7419>、フジ・メディア・HD傘下の通販大手ディノス・セシールから「セシール」事業を取得

ノジマは、Web事業子会社のニフティ(東京都新宿区)を通じて、フジ・メディア・ホールディングス傘下のディノス・セシール(東京都中野区)が展開する「セシール」ブランドの通販事業を取得することを決めた。セシールはシニア女性層を中心にインナー(下着、肌着などの内衣)などの生活用品で知られる老舗通販ブランド。ニフティとの連携によってEC(電子商取引)領域の事業拡大につなげる。

ノジマは、ディノス・セシールが当該事業を分割して設立される新会社の全株式を取得する。取得価額は非公表。取得予定日は2021年3月1日。

ディノス・セシールは2013年、セシール、ディノス、フジ・ダイレクト・マーケティングの通販3社が合併して誕生した。

守谷商会<1798>、子会社のゴルフ事業をノザワワールドに譲渡

守谷商会は、菅平峰の原グリーン開発(長野県須坂市。売上高1億3700万円、営業利益△7830万円、純資産△2億6600万円)が手がけるゴルフ事業を、ノザワワールド(茨城県ひたちなか市)に譲渡することを決めた。非中核事業を切り離し、経営の効率化を進める狙い。

ゴルフ事業を分社して設立する新会社(菅平グリーンゴルフ)の全株式を譲渡する形。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年4月2日。

菅平峰の原グリーン開発は1973年設立で、菅平グリーンゴルフを運営する。しかし、ゴルフ人口の減少や高齢化、競争激化などで業績が低迷していた。同社は今後、特別清算手続きに入る予定。

譲渡先のノザワワールドはゴルフ場・ゴルフ練習場、ホテル、倉庫などを中心に不動産事業を展開する。

キリンホールディングス<2503>、豪州の飲料事業を乳製品大手の現地ベガ・チーズに譲渡

キリンホールディングスは、豪州での飲料事業を現地の乳製品大手ベガ・チーズに譲渡すると発表した。譲渡金額は約409億円(約5億6000万豪ドル)。豪州の飲料事業をめぐっては当初、中国の中国蒙牛乳業に譲渡する予定だったが、豪中関係悪化などを背景に豪当局が認めなかったことから契約を解除し、新たな譲渡先を探していた。譲渡は2021年1~3月に完了する見通し。

譲渡するのは豪子会社ライオン・デアリー・アンド・ドリンクスの全株式。ライオンの飲料事業はキリンが2007年に約2900億円で買収した豪ナショナルフーズを母体とする。近年は業績低迷が続き、昨年10月にチーズ事業をカナダ企業に約224億円で譲渡。残る牛乳、乳飲料、ヨーグルト、果汁飲料などの事業については中国蒙牛乳業に約450億円で譲渡することがいったん決まったものの、豪外国投資審査委員会が承認せず、振り出しに戻っていた。

キリンは今後、オセアニア地域において酒類を主軸に事業展開し、海外クラフトビールや大人向けプレミアム飲料といった成長分野での取り組みを強化する。

デサント、約110人の希望退職を実施へ

デサントは25日、約110人の希望退職者を募集すると発表した。国内事業の構造改革の一環で、正社員・契約社員(ただし、正社員は40歳以上、販売職正社員は含まない)を対象とする。募集期間は2021年1月18日~2月1日。退職日は2021年3月31日。所定の退職金に特別加算金を上乗せ支給し、再就職支援サービスを提供する。

同社は欧米での事業を休止し、日本・韓国・中国の3市場での集中展開を重点戦略とする。売上構成は日本45%、韓国50%で、中国が5%程度。しかし、新型コロナウイルスの影響で各種スポーツイベント、競技会の中止や規模縮小などでスポーツ用品の消費が低迷。巣ごもり需要でネット販売が伸びたものの、実店舗の販売が大きく落ち込んでいる。

2020年4~9月期の半期業績は売上高が前年同期比35%減の428億円、営業赤字24億円(前年同期は26億円の黒字)、最終赤字12億円(同22億円の黒字)。

VTホールディングス<7593>、ホンダ車ディーラーのホンダ四輪販売丸順を子会社化

VTホールディングスは、ホンダ車販売ディーラーのホンダ四輪販売丸順(岐阜県大垣市。売上高36億円、営業利益1億1400万円、純資産5億4400万円)の株式を追加取得し、子会社化することを決めた。現在34%の持ち株比率を66%に引き上げる。岐阜県内での事業強化が狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2021年1月4日。

ホンダ四輪販売丸順は大垣市内で新車3店舗、中古車1店舗を運営する。VTホールディングスは2018年3月、子会社のホンダカーズ東海(名古屋市)を通じて、同社株式の34%を取得し、持ち分法適用関連会社とした。岐阜県内ではPDIセンター(新車納整工場)を共同運営するなどホンダ車販売の強化に向けて協力関係を築いてきた。

アルコニックス<3036>、空調機器向け配管部品メーカーの富士根産業を子会社化

アルコニックスは、空調機器向け配管部品メーカーの富士根産業(静岡県沼津市。売上高27億7000万円、経常利益△2700万円、純資産6億9900万円)を子会社化することを決めた。現在保有する3%を含めて同社株の95%を取得する。残る同社株5%については富士根産業と同業の千代田区空調機器(堺市)に資本参加を求める予定。アルコ二ックスはグループ内で金属加工に関する製販一体の事業体制を整え、グルーバル展開も視野に入れる。

取得価額は3億8600万円。取得予定日は2020年12月3日。

レカム<3323>、回線取次事業などのG・Sコミュニケーションズをライト通信グループに譲渡

レカムは、全額出資子会社のG・Sコミュニケーションズ(東京都渋谷区。売上高5億500万円、営業利益2000万円、純資産8000万円)のNTT回線取次事業を、通信サービス事業を手がけるライト通信(大阪市)に譲渡することを決めた。また事業譲渡後、G・Sコミュニケーションズの全株式をライト通信傘下のアクセスオンライン(東京都豊島区)に売却する。事業の選択と集中の一環。

G・SコミュニケーションはNTT回線取次のほか、プロバイダー事業などを行う。NTT回線取次事業および同社株式の譲渡価額は非公表。株式の譲渡予定日は2020年11月30日。

ゼット<8135>、デサント<8114>傘下のベンゼネラルからスポーツ用品卸販売事業を取得

ゼットは、デサント傘下のベンゼネラル(大阪市)からスポーツ用品卸販売事業を取得することを決めた。仕入れの共通化や営業基盤の強化を通じた事業シナジー(相乗効果)を見込む。対象事業の直近業績は売上高68億1000万円、経常利益100万円。取得価額は未確定。取得予定日は2021年4月1日。

ベンゼネラルは1950年に設立。デサントは同社のスポーツ用品卸売販売事業を切り離し、直営店とEC(電子商取引)ビジネスに経営資源を集中する。

C Channel<7691>、アパレル販売子会社マキシムのベルーナ<9997>への売却を中止

C Channelは24日、アパレル販売子会社(神戸市。売上高56億7000万円、営業利益1億2000万円、純資産3億6100万円)のベルーナへの売却を中止すると発表した。同日付で全株式を16億5000万円で譲渡する予定だったが、最終的なクロージング(取引実行)条件が整わず、契約を解除したという。

KLab<3656>、VCファンド運営子会社のKVPを経営陣に譲渡

KLabは、ベンチャーキャピタル(VC)ファンド運営の100%子会社であるKVP(東京都渋谷区。売上高1億400万円、営業利益3700万円、純資産6100万円)の株式70%を、KVP社長の長野泰和氏に譲渡することを決めた。ゲーム事業とゲーム周辺事業に経営資源を集中する一環。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年12月1日。

KVPは2015年に設立し、インターネット領域でのベンチャー企業を資金面から支援してきた。現在、「KVPシード・イノベーション1号投資事業有限責任組合」など2つの運用ファンドを持つ。

LIXILグループ<5938>、川島織物セルコンを自己株式買い付けに応じて譲渡

LIXILグループは、100%子会社でインテリア・室内装飾織物大手の川島織物セルコン(京都市。売上高296億円、営業利益4億100万円、純資産159億円)の全株式について、川島織物セルコンの自己株式買い取りに応じて譲渡することを決めた。LIXILグループは建材・住設機器の基幹事業への経営資源の集中を進めている。一連の事業構成見直しの一環として、現経営陣によるMBO(経営陣による買収)の申し出を受け入れることにした。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年1月6日。

LIXILグループは2010年に川島織物セルコンの株式34%を第三者割当増資の引き受けで、残る66%を2011年に株式交換で取得し、完全子会社化した。川島織物セルコンは京都銀行による貸し付けと京都企業成長支援ファンドによる社債の引き受けにより調達した資金を原資として自己株式を買い付ける。

三井住友ファイナンス&リース、不動産投資信託運営のケネディクス<4321>をTOBで子会社化

三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は20日、不動産投資信託(J-REIT)運営のケネディクスに対して子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。ケネディクス株式は筆頭株主のシンガポール投資会社が20%強を保有する。SMFLは残る80%の株式をTOBで取得する。買付代金は1319億円。ケネディクスはTOBに賛同している。東証1部は廃止となる見通し。

TOB主体はSMFLが設立したSMFLみらいパートナーズインベストメント2号(東京都千代田区)。ケネディクス株の買付価格は 1株750円で、TOB公表前日の終値593円に26.48%のプレミアムを加えた。買付予定数の下限は所有割合46.4%で、筆頭株主のシンガポール投資会社の保有分と合わせて所有割合が3分の2超となる。

この投資会社はARA REAL ESTATE INVESTORS XVIII(エーアールエー・リアル・エステート・インベスターズ・エイティーン)。SMFLはARAとの間で、ケネディクス株式の約80%を取得したうえで、最終的に両社の所有割合がSMFLが70%、ARA30%となるよう調整することで合意している。

買付期間は11月24日~2021年1月8日(30営業日)。決済の開始日は2021年1月15日。公開買付代理人はSMBC日興証券。

Jトラスト<8508>、グローム・ホールディングス<8938>傘下クラウドファンディング事業のLCレンディングを子会社化

Jトラストは、グローム・ホールディングス傘下でクラウドファンディング事業を手がけるLCレンディング(東京都港区。売上高4億600万円、営業利益2億3400万円、純資産△18億6000万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。取得価額は1万円。取得予定日2020年12月1日。

Jトラストは投資子会社のプロスペクト・エナジー・マネジメント(東京都渋谷区)を通じて、LCレンディングを買収する。LCレンディングは現在、クラウドファンディング事業を停止し、匿名組合出資預かり金はゼロの状況にあるが、投資家への償還を無事に完了しているという。

LCレンディングの子会社化に伴いプロスペクト・エナジー・マネジメントは12月1日に日本ファンディングに社名変更を予定している。

日清食品ホールディングス<2897>、スナック菓子の湖池屋<2226>を子会社化

日清食品ホールディングスは、スナック菓子中堅メーカーで持ち分法適用関連会社の湖池屋(ジャスダック上場)について、株式を追加取得して連結子会社化することを決めた。現在34.54%の持ち株比率を45.12%に引き上げる。菓子事業の強化が狙い。取得価額は22億5500万円。取得予定日は2020年11月27日。

日清食品は2011年5月に湖池屋と業務・資本提携し、商品開発・マーケティング、営業・物流などの分野で協業を進め、社長も派遣する関係にある。連結子会社化によって協業の取り組みをさらに強化する。

じげん<3679>、ベーシックから比較サイト事業を取得

じげんは、メディア事業のベーシック(東京都千代田区)から比較サイト事業を取得することを決めた。じげんは求人・住まい・車などを中心にメディア事業を展開するが、新たに比較サイト領域を取り込む。取得価額は12億5000万円。取得予定日は2020年12月15日。

取得するのは「フランチャイズ比較.net」の名称で展開するフランチャイズ比較サイトのほか、結婚相談所、家庭教師、留学エージェントに関する各比較サイト。対象事業の直近売上高は約10億円。

京阪神ビルディング、ストラテジックのTOBに「反対」表明 

京阪神ビルディングは19日、投資ファンドのストラテジックキャピタル(東京都渋谷区)が同社に対して実施中のTOB(株式公開買い付け)について、反対意見を表明した。これにより、敵対的TOBに発展した。ストラテジックは現在約9%の持ち株比率を約29%に引き上げて発言力を高めることを目的しているが、京阪神ビルは「短期的な利益のみ追求し、中長期的な企業価値向上に資するかどうかは疑問だ」として、株主にTOBに応じないよう要請した。

ストラテジックは1株1900円を提示し、11月5日にTOBを開始した(買付期間は12月17日まで)。これまで京阪神ビルは意見を留保していたが、今回のTOBについて事前通知や連絡がなく一方的なものだとのコメントを発表していた。京阪神ビルは住友系の不動産会社で、関西を中心に事務所ビルや場外馬券場「ウインズ」(5カ所)、データセンター、商業施設などの賃貸事業を展開している。

ストラテジックは今年6月に開かれた京阪神ビルの株主総会に取締役1名の選任や賃貸用不動産の売却などを求める株主提案を行ったが、否決された。ストラテジックは旧村上ファンド出身者が代表を務める。

イワキ、20人の早期退職を募る「セカンドキャリア・セカンドライフ支援制度」実施

イワキは19日、20人の早期退職者を募る「セカンドキャリア・セカンドライフ支援制度」を実施すると発表した。2021年6月に予定する持ち株会社制への移行に向け、人的資源の適正配置を進める一環。募集期間は11月19日~2021年1月31日。退職日は2021年5月31日。特別加算金を支給するほか、必要に応じて再就職支援サービスを提供する。

シチズン時計、子会社で実施した希望退職で予定超える632人応募

シチズン時計は19日、連結子会社のシチズン時計マニュファクチャリング(埼玉県所沢市)で実施した希望退職募集に632人の応募があったと発表した。募集人員は全従業員の約2割にあたる550人としていたが、予定数を大きく上回った。アナログクオーツウオッチ市場の縮小に伴う業績悪化に対応し、人員体制の再構築を目的に10月14日~11月18日に募った。退職日は12月31日付。通常の退職金に加え、転進支援金を上乗せ支給する。

シチズン時計マニュファクチャリングは時計事業の中核子会社。2013年に国内時計生産の事業再編に伴いグループ内の5子会社と関連部門を統合して発足した。近年は手首に装着するウエラブル端末(スマートウオッチ)市場の拡大などを受け、普及価格帯のアナログクオーツウオッチ市場が縮小し、外販用のムーブメント(動作機構)需要も減少が続いている。

クレアホールディングス<1757>、飲食・美容機器事業子会社のアルトルイズムを経営陣に譲渡

クレアホールディングスは、飲食や美容機器事業を手がける100%子会社のアルトルイズム(福島県郡山市。売上高10億6000万円、営業利益1億4900万円、純資産1億3900万円)の全株式を、同社社長の橋本弘氏に譲渡した。19日付。譲渡価額は1億4700万円。

クレアHDは事業多角化の一環として2017年にアルトルイズムを傘下に収めた。しかし、美容機器販売・保守事業は主力取引先との契約解除で業績が伸び悩んだほか、東北地区を中心にラーメン店を展開する飲食事業も新型コロナウイルス感染症の影響で苦戦を強いられていた。

イワキ<8095>、マジェスティゴルフ傘下で健康食品事業のマルマンH&Bを子会社化

イワキは、健康食品事業のマルマンH&B(東京都千代田区。売上高20億4000万円、営業利益8340万円、純資産5億5500万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。健康・美容、食品関連分野におけるダイレクトマーケティング事業拡大などにつなげる。取得価額は10億円。取得予定日は2020年12月中。

マルマンH&Bはゴルフ用品販売大手のマジェスティゴルフ(東京都千代田区)の全額出資子会社。各種サプリメントなど健康食品のほか、禁煙関連商品で知られ、ドラッグストアやコンビニ、ディスカウントストアなどに幅広い販路を持つ。

朝日放送グループホールディングス<9405>、ベストセラーズから月刊誌「歴史人」事業を取得

朝日放送グループホールディングスは、中堅出版社のベストセラーズ(東京都文京区)から月刊誌「歴史人」と付帯事業を取得することを決めた。歴史分野でのブランド力や専門家との強固なネットワークを持つ「歴史人」を、地域活性化に向けた新規事業展開の中核として位置づける。取得価額は非公表。取得予定日は2020年12月1日。

今回、「歴史人」事業を取得するのは朝日放送グループHDが10月末に設立した新会社のABCアーク(東京都港区)。同社は「地域の魅力」をコンテンツ化し、出版やメディア運営、コンサルティングなどを通じて発信することを目的としている。

東京センチュリー<8439>、オートリース事業のフィリピン合弁BPICTを子会社化

東京センチュリーは、フィリピンの合弁リース・ファイナンス会社BPI Century Tokyo Lease & Finance Corporation(BPICT、マニラ)の株式を合弁相手のフィリピン・アイランズ銀行(BPI)から追加取得し、子会社化することを決めた。現在49%の持ち株比率を51%に高める。東京センチュリーは2014年末にBPICTに出資したが、オートリース事業を中心とする協業が着実に進んでおり、経営権の掌握により、事業拡大を加速させる。取得価額、取得日は非公表。

丸文、100人程度の希望退職を実施へ

丸文は17日、100人程度の希望退職者を募ると発表した。単体従業員の約13%にあたる。募集期間は12月23日~2021年1月29日。主要取引先の半導体メーカーによる世界規模の業界再編とともに、エレクトロニクス専門商社に求められる機能・役割が大きく変化する中、人員体制の再構築を通じて早期の業績回復と持続的な成長の実現を期す。

退職日は2021年2月28日付とする。所定の退職金に特別加算金を上乗せ支給し、再就職支援サービスを提供する。

2021年3月期業績予想は売上高6.1%減の2700億円、営業利益45.7%減の12億5000万円、最終利益9億円(前年度は7500万円の赤字)で、売上高は3年連続減少を見込む。営業・最終損益は4~9月期(中間)段階で2年連続の赤字となっているが、通期で黒字浮上を目指している。

アークス<9948>、栃木県を中心に31店舗を展開する地域スーパーのオータニと経営統合へ

アークスは17日、栃木県を中心にスーパーマーケット31店舗を展開するオータニ(宇都宮市)と2021年3月1日に経営統合することで基本合意したと発表した。アークスはグループで北海道・東北を地盤に343店舗を運営する。新型コロナウイルス感染症の拡大で先行きの経営環境が不透明感を増す中、地域スーパーが連携して北海道から北関東地方に続く東日本エリアにおける食品流通企業グループを形成し、大手勢に対応する。

アークスを親会社、オータニを子会社とする予定。ただ、その経営統合の具体的な方法(株式取得、株式交換など)は今後両社で協議する。

アークスは1961年に設立。2020年2月期の業績は売上高5190億円、営業利益121億円、純資産1440億円。一方のオータニは1982年設立で、売上高294億円、営業利益3億2400万円、純資産49億4000万円。

DCMホールディングス、島忠へのTOB期間を10営業日延長

DCMホールディングスは16日、ホームセンター中堅の島忠に対して完全子会社化を目的に10月5日から実施中のTOB(株式公開買い付け)について、同日までとしていた買付期間(30営業日)を12月1日まで10営業日延長すると発表した。島忠がDCMのTOBへの賛成を撤回し、代わってニトリホールディングスの買収提案を受け入れる意向を表明したのを受け、島忠株主にTOB応募への是非を判断する時間を提供する。1株4200円とする買付価格は変更していない。

島忠をめぐっては家具・日用品最大手のニトリホールディングスがDCMを約3割上回る1株5500円の買付価格で16日からTOBを開始した。

プラザクリエイト本社<7502>、子会社で手がける自動証明写真機事業を日本オート・フォートに譲渡

プラザクリエイト本社は、傘下のプラザクリエイト(東京都中央区)が手がける自動証明写真機事業を、同業の日本オート・フォート(東京都港区)に譲渡することを決めた。対象事業(直近売上高6億4300万円)を会社分割して設立する新会社、フォトプラザ(東京都中央区)の全株式を譲渡する形。譲渡価額は9億5000万円。譲渡予定日は2021年2月1日。

譲渡先の日本オート・フォートは英フォトインターナショナルの100%出資子会社で、1963年に設立。日本における自動証明写真機のパイオニアとされる。

セントラルフォレストグループ<7675>、国分フードクリエイトから中部地区の低温食品卸売事業を取得

セントラルフォレストグループは子会社の国分中部(名古屋市)を通じて、酒類・食品卸売りの国分フードクリエイト(東京都中央区)から中部地区における低温食品卸売事業を取得することを決めた。常温・チルド・冷凍一体の体制を整え、3温度帯フルライン機能が備わることで、取引先へのサービスレベル向上を見込む。対象事業の売上高規模は84億円。取得価額は非公表。取得予定日は2021年7月1日。

セントラルフォレストグループは2019年4月、国分中部とトーカンが経営統合して発足した。現在、傘下に事業子会社として国分中部とトーカンを置く。

IMAGICA GROUP<6879>、東北大発ベンチャーのフォトニックラティスを子会社化

IMAGICA GROUPは、東北大学発のベンチャー企業であるフォトニックラティス(仙台市)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。10年以上の共同開発関係にあり、偏光高速カメラ、複屈折マッピング計測装置の製品化を進めてきたが、センシング領域での今後の事業拡大に向けて傘下に取り込むことにした。取得価額、取得日は非公表。

フォトニックラティスは2002年に設立。フォトニック結晶の微細な積層パターンを自在に設計・成膜する技術を持つ。フォトニック結晶は光回路、非可視領域への利用拡大や、計測素子などへの応用が期待されている。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[マッチングサイトを活用したスモールM&A]

~年商1,000万円から2億円までのM&Aの現場から~

第1回:「マッチングサイトを使ったスモールM&A」が活況なワケ~コロナも追い風~

 

〈解説〉

税理士 今村仁

 

 

 

▷売上1,000万円程度からの「スモールM&Aお任せサービス」受付開始!M&A仲介業者への依頼に至らない規模の小さい案件も依頼しやすい手数料で。まずはお気軽にご相談を。

 

(1)4つの数字「381」「127」「650」「22」からみる中小M&Aの今

日本の高齢化率は世界一ですが、同様に中小企業経営者も高齢化しています。具体的な数字を挙げると、全国における事業者数は、会社も個人事業主も含めて約「381」万者。そのうち、経営者の年齢が70歳以上の数は245万者で、そのうち後継者未定の数は「127」万者となっています(2025年予測値)。

 

つまり、日本にある製造業や建設業、飲食店や町のお豆腐屋さんなどすべての事業主のうち、3分の1は、「経営者年齢70歳以上かつ後継者未定」なのです。

 

 

ではこの127万者は、将来どうなるのでしょうか?

 

 

実は、最終的な選択肢は2つしかありません。1つは、「M&Aで第三者承継先に譲渡する」、もう1つは、残念なことではありますが、「廃業」です(親族外の従業員や役員に承継するというのも稀にありますが、単に代表者が変わるだけが大半で、きちんと株主が変わり銀行保証も精算されるケースは極めて少ないです)。

 

さらには、127万者のうち8割である約100万者は、いわゆる中小企業ではなく小規模企業です。小規模企業の場合、M&Aで第三者承継先を探そうとしても、売買対価が低額で十分な手数料が支払えないことから、M&A仲介業者や銀行等に依頼する案件としては相応しくありません。つまり、これまでは、小規模企業の場合は第三者承継先を探そうにも相談者がおらず、結果的に「廃業」しか選択肢がなかったといえます。

 

 

 

この廃業しか選択肢がなかった小規模企業に、「第三者承継」という選択肢を与えてくれるのが、このシリーズの主題である「マッチングサイトを使ったスモールM&A」なのです。

 

 

 

(2)第三者承継支援総合パッケージで「M&Aマッチングサイト」に言及

このまま放置しておくと日本経済に与えるマイナス要素が大き過ぎるため、中小企業庁は、2019年12月20日に、中小企業支援策として、「第三者承継支援総合パッケージ」を発表しました。「第三者承継=M&A」ですから、この資料には親から子へといった従来政府が推し進めてきた「親族内承継」の言葉はありません。親族内承継だけでは、日本経済は救えないと国がはっきりと方針を打ち出したようにも思います。

 

 

では国は、経済的に日本が沈没してしまうのを回避するために、先ほど見た127万者すべてに支援の手を差し伸べてくれるのでしょうか?

 

 

答えは、「ノー」です。昨今政治も新政権に変わり、「自助・公助・共助」を掲げられ、また、政権ブレーンであるイギリス出身日本在住の経営者デービッド・アトキンソン氏の影響も大きく、「廃業止む無し、生産性向上のためM&Aを推進」の方向性のようです。

 

第三者承継支援総合パッケージによると、2025年までに、70歳以上となる後継者未定の中小企業約127万者のうち、黒字廃業の可能性のある約60万者の第三者承継を促すことを目標としています。60万者のM&Aを10年間かけて実現するということですから、1年間で6万者のM&Aを実現させるということです。

 

 

ではこの国の目標に対して、現在、どれくらいのM&Aが行われているのでしょうか?

 

 

実は、公表ベースですが、年間たったの「4,000件」です。毎年増加しているとはいえ、この数字です。年間6万件と比較すると、15倍の開きがあります。これは対面(リアル)で人がいくら頑張っても実現できる数字ではありません。特に、お相手を探してくるというとても時間と費用の掛かる作業を対面(リアル)で行うことを想定すると、どのようなやり方をしようが実現は不可能でしょう。そこで国は、民間プラットフォーマーとの連携など、ネットを使ったM&Aに大きくシフトしていこうとしているのです。

 

国は年間6万件のM&A実現へ向けて、2015年に作成された「事業引継ぎガイドライン」を、マッチングサイトを使ったM&Aや専門家向けへの記述を加え全面改訂し、コロナ禍の最中である2020年3月31日に「中小M&Aガイドライン」を作成公表しました。

 

また、2020年7月には、マッチングサイトを使ったスモールM&A向けといっても過言ではない、「経営資源引継ぎ補助金」が創設され、M&Aにおける着手金や成功報酬に対して最大200万円が支給されることになりました。ちなみにこの補助金は、売り手も買い手も中小企業であれば対象となっています。

 

 

このように、マッチングサイトを使ったスモールM&Aを、あの手この手で国が支援してくれているのが現状なのです。

 

 

(3)意識の変化や金融緩和で案件増加!(コロナも追い風)

スモールM&Aが活況な理由は、他にもあります。現場に出ていて最近特に顕著に感じるのは、売り手や買い手における「意識の変化」です。

 

今どきの売り手では、例えば父親経営者は、たとえ承継候補となる息子や娘がいても、自ら継がそうとしないケースが増えてきました。それこそ一昔前の特に地方では、父親の会社を承継するというのはある種、運命みたいな部分があったかもしれませんが、それを父親自身がストップをかけるのです。

 

しかし自分事としてこの父親経営者のことを想像してみると、納得がいきます。今までそれこそ四六時中仕事のことを考え、時に従業員との確執なども乗り越えてきて、この先この会社を息子に承継させるとなれば、それこそ死ぬまで会社の心配や不安をぬぐうことはできないでしょう。もしこれを第三者に売却(M&A)できれば、老後はゆっくりと趣味や奥様との時間に何の心配もなく過ごすことができます。老後を不安なく自由に暮らしたいと考える父親経営者は、思いのほか増えています。さらにこのコロナで、立ち止まり考える時間も増えたため、コロナがトリガーとなり、M&Aを決心する経営者が増加しているように思われます。

 

 

息子のほうも、田舎にある父親の会社を引き継げといわれても、都会暮らしを手放したくない、妻の反対や子供の学区のこともある、などでM&Aを父親に自ら提案することも多いようです。

 

 

また、買い手においては、特にこのコロナ禍で、従来のような同業種や類似業種へのM&Aだけではなく、全く異なる分野へのM&Aを検討されるケースが増えています。背景にあるのは、事業におけるリスク分散だと考えられます。リスク分散としてのM&Aを考えるとき、いきなり大きな買い物はしにくいですから、「スモールM&A」が向いているのです。他にも、金融緩和で資金が余っていることもM&Aの追い風となっています。

 

 

このような理由により、現在、スモールM&A、特に手軽に始められる「マッチングサイトを使ったスモールM&A」がかつてない活況を見せているのです。

 

 

 

[参考資料]

第三者承継支援総合パッケージ(中小企業庁、2019年12月20日)

https://www.meti.go.jp/press/2019/12/20191220012/20191220012-1.pdf

 

 

 

 

 

 

[解説ニュース]

事業承継税制:三代にわたって贈与税の特例措置の適用を受けた場合

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■事業承継税制:「みなし相続の特例措置」の概要と留意点

■事業承継税制を複数の後継者に適用する場合の留意点

 

 

1.贈与税の特例措置の概要


中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律に規定する「中小企業者」に該当し、かつ、都道府県知事の認定を受けた会社の株式を、令和9年12月31日までに、その会社の代表権を有していた贈与者(先代経営者)から贈与により取得した個人が、その先代経営者の後継者として一定の要件を満たす者(以下「特例経営承継受贈者」)である場合、その者が納付すべき当該株式(一定の部分に限る。以下「特例対象受贈非上場株式等」)に対応する贈与税額の納税が、贈与者の死亡の日まで猶予されます(措法70条の7の5第1項)。これを「贈与税の特例措置」といいます。
贈与税の特例措置の適用を受けることにより納税が猶予された贈与税額は、贈与者の死亡や、特例経営承継受贈者による下記2の「免除対象贈与」等の事由が生じた場合、特例経営承継受贈者が一定の手続をすることにより、その全部又は一部が免除されます(措法70条の7の5同第11項、70条の7第15項)。

 

 

2.特例経営承継受贈者(2代目経営者)が免除対象贈与をした場合の、納税猶予分の贈与税額の免除


上記1の特例経営承継受贈者が、特例経営贈与承継期間*の末日の翌日(原則)以後に、その特例受贈非上場株式等の全部又は一部をその後継者に贈与し、その後継者が贈与を受けたその特例受贈非上場株式等について、贈与税の特例措置の適用を受ける場合は、その特例経営承継受贈者が一定の届出をすることにより、特例経営承継受贈者の納税猶予分の贈与税額(納税猶予期限が一部確定した税額を除く。)のうち、後継者に係る贈与税の納税猶予の適用に係るものに対応する部分の金額に相当する額が免除されます(措法70条の7の5第11項、70条の7第15項3号)。この場合の特例経営承継受贈者による特例対象受贈非上場株式等の贈与を、「免除対象贈与」といいます。

 

*原則、非上場株式の贈与に係る贈与税の申告書の提出期限の翌日から同日以後5年を経過する日までの期間をいいます(措法70条の7の5第2項7号)。

 

 

例えば、1代目経営者から株式を贈与により取得して贈与税の特例措置の適用を受けた2代目経営者(=特例経営承継受贈者)が、特例経営贈与承継期間経過後に、その株式の全部を3代目経営者に贈与し、3代目経営者がその贈与により取得した株式に係る贈与税について贈与税の特例措置の適用を受ける場合、2代目経営者から3代目経営者への株式の贈与は「免除対象贈与」に該当し、2代目経営者が一定の届出をすることにより、納税猶予分の贈与税額が免除されます。

 

 

3.免除対象贈与の後、その贈与者に係る”前の贈与者”が死亡した場合


贈与税の特例措置の適用を受ける特例経営承継受贈者に係る贈与者の贈与が、「免除対象贈与」である場合に、特例経営承継受贈者の死亡の日以前にその贈与者の”前の贈与者”が死亡したときは、特例経営承継受贈者は前の贈与者から特例対象受贈非上場株式等を相続又は遺贈により取得したものとみなされ、贈与者が前の贈与者から贈与を受けた時の価額を基に、相続税が課税されます(措法70条の7の7第2項)。

 

この場合において、贈与税の特例措置の適用を受けた特例対象受贈非上場株式等を、相続又は遺贈により取得をしたものとみなされた特例経営承継受贈者は、一定の要件を満たすことにより、その贈与者の死亡に係る相続税額のうち、その株式等に係る納税猶予分の相続税額について、その特例経営承継受贈者の死亡の日まで納税が猶予されます(措法70条の7の8第1項)。これを「みなし相続の特例措置」といいます。

 

例えば、1代目経営者から贈与により株式を取得して贈与税の特例措置の適用を受けた2代目経営者が、特例経営贈与承継期間経過後に、その株式の全部を後継者である3代目経営者に贈与し、3代目経営者が特例経営承継受贈者としてその贈与により取得した株式に係る贈与税につき贈与税の特例措置の適用を受けた場合、2代目経営者から3代目経営者への株式の贈与は「免除対象贈与」に該当します。この場合の「前の贈与者」とは、特例対象受贈非上場株式等の免除対象贈与をした者(2代目経営者)に対し、その贈与の前にその株式の贈与をした者、すなわち1代目経営者が該当します(措法70条の7の7第2項、第1項、同政令40条の8の5第4項、40条の8第5項2号)。

 

したがって、1代目経営者(=前の贈与者)の死亡により、3代目経営者(=特例経営承継受贈者)は、特例対象受贈非上場株式等を、1代目経営者から相続又は遺贈により取得したものとみなされ(措法70条の7の7第2項)、3代目経営者に対し1代目経営者に係る相続税が課税されます。この場合、1代目経営者から3代目経営者が取得したものとみなされた特例対象受贈非上場株式等に係る相続税の額について、一定の要件を満たすことにより、「みなし相続の特例措置」の適用を受けることができます。

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/11/25)より転載

[M&A案件情報(譲渡案件)](2020年11月25日)

-以下のM&A案件(1件)を掲載しております-

 

●クリエイティブなDX支援のシステム開発に定評のある企業

[業種:システム(Web、スマホアプリ等)開発/所在地:関東地方]

 

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-

(お問い合せ・ご相談は「無料会員登録」が必要です)

 


案件No.SS006033
クリエイティブなDX支援のシステム開発に定評のある企業

 

(業種分類)IT・ソフトウェア

(業種)システム(Web、スマホアプリ等)開発

(所在地)関東地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)自社システム開発事業とSES事業をメインに行っている。

 

 

〔特徴・強み〕

◇システム・アプリ開発、UX/UIデザイン、マーケティングまでDX推進に関するビジネスをすべて当社のみで包括的に対応可能。
◇社長がエンジニア出身のためこれまでの常識にとらわれることなく、新たな方法がないか常に検討する社風があり、チャレンジ精神も旺盛。
◇昨今の「新しい日常」に対応すべく、新たなビジネスを展開予定。

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-


情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

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[経営企画部門、経理部門のためのPPA誌上セミナー]

【第11回】PPAプロセスの具体例とは?-設例を交えて解説ー

 

 

〈解説〉

株式会社Stand by C(大和田 寛行/公認会計士・税理士)

 

 

▷第8回:PPAにおいて認識される無形資産の経済的対応年数とは?

▷第9回:PPAで使用する事業計画とは?

▷第10回:PPAの特殊論点とは?ー節税効果と人的資産ー

 

 

 

当連載では,前回まで10回に渡ってPPAにおいて基礎となる考え方や認識プロセス及び測定プロセスにおける前提条件や算定方法等について解説を行ってきました。第11回は,それらの論点について具体的な設例を用いて解説を行います。

 

 

【設例】

X0年12月31日にX社がY社の全株式を3,000百万円で購入した。X社はもともと消費財のメーカーであるが,OEMでの受託生産のみを行っており,自社で商品を販売するブランドも流通網も有していなかった。そこで,X社は高い知名度を持つブランド「Z」(日本において商標登録されている)を保有し,それを販売する小売店への流通網を持った国内のY社を買収することとなった。なお,X社の会計基準は日本基準である。また,クロージング日はX0年12月31日であるため,評価基準日をX0年12月31日とする。事業計画は図表1の通りである。

 

 

【図表1】事業計画と株式価値

 

 

1.算定手順の解説

(1)無形資産の認識

 

まず,認識すべき無形資産の検討を行います。本設例の場合,買収対象のブランドは高い知名度を持ち,かつ商標登録もされていることから分離して譲渡可能という無形資産認識の要件を満たすと考えられます。さらに,流通網についても対象会社にとっての顧客である小売業者との取引関係が顧客資産として無形資産の認識要件を満たすと考えられます。以上から,認識される無形資産は商標権(ブランド)と顧客資産の2点となります。

 

 

(2)クロージングB/Sの確認(図表2)

 

次に,クロージング日時点のB/Sにおける運転資本,固定資産,投資等の残高を確認します。

本設例では下記のとおりとなります。

 

運転資本=現預金50+売上債権700‐仕入債務550=200

固定資産=1,200

投資等=300

 

 

【図表2】クロージングB/S(単位:百万円)

 

 

ここで確認した運転資本及び固定資産の金額は,無形資産測定の際,超過収益法におけるキャピタルチャージの計算にも使用されます。

 

また,この段階で無形資産認識前の広義ののれんが2,346百万円となることを確認します。

 

 

(3)採用する事業計画及びWACCの決定

 

無形資産を測定するために採用する事業計画の検討を行います。事業計画が複数ある場合は,一般的な市場参加者からみて最も合理的と考えられる事業計画を採用することに留意します。

本設例においては,株式の取得価額3,000百万円をサポートする事業計画(図表1)を採用します。

 

通常,WACCは買収検討段階の株式価値算定時に用いられた割引率や,投資案件の想定IRR(内部収益率)を勘案して設定されます。本設例では,株式取得価額3,000百万円のベースとなる事業計画上のWACCである10%を採用します。

 

 

(4)各資産の期待収益率の仮設定

 

採用する事業計画とWACCが決まったら,WARAがWACCと整合するように各資産の期待収益率を設定します。通常の実務では,B/Sの資産・負債残高や無形資産の測定値等が変わる度にWARAが変動し,その都度資産の期待収益率を調整していく作業が必要となります。

本設例では,運転資本,固定資産,商標権,顧客資産,のれんの期待収益率を下記のとおりとします。

 

 

 

(5)無形資産の測定

①商標権(図表3)

ここから,無形資産の測定プロセスに移ります。本設例の商標権は,インカム・アプローチの代表的手法であるロイヤリティ免除法により測定を行います。

 

【前提条件】

・ロイヤリティレート:3%

・商標は日本で登録されており,クロージング時点の残存保護期間は5年,今後1回の更新が見込まれている。日本における商標権の法的保護期間は10年である。

・商標権の税務上償却期間は10年である。

・事業計画期間経過後売上高は毎期1%増加するものとする。

 

 

以上を織り込んだ計算過程が図表3です。経済的耐用年数は残存保護期間に更新後の保護期間10年を加えた15年としています。

 

 

【図表3】商標権の評価

 

 

②人的資産の算定(図表4-1及び4-2)

顧客資産の測定の前に人的資産の算定を行います。現在と同規模の100名の人員を再雇用し教育訓練を行うと仮定した場合のコストに基づいています。

 

実務上,人的資産の期待収益率はのれんの期待収益率もしくはWACCとされることが多いです。

本設例では,のれんの期待収益率である13%としています。

 

 

【図表4-1】人的資産の見積り(節税効果考慮前)

 

 

【図表4-2】償却による節税効果の計算

 

 

③顧客資産の測定(図表5)

最後に超過収益法により顧客資産の測定を行います。経済的耐用年数については,取引実績等に基づき8年で顧客が入れ替わる想定を置き,減少率12.5%(1/8年)を用いています。

 

なお,複数の無形資産を認識する場合には,無形資産相互の関係性や事業への貢献度合について検討し,測定に反映することが必要となります。

本設例では,商標権(ブランド)の貢献が基礎にあり,その上で顧客資産の構築・維持が行われてきたものとの考えに立ち,顧客資産の測定上,商標権へのキャピタルチャージを行っている点にご留意ください。

 

④測定結果の確認(図表6及び7)

以上の測定結果をまとめたものが図表6及び7です。図表6において,各資産の期待収益率,WARA及びWACCの関係性について再度ご確認ください。また,図表7において,無形資産が計上される場合,会計上の一時差異に該当し,繰延税金負債が計上され,同額ののれんが増加する点についてご留意ください。

 

 

【図表5】顧客資産の評価

 

 

【図表6】WARAとWACC

 

 

【図表7】PPAの結果

 

 

2.まとめ

今回解説した設例では,実務でも非常に多くみられる商標権及び顧客資産が計上される例を取り上げました。数値や前提条件については可能な限り簡素化に努めましたが,無形資産の算定手順についてご理解頂けたでしょうか。

 

次回(最終回)は,PPAにおける実務上のポイントについて解説します。

 

 

—本連載(全12回)—

第1回 PPA(Purchase Price Allocation)の基本的な考え方とは?

第2回 PPAのプロセスと関係者の役割とは?

第3回 PPAにおける無形資産として何を認識すべきか?
第4回 PPAにおける無形資産の認識プロセスとは?
第5回 PPAにおける無形資産の測定プロセスとは?
第6回 PPAにおける無形資産の評価手法とは?-超過収益法、ロイヤルティ免除法ー
第7回 WACC、IRR、WARAと各資産の割引率の設定とは?
第8回 PPAにおいて認識される無形資産の経済的対応年数とは?
第9回 PPAで使用する事業計画とは?
第10回 PPAの特殊論点とは?ー節税効果と人的資産ー
第11回 PPAプロセスの具体例とは?-設例を交えて解説ー
第12回 PPAを実施しても無形資産が計上されないケースとは?

 

 

 

 

 

 

 

[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「父から相続した建物を父の事業に従事していた者に低額譲渡した事例に対するみなし贈与課税の適用について」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】事業を譲り受けた場合に営業権の計上について

■【Q&A】事業譲渡により移転を受けた資産等に係る調整勘定

 

 

 


[質問]

個人で診療所を経営している甲医師(以下「甲」という)は、甲の叔父が所有している土地を賃貸借契約して賃借し、その土地に建物を建て、診療所を経営していました。土地の賃貸料は安く相当の地代に満たないそうです。

 

甲は2月に病気になり入院したため休診にしていましたが、病気が完全に治るという可能性がないこと、また甲の子も医師ですが、甲の診療所を利用して開業する意思がないため、甲は廃業して建物を解体する予定でした。しかし4月に病状が急変し死亡しました。

 

相続人になる甲の子(以下「乙」という)も、建物を解体しようと考えていましたが、甲の診療所に勤務している従業員の子で、他の病院に勤務している勤務医がおり、従業員と勤務医をしている子が乙に診療所を承継したい旨を話すと、乙も快諾しました。乙としても建物を解体しても費用がかかること、また廃業するためにはいろいろな面倒な手続きがあること、また承継を望んでいる従業員の子の開業の助けになればと考えたそうです。

 

診療所の建物は、診療所専用で鉄筋造りの2階建てで、総床面積は600㎡です。入院設備はありません。

 

建物の固定資産償却額は6,000万円ですが、乙は診療所を承継してもらえるならと500万円で譲る考えです。

 

乙に対しては建物の相続税評価額6,000万円に対して、また借地権に対して相続税が課税されますがその課税については了解しています。

 

500万円という値段については、甲が生前に入院中、他人からもし診療所を廃業して建物を売却する考えがあれば500万円で売ってほしいという話がもとになっているようです。

 

この建物を有効に活かせる人から見れば3,000万円あるいは4,000万円の値段がつくかもしれません。

 

乙と従業員は親族関係にはなく他人のため、固定資産税評価額6,000万円の建物と借地権を500万円で売却しても従業員に対してみなし贈与は発生しないと考えますが、いかがでしょうか。

 

また、みなし贈与以外に何か課税上問題が発生するでしょうか。

 

なお、建物の帳簿価額は6,400万円です。

 

[回答]

ご照会の事案は、相続人乙が被相続人甲から相続により取得する建物を低額譲渡した場合において譲受人に対してみなし贈与課税の適用があるかどうかを問題としております。

 

ご照会では、乙と譲受人との間に親族関係はなく他人であるところからみなし贈与課税の適用はないと結論しております。

 

事実関係について建物の価額など詳細に示されていますが、ご照会の事案の検討に当たっては次に挙げる事項について事実関係を明らかにする必要があるのではないかと思われます。

 

① 甲は診療所の建物(以下、「A建物」といいます。)の敷地として甲の叔父の土地(以下、「B土地」といいます。)を賃借しておりましたが、A建物に係るB土地の借地権はどのように取り扱われていたか。

 

② A建物を譲り受けるのは甲の診療事業に従事していた従業員(以下、「丙」といいます。)または丙の子(以下「戊」といいます。)の何れか。

 

ご意見では、A建物の価額について固定資産税評価額、相続税評価額などを取り上げたうえで500万円という価額に至った経緯などを基に、乙と丙との身分関係などに照らしてみなし贈与課税の要件を欠くのではないかと結論しておられます。

 

しかしながら、上記の「①」で取り上げたところにより譲渡資産として取引される資産がA建物に加えてB土地の借地権も含まれるとすると、取引される資産の価額と対価の開差は大きく異なる見解も考えられるのでにわかにご意見に頷けないものがあります。

 

上記の「②」はA建物が診療所専用であるということからすると、医師である戊が譲り受けることには理解できますが、医師の資格を有しない丙が譲り受けることには素直に理解できないものがあります。

 

ご照会のおたずねでは、乙と丙との間に親族関係が存しないことを大きな要素としておりますが、固定資産税評価額との比較において取引価額に大差が存する事実からするとご意見によることは難しいのではないかと考えます。

 

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2020年6月15日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。

 

 

 

 


[業界別・業種別 M&Aのポイント]

第7回:「産業廃棄物処理業のM&Aの特徴や留意点」とは?

~収集運搬業者か処分業者か?許認可、設備、人材は?社内管理体制は?法改正は?~

 

〈解説〉

公認会計士・中小企業診断士  氏家洋輔

 

 

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Q、産業廃棄物処理業のM&Aを検討していますが、産業廃棄物処理業M&Aの特徴や留意点はありますか?


廃棄物は、産業廃棄物と一般廃棄物に分けられ、産業廃棄物は特別管理産業廃棄物等、一般廃棄物は事業系一般廃棄物、家庭廃棄物等それぞれ細分化されます。

 

 

 

 

 

 

産業廃棄物処理業は、大きく「収集運搬業」「中間処理業」「最終処分業」に分けられ、各業態でも例えば収集運搬業は、運搬する廃棄物の種類によって細かく細分化されます。一般家庭ゴミの収集運搬にしても、生ゴミ(可燃ゴミ)・プラスチック包装容器・缶瓶ペットボトル・紙・布・粗大ゴミと収集運搬業者はそれぞれ違います。

 

 

 

 

収集運搬業は排出元と処分場の両方の区域の許可を取得する必要があります。積替保管とは、排出元と処分場の間に廃棄物を一時的に保管する施設を設置し、そこを経由して処分場へ運ぶことを言います。積替保管なしの場合、排出元から処分場に直行する必要がありますが、積替保管ありの場合は一定量蓄積してから運搬するなど輸送効率の向上が可能となります。対象となる廃棄物の保管基準を満たす必要があり、許可取得難易度は積替保管なしと比較し高くなります。

 

中間処理では、埋立処分等の最終処分前に、生活環境保全上支障を生じないように、破砕、焼却、脱水、中和による減量・減容化、安定化、無害化を行います。

 

最終処分では、原則最終処分場への埋立処分により行われます。最終処分場は対象となる産業廃棄物により3タイプに分かれます。

 

●安定型最終処分場……処分対象:安定型産業廃棄物(廃プラスチック類、ゴムくず、がれき類、金属くず、ガラス・陶磁器くず、環境大臣が指定する産業廃棄物)

●遮断型最終処分場……処分対象:有害物質を含む特別管理廃棄物

●管理型最終処分場……処分対象:①、②以外の産業廃棄物

 

 

M&Aを検討している場合に、対象企業の産業廃棄物処理業が「収集運搬業」なのか、「中間処理業」なのか、「最終処分業」なのかを把握しましょう。一般的に「収集運搬業」よりも「中間処理」や「最終処分」業者の方が設備や埋め立てのための土地等を保有することから規模が大きく、参入障壁が高いことから利益率は高くなる傾向にあります。

 

また、産業廃棄物処理業特有の論点として、不法投棄の問題があります。不法投棄防止のために産業廃棄物管理表(マニフェスト制度)が導入されており、マニフェスト制度に沿った対応が必要となります。

 

 

産業廃棄物処理業のM&Aを検討する場合、収集運搬業者か処分業者か、また所有する許認可、設備、人材等について確認をする必要があります。どの業界向けの産業廃棄物を処理できるのか等の能力を確認しましょう。

 

また、社内管理体制の整備、マニフェスト(産業廃棄物管理表)の適切な処理ができているか、不法投棄を行ったり、近隣住民とトラブルを起こしたりしていないかを把握する必要があります。また、法改正の影響を受けやすい業界であるため、法改正の動向も確認しておく必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[M&A案件情報(譲渡案件)](2020年11月17日)

-以下のM&A案件(5件)を掲載しております-

 

●優良取引先を有する建設業。分譲マンションの新築工事等、幅広く手掛けている。

[業種:建築業/所在地:関西地方]

●地元に根差し、ホテルやレストラン等の複合施設を運営

[業種:ホテル、飲食店 他/所在地:四国地方]

●【好立地/高収益】保険ショップ運営会社

[業種:保険代理店/所在地:中国地方]

●【好立地】新幹線停車駅から徒歩圏内。宴会、会合設備を有す老舗温泉旅館。

[業種:旅館、ホテル/所在地:中部地方]

●高収益体質の動画制作会社。財務内容良好。

[業種:動画制作業/所在地:関東地方]

 

 

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案件No.SS006376
優良取引先を有する建設業。分譲マンションの新築工事等、幅広く手掛けている。

 

(業種分類)建設・土木

(業種)建築業

(所在地)関西地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)分譲マンションの新築工事を主に手掛ける建築業者。

 

〔特徴・強み〕

◇優良な取引先を有しており、毎期安定した受注を確保。売上・利益共に堅調に推移。
◇経審は同地区でトップクラス。
◇一級建築士や一級施工管理技士など有資格者も多数在籍。

 

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案件No.SS006073
地元に根差し、ホテルやレストラン等の複合施設を運営

 

(業種分類)ホテル・旅館業

(業種)ホテル、飲食店 他

(所在地)四国地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)100名超

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)ホテルやレストラン等の複合施設を運営

 

〔特徴・強み〕

◇好立地に所在しており、地元住民だけでなく県外からの観光客やビジネスパーソンにも数多く利用されている
◇複合施設を展開しており、子供からお年寄りまで幅広い客層に対応している
◇施設は随時改装を実施しており、リニューアル効果が期待できる

 

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案件No.SS005503
【好立地/高収益】保険ショップ運営会社

 

(業種分類)金融・リース

(業種)保険代理店

(所在地)中国地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)生命保険代理店業

 

〔特徴・強み〕

◇来店型保険代理店を3店舗運営する。
◇好立地の大型ショッピングモール内で運営し、今後も需要は底堅い。
◇毎期高収益を確保している。

 

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案件No.SS005275
【好立地】新幹線停車駅から徒歩圏内。宴会、会合設備を有す老舗温泉旅館。

 

(業種分類)ホテル・旅館業

(業種)旅館、ホテル

(所在地)中部地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)業歴60年超の老舗温泉旅館。

 

〔特徴・強み〕

◇新幹線駅徒歩圏内の好立地
◇観光客の他、長年地域の法人・個人の会合、宴会需要に対応
◇業態変更を含め幅広く検討可能

 

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案件No.SS003552
高収益体質の動画制作会社。財務内容良好。

 

(業種分類)娯楽・スポーツ

(業種)動画制作業

(所在地)関東地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)50~100名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)増収傾向にある動画制作会社。 実質営業利益は約1.8億円。 更なる成長のため譲渡を検討中。

 

〔特徴・強み〕

◇コロナウイルスによる業績の影響は受けていない。
◇高品質な映像を作ることに強みを保有。
◇実質無借金経営。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

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[中小企業経営者の悩みを解決!「M&A・事業承継 相談所」]

~M&Aで会社や事業を売却しようとご検討の中小企業経営者におすすめ~

 

第3回:自社の売却を検討していますが、家族や従業員には伝えづらいです。どのように伝えればよいのでしょうか?

 

 

〈解説〉

株式会社ストライク

 


M&A(合併・買収)仲介大手のストライク(東証一部上場)が、中小企業の経営者の方々の事業承継やM&Aの疑問や不安にお答えします。

 

 

▷関連記事:取引先に知られないように会社を譲渡することはできますか?

▷関連記事:「M&Aの概要」「M&Aの流れと専門家の役割」を理解する

▷関連記事:事業が健全かそうでないかの判別~経営分析とは?非数値情報分析とは?健全性のチェック方法は?~

 

 

Q.自社の売却を検討していますが、家族や従業員には伝えづらいです。どのように伝えればよいのでしょうか

 

北海道で従業員20人の広告代理店を営んでおります。65歳を越えて体調の不安を感じるようになっていた折に、セミナーで事業承継型M&Aの話を聞きました。弊社も後継者がいませんので、会社の譲渡によって後継者問題を解決できないかと考えております。

 

心配なのは妻や従業員達の反応です。妻は私の引退により資金面での不安を感じるかもしれません。また、苦楽を共にしてきた従業員達からは、私が皆を裏切ったと受け止められてしまうかもしれません。反対が予想される中で、他の経営者の方々はどのように対応・解決されたのでしょうか。

 

(北海道 広告代理店 S.Aさん)

 

 

A.タイミングとポイントを押さえた説明をすれば理解を得られることは多いです。

 

日本の企業経営で「信頼関係」や「情」は重要な要素です。M&Aに際して、ご家族や従業員、そして取引先の反応を心配される経営者の方は多いですが、タイミングとポイントを押さえてきちんと説明すれば、周囲の理解は得られるものです。ケース・バイ・ケースですが、今回はよくお伝えする内容をご紹介します。

 

M&Aを進めるうえで最も重要なことは「契約を締結するまでは極秘で進める」ことです。従業員にも取引先にも最終契約締結後に知らせるのが基本です。事業承継型の友好的なM&Aであっても、詳しくない従業員はM&Aと聞くだけで「身売り」「リストラ」などを想起し、漠然とした不安を感じるものです。こうした不安が従業員から取引先に伝わり、場合によっては従業員の退職などによる企業価値の毀損を招きかねません。取引先との関係が悪くなることも企業価値を毀損することになりかねません。

 

ご家族、特に奥様の年齢が比較的若い場合、収入がなくなることによる老後の不安が生じてしまうことがあります。経営者の年齢や健康状態にもよりますが、M&Aに際しては、負債をご家族に相続させないようにしたり、それを正確に伝えたりすることが重要です。

 

 

 

 

 

 

 

[M&Aニュース](2020年11月2日〜11月13日)

◇阿波銀行<8388>、証券口座に関する権利義務、◇ディア・ライフ<3245>、NFCホールディングス<7169>傘下で人材派遣の新会社を子会社化、◇常磐開発<1782>、MBOで株式を非公開化、◇オープンハウス<3288>、投資用マンション事業のプレサンスコーポレーション<3254>をTOBで子会社化、エル・ティー・エス<6560>、システム開発のソフテックを子会社化、◇スプリックス<7030>、大学受験指導の湘南ゼミナールを子会社化、◇うるる<3979>、出張撮影マッチングサービスのOur Photoを子会社化、◇日本フェンオール<6870>、消防・防災機器メーカーのシバウラ防災製作所を子会社化、◇システムソフト<7527>、APAMAN傘下でレンタルオフィス事業のfabbitを吸収合併、◇三光合成<7888>、ヤマト・インダストリー傘下のHMヤマトから射出成形・加工事業を取得 ほか

 

 

 

 

阿波銀行<8388>、証券口座に関する権利義務を野村証券に譲渡

阿波銀行は、登録金融機関業務にかかる顧客の証券口座に関する権利義務を会社分割により野村証券に譲渡することを決めた。顧客口座の管理全般や営業に関する後方支援などを野村証券が担当し、勧誘・販売・フォローなどを阿波銀行が担当することで、役割分担を明確化し、効率的な運営体制を整える。分割する対象事業の直近売上高は8億6300万円。譲渡予定日は2021年6月21日。譲渡に伴う対価の交付はない。

ディア・ライフ<3245>、NFCホールディングス<7169>傘下で人材派遣の新会社を子会社化

ディア・ライフは、ジャスダック上場で保険サービス事業などを手がけるNFCホールディングスが全額出資で設立予定の新会社DLXホールディングス(東京都新宿区)の株式51.22%を第三者割当増資の引き受けを通じて取得し、子会社化することを決めた。コールセンターによる保険契約の取次業務を担う人材派遣事業を取り込むのが狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2021年1月8日。

NFCホールディングスは子会社のN-STAFF(東京都豊島区。売上高7億1400万円、営業利益2900万円)を通じてコールセンターに特化した保険契約取次の専門派遣を展開している。ディア・ライフが今回子会社化するDLXホールディングスはN-STAFFを傘下に置くための持ち株会社として設立される。

ディア・ライフは主力の不動産事業とともに不動産業界向け人材派遣を手がけている。

常磐開発<1782>、MBOで株式を非公開化

常磐開発は13日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。同社会長の佐川藤介氏が設立したエタニティ(福島県いわき市)がMBOを目的とするTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株式の取得を目指す。常磐開発はTOBに賛同している。主力の建設事業を取り巻く経営環境が厳しくなる中、環境関連をはじめ新規分野への展開など抜本的な構造改革を進めるためには短期的な業績や株価動向にとらわれない体制づくりが必要と判断した。

常磐開発はジャスダック上場。エタニティによる買付価格は1株につき7800円で、TOB公表前日の終値5900円に32.2%のプレミアムを加えた。買付予定数(78万3966株)の下限は所有割合66.67%にあたる52万2700株に設定した。買付代金は61億1493万円。常磐開発の筆頭株主で株式12.76%を保有する常磐興産(東証1部)はTOBに応募する契約を結んだ。

買付期間は11月16日~12月28日。公開買付代理人はみずほ証券。決済の開始日は2021年1月6日。

常磐開発は1960年に常磐興産の前身である常磐炭礦の磐城砿業所から土建、開削、ボーリング部門などが分離・独立して発足した。

オープンハウス<3288>、投資用マンション事業のプレサンスコーポレーション<3254>をTOBで子会社化

オープンハウスは13日、投資用マンション事業を手がけるプレサンスコーポレーションに対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。オープンハウスはプレサンス株式を31.82%保有する筆頭株主。TOBを通じて株式を追加取得し、持ち株比率を最大62.49%に引き上げを目指す。プレサンスはTOBに賛同している。同社の東証1部上場は維持される見通し。

買付価格は1株につき1850円で、TOB公表前日の終値1583円に16.87%のプレミアムを加えた。買付予定数の上限(1988万1500株、所有割合30.68%)を超える応募株式は買い付けを行わない。買付代金は最大367億8077万円。買付期間は11月16日~2021年1月14日。公開買付代理人はSMBC日興証券。決済の開始日は2021年1月20日。

プレサンスは1997年に大阪市で設立。関西圏を地盤に投資用マンションの開発分譲を展開し、ファミリーマンションも手がける。2007年に東証2部に上場し、2013年に東証1部に昇格した。

しかし、2019年12月にプレサンスの創業者で前社長の山岸忍氏が業務上横領の容疑で逮捕される事態が起きたことから、早期の信用回復の一環として、2020年4月にオープンハウスと資本業務提携した経緯がある。これに伴い、オープンハウスはプレサンスを持ち分適用関連会社とした。

新型コロナウイルス感染症の拡大で経営環境が厳しさを増す中、資本関係をさらに強化する必要があるとして子会社化に踏み込む。

エル・ティー・エス<6560>、システム開発のソフテックを子会社化

エル・ティー・エスは、コンピューターシステム開発のソフテック(静岡県長泉町。売上高6億8400万円、営業利益4050万円、純資産8690万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。静岡・東海エリアでの事業拡大とともに、新型コロナによって進展するリモートワークなどに必要なシステム整備・運用支援ニーズへの対応を強化する。取得価額は1億6800万円。取得予定日は2020年12月3日。

スプリックス<7030>、大学受験指導の湘南ゼミナールを子会社化

スプリックスは、学習塾運営の湘南ゼミナール(横浜市。売上高143億円、営業利益7090万円、純資産15億3000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。湘南ゼミナールが持つ大学受験指導ノウハウを取り込み、小学生から大学受験に向かう高校生まで幅広い年代層に対応したサービス展開につなげる。取得価額は45億4500万円。取得予定日は2020年12月25日。

湘南ゼミナールは1979年に創業。2007年からはスプリックスが展開する個別指導「森塾」などのフランチャイズ運営にも乗り出した。現在、神奈川県を中心に1都8県で266教室を運営する。

うるる<3979>、出張撮影マッチングサービスのOur Photoを子会社化

うるるは、出張撮影マッチングサービスを展開するOur Photo(東京都千代田区。売上高1億2300万円、営業利益△800万円、純資産400万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。うるるが手がける幼稚園・保育園向け写真販売システム「えんフォト」との連携を進め、事業拡大を目指す。取得価額は2億3000万円。取得予定日は2020年12月中。

Our Photoは、写真を撮ってもらいたい依頼者と登録写真家をマッチングすることで、依頼者はニューボーン(新生児)フォト、お宮参り、七五三、成人式といった特別な日などの写真を気軽に残すことができるサービスを手がける。

日本フェンオール<6870>、消防・防災機器メーカーのシバウラ防災製作所を子会社化

日本フェンオールは、消防・防災機器メーカーのシバウラ防災製作所(長野県松本市。売上高32億円、営業利益3億5100万円、純資産16億1000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。日本フェンオールが主力とするガス消火装置など既存事業との親和性が高く、相乗効果が見込めると判断した。取得価額は非公表。取得予定日は2021年1月5日。

日本フェンオールの長野

システムソフト<7527>、APAMAN傘下でレンタルオフィス事業のfabbitを吸収合併

システムソフトは、APAMAN傘下でコワーキングスペース・レンタルオフィス運営を手がけるfabbit(東京都千代田区。売上高13億1000万円、営業利益△1億1300万円、純資産1億6200万円)を吸収合併することを決めた。fabbitはIT分野の技術・アイデアの事業化支援を目的に、国内外46カ所に施設(提携先を含む)を展開し、デジタル関連企業を含めて1万人を超える会員を持つ。システムソフトは自社のシステム開発領域との相乗効果が期待できると判断した。合併予定日は2021年1月1日。

合併比率はシステムソフト1393:fabbit1で、fabbit1株に対してシステムソフト株1393株を割り当てる。

三光合成<7888>、ヤマト・インダストリー傘下のHMヤマトから射出成形・加工事業を取得

三光合成は、ヤマト・インダストリー傘下のHMトヤマ(群馬県伊勢崎市)から射出成形・加工事業を取得することを決めた。群馬県内での生産拠点確保の一環で、新たな商圏開拓を目指す。当該事業の直近業績は売上高13億1000万円、営業赤字6700万円。取得価額は非公表。取得予定日は2021年3月31日。

藍沢証券<8708>、あけぼの投資顧問を子会社化

藍沢証券は、あけぼの投資顧問(東京都千代田区)の株式73.75%を取得し、12月8日付で子会社化することを決めた。そのうえで、藍沢証券子会社のあすかアセットマネジメント(東京都千代田区)が2021年2月1日付で、あけぼの投資顧問を吸収合併する。運用体制を強化し、国内外の機関投資家をはじめ様々な投資家ニーズに対応する。

株式の取得価額は非公表。あすかアセットマネジメントとあけぼの投資顧問の合併比率は1:13.453。

ムーンバット、40人程度の希望退職者を募集

ムーンバットは12日、40人程度の希望退職者を募ると発表した。国内子会社を含めて45歳以上の社員・嘱託社員(販売職を除く)を対象とし、募集期間は12月14日~25日。募集人員は全社員の約15%にあたる。

洋傘を主力にスカーフや毛皮、宝飾品など服飾雑貨を取り扱うが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出の抑制に個人消費が急激に冷え込み、主力販路の百貨店や直販店舗での休業などで業績が悪化。抜本的な固定費削減による収益改善に向け、営業拠点の集約を合わせ、人員体制を見直す。

退職日は2021年3月10日。所定の退職金に加え、特別割増退職金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

サイネックス<2376>、システム開発のベックを子会社化

サイネックスは、システム開発のベック(大阪市)の全株式を取得し子会社化した。12日付。システム開発を内製化し、eコマース系など各種ICT(情報通信)サービスの価格競争力向上につなげる。取得価額は非公表。

ベックは1997年に設立。WindowsやLinuxなどオープン系の開発のほか、米ヒューレット・パッカードの無停止型サーバーの開発・保守を手がけている。

カクヤスグループ<7686>、業務用酒類販売のダンガミを子会社化

カクヤスグループは、業務用酒類販売のダンガミ(福岡市。売上高78億8000万円、営業利益2億1500万円、純資産15億1000万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。「カクヤスモデル」と呼ばれる酒類販売モデルの地方展開の第二弾。カクヤスは今年5月に同じく福岡市にある酒類販売のサンノーを傘下に収めており、これに次ぐ。取得価額は21億4600万円。取得予定日は2020年12月1日。

ダンガミは1967年に設立し、福岡、長崎の両県で業務用酒販店を展開し、小売り直営店舗も福岡市内を中心に10店舗を手がける。カクヤスはダンガミを足がかりに、他の九州地方への展開を視野に入れる。

近鉄グループホールディングス<9041>、製造業向け作業台、ツールワゴン販売のサカエを子会社化

近鉄グループホールディングスは傘下企業を通じて、製造現場で使われる作業台やツールワゴンなどの工業用金属製品を販売するサカエ(大阪市。売上高169億円、純資産124億円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。モノづくり分野の販売チャンネルを取り込み、B2B(事業者間)取引の事業拡大を目指す。サカエは1961年に設立。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月1日。

テレビ朝日ホールディングス<9409>、テレビ通販強化へ商品企画・開発のイッティを子会社化

テレビ朝日ホールディングスは、商品企画・開発のイッティ(東京都渋谷区。純資産10億5000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。テレビ放送と連携した通販事業の拡大の一環。取得価額は非公表。取得予定日は2020年11月中。

TOKAIホールディングス<3167>、ビルメンテナンス事業のイノウエテクニカを子会社化

TOKAIホールディングスは、静岡県東部でビルメンテナンス事業を展開するイノウエテクニカ(静岡県沼津市)の全株式を取得し子会社化した。同県内でのビルメン事業の拡大が狙い。取得価額は非公表。取得日は2020年11月6日。

TOKAIはLPガス・宅配水事業を中心に、建築、設備工事、不動産を展開し、静岡県では消防設備点検・機械設備点検、清掃業務などのビルメンテナンス事業を手がけている。

歯愛メディカル<3540>、電力小売りの新潟県民電力を子会社化

歯愛メディカルは、電力小売り事業の新潟県民電力(新潟市。売上高3億1600万円、営業利益2400万円、純資産△500万円)の株式60%を取得し子会社化した。12日付。新潟県民電力は2017年に県内第一号の新電力供給事業者として設立。取得価額は非公表。

歯愛メディカルは歯科診療用品の通販大手。多角化の一環として2016年に電力・エネルギー分野に進出し、これまで四つ葉電力(大阪市)、石川電力(金沢市)、福井電力(福井市)を傘下に収めている。新潟県民電力をグループに迎え、地域密着型の新電力ビジネスモデルに基づく事業を推し進める。

ジーンテクノサイエンス<4584>、再生医療事業子会社「セルテクノロジー」の譲渡先をリバースに変更

ジーンテクノサイエンスは、再生医療事業に取り組む子会社のセルテクノロジー(東京都中央区。売上高8320万円、営業利益△2億2600万円、純資産4370万円)の全株式を、化粧品開発のリバース(札幌市)に12日付で譲渡した。当初(7月時点)は医薬品・医療機器を製造販売する同仁グループ(熊本市)に譲渡する予定だったが、譲渡先が変更となった。譲渡価額は0円。

セルテクノロジーは2008年に設立。同仁グループに代わって譲渡先となったリバースの篠原奈美子代表取締役はセルテクノロジーの共同創業者。

くふうカンパニー<4399>、知育アプリ事業のキッズスターを子会社化

くふうカンパニーは、こども向け知育アプリ事業を手がけるキッズスター(東京都渋谷区。売上高2億5100万円、営業利益5100万円、純資産1億1500万円)の株式50%を取得し子会社化することを決めた。こども関連事業に本格的に進出する。取得価額は4億円。取得予定日は2020年12月中。

キッズスターは2014年設立。370万のファミリーが利用する仕事体験アプリ「ごっこランド」を軸に、「キョロちゃん海の大冒険」「お弁当を作ろう!」など様々な知育アプリで知られる。

ココカラファイン<3098>、関西で調剤薬局・ドラッグストアを70店舗展開のフタツカホールディングスを子会社化

ココカラファインは、兵庫県を中心に関西で調剤薬局・ドラッグストアを70店舗展開するフタツカホールディングス(神戸市。売上高119億円、営業利益8億7900万円、純資産19億3000万円)の全株式を取得し子会社化した。12日付。フタツカは1983年に創業。地域におけるドミナント(集中出店)の一環。取得価額は非公表。

KNT-CTホールディングス、傘下の近畿日本ツーリストで希望退職を募集

旅行大手のKNT-CTホールディングスは11日、希望退職者を募集すると発表した。新型コロナウイルス感染症の影響で国内外の旅行需要が激減し、業績が大きく落ち込んでいるのを受けた措置。傘下の近畿日本ツーリスト各社の35歳以上の従業員を主な対象とし、募集期間は2021年1月4日~22日。募集人数は定めていない。特別退職金加算金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

KNT-CTは新型コロナ後を見据え、会員組織による個人旅行のクラブツーリズム事業、首都圏エリアでの法人旅行事業を中核に据えるとともに、個人旅行・団体旅行事業では注力分野を特定し集約・縮小するなどの事業構造改革を推し進めている。

今回の希望退職の実施では募集人員を定めていないが、元々、2024年度末までに現在約7000人の在籍人員を採用抑制や定年退職による自然減、出向などで約3分の2に縮小する計画だった。

三菱製鋼、100人程度の希望退職者を募集

三菱製鋼は11日、100人程度の希望退職者を募ると発表した。40歳以上勤続3年以上の社員・再雇用者(工場などの生産現場勤務者を除く)を対象とし、募集期間は2021年1月5日~22日。新型コロナウイルス感染拡大に伴う事業環境の悪化を受けた業績の早期改善につなげる。特別退職金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

同社は特殊鋼事業、バネ事業、素形材事業などを主力とするが、新型コロナ禍で建設機械、産業機械、自動車などユーザー業界の減産で、業績が大幅に落ち込んでいる。

2021年3月期業績予想は売上高21.5%減の920億円、営業赤字69億円(前年度は4億3600万円の黒字)、最終赤字62億円(同140億円の赤字)。最終赤字は2年連続となる見通し。

リケン、約150人の希望退職者を募集

リケンは11日、約150人の希望退職を実施すると発表した。正社員を対象に、募集期間は2021年1月7日~29日。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自動車や産業機械に使われる主力製品のピストンリングの需要が大きく落ち込み、先行きの不透明感が増す中、事業構造の抜本的な見直しに向け、人員バランスの早期是正が不可欠と判断した。

退職日は2021年2月28日。所定の退職金に加え、退職加算金を上乗せ支給し、再就職支援サービスを提供する。

2021年3月期業績予想は売上高が前年度比20.7%減の670億円、営業利益が同98.1%減の1億円、最終赤字6億円(前年度は35億1700万円の黒字)。

ファルテック<7215>、自動車用品製造の中国子会社FCCを合弁相手に譲渡

ファルテックは、自動車用品製造の中国合弁子会社「広東発爾特克汽車用品有限公司」 (FCC、広東省。売上高3億円8200万円、経常利益△3280万円、純資産4億8400万円)の全持ち分(所有割合70%)を、合弁相手の広東時利和汽車事業集団有限公司(広東省)に譲渡することを決めた。ファルテックはFCC株式の譲渡に先立ち、FCCの事業をファルテック中国子会社の佛山発爾特克汽車零部件有限公司(広東省)に移管する。

譲渡価額は約4億1000万円。譲渡予定日は未確定。

三越伊勢丹ホールディングス<3099>、不動産賃貸子会社の三越伊勢丹不動産を米ブラックストーンに譲渡

三越伊勢丹ホールディングスは、傘下の三越伊勢丹を通じて保有する三越伊勢丹不動産(東京都新宿区。売上高30億2000万円、営業利益4億900万円、純資産134億円)の全株式を、米大手投資ファンドのブラックストーン・グループに譲渡することを決めた。百貨店を取り巻く経営環境が厳しさを増すのを受けた事業の選択と集中の一環。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年1月4日。

三越伊勢丹不動産はマンション・事務所ビルなどの不動産賃貸事業を主力とし、不動産オーナー向けにサブリース(転貸)、賃貸管理、管理組合事業なども手がける。

TSIホールディングス<3608>、レディース用セレクトショップ展開の子会社「アナディス」をヒロタに譲渡

TSIホールディングスは、「アンシェヌマン」などのレディース用セレクトショップを展開する子会社のアナディス(東京都渋谷区)の全株式を、婦人服製造などのヒロタ(岐阜市)に譲渡することを決めた。事業構造の抜本的な見直しに向けて、国内事業子会社を1社に集約・統合する方針を打ち出しており、この一環。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年3月1日。

グレイステクノロジー<6541>、マニュアル制作のHOTARUを子会社化

グレイステクノロジーは、マニュアル制作を主力とするHOTARU(大阪市。売上高13億7000万円、営業利益1億3300万円、純資産25億2000万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。グレイスは産業機械用マニュアル作成などの大手。取得価額は14億3400万円。取得予定日は2020年11月13日。

傘下に収めるHOTARUは1959年に設立し、老舗マニュアル会社として知られる。このほかにウエブ制作、映像、印刷などの事業を手がける。

三井化学<4183>、本州化学工業<4115>をTOBで子会社化

三井化学と三井物産は11日、中堅化学メーカーの本州化学工業(東証2部)にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。三井化学と三井物産は本州化学の株式を各26.99%保有する。両社はTOBを通じて全株式を取得し、最終的に三井化学51%、三井物産49%の持ち株比率とする予定。買付開始は2021年5月ごろをめどとしている。買付代金は最大96億6394万円。

三井化学は本州化学をこれまで持ち分法適用関連会社としてきたが、連結子会社化として取り込むことで、研究開発や生産技術など経営資源を積極的に投入し、中長期的な成長を促す。本州化学はTOBに賛同を表明している。

買付価格は1株につき1830円で、TOB公表前日の終値1290円に41.86%のプレミアムを加えた。買付予定数は528万846株。買付予定数の下限は所有割合12.68%にあたる145万5200株で、三井化学、三井物産の両社の既保有分と合わせて所有割合が3分の2超となる水準。

本州化学は1949年に設立。液晶ポリマー、特殊ポリカーボネート樹脂、特殊エポキシ樹脂などの高機能樹脂の原料、電子材料、医薬品、農薬などの原料となる化学品を製造する。

青山商事、400人程度の希望退職を募集

青山商事は10日、400人程度の希望退職者を募ると発表した。40歳以上63歳未満で勤続5年以上(2021年3月末時点)の正社員・無期契約社員を対象とし、募集期間は12月14日~2021年2月19日。新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休業の影響やスーツ需要の一段の落ち込みなどで業績が急速に悪化しており、人員の適正化と年齢構成の調整を目的とする。

退職日は2021年5月31日。割増退職金を支給し、再就職支援サービスを提供する。割増退職金などにかかる特別損失として40億円程度を2021年3月期決算に計上する予定。

希望退職者募集の実施を受け、経営責任を明確にするため、今年7月から実施している役員報酬の減額をさらに拡大する。

アークランドサカモト傘下のLIXILビバ、「ビバホーム」に社名変更

アークランドサカモトは10日、同業のホームセンターで1000億円以上を投じて買収したLIXILビバについて、同日付で「ビバホーム」に社名変更したと発表した。前日(9日)にLIXILビバの子会社化が完了したのに伴う。

ビバホームはLIXILビバの前身企業が1977年にトーヨーサッシ(現LIXILグループ、12月にLIXILに社名変更予定)の子会社として設立され、ホームセンター事業に乗り出した当時の社名。その後、社名はトステムビバなどを経て、2011年からLIXILビバとなっていた。

アークランドサカモトは新潟県を中心にホームセンターを展開しているが、首都圏での事業拡大を目的にLIXILビバをTOB(株式公開買い付け)などを通じて傘下に取り込んだ。一方、親会社だったLIXILグループは主力の建材・住宅設備機器事業に経営資源を集中するため、非中核のホームセンター事業を切り離した。

オリジン、希望退職に14人応募

オリジンは10日、希望退職者に14人の応募があったと発表した。45歳以上で勤続10年以上の社員・再雇用者を対象とし、人数を定めず、10月21日~30日に募集した(退職日は12月15日)。所定の退職金に加え、特別加算金を支給する。

オリジンは電源機器や半導体デバイス、精密機構部品などの製造を主力とする。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、携帯端末向け無線基地局用電源が落ち込んだほか、自動車メーカーの減産などで関連部品の需要が減退し、業績が悪化している。

りそなHD<8308>、子会社の関西みらいFG<7321>をTOBで完全子会社化

りそなホールディングスは10日、51.15%の株式を保有する連結子会社の関西みらいフィナンシャルグループ(FG)に対して完全子会社を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。銀行を取り巻く経営環境が厳しくなり、一体化による相乗効果で収益力を向上するのが狙い。少数株主へ流れていた配当を内部に取り込むことで資本の増強にもつなげる。

買付価格は1株につき500円で、TOB公表前日の終値405円に23.46%のプレミアムを加えた。買付予定数は1億3229万4503株。買付代金は約661億円。買付期間は11月11日から12月9日まで。買付代理人は大和証券が務める。

TOBに応じない株主には、株式交換でりそな株を割り当てる。関西みらいFG株式1株に対し、りそなの普通株式1.42株を交付。株式交換による1株利益の希薄化が生じた場合、りそなは2021年4月以降に自社株買いに乗り出す構えだ。

関西みらいFGは2018年4月に三井住友銀行傘下の関西アーバン銀行とみなと銀行、りそなの完全子会社だった近畿大阪銀行が経営統合して発足した。一方の大株主である三井住友フィナンシャルグループはTOBに応じる。

木曽路<8160>、焼肉店を首都圏で展開する大将軍を子会社

木曽路は、焼肉店を首都圏で展開する大将軍(千葉市。売上高47億4000万円、営業利益△1億6800万円、純資産7億3700万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。木曽路はしゃぶしゃぶの最大手として知られるが、居酒屋や焼肉などの業態も手がけている。取得価額は非公表。取得予定日は2021年1月27日。

大将軍は1974年に創業。「特選和牛 大将軍」「国産牛焼肉 くいどん」ブランドの焼肉店を千葉県を中心に東京都、神奈川県で30数店舗展開している。

タムロン、200人の希望退職者を募集

タムロンは9日、200人の希望退職者を募ると発表した。弘前工場(青森県弘前市)、浪岡工場(青森市)の正社員(45歳以上)と準社員らを対象とし、募集期間は11月10日~20日。主力商品の一眼レフ用交換レンズ市場が縮小に向かう中、現行の生産能力を前提とした事業計画では収益構造がさらに悪化するとみられることを受け、主力工場の人員体制を再構築する。

退職日は12月31日付。所定の退職金に特別加算金を上乗せ支給し、再就職支援サービスを提供する。

東芝テック、早期退職に465人が応募

東芝テックは9日、早期退職優遇制度に465人の応募があったと発表した。事業構造改革の一環として子会社を含めて国内従業員を対象に7月1日から9月30日まで募集した。募集人数は未定としていた。

同社はPOS(販売時点情報管理)システムや複合機を主力とするが、新型コロナウイルス感染症の影響で大幅な需要減に直面。2020年4~9月期業績は売上高が前年同期比23%減の1917億円、営業赤字9億3000万円(前年同期は101億円の黒字)、最終赤字69億円(同78億円の黒字)と赤字に陥った。2021年3月期(通期)は黒字確保を目指している。

アンジェス<4563>、ゲノム編集技術ベンチャーの米エメンドバイオを子会社化

アンジェスは9日、先端的なゲノム編集技術を持つ米エメンドバイオ(ニューヨーク州。売上高―、営業利益△5億6700万円、純資産△6億5300万円)を2億5000万ドル(262億5000万円)で買収すると発表した。議決権ベースで現在40%の株式を保有しているが、追加取得して12月15日付で完全子会社化する。

買収にかかるエメンドバイオ株主に対する対価は主にアンジェスが発行する新株で充当される。エメンドバイオは2015年に設立されたゲノム編集技術のベンチャー企業で、主要な研究開発拠点をイスラエルに置く。アンジェスは段階的に出資し現在、同社を持ち分法適用関連会社としている。完全子会社化により経営権を掌握し、次世代ゲノム編集技術を活用した遺伝子治療用製品の開発を進展させたい考えだ。

ダイドーリミテッド<3205>、衣料品販売合弁のブルックスブラザーズジャパンを子会社化

ダイドーリミテッドは、持ち分法適用関連会社で米国発の著名衣料品ブランド「Brooks Brothers」を取り扱うブルックスブラザーズジャパン(東京都品川区。売上高106億円、営業利益△4100万円、純資産42億9000万円)を子会社化することを決めた。合弁相手の米ブルックスブラザーズ・グループが保有する株式を追加取得し、現在40%の持ち株比率を80.5%に高める。取得価額、取得日は未定。

米ブルックスブラザーズは7月に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を適用申請し、行き詰まった。日本法人のブルックスブラザーズジャパンは1979年に設立し、米本社が60%、ダイドーリミテッドが40%を出資。ダイドーは持ち株比率を高め、日本法人の安定的運営や全体的なシナジー(相乗効果)創出につなげる。

テイ・エス テック<7313>、今仙電機製作所<7266>をTOBと第三者割当増資引受で持分法適用関連会社化

テイ・エス テックは9日、今仙電機製作所(東証1部・名証1部上場)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。本TOBにより現在3.06%の所有割合を25.00%に引き上げて、持分法適用関連会社とする。併せて今仙電機が実施する第三者割当増資を引き受け、経営を実効支配できる34.00%へ引き上げる方針だ。

買付価格は1株当たり930円で、TOB公表前日の東証1部における終値634円に46.68%のプレミアムを加えた。買付予定数の上限は520万9500株と設定。今仙電機の上場は維持する予定。買付代金は約48億4483万円。買付期間は11月10日から12月8日まで。買付代理人は野村證券が務める。

公開買付期間の終了後の 12月16日から 2021年1月29日までを払込期間とする第三者割当増資に応じる。TOB買付価格と同じ930円で、普通株式520万7300株を引き受ける。取得価格は総額で約48億4300万円。

テイ・エス テックはホンダ系自動車シートメーカーで、今仙電機はシートアジャスター(調整機構)を主力製品とする独立系自動車部品メーカー。資本関係を強化することで日本国内だけでなく世界中の両社の拠点でのシート事業の強化を図り、両社の売上拡大や付加価値の高いサービスの提供を狙う。

麻生グループ、東都水産<8038>にTOB、3分の1超の取得を目指すが連結子会社化も想定

東都水産は9日、九州を本拠にセメントや建築・土木、医療関連など広範な事業を手がける麻生(福岡県飯塚市)が同社に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。麻生は3分の1超の株式取得を目指す。買付予定数の上限は設けておらず、50%超を取得し、連結子会社化することも想定している。ただ、東都水産の東証1部上場は維持される見通し。麻生グループは「食」という新たな事業領域への展開に弾みをつける。

東都水産は1935年の築地市場開設とともに創設された東京魚市場を前身とする。現在、豊洲市場における水産物取扱高で19%のシェアを持ち、同市場内卸売業者7社中2位の大手。主力の水産物卸売をはじめ、冷蔵倉庫、不動産を経営の3本柱とする。今回のTOBには賛同している。

買付主体は麻生が全額出資で設立したASTSホールディングス(東京都千代田区)。東都水産株の買付価格は1株4550円で、TOB公表の前営業日の終値4045円に12.48%のプレミアムを加えた。買付予定数は397万9580株で、下限は所有割合33.4%にあたる132万9180株。買付代金は最大約181億円。

買付期間は11月10日~12月22日。決済の開始日は12月29日。公開買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券とauカブコム証券。

TOBへの結果次第では上場廃止基準に抵触する可能性があるが、この場合は上場廃止までの猶予期間として定められている1年以内に立会外分売や売り出しなどの上場維持の方策を両社で検討するとしている。

ユーザベース<3966>、米国でのオンライン経済メディア「Quartz」事業を譲渡

ユーザベースは9日、米国で展開するオンライン経済情報メディア「Quartz」事業から撤退すると発表した。現地持ち株会社Quartz Intermediate Holdings(デラウエア州。売上高5億4400万円、営業利益△16億2000万円、純資産92億5000万円)の全株式を、中核事業子会社のQuartz Media(ニューヨーク市)のザッカリー・スワードCEO(最高経営責任者)が設立した新会社に9日付で譲渡した。

ユーザベースは2018年7月にメディア事業のグローバル展開を目的に約83億円を投じてQuartzを傘下に収めた。Quartzは2012年に設立され、北米を中心に読者を持つ。足元では年初来、新型コロナウイルス感染症の影響で米国を中心に広告出稿が減退するなど苦戦。買収当初の掲げた3年間で黒字化という目標の達成が困難になったことから、事業撤退を決断した。

譲渡価額は非公表。ユーザベースは2020年12月期決算に事業撤退による特別損失88億5000万円を計上する。

ユーザベースは経営の両輪である企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA」、経済メディア「NewsPicks」に経営資源を集中する。

IDホールディングス<4709>、ソフト開発のウィズ・ホールディングスを子会社化

IDホールディングスは、ソフト開発を手がけるウィズ・ホールディングス(東京都江東区。売上高27億9000万円、営業利益1億7600万円、純資産7億700万円)を子会社化することを決めた。ウィズ・ホールディングスは持ち株会社で、1981年に設立したシステムデザイン(茨城県日立市)を中核子会社として交通、製造、医薬、公共、エネルギーなど幅広い分野でソフト開発の実績を積んできた。顧客基盤や技術力の強化が狙い。株式78.4%を10億9800万円で取得したうえで、その後に株式交換により完全子会社化する。

株式の取得予定日は2021年1月4日。株式交換日は2021年1月27日。

サノヤスホールディングス<7022>、造船事業を新来島どっくに譲渡

サノヤスホールディングスは9日、造船事業から撤退すると発表した。100%子会社のサノヤス造船(大阪市。売上高283億円、営業利益△29億3000万円、純資産80億9000万円)の全株式を、新来島どっく(東京都千代田区)に譲渡する。譲渡予定日は2021年2月28日。世界的に新造船需要の縮小と設備過剰が続く中、単独での生き残りは困難と判断した。赤字事業を切り離し、産業用・建設用機械装置の製造や遊園地施設の建設などに経営資源を集中する。

サノヤスは1911(明治44)年、佐野安造船所として大阪で創業。戦後開設した水島製造所(岡山県倉敷市)を造船事業の拠点とし、主力のばら積み船とともに、作業船やフェリーなどの建造、舶用ガスタンク製造、船舶修繕にも力を注いできた。しかし、水島製造所の操業確保のため製造原価を下回る船価での新造船受注が続き、ここ数年、大幅な赤字決算を余儀なくされていた。

譲渡先の新来島どっくは1980年代の造船不況で行き詰った旧・来島どっくを母体に1987年に再出発した造船メーカー。自動車運搬船やケミカルタンカーなどを手がけ、愛媛県今治市を本拠とする。

セガサミーホールディングス、650人の希望退職者を募集

セガサミーホールディングスは6日、グループの正社員、契約社員を対象に650人の希望退職者を募ると発表した。約9000人のグループ従業員の7%強にあたり、募集期間は11月16日~12月25日(退職日は2021年2月28日)。新型コロナウイルス感染症の影響で、業績が急速に悪化したのを受け、構造改革の一環として取り組む。特別退職加算金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

新型コロナを受けた巣ごもり需要でゲームソフト関連が伸びたものの、パチンコ・パチスロなどの遊技機関連が落ち込み、アミューズメント機器・施設関連も奮わない。6日発表した2021年3月期業績予想は売上高が前年度比22.8%%減の2830億円、営業赤字15億円(前期は276億円の黒字)、最終赤字245億円(同137億円の黒字)。希望退職者募集に伴い、約100億円の特別損失を計上する。

経営責任を明確にするため、セガサミーホールディングスとグループ各社の社長をはじめ取締役、執行役員の報酬を11月から2021年3月まで5カ月間減額する。

三洋貿易<3176>、健康食品原料・化粧品原料輸出販売のグローバル・トレーディングを子会社化

三洋貿易は、健康食料原料や化粧品原料、工業薬品の輸出販売を手がけるグローバル・トレーディング(東京都千代田区。売上高4億2600万円、純資産1億2000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ライフサイエンス分野の事業補完や海外拠点活用を通じた事業拡大を見込む。取得価額は非公表。取得予定日は2020年11月27日。

読売新聞グループ本社、よみうりランド<9671>をTOBで子会社化

読売新聞グループ本社は6日、よみうりランド(東証1部上場)に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。読売新聞グループはよみうりランドの株式16.27%を直接保有する筆頭株主。よみうりランドは遊園地「よみうりランド」や競馬場、ゴルフ場などを運営するが、新型コロナウイルス感染症の影響で足元の業績が悪化している。読売新聞グループの総合力を活用して事業基盤を強化する。

読売新聞グループは日本テレビホールディングスなど系列各社の保有分を加えると、よみうりランド株の約34%を保有する。買付価格は1株につき6050円。TOB公表前日の終値4910円に23.22%のプレミアムを加えた。買付予定数は643万5075株で、買付代金は最大約389億円。買付予定数の下限は所割合50.39%にあたる387万3097株で、既保有分と合わせて所有割合が3分の2超となる。

買付期間は11月9日~12月21日。決済の開始日は12月28日。公開買付代理人は野村証券。

コンドーテック<7438>、土木建築用足場など架払工事業のフコクを子会社化

コンドーテックは、土木建築用足場など架払工事業のフコク(仙台市。売上高12億8000万円、営業利益1700万円、純資産2億3200万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。社会インフラの老朽化に伴う維持修繕分野の事業基盤強化につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年1月18日。

エイベックス、約100人の希望退職者を募集

エイベックスは5日、100人程度の希望退職者を募ると発表した。音楽事業の一部と全社の間接部門に在籍する40歳以上の社員を対象とし、募集期間は12月10日~21日。該当者は443人(10月末時点)で、全社員のおよそ3割にあたる。音楽ソフト市場が縮小する中、新型コロナウイルス感染症の影響が重なり、ライブ・イベントの開催自粛を余儀なくされるなど業績が急速に悪化しており、企業体質の強化と将来を見据えて人員体制を再構築する。

退職日は2021年3月31日付。特別退職加算金を支給するほか、再就職支援サービスを提供する。

エイベックスの2020年3月期業績は売上高15%減の1354億円、営業利益43%減の40億3300万円、最終赤字11億200万円(その前の期は23億5400万円の黒字)。足元の2020年4~9月期は売上高が前年同期比44%減の342億円、営業赤字22億2900万円(前年同期は6億8800万円の赤字)、最終赤字32億8900万円(同17億6200万円の赤字)だった。

放電精密加工研究所、約60人の希望退職者を募集

放電精密加工研究所は4日、約60人の希望退職者を募集すると発表した。40歳以上の正社員を対象とし、募集期間は11月23日~12月11日(退職日は2021年1月31日)。主力の放電加工・表面処理事業が新型コロナウイルスによる航空業界の低迷で大幅な需要減に見舞われるなど厳しい経営環境にあり、人員体制を再構築する。特別退職加算金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

同社の2021年2月期業績予想は売上高が前年度比3.4%増の115億円、営業赤字7億4200万円(前期は1億9000万円の赤字)、最終赤字8億9400万円(同1億8900万円の赤字)。営業・最終赤字は2期連続を見込む。

日本郵政<6178>、豪物流子会社トールのエクスプレス事業を売却へ

日本郵政は5日、豪物流子会社トール・ホールディングスが豪、ニュージーランドで手がける宅配便などの荷物輸送(エクスプレス)事業について、売却を検討することを決定したと発表した。日本郵政は2015年に約6500億円を投じてトールを買収したが、業績が低迷している。世界を結ぶ国際物流事業は継続する。

2020年3月期のエクスプレス事業の業績は約75億円(1億豪ドル)の営業赤字を計上。2020年4~9月期も半期でほぼ同額の赤字に陥っている。日本郵政は事業売却のファイナンシャルアドバイザーとしてJPモルガン証券と野村証券の2社を選んだ。

投資ファンドのストラテジックキャピタル、京阪神ビルディング<8818>にTOB

投資ファンドのストラテジックキャピタル(東京都渋谷区)は、京阪神ビルディングに対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。ストラテジックキャピタルは20年9月末時点で、共同保有者の分を含め9.7%の株式を保有している。今回、約20%の株式を追加取得し、経営に対する発言力を高めることが狙い。ストラテジックキャピタルは旧村上ファンド出身者が代表を務めている。

TOBは、投資会社で共同保有者のUGSアセットマネジメント(東京都港区)と組成したサンシャインH号投資事業組合が実施する。京阪神ビルディングはまだ意見を表明していないが、今回のTOBは事前通知や連絡が無く一方的なもの、とのコメントを出した。

買付価格は1株当たり1900円。TOB公表前営業日の終値1873円に対して1.44%のプレミアムを加えた。買付予定数は1020万6100株で、下限・上限も同じ。応募株式数が下限に満たない場合は買い付けを実施しない。上限を超えた場合は、その超えた部分の全部または一部の買い付けを行わない。

買付予定額は約193億円。買付期間は11月5日から12月17日まで。決済の開始日は12月24日。公開買付代理人は三田証券とマネックス証券。

日本アジアグループ<3751>、米カーライルと組んでMBOで非公開化

日本アジアグループは5日、MBO(経営陣による買収)を通じて株式を非公開化すると発表した。山下哲生会長兼社長の依頼に基づき、米投資ファンド、カーライル・グループがTOB(株式公開買い付け)を実施し、日本アジアグループを完全子会社する。買付代金は最大164億円。

買付主体はカーライル傘下のグリーンホールディングス(ケイマン諸島)。日本アジア株の買付価格は1株600円で、TOB公表前日の終値342円に75.44%のプレミアムを加えた。買付予定数は2745万4480株、下限は所有割合66.67%に相当する1830万3000株に設定。12.56%を所有する筆頭株主の藍沢証券はTOB応募する契約を交わした。買付期間は11月6日~12月21日。決済開始日は12月28日。公開買付代理人は野村証券。

カーライルはTOBが成立した場合、取得した日本アジア株のすべて(164億円相当)と現金205億円と引き換えに、日本アジア傘下で航空測量大手の国際航業(東京都千代田区)の株式80%、再生可能エネルギー事業を手がけるJAG国際エナジー(同)の株式70%をそれぞれ取得する予定。

日本アジアは現会長兼社長の山下氏など2者を引受先とする第三者割当増資を行うことで、山下氏など2者が日本アジアの全株式を所有する。

日本アジアの前身は1988年に不動産売買・仲介会社として設立した日星地所。2004年に東証マザーズに上場し、2015年には東証1部に上場した。2012年に国際航業ホールディングス(現国際航業)を子会社化した。

フロイント産業<6312>、イタリアの医薬品製造機械メーカーCos. Mecを子会社化

フロイント産業は、イタリアの医薬品製造機械メーカーCos. Mec S.r.l.(売上高12億2000万円、営業利益7700万円、純資産2億3600万円)の全株式を取得し、5日付で子会社化した。日本、米国、欧州の3極体制で、新興国を含む世界市場への展開を加速する。取得価額は約12億円。

Cos. Mecは1991年に設立し、中間原料の搬送・プロセス装置を得意とする。フロイント産業は造粒・コーティング装置に強みを持つ。両社の取り扱い製品に重複が少なく、相互補完が期待できるなどのメリットが大きいと判断した。

UTグループ<2146>、製造業向け人材派遣のシーケルホールディングスを子会社化

UTグループは、製造業を中心に人材派遣・請負事業を展開するシーケルホールディングス(水戸市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。シーケルホールディングスは持ち株会社で、傘下に事業子会社のシーケル(同。売上高30億2000万円、営業利益1億4400万円、純資産4億6800万円)を持つ。日立製作所グループを中心に製造業が集積する茨城県での事業基盤を拡充する。取得価額は17億800万円。取得予定日は2020年11月30日。

シーケルは1991年設立。茨城県内を中心に6拠点を構え、住宅設備や半導体、家電・オフィス機器、自動車などの製造業向け人材サービスで実績を積んできた。

INCLUSIVE<7078>、カヤックから注文住宅マッチングサイト「SuMiKa」事業を取得

INCLUSIVEは、コンテンツ事業のカヤック(神奈川県鎌倉市)から注文住宅マッチングサイト「SuMiKa」事業を取得した。5日付。各種のサイト改善策を実施し、「SuMiKa」のプラットフォーム収益と広告収益を拡大させる。取得価額は非公表。

「SuMiKa」は建築家などの登録専門家数が約1770。新築や建て替え、リフォームや店舗増改築などを検討中の施工主に向けて、専門家とのマッチング機会を提供している。

アイ・ピー・エス<4390>、在留フィリピン人向け人材紹介・派遣事業をグローバルトラストネットワークスに譲渡

アイ・ピー・エスは、在留フィリピン人向け人材紹介・派遣事業を、外国人専門の賃貸住宅保証事業などを手がけるグローバルトラストネットワークス(東京都豊島区)に譲渡することを決めた。在留フィリピン人関連事業は2019年3月期以降、2期連続でセグメント営業損失に陥っているが、新型コロナウイルス感染症の影響が重なり、収益改善が困難となっていた。今後、アイ・ピー・エスは主力通信事業に経営資源を集中する。当該事業の直近業績は1億6400万円。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年1月1日。

セガサミーホールディングス<6460>、アミューズメント施設運営子会社のセガエンタテインメントをGENDAに譲渡

セガサミーホールディングスは、アミューズメント施設企画・運営子会社のセガエンタテインメント(東京都大田区。売上高406億円、営業利益1億7800万円、純資産188億円)の株式85.1%を、遊戯機器レンタル事業のGENDA(東京都千代田区)に譲渡することを決めた。新型コロナウイルスの影響でアミューズメント施設分野では稼働率が大幅に低下するなど厳しい環境に置かれ、収益改善に向けて様々な選択肢を検討してきた。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年12月30日。

アウトソーシング<2427>、アイルランド最大の人材会社Cpl Resourcesを買収

アウトソーシングは4日、アイルランド最大の人材派遣・紹介会社Cpl Resources plc(ダブリン。売上高697億円、営業利益30億5000万円、純資産154億円)を買収すると発表した。約389億円(別にアドバイザリー費用7億6000万円)を投じて、全株式を取得する。Cplは1990年設立で、ユーロネクスト・グロース・ダブリンとロンドン証券取引所AIMに上場する。Cplの広範な顧客基盤を取り込み、欧州をはじめグローバル市場での事業拡大を目指す。買収完了は2021年1~3月を見込む。

Cplは世界45のオフィスに約1万3000人の従業員を抱え、技術、金融、法務、ヘルスケア、製薬、販売、エンジニアリング、オフィス管理などの分野で、それぞれ異なる専門ブランドを通じて事業を展開。正社員、契約社員、臨時社員の採用から、マネージド(業務の一括受託)サービスや人材戦略に関するアドバイザリーサービスまで幅広い人材サービスを手がけている。

綿半ホールディングス<3199>、長野県で調剤薬局3店経営のほしまんを子会社化

綿半ホールディングスは、調剤薬局経営のほしまん(長野県佐久市)の全株式を取得し子会社化した。2日付。ほしまんは1945(昭和20)年に創業し、長野県の佐久市に2店舗、小諸市に1店舗を経営する。綿半は同社を傘下に取り込み、仕入れ機能の共有化による取扱品の拡充や、スーパーセンター(食品スーパーとディスカウントショップの一体型店舗)への出店拡大につなげる。取得価額は非公表。

加賀電子<8154>、民事再生支援契約に基づき「旭東電気」を子会社化

加賀電子は、民事再生支援に関するスポンサー契約に基づき、11月2日付で新設分割された新「旭東電気」(大阪市。資本金9900万円)の全株式を取得し、子会社化した。旭東電気は安全ブレーカー、漏電遮断器製造や電子機器受託製造(EMS)事業などを手がけるが、2020年4月に大阪地裁に民事再生手続きを申し立て、事実上行き詰まり、同8月末に加賀電子がスポンサー契約を結んでいた。

マルハニチロ<1333>、米子会社のアラスカ産鮭鱒事業を現地社に譲渡

マルハニチロは、アラスカ産水産物の加工販売を手がける米子会社Peter Pan Seafoods Inc.(ワシントン州)の事業を、現地同業の米Northwest Fish Company LLC(同)に譲渡することを決めた。主力とするアラスカ産紅鮭・カラフト鱒事業は近年、新規生産者の参入に伴う原料魚価の高騰、集魚不足によるコスト高・生産減などで営業損失が続き、収支改善が見込めず、事業撤退することにした。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年12月31日。

リアルワールド<3691>、プルチーノから電子書籍紹介サイト「漫画大陸」を取得

リアルワールドは、Webメディア事業のプルチーノ(札幌市)から電子書籍紹介サイト「漫画大陸」を取得した。漫画・電子書籍などオンラインコンテンツ市場が急速に拡大する中、自社メディア事業とのシナジー(相乗効果)を見込む。対象事業の直近業績は売上高1億1500万円、営業利益1億300万円。取得価額は2億2000万円。取得日は2020年11月1日。

「漫画大陸」は読者に公式の漫画アプリ・電子書籍サイトを紹介(送客)するもので、月間約600万円ページビュー、毎月約240万人のアクセスを持つ。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[M&A担当者のための実務活用型誌上セミナー『価値評価(バリュエーション)』」

第4回:支配権プレミアム&流動性ディスカウントについて

 

 

〈解説〉

公認会計士・税理士  中田博文

 

〈目次〉

1、株式価値の調整項目

2、支配権プレミアム

3、支配権プレミアムの適用

4、非流動性ディスカウント

5、評価方法との関係

6、適用順序

7、実務上の検討

 

 

▷第1回:M&Aにおける価値評価(バリュエーション)の手法とは?

▷第2回:倍率法における価値評価(バリュエーション)のポイントとは?

▷第3回:DCF法における価値評価(バリュエーション)のポイントとは?

 

▷関連記事:M&A取引の税務ストラクチャリング

▷関連記事:売買価格の決め方は?-価値評価の考え方と評価方法の違い-

▷関連記事:「バリュエーション手法」と「財務デューデリジェンス」の関係を理解する

 

1、株式価値の調整項目


実務では、DCF法及び倍率法で計算した株式価値からさらに調整を行います。具体的には、支配権プレミアム、非流動性ディスカウントを反映させます。支配権プレミアム及び非流動性ディスカウントは、充分なマーケットデーターが整備されておらず、案件の内容に応じた数値が用いられます。

 

 

2、支配権プレミアム


支配権を取得した株主は、対象企業のキャッシュ・フローを実質的に支配できるため、少数株主の一株当たりの株価と比較した場合、支配権株主の一株当たりの株価の方が高いと言われています。これは、議決権比率が高まるにつれて、支配株主は少数株主よりも重要な権利を享受できるためです。支配権の獲得を目的とするTOB案件では、マーケットの株価よりも高値でTOB価格が設定されるケースが多く、その差額の一部には支配権プレミアムが含まれています。このように、経営権の移動を伴うM&A取引では、評価の際に、支配権プレミアムを考慮して株式価値を算定します。支配権プレミアムは、支配株主である売り手にとっては、高値で売却できることになるため、売却のインセンティブとして機能します。

 

 

 

 

 

なお、支配権の内容は、配当額の決定の他、経営方針の決定からガバナンス構築まで幅広い範囲が含まれます。

 

 

 

 

 

3、支配権プレミアムの適用


実務上、株式譲渡時に支配権(50%超)の移転を伴うか否かで、支配権プレミアムの適否を決定します。そして、支配権プレミアムは、20%~40%の範囲内で設定するケースが多いです。ただし、買収には様々なケースがあり、支配の程度に応じたプレミアムの検討が必要です。例えば、以下のような事例は、社内ルールで決められた支配権プレミアム20%程度を杓子定規に適用すべきではなく、個別検討を要します。

 

 

●50%超⇒7%⇒100%と買増しをする場合のぞれぞれのプレミアム

●50%ずつ保有する合弁会社(2社)への参画時のプレミアム

●33.3%ずつ保有する合弁会社(3社)への参画時のプレミアム

●過半数を保有する株式保有者がいない株主構成の中で、最大の株式数を保有する場合のプレミアム

●過半数を保有していないが、取締選任権を付与された株式を保有する場合のプレミアム

●過半数を保有していないが、重要事項の拒否権を付与された株式を保有する場合のプレミアム

 

 

4、非流動性ディスカウント


流動性のない株式(マーケットのない株式)を売却する際には、買い手候補を探す時間と手間、交渉に費やす時間と手間、アドバイザリー手数料等の取引コストが発生するため、取得時に高い利回りを要求します。この利回りの増し分(株式価値の減額)を非流動性ディスカウントといいます。実務上は、20%~30%のディスカウントを適用するケースが多く見られますが、前述の支配権プレミアムと同様、個別具体的なケースごとにディスカウントの数値検討が必要です。

 

<検討項目>

 

 

少数の株式を売却するよりもボリュームの大きい株式の方が、売却は容易と考えられます。そのため、支配持分の非流動性ディスカウントは、少数持分の非流動性ディスカウントと比べて、低いと言われます。米国の事例では、支配持分の非流動性ディスカウントは10~25%、少数持分の非流動性ディスカウントは30~50%とされています。

 

なお、支配持分の場合は、会社の売却、配当金の決定等を通じて、現金化の手段を有していることから、対象会社のキャッシュ・フローを実質的に支配しています。そのため、支配持分を有している場合は、非流動性ディスカウントを適用しないという考え方もあります。

 

 

 

5、評価方法との関係


DCF法の将来CFの前提となる事業計画には、経営者(支配株主)の意思が反映されています。そのため、DCF法によって算定された株式価値は、支配権プレミアムを含んでいると言われています。支配権を取得しない買収案件の場合、DCF法の計算結果にマイノリティーディスカウントを考慮して株式価値を算定する必要があります。

 

倍率法は、基礎数値(EBITDA等)×倍率で計算され、基礎数値は実績又は達成見込みを使用し、倍率はマーケットデーター(支配権のない株価)から引用します。そのため、倍率法の計算結果は、少数株主の価値を表しています。支配権を取得する買収案件の場合、倍率法の計算結果に支配権プレミアムを考慮して株式価値を算定する必要があります。

 

 

 

 

 

6、適用順序


前述のとおり、支配持分の非流動性ディスカウントは10~25%、少数持分の非流動性ディスカウントは30~50%というように、非流動性ディスカウントは、支配権の有無の影響を受けます。

 

そのため、DCF法で非公開会社の少数株主の価値を算定する場合又は倍率法で非公開会社の支配株主の価値を算定する場合、まず、①マイノリティーディスカウント/支配権プレミアムを反映した後、②非流動性ディスカウントを適用します。

 

 

 

7、実務上の検討


1、次のような場合、DCF法又は倍率法によって算定された株式価値は、支配株主の価値又は少数株主の価値のどちらを表しているか?

 

(1)持分法の範囲内で株式を取得

●対象会社の策定した事業計画に対して買い手(30%取得予定)がストレスをかけた修正事業計画をもとに、DCF法によって株式価値を算定した場合

●対象会社の策定した事業計画に対して買い手(30%取得予定)がシナジー効果を反映した修正事業計画をもとに、DCF法によって株式価値を算定した場合

 

(回答)

事業計画を修正できるのは支配株主だけであるという前提に立つと、少数株主が事業計画を修正していますが、あたかも自分が支配株主であると考えています。そのため、その事業計画を用いてDCF法で算定された株式価値は、支配株主の価値を表します。本件は、持分法の範囲内の株式取得のため、DCF法で算定された株式価値にマイノリティーディスカウントを反映して少数持分の株式価値を算定します。

 

なお、ストレスをかけた場合は、①フリー・キャッシュ・フローの減額、②ディスカウントによる減額と2重に減額調整が入るため、売り手サイドの認識する株式価値との乖離が非常に大きくなりますので、①②の内容を丁寧に売り手に説明する必要があります。

 

 

(2)支配権を取得

●対象会社の策定した着地見込みに対して買い手(100%取得予定)がストレスをかけた修正予算をもとに、倍率法によって株式価値を算定した場合

●対象会社の策定した着地見込みに対して買い手(100%取得予定)がシナジー効果を反映した修正予算をもとに、倍率法によって株式価値を算定した場合

 

(回答)

原則、どちらも修正予算を使用しているため、支配株主の価値を表していると考えられます。本件は、持分法の範囲内の株式取得のため、倍率法によって算定された株式価値にマイノリティーディスカウントを反映して少数持分の株式価値を算定します。

 

なお、ストレスをかけた場合は、①財務数値の減額、②ディスカウントと2重に減額調整が入るため、対象会社の認識する株式価値との乖離が非常に大きくなりますので、①②を売り手に丁寧に説明しないと交渉が決裂する可能性があります。

 

 

2、プレミアム/ディスカウントは株式価値と事業価値のどちらに適用するべきか?

 

(回答)

事業価値又は企業価値(事業価値に非営業資産を加算したもの)に対して、支配権プレミアム、非流動性ディスカウント等を適用して、事業価値及び企業価値を減額することも考えられますが、実務上は、株式価値に対してプレミアム/ディスカウントを適用しています。

 

 

[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「持続化給付金と家賃支援給付金の未収計上について」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】持続化給付金・家賃支援給付金の収益計上時期

■【Q&A】経営状況が悪化した場合の定期同額給与

 

 

 


[質問]

法人税基本通達2—1—42に基づいて決算までに給付決定がない又は申請手続はしていないが決算前の対象月で後日申請する場合には、いずれの場合も給付金は決算において未収計上すべきですか。

 

通達を読むかぎり、持続化給付金は未収計上不要、家賃支援給付金は未収計上必要と考えますがいかがでしょうか。

 

 

(法令に基づき交付を受ける給付金等の帰属の時期)
2—1—42 法人の支出する休業手当、賃金、職業訓練費等の経費をほてんするために雇用保険法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、当該事業年度の益金の額に算入するものとする。

 

[回答]

法令等に基づき交付を受ける給付金等の収益計上時期については、貴見のとおり、法基通2-1-42においてその取り扱いを明らかにしています。

 

この取り扱いにおいては、雇用保険の規定による雇用調整助成金等のように、あらかじめ給付金による補填を前提として所定の手続きを取り、その手続きのもとにこれらの経費の支出がなされるものについては、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった時点であらかじめその支給を受けるべき給付金の額を見積計上することにより、収支の対応関係を持たせることとされています。これに対し、雇用保険法の規定高年者雇用継続基本給付金等のように、具体的な経費支出の補填という性格のものでなく、一定基準に基づいて支給される奨励金のようなものについては、あらかじめ収益の計上をする必要はなく、支給決定を受けた時点で収益計上すれば足りることとされています。

 

ところで、ご質問の持続化給付金とは、感染症拡大により、特に大きな影響を受けた事業者に対して事業の継続を下支えし再起の糧とするための給付金であり、また、家賃支援給付金とは、5月の緊急事態宣言の延長等により、売り上げの減少に直面する事業者の事業継続を下支えするため、地代・家賃の負担を軽減する給付金であると説明されています(経済産業省)。

 

また、給付金は、申請者からの申請で成立し、事務局の行う申請内容の適格性等を確認する審査を経て長官が給付額を決定する贈与契約であるとされています(持続化給付金給付規定9、家賃支援給付金給付規定10)。

 

持続化給付金及び家賃支援給付金のいずれも、「事業の継続を下支えする」という目的の給付であり、その給付は中小企業庁長官(国)が給付額を決定する贈与契約であることからすると、これを区分する必然性はないものと考えます。また、家賃支援給付金制度においては、支払い賃料の額を給付金の算定基準としていますが、これはあくまでも給付金の算定基準であって、その給付目的に鑑み、必ずしも具体的な経費支出(家賃等)の補填という性格を有しているものとは言い切れないと考えられます。

 

したがって、持続化給付金及び家賃支援給付金のいずれも、法基通2-1-42(注)の取り扱いを準用して、支給決定を受けた日の属する事業年度で収益計上するのが相当と考えます。

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2020年7月21日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。