[中小企業経営者の悩みを解決!「M&A・事業承継 相談所」]

~M&Aで会社や事業を売却しようとご検討の中小企業経営者におすすめ~

 

第7回:会社の譲渡後も、社長は会社に残れますか?

 

 

〈解説〉

株式会社ストライク

 


M&A(合併・買収)仲介大手のストライク(東証一部上場)が、中小企業の経営者の方々の事業承継やM&Aの疑問や不安にお答えします。

 

 

▷関連記事:取引先に知られずに会社を譲渡することはできる?

▷関連記事:会社の譲渡を検討していますが、譲渡してしまったら、共に働いてきた役員や従業員達から見放されたと思われないか不安です。

▷関連記事:顧問先企業のオーナーから、後継者がいないので会社を誰かに譲りたいと相談されました。

 

 

Q.会社の譲渡後も、社長は会社に残れますか?

 

48歳の経営者です。25年前に創業し、現在では同業のなかでは中堅クラスの規模になりました。ただ自分の年齢や能力、資本力を考慮すれば、これ以上の事業拡大は難しいと思っております。このため、大会社の資本傘下での成長を考え始めました。

 

心配なのが譲渡後の自分の処遇です。体調に問題なく、これまでの業務経験や人脈もありますので、譲渡した後も会社に貢献した方が、会社にプラスではないかと考えております。ただ、周囲の一部の方からは、引退したら会社には関わらないものだ、と言われました。経営者は譲渡後、会社には残れないのでしょうか。

 

 

 

A.会社に残るか否かは前オーナー経営者の意思が尊重されるのが一般的です。

 

前オーナー経営者は、一般的には他社に会社を譲渡した後でも一定期間は引継ぎ期間として会社に残ります。前オーナー経営者がM&A後にすぐに引退してしまうと会社が円滑に運営できなくなるリスクがあるためです。譲渡された企業の関係者が不安になれば企業間の融和をスムーズにできなくなります。「自分達の処遇や新しい会社の方針はどうなのか」「これまで通り仕事ができなくなるのではないか」。譲渡側の従業員や取引先企業はM&Aの後に不安を感じることがあります。その状況を放置すると従業員が相次いで退職したり、取引先から重要な契約が打ち切られたりするリスクがあります。前の経営者が一定期間在籍することで、従業員も安心して仕事を続けやすくなります。

 

引継ぎ期間が終了した後に前のオーナー経営者が会社に残るか残らないかは、前オーナー経営者自身の意思が最大限尊重されるのが一般的です。自身が高齢で後継者もいないため、引退して第二の人生を歩みたいというオーナー経営者は、引継ぎ期間終了時の引退を望むケースが多いです。

 

一方で、比較的年齢が若く、元気に働ける前オーナー経営者は、肩書や報酬等は別途相談にはなりますが、長期間会社で働くことも可能です。例えば、50歳手前の経営者から、独力での経営に限界を感じ、「M&Aで大企業の傘下に入りたいが60歳までは会社で働きたい」という相談を受けたことがあります。その際は、要望に応じた条件で引き受けてくれる相手を探して実現しました。

 

M&A後にどのような形で会社に関与したいかを私たちに相談していただければ、経営者のご意思を最大限尊重する形でお相手を探しますので、ぜひご連絡いただければと思います。

 

 

 

 

[新型コロナウイルスに関するM&A・事業再生の専門家の視点]

コロナ禍における飲食店の事業再生の現状

 

〈解説〉

公認会計士・中小企業診断士  氏家洋輔

 

 

 

▷関連記事:コロナ禍における飲食店の売上高や今後の考察。

▷関連記事:法的整理と私的整理の比較

▷関連記事:外食産業に関する実態調査(2021年1月公開分)

コロナ禍において、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の中での休業や時間短縮営業等、飲食店の経営環境は厳しい状況となっています。

 

営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金等の支援が制度としてはあるものの、これらがスピーディに支払われるわけではありません。例えば、1月の協力金について、5月のこの本稿作成時点において、まだ支払われていない事業者があることも事実です。小規模店舗の多くの事業者は、1日6万円の協力金を受け取ることで「利益」では黒字となります。しかし、「利益」では黒字であっても、協力金が入金されるまでに家賃の支払いや経費の支払いなどが発生しているため、「資金繰り」の観点からは、入金がなく、支払いが先行することで資金残高はどんどん減少していく状況です。このような状況から、窮境に陥る飲食店は多く、既に閉店してしまった飲食店も少なくありません。

 

このような状況の飲食店が事業再生を行う場合は、施策を講じて赤字額を減少させ、コロナが落ち着くまで耐えるという方法を取らざるを得ないのが現状です。上で述べたように、時短要請等の最中は資金繰りが苦しくなるため、一定程度の資金を調達して資金残高が減少しないようにすることが非常に重要となります。筆者が関与した飲食店の場合も、資金繰りが苦しかったため億単位の資金を調達し、資金繰りを安定させたうえで施策を講じるということとなりました。ただし、この厳しい状況で新たな融資を受けることはハードルが高いことも事実です。金融機関には、誠実な態度で現状の共有と、今後の事業計画について丁寧に根気強く説明する必要があるでしょう。

 

現状の把握として、店舗別に損益を把握し、赤字店舗については撤退も含めてより詳細に分析を行う必要があります。しかし、赤字であるからと言っても、内装や設備について長期のリース契約を締結している場合があり、これらの多くは解約時に多額の違約金が必要となることから、違約金も含めたうえで検討する必要があります。

 

赤字額を減らすためには、売上を増加させるために、すでに多くの店舗で行われていますが、テイクアウトや宅配、ゴーストレストラン等を検討し、売上を確保しつつ、経費の削減によりコロナが落ち着くまで持ちこたえるということが必要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[M&Aニュース](2021年5月6日〜2021年5月14日)

◇福井銀行<8362>、福邦銀行を50億円の第三者割当増資引き受けで子会社化、◇ケイアイスター不動産<3465>、分譲住宅・不動産売買子会社のフレスコを譲渡、◇クレステック<7812>、マーケティングコンサルティングなどのマインズを子会社化、◇ユーグレナ<2931>、健康食品・化粧品製造のキューサイを子会社化、◇青森銀行<8342>とみちのく銀行<8350>、2022年4月1日に経営統合で基本合意、◇ユニマット リタイアメント・コミュニティ<9707>、大阪市で介護事業を展開するなでしこを子会社化、◇ビジネス・ブレークスルー<2464>、子供専用オンライン英会話スクールのブレンディングジャパンを子会社化、◇アイサンテクノロジー<4667>、土地・河川など測量の三和を子会社化、◇ジェイテックコーポレーション<3446>、理化学機器開発の電子科学を子会社化 ほか

 

 

福井銀行<8362>、福邦銀行を50億円の第三者割当増資引き受けで子会社化
2021/05/14

福井銀行は14日、第二地方銀行の福邦銀行(福井市。経常収益87億4000万円、経常利益4億5800万円、純資産209億円)を10月1日付で子会社化すると発表した。福邦銀が行う第三者割当増資を50億円で引き受け、51.84%の株式を取得する。歴史的な低金利が続き、地方銀行を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、システム共通化や店舗統廃合などコスト削減を進める。

両行は2020年3月に「Fプロジェクト」と名づけた包括提携を開始し、2021年1月以降は資本提携に向けて協議してきた。両行の2ブランドを維持し、それぞれの強みを生かした金融グループとして地域経済の持続的発展への貢献を目指す。

ケイアイスター不動産<3465>、分譲住宅・不動産売買子会社のフレスコを譲渡
2021/05/14

ケイアイスター不動産は、分譲住宅や不動産の売買を手がける子会社のフレスコ(千葉市。売上高72億7000万円、営業利益5億2200万円、純資産10億7000万円)の全保有株式51.5%を譲渡することを決めた。フレスコが対象株式を自己株式として取得する。ケイアイスターは2018年にフレスコを子会社化したが、ここへきてフレスコから注文住宅に軸足を移したいとの意向があり、関係を発展的に解消する。譲渡価額は非公表。譲渡予定は2021年6月中旬。

クレステック<7812>、マーケティングコンサルティングなどのマインズを子会社化
2021/05/14

クレステックは、各種マーケティングに関するコンサルティング・プロモーションを手がけるマインズ(東京都港区。売上高5億6800万円、営業利益4300万円、純資産1億7900万円)を子会社化することを決めた。株式94.3%を現金で、残る5.7%を株式交換で取得する。販売支援サービスにおけるワンストップ化などの相乗効果を期待している。クレステックは企業の製品取扱説明書や修理マニュアルの制作大手。株式取得価額は3億4800万円。取得予定日は2021年7月1日(株式交換日も同じ)。

ユーグレナ<2931>、健康食品・化粧品製造のキューサイを子会社化
2021/05/14

ユーグレナは、健康食品や化粧品を製造・販売するキューサイ(福岡市。売上高245億円、営業利益18億7000万円、純資産221億円)を子会社化することを決めた。具体的には、キューサイの全株式を持つQ-Partners(東京都港区)の株式36.16%を追加取得し、持ち株比率を49%に高める。これにより、Q-Partnersを通じてキューサイを傘下に収める。取得価額は89億4000万円。取得予定日は2021年6月30日。

Q-Partners取締役のうち過半数を占める3人をユーグレナ側から選任する。

Q-Partnersの株主構成は投資会社アドバンテージパートナーズ(東京都港区)が運営するファンド67.22%、東京センチュリー19.94%、ユーグレナ12.84%(2021年3月末)。他2者との株主間契約ではユーグレナが2022年1月4日までに株式を追加購入するコールオプションを行使する取り決めになっていたが、必要資金の調達が完了したことから前倒しで権利を行使する。

青森銀行<8342>とみちのく銀行<8350>、2022年4月1日に経営統合で基本合意
2021/05/14

青森銀行とみちのく銀行は14日、2022年4月1日に経営統合することで基本合意したと発表した。共同持ち株会社を設立し、両行を傘下に置く。続いて統合効果を最大化するため、その2年後の2024年4月をめどに両行を合併させることとする。歴史的な低金利による預貸金利ザヤの縮小や青森県内人口の減少などで経営環境が一段と厳しさを増す中、経営の合理化・効率化を進め、地域金融機関として高品質で安定的な金融サービスの提供を目指す。

預金等残高は青森銀行が2兆8935億円、みちのく銀行が2兆1464億円(いずれも2021年3月末)。店舗数も青森銀行が90店、みちのく銀行が94店とほぼ拮抗する。両行は県内の貸出シェアが合計で7割近くに達するが、独占禁止法の特例法に基づき、持ち株会社設立による経営統合を進める。

ユニマット リタイアメント・コミュニティ<9707>、大阪市で介護事業を展開するなでしこを子会社化
2021/05/14

ユニマット リタイアメント・コミュニティは、介護事業のなでしこ(大阪市。売上高9億4800万円、営業利益7700万円、純資産1億1100万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。なでしこは大阪市内で介護付き有料老人ホーム、小規模多機能ホーム、グループホームなど計8拠点を運営する。取得価額は非公表。取得予定日は2021年7月1日。

ユニマットはデイサービス、ショートステイ、グループホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などを中心に全国324拠点、655事業所(2021年3月末)を運営する。なでしこの拠点と連携して、相乗効果を引き出す。

ビジネス・ブレークスルー<2464>、子供専用オンライン英会話スクールのブレンディングジャパンを子会社化
2021/05/14

ビジネス・ブレークスルーは、子供専用オンライン英会話スクール「ハッチリンクジュニア」を展開するブレンディングジャパン(福岡市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。拡大する子供向けオンライン英会話市場への参入が狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2021年5月31日。

ビジネス・ブレークスルーは社会人を対象とするリカレント教育事業を主力とし、ビジネスパーソン向けにオンライン英会話講座「BBTオンライン」などを提供している。

アイサンテクノロジー<4667>、土地・河川など測量の三和を子会社化
2021/05/14

アイサンテクノロジーは、土地・河川などの測量業務を手がける三和(川崎市。売上高2億5300万円、営業利益3500万円、純資産1億3200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。アイサンが主力とする測量・土木ソフトウエア製品・サービスに三和の技術力を取り込むとともに、三次元計測請負、三次元地図整備請負などの業務受託で相乗効果を期待している。三和は1969年設立以来、測量一筋に取り組んでいる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年10月1日。

ジェイテックコーポレーション<3446>、理化学機器開発の電子科学を子会社化
2021/05/14

ジェイテックコーポレーションは、理化学機器開発の電子科学(東京都武蔵野市。売上高3億600万円、営業利益5900万円、純資産3億4900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。両社の技術補完により、半導体・液晶・有機EL(エレクトロルミネッセンス)分野での新製品開発など相乗効果が期待できると判断した。取得価額は非公表。取得予定日は2021年5月31日。

電子科学は1978年に日本電子の出身者が設立し、理化学機器の開発や分析業務で実績を積んできた。現在は超微量の水素・水を観測可能な独自の昇温脱離分析装置(TDS)で国内トップとされる。

AOI TYO Holdings<3975>、米カーライル・グループと組んでMBOで株式を非公開化
2021/05/14

AOI TYO Holdingsは14日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。中江康人代表取締役グループCEO(最高経営責任者)ら経営陣の依頼に基づき、米投資ファンドのカーライル・グループがTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株取得を目指す。買付代金は最大213億9058万円。AOI TYOはテレビCM制作トップだが、コロナ禍の影響拡大でCM需要が大幅に減少し、2020年12月期決算は営業赤字に陥った。こうした中、広告のデジタル化への対応などを進めるうえで、非公開化を通じて中期的な視点で経営を進められる体制を作り出すことが不可欠と判断した。

AOI TYOはTOBに賛同を表明している。同社の東証1部上場は廃止となる見通し。

TOB主体はカーライルの傘下企業。AOI TYO株の買付価格は1株900円で、TOB公表前日の終値589円に52.8%のプレミアムを加えた。買付予定数は2376万7317株。買付予定数の下限は所有割合65.5%にあたる1584万4900株。買付期間は5月17日~7月5日。決済の開始日は7月12日。公開買付代理人は野村証券。

Eストアー<4304>、システム開発のアーヴァイン・システムズを子会社化
2021/05/14

Eストアーは、システム開発のアーヴァイン・システムズ(東京都品川区。売上高1億5800万円、営業利益△500万円、純資産1億7600万円)を株式交付を通じて50.17%を取得し、子会社化することを決めた。EC(電子商取引)システム構築とその周辺サービスの競争力向上につなげる。アーヴァインにはこれまでシステム開発業務を委託しており、取引関係にあった。株式交付の対価として7月12日付で、現金約9125万円とEストアーの自己株式2万5株(約3910万円)を割り当てる。

FFRIセキュリティ<3692>、ソフトウエアの第三者評価業務を手がけるシャインテックを子会社化
2021/05/14

FFRIセキュリティは、ソフトウエアの第三者評価業務を手がけるシャインテック(川崎市。売上高4億円、営業利益242万円、純資産4770万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。サイバーセキュリティー関連サービスの充実が狙い。取得価額は約2億1400万円。取得予定日は2021年5月25日。

ロコガイド<4497>とくふうカンパニー<4399>、10月1日に経営統合
2021/05/14

チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」運営のロコガイドと結婚関連サービスのくふうカンパニーは14日、2021年10月1日に経営統合すると発表した。共同持ち株会社「くふうカンパニー」(東京都港区)を設立し、傘下にロコガイドと現くふうカンパニー(社名変更を予定)を置く。両社事業の親和性などを踏まえ、総合生活メディア・サービス企業への進化を目指す。

新設される共同持ち株会社「くふうカンパニー」のトップはロコガイドの穐田誉輝社長が就任する予定。穐田氏はロコガイド、くふうカンパニーの株式をそれぞれ50%超保有する支配株主。

共同持ち株会社との株式移転比率はロコガイド4.1:くふうカンパニー1。ロコガイド1株に持ち株会社の4.1株、くふうカンパニー1株に持ち株会社の1株を割り当てる。

廣済堂<7868>、教育図書出版子会社の廣済堂あかつきを譲渡
2021/05/14

廣済堂は、教科書用図書や学校用図書教材などを手がける出版子会社の廣済堂あかつき(東京都練馬区。売上高9億200万円、営業利益△1億5400万円、純資産△1億3200万円)の全株式を、第三者の個人に14日付で譲渡した。児童・生徒数の減少による教育図書事業の縮小に加え、新たに参入した教科書事業の採算確保も進まず、2期連続赤字を計上するなど、短期的な収益改善が困難な状況にあった。譲渡価額は非公表。

住石ホールディングス<1514>、岩石採取・骨材製造子会社の住石山陽採石を地元企業に譲渡
2021/05/14

住石ホールディングスは、岩石の採取や骨材製造を手がける100%子会社の住石山陽採石(兵庫県神河町。売上高3億8600万円、営業利益4600万円、純資産4億4500万円)の全株式を第三者の地元企業に譲渡することを決めた。住石山陽採石の持続的成長と、住石グループの今後の事業展開を総合的に勘案した結果としている。譲渡先、譲渡価額はいずれも非公表。譲渡予定日は2021年5月31日。

ブロードバンドセキュリティ<4398>、モーニングスター<4765>からゴメス・コンサルティング事業を取得
2021/05/14

ブロードバンドセキュリティは、モーニングスターから「ゴメス・コンサルティング」事業を会社分割により7月1日付で取得することを決めた。対象事業はWebサイト改善のための分析・アドバイス業務、Webサイトの製作支援、Webコンサルティングなどで、直近売上高は3億3000万円。対象事業の事業価値を12億円とし、その対価として現金に代えてブロードバンドセキュリティの55万6844株を交付する。事業取得後の相乗効果を最大限に引き出す観点からモーニングスターが一部資本参加するのが最も望ましい形と判断した。

五洋インテックス、希望退職に5人応募|募集人数の半数にとどまる
2021/05/13

五洋インテックスは13日、希望退職(3月に実施)に5人の応募があったと発表した。10人の募集人員に対して応募は半数にとどまった(退職日は4月30日付)。同社はカーテンなど室内装飾品の専門商社。2021年3月期決算に特別退職金と再就職支援にかかる関連費用260万円を特別損失として計上する。

西武ホールディングス<9024>、西武建設傘下で建築材料など製造の西武建材を東和アークスに譲渡
2021/05/13

西武ホールディングスは、子会社の西武建設(埼玉県所沢市)傘下で建築材料、鉱物・金属材料を製造する西武建材(埼玉県所沢市。売上高117億円、営業利益1億5400万円、純資産52億9000万円)の株式を、同業の東和アークス(さいたま市)に譲渡することを決めた。グループの事業構成見直しを通じてアセットライト(保有資産の軽減)な事業運営を実現する取り組みの一環。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年7月1日。

西武建材は1974年設立で従業員94人(3月末)。

ニッケ<3201>、不織布・フェルトメーカーのフジコー<3515>を子会社化
2021/05/13

ニッケは13日、持ち分法適用関連会社で株式32.95%を保有するフジコーを株式交換により9月1日付で完全子会社化すると発表した。両社が主力とする不織布事業などを中心に、世界規模で成長が期待される自動車・環境関連の市場を取り込む。両社は2020年5月に資本業務提携を結び、協業に取り組んできたが、完全子会社化に踏み込み、経営資源の相互活用など相乗効果を最大限に引き出す。フジコーのジャスダック上場は8月30日付で廃止となる予定。

株式交換比率はニッケ1:フジコー3.05で、フジコー1株にニッケの3.05株を割り当てる。

フジコーは1951年に設立し、不織布・フェルトの総合メーカーとして歩んできた。不織布やフェルトの特性を生かした新技術の開発を進め、高温耐熱成型断熱材、NAS(ナトリウム・硫黄)電池の電極用フェルトといった先端技術分野から、カーペットなどの日常消費財まで幅広く手がける。

東海汽船<9173>、小笠原海運を子会社化
2021/05/13

東海汽船は、持ち分法適用関連会社の小笠原海運(東京都港区。売上高23億円、営業利益1億2700万円、純資産26億2000万円)を子会社化した。折半出資相手の日本郵船から株式1%を取得し、持ち株比率を51%に引き上げた。東海汽船は伊豆七島の航路を独占的に手がける。今回、東京~小笠原諸島父島間を運航する小笠原海運を傘下に取り込み、相乗効果の実現につなげる。小笠原海運の設立は1969年。取得価額は約2639万円。取得予定日は2021年5月21日。

インターライフホールディングス<1418>、人材派遣を手がけるジーエスケーとグランドスタッフの2子会社をグロップエスシーに譲渡
2021/05/13

インターライフホールディングスは、人材派遣を手がけるジーエスケー(東京都北区。売上高2億8100万円、営業利益△1870万円、純資産1億5900万円)、グランドスタッフ(東京都北区。売上高3億円、営業利益△850万円、純資産8850万円)の2子会社を、業務請負・人材派遣業のグロップエスシー(岡山市)に譲渡することを決めた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で人材サービス事業を取り巻く環境が大きく変化したのに伴い、グループの事業再編に取り組む。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年5月31日。

インターライフHDは2015年に、ジーエスケー(所有割合100%)、グランドスタッフ(同88.3%)の両社を傘下に収めた。

PKSHA Technology<3993>、オウケイウェイヴ<3808>から法人向けFAQサービスなどのソリューション事業を取得
2021/05/13

PKSHA Technologyは買収目的会社を通じて、オウケイウェイヴのソリューション事業を買収することを決めた。オウケイウェイヴが対象事業を会社分割して設立する新会社PRAZNA(東京都港区)の全株式を取得する。取得するソリューション事業は法人向けFAQ(よくある質問)/お問い合わせ管理システム「OKBIZ.」シリーズなど。PKSHAはグループ企業を通じて展開する自動応答エンジンとの掛け合わせにより、プロダクトパッケージの高付加価値化などにつなげる。取得価額は73億1400万円。取得予定日は2021年6月30日。

PKSHA Technology<3993>、ソフト開発のアシリレラを子会社化
2021/05/13

PKSHA Technologyは、ソフトウエア開発のアシリレラ(東京都渋谷区。売上高8億9800万円、営業利益5億6200万円、純資産10億3000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。アルゴリズムモジュール(自然言語処理、画像認識、異常検知など)、アルゴリズム・ソフトウエアとの強力な相乗効果を見込む。2021年5月31日付で株式90%を、2023年5月31日付で残る10%をそれぞれ取得する。取得価額は合計50億600万円。

アシリレラは2015年に設立し、ビジネスプロセスの自動化や生産性向上を実現する業務部門に特化したソフトウエアを提供している。エンドユーザー企業のライセンスは1000社以上という。

亀田製菓<2220>、菓子製造のベトナム合弁THIEN HA KAMEDAを子会社化
2021/05/13

亀田製菓は、菓子製造のベトナム合弁会社THIEN HA KAMEDA JOINT STOCK COMPANY(ハノイ。売上高13億2000万円、営業利益2億4900万円、純資産28億6000万円)の株式21%を追加取得し、子会社化することを決めた。現在30%の持ち株比率を51%に高める。経営の支配権を獲得し、成長が続くベトナム市場での業績拡大を目指す。取得価額は算定中。取得時期は未確定。

THIEN HA KAMEDAは2013年に亀田製菓との合弁会社として設立された。亀田製菓の米菓製造技術を活用して現地で米菓「ICHI」が合弁相手のTHIEN HA CORPORATIONの流通網を通じてベトナム市場に広く受け入れられている。亀田製菓は子会社化を弾みにベトナムの事業基盤を固め、海外展開を加速する。

ベトナムは人口1億人に迫る大きな国内市場を持ち、豊富な労働力と良質な原料米が確保できることなどから、生産拠点としても将来性を高く評価している。

ジャパンエレベーターサービスホールディングス<6544>、エレベーター保守管理のトヨタファシリティーサービスを子会社化
2021/05/12

ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、エレベーターなどの保守管理を手がけるトヨタファシリティーサービス(東京都豊島区。売上高2億6600万円、営業利益721万円、純資産4840万円)の株式60%を取得し子会社化することを決めた。保守契約台数の増加による事業基盤の強化が狙い。トヨタファシリティーサービスは首都圏と関西圏を中心に1000台以上の契約台数を持つ。取得価額は非公表。取得予定日は2021年5月13日。

信越ポリマー<7970>、昭和電工<4004>傘下の昭和電工マテリアルズから食品包装用ラッピングフィルム事業を取得
2021/05/12

信越ポリマーは、昭和電工傘下の昭和電工マテリアルズ(旧日立化成、東京都千代田区)から食品包装用ラッピングフィルム事業を取得することを決めた。食品包装用ラッピングフィルム事業の競争力向上が狙い。昭和電工マテリアルズは飲食店など外食産業向けを中心に塩化ビニール小巻ラップで高い国内シェアを持つ。取得価額は36億6600万円。取得予定日は2021年8月2日。

信越ポリマーは昭和電工マテリアルズが食品包装用ラッピングフィルム事業を会社分割して8月に設立する新会社「キッチニスタ」(茨城県筑西市)の全株式を取得する。

信越ポリマーは食品包装用ラッピングフィルム事業について塩化ビニール製業務用ラップを主体に事業展開している。

トナミホールディングス<9070>、コンテナ・トラック輸送の高岡通運を子会社化
2021/05/12

トナミホールディングスは、貨物運送業の高岡通運(富山県高岡市。売上高8億5300万円、純資産3億2900万円)の株式50.12%を追加取得し、4月30日付で子会社化した。38.03%の持ち株比率を88.15%に引き上げた。経営基盤強化と事業規模の拡大に役立つと判断した。取得価額は非公表。

高岡通運は1947年に設立し、富山県西部地区を中心にコンテナ輸送・トラック輸送、倉庫業を手がける。

Appier Group<4180>、会話型エンゲージメント・マネジメント・プラットフォーム事業の台湾Bot Bonnieを子会社化
2021/05/12

Appier Groupは台湾子会社を通じて、会話型エンゲージメント・マネジメント・プラットフォーム事業を手がける現地の邦妮科技有限公司(Bot Bonnie、台北市)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。Appier GroupはAI(人工知能)マーケティングのサービスをSaaS(サービスとしてのソフトウエア)モデルで提供しており、Bot Bonnieを傘下に取り込むことでグローバルな販売チャネルとAI技術の活用を進める。取得価額は非公表。取得予定は2021年6月。

TOKAIホールディングス<3167>、ITシステム受託開発などのクエリを子会社化
2021/05/11

TOKAIホールディングスは傘下企業のTOKAIコミュニケーションズ(静岡市)を通じて、ITシステム受託開発などのクエリ(東京都豊島区。売上高3億5500万円、営業利益3900万円、純資産1億1800万円)の全株式を取得し、4月30日付で子会社化した。情報通信分野のサービス体制強化の一環。TOKAIコミュニケーションズはネットワーク・データセンター・システム開発を一体で手がける。取得価額は非公表。

東テク<9960>、大崎電気工業<6644>傘下でビルオートメーション事業のシンガポールQuantum Automationを取得
2021/05/11

東テクは、大崎電気工業傘下でビルオートメーション(計装)事業を展開するシンガポールQuantum Automation Pte Ltd(売上高24億2000万円、営業利益1億6200万円、純資産17億円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。東テクはインドネシア子会社の連携を含め、高い経済成長を背景におう盛な建設需要が期待される東南アジア地域での業容拡大につなげる。取得価額は40億5000万円。取得予定は2021年9月下旬。

Quantum Automationは1979年設立で、ビルオートメーション事業で豊富な施工実績を持ち、自社ブランドによるビルオートメーションシステム、空調設備や電気設備などを制御するダイレクトデジタルコントローラー(DDC)を独自展開し、技術力を強みとする。

東テクはビルオートメーション事業にとどまらず、機器販売事業やエネルギーソリューション事業でも相乗効果の創出を目指し、海外事業全般を本格化させる。

デジタルハーツホールディングス<3676>、IT人材登録プラットフォーム事業のアイデンティティーを子会社化
2021/05/11

デジタルハーツホールディングスは傘下企業を通じて、IT人材登録プラットフォーム事業を手がけるアイデンティティー(東京都新宿区。売上高12億6000万円、営業利益△1億2800万円、純資産5630万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。グループ成長のカギを握るIT関連のエンジニア人材を確保する狙い。取得価額は16億1500万円。取得予定日は2021年6月30日。

アイデンティティーは2008年設立。フリーランスのIT人材を対象にマッチング、紹介・派遣事業を展開し、業界トップクラスのフリーランス求人案件数を誇るという。

アイデンティティーは株式譲渡に先立ち、主力事業のうちIT人材採用支援事業について会社分割で設立する新会社に移管する。デジタルハーツホールディングスはIT人材採用支援事業が切り出された後のアイデンティティーを子会社化する形となる。

ファミリー<8298>、MBOで株式を非公開化
2021/05/11

輸入車ディーラーのファミリーは11日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。創業家出身で同社専務の清水貴志氏が設立したTSホールディングス(千葉市)がMBOの一環としてTOB(株式公開買い付け)を行い、全株取得を目指す。買付代金は最大42億313万円。ファミリーはTOBに賛同している。TOBが成立すれば、ジャスダック上場が廃止となる見通し。少子高齢化や若者の車離れなどで国内自動車市場が縮小に向かう中、中長期的な経営戦略と迅速な意思決定体制をつくるためには非公開化が望ましいと判断した。

TSホールディングスはファミリー株を1株につき750円で買い付ける。TOB公表前日の終値553円に35.62%のプレミアムを加えた。買付予定数は560万4176株で、買付予定数の下限は所有割合67.34%にあたる377万4089株に設定した。創業家の資産管理会社などが保有する29.61%分についてはTOBに応募が決まっている。

買付期間は5月12日~6月22日。決済の開始日は6月29日。公開買付代理人は野村証券。

ファミリーは千葉県を地盤とし、欧米の複数ブラ ンドの正規ディーラーとして新車、中古車、自動車の部品・ 用品の仕入れ・販売、修理を展開する。多角化事業として、不動産の販売、マンション、ビジネスホテルなどの賃貸、太陽光発電事業を手がける。会社設立は1973年で、1988年に株式を店頭登録(現ジャスダック上場)した。

ENEOSホールディングス<5020>、JSR<4185>からエラストマー事業を買収
2021/05/11

ENEOSホールディングスは11日、JSRからタイヤ素材のエラストマー事業を2022年4月をめどに買収すると発表した。世界的な自動車需要の拡大に加え、タイヤはガソリン車から電気自動車(EV)への移行など動力源や形態の変化にかかわらず必要と見込まれることから、エラストマー事業は今後も確実に成長が期待できる分野と判断した。買収金額は企業価値1150億円をベースに純有利子負債、運転資本などを調整したうえで確定する。

エラストマー事業は低燃費・高性能タイヤのトレッド(路面との接地面)の原材料として欠かせないSSBR(溶液重合スチレン・ブタジエンゴム)を主力製品とする。JSRがエラストマー事業を会社分割して設立する新会社「日本合成ゴム分割準備株式会社」(東京都港区)に移管したうえで、ENEOSホールディングスは傘下のENEOSを通じて新会社の全株式を取得する。

JSRから買収する当該事業の2021年3月期業績は売上高1431億円(前期は1787億円)、部門損益114億円の赤字(同17億5800万円の赤字)。

JSR、早期退職優遇制度に128人応募
2021/05/10

JSRは10日、エラストマー事業で実施した早期退職優遇制度に128人の応募があったと発表した。40歳以上勤続3年以上の社員を対象に4月19日~30日に募った(退職日は6月30日)。応募は100人程度としていた募集人数を上回った。エラストマー事業はJSRの基幹部門で、自動車タイヤを主要需要先とするが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で販売が落ち込み、部門赤字が拡大している。

J.フロント リテイリング<3086>、雑貨専門店事業子会社のヌーヴ・エイを投資会社のリブラインベスコに譲渡
2021/05/10

J.フロント リテイリングはファッションビル子会社のパルコの傘下で雑貨専門店事業を手がけるヌーヴ・エイ(東京都渋谷区。売上高119億円、営業利益△8億7200万円、純資産△2億2600万円)の全株式を、投資会社のリブラインベスコ(東京都千代田区)に譲渡することを決めた。グループ内の構造改革のスピードを上げ、経営資源を主力事業や成長分野に集中する。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年6月30日。

ヌーヴ・エイは雑貨専門店を中心に全国のパルコ店舗のほか、ショッピングセンターなどに出店してきた。しかし、専門店を取り巻く環境変化や競合激化などで厳しさが増していたうえ、足元では新型コロナウイルス感染の影響で業績が低迷していた。

プロトコーポレーション<4298>、広告関連子会社のプロトメディカルケアをベネッセホールディングス<9783>に譲渡
2021/05/10

プロトコーポレーションは、介護・福祉・医療分野の広告関連事業を手がける子会社のプロトメディカルケア(東京都千代田区。売上高38億4000万円、営業利益1億7700万円、純資産18億9000万円)の全株式を、ベネッセホールディングスに譲渡することを決めた。事業構成の選択と集中の一環。プロトコーポレーションは2009年にMedical CUBIC(現プロトメディカルケア)を子会社化したが、グループの主力事業である自動車・生活関連部門との相乗効果を十分に引き出すまでにはいたっていなかった。譲渡価額は42億5000万円。譲渡予定日は2021年6月1日。

日本板硝子<5202>、バッテリーセパレーター事業を米国ENTEKに譲渡
2021/05/10

日本板硝子は、バッテリーセパレーター(絶縁体)事業を米国ENTEK Technology Holdings LLC(オレゴン州)に売却することを決めた。会社分割して設立した新会社「日本板硝子コンパス」(岐阜県垂井町)の全株式を、ENTEKが今後設立する日本法人ENTEK Japan(仮称)に譲渡する。譲渡対象には鉛蓄電池用プラスチックケース・蓋を製造する日硝加工(津市)、バッテリーセパレーターを製造する中国子会社の天津日硝玻璃繊維有限公司(天津市)の両社が含まれ、これらを合わせた当該事業の直近売上高は79億5000万円。譲渡価額は非公表。譲渡予定は2021年8月。

譲渡先のENTEKは鉛蓄電池用セパレーターとリチウムイオン電池用セパレーターの有力メーカーで、日本板硝子とはインドネシアで合弁事業を手がけ、かねて緊密な関係にある。日本板硝子はENTEK Japanの一部株式を保有する予定。

ミサワホーム、子会社のミサワホーム中国<1728>をTOBで完全子会社化
2021/05/10

ミサワホームは、住宅販売連結子会社(所有割合72.17%)のミサワホーム中国にTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化すると発表した。

ミサワホームの地域販売子会社は、2000年代初めには8社が上場していた。近年は市場環境の変化やグループとしての経営戦略上の重要施策への迅速な対応を目指して上場廃止を進めており、残る上場企業はミサワホーム中国のみとなっていた。

ミサワホーム中国は本TOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨している。本TOBが成立すれば、同社の東証JASDAQスタンダード市場の上場は廃止となる。

買付価格は1株当たり320円で、公表前営業日の終値266円に対して20.30%のプレミアムをつけた。買付予定数は363万3626株。買付代金は約11億6200万円。買付期間は5月11日から6月21日まで。公開買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券、復代理人はauカブコム証券。決済開始日は6月28日。

UACJ<5741>、アルミ押出製品の中国子会社を中信集団公司傘下の2社に譲渡
2021/05/10

UACJは、中国でアルミ押出製品を製造する100%子会社の日鋁全綜(天津)精密鋁業有限公司(UEXTJ、天津市)の株式60%を、中国中信集団公司傘下の中信渤海アルミ控股有限公司(河北省秦皇島市)と中信ダイカスタル股份有限公司(同)に譲渡することを決めた。構造改革の一環として合弁運営に切り換えるのが目的。譲渡価額、譲渡予定日は非公表。

UACJは2005年に自動車熱交換器用アルミ押出形材の製造・販売を目的にUEXTJを設立。今回、UEXTJ株式の譲渡先となる中信渤海アルミと中信ダイカスタルとは2019年に、戴卡優艾希杰渤鋁汽車零部件有限公司 (河北省)を設立し、自動車向けアルミニウム部品を共同で製造・販売する関係にある。

SKIYAKI<3995>、SKIYAKI LIVE PRODUCTIONを創業者・元会長の伊藤一臣氏に譲渡
2021/05/10

SKIYAKIは、ライブ・コンサートを中心にO2O(オンラインツーオフライン)事業を手がける子会社のSKIYAKI LIVE PRODUCTION(SLP、東京都渋谷区。売上高10億2000万円、営業利益△5200万円、純資産7700万円)の株式51.7%を、SLPの前身企業の創業者で元会長の伊藤一臣氏に10日付で譲渡した。譲渡価額は非公表。新型コロナウイルス感染拡大の影響でライブ・イベントが相次いで中止・延期されたことで、急激な業績悪化に見舞われている。当該事業を熟知する伊藤氏に経営を託し、再建の実効性を高める。SKIYAKIは引き続き35.4%の株式を保有する。

亀田製菓<2220>、米粉パン製造のタイナイを子会社化
2021/05/08

亀田製菓は、米粉パンを製造・販売するタイナイ(新潟市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。亀田製菓は食品事業の一つとして28品目アレルギー対応の米粉パンを生産しているが、今後の市場拡大に備え、体制整備を検討していた。取得価額は非公表。取得予定日は2021年7月1日。

タイナイは青果物卸売業を中心に事業展開し、近年のアレルギー対応への意識の高まりを受けて米粉パン事業に進出。現在、アレルゲン特定原材料など28品目不使用の米粉パンを生産する。タイナイは青果物卸売業を切り離して新会社に継承させ、亀田製菓は会社分割後の米粉パン事業を主体とするタイナイの全株式を取得する。米粉パン事業の直近売上高は1億7300万円。

フルサト工業<8087>とマルカ<7594>、10月1日に経営統合
2021/05/07

フルサト工業とマルカは7日、10月1日に経営統合すると発表した。共同持ち株会社「フルサト・マルカホールディングス」を設立し、フルサト工業とマルカを傘下に置く。機械技術商社として業容拡大と競争力向上を目指す。具体的には工作機械の取扱規模の拡充、ロボットを用いた自動化ラインの提案力強化、海外市場開拓の促進などを推し進める。

両社は大阪市に本社を置く。直近売上高はフルサト工業894億円、マルカ532億円で、単純合計で1400億円超となり、1000億円の大台を一気に突破する。フルサト工業は1959年設立で、鉄骨建築資材を主力とするが、近年は機械・工具、セキュリティー分野に力を注いでいる。一方、マルカは1946年に設立し、産業機械、建設機械を主力とする。

株式移転比率はフルサト工業1:マルカ1.29。フルサト工業1株に共同持ち株会社の1株を、マルカ1株に共同持ち株会社の1.29株を割り当てる。

フルサト工業は6月下旬に定時株主総会、マルカは7月中旬に臨時株主総会を開き、経営統合を諮る。統合新会社の会長に飯田邦彦マルカ社長、社長に古里龍平フルサト工業社長が就任する予定。

ウィザス<9696>、心理トレーニングのアンガーマネジメントを子会社化
2021/05/07

ウィザスは、「怒り(アンガー)」の感情をコントロールする心理トレーニングを手がけるアンガーマネジメント(東京都港区。売上高3億5000万円、営業利益1億300万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。総合教育サービス会社として事業領域を拡大する狙い。社会環境が多様化・複雑化する中、企業や学校、医療・福祉などの現場で「怒り」にかかわるアンガーマネジメント需要が高まると判断した。取得価額は非公表。取得予定日は2021年5月19日。

ウィザスは学習塾事業や幼児・学童英語事業、ICT(情報通信技術)教育・能力開発事業、ランゲージサービス事業など幼児から社会人、シニア、外国人と幅広く教育サービスを展開する。今回、新領域としてアンガーマネジメントを取り込む。

インベスコ投資法人、米スターウッドのTOBに「反対」表明|対抗買い付けの要請も
2021/05/06

国内不動産投資信託(REIT)のインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(IOJ)は6日、同社の非上場化を目的に米投資会社のスターウッド・キャピタル・グループが実施中のTOB(株式公開買い付け)について反対を表明した。「当社の価値ないし投資主の共同の利益を毀損する可能性が高い」などとしている。これにより、今年4例目、国内REITでは初となる敵対的TOBが確定した。

さらにIOJは同日、投資法人のスポンサーである米インベスコ・グループに対し、敵対的TOBに対抗するための買い付けを要請したと発表した。要請内容によると、買付期間は5月7日からスターウッドによるTOBの期限である5月24日までで、IOJ投資口の買い付けは東京証券取引所における市場買い付けや要請先が適切と認める方法で行われる。

IOJは上場を維持することで、投資主にIOJの今後の成長と長期安定的な配当を享受していただきたい、としている。

要請先はインベスコ・グループ傘下のインベスコ・インベストメンツ(バミューダ)リミテッドで、現在、IOJ投資口を3.06%所有する。買付規模は明らかでない。スターウッドによるTOBが延長された場合には、買い付けの要請期間もTOB期間の末日までとする。

スターウッドは4月7日、傘下の投資ファンド5者を通じてTOBを始めた。買付価格は投資口1口につき2万円。発行済みの全投資口の取得を目指しており、買付代金は最大1665億円。買付予定数の下限は所有割合3分の2超。TOBが成立すれば、IOJは上場廃止となる見通し。IOJ側はかねて「何らの連絡もなく、一方的かつ当然に行われた」などとして反発していた。

インベスコは米インベスコ・グループがスポンサーで、都内を地盤にオフィスビルを中心に投資物件を持ち、2020年12月末時点の取得価格合計は2258億円。東証REIT市場への上場は2014年。

ヒューマンクリエイションホールディングス<7361>、ITコンサルティング事業などのグローステクノロジーズから一部事業を取得
2021/05/06

ヒューマンクリエイションホールディングスはシステム開発子会社のアセットコンサルティングフォース(東京都千代田区)を通じて、ITコンサルティング事業などを手がけるグローステクノロジーズ(東京都港区)の一部事業を取得することを決めた。システム開発の最上流工程であるコンサルティング・要件定義に関する受託事業の強化につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年6月1日。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

貸家建築のため既存建物を取壊した場合の取壊し損失等に係る所得税の取扱い

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■自宅家屋を取壊して敷地を譲渡した場合の譲渡所得の3,000万円控除の取扱い①

■譲渡所得の計算上、概算取得費を適用すべき場合、取得費を推定できる場合

 

 

 

 

個人が貸家の新築のため、既存の建物を取壊す場合があります。この場合、建物の取壊しにより生じた損失等に係る所得税の取扱いは、その建物が貸家かその個人の自宅であるかにより、以下のようになります。

 

1.貸家を取壊した場合の取壊し損失等の取扱い


(1)貸家について生じた損失の必要経費算入

貸家の取壊しや除却等により生じた損失(以下「資産損失」といいます。)の金額については、その損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されます。この場合において、貸家の取壊し時における不動産の貸付けが事業的規模であるのか、事業と称するに至らない規模(以下「業務的規模」といいます。)であるかどうかにより、必要経費に算入できる金額が次の通り異なります。

 

①その貸付けが事業的規模の場合
その資産損失及び取壊しに要した費用の全額が必要経費に算入されます(所得税法(所法)51条1項)。不動産所得の金額の計算上、控除しきれなかった損失の額は、給与所得など他の所得の金額との損益通算ができ、青色申告の場合には純損失の繰越控除の適用を受けることができます(同69条、70条)。

 

②その貸付けが業務的規模の場合
その資産損失の額のうち、その取壊し年分の不動産所得の金額(その資産損失を控除する前の金額)を限度として、必要経費に算入されます(所法51条4項)。ただし取壊しに要した費用は資産損失ではないので、その貸付けの規模にかかわらず、不動産所得を生ずべき業務について生じた費用として全額が必要経費に算入できます(同37条)。

 

(2)損失の金額の計算の基礎とされる資産の価額

不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入される貸家の資産損失の額は、その貸家の未償却残高を基に計算されます。この場合の未償却残高とは、貸家の取壊し等の日にその貸家の譲渡があったものとみなした場合における、貸家の取得費とされる金額とされます(所法38条1項、2項1号、所法施行令(所令)142条1号)。

 

また、貸家など減価償却資産を年の中途で譲渡した場合、その年分の償却費の取扱いは納税者が譲渡所得の金額の計算上取得費に含めるか、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入するかのいずれかを選択できます(所得税基本通達(所基通)49−54)。この取扱いは、資産損失の金額の計算においても同様に適用されます。

 

したがって、不動産所得の金額の計算上、貸家に係る資産損失の計算の基礎とされる未償却残高は、納税者の選択により、次の①又は②の取扱いとなります。

 

①その貸家に係る償却費を不動産所得の必要経費に算入した場合は、その貸家の取壊し日時点における未償却残高となります。
②①以外の場合は、その貸家の取壊し年の前年12月31日時点における未償却残高となります。

 

(3)「事業的規模」に該当するかどうかの判定基準

前述(2)において、不動産の貸付けが事業的規模かどうかは、社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているかどうかにより、実質的に判断されます。

 

ただし建物の貸付けについて、次のいずれかの基準に当てはまる場合は、原則、事業として行われているものとして取扱われます(所基通26−9)。

 

①貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10以上であること。
②独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

 

 

2.自宅を取壊した場合の取壊し損失等の取扱い


自宅として使用していた建物の取壊しは、家事上の資産を任意に処分したものと考えられます。このため、その取壊しが貸家に係る事業又は業務を開始するためであっても、その取壊しによる損失の額及び取壊しに要した費用の額は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入できません。

 

また、自宅の取壊しによる損失及び取壊しに要した費用の額は、貸家の建設等のために要した原材料費、労務費及び経費の額や、貸家を業務の用に供するために直接要した費用の額に該当しないため、貸家の減価償却計算の基礎とされる取得価額に算入することはできません(所令126条1項2号)。

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2021/05/17)より転載

[わかりやすい!! はじめて学ぶM&A  誌上セミナー] 

第7回:財務デューデリジェンス ~貸借対照表分析とは?~

 

 

〈解説〉

公認会計士・税理士 清水寛司

 

〈目次〉

1.貸借対照表分析とは

①財務デューデリジェンス

②貸借対照表分析

2.具体例:現預金

①気になる点はどこ?

②実施手続

3.具体例:売上債権

① 売上債権の気になる点は?

②実施手続

4.具体例:棚卸資産

①棚卸資産の気になる点は?

②実施手続

 

 

第6回目ではM&Aの場面でどのようなデューデリジェンスが行われるのかを見ていきました。第7回目となる今回は「財務デューデリジェンス」に焦点をあてます。財務諸表といえば「貸借対照表」と「損益計算書」が中心ですが、今回はその中でも「貸借対照表」に照準を絞って見ていきましょう。

 

 

▷関連記事:財務デューデリジェンスにおいて事業計画をどのように分析するのか?

▷関連記事:財務デューデリジェンス ~損益計算書分析はなぜ必要か?(正常収益力、EBITDA、事例で確認してみよう)~

▷関連記事:財務デューデリジェンス「損益項目の分析」を理解する【前編】~正常収益力の分析、事業別・店舗別・製品別・得意先別等損益の分析、製造原価の分析~

 

 

1. 貸借対照表分析とは


① 財務デューデリジェンス

財務といえば「貸借対照表」と「損益計算書」の2つを思い浮かべる方が多いですね。会社の財産を示す貸借対照表と、会社のもうけを示す損益計算書は非常に重要な財務に関する書類です。

 

読者の皆様が概要だけ知っている会社をM&Aで購入するとします。財務面で最も気になるのは相手会社の「貸借対照表」「損益計算書」に問題があるかどうかではないでしょうか。財務デューデリジェンスは、主に「貸借対照表」と「損益計算書」を分析し、問題がないかを確認していくこととなります。

 

② 貸借対照表分析

貸借対照表分析に当たっては、バリュエーションを見据えた「ネットデット分析」と企業の財務諸表に問題がないかを確認する「純資産分析」が行われることが多いです。

 

バリュエーションで株主価値を算出する際、事業価値から控除するネットデットの内容を確認することがネットデット分析です。

 

一方、純資産分析は企業の実態純資産がどの程度あるかを把握する分析です。

 

ネットデット分析はやや専門的で、入門には難しい内容となりますので、本稿では直感的に分かりやすい純資産分析を取り上げます。

 

「貸借対照表」の中でも、皆様に馴染みのある「現金預金」「売上債権」「棚卸資産」といった資産科目に焦点をあてて、具体例を交えつつご説明します。

 

財務デューデリジェンスは多くの専門的要素が絡む複雑な調査ですが、本記事ではどのようなことをやっているのかイメージがつきやすいよう噛み砕いてご説明しますので、少しでも財務デューデリジェンスについて具体的なイメージになっていただけると幸いです。

 

2. 具体例:現預金


①気になる点はどこ?

帳簿上の現金預金期末残高が10,000千円あるとします。読者の皆様が買い手の立場であるとして、どのような点が気になるでしょうか。

(貸借対照表はある一時点の資産を表すストック数値ですので、基本的には調査対象期間の末日の数値について検証します。)

 

<帳簿上の現金預金>

 

 

<気になる点>

もちろん、実際に現金預金があるか(現金預金が実在しているか)が一番気になる点ですね。

そのため、帳簿上の預金残高について、銀行の残高証明書や預金通帳で残高がきちんとあるかを確認します。

② 実施手続

通常であれば帳簿上の預金残高と銀行の残高は一致するはずです。年度末であれば正確に一致させている会社がほとんどですが、財務デューデリジェンスは年度末を基準日とすることは少なく、調査開始直近の月末を基準日とすることが多いです。月次では預金残高を合わせていない会社もあり、時たまズレが生じているのを見かけます。

例えば、以下の通り相違していました。

 

 

相違金額500千円の内容が分かれば適切な勘定科目に振り替えますが、内容が分からない際は資産を減額します。

 

帳簿上は現預金が10,000千円あるものの、実際には9,500千円しかありませんでした。この結果をDD上反映することとなります。

 

このように、科目毎に「気になる点」(現預金で言えば実際にあるかどうか)を確認し、実態の純資産がいくらかを考えていくのが、財務デューデリジェンスにおける実態純資産分析です。

 

3. 具体例:売上債権


① 売上債権の気になる点は?

売上債権は、売掛金や受取手形等営業取引から獲得した金銭債権です。では、売掛金を見てどのような点が気になるでしょうか。

 

<帳簿上の売掛金>

 

 

<気になる点①>

まず気になるのが、貸倒引当金▲1,000が適切かどうかです。貸倒引当金は、売掛金が貸し倒れるリスクを見積もって金額に落とし込む勘定科目です。そのためリスクの見積方法によって金額にばらつきが生じます。中小企業であれば法人税法に則って貸倒引当金を計算していることが多いですが、財務DDでは実際に貸し倒れる可能性のある金額を可能な限り見積って反映させますので、貸倒引当金の金額は確認が必要です。

 

例えば、官公庁向け売上であれば貸し倒れるリスクはほとんどないですし、業績が悪い企業への売上であれば貸倒リスクは高いといえます。

 

<気になる点②>

次に気になるのが、この売掛金は本当にあるのかどうか、当期に計上してよいのかどうかです。

業績を良く見せるために手っ取り早いのが「当期の売上を増やす」ことです。売上が増えれば当然売掛金も増えますから、売掛金の金額に問題ないかを確認することは不正の有無を確認する上でも非常に重要です。

 

例えば架空の売上を計上して業績を良く見せたとします。架空ですから当然入金がないため、売掛金は残り続けますね。このような売掛金に資産価値はありません。

 

3月決算の会社において、4月の売上を3月に発生したことにすれば、当期の業績は良く見えることとなります。この方法は将来入金がなされる点で架空売上とは異なりますが、実態より資産価値が高い(売掛金が多く計上されている)状態となっていますので、会社を買う側からすると実態より高く買ってしまうことに繋がります

 

このような期ズレ(正しい期間に収益が計上されていない)も投資判断を歪ませますので、注意が必要です。

 

② 実施手続

上記の気になる点を確認するために、様々な手法を使用します。

 

趨勢分析、取引内容や取引条件の把握、契約書や請求書、入金証憑の閲覧、年齢調べ、回転期間分析等がありますが、ここでは分かりやすい「回転期間分析」を例としてみましょう。

 

買収予定の会社の主要顧客として、A社(売掛金残高10,000千円)とB社(売掛金残高25,000千円)があります。どちらも契約上は月末締め翌月末払いの相手先です。残高だけを見ても何も分からないので、年間売上高を使用して回転期間を求めてみると、以下表の通りです。

 

<売上債権の回転期間分析>

 

 

回転期間とは、売掛金等の営業債権計上後、回収されるまでの期間を示す指標です。月末締め翌月末払いですから、回転期間は通常30日から多くて60日程度になるはずです。

 

A社は回転期間が36.5日と特段異常はありませんが、B社は回転期間が60日を超えていますので、何かありそうですね。60日近辺ですので、取引の関係上月初に全ての売上を計上している可能性もありますし、前述した期ズレや架空計上の可能性もあります。

 

その後B社について追加調査を行うことで、その内容を把握することができますね。

 

今回は、M&A前に売上を良く見せようと翌期の売上10,000千円を当期に回していたことが分かったとします。この結果をDDに反映させることとなります。

 

 

 

4. 具体例:棚卸資産


① 棚卸資産の気になる点は?

棚卸資産は営業目的で保有する在庫のことで、製品や仕掛品、半製品、原材料の総称です。

 

<帳簿上の棚卸資産>

 

 

<気になる点>

棚卸資産についても売上債権と同様に、その在庫が実在しているか、在庫価額は適切か、期間配分は正確かというところが主に着目するポイントです。

 

一般的な製造業のDDにおいては、まず原価計算や在庫管理がどのように行われているかを把握します。例えば材料費のみが集計されていて、製造に直接関係する人件費等は集計されていない(販売管理費として期間費用処理されている)ことは多いです。

 

外注先があるケースや預け在庫・預り在庫があるケースも多く、原価計算や在庫管理の方法は第一に把握すべきところです。

 

② 実施手続

実際に行う手続としては、売上債権と同じく趨勢分析、取引内容や取引条件の把握、契約書や請求書、入金証憑の閲覧、回転期間分析、年齢調べ等があります。

今回は「年齢調べ」を例としてみましょう。

 

会社は4種類の製品A~Dを保有しており、それぞれ在庫が入庫されてからの期間が以下の通りであるとします。

 

<在庫年齢調べ>

 

 

製品Aは1か月以内に売却されている一方、製品Bは6ヶ月保有しているものがあることが分かります。相手先との関係から常に在庫を保有し続けている場合もありますので、製品Bはそのような製品なのかもしれません。

 

最も気になるのは製品Dですね。1年超のものが3,000千円あり、明らかに滞留していることが確認出来ます。

 

そこで、製品Dについて追加調査を行うことで、その内容を把握します。

 

例えば他社の完成品における重要な補修部品であり、完成品の保証期間中一定量を保有し続けなければならない製品かもしれません。または新しいモデルが販売されたことによる型落ち品であり、今後の販売見込が立っていない不良在庫かもしれません。

 

今回は、今後の販売見込が立っていない不良在庫であることが分かりました。一切販売が見込まれないと確認が取れましたので、実態をはかる上では全て評価減とします。

 

<帳簿上の売掛金>

 

 

 

[今回のPoint]

事例のように、実態純資産分析においては各科目について気になる点を考え、様々な手法を用いて実態はどうなっているかを1つ1つ確認していくこととなります。

 

 

 

漠然とした財務デューデリジェンスに対するイメージが、少しでも具体的になっていただけたでしょうか。次回は損益計算書分析について見ていきましょう。

 

 

 

 

 

[M&A案件情報(譲渡案件)](2021年5月11日)

-以下のM&A案件(5件)を掲載しております-

 

●技術者派遣・請負業 大手との取引が中心で安定した業績を誇る

[業種:労働者派遣業/所在地:東日本]

●豊富な設備を有するフィットネスジムの事業譲渡案件

[業種:フィットネスクラブ/所在地:北海道地方]

●関西圏を拠点とし、中型・小型トラックを中心に常時20台以上稼働。増収増益基調。

[業種:一般貨物運送事業/所在地:西日本]

●関東圏にて小規模保育事業2園を運営

[業種:保育園事業/所在地:関東地方]

●国内有数のマッチングサービスの事業譲渡

[業種:インターネット附随サービス業/所在地:関東地方]

 

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-

(お問い合せ・ご相談は「無料会員登録」が必要です)

 


案件No.SS007224
技術者派遣・請負業 大手との取引が中心で安定した業績を誇る

 

 

(業種分類)人材派遣・アウトソーシング

(業種)労働者派遣業

(所在地)東日本

(直近売上高)10~50億

(従業員数)100名超

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)技術者派遣業の譲渡案件

 

〔特徴・強み〕

◇高度な技術力を保有
◇従業員の定着率の高さ
◇実質無借金経営

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-


案件No.SS007207
豊富な設備を有するフィットネスジムの事業譲渡案件

 

(業種分類)娯楽・スポーツ

(業種)フィットネスクラブ

(所在地)北海道地方

(直近売上高)1億以下

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)事業譲渡

(事業概要)北海道にてフィットネスジムを運営

 

〔特徴・強み〕

◇1億2千万円程度をかけて設立したジムの事業譲渡案件
◇設立からまだ浅く、内装・設備は新しい。機械器具は全て自社にて所有
◇アクセス良好な場所にて営業中

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-


案件No.SS007108
関西圏を拠点とし、中型・小型トラックを中心に常時20台以上稼働。増収増益基調。

 

(業種分類)物流・運送

(業種)一般貨物運送事業

(所在地)西日本

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)一般貨物自動車運送業

 

〔特徴・強み〕

◇増収増益基調。
◇家電量販店、物流会社に受注基盤

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-


案件No.SS007025
関東圏にて小規模保育事業2園を運営

 

(業種分類)教育・コンサル

(業種)保育園事業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)事業譲渡

(事業概要)小規模保育事業の譲渡案件

 

〔特徴・強み〕

◇小規模保育事業A型を運営
◇手厚い保育ができる十分な保育士が在席
◇好立地にて2園を運営

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-


案件No.SS007020
国内有数のマッチングサービスの事業譲渡

 

(業種分類)IT・ソフトウェア

(業種)インターネット附随サービス業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)50~100名

(譲渡スキーム)事業譲渡

(事業概要)マッチングサービスの運営

 

〔特徴・強み〕

◇審査制とし、質の高いユーザーの獲得に注力している
◇広告運用などで業界平均獲得単価よりも抑え、ユーザー獲得を実現できている
◇プロダクトが完成しているため、最少人数でランディング可能

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-


情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

お気軽にお問合せください

[M&A事業承継の専門家によるコラム]

第4回:第三者承継(M&A)の進め方とM&A専門用語の意味

 

中小零細企業経営者や経営者をサポートする専門家の方が抱えるM&Aや事業承継に関するお悩みを、中小零細企業のM&A支援・事業計画支援を専門で行っている株式会社N総合会計コンサルティングの平野栄二氏にアドバイスいただきます。

 

〈解説〉

株式会社N総合会計コンサルティング

平野栄二

 

 

 

「私(K氏)は現在75歳です。従業員5人の製造業を経営しています。業績は現在芳しくなく、売上も減少傾向です。後継者候補は現在存在していません。そこで、ここ数年、検討することを躊躇していましたが、そろそろ後継者を選んで、経営の引き継ぎをしたいと考えいてます。第三者に承継(M&A)を行う場合、 どのような手順で進めればよろしいでしょうか。」

 

 


 

平野:M&Aのフローについて、簡単にステップを説明をいたします。専門用語が多いので、それぞれの用語の意味を、まとめましたので参考にしてください。

 

 

M&Aの大きな流れ


一般的なM&Aのフローは以下のようになります。大体、個別相談から成約までは、早くて6か月、一般的には1年前後かかるケースが多いので、早めに相談をする必要があります。以下、実行フローとそのポイントを記載します。

[図表(PDF)で確認する]

 

(1)個別相談(M&Aが可能かを検討する) 

■誰に相談するか決める。(詳細は次章でお話します)

事前に相談したいことを箇条書きで記載しおく

・相談に必要な資料としては、決算書・株主構成など

・自社の状況で可能性があるのか、どのように進めていくのかを確認する

・費用はどれくらいかかるのかを確認する

 

(2)秘密保持契約の締結

・M&Aで最重要なことは「秘密保持」です。秘密保持契約を最初に締結する

 

(3)ファイナンシャル・アドバイザリー(FA)契約、または仲介契約の締結

■信頼できるアドバイザーが決まれば、アドバイザリー契約を締結し、開始する

■着手金・案件化料・企業評価料を支払う

最近は、着手金等を支払うケースが減少しているが、着手金が必要な企業ほど、責任をもって業務を行ってもらえるケースも多い。あくまでも、信頼できる業者を選定することが重要。

■ご依頼の意思決定をしてもらう

 

(4)M&Aのスキーム(方法)の検討

・必要資料の収集

・承継にあたり問題点(取引先・株主・従業員)を整理し、譲渡までの課題を抽出

・承継における譲受先へのアピールポイントを検討する

・売買条件(価格・引継ぎ方法・日程・譲渡先等)基本方針決定

 

実際、この時点では、詳細な条件は決まらないケースが多いため、その後のステップと併行しながら進めていく。

 

(5)企業概要書・ノンネームシートの作成と候補先への開示

■ノンネームシート(名前を表示せずに候補先の依頼を行うためのシート)

■企業概要書の作成 

・提携先のアドバイザー、配布して候補先の検討をしてもらう。

・事業引継ぎ支援センターに同行し、相談する。

・譲渡先の承諾を得てM&Aプラットフォームに登録する。

 

(6)バリュエーション(企業価値評価・事業価値評価)(株価)の算定

先ずは、決算書をもとに、資産や負債の時価評価を行い、時価純資産を算定する。

・役員報酬が同業他社の平均よりも過大や過少な場合や、臨時的な損益があれば、調整をおこなって、正常な収益力や、キャッシュフローを算定する。

・時価純資産価額法や、EBITDA倍率法やDCF法など、その企業に適した評価を行う。

 

(7)株式の社長への集約手続き (株式譲渡契約→代金決裁)

・経営に参画していない者が株主になっている場合、代表株主が、M&Aを行うまえに株式を買い取り、集約することが望ましい。譲り受け側としては、100%の株式を買い取り、経営権を保有したいと考える。他の株主がM&Aに反対された場合、M&Aの進行が滞る可能性があるので、早期に行動を起こす。

・所在不明な株主がいる場合などは、弁護士や司法書士に相談をし、対策を検討する。

 

(8)譲渡先の探索と決定 (マッチング→交渉) 

①候補先の紹介→ネームクリアの決定→候補先に情報開示(秘密保持厳守)

②各種検討の資料の提出と検討

③社長同士のトップ面談

④候補先から意向表明書の提出を受ける

候補先をまずは1社に絞る

⑤基本合意のための条件交渉

 

(9)基本合意契約の締結

■取引先・従業員等へのディスクローズの決定

■目的・譲渡内容・対価・条件・役員社員の処遇

合意後の手続き・守秘義務事項・独占交渉権・有効期限など

 

(10)買収監査(デュ-デリジェンス) 

 

(11)最終契約の締結

■最終条件の交渉

■最終契約(株式譲渡契約)締結 

 

(12)クロージング手続き

■代表者・取締役の退任手続き→司法書士

■株式の譲渡、譲渡代金の決済

■役員退職金の支払

■M&Aアドバイザリー手数料(成功報酬)

 

(13)PMI  (統合・引継ぎ業務)

代表者の個人保証等がある場合は、解除手続き

 

 

 

[POINT]

・譲渡企業は、少しでも疑問や不安を感じたときは一歩立ち止まって検討する

・アドバイザーは譲渡企業の社長の心情を理解し、寄り添う姿勢を崩さないこと

 

 

 

■□■事業者が知っておきたい専門用語の説明■□■


※中小M&Aガイドライン(中小企業庁)より一部抜粋・編集

 

[仲介契約]

仲介契約とは、仲介者が譲り渡し側・譲り受け側双方との間で結ぶ契約をいい、これに基づく業務を仲介業務という。仲介者とは、譲り渡し側・譲り受け側の双方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関をいう。

 

ファイナンシャル・アドバイザリー契約(FA契約)]

FA 契約とは、FA が譲り渡し側・譲り受け側の一方との間で結ぶ契約をいう。我が国においては、中小 M&A に関しても、譲り渡し側・譲り受け側の一方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関を FA と称することが一般的である。FA(フィナンシャル・アドバイザー)とは、譲り渡し側又は譲り受け側の一方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関をいう。

 

[秘密保持契約(NDA、CA)]

秘密保持契約とは、秘密保持を確約する趣旨で締結する契約をいう。具体的には、譲り受け側が、ノンネーム・シート(ティーザー)を参照して譲り渡し側に関心を抱 いた場合に、より詳細な情報を入手するために譲り渡し側との間で締結するケース や、譲り渡し側や譲り受け側が仲介者・FAとの間で締結するケース(仲介契約・FA契約の中で秘密保持条項として含められるケースが多い。)がある。「NDA(NonDisclosure Agreement)」や「CA(Confidential Agreement)」ともいう。

 

[企業概要書(IM、IP)]

譲り渡し側が、秘密保持契約を締結した後に、譲り受け側に対し て提示する、譲り渡し側についての具体的な情報(実名や事業・財務に関する一般的 な情報)が記載された資料をいう。インフォメーション・メモランダム「IM(Information Memorandum)」やインフォメーション・パッケージ「IP(Information Package)」ともいう。

 

[ノンネーム・シート(ティーザー)]

ノンネーム・シート(ティーザー)とは、譲り渡し側が特定されないよう企業概要を簡単に要約した企業情報をいう。譲り受け側に対して関心の有無を打診するために使用される。

 

[バリュエーション(企業価値評価・事業価値評価)]

バリュエーションとは、企業又は事業の価値を定量的に評価することをいう。評価額は、中小M&Aで譲渡額を決める際の目安の一つとして取り扱われる。評価手法は様々なものがあり、企業の実態や事業の特性等に応じた手法が選択される。

 

[マッチング]

マッチングとは、譲り渡し側と譲り受け側が M&Aの当事者となり得る者として接触 することをいう。譲り渡し側と譲り受け側の交渉は、マッチング後に開始することにな る。

 

[意向表明書]

意向表明書とは、譲り渡し側が譲り受け側を選定する入札手続を行う場合等に、 譲り受け側が譲り受けの際の希望条件等を表明するために提出する書面をいう。

 

[基本合意書(LOI、MOU)]

基本合意書とは、譲り渡し側が、特定の譲り受け側に絞って M&Aに関する交渉を行うことを決定した場合に、その時点における譲り渡し側・譲り受け側の了解事項を確認する目的で記載した書面をいう。「LOI(Letter Of Intent)」「MOU(MemorandumOf Understanding)」ともいう。基本的に法的拘束力がないものの、譲り受け側の独占的交渉権や秘密保持義務等については、法的拘束力を認めることが通常である。

 

[デュー・ディリジェンス(DD)]

デュー・ディリジェンス(Due Diligence)とは、対象企業である譲り渡し側における各種のリスク等を精査するため、主に譲り受け側がFAや士業等専門家に依頼して実施する調査をいう(「DD」と略することが多い。)。調査項目は、M&A の規模や実施希望者の意向等により異なるが、一般的に、資産・負債等に関する財務調査(財務 DD)や株式・契約内容等に関する法務調査(法務 DD)等から構成される。なお、その他にも、ビジネスモデル等に関するビジネス(事業)DD、税務 DD(財務DD 等に一部含まれることがある。)、人事労務 DD(法務 DD 等に一部含まれることがある。)、知的財産(知財)DD、環境 DD、不動産 DD、ITDD といった多様な DD が存在する。

 

[クロージング]

クロージングとは、M&A における最終契約の決済のことをいい、株式譲渡、事業譲渡等に係る最終契約を締結した後、株式・財産の譲渡や譲渡代金(譲渡対価)の全部又は一部の支払を行う工程をいう。

 

[PMI]

PMI(Post-Merger Integration)とは、クロージング後の一定期間内に行う経営統合作業をいう。

 

 

 

 

 

依頼者は、専門家が意味の分からない専門用語を使ったときは、臆せず、意味をたずねるようにいたしましょう。また、専門家は、なるべく意味が分かるように優しい言葉で、依頼者に説明することが大切です。

 

[業界別・業種別 M&Aのポイント]

第11回:「食肉卸売業のM&Aの特徴や留意点」とは?

~原価計算の方法は?販路別の売り上げや利益は?~

 

〈解説〉

公認会計士・中小企業診断士  氏家洋輔

 

 

▷関連記事:「アパレル小売業のM&Aの特徴や留意点」とは?

▷関連記事:「産業廃棄物処理業のM&Aの特徴や留意点」とは?

▷関連記事:「医療業界のM&Aの特徴や留意点」とは?

 

Q、食肉卸売業のM&Aを検討していますが、食肉卸売業M&Aの特徴や留意点はありますか?


食肉業界は、牛肉、豚肉、鶏肉等を扱いますが、BSE(牛海綿状脳症)や口蹄疫、鳥インフルエンザ等の感染症の影響により市場環境が大きく変化する業界です。

 

食肉は、簡便的に説明すると、和牛の場合肥育を行い28ヵ月になると、市場等に出荷されます。市場等から卸売業者や加工業者を通していく過程で、枝肉、ブロック肉、精肉に加工されます。

 

 

 

 

食肉卸売業者の場合、どこから仕入れてどこに売るのか、加工を行うのか行わないのか等の特徴があります。より上流から仕入れて、下流に販売することができる卸売業者の方がマージンは大きくなることが一般的です。

 

また、牛肉であれば、例えばロースは12月の売上量が多くなり、単価も高くなるなど季節性があることも特徴であり、各社様々な営業戦略をとっています。

 

仕入については、市場等から枝肉を仕入れるのか、卸売業者からブロック肉を仕入れるのか等の違いがあります。市場で枝肉を仕入れるには買参権が必要であるため、誰でも仕入ができるわけではありません。つまり、買参権を保有していることは1つの強みとなります。また、ブロック肉を仕入れてそのままブロック肉として販売する場合は、食肉の加工の部分以外での付加価値が必要となります。

 

食肉卸の加工部分での差別化ができる内容としては、枝肉を解体して精肉にまで加工できる設備や技術の有無、熟成技術の有無、急速冷凍の設備の有無、ハムやカレー等の加工食品の製造設備や技術の有無等が挙げられます。最終製品を製造することで、B to B だけでなくB to Cの販売も可能になり販路が拡大します。

 

M&Aの検討対象として食肉加工卸業者を見る場合、どのような特徴、強みがあるのかを正確に把握した上で、自社とのシナジー等を検討しましょう。

 

また、枝肉から精肉まで加工を行う場合、歩留まりの把握も含めて原価計算が複雑となります。枝肉を解体して、ヒレやロース、ウデ等のブロック肉となりますが、それらの販売単価は異なるため、どのような原価に設定するかは企業によって異なります。原価計算の方法により、部位ごとの粗利率も異なってくるため、販売意思決定にも関わります。また在庫の金額にも影響があるため、どのような原価計算で部位ごとの原価を決定しているかは正確に理解する必要があります。

 

さらに、販路ごとに売上高は把握している企業は多いですが、販路ごとの粗利や貢献利益の把握までできている会社は少ないのが現状です。貢献利益を分析してみると赤字であったあり、利益率の高くない取引先に熱心に営業をしている場合等が少なからずあります。これらの利益の分析は財務の専門家等を活用して正確に理解する必要があります。

 

食肉卸売業のM&Aを検討する場合は、業界の特色を理解した上で、流通構造のどの部分を事業としているのか、対象会社の特徴や強み、原価計算の方法や販路別の売上・利益を理解しましょう。原価計算や販路別の利益の分析は、専門性が高いため財務の専門家をうまく活用して理解した上で、M&Aの検討することが望ましいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

[M&Aニュース](2021年4月19日〜2021年4月30日)

◇オンキヨーホームエンターテイメント<6628>、ホームAV事業をシャープ<6753>と米ヴォックスに譲渡へ、◇パソナグループ<2168>、法務分野の人材サービスを手がけるMore-Selectionsを子会社化、◇川崎汽船<9107>、米国物流子会社CENTURY DISTRIBUTION SYSTEMSを現地投資会社に譲渡、◇シャノン<3976>、TAGGYからデジタル広告事業を取得、◇トッパン・フォームズ<7862>、マーケティングサービス開発のlivepassを子会社化、◇白洋舎<9731>、モップ、マットの販売・レンタル事業をトーカイ<9729>に譲渡、◇横浜ゴム<5101>、シーリング材などの「ハマタイト事業」をスイスSikaに譲渡、◇デザインワン・ジャパン<6048>、ポスティング広告のアマネクコミュニケーションズを子会社化、◇ダスキン<4665>、アドベンチャー<6030>傘下で洋服レンタルサイト運営のEDISTを子会社化 ほか

 

 

 

 

オンキヨーホームエンターテイメント<6628>、ホームAV事業をシャープ<6753>と米ヴォックスに譲渡へ
2021/04/30

オンキヨーホームエンターテイメントは30日、スピーカーなどのホームAV(音響・映像)事業の譲渡に向け、シャープと米音響機器メーカーのVOXX International Corporation(ヴォックス、フロリダ州)と協議に入ると発表した。売却額などを詰め、5月20日までに譲渡契約の締結を目指す。オンキヨーは東京証券取引所が指定した3月末時点までに債務超過を解消できず、7月末にも上場(ジャスダック)廃止になる見込み。これに伴い、上場廃止後の事業継続のための選択肢の検討を進めていた。

オンキヨーは主力のホームAV事業を譲渡後、車載用やテレビに使われるスピーカーを中心にOEM(相手先ブランド生産)事業に専念し、生き残りを目指す。

譲渡候補先のシャープとは2008年にAV機器製造の合弁会社をマレーシアに設立し、ヴォックスとは2020年7月に米国での販売代理店契約を結んでいる。オンキヨーはすでに両社と協力関係にあり、事業パートナーとして適任であると判断したとしている。

パソナグループ<2168>、法務分野の人材サービスを手がけるMore-Selectionsを子会社化
2021/04/30

パソナグループは法務分野に特化した人材サービスを手がけるMore-Selections(東京都渋谷区)を30日付で子会社化した。専門分野の人材ニーズへの対応力を強化するのが目的。More-Selectionsは2007年設立。取得割合、取得価額は非公表。

川崎汽船<9107>、米国物流子会社CENTURY DISTRIBUTION SYSTEMSを現地投資会社に譲渡
2021/04/30

川崎汽船は、米国で物流事業を手がける100%子会社CENTURY DISTRIBUTION SYSTEMS, INC.(CDS、ニュージャージー州)の全保有株式を、現地投資会社Sun Capital Partners, Inc.に譲渡することを決めた。従来から進めてきた事業構成見直しの一環としている。譲渡価額は未確定だが、関係会社株式売却益約50億円を2022年3月期決算に特別利益として計上する予定。譲渡予定日は2021年5月31日。

CDSは1987年設立で、複数のサプライヤーの貨物を同じコンテナにまとめて積載して仕向け地に輸送するバイヤーズコンソリデーション事業、NVOCC(国際複合運送業者)事業、陸送事業、倉庫業などを手がける。

シャノン<3976>、TAGGYからデジタル広告事業を取得
2021/04/30

シャノンは、TAGGY(東京都港区)からデジタル広告事業を30日付で取得した。TAGGYが手がける「おもてなしDSP」「おもてなしバナー」などのサービスを取り込み、顧客企業に対するマーケティング支援事業のメニュー充実につなげる。対象事業の直近売上高は1億6100万円。取得価額は非公表。

トッパン・フォームズ<7862>、マーケティングサービス開発のlivepassを子会社化
2021/04/28

トッパン・フォームズは、マーケティングサービス開発のlivepass(東京都港区)の株式を追加取得し子会社化することを決めた。現在29.63%の持ち株比率を66.51%に引き上げる。企業と生活者をつなぐメッセージ配信や手続きなどのプラットフォーム事業の強化につなげる。livepassは2013年設立で、訴求力の高いパーソナライズド動画技術などに強みを持つ。取得価額は非公表。取得予定日は2021年5月28日。

白洋舎<9731>、モップ、マットの販売・レンタル事業をトーカイ<9729>に譲渡
2021/04/28

白洋舎は、モップ・マットの製造、販売とレンタルを行うダストコントロール事業を会社分割して7月に設立する新会社・レンテックス(東京都大田区)の株式90%を、トーカイに譲渡することを決めた。経営基盤再構築の一環。白洋舎はクリーニング事業とレンタル事業(リネンサプライ、ユニフォームレンタル)を経営の両輪とするが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で需要が激減し、2020年12月期の営業損益は47億円の赤字に転落した。譲渡価額は未確定。譲渡予定日は2021年10月1日。

ダストコントロール事業についてはこれまでトーカイと業務提携関係にあることから、同社に事業を託すことが事業の継続的な成長、従業員利益の確保につながると判断した。譲渡する当該事業の直近売上高は18億9000万円。

横浜ゴム<5101>、シーリング材などの「ハマタイト事業」をスイスSikaに譲渡
2021/04/28

横浜ゴムは、自動車・建築用シーリング材やウレタン防水材などで構成する「ハマタイト事業」を、スイス化学メーカーSika AGの日本、米国、中国、タイにある4子会社に譲渡することを決めた。市場環境が厳しさを増す中、業界のトップ企業であるSikaに事業を委ねることが得策と判断した。Sikaとの間で事業価値は172億円で合意しており、運転資本などを調整したうえで譲渡価額を決める。譲渡予定日は2021年11月1日。

日本における事業は会社分割して新会社を設立し、そのうえで新会社の全株式をSika日本法人の日本シーカ(東京都港区)に譲渡する。

デザインワン・ジャパン<6048>、ポスティング広告のアマネクコミュニケーションズを子会社化
2021/04/28

デザインワン・ジャパンは、広告代理業のアマネクコミュニケーションズ(東京都中央区。売上高5億7100万円、営業利益163万円、純資産1億1800万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。アマネクはポスティングを軸にエリアマーケティングに特化し、広告媒体の印刷発注から配布までを手がける。デザインワンは国内最大級の口コミ店舗検索サイト「エキテン」を運営するが、アマネクを傘下を取り込むことで、個々の商圏に応じたポスティングによる集客手段の提供など新たなサービスが可能になる。

取得価額は非公表。取得予定日は2021年5月13日。

ダスキン<4665>、アドベンチャー<6030>傘下で洋服レンタルサイト運営のEDISTを子会社化
2021/04/28

ダスキンは、アドベンチャー傘下で洋服などのレンタルサイト「EDIST.CLOSET」を運営するEDIST(東京都渋谷区。売上高3億8800万円、営業利益△7640万円、純資産244万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。デジタル接点による非接触や「所有するから借りる」といった暮らし方の流れをとらえ、ワークライフマネジメントサービスの付加価値向上につなげる。取得価額は1800万円。取得予定日は2021年5月31日。

米ベインキャピタル、日米連合で日立金属<5486>を買収へ
2021/04/28

米投資ファンドのベインキャピタルは28日、日立金属に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。TOBを通じて発行済み株式の47%をおよそ4300億円で買い付ける。そのうえで、ベインキャピタルは日本産業パートナーズ(東京都千代田区)など日本の投資ファンド2社と組んで、親会社の日立製作所が保有する残る53%の株式を約3820億円で取得し、日立金属を完全子会社化する。買収総額は8100億円超に上る見通し。

TOBは11月下旬をめどに予定している。日立金属は同日、TOBに賛成を表明した。日立はグループ事業の再編を進めており、昨年は日立化成を昭和電工に売却した。

買付主体はベインキャピタルが設立したBCJ-52(東京都千代田区)。買付価格は日立金属株1株につき2181円。TOB公表前日の終値1884円に15.76%のプレミアムを加えた。

買付予定数の下限は所有割合13%強に相当する5682万1201株で、TOBに応募しない日立の全保有株式(2億2822万1199株)と合わせて66.67%となる水準とした。

TOB成立後、ベインキャピタルは日本産業パートナーズ、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(東京都千代田区)との日米3社連合を通じて日立が保有する全株式を1株1674円で取得する。手続きとして日立金属が行う自己株式取得に応じて、日立が株式を売却する形となる。

日立金属は1956年に日立の鉄鋼部門が分離独立して発足。日立グループではかつて日立金属、日立電線(日立金属と2013年合併)、日立化成が“御三家”と呼ばれていた。

シンガポール投資会社のアスリード・キャピタル、富士興産<5009>に子会社化を視野にTOBを実施
2021/04/28

シンガポール投資会社のアスリード・キャピタルは28日、石油販売会社の富士興産に対してTOB(株式公開買い付け)を始めた。既保有分(約16.8%)を含めて全株式の取得を目指しており、買付代金は最大82億9475万円。買付予定数の下限は40%に設定している。アスリードは「中長期的な企業価値の向上のためにも非公開化が必要」としている。富士興産はTOBについて同社取締役会の賛同を得て実施されたものではないとしたうえで今後、速やかに賛成か反対かなどの見解を公表するとしている。

買付主体はアスリード・キャピタル傘下の2つの投資ファンド。買付価格は1株につき1250円。TOB開始前日の終値1086円に対して15%程度高い水準。買付予定数は663万5803株で、上限は設けていない。

アスリードは昨年8月、富士興産株の5%超の保有が明らかになり、この当時の富士興産の株価は400円台だった。

買付期間は4月28日~6月14日。公開買付代理人は三田証券(復代理人はマネックス証券)。決済の開始日は6月21日。

ケア21<2373>、エターナルから訪問介護事業などを取得
2021/04/28

ケア21は、エターナル(東京都練馬区)から訪問介護事業(1拠点)と居宅介護支援事業(1拠点)を取得することを決めた。営業、人材確保の面で業務効率化など相乗効果を見込む。エターナルは2011年設立。取得価額は非公表。取得予定日は2021年6月1日。

シナネンホールディングス<8132>、バイオ燃料製造・販売のブラジル子会社SICCを従業員に譲渡
2021/04/28

シナネンホールディングスは、バイオ燃料製造・販売のブラジル子会社SINANEN INDUSTRIA E COMERCIO DE COMBUSTIVEIS LTDA(SICC、サンパウロ州イタポランガ。売上高259万円、営業利益△5550万円、純資産3億8600万円)の株式99.78%を、シナネンから出向中のSICC従業員に譲渡することを決めた。これに伴い、ブラジルでのバイオ燃料事業から撤退する。SICCは2012年に設立。譲渡価額は未確定。譲渡予定日は2021年10月1日。

SBSホールディングス<2384>、古河電気工業<5801>傘下の古河物流を子会社化
2021/04/27

SBSホールディングスは古河電気工業傘下の物流会社、古河物流(東京都千代田区。売上高161億円、営業利益6200万円、純資産11億2000万円)の株式66.6%を取得し子会社化することを決めた。総合物流事業者として事業規模と事業領域の拡充に向け、ここ数年、リコー、東芝、SMCなど大手メーカーの物流子会社を相次いで買収しており、その一環。取得価額は非公表。取得予定は2021年中。

古河物流は1980年設立で、古河電工グループ内で電子部品、自動車部品、ワイヤーなどの輸配送、流通加工、国際物流、保管などのロジスティクス機能を担ってきた。

EPSホールディングス<4282>、CAC Holdings<4725>傘下で医薬品・医療機器開発業務受託のCACクロアを子会社化
2021/04/27

EPSホールディングスはCAC Holdings傘下で医薬品・医療機器開発業務の受託とこれに関連するITサービスを手がけるCACクロア(東京都中央区。売上高68億2000万円、営業利益△2億6200万円、純資産18億8900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。主力事業の一つ、CRO(開発業務受託機関)事業の拡充の一環。取得価額は30億600万円。取得予定日は2021年6月30日。

EPSホールディングスは子会社のイーピーエス(東京都新宿区)を通じて、CACクロアの全株式を取得する。CACクロアはシステム構築・運用のCAC Holdingsが2012年に全額出資で設立し、ITに強みを持つCROとして実績を積んできた。

コプロ・ホールディングス<7059>、機械設計技術者派遣のアトモスを子会社化
2021/04/27

コプロ・ホールディングスは、機械設計技術者派遣のアトモス(名古屋市。売上高8億2700万円、営業利益200万円、純資産1億8600万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。エンジニア派遣領域における事業拡大につなげる。アトモスは2006年設立で、大手製造業の開発・設計部門を中心に約100人の派遣社員を抱える。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月30日。

コプロは建設・プラント業界向け人材派遣・紹介事業を主力とする。機械設計技術者派遣のアトモスを傘下に取り込み、同じエンジニア領域での相乗効果を期待している。

霞ヶ関キャピタル<3498>、OYO Japanのオンライン不動産賃貸事業を取得
2021/04/27

霞ヶ関キャピタルは子会社のKC Technologies(東京都千代田)を通じて、宿泊事業・不動産賃貸事業のOYO Japan(東京都千代田区)からオンライン不動産賃貸事業「OYO LIFE」を会社分割により取得することを決めた。不動産テック事業参入の第一歩。取得価額は非公表。取得予定日は2021年6月1日。

霞ヶ関キャピタルは不動産テック事業に参入するため3月にKC Technologiesを設立した。この新会社には霞ヶ関キャピタルが70%を出資し、残りをOYO Japan、独自のキーボックスを使った鍵の24時間無人受け渡しサービスを手がけるKeeyls(東京都渋谷区)、不動産アドバイザー事業のプロフィッツ(東京都千代田区)が出資した。

Success Holders(旧ぱど)<4833>、システム開発のP&Pを子会社化
2021/04/27

Success Holders(旧ぱど)は、システム開発のP&P(福岡市。売上高3億5700万円、営業利益3700万円、純資産6000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。M&Aを活用した成長戦略推進の一環。P&Pは2010年設立で、システム開発のほか、技術者派遣を手がける。取得価額は3億5900万円。取得予定日は2021年5月中旬。

シティインデックスイレブンス、日本アジアグループ<3751>にTOB
2021/04/26

旧村上ファンド系の投資会社であるシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)は、日本アジアグループに対するTOB(株式公開買い付け)を始めると発表した。日本アジアは公開買付届出書の内容などの情報を慎重に分析・検討した上で、意見を公表する予定という。買付代金は約172億円。

シティインデックスは2021年3月17日に日本アジアに対するTOBを発表したが、同22日に同社が対抗措置として買収防衛策の実施を決めたのを受けて見送っていた。

しかし、4月2日に東京地裁が買収防衛策の実施を差し止めたことから、改めてTOB実施を決めた。買付予定数は普通株式全てとなる1890万5795株で、上限・下限は設けない。 買付価格は前回発表と同じ1株あたり910円。

買付期間は2021年4月27日から6月11日までの30営業日。決済の開始日は6月18日。公開買付代理人は三田証券、復代理人はマネックス証券。

テクノホライゾン<6629>、シンガポールを本拠とするセキュリティー機器・ソフトのPACIFIC TECHグループを子会社化
2021/04/26

テクノホライゾンはASEAN(東南アジア諸国連合)でセキュリティー機器・ソフトウエアなどを手掛けるPACIFIC TECHグループ(シンガポール)を子会社化すると発表した。テクノホライゾングループは、オプト・エレクトロニクス技術を核にさまざまな製品とサービスを提供し、「グローバルな『人と社会』に貢献する」ことを事業目的としており、本買収でASEANでの事業強化を狙う。

買収するのはシンガポールのPACIFIC TECH PTE. LTD.(売上高36億5000万円、税引前利益2億4000万円、純資産7億300万円)とPACTECH MSP PTE.LTD.(売上高1億2900万円、税引前利益1億円、純資産3億3500万円)、マレーシアのPACIFIC INTECH DISTRIBUTION SDN. BHD.(売上高8億7300万円、税引前利益7700万円、純資産1億9100万円)、タイのPACIFIC TECH (THAILAND) CO., LTD.(売上高2億1000万円、税引前利益1600万円、純資産4700万円)の4社。4社合計の売上高は48億6200万円、税引前利益は4億3300万円、純資産は12億7600万円。

PACIFIC TECHグループはセキュリティー機器・ソフトウエアの販売、インストール、メンテナンス、サポート事業に取り組む企業でASEAN広域で展開し、各国で商品やサービスを提供している。

取得価額は約24億円。取得予定日は2021年5月12日。

ブリヂストン<5108>、鉱山車両用タイヤの豪オトラコインターナショナルを子会社化
2021/04/26

ブリヂストンは、鉱山事業者に独自のデジタルプラットフォームを活用した鉱山車両用タイヤのライフサイクル管理サービスを提供する豪オトラコインターナショナル(西オーストラリア州パース。売上高・営業利益・純資産は非公開)を子会社化すると発表した。

ブリヂストンは鉱山タイヤ・ソリューション事業を、積極的に経営資源を投入して継続的に強化・拡大すべき重要事業として位置づけている。今回の買収でブリヂストンが生産するタイヤと、オトラコのタイヤと車両のデータをリアルタイムで収集・分析する先進的なデジタル技術を組み合わせ、同事業の強化を図る。

取得価額はオトラコの企業価値約66億円に、運転資本などに係る調整をした上で決める。取得予定は2021年12月末。

EPSホールディングス<4282>、アパレルサプライチェーンマネジメントの香港・尚捷集團控股有限公司を子会社化
2021/04/26

EPSホールディングスは、アパレル会社向けにサプライチェーンマネジメントサービスを展開する香港・尚捷集團控股有限公司(売上高74億6000万円、営業利益4億5900万円、純資産17億5000万円)の株式75%を取得し、子会社化すると発表した。

同社はファッショントレンド分析やアパレル製品の製造におけるデザインと開発、材料調達、生産管理、品質管理、さらには製品の物流サービスを、日本企業を含むグローバル・アパレルメーカーに提供している。

一方、EPSホールディングスは新薬開発の治験支援(CRO)や医薬品販売支援(CSO)を展開し、衣料品にセンサーや通信機能をもたせたスマートアパレルを活用したヘルスケアサービスも視野に入れている。そこでアパレル製品のデザインや物流などのノウハウを持つ尚捷集團グループを傘下に置き、EPSホールディングスが持つヘルスケアの知見と融合させることにより新ビジネスの確立を目指す。

ぐるなび<2440>、楽天グループ<4755>から「楽天デリバリー」など2事業を取得
2021/04/23

ぐるなびは、楽天グループから出前・宅配注文サービス「楽天デリバリー」事業とテイクアウト支援サービス「楽天リアルタイムテイクアウト」事業を取得することを決めた。コロナ禍を機に飲食店によるデリバリー、テイクアウトサービスが広がる中、楽天ユーザーを取り込むことで飲食店への送客力の向上と事業拡大につなげる。取得価額は1300万円。取得予定日は2021年7月1日。

「楽天デリバリー」は2002年2月にサービスを開始し、全国1万2000店以上のメニューを注文可能な出前・宅配サービス。一方、「楽天リアルタイムテイクアウト」は事前注文・決済型のテイクアウトサービスで、2020年5月にスタートした。継承する対象2事業の直近売上高は9億1500万円。

UTグループ<2146>、人材派遣のプログレスグループを子会社化
2021/04/23

UTグループは人材派遣・請負事業のプログレスグループ(愛知県岩倉市。売上高-、営業利益△500万円、純資産9億4300万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。愛知県など東海地区でモノづくりの根幹を支える製造系の人材サービスを強化する。取得価額は30億9500万円。取得予定日は2021年5月27日。

プログレスグループは持ち株会社で、傘下のプログレス(愛知県岩倉市。1997年設立)は愛知県を中心に、自動車・自動車部品、電子部品、ゴム製品など製造業向け人材派遣を手がけ、日系外国人を合わせて約1100人の派遣社員が在籍する。

パナソニック<6752>、サプライチェーン・ソフトウエア企業の米ブルーヨンダーを約7800億円で子会社化
2021/04/23

パナソニックは23日、製造業や流通業、物流業などの業務を効率化するためのサプライチェーン(供給網)用ソフトウエアの専門会社である米ブルーヨンダー(アリゾナ州スコッツデール。売上高1093億円、営業利益18億9000万円、純資産65億1000万円)の株式80%を取得し、子会社化すると発表した。買収総額は株式取得で56億ドル、有利子負債の返済を含めて71億ドル(約7800億円、ほかにアドバイザリー費用約30億円)。パナソニックは顧客企業の生産性向上などに向けたサプライチェーンマネジメント(SCM)サービスを強化し、世界規模で事業拡大につなげる。

ブルーヨンダーは3000社を超える顧客基盤を持ち、AI(人工知能)・ML(機械学習)をベースとしたSCMサービスを提供している。パナソニックは2019年11月にブルーヨンダーと日本で合弁会社を設立し、さらに2020年7月に同社の株式20%を約860億円で取得するなど関係を深めていた。今回の株式の追加取得で完全子会社化する。

2021年10~12月期までに買収完了を見込む。

OBARA GROUP<6877>、平面研磨装置事業の中国子会社を現地社に譲渡
2021/04/22

OBARA GROUPは、平面研磨装置を製造・販売する中国子会社のSpeedFam Mechatronics (Shanghai) Limited (上海。純資産5億7100万円)の全持ち分を、コンサルティング・荷物運送代理業の上海屹途実業有限公司(上海)に譲渡することを決めた。平面研磨装置に関連する中国事業は南京にある関連会社SpeedFam Mechatronics (Nanjing) Limitedにすでに集約を完了している。譲渡価額は約14億2300万円。譲渡予定日は2021年6月15日。

クレアホールディングス<1757>、太陽光発電システム輸入・販売子会社のクレアを譲渡
2021/04/20

クレアホールディングスは太陽光発電システム関連の住宅設備機器輸入・販売などを手がける100%子会社のクレア(東京都港区。売上高4億4900万円、営業利益△1億4100万円、純資産△1億600万円)の全株式を、20日付で譲渡した。ただ、譲渡先企業は非公表。赤字体質が続き、業績改善と黒字化のめどが立たないため、グループから切り離すことにした。譲渡価額は8476円。併せて、クレアに対する貸付金7億6000万円の債権も譲渡した。

クレアは1992年設立で、グループ内で建設事業、不動産事業、コスメティック事業を主に担ってきた。建設事業では太陽光発電システムの販売を中心としてきたが、太陽光事業への国の補助金終了に伴い、取り扱いを中止。また、不動産事業でも新型コロナウイルス感染拡大の影響で開発計画が延期になるなど厳しい状況に陥っていた。

鴻池運輸<9025>、貨物輸送のタイ子会社Konoike J.Transportを譲渡
2021/04/20

鴻池運輸は、貨物輸送子会社のタイKonoike J.Transport (Thailand) Co.,Ltd.(ラヨーン県。売上高7億円、営業利益△7740万円、純資産9億9200万円)の全保有株式50%を、個人のSuwat Faprathanchai氏に譲渡することを決めた。2017年に合弁で設立し、タイ国内で鋼材など重量物輸送業務を手がけてきたが、取扱量の伸び悩みが続いていた。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年4月26日。

エレコム<6750>、コンピューター周辺機器販売のフォースメディアを子会社化
2021/04/20

エレコムは、ネットワークストレージ(記憶装置)などコンピューター周辺機器を仕入れ・販売するフォースメディア(東京都品川区。売上高17億6000万円、営業利益7590万円、純資産1億7900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。BtoB(事業者間)チャンネルにおける品ぞろえの拡充やサービスの強化が狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2021年5月20日。

SYSホールディングス<3988>、業務アウトソーシング請負のレゾナント・コミュニケーションズを子会社化
2021/04/20

SYSホールディングスは、業務アウトソーシングの請負や情報システム開発を手がけるレゾナント・コミュニケーションズ(東京都立川市。売上高2億500万円、営業利益3290万円、純資産3840万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。BPO(業務プロセスの外部委託)を含む情報サービスの保守・運用体制の強化につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年5月6日。

メディカルネット<3645>、ドラッグストア向け市販薬を提供するノーエチ薬品を子会社化
2021/04/19

メディカルネットは、市販薬を中心にドラッグストア専売品やプライベートブランド(PB)商品を提供するノーエチ薬品(大阪府松原市。売上高3億7800万円、営業利益4200万円、純資産1億5700万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。ファブレスメーカー(工場を持たない製造企業)であるノーエチ薬品をグループに取り込み、新たに歯科向け市販薬の開発・製造に乗り出す。取得価額は非公表。取得は2021年6月に予定。

ノーエチ薬品は1960年設立で、ドラッグストアや調剤薬局にオリジナル製品を提供している。

メディカルネットは歯科向けに情報サイトの運営や経営支援サービスを展開する。今回、歯科医院向けに器材・器具、アルコール消毒液などを取り扱う子会社のオカムラ(東京都福生市)を通じてノーエチ薬品を傘下に収める。

アイロムグループ<2372>、デルマラボのSMO事業を取得
2021/04/19

アイロムグループは子会社を通じて、化粧品・食品の臨床試験受託などを手がけるデルマラボ(札幌市)の治験施設支援機関(SMO)事業を取得した。北海道地区における提携医療機関の拡大の一環。当該事業の直近売上高は5400万円。取得価額は非公表。取得日は2021年4月1日。

GMOグローバルサイン・ホールディングス<3788>、SSLサーバー証明書販売のブラジル4BSを子会社化
2021/04/19

GMOグローバルサイン・ホールディングスはシンガポール子会社を通じて、Webサイトの身元証明や通信データの暗号化に使われるSSLサーバー証明書など電子証明書の販売を手がけるブラジルの4 BUSINESS SOLUTIONS CONSULTORIA EIRELI(4BS、ミナスジェライス州。売上高1450万円、営業利益348万円、純資産379万円)の全株式を取得することを決めた。取得価額は3300万円。取得予定日は2021年4月30日。

GMOグローバルサインはブラジルでSSLサーバー証明書の販売シェア68%を持つ。ブラジルはインターネットに接続するユーザー数が1億3900万人と、中国、インド、米国に次ぐ世界第4位。4BSを傘下に取り込むことで、ブラジル国内のユーザーへの直販・サポート体制を強化し、一段の事業拡大を目指す。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

業績見通しに関する企業の意識調査(2021年4月公開分)

 

 

◇2021年度の業績見通しに関する企業の意識調査

2021年度の業績、収益の増減予想は拮抗
~ 資金繰りの苦しさは「個人向けサービス業」で鮮明に ~

 

国内景気は、新型コロナウイルスの影響により経済活動が左右される状況が続いている。緊急事態宣言は解除され、ワクチン接種や新しい生活様式に対応した需要創出など徐々に明るい兆しも見え始めているものの、一部地域では「まん延防止等重点措置」が適用されるなど、収束の時期は未だ鮮明には見えていない。一方で、2020年から延期となった東京五輪・パラリンピックの開催や5Gの本格的な普及などによる景気回復が期待されている。

そこで、帝国データバンクは、2021年度の業績見通しに関する企業の意識について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2021年3月調査とともに行った。

※調査期間は2021年3月18日~3月31日、調査対象は全国2万3,703社、有効回答企業数は1万1,261社(回答率47.5%)。なお、業績見通しに関する調査は2009年2月以降、毎年実施し、今回で13回目
※本調査における詳細データは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している

 

※詳細はこちら

 

 

 

 

 

情報提供元(出所):株式会社帝国データバンク

[M&A案件情報(譲渡案件)](2021年4月27日)

-以下のM&A案件(1件)を掲載しております-

 

●当地で一定の知名度を誇る不動産売買業者。土地仕入のネットワークあり

[業種:土地売買業/所在地:関東地方]

 

 

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-

(お問い合せ・ご相談は「無料会員登録」が必要です)

 


案件No.SS007126
当地で一定の知名度を誇る不動産売買業者。土地仕入のネットワークあり

 

(業種分類)住宅・不動産

(業種)土地売買業

(所在地)関東地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)不動産売買業者

 

〔特徴・強み〕

◇当地に根差す不動産売買業者。建築部門もあり土地の仕入から建物の建築まで一気通貫で対応可能。
◇土地仕入に関するネットワークを保有しており、コロナ禍でも安定した仕入ができている。
◇譲渡理由は後継者不在。

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-


情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

お気軽にお問合せください

[解説ニュース]

M&Aの株の売却価額と評価額とのかい離で財産評価基本通達6項が適用された事例

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

■同族株主が相続等により取得した非上場株式の相続税評価

■非上場株式を後継者等(非居住者)に贈与した場合の留意点

 

1.財産評価基本通達6項の適用事案


中小企業のM&Aの目前に中小企業オーナーが亡くなり、相続人が相続直後に亡きオーナーが取りまとめていたM&Aを実行に移し同社株式を売却した事案で、相続人が相続税申告で財産評価基本通達(以下、財基通という。)通りに中小企業の株式を評価した評価額と、M&Aで合意された売却金額との間に「著しいかい離」があるとして税務当局から更正された事案に注目が集まっています。この事案は相続人が審査請求し国税不服審判所で争われました(令和2年7月8日)。今回はこの事案について見ていきます。

2.財産評価基本通達6項とは


相続税の財産評価とは、財産の経済的価値を見積もることです。原則は、相続により取得した財産の時価です。実務では、特に税法で評価の定めがあるもの以外は、国税庁の定めた財基通に基づいて経済的価値を見積もることになっています。これは納税者の申告の際の負担を少なくするため、公平性を担保するためといわれています。たとえば、市街地の宅地の相続税評価の物差しとなる「路線価」も財基達に定められた評価に直結する指標となっていることで、よく知られています。

 

ところが、この財基通6項には、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」との規定があります。この規定の適用については、平成28事務年度の東京国税局の研修資料で次のような着眼点が示されています。

 

①財基通に定められた評価方法を形式的に適用することの合理性が欠如していること
②財基通に定められた評価方法のほかに、他の合理的な評価方法が存在すること
③財基通に定められた評価方法による評価額と他の合理的な評価方法による評価額との間に著しい乘雜が存在すること
④上記③の著しいかい離が生じたことにつき納税者側の行為が介在していること

3.事案の概要


事案の経過は次のとおりです。

 

ア、中小企業オーナーであった被相続人は、平成26年5月に、経営する会社の株式の譲渡に向けて買収会社と協議、基本合意書を締結しました。会社の株式は1株約10万円で譲渡することに合意していました。

 

イ、同年中に被相続人が死亡しました。相続人3人のうち一人が売却する株式の発行会社の代表取締役になる一方、買収交渉を継続し、同年7月に「相続人の一人に全ての株式を集めたうえでその相続人は、全ての株式を買収会社に基本合意書の価格(約10万円)で譲渡しました。相続人らは相続税の申告では財基通に基づき「取引相場のない株式で大会社のもの」として評価し1株約8千円として申告していました。

 

ウ、所轄税務署は、平成30年8月に国税庁長官の指示に基づき評価を行う専門家によるDCF法の評価(約8万円)で更正処分等をしました。この評価の際、買収価格も参考にしたとしています。

4.国税不服審判所の審理


相続人側は、処分を不服として再調査請求を経て国税不服審判所(以下、審判所という)に平成31年1月に審査請求をしました。

 

主な争点は評通6項の適用は違法か否かです(争点はもう一つありますが割愛します)。

審判所は相続税法22条を受けて財基通で評価することに一般的な合理性を認めるとともに「著しく公平を欠くような特別な事情があるときは、個々の財産の態様に応じた適正な「時価」の評価方法によるべきであり、評価通達6はこのような趣旨に基づくもの」としました。これを受けた具体的な検討では次のような指摘をしています。

 

①1株当たりの価額で比較すると、申告時の評価額は専門家のDCF法の評価の約10%にとどまり、譲渡価格等の約8%にとどまること。
②譲渡契約等について、市場価格と比較して特別に高額又は低額な価額で合意が行われた旨をうかがわせる事情等は見当たらない。
③譲渡される会社は、清算を予定しておらず、株主価値の算定方法としてDC F法を採用したことは相当。

 

審判所は、こうしたことから財基通に基づく評価額はDCF法による評価額や株式譲渡価格等と著しくかい離しており、「租税負担の実質的な公平を著しく害することが明らかというべきであり、財基通の定める評価方法以外の評価方法によって評価すべき特別な事情がある」と結論づけています。

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2021/04/26)より転載

[中小企業経営者の悩みを解決!「M&A・事業承継 相談所」]

~M&Aで会社や事業を売却しようとご検討の中小企業経営者におすすめ~

 

第6回:顧問先企業のオーナーから、後継者がいないので会社を誰かに譲りたいと相談されました。

 

 

〈解説〉

株式会社ストライク

 


M&A(合併・買収)仲介大手のストライク(東証一部上場)が、中小企業の経営者の方々の事業承継やM&Aの疑問や不安にお答えします。

 

 

▷関連記事:取引先に知られずに会社を譲渡することはできる?

▷関連記事:自社の売却を検討していますが、家族や従業員には伝えづらいです。どのように伝えればよいのでしょうか?

▷関連記事:「マッチングサイトを使ったスモールM&A」こそ専門家選びが重要!

 

 

Q.顧問先企業のオーナーから、後継者がいないので会社を誰かに譲りたいと相談されました。

 

私が運営する会計事務所の顧問先企業はご高齢の経営者が多く、先日もある会社から「引退をしたいが後継者がいない。どこか引き継いでくれる会社はないか」という相談がありました。「体裁もあるので地元以外の会社で探してほしい」とのことでした。他の会計事務所の方々はM&A相談についてどのように対応されているのでしょうか?

 (山形県 会計事務所 S・Gさん)

 

 

 

A.顧問先企業からのM&A相談は、積極的に対応した方が良い結果につながります。

 

経営者の多くが、事業売却に関する相談相手について、「長年の付き合いがあり、会社の状態も知り尽くしている税務顧問の先生が最適」と考えていらっしゃるようです。先生方の知らないところで譲渡されるような事態を避けるためにも、相談を受けたときには、先生方にイニシアチブをとっていただくことをお勧めします。ストライクのようなM&A専門会社にご相談いただければ、最適な譲渡スキームの構築等を共同で行うことが可能です。

 

顧問先減少につながると考える先生方もおられますが、会社分割方式を使えるような事案であれば、顧問先を減らさずに済むケースもあります。他エリアのお相手とのM&Aを望まれるケースでは、買い手企業より引き続き税務顧問を依頼されるケースもあります。

 

例えば、会社分割で本業と不動産賃貸業とを分け、不動産事業は元の経営者が引き続き経営し、本業の会社を株式譲渡したという事例がありました。税務顧問の先生を通じてご相談いただいた案件でしたが、先生は不動産事業の税務顧問を引き続き担当されています。

 

M&Aが成立するまでのプロセスには、財務諸表を含む資料の開示、買収監査への対応、各種税金の納付等があり、税務顧問の先生なしには進められません。相談の初期段階でのメリットやリスクの説明、売却意思の確認、M&Aアドバイザー選定の必要性等の助言は、長年に渡り築いてきた経営者との信頼関係や幅広い知識力が重要です。後継者不在を理由に存在意義のある会社が廃業に追い込まれないようにするためにも、M&Aについて前向きに考えていただければと思います。

 

 

 

 

[M&A担当者のための 実務活用型誌上セミナー『税務デューデリジェンス(税務DD)』]

第3回 M&A取引に伴う税務リスクとその対応

 

[解説]

税理士法人LINK 公認会計士・税理士 長野弘和

 

〈目次〉

1.M&A取引に伴う税務リスク

(①法人税、②消費税、③源泉所得税、④関税)

2.グループ企業に係る税務リスク

(①棚卸資産取引、②役務提供取引、③固定資産取引、④資金貸借取引)

3.オーナー企業に係る税務リスク

(①役員給与、②個人資産と会社資産の混同)

4.グローバル企業に係る税務リスク

(①移転価格税制、②タックスヘイブン対策税制、③海外子会社の所在する国の税制に係る税務リスク)

5.発見された税務リスクへの対応

(1)買収価格への反映による対応

(2)表明保証による対応

(3)ストラクチャーの変更による対応

(4)M&Aの中止による対応

 

 

▷第1回:M&Aにおける税務デューデリジェンスの目的、手順、調査範囲など

▷第2回:M&A取引の税務ストラクチャリング

 

1.M&A取引に伴う税務リスク


M&Aにおける一般的な税務リスクは、買収対象となる企業や事業の過去の税務処理の内容(税務申告書の内容等)に誤りがあり、それが買収後の税務調査等において露見し、想定外のデメリットを負うことと言えます。税務リスクの特徴として、企業の存続を脅かすような重大なリスクとなる可能性は高くありませんが、税務調査は定期的に行われることから、リスクが顕在化する可能性は高いと言えます。また、それがメディア等で報じられることによるレピュテーションリスクもあります。

 

 

M&Aの後に顕在化する可能性のある主な税務リスクを税目別に見ると、①法人税、②消費税、③源泉所得税、④関税等が挙げられます。

 

 

①法人税は、その他の税目に比べて税率が高く、また住民税や事業税と連動することもあり、金額的な重要性は高いです。税制も複雑で毎年のように税制改正が行われることもあり、税務処理を誤るリスクも高いです。M&Aにおいて複雑な組織再編を伴う場合には税制の適用を誤るリスク、グローバル企業の案件等では特に影響の大きい移転価格税制やタックスヘイブン対策税制等に係る税務リスク等、税務リスクを検討する上で最も重要性は高い税目と言えます。

 

②消費税は、近年の税率引き上げに伴い重要性は高まっていると言えます。一般的には金融業や不動産業等と言われますが、他の業種でも課税売上割合が低く、仕入税額控除が制限される会社については、税務リスクの重要性が高まります。特に詳細な検討を行う必要がある場合を除き、法人税と比べて調査の範囲・深度は限定的となる場合が多いと言えます。

 

③源泉所得税は、課税所得が発生していない場合でも支払が行われるという特徴があります。海外への支払がある場合、非経常的な支払がある場合等、源泉徴収漏れが生じやすい取引が行われている場合には、税務リスクが高まります。特に詳細な検討を行う必要がある場合を除き、法人税と比べて調査の範囲・深度は限定的となる場合が多いと言えます。

 

④関税は、国や業種によって重要性が高い場合があり、特に欧州では関税について税務調査等で問題となるケースが見られます。関税の専門家の関与が必要となるという特徴もあります。上記の税目とは異なり、一般的には調査が必要と判断された場合にのみDDが行われています。

 

 

2.グループ企業に係る税務リスク


資本関係のある企業グループは、グループ会社間で様々な規模・種類の取引が行われています。グループ会社間において、経済合理性に疑義のある取引が行われている場合、税務調査において寄附金や受贈益の認定が行われるリスクがあります。

 

グループ会社間の取引には、①棚卸資産取引、②役務提供取引、③固定資産取引、④資金貸借取引など、様々な取引があります。

 

 

 

 

 

①棚卸資産取引については、(後述する移転価格税制を除き)通常大きな税務リスクは想定されませんが、不自然な取引が行われていないか、頻繁な(異常な)取引価格の変更が行われていないか等には留意が必要です。

 

②役務提供取引③固定資産取引④資金貸借取引などについては、実態を伴った取引か、対価の授受が行われているか、対価の設定が適切かどうか、といった点が税務調査の主な論点となります。取引実態の伴わない支払いが行われている、資金の貸付を行っているにも関わらず利息を受け取っていない、出張者や出向者に係る人件費等の費用が請求されていない等、様々なケースがあります。対価の設定が適切かどうかという点については、その妥当性の検討が難しいところですが、どのような考え方で取引価格を設定しているか確認するとともに、明らかに異常と考えられる取引価格になっていないか、頻繁な(異常な)取引価格の変更が行われていないか等には留意が必要です。

 

 

3.オーナー企業に係る税務リスク


個人やその一族が所有する会社(オーナー企業)は、上述のグループ企業と同様の税務リスクがありますが、それだけでなく、その個人(一族)との取引についても税務リスクがあります。

 

例えば、①役員給与、②個人資産と会社資産の混同などが挙げられます。

 

 

 

 

 

①役員給与については、不相当に高額と指摘された場合には、不相当に高額な部分について損金の額に算入することができません。また、いわゆる「定期同額給与」や「事前確定届出給与」等に該当しない役員給与についても損金の額に算入することができません。これらはオーナー企業に限った話ではありませんが、株主と役員が一致しているオーナー企業では特に留意が必要です。

 

②個人資産と会社資産の混同については、主にオーナー企業で見られる事象です。個人やその一族にとって、個人で支出すると節税効果がない場合でも、法人で支出すると節税効果が見込まれます。本来は個人で負担すべきものを法人に負担させている可能性がある点には留意が必要です。

 

 

4.グローバル企業に係る税務リスク


対象会社が海外に子会社を有する場合、留意すべき税務リスクが大幅に広がります。日本の税制だけをとっても、いわゆる国際税務に係る税務リスクが関わってきますが、その中でも特に留意すべき税務リスクとして、①移転価格税制と②タックスヘイブン対策税制が挙げられます。また、③海外子会社の所在する国の税制に係る税務リスクも関わってきますので、日本の税務専門家だけでなく、海外の税務専門家と連携した検討が必要となります。

 

 

 

 

 

①移転価格税制については、グローバル企業にとって影響が非常に大きく、税務調査で否認された場合の税負担が多額になりやすいという特徴があります。税務DDでは限られた時間・情報の中で調査をすることになりますが、移転価格税制への対応状況や取引規模、グループ各社の利益水準等から、効果的かつ効率的な調査を行い、重要な税務リスクを抱えていないか留意が必要です。

 

②タックスヘイブン対策税制については、軽課税国(税負担割合が20%未満)に所在する海外子会社が多額の利益を計上している場合には、特に検討が必要となります。ペーパーカンパニーではなく事業実態の伴った(適用除外要件を満たす)海外子会社であっても、資産性所得(利息、ロイヤリティ等)を多く有する場合には合算課税を受ける可能性がありますので、重要な税務リスクを抱えていないか留意が必要です。

 

③海外子会社の所在する国の税制に係る税務リスクについては、海外子会社についても同様に詳細な税務DDを行うことが望まれます。しかしながら、全ての海外子会社について詳細な税務DDを実施することは時間的・物理的な制約から現実的ではありません。特に重要な海外子会社は詳細な税務DDを実施するとしても、残りの海外子会社については日本の親会社を通じて得られる情報を用いたハイレベルな調査を実施する、重要な項目に限定して詳細な調査を行う等により、重要な税務リスクの特定に努める必要があります。重要性がないと考えられる海外子会社についても、想定外の税務リスクを抱えている可能性は否定できませんので、全く何も検討しないというのは避けた方が良いと言えます。

 

 

5.発見された税務リスクへの対応

税務DDを通じて発見された税務リスクについては、それぞれ対応方法を検討することになりますが、それには大きく4つの方法があります。

 

(1)買収価格への反映による対応

税務DDを通じて発見された税務リスクについては、なるべく定量化するとともに、可能な限り買収価格に反映すべきです。税務リスクは定量化が難しい場合も少なくありませんが、リスクの金額は極力大きく算定した上で、売手と交渉することが望ましいと考えます。

 

(2)表明保証による対応

売買契約書における売手の表明保証という形で対応する方法もあります。表明保証とは、売買契約書において、一定の事項が真実かつ正確であることを表明するもので、真実あるいは正確ではなかった場合には、金銭による補償等を可能とする条項が合わせて定められます。例えば、税務申告や納税が適正に行われていること等がありますが、発見された税務リスクのうち、定量化が困難なもの、あるいは買収価格への反映が困難なものについては、表明保証による対応が考えられます。

なお、表明保証による対応については、金額や期間に一定の制限が設けられることが一般的です。また、実際に売手からの補償が得られそうかという点についても留意が必要です。

 

(3)ストラクチャーの変更による対応

ストラクチャーの変更によって、税務リスクに対応する方法もあります。例えば、ストラクチャーについて株式買収から事業買収へ変更することで、税務リスクを切り離してしまうという方法があります。ストラクチャーの変更は、売手が難色を示すことも少なくありませんので、売手との交渉が重要になります。

 

(4)M&Aの中止による対応

いずれの方法によっても税務リスクへの対応が出来ず、かつ、それが許容できない税務リスクと判断された場合は、M&Aの中止を検討することになります。

[M&A案件情報(譲渡案件)](2021年4月20日)

-以下のM&A案件(1件)を掲載しております-

 

●業歴長く、業績堅調な搬送設備設計・機械器具設置業者

[業種:機械器具設置工事業/所在地:関東地方]

 

 

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-

(お問い合せ・ご相談は「無料会員登録」が必要です)

 


案件No.SS007106
業歴長く、業績堅調な搬送設備設計・機械器具設置業者

 

(業種分類)製造業

(業種)機械器具設置工事業

(所在地)関東地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)搬送設備設計・機械器具設置業者

 

 

〔特徴・強み〕

◇往年の実績を背景に既存取引先からリピート受注及び紹介受注が大半を占める。
◇現場監督は当社から派遣し、実際の施工は外注にて対応。
◇業績・財務共に堅調に推移。

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-


情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

お気軽にお問合せください

[M&A専門会社スペシャルインタビュー]

株式会社 Stand by C 代表取締役 松本久幸 氏

~「サービスクオリティの高さ」が最大の魅力 PPAをはじめとするM&Aサービスの専門ファーム~

 


 

大手会計系ファーム出身の公認会計士や税理士で構成された独立系ファーム。大手会計系ファームでの経験と、M&A専業で行っている豊富な実績をもとにした「クオリティの高さ」が同社最大の強み。また、顧客ニーズに合わせて依頼業務内容がオーバークオリティにならないよう配慮し、費用面においても大手会計系ファームとの差別化を打ち出している。今回は、同社代表の松本久幸氏に、同社の特徴やクライアントからのニーズ、また、近年ニーズが高まっているPPAの会計処理についてなど、お話を伺った。

 

株式会社Stand by C 代表取締役 松本久幸 氏

 

 

大手会計系ファームが報酬面やクオリティ面で手を出さない領域やニーズに対応した独立系の専門ファーム。


――:貴社(株式会社Stand by C)の創業からこれまでの経緯をお話いただけますでしょうか。

 

松本:弊社は、私が大手会計系ファームを辞めて独立した2010年1月に創業いたしました。当時は、あまり具体的な目的やポリシーを持って独立したわけではありませんでした。しかし、色々な方よりお仕事のお声掛けをいただく中で、M&Aを会計・税務・数字面から総合的にサポートできるファームは、大手会計系ファーム等の限られたところしかなく、また、その大手会計系ファームが報酬面やクオリティ面で手を出さない領域やニーズがあることを徐々に知り、そのニーズに合うような専門ファームとなっていったというのが、創業からこれまでの経緯です。

 

 

 

――:大手会計系ファームが手を出さない領域やニーズとは? 具体的に教えていただけますか。

 

松本:はい。私は元々、大手会計系ファームで修業を積ませていただきましたが、大手会計系ファームは大企業をクライアントとして、新聞に載るような大きな案件を高い報酬で引き受ける、というビジネスモデルでした。そのため、大手会計系ファーム在籍時は、中堅・中小企業やベンチャー企業とはあまり接点がありませんでした。ですが、独立後は、中堅・中小企業やベンチャー企業においてもM&Aが積極的になされる時代へと変遷していったこともあり、そこに大きなニーズがあるということを知りました。また、大企業においても、海外案件や大きな案件であれば高い報酬を支払ってでも大手会計系ファームに依頼しますが、M&Aが一般化するにつれて、国内の中小規模の案件にまで高い報酬を支払って、オーバークオリティな調査や評価を依頼することは必ずしも必要ない、という考え方に移っていき、大手会計系ファームから独立した弊社のような専門ファームへ依頼される方向へと変わってきたのでは、と感じています。

 

 

 

――:中堅・中小企業のM&Aが活発化されてきたこと、また、クライアントもM&Aの規模や内容など、そのM&A案件の実情に合わせた依頼をされ始めたということですね。

 

松本:はい。そうだと思います。そういうこともあって、弊社へのご依頼がどんどんと増えていったのだろうと思っています。

 

 

 

「サービスクオリティの高さ」が最大の魅力。オーバークオリティにならない配慮で、予算面でも大手会計系ファームとの違いを見出す。


――:貴社の特徴や強みについて教えていただけますでしょうか。

 

松本:弊社の特徴としましては、まず「サービスクオリティの高さ」です。業務に中心的に携わる人間はほぼ全員が公認会計士または税理士の資格を持っており、かつ、大手会計系ファームで働いていた経験があり、その経験が活かされているのだと思います。特にM&A関連のサポートサービスでは、大手を除くほとんどの会計系ファームは、税務顧問業務や監査業務をメインとし、その中からM&A関連のサポートが必要な場面において、非日常業務としてM&A関連のサービスを提供されていると拝察していますが、弊社はM&Aサポートサービスを専門として行っておりますので、その点で経験値や品質面において、差別化ができていると思っています。

 

特に、財務報告目的で実施され監査対象となる「のれんの減損テスト」や「PPA」のサポートは、公認会計士等の資格がなくても行える業務ではあるものの、弊社では評価実務と監査実務の経験を兼ね備えた公認会計士が業務にあたりますので、監査法人とのコミュニケーションにおいて強みを発揮できると考えています。

 

 

 

――:大手会計系ファームでご経験を積んだ公認会計士や税理士のメンバーが、M&A業務を専業で携わっているということで、クライアントからすると非常に心強いですね。

 

松本:はい。そのように感じでもらえると嬉しいです。もちろん、かけるコストや人員数が違いますので、そこは大手会計系ファームには、敵わないのは当然ですが、M&Aの案件によっては、そこまで人や時間やコストをかけずにやりたい、というニーズも多くあります。大手会計系ファームに依頼した場合はオーバースペックかつ予算オーバーだが、弊社であれば「報酬も予算内に収まり、かつ、クオリティも求める水準」である、ということで、そこに大手会計系ファームとの違いを見出してお仕事をご依頼いただくことが多いのだと思います。

 

 

 

東京のほか、大阪、京都、福岡に拠点を設け、全国各地のクライアントをサポートする体制を確立。


――:貴社の組織体制はどのようになっていますか。

 

松本:今年からは大阪にある税理士事務所と弊社の税理士法人(税理士法人Stand by C)が経営統合して、関西でも腰を据えて業務を行っていく体制となりました。ちなみにですが、2021年4月1日からは、大阪の中の島にあるフェスティバルタワーへ大阪の拠点を移して、より一層関西方面での活動に力を入れていくことを考えております。

 

また、福岡にも拠点があり常駐の者が1名おりますし、京都にも拠点があります。各地域の様々な企業様のM&Aや数字面に関わるサポートをこれからも積極的にどんどん行っていきたいと思っています。

 

 

 

――:M&A全体のニーズの高まりに合わせて、貴社の拠点も拡大しているようですね。大阪、京都、福岡と拠点が広がり、全国各地のクライアントから業務を受け付ける体制が整いつつありますね。

 

松本:はい。そのようになっていると思います。コロナ禍以降はZoomやTeamsなどでお客様や対象会社などとやり取りすることも一般的になってきましたが、各地に拠点を設けて活動していくことは、地域のお客様とのつながりやコミュニケーションの上でプラスになるものと考えています。

 

 

 

 

企業側に求めれれる第三者評価。実務面からも事前の調査が求めれている。


――:それでは、どのようなクライアントが多いのでしょうか。

 

松本:クライアントは、M&Aのサポートサービスが必要な会社ということになりますので、その多くは上場企業様となります。また、PEファンド様も、会社買収の際は必ずデューデリジェンスを実施される、ということから、広くお付き合いがあります。

 

特に最近の傾向としては、繰り返しにもなりますが、大企業やPEファンドが、以前は大手会計系ファームに高額な報酬を支払ってハイスペックな調査や評価を依頼していましたが、一部の案件については、そこまでコストをかけなくても十分な調査や評価ができるのではないか、ということで、弊社のような独立系の専門ファームにご依頼いただくことが多くなっている印象があります。そのような流れもあって、弊社ではいわゆる大企業と呼ばれる会社様も多くクライアントとしていらっしゃいます。

 

 

 

――:クライアントである企業様はどのような課題を抱えていると感じていますでしょうか。

 

松本:最近のコーポレートガバナンスの厳格化やそれに伴う情報開示を充実させる、という流れの中で、特に上場会社様は、第三者による評価や調査を実施する必要性に迫られている、というところに大きな課題を抱えていらっしゃると思います。

 

 

 

――:具体的にお話していただけますか。

 

松本:自社内だけの調査や評価でM&Aを実行しようとした場合、例えば、社外役員から「第三者からの調査報告書や評価書は入手していないのか?」との意見が出たり、また、「適時開示規則の中で第三者評価の入手が必要」ということであったりするようです。

 

また、実質面からでも、M&Aが一般化してきたことから、M&Aを実行する際にはきちんと調査や評価を行って、買収によるメリットやデメリットをきちんと検討された上でM&Aを実行する、ということも一般的になってきたと感じます。

 

 

 

――︓ますます、貴社が提供するM&Aサポートサービスの重要性が増していきそうですね。

 

松本︓はい。そうなるといいですね。M&Aを進めていくうえで、先ほどお話したような課題やお悩みなどがございましたら、ぜひ、弊社にご相談いただければと思います。

 

 

 

PPAにかかる無形資産価値評価サービスへのニーズが急増。のれんやPPAの会計処理に注⽬が集まっている。


――︓それでは、貴社の具体的なサービスラインについて教えてください。

 

松本︓弊社のサービスラインは⼤きく分けると、「M&Aサポートサービス」「ベンチャー⽀援サービス」「決算/経理サポートサービス」「税務業務」「ファミリーオフィスサポートサービス(富裕層向けファミリーオフィスサポート)」の5つになります。

 

 

 

――︓M&Aサポートサービスとはどのようなサービス業務内容となりますか。

 

松本︓M&Aサポートサービスは、「株式価値算定」「財務/税務デューデリジェンス」「PPAにかかる無形資産価値評価」「財務モデリング」「税務ストラクチャリング」になります。いずれも、弊社の専⾨性を⽣かしたサービス内容となっています。

 

 

 

――︓貴社HPを拝⾒するとIPOやストックオプション評価も業務サービスとして展開されているようですが。

 

松本︓先ほどお話ししたとおり、弊社は、元々はM&Aを会計・税務・数字⾯からサポートするM&Aサポート業務、いわゆるFAS業務を専業でやっていたのですが、その中から、時には「買収後の会社の経理や会計⾯のサポートをお願いしたい」というご要望や、「IPOを⽬指すのでそのサポートをしてほしい」といった様々なお声がけを受けて徐々に業務領域を拡⼤していったということです。現在では、IPO⽀援サービス、決算経理サポートサービス、また、ストックオプション評価等の業務も⾏っております。

 

 

 

――︓クライアントである企業様からは、貴社サービスに関して、具体的にどのような業務へのご依頼が多いのでしょうか。

 

松本︓ここ数年は、PPAにかかる無形資産価値評価サービスへのニーズが急増しております。これは、2010年より⽇本の会計基準においても、M&A時に発⽣する「のれん」について、抽象的なのれんのままで終わらせるのではなく、具体的な資産、特にブランドや顧客や技術といった無形資産として区分してBSに計上することが求められたことから、特に近年ご依頼が多くなっております。

 

特に、数年前のいわゆるオリンパス事件や東芝事件において、のれんやPPAの会計処理にスポットがあたったことから、監査法⼈が厳しく監査をするようになったことに伴い、PPAにかかる無形資産価値評価の実績では⽇本有数の弊社へ、HPからであったり、ご紹介であったりでお問合せが増えました。

 

ZEIKEN LINKS様にも寄稿させて頂きましたが、セミナーや雑誌等への寄稿依頼も、PPAに関するご要望が⼀番多い状況となっております。

 

 

▷参考記事︓ZEIKEN LINKS 特集解説「経営企画部⾨、経理部⾨のためのPPA誌上セミナー」

 

 

 

 

――︓PPAを含めて、M&A全体の流れと貴社サービスの関係性を教えていただけますか。

 

松本︓M&Aにおいては、以下のようなプロセスに沿って、様々な検討がなされます。

 

弊社では、『事前調査』のプロセスのとろで⾊付けされている「株式価値算定」「事業計画策定」「財務デューデリジェンス」「税務デューデリジェンス」「ストラクチャリングアドバイス」に関する業務を主にご提供させていただいてております。

 

また、『クロージング後』のところでは、無形資産価値算定(PPA)業務をご提供させて頂いておりますが、PPAについては、事前の検討段階でも「Pre PPA」ということでご提供させて頂いております。

 

なお、これら以外でも、必要やご要望に応じて、様々な業務をクライアントの傍に⽴ってご提供させて頂いておりますので、何なりとお問合せ頂ければと思います。

 

 

 

 

 

 

PPAとは、M&Aにおける買収対価(買収価額)を、買収対象企業の資産及び負債の基準⽇時点における時価を基礎として、買収対象企業の資産及び負債に配分する⼿続きのこと。


――︓「PPA」について、わかりやすく教えて頂いてもよろしいでしょうか。

 

松本︓パーチェスプライスアロケーション(PPA)とは、M&A完了後に買い⼿企業が⾏う⼀連の会計処理であり、M&Aにおける買収対価(買収価額)を、買収対象企業の資産及び負債の基準⽇時点における時価を基礎として、買収対象企業の資産及び負債に配分する⼿続きのことです。

 

PPAの概念図を資料にまとめましたので、ご参考にして頂ければと思います。また、無形資産の例⽰として、マーケ―ティング関連、顧客関連、契約関連、技術関連に分けて図表にしましたので、こちらもあわせてご覧いただくと、PPAに関する基本的な理解が深まると思います。

 

⻑い間、多くの⽇本企業にとってなじみの薄い実務であったPPAですが、昨今のM&Aの増加や監査の厳格化等を背景に、いまやM&Aとセットで考えなければならない会計的イシューとなったと⾔っても過⾔ではありませんので、基本的な事項だけでも押さえておいた⽅がよろしいかと思います。

 

 

 

 

[PPAの概念図]

●パーチェスプライスアロケーション(以下、PPA)とは、M&Aにおける買収対価(買収価額)を、買収対象企業の資産及び負債の基準⽇時点における時価を基礎として、買収対象企業の資産及び負債に配分する⼿続であり、会計(財務報告)⽬的で⾏われる。
●PPAは、オフバランスとなってB/S計上されていない無形資産も併せて時価評価する必要があることから、PPA⼿続の⼀環として、買収対象企業に存在すると考えられる無形資産(商標権、顧客関連資産等)を識別・測定し、買収対価を当該無形資産に配分する⼿続が必要となる。
●買い⼿企業においては、会社買収後1年以内にPPAの処理が求められる。無形資産の識別・測定は会計上の⾒積項⽬であり、かつ、計算には⾼度な専⾨性が要求されること等から、外部第三者による評価が利⽤されることが多い。

 

 

[無形資産の例⽰(マーケティング関連)]

 

[無形資産の例⽰(顧客関連)]

 

[無形資産の例⽰(契約関連)]

 

[無形資産の例⽰(技術関連)]

 

 

 

 

どの程度の調査が必要なのか。事前の社内コンセンサスが、依頼会社の選定やコストにも影響する。


――︓事業会社のM&A担当者として気を付けておくべきことは、どのようなことがありますでしょうか。担当者の⽅へのアドバイスをお願いいたします。

 

松本︓M&Aのサポートをご依頼される際には、予算を先に決められて、そこからサポート会社を選んでいくというプロセスを取られることも多いと思いますが、M&Aにおいては、買収対象会社の規模や所在国、また、買い⼿企業においてどの程度広く深く検討を⾏うかによって、依頼すべきサポート会社も異なってきますので、まずはその案件において、どの程度の調査が必要かを社内でコンセンサスを取って頂ければと思います。

 

 

 

――︓どの程度調査が必要かについて、社内でしっかりとコンセンサスを取ることが⼤切なのですね。

 

松本︓はい、そうです。というのも、先程お話しました通り、海外企業や、⼤きい会社を買収する場合においては、専⾨性や⼈的リソースを相当かけてでもきちんと調査や評価を⾏って、事前検討を⾏う必要がありますが、⼀⽅で、よく知っている取引先を買収する場合や、国内の⼩規模事業者を買収する場合などは、そこまでリソースやコストを掛けて調査をする必要がない場合もあります。

 

リソースを掛けてでも調査をするべき場合は、コストを掛けて⼤⼿会計系ファームへ依頼した⽅が良いかと思います。そういった案件において、例えば、⽇頃は税務顧問業務や監査をメインとしているファームへM&Aの調査や評価の依頼をした場合においては、必要⼗分な調査がなされなかったり、少しずれたアドバイスを受ける、というようなことになりかねません。

 

⼀⽅で、あまりリソースを掛ける必要がないような案件において、⼤⼿会計系ファームに依頼した場合、必要ない⼿続や調査が時間をかけてなされて、売り⼿企業が怒ってしまったり、細かな検出事項に捉われてしまって交渉が前に進まない、というようなことになりかねません。

 

 

 

 

――︓対象案件により、どこまで調査が必要であるかと把握し、それに⾒合うファームに依頼すべきなんですね。そこを⾒誤ると、コストも時間も必要以上に発⽣したり、または、不⾜してしまったりするのですね。

 

松本︓はい、その通りです。M&Aの案件には、難易度等の⾼低があり、その⾼低によって依頼すべきファームが変わってくる、ということは、M&Aに慣れていらっしゃる会社であればよくご存知ですが、M&Aはそうちょくちょく実施されるものではありませんので、数年に⼀度のM&Aを検討する際にも、案件の重要度や難易度を⾒極めて、依頼するファームを決定するべきであると思います。

 

 

 

 

――︓これまで、M&Aのご経験がない企業の場合は、その判断も難しそうですね。

 

松本︓そうでね。M&Aが初めて、その辺りの感覚もわからない、ということであれば、まずは弊社へご相談頂ければ、ファーム選定についてもアドバイスさせて頂きますので、お気軽にご連絡をいただければと思います。

 

 

 

 

クライアントの⽴場に⼀緒に⽴って考えて、調査や評価やアドバイスを⾏うことが「Stand by C」のモットー。


――︓クライアントと接する際に、⼤切にしていることはありますでしょうか。ご経験談を含めてお答えください。

 

松本︓弊社は、社名が「Stand by Client」でStand by Cとなります。クライアントの近くで、クライアントの⽬線に⽴って、という意味の社名となります。その点からも、弊社において⼀番⼤切にしていることは、クライアントの⽴場に⽴った調査や評価、アドバイスを⾏う、ということとなります。

 

例えば、株式価値評価においては、もちろん、第三者評価機関ということでご依頼されておりますので、第三者性はしっかりと担保した上ではありますが、評価を⾏う際に、売り⼿側に⽴つか、買い⼿側に⽴つか、で評価の考え⽅や⽅針が180度異なります。

 

売り⼿であれば⾼く売りたいわけですし、買い⼿であれば出来る限り安く買いたいということは当たり前のことですが、あまり経験のないファームに依頼した場合は、第三者性ばかりを強調して、買い⼿についているのか、はたまた売り⼿についているのか、そこが明確にならないままに株式価値の算定がなされる、ということはよくあるケースです。

 

そういったことからも、弊社は、特にM&Aサポートにおいては、クライアントの⽴場に⼀緒に⽴って考えて、調査や評価やアドバイスを⾏うことをモットーとしています。

 

 

 

 

――︓最後に、事業会社の担当者の⽅々へメッセージをお願いします。

 

松本︓⽇本でもここ数年、M&Aは企業の成⻑戦略として⼀般的なものとなってきました。⾼齢化社会となる⽇本においては、経営者の⾼齢化の問題から後継者問題によるM&Aも益々増えていくことでしょう。そのような中でもしM&Aを検討されることになった際は、専⾨性の⾼いM&Aサポートの会社へまずはご相談されることをお勧めします。

 

M&Aを考えるに当たっては、⾝近な顧問税理⼠や銀⾏担当者へ相談されるというケースも多いと聞きますが、M&Aは⼤きな⾦額が動く取引でもありますし、やはり専⾨性の⾼いファームへまずはご相談された⽅が、報酬が⾼い、というケースもあるとは思いますが、結果としてはよかった、ということになることが多いと思いますので、その点も考慮されてご検討頂ければと思います。

 

 

 

――︓ありがとうございました。

 

 

 

 

 

[事務所概要]
会社名︓株式会社Stand by C
本社︓東京都千代⽥区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング 17階

大阪営業所:大阪府大阪市北区中之島2-3-18 中之島フェスティバルタワー16階
設⽴︓2010年1⽉
代表取締役︓松本久幸
主な事業内容︓PPAサポート(無形資産価値算定)、ストック・オプション評価、IPO⽀援、デューデリジェンス、株式価値算定、フィナンシャル・アドバイザー(FA)、財務モデリング策定⽀援
対応エリア︓全国(⽇本国内)
URL︓https://standbyc.com/

 

 

 

 

 


[掲載希望募集中]
ZEIKEN LINKSでは、本連載に掲載を希望するM&A専⾨会社(M&A仲介会社、M&Aアドバイサリー会社、M&Aマッチングサイト、税理⼠法⼈、弁護⼠法⼈、⾦融機関など)を募集しております。
ご希望の会社様は下記アドレスまで、お気軽にお問合せください。
お問合せ先︓links@zeiken.co.jp

 


 

[M&Aニュース](2021年4月5日〜2021年4月16日)

◇GMOメディア<6180>、エデュケーショナル・デザインから生徒管理ツール「Smart Manage」事業を取得、◇AFC-HDアムスライフサイエンス<2927>、百貨店のさいか屋<8254>を子会社化、◇フタバ産業<7241>、中国生産子会社の双叶金属制品を現地社に譲渡、◇佐鳥電機、希望退職に25人応募、◇廣済堂<7868>、物流倉庫業向け人材派遣のエヌティとNeoを子会社化、◇GA technologies<3491>、資産運用アドバイザリー事業のパートナーズを子会社化、◇メディカルネット<3645>、レッツエンジョイ東京から「Let’s BEAUTY」事業を取得、◇インフォネット<4444>、博展<2173>傘下でWebサイト構築のアイアクトを子会社化、◇日本商業開発<3252>、マーキュリアインベストメント<7190>傘下で不動産賃貸事業のツノダを子会社化、◇アウトソーシング<2427>、米軍施設向け電気通信工事のグアムCalifornia Pacific Technical Servicesを子会社化、◇日本創発グループ<7814>、印刷物・資料作成のアド・クレールを子会社化 ほか

 

 

 

 

GMOメディア<6180>、エデュケーショナル・デザインから生徒管理ツール「Smart Manage」事業を取得
2021/04/16

GMOメディアは、小中学生向けにデジタルスクールを展開するエデュケーショナル・デザイン(東京都渋谷区)から生徒管理ツール「Smart Manage」事業を16日付で取得した。プログラミングスクールなど各種スクールにおける運営業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の一環。取得価額は非公表。

AFC-HDアムスライフサイエンス<2927>、百貨店のさいか屋<8254>を子会社化
2021/04/16

AFC-HDアムスライフサイエンスは、持ち分適用関連会社で百貨店のさいか屋(東証2部)を子会社化することを決めた。第三者割当増資を引き受け、さいか屋筆頭株主で創業者の浅山忠彦氏(AFC-HDアムスライフサイエンス子会社のエーエフシー会長)と合わせて現在20.98%の持ち株比率を50.35%とする。経営難にあるさいか屋の再建を支援する狙い。AFC-HDアムスライフサイエンスは健康食品の受託製造を主力とし、さいか屋とは外商ルートによる健康食品の取り扱いでかねて取引関係にある。取得価額は5億95万円。取得予定日は2021年5月26日。

さいか屋は1872年に神奈川県横須賀市に創業した雑賀屋呉服店を母体に不動産賃貸業を営んでいたが、1956年に川崎さいか屋として百貨店業に進出。現在は藤沢市と横須賀市で百貨店を営業し、川崎市ではサテライト型店舗を運営している。

フタバ産業<7241>、中国生産子会社の双叶金属制品を現地社に譲渡
2021/04/16

フタバ産業は、情報機器部品や溶接フレームを生産する中国子会社の双叶金属制品(深圳)有限公司(広東省深圳市。売上高83億円、営業利益2億2000万円、純資産18億5000万円)の全持ち分を、現地の精密プレス部品メーカーである深圳市億和精密科技集団有限公司に譲渡することを決めた。双叶金属制品は2007年に設立したが、内外の事業環境変化などを踏まえ、事業再編することにした。譲渡価額は約9億円。譲渡予定日は2021年8月下旬。

佐鳥電機、希望退職に25人応募
2021/04/15

エレクトロニクス商社の佐鳥電機は14日、希望退職に25人の応募があったと発表した。間接部門の正社員を対象に、30人程度をめどに3月15日~31日に募った(退職日は5月30日)。新型コロナウイルス感染拡大の影響や主要取引先との特約店契約の解消などを受けた収益構造改革の一環。特別退職加算金や再就職支援にかかる関連費用は1億7000万円。

同社は昨年3月にも特別転進支援施策としてグループを含めて60人程度の退職者(46人応募)を募った。

廣済堂<7868>、物流倉庫業向け人材派遣のエヌティとNeoを子会社化
2021/04/15

廣済堂は、エヌティ(埼玉県鴻巣市。売上高8億3100万円、営業利益3500万円、純資産9200万円)、Neo(同。売上高2億6600万円、営業利益1000万円、純資産4300万円)の人材派遣会社2社の全株式を取得し、子会社化した。対象2社は主に物流倉庫業への人材派遣を手がける。新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要、宅配需要の高まりを受け、引き続き、堅調な業績が見込めると判断した。

エヌティは2011年、Neoは2016年にそれぞれ設立。両社は富田将明氏が社長を務め、兄弟関係にある。

取得価額は合計4億1900万円で、内訳はエヌティが3億6900万円、Neoが5000万円。取得予定日は2021年4月28日。

GA technologies<3491>、資産運用アドバイザリー事業のパートナーズを子会社化
2021/04/15

GA technologiesは、資産運用に関するアドバイザリー事業を手がけるパートナーズ(東京都品川区。売上高43億9000万円、営業利益1億2600万円、純資産3億5100万円)の株式50.5%を取得し、子会社化することを決めた。GAは不動産総合プラットフォーム「RENOSY」を通じ、中古不動産の売買を中心に各種サービスを提供する。パートナーズの事業と親和性が高く、相乗効果が見込めると判断した。

株式の取得価額は非公表。取得予定日は2021年5月10日。その後、6月1日付で株式交換によりパートナーズを完全子会社化する予定。

メディカルネット<3645>、レッツエンジョイ東京から「Let’s BEAUTY」事業を取得
2021/04/15

メディカルネットは、レッツエンジョイ東京(東京都千代田区)が運営する美容・エステに関するサイト「Let’s BEAUTY」事業を会社分割により取得することを決めた。メディカルネットは歯科・美容など専門領域のサイト運営を主力としている。取得予定日は2021年6月1日。対価として株式や金銭の割り当ては行わない。

インフォネット<4444>、博展<2173>傘下でWebサイト構築のアイアクトを子会社化
2021/04/15

インフォネットは博展傘下でWebサイト構築などを手がけるアイアクト(東京都中央区。売上高6億9900万円、営業利益9900万円、純資産2億1000万円)の全株式を取得することを決めた。Webマーケティングサービスの強化などにつなげる。取得価額は6億7400万円。取得予定日は2021年4月30日。

アイアクトは1999年設立で、Webサイト構築のほか、AI(人工知能)チャットボット導入支援などを展開。博展は2015年に同社を子会社化したが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で主力の展示会・イベント関連需要が大幅に減少したのを受け、グループ企業の見直しを進めている。

日本商業開発<3252>、マーキュリアインベストメント<7190>傘下で不動産賃貸事業のツノダを子会社化
2021/04/15

日本商業開発は、マーキュリアインベストメント傘下で不動産賃貸事業のツノダ(愛知県小牧市。売上高3億8900万円、営業利益2億9400万円、純資産7900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ツノダが所有する愛知県内や岐阜県内の不動産の取得が狙い。日本商業開発は事業用定期借地権を利用した不動産投資事業を手がけ、建物を建てず土地のみに投資し、土地を賃貸することで安定的な収益を長期にわたって確保するビジネスモデルを展開している。取得価額は非公表。取得予定日は2021年5月31日。

日本商業開発が子会社化するツノダはかつて自転車メーカーとして知られた。現在は製造を行わず、自転車の企画開発・販売のみで、旧工場用地の活用などによる不動産賃貸事業を主力とする。名古屋証券取引所2部に上場していたが、マーキュリアインベストメントがTOB(株式公開買い付け)でツノダを子会社化したのに伴い、2018年に上場廃止となった。

アウトソーシング<2427>、米軍施設向け電気通信工事のグアムCalifornia Pacific Technical Servicesを子会社化
2021/04/15

アウトソーシングは米国子会社のアメリカンエンジニアコーポレイション(AEC、デラウェア州)を通じて、グアム地域で米軍向けなどに電気通信工事を手がけるCalifornia Pacific Technical Services LLC(CalPac、米国グアム)の全持ち分を取得し、子会社化することを決めた。AECは日本国内の米軍施設を中心に空調・電気工事や建物・設備の改修などを展開している。CalPacを傘下に取り込むことで、ゆくゆくは米本土の米軍施設への本格参入も視野に入れる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年5月1日。

日本創発グループ<7814>、印刷物・資料作成のアド・クレールを子会社化
2021/04/14

日本創発グループは、印刷物・資料作成などのアド・クレール(東京都千代田区。売上高1億4800万円、営業利益100万円、純資産3800万円)を株式交換により子会社化することを決めた。印刷関連サービス事業の付加価値向上の一環。アド・クレールは1978年に写植版下制作会社として創業した。

株式交換比率は日本創発グループ1:アド・クレール13で、アド・クレールの1株に日本創発グループの13株を割り当てる。株式交換予定日は2021年5月13日。

ノーリツ鋼機<7744>、ワイヤレスイヤホン・ヘッドホン開発の米JLabを子会社化
2021/04/14

ノーリツ鋼機は、ワイヤレスイヤホンやヘッドホンなどのパーソナルオーディオ関連製品開発の米国PEAG, LLC dba JLab Audio(JLab、カリフォルニア州。売上高198億円、営業利益36億5000万円)の全持ち分を取得し子会社化することを決めた。取得価額は約350億円。ノーリツ鋼機は2020年4月にDJ・クラブ機器大手のAlphaTheta(旧Pioneer DJ。横浜市)を今回とほぼ同額の約350億円で子会社化しており、これに伴い、周辺事業の強化策として新たなM&Aを模索していた。取得予定日は2021年5月10日。

JLabは2005年に設立。米国で「JLab Audio」ブランドとして知られ、ワイヤレスイヤホンや子供向け・ゲーム向けヘッドホンを主力とする。ノーリツ鋼機は米国にとどまらず、今後、アジア・太平洋地域や欧州での事業展開も目指す。

フジプレアム<4237>、液晶関連装置メーカー飯沼ゲージ製作所を子会社化
2021/04/14

フジプレアムは、液晶ディスプレー製造用装置メーカーの飯沼ゲージ製作所(長野県茅野市。売上高16億5000万円、営業利益△2億8700万円、純資産35億6000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。液晶関連装置の品ぞろえが加わることで、主力の貼合加工事業の付加価値向上とともに、搬送系を中心とするメカトロニクス事業における顧客ニーズに幅広く対応する。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月26日。

飯沼ゲージ製作所は1951年にゲージ・治具製造を目的に創業。その後、液晶製造装置の開発・製造に乗り出し、ラビング装置(液晶配向膜配向処理装置)では世界首位のシェアを持つ。

くふうカンパニー<4399>、住宅関連コンサルティングのハイアス・アンド・カンパニー<6192>をTOBで子会社化
2021/04/14

くふうカンパニーは14日、住宅関連コンサルティングのハイアス・アンド・カンパニーに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社化すると発表した。ハイアス旧経営陣である濱村聖一元社長ら共同創業者3氏が保有する全株式24.62%を含めて54.01%の取得を目指す。買付代金は17億3900万円。TOB成立後に第三者割当増資を引き受けるため、希薄化後の所有割合は50.1%となる見通し。不正会計問題を受け、旧経営陣の経営責任を問われているハイアスはTOBに賛同している。ハイアスの東証マザーズ上場は維持される。

買付価格は138円。TOB公表前日の終値153円から約10%をディスカウントした。買付予定数の上限は1260万8200株(所有割合54.01%)で、下限は574万6130株(同24.62%)。買付期間は4月15日~5月18日。公開買付代理人は三田証券。決済の開始日は5月25日。

くふうカンパニーは2018年10月にオウチーノとみんなのウェディングが経営統合して発足し、インターネットを介した不動産関連と結婚関連のサービスを主力事業とする。ハイアスを傘下に取り込むことで住まいのワンストップサービスの提供、結婚・住宅を絡めた地域に根差したライフイベント事業の開発などを推し進める。

AFC-HDアムスライフサイエンス<2927>、静岡市を中心に飲食店を16店舗経営のなすびを子会社化
2021/04/14

AFC-HDアムスライフサイエンスは、飲食店経営のなすび(静岡市。売上高13億8000万円、営業利益△9700万円、純資産10億5000万円)の株式80.2%を取得し、子会社化することを決めた。なすびは創業46年で、静岡市内を中心に懐石料理、炭火焼き料理、ビュッフェレストランなど16店舗を展開する。AFC-HDは今後、なすび店舗の全国展開などを視野に入れている。取得価額は非公表。取得予定日は2021年6月1日。

子会社化後、株式交換を実施し、なすびを完全子会社化する予定。

インスペック<6656>、プリント基板用フォトプリンター製造のスイス子会社First EIEを経営陣に譲渡
2021/04/12

インスペックは、プリント基板用フォトプロッターや直描露光機を製造・販売するスイス子会社のFirst EIE SA(売上高3億5500万円、営業利益△5970万円、純資産8560万円)の保有全株式89%を、同社CEO(最高経営責任者)のGregory Stoeckli氏に12日付で譲渡した。譲渡価額は52万6000円。

インスペックは5年前にFirst EIEを傘下に収めた。しかし、インスペックがハイエンド(高価格帯)を主力市場とするのに対し、First EIEはミドルエンド(中価格帯)からローエンド(低価格帯)市場をターゲットとして事業を展開しているため、相互の販路を活用したクロスセルによる売り上げ増への貢献も難しく相乗効果が見込めない状況にあったという。

KLab<3656>、カジュアルゲーム開発のグローバルギアを子会社化
2021/04/12

KLabは、スマートフォン向けカジュアルゲーム開発のグローバルギア(福岡市。売上高5億800万円、営業利益2億1100万円、純資産6億2000万円)の全株式を取得し12日付で子会社化した。カジュアルゲームの事業成長を加速させるのが狙い。取得価額は非公表。

KLabは2020年にカジュアルゲーム事業に参入した。簡単な操作で手短に楽しめるのがカジュアルゲーム。グローバルギアはこれまで100本以上のカジュアルゲーム開発を手がけ、全工程を自社で一貫して行っている。KLabはグローバルギアを傘下に取り込み、新作の開発候補の増強などを目指す。

朝日インテック<7747>、イタリア販売代理店のKARDIAを子会社化
2021/04/12

朝日インテックは、循環器系・末梢血管系などの血管用カテーテル治療製品のイタリア販売代理店であるKARDIA S.R.L(ミラノ。売上高24億1000万円、営業利益6億800万円、純資産13億円)の持ち分70%を取得し、子会社化することを決めた。イタリア市場で直販体制を整える狙い。取得価額は約36億1600万円。一定の条件達成に応じて2026年7月までに最大15億5000万円の追加支払いが発生する。取得予定日は2021年7月1日。

傘下に収めるKARDIAは1996年から朝日インテックの代理店を務めている。5年以内に100%子会社化する方向。

朝日インテック<7747>、センサー付きガイドワイヤー研究開発の米Pathways Medicalを子会社化
2021/04/12

朝日インテックは、薄膜電気導通体技術を用いたセンサー付きガイドワイヤーの研究開発に取り組む米国Pathways Medical Corporation(デラウェア州。売上高-、営業利益-、純資産13億2000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。Pathways Medicalは2020年3月に設立。同社の技術を用いることで、ガイドワイヤーやカテーテルなどの細く曲率を持った表面に薄く均一な膜を積層できるなど、設計上の制約が少ない電気配線を実現できるという。取得価額は24億4400万円。一定の条件達成に応じて2023年7月までに最大7億4400万円の追加支払いが発生する。取得予定日は2021年7月1日。

朝日インテック<7747>、医療機器設計開発の受託を手がける米Rev. 1 Engineeringを子会社化
2021/04/12

朝日インテックは医療機器の設計開発に関する受託を手がける米国Rev.1 Engineering, Inc.(カリフォルニア州マリエータ。売上高6億1300万円、営業利益2億1500万円、純資産2億2500万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。米国におけるOEM(相手先ブランドによる生産)事業の拡大が目的。Rev.1は2009年設立で、最先端のカテーテルなど幅広いインターベンション(血管内カテーテル治療)製品の設計開発にノウハウと強みを持つ。取得価額は約29億1600万円。取得予定日は2021年7月1日。

タカラレーベン<8897>、小規模太陽光発電施設開発のACAクリーンエナジーを子会社化
2021/04/12

タカラレーベンは、小規模太陽光発電施設の企画・開発などを手がけるACAクリーンエナジー(東京都中央区。売上高10億円、営業利益△2億2900万円、純資産5億8800万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。再生可能エネルギー発電事業の強化につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月13日。

タカラレーベンは2016年に東京証券取引所インフラファンド市場に第1号としてタカラレーベン・インフラ投資法人を上場させ、メガソーラー(大規模太陽光発電)事業に取り組んできた。傘下に収めるACAクリーンエナジーは2016年設立で、小規模太陽光発電施設の開発を全国で展開するほか、オンサイト型・オフサイト型PPA(電力販売契約)や地域マイクログリッド構想を視野に入れ、FIT(固定買取価格制度)に依存しないビジネスモデルの構築に力を入れている。

地域新聞社<2164>、フリーペーパー子会社「ショッパー社」の保険代理店業務を譲渡
2021/04/09

地域新聞社は、フリーペーパー「地域新聞ショッパー」発行子会社のショッパー社(千葉県八千代市)が手がける保険代理店業務を事業譲渡した。譲渡先、譲渡価額は非公表。フリーペーパーの配布エリア読者に向けて保険の代理店業務を行っていたが、ショッパー社の解散に伴い、引き継ぎ先を探していた。当該事業の売上高は700万円。譲渡日は2021年3月31日。

TOKAIホールディングス<3167>、大規模修繕工事のマルコオ・ポーロ化工を子会社化
2021/04/09

TOKAIホールディングスは傘下企業を通じて、庁舎やマンションなどの大規模修繕工事を手がけるマルコオ・ポーロ化工(愛知県豊田市)の全株式を取得し、9日付で子会社化した。中京エリアにおける設備工事業の対応分野の拡大、リニューアル工事の成長につなげる。マルコオ・ポーロは1992年に設立。取得価額は非公表。

レスターホールディングス<3156>、半導体商社のPALTEK<7587>をTOBで子会社化|1株680円で
2021/04/09

レスターホールディングスは9日、半導体商社のPALTEKに対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付代金は最大74億4800万円。レスターHDは総合エレクトロニクス商社として事業規模を拡大し、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、自動運転といった技術革新への対応力を高めるととも、グローバル展開を推し進める。PALTEKはTOBに賛同しており、TOBが成立すれば、東証2部上場が廃止となる。

買付価格は1株につき680円で、前日終値566円に20.14%のプレミアムを加えた。買付予定数は1095万4016株。買付予定数の下限は所有割合3分の2にあたる729万3700株。創業者の高橋忠仁社長ら親族が設立した資産管理会社は所有する32%余りの株式についてTOBに応じる。

買付期間は4月12日~5月27日。公開買付代理人は大和証券。決済の開始日は6月3日。

PALTEKは1982年に設立し、半導体製品の取り扱いやハードウエア、ソフトウエアの設計受託サービスなどを手がける。ただ、近年は国内市場の成熟化で、業績が伸び悩んでいる。2004年にジャスダックに上場、2015年から東証2部。

レスターHDは2019年4月にUKCホールディングスとバイテックホールディングスが経営統合して発足した。

パワーソリューションズ<4450>、日本創発グループ<7814>傘下でシステムエンジニアリングサービスのエグゼクションを子会社化
2021/04/09

パワーソリューションズは、日本創発グループ傘下でシステムエンジニアリングサービス事業のエグゼクション(東京都千代田区。売上高9億7400万円、営業利益400万円、純資産1億4100万円)の全株式を取得し、9日付で子会社化した。パワーソリューションズが強みとする金融機関向け業務コンサルティングやシステム受託開発の人材と、エグゼクションのクラウド基盤の人材を相互補完することで、市場・顧客ニーズへの対応力向上につなげる。取得価額は3億1800万円。

霞ヶ関キャピタル<3498>、「ホテル京都木屋町」保有のメゾンドツーリズム京都を子会社化
2021/04/09

霞ヶ関キャピタルは、「ホテル京都木屋町」(75室)を保有するメゾンドツーリズム京都(京都市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。不動産投資運用の一環。2021年夏をめどにホテルのリブランド(再構築)を予定している。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月28日。

三洋貿易<3176>、産業用合成ゴム材料製造の中国子会社「三洋東知」を現地社に譲渡
2021/04/09

三洋貿易は、産業用合成ゴム材料を製造する中国子会社の三洋東知(上海)橡膠有限公司(上海市。売上高3億5000万円、純資産1億5300万円)の全保有株式85.9%を、現地投資コンサルティングの大連鵬成投資有限公司(遼寧省大連)に9日付で譲渡した。事業の選択と集中の一環。譲渡価額は非公表。

パイプドHD<3919>、インサイドセールス代行事業子会社のカレンを経営陣に譲渡
2021/04/09

パイプドHDは、インサイドセールス(電話やメールなどによる内勤型営業)代行事業を手がける子会社のカレン(東京都千代田区。売上高2億8000万円、営業利益△700万円、純資産2300万円)の全保有株式51.41%を、同社社長の藤﨑健一氏に譲渡することを決めた。デジタルマーケティング事業のグループ内企業への譲渡に伴い、昨年来、新規事業として伴走型インサイドセールス代行事業に取り組んできたが、より機動的に事業を推進するため、社長の藤﨑氏に経営を託す。譲渡価額は1371万円。譲渡予定日は2021年4月20日。

フォスター電機、早期退職に37人応募|予定数の6割にとどまる
2021/04/08

フォスター電機は8日、特別早期退職優遇措置に37人の応募があったと発表した。製品設計部門を除く間接部門に在籍する47歳以上の正社員らを対象とし、3月8日~31日に募った(退職日は5月20日)。募集人数の60人程度に対し、応募は約6割にとどまった。

同社はスマートフォン向けヘッドセット事業から撤退すると同時に、車載用スピーカー事業への戦略展開を推し進めており、これに伴う組織変更や人材再配置などの総仕上げとして早期退職を踏み切った。

2021年3月期に特別退職金と再就職支援にかかる関連費用約2億2000万円を特別損失として計上する予定。

クスリのアオキホールディングス<3549>、茨城県「スーパーマルモ」から食品スーパー事業を取得
2021/04/08

クスリのアオキホールディングスは、スーパーマルモ(茨城県土浦市)から食品スーパー事業を取得することを決めた。スーパーマルモは1969年創業で、茨城県内に食品スーパー7店舗(土浦市4、つくば市2、かすみがうら市1)を運営する。茨城県内での出店強化の一環。クスリのアオキHDは北陸最大手のドラッグストアで、関東にも商圏を広げている。ドラッグストアのヘルス&ビューティーや日用品と食品スーパーならではの新鮮な食材の品ぞろえを組み合わせ、顧客利便の高い店舗づくりにつなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年6月1日。

クスリのアオキHDは昨年6月に子会社化した食品スーパーのナルックス(石川県白山市)を通じて、スーパーマルモの食品スーパー事業を傘下に収める。スーパーマルモは、今回譲渡する食品スーパー事業のほか、飲食事業(居酒屋2店舗)、総菜加工センター事業、精肉センター事業を手がける。

サン電子<6736>、犯罪捜査サービスのイスラエル子会社CellebriteがSPACを活用して米ナスダックに上場
2021/04/08

サン電子は8日、モバイル端末向け犯罪捜査用サービスを手がけるイスラエル子会社のCellebrite DI Ltdと、米国ナスダック上場の特別目的会社(SPAC)であるTWC Tech Holdings Ⅱ Corp.(カリフォルニア州サンフランシスコ)が合併すると発表した。“空箱”と呼ばれるSPACを活用した株式上場を目的としたもので、合併など一連の手続きを経たうえで、TWCに代わってCellebrite(銘柄コード:CLBT)が米ナスダック市場に6月末までに上場する見込み。サン電子は現在、Cellebriteの株式約71%を保有するが、同社の上場後は保有比率が約43.2%となり、持ち分法適用関連会社となる可能性があるとしている。

ダスキン、宅配ピザ事業の取得を中止
2021/04/07

ダスキンは7日、いちごホールディングス(仙台市)と同社子会社のストロベリーコーンズ(同)が展開する宅配ピザ事業の取得について中止を決めたと発表した。コロナ禍で事業環境が大きく変化したことから、同日付で、両者合意のうえで昨年6月に締結した事業譲受契約を解除した。ダスキンは「ミスタードーナツ」に次ぐフード事業の育成に向けた取り組みの一環と位置づけ、昨年7月に受け皿となる新会社を設立し、同11月中に事業取得を終えるスケジュールだった。

ダスキンは業務提携(2017年10月)に基づき、ストロベリーコーンズの「ナポリの窯」(ピザ商品)をミスタードーナツ店舗で販売してきたが、今回、業務提携についても6月末で終了させることを決めた。

米スターウッド、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人<3298>をTOBで非上場化
2021/04/07

米投資会社のスターウッド・キャピタル・グループは7日、国内不動産投資信託(REIT)のインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人の全発行済み投資口の取得を目的にTOB(株式公開買い付け)を始めた。買付代金は最大約1665億円。スターウッドは新型コロナウイルス感染拡大が招いたオフィス需要に対する需要動向の構造的混乱などを踏まえ、非上場化することで長期的な価値向上に向けた資本投資施策を実行できるとしている。インベスコは後日、TOBに賛成か反対かなどの意見を公表することにしている。

TOB主体はスターウッド傘下の101投資事業有限責任組合(東京都港区)など5者。インベスコに対する買付価格は投資口1口につき2万円。スターウッドがTOB実施を公表した4月2日の終値に対して13.31%のプレミアムを加えた。買付予定数は827万8571口。買付予定数の下限は534万4355口で、公開買付者の既保有分と合わせて所有割合3分の2超となる。

買付期間は4月7日~5月24日。公開買付代理人は三田証券(復代理人はマネックス証券)。決済の開始日は5月31日。

インベスコは米インベスコ・グループがスポンサーで、都内を地盤にオフィスビルを中心に投資物件を持つ。東証REIT市場への上場は2014年。

イワキ<8095>、ペプチド原薬などの製造プロセス開発を手がけるJITSUBOを子会社化
2021/04/07

イワキは傘下企業を通じて、ペプチド原薬の製造プロセス開発などを手がけるJITSUBO(横浜市)の株式を取得し子会社化することを決めた。医薬品CMC(化学・製造・品質管理)関連サービスの充実や、低分子化合物医薬から中分子化合物(ペプチド)医薬への広がりなどの相乗効果を期待している。取得価額、取得予定日は非公表。

新日本科学<2395>、実験動物繁殖・育成の中国子会社を現地社に譲渡
2021/04/07

新日本科学は、アジア子会社傘下で実験動物の繁殖・育成を手がける中国の肇慶創薬生物科技有限公司(広東省肇慶市。売上高8270万円、営業利益△4150万円、純資産4億1600万円)を、同国の康龍化成(北京)新薬技術股份有限公司(北京市)に譲渡することを決めた。持ち分譲渡と第三者割当増資を通じて、新日本科学の所有割合を現在の100%から49.99%に引き下げる。康龍化成の主導による合弁運営に切り替え、リスク分散を図りながら、事業拡大を目指す。譲渡先の康龍化成は上場企業で、医薬品の研究開発サービス事業をグローバルに展開する。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は4月中。

肇慶創薬生物科技は2003年設立で、18年間にわたり中国国内で実験動物の繁殖、飼育、検疫事業を展開してきた。近年は医薬品前臨床試験が活発化しているのに対応し、試験に必要とされる適正管理された実験動物の急速な需要増加を満たすことが経営課題になっていた。こうした中、米国での臨床事業の合弁パートナーだった康龍化成から、中国事業について協業の提案があったという。

新日本科学は引き続き、中国の当該施設から日本国内で行う前臨床試験に必要な実験動物を購入する権利を留保する。

Jトラスト<8508>、JTキャピタルなど韓国金融2子会社を現地社に譲渡
2021/04/05

Jトラストは、リース・割賦業務を手がける韓国子会社のJTキャピタル(ソウル。売上高51億5000万円、営業利益△6900万円、純資産138億円)の全株式を、現地投資会社のVI金融投資(ソウル)に譲渡することを決めた。新型コロナウイルス感染拡大の影響が広がる中、売却資金の有効活用による手元流動性の確保や収益性のバランスに配慮した事業ポートフォリオの再編が目的。譲渡価額は約114億円(1165億ウォン)。譲渡予定日は2021年6月15日。

Jトラストは併せて、韓国における銀行子会社のJT貯蓄銀行(城南市。売上高125億円、営業利益27億3000万円、純資産139億円)の全株式についても、VI金融投資もしくは同社が同意した譲受人に譲渡することを決めた。ただし、現時点で譲渡価額、譲渡予定日は未定。

Jトラストはアジア地域で金融サービスを展開するため、2015年に韓国でJTキャピタル、JT貯蓄銀行を相次いで傘下に収めた。

イーグランド<3294>、民事再生支援スポンサーとしてシマックスのリフォーム工事業を取得
2021/04/05

イーグランドは、戸建て住宅・マンションのリフォーム工事会社で東京地裁に民事再生手続きを申し立て中のシマックス(埼玉県川口市)に対する再生支援を決め、スポンサー契約を結んだ。シマックスがリフォーム工事業を会社分割して設立する新会社の全株式を取得する形となる。イーグランドは中古住宅再生事業を主力とし、中古住宅にリフォームを加えたうえで販売している。シマックスの事業を取り込み、安定的なリフォーム施工体制を築く。取得価額、取得予定日は非公表。

シマックスは2004年設立。住宅リフォーム資材、住宅設備機器の販売のほか、リフォーム工事を手がける。イーグランドは再生手続き開始決定後、必要な人的、金銭的な支援を行う予定。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[M&A案件情報(譲渡案件)](2021年4月13日)

-以下のM&A案件(1件)を掲載しております-

 

●底堅い需要を有する砂利採取及びリサイクル企業

[業種:砂利採取業/所在地:中部地方]

 

 

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-

(お問い合せ・ご相談は「無料会員登録」が必要です)

 


案件No.SS007150
底堅い需要を有する砂利採取及びリサイクル企業

 

 

(業種分類)その他

(業種)砂利採取業

(所在地)中部地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)砂利採取から産業廃棄物の収集運搬、中間処理まで一貫して対応

 

〔特徴・強み〕

◇長年の業歴を有し、安定した営業基盤を確立。
◇工場を保有し、その他設備も充実。
◇新規参入が難しい分野で独占的な受注を確保。

 

-案件に関するお問合せ・ご相談は、このページ文末の「お問合せ・ご相談」ボタンより-


情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

お気軽にお問合せください

[解説ニュース]

同族株主が相続等により取得した非上場株式の相続税評価

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■非上場株式を後継者等(非居住者)に贈与した場合の留意点

■相続税法64条1項の同族会社等の行為又は計算の否認規定の適用要件

 

 

1.はじめに


相続又は遺贈(「相続等」)により非上場株式を取得した個人がその株式を発行した会社(評価会社)の同族株主に該当する場合、その株式の相続税評価額は常に原則的評価方式により評価すると考えがちです。

しかし、同族株主である個人が有する議決権割合によっては、その相続等により取得した株式を特例的評価方式により評価する場合もありえます。

 

2.同族株主のいる非上場会社で、同族株主グループに属する個人が相続等により取得したその会社の株式の相続税評価


「同族株主」とは、原則、課税時期における評価会社の株主のうち、株主の1人及びその親族等の「同族関係者」の所有議決権の合計数が、その会社の議決権総数の30%以上である場合における、その株主及びその同族関係者(以下、両者をあわせて「同族株主グループ」という。)をいいます(財産評価基本通達188(1))。

同族株主グループに属する個人株主が相続等により取得した非上場株式の相続税評価方式は、その取得後の議決権割合(その株主の有する議決権数÷評価会社の議決権総数)に応じ、次のとおりとなります(財産評価基本通達178・188)。

 

(1)その議決権割合が5%以上の同族株主の株式原則的評価方式により評価します。

 

(2)その議決権割合が5%未満の同族株主の株式

 

①評価会社に中心的な同族株主がいない場合は、原則的評価方式により評価します。

 

②評価会社に中心的な同族株主がいる場合は、その同族株主が次のいずれに当たるかに応じ、それぞれに掲げる方式で評価します。
イ.中心的な同族株主は、原則的評価方式により評価します。
ロ.課税時期において評価会社の役員である同族株主または課税時期の翌日から法定申告期限までの間に評価会社の役員となる同族株主は、原則的評価方式により評価します。
ハ.イ及びロ以外の同族株主が取得した株式は、特例的評価方式により評価します。

 

③「中心的な同族株主」とは、同族株主のいる会社の株主で、課税時期において次のイ〜ハの株主グループの有する議決権の合計数が、評価会社の議決権総数の25%以上である場合における、その株主をいいます(財産評価基本通達188(2))。
イ.同族株主の1人
ロ.イの株主の配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び一親等の姻族
ハ.イ及びロの者の同族関係者である会社のうち、イ及びロの者が有する議決権の合計数が、その会社の議決権総数の25%以上である会社

 

3.事例による非上場株式の相続税評価方式の判定


非上場会社の㈱Y(議決権総数10,000個)の代表取締役の甲が死亡し、その遺言により甲所有の㈱Yの株式を、甲の長男Aと孫C(次男Bの子)が取得しました。これにより長男Aの有する㈱Yの議決権数は9,600個、孫Cの有する議決権数は400個となりました(甲に係る相続税の申告期限において、Aは㈱Yの役員ですが、Cは役員ではありません)。この場合、AとCが取得した㈱Y株式の相続税評価は、次のとおりとなります。

 

(1)長男Aの取得した株式の評価方式

Aは㈱Yの議決権総数の96%を有する同族株主です。したがって、Aが取得した㈱Yの株式の評価方式は前述2(1)より、原則的評価方式となります。

 

(2)孫Cの取得した株式の評価方式

Aは中心的な同族株主となり、㈱Yは中心的な同族株主のいる会社となります。これに対し、Cは同族関係者(叔父)であるAとあわせて㈱Yの議決権をすべて有するので、同族株主に該当します。Cについて中心的な同族株主の判定を行うと、Cが有する㈱Yの議決権数は議決権総数の4%(25%未満)、C以外の㈱Yの株主は叔父のAのみであり、株主のなかにCの配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び1親等の姻族はいません。よってCは中心的な同族株主には該当しません。また、Cの有する㈱Yの議決権数は議決権総数の5%未満であり、かつCは甲に係る相続税の申告期限までに㈱Yの役員となるわけでもありません。したがって、Cが取得した㈱Yの株式の評価方式は、前述2(2)②ハより、特例的評価方式となります。

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2021/4/12)より転載

[マッチングサイトを活用したスモールM&A]

~年商1,000万円から2億円までのM&Aの現場から~

第4回:「マッチングサイトを使ったスモールM&A」こそ専門家選びが重要!

 

〈解説〉

税理士 今村仁

 

 

 

▷売上1,000万円程度からの「スモールM&Aお任せサービス」受付開始!M&A仲介業者への依頼に至らない規模の小さい案件も依頼しやすい手数料で。まずはお気軽にご相談を。

 

(1)ネットM&Aの世界は文字でしかない

後継者不在などの理由で、「廃業」ではなく「第三者承継(M&A)」を売り手社長が選択したとします。年商2億円以下のスモール企業(中小零細企業)であれば、「対面(リアル)」でお相手を探す銀行やM&A仲介業者には高額な費用の面で頼むことができません。

 

そこで、前々回お伝えしましたように、バトンズやトランビのようなM&Aマッチングサイトに無料登録を試みようとします。当然ですが、会社が特定されないノンネーム状態の会社概要のような感じでの登録となりますが、そのノンネーム状態の会社概要に、買い手の興味を引くような、もっといえば条件に合った買い手が現れるような情報を書き込まないといけません。

 

買い手からしてみると、最初は対面の説明など一切なく、また写真や動画ももちろんなく、文字オンリーでの情報で、買いたいか買いたくないかを判断する必要があります。そこに単に、「関西、製造業、従業員3名、売上6,000万円、赤字、安定した売上が特長」とだけ書かれていて、買い手が買いたいと思うでしょうか。

 

逆に、下記のような会社概要であれば、買い手はどう感じ、どのように行動するでしょうか。

 

超極細ばねから太物まで!バネの総合メーカー

【事業内容】

金属製スプリングの製作並びに販売 お客様からご注文をいただいた際は原材料・部品の購入から完成品として出荷されるまでの工程の各段階での、管理特性や管理方法を記載した表を使いご提案。その上で15社ほどの生産協力会社の中から適合性の高い先を選定し、製品の生産を依頼しています。 出来上がった製品を検査データとともに受け取り、当社にて受入検査を行ったのち、梱包・出荷をいたします。

【譲渡希望額】

1,000万円〜2,000万円

【会社概要】

[事業形態]法人

[都道府県・地域]××県

[設立年月]10年以上

[従業員数(正社員数、パート・アルバイトの合計)]1人〜4人

【財務概要】 ※ 公開日、または更新日から起算した直近期の財務概要です。

[売上高]5,000万円〜1億円

[売上総利益]2,000万円〜5,000万円

[営業利益]-100万円〜0円

[役員報酬総額]1,000万円〜2,000万円

[減価償却費]0円〜100万円

[現預金等]300万円〜500万円

[売掛金等]500万円〜1,000万円

[金融借入金]1,000万円未満

[純資産]1,000万円〜2,000万円

【M&A譲渡概要】

[譲渡希望額]1,000万円〜2,000万円

[譲渡対象]会社譲渡

[M&A交渉対象]すべて(個人も含む)

[その他希望条件]連帯保証の解除, 従業員雇用継続, 車を引き取りたい
【補足】借入金500万円の連帯保証の解除をお願いします。

 

[譲渡に際して最も重視する点]想いを継いでくれること

[譲渡理由]後継者不在

[支援専門家の有無]あり

【事業概要】

●商流(仕入先、販売先やエンドユーザー、モノの流れ)

 

[顧客、エンドユーザーについて]

家電や航空業界に使われるバネを販売。またばねの総合メーカーともお取引がございます。

 

[仕入れ先の特徴や関係性について]

長年の付き合いがあり、安定したお付き合いを続けています。

 

 

●アピールポイント(商品・サービス、資産・立地、会社の歴史等の強み)

 

[商品・技術・サービスの特徴や魅力]

15社ほどの生産協力会社との独自ネットワークを築き上げております。そのため一般的なスプリングの生産は勿論のことながら、特殊製品にも対応し数多くの商品を取り扱っています。

 

[当事業の歴史や創業の背景、想い]

社長は元々サラリーマンとして同業界の企業にお勤めでしたが、2002年、定年を機に当社を創業。長年の経験で得た知識・ネットワークを生かし、自ら営業活動を行ってまいりました。順調に仕事を増やしてきましたが、次を担う後継者がいらっしゃらないことからこちらへ掲載をすることになりました。社長は譲渡を急いでいるわけではなく働ける限りは現場にて業務に取り組みたいというお気持ちです(経理と荷造り担当の妻も同様)。 お客様のどんなニーズにもお応えすることがモットーです。

 

[事業の強み、発展性]

売上先が安定しております。 また、新規開拓をしていないため、売上向上の余地があります(見込先一覧表あり)。 品質には自信ありです。

 

 

以下、省略


(M&A総合支援プラットフォーム バトンズhttps://batonz.jp/より転載、一部修正)

 

 

 

 

M&Aという性格上、多数の優良な買い手にアピールしたいと思う反面、秘密保持にはそれ以上に注意を払わないといけません。そのため、売り手が特定されるような情報は載せられませんので、当然ながら写真等も基本的には掲載不可となります。

 

つまり、売り手は最初、「ほぼ文字だけの情報で、秘密を守りながら買い手へのアピール」を行わなければなりません。文章が得意な社長であればまだいいのですが、そうでなければ、文章力や表現力が豊富なマッチングサイトでのM&Aに特化したアドバイザーに頼まれた方がいいでしょう。文章作りは得意という方でも、「買い手目線で」会社概要を書かないといけないということと、買い手の数より質を高めることが重要でそのため「条件に合う良質な買い手を集める」という視点でも書かないといけませんので、やはり、売り手の方は、最初からこういったM&Aマッチングサイトの特性をよく知ったアドバイザーに頼んだ方がいいでしょう。

 

因みにですが、買い手が現れたらアドバイザーを入れようとするのはタイミングとして間違いです。不動産の売り案件と一緒で、一般的には最初に来る客が一番良い客であることが多いですので、最初のM&Aマッチングサイトに載せるところからアドバイザーに相談されることをお勧めします。

 

 

(2)買い手も最初からM&Aマッチングサイトに精通したアドバイザーを付けるとスムーズ

一方、買い手においては、サイト上で売り案件を見て、興味のあるものに対して、サイト上でメールを送るような感覚で、質問や実名開示依頼を行っていきます。

 

前回の解説で説明しましたが、M&Aマッチングサイト初心者の買い手がよくやる落とし穴は、「自己紹介や購入理由等の記載が何もなく、また売り手への配慮が無い言葉で質問のみ」を実行して、その後、売り手や売り手アドバイザーから「音沙汰なし」又は「返信はあるが素っ気ない」対応をされてしまうことです。

 

いずれは変化があると思いますが現在では、M&Aマッチングサイトは、買い手9割売り手1割の世界です。特に優良な売り案件には、20人以上の買い手が当然のように手を挙げます。M&Aマッチングサイトでは、買い手は、多数の買い手から売り手やそのアドバイザーにまずは選んでもらないといけないということを、常に念頭において交渉を進めないといけません、特に最初が肝心です。

 

弊社では過去に多数の売り手アドバイザーをしてきています。その結果、多数の買い手からのオファーをネット上で買い手同士の文章比較をしながら見ていますが、「よく売り手の立場を考えて練られた文章を送ってくる買い手や買い手アドバイザー」と「それ以外」は明白です。いくら、買い手に知名度や資金力があっても、M&Aマッチングサイトでは選ばれる買い手にならないと優良な売り案件にはその交渉の場にすらたどり着くことができません。過去にどれほど大きなディールに取り組まれていようが、「M&AマッチングサイトにはM&Aマッチングサイトなりの流儀やお作法」というものが存在します。そういった意味では、買い手も最初から、M&Aマッチングサイトに明るいM&Aアドバイザーを付けてその方に交渉をお任せした方が良いでしょう。

 

 

(3)全国の会計事務所に立ち上がって欲しい

私自身も会計事務所(税理士事務所)を経営していますが、顧客の8割は年商2億円以下のスモール企業です。もっと具体的にいえば、「年商8,000万円、従業員3名、トントンか赤字」といった感じの規模感等です。

 

会計事務所や税理士事務所の皆さん、このようなメイン顧客の社長が70歳を超えて後継者不在の場合、どんなアドバイスや支援をされてきましたか?高齢の社長より、「息子が継ぎたくないっていっているけど、この先どうしよう?」と言われて、どんな励ましの言葉をかけることができましたか、どんな対策を提案されてきましたか?

 

既存のM&A仲介業者や銀行等に頼むと、最低手数料1,000万円からと言われますので、ご紹介すらできませんし、先方も引き受けてくれません。

 

今までこのような顧問先にできることといえば、粛々と廃業に向けての「会社の終活支援」や「廃業支援」くらいではなかったでしょうか?さらにいえば、これらの支援すらしてあげられなかったのが、多くの会計事務所の実態ではないでしょうか。

 

同業者ですからご容赦願う前提でストレートに言わせていただければ、今までの会計事務所の後継者不在スモール企業への対応は、「ほったらかし」でした。もしその顧問先の年間顧問料が50万円で、20年のお付き合いがあれば50万円×20年=1,000万円、40年のお付き合いがあれば50万円×40年=2,000万円を、今まで頂戴してきたにも関わらず、最後にできることは、「ほったらかし」です。

 

これでいいのでしょうか?こんな無策で、本当に間違っていないのでしょうか?こんな仕事のやり方で、子供世代に会計業界について自信をもって説明できますか?

 

「M&Aマッチングサイトを使ったスモールM&A」では、このような後継者不在企業に、平均して7社の買い手候補を、無料で連れてきてくれます。「M&Aマッチングサイトを使ったスモールM&A」の仕組みを顧問先に伝えることは、会計事務所の使命ではないかと思います。

 

例えばですが、バトンズというM&Aマッチングサイトでは、無料登録が可能で更には登録サポートも無料になっています。社長やその親族等に、「バトンズとネット検索してみて」などとお伝えしてみてはいかがでしょうか。

 

できれば、会計事務所の方が登録の仕方やネットを使ったスモールM&Aの仕組みを理解して、登録代行等をしてあげるとなお良いでしょう。M&Aマッチングサイトを通じてマッチングをしてきた買い手の情報を顧問先にお持ちすると、それこそ飛び上がって喜ばれることもあります。「廃業しかないと思っていたのに、継いでくれる可能性のある人が現れるとは!」、と。

 

今まで廃業しか選択肢が無かった、特に地方のスモール企業に、第三者承継という手段を与えたという意味で、控えめにいって、プラットフォームとも呼ばれるM&Aマッチングサイトは、「革命」を起こしたと言えるでしょう。廃業であれば、650万人の雇用と22兆円のGDPが喪失する可能性がありますが、廃業ではなく第三者承継が実現すれば、取引先や雇用が継続されます。売り手社長自身にとっても、廃業より手残りが多くなるでしょう。

 

M&Aマッチングサイトを革命の第1章とすれば、革命の第2章は、全国の会計事務所や税理士事務所が立ち上がって、後継者不在の顧問先をマッチングサイトに多数登録していくような状況をいうのではないかと考えています。全国には、127万者の後継者不在企業等がありますが、まだまだM&Aマッチングサイトを見る限りそれらの一部しか登録がされていません。廃業予備軍ともいえる多数のスモール企業に、M&Aマッチングサイトを使ったM&Aの世界がまだまだ認知されていないからです。これら全国のスモール企業にリーチできるのは、全国の会計事務所しかありません。そう考えると、革命の第2章の主役は、全国の、特に地方の会計事務所や税理士事務所ではないでしょうか。全国の会計事務所や税理士事務所の皆さん、共に立ち上がり、革命第2章を共に歩みましょう。