[解説ニュース]

住宅取得等資金贈与に係る贈与税の非課税制度における取得要件と居住要件

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■【Q&A】事業承継税制:相続税の特例措置における「中小企業者要件」の判定

■【Q&A】相続時精算課税の住宅取得等資金贈与の特例に係る贈与者が死亡した場合の相続税の取扱い

 

 

 


1.住宅取得等資金の非課税制度の概要


その年の1月1日において一定の要件を満たす個人が、令和5年12月31日までの間に父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、受贈者ごとに、非課税限度額(新築等をした住宅用家屋が省エネ等住宅(注)の場合は 1,000万円、それ以外の住宅の場合は 500万円)までの金額について、贈与税が非課税となります(租税特別措置法(措法)70条の2第1項。以下、本税制を「非課税制度」という)。
(注)省エネ等住宅とは、省エネ等基準に適合する住宅用家屋であることにつき、一定の書類により証明されたものをいいます(措法70条の2第2項6号イ、措法施行令40条の4の2第8項)。

 

 

2.非課税制度における居住要件


非課税制度の適用を受けるためには、原則として贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住することが要件とされます。贈与を受けた年の翌年の3月15日までに居住しない場合であっても、取得した住宅用家屋を同日後遅滞なく受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれる場合には、一定の書類の添付により特例の適用ができます(措法70条の2第1項)。ただし、贈与を受けた年の翌年の12月31日(以下「居住期限」)までに受贈者の居住の用に供されていない場合は、特例の適用ができないため、修正申告書の提出が必要となります(同法第4項)。

 

 

3.非課税制度における取得要件


(1)概要

非課税制度の適用を受けるためには、贈与を受けた日の属する年の翌年3月15日(以下「取得期限」)までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用家屋の新築(新築に準ずる状態として一定のものを含む)もしくは取得をすることが要件とされます。

 

(2)請負契約により住宅用家屋を新築する場合

(1)の場合において、請負契約により住宅用家屋を新築するときは、取得期限において屋根を有し、土地に定着した建造物と認められる時以降の状態であれば、上記(1)の「新築に準ずる状態」とされ、完成した住宅用家屋を同日後遅滞なく受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれるときには、一定の書類の添付により非課税制度の適用を受けることができます(措法70条の2第1項1号、措法施行規則23条の5の2第1項)。

 

(3)住宅用家屋を取得するときの取得要件

前記(1)の住宅用家屋の取得とは、売主から住宅用家屋の引渡しを受けたことをいいます。したがって、建売住宅や分譲マンションについては、売買契約が締結されている場合や、これらの建物が前記(2)に規定する新築に準ずる状態にある場合であっても、その引渡しを受けていない限り、住宅用家屋の取得には該当せず、非課税制度の適用を受けることができません(措法通達70の 2−8、70の3−8)。

 

4.災害等を受けた場合の居住・取得期限の延長等


(1)居住期限の1年延長

贈与により金銭の取得をした人が、その金銭を住宅用家屋の新築等の対価に充てて新築等をする場合に、その贈与を受けた年の翌年3月15日後遅滞なくその住宅用家屋を居住の用に供することが確実であると見込まれることにより、非課税制度の適用を受けたものの、災害に基因するやむを得ない事情により贈与を受けた年の翌年12月31日までに居住することができなかったときには、居住期限が1年延長【贈与を受けた年の翌々年12月31日】されます(措法70条の2第10項)。

 

(2) 取得期限の延長

贈与により金銭の取得をした人が、その金銭を住宅用家屋の新築等の対価に充てて新築等をする場合に、災害に基因するやむを得ない事情により贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅用家屋の新築等ができなかったときには、取得期限と居住期限が1年延長されます(措法70条の2第11項)。

 

(3)居住要件の免除

住宅取得等資金の贈与を受けて住宅用家屋の新築等をした人が、その贈与を受けた年の翌年3月15日後、遅滞なくその住宅用家屋を居住の用に供することが確実であると見込まれることにより、非課税制度の適用を受けた場合において、その住宅用家屋が災害により滅失(通常の修繕では原状回復が困難な損壊を含む。)をしたため、居住することができなくなったときには、居住要件が免除され、非課税制度の適用を受けることができます(措法70条の2第9項)。

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2023/9/25)より転載

[解説ニュース]

勝手に(?)出された相続時精算課税の申告書が無効かどうかでトラブル

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

■小規模宅地等特例:相続人の継続事業への関与度合いが問われた事例

■貸家建付地の相続税評価では、次の相続までの状況変化に注意

 

 

 


1.はじめに


相続時精算課税制度は、令和6年1月1日以後の贈与から110万円の基礎控除が使えるようになることから、現在注目されている制度です。今回はこの制度を利用した親子間での財産贈与で、起こりがちな事例を取り上げます。

2.相続時精算課税制度とは


相続時精算課税制度とは現行制度上、その年の1月1日現在で60歳以上の父母・祖父母である直系尊属から、18歳以上の推定相続人である子や孫へ贈与がある場合に、贈与した人と財産をもらった人の組み合わせごとに選択できる制度です。税負担は贈与額2,500万円までは特別控除により事実上贈与税が課税されず、それを超える金額の贈与には20%の税率で課税されます。

 

その見返りとして、この組み合わせで直系尊属である父母等の相続が開始した場合には、相続税の計算上相続時精算課税制度でもらっていた財産を相続財産に加算し、相続税が算出される場合にはこの相続税から支払い済みの贈与税を引いて精算する仕組みです。この選択は、いったん行われると後で解消することができないのが特徴です。

 

ただ、この制度をめぐっては、税務上のトラブルが散見されるようです。裁決事例になっている事案でも、たとえば、財産をあげた被相続人が財産を受け取った子供らのために被相続人自ら勝手に(?)相続時精算課税制度の届出・申告をして、あとで相続人が相続税申告する際、相続財産に加算する贈与財産の計算で誤りが税務署から指摘されたケースがみられます(審判所、令和元年6月17日裁決、令和5年2月3日裁決)。ここでは、令和元年6月17日裁決を見てみることにします。

 

 

3.事案の概要


裁決書によると、この事案は平成27年に開始した相続の相続税申告に際し、相続人が平成18年から21年にかけて被相続人からもらっていた財産について、相続財産に加算すべきかどうかが問題になった事案です。税務署は、平成18年から21年にかけて被相続人から贈与された財産(現金・建物)につき、被相続人自身の手で相続時精算課税制度により申告していたため、相続時精算課税制度の適用で相続財産に加算すべきものとして更正しています。しかし、相続人は相続時精算制度の申告書は、被相続人が勝手に作成し税務署に提出したので、無効だと反発したものです。

 

 

4.審判所の判断


審判所は、まず、申告手続きについて「納税義務者本人が申告書を提出して行うこととされているから(国税通則法第17条《期限内申告》等)、納税義務者以外の者が、本人の承諾なく勝手に納税義務者の申告書を作成し提出した場合には、その納税申告は無効であると解される」と考え方の原則を提示。次に、審判所は納税義務者以外の者が申告書を作成し提出した場合であっても、有効になる場合として、「その者が、納税義務者から明示又は黙示に当該申告行為をする権限を与えられている場合」と指摘しました。

 

事案のケースでは、被相続人が申告手続きしたことが明らかであることから、相続人が、被相続人に対し、「明示又は黙示に本件精算課税申告書による申告行為をする権限を与えていたといえるか否かについて」検討、次のような事実関係を指摘しています。

 

①相続人は、建物贈与に係る登記手続を被相続人に一任していたこと

 

②あとで被相続人が相続時精算課税申告を出し直すことになる暦年課税申告書を作成する際、農協などでの相談において、必要な書類の提示などの対応は被相続人が行っていたこと

 

③その暦年課税申告に係る納税資金は被相続人が負担していたこと

 

④相続人の印鑑は被相続人も使用することが可能な状況であったこと

 

⑤相続人が主体的に自己に係る申告手続等の必要な手続を行っていたということはうかがわれないこと

 

⑥後の相続時精算課税制度申告で相続人は贈与税に係る還付金等の振込を認識できたといえること

 

⑦被相続人が相続人口座から還付金等を出金したことにつき異議を述べたといった事実は認められないこと

こうしたことから審判所は一連の手続きに関し、相続人が「被相続人に対して包括的に委任していたとみるのが相当であるから、精算課税申告についても、明示又は黙示に当該申告行為をする権限を被相続人に与えていたといえる」と判断しています。

 

 

5.まとめ


上記のようなトラブルの原因は、被相続人と相続人の間での行き違いなのか、それとも別の理由があるのかは、本当のところはわかりません。

 

生前贈与による財産の承継は安全が第一だとすれば、将来発生する相続税でも不利にならないよう、被相続人と相続人が納得の上、税理士ら専門家を交えて手続きを行うことがトラブルを未然に防ぐことにもつながるのではないでしょうか?

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2023/9/11)より転載

[M&A案件情報(譲渡案件)](2023年9月20日)

-以下のM&A案件(6件)を掲載しております-

 

 

 

●老舗アニメの3DCG制作会社

[業種:3DCG制作/所在地:関東地方]

●【財務内容良好】太陽光発電設備・蓄電池の販売・施工を行う電気設備工事会社

[業種:太陽光発電設備・蓄電池の販売・施工業/所在地:東北地方]

●【ニッチ分野】特殊性が高い電子部品の製造会社。

[業種:変圧器部品製造/所在地:関東地方]

●量産から試作部品まで長年の技術力を評価されている自動車部品製造業

[業種:自動車部品製造業/所在地:中部地方]

●長年の業歴を誇り、樹脂用金型、モールドベース製造を行う企業

[業種:非金属用金型・同部分品・附属品製造業/所在地:関東地方]

●長年の業歴を誇る金属製品製造業者

[業種:金属製品製造/所在地:関東地方]

 

 

 

 

 

 

 

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案件No.SS013564
老舗アニメの3DCG制作会社

 

(業種分類)IT・ソフトウェア

(業種)3DCG制作

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)ゲーム3DCG 制作 映画、アニメ3DCG 制作

 

〔特徴・強み〕

◇大手企業との取引実績多数

 

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案件No.SS013286
【財務内容良好】太陽光発電設備・蓄電池の販売・施工を行う電気設備工事会社

 

(業種分類)建設・土木

(業種)太陽光発電設備・蓄電池の販売・施工業

(所在地)東北地方

(直近売上高)1~5億円

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)太陽光発電設備・蓄電池の販売・施工業

 

〔特徴・強み〕

◇太陽光発電設備施工において実績豊富かつ技術力に定評あり、紹介とリピーターで受注を確保
◇電気設備工事資格者4名、従業員の平均年齢42.3歳と若い人材が揃っている
◇時価純資産2.5億円超、3期平均EBITDA3千万円超と財務内容収益性良好
◇事業の成長と発展のために譲渡を検討

 

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案件No.SS013099
【ニッチ分野】特殊性が高い電子部品の製造会社

 

(業種分類)製造業

(業種)変圧器部品製造

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億円

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)電子部品の製造業者。ニッチ製品に特化している。

 

〔特徴・強み〕

◇長年の実績もあり、取引先からの信頼も厚い
◇社員の技術力も高く、質の高い製品の製造が可能

 

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案件No.SS013017
量産から試作部品まで長年の技術力を評価されている自動車部品製造業

 

(業種分類)製造業

(業種)自動車部品製造業

(所在地)中部地方

(直近売上高)5~10億円

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)自動車部品の量産製造・加工を材料調達から検査まで一気通貫で行っている。

 

〔特徴・強み〕

◇自社保有工場による製造ラインを保有
◇量産部品から試作部品まで幅広く製造
◇長年の業歴から取引先との強固な顧客基盤を持つ

 

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案件No.SS012766
長年の業歴を誇り、樹脂用金型、モールドベース製造を行う企業

 

(業種分類)製造業

(業種)非金属用金型・同部分品・附属品製造業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億円

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)樹脂用金型、モールドベース、ダイカスト金型用部品、プレス用ダイセットなどの製造

 

〔特徴・強み〕

◇モールドベース加工は40年以上の業歴があり、高い評価を得ている
◇製造余力もあり、提携先次第で売上を伸ばすことが可能
◇取引先は多数分散
◇好立地エリアに自社工場を保有
◇親会社の事業の選択の集中を目的に譲渡を検討

 

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案件No.SS012237
長年の業歴を誇る金属製品製造業者

 

(業種分類)製造業

(業種)金属製品製造

(所在地)関東地方

(直近売上高)5~10億円

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)車両関連の金属製品を製造している企業

 

〔特徴・強み〕

◇大手メーカーから安定した受注実績あり
◇業歴は60年以上であり、長年の蓄積から財務内容は盤石
◇確かな技術の成果として、過去受賞履歴あり

 

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・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

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[税理士事務所の事業引継ぎ(M&A)や後継者不足に悩んだら]

 

会計事務所の事業引継ぎの一つの手段として、M&Aをご検討される税理士が増えてきました。税理士の皆さまより寄せられたよくある質問を、Q&A形式にてわかりやすく解説しました。

 


Q、職員数名の小規模の会計事務所ですが、買手の会計事務所は見つかりますか?

 

 

小規模の事務所であっても、譲渡できる可能性はあります。

 

 

「 5名以下の小規模事務所 」を希望する買手事務所からの問い合わせは多いです。これから事業を拡大したいと考えている税理士事務所からのニーズがあります。もちろん、「 10名~20名規模の中規模事務所 」の譲受を希望している事務所も多いです。

 

 

「必ず買手が見つかります」とは断言はできませんが、「小規模の事務所だから買手は見つからない」と決め切らずに、譲渡先を探してみてはいかがでしょうか。

 

 

税務研究会では、全国の会計事務所より、譲渡を希望する税理士事務所を譲り受けたいという希望の連絡を多数受け付けています。譲渡をご検討の場合は、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「事業承継税制の適用要件について」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】特例経営承継期間中に事業が立ち行かなくなった場合の取扱い

■【Q&A】個人版事業承継税制について ~先代事業者が医師、後継者が歯科医師の場合~

 

 

 

 

 


[質問]

A社は甲が代表取締役を務めていましたが、後継者として予定している乙を共同代表取締役に就任させるつもりです。その後、特例承認計画を県に提出し経営承継円滑化法の確認を受け、期間を経て甲は代表取締役を辞任し、いわゆる平取締役となり、その後乙に株式を贈与する計画です。

 

このような経緯を経る予定なのですが、その他の要件を満たしていた場合、上記贈与について事業承継税制の適用は可能でしょうか。

 

 

 

[回答]

1 事業承継税制の贈与者の要件

事業承継税制(贈与税)の適用対象となる贈与者とは、以下のいずれにも該当する者をいいます(租税特別措置法施行令第40条の8第1項第一号、同施行令第40条の8の5第1項第一号)。

 

(1) 贈与の前に会社の代表権を有していたこと

(2) 贈与の直前において、贈与者及び贈与者の同族関係者等で総議決権数の50%超の議決権を保有し、かつ、受贈者を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと

(3) 贈与の時において、会社の代表権を有していないこと

 

 

2 事業承継税制の受贈者の要件

事業承継税制(贈与税)の適用対象となる受贈者とは、以下のいずれにも該当する者をいいます(租税特別措置法第70条の7第2項三号、同法第70条の7の5第2項六号)。

 

(1) 贈与の日において、18歳以上であること

(2) 贈与の時において、会社の代表権を有していること

(3) 贈与の時において、受贈者及び受贈者の同族関係者等で総議決権数の50%超の議決権を保有し、かつ、受贈者の同族関係者等の中で最も多くの議決権を保有することになること(受贈者が1人の場合)

(4) 贈与の日まで引き続き3年以上にわたり会社の役員の地位を有していること

 

 

3 照会事例について

ご照会の事例における代表権に関しては、贈与者(現経営者)甲は株式を贈与する前に代表権を有しており、株式の贈与時には代表権を有していませんので、贈与者の要件を満たすことになります。また、受贈者(後継者)乙は株式の贈与時には代表権を有していますので、受贈者の要件を満たすことになります。

 

また、役員の就任期間等に関しては、受贈者の要件の役員から代表取締役は除かれていませんので、贈与の日まで引き続き3年以上にわたり代表取締役も含めて役員の地位を有していれば、受贈者の要件を満たすことになります。

 

したがって、ご照会の事例のような経緯を経るとする場合で、その他の事業承継税制の要件を満たしているときには、事業承継税制の適用は可能と考えられます。

 

なお、事業承継税制の代表権の判定は、法律上の名前で行うことから、代表権が移動した場合には、法務局の商業登記を変更する必要があります。また、共同代表に就任させる場合には、定款等において後継者の代表権に制限を加えないことに留意してください。

 

 

 

 

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2023年1月30日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。

 

 

 

 


[税理士事務所の事業引継ぎ(M&A)や後継者不足に悩んだら]

 

会計事務所の事業引継ぎの一つの手段として、M&Aをご検討される税理士が増えてきました。税理士の皆さまより寄せられたよくある質問を、Q&A形式にてわかりやすく解説しました。

 


Q、知人の税理士に顧問先を譲るのと M&Aで他事務所に譲渡(売却)するのとは何が違いますか?

 

 

主に下記の 2つ の違いがあります。

 

1つ目は、「 相手先をよく知っている安心感 」です。

 

知人の税理士への譲渡では、すでにどのような先生で、どのような事務所であるか、ということを知っているという安心感があります。

 

一方、M&Aで譲渡する場合は、面識のない事務所への譲渡になりますので、どのような先生で、どのような事務所なのかというのはわかりません。

そのため、所長同士の「トップ面談」や、「事務所見学」をしっかりと行う必要があります。

 

 

2つ目は、「 交渉のしやすさ 」です。

 

知人の税理士への譲渡では、付き合いがあるだけに、意外と「 強い交渉がしづらい 」ということがよくあります。とくに、「 譲渡対価 」は、「 適正価格よりも低い金額や、無償に近い金額 」で譲るケースも多いです。

 

一方、M&Aで譲渡する場合は、アドバイザーが算定した「 適正価格(一般で取引される価格)」をベースに交渉がはじまるため、適正価格よりも極端に低い金額で譲るケースはほとんどありません。

 

また、多くの買手候補が集まることもあり、「資金力のある事務所」が買手となる可能性もあります。

 

 

このようにM&Aでは、複数の買手候補から選択できるので、「 譲渡対価 」以外にも、「 事務所の環境 」「 職員への待遇 」などを比較検討しながら、買手を探すことができるというメリットがあります。

 

 

 

 

[M&A案件情報(譲渡案件)](2023年9月12日)

-以下のM&A案件(4件)を掲載しております-

 

 

 

●【工場自社所有】医療機器や自動車部品などのゴム用金型製造メーカー

[業種:金型製造業/所在地:関東地方]

●製造業向け人材派遣業。外国人人材に強み。

[業種:労働者派遣業/所在地:関西地方]

●【高い顧客満足度を誇る】リピーターが多く、施工技術に強みがあるリフォーム企業。

[業種:リフォーム工事業/所在地:東北地方]

●技術力の高い海洋測量調査会社【高収益体質】

[業種:測量業/所在地:関東地方]

 

 

 

 

 

 

 

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案件No.SS013635
【工場自社所有】医療機器や自動車部品などのゴム用金型製造メーカー

 

(業種分類)製造業

(業種)金型製造業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)医療用、自動車用、電子機器用のゴム部品の成型金型を取扱う。

 

〔特徴・強み〕

◇経験豊富な社員と豊富な設備で、精度の高い加工技術を有する。
◇工場は自社所有(150坪以上)。
◇安定した受注基盤を形成しており、大手ゴム製品メーカー、医療メーカー、化学メーカーと多数取引あり。

 

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案件No.SS012933
製造業向け人材派遣業。外国人人材に強み。

 

(業種分類)人材派遣・アウトソーシング

(業種)労働者派遣業

(所在地)関西地方

(直近売上高)10~50億円

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)自動車部品メーカー等への労働者派遣

 

〔特徴・強み〕

◇人材派遣100%
◇地域密着型で高い継続率を誇る
◇外国人エンジニアが多数在籍
◇大手取引先多数

 

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案件No.SS010720
【高い顧客満足度を誇る】リピーターが多く、施工技術に強みがあるリフォーム企業。

 

(業種分類)建設・土木

(業種)リフォーム工事業

(所在地)東北地方

(直近売上高)5~10億円

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)住宅リフォーム、水回り工事、外構工事

 

〔特徴・強み〕

◇水回り工事からリフォーム工事、外構工事と幅広いニーズに応える
◇外注業者は設立当初から在籍している者もおり信頼が厚い
◇施工後のお客様アンケートでは評価高く、口コミ・紹介営業に繋がっている

 

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案件No.SS008028
技術力の高い海洋測量調査会社【高収益体質】

 

(業種分類)建設・土木

(業種)測量業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億円

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)関東圏を主体に海洋測量業を展開。

 

〔特徴・強み〕

◇海洋調査士や測量士などの有資格者多数在籍
◇長年の実績から大手ゼネコンとの関係性を構築

 

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[税理士事務所の事業引継ぎ(M&A)や後継者不足に悩んだら]

 

会計事務所の事業引継ぎの一つの手段として、M&Aをご検討される税理士が増えてきました。税理士の皆さまより寄せられたよくある質問を、Q&A形式にてわかりやすく解説しました。

 


Q、どのような理由で、会計事務所・税理士事務所の譲渡(売却)を考える方が多いのですか?

 

1つ目は、「 後継者不在 」です。

息子や娘が税理士資格をもっていない、

税理士資格をもっている職員に承継を打診したが断られた、というケースです。

 

新規に人材を採用して、後継者を育成していたが、

「期待していた税理士が辞めてしまった」ということもよくあります。

 

 

2つ目は、ご自身の「 年齢 」「 体力や健康面の不安 」です。

55歳、60歳、65歳と節目の年齢に差し掛かる際に、

ご自身の体調面を踏まえて、今後の仕事や生活について考える、というケースです。

 

3つ目は、「 事業意欲の減退 」です。

税の専門家として、「勉強をするのがつらくなってきた」「ITについていけない」など、高齢になるにつれて、税理士業務を続けることに限界を感じる方もよくおられます。

 

その他にも、「 代表の責任から解放されたい 」「 大手の傘下でサービスを充実したい 」という理由を挙げる方もいます。

 

 

 

 

[M&A案件情報(譲渡案件)](2023年9月5日)

-以下のM&A案件(5件)を掲載しております-

 

 

 

●大手鉄道会社、ディベロッパー子会社と長年取引を続ける駅構内・オフィスビル清掃事業

[業種:その他の建物サービス業/所在地:関東地方]

●長年の業歴を誇る、繊維商社やアパレルメーカーへ生地の卸売を行う産元商社

[業種:織物卸売業/所在地:関西地方]

●パーティクルボードの加工・販売を主体に手掛ける建材卸業

[業種:木材・竹材卸売業/所在地:関西地方]

●イカ釣り漁船を保有する企業。

[業種:釣・はえ縄漁業/所在地:非公開]

●【業績堅調】カット野菜製造業者

[業種:食品製造業/所在地:中部地方]

 

 

 

 

 

 

 

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案件No.SS013828
大手鉄道会社、ディベロッパー子会社と長年取引を続ける駅構内・オフィスビル清掃事業

 

(業種分類)その他

(業種)その他の建物サービス業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)50~100名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)鉄道駅構内の清掃業務を主体としてオフィスビルの清掃業務も手掛ける。 本社所在地は東京都内と好立地。現場は首都圏(主に都内)の駅やオフィスビルが中心。

 

〔特徴・強み〕

◇長年大手鉄道会社やディベロッパー子会社と取引あり。
◇能動的な営業は実施していないものの、売上高は安定的に推移。
◇正社員約30名、パート約50名で基本的に清掃業務は外注せず社内で対応。

 

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案件No.SS013169
長年の業歴を誇る、繊維商社やアパレルメーカーへ生地の卸売を行う産元商社

(業種分類)商社・卸・代理店

(業種)織物卸売業

(所在地)関西地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)糸染・織布・加工など各工場を経て生産した生地を仕入れ、繊維商社やアパレルメーカーへ卸売を行う。

 

〔特徴・強み〕

◇業歴90年超を誇る産元商社として、歴史と伝統のある織物を扱う
◇自社にて企画、デザイン行うオリジナルブランドの運営も行っており、ECでの販売も手掛ける

 

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案件No.SS012550
パーティクルボードの加工・販売を主体に手掛ける建材卸業

 

(業種分類)商社・卸・代理店

(業種)木材・竹材卸売業

(所在地)関西地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)パーティクルボードの加工 ・販売を主体に手掛ける建材卸業

 

〔特徴・強み〕

◇パーティクルボードの加工・販売を主体に手掛ける建材卸業
◇財務内容は良好であり、ネットキャッシュは約70百万円であり、直近期も実質営業損益も黒字
◇倉庫(賃貸)も広く、置き場所にも余力あり。

 

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案件No.SS012520
イカ釣り漁船を保有する企業。

 

(業種分類)外食・食品関連

(業種)釣・はえ縄漁業

(所在地)非公表

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)自社で漁師を雇用し、船舶も保有しておりイカ釣り漁業を営む。

 

〔特徴・強み〕

◇全国で39隻しかない船舶を保有し、イカ釣り漁業許可を取得している。
◇漁師も従業員として在籍しており、毎期安定的に漁が行える体制を構築している。

 

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案件No.SS011996
【業績堅調】カット野菜製造業者

 

(業種分類)外食・食品関連

(業種)食品製造業

(所在地)中部地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)地区内でトップクラスの生産能力を有するカット野菜製造業を営む

 

〔特徴・強み〕

◇大手食品メーカー、大手小売業者、外食産業など多数の取引先を有する。
◇様々な野菜の加工ノウハウと生産能力の高さに加え、デリバリー体制も確立されている。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

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[M&A案件情報(譲渡案件)](2023年8月29日)

-以下のM&A案件(4件)を掲載しております-

 

 

 

●都内中心区にて展開する人気寿司業態2店舗の事業譲渡

[業種:飲食業/所在地:関東地方]

●自社倉庫を持ち、幅広い輸送業務を担う運送業者

[業種:一般貨物自動車運送業/所在地:関東地方]

●IoT事業の実装により、社会問題の解決に取り組むスタートアップ

[業種:無線通信機械器具製造業/所在地:関東地方]

●従業員100名超・工場総敷地面積10,000㎡超を誇る精密工作機械製造会社

[業種:金属工作機械製造業/所在地:東日本]

 

 

 

 

 

 

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案件No.SS013720
都内中心区にて展開する人気寿司業態2店舗の事業譲渡

 

(業種分類)外食・食品関連

(業種)飲食業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10名以下

(譲渡スキーム)事業譲渡

(事業概要)寿司料理店の運営

 

〔特徴・強み〕

◇都内で寿司料理店2店舗を運営
◇職人に依存しない運営体制を構築
◇好立地エリアに展開
◇中~高価格帯で多くの支持を獲得
◇グルメ評価サイトで高評価を獲得。メディア露出も多数

 

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案件No.SS013605
自社倉庫を持ち、幅広い輸送業務を担う運送業者

 

(業種分類)物流・運送

(業種)一般貨物自動車運送業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)一般貨物自動車運送業と倉庫業を運営

 

〔特徴・強み〕

◇主に下請けとして大手企業を中心に、地場優良企業との取引も行う
◇運送エリアは関東中心
◇事業成長を目的に譲渡を決断

 

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案件No.SS013464
IoT事業の実装により、社会問題の解決に取り組むスタートアップ

 

(業種分類)製造業

(業種)無線通信機械器具製造業

(所在地)関東地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)革新的なIoT事業、センシングに関するサービスの提供

 

〔特徴・強み〕

◇画期的な研究に裏付けられた高い技術力を有し、大手企業中心に導入が進んでいる
◇センシングに関するサービスを企画から販売まで一貫して提供
◇事業の成⾧と発展のため譲渡を希望

 

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案件No.SS011883
従業員100名超・工場総敷地面積10,000㎡超を誇る精密工作機械製造会社

 

(業種分類)製造業

(業種)金属工作機械製造業

(所在地)東日本

(直近売上高)10~50億

(従業員数)100名超

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)精密工作機械製造

 

〔特徴・強み〕

◇顧客の要望に応える柔軟なカスタマイズ
◇一定顧客によるリピート
◇従業員は100人を超え、20代、30代の方も活躍中
◇長年の業歴による独自技術

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

 

【免責事項】

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[解説ニュース]

個人が所有する宅地に前払地代方式により一般定期借地権を設定した場合の税務

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(川瀬 朋基/税理士)

 

 

[関連解説]

■【Q&A】譲渡所得の計算上、概算取得費で申告後に実際の取得費が判明した場合の更正の請求

■貸家と敷地を所有する親が子に貸家を贈与し、敷地を使用貸借で貸付け後に死亡した場合の敷地の相続税評価

 

 

 


1.前払地代方式による一般定期借地権が設定された場合の借地権者・地主に係る所得税・法人税の取扱い


(1)定期借地権の設定時に受ける一時金の種類

一般定期借地権は借地借家法第22条で定められ、存続期間を50年以上とした借地権であれば、更新がないなどの一定の特約を付けることができ、その特約付の借地権を定期借地権として認めるとしています。定期借地権の設定時には、借地権者が個人地主に対し一時金として、借地期間終了後に地主に返還義務がある「保証金」や、返還義務のない「権利金」、「前払地代」のいずれかを支払う場合が多いようです。このうち前払地代の方式による場合は、定期借地権の設定時に、借地権者が地主に対して、借地に係る契約期間の地代の一部又は全部を一括して支払います。

 

(2)前払地代方式に係る税務上の取扱い

借地権者と個人地主が一定の定期借地権設定契約を締結した場合における所得税や法人税については、国税庁文書回答事例「定期借地権の賃料の一部又は全部を前払いとして一括して授受した場合における税務上の取扱いについて」で次の通りとされています。

 

①借地権者 前払地代を「前払費用」として資産に計上し、当該事業年度又は当該年分の賃料に相当する金額を損金の額又は必要経費の額に算入します。

 

➁個人地主 前払地代を「前受収益」として負債に計上し、当該年分の賃料に相当する金額を収入金額に算入します。

 

(3)前払地代方式の適用を受けるための要件

前払地代方式を適用するには、借地権者と地主が次の内容を明示した定期借地権設定契約書により契約し、これを契約期間にわたって保管したうえで、取引の実態がその契約に沿うものである必要があります。

 

①授受する一時金が前払賃料であること

 

➁①の一時金が契約期間にわたって、又は契約期間のうち最初の一定の期間について、賃料の一部又は全部に均等に充当されていること

 

③中途解約時に未経過分の前払賃料を借地権者に返還しなければならないこと

 

なお、中途解約時の違約金等の設定をする場合は、③の内容を逸脱することがないようする必要があります(国税庁文書回答事例「前払賃料について定めた定期借地権設定契約書の書式例」)。

 

2.前払地代方式により一般定期借地権が設定された場合の地主に係る相続税の取扱い


(1)一般定期借地権の目的となっている宅地の評価

一般定期借地権の目的となっている宅地(底地)の相続税評価額は、その宅地の自用地評価額から一般定期借地権の評価額を控除して計算します。この場合、借地権者と地主が親族関係であったり、会社とその同族株主の関係等であるときは、課税上弊害があるとされ、原則として一般定期借地権の評価額は次に算式により計算します(財産評価基本通達27-2ただし書、平10課評2-8、国税庁「タックスアンサー」No4612)。

 

<算式>一般定期借地権の目的となっている宅地の自用地評価額×(① ÷ ➁)×(③ ÷ ④)

 

①定期借地権等の設定時に受ける経済的利益の総額

 

➁定期借地権等の設定時の宅地の通常の取引価額

 

③課税時期における定期借地権等の残存期間年数に応ずる基準年利率による複利年金現価率

 

④定期借地権等の設定期間年数に応ずる基準年利率による複利年金現価率

 

上記の計算において、前払地代の額は借地契約終了時にその未経過分が返還不要であることから、①の経済的利益の総額に含めます(国税庁文書回答事例「定期借地権の賃料の一部又は全部を前払いとして一括して授受した場合における相続税の財産評価及び所得税の経済的利益に係る課税等の取扱いについて1(1)」。

 

(2)前払地代の未経過分相当額の取扱い

地主が前払地代を受領後に死亡した場合、その死亡時に前受収益として計上している地代の未経過相当額については、上記2(1)の通り前払地代の額が定期借地権の評価額に反映されることによって、定期借地権の目的となっている宅地の評価額が減額されることから、相続税の計算上、別の債務として控除することはできません(同文書回答事例1(2))。

 

3.個人地主における前払地代方式の留意点


個人地主が前払地代方式による一般定期借地権を設定した場合、所得税の計算上、1(3)の要件を満たす限り、受領した前払地代は期間(各年)に応じた収益計上ができますが、各年の地代の額が高額となるときは最高55%の税率により所得税や住民税等が課税されます。また、地主の死亡時における前払地代の未経過分相当額は、2(2)の通り相続税の債務控除の対象にならない点に注意が必要です。

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2023/8/28)より転載

[M&A案件情報(譲渡案件)](2023年8月22日)

-以下のM&A案件(3件)を掲載しております-

 

 

 

●イベントプロデュースのプロ

[業種:イベント企画運営事業/所在地:中部地方]

●【実質無借金】民間・公共施設の建築実績豊富な老舗の地場ゼネコン

[業種:建設業/所在地:中部地方]

●中国エリアのシステム開発会社。直請けと大手法人からの一次下請けを主とする。

[業種:情報サービス業/所在地:中国地方]

 

 

 

 

 

 

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案件No.SS013217
イベントプロデュースのプロ

 

(業種分類)その他

(業種)イベント企画運営事業

(所在地)中部地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)イベント企画運営事業

 

〔特徴・強み〕

◇イベント企画プロデュースのプロ
◇デザイン力、営業力・提案力が強み
◇少人数の精鋭部隊で収益性高く財務状況も良好

 

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案件No.SS012275
【実質無借金】民間・公共施設の建築実績豊富な老舗の地場ゼネコン

 

(業種分類)建設・土木

(業種)建設業

(所在地)中部地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)土木建築工事を主体に舗装工事・管工事・水道施設工事等を手掛ける

 

〔特徴・強み〕

◇営業基盤を構築されており、工場や倉庫等の建築・改修工事を元請受注。
◇有資格者が多数在籍しており技術力の評価は高い。

 

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案件No.SS011895
中国エリアのシステム開発会社。直請けと大手法人からの一次下請けを主とする。

 

(業種分類)IT・ソフトウェア

(業種)情報サービス業

(所在地)中国地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)中国エリアのシステム開発会社。地場優良法人からの直請けと大手法人からの一次下請けを主とする。

 

〔特徴・強み〕

◇業種は、製造業や流通業が中心。
◇生産管理システム全般の相談、設計、開発、保守運用を一貫して対応が可能。
◇自己資本比率は約70%と良好な財務体質、実質無借金会社。
◇長年の信頼から地場優良法人からの直請けと大手法人からの一次下請けを主として利益率は相応に高い。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

 

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[解説ニュース]

道路と高低差のある雑種地の評価で土止め費用の控除が認められた事例

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

■不動産購入5か月後、子どもへの贈与で税金トラブル

■小規模宅地等特例:相続人の継続事業への関与度合いが問われた事例

 

 


1.はじめに


相続税評価をする土地がたとえば駐車場やテニスコート等、はたまた荒れ地であることがあります。この場合、相続税の評価の区分が雑種地と判定されるかどうかがポイントの1つになります。法令上では、雑種地とは、不動産登記事務取扱手続準則で定められた23の地目のうち、田、畑、宅地…公衆用道路、公園等22ある地目に該当しない23番目の区分の土地とされており、相続税の財産評価でも、不動産登記事務取扱手続準則に準じて雑種地かどうかを判定します。

 

雑種地の相続税評価は「原則として、その雑種地と状況が類似する付近の土地についてこの通達の定めるところにより評価した1㎡当たりの価額を基とし、その土地とその雑種地との位置、形状等の条件の差を考慮して評定した価額に、その雑種地の地積を乗じて計算した金額によって評価する」(財産評価通達82)。どのようなロケーションにあるかが雑種地の相続税評価に影響し、場合によっては宅地並みに評価される場合があります。

 

今回は、市街化区域・市街化調整区域を定めていない都市計画区域で、用途地域が商業地域とされた外見上、雑草の生えた雑種地の相続税評価をめぐって争われた国税不服審判所(以下、「審判所」という。)の裁決事例で、土止め費用の控除が認められた事例(令和4年9月5日)を見てみましょう。

 

 

2.事案の概要


問題になった土地の状況等は、次のとおりです。

 

 

相続人は、当初申告でその土地を約2,337万円と評価していました。しかし、令和2年にこの土地を不動産鑑定を行い、1,500万円となるとして「更正の請求」を行いましたが、税務当局に認められず、審査請求に及んだものです。

 

 

3.審判所の判断


審判所は、財産評価は特別の事情がない限り、財産評価基本通達の定める評価方法によって評価するのが相当としたうえで、都市計画の用途地域の指定がある地域にある雑種地の価額については、「その価額の形成要因が、当該雑種地を宅地として利用することを前提としたものであるから、その要因は近隣の宅地と変わりがなく、また、当該雑種地と宅地との比較においては、宅地造成費相当額だけの格差があるものと認められる」と評価の考え方を示しました。

 

具体的には「その雑種地が宅地であるとした場合の価額から、その雑種地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する金額として、整地等に要する費用の額がおおむね同一と認められる地城ごとに国税局長が定めた金額を控除する方式により評価することが相当(中略)宅地造成費とは、宅地との比較において格差があると認められる宅地造成費相当額、すなわち、その雑種地を宅地として利用可能な状態にするために必要とされる整地、土盛り、土止めに要する金額を指すものと解するのが相当である」としました。

 

 

あてはめでは、審判所は、北西側道路から平均で1.073m、南西側道路から平均で0.645m、隅切りから平均で1.065m高い位置にあることを認定し、「道路面よりも高い位置にある土地から各道路及び隅切りに向けて、土地上の土砂が流出していると認められる。これらのことからすれば、土地を宅地に転用する場合には、土砂の流出や崩壊を防止するため、本件土地と本件各道路及び本件隅切りとの境界に擁壁の構築が通常必要であると認められる」として、土止め費用の控除を認め、評価額を約1,823万円としました。

 

 

4.相続人の思惑


相続人は、問題の土地の基準容積率が360%で、地積が十分に大きいことから「地積規模の大きな宅地」並みの扱いとして、評価を下げたかったようです。400%の「指定容積率」という形式的要件で不適合となることは不合理と主張しましたが、認められませんでした。

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2023/8/14)より転載

[M&A案件情報(譲渡案件)](2023年8月8日)

-以下のM&A案件(4件)を掲載しております-

 

 

 

●財務内容良好な中部地方の建築・土木工事業。元請比率70%超。

[業種:建築工事・土木工事/所在地:中部地方]

●高い金属切削技術で金属加工を手掛ける優良企業

[業種:金属加工業/所在地:中部地方]

●企画演出から編集、納品まで一気通貫で手掛けるテレビ番組制作会社

[業種:テレビ制作会社/所在地:関東地方]

●【財務良好】好立地物件のマンション買取再販業事業者

[業種:不動産売買業/所在地:関東地方]

 

 

 

 

 

 

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案件No.SS013543
財務内容良好な中部地方の建築・土木工事業。元請比率70%超。

 

(業種分類)建設・土木

(業種)建築工事・土木工事

(所在地)中部地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)中部地方にて建築・土木工事を展開。

 

〔特徴・強み〕

◇展開エリアにおける知名度抜群で、官公庁からの安定した受注に加え、民間企業からの信頼も厚く特命で元請工事を受注している。
◇実質無借金経営。純資産比率90%超。

 

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案件No.SS013454
高い金属切削技術で金属加工を手掛ける優良企業

 

(業種分類)製造業

(業種)金属加工業

(所在地)中部地方

(直近売上高)1~5億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)業歴60年以上、産業用印刷機器の部品を中心に金属加工を手掛ける

 

〔特徴・強み〕

◇充実した設備を保有し、幅広いニーズに応える体制を構築
◇大手優良企業を顧客基盤に有する
◇無借金経営を実現し、安定した財務基盤を有する

 

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案件No.SS013281
企画演出から編集、納品まで一気通貫で手掛けるテレビ番組制作会社

 

(業種分類)IT・ソフトウェア

(業種)テレビ制作会社

(所在地)関東地方

(直近売上高)5~10億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)企画演出から編集、納品まで一気通貫で手掛ける。 テレビ番組の制作から、タクシー広告、SNS向けの広告動画。 企業のインフォマーシャルなど幅広く動画を制作。

 

〔特徴・強み〕

◇有名番組を多数制作

 

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案件No.SS012481
【財務良好】好立地物件のマンション買取再販業事業者

 

(業種分類)住宅・不動産

(業種)不動産売買業

(所在地)関東地方

(直近売上高)10~50億

(従業員数)10~50名

(譲渡スキーム)株式譲渡

(事業概要)中古マンションの買取再販業

 

〔特徴・強み〕

◇好立地物件に特化
◇投資家とのパイプが強く在庫の回転が速い
◇高収益且つ良好な財務体質

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

 

【免責事項】

・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

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[M&A案件情報(譲渡案件)](2023年8月1日)

-以下のM&A案件(4件)を掲載しております-

 

 

 

●解体工事を主業とする工事業者

[業種:解体工事/所在地:関西地方]

●大型射出成形を得意とし、組立加工や金型製造等も行うプラスチック製品製造業

[業種:プラスチック製品製造業/所在地:関東地方]

●大手食品会社の特約店として豊富なラインナップを取り揃える食品卸売業者

[業種:食品卸売業/所在地:関東地方]

●九州エリアの製麺製造業。上場企業からOEM製造依頼されるなど商品開発力あり

[業種:めん類製造業/所在地:九州地方]

 

 

 

 

 

 

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案件No.SS013246
解体工事を主業とする工事業者

(業種分類)建設・土木
(業種)解体工事
(所在地)関西地方
(直近売上高)5~10億
(従業員数)10~50名
(譲渡スキーム)株式譲渡
(事業概要)解体工事を主業とし、土木、建設工事を実施。

 

〔特徴・強み〕

◇官庁向けの解体工事が主軸。
◇有資格者の従業員が在籍。
◇財務内容良好、無借金経営。

 

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案件No.SS013108
大型射出成形を得意とし、組立加工や金型製造等も行うプラスチック製品製造業

(業種分類)製造業
(業種)プラスチック製品製造業
(所在地)関東地方
(直近売上高)5~10億
(従業員数)10~50名
(譲渡スキーム)株式譲渡
(事業概要)大型射出成形を得意とし、組立加工や金型製造等も行うプラスチック製品製造業

 

〔特徴・強み〕

◇プラスチック射出成形の試作や量産から、組立加工、金型製造、塗装、印刷まで行う。
◇部品作り40年超の経験を活かした大型射出成形が得意。
◇後継者不在のため譲渡を検討。

 

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案件No.SS012214
大手食品会社の特約店として豊富なラインナップを取り揃える食品卸売業者

(業種分類)外食・食品関連
(業種)食品卸売業
(所在地)関東地方
(直近売上高)10~50億
(従業員数)10名以下
(譲渡スキーム)株式譲渡
(事業概要)大手食品会社の特約店として豊富なラインナップを取り揃える食品卸売業者

 

〔特徴・強み〕

◇大手食品会社の特約店であり長年の業歴を誇る。
◇商圏は関東のみならず全国にも展開。
◇業績は増収増益トレンドで今期も同様。
◇事業の成長と発展の為譲渡を検討。

 

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案件No.SS008715
九州エリアの製麺製造業。上場企業からOEM製造依頼されるなど商品開発力あり

(業種分類)外食・食品関連
(業種)めん類製造業
(所在地)九州地方
(直近売上高)5~10億
(従業員数)10~50名
(譲渡スキーム)株式譲渡
(事業概要)各種麺、スープ類の製造販売を主とする地場優良法人

 

〔特徴・強み〕

◇OEM製造依頼されるなど商品開発力あり。
◇エリア別売上高は他県が約5割と分散。
◇食品安全体制を構築、大手取引先からの信頼が高い。
◇直前期は原材料費と光熱費の高騰が原因で赤字計上。
◇進行期は値上げ交渉により赤字幅は縮小する予定。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

 

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・掲載情報は、内容及び正確さに細心の注意をはらい、万全を期しておりますが、人為的なミスや機械的なミス、調査過程におけるミスなどで誤りがある可能性があります。税務研究会及び情報提供会社は、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切の責任を負うものではありません。

・掲載情報は公開日時点の情報になります。既に案件が特定の対象会社と交渉に入っている場合や成約している場合もございます。

 

 

 

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[M&A案件情報(譲渡案件)](2023年7月25日)

-以下のM&A案件(1件)を掲載しております-

 

 

 

●【財務内容優良】創業70年超の老舗印刷業

[業種:印刷業/所在地:関東地方]

 

 

 

 

 

 

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案件No.SS013045
【財務内容優良】創業70年超の老舗印刷業

(業種分類)出版・印刷・広告
(業種)印刷業
(所在地)関東地方
(直近売上高)1~5億
(従業員数)10~50名
(譲渡スキーム)株式譲渡
(事業概要)創業70年超の老舗印刷業 ・オフセット印刷、オンデマンド印刷、断裁から製本まで可能

 

〔特徴・強み〕

◇顧客は大手企業が多く長期的な取引を実現、且つ、一部独占的業務を請け負っており事業は安定している
◇資産、債務整理を行い自己資本比率70%超、ネットキャッシュを潤沢に保有予定

 

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[解説ニュース]

令和5年度税制改正:所得税の特定の事業用資産の買換え特例(3号)の見直し

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■貸家と敷地を所有する親が子に貸家を贈与し、敷地を使用貸借で貸付け後に死亡した場合の敷地の相続税評価

■自宅家屋を取壊して敷地を譲渡した場合の譲渡所得の3,000万円控除の取扱い①

 

 

 


1.特定の事業用資産の買換え特例(3号)の概要


所得税の特定の事業用資産の買換え特例は、個人が特定の地域内にある事業用資産を譲渡して、一定期間内に特定の資産を取得し、かつ1年以内に事業の用に供する等の所定の要件を満たした場合、譲渡益の一定割合(課税繰延割合)に相当する金額の課税が繰延べられるという税制です(租税特別措置法(措法)37条。法人税でも措法65条の7で同様の税制が設けられています)。この特例のうち利用されることが多いのが、措法37条1項3号の買換え(以下「3号買換え」)です。

 

この3号買換えでは、国内にある土地等、建物又は構築物で譲渡日を含む年の1月1日において所有期間が10年を超えるもの(譲渡資産)を譲渡し、国内のある一定の土地等、建物等又は構築物(買換資産)を取得した場合に、適用を受けることができます。

 

 

2.改正のポイント


令和5年度税制改正により、3号買換えにつき次の見直しが行われた上、適用期限が令和8年3月31日まで3年延長されました(改正法附則32条6項、7項)。

 

(1)課税繰延割合の変更

①概要

令和5年4月1日以後の譲渡より、東京都の特別区の区域から地域再生法の「集中地域」*以外の地域への本店又は主たる事務所の所在地の移転を伴う買換えの課税繰延割合が90%(改正前80%)に引き上げられ、同法の集中地域以外の地域から東京都の特別区の区域への本店又は主たる事務所の所在地の移転を伴う買換えの課税繰延割合が60%(改正前70%)に引き下げられました(措法37条10項)。

 

*「集中地域」とは、東京都の特別区、武蔵野市、三鷹市、横浜市、川崎市、大阪市等の、法令が定める一定の地域をいいます(地域再生法 5条4項5号イ、同政令5条)。

 

②課税繰延割合の変更の趣旨

集中地域の外から内への買換えは、地域再生法における企業の地方拠点強化の促進と両立しないため、改正前から圧縮割合が原則の80%から70%に引き下げられていました。今回の改正では、集中地域の外から東京都の特別区への本店の移転を伴う買換えについて、さらに圧縮割合が60%に引き下げられました。一方、企業の地方拠点強化につながると考えられる東京都の特別区から集中地域の外への本店の移転を伴う買換えについては、圧縮割合が90%に引き上げられました(参考:財務省「令和5年度税制改正の解説」(以下「解説」)398頁)。

 

 

(2)届出要件の追加

①概要

令和6年4月1日以後、同一年に譲渡資産の譲渡と買換資産の取得をした場合には、譲渡資産の譲渡日又は買換資産の取得日のいずれか早い日を含む「3月期間」の末日の翌日以後2ヶ月以内に、この特例の適用を受ける旨、及び取得見込資産又は譲渡見込資産の種類等を記載した届出書を税務署長に提出することが必要になります(措法37条1項)。

 

なお、この要件は、同一年内に譲渡資産の譲渡及び買換資産の取得をした場合の特例の適用要件であるため、譲渡資産の譲渡の前年中に買換資産を先行取得する場合(措置法37条3項)や、譲渡資産の譲渡の翌年以降に買換資産を取得する見込みの場合(同条4項)等には、この届出は不要とされます。

 

②「3月期間」の意義

「3月期間」とは、1月1日~3月31日、4月1日~6月30日、7月1日~9月30日、10月1日~12月31日の各期間をいいます(措法施行令25条3項)。

 

③届出要件の追加の趣旨

3号買換えは、土地政策又は国土政策の観点から、特定地域からの追い出し促進や土地の有効利用促進等を目的に設けられた特例です。しかし、複数の土地等の売買取引を行う際に、申告時にその売買取引を並べた上で特例の要件に合致する譲渡資産と買換資産の組み合わせを事後的に作成し、適用を受ける事例が見受けられ、問題視されていました。今回3号買換えの適用期限を延長するに当たり、このような問題点を是正し、税制として適切に機能させるため、譲渡(又は取得)後一定期間内に本制度の適用及び適用を受ける買換え(譲渡資産と買換資産の組み合わせ)に関する事項の届出が、要件として追加されることになりました(参考:「解説」402頁)。

 

(注)法人税の3号買換えについても、上記2とほぼ同様の改正が行われます。ただし法人税の3号買換えの改正では、2(2)①の「同一年」が「同一事業年度」、②の「3月期間」の意義が「事業年度をその開始の日以後3ヶ月ごとに区分した各期間」となります(措法65条の7第1項)。

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2023/7/24)より転載

[M&A案件情報(譲渡案件)](2023年7月19日)

-以下のM&A案件(2件)を掲載しております-

 

 

 

●【有資格者多数在籍】業歴の長い土木工事業者

[業種:土木工事業/所在地:関東地方]

●【無借金経営】農林水産大臣賞の受賞歴のある地区中堅の水産物加工販売業者

[業種:水産物加工販売業/所在地:関東地方]

 

 

 

 

 

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案件No.SS013203
【有資格者多数在籍】業歴の長い土木工事業者

(業種分類)建設・土木
(業種)土木工事業
(所在地)関東地方
(直近売上高)5~10億
(従業員数)10~50名
(譲渡スキーム)株式譲渡
(事業概要)業歴が長く、多数の入札実績のある土木工事業者。

 

〔特徴・強み〕

◇近年は水道施設工事の取扱い増加。
◇有資格取得者が多数在籍。
◇後継者不在を理由に譲渡を検討。

 

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案件No.SS013135
【無借金経営】農林水産大臣賞の受賞歴のある地区中堅の水産物加工販売業者

(業種分類)外食・食品関連
(業種)水産物加工販売業
(所在地)関東地方
(直近売上高)5~10億
(従業員数)10~50名
(譲渡スキーム)株式譲渡
(事業概要)地区中堅の水産物加工販売業者

 

〔特徴・強み〕

◇特許製法を用いた高い加工技術と様々な魚介類の加工ノウハウにより、大手企業からの高い信頼を有する。
◇農林水産大臣賞の受賞歴あり。
◇新規開拓を行わずに安定的な受注が出来ている。
◇有利子負債は無く、内部留保で回せる健全な財務状況である。

 

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[M&A案件情報(譲渡案件)](2023年7月11日)

-以下のM&A案件(2件)を掲載しております-

 

 

 

●高収益を誇る一般管工事業者

[業種:一般管工事業/所在地:関東地方]

●【無借金・高収益】全国で設備の保守メンテナンスを行う業界老舗企業

[業種:設備工事業/所在地:関東地方]

 

 

 

 

 

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案件No.SS012811
高収益を誇る一般管工事業者

(業種分類)建設・土木
(業種)一般管工事業
(所在地)関東地方
(直近売上高)10~50億
(従業員数)10~50名
(譲渡スキーム)株式譲渡
(事業概要)ダクト製造、ダクト工事及び空調設備工事業を営むグループ企業。

 

〔特徴・強み〕

◇ダクト製造、ダクト工事及び空調設備工事業を営むグループ企業
◇グループ3社共に高い施工能力を誇り、取引先からも信頼を得ている結果、主要顧客とは強固な取引関係を構築

 

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案件No.SS010300
【無借金・高収益】全国で設備の保守メンテナンスを行う業界老舗企業

(業種分類)建設・土木
(業種)設備工事業
(所在地)関東地方
(直近売上高)1~5億
(従業員数)10~50名
(譲渡スキーム)株式譲渡
(事業概要)

◇公共施設やビル、マンション等の設備保守メンテナンスを行う。

◇設備機材についての製造販売も併せて行っており一貫対応が可能。

◇業界老舗企業として、多くの工事実績を持つ。

 

〔特徴・強み〕

◇ビルや駅前、商業施設等幅広い工事実績あり。
◇官公庁や大手ビル管理会社との取引窓口を持つ。
◇メンテナンス作業員を自社で抱えており、外注に頼らず運営する事で高利益率を実現。
◇自走可能な組織体制を構築。

 

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情報提供会社:株式会社ストライク

 

 

 

 

 

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[解説ニュース]

マイホーム買換特例の適用状況などについて

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

■建物取壊費用を譲渡費用にする場合のポイントは?

■建物の取壊費用等が土地の取得費になるかどうかで争った事例

 

 


1.はじめに


住宅の住み替えを支援する税制である「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」(租税特別措置法36条の2、以下「マイホーム買換特例」という。)は、適用期限が令和5年12月31日までとされています(令和4年度税制改正)。同改正では、買換資産が、次のどちらかである場合、一定の省エネ基準(断熱等性能等級4以上および一次エネルギー消費量等級4以上)を満たす要件が追加されています。

 

ア.令和6年1月1日以後に建築確認を受ける住宅(登記簿上の建築日付が同年6月30日以前のものを除く。)

 

イ.建築確認を受けない住宅で登記簿上の建築日付が令和6年7月1日以降のもの

 

 

2.居住期間10年以上の要件等


このマイホーム買換特例は、保有期間が10年を超え、居住期間が10年以上の一定の要件を満たす居住用財産(マイホーム)を譲渡して、たとえば元のマイホームよりも高い金額の新たな住宅に買い換え、その他所定の要件を満たす場合、マイホームの譲渡益にかかる譲渡所得課税を先送りする特例です。

 

また、適用要件の1つである「居住期間10年以上」については、しばしば税務当局内でも注意喚起が行われているようです(東京国税局「資産税審理研修資料」令和3年8月)。たとえば、後で取得して自分の家になる借家に住んでいた期間も「居住期間10年以上」の判定の期間に入るのかどうかという点についてです。
この「居住期間10年以上」の判定の仕方については、措置法通達36の2-2で次のように整理されています。

 

措置法第36条の2第1項第1号に規定する「当該個人がその居住の用に供している家屋」の居住期間(当該個人がその居住の用に供している期間として措置法令第24条の2第6項に規定する期間をいう。以下36の2-22までにおいて同じ。)が10年以上であるものかどうかは、次により判定する。(平19課資3-5、課個2-15、課審6-9改正)

 

(1)当該個人が、譲渡した家屋の存する場所に居住していなかった期間がある場合には、居住していなかった期間を除きその前後の居住していた期間を合計する。

 

(2)居住期間に該当するかどうかの判定については、31の3-2及び31の3-6に準じて取り扱う。

 

上記の取扱いでは、「譲渡した家屋の存する場所に居住していなかった期間」と整理されていることから、その家が借家かどうかを問わないものとされています。借家の譲渡を受けた親から相続で取得した元借家の家を相続人が譲渡する場合、取得価額の引継ぎにより譲渡益は大きくなりがちだと思われます。
このような場合には、マイホーム買換特例の適用ができるなら、買換えに際しての税負担は少なくできることでしょう。

 

 

3.適用状況などについて


マイホーム買換特例について、譲渡益から3,000万円まで控除する「居住用財産の譲渡所得の特別控除(租税特別措置法35条)」との比較では、譲渡益の金額が3000万円よりも大きい場合にこの特例を利用すれば、目先の譲渡所得課税による税負担を効果的に先送りできるのがポイントです。

 

ただ、住宅譲渡対価の上限が1億円とされた平成26年以降は、適用件数も年間400件を超えることはなくなっています。ここ19年間のマイホーム買換特例の適用状況は次の通り(国税庁「資産税事務処理状況表」)。

 

 

 

 

令和4年度税制改正に向けた国土交通省の税制改正要望では「特に従前住宅の所有期間の長い高齢者層に譲渡益及びその課税負担が発生することが多い一方、これらの層は新しいローンを組みにくい。従前住宅の売却金等により新たな住宅を購入せざるを得ないこれらの層にとっては、売却時の課税負担が買換えの障害となるため、こうした障害を減少させることにより、ライフステージの変化に応じた円滑な住替えを支援することが必要である。」として、適用期限の延長を要望していました。

 

 

令和4年度税制改正ではそれが認められたわけですが、今年の年末で期限を迎えるマイホーム買換特例について、令和6年度税制改正では、どのようになるか注目されます。

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2023/7/10)より転載