[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「特例経営承継期間中に事業が立ち行かなくなった場合の取扱い」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】解散に際して支払われる役員退職金の課税関係

■【Q&A】経営状況が悪化した場合の定期同額給与

 


[質問]

① 特例経営承継期間中に会社が破産した場合、納税が猶予されている相続税と利子税を併せて納付する必要がありますが、会社破産と共に、納税者個人も破産した場合、納税が難しいと思われますが、納税はどうなるのでしょうか。また、相続税の連帯納付義務は適用されるのでしょうか。

 

② 特例経営承継期間の経過後に、事業の継続が困難な一定の事由が生じた場合において、会社について解散した場合、解散時の非上場株式等の相続税評価額が0円であった場合は、納税が猶予されている相続税と利子税は全額免除されると考えて宜しいのでしょうか。

 

また、解散時の非上場株式等の相続税評価額が500万円であった場合で、他の財産がないと仮定した場合、相続税本税と利子税の納付はどうなりますか。

 

 

[回答]

1.質問①について
特例経営承継期間中に会社の破産手続きの開始決定があった場合には、猶予期限の確定事由である解散があった場合に当たります(措置法通達70の7—19)ので、猶予税額の猶予期限が確定します。この場合、納税猶予の適用を受けていた個人が納税できないような状態の場合には、滞納処分に移行することになりますので、その中で検討されると思います。これは、例えば、相続税の延納を受けていた者が、納税できないような場合も同様です。

 

なお、納税義務者が納税猶予制度の適用を受けた場合には、その税額について連帯納付義務は適用されません(相基通34-4)。

 

 

2.質問②について
特例経営承継期間経過後に、事業の継続が困難な一定の事由が生じ解散した場合には、解散時における非上場株式の相続税評価額に基づき再計算した税額と従前の猶予税額との差額が免除されるところ、その相続税評価額が「0」の場合には、猶予税額が発生しませんので、全額が免除となります。また、猶予期限の確定する税額がありませんので、利子税も発生しません。

 

なお、解散時の非上場株式の相続税評価額が500万円であった場合で、他の財産がないと仮定した場合の相続税と利子税の納付はどうなるか、の部分については、当初の非上場株式の相続税評価額、それに基づく納税猶予税額が分かりませんので、回答はご容赦ください。

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2020年7月8日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。

 

 

 

 


[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「従業員である相続人に退職金を支払った場合の債務控除の可否」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】解散に際して支払われる役員退職金の課税関係

■【Q&A】個人事業者が事業を廃止した場合の事業用資産に係る課税関係

 


[質問]

被相続人甲は、2020年2月に死亡しました。

 

相続人は甲の事業を承継しないこととし、甲が雇用していた全ての従業員を解雇し、退職金を支払います。甲が雇用していた従業員の中には、甲の相続人である乙も含まれています。

 

被相続人の死亡によって事業を廃止し、従業員を解雇していることから、乙以外の従業員に対して支払う退職金については、甲の相続税申告に当たって債務控除の対象になると考えます。

 

しかし、乙に対して支払う退職金については、相続税法第13条の規定により債務控除の対象とならないとの認識でよいでしょうか。

 

 

[回答]

個人事業者が死亡し、その事業を相続人が承継せず廃業したときに、当該個人事業者が雇用していた従業員に対して退職金を支払った場合、その退職金は相続税の債務控除の対象になる旨の質疑応答事例が国税庁ホームページに掲載されていますが、これはご承知のことかと思います。

 

この質疑応答事例によると、「その支給された退職金は、被相続人の生前事業を営む期間中の労務の対価であり、被相続人の債務として確実なものであると認められる」との考え方の下、債務控除することが可能との取扱いを明らかにしています。

 

ところで、ご質問の事例の乙への退職金については、乙が被相続人甲の相続人であることから、相続税法第13条の規定により債務控除の対象とならない、とのご見解のようですが、債務控除の対象になるとする考え方は、上記のとおり、被相続人が事業を営んでいる間の労務の対価であるかどうかがポイントですから、乙が実際に従業員として勤務した事実があれば、相続人(家族従業員)であるか否かは関係しませんし、相続税法第13条の規定をみても、相続人に対する債務を債務控除の対象から除外する規定もありません。

 

確かに、家族・相続人に対する支払いや債務ということだと、例えば、所得税法第56条のように、生計を一にする親族に労務の対価等を支払った場合は必要経費に算入しないという規定がありますし、民法上、相続人が積極財産と債務を承継した場合、混同により債務が消滅するということもありますので、第三者の場合とは異なるところがあるのではないかという疑問も生じるかも知れませんが、こと相続税の債務控除については、相続人乙に勤務実績があって、他の従業員と同様の基準等により退職金が支払われる限り、債務控除の対象にして差し支えないものと考えます。

 

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2020年6月3日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。

 

 

 

 


[解説ニュース]

持分の定めのある社団医療法人の解散と課税関係

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(飯田 美緒/税理士)

 

 

【問】

医療法人にてクリニックを経営しています。後継者もいないため、医療法人を解散しようかと考えています。当法人は出資持分の定めのある社団医療法人です。医療法人の解散手続きと、課税関係について教えてください。

 

 

【回答】

1.社団医療法人の類型


社団医療法人は、その定款に出資持分に関する定めがあるかないかで「出資持分のある社団医療法人(以下、「持分あり法人」といいます。)」と「出資持分のない社団医療法人(以下、「持分なし法人」といいます。)」に区分されます。「出資持分」とは社団医療法人に出資した者が、その医療法人の財産に対し、出資額に応じて有する財産権をいいます。

 

2.解散事由


医療法第55条おいて、医療法人の解散事由を次のように定めています。

 

①定款をもって定めた解散事由の発生
②目的たる業務の成功の不能
③社員総会の決議
④他の医療法人との合併(合併により当該医療法人が消滅する場合に限る。)
⑤社員の欠亡
⑥破産手続き開始の決定
⑦設立認可の取消し

 

恣意的な解散を防ぐ趣旨から、②③については都道府県知事の認可が必要とされています。①⑤については都道府県知事への届出を要します。

 

3.解散手続き


2.③の社員総会の決議により解散する場合には、定款に別段の定めがない限り、総社員の4分の3以上の賛成が必要です。解散の認可申請書(仮申請)には、解散理由書、社員総会議事録、財産目録、貸借対照表、残余財産処分方法、清算人就任予定者などを記載した書類を添付(医療法施行規則第34条)して、都道府県へ提出し、事前審査を受けます。書類の不備等を修正し、本申請となります。その後都道府県医療審議会の諮問を経て認可/不認可の処分となります。

 

医療審議会は年に2回程度しか開催されないため、場合によっては事前審査から認可/不認可の処分まで1年近くかかる場合もあります。株式会社と違い、認可がおりなければ解散の効力が発生しないので注意が必要です。認可がおりたら解散の登記を行い、清算手続きに入ります。残余財産の処分が完了したら、清算決了の登記、都道府県知事への届出を行い、法人格が消滅します(医療法第56条の2)。

 

4.課税関係


(1)医療法人に対する課税

解散の日の翌日以降も、その所得計算は通常の事業年度と変わらず、損益法により法人税の申告を行い、課税されます。残余財産確定の日に終了するいわゆる最後事業年度についても同様に損益法により申告を行います。申告期限は、残余財産確定の日から原則1ヶ月以内です。これらについては通常の株式会社と変わりありません(法人税法第74条2項)。

 

(2)出資者に対する課税

解散した医療法人に残余財産があれば、残余財産を定款の定めに基づき処分します。持分あり法人であれば、定款において、出資者にその出資額に応じて分配すると定めているものが一般的です。解散による残余財産の分配が個人である出資者にされた場合、その分配された金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額が、持分あり法人の資本金等の額を超える部分の金額は、利益の配当又は剰余金の配当とみなすと規定されています(所得税法第25条1項)。よって、みなし配当課税となるため、総合課税の配当所得として、超過累進税率が適用され所得税が課税されます。

 

医療法改正により平成19年4月1日以後、持分あり法人の新規設立はできないことになりました。現在設立し得る持分なし法人の定款においては、残余財産の帰属先は国、地方公共団体、医療を提供する者であって厚生労働省令で定めるもののうちから選定されるよう定められています。これにより、解散時の残余財産が出資者に帰属しないよう整備されました。持分あり法人については、平成19年4月1日施行改正医療法附則第10条第2項に規定される医療法人(経過措置医療法人)に位置付けられ、当分の間、解散時の残余財産の帰属先について定款の変更は強制されず、出資者に対し、残余財産を出資額に応じて分配するとされています。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/07/20)より転載

[伊藤俊一先生が伝授する!税理士のための中小企業M&Aの実践スキームのポイント]

⑦(特別編)新型コロナウイルス等による業績不振に関連する税務上の注意点

 

〈解説〉

税理士  伊藤俊一

 

[目次]

1)はじめに

2)関連法人の評価損計上要件

3)評価損金額

4)清算手続き中の消費税に係る論点

 


[関連解説]

■新型コロナウイルス等による業績悪化を理由とした M&A ・事業売却

■【Q&A】経営状況が悪化した場合の定期同額給与 ~コロナウイルスの影響で大幅に売上高が落ち急激に業績が悪化、役員報酬の大幅な減額を検討~

 

1)はじめに

本稿脱稿時点、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響から、業績不振に陥っている法人が多いと思われます。

 

本稿では、法人が存続している前提で業績不振になった場合に、課税実務上の手法として考え得る論点(国税庁公表のコロナ関連税制FAQや定期同額給与等の業績悪化事由など、典型論点を除く)を中心に解説します。

 

 

〔災害損失欠損金に該当する例〕

・ 飲食業者等の食材(棚卸資産)の廃棄損

・ 感染者が確認されたことにより廃棄処分した器具備品等の除却損

・ 施設や備品などを消毒するために支出した費用

・ 感染発生の防止のため、配備するマスク、消毒液、空気清浄機等の購入費用

・ イベント等の中止により、廃棄せざるを得なくなった商品等の廃棄損

※ 繰戻し還付の対象となる災害損失とは、棚卸資産や固定資産に生じた被害(損失)に加え、その被害の拡大・発生を防止するために緊急に必要な措置を講ずるための費用が該当します。

 

〔災害損失欠損金に該当しない例〕

・ 客足が減少したことによる売上げ減少額

・ 休業期間中に支払う人件費

・ イベント等の中止により支払うキャンセル料、会場借上料、備品レンタル料

※ 上記のように、棚卸資産や固定資産の被害の拡大・発生を防止するために直接要した費用とは言えないものについては、災害損失欠損金に該当しません。

 

 

なお、本稿では詳細は触れませんが、令和2年3月期が本稿脱稿時点ではコロナショックにより日経平均株価が最も激減した月となります。令和2年3月期基準日ベースでの株式譲渡、贈与、事業承継税制(特例、贈与税の納税猶予)をお勧めします。

 

 

 

2)関連法人の評価損計上要件

関連法人評価損が租税法でも認容されるための基本的な考え方については平成7年4月14日裁決から整理することができます。

 

業績不振法人(閉鎖会社を前提とします)を子会社等関連会社として所有していた場合の評価損計上を整理していきます。法人税基本通達9-1-9(2)の要件を満たした場合、関連法人株式につき評価損が計上できます。

 

 


【下記抜粋】

(上場有価証券等以外の有価証券の発行法人の資産状態の判定)

9-1-9 令第68条第1項第2号ロ《上場有価証券等以外の有価証券の評価損の計上ができる事実》に規定する「有価証券を発行する法人の資産状態が著しく悪化したこと」には、次に掲げる事実がこれに該当する。

(2) 当該事業年度終了の日における当該有価証券の発行法人の1株又は1口当たりの純資産価額が当該有価証券を取得した時の当該発行法人の1株又は1口当たりの純資産価額に比しておおむね50%以上下回ることとなったこと。

(注) (2)の場合においては、次のことに留意する。

1 (筆者省略)

2 当該発行法人が債務超過の状態にあるため1株又は1口当たりの純資産価額が負(マイナス)であるときは、当該負の金額を基礎としてその比較を行う。

 

同通達9-1-12によると、発行法人の増資を引き受け、増資後でも債務超過が解消できない場合、増資後の株式評価損は計上できません。

 

 

(増資払込み後における株式の評価損)

9-1-12 株式を有している法人が当該株式の発行法人の増資に係る新株を引き受けて払込みをした場合には、仮に当該発行法人が増資の直前において債務超過の状態にあり、かつ、その増資後においてなお債務超過の状態が解消していないとしても、その増資後における当該発行法人の株式については令第68条第1項第2号ロ《上場有価証券等以外の有価証券の評価損の計上ができる事実》に掲げる事実はないものとする。ただし、その増資から相当の期間を経過した後において改めて当該事実が生じたと認められる場合には、この限りでない。

 


 

このように,増資後においては評価損は計上できません。

 

 

平成7年4月14日裁決では、納税者が期末日直後に増資(DES)をしています。当該増資の直前期末に評価損を計上しており,上記通達と整合していたわけです。

 

 

一方で,当局は増資前である期末日での評価損を否認しています。

 

簡単な時系列は4月20日決算法人において、同月10日、18日時点(期末日直前、ここで評価損を計上しています)では増資決議等社内稟議を行っただけ(増資前)であり、同月23日(翌事業年度)にDES実行(増資後)です。

 

なお、審判所の判断として「親会社が欠損の子会社を存続させるためにその子会社に対して増資払込みをすることは,その事情においてやむを得ないものがある場合があることもあり,請求人の場合には,(…筆者中略…)関連会社が同じ経済圏で営業している等の事情を併せ考慮すれば,単に増資払込みの事実をもって業況の回復が見込まれると解するのは相当でない。」は昨今のコロナによる業績不振下における子会社支援策等として、括目すべきです。

 

このように、納税者は期末日前後で増資に係る一連の手続を実行しており,当局は利益操作の意図があるとして,同通達9-1-12につき事実上の拡大解釈をした節が見受けられます。

 

 

これにつき、最判令和2年3月24日判決で宮崎裕子先生が述べられた下記の補足意見が参考になります。

 

「税務訴訟においても,通達の文言がどのような意味内容を有するかが問題とされることはあるが,これは,通達が租税法の法規命令と同様の拘束力を有するからではなく,その通達が関連法令の趣旨目的及びその解釈によって導かれる当該法令の内容に合致しているか否かを判断するために問題とされているからにすぎない。

 

そのような問題が生じた場合に,最も重要なことは,当該通達が法令の内容に合致しているか否かを明らかにすることである。通達の文言をいかに文理解釈したとしても,その通達が法令の内容に合致しないとなれば,通達の文理解釈に従った取扱いであることを理由としてその取扱いを適法と認めることはできない。(下線筆者)」

 

 

講学(学術)上はさておき、課税実務は通達課税です。すなわち通達の文理解釈で実務は回っています。

これにつき、通達が争点となった場合、宮崎先生は、通達は原則として文理解釈ではないとして、もととなる法令の趣旨や解釈に合致しているかにつきジャッジすると述べておられます。

法令に合致しているかどうかを課税実務の現場レベルで判断するのは様々な制約から不可能です。

 

しかし、現場レベルで簡単にチェックできる方法が1つあります。社会通念です。通達を逆手にとったタックスプランニングも見受けられますが、それが社会通念上、行き過ぎた、と判断できるなら、それはすでにリスキーなスキームと想定することが可能です。

 

また完全に私見ですが、上記宮崎先生のご指摘する「通達」とは国税庁が示した質疑応答事例等、見解(敷衍すればホームページで入手できる情報のこと)も射程内と考えます。当該通達等を本来的な利用をしなかった、という点「のみ」でリスキーとまでは考えませんが、そこに経済的合理性がなければ、本来的目的が存在しないと「みなされる」おそれは多分にあります。

 

これを踏まえて平成7年4月14日裁決につき事実関係を読み直していただけたらと思います。

 

 

 

3)評価損金額

債務超過法人に出資した場合,評価損計上要件は法人税基本通達9-1-9(注)2となります。これにつき、逐条解説においては「取得時における1株当たりの純資産価額がプラス100の場合には、これに比して50%以上下回るというのは、プラス50以下となることであるが、マイナス100が50%以上下回るというのはマイナス150以下となること」[注1]とあります。この差額が評価損金額となります。

 

 

4)清算手続き中の消費税に係る論点

ここでは時期尚早ではありますが、仮に法人が清算手続きに入った場合の消費税に係る論点を列挙していきます。

 

①本則課税と簡易課税の有利・不利判定

平時においては本則課税が有利であっても、清算中は、新たな仕入等、仕入税額控除の対象となる取引が激減することが往々にしてあります。この場合、簡易課税を選択した方が有利になることがあります。

なお、清算期間中に、法人の資金繰りの関係等で法人が不動産を売却するケースもあります。土地を売却した場合のいわゆる「準ずる割合」は、制度趣旨から、清算期間では適用できません。

また、関連法人等が既にある、もしくは第二会社方式などで、清算法人の所有する資産を売却した場合、買手側の関連法人等では消費税還付を受けることができる可能性があります。これについて、実務では金額として非常にインパクトのあった、居住用賃貸不動産の売却による消費税還付という重要な考慮要素が従来はありましたが、令和2年度税制改正により、令和2年10月1日以降契約締結当該取引については、当該売却は考慮外となってしまいました。

 

②免税事業者になってから資産の換価を実行

清算するということは売上は大きく減少している場合が多いです。競売、代物弁済など資産の換価手続きは消費税課税対象取引に該当するため、課税事業者期間にそれらを実行するより、上記のとおり、売上が大きく減少し、免税事業者になってから、換価を実行します。

 

 


【注釈】

[注1] 出典:法人税基本通達逐条解説(税務研究会出版局705頁)

 

 

 

 

 

「休廃業・解散」動向調査(2020年3月公開分)

 

 

 

◇福井県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は327件で2年ぶりに増加
~「倒産」と「休廃業・解散」がともに増加したのは2012年以来、7年ぶり~

※詳細はこちら

 

◇宮崎県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」 件数は「倒産」 件数の12.6倍
~「休廃業・解散」事業者の売上高合計は約139億円~

※詳細はこちら

 

◇熊本県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」 3年ぶりに増加へ転じる、前年比21.8%増の347件
~ 「休廃業」は252件、過去10年間で3番目の水準 ~

※詳細はこちら

 

◇滋賀県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は183件で5年ぶりに増加
~業歴50年以上の企業が4割、地区では大津が最多~

※詳細はこちら

 

◇奈良県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は233件、2年連続で減少
~ 2009年以降で「休廃業」は最少、「解散」は最多となる ~

※詳細はこちら

 

◇富山県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」の発生倍率は全国5位の高水準
~ 「倒産」と「休廃業・解散」ともに前年比増加 ~

※詳細はこちら

 

◇新潟県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業」 「解散」ともに前年比減少
~「休廃業・解散」の合計は632件、3年連続の減少~

※詳細はこちら

 

◇兵庫県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の休廃業・解散は880件
~ 企業倒産件数の1.8倍 ~

※詳細はこちら

 

 

 

 

 

 

情報提供元(出所):株式会社帝国データバンク

[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「解散をした場合の役員退職金の支給について」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】解散に際して支払われる役員退職金の課税関係

■【Q&A】経営状況が悪化した場合の定期同額給与

 


[質問]

12月決算法人で、今年の4月末を目途に法人を清算・解散することを予定しています。社長の退職金を時期について教えてください。4月末を解散事業年度とする場合、その後の清算決了期間がありますが、社長を清算人とした場合、4月末までの解散事業年度で退職金を支払うことは問題があるのでしょうか。
清算決了期間まで待って退職金を支払わないといけないのでしょうか。

 

[回答]

法人が解散した場合において清算事務に従事する清算人も法人税法上は役員でありますので、法人税法上の役員の地位は継続しているとみることもできましょうが、清算人は、現務の結了、債権の取立て等の清算業務の執行を行うものであり、取締役の職務執行とは異なります。

ご照会の件につきましては、国税庁HPに、以下の質疑応答事例が収録されています。

 

 

〇解散後引き続き役員として清算事務に従事する者に支給する退職給与

【照会要旨】
法人が解散した場合において、引き続き清算人として清算事務に従事する旧役員に対しその解散前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与(下線は筆者)については、法人税法上退職給与として取り扱われますか。

【回答要旨】
退職給与として取り扱われます。

(理由)
法人が解散した場合において、引き続き役員又は使用人として清算事務に従事する者に対し、その解散前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与は、所得税法上退職手当等として取り扱われています(所得税基本通達30-2(6))ので、法人税法上も退職給与として取り扱うことが相当と考えられます。

【関係法令通達】
法人税法第34条
所得税基本通達30-2(6)

 

 

したがいまして、解散の決議・清算人の選任を行う臨時株主総会において、併せて役員退職金の支給決議を行い、直ちに支給する場合には、不相当に高額な場合を除き、解散事業年度の損金の額に算入することになると考えます。

なお、所得税基本通達30-2(6)は、次のとおり規定されておりますので、ご確認いただけますでしょうか。

 

 

(引き続き勤務する者に支払われる給与で退職手当等とするもの)
30-2 引き続き勤務する役員又は使用人に対し退職手当等として一時に支払われる給与のうち、次に掲げるものでその給与が支払われた後に支払われる退職手当等の計算上その給与の計算の基礎となった勤続期間を一切加味しない条件の下に支払われるものは、30-1にかかわらず、退職手当等とする。
(1)~(5) 省略
(6)  法人が解散した場合において引き続き役員又は使用人として清算事務に従事する者に対し、その解散前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与

 

 

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2020年01月27日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。

 

 

 

 


「休廃業・解散」動向調査(2020年2月公開分)

 

 

 

◇群馬県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は3年連続減少、前年比4.4%減の498件
~ 「休廃業・解散」は「法的整理」の5.7倍に ~

※詳細はこちら

 

◇秋田県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の休廃業・解散は181件
~ 「休廃業・解散」の件数は「倒産」件数の4.4倍 ~

※詳細はこちら

 

◇山形県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」 前年をピークとして減少に転じる、前年比6.9%減の284件
~ 一方、 「解散」の合計は120件と増加へ ~

※詳細はこちら

 

◇和歌山県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は226件、2年連続で増加
~ 「倒産」と「休廃業・解散」ともに2018年に続き2年連続で増加 ~

※詳細はこちら

 

◇多摩地区「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の休廃業・解散は前年比14.0%増の398件

※詳細はこちら

 

◇栃木県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年に消滅した企業は505社
~ 「休廃業・解散」高水準、新設企業は「未稼働」の構図強く ~

※詳細はこちら

 

◇愛知県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」1156件、3年ぶりの増加
~ 代表者「60代」以上が8割、高齢化傾向続く ~

※詳細はこちら

 

◇佐賀県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業」 リーマン・ショック以降で最少、前年比28.6%減の130件
~「休廃業・解散」の合計は206件、2年ぶりの減少~

※詳細はこちら

 

◇神奈川県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の「休廃業・解散」 1067件、3年連続減少
~業種別では「建設業」がトップ~

※詳細はこちら

 

◇長崎県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の「休廃業・解散」は281件
~倒産件数の8.5倍~

※詳細はこちら

 

◇千葉県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は791件、「倒産」の約3.2倍
~代表者の年代別、「70代」以上で5割超え~

※詳細はこちら

 

◇四国地区 「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散982件、5年ぶりの増加
~業種別、「建設業」が268件で最多~

※詳細はこちら

 

◇茨城県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の「休廃業・解散」は483件、倒産件数の約3.5倍
~「建設業」が全体の4割以上~

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◇長野県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は434件、3年ぶりに増加
~対「倒産」件数倍率は5.6倍、調査開始以来最大に~

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情報提供元(出所):株式会社帝国データバンク

「休廃業・解散」動向調査(2020年1月公開分)

 

 

 

◇近畿地区「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は3,354件で3年ぶりに増加
~ 「倒産」と「休廃業・解散」がともに増加したのは2008年以来、11年ぶり ~

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◇大分県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の「休廃業・解散」は292件
~ 倒産件数の8.3倍 ~

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◇島根県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散は147件、2年ぶりに減少
~ 代表者年齢、70歳以上が61.6%を占める ~

※詳細はこちら

 

◇山口県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散は286件、過去10年で最少に
~ 代表者年齢、70歳以上が58.0%を占める ~

※詳細はこちら

 

◇鳥取県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散は137件、2年ぶりに減少
~ 代表者年齢、70歳以上が42.3%を占める ~

※詳細はこちら

 

◇岡山県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散は453件、4年ぶりに増加
~ 代表者年齢、70歳以上が52.9%を占める ~

※詳細はこちら

 

◇中国地方「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散は1678件、6年ぶりに増加
~代表者年齢、70歳以上が54.1%を占める~

※詳細はこちら

 

◇広島県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散は655件、2年ぶりに増加
~代表者年齢、70歳以上が53.9%を占める~

※詳細はこちら

 

◇静岡県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

静岡県内の「休廃業・解散」件数は712件
~ 倒産の3.4倍、前年より倍率上昇 ~

※詳細はちら

 

◇北海道「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の休廃業・解散は1310件
~ 3年ぶりの前年比増加、倒産件数の6.2倍に ~

※詳細はこちら

 

 

 

 

 

 

情報提供元(出所):株式会社帝国データバンク

[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「個人事業者が事業を廃止した場合の事業用資産に係る課税関係」についてです。

 

[関連解説]

■【Q&A】個人事業者の事業承継 ~消費税の仕入税額控除の適用について~

■【Q&A】事業譲渡により移転を受けた資産等に係る調整勘定

 


[質問]

鮮魚店を営む個人事業者が本年11月末日に廃業します。この個人事業者は簡易課税制度を適用しています。

 

廃業後は、事業に供していた店舗建物は、個人において車庫として使用する予定です。

 

この場合、その店舗建物を家事のために消費し、又は使用した時とは、廃業する本年11月末日をいうのでしょうか。また、その譲渡価額は簿価をいうものと考えてよいでしょうか。

 

 

[回答]

事例の場合、個人事業者が事業を廃止して棚卸資産以外の資産で事業の用に供していたもの(事業用資産)を家事のために消費し、又は使用した場合には、その消費又は使用は、事業として対価を得て行われた資産の譲渡とみなされ(消法4⑤一)、その消費又は使用の時におけるその消費し、又は使用した事業用資産の価額に相当する金額をその対価の額とみなして課税の対象とすることとされています(消法28③一)。

 

そして、事例の場合、個人事業者が事業を廃止したときにおけるその事業用資産の消費又は使用の時とは、その事業の廃止に伴い事業用資産に該当しなくなった時点をいうものと考えます。

 

次に、事例の場合、その消費し、又は使用した事業用資産の価額に相当する金額とは、その事業用資産の簿価等には関係なく、合理的な方法により算出したその事業用資産に係る時価をいうものと考えます。

 

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2018年11月6日回答)

 

 

 

 

[ご注意]

掲載情報は、解説作成時点の情報です。また、例示された質問のみを前提とした解説となります。類似する全ての事案に当てはまるものではございません。個々の事案につきましては、ご自身の判断と責任のもとで適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い申し上げます。

 

 

 

 


[中小企業経営者のためのワンポイント解説]

「廃業・清算を選択した場合の検討すべき方策」~コンサルティングという観点からの『事業承継』とは?⑨~

 

コンサルティングという観点からみた「事業承継」と題したテーマの最終回となる今回は、前回に引き続き、第1回でご紹介したタイプD(健全性が低く親族内後継者がいない会社)に着目します。前回(令和元年5月第3号)は廃業・清算という選択に至る前に事業存続に向けて検討すべき方策を説明いたしましたが、今回は後継者不在や厳しい将来性等からやむを得ず廃業・清算という選択をした場合に、検討すべき方策について紹介いたします。

 

〈解説〉

税理士法人髙野総合会計事務所 山田隆寛/公認会計士

 


【廃業・清算を選択した場合の検討すべき方策】

廃業をする場合、取引先・従業員・金融機関等多くの関係者に多大な影響を及ぼし、また場合によっては経営者の個人資産への影響を及ぼすため、廃業に向けた事前の準備が必要となります。会社の財産状況によって廃業の手続や対応が異なってくるため、会社の財産状況の把握(『資産超過』か『債務超過』かの判断)が重要となります。財産状況の把握において、資産については個々の資産を簿価ではなく処分価額で評価することになります。また、負債については賃貸借契約の違約金等の貸借対照表に現れない簿外債務の検討が必要になるため、専門家の利用が有効と考えられます。

 

【会社の財産状況に応じた清算の流れ】

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※ 経営者保証に関するガイドラインとは
中小企業の経営者が金融機関等と締結している個人保証(経営者保証)について、保証契約を検討する際や、金融機関等の債権者が保証履行を求める際における、中小企業・経営者・金融機関の自主的なルールを定めたもの。

 

いずれのケースにおいても会社が赤字の場合は、事業が長引くほど会社の財産が目減りしていくことになりますので、できるだけ早期の廃業を目指すことが有効になります。特に、『経営者保証に関するガイドライン』による保証債務整理をする際には、早期に債権者の同意を求めることで、個人資産を手許に残せる可能性が高くなります。

 

税理士法人髙野総合会計事務所 「TSKニュース&トピックス」(2019年6月20日)より再編集のうえ掲載