[解説ニュース]

所得税の不動産所得に損失が生じた場合の損益通算の特例

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

[関連解説]

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■不動産取得税の「相続による取得」を巡る最近のトラブル

 

1.不動産所得に係る損益通算の特例の概要


(1)損益通算とは

所得税の計算上、不動産所得、事業所得、譲渡所得又は山林所得の金額の計算上生じた損失の額のうち一定のものについて、一定の順序により総所得金額、退職所得金額または山林所得金額等を計算する際に給与所得など他の各種所得の金額から控除されます (所得税法69条)。

 

(2)不動産所得に係る損益通算の特例

不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額がある場合に、その不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した金額のうちに不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地又は土地の上に存する権利(以下「土地等」)を取得するために要した負債の利子の額があるときは、(1)にかかわらず、その負債の利子に相当する部分の金額が生じなかったものとみなされ、他の各種所得の金額と損益通算できません(租税特別措置法(措法)41条の4)。

 

 

2.土地等を取得するために要した負債の利子の計算


(1)計算のあらまし

1(2)の対象となる「土地等を取得するために要した負債の利子の額に相当する部分の金額」は、次に掲げる区分に応じ、それぞれに掲げる金額とされます(措法施行令(措令)26条の6第1項)。

 

①その年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した、土地等を取得するために要した負債の利子の額が、その不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額を超える場合
⇒その不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額の全額

 

②その年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した、土地等を取得するために要した負債の利子の額が、その不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額以下である場合
⇒その不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、その不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した、土地等を取得するために要した負債の利子の額に相当する部分の金額

 

(2)土地と建物を一括して借入金で取得した場合の借入金の利子の額の区分計算

一の契約により同一の者から土地等と建物を一括して借入金で取得した場合において、その借入金の額がこれらの資産ごとに区分されていないこと等により、土地等と建物の借入金の額を区分することが困難であるときは、これらの資産を取得するために要した借入金の額が、まず建物の取得の対価の額に充てられ、次に土地等の取得の対価の額に充てられたものとして、前述(1)の計算をすることができます(措令26条の6第2項)。

 

この場合における「土地等を取得するために要した借入金の利子の額に相当する部分の金額」は、次の算式により計算されます(措法通達41の4-3)。

 

(算式)
その年分の土地等を取得するために要した借入金の利子の額=その年分の建物と土地等を取得するために要した借入金の利子の額×土地等を取得するために要した借入金の額÷建物と土地等を取得するために要した借入金の額

 

 

3.土地等を取得するために要した負債利子の計算例


土地と建物の別に借入金の額を区分することが困難な場合における、土地等を取得するために要した負債利子の額の計算例を示すと、次の通りとなります。

 

(設例)
・土地の取得価額 :4,000万円(a)
・建物の取得価額 :2,000万円(b)
・借入金の額   :4,800万円(c)
・借入金の利子の額: 192万円(d)

 

①土地の取得に要した借入金の額 4,800万円c-2,000万円b=2,800万円e
②土地の取得に要した借入金の利子の額 192万円d×2,800万円e÷4,800万円c=112万円
③損益通算の対象とならない借入金の利子の額
イ.不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額が70万円の場合 ⇒70万円<112万円  ∴70万円
ロ.不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額が200万円の場合 ⇒200万円>112万円 ∴112万円

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/04/13)より転載

[M&Aニュース](2020年3月30日〜4月10日)

◇東海カーボン<5301>、フランスの炭素黒鉛製品メーカーCarbone Savoieを買収、◇エコノス<3136>、カーボン・オフセット関連子会社のブルードットグリーンをエスプール<2471>に譲渡、◇アジアゲートホールディングス<1783>、不動産コンサル事業のNSアセットマネジメントなどNSグループの事業を取得、◇YE DIGITAL<2354>、工場自動化に関する事業を安川電機に譲渡、◇SHIFT<3697>、パソコンリユース事業などのエスエヌシーを子会社化、◇ウエルシアホールディングス<3141>、群馬県でドラッグストア・調剤58店舗展開の「クスリのマルエ」を子会社化、◇ALSOK<2331>、介護事業・食品検査事業の「らいふホールディングス」を子会社化 ほか

 

 

 

 

東海カーボン<5301>、フランスの炭素黒鉛製品メーカーCarbone Savoieを買収

東海カーボンは10日、フランスの炭素黒鉛製品メーカーCarbone Savoie SAS(CS)を買収すると発表した。約197億円を投じて、同社持ち株会社のCarbone Savoie International SAS(パリ。売上高157億円、当期純利益27億円、純資産167億円)の全株式を取得する。買収完了は2020年7月上旬を予定。

傘下に収めるCSは1897年に設立し、120年の歴史を持つ。アルミ精錬用カソード(電極)、特殊炭素製品、カーボン・黒鉛パウダーの製造を手がける。なかでも主力の精錬用カソードは自動車や航空機など輸送機器分野における軽量化ニーズ、建材分野でのアルミ使用量増加、飲料容器のアルミ化、エレクトロニクス分野での銅の代替需要などを背景に、安定した成長が見込まれている。

株式取得にあたっては東海カーボンが70%、欧州子会社の独Tokai COBEX GmbHが30%を保有する形とする。

エコノス<3136>、カーボン・オフセット関連子会社のブルードットグリーンをエスプール<2471>に譲渡

エコノスは、温室効果ガスの排出権の売買の仲介や排出権の創出に関するコンサルティング事業を手がける全額出資子会社のブルードットグリーン(東京都千代田区)を、ビジネスソリューション事業のエスプール(東京都千代田区)に譲渡する方向で協議に入ることを決めた。ブルードットグリーンは2011年に設立。カーボン・オフセット市場の確立に努めてきたが、グループ内の経営資源だけでは人材、資金力などに限界があると判断した。

アジアゲートホールディングス<1783>、不動産コンサル事業のNSアセットマネジメントなどNSグループの事業を取得

アジアゲートホールディングスは、不動産コンサルティングのNSアセットマネジメント(東京都港区。売上高4億3000万円、営業利益2320万円)などNSグループが運営する事業を取得することを決めた。

傘下に収めるのはNSアセットマネジメントが手がける不動産コンサルティング事業(不動産投資向け学習サイト「Re:Camp」「不動産投資の学校.com」の運営など)のほか、同社子会社のNSリアルエステート(東京都港区。売上高1億4400万円、営業利益256万円)の不動産売買仲介事業、NSインシュアランス(東京都港区。売上高5760万円、営業利益3190万円)の保険代理店事業。アジアゲートは5月中旬に受け皿となる新会社AGNSアセットマネジメント(東京都港区)を設立する。

取得価額は未定。取得予定日は2020年5月31日。

YE DIGITAL<2354>、工場自動化に関する事業を安川電機に譲渡

YE DIGITALは、工場自動化に関する事業を安川電機に譲渡することを決めた。対象事業を会社分割により今後新設するアイキューブデジタル(北九州市)に承継させたうえで、新会社の株式60%を安川電機に7月1日付で譲渡する形とする。工場内で使われるサーボモーターやロボットなどの自動化製品で高いシェアを持つ安川電機との共同運営を通じて、製造業向けIoT(モノのインターネット)製品の売上拡大を目指す。YE DIGITALは安川電機の持ち分法適用関連会社(旧安川情報システム)。譲渡価額は9000万円。

分割譲渡する事業の直近売上高は6億6000万円。

SHIFT<3697>、パソコンリユース事業などのエスエヌシーを子会社化

SHIFTは、パソコンのリユース事業などを手がけるエスエヌシー(大阪市。売上高13億1000万円、営業利益6900万円、純資産4億5000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ソフトウエア製品のリリースサイクルに対応した各種サービスや、製品リリース後の顧客サポートなど、上流工程から下流工程までの包括的な品質保証サービス構築の一環。

エスエヌシーは1997年に設立。リユース事業(パソコン買い取り、パソコンデータ消去、中古パソコン販売・レンタルなど)、Web事業(システム受託開発など)、ITマネジメント事業(インフラ構築、ヘルプデスク、人材派遣など)を3本柱とする。

取得価額は約9億800万円。取得予定日は2020年4月30日。

ウエルシアホールディングス<3141>、群馬県でドラッグストア・調剤58店舗展開の「クスリのマルエ」を子会社化

ウエルシアホールディングスは、ドラッグストア・調剤薬局経営のクスリのマルエ(前橋市。売上高127億円、営業利益2億6700万円、純資産14億5000万円)の株式31%を追加取得し、子会社化(保有割合51%)することを決めた。クスリのマルエは1973年設立で、群馬県を中心にドラッグストア54店舗(うち調剤併設9店舗)と調剤専門4店舗の計58店舗を持つ。

ウエルシアは関東をはじめ、東北から中国四国まで全国2005店舗(2月末)を展開するドラッグストア大手。マルエ株式を20%保有しているが、傘下に取り込むことで、グループとして群馬県内の店舗網を拡充する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年6月1日。

ALSOK<2331>、介護事業・食品検査事業の「らいふホールディングス」を子会社化

ALSOKは、らいふホールディングス(東京都品川区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。らいふHDは持ち株会社で、傘下に介護事業のらいふ(東京都港区)と食品検査事業のエムビックらいふ(同)を持つ。らいふHDと傘下2社の単純合算業績は売上高126億円、営業利益9億1800万円、純資産47億8000万円。警備事業を起点とする周辺分野への事業拡大の一環。

らいふは高齢者施設・住宅事業を主力とし、「ホームステーションらいふ」のブランド名で東京、神奈川など首都圏に47施設、2000室超を運営する。ALSOKは2012年に介護事業に参入しており、今回、らいふを傘下に取り込むことでグループ全体で6500室規模の介護施設を保有することになるという。

一方、エムビックらいふは腸内細菌検査や食品安全検査、食中毒の汚染検査などを手がける。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月30日。

TSIホールディングス<3608>、アクションスポーツ専門ECサイト運営の米Efuegoを子会社化

TSIホールディングスは、米国でスケートボード、スノーボードを中心とするアクションスポーツ専門のEC(電子商取引)サイトを運営するEfuego Corp(オレゴン州)の株式88%を取得し、子会社化した。3月31日付。Efuegoは1999年設立で、ECサイト「Tactics.Com」のほか、オレゴン州内に3店舗を持つ。取得価額は非公表。

カクヤス<7686>、業務用酒類販売のサンノーを子会社化

カクヤスは、業務用酒類販売のサンノー(福岡市。売上高21億7000万円、営業利益5400万円、純資産2億6200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。九州地方への展開の足掛かりとする狙い。

サンノーは2005年設立で、福岡市内を中心に業務用の酒類販売のほか、繁華街型業務用酒類小売りの「リカーズABC」を運営する。カクヤスは業務用センターを首都圏と大阪府で11カ所設置し、料飲店に酒類を配達する一方、店舗と小型倉庫などの173カ所で小商圏でのピストン配達、店頭販売を手がける。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年5月1日。

ユニゾ従業員TOBが成立、86%を買い付け

不動産・ホテル業のユニゾホールディングスは3日、同社従業員が買収を目的に設立したチトセア投資(東京都中央区)によるTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。チトセア投資は議決権ベースで86.55%にあたる2961万8824株を買い付けた。買付代金は1777億円。今後、株式の非公開化に伴う上場廃止の手続きに入る。

TOB成立に伴い、小崎哲資ユニゾ社長はじめ、グループ会社のすべての取締役、監査役、執行役員の総勢43人は6月末に開かれる各社の定時株主総会をもって退任する。

ユニゾは昨年12月末、従業員による買収を受け入れて非公開化することを発表。従業員と米投資ファンドのローンスターが共同出資で設立したチトセア投資がTOBを開始し、4月2日までユニゾ株を買い付けた。買付価格は1株6000円(2度引き上げ)。買付期間は5度延長した。

チトセア投資は今後、全株式を取得することとしており、最終的な買収金額は2000億円を超える。

ユニゾをめぐっては昨年7月に旅行大手、エイチ・アイ・エスがTOBを開始し、その後、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループがTOBに参戦し、買収合戦に発展した。いずれもユニゾ側が反対する敵対的TOBだった。

フォートレスによるTOBは昨年8月から今年3月半ばまで異例の7カ月に及んだ末に不成立となった。このフォートレスのTOBに対抗する形で、従業員によるTOBが進行していた。

旧村上系投資会社、「芝浦機械」(旧東芝機械)へのTOBを撤回

旧村上ファンド系投資会社のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)は2日、芝浦機械(4月1日に東芝機械から社名変更)に対して4月16日を期限に実施していたTOB(株式公開買い付け)を撤回した。撤回届出書を同日付で関東財務局に提出した。芝浦機械が3月27日に開いた臨時株主総会で買収防衛策の発動に関する議案が承認可決されたことから、TOB撤回が避けられない状況にあった。

旧村上系投資会社は1月21日、約259億円を投じて芝浦機械株の約44%の取得を目指してTOBを開始した。買付価格は1株3456円。当時、芝浦機械の株価は3300円台だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などから2000円前後まで下落。市場価格と買付価格との乖離が大きく開き、高値づかみの構図となっていたこともTOB撤回の判断に作用したものとみられる。

芝浦機械は旧村上系投資会社がTOBを撤回すれば、買収防衛策の発動を中止するとの考えを示していた。

旧村上系側は芝浦機械に内部留保の還元などを求めてきた。これに対し、芝浦機械は「当社の経営方針や事業に興味を持っていないようだ」などとしてTOBに反対していた。

ケイアイスター不動産<3465>、不動産売買の東京ビッグハウスを子会社化

ケイアイスター不動産は、不動産売買や建築請け負う東京ビッグハウス(東京都新宿区。売上高45億1000万円、営業利益1億5700万円、純資産4億3500万円)の株式50.0%を取得し子会社化することを決めた。戸建住宅の分譲事業の拡充やコストダウンにつなげる狙い。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月2日。

エアトリ<6191>、Wi-Hi端末レンタルのグローバルモバイルを子会社化

エアトリは傘下のインバウンドプラットフォーム(東京都港区)を通じて、Wi-Hi端末レンタルを手がけるグローバルモバイル(東京都千代田区)を子会社化することを決めた。インバウンドプラットフォームは訪日観光客向けにWi-Hi端末レンタルを取り扱っており、主に日本人を対象とするグローバルモバイルとの商圏の重複がなく、ノウハウの共有化や仕入れコストの削減などが期待できると判断した。

グローバルモバイルは2006年設立。取得価額、取得予定日は非公表。

グッドスピード<7676>、沖縄県でレンタカー事業を取得

グッドスピードは、エンジョイレンタカー(那覇市)からレンタカー事業を1日付で取得した。グッドスピードは東海地区を地盤とし、中古車販売を展開し、2015年にレンタカー事業にも進出した。今回、東海地区以外に沖縄県でレンタカー事業に乗り出す。

エンジョイレンタカーは2013年に設立。レンタカーの受付店舗は那覇空港から車で5分のアクセスで送迎対応も行っている。取得価額は非公表。

電算システム<3630>、データ分析業務子会社のゴーガ解析コンサルティングを経営陣に譲渡

電産システムは、傘下企業でデータ分析業務を手がけるゴーガ解析コンサルティング(東京都千代田区。売上高9500万円、営業利益884万円、純資産2640万円)の全株式を、ゴーガ解析の中村仁也社長に1日付で譲渡した。データ分析事業が軌道に乗ってきたことなどから、中村氏の意向を踏まえ、独立資本の下で運営する。譲渡価額は非公表。

菱洋エレクトロ<8068>、情報システム開発のスタイルズを子会社化

菱洋エレクトロは、情報システム開発のスタイルズ(東京都千代田区。売上高15億9000万円、営業利益6200万円、純資産3億4400万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ソリューションビジネス展開に向けた体制と機能の強化が狙い。

スタイルズは2003年に設立し、ITシステムの開発・運用やシステムの受託開発、技術者派遣などを手がける。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年5月1日。

東洋テック<9686>、建物総合管理の新栄ビルサービスを子会社化

東洋テックは、建物総合管理業の新栄ビルサービス(兵庫県姫路市。売上高10億7300万円、営業利益1290万円、純資産1億6300万円)の全株式を取得し子会社化した。1日付。東洋テックが主力とする警備業務、ビル管理業務との一体運営や人的資源の相互活用を通じた相乗効果を期待している。

取得価額は非公表。

SBIホールディングス<8473>、投資運用会社のレオス・キャピタルワークスを子会社化

SBIホールディングスは、投資運用会社のレオス・キャピタルワークス(東京都千代田区。売上高61億5000万円、営業利益17億9000万円、純資産27億2000万円)の株式51.28%を取得し子会社化することを決めた。レオスは「ひふみ投信」「ひふみプラス」「ひふみワールド」など「ひふみ」ブランドで投資信託を設定・運用する。SBIは提携強化を推し進めている地域金融機関へレオス商品を展開する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月30日。

岡本硝子<7746>、光学部品メーカーの二光光学を子会社化

岡本硝子は、光学部品メーカーの二光光学(相模原市。売上高3億3500万円、営業利益3320万円、純資産1億円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。二光光学は1972年設立で、コックピット用液晶ディスプレーの表面ガラスに反射防止膜と導電膜を蒸着する加工を主力とする。

岡本硝子は多層薄膜技術を生かし、乗用車ナイトビジョンシステム向け赤外線透過フィルター、高反射銀ミラーなどの製品分野を拡大中。二光光学を傘下に取り込むことで、機能性薄膜事業との相乗効果が期待できるみている。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

ケイティケイ<3035>、OA・ネットワーク機器販売のエス・アンド・エスを子会社化

ケイティケイは傘下の青雲クラウン(名古屋市)を通じて、OA機器やパソコン、ネットワーク機器の販売・サポートを手がけるエス・アンド・エス(愛知県瀬戸市。売上高2億3300万円、経常利益2020万円、純資産1億6800万円)の全株式を取得し子会社化した。31日付。青雲クラウンは東海地区で文具・事務用品の卸売事業と複合機などOA機器、オフィス家具の取り扱いを主力とし、エス・アンド・エスとの連携で中小企業向けITサポートを強化する。

取得価額は非公表。

FIG<4392>、テレマティクス事業のシンガポールInfotrack Telematicsを子会社化

FIGは、テレマティクス事業を展開するシンガポールInfotrack Telematics Pte. Ltd(売上高3200万円、当期純利益△755万円、純資産8200万円)の株式67.91%を取得し子会社化した。31日付。Infotrackは動態管理など企業向け位置情報サービスに強みを持ち、インドを中心にアジア、中東で事業展開している。FIGは同社を傘下に取り込み、グループにおけるオフショア(海外)の中核的な開発拠点とする。

FIGは子会社のモバイルクリエイト(大分市)が保有するInfotrackの転換社債型新株予約権付社債を同社株式に転換すると同時に、同社筆頭株主のゼンリンデータコム(東京都港区)から一部株式を取得する。

株式の転換価額は2億3000万円。ゼンリンデータコムからの株式取得価額は非公表。

第一カッター興業<1716>、洗浄工事のユニペックを子会社化

第一カッター興業は、プラント内配管や熱交換器などの洗浄工事を手がけるユニペック(神戸市。売上高2億3800万円、営業利益2000万円、純資産1億8100万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。産業インフラ部門の強化が狙い。ユニペックは1976年に設立し、プラント関連の洗浄工事に強みを持つ。

取得価額は2億4550万円。取得予定日は2020年4月14日。

ミンカブ・ジ・インフォノイド<4436>、投信業務のRPAサービスを提供するロボット投信を子会社化

ミンカブ・ジ・インフォノイドは、投資信託業務のRPA(ロボットによる業務自動化)サービスを提供するロボット投信(東京都中央区。売上高9270万円、営業利益△2億8500万円、純資産1億7400万円)の第三者割当増資を引き受け、株式50.14%を取得し子会社化することを決めた。

ロボット投信は2016年設立で、RPAを通じて投資信託の運用会社や販売会社の業務効率化を目的とするスタートアップ企業。すでに複数の金融機関に導入実績があるが、事業基盤は脆弱な状態にあり、黒字化がほど遠かった。ミンカブは同社をグループに迎え、初年度から黒字化を目指す。

取得価額は2億5800万円。取得予定日は2020年6月30日。

テクノホライゾン・ホールディングス<6629>、経営管理用ソフト開発のアイ・ティ・エルを子会社化

テクノホライゾン・ホールディングスは、経営管理用ソフト開発のアイ・ティ・エル(東京都中央区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。主力事業の一つであるBI(ビジネスインテリジェンス)事業で相乗効果が期待できると判断した。アイ・ティ・エルは2001年に設立。取得価額、取得日は非公表。

国際紙パルプ商事<9274>、紙・板紙卸のフランスAntalisを子会社化

国際紙パルプ商事は、紙・板紙の卸売事業を手がけるフランスAntalis S.A.(パリ。売上高2490億円、営業利益△29億1000万円)の株式83.6%を取得し子会社化することを決めた。取得価額は12億9800万円。取得予定日は2020年6月下旬。

Antalisはユーロネクスト証券取引市場に上場する欧州最大手の紙商社で、欧州を中心に南米、アジア・太平洋地域を含めて世界41カ国で紙・紙関連製品の卸売事業を展開する。パッケージング事業やビジュアルコミュニケーション事業(サイン・ディスプレーなど)に強みがある。

国際紙パルプ商事はアジア・太平洋地域を地盤とする。欧州諸国に事業基盤を持つAntalisとの組み合わせは地域的な補完関係にあるほか、製品開発やブランド力の育成などで相乗効果が見込めると判断した。

たけびし<7510>、基板受託開発などの梅沢無線電機を子会社化

たけびしは、電子基板の受託開発や電子部品の販売を手がける梅沢無線電機(東京都千代田区。売上高19億6000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。半導体・デバイス事業で基板受託開発といった共通の強みを持つことに加え、営業エリアや得意先に重複が少ないことから、相乗効果が高いと判断した。梅沢無線電機は1947年に創業。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

コロプラ<3668>、ゲームソフト開発のMAGES.を子会社化

コロプラは、ゲームソフトウエア開発や楽曲制作のMAGES.(東京都港区。売上高65億2000万円、営業利益△9800万円、純資産13億3000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。MAGES.は人気ゲームソフト「STEINS;GATE」「B-PROJECT」などを生み出している。コロプラはこうした高いIP(知的財産権)創出力を持つ同社を傘下に取り込み、モバイルサービス事業の競争力向上を目指す。取得価額は16億1200万円。取得予定日は2020年4月3日。

宝ホールディングス<2531>、食料品卸の東京共同貿易を子会社化

宝ホールディングスは傘下の宝酒造インターナショナル(京都市)を通じて、食料品や酒類、雑貨品の輸出入を手がける東京共同貿易(東京都台東区。売上高106億円、営業利益6億8400万円、純資産17億7000万円)の株式51%を取得し、30日付で子会社化した。米国を中心とする海外向け日本食材の卸事業拡大の一環。取得価額は13億2600万円。

宝ホールディングスは日本食の市場規模が大きい米国での事業拡大に向け、2016年に日本食材卸大手の米ミューチャルトレーディング(ロサンゼルス)を子会社化。このミューチャルが日本から商品を調達する際、最大の取引先となっているのが東京共同貿易。今回、同社を傘下に収めることで、仕入れ先との関係強化や商品開発・供給機能の拡充を実現するとしている。

コロワイド<7616>、アスラポートから「牛角」のエリアFC事業と直営6店舗を取得

コロワイドは、飲食店運営の大手であるJFLAホールディングス傘下のアスラポート(東京都中央区)が手がける炭火焼肉酒家「牛角」のエリアフランチャイズ(FC)事業と直営店舗を31日付で取得する。FC店舗は200店舗、直営は6店舗。コロワイドはフランチャイザー(総本部)として、「牛角」をグループの基幹事業の一つとする。アスラポートが展開してきた広範なフランチャイジー(加盟店)網を取り込むことで、牛角事業の運営の一体性・機動性を高め、強固な収益構造を目指す。

アスラポートは1998年に牛角のFC加盟店となり、1999年12月にはエリアフランチャイズ本部の権利を獲得し、東北、北関東、東海、北陸、関西、九州(一部地域を除く)で店舗展開してきた。対象事業の2019年4~12月期業績は売上高14億7800万円、営業利益5億5200万円。

コロワイドは傘下企業が「牛角」のほか、居酒屋「甘太郎」「北海道」、回転寿司「かっぱ寿司」、地酒とそば「三間堂」など様々な業態の飲食店を運営する。牛角事業を展開する子会社はレインズインターナショナル(横浜市)。同社を通じてアスラポートからFC・直営店舗を取得する。

取得価額は非公表。

マルハニチロ<1333>、子会社の大都魚類<8044>をTOBにより完全子会社化へ

マルハニチロは子会社の大都魚類に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し同社を完全子会社化すると発表した。マルハニチロは現在同社の株式50.32%を保有している。大都魚類は賛同の意見を表明しており、マルハニチロの完全子会社となれば上場廃止となる。買付総額は25億9000万円。

大都魚類は1947年10月設立で、マルハニチロの漁獲物や水産商品の販売を受託している。1962年12月に上場し、マルハニチロは1978年1月期に同社を子会社化した。しかし、国内の漁業生産量の減少や魚介類消費量の低下などにより経営が圧迫。そのため、マルハニチロは同社を完全子会社化することで、グループの水産物サプライチェーンを再構築するほか、上場維持コストの削減により経営の効率化を図ることにした。

買付価格は1225円で、公表前営業日の終値825円に対して48.48%のプレミアムを加えた。買付予定数は211万9018株で、下限は106万9632株。買付期間は2020年3月31日から5月21日まで。決済の開始日は5月28日。

 

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

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不動産取得税の「相続による取得」を巡る最近のトラブル

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

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■最近の事例にみる「不動産所得で経費になるもの」

 

1. はじめに


不動産取得税は、土地や家屋の「取得」に課税される都道府県税です(地法73の2①)。ただし、形式的に不動産の所有権を移転したものとされる所定の「取得」は非課税とされます(地法73の7)。このうち、相続(包括遺贈及び被相続人から相続人に対してなされた遺贈を含む。)により不動産を取得した場合も、形式的な所有権の移転等として非課税とされます(同法1号)。この相続により不動産を取得したとされる場合については、実務上、含みがあるようで、時々トラブルになることがあります。

 

今回は、遺言により複数の相続人のうちの一人が不動産を全部取得したことに対し、別の相続人が民法改正前の遺留分減殺請求をして不動産の持ち分を取得後、共有物の分割で相続財産である不動産を取得したことが、「相続による取得」に該当するかどうかが争点となった裁判例(東京地裁令和2年1月23日)を見ていくことにします。なお、同裁判のもう1つの争点である非課税となる「共有物の分割」に該当するかどうかについては紙面の都合上、割愛します。

 

2. 事案の概要


被相続人Aさんは長女に不動産を相続させる旨の自筆証書遺言を残して平成18年に死去しました。このため残る相続人Bさんら4人は、長女に対する遺留分減殺請求をしました。その結果、Bさんら4人は不動産につき10分の1ずつ取得することを得ました。その後平成27年になって、長女は、共有物となった不動産につき、共有物分割を求める裁判を起こしました。裁判所は、相続人Bさんが遺留分減殺請求で得た不動産(10分の1)について残りの持ち分である不動産持分10分の9を取得して単独所有とする代わりに、代償金を支払うとする内容の共有物分割の判決を下し、同年9月に確定しました。

 

これを受け、課税庁である東京都は平成30年に、相続人Bさんが不動産の持分10分の9を取得したものとして、200万円弱の不動産取得税を賦課したところ、Bさんが「この不動産の持ち分の取得は相続によるもので、共有物分割による取得は再度の遺産分割と考えるのが自然」と主張し、課税の取消しを求めて争いとなったものです。

 

3. 背景にある取扱い


民法改正前の遺留分減殺請求に基づき不動産を取得した場合の不動産取得税の取扱いは、東京都の場合、「遺留分権利者が一部の相続人に限定されていること及び遺産分割のやり直しによる取得を非課税と認めていること等の事情から、実質的には相続を原因とした取得と同様であるものと解し、非課税と認定して差し支えない」としています(「不動産取得税質疑応答集」の改正について(通知)平成28年4月1日)。

 

ここでいう遺産分割のやり直しによる取得については、相続人全員で遺産分割協議を合意解除し「改めて遺産分割協議を行った場合についても「相続による不動産の取得」に該当するものであり(最高裁昭和62年1月22日判決)、再度非課税の取扱いをして差し支えない」(同上)としています。この場合の登記は大方、錯誤により登記を抹消し、新たな相続登記が行われる形式になるとされます。Bさんの主張は、こうした取扱いを背景にしたものといえそうです。

 

4.裁判所の判断


裁判所は、特定の相続人に遺産全部を相続させる旨の遺言に基づく財産の相続について、単独で相続させる遺産分割の方法が指定されたものと解すべきで、「遺留分減殺請求権の行使により、承継の効力は遺留分を侵害する限度で失効し、相続人に承継された権利は遺留分を侵害する限度で当然に減殺請求をした遺留分権利者に帰属するが、遺産全部を特定の相続人に相続させる旨の遺言があった場合には、遺産は遺産分割の対象となることはない」と説示し、この場合に「遺留分権利者に帰属する権利は、遺産分割の対象となる遺産としての性質を有しないものと解すべき」としました。

 

あてはめでは、上記の事実関係に基づきBさんらの「遺留分減殺請求後の不動産は、いずれも遺産としての性質を有するものではなく、遺産分割の対象となるものではないから」、相続による取得には該当するということはできないと判断しています。

 

5.補足


なお、遺言に基づき不動産の登記が適法に行われた場合、あとで錯誤により抹消することはできないようです。となると、遺言により登記された場合には、遺産分割をやり直しするといった形式を整えることはできません。このケースで、民法改正後の遺留分侵害額請求により、相続不動産の一部を代物弁済という形で不動産を請求した相続人に渡すと、遺産分割のやり直しといった形はとれず、登記原因は代物弁済となって、不動産取得税の課税が及ぶということになりそうです。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/04/06)より転載

[解説ニュース]

非上場株式を後継者等(非居住者)に贈与した場合の留意点

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(川嶋 克彦/税理士)

 

 

[関連解説]

■事業承継税制を複数の後継者に適用する場合の留意点

■相続人が米国の連邦所得税上の居住者である場合の手続、報告義務等

 

 

1. 事業承継における国外転出(贈与)時課税


2015年7月より創設された「国外転出時課税」(所法60の2、60の3)ですが、事業承継の際に非上場株式を後継者等(非居住者)へ贈与した場合にも適用されます。事例を踏まえて、国外転出(贈与)時課税の概要と留意点を確認したいと思います。

 

 

2. 国外転出(贈与)時課税の基本的な考え方


以下の事例の通り、居住者(贈与者)が贈与時に所得税を課せられることに注意が必要です。居住者(贈与者)は贈与により譲渡対価を収受していないにも関わらず所得税(譲渡税)を課せられるため、納税原資に苦慮するケースが散見されます。

 

(事例)居住者Aが後継者(非居住者)Bに時価100、取得費10、含み益90の株式を贈与した場合。

 

<居住者A(贈与者)> 従来、含み益90に対して、所得税等の課税なし。

 

<後継者(非居住者)B(受贈者)> 従来、時価100に対して贈与税課税で課税終了でしたが、別途含み益90について、日本で課税されない「課税逃れ防止」の為、国外転出(贈与)時課税により、居住者A(贈与者)が贈与時に時価で譲渡したものとみなして所得税(譲渡税)が課税されます。

 

 

3. 国外転出(贈与)時課税の概要


(1)対象者

以下のいずれにも該当する居住者(贈与者)。

①贈与時点に保有する対象資産の合計額(時価)が1億円以上であること。
②贈与の日前10年以内において国内に5年を超えて住所又は居所を有していること。

 

(2)対象資産

①有価証券等(株式(非上場含む)公社債、投資信託、匿名組合契約の出資の持分等)。
②未決済信用取引、未決済デリバティブ取引等。

 

(3)申告・納付

①贈与時の時価で対象資産の譲渡があったものとみなして対象資産の含み益に所得税が課税されます。
②申告・納付期限は贈与した年分の確定申告期限(贈与した年の翌年3月15日)となります。
③納税猶予制度があります(後述4参照)。

 

(4)課税取消事由

贈与の日から5年(納税猶予の適用を受け、猶予期限を10年に延長している場合には10年)以内に、(a)(贈与により対象資産を取得した)非居住者が帰国した場合、(b)非居住者が対象資産を居住者に贈与した場合、(c)非居住者の相続により、対象資産を取得した相続人全員が居住者となった場合。

 

 

4. 納税猶予の特例


(1)概要

①原則として、その所得税の額について納税が、贈与の日から5年間猶予されます。
②納税猶予期間の延長の届出をすることで、更に5年間納税猶予期間を延長することが可能です。

 

(2)納税猶予の適用を受けるための要件

①贈与税の確定申告期限までに、(a)確定申告書の提出(納税猶予を受ける旨の記載)、(b)納税猶予分の所得税及び利子税の額に相当する担保を提供する。
②贈与者は、納税猶予期間中において、各年3月15日までに継続届出書の提出が必要です。
③譲渡した場合等

 

納税猶予期間中に対象資産を譲渡する等一定の事由が生じた場合は、その事由が生じた対象資産に係る納税猶予額(利子税を含む)をその事由が生じた日から4カ月以内に納付しなければなりません。

 

 

5. 納税猶予における担保


非上場株式を後継者(非居住者)に贈与した場合、いわゆる「事業承継税制における贈与税の納税猶予制度」と違い、その非上場株式を担保提供するための要件が以下の通り厳格です。その為実務上贈与者が保有する上場株式等を担保提供するのが一般的です。その非上場株式の発行会社や保証人が保証する事も可能ですが各々要件が定められているため注意が必要です。

 

<非上場株式の担保提供が認められる場合>
国外転出(贈与)時課税に係る納税猶予の特例を受けるため、その課税を受けた非上場株式を担保提供する場合、次のいずれかに該当する必要があります。

 

①財産のほとんどが当該非上場株式であり、その非上場株式以外に納税猶予の担保として提供すべき適当な財産がないと認められること。
②その非上場株式以外にも財産があるが、その財産が他の債務の担保となっており、納税猶予の担保として提供することが適当でないと認められること。

 

また、その非上場株式を担保提供する際に、その非上場株式の発行会社が株券不発行会社である場合には、株券発行が必要などの細かい要件に注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/03/30)より転載

[M&Aニュース](2020年3月16日〜3月27日)

◇東芝機械、「買収防衛策」62%の賛成で可決|臨時株主総会、◇RIZAPグループ<2928>、傘下のサンケイリビング新聞社の「あんふぁん」「ぎゅって」事業を小学館集英社プロダクションに譲渡、◇巴川製紙所<3878>、有価証券印刷・ICカード製造の昌栄印刷を子会社化、◇日本PCサービス<6025>、家庭用光回線システム販売のネクストラインを子会社化、◇トレンダーズ<6069>、ギフトEC事業子会社のBLTをギフトモールに譲渡、◇アクアライン<6173>、生活救急サービスの検索サイト運営などのEPARKレスキューを子会社化、◇JCRファーマ<4552>、医薬品研究開発の米ArmaGenを買収 ほか

 

 

 

 

 

東芝機械、「買収防衛策」62%の賛成で可決|臨時株主総会

東芝機械は27日、静岡県沼津市内で臨時株主総会を開き、旧村上ファンド系投資会社の敵対的TOB(株式公開買い付け)に対する買収防衛策の発動に関する議案を可決した。TOBが撤回された場合には、買収防衛策の発動を見送る。

TOBに反対する東芝機械は新株予約権の無償割り当てによる対抗措置の導入方針を打ち出したが、これに旧村上ファンド側が反発。臨時株主総会で買収防衛策の適否を問う事態となっていたが、会社側が最大の攻防戦を制した形だ。

この日の総会では第一号議案として買収防衛策の導入、第二号議案として買収防衛策の発動をそれぞれ付議。いずれの議案も議決権ベースで過半数の約62%の賛成を得て、承認可決された。

旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)は1月21日に、東芝機械に対して1株3456円でTOBを開始。シティインデックスの親会社オフィスサポート(同)などがすでに保有する12.75%と合わせ、東芝機械株の43.82%の取得を目指している。買付予定数の下限は所有割合27.25%に設定し、約14%を買い増せば、TOBが成立する。

対抗措置として打ち出した買収防衛策は全株主に新株予約権を割り当てるものの、大規模買付者とその関係者(オフィスサポートなど)については「大規模買付行為を中止・撤回したうえで、保有割合が20%を下回る範囲でのみ権利行使が認められる」という条件付きで新株予約権が付与される内容。新株予約権を一般株主は行使できるのに対し、旧村上系は行使が制限されることから、株式の保有割合が一定程度希釈化される効果を持つ。

旧村上系によるTOB期間は4月16日まで。旧村上系の対応が今後注目されるが、東芝機械は「TOBが中止・撤回されれば、(買収防衛策の)発動は原則取り止める」としている。

 

RIZAPグループ<2928>、傘下のサンケイリビング新聞社の「あんふぁん」「ぎゅって」事業を小学館集英社プロダクションに譲渡

RIZAPグループは傘下のフリーペーパー大手、サンケイリビング新聞社(東京都千代田区)が手がける幼稚園・保育園父母向けフリーペーパーの制作・配布事業を、小学館集英社プロダクション(東京都千代田区)に譲渡することを決めた。経営立て直しに向けたグループの事業構造改革の一環。小学館集英社プロダクションが設立した新会社「こどもりびんぐ」(東京都千代田区)が事業を引き継ぐ。

RIZAPグループは2018年3月に、フジ・メディア・ホールディングス子会社のサンケイリビング新聞社を買収した。譲渡するのは幼稚園児の忙しいお母さん向けに食育や時短などのコンテンツを中心とする「あんふぁん」(全国で毎月約73万部配布)、保育児向けの「ぎゅって」(首都圏・関西・東海で約35万部配布)。対象事業の直近業績は売上高10億9200万円。

事業を取得する小学館集英社プロダクションは、「あんふぁん」「ぎゅって」に近接する保育事業や教育事業などを手がける。また小学館グループは就学前の子供、両親を応援するプロジェクトを「あんふぁん」「ぎゅって」と共同開発し、緊密な関係にある。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年4月30日。

 

 

 

巴川製紙所<3878>、有価証券印刷・ICカード製造の昌栄印刷を子会社化

巴川製紙所は、有価証券印刷やICカードの製造・加工を手がける昌栄印刷(大阪市。売上高49億6000万円、営業利益3億3300万円、純資産29億1000万円)の株式25.22%を追加取得し、子会社化することを決めた。巴川製紙(29.61%保有)と同社子会社の三和紙工(10.4%保有、東京都中央区)を合わせたグループの持ち株比率は40.01%となり、実質支配力基準により子会社に該当することとなる。特殊印刷技術と情報加工技術に強みを持つ昌栄印刷を傘下に取り込み、事業基盤の強化や新製品開発につなげる。

取得価額は1億5700万円。取得予定日は2020年3月30日。

 

 

 

日本PCサービス<6025>、家庭用光回線システム販売のネクストラインを子会社化

日本PCサービスは、家庭用インターネット光回線システムの販売を手がけるネクストライン(東京都新宿区。売上高8億2900万円、営業利益500万円、純資産800万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。日本PCサービスは訪問、遠隔操作などによるITサポート事業を主力とする。パソコンなどの修理や設置で家庭を訪問した際や、スマホ修理店舗への来店者に対して光回線システムの提案が行えるなど、相乗効果が見込めると判断した。

取得価額は2億1200万円。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

トレンダーズ<6069>、ギフトEC事業子会社のBLTをギフトモールに譲渡

トレンダーズは、ギフトEC(電子商取引)事業を手がける子会社のBLT(東京都渋谷区。売上高1億6400万円、営業利益△6400万円、純資産3500万円)の全株式を、同業のギフトモール(東京都中央区)に譲渡することを決めた。譲渡価額は1億9100万円。譲渡予定日は2020年3月30日。

トレンダーズは2015年にギフトEC「Anny」のサービスを開始し、18年5月に分社化してBLTを設立した。

 

 

 

アクアライン<6173>、生活救急サービスの検索サイト運営などのEPARKレスキューを子会社化

アクアラインは、生活救急サービスに関する検索サイトの運営や広告販売を手がけるEPARKレスキュー(東京都豊島区。純資産11億4500万円)の株式51%を取得し子会社化することを決めた。主力事業である水回りの緊急修理サービスの集客増につなげる。さらには、水回りにとどまらず、家庭内で起きるあらゆる分野での緊急駆け付けサービスへのニーズに素早く対応できる体制づくりを目指す。

取得価額は5億9400万円。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

JCRファーマ<4552>、医薬品研究開発の米ArmaGenを買収

JCRファーマは、医薬品研究開発の米ArmaGen,Inc.(カリフォルニア州)を子会社化することを決めた。今後、米に全額出資の特別目的会社を設立し、ArmaGenを吸収合併する。JCRファーマは血液脳関門(BBB)通過技術を用いて、ライソゾーム病治療薬の開発を進めている。この分野で幅広く技術的資産を持つArmaGenを傘下に取り込み、新薬開発を加速する。

ArmaGenは2004年設立。買収完了は4月下旬を予定。

 

 

 

FHTホールディングス<3777>、北海道三笠市の太陽光発電所をギガソーラーに譲渡

FHTホールディングスは、子会社のエリアエナジー(東京都千代田区)が北海道三笠市に保有する太陽光発電所(総発電出力490キロワット)を、太陽光発電システムの販売・施工を手がけるギガソーラー(東京都港区)に譲渡することを決めた。譲渡価額は1億3000万円。譲渡予定日は2020年3月30日。

 

 

 

FPG<7148>、金融関連システム運用・構築のケンファーストを子会社化

FPGは、システム運用・構築やチャットボット事業を手がけるケンファースト(東京都千代田区。売上高5億8900万円、営業利益800万円、純資産5400万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。オペレーティング・リース事業案件や不動産小口化商品に関するSTO(株式やファンド持ち分などの有価証券を表示したブロックチェーン上で行われるトークンの発行・募集)といったデジタル化の先端技術の事業化などを推し進める。

ケンファーストは2004年に設立。クレジット分野を中心に決済基盤構築、銀行連携、無人精算機など基幹システムの開発を手がける。近年は金融機関向けに、AI(人工知能)を活用したシステムが自動的にテキストや音声で顧客の問い合わせに回答するサービス(チャットボット)でも実績を積んでいる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月22日。

 

 

 

テクノホライゾン・ホールディングス<6629>、FA設備メーカーの新光技研を子会社化

テクノホライゾン・ホールディングスは、FA(ファクトリー・オートメーション)設備を設計・製造する新光技研(愛知県蟹江町)の全株式を取得し子会社化することを決めた。新光技研は1984年設立で、食品、医薬品、自動車業界向けに省力化・自動化機械装置を手がける。

取得価額、取得日は非公表。

 

 

 

ティーガイア<3738>、ネットワークコンサル業務のインフィニティコミュニケーションを子会社化

ティーガイアは、ネットワークシステムのコンサルティング業務を手がけるインフィニティコミュニケーション(IFC、東京都千代田区)の全株式を取得し子会社化した。ネットワーク・エンジニアリング事業への本格参入が狙い。

ティーガイアは法人向けにスマホ・タブレットなどのモバイル機器の販売・調達と光アクセスサービスの提供を主力とする。IFCを傘下に取り込み、モバイル販売とネットワーク構築の間を埋め、法人顧客のスマートインフラ全般に対応できるネットワーク・エンジニアリング事業を拡大する。IFCは2006年に設立。

取得価額、取得日は非公表。

 

 

 

月島機械<6332>、高速撹拌機メーカーのプライミクスを子会社化

月島機械は、高速撹拌機メーカーのプライミクス(兵庫県淡路市。売上高80億円、営業利益3億900万円、純資産20億5000万円)を子会社化することを決めた。同社の持ち株会社であるプライミクスホールディングス(兵庫県淡路市)の全株式を4月30日付で取得する。取得価額は非公表。

プライミクスは1927年に創業。撹拌機専業として、医薬品、化学品、化粧品、食品、電池など幅広い分野で納入実績を持つ。月島機械は同社を傘下に取り込むことで、化学的分離操作法の一つである晶析技術の高度化や医薬品・化粧品分野での技術領域の拡大につなげる。成長が見込まれる二次電池製造関連設備でのノウハウ補完や営業連携も期待している。

 

 

 

エス・サイエンス<5721>、建築工事のなごみ設計を子会社化

エス・サイエンスは、建築工事業のなごみ設計(横浜市。売上高7億2400万円、営業利益△700万円、純資産1900万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。主力事業の一つである不動産関連事業と連携を進め、経営基盤の強化につなげる。

エス・サイエンスはニッケル事業、不動産事業、教育事業を3本柱とする。なかでもニッケルは国際市況商品で、仕入金額や売上高が大きく変動することがあり、安定した収益体制の確保に向けて新たな事業展開を課題としている。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

ツナググループ・ホールディングス<6551>、人材領域のWeb開発を手がけるGEEKを子会社化

ツナググループ・ホールディングスは、人材領域のWeb開発を手がけるGEEK(東京都千代田区。売上高1億5900万円、営業利益74万円、純資産2700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。祖業であるRPO(採用業務アウトソーシング)サービスの向上などにつなげるのが狙い。

取得価額は1億4100万円。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

三谷産業<8285>、水処理薬品・装置販売の長野サラヤ商会を子会社化

三谷産業は、水処理薬品や水処理装置の販売・設置工事を手がける長野サラヤ商会(長野市)の全株式を取得し子会社化した。26日付。環境ビジネスの拡大や新たな市場開拓が狙い。長野サラヤは長野県内で官庁、病院、老人ホーム・介護施設、宿泊施設をはじめ強固な顧客基盤を持つ。取得価額は非公表。

 

 

 

グッドライフカンパニー<2970>、スペースエージェントから「収益物件.com」アプリ事業を取得

グッドライフカンパニーは、不動産関連情報サービス会社のスペースエージェント(東京都渋谷区)から不動産投資家向け収益物件・セミナー情報サービス「収益物件.com」アプリと関連コンテンツを事業取得することを決めた。主力の投資用新築一棟賃貸マンションを中心とする不動産投資の需要家向けサービスの向上が目的。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月30日。

 

 

 

鉄人化計画<2404>、ラーメン「直久」を子会社化

鉄人化計画は、ラーメン店「直久」を展開する直久(東京都中央区。売上高7300万円、営業利益△300万円、純資産800万円)の全株式を取得し子会社化する当時に、子会社化した直久を通じて直久の親会社であるフククルフーズ(福岡市)のラーメン事業を取得することを決めた。いずれも4月1日付。首都圏で「カラオケの鉄人」を運営する鉄人化計画は店舗の展開地域や顧客層などの点でラーメン事業との相乗効果が見込めると判断した。

直久は創業から100年を超える歴史を持ち、都内繁華街を中心に一都三県に約20店舗(フランチャイズ店舗を含む)を展開する。親会社であるフククルフーズは直久を子会社として抱えるほか、自社でラーメン事業(都内4店舗、神奈川県1店舗)や居酒屋などを営むが、近年、厳しい業績が続いていた。

株式・事業の取得価額は非公表。

 

 

 

フレアス<7062>、レイスヘルスケアの訪問マッサージフランチャイズ事業を取得

フレアスは、レイスヘルスケア(神戸市)から訪問マッサージ治療院フランチャイズ事業を取得することを決めた。対象事業を会社分割して承継する新設会社オルテンシアハーモニー(神戸市)の全株式を取得する形とする。レイスヘルスケアは訪問マッサージ事業をフランチャイズ展開し、全国172拠点(1月末)の運営管理を手がける。

フレアスは全国103拠点で訪問マッサージ事業をフランチャイズを含めて展開している。同業大手の事業を取り込み、在宅マッサージ業界でのシェア拡大を目指す。

取得価額は5億1000万円。取得予定日は2020年6月1日。

 

 

 

三菱商事<8058>と中部電力<9502>、オランダの総合エネルギー会社「エネコ」を約5000億円で買収

三菱商事と中部電力は25日、欧州で総合エネルギー事業を展開するオランダのエネコ(ロッテルダム)を買収したと発表した。三菱商事が80%、中部電力が20%出資して設立した新会社が全株式を41億ユーロ(約5000億円)で取得した。両社は昨年11月に買収の優先交渉権を獲得していた。エネコはオランダほか、ベルギー、ドイツなどで電力・ガス・熱併給のエネルギー事業を広範に展開している。再生可能エネルギーの普及に伴う小規模分散電源に関する技術力・ノウハウなどを取り込む。

エネコの全株式はオランダ国内44自治体が保有していたが、これを三菱商事と中部電力の共同出資会社のダイヤモンド・チューブ・ヨーロッパ(アムステルダム)が100%取得した。

 

 

 

テイ・エス テック<7313>、ホンダ系ディーラーのホンダカーズ埼玉北を子会社化

テイ・エス テックは、ホンダ系の自動車ディーラー、ホンダカーズ埼玉北(埼玉県熊谷市。売上高124億円、営業利益5億3100万円、純資産42億円)の全株式をショーワから取得し、子会社化することを決めた。ホンダカーズ埼玉北は埼玉県北部に新車販売店9拠点、中古車販売店1拠点を持つ。テイ・エス テックはホンダ系の4輪シート部品メーカー。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年5月15日。

 

 

 

三井製糖<2109>と大日本明治製糖が2021年4月に経営統合、日本甜菜製糖とは資本業務提携へ

三井製糖と大日本明治製糖(東京都中央区)は25日、2021年4月に経営統合することで協議を始めたと発表した。また、統合後の持ち株会社は日本甜菜製糖の株式を約10%程度取得し、資本業務提携する予定。「スプーン印」で知られる業界トップの三井製糖を軸に、準大手が結集する。人口減や甘味需要の多様化といった国内市場の変化に加え、TPP(環太平洋連携協定)などによる国際的な競争が激化する中、事業基盤を一層強化する。

大日本明治製糖は1895(明治28)年に創業し、現在、三菱商事の全額出資子会社。三井製糖はまず株主交換によって大日本明治を完全子会社する。株式交換と同時に、三井製糖は会社分割によって持ち株会社化し、事業は新設会社(新・三井製糖)が承継する。持ち株会社が上場を継続する。持ち株会社の名称や本社所在地、役員構成や統合比率などは今後、三井製糖と大日本明治が協議して決定する。

三井製糖、大日本明治、日本甜菜の3社は経営統合と資本業務提携により、生産技術や品質、コスト管理、物流・原料調達などの経営ノウハウを持ち寄り、安定的な国内供給体制の基盤強化と同時に、国際競争力を高め、厳しい市場環境を乗り切る。

2019年3月期の業績は、三井製糖=売上高1052億円、営業利益37億円、純資産950億円、大日本明治=売上高334億円、営業利益25億円、純資産225億円、日本甜菜=売上高579億円、営業利益15億円、694億円。

 

 

 

シャープ<6753>、ディスプレー・プロジェクター製造のNECディスプレイソリューションズを子会社化

シャープは25日、NEC傘下でビジネス分野向けに液晶ディスプレー・プロジェクターなど映像表示装置を製造するNECディスプレイソリューションズ(NDS、東京都港区。売上高632億円、営業利益△2億5100万円、純資産57億5000万円)の株式66%を取得し、7月1日付で子会社化すると発表した。取得価額は92億4000万円。引き続き34%の株式を保有するNECと共同運営する。

シャープはビジネス分野で使われる液晶ディスプレー、電子黒板、プロジェクター、8K関連商品などで国内に強みを持つ。欧米を中心にグローバル展開するNDSと相互補完関係が見込めると判断した。具体的には両社販路の相互活用、LED(発光ダイオード)ディスプレーや8K、5G(次世代通信)を組み合わせた新規領域の拡大、コスト競争力の向上などを通じて事業拡大を目指す。

 

 

 

エプコ<2311>、藤田エンジニアリング傘下で太陽光発電設置工事のシステムハウスエンジニアリングを子会社化

エプコは、藤田エンジニアリング傘下で太陽光発電システムの設置工事を手がけるシステムハウスエンジニアリング(埼玉県戸田市。売上高7億3000万円、営業利益2760万円、純資産4億3400万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。太陽光発電システムや蓄電池など省エネ工事の施工体制を強化するのが狙い。

エプコは2017年、東京電力エナジーパートナーと共同出資で、省エネ関連工事会社TEPCOホームテック(東京都墨田区)を設立。TEPCOホームテックの事業成長を補完するため、工事会社の取り込みを検討していた。取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月30日。

一方、藤田エンジニアリングは再生可能エネルギーをめぐる政府の政策転換などで太陽光発電市場を取り巻く環境が厳しさを増しているのに対応し、グループ内の事業を見直すことにした。

 

 

 

 

ヤマダ電機<9831>、ナック傘下で注文住宅のレオハウスを子会社化

ヤマダ電機は24日、注文住宅建築のレオハウス(東京都新宿区。売上高344億円、営業利益△6億5200万円、純資産△3億500万円)を買収することで基本合意したと発表した。親会社でダスキン代理店最大手のナックから5月中旬に全株式を取得し、完全子会社化する。取得金額は未定。住宅や家具、リフォームなどの売場を充実した新業態「家電住まいる館」の展開を加速する。

ヤマダ電機は少子高齢化や人口減、ネット社会の進展などを踏まえ、家電販売にとどまらず、「暮らしまるごと」をコンセプトに打ち出し、住関連のM&Aを推進してきた。2011年に中堅住宅メーカーのエス・バイ・エル(現ヤマダホームズ、群馬県高崎市)、12年にキッチン・バスなど住宅設備メーカーのハウステック(群馬県高崎市)、17年に住宅リフォームのナカヤマ(その後、吸収合併)、19年末には大塚家具を子会社化した。

今回傘下に収めるレオハウスは2006年に設立。親会社のナックはレンタル事業を中心に宅配水、住宅、建築コンサルティング、美容・健康事業を5本柱に多角経営を進めてきたが、住宅着工戸数の減少が続く中、住宅事業の中核子会社であるレオハウスは受注の落ち込みなどで赤字が常態化していた。

 

 

 

FCコンサルタント<6542>、建設コンサルタントの地球システム科学を子会社化

FCホールディングスは、建設コンサルタントの地球システム科学(東京都新宿区。売上高9億2800万円、営業利益8400万円、純資産2億3200万円)の株式96.9%を取得し子会社化することを決めた。

地球システム科学は1991年に設立。海外で国際協力機構(JICA)などとの連携でODA(政府開発援助)事業の計画策定や調査、設計、技術協力プロジェクト業務、国内では地質・土木関連の調査、物理探査、防災関連業務などを手がける。

FCホールディングスは道路、交通、鉄道を主力分野として建設コンサルタント業務を展開。近年は防災や河川などの水資源事業や環境ビジネスを広げている。同業ながら、得意分野が異なる地球システム科学を傘下に取り込み、国内外での事業拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月3日。

 

 

 

スカラ<4845>、就職支援や地方創生事業のグリッドグループホールディングスを子会社化

スカラは、就職支援事業や地方創生事業を手がけるグリッドグループホールディングス(東京都新宿区。売上高19億9000万円、営業利益3100万円、純資産4100万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。取得価額は5億1500万円。取得予定日は2020年4月1日。

グリッドグループは1997年に体育会専門就職支援事業をスタートし、現在ではスポーツビジネス、子ども教育、地方創生などに取り組んでいる。全国約600の自治体、国内477大学と取引実績を持つほか、ミャンマーでは子ども教育事業やフィンテック事業を展開中という。

スカラはグリッドグループを傘下に取り込むことで、地方創生や海外ビジネス、就職支援事業で相乗効果を見込めると判断した。スカラは神戸市や東京都渋谷区など自治体のデジタル化推進に力を入れているほか、ミャンマーではシステム開発の拠点を持つ。

 

 

 

永大産業<7822>、ノーリツ子会社のアールビーからシステムキッチン・洗面化粧台事業を取得

永大産業は、ノーリツの住設機器製造子会社アールビー(茨城県土浦市)からシステムキッチンと洗面化粧台に関する事業を7月1日付で取得することを決めた。システムキッチンの協力工場であるアールビーのキッチンライフ事業所(前橋市)の一部事業を引き継ぐ内容。永大産業は受け皿会社として関東住設産業(前橋市)を4月中旬に設立する。事業の取得価額は非公表。ノーリツは住設分野からの撤退を柱とする国内事業の構造改革を進めている。

 

 

 

ワッツ<2735>、中国で均一ショップ「小物家園」運営する現地子会社をM.Y.Yに譲渡

ワッツは、中国で均一ショップ「小物家園」を運営する全額出資子会社の上海望趣商貿易有限公司(上海市。売上高2億7500万円、営業利益△1540万円、純資産△6190万円)の全株式を、訪問看護・介護事業のM.Y.Y(大阪府枚方市)に譲渡することを決めた。2013年から「小物家園」や催事販売などを現地で展開してきたが、事業の立て直しが困難と判断した。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は未確定。

 

 

 

 

プロスペクト<3528>、太陽光発電所の運営子会社5社を売却

プロスペクトは、太陽光発電所を保有・運営する合同会社朝来メガソーラー(発電所所在地:兵庫県朝来市、パネル出力約1.1メガワット)など5子会社の全出資持ち分を売却することを決めた。譲渡先、譲渡価額は非公表。2020年3月期決算に約5億5000万円の子会社出資金売却益を特別利益として計上する予定。譲渡日は3月23日。

売却する発電所は朝来のほか、プロスペクト牛久(茨城県牛久市。約1.8メガワット)、プロスペクト香取(千葉県香取市、約2.0メガワット)、プロスペクト仙台(仙台市、約1.8メガワット)、プロスペクト徳次郎(宇都宮市、約4.8メガワット)。

プロスペクトは太陽光発電所に関して売電開始後長期保有せず、将来のキャッシュフローを見据え、最大利益を獲得できるタイミングでの売却を検討していた。今回の売却により、稼働中の発電所は6カ所となる。

 

 

 

フォートレス、140日間に及んだユニゾTOB不成立に

米投資会社のフォートレス・インベストメント・グループは19日、不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対して18日まで1株5200円で実施していたTOB(株式公開買い付け)の結果を発表した。発行済み株式の3分の2にあたる2281万3500株を買付予定数の下限としていたが、応募株数は52万973株(約2.2%)にとどまり、TOBは不成立に終わった。

フォートレスは昨年8月にユニゾに対するTOBを開始。買付価格は当初4000円で、その後、昨年11月に4100円、今年1月に5200円に引き上げた。買付期間は14度延長され、140営業日に及んだ。しかし、この間、ユニゾ株価はフォートレスが提示した買付価格を上回る高値圏が続き、TOB成立が困難な状況にあった。

ユニゾをめぐっては別に、ユニゾ従業員による買収(EBO)を目的とするTOBが昨年12月から進行中。買付価格は1株6000円で、買付期間は4月2日まで。

 

 

 

 

エアトリ<6191>、 FAST JAPANから訪日観光客向けコンシェルジュアプリ「Tabiko」を取得

エアトリは、子会社のインバウンドプラットフォーム(東京都港区)を通じて、 FAST JAPAN(東京都渋谷区) から訪日観光客向けチャット型コンシェルジュアプリ「Tabiko (タ ビコ)」事業を3月1日付で取得した。インバウンドプラットフォームが手がける訪日観光客向けポケットWi-Fiのレンタル、キャンピングカーのレンタルなどとの相乗効果を見込む。取得価額は非公表。

Tabikoは旅のプランニングから各種予約まで、日本各地の観光情報に精通したコンシェルジュがチャットでサポートするもので、2017年2月にサービス提供を開始。英語と中国語の 2言語に対応し、世界各国のApp StoreとGoogle Play Storeからダウンロードできる。

 

 

 

長野計器<7715>、金属研磨・切削加工のヤハタを子会社化

長野計器は、金属研磨・切削加工のヤハタ(茨城県筑西市。売上高2億100万円、営業利益408万円、純資産1億1200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ヤハタは1964年設立で、マグネシウムダイカスト部品の加工で高い技術力を持つ。長野計器は主力部門の一つであるダイカスト事業の生産性・品質向上を見込む。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

大伸化学<4629>、タンクローリー・コンテナ運送の山崎梱包運輸を子会社化

大伸化学は、運送業の山崎梱包運輸(埼玉県越谷市。売上高6億4900万円、営業利益1800万円、純資産1億6200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。大伸化学は各種シンナー製造の専業最大手で、山崎梱包(設立1974年)は長年、大伸化学の東日本地域でのタンクローリー、コンテナ、ドラム缶、石油缶の配送を手がけている。

大伸化学は山崎梱包を傘下に取り込み、有機溶剤製品の安定供給や即納、品質管理体制をより強固にする。今回の物流基盤強化は将来の事業領域の拡大に備える狙いもある。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月1日。

 

 

 

 

ゲンダイエージェンシー<2411>、シンガポールのカジノ運営受託子会社を個人投資家に譲渡

ゲンダイエージェンシーはシンガポール子会社でカジノ運営受託を手がけるGDLH Pte.Ltd.(売上高5800万円、営業利益△1億5000万円)の全株式をシンガポール在住の個人投資家Seah Chye Tian氏に譲渡することを決めた。GDLHは2017年2月設立で、現在債務超過状態。ゲンダイエージェンシーは同社に80%を出資する。譲渡価額は400米ドル(約4万3600円)。譲渡予定日は2020年3月中。2020年3月期決算に関係会社売却損として約1億3800万円を計上する。

 

 

 

ITbookホールディングス<1447>、RIZAP傘下で婦人服の三鈴を子会社化

ITbookホールディングスは19日、RIZAPグループ傘下で婦人服・服飾雑貨の三鈴(東京都品川区。売上高25億2000万円、営業利益△2億5500万円、純資産3億4200万円)の全株式を取得し、31日付で子会社化すると発表した。取得価額は2億3600万円。ITbookはEC(電子商取引)システム構築の業務受託で蓄積してきた技術・ノウハウを活用し、EC販売の強化などを通じて三鈴の事業拡大につなげる。

三鈴は1970年に設立し、主に20代から30代の女性をターゲットに「Rewde」「SHOP DADA」などのブランドを展開。2016年4月に買収により、RIZAPグループの傘下となった。グループ入り後、オフィスアパレルのカジュアル化の流れに対応し、主力ブランドのリブランディング(ブランド再構築)を進めてきたが、功を奏せず、業績が低迷していた。このため、RIZAPは事業構造改革の一環として三鈴を切り離すことにした。

ITbookはシステム構築・ソフト開発子会社の東京アプリケーションシステム(新潟市)を通じて、三鈴を傘下に収める。

 

 

 

三井松島ホールディングス<1518>、傘下の花菱縫製とメルボグループのオーダースーツ事業を統合へ

三井松島ホールディングスは18日、連結子会社でオーダースーツ老舗の花菱縫製(さいたま市)とメルボ紳士服工業(大阪府枚方市)などを中核とするメルボグループのオーダースーツ事業を統合することで基本合意したと発表した。三井松島が66%、メルボの創業家側が34%を保有する事業持ち株会社を設立し、花菱縫製など対象3社を傘下に置く。オフィスウエアのカジュアル化でスーツ業界を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、オーダースーツの“両雄”が手を組み、競争力を高める。

事業持ち株会社の下に配置するのは花菱縫製、メルボ紳士服工業、メルボメンズウェアー(大阪市)の3社。統合時期や統合後の経営体制などについて今後協議を進める。

花菱縫製は1935年創業し、国内で初めてオーダースーツ生産の工業化を実現したことで知られる。現在国内に5カ所の自社縫製工場、20カ所の直営店があり、「HANABISHI」ブランドを展開している。一方、メルボメンズウェアーは「麻布テーラー」「TAILOR FIELDS」ブランドを展開し、国内35店舗。生産部門のメルボ紳士服工業は2工場を持つ。

 

 

 

イワキ<8095>、鳥居薬品の佐倉工場を取得

イワキは子会社の岩城製薬(東京都中央区)を通じて、鳥居薬品の佐倉工場(千葉県佐倉市)を取得することを決めた。佐倉工場の事業を移管するために鳥居薬品が全額出資で4月に設立する分割新会社の全株式を取得し子会社化する形とする。佐倉工場は1977年に操業し、外用剤、経口剤、アレルゲン製剤などを製造し、従業員は77人。

対象事業を取得する子会社の岩城製薬は医薬用医薬品・一般医薬品や原薬・化成品などを主力製造品とする。かねて医療用医薬品の製造能力の増強を検討しており、今回の佐倉工場とは事業の補完性や親和性が高いと判断した。

取得価額は11億円。取得予定日は2020年7月1日。

 

 

 

アークランドサービスホールディングス<3085>、タイ料理専門店「マンゴツリー」など経営のミールワークスを子会社化

アークランドサービスホールディングスは、タイ料理専門店「マンゴツリー」やシーフードレストラン「ダンシングクラブ」を中心に飲食店を経営するミールワークス(東京都目黒区。売上高53億円、営業利益9300万円、純資産600万円)の株式70%を取得し子会社化することを決めた。アークランドはとんかつ専門店「かつや」を主力とする。両社の飲食店経営のノウハウやフランチャイズチェーン本部の運営ノウハウなどを結集し、新たな事業の拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月30日。

 

 

 

ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>、わかめ・ひじき・めかぶ製品の香り芽本舗を子会社化

ヨシムラ・フード・ホールディングスは、わかめやひじき、めかぶ製品の加工・販売を手がける香り芽本舗(島根県出雲市。売上高8億2900万円、営業利益5300万円、純資産11億2000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。取得価額は10億7300万円。取得予定日は2020年5月1日。

香り芽本舗は1967年に設立し、主力商品であるソフトタイプの「わかめふりかけ」や「ひじきふりかけ」、「わかめスープ」「わかめごはんの素」などを品ぞろえし、自社商品のほかOEM(相手先ブランド生産)にも対応している。

ヨシムラ・フードは事業承継問題や単独での成長に限界を感じている中小食品企業をグループ化(現在16社)し、各子会社の営業、製造、仕入れ・物流、商品開発、品質管理などの各機能をグループ内で共有・活用し、相互の成長を後押しする事業モデルを確立している。

 

 

 

アクロディア<3823>、ビンゴ会場運営のグアム島TTKを子会社化

アクロディアは、グアム島でビンゴ会場を運営する現地TTK,LLC(資本金1万ドル)を取得した。グアム島でのビンゴ関連取扱高は年間100億円規模とされる。TTKは島内に5つあるビンゴ会場のうちプルメリアビンゴを手がけ、アクロディアがビンゴシステムを提供している。アクロディアはTTKを傘下に取り込み、グアム島でビンゴ事業を直営する。

取得価額、取得日は非公表。

 

 

 

パートナーエージェント<6181>、挙式披露宴後の二次会プロデュースを手がけるpmaを子会社化

パートナーエージェントは、挙式披露宴後の二次会プロデュースを手がけるpma(東京都品川区。純資産△3900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。pmaは挙式披露宴後の二次会プロデュース大手のオーセモーション・プロダクツ(東京都渋谷区)の会社分割により2019年9月に新設され、東京、神奈川の事業を承継した。取得価額は1000円。取得予定日は2020年4月1日。

パートナーエージェントは婚活サービス大手。pmaと業務提携し、提携会場や取引先の相互乗り入れ、相互送客など協業を進めてきたが、傘下に取り込むことで、挙式披露宴後の二次会領域での事業拡大を目指す。

 

 

 

インタースペース<2122>、学習塾サイト「塾シル」運営のユナイトプロジェクトを子会社化

インタースペースは、学習塾ポータルサイト「塾シル」運営のユナイトプロジェクト(東京都渋谷区。売上高1450万円、営業利益△5020万円、純資産△4610万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。インタースペースは日本最大級のママ向けコミュニティーサイト「ママスタジアム」を運営する。ユナイトプロジェクトを傘下に取り込み、教育メディア分野の事業拡大を目指す。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月13日。

 

 

 

ポート<7047>、リブセンスから新卒就活生向け情報サイト「就活会議」を取得

ポートは、リブセンスが運営する新卒就活生向け情報サイト「就活会議」を取得することを決めた。対象事業を移管するためにリブセンスが全額出資で設立する新会社「就活会議」(東京都品川区)の全株式を取得し、子会社化する。ポートは就活生向け情報サイト「キャリアパーク!」(会員約28万人)を展開するが、同種サイトの就活会議(会員約18万人)を取り込むことにより、会員数は単純合計で就活生の約3分の2をカバーする日本有数の規模となる。

就活会議は2015年にサービスを開始し、企業の口コミ情報、企業のエントリーシートや面接、企業別の選考状況などに関する情報をサイト上に掲載する。当該事業の直近売上高は2億1700万円。

取得価額は15億円。取得予定日は2020年5月1日。

 

 

 

全国保証<7164>、セディナの住宅ローン保証事業を取得

全国保証は、カード・信販事業を手がけるセディナ(名古屋市)から住宅ローン保証事業の一部を取得することを決めた。28億5300万円分の保証債務を6月1日に1円で取得する。全国保証は住宅ローン保証事業を主力とし、国内13店舗を展開中。保証債務残高を増やし、業容拡大につなげる。

 

 

 

JMDC<4483>、ノーリツ鋼機傘下で診療報酬ファクタリング事業のエヌエスパートナーズを子会社化

JMDCは、診療報酬ファクタリング事業のエヌエスパートナーズ(東京都港区。売上高15億2000万円、営業利益7億2900万円、純資産8億6900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。病院の臨床評価や経営評価、地域医療連携や地域包括ケアシステムの取り組み強化など医療機関向けサービスの拡充が狙い。

エヌエスパートナーズは2010年にノーリツ鋼機が全額出資で設立。国内医療機関に対し、資金調達ニーズにこたえる診療報酬債権ファクタリングを中心に、運営体制やマーケティング・集患、採用支援などのコンサルティングサービスを手がける。

JMDCは健康保険組合が保有するレセプトデータ、健診データを匿名加工したデータの利活用を事業の柱とし、現在、データの種類の拡大に注力中。その一環として医療機関とのネットワーク構築に取り組んでおり、医療機関との緊密なつながりを持つエヌエスパートナーズを傘下に取り込むことで、シナジー(相乗効果)獲得を見込む。

取得価額は44億5500万円。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

ダブルエー<7683>、婦人靴の卑弥呼を子会社化

ダブルエーは、婦人靴専門店の卑弥呼(東京都渋谷区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。卑弥呼は高価格帯ブランドとして知られ、全国の百貨店を中心に57店舗を展開する。ダブルエーは自社で企画・開発し海外の委託工場で生産する婦人靴の製造小売りで成長してきた。高価格帯ブランドを取り込み、品ぞろえを拡充する。

卑弥呼は1973年に創業し、「HIMIKO」ブランドで婦人靴を展開。2000年初頭には売上高100億円を達成し、2004年はジャスダックに上場。しかし、同業との競争激化やアパレルなど隣接業態からの参入などで業績が低迷。2016年に投資会社リサ・パートナーズ(東京都港区)の子会社が卑弥呼に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、卑弥呼は上場廃止した。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年5月1日。

 

 

 

日本ドライケミカル<1909>、消防機器メーカーの韓国Masteco Industryを子会社化

日本ドライケミカルは、消防機器メーカーの韓国Masteco Industry(売上高54億9000万円、営業利益2億9900万円、純資産14億3000万円)を子会社化することを決めた。第2位株主の日本ドライケミカルは、Masteco筆頭株主で代表理事の Juhwan Oh氏による同社資本構成の再編(ファンド2社からの株式取得など)を資金面から支援。この結果、所有割合が51.66%となった同氏は、日本ドライケミカルと同一の議決権を行使する緊密者にあたると判断し、Mastecoを子会社の扱いとする。同氏への貸付額は300億ウオン(28億1400万円)。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

「休廃業・解散」動向調査(2020年2月公開分)

 

 

 

◇群馬県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は3年連続減少、前年比4.4%減の498件
~ 「休廃業・解散」は「法的整理」の5.7倍に ~

※詳細はこちら

 

◇秋田県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の休廃業・解散は181件
~ 「休廃業・解散」の件数は「倒産」件数の4.4倍 ~

※詳細はこちら

 

◇山形県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」 前年をピークとして減少に転じる、前年比6.9%減の284件
~ 一方、 「解散」の合計は120件と増加へ ~

※詳細はこちら

 

◇和歌山県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は226件、2年連続で増加
~ 「倒産」と「休廃業・解散」ともに2018年に続き2年連続で増加 ~

※詳細はこちら

 

◇多摩地区「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の休廃業・解散は前年比14.0%増の398件

※詳細はこちら

 

◇栃木県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年に消滅した企業は505社
~ 「休廃業・解散」高水準、新設企業は「未稼働」の構図強く ~

※詳細はこちら

 

◇愛知県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」1156件、3年ぶりの増加
~ 代表者「60代」以上が8割、高齢化傾向続く ~

※詳細はこちら

 

◇佐賀県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業」 リーマン・ショック以降で最少、前年比28.6%減の130件
~「休廃業・解散」の合計は206件、2年ぶりの減少~

※詳細はこちら

 

◇神奈川県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の「休廃業・解散」 1067件、3年連続減少
~業種別では「建設業」がトップ~

※詳細はこちら

 

◇長崎県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の「休廃業・解散」は281件
~倒産件数の8.5倍~

※詳細はこちら

 

◇千葉県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は791件、「倒産」の約3.2倍
~代表者の年代別、「70代」以上で5割超え~

※詳細はこちら

 

◇四国地区 「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散982件、5年ぶりの増加
~業種別、「建設業」が268件で最多~

※詳細はこちら

 

◇茨城県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の「休廃業・解散」は483件、倒産件数の約3.5倍
~「建設業」が全体の4割以上~

※詳細はこちら

 

◇長野県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は434件、3年ぶりに増加
~対「倒産」件数倍率は5.6倍、調査開始以来最大に~

※詳細はこちら

 

 

 

 

 

 

情報提供元(出所):株式会社帝国データバンク

[解説ニュース]

民法における養子の取扱い

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田 房枝/税理士)

 

 

[関連解説]

■相続税法における養子の取扱い

■民法改正 ~特別の寄与~

 

 

1. 「普通養子縁組」と「特別養子縁組」


民法上、養子縁組には、実の血族との親族関係が終了しないいわゆる「普通養子縁組」と、実の血族との親族関係が終了する「特別養子縁組」とがあります。それぞれの主な違いをまとめると次表のとおりです。

 

 

※1 ただし、配偶者のある者が未成年者(2022年4月1日以降は18歳未満の者)を養子とするには、配偶者とともにしなければならない(配偶者の嫡出子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合を除く)。また、配偶者のある者が縁組をするには、その配偶者の同意が必要(配偶者とともに縁組をする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合を除く)。
※2 未成年者(2022年4月1日以降は18歳未満の者)を養子とするには、家庭裁判所の許可が必要(自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合を除く)。
※3 2022年4月1日以降も同じ。「18歳以上」とはならない。

 

 

2. 普通養子縁組における、養子の子(F)と、養子の親(A・B・C・D)との関係


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3. 節税目的でされた養子縁組の効力


節税目的でされた養子縁組の効力に関し、最高裁の平成29年1月31日判決においては、相続税の節税の動機と縁組をする意思とは、併存し得るとされ、専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても、直ちに当該養子縁組について無効とはならないとされました。

 

 

4. 最後に


本稿では、民法における養子の主な取扱いをご紹介しました。上記1の表「親の死亡時(相続)」に記載のとおり、養親が死亡した場合には、その養子縁組が普通養子縁組であったとしても特別養子縁組であったとしても、民法上は、養子はその養親の相続人(子)として取り扱われ、その相続分は実子と変わりません。
一方、税務上は、養子の数を増やすことで公平性が損なわれること等があるため、普通養子縁組やいわゆる孫養子の場合には一定の規定が設けられています。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/03/23)より転載

[解説ニュース]

被相続人が相続開始直前に老人ホームに入居していた場合の「相続した空き家の敷地に係る譲渡所得の特別控除」

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

1. 特例の概要


相続の開始の直前において、被相続人のみが主として居住の用に供していた家屋で、昭和56年5月31日以前に建築されたも(区分所有建築物を除く。以下「被相続人居住用家屋」)及びその敷地の両方を相続又は遺贈により取得した個人が、被相続人居住用家屋を取壊した後にその敷地を譲渡した場合は、一定の要件を満たすことにより、所得税の計算上、譲渡所得の金額から最大3,000万円を控除できる特例が設けられています(租税特別措置法(措法)35条第3項2号、4項、措法施行令23条6項。以下この特例を「本特例」といいます)。

 

 

 

2. 被相続人居住用家屋の意義


この特例の対象となる「被相続人居住用家屋」とは、次の①~③のすべての要件を満たす家屋をいいます(措法35条4項)。

 

①相続開始の直前において、被相続人の居住の用に供されていた家屋であること。
②昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物を除きます。)であること。
③相続の開始の直前において、被相続人以外に居住をしていた者がいなかったものであること。

 

 

 

3. 被相続人が相続開始の直前に老人ホームに入居していた場合の本特例の適用


(1) 被相続人居住用家屋とその敷地の対象の拡大

上記2①より、「被相続人居住用家屋」は相続開始の直前に被相続人の居住の用に供されていた家屋であることが要件とされ、老人ホームに入居中に 相続が開始した場合は、被相続人が入居前に住んでいた自宅は相続開始の直前に被相続人の居住の用に供されていないことから、被相続人居住用家屋に該当しません。しかし高齢者が自宅を離れ老人ホームに入居後に元の自宅に戻る場合や、元の自宅を家財置き場等として使用する場合があり、生活の本拠が完全に老人ホームに移ったとは言えないケースもあります。そこで被相続人が相続開始の直前に老人ホームに入居したときでも、一定の要件を満たす場合には元の自宅が「被相続人居住用家屋」に該当するものとして、本特例の適用が認められています。

 

具体的には、本特例の適用対象となる被相続人居住用家屋およびその敷地として、「”『対象従前居住の用』に供されていた”被相続人居住用家屋およびその敷地」が含まれることとされています。 (措法35条4項、措法施行令23条7項、6項)

 

(2)「対象従前居住の用」の意義

「対象従前居住の用」とは、 [1]次の①~③の要件を満たし、かつ[2]下記(3)の特定事由により相続の開始直前において家屋が被相続人の居住の用に供されていなかった場合における、その特定事由により居住の用に供されなくなる直前のその被相続人の居住の用をいいます。

 

①特定事由により、被相続人居住用家屋が被相続人の居住の用に供されなくなった時から相続の開始の直前まで、引き続き被相続人居住用家屋がその被相続人の物品の保管その他の用に供されていたこと
②特定事由により、被相続人居住用家屋が被相続人の居住の用に供されなくなった時から相続の開始の直前まで、その被相続人居住用家屋が事業の用、貸付けの用又は被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。
③被相続人が、(3)①の有料老人ホーム等に入居等をした時から、相続開始の直前までの間において、被相続人の居住の用に供する家屋が2以上ある場合には、これらの家屋のうち、その施設等が、被相続人が主としてその居住の用に供していた一の家屋に該当するものであること。

 

(3) 特定事由の意義

特定事由は、次の①又は②の事由をいいます。

 

①介護保険法の要介護認定又は要支援認定を受けていた被相続人が、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、サービス付き高齢者向け住宅等に入居等をしていたこと。
②一定の障害者区分の認定を受けた被相続人が、障害者支援施設等に入居等をしていたこと。

 

(注)上記の要介護認定等を受けていたかどうかは、特定事由により被相続人居住用家屋が被相続人の居住の用に供されなくなる直前において判定します。

 

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/03/16)より転載

[M&Aニュース](2020年3月2日〜3月13日)

◇前田建設工業、敵対的TOB成立し前田道路を19日付で子会社に、◇ソルクシーズ<4284>、クレジット向けコンサルのアリアドネ・インターナショナル・コンサルティングを子会社化、◇ぱど<4833>、浜松支局のフリーペーパー事業や子会社「九州ぱど」などを譲渡へ、◇識学<7049>、プロバスケットB2「福島ファイヤーボンズ」の経営権を取得、◇三栄建築設計<3228>、建売分譲のマックホームを子会社化、◇ユニゾ従業員TOB、買付期間を3月26日まで4度目の延長、◇フィックスターズ<3687>、ソフトウエア並列化サービスのオスカーテクノロジーを子会社化 ほか

 

 

 

 

 

前田建設工業、敵対的TOB成立し前田道路を19日付で子会社に

前田建設工業は13日、前田道路の子会社化を目的としたTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。予定していた株式数を買い付け、従来24.68%だった所有割合を51.29%に高めた。子会社化は公開買い付けの決済開始日である3月19日付。買付代金は861億5500万円。前田道路は「事業へのシナジー(相乗効果)が見込めない」として前田建設によるTOBに反対を表明し、敵対的買収に発展していた。

前田建設は1月21日に、持ち分適用関連会社の前田道路に対してTOBを開始した。買付価格は1株3950円。前田道路は対抗策として2月20日に、総額535億円の特別配当(1株あたり650円の特別配当)を実施する計画を、さらに同27日には同業最大手のNIPPOとの資本業務提携に向けた協議開始を発表し、TOBへの対抗姿勢を鮮明にしていた。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて国内株式相場が全面安となる中、前田道路の株価はTOB期限の3月12日の2752円(終値)まで下落。株価に特別配当分を加えても、買付価格3950円を下回る状況となり、TOB成立が有力視されていた。

 

 

 

ソルクシーズ<4284>、クレジット向けコンサルのアリアドネ・インターナショナル・コンサルティングを子会社化

ソルクシーズは、クレジットカード向けコンサルティングサービスを手がけるアリアドネ・インターナショナル・コンサルティング(東京都港区)の株式76.9%を取得し子会社化することを決めた。ソルクシーズはシステム構築・受託開発事業の競争力強化の一環として、フィンテック事業の推進に向けてクレジット分野のパートナー企業を模索していた。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

 

ぱど<4833>、浜松支局のフリーペーパー事業や子会社「九州ぱど」などを譲渡へ

ぱどは13日、事業構造改革の一環として、浜松支局(浜松市)で手がけるフリーペーパー事業、フリーペーパー子会社の九州ぱど(福岡市。売上高2億4800万円、営業利益△1500万円、純資産1億800万円)、インターネット広告子会社のぱどラボ(東京都千代田区。売上高1億9500万円、営業利益1200万円、純資産9100万円)をそれぞれ譲渡する方針を発表した。いずれも譲渡先、譲渡金額、時期は未定。

ぱどはフリーペーパー事業の業績低迷に伴い、収益改善に向けて営業・制作拠点や本社機能の再編、発行エリアの見直し、子会社再編などを推進中。昨年12月にはRIZAPグループ傘下を離れた。

ぱどの2020年3月期業績予想は売上高110億円(前期79億9700万円)、営業損失2億9000万円(同1億9700万円の損失)、最終損失2億9600万円(同5億2300万円の損失)。

 

 

 

 

識学<7049>、プロバスケットB2「福島ファイヤーボンズ」の経営権を取得

識学は12日、Bリーグ2部(B2)のプロバスケットボールチーム「福島ファイヤーボンズ」を運営する福島スポーツエンタテインメント(福島県郡山市。売上高2億1600万円、営業利益190万円、純資産△6330万円)が実施する第三者割当増資を引き受け、株式56.4%を取得し、4月1日付で子会社化すると発表した。取得価額は8960万円(アドバイザリー費用460万円を含む)。福島ファイヤーボンズは2020年6月期末までに債務超過を解消できなければ、シーズンの成績にかかわらず、Bリーグのクラブライセンスを失う窮地にある。

識学は、独自の「識学」理論に基づく組織コンサルティングを手がけ、1400社を超える企業を顧客とする。近年は企業以外に、スポーツチームにも組織コンサルティングを提供している。2019年に「識学」講師をコーチとして派遣した立教大学ラグビー部はAグループ昇格、早稲田大学ラグビー部は全国大会優勝という結果を残した。

今回の子会社化を通じて、組織改善に向けたノウハウを導入し、運営会社の福島スポーツの業績向上とチームの成績向上を実現するとしている。

 

 

 

 

三栄建築設計<3228>、建売分譲のマックホームを子会社化

三栄建築設計は、建売分譲を主力とするマックホーム(埼玉県朝霞市。売上高74億8000万円、営業利益2億9900万円、純資産11億4000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

マックホームは2002年に設立し、朝霞市、志木市、和光市、新座市の埼玉県南部を中心とするハウスビルダー。三栄は中期経営計画「MELDIA ACTION PLAN2021」の中で分譲住宅供給5000棟を掲げており、マックホームを傘下に取り込み、計画達成に弾みをつける。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月下旬。

 

 

 

 

ユニゾ従業員TOB、買付期間を3月26日まで4度目の延長

不動産・ホテル業のユニゾホールディングに対し、従業員による買収(EBO)を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施中のチトセア投資(東京都中央区)は11日、3月18日までとしていた買付期間を3月26日まで5営業日延長すると発表した。昨年12月24日にTOBを始めて以来、買付期間の延長は4度目。1株5700円の買付価格については変更していない。

11日のユニゾ株の終値は前日と同じ5610円。ユニゾ株は終値で2月下旬に6010円の高値に上昇したが、折からの新型コロナウイルスの感染拡大を受けて株式市場全体が値を下げる中、3月9日の終値は5680円と買付価格を下回る水準まで低下。翌10日は5610円に続落した。これにより、TOB成立に向けて見通しが開け得る株価情勢となっている。

ユニゾをめぐっては別に、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOBが1株5200円で同時進行中で、買付期間は3月18日。

 

 

 

 

フィックスターズ<3687>、ソフトウエア並列化サービスのオスカーテクノロジーを子会社化

フィックスターズは、ソフトウエアの並列化サービス・コンサルティングを手がけるオスカーテクノロジー(東京都新宿区。売上高1億1200万円、営業利益△1億3100万円、純資産5000万円)の株式52.88%を取得し子会社化することを決めた。両社のマルチコアプロセッサー関連の技術を融合し、大量データの高速処理や省電力化につながるソフトウエアの提供につなげる。

今回子会社化するオスカーテクノロジーは早稲田大学基幹理工学部笠原・木村研究室の研究成果をもとにマルチコア並列処理技術の商用化を目的に2013年に発足した。同社には産業革新投資機構傘下のINCJ(旧産業革新機構)が12.71%を出資している。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月30日。

 

 

 

 

IBJ<6071>、イオン傘下の結婚紹介サービス「ツヴァイ」<2417>をTOBで子会社化

IBJは11日、イオン傘下で結婚相手紹介サービスのツヴァイ(東証2部)に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付代金は35億700万円。ツヴァイ株式の64.43%を保有する親会社のイオンは全株式をTOBに応募する。ツヴァイは仲人型のビジネスモデルを主力とするが、ネットを利用したマッチングアプリ型に押され、入会者が伸び悩み、2期連続の最終赤字に陥るなど業績が低迷していた。IBJは婚活パーティーやネット婚活に強みがあり、両社の会員を相互紹介や見込み客の送客などを通じて事業拡大を目指す。

ツヴァイは同日、TOBに賛同の意見表明を発表した。

ツヴァイ株の買い付け価格は1株あたり884円で、TOB公表前日の終値572円に54.55%のプレミアムを加えた。買付予定数の下限は所有割合66.67%(264万4900株)。買付期間は3月12日~4月24日。公開買い付け代理人はみずほ証券。決済開始日は4月30日。

ツヴァイは1984年にジャスコ(現イオン)の100%出資子会社として発足した。2004年に株式を店頭登録し、ジャスダック上場を経て、2007年から東証2部上場。現在、全国に51拠点を置く。

ツヴァイを傘下に収めるIBJは東名阪を中心に8都府県に直営23店を展開する。全国的には約2400社が加盟する結婚相談所ネットワークを運営する。

 

 

 

 

三洋貿易<3176>、食品添加物輸入販売のNKSコーポレーションを子会社化

三洋貿易は、食品添加物や工業用薬品の輸入販売を主力とするNKSコーポレーション(東京都中央区。売上高5億1800万円、純資産4100万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ライフサイエンス分野を補完する商材の取り込みが狙い。NKSコーポは2003年に設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月19日。

 

 

 

 

SHIFT<3697>、サイト制作のナディアとアプリ開発のxbsを子会社化

SHIFTは、Web・モバイルサイト制作などのNadia(東京都港区)の事業と、アプリケーション開発のxbs(東京都港区。売上高1億1600万円、営業利益2400万円、純資産2770万円)の全株式をそれぞれ取得することを決めた。ソフトウエアの品質保証サービス拡充の一環。

Nadiaとxbsはいずれもデジタルコンテンツ制作を手がけるDECEM(東京都港区)の全額出資子会社。Nadiaの事業(直近売上高約20億円)については新設分割で承継する新会社ナディア(東京都港区)の全株式を取得する。取得価額はナディア、xbsの両社を合わせて17億600万円。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

 

安江工務店<1439>、マノモクハウジングから住宅リフォーム・不動産流通事業を取得

安江工務店は、住宅用木材プレカット事業などのマノモクハウジング(愛知県豊田市)から住宅リフォーム・不動産流通事業を取得することを決めた。安江工務店は愛知県を地盤に住宅リフォーム・新築住宅・不動産流通の3事業を展開する。マノモクから同種の事業を取り込み、営業提案力や施工ノウハウを融合してシナジー(相乗効果)獲得を狙う。マノモクは1988年に設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月16日。

 

 

 

 

チノー<6850>、船舶エンジン用温度センサー製造の明陽電機を子会社化

チノーは、船舶エンジン用温度センサー製造の明陽電機(静岡市。売上高25億8000万円、営業利益2億6600万円、純資産38億円)の株式26.79%を追加取得し、子会社化(所有割合53.58%)することを決めた。チノーは2019年7月に明陽電機に出資し、持ち分法適用関連会社とした。今回の子会社化で製品開発や販売に関する経営資源を共有化し、相乗効果を一層高める。明陽電機は1948年に設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

 

極楽湯ホールディングス<2340>、日本アジアグループ傘下で温泉掘削のエオネックスなど2社を子会社化

極楽湯ホールディングスは、日本アジアグループ傘下で温泉掘削を手がけるエオネックス(金沢市。売上高22億6000万円、営業利益1億3300万円、純資産5億300万円)、測量・地下水調査などの利水社(金沢市。売上高4億500万円、営業利益△1800万円、純資産1億5100万円)の両社を子会社化することを決めた。極楽湯が各地で展開する温浴施設の効率的な運営やメンテナンス体制強化を目指す。

極楽湯は日本や中国で「極楽湯」「RAKU SPA」ブランドで温浴施設を展開する。一方、エオネックス、利水社は石川県など北陸をはじめ全国で温泉掘削や温泉設備工事、地質調査、測量、温浴施設運営(2店舗)などを手がける。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

 

LIXILグループ、希望退職者募集に497人応募

LIXILグループは9日、キャリアオプション制度に基づく希望退職者の募集に497人の応募があったと発表した。本体と国内の一部子会社に在籍する50歳以上勤続10年以上の正社員を対象に、人数を定めず、2月17日~2月28日に募集した。通常の退職金に特別退職金を加算して支給する。2020年3月期決算に特別退職金と再就職支援サービスにかかる費用を約55億円計上する。

LIXILグループが希望退職者を募集するのは2012年以来。前回は建材・住宅設備事業子会社のLIXILを中心に900人規模で募集し、倍以上の1884人の応募があった。今回導入したキャリアオプション制度については今後5年間の運用を予定している。

LIXILグループの2020年3月期業績予想は売上高0.9%増の1兆8500億円、営業利益380億円(前期は150億円の損失)、最終利益150億円(同521億円の損失)。

 

 

 

 

ツルハホールディングス<3391>、福岡県地盤の江頭エーザイからドラッグストア1店舗を取得

ツルハホールディングスは子会社のツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本(広島市)を通じて、ドラッグストアチェーン展開の江頭エーザイ(福岡県大川市)から福岡県内のドラッグストア1店舗を取得することを決めた。ドミナント戦略の一環。ツルハグループドラッグ&ファーマシーは中国・九州地区で283店舗を運営している。取得価額は非公表。取得予定日は2020年5月1日。

 

 

 

 

出光興産<5019>、シェルブランド潤滑油事業を譲渡へ

出光興産は9日、潤滑油事業の100%出資子会社であるシェルルブリカンツジャパン(SLJ、東京都港区)の全株式とSLJが営む日本でのシェルブランドの潤滑油事業を、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル傘下の関係企業に譲渡することについて協議を開始すると発表した。昭和シェル石油との経営統合後、出光興産本体が出光ブランドの潤滑油事業を、子会社のSLJがシェルブランドの潤滑油事業をそれぞれ手がけていた。

 

 

 

 

乾汽船、次期中計の公表を見合わせ|新型コロナで前提条件に変動

乾汽船は6日、4月に始まる次期中期経営計画(2023年3月期までの3カ年)の公表を見合わせると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による世界情勢の混乱を踏まえ、中期計画の前提条件に変動が生じうる事実が発生しているため、としている。同社は外航海運と倉庫・運送事業を柱とする。

現行の中期経営計画の最終年度にあたる2020年3月期の業績見込みは売上高4.1%減の220億5400万円、営業損失8億7500万円(前の期は3億9600万円の黒字)、最終利益80.1%減の1億2700億円。現中計では売上高212億円、営業利益19億9500万円、最終利益19億円を当初目標に掲げていた。

 

 

 

 

TIS<3626>、タイのIT企業のMFECをTOBで子会社化

TISは6 日、タイのITサービス企業MFEC Public Company Limited(バンコク。売上高36億8000万円、営業利益2億4100万円、純資産18億5000万円)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社化すると発表した。株式を追加取得し、現在24.9%の持ち株比率を49%に引き上げる。買付価格は1株につき5タイバーツ(約17.35円)。買付代金は18億4600万円。

MFECはタイ証券取引所に上場する企業向けITサービス大手。TISは2014年に同社と資本・業務提携し、協業の推進や追加出資(現在、持ち分適用関連会社)を通じて関係を強化してきた。傘下に取り込むことで、MFEC の事業構造転換を加速するとともに、グループとして海外事業の拡大を目指す。

TOB開始の時期は現時点で未定だが、子会社化手続きの完了は9月末をめどとしている。タイでは外国株主よる株式保有は49%が上限。

 

 

 

 

三井松島ホールディングス<1518>、水晶デバイス用生産設備製造の三生電子を子会社化

三井松島ホールディングスは、水晶デバイス用生産設備を製造する三生電子(東京都狛江市。売上高27億9000万円、営業利益7100万円、純資産39億3000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。非石炭生産事業への多角化推進の一環。

三生電子は1963年に設立。水晶デバイスの製造工程のうち、組み立てから検査までをカバーしたインラインシステムを製造・構築可能な国内唯一の装置メーカーという。自動車の電装化や通信インフラの5G(第5世代通信システム)対応など成長分野での用途拡大に伴い、製品需要も中長期的に底堅く推移すると期待されている。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

 

TAKARA&COMPANY<7921>、ベネッセ傘下で通訳・翻訳大手「サイマル・インターナショナル」を子会社化

TAKARA&COMPANY(旧宝印刷)は6日、ベネッセホールディングス子会社で通訳・翻訳の大手、サイマル・インターナショナル(東京都中央区。売上高51億円、営業利益7000万円、純資産11億5000万円)を買収すると発表した。49億5000万円を投じて、発行済み株式のすべてを3月31日付で取得する。顧客企業の事業活動のグローバル化に伴い、情報開示書類の翻訳ニーズが急速に膨らんでいるのに対応し、サービス体制を強化するのが狙い。

サイマルは1965年に日本初の国際会議の通訳専門会社として発足。1998年にベネッセグループの傘下に入った。近年は通訳事業に加え、より市場規模が大きい翻訳事業にも力を注いできた。サイマルは企業・官庁向けが主体で、ベネッセグループからの売上も全体の1割に満たなかった。このため、ベネッセはグループ内で既存事業との相乗効果が限定的だとしてサイマルを切り離す。

TAKARAは企業情報の開示にかかわる専門印刷会社。近年は外国人株主の増加やコーポレートガバナンス・コード(企業統治の指針)対応などを背景に、情報開示書類の翻訳需要が拡大している。今回傘下に収めるサイマルは多言語に対応する2000人を超える業界随一の登録通訳者を擁し、翻訳者・校閲者についても厚い人材基盤を持つ。

 

 

 

 

東海染工、岐阜事業所で約20人の希望退職者を募集

東海染工は4日、20人程度の希望退職者を募集すると発表した。岐阜事業所(岐阜県羽島市)に勤務する40歳以上(3月31日時点)の正規社員が対象で、募集期間は3月9日~16日。国内染色加工事業を取り巻く厳しい経営環境に対応し、市場規模に見合った生産体制への再編・見直しを進めるのが狙い。退職日は4月15日とする。所定の退職金に特別加算金を上乗せする。

今回、希望退職者を募集する岐阜事業所では短繊維ニットの無地から捺染までの一貫加工を手がけている。

東海染工は染色加工大手。加工料金の見直し、取引条件の改善、コスト削減などを進めてきたが、米中貿易摩擦の影響、世界経済の減速などで先行きが一段と不透明になっており、特に編物(ニット)染色事業の受注環境は予想を上回る勢いで悪化しているという。

 

 

 

 

INCLUSIVE<7078>、サッポロビールから地域ウェブメディア「北海道Likers」を取得

INCLUSIVEは、サッポロビールが所有するウェブメディア「北海道Likers」(2020年1月に運営終了)を取得することを決めた。地域情報メディア事業の強化が狙い。地域メディアの展開は東海地区の「CUCURU」、関西地区の「anna」、福岡地区の「ARNE」に続く。対象事業の業績や取得価額などは非公表。

INCLUSIVEはファッションやコスメ、経済など、特定の興味・関心ごとに特化して情報を発信し、ユーザーを集客するターゲットメディアの運営支援を主力とするが、今後の方向として「地域」を軸としたメディア展開に力を注ぐ方針を打ち出している。

今回取得する「北海道Likers」はサッポロビールが地域活性化を目的に2012年にスタートしたが、今年1月に運営を終了していた。

 

 

 

 

神戸製鋼所<5406>、傘下の神鋼建材工業と日鉄建材の道路関連事業を4月に統合

神戸製鋼所は4日、傘下の神鋼建材工業(兵庫県尼崎市)と日本製鉄子会社である日鉄建材(東京都千代田区)の道路関連事業(防護柵、防音壁など)を統合することで基本合意したと発表した。統合対象は日鉄建材の事業のうち道路関連事業と神鋼建材工業の全事業。4月1日に発足する統合新会社は「日鉄神鋼建材」(東京都千代田区)とし、日鉄建材が65%、神鋼が35%を出資する。

公共投資の縮減に伴い、道路関連事業を取り巻く環境の一段の悪化が予想されることを踏まえ、両社の経営資源を統合し、競争力を強化するのが狙い。

主力製品の一つである防護柵の製造について、東日本地区は日鉄建材・野木製造所(栃木県野木町)、西日本地区は神鋼建材・本社工場(尼崎市)の東西2拠点体制とする。これに伴い、日鉄建材の大阪製造所(大阪府高石市)の防護柵製造設備は統合2年後をめどに休止する予定。

 

 

 

 

曙ブレーキ、「新型コロナ」を受け 早期退職者の募集期間を延長

経営再建中の曙ブレーキ工業は3日、2月24日から実施している200人規模の早期退職者の募集期間を延長すると発表した。当初は3月9日を募集期間としていたが、3月23日までに変更した。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた措置。政府から大人数会議の制限、時差出勤などの予防措置の推奨や、小中高への臨時休校要請が出ているのを受け、出社が難しい社員が想定され、早期退職にかかる説明などコミュニケーションが不十分なまま応募締め切りを迎えることが懸念されるため、としている。

早期退職者の募集対象は2020年1月1日時点で①勤続3年以上、満40歳以上の正社員②60歳以上の再雇用契約社員③勤続3年以上の契約社員。退職日は4月30日としている。

曙ブレーキは米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)からの新規受注の失敗に端を発して業績が大幅悪化。私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)に基づき、昨年9月に560億円に上る債権放棄や国内外6工場の閉鎖などを柱とする再建計画が承認された。

 

 

北越メタル<5446>、鉄鋼一次・二次製品販売のコーテックスを子会社化

北越メタルは、鉄鋼一次・二次製品販売のコーテックス(東京都新宿区)を子会社化することを決めた。株式取得の相手方、取得価額は非公表だが、発行済み株式の過半数を4月1日付で取得する予定という。

北越メタルは新潟県を地盤とする電炉メーカー。棒鋼、線材、形鋼の素材供給のほか、特殊ボルト類、各種メッシュ・フープ製品などの鉄鋼二次製品を手がける。鉄筋コンクリート構造物の柱を地震から守るフープ筋については子会社のコーテックス工業(東京都新宿区)が加工を担う。

取得価額は2020年4月1日。

 

 

 

 

ゼットン<3057>、結婚式場運営のエルフラットから婚礼施設「YOKKAICHI HARBOR尾上別荘」を取得

ゼットンは、結婚式場運営のエルフラット(岐阜市)が三重県四日市に持つ婚礼施設「YOKKAICHI HARBOR尾上別荘」の事業を3日付で取得した。当該事業の直近業績は売上高3億2500万円、営業利益3700万円。取得価額は非公表。

エルフラットは愛知、岐阜、三重で12の婚礼施設を運営。このうち今回、ゼットンが取得したYOKKAICHI HARBOR尾上別荘は四日市市の東、伊勢湾の海沿いに立地し、敷地内には四日市市の名士・小菅剣之助(戦前、棋士、実業家、国会議員として活躍)の別荘として使われた「尾上別荘」がある。

 

 

 

 

第一交通産業<9035>、三重県地場タクシーのタカモリタクシーを子会社化

第一交通産業はグループ会社を通じて三重県の地場タクシー会社、タカモリタクシー(津市)の全株式を取得し、3日付で子会社化した。保有車両台数は27台。タカモリタクシーを傘下に収め、三重県内での保有台数は既存グループ会社1(タクシー10台、乗合5台)と合わせて42台、国内のグループ全体では8422台となる。取得価額は非公表。

 

 

 

 

ユアサ商事<8074>、神奈川県で戸建住宅・マンションのリフォーム工事を手がける高千穂を子会社化

ユアサ商事は、戸建住宅・マンションのリフォーム工事を手がける高千穂(横浜市。売上高14億5000万円)の全株式を取得し、2日付で子会社化した。同社とは住宅設備機器の仕入れを通じて取引関係があった。神奈川県下における住設機器販売事業との相乗効果を見込む。取得価額は非公表。

 

 

 

 

フルスピード<2159>、動画広告のRitaを子会社化

フルスピードは、動画広告企画・制作のRita(東京都台東区。売上高7300万円、営業利益245万円、純資産658万円)の全株式を取得し、2日付で子会社化した。取得価額は非公表。フルスピードは子会社のフォーイット(東京都渋谷区)を通じて成果報酬型広告事業を手がける。高い広告効果を持つ動画広告の領域を取り込み、広告主への提案力を向上させる。

Ritaは2018年2月に設立したベンチャー企業。同社をめぐっては今年2月半ば、パチンコ向け広告を主力とするゲンダイエージェンシーが子会社化することで基本合意したが、数日後にRita側の申し入れで基本合意が白紙撤回となった経緯がある。

 

 

 

 

JKホールディングス<9896>、北海道道東を地盤に建築資材販売を手がける長谷川建材を子会社化

JKホールディングスは、建築資材の販売と建設工事を手がける長谷川建材(北海道北見市。売上高9億3700万円、営業利益1000万円、純資産4億3100万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。これまで拠点がなかった北海道道東地区での営業基盤の確保が狙い。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

 

ノーリツ鋼機<7744>、旧パイオニアでDJ・クラブ機器最大手のAlpha Thetaを350億円で子会社化

ノーリツ鋼機は2日、パイオニアから分割独立したDJ・クラブ機器メーカーの最大手、Alpha Theta(アルファシータ、横浜市。売上高253億円、営業利益33億1000万円、純資産271億円)の全株式を取得し子会社化すると発表した。取得代金は350億円(アドバイザリー費用を含む)。成長分野への事業多角化を進めるのが狙い。株式取得のほか、Alpha Thetaが抱える有利子負債約300億円の返済も行う。

Alpha Thetaは2015年に米投資ファンドのコールバーグ・グラビス・ロバーツ(KKR)の主導でパイオニアから独立。今年1月1日にパイオニアDJから現社名に変更した。1994年に世界初のフラットトップ型DJプレーヤーを開発し、DJ・クラブ機器市場に参入。以来、世界トップシェアを持つという。

ノーリツ鋼機は今後設立する特別目的会社(SPC)を通じて、KKR(所有割合85.05%)とパイオニア(同14.95%)が持つAlpha Thetaの全株式を4月3日付で取得する。

ノーリツ鋼機はAlpha Thetaの企業価値について650億円と算定しており、SPCはノーリツ鋼機からの出資約350億円に加え、約300億円のユーロ建てノンリコース(非遡及型)ローンを活用して、有利子負債の返済を引き受ける。

 

 

 

 

Cominix<3173>、切削工具・油圧機器販売の大西機工を子会社化

Cominixは、切削工具や油圧機器などの販売を手がける大西機工(大阪府東大阪市。売上高10億9000万円、営業利益△1500万円、純資産4億500万円)の株式68%を取得し、子会社化した。2月27日付。また同日に大西機工が自己株式32%を取得したことにより、同社を完全子会社とした。取得価額は非公表。

Cominixは切削工具、耐摩工具、光製品などの販売を主力にグローバル展開している。大手企業を顧客に持ちながら、後継者不足や顧客の海外進出に対応できないといった課題を持つ企業との戦略的提携を推し進めており、大西機工の子会社化もその一環。切削工具事業の業容拡大などで相乗効果を期待している。大西機工は1950年に設立。

 

 

 

 

ユアサ商事<8074>、SUBARU傘下でコンテナハウス製造の富士重工ハウスを子会社化

ユアサ商事は、SUBARU子会社で組み立て式仮設ハウス(コンテナハウス)を製造する富士重工ハウス(群馬県伊勢崎市。売上高24億5000万円)の全株式を取得し、2日付で子会社化した。ユアサ商事の建設機械部門は富士重工ハウスとコンテナハウスに関して40年に及ぶ取引がある。取得価額は非公表。

富士重工ハウスが手がけるコンテナハウスは災害対策や農業分野での利用など、建設現場以外でニーズが広がっており、有望商品と位置づけている。ユアサ商事は同社を傘下に収めることで、商品開発段階から関与が可能になり、コンテナハウスの可能性を最大限追求する。2日付で富士重工ハウスは「富士クオリティハウス」に社名変更した。

 

 

昴<9778>、大学受験予備校「即解ゼミ 127°E」を沖縄県で6校運営するタケジヒューマンマインドを子会社化

昴は、大学受験予備校「即解ゼミ 127°E」を沖縄本島で6校運営するタケジヒューマンマインド(那覇市。売上高4億円、営業利益1340万円、純資産1億4300万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。昴は鹿児島県、宮崎を中心に、熊本、福岡を含む九州4県で学習塾・進学塾66校を展開する。沖縄に新展開し、経営基盤を拡大する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月23日。

 

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

譲渡所得税の最近のトラブル事例集

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

■借地人の建物を地主が取壊した際の費用をめぐる税金トラブル

■不動産取得税の「相続による取得」を巡る最近のトラブル

 

1.はじめに


所得税の確定申告時期で申告手続きの最盛期を迎えています。そこで、譲渡所得税に関係する最近の裁決事例から、少し変わったトラブル事例を集めてみました。

 

2.スーパーカーの売却益は譲渡所得?


1台8,000万円もする限定生産のフェラーリなどのスーパーカーの売却益を巡って納税者と税務署の間で争いになった事例がありました(国税不服審判所令和元年6月18日裁決)。

 

裁決書によると、この争いは、納税者が「自己保有していたスーパーカーは生活の用に供する動産であるから、その売却益は非課税になる」との考えから、税務署が行った譲渡所得として課税の取消し等を求めたものです。

 

自家用車の売却益については、その自家用車が例えば通勤用なら、非課税とされます。生活に要する資産と認められるからです(所法9①九、所令25)。逆に売却損が出たとしても、損失はなかったものとされます。これに対し、自家用車が個人のレジャー用などの場合は、その利益は譲渡所得に区分され、課税対象となります。

 

さて、国税不服審判所は、この納税者が「平成22年6月から平成29年5月までの間に、少なくとも15台の車両を購入しており、特に、平成25年及び平成26年には、それぞれ1年聞に3台の車両を購入するなど、同時に複数台の車両を保有している」等の事実関係を認定。こうしたことを受けて、国税不服審判所は、売却された限定生産のスーパーカー3台は、500台以下の生産数しかなく、「購入者が限られる上、(中略)購入時の車両 本体価格がいずれも8,000万円を超える高級車であること等を考慮すると、各限定車が通常の社会生活を営むのに必要とされる動産であるとは認められない。(中略)各限定車は、「生活に通常必要な動産」に該当しない」と判断、納税者の言い分を退けています。

 

3.予め特例を変更できるようにしていたつもり?


譲渡所得の申告で、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法31の2、以下、優良住宅地特例という。)と特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税 の特例(措法37、以下、買換え特例という。)の適用を受けるべく申告書に書き、一方の特例が受けられなかったことから、修正申告で変更しようとしたところ、税務署が認めなかったため争いとなった事例があります(国税不服審判所裁決平成30年1月25日)。

 

裁決書によると、納税者は、夫から相続し、花の栽培など事業の用に供していた市街化区域内の土地を2億円余りで売りました。

 

譲渡所得税の申告の際には、上記の両特例の適用を受ける旨の申告書に書いたうえ、マンションに買い換えることを予定し、税額は買換え特例の定めに則って計算して申告していました。

 

ところが、買い換えが出来なかったため、改めて優良住宅地特例で税額を計算し直して修正申告をしたところ、税務署から更正処分されたため、争いとなったものです。

 

納税者は「当初の申告で買換特例の適用を受けたとしても、その後の修正申告で買換特例の適用を受けないなら、買換特例と優良住宅地特例の重複適用を認めない法の趣旨(両特例の重複適用が屋上屋を重ねることとなり適当ではないというもの)に反しないから、修正申告で優良住宅地特例の適用を認めるべき」と主張しました。

 

 

国税不服審判所は、「措法第31の2④」について次のように解釈。

 

いわく同項は「買換特例の適用を受けるときは、その土地の譲渡は、優良住宅地等のための譲渡に該当しないものとみなす旨規定し、優良住宅地特例の適用を排除している。この「規定の適用を受けるとき」とは、当初の申告において、その有する土地につき、将来買換資産を取得する見込みであるとして買換特例の適用を受けた(同法37④)が、その後、買換資産を所定の期間内に取得しなかったため、義務的修正申告書を提出した場合を含むもの」。

 

このため「納税者が、当初の申告において、(中略)買換特例の適用を選択した場合には、その譲渡は、その後、買換資産を所定の期間内に取得せず、義務的修正申告書を提出したとしても、同法第31の2④により、優良住宅地等のための譲渡に該当しないとみなされて、その納税者は、義務的修正申告書において、買換特例に代えて本件特例の適用を受けることができないものと解される」と判断、義務的修正申告書において買換特例に代えて優良住宅地特例の適用を受けようとすることは、当初の確定申告における買換特例の適用を撤回することになるが、瑕疵なく確定申告した以上、これを自由に撤回することができないとして、納税者の主張を認めませんでした。

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/03/09)より転載

[M&Aニュース](2020年2月17日〜2月28日)

◇オートバックスセブン<9832>、三重県内に4拠点を持つ高森自動車整備工業を子会社化、◇カルビー<2229>、さつまいもの加工卸販売のポテトかいつかを子会社、◇生化学工業<4548>、カナダの医薬品製剤開発・製造受託会社 Daltonを子会社化、◇ナビタス<6276>、ソフト開発のウェブインパクトを子会社化、◇ヤマウ<5284>、橋梁・高架道路用伸縮装置を製造する中外道路を子会社化、◇JMDC<4483>、医療・介護データベース開発のミーカンパニーを子会社化、◇日東精工<5957>、分析機器製造の三菱ケミカルアナリテックを子会社化 ほか

 

 

 

 

 

オートバックスセブン<9832>、三重県内に4拠点を持つ高森自動車整備工業を子会社化

オートバックスセブンは、三重県内の4拠点で車検・整備、板金事業を手がける高森自動車整備工業(津市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。高森自動車整備工業の設立は1961年。取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

カルビー<2229>、さつまいもの加工卸販売のポテトかいつかを子会社

カルビーは28日、さつまいも加工卸販売のポテトかいつか(茨城県かすみがうら市。売上高52億600万円、営業利益4億8600万円、純資産26億8000万円)を買収すると発表した。約139億円を投じて、4月1日付で全株式を取得する。甘しょ(さつまいも)事業に参入するのが狙い。

ポテトかいつかは1967年に、さつまいもの卸売会社として創業した。現在では、オリジナルブランドのさつまいも「紅天使」を主体に、焼き芋用原料の小売り販売のほか、焼き芋などの直販も手がける。

カルビーは主力のポテトチップスで培った馬鈴しょの品種開発や貯蔵技術などを活用し、新分野である甘しょ事業の拡大を目指す。

国内さつまいも市場では、品種改良が進み、糖度の高い品種への人気が高まっていることに加え、小売店舗での焼き芋機の導入もあり、需要が拡大。また、中華圏や東南アジアで焼き芋の認知度が高まり、近年は輸出も増えている。ポテトかいつかが本社を置く茨城県はさつまいもの国内収穫量2位で、同社の取り扱いシェアも上位という。

 

 

 

生化学工業<4548>、カナダの医薬品製剤開発・製造受託会社 Daltonを子会社化

生化学工業は、カナダの医薬品製剤開発・製造受託会社Dalton Chemical Laboratories, Inc.(トロント。売上高14億円、営業利益1億5600万円、純資産7億6000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

生化学工業はDaltonを傘下に取り込むことで、化学合成技術や医薬品の製造工程開発に関するノウハウに加え、海外でGMP(医薬品と医薬部外品の製造管理・品質管理)に準拠した製造拠点を確保することになる。治験薬や一部製品についてDaltonへの製造移管も進める。Daltonは1986年に設立。

取得価額は最大約33億2000万円。取得予定日は2020年3月中下旬。

 

 

 

ナビタス<6276>、ソフト開発のウェブインパクトを子会社化

ナビタスは、ソフト開発のウェブインパクト(東京都千代田区)の株式約67.6%を取得し子会社化することを決めた。画像検査ソフトの開発体制強化が狙い。

ウェブインパクトは1998年に設立し、現在はクラウドサービスとシステムの受託開発を中心に事業を展開する。ナビタスは画像検査を中核事業とするが、今後の海外や新市場への展開を見据え、画像検査ソフトの開発力向上を経営課題の一つとしている。

取得価額は非公表。取得日は2020年2月28日。

 

 

 

ヤマウ<5284>、橋梁・高架道路用伸縮装置を製造する中外道路を子会社化

ヤマウは、橋梁・高架道路用伸縮装置の製造・設置工事を手がける中外道路(兵庫県芦屋市。売上高20億4000万円、営業利益1億7700万円、純資産14億600万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

ヤマウは水門や堰の製造・施工、地質調査、コンクリート構造物の点検・調査、補修工事などを中核事業とし、九州一円を地盤とする。

公共投資の内容が既存インフラ維持管理や防災・減災関連にシフトする中、西日本地域に顧客基盤を築く中外道路をグループに迎えることで、シナジー(相乗効果)を引き出しつつ、事業拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

JMDC<4483>、医療・介護データベース開発のミーカンパニーを子会社化

JMDCは、医療機関・薬局・介護データベースの開発、販売を主力とするミーカンパニー(東京都新宿区。売上高2億3600万円、営業利益8000万円、純資産9700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

ミーカンパニーは2010年に設立。医療機関、調剤薬局、介護事業所のオープンデータを統合した「SCUEL(スクエル)」を構築し、製薬会社や医療機器メーカーに提供している。JMDCは同社を傘下に取り込むことで、主要顧客である製薬会社向けのデータベースの品ぞろえを充実させる。

取得価額は10億5900万円。取得日は2020年2月28日。

 

 

 

日東精工<5957>、分析機器製造の三菱ケミカルアナリテックを子会社化

日東精工は、三菱ケミカルの全額出資子会社で分析関連機器の開発・製造を手がける三菱ケミカルアナリテック(神奈川県大和市。売上高32億2000万円、営業利益2億600万円、純資産11億3000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

三菱ケミカルアナリテックは元素計や水分計といった分析機器に強みを持つ。日東精工は食品・飲料や医薬、造船業界などで使われる流量計を主力製品の一つとする。三菱ケミカルアナリテックの販売先と共通するところが多く、顧客の共有化や製品開発面で事業シナジー(相乗効果)が期待できるとみている。

 

 

 

石光商事<2750>、コーヒー生豆焙煎の東京アライドコーヒーロースターズを子会社化

石光商事は、コーヒー生豆の焙煎とレギュラーコーヒーの加工・販売を手がける持ち分法適用関連会社の東京アライドコーヒーロースターズ(東京都大田区。売上高80億3000万円、営業利益△8400万円、純資産62億9000万円)の株式5.3%を追加取得し、子会社化(持ち株比率50.2%)することを決めた。

東京アライドコーヒーは、コーヒー焙煎にかかわる公害問題への対応や中小焙煎業者の合理化を目的として1972年に発足した。現在は石光商事が同社株式の44.9%を持つ筆頭株主で、丸紅が23.8%で続く。近年は、缶コーヒーの市場が伸び悩み、競合他社との販売競争激化も加わり、苦戦を強いられている。子会社化により、石光商事主導で抜本的な構造改革を推し進める。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月。

 

 

 

ぐるなび<2440>、スキー場情報提供の「SURF&SNOW」事業をSGグループに譲渡

ぐるなびは、スキー場情報を提供する「SURF&SNOW」事業を、総合人材サービス事業のSGグループ(東京都新宿区)に譲渡することを決めた。中核事業である飲食店販促支援事業への経営資源集中の一環。当該事業の直近売上高は1億9000万円。譲渡価額は4000万円。譲渡予定日は2020年6月1日。

ぐるなびを分割会社とし、SGグループが全額出資で設立した新会社のインプレイ(東京都新宿区)を承継会社とする。

 

 

 

ツムラ<4540>、漢方製剤用原料の調達先である中国「盛実百草」を子会社化

ツムラは28日、中薬材、飲片を生産・販売する中国の天津盛実百草中薬科技有限公司(天津市。売上高143億円、営業利益17億円、純資産81億6000万円)の株式80%を約187億円で取得し、子会社化すると発表した。日本への原料生薬の安定的供給体制の強化や中国事業の拡大などが狙い。盛実百草はツムラにとって漢方製剤用原料の中国における主要調達先。

盛実百草は2011年の設立当初からツムラと取引を開始し、ツムラ向けが全売上高の約70%を占める。2016年にはツムラと業務提携し、原料生薬の供給・調達、生薬栽培・加工に関する研究などを進めてきた。

ツムラは盛実百草と長期的かつ強固な戦略的パートナーシップを築くため、昨年11月から子会社化を軸とする資本提携に向けた協議を進めてきた。3月中に子会社化を完了する見通し。

 

 

 

ミライト・ホールディングス<1417>、シンガポールの電気工事会社YL Integratedを子会社化

ミライト・ホールディングスは、電気工事業のシンガポールYL Integrated Pte Ltd(YL、売上高20億6000万円、営業利益2億8300万円、純資産5億2600万円)の株式85%を取得し子会社化することを決めた。

ミライトはシンガポール子会社のLantrovisionを通じてYLを傘下に収める。LantrovisionはLAN配線の設計・施工やコンサルティング業務を中心にシンガポールをはじめ、アジア13カ国・地域、28都市で事業を展開中。YLをグループに迎え、現地での電気工事体制を強化する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

千代田化工建設<6366>、傘下の千代田システムテクノロジーズが手がけるIT事業をTISに譲渡

千代田化工建設は、全額出資子会社の千代田システムテクノロジーズ(横浜市)が手がけるIT事業を、TISに譲渡することを決めた。対象事業(直近売上高43億円)を新設会社に移管したうえで、この新設会社の株式66%をTISに譲渡する形をとる。譲渡価額は3億9600万円。譲渡予定日は2020年10月1日。

 

 

 

フォートレス、ユニゾTOBの買付期間を3月18日まで延長

不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対して子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施している米投資会社フォートレス・インベストメント・グループ(サッポロ合同会社)は27日、2月28日までとしていた買付期間を3月18日まで13営業日延長すると発表した。ユニゾをめぐっては同社従業員による買収(EBO)が1株5700円で進行中だが、こちらも買付期間は現時点で3月18日まで。

フォートレスは昨年8月19日に対ユニゾTOBを開始して以来、14度目の延長で、買付期間は140営業日に及ぶ。今年1月29日に1株あたり5200円(従来4100円)に引き上げた買付価格は変更していない。

27日のユニゾ株の終値は6010円。フォートレス、ユニゾ従業員側の買付価格はいずれも株価を下回っている。

 

 

 

三井E&S、千葉工場の造船事業終了で200人の希望退職を募集

三井E&Sホールディングスは27日、中核子会社である三井E&S造船の千葉工場(千葉県市原市)での造船事業を3月末に終了するのに伴い、同工場従業員(約460人)を対象に200人の希望退職者を募集すると発表した。玉野艦船工場(岡山県玉野市)のほか、三井E&Sホールディングス傘下各社への再配置を進めるが、千葉工場の全従業員について再配置先を確保するのは困難と判断した。募集期間は6月1日~6月15日。

 

 

 

ULSグループ<3798>、システムコンサルティング業務のアークウェイを子会社化

ULSグループは、システムコンサルティング業務のアークウェイ(東京都渋谷区。売上高2億4600万円、営業利益1580万円、純資産2億8700万円)の株式80%を取得し子会社化することを決めた。高度化・複雑化が見込まれるデジタルトランスフォーメーション(DX)関連のサービス体制を強化するのが狙い。

アークウェイは2004年に設立し、顧客企業のIT資産の最適化や開発生産性の向上に向けたコンサルティングを手がけてきた。取得価額は非公表。取得予定日は2020年9月1日。

 

 

 

オリエントコーポレーション<8585>、自動車ローンのインドネシアMizuho Balimor Financeを子会社化

オリエントコーポレーションは、インドネシアで自動車ローン事業を手がけるPT.Mizuho Balimor Finance(ジャカルタ)の株式51%を取得し、子会社化することを決めた。みずほ銀行が保有する全株式を譲り受ける。

Mizuho Balimor Financeは1989年に設立した自動車ローン会社。主に新車を取り扱ってきたが、オリコ傘下入り後は中古車ローン事業にも本格参入し、業容拡大を目指す。

オリコは2015年にタイで自動車ローン事業を始め、フィリピンでも営業開始の準備を進めている。インドネシアは世界4位の人口規模や安定した経済成長が続き、今後も中間所得層の増加が見込まれることから、自動車ローン市場も有望とみている。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月末。

 

 

 

アインホールディングス<9627>、病院を中心に施設内売店を受託運営するシダックスアイを子会社化

アインホールディングスは、病院を中心に企業・官公庁、大学などの施設内売店を受託運営するシダックスアイ(東京都調布市。売上高132億円、営業利益△9200万円、純資産6億3700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

アインは調剤薬局を全国1100店舗以上展開する。シダックスアイは給食・食堂運営受託大手のシダックスの全額出資子会社で、病院内売店を主力に、全国で400を超える施設内売店を運営している。

アインによるシダックスアイの子会社化に合わせ、アインとシダックスの両社は調剤薬局出店と病院向けアウトソース業務受注に向けた営業協力に関して業務提携した。

取得価額は15億円。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

三井E&Sホールディングス<7003>、大分事業所で運営する太陽光発電事業を譲渡

三井E&Sホールディングスは27日、大分市内で手がける太陽光発電事業を譲渡すると発表した。対象事業は子会社である三井E&Sマシナリーの大分事業所内で2013年12月に運転開始し、発電能力は約21メガワット。三井不動産との共同事業によるもので、三井E&Sの持分51%を譲渡する。経営再建に向けた事業構造改革の一環。譲渡先、譲渡価額は非公表。

 

 

 

JBCCホールディングス<9889>、情報システム開発のフィニティを子会社化

JBCCホールディングスは、情報システム開発のフィニティ(名古屋市。売上高4億6100万円、営業利益9500万円、純資産5億600万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。JBCCの情報子会社であるシーアイエス(名古屋市)と傘下に収めるフィニティとの相互連携を進め、東海地区トップクラスのシステムインテグレーター(SI)を目指す。

フィニティは1997年設立で、東海地区の大手・中堅企業に生産管理システムや原価管理システムなどの基幹システムを提供してきた。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

大王製紙<3880>、トルコ衛生用品メーカーのウゼンを子会社化

大王製紙はトルコの衛生用品メーカー、ウゼン(売上高35億7000万円、営業利益△1億6200万円、純資産△5億3800万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。トルコにベビー用紙おむつを中心とする衛生用品の生産拠点を確保し、中東、北アフリカからロシアとその周辺を視野に入れて事業拡大を目指す。取得価額は約30億円。取得予定日は2020年4月上旬。

大王製紙は2017年にイスタンブールに駐在員事務所を開設。翌18年からベビー用紙おむつ「GOO.N」の販売を始め、トルコ国内で一定の認知を得たことから、現地生産を検討していた。ウゼンは1998年に設立し、イスタンブール近郊に工場を持ち、ベビー用紙おむつ、ウエットワイプ、液体せっけんを主力製品とする。

 

 

 

大王製紙<3880>と丸紅<8002>、ブラジルの衛生用品メーカー大手Santherを584億円で買収

大王製紙は27日、丸紅と共同でブラジルの衛生用品メーカー大手のSanther(サンパウロ。売上高385億円、純利益7億4000万円、純資産9億円)を買収すると発表した。大王が51%、丸紅が49%出資する買収子会社を通じて、Santherの全株式を約23億レアル(約584億円)で取得する。取得予定日は6月30日。

Santherは1938年に設立。衛生用紙、ベビー用おむつ、生理用ナプキンなどの個人向け商品の製造・販売を手がけ、ブラジルでは「Personal(ペルソナル)」のブランド名で知られている。

大王・丸紅による買収を機に、Santherの生産体制を再構築するとともに、大王が強みとする大人用おむつへの参入や病院・クリニック向け製品の強化などを推し進める。丸紅はブラジルだけでなく、南米全域とアフリカを見据え、事業展開する。

ブラジルでは過去5年間で衛生用紙が年率5.6%、紙おむつが同5.4%の成長を遂げ、人口増加や経済発展・生活水準の向上を追い風に今後も継続的な市場拡大が見込まれる。

 

 

 

ソラスト<6197>、大分県の介護サービス事業大手「恵の会」を子会社化

ソラストは、介護サービスを手がける株式会社恵の会(大分市。売上高13億1000万円、営業利益2億300万円、純資産5億4200万円)、有限会社恵の会(大分市。売上高10億1000万円、営業利益1億7800万円、純資産3億6500万円)の両社の全株式を取得し子会社化することを決めた。ソラストにとってこれまで大分県は事業拠点がなく、空白エリアだった。

恵の会はデイサービス、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などのサービスを26事業所で運営し、いずれも県内でトップクラスの規模を持つという。

取得価額は33億7300万円。取得予定日は2020年3月19日。

 

 

 

リアルワールド<3691>、子会社リアルXのポイントサービス「Gendama」をサイブリッジグループに譲渡

リアルワールドは、全額出資子会社のリアルX(東京都渋谷区)が運営するポイントサービス「Gendama」を、インターネットメディア事業のサイブリッジグループ(東京都港区)に譲渡することを決めた。経営資源の選択と集中の一環。リアルXは2019年9月末段階で1億4700万円の債務超過に陥っている。

Gendamaは買い物をしたり、記事を投稿したりするとポイントが得られるサービス。譲渡スキームについては新設分割などを含めて現在、協議・検討中。譲渡完了は2020年9月末までをめどとしている。

 

 

 

日本電技<1723>、自動制御ソフト開発などのエヌ・ディ・ティを子会社化

日本電技は、自動制御工事の設計や自動制御ソフト開発を手がけるエヌ・ディ・ティ(東京都台東区。売上高4800万円、営業利益26万1000円、純資産461万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。エヌ・ディ・ティとは中央監視装置の画面ソフトなどの作成依頼を通じて取引関係があり、同社を傘下に取り込むことで、業務の効率化につなげる。

エヌ・ディ・ティは有限会社から株式会社に改組し、そのうえで日本電技が全株式を取得する。取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

RVH<6786>、ミュゼプラチナムと不二ビューティの美容子会社2社をG.P.ホールディングに譲渡

RVHは26日、美容脱毛サロンを展開するミュゼプラチナム(東京都渋谷区)、エステティックサロン「たかの友梨ビューティクリニック」を運営する不二ビューティ(東京都港区)の美容サロン子会社2社の全株式をG.P.ホールディング(東京都新宿区)に譲渡すると発表した。競争激化や深刻な人材不足に加え、広告宣伝費がかさむなど厳しい経営環境が続き、業績が低迷していた。譲渡先のG.P.ホールディングは高野(たかの)友梨氏が代表を務め、不二ビューティの元親会社。

RVHは2016年1月にミュゼプラチナムを、2017年2月に不二ビューティを傘下に収めた。両社はRVHの連結売上高の約85%を占めており、譲渡によって売上高は激減する。今回の譲渡は株主総会での特別決議を必要とし、RVHは4月13日に開く臨時株主総会に付議する。

2019年4月~12月期(第3四半期累計)の業績はミュゼが売上高304億円、営業利益10億2000万円、純損失3億円、不二が売上高73億円、営業損失1200万円、純利益1600万円。ミュゼは全国に約190店舗、不二は約100店舗を運営する。

譲渡代金はミュゼが約21億2300万円、不二が約57億3000万円。ただし、不二の譲渡代金はRVHが不二に負う債務をG.P.ホールディングが引き継ぐことにより、全額を相殺する形となる。ミュゼについても譲渡代金のうち12億3000万円を同様に相殺して決済する予定。

著名美容家の高野友梨氏率いるG.P.ホールディングは今回、一度手放した不二の経営権を取り戻すことになる。高野氏はRVH傘下入りした不二で現在、会長職を務める。

 

 

 

ユニゾ従業員TOB、買付期間を3月18日まで延長

不動産・ホテル業のユニゾホールディングに対し、従業員による買収(EBO)を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施中のチトセア投資(東京都中央区)は25日、2月28日までとしていた買付期間を3月18日まで13営業日延長すると発表した。昨年12月24日にTOBを始めて以来、買付期間の延長は今回で3度目。1株5700円の買付価格については変更していない。

25日のユニゾ株の終値は前日比160円高の6010円に上昇した。前日24日に、米投資会社ブラックストーンがユニゾに対し、同社の同意を前提とするTOBについて、買付価格6000円を提案したことから、これに株価がさや寄せした格好。市場価格が従業員側の買付価格をさらに上回る高値となったことで、TOB成立が困難視される。

ユニゾをめぐっては別に、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOBが1株5200円で同時進行中で、買付期間は2月28日。

 

 

 

ブラックストーン、ユニゾに1株6000円でTOB提案

米投資会社のブラックストーンは24日、不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対し、同社の同意を前提に実施する予定のTOB(株式公開買い付け)について、買付価格を従来提案の1株5600円から6000円に引き上げたと発表した。ユニゾをめぐっては現在、ユニゾ従業員が5700円、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループが5200円でそれぞれTOBを実施中(いずれも期間は28日まで)で、買収合戦となっているが、両者の買付価格を上回るブラックストーンの提案はかく乱要因となりそうだ。

3連休前21日のユニゾ株の終値は5850円。現時点で従業員側、フォートレスの買付価格はいずれも市場価格を下回り、TOB成立が見通せない状況にあるのに対し、ブラックストーンはユニゾの市場価格を超える水準を提案した。

ユニゾ従業員側は米投資会社ローンスターと組んで昨年12月末からユニゾにTOBを開始し、2月9日に、買付価格を当初の5100円から5700円に引き上げた。一方、フォートレスは昨年8月から4000円でTOBを始め、4100円を経て、1月29日に5200円に引き上げた。ユニゾ株は昨夏から2000円以上上昇している。

 

 

 

ひかりホールディングス、ミヤガワから建築写真撮影事業を取得

ひかりホールディングス(HD)は子会社を通じて、写真館と結婚式事業を営むミヤガワ(長野市)から建築写真撮影事業を取得することを決めた。ひかりHDが手がけるタイル・石材建築工事業との親和性が高く、相乗効果が見込め、新たな顧客開拓の一助になると判断した。当該事業の直近売上高は7500万円。取得価額は4900万円。取得予定日は2020年3月30日。

 

 

 

クレスコ<4674>、システムエンジニアリングサービスのエニシアスを子会社化

クレスコは、システムエンジニアリングサービスのエニシアス(東京都品川区。売上高8億8400万円、営業利益△300万円、純資産5800万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。今後一段と需要拡大が見込めるクラウド関連事業を取り込むのが狙い。エニシアスは2014年に設立。取得価額は2億8000万円。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

三菱地所<8802>、伊豆熱川地域の別荘地事業をひまわりに譲渡

三菱地所は伊豆熱川地域での別荘地事業とこれに付随する事業を、リゾート物件の不動産事業を手がける、ひまわり(新潟県湯沢町)の傘下企業に譲渡することを決めた。対象事業は三菱地所が昭和40年代に開発・分譲した。譲渡に伴う対価は0円。取得予定日は2020年8月1日。

三菱地所を分割会社とし、ひまわりが今回の事業を取得するため設立した子会社のエンゼルフォレストリゾートトゥレ(静岡県熱海市)を承継会社とする。ひまわりは伊豆地域でもM&Aを通じて積極的に別荘地に関連する事業を展開している。

 

 

 

あさくま<7678>、都内で寿司・和食店を運営する竹若を子会社化

あさくまは、寿司・和食店を都内で運営する竹若(東京都中央区。売上高22億7000万円、営業利益700万円、純資産2億5000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。あさくまはステーキハウス87店舗を中部、関東を中心に展開するが、今後の成長戦略として新たな業態を取り込み、客数の底上げを目指す。取得価額は1億5000万円。取得予定日は2020年2月28日。

 

 

 

博報堂DYホールディングス<2433>、台湾広告大手のGROWWW MediaをTOBで子会社化

博報堂DYホールディングスは25日、台湾の大手広告会社GROWWW Media(台北市。売上高109億円、営業利益9億7100万円、純利益36億円)を買収すると発表した。TOB(株式公開買い付け)を実施し、株式78.81%を取得する。TOB成立後、残りの株式11.19%について現金対価の株式交換を行い、完全子会社化する。台湾での広告ビジネス拡大が狙い。

買付価格は1株につき69台湾ドル(約251円)。買付代金は約67億4500万円。買付予定数の下限は所有割合50%に設定しているが、株式36人との間でTOB応募(所有割合50%)の合意を得ているという。買付期間は2月26日~4月15日。株式取得予定日は2020年4月24日。

 

 

 

ベルテクスコーポレーション<5290>、コンクリート二次製品メーカーのディーシーを子会社化

ベルテクスコーポレーションは、コンクリート二次製品メーカーのディーシー(福岡市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ディーシーは1959年に設立し、下水道関連を中心に、ヒューム管やSR推進管(曲線推進工法用鉄筋コンクリート管)などを製造し、施工管理も手がける。

ベルテクスはグループ企業を通じて下水道・浸水対策関連に使われる各種コンクリート二次製品や、落石・土砂防護柵の製造、据え付け工事などを東北地方から中国地方で展開している。九州北部を地盤とするディーシーを傘下に取り込むことで、グループの事業基盤を強化する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

エムティーアイ<9438>、経費精算クラウドサービスのクラウドキャストを子会社化

エムティーアイは、法人向けにキャッシュレスサービス事業を手がけるクラウドキャスト(東京都千代田区。売上高2570万円、営業利益△7300万円、純資産6130万円)の株式29.2%を追加取得し、子会社化することを決めた。第三者割当増資を引き受けて、持ち株比率を52.01%に引き上げる。クラウドキャストは2011年に設立し、経費精算クラウドサービス「Staple」や法人プリペイドカード「Stapleカード」などを提供する。

取得価額は7億2000万円。取得予定日は2020年2月28日。

 

 

 

那須電機鉄工<5922>、東北電力<9506>傘下の会津碍子を子会社化

那須電機鉄工は、東北電力子会社で碍子(がいし)を製造する会津碍子(福島県会津若松市)を子会社化することを決めた。電力・通信・鉄道などのインフラ各社向け碍子の安定供給に向けて生産体制を強固にする狙い。会津碍子は1952年設立で、従業員は79人。那須電機は東北電力が持つ全株式(所有割合95%)について、2020年3月31日に61.2%、2021年3月31日に33.8%を二段階取得する。取得価額は非公表。

 

 

 

EduLab<4427>、「大学受験パスナビ」運営の教育デジタルソリューションズを子会社化

EduLabは、教育デジタルソリューションズ(東京都千代田区。売上高16億9000万円、営業利益700万円、純資産2億1100万円)を株式交換により完全子会社化することを決めた。大学入試広報領域におけるメディア事業を強化する狙い。教育デジタルソリューションズは国内最大規模の大学受験情報サービス「大学受験パスナビ」を旺文社と共同運営している。

株式交換比率はEduLab 1:教育デジタル211で、教育デジタルの1株にEduLabの211株を割り当てる。株式交換実施予定日は2020年4月1日。

 

 

 

TOKAIホールディングス<3167>、仙台CATVを子会社化

TOKAIホールディングスは、CATV(ケーブルテレビ)事業の仙台CATV(仙台市。売上高10億3000万円、営業利益6600万円、純資産17億8000万円)の株式87.9%を取得し子会社化することを決めた。TOKAIは現在、東京、神奈川、千葉、静岡、長野、岡山の1都5県でCATV事業を手がけている。

仙台CATVは1983年に設立し、仙台、名取の両市をサービスエリアとする。多チャンネル放送、インターネット接続などで5万7000件の顧客を持つ。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

ナビタス<6276>、インモールド成形転写・転写フィルム事業を千代田グラビアに譲渡

ナビタスは、印刷子会社のナビタスニイズ(堺市)が手がけるインモールド成形転写事業と転写フィルム事業などを、千代田グラビア(東京都品川区)に譲渡することを決めた。グループ内の経営資源の最適配分の一環。当該事業の直近業績は売上高6億5800万円、営業利益1400万円。

ナビタスはインモールド成形転写事業と転写フィルム事業について、顧客ニーズに応える加飾(器物などモノの表面に装飾を施すこと)を行うために、フィルムメーカーと緊密に協力して事業を展開してきた。ただ、自社でフィルム製造技術を持たないことが競争上不利になっていたという。千代田グラビアは受け皿となる新会社のエヌアイエス(堺市)を設立し、対象事業を譲り受ける。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年4月1日。

 

 

 

投資ファンドのMETA Capital、澤田ホールディングス<8699>をTOBで子会社化

投資ファンドのMETA Capital(東京都港区)は20日、エイチ・エス証券やハーン銀行(モンゴル)などを傘下に持つ澤田ホールディングスに対し、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。株式の50.10%を取得し子会社化を目指す。TOB成立後も澤田HDのジャスダック上場は維持する方針。澤田HDは20年1月下旬にMETAから連絡を受け協議を続けてきたが、まだ検討中としてTOBに賛同するかは明らかにしていない。

澤田HDの会長で筆頭株主の澤田秀雄氏(所有割合26.81%)と同氏の資産管理会社(同2.77%)はTOBに応募する意向を示している。TOBの実施主体はMETAが設立したウプシロン投資事業有限責任組合(東京都港区)。METAは元ソニー会長の出井伸之氏が取締役会議長を務める投資ファンド。澤田HDは傘下に国内外で金融事業を展開するが、最近は株価が低迷している。METAは澤田HDの潜在的な成長力に着目し、これまでの投資経験やスタッフの知見を利用するなどして澤田HDの成長を支援するという。

買付価格は1株当たり1050円。TOB公表前営業日の対象株式の終値1005円に対して4.48%のプレミアムを加えた。買付予定数は1985万9758株。上限、下限ともに同じで、下限に満たない場合は全部の買い付けを行わない。買付予定額は208億5274万5900円。公開買付期間は2020年2月20日から3月19日まで。

決済の開始日は3月27日。買付代理人はSBI証券。

 

 

 

ファミリーマート、早期退職に予定数を3割上回る1000人超が応募

ファミリーマートは19日、2月初めに実施した早期退職者募集の結果を発表した。早期退職者数は1025人(正社員924人、非正規社員101人)と、約800人としていた募集者数を3割近く上回った。実際の応募は1111人だったが、日常業務の継続に支障を来す一部社員については制度の適用外としたという。割増退職金総額は約150億円で、2020年2月期決算に全額を費用計上する。

ファミリーマートは本部組織の構造改革の一環として早期退職者の募集を打ち出した。市場の飽和や競争激化、人手不足などコンビニ業界を取り巻く厳しい経営環境を乗り切るために組織のスリム化・業務効率化を進めるのが目的で、対象者は2月末時点で40歳以上(出向者を含む)の社員。当初予定では2月10日~21日を募集期間としていたが、2月3日~7日に繰り上げ、期間も短縮した。退職日は3月31日。

 

 

 

ファーマライズホールディングス<2796>、有料職業紹介のウィークを子会社化

ファーマライズホールディングスは、有料職業紹介事業のウィーク(東京都文京区)の株式51%を取得し子会社化することを決めた。ウィークはMR(医薬情報担当者)やSE(システムエンジニア)などの派遣を主力とする。取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

旧村上ファンド系、東芝機械の要請を受け入れTOBを4月16日まで30日延長

東芝機械<6104>に対してTOB(株式公開買い付け)を実施している旧村上ファンド系投資会社のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)は18日、3月4日までとしていた買付期間を4月16日まで30営業日延長して60営業日とすることを公表した。3月27日に買収防衛策の発動を諮る臨時株主総会を開催する東芝機械の要請を受け入れた形。これにより、敵対的TOBに対する株主の意思を問う株主総会がTOB期間中に開かれることになった。

東芝機械側は買付期間が延長されなかった場合、取締役会で買収防衛策の発動を決議する構えを見せていた。旧村上系は1月21日に東芝機械に対するTOBを開始。これに対し、東芝機械は反対を表明している。

旧村上系は既所有分12.5%と合わせ東芝機械株43.82%の取得を目指している。買付価格は1株3456円で、買付代金は最大約259億円。買付期間は当初、1月21日~3月4日までの30営業日だった。東芝機械は12日付書簡で旧村上系側に19日正午を期限として60営業日までの延長を要請していた。

18日の東芝機械株の終値は前日比85円安の3260円。

 

 

 

パートナーエージェント<6181>、フォトウエディングのMクリエイティブワークスを子会社化

パートナーエージェントは、フォトウエディング事業のMクリエイティブワークス(東京都品川区。2020年3月期見込み=売上高1億800万円、営業利益△2700万円、純資産―)を買収することを決めた。株式85.1%を追加して完全子会社化する。

近年、結婚式スタイルは従来型の挙式披露宴に代わり、カジュアルウエディング(会費会食婚、フォトウエディング、挙式のみなど)が台頭している。パートナーエージェントはこれまでフォトウエディングを取り扱っていなかったが、Mクリエイティブを傘下に取り込むことで、カジュアルウエディングのサービス体制を充実する。

取得価額は2億1400万円。取得予定日は2020年3月31日。

Mクリエイティブの前身は事業活動休止中の日本現代生活総合研究所。2018年4月に現社名に変更し、フォトウエディング事業を立ち上げ、同年11月に東京・台場に邸宅ロケーションスタジオ「LUMINOUS tokyo」をオープン。これまで500件以上のフォトウエディングや結婚式の前撮りなどを手がけてきた。2019年3月期は一連の先行投資により、6600万円の債務超過に陥っているが、来期(2021年3月期)以降、早期の黒字化と債務超過解消を目指す。

 

 

 

ゲンダイエージェンシー<2411>、デジタル広告のRita子会社化を撤回

ゲンダイエージェンシーは17日、デジタル広告の企画・制作を手がけるRita(東京都台東区)の子会社化を撤回すると発表した。14日にRitaの全株取得に関する基本合意書を締結したが、17日に対象株式を保有する同社の藤本尚也社長から売却意向を取り下げたいとの申し出があったという。ゲンダイは、交渉継続は不可能と判断した。

当初スケジュールによると、2月末日に最終契約書締結と株式譲渡の実行を予定。取得価額は非公表だった。

ゲンダイは主要顧客としてきたパチンコホール向け広告需要が低迷する中、インターネット広告への対応力を強め、パチンコホール以外の新分野で広告主の開拓を推進中。こうした取り組みの一環として、5G(第5世代通信)普及に伴い市場拡大が見込まれる動画広告に強みを持つRitaを傘下に取り込むことにしていた。Ritaは2018年2月に設立したベンチャー企業。

 

 

 

G-7ホールディングス<7508>、ミニスーパー「miniピアゴ」73店舗運営の99イチバを子会社化

G-7ホールディングスは、ユニー子会社でミニスーパー「miniピアゴ」を東京、神奈川で73店舗運営する99イチバ(横浜市。売上高136億円、営業利益1億4300万円、純資産△4億9900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。首都圏での店舗拡大が狙い。G-7は業務用スーパー事業や農産物直売所「めぐみの郷」の店舗展開、精肉販売などを手がけている。

取得価額は12億6500万円。2020年4月1日に80%、2022年4月1日に残りの20%を2段階で取得する。

99イチバは2006年、ユニーと当時のユニーの子会社だったサークルKサンクスとの共同出資会社で設立し、ユニーのスーパーマーケット運営のノウハウを生かした狭商圏対応のミニスーパーとして展開してきた。99イチバの親会社であるユニーは2019年1月にパン・パシフィック・インターナショナルホールディング(旧ドンキホーテホールディングス)傘下となった。パン・パシフィックにおける経営資源の最適配分の一環として、99イチバをグループから切り離す。

 

 

 

ジーンテクノサイエンス<4584>、ノーリツ鋼機傘下の日本再生医療を子会社化

ジーンテクノサイエンスは、ノーリツ鋼機子会社で再生医療技術・製品の研究開発を手がける日本再生医療(東京都港区。売上高―、営業利益△2億8200万円、純資産2億3000万円)を17日付で子会社化した。株式94.7%を追加取得し、持ち株比率を100%とした。取得価額は0円。

日本再生医療は2013年に、小児先天性心疾患に対する再生医療製品の事業化に取り組んできたが、開発進捗が遅れている状況が続いていた。小児先天性心疾患は生まれながらに心臓に何らかの異常を持つ疾患。

ジーンテクノサイエンスはバイオ医薬品の技術・開発や再生医療事業を手がける北大初ベンチャー。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

2次相続の申告後に、1次相続に係る遺留分侵害額請求に基づく支払額が確定した場合

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田 房枝/税理士)

 

 

[関連解説]

■遺留分侵害額の請求があった場合の税務上の取扱い

■遺留分制度を潜脱する意図で利用された信託(東京地裁H30.9.12)

 

 

 

【問】

私(C)の祖父(A)は、X1年1月に死亡しました(以下「1次相続」)。祖父はすべての財産1,000を私の父(B)に相続させるという遺言を残しており、これに対して叔母(Z)が遺留分侵害額請求をしてきました。

 

また、X1年2月、父(B)が死亡しました(以下「2次相続」)。父はすべての財産を私(C)に相続させるという遺言を残していました。

 

祖父(A)の相続税の申告期限までに叔母(Z)への支払額が確定しなかったため、1次相続に係る父(B)の相続税申告は、祖父(A)の遺言通り、父(B)が1,000すべてを相続したものとして、X1年11月に行いました。

 

また、父(B)の相続税の申告期限までにも叔母(Z)への支払額が確定しなかったため、2次相続に係る私(C)の相続税申告は、父(B)に祖父(A)から相続した1,000の財産があるものとして、X1年12月に行いました。

 

その後、X2年2月に、遺留分侵害額請求に基づく支払額が確定し、叔母へは200を支払うこととなり、その結果、父(B)が相続した財産は800となりました。

 

この場合、1次相続に係る父(B)の相続税申告、及び2次相続に係る私(C)の相続税申告において、更正の請求をすることはできますか?

 

 

 

〔親族関係図〕
822-1.png

 

 

〔1次相続に係る課税価格〕

 

〔2次相続に係る課税価格(1次相続の影響のみ記載)〕

 

 

【解説】

1. 相続税法における更正の請求


相続税の申告書を提出した者は、遺留分侵害額請求に基づき支払うべき金銭の額が確定したことにより、その申告に係る課税価格及び相続税額が過大となったときは、その確定したことを知った日の翌日から4か月以内に、更正の請求をすることができます。

 

2. 本問への当てはめ


(1)1次相続に係るBの相続税申告

上記1の規定のとおり、B(実際に手続をするのはその相続人)は、更正の請求をすることができます。
なお、1次相続に係る相続税申告についてBが更正の請求をする場合、Zが期限後申告をしなければ、Zは決定処分を受けることになります。ただし、更正の請求及び期限後申告をしたとしても、しなかった場合と比べて相続税の総額は変わらないため、実務的にはこれらの申告等を行なわず、当事者のB・Z間で修正税額の精算のみを行うこともあります。

(2)2次相続に係るCの相続税申告

上記1の赤字の箇所は、次の波線のような言葉を補って解釈するものと考えます。

その者(遺留分侵害額請求をされた相続に係る申告書を提出した者)が 遺留分侵害額請求に基づき支払うべき金銭の額が確定したことにより、その 遺留分侵害額請求をされた相続の 申告に係る課税価格及び相続税額が過大となったときは、」

すなわち、上記1の規定は、遺留分侵害額請求をされた相続に係る申告(本問の場合、1次相続に係る申告)に関しての更正の請求について定められたものであり、遺留分侵害額請求とは直接関係のない申告(本問の場合、2次相続に係る申告)についても更正の請求を認めるという規定ではないと解されます。また、本問の場合、国税通則法の更正の請求事由にも該当しません。したがって、Cは、2次相続に係る相続税について更正の請求をすることはできないと考えます。

 

3. 最後に


上述のとおり、相続税法における更正の請求の規定は本問の場合の2次相続については適用されず、その結果、Cは1次相続においてBが相続しないこととなった財産200についても2次相続で相続税を負担しなければならないことになると考えます。

(参考:大阪国税局WAN質疑応答事例検索システム相続税関係2929)

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/02/25)より転載

「休廃業・解散」動向調査(2020年1月公開分)

 

 

 

◇近畿地区「休廃業・解散」動向調査(2019年)

「休廃業・解散」は3,354件で3年ぶりに増加
~ 「倒産」と「休廃業・解散」がともに増加したのは2008年以来、11年ぶり ~

※詳細はこちら

 

◇大分県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の「休廃業・解散」は292件
~ 倒産件数の8.3倍 ~

※詳細はこちら

 

◇島根県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散は147件、2年ぶりに減少
~ 代表者年齢、70歳以上が61.6%を占める ~

※詳細はこちら

 

◇山口県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散は286件、過去10年で最少に
~ 代表者年齢、70歳以上が58.0%を占める ~

※詳細はこちら

 

◇鳥取県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散は137件、2年ぶりに減少
~ 代表者年齢、70歳以上が42.3%を占める ~

※詳細はこちら

 

◇岡山県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散は453件、4年ぶりに増加
~ 代表者年齢、70歳以上が52.9%を占める ~

※詳細はこちら

 

◇中国地方「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散は1678件、6年ぶりに増加
~代表者年齢、70歳以上が54.1%を占める~

※詳細はこちら

 

◇広島県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

休廃業・解散は655件、2年ぶりに増加
~代表者年齢、70歳以上が53.9%を占める~

※詳細はこちら

 

◇静岡県「休廃業・解散」動向調査(2019年)

静岡県内の「休廃業・解散」件数は712件
~ 倒産の3.4倍、前年より倍率上昇 ~

※詳細はちら

 

◇北海道「休廃業・解散」動向調査(2019年)

2019年の休廃業・解散は1310件
~ 3年ぶりの前年比増加、倒産件数の6.2倍に ~

※詳細はこちら

 

 

 

 

 

 

情報提供元(出所):株式会社帝国データバンク

[解説ニュース]

事業承継税制を複数の後継者に適用する場合の留意点

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(小野寺 太一/公認会計士・税理士)

 

 

[関連解説]

■贈与税の納税猶予の適用を受ける贈与により非上場株式を取得した者のみなし配当課税の特例

■非上場株式を後継者等(非居住者)に贈与した場合の留意点

 

 

 

1.後継者が複数の場合の事業承継税制の取り扱い


2027年12月末までの贈与又は相続等に適用することができる非上場株式等に係る新事業承継税制(以下、「特例措置」という。)では、対象会社の代表権を有し、同族関係者のうち最も多くの議決権を有する者を含め上位3名までの者で、議決権数の10%以上を有する者であるという要件を満たすことを前提に、後継者3人までの適用が可能となりました。

 

従来の制度(以下、「一般措置」という。)では非上場株式等を受け取る後継者は1人に限定されていますが、特例措置では、例えば兄弟で会社経営を引き継ぐ場合において、必ずしも株式の承継者を1人に限定せず、2人又は3人で株式を受け取る場合でも適用が可能となっています。

 

 

2.後継者が複数の場合の留意点


一般に非上場株式等が複数の株主に分散すると、後継者の経営権の安定性に問題が生じたり、その後の相続等により更なる株式の分散を招くことから、非上場株式等については後継者1人に集中する方が望ましいと言われることが多く、複数の後継者に株式を承継するかについては、承継時に十分な検討が必要です。さらに上記の一般的な注意点の他に、事業承継税制の適用に際して、複数後継者の場合に注意を要する事項があります。

 

例として、A社のオーナー社長甲がA社の発行済株式総数100株の全てを保有している状態で相続が発生し、特例措置の適用により、長男乙が60株、次男丙が40株を相続したとします。乙と丙への相続自体は1に記載の要件、その他の要件を満たす前提であれば特例措置の適用に問題は生じないと考えられます。

 

 

問題が生じる可能性があるのは、乙と丙からその次の後継者への承継のタイミングです。乙、丙がそれぞれ贈与により次の後継者へ株式の移転を考える場合、乙と丙は贈与者としての要件を満たしている必要があります。

 

 

贈与者の要件(既に贈与税の特例措置の適用を受けている者等がいない場合)は概略以下の通りです。

 

①贈与の前に、その会社の代表権を有していたこと
②贈与の直前において、その個人と同族関係者の有するその会社の株式に係る議決権の数の合計が議決権総数の50%超であること
③贈与の直前において、その個人が有するその会社の株式に係る議決権の数が、同族関係者のいずれかの者が有する議決権の数を下回らないこと
④贈与の時において、その個人がその会社の代表権を有していないこと

 

 

ここで、乙、丙から次の後継者への贈与の際に問題となるのは、③の要件です。
乙と丙が株式を相続により取得して以降、まず先に乙が贈与により、次の後継者に特例措置により株式を承継する場合には、乙は丙よりも多くの議決権を有していることから、③の要件を満たし、乙からの承継に問題はないと考えられます。また、その後、丙が贈与により株式を承継させる場合(既に贈与税の特例措置の適用を受けている者がいる場合)には、丙は①~③の要件を満たす必要がないことから、こちらも特例措置の適用に問題はないと考えられます。

 

 

一方で、丙が乙よりも先に次の後継者に特例措置により贈与する場合は問題が生じます。丙の有する議決権の数は、乙の有する議決権の数よりも少ないため、③の要件を満たすことができず、結果として、丙から次の後継者への承継の際に、特例措置を適用することはできないと考えられるためです。以上から、丙が生前に贈与により次の後継者に株式を承継させる場合には、乙から次の後継者への承継を待ってから行うか、事業承継税制を適用せずに贈与することとなると考えられます(後者の場合には、丙が猶予されている甲に係る相続税額は打ち切りとなり納税が必要となります)。

 

贈与であれば、タイミングを調整し、乙からの贈与を先に行う等の調整ができるかもしれませんが、乙からの贈与よりも前に、丙の相続が発生してしまった場合には、特例措置の適用を受けられないこととなります。

 

 

甲の相続の際に、乙と丙が同数の議決権を有するように非上場株式等を相続すれば、乙と丙どちらから次の承継を行う場合でも、③の要件を満たすことは可能ですが、乙と丙が全くの同数を有すること自体が会社経営上、問題ないのかの検討は必要と思われます。

 

なお、乙、丙からの承継が2028年以降となり、一般措置の適用となる場合にも問題が生じます。現在の一般措置では、複数の後継者への承継は認められていないため、先に乙から一般措置により承継された後継者1名に対してのみ、丙から承継することが可能であり、他の後継者に対して丙から株式を承継する場合には、一般措置の適用を受けることができません。

 

 

特例措置では、複数の後継者への承継が行えるようになったことから、これまでよりも柔軟な承継が行えるようになったことは事実ですが、上記のような問題が考えられることから、その次の承継まで見据えて決定する必要があります。また、これらの取り扱いについては今後改正される可能性もあるため、実行の際には確認が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/02/17)より転載

[M&Aニュース](2020年2月3日〜2月14日)

◇アジアゲートホールディングス<1783>、土木工事子会社の南野建設を吉田組に譲渡、◇ゲンダイエージェンシー<2411>、デジタル広告のRitaを子会社化、◇パス<3840>、ブロックチェーン事業の合弁子会社Blockshine Japanを経営陣に譲渡、◇サッポロHD、早期退職優遇制度を実施、◇ユニゾTOB、フォートレスが買付期間を2月28日まで13回目の延長、◇オルトプラス<3672>、モブキャストゲームスからスマホ向けスポーツゲームタイトルを取得、◇サンオータス<7623>、輸入車販売子会社「モトレーン東洋」と「メトロポリタンモーターズ」を譲渡、◇東芝機械、旧村上系TOBに「反対」表明|臨時株主総会を3月27日開催 ほか

 

 

 

 

 

アジアゲートホールディングス<1783>、土木工事子会社の南野建設を吉田組に譲渡

アジアゲートホールディングスは、土木工事子会社の南野建設(大阪府枚方市。売上高17億8000万円、営業利益7180万円、純資産8億7300万円)の全株式を、地場建設業の吉田組(兵庫県姫路市)に譲渡することを決めた。

アジアゲートは傘下企業を通じて建設事業、不動産事業、ゴルフ・リゾート事業を主力とする。事業構成を中長期的な観点から見直した結果、ゴルフ・リゾート事業に経営資源を集中することにした。

南野建設は1950年に設立し、推進工法と呼ばれる非開削工法に基づくトンネル工事を主力とし、電気やガス、上下水道などの都市インフラ分野で実績を積んできた。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年3月中旬。

 

 

 

ゲンダイエージェンシー<2411>、デジタル広告のRitaを子会社化

ゲンダイエージェンシーは、デジタル広告企画・制作のRita(東京都台東区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。主要顧客であるパチンコホール向け広告需要が低迷する中、インターネット広告への対応力を強め、パチンコホール以外の分野で広告主の新規開拓を進める。Ritaは2018年2月に設立した若い会社ながら、5G(第5世代通信)の普及に伴い市場拡大が見込まれる動画広告で実績を積みつつあるという。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月末日。

 

 

 

パス<3840>、ブロックチェーン事業の合弁子会社Blockshine Japanを経営陣に譲渡

パスは、ブロックチェーン(分散型台帳)の技術開発やコンサルティング業務を手がける合弁子会社のBlockshine Japan(東京都渋谷区。売上高6020万円、営業利益△1億6600万円、純資産△1億1900万円)のすべての保有株式(所有割合51%)を、Blockshine Japan社長の赤坂恵司氏に譲渡した。14日付。譲渡価額は1円。

Blockshine Japanは2018年8月に、パスが51%、豪 Blockchain Global Limitedが49%を出資して設立した。日本国内でブロックチェーン事業を共同してきたが、現在までに事業拡大につなげる具体的な成果を見いだすことができず、今後も当初予定していた成果が望めないと判断し、事業から撤退することにした。

 

 

 

サッポロHD、早期退職優遇制度を実施

サッポロホールディングス(HD)は13日、中核子会社のサッポロビールで早期退職優遇制度を実施すると発表した。約2400人の社員のうち、勤続10年以上で満45歳以上の社員を対象とし、目標人数は定めていない。申請時期は2回に分け、1次分が4月1日~6月10 日(退職日は11月20日)、2次分が10月1日~12月10 日(退職日は2021年5月20日)。通常の退職金にセカンドキャリア支給金を加算し、希望者には再就職支援を行う。

ビール事業の強靭化、食品をはじめとする成長分野へのシフト、グローバル展開の加速などの基本戦略に沿い、人員配置の適正化を進める一環としている。

サッポロHDが同日発表した2019年12月期連結決算は売上高0.4%減の4918億円、営業利益5.3%増の122億円、当期利益48.9%減の43億5600万円。

 

 

 

ユニゾTOB、フォートレスが買付期間を2月28日まで13回目の延長

不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対して子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施している米投資会社フォートレス・インベストメント・グループ(サッポロ合同会社)は13日、同日までとしていた買付期間を2月28日まで10営業日延長すると発表した。フォートレスは昨年8月19日に対ユニゾTOBを開始し、買付期間はこれまで13回延長して127営業日に及ぶ。1月29日に1株あたり5200円(従来4100円)に引き上げた買付価格は変更していない。

ユニゾを巡ってはフォートレスに対抗して、ユニゾ従業員による買収(EBO)が昨年12月21日から進行中で、従業員側は5700円の買付価格を提示し、2月28日を買付期間としている。

買収合戦の対象となっているユニゾの13日の終値は10円安の5790円。市場価格がフォートレス、ユニゾ従業員側の双方の買付価格を上回っており、予定通りに買い付けを行うことが見通せない状況にある。

 

 

 

オルトプラス<3672>、モブキャストゲームスからスマホ向けスポーツゲームタイトルを取得

オルトプラスは、ゲーム事業を手がけるモブキャストゲームス(東京都港区)からスマートフォン向けスポーツゲームの一部タイトルを取得することを決めた。対象タイトルを会社分割で承継する新会社モブキャストプラス(東京都豊島区)の全株式を譲り受け、子会社化する。スマホ向けゲームアプリの充実が狙い。モブキャストゲームスはモブキャストホールディングスの全額出資子会社。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

サンオータス<7623>、輸入車販売子会社「モトレーン東洋」と「メトロポリタンモーターズ」を譲渡

サンオータスは、輸入車の販売子会社2社を売却することを決めた。モトレーン東洋(横浜市。売上高57億5000万円、営業利益△1億700万円、純資産△3億4900万円)の全株式をエー・エル・シー(静岡県沼津市)に、メトロポリタンモーターズ(横浜市。売上高89億9000万円、営業利益△7000万円、純資産7700万円)の全株式をダイワグループ(東京都調布市)にそれぞれ譲渡した。経営資源の選択と集中の一環。2社の売却で売上高は約半減するが、利益面やキャッシュフロー(現金収支)の大幅な改善につながると判断した。

サンオータスは神奈川県でBMWブランドなどの輸入車販売を主力とし、ガソリンスタンド経営なども手がける。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年2月28日。

 

 

 

東芝機械、旧村上系TOBに「反対」表明|臨時株主総会を3月27日開催

東芝機械は12日、同社に対して旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が1月21日から実施中のTOB(株式公開買い付け)について、これまでの「留保」に代えて「反対」の意見を表明した。これにより、旧村上系による敵対的TOBが確定した。東芝機械は買収防衛策で対抗する方針で、3月27日に買収防衛策の発動の賛否を諮る臨時株主総会を開く。

シティインデックスはグループ企業の既所有分12.5%と合わせ東芝機械株43.82%の取得を目指している。買付価格は1株3456円で、買付代金は最大約259億円。買付期間は1月21日~3月4日までの30営業日。

東芝機械は1月28日、買収防衛策の発動の賛否を諮る臨時株主総会を3月下旬から4月上旬をめどに開催する方針を発表した際、シティインデックス側に買付期間を60営業日まで延長(4月16日)するよう求めたが、2月12日時点で延長されていない。

このため、12日付書簡でシティインデックス側に19日正午を期限として60営業日までの延長を改めて要請したとしている。買付期間が延長されれば、株主の意思を問う株主総会がTOB期間中に開かれることとなる。

12日の東芝機械株の終値は30円高の3410円。買付価格が市場価格を上回り、株主にとってはTOBに応募した方が有利な状況にある。

 

 

 

フジテック<6406>、昇降機設備販売・据え付けの英ALMAを子会社化

フジテックは英国子会社を通じて、エレベーターなど昇降機設備の販売や据え付け、保守を手がける同国Amalgamated Lifts Limited(ALMA、ケント州)を買収した。10日付で全株式を取得し子会社化した。引き続き安定成長が見込まれる英国市場で一段の事業拡大を目指す。ALMAは1988年設立。取得価額は非公表。

 

 

 

ハードオフコーポレーション<2674>、ソフト開発のインフォノースを子会社化

ハードオフコーポレーションは、ソフト開発のインフォノース(新潟県十日町)の全株式を取得し子会社化することを決めた。POS(販売時点情報管理)システムの開発・保守を通じて取引関係のあるインフォノースを取り込み、システム開発の内製化を促進する。

ハードオフコーポレーションはリユース品の取り扱い大手。自社通販サイト「ハードオフネットモール」を軸に、ネット通販とリアル(実)店舗との融合によるオムニチャンネル戦略を推し進めている。傘下に収めるインフォノースは4月1日付で「リンクチャネル」に社名変更する。

取得金額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

チェンジ<3962>、ブロックチェーン技術開発のOrbを子会社化

チェンジは、ブロックチェーン(分散型台帳)技術の研究開発を手がけるOrb(東京都港区。売上高3200万円、営業利益△1億9400万円、純資産4700万円)の株式71.76%を取得し子会社化することを決めた。

Orbは2014年に設立したフィンテック関連ベンチャーで、独自のブロックチェーン技術「Orb DLT」を活用した決済ソリューション技術に強みがあるという。

チェンジは2018年11月に買収した子会社のトラストバンク(東京都目黒区)を通じて、Orbを傘下に収める。トラストバンクは日本最大級のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営し、全国1500超の自治体と契約している。

取得価額は1億5000万円。取得予定日は2020年2月14日。

 

 

 

第一交通産業<9035>、山口県岩国市の玖珂駅構内タクシーを子会社化

第一交通産業は、玖珂駅構内タクシー(山口県岩国市)の全株式を取得し子会社化した。12日付。玖珂駅構内タクシーは1963年設立で、6台を保有。山口県内ではグループ6社277台体制となる。取得価額は非公表。

 

 

 

三井金属鉱業<5706>、PPC運営体制見直しに伴う銅精錬事業を承継する日比製煉を子会社化

三井金属鉱業は12日、JX金属との共同出資で持ち分法適用関連会社のパンパシフィック・カッパー(PPC、東京都千代田区)から銅精錬事業を取得することを決議した。PPCが対象事業を移管するために設立した日比製煉(東京都品川区)の全株式を4月1日付で取得する。取得価額は28億円。

PPCは2000年に三井金属とJX金属が銅製品の共販会社として設立。その後、2006年には双方の銅精錬機能をPPCに移管し生産を統合した。両社は昨年12月、これまでのPPC運営体制を見直し、PPC傘下に統合した双方の精錬機能について、2020年4月1日をもって、それぞれの精錬子会社として切り出すと発表していた。

 

 

 

三菱マテリアル<5711>と宇部興産<4208>、セメント事業を2022年4月に統合へ

三菱マテリアルと宇部興産は12日、2022年4月をめどにセメント事業を統合することで基本合意したと発表した。両社折半出資で設立する統合新会社の売上高は約6000億円となる。両社は1998年にセメントの販売・物流機能を統合したが、国内需要の縮小が続き、エネルギー価格が高止まりするなど事業環境が厳しさを増す中、生産部門を含めた事業の完全統合に踏み切る。今年9月末に最終契約書の締結を目指す。

統合範囲は両社の国内・海外のセメント事業のほか、生コンクリート事業、石灰石資源事業、エネルギー・環境事業、建材事業などを含む。統合新会社が対象事業を引き継ぐとともに、両社のセメント販売・物流の共同会社である宇部三菱セメント(東京都千代田区)を吸収合併する。三菱・宇部連合のシェアは太平洋セメントに次ぐ業界2位に位置する。

国内で三菱マテリアルは青森、岩手、埼玉、福岡県に4カ所、宇部興産は山口県内に3カ所のセメント工場を持つ。

 

 

 

ヤマハ発動機<7272>、ヤマハモーターロボティクスHD<6274>をTOBで完全子会社化

ヤマハ発動機は、連結子会社のヤマハモーターロボティクスホールディングスに対し、完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施することを決議した。ヤマハ発動機の現在の株式所有割合は58.99%。ヤマハモーターロボティクスHDはTOB成立後に上場廃止となる見通し。

半導体製造装置業界では、マウンター(電子部品実装装置)と半導体後工程装置との技術的融合が強まっており、装置メーカーに対してもトータルソリューションの提供が課題となっている。ヤマハ発動機はこれに対応するため、2019年6月に半導体後工程装置大手の新川(現・ヤマハモーターロボティクスHD)を連結子会社化した。今回TOBにより完全子会社化することで経営スピードを一段と高める。ヤマハモーターロボティクスHDはTOBに賛同を表明している。

TOBの買付価格は1株当たり750円。公表前営業日の対象株式の終値508円に対して47.64%のプレミアムを加えた。買付予定数は1819万5465株で、下限は340万4300株に設定している。下限に満たない場合は買い付けを行わない。買付予定額は136億4659万8750円。公開買付期間は2020年2月13日から4月10日までを予定している。

 

 

 

土木管理総合試験所<6171>、磁気探査・測量設計の沖縄県2社を子会社化

土木管理総合試験所は、磁気探査・測量設計を手がけるアースプラン(沖縄県名護市)とクリエイト(同)の2社の全株式を取得し子会社化した。1月27日付。沖縄県進出の足掛かりとするのが狙い。取得価額は非公表。

 

 

 

ユニゾTOB、従業員側が買付価格5700円に引き上げ

不動産・ホテル業のユニゾホールディングに対して、従業員による買収(EBO)を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施しているチトセア投資(東京都中央区)は9日、買付価格を600円引き上げて5700円とすると発表した。新たに提示した買付価格は2月7日のユニゾ株価の終値5570円を上回る水準。

チトセア投資は2019年12月24日から1株5100円でユニゾ株の買い付けを始めたが、この間、市場価格が買付価格を大幅に上回る高値で推移し、TOB成立が難しい状態が続いていた。

併せて、2月14日までとしていた買付期間を28日まで9営業日延長する。買付価格の引き上げは初めてだが、買付期間の延長は今回で2度目。チトセア投資はTOBの実施主体として、ユニゾ従業員と米投資会社ローン・スターが共同出資で設立した会社。

ユニゾをめぐっては米投資会社、フォートレス・インベストメント・グループによるTOBが並行して同時進行中。フォートレスは1月29日に買付価格を4100円から1100円引き上げて5200円と、この時点で、チトセア投資の買付価格を上回る水準とした。フォートレスの買付期間は2月13日まで。ただ、昨年8月19日にTOBを開始以来、延長が繰り返され、117営業日に及ぶ異例の長さとなっている。

さらに別の米投資会社のブラックストーンがユニゾの賛同を前提に1株5600円でのTOBを提案しており、ユニゾ買収合戦は迷走と混沌を極めている。

 

 

 

三井松島ホールディングス<1518>、ペットフード輸入卸のケイエムテイを子会社化

三井松島ホールディングスは、ペットフード販売のケイエムテイ(大阪府泉大津市。売上高14億1000万円、営業利益3億2300万円、純資産6億7300万円)の株式93.075%を取得し子会社化することを決めた。三井松島は非石炭生産事業へのM&A投資を打ち出しており、昨年4月にシュレッダー国内最大手、明光商会(東京都中央区)を買収したのに次ぐ第2弾。

ケイエムテイは1988年に設立。同社が扱うペットフードは乳酸菌やアガリスクなど免疫力を高める健康素材の配合を特徴とし、ペットブリーダーや動物病院のほか、ペット愛好家などを顧客とする。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

日本駐車場開発<2353>、テーマパーク「那須りんどう湖レイクビュー」運営の那須興業を子会社化

日本駐車場開発は、テーマパーク「那須りんどう湖レイクビュー」を運営する那須興業(栃木県那須町。売上高15億円、営業利益△1億300万円、純資産2億2900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。那須興業の全株式を保有する日本ビューホテルは昨年9月、不動産大手ヒューリックの傘下に入ったのに伴い、ホテル事業への経営資源の集中を打ち出していた。

日本駐車場開発は子会社の日本テーマパーク開発(東京都千代田区)を通じて、那須興業を買収する。日本テーマパークは同じ那須町で、テーマパーク「那須ハイランドパーク」(2016年に藤和那須リゾートを買収)を運営している。

那須りんどう湖レイクビューは1965年に開園し、観光牧場と遊園地からなるテーマパークのはしり。来場者は27万人(2019年4月期)。レジャーの多様化で集客力が低下し、近年、赤字が常態化していた。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年5月1日。

 

 

 

全国保証<7164>、東和銀行傘下の東和信用保証を子会社化

全国保証は東和銀行の信用保証子会社、東和信用保証(前橋市。売上高1億5500万円、経常利益3300万円、純資産14億2000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。東和信用保証は1997年に設立し、住宅ローンなどの信用保証業務を手がけてきた。取得価額は13億6000万円。取得予定日は2020年2月28日。

 

 

 

小森コーポレーション<6349>、印刷の後加工向け折機を製造する独MBOグループを子会社化

小森コーポレーションは印刷工程の後加工で使われる折機を製造するドイツMaschinenbau Oppenweiler Binder GmbH & Co. KG(MBOグループ。売上高約62億円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

MBOグループは1965年に設立し、折機の製造で欧米を中心に高いシェアを持つという。工場はドイツ国内2カ所のほか、ポルトガルにもある。米国、フランス、中国に販売・サービスを手がける現地法人を持つ。小森コーポレーションはMBOグループを傘下に取り込むことで、新たに商業印刷の後工程分野に乗り出すことが可能になるという。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日以降。

 

 

 

デサント<8114>、2015年に買収したオフロードシューズ「イノヴェイト」を創業者に譲渡

デサントは、「inov‐8(イノヴェイト)」ブランドでシューズやウエアなどを製造・販売する海外子会社PEDES INVESTMENTS LTD.(マン島=英国王室属領国。売上高23億5000万円、営業利益△6200万円、純資産△14億円)の全株式(所有割合80%)を、イノヴェイト創業者のWayne Edy氏が設立する新会社に譲渡することを決めた。

イノヴェイトはトレイルランニング用オフロードシューズを主力とし、世界約60カ国で展開する。デサントは2015年にイノヴェイトを買収したが、業績が当初想定した事業計画を大幅に下回って推移していた。

譲渡価額は約10億800万円。譲渡予定日は2020年2月14日。

 

 

 

コンドーテック<7438>、架払工事の東海ステップを子会社化

コンドーテックは、土木・建築用足場などの架払工事業を手がける東海ステップ(静岡県藤枝市。売上高30億7000万円、営業利益4億円、純資産14億7000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。社会インフラの老朽化に伴う維持修繕分野での事業拡大につなげる狙い。

東海ステップは1982年に設立し、40年近い業歴を持つ。2015年から中堅中小企業に特化した投資ファンドのベーシック・キャピタル・マネジメント(東京都千代田区)の傘下にある。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月26日。

 

 

 

Eストアー<4304>、NFCホールディングス傘下でウェブ広告代理業のウェブクルーエージェンシーを子会社化

Eストアーは、NFCホールディングス傘下でウェブ広告代理業のウェブクルーエージェンシー(東京都渋谷区。売上高33億8000万円、営業利益5900万円、純資産3億3200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

EストアーはEC(電子商取引)支援サービスを主力とする。今回の買収に先がけて、今年1月末にヤフー子会社でEC(電子商取引)サイト構築ソフト開発のコマースニジュウイチ(東京都港区)の全株式を約13億円で取得し傘下に収めている。

取得価額は4億400万円(アドバイザリー費用を含む)。取得予定日は2020年3月2日。

 

 

 

GMOメディア<6180>、クーポン・チケットサイト運営のGMOくまポンを子会社化

GMOメディアは、クーポン・チケットサイト運営のGMOくまポン(東京都渋谷区。売上高14億2000万円、営業利益△8420万円、純資産△3330万円)の株式50.1%を取得し子会社化することを決めた。

GMOくまポンは2010年に美容や健康・医療分野を主な対象とするクーポンサイト「くまポン」を開設。2018年には美容医療のチケット購入サイト「Kireipass」の運営を始めた。GMOメディアはGMOくまポンの設立にかかわった経緯から、これまで緩やかな協力関係(ただし、資本関係なし)にあったが、シナジー(相乗効果)を強化するため、子会社化に踏み込む。

GMOくまポンは現在、「Kireipass」立ち上げの投資に伴い営業赤字に陥っているが、送客を含めた顧客獲得に向けた販促活動をサポートし、早期の黒字化を目指す。

取得価額は1億221万円。取得予定日は2020年3月1日。

 

 

 

総合メディカルホールディングス<9277>、ポラリスと組んでMBOで非公開化

総合メディカルホールディングスは5日、経営陣による買収(MBO)を受け入れて非公開化すると発表した。経営陣の要請を受け、投資会社のポラリス・キャピタル・グループ(東京都千代田区)が総合メディカルに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株取得を目指している。買付代金は最大約763億円。総合メディカルの創業者で元社長の小山田浩定現相談役、坂本賢治社長らのほか、25.52%の株式を保有する筆頭株主の三井物産などはMBOに賛同している。

総合メディカルは1978年に小山田氏らが設立し、医療機関に対する医療機器のリースやコンサルティング業務を主力に事業を展開。調剤薬局事業も柱の一つに育っている。2001年に東証1部に上場。中長期的に企業価値を保持・育成するためには、機動的な意思決定を可能にする経営体制の構築が望ましいと判断し、非公開化に踏み切る。

買付主体となるのはポラリスが全額出資して設立したPSMホールディングス(東京都千代田区)。買付価格は1株あたり2550円で、TOB公表前日の終値2022円に26.11%のプレミアムを加えた。買付予定数は2993万4823株で、下限は所有割合66.67%に相当する1995万6600株と設定した。

買付期間は2月6日~3月23日までの30営業日。公開買付代理人は野村証券。決済開始日は3月30日。

 

 

 

三菱ガス化学<4182>、日本ユピカ<7891>をTOBで子会社化

三菱ガス化学は5日、持ち分法適用関連会社でジャスダック上場の化学メーカー、日本ユピカに対して子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。日本ユピカの株主について現在30.92%を保有する東洋紡との2社のみにするのが目的。三菱ガス化学が日本ユピカの持ち株比率を現在の38.04%から69.08%に引き上げる。日本ユピカはTOBに賛同している。

日本ユピカは1977年に不飽和ポリエステル樹脂事業部門を統合する目的で、三菱ガス化学が60%、東洋紡が40%を出資して設立した。その後、1994年に株式を店頭登録した(2004年からジャスダック上場)。非公開化を通じて機動的に意思決定が可能な経営体制の構築を目指す。

買付価格は1株3000円で、TOB公表前日の終値1651円に81.71%のプレミアムを加えた。買付予定数は85万2869株。買付代金は25億5860万円。買付期間は2月6日~3月23日の30営業日。公開買付代理人は野村証券。決済の開始日は3月30日。

 

 

 

三井松島ホールディングス<1518>、タイのシュレッダー協力工場T SECUREを段階的に子会社化へ

三井松島ホールディングスは子会社でシュレッダー国内最大手の明光商会(東京都中央区)を通じて、タイの協力工場であるT SECURE INTERNATIONAL CO., LTD.を子会社化することを決めた。3月1日にT SECUREの一部株式を取得した後、段階的に株式を買い増し、2022年3月末までに子会社化する予定。明光商会が保有するシュレッダー製造ノウハウの継承や商品供給の安定性を高めるのが狙い。

 

 

 

共英製鋼<5440>、カナダのMCアルタスチールから電炉事業を155億円で買収

共英製鋼は4日、カナダの電炉メーカー、Moly-Cop AltaSteel Ltd.(MCアルタスチール、ブリティッシュコロンビア州)から一部事業を買収すると発表した。カナダ西部アルバータ州の製造拠点など関連資産を分社するためにMCアルタスチールが1月末に設立した新会社の全株式を約155億円で取得する。共英製鋼は2016年に米電炉メーカーのBDビントン(テキサス州)を買収したのに続き、カナダを含めた北米での鉄鋼事業拡大の機会を模索していた。

買収する事業の2019年6月期業績は売上高263億円、営業利益3億2400万円、純資産204億円。製品販売量は30万トン、従業員数は約460人。製造拠点が立地するカナダ西部における唯一の電炉メーカーという。

共英製鋼は国内鉄鋼需要が縮小に向かう中、海外事業を成長戦略の柱と位置づけ、日本、ベトナム、米国で事業を展開している。

同社が中核とする電炉事業は地域で発生した鉄スクラップを原材料として生産した鋼材をその地域を中心に販売する地産地消を基本とするビジネス。海外でも同様に、需要地に近いエリアに競争力のある電炉工場を配置する方針を打ち出している。

買収は関係当局の承認を得て完了する。

 

 

 

DeNA<2432>、日本交通HDの傘下企業とタクシー配車アプリ事業を統合

DeNAとタクシー大手の日本交通ホールディングス(日本交通HD、東京都港区)は4日、両社のタクシー配車アプリ事業を統合すると発表した。DeNAが「MOV」の名称で展開する配車アプリ事業を会社分割により、日本交通HD子会社で同様の事業を手がけるJapanTaxi(東京都千代田区)に4月1日付で譲渡することを決めた。事業統合後、JapanTaxiはDeNA、日本交通HDが共同筆頭株主(各38.17%出資)となる。DeNAはJapanTaxiを持ち分法適用関連会社とする。

DeNA がJapanTaxiに分割するのは次世代タクシーアプリ「MOV」と、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)を活用した商用車向け交通事故削減支援サービス「DRIVE CHART」などの事業。当該事業の直近売上高は1億1300万円。

JapanTaxiは全国7万台のタクシー車両のネットワークを強みとし、2011年に日本で初めてタクシー配車アプリの提供を始め、現在、全国47都道府県でサービスを展開中。

DeNAは対価としてJapanTaxiが新たに発行する株式20万株を受け取る。

 

 

 

イオンフィナンシャルサービス<8570>、独系のアリアンツ生命保険を子会社化

イオンフィナンシャルサービスはドイツ保険大手アリアンツグループの日本法人、アリアンツ生命保険(東京都港区。経常収益377億円、経常利益△2億4400万円、純資産27億8000万円)の株式60%を取得し子会社化することを決めた。イオングループとして生保事業への新規参入となる。アリアンツ生命保険は2万件超(2019年末)の既契約を保有するが、2012年3月以降は新規契約の取り扱いを休止中。取得価額は36億円。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

給排水金具のミヤコ<3424>、MBOで非公開化

ミヤコは4日、経営陣による買収(MBO)を受け入れて非公開化すると発表した。ミヤコ社長の束田勝氏が全株を所有するツカダ興産(大阪市)がミヤコに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株取得を目指す。買付代金は最大約19億8900万円。

ミヤコは戸建住宅、マンション向けの給排水金具などの開発を主力とし、製造は外部委託するファブレス企業。国内の新設住宅着工戸数が減少傾向にあり、今後、事業環境が厳しさを増すことが予想される。こうした中、非公開化により、機動的かつ柔軟な経営体制を構築するのが狙い。

買付価格は1株あたり1325円で、TOB公表前日の終値930円に42.47%のプレミアムを加えた。買付期間は2月5日~3月23日までの31営業日。TOBを実施するツカダ興産は現在、ミヤコ株式の29.18%を持つ筆頭株主。また束田社長はミヤコ株式の16.04%を保有する。束田社長の親族は保有する全株式9.38%をTOBに応募する予定。

ミヤコの前身は1946年に京都市で創業。1951年に改組して、大阪市に都水栓工業所を設立した。1970年にミヤコに社名変更し、2000年にジャスダックに上場した。

公開買付代理人はSMBC日興証券。決済開始日は3月27日。

 

 

 

住宅用照明器具のオーデリック<6889>、MBOで非公開化へ

オーデリックは4日、経営陣による買収(MBO)を実施し、非公開化すると発表した。オーデリックの伊藤雅人社長が代表取締役を務める資産管理会社のアマセクリエート(東京都杉並区)がオーデリックに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株取得を目指す。買付代金は最大約306億円。

オーデリックは住宅用照明器具の大手。国内住宅着工が伸び悩む中、ホテルなど非住宅分野や海外への事業展開に力を入れているが、こうした取り組みを加速するために非公開化を通じて、抜本的・機動的な意思決定を可能とする経営体制を構築する。

買付価格は1株あたり6150円で、TOB公開前日の終値4835円に27.20%のプレミアムを加えた。買付期間は2月5日~3月19日までの30営業日。公開買付代理人はSMBC日興証券。決済開始日は3月27日。

オーデリックは1951年に各種照明器具の製造を目的に大山金属製作所として東京都三鷹市で設立。1973年にオーヤマ照明に社名を変更し、1996年から現社名。1996年に株式を店頭登録し、2004年にジャスダックに上場した。

 

 

 

TDCソフト<4687>、システム開発の八木ビジネスコンサルタントを子会社化

TDCソフトは、システム開発の八木ビジネスコンサルタント(東京都千代田区。売上高5億2800万円、営業利益2700万円、純資産1億5700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

八木ビジネスコンサルタントは1984年に設立し、企業業務を効率化するための統合型パッケージソフト「SAP」のコンサルティングやシステム開発で実績を積んできた。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月28日。

 

 

 

CEホールディングス<4320>、保健・衛生コンサルタントなどの「とらうべ」を子会社化

CEホールディングスは子会社のMocosuku(東京都港区)を通じて、保健・衛生コンサルタントなどを手がける、とらうべ(東京都大田区。売上高5520万円、営業利益△1930万円、純資産△5470万円)の全事業を取得することを決めた。

Mocosukuはウエブ上で医療資格者や専門家が執筆した記事の配信、広告・マーケティング支援事業などを行っている。とらうべとは2014年以来、記事の執筆・監修についての一部委託を通じて取引関係がある。

とらうべは1988年に設立し、企業向けに従業員に対する健康相談窓口業務、健康保険組合からの特定保健指導業務、医療機器(コンタクトレンズなど)の顧客対応窓口業務などの受託を手がけているが、企画力・営業力不足のため、有用な事業資産を持ちながら、業容拡大が難しい状態にあったという。

取得価額は2800万円。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

ジェイ エイ シー リクルートメント<2124>、人材紹介事業の香港「バンテージポイント」の日本法人を子会社化

ジェイ エイ シー リクルートメントは、人材紹介事業を展開する香港VantagePoint Asia Limited の日本法人、バンテージポイント(東京都港区)の全株式を取得することを決めた。バンテージポイントはコンサルティング業界と外資系金融機関に特化した人材紹介を展開する。取得価額、取得予定日は非公表。

 

 

 

じげん<3679>、インターネット情報サービスのCROOZ TRAVELISTなど3社から、航空券比較サイト「TRAVELIST」事業を取得

じげんは、インターネット情報サービスのCROOZ TRAVELIST(東京都渋谷区)など3社から、航空券比較サイト「TRAVELIST」事業を取得することを決めた。

「TRAVELIST」を取得するのはじげん子会社のアップルワールド(東京都文京区)。アップルワールドは主に海外ホテルを取り扱う予約システム「アップルワールド」を運営し、世界約150カ国11万件のホテル情報を国内旅行代理店に提供している。今回、「TRAVELIST」を取り込むことで、航空券やパッケージ商品の取り扱いが可能になる。

「TRAVELIST」は国内航空券についてLCC(格安航空会社)を含めた11社、海外航空券は約400社の航空会社から情報を集約している。「TRAVELIST」に関するソフトウエアや商標権を含む事業資産はCROOZ TRAVELISTのほか、CROOZ TRAVEL(相模原市)、クルーズ(東京都港区)で分散保有している。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月4日。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

更正の請求による相続税の還付

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

1.国税通則法上の相続税の更正の請求


相続税の申告書を提出した人が、その申告書に記載した課税価格や税額等の計算について相続税法等の規定に従っていなかったこと、または計算に誤りがあったことにより相続税を納めすぎたときは、法定申告期限から5年以内に限り税務署長に対し、その申告に係る課税価格または相続税額等につき、減額更正の請求をすることができます(国税通則法23条第1項)。例えば、土地の評価を誤って過大に計算し、納税者が相続税を納めすぎた場合には、更正の請求をすることにより納めすぎた税金の還付を受けることになります。

 

更正の請求をする場合は、その請求に係る更正前の課税価格または税額等、更正後の課税価格または税額等、その更正の請求をする理由、その請求をするに至った事情の詳細その他参考となるべき事項を記載した更正請求書に、更正の請求の理由の基礎となる「事実を証明する書類」を添付の上、税務署長に提出しなければなりません(同条第3項、同法施行令6条第2項後段)。

 

 

2.更正の請求の特例


法定申告期限から5年を経過した後であっても、次のような特段の事情が生じた場合には、更正の請求により相続税の還付を受けることができます。

 

(1)国税通則法上の特例

法定申告期限から5年経過後であっても、例えば次の事由に該当する場合、その事由が生じた日の翌日から起算して2ヶ月以内に限り、税務署長に対し更正をすべき旨の請求ができます(国税通則法23条2項、同法施行令6条第1項)。

 

 

①課税価格または税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決(判決と同一の効力を有する和解等を含む)により、その事実が計算の基礎としたところと異なることが確定したとき。

 

②申告等をした者に帰属するものとされていた相続財産等が、他の者に帰属するものとする当該他の者に係る国税の更正または決定があったとき。

 

③その申告、更正または決定に係る課税価格または税額等の計算の基礎となった事実にかかる国税庁長官が発した通達に示されている法令の解釈その他の国税庁長官の法令の解釈が、更正または決定にかかる審査請求もしくは訴えについての裁決もしくは判決に伴って変更され、変更後の解釈が国税庁長官により公表されたことにより、その課税価格または税額等が異なることとなる取扱いを受けることとなることを知ったこと。

 

 

(2)相続税法上の特例

相続の特殊性から上記1の他、相続税の申告書を提出した者または決定を受けた者が、例えば次のいずれかに該当する事由により、その課税価格や相続税額が過大となったときは、その事由が生じたことを知った日の翌日から4ヶ月以内に限り、税務署長に対し更正の請求ができます(相続税法32条、同法施行令8条第2項)。

 

 

①未分割財産につき民法に規定する相続分または包括遺贈の割合に従って課税価格が計算されていた場合に、その後当該財産の分割が行われ、共同相続人または包括受遺者が当該分割により取得した財産に係る課税価格が、その相続分または包括遺贈の割合に従って計算された課税価格と異なることとなったこと。

 

②民法に規定する認知、相続人の廃除またはその取消しに関する裁判の確定、相続の回復、相続の放棄の取消しその他の事由により相続人に異動を生じたこと。

 

③遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が確定したこと。

 

④遺贈に係る遺言書が発見され、または遺贈の放棄があったこと。

 

⑤相続もしくは遺贈または贈与により、取得した財産についての権利の帰属に関する訴えについての判決があったこと、その他一定の事由が生じたこと。

 

⑥相続税の期限内申告書の提出期限において未分割であった財産が分割されたことにより、その分割に基づき配偶者の税額軽減の規定を適用して計算した相続税額が、その時前において配偶者の税額軽減の規定を適用して計算した相続税額と異なることとなったこと(①に該当する場合を除く)。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/02/10)より転載

[解説ニュース]

住宅の譲渡所得の特例では、本当に居住していたか見られています

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

1.はじめに


マイホームを売った場合には、新たな住宅を取得するのが通常であるなど、一般の資産の譲渡に比べて特殊な事情があり、その担税力が弱いという理由から、税制上、特例が設けられています。その最もポピュラーな特例が居住用財産の譲渡所得の特別控除、いわゆる3,000万円特別控除です(措法35①)。

 

こうした居住用財産に係る譲渡所得の特例では、譲渡の対象財産が「その居住の用に供している家屋の譲渡若しくはその家屋とともにするその敷地の用に供されている土地等」を譲渡した場合であること、又は住まなくなってから3年を経過する日の属する年の年末までに譲渡した場合であることが、大きなポイントになっています。

 

居住の用に供しているということについては、「生活の拠点として利用している家屋をいい、これに該当するかどうかは、その者の日常生活の状況、その家屋への入居目的、その家屋の構造及び設備の状況その他の事情を総合勘案して判定するのが相当であり、また、本件特例の適用を受けるためには、譲渡資産に短期間臨時にあるいは仮住まいとして起居していたというのみでは足りず、真に居住の意思を持って客観的にもある程度の期間継続して譲渡資産を生活の拠点としていたことを要するもの」と考えられています(国税不服審判所平成31年2月6日)。

 

しかし、しばしば対象財産が「居住用」であるかどうかを巡って、納税者と税務署との間で争いが起こります。今回は、最近の裁決事例から、居住の用に供している実態がどのように確認されているかをチェックします。

 

 

2.電気・水道等の利用、源泉徴収票の住所…


先の国税不服審判所平成31年2月6日の裁決事例は、納税者Aさん(請求人)が父親から相続した住宅に相続後に住民票を移してから、その住宅を売却し3,000万円特別控除を適用して申告したところ、税務署からその住宅に本当に住んでいたとは認められないとして否認、争いとなったものです。

 

ここで、Aさんがその住宅に住んでいた証拠としてチェックを受けたのは次の事項です。

 

①住民票、運転免許証、源泉徴収票の住所
②職場に届出る住所地やその変更手続き
③郵便局への転居届
④電気、ガス、水道の使用量
⑤近隣住民の証言

 

これらがチェックされるのは、「請求人が本件家屋を生活の拠点として利用していたのであれば、その事実を示す何らかの形跡(例えば、引っ越し、通勤、郵便物、近隣商店の使用に係る領収証、町内会費の支払など)が残るのが通常である」(同裁決)という考えからです。

 

また、この事案では、売却に際して不動産仲介会社に依頼をしており、譲渡対象の住宅のカギを引き渡していた点や、不動産の広告に現況についての記載が「空き家」だった点がチェックされていました。

 

同裁決では、①住民票、運転免許証は対象の住宅の住所地だったが、源泉徴収票の住所は転居前のまま、②職場へ住所変更の手続きの書面を出したが、引っ越し完了連絡がなかったためいったん預かりとなっていたこと、③郵便局への転居届はなく、④電気水道ガスの使用料はほぼなかったこと、⑤近隣住民からは「請求人が本件家屋で生活していたのを見かけたことはない」旨申述があったことから、「生活の拠点として利用していたとは認められない」として3,000万円特別控除の適用を否認した税務署の処分を支持しています。

 

 

3.介護施設への入所と居住地


ケガなどにより介護を必要とする生活となったため、自宅にいられなくなった人が、相続開始直前、その住宅を売却したケースで、3,000万円特別控除の適否が争われた事例があります(国税不服審判所平成31年1月18日)。

 

「居住用家屋」の範囲については、転勤、転地療養等の事情のため、配偶者等と離れ単身で他に起居している場合であっても、その事情が解消したときはその配偶者等と起居を共にすることとなると認められるときは、その配偶者等が居住の用に供している家屋(措法通31の3-2⑴)も含まれるとされています。

 

これを下敷きにしたと見られる相続人(請求人)が住宅を売却した平成26年の前、平成17年から被相続人が施設へ入居していたが、その住宅に戻る意思があったから「居住用」と主張しました。しかし国税不服審判所はこの事例でも電気、ガス、水道の使用量、自治会費の支払い等もチェックし、生活の実態が認められないことから「居住用家屋とは、真に居住の意思をもって客観的にもある程度の期間継続して生活の拠点としていた家屋をいうのであり、治療終了後に家屋に戻る意思の有無のみによって判断されるものではない」とし請求を棄却しています。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/02/03)より転載

[M&Aニュース](2020年1月20日〜1月31日)

◇共同ピーアール<2436>、映画やビデオなど企画・制作のアティカスを子会社化、◇北洋銀行<8524>、経営支援コンサルティングの北海道共創パートナーズを子会社化、◇東芝機械、旧村上ファンド系のTOBへ「留保」の意見表明、◇ZUU<4387>、持ち分法適用関連会社でクラウドファンディング事業のユニコーンを子会社化、◇日立化成<4217>、コンデンサー事業などを中国・南通江海电容器に譲渡、◇片倉工業<3001>、100人規模の希望退職者を募集、◇サニーサイドアップグループ<2180>、ファッション業界に特化したPR会社のステディスタディを子会社化 ほか

 

 

 

 

サイジニア<6031>、京セラコミュニケーションシステムからネット広告に関するDSP事業を取得

2020-01-31

サイジニアは、京セラコミュニケーションシステム(京都市)が運営するDSP(ディマンドサイドプラットフォーム)事業を取得することを決めた。京セラコミュニケーションがDSP事業を新設分割して設立する新会社の株式90%を取得して傘下に収める形とする。

DSPはインターネット広告で広告主側から見た広告効率の最大化を支援するシステムのこと。

サイジニアは市場拡大が続くインターネット広告の分野で、データ解析エンジンの提供に軸足を置いてきた。一方で、今後想定されるインターネット広告の標準仕様の変更や業界構造の変革に迅速に対応するにはデータ解析エンジンにとどまらず、広告配信基盤を自ら運営する必要があると判断し、DSP事業を取り込むことにした。

取得価額は7500万円。取得予定日は2020年3月2日。

 

 

 

岡三証券グループ<8609>、インヴァスト証券から「くりっく株365」に関する事業を取得

岡三証券グループ傘下の岡三オンライン証券(東京都中央区)は、インヴァスト証券(東京都港区)から取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)の取引参加者としての事業を取得することを決めた。取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月2日。

 

 

 

HANATOUR JAPAN<6561>、訪日旅行者向けレンタカー事業をマルエイに譲渡

HANATOUR JAPANは、訪日個人旅行者向けレンタカー事業を、不動産関連のマルエイコーポレーション(千葉市)と自動車販売業のマルエイカーズ(東京都港区)に譲渡することを決めた。同社は沖縄でレンタカー事業を展開してきたが、日韓情勢の影響による訪日旅行者の減少などに対応する。当該事業の直近業績は売上高8400万円、経常損失2000万円。

マルエイコーポレーションに車両、マルエイカーズに車両以外の資産を譲渡する。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年2月1日。

 

 

 

フジシールインターナショナル<7864>、タイで包装材料製造のフジエースを子会社化

フジシールインターナショナルは、タイで包装材料を製造・販売する持ち分法適用関連会社のフジエース(バンコク。売上高165億円、営業利益△4億700万円、純資産77億6000万円)の株式51%を合弁相手の味の素から追加取得し、完全子会社化することを決めた。取得価額は45億1500万円。2020年3月末までに取得を完了する予定。

フジエースは1995年に味の素と共同出資で設立し、タイを中心にASEAN(東南アジア諸国連合)で市場拡大を進めてきた。フジシールインターナショナルはこの間、タイで実績を積んできたフジエースを子会社化することで、ベトナム、インドネシア、インドにあるフジシールの既存拠点との一体的・効率的な運営を推し進め、アジアにおける一層の事業拡大につなげる。

 

 

 

グローリー<6457>、セルフ決済機器大手の仏アクレレック・グループを約242億円で子会社化

グローリーは31日、英国子会社を通じて、買い物などの際に代金決済を利用者自身で行うセルフサービスキオスク機器の製造・販売を手がけるフランスのアクレレック・グループ(サンティボデヴィーニュ市。売上高151億円、営業利益6億500万円、純資産22億9000万円)の株式 80%取得し、子会社化すると発表した。取得価額は約242億円(アドバイザリー費用を含む)。

アクレレックは欧州を中心に19カ国に拠点を持ち、セルフサービスキオスクに関する機器やソフトウエアの開発から生産、販売、保守までをトータルに事業展開する。セルフサービスキオスク市場は人件費高騰や人手不足への対応を背景にファストフードやスーパーマーケットなどを中心に急成長しており、アクレレックはこの分野のリーディングカンパニーという。

グローリーは同社を傘下に取り込むことで、両社の販売網を相互活用して世界規模で飲食店などへの販売拡大を目指す。買収完了時期は現時点で未定。

 

 

 

みらかホールディングス<4544>、新潟縣健康管理協会から受託臨床検査事業を取得

みらかホールディングスは子会社を通じて、一般社団法人新潟縣健康管理協会(新潟市)が所有する登録衛生検査所「メディカルラボ健康会館」の受託臨床検査事業を取得することを決めた。新潟県での顧客基盤拡大が狙い。新潟縣健康管理協会は1976年設立。取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月1日。

 

 

 

JEUGIA<9826>、経営陣による買収(MBO)で非公開化

JEUGIAは31日、経営陣による買収(MBO)を受け入れて非公開化すると発表した。西村昌史社長が全額出資で設立した新会社「cross road」 (京都市)がJEUGIAに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株取得を目指す。楽器販売などの音楽事業とカルチャー事業を経営の両輪とするが、国内市場が縮小に向かう中、非公開化を通じて、抜本的・機動的な意思決定を可能とする経営体制を構築する狙い。

JEUGIA はTOBに賛同しており、同社株の32.1%を保有する筆頭株主のヤマハミュージックジャパン(東京都港区)もTOBに応募を決めている。

cross roadによるJEUGIA株の買付価格は1株あたり1720円で、TOB公表前日の終値1272円に35.22%のプレミアムを加えた。全株式の取得を目標とし、買付代金は最大約14億1400万円。買付予定数の下限は所有割合67.95%に設定。

買付期間は2月3日~3月17日までの30営業日。公開買付代理人はみずほ証券。決済開始日は3月25日。

JEUGIAは1898年、東京・銀座に本店を構えた十字屋が京都に置いた仮店舗から独立する形で、「十字屋田中商店」として創業した。1952年に田中楽器店を設立し、1975年に十字屋を経て、1990年に現社名に変更した。1991年に大阪証券取引所2部(現東証2部)に上場した。

ヤマハ系の楽器販売からスタートし、レコードやCDなどに取扱商品を広げた。1960年代からヤマハ音楽教室の運営を始め、さらにカルチャー事業への展開を推し進めてきた。ただ、近年、カルチャー事業が堅調な半面で、売上高の6割強を占める音楽事業の低迷が続いている。

 

 

 

マーケットエンタープライズ<3135>、ジラフから修理業者情報プラットフォーム「最安修理ドットコム」事業を取得

マーケットエンタープライズは、インターネットサービスの企画や開発を手がけるジラフ(東京都中野区)から修理業者情報プラットフォーム「最安修理ドットコム」の運営に関する事業を取得することを決めた。当該事業の直近売上高は3800万円。取得価額は7500万円。取得予定日は2020年2月1日。

マーケットエンタープライズはインターネットに特化したリユース品(中古品)の買取・販売を主力事業の一つとする。今回、「最安修理ドットコム」を取り込むことで、修理・メンテナンスといったアフター市場への事業領域の拡大を目指す。

「最安修理ドットコム」はiPhone修理店の料金比較・検討サイトとして2015年8月に運営をスタートした。現在では家電、カメラ、ドローン(無人飛行機)など様々な商品を対象としている。掲載した修理店舗数1万9000店舗、月間110万ページビュー、月間訪問者数は57万人(2019年12月)で、国内最大級の修理業者情報プラットフォームという。

 

 

 

日立製作所<6501>、日立ハイテクノロジーズ<8036>をTOBで完全子会社化

日立製作所は31日、連結子会社の日立ハイテクノロジーズ(東証1部上場)に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を2月17日から実施すると発表した。TOBを通じて現在51.73%の所有割合を100%に引き上げる。これに対し日立ハイテクノロジーズは同日付で賛同の意見を表明するとともに、株主が本TOBに応募することを推奨する旨の決議をした。

日立ハイテクノロジーズ株式の買付価格は1株につき8000円で、TOB公表前日の終値7740円に3.36%のプレミアムを加えた。買付予定数の上限は設けず、下限は2054万8181株と設定。予定通りに買い付けられれば、日立ハイテクノロジーズの上場は廃止となる見通し。

買付代金は約5311億円。買付期間は2月17日~4月6日。買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券とauカブコム証券が務める。

日立製作所は本TOBで、グループ内の連携強化による企業価値のさらなる向上と顧客ニーズへの迅速な対応の実現を狙うとしている。

 

 

 

UTグループ<2146>、製造業向け人材派遣のサポート・システムを子会社化

UTグループは、関西地区で製造業に対する人材派遣事業を手がけるサポート・システム(大阪市。売上高35億円、営業利益9100万円、純資産4億2200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

UTグループは工場向けの人材派遣、設計・開発、IT、建設分野への技術者派遣などを主力とする。サポート・システムは1998年に設立し、関西を地盤とするが、近年は関東地区に進出し、食品加工業界向けの人材サービスにも力を入れている。

取得価額は11億5600万円。取得予定日は2020年3月2日。

 

 

 

ヒガシトゥエンティワン<9029>、オフィス移転事業などのワールドコーポレーションを子会社化

ヒガシトゥエンティワンは、持ち分法適用関連会社でオフィス移転事業や引っ越し事業を手がけるワールドコーポレーション(大阪市枚方市。売上高6億7000万円、営業利益4110万円、純資産4170億円)の株式80%を追加取得し、完全子会社化した。31日付。グループ内で連携を強化する狙い。取得価額は3400万円。

 

 

 

佐鳥電機<7420>、60人程度の早期退職者募集を発表

佐鳥電機は30日、60人程度の早期退職者募集を内容とする特別転進支援施策を発表した。対象は同社とグループ会社の満40歳以上60歳未満で勤続10年以上(管理部門は満35歳以上)。募集人員は連結ベースの従業員総数の約9%にあたる。3月16日~31日募集し、退職日は5月30日とする。規程の退職金に特別加算金を上乗せ支給する。また、希望者には再就職支援会社を通じた再就職支援サービスを提供する。

特別転進支援施策は配置転換や職種転換を通じた人的資源の最適配置が狙い。佐鳥電機は電子部品や電子機器、電子材料などの取り扱いを主力とするエレクトロニクス商社。現行の中期経営計画では「ファクトリー」「モビリティー」「メディカル/ヘルスケア」を成長分野と位置づけ、経営資源を投入する方針を打ち出している。

2020年5月期業績の予想は売上高3.7%増の1210億円、営業利益37.1%増の9億円、最終利益135.6%増の7億円。

2020年に入り、上場企業で早期(希望)退職者の募集を発表したのは曙ブレーキ工業、片倉工業に続いて3社目。

 

 

 

ユニゾへの従業員買収、買付期間を2月14日まで7営業日延長

不動産・ホテル業のユニゾホールディングに対して、従業員による買収(EBO)を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施しているチトセア投資(東京都中央区)は30日、2月4日としていた買付期間を2月14日まで7営業日延長すると発表した。チトセア投資は2019年12月24日に1株5100円でユニゾ株の買い付けを始めたが、ユニゾ株価が買付価格を上回る高値圏で推移し、TOB成立が厳しい状況になっている。

ユニゾをめぐっては米フォートレス・インベストメント・グループによるTOBが同時進行しているが、フォートレスは29日に買付価格を4100円から1100円引き上げて5200円と、チトセア投資の買付価格を上回る水準とした(買付期間は2月13日まで)。

ユニゾ株の30日の終値は前日比10円安の5540円。

 

 

 

スターアジア不動産投資法人<3468>、さくら総合リート投資法人<3473>と合併の基本合意書を締結

スターアジア不動産投資法人(東京都港区)とさくら総合リート投資法人(東京都千代田区)は30日、合併に関する基本合意書を締結したと発表した。スターアジアは昨年5月に、さくら総合リートに合併提案。さくら総合リートはスターアジアとの合併に反対し、J-REIT(上場不動産投資信託)で初めての敵対的買収に発展にしていたが、曲折を経て、合併提案を受け入れた。今後、早期の合併契約締結を目指すという。

スターアジアは保有物件34件で資産規模1029億円(2019年7月末)、さくら総合リートは18件で、575億円(同6月末)。

 

 

 

白銅<7637>、東港金属東北支店の非鉄金属販売事業を取得

白銅は、金属スクラップ取り扱いの東港金属(東京都大田区)の東北支店(山形県東根市)が営む非鉄金属の販売事業を取得することを決めた。取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月11日。

 

 

 

インテグラル、システム構築の豆蔵ホールディングス<3756>をMBOで非公開化

投資ファンドのインテグラル(東京都千代田区)は30日、傘下企業を通じて、システム構築・開発支援を手がける豆蔵ホールディングス(東証1部)に対するTOB(株式公開買い付け)を実施して非公開化すると発表した。MBO(経営陣が参加する買収)の一環で、全株取得を目指す。買付代金は最大344億円。

買付主体はインテグラルが100%出資するK2TOPホールディングス。提示した買付価格は1885円で、TOB公表前日の終値1499円に25.75%のプレミアムを加えた。買付期間は31日~3月16日までの30営業日。買付予定数の下限は所有割合66.67%に設定している。

豆蔵の創業者で会長・社長を務める荻原紀男氏(所有割合1.66%)、同社筆頭株主の情報技術開発(東京都新宿区、所有割合16.87%)はTOBに応募を決めている。

公開買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券、auカブコム証券。決済開始日は3月24日。

 

 

 

芙蓉総合リース<8424>、ヤマト傘下でトラックリース事業のヤマトリースを子会社化

芙蓉総合リースは、ヤマトホールディングス全額出資子会社でトラックを中心にリース事業を手がけるヤマトリース(東京都豊島区。売上高219億円、営業利益6億7400万円、純資産52億9000万円)の株式60%を取得し、子会社化することを決めた。芙蓉総合リースとヤマトグループとの共同事業とすることで、双方の顧客基盤・ノウハウを組み合わせ、ヤマトリースの競争力強化や事業拡大を目指す。

ヤマトリースは1977年に設立し、主に運送事業者に対して、トラックのリースを中心とするファイナンスサービスや、中古トラックマッチングアプリ「トラマチ。」によるトラック流通サポートサービスなどを提供している。

取得価額は約36億円。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

ウェルビー<6556>、児童発達支援事業所など運営のアイリスを子会社化

ウェルビーは、大阪府内で児童福祉法に基づく多機能事業所を運営するアイリス(大阪市。売上高4億800万円、営業利益376万円、純資産1億100万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。近畿圏での療育事業への本格進出を推し進める狙い。

ウェルビーは大人向け就労移行支援事業と子ども向けの療育事業を中心に、全国で障害福祉サービス事業所を営業している。療育事業については全28事業所のうち近畿圏は3カ所(大阪府2、兵庫県1)にとどまっている。

アイリスは児童発達支援事業所や放課後等デイサービス事業所を計8カ所、ほかに相談支援事業所1カ所を営み、幼児から高校生まで幅広い年齢層の利用者にサービスを提供している。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月5日。

 

 

 

じげん<3679>、住宅リフォームや太陽光発電システムの比較サイト運営のアイアンドシー・クルーズを子会社化

じげんは、住宅リフォームや太陽光発電システムに関する比較サイトを運営するアイアンドシー・クルーズ(東京都港区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月3日。

アイアンドシーは2008年に設立。リフォーム会社比較サイト「リショップナビ」、住宅用太陽光発電システム比較サイト「グリーンエネルギーナビ」などを手がけ、工務店や塗装会社といった中小法人を中心に約700社の顧客基盤を持つ。

じげんは、アイアンドシーを傘下に取り込み、不動産領域における事業成長の加速や法人顧客の商流獲得による積み上げ型収益(ストック収益)の拡充を目指す。

 

 

 

共同ピーアール<2436>、映画やビデオなど企画・制作のアティカスを子会社化

共同ピーアールは、映画、ビデオやテレビ・ラジオ番組などの企画、制作を主力とするアティカス(東京都中央区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。共同ピーアール傘下で同様の事業を手がけるマンハッタンピープル(東京都中央区)とのシナジー(相乗効果)獲得を期待している。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月。

 

 

 

北洋銀行<8524>、経営支援コンサルティングの北海道共創パートナーズを子会社化

北洋銀行は、経営支援コンサルティングの北海道共創パートナーズ(札幌市。売上高3億5700万円、営業利益3100万円、純資産1億2500万円)の株式50.51%を追加取得し、完全子会社化することを決めた。

北海道共創パートナーズは2017年、道内企業に対する財務、人材、事業承継などにかかわるコンサルティング業務の提供を目的に、日本人材機構(東京都中央区)が50.51%、北洋銀行が49.49%を出資して設立。北洋銀行の顧客基盤を生かして、伴走型支援サービスを展開してきたが、同行としてこうした取り組みをさらに推し進めるために子会社化に踏み切る。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

東芝機械、旧村上ファンド系のTOBへ「留保」の意見表明

東芝機械は28日、同社に対して旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が1月21日から実施中のTOB(株式公開買い付け)について、意見表明を「留保」すると発表した。同日の取締役会で取締役全員の一致で決議した。TOBに対して東芝機械は買収防衛策で対抗する方針で、今後、賛否の意見を最終的に決定する予定としている。

シティインデックスはグループ企業による既所有分12.5%と合わせ東芝機械株43.82%の取得を目指している。買付価格は1株3456円で、買付代金は最大約259億円。買付期間は1月21日~3月4日までの30営業日。

併せて東芝機械は同日、買収防衛策の発動の賛否を諮る臨時株主総会を3月下旬から4月上旬をめどに開催する方針を発表した。総会招集のための基準日は2月15日に設定。東芝機械はシティインデックス側に買付期間を60営業日まで延長(4月16日)することを要請している。

 

 

 

ZUU<4387>、持ち分法適用関連会社でクラウドファンディング事業のユニコーンを子会社化

ZUUは、持ち分法適用関連会社で株式投資型クラウドファンディング事業を手がけるユニコーン(東京都港区。売上高―、営業利益△3030万円、純資産5160万円)の第三者割当増資を引き受け、子会社化することを決めた。株式1.77%を追加取得し、現在49.13%の所有割合を50.9%とする。ZUUは昨年12月に資本業務提携し、ユニコーンに出資したが、子会社化を通じて同社の経営基盤の安定・強化を期すとしている。取得価額は1050万円。取得予定日は2020年2月12日。

ZUUは昨年10月に融資型クラウドファンディング事業のCOOL SERVICES(東京都中央区)を子会社化したが、今回、株式投資型クラウドファンディング事業にも参入し、金融サービスの幅を広げる。

 

 

 

日立化成<4217>、コンデンサー事業などを中国・南通江海电容器に譲渡

日立化成は、本体と子会社の日立エーアイシー(栃木県真岡市)で手がけるコンデンサー事業(小型フィルムコンデンサー事業を除く)と蒸着フィルム事業を、コンデンサー専業メーカーの中国・南通江海电容器股份有限公司に譲渡することを決めた。対象事業の直近売上高は88億4100万円。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年4月1日。

対象事業を日立エーアイシーが新設する承継準備会社に会社分割により承継させ、新会社の株式のすべてを南通江海电容器に譲渡する。

コンデンサーは電子回路の充放電を行う電子部品。家電から産業機器まで幅広く使われているが、とりわけ産業機器用のコンデンサーはコモディティー(日用品)化や中国企業などとの競合で収益確保が難しい状況にあるという。

 

 

 

片倉工業<3001>、100人規模の希望退職者を募集

片倉工業は27日、100人規模の希望退職者の募集を始めると発表した。対象は4月30日時点で勤続3年以上の正社員。3月9日~19日まで募集し、退職日は4月30日とする。100人程度を予定する募集人員は連結従業員の約9%にあたる。所定の退職金に割増金を加算するとともに、希望者には再就職支援を行う。

同社は繊維事業、医薬品、機械関連、不動産事業を主力とするが、2020年度(2021年12月期)中に黒字化が見込めない事業については規模の縮小・撤退を打ち出し、構造改革を進めており、今回の希望退職者募集もその一環。併せて、同社は繊維事業のうち、肌着部門の縮小や一部事業の譲渡を発表した。

 

 

 

サニーサイドアップグループ<2180>、ファッション業界に特化したPR会社のステディスタディを子会社化

サニーサイドアップグループは、ファッション業界に特化したPR会社のステディスタディ(東京都渋谷区。売上高4億7300万円、営業利益5780万円、純資産1億5200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。取得価額は6億円。取得予定日は2020年3月1日。

ステディスタディは2000年に設立し、「アタッシュ・ドゥ・プレス」と呼ばれるファッション業界専門のPR会社。サンローラン、ディオール オム、クロエ、モンクレール、H&Mなどのハイブランドを中心に実績を積み、この分野のリーディングカンパニーとされる。サニーサイドアップグループは同社の子会社化を通じて、ファッション・アパレル領域のPR業務を取り込み、事業拡大につなげる。

 

 

 

ブシロード<7803>、ぬいぐるみ劇の劇団飛行船を子会社化

ブシロードは、マスクプレイ(ぬいぐるみ劇)企画・公演の劇団飛行船(川崎市)を子会社化することを決めた。エンターテインメント企業として、新たなIP(知的所有権)コンテンツを取り込み、事業展開の幅を広げる狙い。劇団飛行船は1966年に発足し、マスクプレイと呼ばれる、ぬいぐるみミュージカルの草分け。同社の親会社で、フィットネス事業を手がけるソプラティコ(北海道小樽市)の子会社化を通じて傘下に収める。

ブシロードは2019年9月に劇団飛行船と業務提携したのに伴い、親会社のソプラティコに14.5%出資した。ブシロードはアニメやゲーム、音楽、イベントなど様々なIPコンテンツを持つ。これらのIPコンテンツを活用した新たな舞台を共同で企画するなど、今後、劇団飛行船との事業連携を加速し、シナジー(相乗効果)を引き出すためには子会社化が不可欠と判断した。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月3日。

 

 

 

Nuts<7612>、アミューズメント事業をメイクイーストに譲渡

Nutsは、アミューズメント事業の全部とコンテンツ事業の一部を、プリクラ機の開発などを手がけるメイクイースト(東京都千代田区)へ譲渡することを決めた。事業再構築の一環。パチンコ・パチスロ遊技機をアミューズメント施設用のメダルゲーム機に転用する業務などが譲渡対象。当該事業の直近売上高は2900万円。譲渡価額は2000万円。譲渡予定日は2020年2月1日。

 

 

 

イワキ<8095>、医薬品研究受託のスペラファーマを子会社化

イワキは、医薬品の研究受託事業を手がけるスペラファーマ(大阪市。売上高63億7000万円、営業利益6億2200万円、純資産12億3000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。取得価額は約60億円。取得予定日は2020年3月。

スペラファーマは2017年に設立し、医薬品・治験薬製造の武州製薬(埼玉県川越市)が全額出資。医薬品の研究開発・製造の受託、製造物の品質管理などのサービスをトータルに提供する事業を展開している。イワキは同社を傘下に取り込み、医薬品開発の初期段階から申請にいたる各段階で取引先の多様な要望にハイレベルで対応できる体制づくりを目指す。

 

 

 

武蔵精密工業<7220>、JSR傘下でリチウムイオンキャパシター製造のJMエナジーを子会社化

武蔵精密工業は、JSRの全額出資子会社でリチウムイオンキャパシター(蓄電装置)の開発・製造を手がけるJMエナジー(山梨県北杜市)の株式80%を取得し、子会社化することを決めた。自動車の電動化などに伴い、今後成長が期待される蓄電デバイスの開発・生産技術や生産施設を取り込み、新たな事業展開を目指す。

リチウムイオンキャパシターは電気二重層キャパシターとリチウムイオンバッテリーの技術を掛け合わせ、エネルギー密度を大幅に高めた蓄電デバイス。なかでも車載用途では電動化の進展に伴い量的ニーズが拡大している。JMエナジーは2007年設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

ナック<9788>、ヤマダ電機傘下の住宅会社・エースホームを子会社化

ナックは、ヤマダ電機傘下で住宅フランチャイズを展開するエースホーム(東京都新宿区。売上高13億7000万円、営業利益2300万円、純資産8億1500万円)の株式86%を取得し子会社化することを決めた。

エースホームは2000年設立で、住宅メーカーのヤマダホームズ(旧エス・バイ・エル)が86%、住宅設備機器最大手のLIXILが14%を出資する。両社の製品とサービスを融合させた住宅のフランチャイズを展開し、現在では約50の加盟店が全国で住宅を供給している。

ナックは中小建設業・工務店向けに建築コンサルティング業務を展開している。エースホームをグループに迎え、同社と関係が深い地域ビルダー(比較的小規模の住宅業者)などを新たな顧客層として取り込み、事業拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日2020年2月28日。

 

 

 

Kudan<4425>、空間・位置認識ソフトの研究開発企業である米アーティセンスを子会社化

Kudanは、空間・位置認識ソフトウエアの研究開発企業である米アーティセンス・コーポレーション(カリフォルニア州。売上高500万円、営業利益△2億1200万円、純資産5億9200万円)を子会社化する方針を決議した。3段階に分けて全株式の取得を目指す内容で、まず1月29日に株式12%を取得し、6月29日に追加取得して持ち株比率を38%に高める。その後に、残る株式を取得するが、時期は未定という。取得価額も現時点で未定。

今回の買収に際しては、アーティセンス株式の取得の対価として、同社の株主に対し、買収対価の一部として将来にわたりKudanの普通株式を割り当てることを目的とした第三者割当による新株発行にかかる発行登録書を提出することを決議した。

アーティセンスは独ミュンヘン工科大学教授で、自動運転技術の研究で知られるダニエル・クレマース氏らが2016年に創業した。

Kudanは自動運転・ロボティクス、AR(拡張現実感)・VR(人工現実感)、ドローン(無人航空機)などを応用分野として、空間・位置認識を行う人工知覚アルゴリズム(計算方法)を提供している。この分野の有力企業を傘下に取り込み、シェアの確保を目指す。

 

 

 

前田道路、前田建設によるTOBに「反対」表明

前田道路は24日、同社の子会社化を目的に筆頭株主の前田建設工業が1月21日から実施しているTOB(株式公開買い付け)について、反対するとの意見を発表した。同日の取締役会で決議した。これにより、グループ内の上場企業同士が対立する敵対的TOBが正式に確定した。

前田道路は、前田建設の子会社となることについて「あらゆる面で当社の企業価値を毀損し、また当社の持続的成長を妨げるものだ」と反論。今後、速やかに必要な措置を講じるとしている。一方、前田建設は同日、反対の意見表明に対し「誠に遺憾」とするコメントを発表した。

前田建設は現在、前田道路の株式を約25%保有する。TOBを通じて持ち株比率を51%に引き上げ、子会社化することを目指している。買付代金は約861億円。1株あたりの買付価格は3950円。前田道路は前田建設が保有する全株式を自己取得して、資本関係を解消することを提案しているが、前田建設によるTOB(~3月4日まで)はすでに始まっている。

前田道路はTOB反対の理由について、前田建設グループとの事業シナジー(相乗効果)が見込めないうえ、収益力において前田建設を圧倒的に上回り、資本市場からの評価の差も両社の過去の株価に歴然と表れていることなどを挙げ、独立した経営の確保が企業価値の維持・向上に資するのは明らかだ、としている。

前田道路によると、前田建設との直接の取引は年間売上高の0.76%に過ぎない。また、株価が適正価格かどうかの指標の一つとされる株価純資産倍率(PBR)は前田道路が約1.5倍に対し、前田建設は1倍に満たない状況にある。

前田道路は道路舗装業界主要8社中、2位の大手。前身は1930年に東京都内で発足した高野組。経営再建に際し前田建設に支援を仰ぎ、1968年のグループ入りしたのに伴い、当時の高野建設から前田道路に社名を変更した。

 

 

 

ココカラファイン<3098>、神奈川県で調剤薬局2店舗経営の薬宝商事を子会社化

ココカラファインは、神奈川県で調剤薬局2店舗を展開する薬宝商事(川崎市。売上高3億5200万円)の全株式を取得し子会社化した。24日付。地盤である神奈川県での店舗ネットワークを強固にする狙い。取得価額は非公表。

 

 

 

エン・ジャパン<4849>、建設・不動産業界向け求人サイト運営の中国子会社「英才網聯」を売却検討

エン・ジャパンは24日、建設・不動産業界向け求人サイトを運営する中国子会社の英才網聯科技有限公司(北京)を売却する方向で検討を始めたと発表した。事業の選択と集中の一環。エン・ジャパンは海外進出の第一弾として2006年に英才網聯始に出資し、連結子会社(持ち株比率は49%)とした。売却先や売却時期などは未定。

併せて同日、シンガポールで人材紹介事業を手がける現地子会社en world SINGAPORE PTE.LTD.を3月31日付で閉鎖することを決めた。

 

 

 

児玉化学工業<4222>、住宅設備・冷機部品の中国生産子会社「無錫普拉那」を現地社に譲渡

児玉化学工業は、住宅設備・冷機部品を生産する中国子会社の無錫普拉那塑膠有限公司(江蘇省。売上高3億7800万円、営業利益△7300万円、純資産2億1200万円)の全出資持ち分を、プラスチック射出成形を手がける現地の蘇州明強塑料有限公司(江蘇省)に譲渡することを決めた。無錫普拉那は児玉化学が全額出資で2002年に設立したが、販売低迷で赤字が続いていたのに加え、米中貿易摩擦による事業環境の変化などを考慮した。譲渡価額は約8500万円。譲渡予定日は2020年3月31日。

 

 

 

オーイズミ<6428>、こんにゃくゼリー製造の下仁田物産を子会社化

オーイズミは、こんにゃくゼリー、こんにゃく食品を製造・販売する下仁田物産(神奈川県海老名市。売上高25億3000万円、営業利益1億4200万円、純資産4億5600万円)の全株式を取得し子会社化した。24日付。オーイズミはパチスロ用メダル貸機など遊技場設備機器の製造を主力とするが、太陽光発電、酒類醸造、不動産賃貸など経営多角化を進めており、その一環。取得価額は非公表。

下仁田物産は1986年に設立し、こんにゃくの産地である群馬県内に製造拠点(甘楽郡下仁田町)を置く。

 

 

 

GFA<8783>、「泊まれる本屋」をコンセプトにホステル6店舗展開のアトリエブックアンドベッドを子会社化

GFAは、ホステル形態の宿泊施設を運営するアトリエブックアンドベッド(東京都品川区。売上高4億1200万円、営業利益△5240万円、純資産△1720万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。アトリエブックアンドベッドは2016年に設立し、「泊まれる本屋」という独自コンセプトを打ち出し、東京、大阪、京都、福岡に6店舗のホステルを持つ。GFAは不動産の収益化ツールとして有益と判断し、同社を傘下に取り込む。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月28日。

 

 

 

メイコー<6787>、中国発の新型肺炎で現地武漢工場の稼働状況を発表

メイコーは23日、中国の武漢市(湖北省)で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大に対応し、現地にある武漢工場の稼働状況などを発表した。工場内の食堂、通勤バス、トイレなどの公共エリアの消毒を実施したほか、現在は1月22日~29日まで当初計画通り春節休暇に入っており、稼働を停止中。4000人を超える従業員の新型肺炎の発症については確認できていないとしている。

武漢工場(名幸電子有限公司)は2006年に稼働し、車載用やスマートフォン用、HDD(ハードディスク駆動装置)用、事務機用などのプリント基板を生産している。

同社は1月6日に、手洗い・うがいの励行、人が多く集まる場所を避けること、発熱したときは医療機関にかかることを通達し、注意喚起してきたという。

 

 

 

インタートレード<3747>、はなびらたけ生産・販売子会社の通販事業をヴィーダに譲渡

インタートレードは、キノコの一種、はなびらたけの生産・販売子会社であるインタートレードヘルスケア(東京都中央区)の通信販売事業を、会員コミュニティーサイト運営のヴィーダ(東京都渋谷区)に譲渡することを決めた。

インタートレードヘルスケアは「ITはなびらたけ」と名づけた自社ブランドで、はなびらたけを生産している。機能性キノコとして認知度が高まってきたのに伴い、自社ブランド商品の販売に経営資源を集中するため、他社商品も取り扱っている通販事業(ECサイト「健康いいものOnline」を含む)を切り離すことにした。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年2月17日。

 

 

 

エル・ティー・エス<6560>、IoTコンサルティングのイオトイジャパンを子会社化

エル・ティー・エスは、IoT(モノのインターネット)関連のコンサルティング事業を手がけるイオトイジャパン(東京都港区。売上高6250万円、営業利益888万円、純資産1130万円)の株式75%を取得し子会社化することを決めた。取得価額は6000万円で、うち4000万円は第三者割当増資引き受けに伴う。取得予定日は2020年1月31日。

イオトイジャパンはIoT事業化検討の初期段階に特化したコンサルティング事業を展開する目的で2017年9月に設立した。IoT事業を目指す企業と、そのために必要となる技術・サービスを持つ企業をマッチングするもので、製造、流通、交通、医療分野などで実績を積んできた。

エル・ティー・エスはイオトイジャパンを傘下に取り込むことで、顧客企業の新規事業企画から実行までのコンサルティングサービスの充実につなげる。

 

 

 

米ベインキャピタル、三井E&S傘下の昭和飛行機<7404>をTOBで子会社化

米投資会社のベインキャピタルは23日、三井E&Sホールディングス(旧三井造船)の連結子会社である昭和飛行機工業(東証2部)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。最大694億円を投じて全株式の取得を目指す。経営再建中の三井E&Sは65.6%(間接所有分を含む)を所有する昭和飛行機の全株式をTOBに応募し、事業構造改革を推し進める。昭和飛行機はTOBに賛同の意見を表明している。

昭和飛行機に対する買付価格は1株あたり2129円。TOB成立を前提として1株あたり631円の特別配当を予定しており、買付価格と特別配当の合計額2760円はTOB公表前日の終値2545円に8.45%のプレミアムを加えた水準。買付予定数の下限は所有割合66.67%で、上限は定めていない。全株取得による非公開化を想定しており、上場廃止となる見通し。買付期間は2月10日~3月10日までの20営業日。決済の開始日は3月17日。

三井E&SはTOBを通じてグループ企業を含めた全所有株式を約455億円で譲渡する。特別配当約134億円と合わせて約589億円を得る。2014年に、三井E&S(当時は三井造船)は昭和飛行機にTOBを行い、連結子会社化した。

三井造船は1937年に航空機の製造を目的に設立され、1961年に東証2部に上場した。現在はギャレー(機内調理設備)、コンテナといった航空機機装品や、特殊車両(タンクローリーなど)、ハニカムパネルなどの製造を手がけ、2019年3月期業績は売上高254億円、営業利益23億8700万円、純資産344億円。

公開買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券とauカブコム証券。

 

 

 

MTG<7806>、ウオーターサーバー事業を萬楽庵に譲渡

MTGは、ウオーターサーバー事業を、投資会社の萬楽庵(名古屋市)に譲渡することを決めた。ウオーターサーバー事業を全額出資で設立する新会社「Kirala」(東京都港区)に移管したうえで、この新会社の全株式を萬楽庵に売却する。構造改革の一環。譲渡価額は約12億円。譲渡予定日は2020年3月2日。

MTGは飲料水を交換式タンクで供給するウオーターサーバー事業について、浅田真央さんをブランドパートナーとして「Kirala」の名称で展開している。当該事業の直近業績は売上高11億4000万円、営業損失9億3000万円。

ウオーターサーバー事業を切り離し、今後は美容機器ブランド「ReFa」、腹筋やウエストを鍛えるトレーニングギア「SIXPAD」、新型マットレス「NEWPEACE」に経営資源を集中する。

 

 

 

メルカリ<4385>、スマホ決済のOrigamiを子会社化|「メルペイ」とサービス統合へ

メルカリは23日、スマホ決済サービスのOrigami(東京都港区。売上高2億2200万円、営業利益△25億4000万円、純資産31億2000万円)を買収すると発表した。子会社のメルペイ(東京都港区)を通じて、Origamiの全株式を2月25日付で取得する。取得価額は非公表。利用者・加盟店への一定の周知期間を経た後に、メルペイが提供する「メルペイ」に統合する。

Origamiは2012年に発足し、16年にスマホ決済サービス「Origami Pay」の提供に乗り出した。18年には信金中央金庫と資本業務提携し、特に地域の中小企業者へのキャッシュレス化を推し進めてきた。

今回Origamiを傘下に収めるメルペイはメルカリの全額出資子会社として発足。2019年2月に「メルペイ」の名称でサービスを始め、フリマアプリ「メルカリ」の月間1450万人の顧客基盤などを背景に利用者を広げている。

 

 

 

ベルーナ<9997>、医療機関向け人材紹介・派遣のシンガポールJOBSTUDIO を子会社化

ベルーナはシンガポールで医療機関向けに人材紹介・派遣事業を展開するJOBSTUDIO (売上高4億7700万円、税引き前当期利益8910万円)の全株式を取得し子会社化した。1月21日付。取得価額は非公表。

ベルーナはグループ会社のナースステージ(大阪市)を通じて看護師向け用品の通販事業を手がけ、2018年度から国内医療機関向けに看護師人材紹介事業を始めた。JOBSTUDIOを傘下に取り込むことで、シンガポールを中心としたアジア諸国で医療人材紹介・派遣事業の拡大を目指すとともに、医療機関・医療人材への業務用品販売やアジアから日本への人材紹介事業の展開なども見据えている。JOBSTUDIOは2010年に設立した。

 

 

 

ユナイテッド<2497>、スマホ向けアプリ開発子会社のトライフォートを経営陣に譲渡

ユナイテッドは、スマートフォン向けアプリやWebサービスの開発子会社であるトライフォート(東京都渋谷区)の全持ち株(所有割合75%)を、トライフォートの大竹慎太郎代表取締役CEOに譲渡することを決議した。譲渡に先立ち、トライフォートが手がける事業のうちゲーム以外のアプリ受託開発事業については、ユナイテッドが100%出資する新会社ブリューアス(東京都渋谷区)に移管する。株式の譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年2月28日。

 

 

 

TIS<3626>、モバイル決済ソフト開発の米Sequent Softwareを子会社化

TISは、モバイル決済に関するソフト・サービス開発の米Sequent Software Inc.(カリフォルニア州。売上高9500万円、営業利益△7億円、純資産△7億6000万円)の株式を追加取得し子会社化することを決議した。現在13.1%の持ち株比率を61.6%に引き上げる。取得価額は約2600万ドル(約28億5000万円)。取得予定日は2020年1月31日。

TISはSequent株式の追加取得にあたり、発行済み株式の譲り受け、第三者割当による新株発行の引き受け、DES(貸付債権の株式化)を組み合わせる。DESによりSequentの債務超過は解消される見通し。

Sequentは2010年に発足したフィンテック企業で、各種モバイル決済で利用可能なトークナイゼーション(暗号化)技術を持つ。TISはデジタルウォレット(電子財布)サービスの開始に際し、2017年に同社と資本・業務提携し、協業を進めてきた。

 

 

 

イメージ ワン<2667>、放射能除染や土壌・水浄化の技術開発を手がける創イノベーションを子会社化

イメージ ワンは、放射能除染や土壌・水浄化に関する技術開発を手がける創イノベーション(東京都千代田区。売上高5000万円、営業利益△7900万円、純資産1億2600万円)を株式交換により完全子会社化することを決めた。クリーンエネルギー社会の形成や地方創生への取り組みを加速するのが狙い。株式交換比率は今後協議したうえ決定する。株式交換予定日は2020年3月。

 

 

 

島根銀行<7150>、SBI証券に投資信託・債券の窓販業務を譲渡

島根銀行は21日、投資信託・債券の銀行窓販業務と付随業務をSBI証券(東京都港区)に譲渡することで基本合意したと発表した。顧客の口座と資産がSBI証券に移管され、SBI証券での預かりとなる。今後、島根銀行はSBI証券から金融商品仲介業務の委託を受け、引き続き投資信託・債券の販売を取り扱う。2020年上期中に対象事業を譲渡する予定。

SBI証券はSBIホールディングス傘下のネット証券最大手。島根銀行は昨年9月、SBIホールディングスと資本業務提携しており、その連携具体化の一つが今回の投資信託・債券に関する事業譲渡。対象事業の直近業績は経常収益(売上高)5600万円、経常損失1000万円。

 

 

 

ファーマライズホールディングス<2796>、近畿で調剤薬局31店舗展開のヘルシーワークを子会社化

ファーマライズホールディングスは、近畿地区で調剤薬局31店舗を展開するヘルシーワーク(大阪市。売上高25億4000万円、営業利益4800万円、純資産8億2700万円)の株式65%を追加取得し、完全子会社化することを決議した。両社は近畿を事業基盤とし、経営資源の相互活用や共同事業の展開などを通じて、シナジー(相乗効果)が見込まれると判断した。ファーマライズは2014年にヘルシーワークと資本業務提携していた。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月1日。

ヘルシーワークは1996年に設立。調剤薬局31店舗中、24店舗は大阪府内にある。ファーマライズは本社を東京に置くが、全国約340店舗のうち近畿地区の店舗が100店舗超え、エリア別で最も多い。

 

 

 

米フォートレス、ユニゾTOBを2月4日まで11度目の延長

不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対して子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施中の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループは20日、同日までとしていた買付期間を2月4日まで営業日ベースで11日間延長すると発表した。買付期間の延長は昨年8月19日にTOBを開始後、11回目。昨年11月15日に買付価格を100円引き上げて4100円(当初4000円)として以降では5回目の延長。TOB成立の見通しが立たない中、延長を繰り返し、買付期間は111日間に及ぶことになる。

20日のユニゾ株の終値は5180円。市場価格が買付価格を1000円以上上回る高値圏で推移し、フォートレスによるTOBは成立が全く見通せないうえ、フォートレスに対抗して昨年12月末にユニゾ従業員による買収(EBO=エンプロイー・バイアウト)が2月4日までを買付期間としてスタートしている。米投資会社ローン・スターと組んで実施しているEBOはフォートレス側を1000円上回る5100円を提示しており、買付代金は最大1745億円。

 

 

 

サカタインクス<4633>、印刷用インキ製造の独A.M.Ramp&Coを子会社化

サカタインクスは20日、印刷用インキ製造のドイツA.M.Ramp&Co(通称RUCO、売上高39億9000万円)の全株式を取得し子会社化すると発表した。RUCOは1857年に創業し、フランクフルト郊外に本社兼工場を置く。サカタインクスはアジア、米州、欧州の18カ国・地域に製造・販売拠点を持つが、欧州の中心でもあるドイツには拠点がなかった。2020年6月末までに買収完了を見込む。買収金額は非公表。

 

 

 

テモナ<3985>、AKATSUKIから医療関連記事の執筆・監修サービス「イシミル」事業を取得

テモナは、Webマーケティング事業などを手がけるAKATSUKI(東京都新宿区)から医療関連記事の執筆・監修サービス「イシミル」事業を取得することを決議した。

テモナは健康食品・サプリメント(栄養補助食品)、化粧品などの定期通販事業者に対して、 クラウド型通販システム「サブスクストア」の提供を主力事業とする。今回取得する「イシミル」事業は現役医師ら専門家が医療記事の監修を行うサービスで、医療記事を掲載するメディアが一般消費者に信頼性の高い情報を届けることを担保する役割などを持つ。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月31日。

 

 

 

クリエイトSDホールディングス<3148>、食品スーパー「ゆりストア」5店舗運営の百合ヶ丘産業を子会社化

クリエイトSDホールディングは、食品スーパー「ゆりストア」5店舗を展開する百合ヶ丘産業(川崎市。売上高44億円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。取得価額は非公表。川崎市北部でのドラッグストア・調剤薬局と食品スーパーとの複合出店や、食品取り扱いノウハウの共有によるシナジー(相乗効果)創出を見込む。百合ヶ丘産業は1960年に設立し、60年の業歴を持つ。取得予定日は2020年2月7日。

 

 

 

前田建設工業<1824>、前田道路<1883>をTOBで子会社化|前田道路は自己株取得を逆提案

前田建設工業は20日、持ち分法適用関連会社で道路舗装大手の前田道路(東証1部上場)に対して子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を21日から実施すると発表した。TOBを通じて現在24.68%の所有割合を51.0%に引き上げる。これに対し、前田道路は同日付で、前田建設が保有する全株式を自己株取得して同社との資本関係の解消を提案する書面を送付したと発表した。今回のTOBに前田道路側が賛同していないことから、敵対的買収の様相を帯びている。

前田道路株式の買付価格は1株につき3950円で、TOB公表前日の終値2633円に50.02%のプレミアムを加えた。買付予定数の上限は2181万1300株と設定。予定通りに買い付けられれば、所有株数は既存分と合わせ4227万1300株となり、議決権ベースで51.0%に達する。前田道路の上場は維持する予定。

買付代金は約861億円。買付期間は1月21日~3月4日。買付代理人は大和証券が務める。

前田道路は道路舗装業界大手8社中、2位の大手。前身は1930年に東京都内で発足した高野組。1961年には東京・大阪証券取引所にそれぞれ2部上場したが、翌1962年に会社更生法に基づく更生手続き開始の決定に伴い上場廃止。再建に際し、前田建設の支援を仰ぎ、1968年に当時の高野建設から前田道路に社名を変更し、今日にいたる。東証1部上場は1972年。

一方、同日、前田道路が発表した資本関係解消の提案は前田建設が保有する全株式を自己株取得する内容。50年以上提携関係を継続しているが、前田建設との直接の取引は年間売上高の約1%にとどまっている。資本関係を速やかに解消したうえで、企業価値向上に向けて経営資源を最適に活用することが両社にとって最善だとしている。

 

 

 

クワザワ<8104>、マンション大規模修繕工事のフリー・ステアーズを子会社化

クワザワは、大規模修繕工事のフリー・ステアーズ(千葉県佐倉市。売上高21億円、営業利益1600万円、純資産1億6300万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

フリー・ステアーズは2004年に設立し、首都圏でマンションの防水工事や塗装工事を主体に大規模修繕工事を営んでいる。クワザワはマンションの給排水管の更新工事を主力としており、フリー・ステアーズを傘下に取り込むことで、マンション工事における相乗効果を通じて事業拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

障害者に関する所得税・相続税・贈与税の特例措置

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田 房枝/税理士)

 

1 はじめに


障害には、大きく分けると身体障害、知的障害、又は精神障害の3つがあります。また、認知症と診断されると、身体に障害がない場合は「精神障害者保健福祉手帳」の、身体の障害が大きい場合は「身体障害者手帳」の申請をすることができる場合があります。認知症の方がこれらの手帳を持っていたり、市区町村長等から一定の認定を受けていたりすれば、障害者として、税務上の特例措置の適用を受けることができます。

本号では、障害者に関する所得税、相続税及び贈与税の特例措置について、その概要をご紹介します。

 

 

2 所得税法・相続税法上の障害者・特別障害者とは


所得税法・相続税法上、障害者とは精神又は身体に障害がある一定の者をいい、特別障害者とは障害者のうち精神又は身体に重度の障害がある一定の者をいいます。表にまとめると次のとおりです。

 

※1 成年被後見人はこれに該当します。

 

 

3 所得税


(1) 障害者控除

①本人が障害者の場合
居住者である障害者本人の所得税の計算上、所得金額から27万円(特別障害者の場合は40万円)を控除します。

 

②扶養親族等に障害者がいる場合
居住者である障害者の同一生計の配偶者、又は居住者である障害者を扶養している親族の所得税の計算上、所得金額から障害者1人につき27万円(特別障害者の場合には40万円、納税者等との同居を常況とする場合は75万円)を控除します。

 

(2) 心身障害者扶養共済制度の掛金・給付金の取扱い

地方公共団体が条例で実施する心身障害者扶養共済制度の掛金は、所得金額から控除します。また、これに基づき支給される給付金に所得税はかかりません。

 

(3) 少額貯蓄の利子の非課税

身体障害者手帳の交付を受けている者、遺族基礎年金や寡婦年金等を受けている妻、児童扶養手当を受けている児童の母等が受け取る預貯金等の利子等については、一定の手続を要件に貯蓄額350万円までは所得税がかかりません。

 

 

4 相続税(障害者控除)


障害者である相続人が85歳未満である場合には、その者の相続税額から、次の金額を控除します。

 

(1)一般障害者(特別障害者以外の障害者)の場合

10万円×(85歳-相続開始時の年齢)(1年未満切上)

 

(2)特別障害者の場合

20万円×(85歳-相続開始時の年齢)(1年未満切上)

 

 

5 贈与税(特定贈与信託の非課税)


(1) 概要

一定の信託契約に基づき特定障害者を受益者とする財産の信託があった場合には、その信託受益権の価額のうち、一定額までは贈与税がかかりません。

 

(2) 特定障害者の範囲と非課税限度額

 

 

※2 身体障害者は対象外です。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/01/27)より転載

[解説ニュース]

医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予免除制度活用について

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(小林 良治/税理士)

 

1.医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度


令和2年度税制改正大綱により、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律の改正を前提に、医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予免除制度(以下、「本制度」と言います。)の適用期限が新たに3年間延長される見通しとなりました。今回は本制度の概要及びその活用についてお伝えします。

 

(1)本制度概要

相続人が出資持分あり医療法人の出資持分を相続等により取得した場合、その法人が出資持分なし医療法人への移行計画の認定を受けた医療法人であるときは、移行計画の期間満了まで相続税の納税が猶予され、持分を放棄した場合は、一定要件を満たすことにより猶予税額が最終的に免除されます(租法70の7の12)。また、出資者の持分放棄により、他の出資者持分が相対的に増加することで、贈与を受けたものとみなし他の出資者に贈与税が課される場合(全出資者が持分放棄した場合は医療法人に贈与税が課されます)も同様に移行計画の満了まで納税が猶予され、一定要件を満たすことで最終的に免除されます(租法70の7の9)。

 

(2)移行計画の認定申請、移行期限等

本制度の適用を受ける場合、まず移行計画提出等の申請手続き等で一定要件を満たして厚生労働省より認定を受け、認定後3年以内に出資持分なし医療法人に移行し、移行後6年間は厚生労働省に運営状況の報告を行うことで継続して認定要件を満たす必要があります。今回税制改正によりこの認定制度が令和5年9月30日まで延長される見込みです。

 

(3)本制度創設時

そもそも本制度は、出資持分あり医療法人の出資持分をなくすことで出資持分にかかる相続時等の税負担・出資者からの払戻請求額の負担軽減を図り、医業経営の安定化を目指すことを目的として平成26年に創設されました。しかし、当初は計画通りに出資持分なし医療法人に移行した場合でも移行時の税負担が免除されるケースは以下の3パターンであり極めて限定的でした。

 

①社会医療法人への移行
②特定医療法人への移行
③一定の非課税要件(相令33条3項)を満たす出資持分なし医療法人への移行

 

これらはいずれも公益性の担保された医療法人への移行を前提とするものであり、①~③への移行以外の場合は移行時に医療法人を個人とみなして贈与税を支払うこととされました。(相法66④)

創設時の本制度活用の主なメリットは、課税時期を最大猶予期間である3年間先送りできること等、当面の納税負担に関することでした。

 

 

2.平成29年度税制改正後


(1)認定要件の追加

平成29年度税制改正では運営に関する要件が追加され、新たに3年間延長されました。追加された主な認定要件は

 

①法人関係者に利益供与しないこと
②役員報酬について不当に高額にならないように定めていること
③社会保険診療収入に係る収入が全収入の80%超となっていること 等

 

となっており従来の認定要件が強化されました(ただし、非同族要件等は含まれておりません)。認定後3年以内の移行期間中の猶予の取り扱いは変わりませんが、従来と異なり移行時の贈与税負担は生じないこととなり(租法70の7の14)、前記1.(2)により認定要件を移行後6年間維持すること(認定取消時のみ医療法人に贈与税課税)で相続税・贈与税免除の可能性が広がりました。

 

(2)本制度活用の可能性

本制度が延長されてもなお出資持分なし医療法人への移行については慎重な検討が必要です。例えば出資持分なし医療法人の解散時残余財産は国等に帰属し出資払戻額の請求はできません。本制度の活用を検討すべきと考えられるのは、出資持分評価額が高く、現状のままだと承継時に多額の税負担が見込まれる場合や出資者間相互の関係が悪く、将来の払戻請求リスクを排除しておきたい場合等が考えられます。本制度選択の検討は円滑な承継を行うため有用であるのかそのきっかけを与えるものと言えるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/01/20)より転載