[M&Aニュース](2020年8月24日〜9月4日)

◇ナガワ<9663>、倉庫・店舗工事の鳥海建工を子会社化、◇土木管理総合試験所<6171>、設計・測量業務の沖縄設計センターを子会社化、◇UUUM<3990>、実験からソーシャルアプリ「FOLLOW ME」事業を取得、◇カナモト<9678>、建機レンタルやガス施設工事などの豪Porter Plant Groupを子会社化、◇ココカラファイン<3098>、ファーマテックから愛知県内の調剤薬局1店舗を取得、◇ティーガイア<3738>、富士通パーソナルズの携帯電話販売事業を286億円で買収、◇サンエー化研<4234>、紙・紙加工品製造のシノムラ化学工業を子会社化、◇ヒノキヤグループ<1413>、有料老人ホーム事業をソラストに譲渡 ほか

 

 

 

ナガワ<9663>、倉庫・店舗工事の鳥海建工を子会社化

ナガワは、倉庫・店舗工事や戸建住宅工事を手がける鳥海建工(埼玉県川口市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ユニットハウス事業に次ぐ第2の柱と位置づけるモジュール・システム建築事業の体制強化が狙い。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年10月8日。

土木管理総合試験所<6171>、設計・測量業務の沖縄設計センターを子会社化

土木管理総合試験所は、設計・測量業務の沖縄設計センター(那覇市)の全株式を取得し子会社化した。土質・地質調査試験、非破壊検査試験、環境調査試験など建設コンサルタント分野でシナジー(相乗効果)を見込む。取得価額は非公表。取得日は2020年8月31日。

UUUM<3990>、実験からソーシャルアプリ「FOLLOW ME」事業を取得

UUUMは、実験(東京都港区)が運営するソーシャルアプリ「FOLLOW ME」事業を取得することを決めた。「FOLLOW ME」は俳優、芸人、アイドル、トレーナー、ブロガーなど様々な業界で活躍する著名人が活用し、各自をフォローするファン向けに限定コンテンツを発信している。取得価格、取得日などは非公表。

カナモト<9678>、建機レンタルやガス施設工事などの豪Porter Plant Groupを子会社化

カナモトは豪州子会社を通じて、建設機械レンタルやガス施設工事などを手がける現地Porter Plant Group(ビクトリア州。売上高47億円、税引き前当期純利益9億2000万円、純資産30億円)を構成する持ち株会社と事業会社を合わせて5社の全株式を取得することを決めた。海外事業展開の強化が目的。取得金額は約57億円。取得予定日は2020年9月30日。

ココカラファイン<3098>、ファーマテックから愛知県内の調剤薬局1店舗を取得

ココカラファインは子会社を通じて、調剤薬局経営のファーマテック(東京都新宿区)から愛知県内にある1店舗を1日付で取得した。取得価額は非公表。

ココカラファイン<3098>、大阪府内で調剤薬局1店舗を経営する寿を子会社化

ココカラファインは大阪府内で調剤薬局1店舗を経営する寿(大阪市)の全株式を取得し、1日付で子会社化した。大阪府内での集中出店戦略の一環。寿は2001年に設立。取得価額は非公表。

ティーガイア<3738>、富士通パーソナルズの携帯電話販売事業を286億円で買収

ティーガイアは31日、富士通パーソナルズ(東京都港区)の携帯電話販売事業を買収すると発表した。親会社の富士通が対象事業を継承する新会社を全額出資で9月に設立する。ティーガイアはこの新会社の全株式を286億円で取得する。ティーガイアは携帯販売最大手としてのポジションをさらに強固にする。取得予定日は2020年11月2日。

富士通パーソナルズは1995年に富士通の100%子会社として設立。NTTドコモの一次代理店として全国に国内有数のドコモショップを持つ。富士通パーソナルズの2020年3月期業績は売上高412億円、営業利益10億8000万円、純資産30億3000万円。

サンエー化研<4234>、紙・紙加工品製造のシノムラ化学工業を子会社化

サンエー化研は、紙・紙加工製品を製造するシノムラ化学工業(静岡県袋井市。売上高42億4000万円、経常利益7200万円、純資産22億500万円)の株式51%を取得し子会社化することを決めた。収益性向上と競争力強化につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2020年10月1日。

シノムラ化学は1972年設立で、各種クラフト、クロス基材のポリエチレンラミネート加工、剥離紙の特殊加工などで実績を積んでいる。王子ホールディングス子会社の王子機能材事業推進センター(東京都中央区)が60%、東ソーが40%を出資する。今回、サンエー化研は王子機能材事業センターから株式を取得する。

ヒノキヤグループ<1413>、有料老人ホーム事業をソラストに譲渡

ヒノキヤグループは、介護施設・保育園運営子会社のライフサポート(東京都渋谷区)が手がける介護事業の一部を、ソラストに譲渡することを決めた。事業の選択と集中の一環で、今後は保育事業に経営資源を振り向ける。

ライフサポートが譲渡するのは介護付き有料老人ホーム「悠楽里えどがわ」(東京都江戸川区)、「悠楽里えどがわグリーンパーク」(同)、「悠楽里おおみや」(さいたま市)、「悠楽里さいたま中央」(同)の4施設と、「悠楽里さいたま中央」に併設するデイサービス事業。当該事業の直近売上高は10億5600万円。

介護サービス市場の事業環境は総量規制もあり、特定施設の新規開設による事業拡大が難しい状況にあり、今後も新規開設による事業拡大が見込める保育事業に経営資源を集中することにした。保育事業は都内に53カ所の認可・認証保育所、学童クラブなどを運営する。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年12月1日。

ツカダ・グローバルホールディング<2418>、海外挙式事業のグロリアブライダルジャパンを子会社化

ツカダ・グローバルホールディングスは、海外挙式事業を展開するグロリアブライダルジャパン(東京都新宿区)の全株式を取得し、31日付で子会社化した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で海外挙式事業は深刻な打撃を受けているものの、感染症の収束後を見据え、グロリアを傘下に取り込むことにした。グロリアは米ハワイで「セントカタリナサイドチャペル」を運営する。取得価額は非公表。

田中商事<7619>、弱電・防災設備工事のカワツウを子会社化

田中商事は、弱電、防災設備工事のカワツウ(川崎市。売上高6億6600万円、営業利益200万円、純資産1億9100万円)の株式89%を取得し、31日付で子会社化した。田中商事は電気工事材料と電気器具の総合卸売商社。自社の販売網を活用することで、カワツウの事業拡大につながると判断した。カワツウは1995年に設立。取得価額は非公表。

デクセリアルズ、50人~100人を募集する早期転身支援制度を実施へ

デクセリアルズは、50人~100人程度の希望退職者を募る特別早期転身支援制度を実施すると発表した。勤続5年以上で50歳以上の管理職従業員を対象とし、募集期間は9月14日~11月30日(退職日は10月14日~12月31日)。退職加算金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

現行の中期経営計画に基づき、効率的で生産性の高い組織体制の構築を進める。同社は旧ソニーケミカルの流れをくみ、車載ディスプレー用やスマホディスプレー用の反射防止フィルム、光ディスク用の紫外線硬化型樹脂などの開発・製造を手がける。

2021年3月期予想は売上高0.5%減の580億円、営業利益13.4%減の40億円、最終利益74.4%減の7億円。

UACJ<5741>、傘下のUACJ物流をセンコーに譲渡

UACJは、傘下のUACJ物流(名古屋市。売上高140億円、営業利益8億5000万円、純資産13億9000万円)の株式66.7%を、物流事業のセンコー(大阪市)に譲渡することを決めた。昨年9月に発表した「構造改革の実行」施策の一つ。UACJ物流はUACJの非鉄金属製品の重量貨物運送や倉庫運営を担ってきた。

譲渡価額は31億100万円。譲渡予定日は2020年12月1日。

BuySell Technologies<7685>、ブランド品買取・オークション事業のダイヤコーポレーションを子会社化

BuySell Technologiesは、ブランド品買取・販売やオークション事業を手がけるダイヤコーポレーション(東京都渋谷区。売上高60億6400万円、営業利益4億400万円、純資産4億3500万円)を完全子会社化することを決めた。リユース品市場の伸びに対応し、事業基盤を拡充する。10月30日付で株式92%を16億6600万円(アドバイザリー費用1000万円を含む)で取得する。そのうえで11月6日付で、残る株式を株式交換で取得する。

ダイヤコーポレーションはブランドバックを中心に年間約20万点を取り扱う古物オークション、百貨店の常設店舗や催事での買い取り、ヴィンテージアイテムの販売を中心としてリユース事業を営む。ダイヤはBuySellへの傘下入りにあたり、もう一つのコスメ(化粧品)事業は会社分割で切り離し、リユース事業を残す形とする。

BuySellは出張訪問買取を中心とし、50歳以上のシニア富裕層を主要顧客とする。自宅整理、遺品整理、生前整理に強みを持つ。

都築電気<8157>、コンタクトセンター向けソリューション事業のコムデザインを子会社化

都築電気は、コンタクトセンター向けのソリューション事業を手がけるコムデザイン(東京都千代田区。売上高12億円、営業利益1億300万円、純資産2億3600万円)の株式を追加取得し、子会社化することを決めた。現在4.7%の持ち株比率を51.5%に引き上げる。コンタクトセンター市場でのプレゼンス(存在感)向上と、AI(人工知能)活用による新サービス創出につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年9月30日。

両社は2017年に資本業務提携し、クラウドCTI(コンピューターと電話を統合する技術)サービス分野の事業拡大に取り組むとともに、コンタクトセンター以外の業務にも応用できる新サービスを視野に自然言語処理の共同開発を進めてきた。

タチエス、特別早期退職優遇制度に232人応募

タチエスは28日、250人を募った特別早期退職優遇制度に232人の応募があったと発表した。45歳以上の一般職・管理職社員を対象に7月20日から8月7日まで募集した。退職日は9月30日。

募集人数は単体ベースの社員の約17%にあたる。電動化、自動化などの「CASE」や次世代移動サービス「MaaS」に代表される自動車産業の変革が進展する中、競争力強化や国内生産体制の抜本的な見直しに向けた人員体制再構築の一環。

2021年3月期第2四半期(7~9月期)に特別損失22億9800万円を計上する。

キユーソー流通システム<9369>、インドネシア物流企業KIAT ANANDAグループ傘下の4社を子会社化

キユーソー流通システムは、インドネシアの低温物流会社KIAT ANANDAグループ傘下で倉庫業や運輸業を手がける4社を子会社化することを決めた。海外事業拡大を成長の牽引役と位置づけ、かねて東南アジアで市場規模が大きいインドネシアに進出機会をうかがっていた。4社が実施する第三者割当増資を引き受けて、それぞれ株式の51%を取得する。取得価額は4社合計で約70億円。取得予定日は2020年9月30日。

KIAT ANANDAグループはインドネシアに5カ所の冷凍・冷蔵庫と車両590台を持ち、とくに低温物流に強みがある。

今回子会社化するのは、倉庫業のKiat Ananda Cold Storage(売上高13億2000万円、営業利益1億1400万円、純資産3億4300万円)、同じく倉庫業のAnanda Solusindo(売上高5億8700万円、営業利益7900万円、純資産1億6800万円)、国内輸送のManggala Kiat Ananda(売上高17億2000万円、営業利益2億3400万円、純資産5億4200万円)、運送・船舶貨物のTrans Kontainer Solusindo(売上高6億5000万円、営業利益△900万円、純資産△5900万円)。

夢展望、15人程度の希望退職者を募集

夢展望は26日、15人程度の希望退職者を募ると発表した。正社員を対象とし、募集期間は9月14日~10月2日。退職日は10月31日付。募集人員は単体ベースの社員のおよそ4分の1にあたる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で主力の女性向けアパレル販売が落ち込んでおり、業績立て直しに向けて人員構成の最適化を図る。特別退職金を支給し、再就職支援サービスを提供する。夢展望はRIZAPグループの上場子会社。

Sansan<4443>、デジタルメディア事業のログミーを子会社化

Sansanは、デジタルメディア事業のログミー(東京都渋谷区)の株式70.1%を取得し、子会社化することを決めた。ログミーは2013年設立で、スピーチや対談、記者会見、決算説明会などを全文書き起こし、情報提供するサービスを展開する。Sansanは主力の名刺管理サービス「Sansan」との連携や新サービス創出につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月31日。

ユニマット リタイアメント・コミュニティ<9707>、三井住友建設傘下の有料老人ホーム運営のアメニティーライフを子会社化

ユニマット リタイアメント・コミュニティは、三井住友建設傘下で有料老人ホーム運営のアメニティーライフ(東京都八王子市。売上高6億1300万円、営業利益△1600万円、純資産6億8300万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ユニマットはデイサービス、ショートステイ、グループホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などを中心に全国309拠点、640事業所を展開し、アメニティーライフがある八王子市内にも各種施設を持ち、シナジー(相乗効果)を見込む。

アメニティーライフは1989年に設立。八王子市内に定員200人・150室の有料老人ホームを運営する。

取得価額は非公表。取得予定日は2021年2月1日。

テラ<2191>、新型コロナ治療薬開発のメキシコPrometheus. Biotechを子会社化

テラは、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発に取り組むメキシコPrometheus. Biotech Corporation.の株式51%を取得し、26日付で子会社化した。Prometheus. Biotechは先端医療支援事業を手がける米系のセネジェニックス・ジャパン(東京都中央区)が7月に全額出資でメキシコに設立した子会社。取得価額は1億5300万円。

テラは今年4月、セネジェニックス・ジャパンと新型コロナウイルス感染症に対する間葉系幹細胞を用いた治療法の開発に関する共同研究契約を締結。これに基づき、メキシコで新型コロナ治療薬の臨床試験を進めている。現在、現地イダルゴ州での薬事申請を済ませたところという。

大戸屋TOB、コロワイドが期間延長と買付予定数の下限を引き下げ

定食「大戸屋ごはん処」を展開する大戸屋ホールディングスに対してTOB(株式公開買い付け)を実施中のコロワイドは25日、同日までとしていた買付期間を9月8日まで10営業日延長すると発表した。併せて買付予定数の下限を5%引き下げ、20.84%(現保有分19.16%と合わせた所有割合は40.0%)とした。TOB成立の確度を上げるのが狙いと見られる。買付予定数の上限32.16%(同51.32%)、1株当たり3081円とする買付価格は変更していない。

25日の大戸屋株価の終値は2700円で、買付価格と400円近い開きがある。本来なら、多くの株主にとってTOBに応募した方が有利だが、今回の一連の買付条件変更には思うように買い付けが進んでいない事情がありそうだ。

コロワイドによるTOBに対して大戸屋HDは反対を表明。これにより、敵対的TOBに発展したが、大戸屋において約6割を占めるとされる個人株主の動向がTOBの成否を左右するとして注視されている。

コロワイドは今回、買付予定数の下限を40%に引き下げたが、所有割合が議決権ベースで40%以上50%以下であっても取締役派遣などを通じて実質的に支配が進んでいると判断される場合には、大戸屋を連結子会社として取り扱うことができる。

芝浦機械、希望退職者募集に252人応募

芝浦機械は25日、希望退職者募集に252人の応募があったと発表した。子会社を含めて社員全員を対象に3月中旬から7月29日まで募った。200人~300人程度としていた募集人員は最大で全社(約3300人)の1割近くに相当。退職日は4月1日~9月30日。所定の退職金に特別加算金を上乗せして支給し、再就職支援サービスを提供する。

芝浦機械(4月1日に東芝機械から社名変更)は東芝グループからの離脱に伴い、今年2月に「新生『芝浦機械』に向けた経営改革プラン」を策定。この中で、旧村上ファンド系投資会社から敵対的TOB(株式公開買い付け)を受けたことも踏まえ、株主価値向上を重点施策に掲げ、人員規模の適正化をその一つに盛り込んだ。

ディー・ディー・エス<3782>、指紋センサー開発のシンガポール MICROMETRICS TECHNOLOGIESを子会社化

ディー・ディー・エスは、光学式指紋センサーを開発するシンガポールMICROMETRICS TECHNOLOGIES PTE. LTD. (MMT。売上高-、純資産△1億6700万円)の株式55%を取得し子会社化することを決めた。スマートフォン向けに成長が期待される指紋認証アルゴリズム搭載センサー事業の早期立ち上げを目指す。ディー・ディー・エスとMMTは2017年から技術開発に関して協業関係にあった。

ディー・ディー・エスは指紋など生体認証ソフト・装置の開発を主力とする。

取得価額は4億7848万円。取得予定日は2020年8月28日。

オークネット<3964>、アドベンチャー傘下で海外ブランド輸入販売のギャラリーレアを子会社化

オークネットは、アドベンチャー傘下で海外ブランド衣料雑貨、服飾雑貨の輸入販売などを手がけるギャラリーレア(大阪市。売上高55億円、営業利益7500万円、純資産2億8400万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。オークネットグループとして収益力向上や競争力強化に役立つと判断した。取得価額は5億9900万円。譲渡予定日は2020年9月15日。

ギャラリーレアは2004年に設立し、実店舗でのブランド品の買い取りや小売り、自社サイトや各種ショッピングサイトを通じた国内外へのブランド品販売、BtoBのオークション運営を手がける。

イード<6038>、プロトコーポレーションから趣味・資格の情報検索サイト「グ―スクール」を取得

イードは、プロトコーポレーションが運営する趣味・資格のスクール情報検索サイト「グ―スクール」事業を取得することを決めた。Webメディア運営などのコンテンツマーケティングプラットフォーム事業の規模・領域拡大の一環。当該事業の直近売上高は1億500万円。取得価額は500万円。取得予定日は2020年10月1日。

ユニバンス、特別転進制度に130人が応募

ユニバンスは24日、希望退職者を募る特別転進制度に130人の応募があったと発表した。3月から7月末まで200人程度(退職日は4月末~9月末)を募集した。応募は予定人数を下回ったが、有期契約社員約100人の契約期間満了により、合計230人となり、人員規模適正化は達成する見込みとしている。所定の退職金に特別加算金を上乗せして支給し、再就職支援サービスを提供する。

ユニバンスは自動車用トランスファー、トランスミッション、EV(電気自動車)・HEV(ハイブリッド車)用ギアボックス、農機・建機用減速機などを主力とする。

2020年3月期は売上高6.1%減の562億円、営業赤字5億1700万円(前期は16億4600万円の黒字)、最終赤字35億6200万円(同9億3500万円の黒字)だった。米中貿易摩擦に伴う景気減速で自動車向け需要が落ち込み、新型コロナウイルス感染拡大の影響も重なり、業績が悪化したのを受け、国内拠点の人員規模適正化を打ち出した。

バルテス<4442>、ソフト開発のアール・エス・アールを子会社化

バルテスは、ソフトウエア開発のアール・エス・アール(広島市。売上高2億6900万円、営業利益1080万円、純資産5540万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。バルテスはソフトウエアのテスト・品質保証サービスを主力とする。これまで未開拓だった広島エリアでの事業拡大につなげる。

アール・エス・アールは2001年設立で、Webアプリケーション開発、EC(電子商取引)サイト開発・運用保守などソフト開発全般で実績を積んできた。

バルテスはソフトウエアテスト領域を主力事業とし、年間1800件以上のプロジェクトを手がけている。ソフトウエアテストに関する国際的な資格認定機関である「ISTQB」の最高位ランクの「Global Partner」に日本で唯一認定されている。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月31日。

武田薬品工業<4502>、一般医薬品の武田コンシューマーヘルスケアを米投資ファンドのブラックストーンに売却

武田薬品工業は24日、ビタミン剤「アリナミン」や総合感冒薬「ベンザ」などの一般医薬品を手がける子会社の武田コンシューマーヘルスケア(東京都千代田区。売上高608億円、営業利益128億円、純資産102億円)の全株式を、米投資ファンドのブラックストーンに譲渡すると発表した。譲渡価額は企業価値2420億円に純有利子負債などを加味し、最終的に確定させる。譲渡完了は2021年3月31日を見込む。

武田は収益性の高い医療用医薬品事業に経営資源を集中し、消化器系疾患、希少疾患、オンコロジー(がん)など5つの重点領域で革新的な医薬品の創出にアクセルを踏み込んでおり、非中核の一般薬(大衆薬)事業を切り離すことにした。

株式譲渡先はブラックストーンが設立したOscarA-Co(東京都千代田区)。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[Batonz research](Sep.2020 Vol.1 )

 

 

〈目次〉

●大型M&Aが激減する一方、中小M&Aは過去最高に

●第三者承継支援総合パッケージの発表と小規模M&A市場の拡大

●中小M&Aガイドラインで初めてM&Aプラットフォーマーの利用推進 を明記

●経営資源引継ぎ補助金制度の創設

●スモールM&A市場の出現と拡大

●M&Aニーズの変化に対応できるかが鍵に

 

 

 

大型M&Aが激減する一方、中小M&Aは過去最高に

世界的な新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、クロスボーダーを中心とする大型M&Aが大幅に減少する一方、中小規模のM&Aは急激に増加している実態が各種調査会社の調査結果で明らかとなった。

 

調査会社によると日本の2020年上半期(1~6月期)のM&A総額は2兆9111億円にとどまり、これは半期ベースで実に16年半ぶりの低水準となった。また、金融データ・プロバイダーであるリフィニティブの調査でも同様に、日本関連M&A公表案件は5.1兆円と前年同期から42%もの減少となり、これは2013年以降最低の水準となっている。この記録的な減少はクロスボーダーや業界再編に絡む1,000億円超の大型M&A案件の大幅な減少がその主要因である。例えばリフィニティブの調査では大型M&A案件は件数ベースで前年比75%あまり減少し、僅か5件、取引金額ベースでも1.3兆円と実に72.7%の減少という記録的な減少となった。国際的な大型M&Aは新型コロナウイルス感染症の影響をもっとも大きく受けた分野であるといえ、ワクチンの開発等、劇的な状況改善が進まない限り、その回復には相当の時間を要するものと思われる。

 

しかし注目すべきは、大型案件が激減する一方、M&A全体の案件数は2,178件と過去最多を記録したことであろう。この背景としてここ十年来に渡って指摘されてきた日本の中小企業の深刻な事業承継問題が存在するが、中でも新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、中小企業経営者が一気に同族承継からM&Aに舵を切ったことが大きな要因であると推定される。バトンズでは新型コロナウイルス感染症の拡大がどのように中小企業経営者の意思決定に影響を及ぼしたのかについて、2020年6月に全国の中小企業経営者を対象とした調査を実施した。この調査は緊急事態宣言発令前の2020年2月以前と比べ経営者の買収意向と売却意向がどのように変化したのかを比較したもので、その結果買収意向については買収に前向きな経営者が64.8%に上り緊急事態宣言前より7.2ポイント増、売却意向については前向きに考えている経営者が60.3%の9ポイント増といずれも大幅に上昇したとの結果となった。

 

 

 

また、買い手のみの調査であるが、事業承継M&Aプラットフォームであるビズリーチ・サクシードが買い手とM&Aアドバイザー向けに行ったアンケートでも、今後M&Aが活性化するという回答が97%を占めるなど、新型コロナウイルス感染症の拡大が大型M&Aとは真逆に中小M&Aの急拡大を後押しする結果となっていることが窺える。

 

 

出典:「コロナ禍の影響下におけるM&Aに関するアンケート」(事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」調べ)https://br-succeed.jp/content/news/pr/post-1501

 

 

第三者承継支援総合パッケージの発表と小規模M&A市場の拡大

こうした中小M&A市場の急拡大を後押しした要因の一つに、国の事業承継政策の大転換があげられる。従来、国は数度にわたる事業承継税制の改定など主として親族内承継の推進に力を入れてきた。しかし近年親族外の第三者への承継(M&A)が急増し、中小企業におい ても事業承継の主流を占めつつあるのが実態だ。 例えば、全国の都道府県に設置された国の委託事業である事業引継ぎ支援センターに寄せられた事業承継に関する相談は過去最多の11,514 社となり始めて1万件を突破した。実際の成約件数は前年比27%増の1,176 件であったが、実にその3分の2以上を第三者承継 (M&A)が占める。また、成約件数の内訳を見ると譲渡側の61.1%が売上1億円以下の小規模企業となっており、我が国の企業の87%を占める小規模企業の存続を考えると、小規模事業者の第三者承継(スモールM&A)の推進が特に政策的に重要なテーマとなりつつあると考えられよう。

 

 

 

こうした状況を踏まえ2019年12月に経済産業省は10年間の集中実施政策として「第三者承継支援総合パッケージ」を発表した。これは年間6万者、10年で60万者の事業者に対し、第三者承継の実現を目指すというもので ある。全国の事業引継ぎ支援センターの成約数が親族承継も含めて年間1000件あまり、民間企業 のM&A成約数を併せても数千件と推定されている中、これは極めて野心的な計画であると言える。

 

 

 

 

中小M&Aガイドラインで初めてM&Aプラットフォーマーの利用推進を明記

こうした状況下、中小企業庁は2020年5月、2015年3月に策定された第三者承継推進の嚆矢とされるM&A「事業引継ぎガイドライン」を全面改訂し、新たに「中小M&Aガイドライ ン」を策定した。 同ガイドラインではM&Aのプロセスや手数料の考え方等を具体的に提示したのに加え、M&A専門業者に対しても行動指針を示すなど、中小M&Aマーケットの拡大という現状を反映した個別具体的な内容となっているが、その中で新たに付け加えられた大きな変更点の一つとして「M&Aプラットフォーマー」の利用が挙げられる。 M&Aプラットフォーマーとはバトンズに代表される売り手と買い手のマッチングサイトに、様々な専門家による仲介サービスを内包したインターネットを活用した新たな形態のM&Aサービスの総称である。 ここ数年で登場したこの新しいM&A支援機関の利用をガイドラインに織り込むため、事業引継ぎガイドライン改訂検討会委員には従来の学識者や民間大手M&A&仲介会社に加えて、バトンズCEOである大山 敬義をはじめとするM&Aプラットフォーマーも名を連ねて論 議が行われた。その結果特に小規模な事業者について、「M&Aプラットフォームの活用を積極的に検討す ることが望まれる」という文言が明記され、我が国の第三者承継推進政策の一翼を担うもの として大きく注目されるに至ったのである。

 

 

 

 

経営資源引継ぎ補助金制度の創設

2月より本格的に拡大を始めた新型コロナウイルス感染症が中小企業に与える影響を憂慮 し、迅速な第三者承継を後押しすべく、中小企業庁は2020年7月に「経営資源引継ぎ補助 金」の受付を開始した。これは新型コロナウイルス感染症の影響で廃業が懸念される中小企 業の事業再編・事業統合等に伴う経費の一部を補助する新設の補助金であるが、特筆すべき は新型コロナウイルス感染症等の影響により対面での交渉が難しいという判断から、新たなにM&Aプラットフォームのシステム利用料についても補助金の対象となったことが挙げられる。 従前、事業承継関係の補助金としては「事業承継補助金」が存在したが、その採択件数は1 18件、採択率は6割程度に過ぎなかった。 しかし経営資源引継ぎ補助金は36億円の予算から950件の採択を目指しているとされる。こうした政府による第三者承継推進政策は、コロナ禍での中小企業経営者のM&A検討意欲の高まりとともに、中小、小規模企業M&Aの拡大の大きな後押しとなると考えられる。

 

 

スモールM&A市場の出現と拡大

こうしたM&Aプラットフォームの利用拡大によって、もう一つ大きく注目されるのが、従来の起業の代替手段として、サラリーマンなどの個人がM&Aで会社を買って経営していく事例が数多く生まれたことである。 バトンズでも前身である「@net(アットネット)」において、早くも2013年3月に東京都 内の歯科医院を個人の勤務医が承継した事例が生まれているが、この数年は個人を買い手と したスモールM&Aが多数成約している。この全く新しい市場は従来の仲介会社のクローズドな市場では到底起こり得なかったものであり、まさにインターネットによるM&Aプラットフォームの普及によって新たに誕生した 市場であるといえよう。新たに生まれた膨大な買い手の出現は127万者とも言われる後継者難によって廃業が懸念される事業者の第三者承継に大きな光明をもたらすものと期待される所以である。もちろんM&Aプラットフォームの利用価値はこうしたスモールM&Aに留まらず、今後更に 拡大していくことが考えられる。他の産業分野で見られた人的なリソースに依存したローカ ルモデルがI T化されることで生産性が高まり、同時に飛躍的な量的拡大を果たしたことと 同様の出来事がM&A業界において繰り返されることは十分考えられることである。

 

米国などのI T先進国では既に小規模企業のM&Aの大半はネット取引となり、最大手のプラ ットフォームでは常時7万件以上の案件が閲覧可能なほどであるが、同様に我が国においても将来的には年商5億円以下の市場で行われるM&Aの大部分が、人の力のみで仲介を行うモ デルからインターネット上でのマッチングに切り替わる可能性がある。今後M&Aプラットフォームの普及により、米国と同様の量の経済が動く状況となれば、経 済産業省が目指す年間6万者の第三者承継の実現も現実的なものとなってくるだろう。

 

 

M&Aニーズの変化に対応できるかが鍵に

先に触れたバトンズの調査において、会社・事業の売却を実施、検討した理由のトップ3は 経営不振が53.7%、将来不安が46.3%、事業再編が46.3%であった。 それに次ぐ形で後継者不在が31.3%となっており、従来中小M&Aの主要因と考えられてきた事業承継問題より、現実的な経営不安が売却の主要素として挙げられるようになったことは 注目に値する出来事である。つまり既にM&Aは将来の関心事ではなく、直近に差し迫った経営課題である、ということ なのである。一方会社・事業の買収を実施、検討した理由として挙げられたのは市場変化への対応のためが70.8%、自社のウィークポイントの補強のためが62.5%で、従来不動のトップであった事業拡大のためが54.2%で第3位に後退するなど、まさにコロナという突然の状況の変化に対 する対応策としてM&Aが検討されているという状況がわかる。

 

このことはM&Aサービスを提供する専門家、事業者に対して重要視する点は何かという質問の結果にも現れている。これによれば、手数料が安いことが45.0%、専門家によるサポートが受けられることが43.2%とあり、ここまでは以前とそう大きく変わらないものの、新たに成約までのスピードが 早いことをあげたのが33.3%と3位につける結果となっている。

 

コロナ以前のM&A業界の主要テーマは俗に2025年問題と呼ばれる中小企業の事業承継問題の解決にあった。しかし現在では売り手買い手ともに、コロナによって激変したマーケットに、迅速に適応するための手段としてM&Aを検討しており、各種M&Aの専門家、仲介会社 は大きく変化した顧客のニーズに的確に対応することが望まれている。

 

M&Aプラットフォームの普及はこうしたニーズに合致するもので、今後更に幅広い層に活用されることになると考えられるが、一方で専門知識を持たない素人の相対交渉によるトラブルの多発や、ネットに精通した専門家、特に地方における担い手の少なさなど課題も多い。今後多種多様な選択肢の中から迅速にマッチングが可能であるというネットの特性を生かしつつも、M&A専門家の介在により、いかにトラブルなく安全なM&Aを可能にできるかが、 日本においてもIT先進国の米国などと同様にM&Aプラットフォームが本格的な普及に至るかどうかの試金石となるだろう。

 

 

 

 

情報提供元:株式会社バトンズ

新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年8月公開分)

 

 

 

◇近畿地区「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」(2020年7月)

企業の85.4%が「業績にマイナス」も、3カ月連続で減少
~ 2020年7月の売り上げ見込みは、前年同月比で平均85.3% ~

※詳細はこちら

 

◇神奈川県「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」(2020年7月)

約7割の企業で、既に業績にマイナスの影響
~ 外出自粛の影響が色濃い業種で、売り上げ確保が厳しい状態続く ~

※詳細はこちら

 

◇四国地区「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」(2020年7月)

業績への影響、四国企業の6割強で既にマイナスの影響
~7月の売り上げ、四国企業の約6割が前年同月比減収を見込む~

※詳細はこちら

 

◇熊本県「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」(2020年7月)

企業の83.8%が「業績にマイナス」、4カ月連続で8割を超える
~ 外出自粛の影響が色濃い業種で売り上げ確保が厳しい状態続く ~

※詳細はこちら

 

◇沖縄県「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」(2020年7月)

企業の70.2%が「減収」、先行き不透明感ぬぐえず
~従業員の健康や感染症予防対策を優先しながら企業活動の再開を目指す~

※詳細はこちら

 

 

 

 

 

 

情報提供元(出所):株式会社帝国データバンク

[解説ニュース]

円滑な事業承継のための種類株式の活用

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(吉濱 康倫/税理士)

 

 

[関連解説]

■事業承継税制を複数の後継者に適用する場合の留意点

■贈与税の納税猶予の適用を受ける贈与により非上場株式を取得した者のみなし配当課税の特例

 

 

 

1.種類株式とは


会社法では「株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。」(会社法109条1項)としており、株式一株の権利内容は、原則として同じです。しかし、株式会社は異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行するように、定款で定めることができます(会社法108)。これを「種類株式」といいます。

 

 

2.種類株式の活用例


(1)議決権制限株式

議決権制限株式とは、株主総会における議決権を行使することができる事項について、他の株式とは異なる定めを置く株式です(会社法108条1項3号)。事業承継における問題として、相続による株式の分散により議決権が分散するため、後継者が過半数の議決権を確保することが困難になるという点が考えられます。これを解消するため、オーナー経営者が保有する普通株式の一部を完全無議決権株式に転換しておき、後継者に普通株式を、後継者以外の相続人には完全無議決権株式を相続させることで、株式は分散しても議決権を分散させないことが可能です。

 

(2)取得条項付株式

取得条項付株式は、株式を発行する会社が一定の事由が生じたことを条件として、その株式を取得できるという株式です(会社法108条1項6号)。取得条項付株式の対価は金銭に限らず、社債や他の種類株式など幅広い設定ができます。これを利用して、議決権制限株式に取得条項をつけておき、いつでも普通株式に転換できるようにしておくことも可能です。例えば、複数の後継者候補に議決権制限付かつ取得条項付株式を贈与しておき、後継者が確定した時点で普通株式に転換することで、後継者のみが議決権を手にすることができます。また、後継者以外の者に相続させる株式を取得条項付株式にしておけば、分配可能額((3)参照)の範囲で会社は自由にその株式を買い取ることが可能であり、少数株主対策の心配が無くなります。

 

(3)分配可能額

分配可能額とは、簡単に言うと、株式会社の最終の貸借対照表の純資産の部に計上されているその他資本剰余金の額とその他利益剰余金の合計額から、自己株式の帳簿価額等及び当期に既に分配した価額をマイナスした残額です(会社法461条2項)。また、株式会社が期中に臨時決算手続き(会社法441条)を行うことにより、前期末から配当基準日までの期間分の利益を分配可能額に反映させ、当該利益分だけ分配可能額を増加させることができます(会社法461条2項2号)。
株式会社が自己株式の買い取りを行う場合には、自己株式の取得の対価の総額が、分配可能額を超えることができないという規制(財源規制)があります(会社法461条1項)。この財源規制に違反して、株式会社が自己株式の買い取りをした場合であっても、原則としてその買い取り自体は無効にはなりません。しかし、取得条項付株式が自己株式として買い取られる場合(会社法155条1号)は、これらの財産の帳簿価額が分配可能額を超えているときには、取得条項付株式の取得が無効になります。(会社法170条5項)

 

 

3.種類株式を発行するための手続き


種類株式を発行するには、種類株式の内容及び発行する数を定款に定めて登記しなければなりません。(会社法108条2項、911条3項7号)。定款に種類株式に関する定めがない場合は定款を変更する必要があります。定款を変更するためには、株主総会の特別決議(議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の多数)が必要です(会社法309条2項11号、466条)。

 

 

4.種類株式の相続税法上の評価


財産評価基本通達(以下「財基通」)には種類株式の類型ごとに評価方法を定めている規定はありません。平成30年版財基通逐条解説704頁~705頁の「[参考2]種類株式の評価方法」では、「多種多様な種類株式については、権利内容や転換条件など様々な要因によってその発行価格や時価が決まってくると考えられる。しかもこのような種類株式については、社会一般における評価方法も確立されていないうえに、権利内容の組み合わせによっては、相当数の種類の株式の発行が可能であるから、その一般的な評価方法をあらかじめ定めておくことは困難である。したがって、財基通に定める評価方法がなじめないような種類株式については、個別に権利内容等を判断して評価する」という趣旨の考え方が示されています。その中で、中小企業の事業承継目的で活用が想定される特定の種類株式の評価方法は、国税庁から公表されている「相続等により取得した種類株式の評価について」や質疑応答事例において紹介されています。

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/08/31)より転載

[M&Aニュース](2020年8月11日〜8月21日)

◇ASIAN STAR<8946>、筆頭株主企業傘下の中国不動産3社を子会社化、◇不二製油グループ本社<2607>、インドのクリーム製品製造子会社3F FUJI FOODSをシンガポール社に譲渡、◇ズーム<6694>、音楽用電子機器輸入販売のフックアップを子会社化、◇アツギ<3529>、レナウン傘下で肌着・ソックス製造のレナウンインクスを子会社化、◇バリュエンスホールディングス<9270>、中古品買取54店舗展開のNEO-STANDARDを子会社化、◇丸和運輸機関<9090>、運輸・倉庫の日本物流開発を子会社化、◇プラップジャパン<2449>、運用型広告支援のプレシジョンマーケティングを子会社化 ほか

 

 

 

ASIAN STAR<8946>、筆頭株主企業傘下の中国不動産3社を子会社化

ASIAN STARは100%子会社の柏雅資本集団控股有限公司(香港、柏雅香港)を通じて、上海徳威企業発展股份有限公司(徳威企業)の子会社である上海徳威房地産経紀有限公司(徳威不動産)と、上海優宏資産管理有限公司(U-HOME)、U-HOMEの子会社である上海特庫伊投資管理有限公司(特庫伊投資)の3社を完全子会社化すると発表した。

ASIAN STARは今回買収する3社からの斡旋による顧客獲得や日系企業・日系駐在員の嗜好に合った物件開発の助言などで、両社の事業上のシナジー効果に期待。併せて中国事業の拡充や、日中間の相乗効果による事業規模拡大と収益向上も期待できることから買収を決めた。徳威企業は2011年12月にASIAN STARへ27.34%出資し、筆頭株主となっている。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年9月30日まで。

不二製油グループ本社<2607>、インドのクリーム製品製造子会社3F FUJI FOODSをシンガポール社に譲渡

不二製油グループ本社は、クリーム製品を製造するインド子会社3F FUJI FOODS PRIVATE LIMITED の全株式を、シンガポールIFFCO SINGAPORE PTE. LTD.とその傘下企業に譲渡することを決めた。事業の選択と集中の一環。3F FUJI FOODSは2014年に設立。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年8月27日。

譲渡先のIFFCO SINGAPOREは食用油を中心とした製品・販売を手がけている。

ズーム<6694>、音楽用電子機器輸入販売のフックアップを子会社化

ズームは、音楽用電子機器を輸入販売するフックアップ(東京都台東区。売上高10億2000万円、営業利益9000万円、純資産1億6200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。自社ブランドによる音楽用電子機器の開発・販売に続く第2の柱として輸入販売代理店事業を育成しており、この一環。

取得価額は非公表。取得予定日は2021年3月1日。

フックアップは1991年に設立。プロオーディオ、音楽制作用PC・デスク、アンプ、スピーカー、シンセサイザー、ギター・ベースなどの外国ブランドを取り扱っている。ズームは自社ブランド以外の音楽用電子機器を日本市場でも取り扱うことで、国内での販売活動を広げる。

アツギ<3529>、レナウン傘下で肌着・ソックス製造のレナウンインクスを子会社化

アツギは、民事再生手続き中のレナウン傘下で肌着、ソックスなどを製造・販売するレナウンインクス(東京都江東区。売上高72億8000万円、営業利益3億6200万円、純資産△3億2500万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。アツギはストッキング・タイツを主力とするが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で足元の販売環境が厳しさを増す中、ソックス・インナーウエア商品を強化し、事業構造のバランスの改革を推し進める。

レナウンインクスは肌着などインナーウエアの販売構成比が高く、紳士・婦人ともに品ぞろえをしている。販路も百貨店からチェーンストアまで広い。アツギもレッグウエア・インナーウエアを取り扱っているが、商品構成や企画・デザイン・調達面などで重複が少なく、補完関係が期待できると判断。縮小する国内市場での競争力向上とシェア拡大を目指す。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年10月1日。

バリュエンスホールディングス<9270>、中古品買取54店舗展開のNEO-STANDARDを子会社化

バリュエンスホールディングスは子会社を通じて、ブランド品や貴金属など中古品買取のNEO-STANDARD(東京都墨田区。売上高36億円、営業利益△2億600万円、純資産2億6500万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。NEO-STANDARDは1都5県で中古品買取店54店舗を展開している。バリュエンスは同業を傘下に取り込み、グループの買取体制の強化につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年9月30日。

バリュエンスは買取専門店「なんぼや」を中心に全国83店舗(5月末)を展開している。

丸和運輸機関<9090>、運輸・倉庫の日本物流開発を子会社化

丸和運輸機関は、運輸・倉庫業の日本物流開発(東京都板橋区。売上高35億円、営業利益5100万円、純資産2億4700万円)の株式51.3%を取得し、8月31日付で子会社化することを決めた。取得価額は非公表。残る株式については株式交換を行い、9月30日付で完全子会社化する。EC(電子商取引)物流事業における機能強化が狙い。

株式交換比率は丸和運輸機関1:日本物流開発1060。日本物流1株に対し、丸和運輸の1060株を割り当てる。日本物流は1990年に設立し、EC物流で強みを持つ。

プラップジャパン<2449>、運用型広告支援のプレシジョンマーケティングを子会社化

プラップジャパンは、運用型広告の各種支援などを手がけるプレシジョンマーケティング(東京都新宿区。売上高32億9000万円、営業利益3700万円、純資産9100万円)の株式92%を取得し子会社化することを決めた。総合PR代理店としての事業基盤強化に向け、デジタル領域のサービスを拡充する狙い。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年9月1日。

プレシジョンマーケティングは2007年に設立。広告の制作から配信、効果分析・レポートまでの一連のサービスを提供する。自社で広告運用する企業や内製化を目指す企業に対するインハウス化支援などのコンサルティングにも力を注いでいる。

プラップジャパンはプレシジョンマーケティングが培ってきたデジタル領域の広告に関する知見や実績を取り込み、顧客サービスの幅を広げる。

大阪有機化学工業<4187>、三菱ケミカルから頭髪化粧品用アクリル樹脂事業を取得

大阪有機化学工業は、三菱ケミカル(東京都千代田区)から頭髪化粧品用アクリル樹脂の製造・販売事業を取得することを決めた。品ぞろえの充実と海外販路の獲得が狙い。化粧用アクリル樹脂はヘアスプレー、ヘアムース、ヘアジェル、ヘアワックスなどの主要成分となるもので、三菱ケミカルはこの分野の世界的大手。

大阪有機化学は1980年代から化粧品用アクリル樹脂を取り扱い、国内を中心に100社以上の化粧品会社に採用実績を持つ。三菱ケミカルから今回取得するのは「ユカフォーマー」「ダイヤフォーマー」「ダイヤスリーク」(いずれも商品名)。製造については三菱ケミカルに委託する。

取得価額は非公表。取得予定日は2021年2月1日。

ブシロード<7803>、コロプラ傘下でWebメディア事業運営のソーシャルインフォを子会社化

ブシロードは、コロプラ傘下でWebメディア事業を手がけるソーシャルインフォ(東京都渋谷区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ウィズコロナ・アフターコロナ時代を見据え、デジタル領域の事業強化につなげる。ソーシャルインフォは2011年設立で、「ソーシャルゲームインフォ」「アニメレコーダー」を運営し、ゲーム業界で高い評価を得ている。

取得価額は6183万円。取得予定日は2020年9月1日。

プロレド・パートナーズ<7034>、官公庁向けコンサルティング業の知識経営研究所を子会社化

プロレド・パートナーズは、官公庁・地方自治体向けにコンサルティングサービスを手がける知識経営研究所(東京都港区。売上高4億1300万円、営業利益2100万円、純資産7900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。今後の成長分野である環境・リスク管理方面の事業拡充につなげる。知識経営研究所は2000年に設立。

取得価額は4億5000万円(アドバイザリー費用を含む)。取得予定日は2020年8月26日。

揚工舎<6576>、東京・青梅で有料老人ホーム経営のケアクリエイトを子会社化

揚工舎は、有料老人ホーム経営のケアクリエイト(東京都青梅市。売上高4億600万円、営業利益1030万円、純資産713万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ケアクリエイトは2003年設立で、青梅市内で「ホームケアレジデンス河辺」を運営する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月19日。

ERIホールディングス<6083>、戸建住宅の確認検査業務を手がけるサッコウケンを子会社化

ERIホールディングスは、戸建住宅の確認検査を手がけるサッコウケン(札幌市。売上高5億4700万円、純資産1億1700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。サッコウケンは1974年設立で、道内トップシェアの指定確認検査期間。北海道でのシェア拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年9月中。

エイジア<2352>、CMS製品提供のCONNECTY HOLDINGを子会社化

エイジアは、Webサイト制作用コンテンツマネジメントシステム(CMS)製品を提供するCONNECTY HOLDING(東京都港区)の株式の3分の2超を取得し子会社化することを決めた。CONNECTY HOLDINGは持ち株会社で、傘下に事業子会社のコネクティ(東京都港区。売上高6億1600万円、営業利益7800万円、純資産1億9800万円)を持つ。DX(デジタルトランスフォーメーション)プラットフォームの構築につなげる狙い。取得価額は5億5000万円。取得予定日は2020年9月下旬~10月中。

コネクティは「Connecty CMS on Demand」の名称でCMSをクラウドサービスで提供し、数千・数万ページに及ぶWebサイトを持つ国内大手企業を顧客に抱える。

エイジアはメール配信を中心とするマーケティングコミュニケーションシステム「WEBCAS」を主力とし、6000社以上の累計導入実績を持つ。コネクティが提供するWebサイトから見込み客の獲得を支援する機能と、エイジアの見込み客に対してメッセージ配信するCRM(顧客関係管理)機能を組み合わせ、より包括的なDXプラットフォームの構築を目指す。

JMDC<4483>、学会情報データベース事業の医薬情報ネットを子会社化

JMDCは、製薬・医療機器関連の学界情報データベース事業を展開する医薬情報ネット(東京都港区)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。薬剤の変化や技術の進化、規制の厳格化、さらに新型コロナウイルス感染症の広がりなどを背景に、製薬・医療機器企業のマーケティング活動に対して一層きめ細かな情報支援が求められているのに対応する。取得価額、取得予定日は非公表。

医薬情報ネットは1995年に設立。国内約1400学会、海外約400学会をカバーする「学会情報データベース事業」を主力とし、顧客企業におけるKOL(キーオピニオンリーダー)選定やMR(医薬情報担当者)の活動支援などに利用されている。

JMDCは5億4000万件以上のレセプト(診療報酬明細書)データと、2600万件を超える健診データの分析に基づく保険者向け保健事業支援などのサービス事業を展開している。

日鉄物産<9810>、NST日本鉄板を通じて月星商事を子会社化

日鉄物産は18日、傘下のNST日本鉄板(東京都中央区)が表面処理鋼板やステンレス鋼板を取り扱う月星商事(東京都中央区)の株式を日本製鉄から追加取得し、子会社化すると発表した。日本製鉄グループにおける建材薄板分野でのサプライチェーン(供給網)強化の一環。NST日本鉄板は日本製鉄が持つ月星商事株式(所有割合41.2%)のうちの26%あまりを取得し、持ち株比率を現在の27.8%から54.1%に引き上げる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年9月30日。

ピアズ<7066>、携帯販売代理店向けコンサル業務のOne go One wayを子会社化

ピアズは、携帯販売代理店向け店舗運営コンサルティング業務などを手がけるOne go One way(さいたま市。売上高6300万円、営業利益100万円、純資産100万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ピアズは同じく携帯販売代理店を対象とするコンサルティング業務を主力としており、これまで協力関係にあった。今回、傘下に取り込むことで、連結ベースでコスト削減にも寄与すると期待している。

取得価額は2100万円。取得予定日は2020年8月21日。

粧美堂<7819>、化粧品・医薬部外品受託製造のビューティードアを傘下に

粧美堂は、化粧品・医薬部外品を受託製造するビューティードア・ホールディングス(BDHD、大阪府富田林市)を子会社化することを決めた。BDHDは持ち株会社で、傘下に事業子会社のビューティードア(大阪府富田林市。売上高5億3900万円、営業利益5780万円、純資産3億2200万円)を持つ。化粧品分野の事業拡大につなげる。

ビューティードアは1977年にプラスチック成形加工を目的に設立。2001年に化粧品・医薬部外品の製造許可を取得し、受託製造を手がける。

粧美堂は化粧雑貨、化粧品、服飾雑貨、キャラクター雑貨などを自社ブランドとOEM(相手先ブランド生産)で取り扱っている。ビューティードアをグループに迎え、新たに製造設備と製造ノウハウを取り込むことで、化粧品事業を加速する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年10月1日。

武田薬品工業、国内部門で早期退職制度を実施へ、募集人数は非公表

武田薬品工業は17日、国内部門で「フューチャー・キャリア・プログラム」と名づけた早期退職制度を実施すると発表した。勤続3年以上(定年後再雇用者を含む)で30歳以上の社員を対象とするが、募集人数は非公表。募集期間は9月28日~10月16日で、退職日は11月30日とする。医薬品開発をめぐる国際的な競争が激しさを増す中、組織力の向上に向け、終身雇用を柱とする日本型の雇用システムからの脱却を進めており、こうした取り組みの一環。所定の退職金に特別加算退職金を上乗せして支給し、再就職支援サービスを提供する。

武田は国内部門について、消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)の5つを重点領域とし、ターゲットを絞った医療用医薬品ビジネスを推進中。これに合わせ、国内の人事制度も新たな変革を取り入れ、次のステージに移行を目指している。

ビットワングループ<2338>、香港とシンガポールの仮想通貨交換所をキーストーンマネジメントに譲渡

ビットワングループは、子会社で手がける2つの仮想通貨交換所「BitOne Trade HK」(香港で運営)、「BitOne Trade SG」(シンガポールで運営)を、不動産・経営コンサルタント業のキーストーンマネジメント(東京都中央区)に譲渡することを決めた。これによりフィンテック事業の廃止がほぼ完了する。譲渡価額は合計2円。譲渡予定日は2020年8月31日。

特別損失として事業譲渡損1100万円が発生する見込み。

ミナトホールディングス<6862>、テレビ会議システムなど販売のプリンストンを子会社化

ミナトホールディングスは、テレビ会議システムやパソコン記憶装置を販売するプリンストン(東京都千代田区。売上高73億9000万円、営業利益9800万円、純資産5億4800万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。テレワーク(在宅勤務)需要に伴い拡大が期待されるビデオ・音声会議システムをはじめ、eスポーツ、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連、5G(次世代通信規格)、IoT(モノのインターネット)など成長分野の事業拡大を目指す。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月28日。

子会社化後、現経営陣3氏を割当先とする第三者割当増資を実施し、引き続き、経営を委ねる。

ラオックス、追加の希望退職者募集に114人が応募|予定の半数下回る

ラオックスは14日、希望退職者の追加募集に114人の応募があったと発表した。契約社員を含む全社員を対象に7月1日~31日に250人程度を募集したが、応募は半数以下にとどまった。希望退職者の募集は2月(160人程度募集、111人応募)に次ぐ今年2度目。退職日は8月31日付で、規定の退職金に特別加算金を上乗せして支給する。

新型コロナウイルスの感染拡大でメーンとする中国や韓国からの訪日観光客の回復が見込めない中、追加募集にあたっては人数を2月の1.5倍に拡大した。しかし、前回に続き、応募は募集人数を大きく下回り、経営再建に向けて前提が崩れた格好。同社は7月末に、全国24店舗の半数にあたる12店舗を閉鎖する方針を発表した。

投資会社アント・キャピタル・パートナーズ、スカラ<4845>傘下のソフトブレーン<4779>をTOBなどで子会社化

投資会社のアント・キャピタル・パートナーズ(東京都千代田区)は14日、スカラ傘下で営業支援サービスを提供するソフトブレーン(東証1部)をTOB(株式公開買い付け)などで完全子会社化すると発表した。TOBで株式の49.77%を取得したうえで、親会社のスカラが保有する残る50.23%についてソフトブレーンが自己株取得する形をとる。2021年3月に買収完了を見込む。ソフトブレーンはTOBに賛同している。

TOBの実施主体はアント・キャピタル・パートナーズが設立したシー・ファイブ・エイト・ホールディングス。ソフトブレーン株の買付価格は1株871円。TOB公表前日の終値408円に113.48%のプレミアムを加えた。買付予定数は1463万5000株で、下限は所有割合16.44%にあたる483万3400株に設定。スカラ所有のTOB不応募株式50.23%と合わせ所有割合が3分の2超となる。買付代金は127億4708万円。

買付期間は9月29日~11月10日。公開買付代理人は三菱UFJモルガンスタンレー証券、auカブコム証券。決済の開始日は11月17日。

TOB成立を受け、ソフトブレーンの減資手続きなどを行う。併せて同社に資金提供し、2021年3月をめどにスカラ所有の全株式50.23%を1株714円で取得する。自己株取得額は105億4578万円。

一連の完全子会社化にTOBと自己株取得を合わせて総額232億9200万円を投じる。アント・キャピタル・パートナーズは2000年に設立し、プライベートエクイティ投資(バイアウト)を主軸とする。主要株主として現在、農林中央金庫、三井物産企業投資が名を連ねる。

ソフトブレーンは1992年に創業し、2000年にマザーズに上場。2005年に東証1部に昇格した。スカラは2016年前後からソフトブレーン株の取得を本格化し、2017年には50%超まで買い増して子会社としていた。スカラは今回の株式売却で得た資金を新たな投資に振り向ける考え。

さいか屋、希望退職者募集に108人が応募

さいか屋は13日、希望退職者募集に108人の応募があったと発表した。6月22日から7月14日まで、120人程度(35歳以上、非正規社員を含む)を募集した。百貨店の横須賀店(神奈川県横須賀市、約130人)を2021年2月に閉店するのに伴う措置。退職日は8月31日および2021年2月28日。正社員に所定の退職金に加えて割増退職金を、非正規社員に退職慰労金をそれぞれ支給し、再就職支援サービスを提供する。

チムニー、100人程度の希望退職者を募集へ

チムニーは13日、100人程度の希望退職者を募ると発表した。正社員(7月末時点971人)を対象とし、募集期間は8月13日~26日。同社は居酒屋「はなの舞」を中心に外食事業を展開するが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う業績悪化などを受け、72店舗の閉鎖を決定。企業体質強化と事業規模に見合った人員体制を構築する。

退職日は9月30日付。通常の退職金に特別退職加算金を上乗せして支給し、再就職支援サービスを提供する。

同社の2020年4~6月期業績は売上高80.7%減の21億円、営業赤字19億2900万円(前年同期は4億9600万円の黒字)、最終赤字17億8100万円(同2億4800万円の黒字)。

第一商品、早期退職者募集に予定を4割上回る140人が応募

第一商品は13日、早期退職者募集に140人の応募があったと発表した。募集期間は6月23日~7月10日。全従業員(約240人)の4割に当たる100人の募集人員を大幅に上回った。7月に東京商品取引所から大阪取引所に貴金属、ゴム、農産物の各市場が移管されたが、同社は不適切会計問題を抱え、取引に必要な参加資格を取得できず、人員体制を含む収益構造の再構築に迫られていた。

退職日は7月31日(本社管理部門は8月31日)。会社都合扱いとし、特別加算金を支給する。2021年3月期決算に事業整理損失引当金繰入額3億1300万円を特別損失として計上する。

ソラスト<6197>、介護サービスの日本エルダリーケアサービスを子会社化

ソラストは、介護サービス事業の日本エルダリーケアサービス(東京都港区。売上高46億3000万円、営業利益2億7100万円、純資産9億8400万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。日本エルダリーは首都圏を中心に訪問介護、居室介護支援、通所介護を122事業所で展開している。取得価額は23億7500万円。取得予定日は2020年10月1日。

ソラストは2030年に向け、介護サービスエリアを現在の3倍の300エリアに拡大するとともに、すべてのエリアで訪問介護、通所介護、居室介護支援、グループホーム、有料老人ホームなどの施設を各1事業所以上運営することを目指している。日本エルダリーを傘下に取り込むことで、事業展開エリアの拡大とエリア内の提供サービス拡充を進める。

三菱製紙<3864>、白河事業所の電気絶縁紙事業を王子エフテックスに譲渡

三菱製紙は、白河事業所(福島県西郷村)で生産している電気絶縁紙事業を、王子ホールディングス傘下の王子エフテックス(東京都中央区)に譲渡することを決めた。王子との資本業務提携の一環。2021年4月から王子エフテックスの中津工場(岐阜県中津川市)への生産統合に着手し、同年10月1日付で譲渡を完了する予定。

三菱製紙は1971年から白河事業所で変圧器向けに、未晒クラフトパルプを原料とする絶縁材料のプレスボードを生産している。しかし、2011年の東日本大震災による原発事故を契機とした国内の電力設備投資の抑制に伴い、変圧器需要が縮小傾向にあるほか、海外では欧州や中国メーカーとの競争が激しさを増しており、生産能力に勝る王子の傘下企業に生産を移管することにした。

白河事業所は全芳香族ポリアミドを原料とする「Aボード」について生産を継続する。

ペッパーフードサービス、「いきなり!ステーキ」事業で希望退職者募集に183人応募

ペッパーフードサービスは12日、「いきなり!ステーキ」事業部門を対象に200人程度を予定していた希望退職者募集に183人の応募があったと発表した。募集期間は7月6日~31日で、「いきなり!ステーキ」のうち閉鎖を決めた114店舗で95人(募集150人程度)、その以外の店舗で88人(募集50人程度)が応募した。会社都合退職とし、特別退職金を支給するほか、再就職支援サービスを提供する。

ペッパーフードサービスは経営再建の一環として、もう一つの主力である「ペッパーランチ」事業を投資ファンドのJ-STAR(東京都千代田区)に85億円で譲渡し、「いきなり!ステーキ」事業に経営資源を集中させることとし、店舗閉鎖に合わせて希望退職者を募った。

日本ハウズイング<4781>、給排水設備工事のメイセイを子会社化

日本ハウズイングは、給排水設備工事のメイセイ(埼玉県草加市。売上高8億800万円、純資産2億1700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。日本ハウズイングは分譲マンションを中心にオフィスビル・賃貸マンションの建物管理を主力とする。近年、建物の高経年化を背景に給排水設備の工事・保守点検ニーズが高まっており、対応力を強化する狙い。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月27日。

インフォネット<4444>、Webシステム企画・開発のスプレッドシステムズを子会社化

インフォネットは12日、Webサイトの企画・開発などを手がけるスプレッドシステムズ(東京都港区。売上高5410万円、営業利益117万円、純資産583万円)の全株式を取得し子会社化したと発表した。取得日は2020年4月15日。取得価額は非公表。スプレッドシステムズは2013年に設立。

プロスペクト<3528>、KeyHolder傘下の不動産子会社キーノートを子会社化

プロスペクトは、KeyHolder傘下で不動産・商業施設建築事業を手がけるキーノート(東京都港区。売上高54億5000万円、営業利益4億8700万円、純資産19億4000万円)を株式交換で完全子会社化することを決めた。首都圏や近畿圏での戸建住宅の販売、不動産関連のコンサルティング業務の拡充につなげる。

株式交換比率はプロスペクト1:キーノート2万6860。キーノート1株に対してプロスペクトの2万6860株を割り当てる。株式交換予定日は2020年9月3日。

プロスペクトは首都圏で自社開発マンション「グローベルマンション」の建設分譲を主力とし、累計分譲戸数は8100戸を超える。一方、キーノートの親会社のKeyHolderはエンターテイメント事業に経営資源を集中する方針を打ち出したのに伴い、不動産関連のキーノートの売却を検討していた。キーノートは1996年に設立。

クルーズ<2138>、女性向けキュレーションメディア運営のCandleをKACK JAPANに譲渡

クルーズは、女性向けキュレーションメディアを運営する子会社のCandle(東京都渋谷区。売上高2億4700万円、営業利益△1400万円、純資産1億700万円)の全株式を、不動産賃貸業のHACK JAPANホールディングス(甲府市)に譲渡することを決めた。譲渡価額は2億円。譲渡予定日は2020年9月30日。

クルーズは2016年に、キュレーションメディアと呼ばれる情報整理サイトを手がけるCandleを買収。Candleのメディア運営の経験やノウハウを生かし、2019年9月にはEC(電子商取引)関連メディアを運営するランク王(東京都渋谷区)を設立した。今回、事業の選択と集中の観点から、設立後1年に満たない事業ながらも急成長中のランク王に経営資源を集中させることにした。

SHIFT<3697>、クラッチからWebマーケティング事業を取得

SHIFTは、クラッチ(東京都港区)からWebマーケティング事業を買収することを決めた。同事業を会社分割より承継する新会社CLUTCH(同)の全株式を9月30日付で取得する。ネット広告代理店事業に参入を目指す。取得価額は8億5400万円。対象事業の売上高は19億6900万円。

SHIFTは今回の事業取得を通じて、ネット広告枠の買い取りから、Webサイト制作関連業務全般までワンストップのサービス提供が可能になるとしている。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

民法改正~遺産分割前における相続預貯金債権の払戻し制度~

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(髙橋 大貴/税理士)

 

 

[関連解説]

■【Q&A】2次相続の申告後に、1次相続に係る遺留分侵害額請求に基づく支払額が確定した場合

■民法改正 ~特別の寄与~

 

 

1.はじめに


平成30年7月13日に公布された「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」のうち、新民法第909条の2に規定する遺産分割前における相続預貯金債権の払戻し制度(以下、「民法の預貯金払戻し制度」)を中心に解説します。

 

2.預貯金払戻し制度の創設以前の問題点


預貯金払戻し制度の創設以前は預貯金債権も一般債権同様に、法律上当然に分割され、相続人が法定相続分に応じて承継されるとされてきましたが、平成28年12月19日の最高裁大法廷決定に基づき、相続された預貯金債権は遺産分割の対象財産に含まれることとなり、共同相続人による単独での払戻しができないこととなりました。このため、被相続人が有していた預貯金を生活費等の資金需要のため遺産分割前に払戻す必要がある場合であっても、被相続人の共同相続人全員からの同意を得ることができない場合には預貯金の払戻しができないという問題が生じていました。

 

3.「民法の預貯金払戻し制度」の概要


上記2の問題点を踏まえて、相続財産の遺産分割前であっても、各相続人が当面の生活費や葬儀費用の支払い等のために資金が必要となった場合に対応できるよう、下記4の払戻し限度額(までについては、家庭裁判所の判断を経なくても金融機関の窓口における払戻しが受けられるようになりました(民法909条の2)。

 

 

4.預貯金払戻し限度額


(1)限度額

各相続人は、遺産に属する預貯金のうち、相続開始時の預貯金債権額(金融機関の口座ごとに判断します。)の3分の1に払戻しを行う共同相続人の法定相続分を乗じた額(上限150万円)について、家庭裁判所の判断を経ず払戻しを受けることができます。
ただし、民法第909条の2に規定する法務省令で定める額を定める省令(平成30年法務省令第29号)で、一つの金融機関から払戻しが受けられる上限額は150万円と定めています。

 

(2)計算例

相続人が長男及び次男の2名(法定相続分各2分の1)で、相続開始時の預金額がA銀行の普通預金1,200万円、定期預金300万円、B銀行の普通預金600万円の場合において、次男が預貯金の払戻しをおこなうときの預貯金払戻し限度額は以下の様に計算します。

 

イ:A銀行普通預金1,200万円×1/3×1/2=200万円
ロ:A銀行定期預金 300万円×1/3×1/2=50万円
ハ:B銀行普通預金 600万円×1/3×1/2=100万円

 

上記より、A銀行は上限額の150万円(イ+ロ=250万円>150万円)でB銀行は100万円(ハ=100万円≦150万円)となり、次男は単独で合計250万円の預貯金払戻しを行うことが可能です(参考:堂薗幹一郎・神吉康二「概説 改正相続法」(きんざい)55頁)。

 

 

5.払戻しを受けた預貯金の取扱い


民法の預貯金払戻し制度により払戻された預貯金は、その後に遺産分割協議がまとまった際の相続人間の公平性を図るために、払戻しを受けた相続人が遺産の一部分割によりこれを取得したものとして取扱われることになります(民法909条の2後段)。なお、預貯金払戻しを受けた相続人の預貯金払戻し相当額が相続人の実際の相続分を超過している場合には、当該超過部分を清算すべき義務を負うことになります。

 

6.必要書類


民法の預貯金払戻し制度を利用するにあたっては、本人確認書類に加えて、被相続人・相続人の戸籍謄本等が必要となります。
ただし、法律上規定を設けていないため、取引金融機関により必要書類が異なる可能性がありますので、当該預貯金の払戻制度を利用する際には利用する取引金融機関に事前確認することが望ましいです。

 

7.施行日


民法の預貯金払戻し制度は、令和元年7月1日以後に開始した相続より適用されています。
なお、経過規定として上記施行日前に開始した相続であっても、施行日以後に預貯金債権の払戻しが行使されるときにも、預貯金払戻し制度が適用されます(平成30年法律第72号附則5条1項)。

 

8.家事事件手続法の預貯金払戻し制度


預貯金払戻し制度については、上記の民法の規定によるもののほか、各相続人が家庭裁判所へ申し立ててその審判を得ることにより、相続預金の全部または一部を仮に取得し、金融機関から単独で払戻しを受けることができます。ただし、家庭裁判所が上記の払戻しを認めるのは、各相続人に生活費の支弁等の事情により相続預金の仮払いの必要性が認められ、かつ他の共同相続人の利益を害しない場合に限られます(家事事件手続法第200条第3項)。

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/08/17)より転載

[M&Aニュース](2020年7月27日〜8月7日)

◇レオパレス21、希望退職者募集に予定を上回る1067人が応募、◇シェアリングテクノロジー<3989>、海外留学サービスサイト運営子会社のリアブロードを経営陣に譲渡、◇TOKAIホールディングス<3167>、電設工事の中央電機工事を子会社化、◇FDK<6955>、インドネシアのアルカリ乾電池製造子会社をオランダ社に譲渡、◇シンクロ・フード<3963>、副業マッチングサイトのニコシゴトを子会社化、◇大日本コンサルタント<9797>、三菱マテリアル傘下のダイヤコンサルタントと経営統合へ協議入り、◇ノーリツ鋼機<7744>、胎児DNA検査サービス子会社のGeneTechをルクセンブルク企業に譲渡 ほか

 

 

 

レオパレス21、希望退職者募集に予定を上回る1067人が応募

レオパレス21は7日、希望退職者募集に1067人が応じたと発表した。35歳以上を対象として6月22日~7月31日に約1000人を募集した。同社は主力の賃貸アパート事業をめぐる施工不良問題を受け、業績が大幅に悪化し、2020年3月期は802億円の最終赤字(前期は686億円の赤字)を計上した。非中核・不採算部門のホテル・リゾート事業、国際事業からの撤退と合わせ、人員削減を打ち出していた。

応募人数は単体従業員約6000人のおよそ17%に相当する。所定の退職金に特別加算金を上乗せして支給し、再就職支援サービスを提供する。

シェアリングテクノロジー<3989>、海外留学サービスサイト運営子会社のリアブロードを経営陣に譲渡

シェアリングテクノロジーは、海外留学サービスサイトを運営する全額出資子会社のリアブロード(東京都新宿区)の全株式を、リアブロード社長の神田慎氏に譲渡することを決めた。リアブロードは2014年に設立。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年8月末。

TOKAIホールディングス<3167>、電設工事の中央電機工事を子会社化

TOKAIホールディングスは、電気設備工事業の中央電機工事(名古屋市)の全株式を取得し、7日付で子会社化した。中京圏での受注拡大につなげる狙い。中央電機は1955年に設立し、愛知県や名古屋市など官公庁工事のほか、民間工事で豊富な受注実績を持つ。

取得価額は非公表。

FDK<6955>、インドネシアのアルカリ乾電池製造子会社をオランダ社に譲渡

FDKは、インドネシアでアルカリ乾電池を製造する現地子会社PT FDK INDONESIA(売上高42億6000万円、営業利益△1億7500万円、純資産△3億5900万円)の全株式を、電池・ライト販売のオランダEnergizer International Group B.V.に譲渡することを決めた。アルカリ乾電池に関し、国内の同業他社、プライベートブランド向けを含む国内市販ビジネスに集中する方針を打ち出しており、この一環。

譲渡価額は7億5300万円。譲渡予定日は2020年10月1日。

シンクロ・フード<3963>、副業マッチングサイトのニコシゴトを子会社化

シンクロ・フードは、業務委託マッチング事業を手がけるニコシゴト(東京都品川区。売上高140万円、営業利益△210万円、純資産283万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ニコシゴトは2019年に設立し、ブライダル業界を主力に飲食業界、教育業界向けに副業マッチングサイトを運営している。

シンクロ・フードは飲食店の出店開業・運営に関するサービスをワンストップで提供する「飲食店.COM」を運営(登録ユーザーは約18万件)している。これらをベースに、副業希望者に対して飲食店での仕事を紹介する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月31日。

シンクロ・フード<3963>、J&Sからキッチンカーシェア・マッチング事業を取得

シンクロ・フードは、飲食店経営やフランチャイズシステム加盟支援を手がけるJ&S(東京都港区)からキッチンカーシェア・マッチング事業を取得することを決めた。シンクロ・フードは飲食店の出店開業・運営に関するサービスをワンストップで提供する「飲食店.COM」を運営している。新たにキッチンカーをベースとした出店開業の機会を提供することで、「飲食店.COM」を軸とした事業拡大に弾みをつける。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月31日。

J&Sは2019年8月から、一般社団法人日本移動販売協会(大阪市)と組んで関西エリアを中心にキッチンカーシェア・マッチング事業を展開している。シンクロが取得する当該事業の直近売上高は500万円。

大日本コンサルタント<9797>、三菱マテリアル傘下のダイヤコンサルタントと経営統合へ協議入り

大日本コンサルタントは7日、三菱マテリアル傘下の建設コンサルタント会社であるダイヤコンサルタント(東京都千代田区)と経営統合に向けて協議を始めることで合意したと発表した。大日本コンサルタントは橋梁を中心とした構造物の計画・設計に強く、ダイヤコンサルタントは地質や地盤の調査・解析を主力とする。両社の得意分野を融合し、総合建設コンサルタントとして、強固な事業基盤を構築する。2021年2月に最終契約、同7月の経営統合を目指す。

大日本コンサルタントは1963年に設立し、売上高165億円、営業利益16億2000万円、純資産64億8000万円。一方、ダイヤコンサルタントも1963年に設立し、売上高124億円、営業利益8億円、純資産40億5000万円。三菱マテリアルが81%強の株式を持つ親会社。

自然災害の頻発化・激甚化、地球環境問題の深刻化、既設の社会インフラの老朽化などに幅広く対応できる経営体制を両社でつくりあげる。

IMAGICA GROUP<6879>、映像関連の米Pixelogicを子会社化

IMAGICA GROUPは、映像関連の持ち分法適用関連会社である米Pixelogic Holdings, LLC(カリフォルニア州。売上高67億6000万円、最終利益△17億4000万円、純資産△12億1000万円)の株式を追加取得し、子会社化することを決めた。現在39.9%の持ち株比率を約88%に高める。取得価額は約59億4000万円。取得予定日は2020年10月1日。

Pixelogicは劇場映画やTVドラマ作品などの映像コンテンツの原版が完成した後に提供するローカライズ(現地化)やディストリビューション(データ作成、品質チェック、納品作業、工程管理など)といった業務を手がけ、ハリウッドメジャースタジオやテレビ局などを主な顧客とする。

ノーリツ鋼機<7744>、胎児DNA検査サービス子会社のGeneTechをルクセンブルク企業に譲渡

ノーリツ鋼機は、母体血による胎児DNA検査サービスなどを手がける100%出資子会社GeneTech(東京都港区。売上高13億5000万円、営業利益3億9200万円、純資産21億8000万円)の全株式を、ルクセンブルクの臨床検査会社Eurofins Clinical Testing Lux Holding Sarlに譲渡することを決めた。ノーリツ鋼機は中核事業を「モノづくり」と「ヘルスケア」と位置づけ、事業ポートフォリオ再編を進めており、その一環。

ノーリツ鋼機は2016年にGeneTechを傘下に収めた。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年8月31日。

コムシスホールディングス<1721>、管工事や水道施設工事の朝日設備工業を株式交換で子会社化

コムシスホールディングスは、管工事や水道施設工事の朝日設備工業(岐阜市。売上高13億1000万円、営業利益7300万円、純資産3億6000万円)を株式交換により子会社化することを決めた。朝日設備工業は1960年設立で、地場トップクラスの実績を備える。コムシスは東海地区での施工体制の再構築などにつなげる。

株式交換日は2020年10月1日を予定。株式交換比率は9月14日~25日までの8営業日におけるコムシス株式の終値の平均値に基づき算出する。

ソフト99コーポレーション<4464>、病院向け関連用品・医療機器を企画開発するアズテックを子会社化

ソフト99コーポレーションは、病院向け関連用品・医療機器を企画開発するアズテック(東京都文京区。売上高7億2300万円、営業利益1億1800万円、純資産2億5700万円)の全株式を取得し、6日付で子会社化した。新事業として力を入れている医療分野向け製品開発を強化するのが狙い。取得価額は非公表。

アズテックは1994年に設立。工場を持たないファブレスメーカーで、とくに手術室向けの衛生管理に関連する製品分野で実績を持つという。

小島鉄工所MBO、買付価格を620円に50円引き上げ

小島鉄工所に対してMBO(経営者による買収)を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施している児玉本社(群馬県高崎市)は5日、570円としていた買付価格を50円引き上げて620円にすると発表した。6月29日に買い付けを開始以降、買付価格を引き上げるのは初めて。小島鉄工所の市場価格が児玉本社が提示した買付価格を上回る600円台前半の高値で推移しているのを踏まえた措置。

買付期間も8月20日まで1日延長して36営業日とした。

ワールド、約200人の希望退職者を募集へ

ワールドは5日、約200人の希望退職者を募集すると発表した。40歳以上の社員(11月20日時点、定年再雇用者を含む)を対象とし、募集期間は9月14日~9月30日。退職日は11月20日もしくは2021年3月31日までの会社が指定する日。女性・キッズ向け衣料「ハッシュアッシュ」「サンカンシオン」など5ブランドの廃止に伴う214店舗をはじめ、低収益店舗を中心に合計358店舗を2021年3月期中に閉鎖するのに呼応した措置。

従来の中期経営計画で段階的な人員の配置転換や入れ替えに取り組む予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で実施時期を大幅に前倒しすることになった。

退職希望者には所定の退職金に加え、特別加算金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

クックビズ、50人程度の希望退職者を募集

クックビズは5日、50人程度の希望退職者を募集すると発表した。全従業員の2割強にあたる。同社は飲食業界向け求人情報サービスを展開するが、新型コロナウイルス感染拡大で飲食店からの求人が急減。抜本的なコスト削減のため事業規模に見合った人員体制とするのが狙い。募集期間は8月17日~9月16日。退職日は9月30日。特別退職金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

同社の2019年12月~20年5月期業績は売上高が前年同期比35.5%減の9億4200万円、営業赤字2億8300万円(前年同期は1億3200万円の黒字)、最終赤字2億5700万円(同8200万円の黒字)。

アドベンチャー<6030>、スポーツ用品衣料製造子会社のwundouを丸井織物に譲渡

アドベンチャーは、スポーツ用品衣料とカジュアルウエアの製造子会社wundou(東京都葛飾区。売上高6億4700万円、営業利益4640万円、純資産5億2300万円)の全株式を、各種織物製造の丸井織物(石川県中能登町)に譲渡することを決めた。アドベンチャーは2018年1月に8億円を投じてwundouを傘下に収めたが、新型コロナウイルス感染拡大で主力の旅行事業を除く分野の事業整理を進めている。譲渡価額は5億9000万円。譲渡予定日は2020年8月31日。

アドベンチャーは航空券販売サイト「skyticket」で培ったオンラインマーケティングノウハウを活用してwundouの新規顧客開拓や販売拡大を目指してきたが、新型コロナ下での事業環境の変化を受け、非中核事業を切り離し、旅行事業に経営資源を集中する。

川崎汽船<9107>、米ロングビーチでコンテナターミナルを運営する現地子会社ITSをインフラ投資ファンドに譲渡

川崎汽船は米カリフォルニア州ロングビーチ港でコンテナターミナルを運営する現地子会社INTERNATIONAL TRANSPORTATION SERVICE(ITS、カリフォルニア州)の全保有株式(所有割合70%)を、米インフラ投資ファンドMacquarie Infrastructure and Real Assets(ニューヨーク)に譲渡することを決めた。日本郵船、商船三井との3社でつくる統合会社ONEへのコンテナ船事業移管に伴いグループ会社戦略の見直しを進めており、その一環。

譲渡価額は非公表。譲渡は2020年10月を見込む。

小島鉄工所MBO、買付期間を8月19日まで5営業日延長

小島鉄工所に対してMBO(経営者による買収)を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施中の児玉本社(群馬県高崎市)は4日、8月12日までとしていた買付期間を8月19日まで5営業日延長すると発表した。買付価格は変更しない。

小島鉄工所会長の児玉正蔵氏ら創業家出身者4氏が設立した児玉本社は6月29日から買い付けを始めているが、市場価格が児玉本社が提示した買付価格570円を上回る高値で推移し、このままではTOBへの応募が見込めない状況にある。

ジーエス・ユアサコーポレーション<6674>、サンケン電気から電源装置など社会システム事業を取得

ジーエス・ユアサコーポレーションは子会社のGSユアサを通じて、サンケン電気から直流電源装置、無停電電源装置などの製造・販売に関する社会システム事業を取得することを決めた。取得価額は約48億円。取得予定日は2021年4月1日。サンケン電気は主力の半導体デバイスと電力制御用モジュールに経営資源を集中するのに伴い、電源装置については昨年来、売却を含めて検討していた。

サンケン電気は社会システム事業を子会社のサンケン電設(埼玉県川口市)に会社分割によって承継したうえで、サンケン電設の全株式をGSユアサに譲渡する。当該事業の直近売上高は約125億円。GSユアサは自動車用・二輪車用の鉛蓄電池やリチウムイオン電池など各種蓄電池のほか、直流電源装置、交流無停電電源装置、照明機器などを手がける。

シライ電子工業、60人程度の希望退職者を募集へ

シライ電子工業は3日、60人程度の希望退職者を募集すると発表した。対象者は会社側で適用を認めた社員(入社1年未満を除く)で、募集期間は9月7日~9月25日。退職日は10月31日付。募集人員は単体従業員の約12%に相当する。

米中貿易摩擦の長期化や中国景気の低迷に新型コロナウイルス感染が重なり、電子部品全体の需要が落ち込む中、主力事業のプリント配線板を取り巻く受注環境が一段と悪化しており、人員体制を適正化する。通常の退職金に特別加算金を上乗せして支給し、再就職支援サービスを提供する。

シライ電子の2020年3月期業績は売上高8.7%減の261億円、営業赤字9800万円(前期は3億6200万円の黒字)、最終赤字5億円(同2億2600万円の赤字)。最終赤字は2期連続。

ノーリツ鋼機<7744>、出版・通販事業のハルメクホールディングスを経営陣に譲渡

ノーリツ鋼機は、出版・通信販売業のハルメクホールディングス(ハルメクHD、東京都新宿区。売上高197億円、営業利益3億6500万円、純資産19億700万円)の全保有株式(所有割合94.92%)を、MBO(経営陣による買収)の一環としてハルメクHD社長の宮澤孝夫氏が代表を務めるHLMK2(東京都新宿区)に3日付で譲渡した。

ハルメクHDはシニア女性誌「ハルメク」(定期購読者32万人)を発行するハルメク(東京都新宿区)、シニア向け通販事業の全国通販(大阪市)を傘下に持つ。ノーリツ鋼機はハルメクと全国通販を2012年に子会社化し、統括会社の下で両社を運営してきたが、経営資源の集中を進めるため、非中核(ノンコア)事業を切り離すことにした。

譲渡価額は非公表。

ノーリツ鋼機<7744>、歯科向けカタログ販売などのデンタルホールディングスを投資ファンドのアドバテッジパートナーズに譲渡

ノーリツ鋼機は、歯科材料など医療関連用品販売のデンタルホールディングス(東京都港区。売上高―、営業利益1200万円、純資産22億7000万円)の全株式を、投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(東京都港区)傘下のAP67(同)に譲渡することを決めた。非中核事業の再編・整理の一環。

デンタルホールディングスは子会社として歯科向けカタログ通販のフィード(横浜市)を持つ。フィードは歯科向けのほか、医療・介護、動物病院向けカタログ通販も手がけ、10万施設の顧客基盤があるという。ノーリツ鋼機は2013年にフィードを子会社化した。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年9月1日。

ココカラファイン<3098>、クレストファーマシーの調剤薬局1店舗を取得

ココカラファインは傘下のココカラファインヘルスケア(横浜市)を通じて、クレストファーマシー(東京都練馬区)から調剤薬局1店舗(同)を3日付で取得した。ドミナント戦略の一環。取得価額は非公表。

朝日放送グループホールディングス<9405>、アニメ制作のSILVER LINK.を子会社化

朝日放送グループホールディングスは、アニメーション制作会社のSILVER LINK.(東京都三鷹市。10月1日設立予定)の全株式を取得して子会社化することを決めた。傘下に収めるのは現SILVER LINK.(同)がアニメ制作のCOONECT(同)を吸収合併した後に、アニメ制作事業を分割して設立する同名の新会社。朝日放送はコア事業の一つと位置づけるアニメ事業の強化につなげる。

現SILVER LINK.は2007年設立で、「賢者の孫」「痛いのは嫌いなので防御力に極振りしたいと思います。」といったテレビ向けアニメの制作を手がけた実績を持つ。子会社化にあたっては新SILVER LINK.が実施する第三者割当増資を引き受ける形となる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年10月1日。

ジャパンエレベーターサービスホールディングス<6544>、エレベーター保守管理のNSエレベータを子会社化

ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、エレベーターの保守点検事業を手がけるNSエレベータ(京都府向日市。売上高3億500万円、営業利益△457万円、純資産△2760万円)の株式51%を取得し子会社化することを決めた。保有契約台数の増加を通じた関西圏での事業基盤を強化する。NSエレベータは2006年に設立し、大阪、京都、兵庫エリアを中心に750台以上のエレベーターの保守管理を行っている。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月4日。

高田工業所<1966>、北海道で石油・天然ガスプラントの配管工事・メンテナンスを手がける渡部工業を子会社化

高田工業所は、石油・天然ガスプラント設備の配管工事・メンテナンスを手がける渡部工業(北海道苫小牧市)の全株式を取得し子会社化した。産業プラントの事業基盤強化と拡大の一環。渡部工業は1985年に設立。取得価額は非公表。取得日は2020年7月27日。

セブン&アイ・ホールディングス<3382>、米のガソリンスタンド併設型コンビニ「スピードウェイ」を2兆2000億円で買収

セブン&アイ・ホールディングスは3日、米国でガソリンスタンド併設型のコンビニエンスストア事業を手がける「スピードウェイ」(オハイオ州)を約2兆2176億円(220億ドル)で買収する契約を結んだと発表した。スピードウェイは米石油精製会社マラソン・ペトロリアム(オハイオ州)の傘下で、全米に約3900店舗を持つ業界3位。

セブン&アイの米子会社「セブン-イレブン」は全米トップの約9800店舗を展開するが、シェアは6%程度にとどまる。スピードウェイを傘下に収め、北米のコンビニ市場で明確に業界リーダーとしての地位を確立するのを狙いとしている。スピードウェイはガソリンスタンドを併設するコンビニを36州で運営し、セブン-イレブンの店舗との地域的補完性も高いという。

全米で業界トップと3位の両ブランドが組み合わさることで、スケールメリットを生かし、コスト低減や顧客基盤の強化につなげる。買収完了は2021年1~3月を見込んでいる。

ニチイ学館MBO、買付価格を1500円から1670円に引き上げ

介護大手のニチイ学館に対してMBO(経営陣による買収)を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施している米投資ファンドのベインキャピタルは31日、買付価格を170円引き上げて1株1670円にすると発表した。5月11日にTOBを始めて以降、買付価格引き上げは初めて。また、8月3日までとする買付期間も8月17日まで9営業日延長し、68営業日とした。買付期間の延長は3度目。

31日のニチイ学館株価の終値は前日比10円安の1540円で、買付価格の1500円を上回り、TOBへの応募がなお見込みにくい状況にある。ただ、ニチイ学館株価はTOBを開始直後から上昇し、7月6日に1700円台に乗せたが、それ以降は下落に転じ、買付価格とほぼ同水準に近づいている。このため、TOBへの応募を確実にするため、買付価格を引き上げたとみられる。

ニチイ学館の経営陣はベインキャピタルと組んでMBOによる非公開化を目指している。ベインキャピタルの傘下企業がTOBを通じて約75%の株式を取得し、残りの株式は筆頭株主で創業家の資産管理会社から買い取る計画。買収総額は1000億円規模。

住友ベークライト<4203>、川澄化学工業<7703>をTOBで子会社化へ

住友ベークライトは31日、人工透析製品などの医療機器を手がける川澄化学工業(東証2部)にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。現在、川澄化学の株式23.05%を保有し、持ち分法適用関連会社としているが、TOBを通じて完全子会社化を目指す。川澄化学はTOBに賛同している。成長領域である血管内治療、内視鏡治療など低侵襲治療分野への事業展開を加速するのが狙い。

買付価格は1株につき1700円で、TOB公表前日の終値805円に111.18%のプレミアムを加えた。買付予定数の上限は設けず、下限は所有割合43.62%に相当する901万5900株とした。買付代金は270億3880万円。買付期間は8月3日~9月30日。買い付け代理人は大和証券。決済の開始日は10月7日。

住友ベークライトは2019年に川澄化学と資本業務提携。これに伴い、約23%出資して関係強化を進めてきた。

川澄化学は1954年に創業し、プラスチック製のディスポーザブル採血・輸血セットの製造・販売を開始。当時輸入品に頼っていた人工腎臓の国産化や日本赤十字社への安定的な血液バッグの供給などに取り組んだ。1987年に東証2部に上場した。近年は、低侵襲の先端医療機器の研究開発に力を入れている。2020年3月期業績は売上高7.4%減の223億円、営業利益8.4%増の6億4800万円。

住友理工<5191>、車両用防振ゴム製品を製造するフランス子会社2社を現地社に譲渡

住友理工は、車両用防振ゴムを製造するフランス子会社のSumiRiko Industry France(SRK-INF、ニエーブル県。売上高18億7000万円、営業利益△7億6500万円、純資産△10億2000万円)とSumiRiko AVS France(SRK-EPF、ヴォージュ県。売上高35億円、営業利益△1億7200万円、純資産4億100万円)の両社の全株式を、現地ANVIS HOLDING(ヴォージュ県)に譲渡することを決めた。両子会社は近年、業績不振が続いていた。

設立は鉄道用防振ゴム製品を手がけるSRK-INFが2009年、自動車用防振ゴム製品のSRK-EPFが1978年。いずれも住友理工が100%出資する。

譲渡価額は非公表。譲渡は2020年8月31日までに実施する。

明治海運<9115>、パナマの外航海運会社TRINITY BULKを子会社化

明治海運は、パナマの外航海運会社TRINITY BULK, S.A.(売上高12億5000万円、営業利益2億800万円、純資産34億円)の株式を追加取得して子会社化することを決めた。現在50%の持ち株比率を60%に引き上げる。現在、持ち分法適用関連会社としているが、子会社化により意思決定を迅速に行えるようにする。取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月3日。

TRINITY BULKは1983年に設立。残る40%の株式は伊藤忠商事が保有している。

トナミホールディングス<9070>、中国地区を地盤とする新生倉庫運輸を子会社化

トナミホールディングスは、倉庫・運送事業を手がける新生倉庫運輸(広島市。売上高43億6000万円、純資産36億3000万円)の株式67%を取得し、31日付で子会社化した。新生倉庫運輸は1947年設立で、広島、岡山、山口を主力地盤とし、食品やメーカー系の物流に強みを持つ。トナミホールディングスは富山県を本拠とするトラック輸送大手。

取得価額は非公表。

KDDI<9433>、宅配水事業を「富士山の銘水」に譲渡

KDDIは、宅配水事業をミネラルウオーター製造・販売の富士山の銘水(山梨県富士吉田市)に譲渡することを決めた。一般ユーザー向け宅配水事業を11月1日付で、携帯電話「au」のユーザー向け宅配水事業を2021年2月1日付で、事業パートナーの富士山の銘水に引き継ぐ。譲渡価額は合計10億9900万円。

KDDIは2015年から、天然水「フレシャス」を提供する富士山の銘水と共同で、auショップなどを通じて宅配水事業を行ってきたが、事業の選択と集中の一環として、今回、手を引くことにした。

当該事業の直近売上高は一般ユーザー向け8億1100万円、auユーザー向け27億4500万円。

マネーフォワード<3994>、入金消込・債権管理システム開発販売のアール・アンド・エー・シーを子会社化

マネーフォワードは、会計関連システムを開発・販売するアール・アンド・エー・シー(東京都中央区。売上高3億8200万円、営業利益700万円、純資産3億6300万円)の株式を追加取得して子会社化することを決めた。現在12.3%の持ち株比率を77.8%に引き上げる。取得価額は13億2500万円。8月中の取得を目指す。

アール・アンド・エー・シーは2004年設立。「Victory-ONE」「V-ONEクラウド」の名称で展開する入金消込・債権管理システムは大手から中小企業まで幅広く導入され、国内トップクラスの実績を持つ。

マネーフォワードは「マネーフォワード 会計Plus」「マネーフォワード クラウド経費」「マネーフォワード クラウド給与」を通じて中堅企業や上場準備企業への顧客基盤拡大に力を入れている。アール・アンド・エー・シーを傘下に取り込むことで、中堅規模以上の企業向け商品の拡充につなげる。

シャルレ<9885>、シャワーヘッド製造の田中金属製作所など2社を子会社化

シャルレは、シャワーヘッド製造の田中金属製作所(岐阜県山県市。売上高5億1100万円、営業利益6200万円、純資産2億3400万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。同社のシャワーヘッドは直径0.0001ミリメートル未満の気泡を作る技術(特許取得)に基づき、この微細な気泡が毛穴やしわの奥に入り込むことで、高い洗浄力や保湿、体温上昇といった効果が期待できるという。美と健康領域での事業拡大につなげる狙い。

シャルレは同時に、シャワーヘッドの販売会社であるWATER CONNECT(岐阜市。売上高5億7800万円、営業利益2800万円、純資産3100万円)も傘下に収める。WATER CONNECTはモール型EC(電子商取引)サイトを中心に販売展開している。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月17日。

日本乾溜工業<1771>、地盤改良・法面保護工事のニチボーを子会社化

日本乾溜工業は、地盤改良や地滑り対策、法面保護などの土木工事を手がけるニチボー(福岡市。売上高21億3000万円、営業利益2億6200万円、純資産7億4500万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。日本乾溜工業は主力事業の法面工事について、九州地区での受注機会拡大を目指す。ニチボーは1966年設立で、50年を超える業歴を持つ。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月31日。

ポート<7047>、マッチングサイト「外装塗装の窓口」運営のドアーズを子会社化

ポートは、外装塗装のマッチングサイトを運営するドアーズ(東京都港区。売上高8億1800万円、営業利益2200万円、純資産3億2400万円)の全株式を取得し、31日付で子会社化した。ポートは就活領域メディア「キャリアパーク!」を主力とするが、これまで培ってきたマッチングノウハウを生かし、事業領域を横展開する。取得価額は16億1500万円。

ドアーズは「外装塗装の窓口」というサイト運営を通じて、顧客と施工業者のマッチングを行っている。加盟店数は3500社以上、流通取引総額は35億円以上と外装リフォームマッチングサービスでは業界最大級の実績を持つという。

富士通<6702>、富士通フロンテック<6945>をTOBで完全子会社化へ

富士通は、連結子会社の富士通フロンテックに対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。富士通は現在、富士通フロンテックの株式52.99%を所有しているが、全株式を取得して完全子会社化を目指す。富士通フロンテックはTOBに賛同を表明しており、TOB成立後に上場廃止となる見通し。

富士通は企業統治の観点から、上場子会社との資本関係の見直しを進めている。富士通フロンテックは売り上げの4割を富士通が占めるなど事業上のつながりが大きいため、経営を一体化してグループの経営資源の相互活用や意思決定の迅速化を図る。

買付価格は1株当たり1540円。公表前営業日の対象株式の終値1620円に対して4.94%ディスカウントした水準。買付予定数は1133万2597株で、下限は329万6650株。応募株数が下限に満たない場合は買い付けを行わない。買付総額は最大174億5200万円。

買付期間は2020年7月31日から9月14日まで。決済の開始日は9月23日。公開買付代理人はみずほ証券。

アマナ<2402>、写真プリントのイエローコーナージャパンを子会社化

アマナは、写真プリントや写真関連商品の販売を手がける持ち分法適用関連会社のイエローコーナージャパン(東京都品川区)の株式を追加取得して子会社化することを決めた。現在40%の持ち株比率を80%に高める。イエローコーナージャパンは2015年にフランスYellowKornerの日本でのフランチャイザー(本部)として設立。今回、子会社化によって経営権を握ることで、国内でのサブフランチャイズ展開やEC(電子商取引)販売などが可能になる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年10月1日。

YellowKornerはアートフォトの販売や出版、イベント事業の展開で知られる。日本では現在、東京ミッドタウン日比谷店、ニュウマン横浜店の2店舗がある。

日医工<4541>、武田テバファーマからジェネリック医薬品事業を取得

日医工は、武田テバファーマ(名古屋市)が営むジェネリック医薬品と高山工場(岐阜県高山市)に関する事業を買収することを決めた。武田テバファーマが対象事業を移管するために設立する新会社の全株式を取得する形をとる。対象事業の直近売上高は319億円。取得価額は非公表。取得予定日は2021年2月1日。

武田テバファーマは1982年設立で、イスラエルの医薬品企業のテバ・ファーマスーティカル・インダストリーズが51%、武田薬品工業が49%を出資する。

高山工場は一般固形製剤を年間40億錠規模で生産する能力を持つ。日医工は同工場を傘下に収めることで、これまで外部委託していた製品の内製化などグループ内の生産体制の最適化を促す。高山工場の従業員は744人(6月末)。

LINE<3938>、飲食店レビュープラットフォーム展開のシンガポールWongnai Mediaを吸収合併

LINEは、タイ国内の飲食店レビュー(感想)プラットフォームを展開するシンガポールWongnai Mediaを吸収合併することを決めた。フードデリバリーサービス事業を強化する狙い。LINEはタイでフードデリバリーのオンライン型アシスタントアプリを提供している。合併期日は2020年8月上旬。存続会社はLINEのシンガポール現地法人LINE Man Corporation。

石垣食品<2901>、外食運営子会社のエムアンドオペレーションを経営陣に譲渡

石垣食品は、外食運営子会社のエムアンドオペレーション(東京都大田区。売上高3億600万円、営業利益△831万円、純資産△2170万円)の全保有株(所有割合51%)を、エムアンドオペレーション社長の桜井寛氏に譲渡することを決めた。譲渡後、桜井氏の所有割合は100%となる。これに伴い、外食事業から撤退する。

譲渡価額は637万5000円。譲渡予定日は2020年7月31日。

石垣食品は事業多角化の一環として自社保有のステーキ店「nomuno2924」(東京・赤坂)を展開。しかし、新型コロナ感染拡大の影響で3月から休業し、今後再開しても業績への貢献は長期的に困難と判断した。同店の閉店に合わせ、運営子会社を切り離す。

ホットランド<3196>、飲食店舗設計・デザインのファンインターナショナルを子会社化

ホットランドは、飲食店舗の設計・デザインや業態プロデュースを手がけるファンインターナショナル(大阪市。売上高15億7000万円、営業利益7600万円、純資産2億5200万円)の株式66.6%を取得し子会社化することを決めた。店舗設計や内装工事をグループ内で内製化し、たこ焼き「築地銀だこ」などの出店に関する意思決定の迅速化や出店コスト低減につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月7日。

壱番屋<7630>、エージーピー<9377>から千葉県での植物工場事業を取得

壱番屋は、エージーピーから工場野菜生産・販売事業を取得することを決めた。対象事業の「植物工場」は千葉県横芝光町にあり、1日あたりの生産能力は4000株。壱番屋が運営する「カレーハウスCoCo壱番屋」を中心する外食店舗に対する生鮮野菜の安定調達に寄与すると判断した。

取得する事業の直近業績は売上高1億5300万円、営業赤字1億800万円。取得価額は非公表。取得予定日は2020年9月30日。

エージーピーは2014年に植物工場を稼働させたものの、近年、植物工場の大規模化・自動化が進む中、現行の事業形態・規模では業績改善が困難として撤退する。壱番屋は「カレーハウスCoCo壱番屋」を中心に国内1296店舗(6月末)展開する外食大手。

東京ガス<9531>、シェールガス開発の米合弁企業「キャッスルトン・リソーシズ」を子会社化

東京ガスは、米国テキサス州でガス開発・生産を手がける現地合弁企業キャッスルトン・リソーシズ(CR、ヒューストン)を子会社化することを決めた。CRが米ルイジアナ州でガス田の権益を取得するのに伴い、増資を引き受け、現在46%の持ち株比率を70%超に引き上げる。東京ガスが米シェールガス事業の開発・生産会社を傘下に収めるのは初めて。

東京ガスは米国子会社を通じてCRを子会社化する。取得株数、取得価額は非公表。子会社化の完了は2020年8月14日を予定。2021年3月中に「TG Natural Resources」に社名変更する。

今回のガス田の権益取得により、CRが保有するガス・天然ガス液の生産量は約2億9600万立方フィート(日量)から約1.6倍の約4億7300万立方フィート(同)に増える。

東京ガスは引き続き北米での事業基盤の拡大に向けて投資を継続するとしている。

東京ガス<9531>、米社から大規模太陽光発電事業を取得

東京ガスは、米国の再生可能エネルギー開発事業者のヘカテエナジー(イリノイ州シカゴ)がテキサス州で進めている大規模太陽光発電事業(最大出力63万キロワット)を取得することを決めた。同事業は2020年度上期に工事着手し、2021年度中の段階的な商業運転開始を目指している。東京ガスとして初の海外太陽光発電事業となる。

取得するのは「アクティナ太陽光発電事業」。高電圧系統の送電線への接続権を保有し、発電した電力は米テキサス州のエルコット(ERCOT)電力卸市場への販売を予定している。

取得予定日は2020年8月6日(現地時間8月5日)。取得価額は非公表。

事業取得に合わせ、米国に7月30日付で事業運営子会社「TG Aktina Holdings LLC」(デラウエア州、出資額約490億円)を新設する。

バルニバービ<3418>、料理旅館「菊水」を譲渡

バルニバービは、料理旅館「南禅寺参道 菊水」を運営する菊水(京都市。売上高2億7500万円、営業利益△4990万円、純資産△1億9900万円)の全株式を譲渡することを決めた。事業の選択と集中の一環。菊水は2018年7月期から債務超過に陥っている。譲渡先、譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年8月31日。

アプリックス<3727>、アドベントからWiMAX・モバイルネットワーク事業を取得

アプリックスは子会社を通じて、コンピューター・周辺機器の販売を手がけるアドベント(東京都港区)からWiMAXとモバイルネットワークに関する事業を会社分割により取得することを決めた。取得価額は1円。取得予定日は2020年9月1日。

アドベントはパソコンやタブレット端末のMVNO(仮想移動体通信事業者)事業を目的に2015年に設立。WiMAXとモバイルネットワークに関する事業を「advent WiMAX」ブランドで展開してきたが、事業の選択と集中の一環して撤退方針を打ち出していた。

取得する対象事業の直近業績は売上高2450万円、営業利益40万円。

コニシ<4956>、土木工事の山昇建設を子会社化

コニシは、土木工事業の山昇建設(名古屋市。売上高12億1000万円、営業利益1400万円、純資産3億8500万円)の株式91%を取得し、29日付で子会社化した。成長戦略の柱として土木建設事業の強化を位置づけており、その一環。取得価額は非公表。

山昇建設は1976年に設立し、東海地区を地盤とする。コニシが持つ補修、改修、耐震、補強工事に関する材料・工法・施工能力や営業ネットワークを活用することで、シナジー(相乗効果)が引き出せると判断した。

ユアテック<1934>、冷暖房・空調設備工事の空調企業を子会社化

ユアテックは、冷暖房・空調設備工事の空調企業(仙台市。売上高10億4000万円、営業利益8000万円、純資産1億2600万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。施工体制の強化のほか、営業面での相乗効果を期待している。空調企業は1975年に設立。取得価額は非公表。取得予定日は2020年9月1日。

シチズン時計、中核子会社で550人の希望退職者を募集

シチズン時計は28日、連結子会社のシチズン時計マニュファクチャリング(埼玉県所沢市)で550人の希望退職者を募集すると発表した。募集人員は約3000人の従業員の2割近くに相当する。アナログクオーツウオッチ市場の縮小に伴う業績悪化に対応し、生産規模に見合った人員体制とする。募集期間は10月14日~11月18日。退職日は12月31日付。通常の退職金に加え、転進支援金を上乗せ支給する。

シチズン時計マニュファクチャリングは時計事業の中核子会社で、2013年に国内時計生産の再編策としてグループ内の5子会社と関連部門を統合して発足した。しかし、時計と同じ要領で手首に装着するウエラブル端末(スマートウオッチ)市場の拡大などを受け、普及価格帯のアナログクオーツウオッチ市場が縮小し、外販用のムーブメント(動作機構)需要も減少が続いている。

これまで生産合理化やコスト削減などの損益改善策を講じてきたが、中長期的にも需要回復が見込めないことなどから、思い切った人員削減に踏み切る。

ユニバーサル園芸社<6061>、植木や花卉、種苗生産の小林ナーセリーの事業を取得

ユニバーサル園芸社は、植木や花卉、種苗を生産する小林ナーセリー(東京都港区)の事業を取得することを決めた。園芸関連商品の業容拡大につなげる狙い。ユニバーサルはオフィス向け観葉植物のレンタル事業を主力とするが、今回傘下に収める植木や花卉、種苗生産への進出をかねて課題としていた。

ユニバーサルは受け皿会社として全額出資で同名の新会社・小林ナーセリー(埼玉県川口市)を7月28日付で設立した。旧小林ナーセリーから取得する当該事業の直近売上高は2億4300万円。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月31日。

愛知製鋼<5482>、磁石加工の中国合弁「浙江愛智機電」を子会社化

愛知製鋼は、磁石加工を手がける中国合弁企業の浙江愛智機電有限公司(浙江省)を子会社化することを決めた。約1億円で増資を引き受け、出資比率を現在の48.6%から56.6%に引き上げる。自動車、電動工具などに使われる各種モーター向けに磁石需要が拡大しているのに対応し、経営の主導権を握り、中国での事業を強化する。

浙江愛智機電は2016年設立で、愛知製鋼は2018年に出資し、合弁で運営している。愛知製鋼は浙江愛智機電の子会社化を受け、磁石販売子会社の愛知磁石科技有限公司(浙江省)との連携を一層進め、今後拡大が見込まれるEV(電気自動車)モーター市場参入も視野に入れた生産体制強化と市場開拓に取り組む。

ダイキアクシス<4245>、土木子会社のDADをミツワ都市開発に譲渡

ダイキアクシスは土木工事を手がける全額出資子会社のDAD(松山市。売上高13億1000万円、営業利益1億2900万円、純資産2億5400万円)の全株式を、不動産・建設業のミツワ都市開発(松山市)に譲渡することを決めた。中長期的戦略として海外展開に力を注ぐ中で、経営資源の集中を図るのが狙い。譲渡価額は6億8000万円。譲渡予定日は2020年7月31日。

ダイキアクシスは2017年にDADを傘下に収めていた。

キャリアインデックス<6538>、Type Bee Groupから「キャッシュバック賃貸」事業を取得

キャリアインデックスは、インターネットメディア事業のType Bee Group(旧賃貸情報、東京都世田谷区)から「キャッシュバック賃貸」事業を取得することを決めた。不動産賃貸領域での事業基盤を強化するのが狙い。昨年12月にリブセンスから不動産賃貸情報サイト「DOOR賃貸」を買収したのに次ぐ第二弾。取得金額は6億円。取得予定日は2020年10月1日。

「キャッシュバック賃貸」は利用者に対して入居が決まった場合に引っ越し祝い金を贈呈するサイト。今年7月には月間300万ページビューを達成した。当該事業の直近業績は売上高1億9600万円、経常利益1億2800万円。

キャリアインデックスは人材領域の情報サイト(転職情報、アルバイト・派遣情報)を主力とし、求人に関連するユーザー情報をパートナー各社に移送することで、移送数に応じた集客代行料金を得る成果報酬型の事業を手がける。新規進出した不動産賃貸領域でも同様の事業モデルを展開している。

今回の「キャッシュバック賃貸」に先立ち、昨年12月には「DOOR賃貸」事業を約17億円で取得した。これまで培ってきた集客ノウハウを生かし、不動産賃貸領域でのシェア拡大につなげる。

澤田ホールディングス<8699>、コンテンツ配信子会社のiXIT をエキサイトに譲渡

澤田ホールディングス(HD)は、コンテンツ配信やシステム開発を手がける子会社のiXIT (東京都世田谷区。売上高11億7000万円、営業利益△3280万円、純資産3億1200万円)の株式96.77%を、インターネット情報サービスのエキサイト(東京都港区)に譲渡することを決めた。澤田HDは自己投資による企業再生事業として2015年にiXITを傘下に収めたが、黒字化を実現できていなかった。譲渡価額は1億5000万円。譲渡予定日は2020年8月1日。

譲渡先であるエキサイトはインターネット関連のXTech(クロステック、東京都中央区)の傘下企業。XTechが2018年に実施したTOB(株式公開買い付け)で子会社化した。

 

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

等価交換事業が行われた場合に適用を受けることが出来る譲渡所得の特例

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(薦田 彩子/税理士)

 

 

[関連解説]

■店舗兼住宅を譲渡した場合の居住用財産の3,000万円控除と事業用資産の買換え特例の併用

■居住用財産の譲渡に係る3,000万円控除から住宅ローン特別控除への特例選択の変更の可否適用を受けることの可否

 

【問】

京都千代田区に土地を保有するAと、不動産業者Xとで共同マンションを建築する、いわゆる等価交換事業を行うことになりました。マンション建築後、Aは土地譲渡の対価として土地と同価値の2室を取得し、下図の用途に供する予定です。

 

土地は30年前の取得時より価値が上昇しており、譲渡所得の金額として所得税等の課税対象となることから、下記いずれかの特例の適用を検討しています。それぞれの特例の適用を受けた場合のメリット・デメリットを教えて下さい。

 

①立体買換えの特例(措法37条の5第1項2号)
②居住用財産の譲渡にかかる3000万円の特別控除および軽減税率の特例(措法35条、31条の3)

 

なお、建物は耐用年数が経過しており価値はなく、不動産業者XはAと特別な関係はありません。

 

 

 

【回答】

1.各特例の概要


(1)立体買換えの特例(既成市街地等内における中高層耐火共同住宅建設のための買換え特例)

 

等価交換事業のための特例として、「立体買換えの特例」という制度が設けられています。一定要件を満たせばその不動産の譲渡益の全部又は一部に係る所得税等の課税を繰延べることができます。

 

Aは買換え資産を自己の居住用、および自己の貸付用に供していることから、他の一定要件を満たせば本特例の適用を受けることが出来ます。主な要件の概要は以下の通りです(措法37条の5第1項2号、措令25条の4、措通37の5-1~5-10)。

 

 

(2)居住用財産の譲渡にかかる3000万円の特別控除・軽減税率の特例

自己が居住していた家屋やその敷地を親族関係等特別の関係がない相手に売却した場合、一定要件を満たせば譲渡所得の金額から最大3,000万円の控除を受けることができます(措法35条第1項、2項)。また、保有期間が譲渡年の1月1日において10年超であることなどの一定要件を満たす場合には、軽減税率の特例の適用を重ねて受けることができます(措法31条の3)。なお、(1)の立体買換えの特例とは併用ができず、選択適用となります(措法37条の5第1項、31条の3第1項)。

 

 

2.各特例を受けた場合のメリット・デメリット


(1)立体買換えの特例

メリット:土地の譲渡益の全部にかかる所得税等の課税を繰り延べることができるため、今回の申告では納税が0になります。
デメリット:買換え資産の取得価額は、譲渡資産の取得価額を引き継ぐため、将来買換え資産を売却した際に課税を受けることになります。

 

(2)3,000万円の特別控除・軽減税率の特例

メリット:3,000万円までの譲渡益に対する課税が免除され、3,000万円を超える部分も軽減税率の特例の適用があります。取得価額は現在の時価となり将来への課税の繰り延べはありません。
デメリット:譲渡益が3,000万円を超える部分は課税を受けるため、現金が手許に残らない等価交換事業では、納税が困難であるケースも予想されます。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/07/27)より転載

[M&Aニュース](2020年7月13日〜7月22日)

◇日本ケミファ、支店・営業所で30人程度の希望退職者を募集、◇大気社<1979>、クリーンルーム向けパネル製造のインドNicomacを子会社化、◇LIFULL<2120>、不動産投資・収益物件情報サイト運営の健美家を子会社化、◇ファイズホールディングス<9325>、神奈川県で運送・配送を手がける中央運輸を子会社化、◇IDホールディングス<4709>、ソフト開発のGIテクノスを子会社化、◇大戸屋HD、コロワイドのTOBに「反対」表明、◇ソフトバンク<9434>、アニメ専門コンテンツ配信サービス「アニメ放題」をU-NEXTに譲渡 ほか

 

 

日本ケミファ、支店・営業所で30人程度の希望退職者を募集

日本ケミファは22日、30人程度の希望退職者を募ると発表した。支店・営業所に勤務する医薬営業部門社員を対象とし、募集期間は8月7日~8月28日。退職日は9月30日付。同日発表したグループ構造改革では国内営業組織について現在の8支店22営業所から7支店18営業所への統廃合などを打ち出しており、これに伴う人員体制の適正化の一環。割増退職金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

日本ケミファが主力とする後発医薬品をめぐっては競争激化に加え、薬価制度の抜本改革などで事業環境が厳しさを増している。2020年3月期の業績は売上高7.1%減の317億円、営業利益75.1%減の3億6400万円、最終利益50.5%減の4億3600万円。

大気社<1979>、クリーンルーム向けパネル製造のインドNicomacを子会社化

大気社は、クリーンルーム向けパネルの製造・販売を手がけるインドNicomac Clean Rooms Far East LLP(売上高24億5000万円)に出資して74%の持ち分を取得し、子会社化することを決めた。経済成長が見込まれるインド市場で医薬品製造用などで高機能の空調設備が必要とされるのに伴い、現地での対応力を強化する。出資金額は45億6400万円。出資予定日は2020年7月31日。

Nicomacは大気社からの出資後、会社形態を現在のLLP(有限責任事業組合)から株式会社に変更する。大気社の持ち株比率は74%を維持する。

LIFULL<2120>、不動産投資・収益物件情報サイト運営の健美家を子会社化

LIFULLは、不動産投資・収益物件に関する情報サイト「健美家」を運営する健美家(東京都港区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。LIFULLは国内最大級の不動産・住宅情報検索サイト「LIFULL HOME’S」を展開している。「健美家」を取り込むことで、不動産関連情報や顧客基盤の相互活用を通じて、両社サイトの基盤強化と収益拡大を目指す。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月下旬。

ファイズホールディングス<9325>、神奈川県で運送・配送を手がける中央運輸を子会社化

ファイズホールディングスは、神奈川県下で運送・配送を手がける中央運輸(神奈川県厚木市。売上高6億3900万円、営業利益400万円、純資産4000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。EC(電子商取引)分野での物流サービス強化の一環。中央運輸は1979年に設立。取得価額は1億1200万円。取得予定日は2020年7月30日。

IDホールディングス<4709>、ソフト開発のGIテクノスを子会社化

IDホールディングスは、ソフト開発のGIテクノス(東京都豊島区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。市場ニーズが膨らんでいるクラウドをはじめとするシステム基盤分野のサービス力向上が狙い。GIテクノスは1973年に設立し、通信事業者向けなどの基幹システムに関するソフト開発のほか、モバイルアプリケーション開発に強みを持つ。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月3日。

大戸屋HD、コロワイドのTOBに「反対」表明

大戸屋ホールディングス(HD)は20日、外食大手のコロワイドが大戸屋HDの子会社化を目的に実施中のTOB(株式公開買い付け)について、社外取締役6人を含む取締役11人の全員一致で反対を決議したと発表した。これにより、敵対的TOBが確定した。コロワイドによるTOBに対し、大戸屋HDは「当社の企業価値・ブランド価値を毀損する可能性が高いと言わざるを得ない」と判断した。

コロワイドはTOBを通じて、32.16%の大戸屋HD株式を追加取得し、所有割合を51.32%に高め、子会社化することを目指している。買付価格は1株につき3081円。買付代金は最大約72億円。買付期間は7月10日~8月25日。

コロワイドは昨年10月、大戸屋HDの創業家から株式を取得して筆頭株主となった。これを受け、コロワイドは大戸屋HDに食材の仕込み・加工を工場で一括集中するセントラルキッチン方式の導入などのコスト削減策を提案したが、店内調理を売り物とする大戸屋HDは受け入れを拒否。コロワイドは6月末の大戸屋HDの株主総会で同社経営陣を刷新する株主提案をしたが、否決された。

ソフトバンク<9434>、アニメ専門コンテンツ配信サービス「アニメ放題」をU-NEXTに譲渡

ソフトバンクは、アニメ専門コンテンツ配信サービスの「アニメ放題」を、USEN‐NEXT HOLDINGS傘下で個人向け映像配信サービスを手がけるU-NEXT(東京都品川区)に譲渡することを決めた。経営効率化の一環で、アニメ作品の調達や企画、配信に関してかねて協業関係にあったU‐NEXTに事業を委ねることにした。当該事業の直近売上高は9億2000万円。譲渡価額は2億5000万円。譲渡予定日は2020年10月1日。

昭和産業<2004>、三井物産傘下で糖化品・乳酸菌製造のサンエイ糖化を子会社化

昭和産業は20日、三井物産傘下で糖化品や乳酸菌を製造・販売するサンエイ糖化(愛知県知多市。売上高146億円、営業利益8億7400万円、純資産113億円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。国内における糖化品の安定供給体制を強固にするのが狙い。サンエイ糖化はブドウ糖を中心に各種糖化品を手がけ、医療用途の厳しい品質基準をクリアするなど競争力を持つ。取得価額は150億7500万円。取得予定日は2020年10月1日。

サンエイ糖化は1987年設立で、現在、三井物産が70%を出資する。三井物産は残る30%の株式を取得し、持ち株比率を100%としたうえで、昭和産業に全株式を譲渡する。

昭和産業は糖質事業に関し、鹿島工場(茨城県神栖市)とグループの敷島スターチ(三重県鈴鹿市)の東西2製造拠点を持つ。

サッポロHD<2501>、傘下のサッポロビールで早期退職制度に51人申請

サッポロホールディングス(HD)は17日、中核子会社のサッポロビールで実施した早期退職優遇制度の第一次分として51人から申請があったと発表した。退職日は11月20日付。勤続10年以上45歳以上の社員を対象とし、目標人数を設けず、5月1日~7月10日に受け付けた。適用者には通常の退職金に加えてセカンドキャリア支援金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

サッポロHDは早期退職優遇制度の第二次分として、10月1日~12月10日に申請を受け付ける(退職日は2021年5月20日)。目標人数は設定していない。

レック<7874>、日用品製造の中国子会社「寧波利克化工」を現地社に譲渡

レックは、日用品の中国製造・販売子会社の寧波利克化工有限公司(浙江省寧波市。売上高2億6500円、営業利益△1600万円、純資産2億7000万円)の全持ち分を、現地の化学工業メーカーの寧波新明化工有限公司(浙江省寧波市)に譲渡することを決めた。レックは2012年に寧波利克化工を設立したが、人件費上昇や生産性低下などで業績低迷が続いていた。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年9月30日。

新日本建物<8893>、自己破産したファーストキャビンのカプセルホテル事業を取得

新日本建物は子会社を通じて、ファーストキャビン(東京都千代田区。破産管財人・上中綾子弁護士)が保有するカプセルホテル「ファーストキャビン」に関するフランチャイズ事業と運営受託事業を取得した。新たな収益物件の開発・販売につなげる。取得価額、取得日はいずれも非公表。

ファーストキャビンは今年4月末、東京地裁に自己破産を申請。帝国データバンクによると、同社の負債は約37億円。

栗林商船<9171>、日本通運傘下で青函フェリー共同運航先の北日本海運を子会社化

栗林商船は、日本通運傘下で函館・青森間の青函フェリーを運航する北日本海運(北海道函館市。売上高23億2000万円、営業利益1640万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。栗林商船子会社の共栄運輸(北海道函館市)が1973年から、北日本海運との共同運航で青函フェリー事業を手がけているが、北日本海運を傘下に取り込むことで、効率的運営による強固な事業基盤を築く。取得価額は20億3500万円。取得予定日は2020年9月1日。

北日本海運は1944年に設立し、1962年に日本通運の傘下となった。日本通運はグループ事業の選択と集中の一環として、かねて緊密な関係にあった栗林商船に譲渡する。

ストライダーズ<9816>、倉敷ロイヤルアートホテルの売却を中止

ストライダーズ<9816>は16日、子会社である倉敷ロイヤルアートホテル(岡山県倉敷市)の全保有株式(所有割合99.82%)の譲渡を中止したと発表した。7月9日を予定していた株式譲渡契約の調印が遅延したままの状態だったが、同日、譲渡予定先から譲渡契約の締結と譲渡決済(7月20日を予定)について撤回の申し入れがあったとしている。ストライダーズは7月3日に同ホテルの譲渡を発表したが、譲渡先は国内事業法人1社とするにとどめ、具体的な社名は非公表としていた。

直近の新型コロナウイルスの感染再拡大が予想以上に深刻化し、観光需要への影響が今後不透明となりつつあり、先方から取得を断念せざるを得ないとの申し入れを受けたという。

倉敷ロイヤルアートホテルは1992年に開業し、71室。ストライダーズは2014年に同ホテル(当時、ホテル日航倉敷)を傘下に収めた。2020年3月期業績は売上高5億8700万円、経常損失220万円、最終損失1090万円で、再建途上にあった。

ストライダーズは不動産を主体に、ホテル、海外への投資に積極的に取り組んでいる。

エプコ<2311>、小売り電力事業者向けクラウド型顧客・需給管理システム「ENESAP」事業をSBパワーに譲渡

エプコは、小売り電気事業者向けのクラウド型顧客・需給管理システム「ENESAP」事業を、ソフトバンク傘下のSBパワー(東京都港区)に譲渡する方向で検討を始めた。住宅のライフサイクル全般(設計・メンテナンス・リフォーム)にかかわる総合サービスの提供に経営資源を集中するのに伴い、事業領域と対象顧客が異なる「ENESAP」事業を切り離す。

SBパワーは2012年にソフトバンクが全額出資して設立し、家庭向け電力小売り事業を手がけている。

JKホールディングス<9896>、日本板硝子傘下の京都板硝子を子会社化

JKホールディングスは、日本板硝子傘下の京都板硝子(京都市。売上高15億9000万円、営業利益3900万円、純資産△2億8900万円)の全株式を取得し、16日付で子会社化した。京都板硝子は1950年に設立し、京都府内を中心に建築用ガラス、住宅用サッシなどの卸売・施工を手がける。建材商社のJKホールディングスは同社を傘下に取り込み、業容拡大につなげる。取得価額は非公表。

ナノキャリア<4571>、核酸医薬品開発ベンチャーのアキュルナを吸収合併

ナノキャリアは、核酸医薬品の研究開発を手がけるアキュルナ(東京都文京区。売上高573万円、営業利益△3億900万円、純資産2億300万円)を9月1日付で吸収合併することを決議した。医薬品事業の基盤構築の一環。

合併比率はナノキャリア1:アキュルナ67.5(普通株式。ほかにA種優先株式などの種類株式あり)。

ナノキャリアはナノテクノロジー(超微細技術)に基づくミセル化ナノ粒子技術を活用した医薬品の開発を進めており、現在、主要パイプライン(候補物質)が臨床試験段階にある。同時にM&Aを通じて外部経営資源の取り込みに積極的に取り組んでいる。

一方、アキュルナは核酸医薬品のナノDDS 技術(ドラッグデリバリーシステム)を社会実装するために2015年に設立された創薬ベンチャー企業。核酸医薬品は天然型と化学修飾型の核酸からなる医薬で、低分子医薬や抗体医薬では標的にできなかった細胞内分子に対して特異性高く作用することを特徴とする。

市進ホールディングス<4645>、居宅介護支援の「ゆい」を子会社化

市進ホールディングスは、居宅介護支援を手がける、ゆい(横浜市。売上高9億6500万円、営業利益2040万円、純資産4億6200万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。市進は進学塾や予備校の運営を主力とするが、経営多角化のため介護事業を育成中。ゆいは2002年に設立。取得価額は6億4700万円。取得予定日は2020年7月16日。

テクノホライゾン・ホールディングス<6629>、ソフト受託開発のファインシステムを子会社化

テクノホライゾン・ホールディングスは、ソフトウエア受託開発のファインシステム(名古屋市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。FA(ファクトリーオートメーション)事業におけるシナジー(相乗効果)創出を期待している。ファインシステムは1986年に設立。取得価額、取得日はいずれも非公表。

サックスバーホールディングス<9990>、ジンズHD傘下のフィールグッドからメンズバッグ・雑貨の小売り事業を取得

サックスバーホールディングス(HD)は、ジンズホールディングス傘下のフィールグッド(東京都千代田区)が手がけるメンズバッグ・雑貨類の小売業態「ノーティアム」事業を取得することを決めた。サックスバーは子会社の東京デリカ(東京都葛飾区)を通じて鞄・袋物、財布、雑貨などの小売りを手がけ、ショッピングセンター・駅ビルなどに直営626店舗(3月末)をテナント出店する。東京デリカの店舗とコンセプトが重複せず、相乗効果が見込めると判断した。

東京デリカが取得するのは「ノーティアム」事業のうち、通信販売事業と7店舗(イオンモール高崎店、イオンモール羽生店、軽井沢・プリンスショッピングプラザ店、ヨドバシAkiba店、東京ドームシティ ラクーア店、二子玉川ライズS.C.店、神戸ハーバーランドumie店)。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年9月1日。

ジンズホールディングスはノーティアム事業の譲渡に伴い、フィールグッドを2021年8月期中に解散・清算する方向。

山王<3441>、貴金属表面加工の中国子会社「山王電子」を現地社に譲渡

山王は、貴金属表面加工や精密プレス加工を手がける100%出資の中国子会社である山王電子(無錫)有限公司(江蘇省。売上高15億1000万円、営業利益7300万円、純資産3億7200万円)の全持ち分を、現地の無錫特恒科技有限公司(江蘇省)に譲渡することを決めた。経営資源の選択と集中の一環。山王電子は2003年に設立。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年11月。

中本パックス<7811>、紙加工品製造の三国紙工を子会社化

中本パックスは、持ち分法適用関連会社で紙加工品を製造・販売する三国紙工(大阪府富田林市。売上高23億6000万円、営業利益7690万円、純資産12億2000万円)を子会社化することを決めた。第三者割当増資を引き受け、現在22%の持ち株比率を50.1%に引き上げる。株式約43%を保有する日本紙パルプ商事が現在、三国紙工の筆頭株主だが、これに代わって中本パックスが経営権を握る。

三国紙工は1951年に設立。紙のほか様々な基材への押出ラミネート加工技術を持ち、中本パックスは同社を傘下に収めることで、紙加工品の取り扱いを強化するとともに、環境負荷の低減につながる製品開発を推し進める。

取得価額は4億3010万円。取得予定日は2020年7月15日。

メディカル・データ・ビジョン<3902>、健診システム開発のシステム ビィー・アルファを子会社化

メディカル・データ・ビジョンは、健診システムの開発などを手がけるシステム ビィー・アルファ(福岡市。売上高3億4100万円、営業利益1200万円、純資産1億600万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年10月1日。

システム ビィー・アルファは1996年設立。健診システムの販売・販売のほか、電子カルテなどの代理店販売を主な事業とする。メディカル・データ・ビジョンは同社を傘下に取り込むことで、疾病領域だけでなく、健康診断など未病領域の情報集積を本格的に進め、より多様な医療ビッグデータの利活用につなげる。

ダントーホールディングス<5337>、米住宅金融会社のSRE Mortgageを子会社化

ダントーホールディングスは米子会社を通じて、現地の住宅金融会社SRE Mortgage Alliance Inc.(カリフォルニア州。売上高11億4000万円、営業利益7900万円、純資産5億1500万円)の第三者割当増資を引き受け、子会社化することを決めた。増資引き受け後の所有割合は50%で、取得価額は14億9600万円。ダントーは祖業である建設用タイル事業の不振に伴い、経営立て直しに向けて不動産関連事業を新たな収益源に育てる方針を打ち出しており、この一環。取得予定日は2020年7月17日。

SREは1994年に設立し、米国政府支援企業(連邦住宅抵当金庫など)の認可を得ているほか、住宅ローンと不動産業の2種ライセンスを持つ。

識学<7049>、モバイルアプリ・ゲーム開発のMAGES.Labを子会社化

識学はシステム開発・運用子会社のシキラボ(東京都品川区)による株式交換を通じて、モバイルアプリ・ゲーム開発のMAGES.Lab(東京都新宿区)を子会社化することを決めた。SaaS(サービスとしてのソフトウエア)型サービス・システムの受託開発を進めるための人材などを確保する狙い。

シキラボは2019年7月に、経営層向け組織運営の独自理論「識学」に関するシステム開発・運用の内製化を目指して設立し、所期の成果を上げつつあるという。その一方で、シキラボ設立のもう一つの目的だったSaaS型サービス・システムの受託開発については手つかずの状態にあり、ノウハウを持つエンジニアらの確保を経営課題としていた。傘下に収めるMAGES.Labとはかねて開発案件で取引関係にあった。

株式交換比率はシキラボ1:MAGES.Lab0.00887324株。株式交換予定日は2020年8月31日。交付するシキラボの普通株式の時価(取得原価)は1953万円。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

持分の定めのある社団医療法人の解散と課税関係

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(飯田 美緒/税理士)

 

 

【問】

医療法人にてクリニックを経営しています。後継者もいないため、医療法人を解散しようかと考えています。当法人は出資持分の定めのある社団医療法人です。医療法人の解散手続きと、課税関係について教えてください。

 

 

【回答】

1.社団医療法人の類型


社団医療法人は、その定款に出資持分に関する定めがあるかないかで「出資持分のある社団医療法人(以下、「持分あり法人」といいます。)」と「出資持分のない社団医療法人(以下、「持分なし法人」といいます。)」に区分されます。「出資持分」とは社団医療法人に出資した者が、その医療法人の財産に対し、出資額に応じて有する財産権をいいます。

 

2.解散事由


医療法第55条おいて、医療法人の解散事由を次のように定めています。

 

①定款をもって定めた解散事由の発生
②目的たる業務の成功の不能
③社員総会の決議
④他の医療法人との合併(合併により当該医療法人が消滅する場合に限る。)
⑤社員の欠亡
⑥破産手続き開始の決定
⑦設立認可の取消し

 

恣意的な解散を防ぐ趣旨から、②③については都道府県知事の認可が必要とされています。①⑤については都道府県知事への届出を要します。

 

3.解散手続き


2.③の社員総会の決議により解散する場合には、定款に別段の定めがない限り、総社員の4分の3以上の賛成が必要です。解散の認可申請書(仮申請)には、解散理由書、社員総会議事録、財産目録、貸借対照表、残余財産処分方法、清算人就任予定者などを記載した書類を添付(医療法施行規則第34条)して、都道府県へ提出し、事前審査を受けます。書類の不備等を修正し、本申請となります。その後都道府県医療審議会の諮問を経て認可/不認可の処分となります。

 

医療審議会は年に2回程度しか開催されないため、場合によっては事前審査から認可/不認可の処分まで1年近くかかる場合もあります。株式会社と違い、認可がおりなければ解散の効力が発生しないので注意が必要です。認可がおりたら解散の登記を行い、清算手続きに入ります。残余財産の処分が完了したら、清算決了の登記、都道府県知事への届出を行い、法人格が消滅します(医療法第56条の2)。

 

4.課税関係


(1)医療法人に対する課税

解散の日の翌日以降も、その所得計算は通常の事業年度と変わらず、損益法により法人税の申告を行い、課税されます。残余財産確定の日に終了するいわゆる最後事業年度についても同様に損益法により申告を行います。申告期限は、残余財産確定の日から原則1ヶ月以内です。これらについては通常の株式会社と変わりありません(法人税法第74条2項)。

 

(2)出資者に対する課税

解散した医療法人に残余財産があれば、残余財産を定款の定めに基づき処分します。持分あり法人であれば、定款において、出資者にその出資額に応じて分配すると定めているものが一般的です。解散による残余財産の分配が個人である出資者にされた場合、その分配された金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額が、持分あり法人の資本金等の額を超える部分の金額は、利益の配当又は剰余金の配当とみなすと規定されています(所得税法第25条1項)。よって、みなし配当課税となるため、総合課税の配当所得として、超過累進税率が適用され所得税が課税されます。

 

医療法改正により平成19年4月1日以後、持分あり法人の新規設立はできないことになりました。現在設立し得る持分なし法人の定款においては、残余財産の帰属先は国、地方公共団体、医療を提供する者であって厚生労働省令で定めるもののうちから選定されるよう定められています。これにより、解散時の残余財産が出資者に帰属しないよう整備されました。持分あり法人については、平成19年4月1日施行改正医療法附則第10条第2項に規定される医療法人(経過措置医療法人)に位置付けられ、当分の間、解散時の残余財産の帰属先について定款の変更は強制されず、出資者に対し、残余財産を出資額に応じて分配するとされています。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/07/20)より転載

[解説ニュース]

居住用財産の譲渡に係る3,000万円控除から住宅ローン特別控除への特例選択の変更の可否適用を受けることの可否

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■店舗兼住宅を譲渡した場合の居住用財産の3,000万円控除と事業用資産の買換え特例の併用

■住宅の譲渡所得の特例では、本当に居住していたか見られています

 

【問】

乙さんは、2019年12月末にそれまで居住していた東京都杉並区内の戸建て住宅とその敷地を譲渡し、同月末に購入した港区内の分譲マンション(購入資金は銀行借入金により調達)に2020年1月に引越し、居住を開始しました。

 

乙さんは、譲渡した戸建て住宅とその敷地について譲渡益が生じ、かつ適用要件を満たしていることから、2019年分の所得税の確定申告書を提出し、租税特別措置法(措法)35条1項の居住用財産を譲渡した場合の譲渡所得の3,000万円控除(「3,000万円控除」)の適用を受けました(確定申告書は適法に提出され、そこに記載された税額に不足はありません)。ところが、乙さんが確定申告書の提出後に検討したところ、2019年の戸建て住宅の譲渡につき3,000万円控除の適用を受けず、2020年以後の各年分について港区のマンションに係る住宅ローン特別控除(措法41条)の適用を受けた方が、所得税の総額の負担が少なくなることが分かりました。

 

乙さんは、2019年分の所得税について3,000万円控除の適用を受けたため、2020年分の所得税においては住宅ローン控除の適用が受けられないと知り、2019年分の所得税の修正申告をすることで3,000万円控除の適用を撤回し、2020年以後の年分について港区のマンションに係る住宅ローン特別控除の適用を受けたいと考えていますが、可能でしょうか。

 

 

 

【回答】

1.結論


乙さんは2019年分の所得税につき適法に3,000万円控除の適用を受け、確定申告書に記載の税額に不足がないことから、修正申告書の提出ができず、その適用を撤回することができません。よって乙さんは、2020年以後の年分につき住宅ローン特別控除の適用を受けることができません。

 

2.解説


(1)3,000万円控除の概要

個人が自己の自宅とその敷地(居住用財産)を譲渡した場合には、一定の要件を満たすことにより譲渡所得の金額の計算上、最高3,000万円を控除することができます。(措法35条1項、2項)。

 

(2)住宅ローン特別控除の概要

①概要

個人が2021年12月31日までに国内で住宅の用に供する家屋で床面積が50㎡以上等の要件を満たすものの新築等をし、その家屋をその個人の居住の用に供した場合において、その個人がその家屋の新築等に係る借入金(住宅借入金)の額を有するときは、一定の要件を満たすことにより、その居住の用に供した日の属する年以後10年間(原則)の各年分のその個人の所得税額から、住宅借入金の年末残高に基づく一定額が控除されます(措法41条)。

 

②居住用財産譲渡に係る特例の適用を受けた場合の住宅ローン特別控除の不適用

個人が、新築等をした家屋を居住の用に供した日の属する年の前年又は前々年分の所得税につき、3,000万円控除等の居住用財産の譲渡に係る特例の適用を受けている場合、その個人の①に規定する10年間(原則)の各年分の所得税については、住宅ローン特別控除の適用を受けることができません(同20項)。

 

(3)修正申告

納税申告書を提出した者は、先の納税申告書の提出により納付すべきものとしてこれに記載した税額に不足額がある場合は、その申告につき更正があるまでは、その申告に係る課税標準等又は税額等を修正する納税申告書を税務署長に提出できます(国税通則法19条1項1号)。

 

(4)本問へのあてはめ

乙さんは2019年分の所得税について3,000万円控除の適用を受けていることから、(2)②より、2020年分以降の所得税につき住宅ローン特別控除の適用を受けることができません。

 

乙さんが住宅ローン特別控除の適用を受けるため、2019年分の所得税について修正申告書の提出により3,000万円控除の適用を撤回できるかどうかについては、乙さんがいったん3,000万円控除の適用を受けることを選択して2019年分の確定申告書を提出した以上、その適用を撤回することはできません(参考:国税庁HP質疑応答事例「居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例の適用の撤回の可否」)。また撤回できない以上、2019年分の確定申告書に記載された税額に不足がないため、乙さんは上記(3)の事由による修正申告書を提出することもできません。

 

以上により、乙さんは2020年分以後の年分の所得税について、住宅ローン特別控除の適用を受けることができません。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/07/13)より転載

[M&Aニュース](2020年6月29日〜7月10日)

◇ファーストブラザーズ<3454>、大阪地盤でビル運営管理・設備点検などの富士ファシリティサービスを子会社化、◇ジャストプランニング<4287>、サン電子<6736>から飲食店向けテイクアウト支援アプリ「iToGo(アイトゥゴー)」事業を取得、◇ジーンテクノサイエンス<4584>、セルテクノロジーを同仁グループに譲渡、◇守谷商会<1798>、全額出資子会社「トヨタホームしなの」をトヨタウッドユーホームに譲渡、◇電算システム<3630>、情報セキュリティー製品輸入販売のピーエスアイを傘下に、◇ニチイ学館、MBOに向けた買付期間を8月3日まで15営業日延長、◇コロワイド<7616>、大戸屋ホールディングス<2705>をTOBで子会社化へ ほか

 

 

ファーストブラザーズ<3454>、大阪地盤でビル運営管理・設備点検などの富士ファシリティサービスを子会社化

2020-07-10

ファーストブラザーズは、ビル運営管理や設備点検・清掃などを手がける富士ファシリティサービス(大阪市。売上高18億3000万円、営業利益8640万円、純資産29億3000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ファーストブラザーズは商業施設、事務所ビルを中心とする不動産投資を主力とする。取得価額は21億7300万円。取得予定日は2020年7月末。

富士ファシリティサービスは1963年に設立し、60年近い業歴を持つ。大阪を本拠とし、東京、仙台、名古屋、高松、福岡に拠点展開し、管理物件は全国に及ぶ。

ジャストプランニング<4287>、サン電子<6736>から飲食店向けテイクアウト支援アプリ「iToGo(アイトゥゴー)」事業を取得

2020-07-10

ジャストプランニングは、サン電子から飲食店のテイクアウト業態向けスマートフォンアプリ「iToGo(アイトゥゴー)」事業を取得することを決めた。「iToGo」はスマホアプリを活用し、並ばず・待たずに受け取れる事前予約機能や、アプリ独自の割引クーポンを利用できる配信機能などを搭載し、飲食店のテイクアウト事業を支援するもの。当該事業の直近売上高は1800万円。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年8月1日。

ジャストプランニングは外食産業向けに業務管理を中心としたASP(アプリケーションサービスプロバイダー)事業を展開している。

ジーンテクノサイエンス<4584>、セルテクノロジーを同仁グループに譲渡

2020-07-10

ジーンテクノサイエンスは、再生医療事業に取り組む子会社のセルテクノロジー(東京都中央区。売上高8320万円、営業利益△2億2600万円、純資産4370万円)の全株式を、医薬品・医療機器など製造販売の同仁グループ(熊本市)に譲渡することを決めた。ただし、セルテクノロジーが手がける歯随幹細胞再生医療製品に関する研究開発などの事業は対象外とし、株式譲渡に先立ち、ジーンテクノサイエンスが本体で引き取る。株式の譲渡価額は0円。譲渡予定日は2020年9月30日。

セルテクノロジーは2008年に設立。今回、ジーンテクノサイエンスが本体に移管する歯随幹細胞再生医療製品関連の直近売上高は262万円。

守谷商会<1798>、全額出資子会社「トヨタホームしなの」をトヨタウッドユーホームに譲渡

2020-07-10

守谷商会は、トヨタホーム製プレハブ住宅を取り扱う全額出資子会社のトヨタホームしなの(長野市。売上高8億8500万円、営業利益3810万円、純資産△7580万円)の全株式を、トヨタホーム傘下のトヨタウッドユーホーム(宇都宮市)に譲渡することを決めた。グループ内の経営資源の集中と効率化の一環。トヨタホームしなのは業績立て直しが急務となっており、譲渡によりトヨタホームの一員として事業継続することが最善策と判断した。

トヨタホームしなのは2003年に設立し、トヨタホーム製のプレハブ住宅の販売代理店として長野県北部・東部を中心に事業展開してきた。

今年1月、トヨタ自動車とパナソニックは住宅事業の統合会社を新設し、トヨタホーム、ミサワホーム、パナソニックホームズの3社を傘下に置いた。こうした住宅事業の再編を踏まえ、今後の事業展開のあり方を検討していた。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年7月31日。

電算システム<3630>、情報セキュリティー製品輸入販売のピーエスアイを傘下に

2020-07-10

電算システムは、情報セキュリティー製品の輸入販売・保守サービスを手がけるピーエスアイ(東京都新宿区。売上高19億1000万円、営業利益9000万円、純資産6億3300万円)を傘下に収めることを決めた。ピーエスアイの持ち株会社ACAS2(東京都千代田区)の全株式を取得し、7月31日付で子会社化する。取得価額は17億1200万円。

ピーエスアイは1994年に設立。悪質なウイルスやハッカーによるシステム侵害を防ぐため、次世代ファイアウォールやUTM(統合脅威管理)製品、AI(人工知能)利用のサイバーセキュリティーシステムなどを米国をはじめ世界から輸入している。

電算システムは岐阜市に本社を置く独立系情報処理サービス企業。最近はデータセンターを中心としたクラウドサービス事業にも力を入れているが、これら既存事業では情報セキュリティーのニーズが一層高まっている。

ニチイ学館、MBOに向けた買付期間を8月3日まで15営業日延長

2020-07-09

介護大手のニチイ学館に対し、MBO(経営陣による買収)を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施している米投資ファンドのベインキャピタルは9日、同日までとしていた買付期間を8月3日まで15営業日延長すると発表した。5月11日からTOBを始めて以来、2度目の延長。1株1500円とする買付価格については変更していない。

8日のニチイ学館株価の終値は1591円で、買付価格を上回り、TOBへの応募が見込めない状況にある。

ニチイ学館の森信介社長ら経営陣はベインキャピタルと組んでMBOによる非公開化を目指している。ベインキャピタルの傘下企業がTOBを通じて約75%の株式を取得し、残りの株式は筆頭株主で創業家の資産管理会社から買い取る計画。

TOBを開始以降、ニチイ学館株価は上昇し、買付価格を上回る高値圏が続いた。ただ、ここ数日は1700円台に乗せた後、軟調に転じ、8日は1600円を割り込んだ。

コロワイド<7616>、大戸屋ホールディングス<2705>をTOBで子会社化へ

2020-07-09

コロワイドは9日、定食「大戸屋ごはん処」を展開する大戸屋ホールディングス(HD)に対して子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。TOBで株式32.16%を約72億円で追加取得して所有割合を51.32%に高め、経営権を掌握する。大戸屋HDのジャスダック上場は維持する。関係がこじれたコロワイドとのこれまでの経緯から、大戸屋HDは反対して敵対的TOBに発展する公算が大きい。

買付価格は大戸屋HD株式1株につき3081円。TOB公表前日の終値2113円に45.81%のプレミアムを加えた。買付予定数の上限は2333万株(所有割合32.16%)で、下限は187万2392株(同25.84%)に設定した。上限まで買い付けられれば、所有割合は現所有分(19.16%)と合わせて過半の50%超に達する。下限についは実質的支配(45%)が確立していると判断できる水準としている。

買付期間は7月10日~8月25日。決済の開始日は9月1日。公開買付代理人はSBI証券。

コロワイドは昨年10月、大戸屋HDの創業家から株式を取得して筆頭株主となった。これを受け、コロワイドは大戸屋HDに食材の仕込み・加工を工場で一括集中するセントラルキッチン方式の導入などのコスト削減策を提案したが、店内調理を売り物としてきた大戸屋HDは反発。6月末の株主総会では大戸屋HDの経営陣の刷新を求める株主提案をした。結果はコロワイドの株主提案が否決され、大戸屋HD側に軍配があがった。

大戸屋HDは「大戸屋ごはん処」を国内で約350店舗展開する。2020年3月期の業績は売上高4.5%減の245億円、営業赤字6億4800万円(前期は4億1400万円の黒字)、最終赤字11億4700万円(同5500万円の黒字)。コロワイドは居酒屋「甘太郎」「北海道」などで知られ、傘下には「牛角」のレインズインターナショナル、「かっぱ寿司」のカッパ・クリエイトなどの上場子会社を持つ。

伊藤忠商事<8001>、傘下のファミリーマート<8028>をTOBで非公開化

2020-07-08

伊藤忠商事は、傘下のファミリーマートに対し株式の非公開化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施することを決めた。買収目的会社のリテールインベストメントカンパニー(東京都港区)を通じて全株式の取得を目指す。買付総額は5808億8100万円。伊藤忠は現在、間接保有分も含めてファミリーマート株の50.1%を所有している。ファミリーマートはTOBに賛同しており、TOB成立後に上場廃止となる見通し。

コンビニエンスストア業界では、24時間営業やフードロス問題などビジネスモデルの見直しを迫られている。また、Eコマースの急拡大による消費者の購買チャネル多様化で経営環境は厳しさを増している。伊藤忠はこうした変化に機動的に対応し競争に勝ち残っていくためには、ファミリーマートを非公開化しグループ一体となって迅速に意思決定を進めていくことが不可欠と判断した。

リテールインベストメントカンパニーは伊藤忠が99%、伊藤忠の持ち分法適用関連会社の東京センチュリーが1%出資する合同会社。伊藤忠は株式取得後、生鮮食品の供給などでの相乗効果を見込み、ファミリーマート株4.90%を全国農業協同組合連合会(JA全農)と農林中央金庫に譲渡する。また、東京センチュリーも0.40%の株式を取得する予定。

買付価格は1株当たり2300円。TOB公表前営業日の対象株式の終値1766円に対して30.24%のプレミアムを加えた水準。買付予定数は2億5255万7288株で、下限は5011万4060株。買付期間は2020年7月9日から8月24日まで。決済の開始日は8月28日。公開買付代理人は野村証券。

ノーリツ鋼機<7744>、少額短期保険の日本共済を光通信に譲渡

2020-07-07

ノーリツ鋼機は、家財分野の少額短期保険を手がける全額出資子会社の日本共済(東京都千代田区。売上高83億3000万円、経常利益3400万円、純資産4億4100万円)の全株式を、光通信に譲渡することを決めた。少額短期保険を取り巻く競争環境の変化に対応した措置で、グループ事業の再編の一環。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は未定。

日本共済は2006年設立で、2017年にノーリツ鋼機が傘下に収めた。家財保険分野で賃貸入居者のニーズに特化した補償内容を売り物にしてきたが、強力な販売力を持つ光通信グループのもとでより成長が期待できると判断した。

太陽ホールディングス<4626>、米サーキット・オートメーションからPCB製造に関するソリューション事業を取得

2020-07-06

太陽ホールディングス(HD)は米子会社を通じて、プリント配線板(PCB)製造装置メーカーの米サーキット・オートメーション(カリフォルニア州)からPCB製造プロセスに関するソリューション事業を取得した。取得日は7月4日。対象事業の直近業績や取得価額は非公表。

太陽HDはPCBに欠かせないソルダーレジスト(絶縁樹脂)を製造・販売している。顧客企業の PCB 製造にかかわる諸問題を総合的に解決する体制を構築することで、欧米での事業強化につなげる。サーキット・オートメーションは1981年に設立し、欧米を中心に PCB 製造装置の開発、製造、販売、保守に携わっている。

アジャイルメディア・ネットワーク<6573>、SNSアカウント運営の自動化・分析ツールを提供するpopteamを子会社化

2020-07-06

アジャイルメディア・ネットワークは、Webサービス事業のpopteam(東京都新宿区。売上高1690万円、営業利益101万円、純資産171万円)の全株式を取得し、6日付で子会社化した。アジャイルメディアは企業やブランドのファン育成・活性化を支援するアンバサダー事業を主力とする。大手企業向けにとどまらず、新たに中小規模の事業者や個人に向けてもSaaS(サービスとしてのソフトウエア)型のサービス提供に乗り出す。

popteamは2019年2月に設立。インスタグラム、ツイッターなどSNSのアカウント運営の自動化・分析を行うマーケティングツール「DIGITAL PANDA(デジタルパンダ)」を提供し、中小企業や個人事業者向けに500件以上の導入実績を持つ。

取得価額は非公表。

ジェイ・エス・ビー<3480>、大学生向けAIハッカソン運営などのMewcketを子会社化

2020-07-03

ジェイ・エス・ビーは、大学生を対象にAI(人工知能)を利用した開発イベント(ハッカソン)などを展開するMewcket(東京都千代田区。売上高2500万円、営業利益△2800万円、純資産1800万円)の株式71.49%を取得し子会社化することを決めた。学生支援サービス事業の拡充を目指す。ジェイ・エス・ビーは学生向け賃貸マンション事業を主力とし、全国7万室超の管理物件を持つほか、企業説明会・就職セミナー情報を提供している。取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月3日。

ジェイ・エス・ビーはMewcketの子会社化に際し、発行済み株式の一部取得と第三者割当増資引き受けを組み合わせる。

ペッパーフードサービス<3053>、「ペッパーランチ」事業を投資ファンドのJ-STARに85億円で譲渡

2020-07-03

ペッパーフードサービスは3日、主力の「ペッパーランチ」事業を、投資ファンドのJ-STAR(東京都千代田区)に85億円で売却すると発表した。新型コロナ感染の影響で売り上げが大幅に落ち込む中、もう一方の柱である「いきなり!ステーキ」事業に経営資源を集中する。これに伴い、「いきなり!ステーキ」を中心に新たに114店舗を閉鎖し、併せて200人の希望退職者を募集することを決めた。

2019年12月期業績は売上高6.3%増の675億円、営業赤字7100万円(前期は38億円の黒字)、最終赤字27億円(同1億2100万円の赤字)。「いきなり!ステーキ」事業は売上高の約8割を占めるが、急激な出店の結果、同一エリア内で競合するなど業績の足を引っ張っていた。そこに今年に入ってコロナ禍が直撃し、業績不振に拍車がかかり、店舗閉鎖を進めてきた。5月末時点の国内店舗数は「いきなり!ステーキ」が414店舗、「ペッパーランチ」が189店舗。

ペッパーフードサービスは6月1日に、ペッパーランチ事業を分社して新会社のJP(東京都墨田区)を設立した。ペッパーランチ事業は規模は小さいものの、業績は比較的堅調に推移している。

希望退職者は「いきなり!ステーキ」事業部門の従業員を対象とし、内訳は閉店店舗で150人、その他店舗で50人を予定する。募集期間は7月6日~31日。退職日は8月31日とする。所定の額に特別退職金を上乗せして支給する。

日本創発グループ<7814>、映像企画制作のアエックスを子会社化

2020-07-03

日本創発グループは、コンピューターグラフィックス(CG)を使用した映像の企画制作を手がけるアエックス(大阪市。売上高1億7600万円、営業利益0、純資産△1000万円)の第三者割当増資を引き受け、同社株式を追加取得し子会社化することを決めた。現在16.67%の持ち株比率を79.17%に引き上げる。アエックスは1993年設立で、大手企業や地方自治体などを主要得意先とする。

日本創発は汎用的な一般情報用紙への印刷にとどまらず、特殊素材・立体物への印刷、ノベルティ・フィギュア、3D(三次元)プリンター造形、デジタルコンテンツなどの展開に力を入れている。

取得価額は1億8000万円。取得予定日は2020年7月10日。

ストライダーズ<9816>、倉敷ロイヤルアートホテルを譲渡

2020-07-03

ストライダーズは、倉敷ロイヤルアートホテル(岡山県倉敷市。売上高5億8700万円、営業利益641万円、純資産2310万円)の全所有株式99.82%を譲渡することを決めた。経営資源の効率的活用と財務体質の強化が目的としている。譲渡先、譲渡額はいずれも非公表。譲渡予定日は2020年7月20日。

歯愛メディカル<3540>、電力小売りの四つ葉電力を子会社化

2020-07-03

歯愛メディカルは、電力小売り事業を手がける四つ葉電力(大阪市。売上高3億1600万円、営業利益100万円、純資産1100万円)を子会社化することを決めた。株式を追加取得し、現在20%の持ち株比率を60%に引き上げる。歯愛メディカルは歯科診療用品の通販事業に続く新たな経営の柱として電力・エネルギー分野を位置づけ、育成に乗り出している。取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月10日。

四つ葉電力は2016年に設立された小売り電気事業者。周波数(50Hz、60Hz)にかかわらず、沖縄県を除く都道府県でサービスを提供している。歯愛メディカルは2020年5月に同社株式の20%を取得し、資本参加していた。

歯愛メディカル<3540>、石川・福井で電力小売りを手がけるワンレクトホールディングスを子会社化

2020-07-03

歯愛メディカルは、電力小売り事業を手がけるワンレクトホールディングス(金沢市。売上高900万円、営業利益△300万円、純資産△1200万円)の株式60%を取得し子会社化することを決めた。歯愛メディカルは歯科診療用品の通販大手。近年は多角化の一環として電力・エネルギー分野に進出しており、その一環。ワンレクトは子会社として新電力の石川電力(金沢市)と福井電力(福井市)を持つ。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月10日。

歯愛メディカルは2016年に新電力事業に参入し、歯科医院、クリニックを中心に全国1万3000件を超える契約先に電力を販売している。東京地区などでは東京ガスと提携し、都市ガス小売りサービス「Ciガス Supplied by 東京ガス」を提供することになり、2020年4月から申し込み受け付けを始めている。

FRACTALE<3750>、ホテル運営会社のアレグロクスホテルマネジメントを子会社化

2020-07-03

FRACTALEは、ホテル運営受託のアレグロクスホテルマネジメント(東京都港区。売上高1600万円、営業利益40万4000円、純資産2190万円=決算期変更に伴う4カ月変則決算)の株式91%を3日付で取得し子会社化した。取得価額は2111万円。続いて9月1日付で、FRACTALE傘下のFRACTALEホテルマネジメント(東京都渋谷区)がアレグロクスを吸収合併する。ホテル運営事業の強化が狙い。

アレグロクスは30以上のホテル新規開業や、リブランディング・トランジションと呼ばれる分野で実績を積んできた。需要変動が激しいホテル業界特有の収益管理にも強みを持つという。

FRACTALEホテルマネジメントと子会社化後のアレグロクスとの合併比率は1:8。合併後の会社名は「フラクタルホスピタリティ」とする。

CKサンエツ<5757>、日立金属桶川工場の銅合金事業を取得

2020-07-03

CKサンエツは子会社のサンエツ金属(富山県砺波市)を通じて、日立金属桶川工場(埼玉県桶川市)の銅合金事業を取得することを決めた。サンエツ金属が主力とする伸銅事業と精密部品事業の強化につなげる狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2021年3月1日。

経営再建中の日立金属はグループの日立アロイ(埼玉県加須市)が手がける黄銅棒事業と加工品事業についても、2021年1月にサンエツ金属に譲渡することを決めている。

キユーピー<2809>、鶏卵加工品・乾燥肉メーカーの米子会社へニングセンを現地社に譲渡

2020-07-02

キユーピーは2日、鶏卵加工品・乾燥肉を製造・販売する米子会社へニングセン・フーズ(ネブラスカ州)の全株式を、米食品メーカーのポストホールディングス傘下のマイケル・フーズ・オブ・デラウエア(ミネソタ州)に1日付で譲渡したと発表した。

へニングセンは1889年に創業で、130年の業歴を持つ。2019年10月~2020年3月の半期業績は売上高34億5900万円、営業損失5400万円。キユーピーが1990年に傘下に収めたが、近年は業績が振るわなかった。

譲渡価額は非公表。

TSIホールディングス<3608>、3ミニッツのアパレル販売ブランド「ETRÉ TOKYO(エトレトウキョウ)」事業を取得

2020-07-02

TSIホールディングスは、3ミニッツ(東京都新宿区)が展開するアパレル販売ブランドの「ETRÉ TOKYO(エトレトウキョウ)」事業を取得することを決めた。ミレニアム世代における新たな顧客層の獲得などにつなげる。ETRÉ TOKYOは2017年にスタート。Eコマース(電子商取引)を主要販路に、ファッションインフルエンサーの杉田純奈(JUNNA)氏をクリエイティブディレクターとして起用し、20~30代を中心に支持を得ている。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月1日。

JALCOホールディングス<6625>、サン電子傘下でパチンコホール向け機器開発・製造のSUNTACを子会社化

2020-07-01

JALCOホールディングスは、サン電子傘下でパチンコホール向け機器の開発・製造を手がけるSUNTAC(愛知県江南市。売上高11億6000万円)を今秋に子会社化することを決めた。第一段階として7月1日付でSUNTAC株式の36%を取得。続いて10月1日から12月末を期間として同社株式50%を追加取得し、子会社化する。取得価額(所有割合86%)は8600万円。

SUNTACはサン電子のホールシステム事業部門を2020年5月1日に会社分割して設立した会社。

JALCOホールディングスはパチンコホール運営会社向けに融資と不動産に関するコンサルティングサービスを展開している。パチンコホール向け周辺機器の開発・製造力を取り込むことで、ハード面を含めてワンストップで総合提案が可能になると判断した。

OCHIホールディングス<3166>、内装工事のアイエムテックを子会社化

2020-07-01

OCHIホールディングスは、内装工事業のアイエムテック(広島市。売上高13億4000万円、営業利益2億3800万円、純資産7億1700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。非住建分野の事業領域を拡大するのが狙い。アイエムテックは2000年設立で、マンションやオフィスビルなどの内装工事で実績を積んできた。取得価額は12億~13億円。取得予定日は2020年7月9日。

OCHIホールディングス<3166>、土木工事の長豊建設を子会社化

2020-07-01

OCHIホールディングスは、土木建設業の長豊建設(長野県飯田市。売上高16億5000万円、営業利益5900万円、純資産9億6800万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。住宅需要の変化に影響されにくい企業体質の確立に向け、非住建分野の事業領域を拡大するのが狙い。

長豊建設は1967年設立。取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月16日。

神戸物産<3038>、外食事業関連子会社のクックイノベンチャーを経営陣に譲渡

2020-06-30

神戸物産は、外食関連子会社のクックイノベンチャー(兵庫県稲美町。売上高8060万円、経常利益2750万円、純資産1億1400万円)の全株式を、クックイノベンチャーと同社社長の杉本英雄氏に30日付で譲渡した。クックイノベンチャーは傘下に「平禄寿司」「壁の穴」「村さ来」など外食業態を展開するジャスダック上場のジー・テイストなどを抱える。譲渡価額は非公表。

神戸物産は2013年にクックイノベンチャーを子会社化し、同社傘下企業に対する食材提供や財務基盤の安定、不採算事業の整理などを進めてきた。一連の経営改善を通じて、クックイノベンチャーが自らの経営判断で事業を拡大することが可能になったとし、株式譲渡を決定したという。連結子会社から除外されるが、食材提供などの取引については継続する。

アイビーシー<3920>、“保険版フィンテック”のソフトウエア・サービス開発子会社のiChainを経営陣に譲渡

2020-06-30

アイビーシーは、保険版フィンテックに関するソフトウエア・サービス開発子会社のiChain(東京都中央区。売上高6060万円、営業利益△5540万円、純資産9490万円)の全株式を、iChain取締役の後藤昌紀氏に譲渡した。30日付。経営資源の最適配分の一環。新型コロナウイルス感染の影響による先行き不透明感から成果を出すまでにはなお多くの時間を要すると判断した。これに伴い、貸付金の一部約1億3500万円を債権放棄する。

譲渡価額は非公表。

イオンディライト<9787>、子会社KJS(旧カジタク)の証明写真機事業をDNPフォトイメージングジャパンに譲渡

2020-06-30

イオンディライトは、子会社化のKJS(旧カジタク、東京都中央区)が手がける証明写真機事業を、大日本印刷100%出資子会社のDNPフォトイメージングジャパン(東京都中野区)に30日付で譲渡した。対象事業を会社分割して新会社Kフォトイメージ(東京都中央区)に承継させたうえで、新会社の全株式を売却した。旧カジタクで発生した中古複写機の再販事業における不正会計処理問題を受けた事業再編の一環。

譲渡価額は未確定。

ソフィアホールディングス<6942>、システム開発の藤井を子会社化

2020-06-30

ソフィアホールディングスは、システム開発の藤井(東京都練馬区。売上高1億5300万円、営業利益△318万円、純資産2070万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。傘下のソフィア総合研究所(東京都新宿区)を通じて傘下に収める。グループのソフト開発力の拡充が目的。藤井は1991年設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月1日。

芝浦機械、希望退職者募集を7月29日まで2度目の延期

2020-06-29

芝浦機械(東芝機械)は29日、希望退職者の募集期間を7月29日まで約1カ月延長すると発表した。募集期間の延長は2度目。当初は3月中旬~4月上旬を募集期間としていたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務や交代勤務などで、従業員との希望退職に関する意思疎通が十分に行えないとして6月末まで延長していた。今回の再延長も同様の理由。200~300人程度とする募集人員に変更はない。

エム・エイチ・グループ<9439>、ファッション・コスメ業界向け人材サービスのオンリー・ワンを子会社化

2020-06-29

エム・エイチ・グループは、ファッション・コスメ(化粧品)業界向けを中心に人材派遣・紹介事業を手がけるオンリー・ワン(東京都千代田区。売上高2億4100万円、営業利益300万円、純資産3200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。エム・エイチ・グループは美容室「モッズ・ヘア」を運営しているが、オンリー・ワンの主要取引先であるファッション・コスメ業界は美容業界と隣接する関係にあり、人材採用や新サービス開発などでシナジー(相乗効果)が見込めると判断した。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月1日。

クリーク・アンド・リバー社<4763>、ITコンサル・システム開発のGruneを子会社化

2020-06-29

クリーク・アンド・リバー社は、ITコンサルティングやシステム開発のGrune(福島県相馬市。売上高1億500万円、営業利益2140万円、純資産5240万円)の株式75%を取得し子会社化することを決めた。Gruneは2016年に設立し、VR(人工現実感)Web関連で高い技術力を持つという。クリーク・アンド・リバー社は建築分野での新たなソリューション提供などにつなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月10日。

IDホールディングス<4709>、ソフト受託開発のアクティブ・ティを子会社化

2020-06-29

IDホールディングスは、ソフト受託開発のアクティブ・ティ(名古屋市。売上高3億4700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。アクティブ・ティは1996年設立。中部地区でのサービス力向上や顧客期の強化につなげる。

子会社のインフォメーション・ディベロプメント(東京都千代田区)を通じて、アクティブ・ティを傘下に収める。取得価額は非公表。取得予定日は2020年6月30日。

クリーク・アンド・リバー社<4763>、NHKへの制作・編集スタッフ派遣を手がけるウイングを子会社化

2020-06-29

クリーク・アンド・リバー社は、NHKや関連会社の番組制作・編集部門へのスタッフ派遣を手がけるウイング(東京都渋谷区。売上高7億600万円、営業利益287万円、純資産9160万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ウイングは2005年にNHK出身の及川哲也氏(現会長)が設立した。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月3日。

クリーク・アンド・リバー社は映像、ゲーム、Web、広告・出版分野などの専門人材派遣を手がけている。

CKサンエツ<5757>、日立アロイから黄銅棒・加工品事業を取得

2020-06-29

CKサンエツは子会社のサンエツ金属(富山県砺波市)を通じて、日立金属傘下の日立アロイ(埼玉県加須市)が手がける黄銅棒事業(製造設備を含む)と加工品事業を取得することを決めた。サンエツ金属は伸銅事業と精密部品事業を両輪に、生産規模の拡大による競争力向上に取り組んでおり、今回の事業取得もこの一環。取得価額は非公表。取得予定日は2021年1月5日。

ミアヘルサ<7688>、神奈川・都内の6カ所で認可保育園を運営する東昇商事を子会社化

2020-06-29

ミアヘルサは、神奈川県や東京都で認可保育園6園を運営する東昇商事(東京都品川区。売上高5億7700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ミアヘルサは保育事業を調剤薬局事業、介護事業と並ぶ経営の柱と位置づけており、東昇商事を傘下に取り込むことで保育園数は32園となる。取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月1日。

東昇商事は1995年に設立し、「マリー保育園」の名称の認可保育園を神奈川県、都内に各3園運営する。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[新型コロナウイルスを背景としたM&A需要調査](2020年7月公表)

コロナ禍、「生き残り」のためのM&A!

64.8%の経営者が新型コロナの影響で会社や事業の買収を実施・検討の事実
〜株式会社バトンズ、新型コロナウイルスを背景としたM&A需要調査を実施〜

 

 

M&A総合支援プラットフォームを運営する株式会社バトンズ(本社:東京都千代田区丸の内1-8-2 鉃鋼ビルディング24階、代表:大山敬義)が、新型コロナウイルスを背景としたM&A需要の調査を目的に、会社・事業の売却もしくは買収について検討したことがある経営者111名を対象に、インターネットによるアンケート調査を実施しましたのでお知らせいたします。

 

 

■アンケート調査結果の詳細を見る

 

 

 

[まとめ(アンケート調査結果より)]

今回、 新型コロナウイルスを背景としたM&A需要の調査を実施しましたところ、約9割の経営者がコロナを受け会社経営に変化があったと回答しました。また、コロナ発生後の現在、会社や事業の買収もしくは売却を実施・検討した経営者は約6割にのぼることが明らかとなりました。売却理由では「撤退」のため売るという選択肢も見受けられましたが、買収理由としては「市場の変化への対応」や「自社のウィークポイントの補強のため」が多く選択されました。コロナ禍における緊急事態宣言をきっかけに、都心から離れた地方にある営業拠点の増設や取引先の確保をしていく動きが増えていたり、ひとつの業種にこだわらず事業の多角化戦略を図っていく、といったトレンドが反映されています。

 

今後ますます市場の変化が激しくなっていく中、企業の生き残り戦略としてのM&Aには成約までのスピードが早いことが求められていきます。加えて、コロナ禍を受けて突発的に財務状況が厳しくなったことを理由とする売却が増えており、正しい企業価値を見極められ、トラブルなくM&Aの交渉や実務を行える専門家のニーズは今後さらに高まっていくでしょう。

 

 

 

情報提供元:株式会社バトンズ

[解説ニュース]

共有物の分割で不動産取得税がかかるとき

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一 )

 

 

[関連解説]

■不動産の財産分与があった場合の不動産取得税

■不動産取得税の「相続による取得」を巡る最近のトラブル

 

1.はじめに


不動産の共有状態を解消する場合に行われるのが不動産現物の「共有物の分割」です。この場合、持ち分に応じて分割がされる等の所定の要件を満たすと、不動産取得税では形式的な所有権の移転等に当たるとして非課税となります。ただし、当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分の取得は除かれます(地法73条の7①2の3括弧書き、以下、持分超過部分規定という。)。今回は、分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分の取得について整理します。

 

2.平成13年の改正


不動産取得税は、土地や家屋の「取得」に課税される都道府県税です(地法73条の2①)。ただし、形式的に不動産の所有権を移転したものとされる所定の「取得」は非課税とされます(地法73条の7)。共有物である不動産を分割した場合についても、もともと「不動産の取得」として不動産取得税の課税対象に含められるのですが、平成13年の改正前の実務では、共有であった不動産を分割した場合、その分割が持分に応じて単純に分割するケースについては、通達によって非課税として運用されていました。

 

ところが、東京高等裁判所平成10年8月5日判決で、法に基づかない非課税事由を通達で設定することは税法上問題であると判示したことに伴い、通達の非課税措置を地方税法上明らかに規定することが求められた結果、平成13年に上記の持分超過部分規定が新設された経緯があります。

 

 

3.分割前持分の割合を超える部分の取得とは?


そこで、実務上問題となるのは、不動産取得税が課税される「当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分の取得」は、どのように認識されるか、ということです。

 

考え方は、①分割前の土地の評価額の持ち分の金額と②分割後に取得した土地の評価額を前提として、超過部分については、②の分割後の評価額が①の分割前の評価額の持ち分の金額より高い部分とするものです。ポイントは、①と②の金額をどのように算定するかという点です。この場合は通常、土地に固定資産税評価額がある場合にはその価格を、ない場合には改めて固定資産評価基準により評価した価格を用いることになります(地法73条の21①②)。

 

これについて、「地方税の施行に関する取扱いについて(道府県税関係)第5章・第1・5の2⑴」では、次のように注釈をつけています。

 

「持分の割合とは、原則として、不動産の価格の割合と解すべきものであるが、意図的に租税回避を図ろうとする意思が認められない場合については、不動産の面積の割合によっても差し支えないこと。」

 

 

4.最高裁の判決について


最高裁が原審を破棄して自判した令和2年3月19日判決は、兄弟で各々2分1の持ち分で遺贈を受けた1,200㎡弱の土地の分割が問題となったものでした。

 

具体的には、分割に際し相続税の財産評価基本通達に照らして差額が出ないように配慮し、620㎡弱と570㎡弱に分筆、兄が620㎡の方を取得したところ、分割後の土地の評価額に関し、地積比で約100万円分の持分超過部分があるとして不動産取得税が課税されたため、その取消しを求めて裁判に発展したものです。

 

一審は当初の課税処分を支持しましたが、二審では、分割前の一画地は、所有者が異なる土地をそれぞれ拠出している関係にあるため、分割後のそれぞれの土地の価格の割合で按分するのが公平、分割前の評価額を基に分割後の地積比で按分して兄の評価額を出すのは違法として、課税処分の取消を認容しました。

 

争点の重要なポイントは、分筆した土地が一体利用されていたことから、これを一画地として評価すべきか、それとも分筆後の土地ごとに評価すべきか、という点です。

 

これに対し最高裁は、問題の土地が一体として駐車場として利用されている事実関係があったことを前提に、分割後の土地の評価額は地積ベースですることと結論付けました。その理由の概要は次のとおりです。

 

「固定資産評価基準により、形状や利用状況からみて一体をなしていると認められる「隣接する2筆以上の宅地」は一画地として認定し評価することになるから、その単位面積当たりの評価額は、この土地全体に当てはまる。この場合の分割後の各筆の評価額は、単位面積当たりの評価額に分割後の各筆の地積を乗じることにより算出されるものというべき。」共有物分割のため分筆する際には、注意しておきたい判例でした。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/07/07)より転載

人手不足に対する企業の意識調査(2020年6月公開分)

 

 

 

◇栃木県「人手不足に対する企業の意識調査」(2020年4月)

正社員不足29.4%、急速に低下
~ 「過剰」とする企業、製造・小売などで増加 ~

※詳細はこちら

 

◇長野県「人手不足に対する企業の意識調査」(2020年4月)

正社員が「不足」は28.5%、「過剰」と同水準に低下
~企業の人手不足感が大きく変化、30%未満は6年9カ月ぶり~

※詳細はこちら

 

◇埼玉県「人手不足に対する企業の意識調査」(2020年4月)

正社員・非正社員とも人手「不足」が大幅に減少
~ 正社員・非正社員とも「過剰」が大幅に増加 ~

※詳細はこちら

 

◇愛知県「人手不足に対する企業の意識調査」(2020年4月)

正社員「過剰」が2.6倍増、人手不足感は急速に後退
~ 「製造」「卸売」は過剰が不足を上回る ~

※詳細はこちら

 

◇九州地方「人手不足に対する企業の意識調査」(2020年4月)

企業の人手不足感は急激に低下
~新型コロナウイルスの影響などで人手が過剰とする企業は前年同月比11.9ポイント増加~

※詳細はこちら

 

◇山梨県「人手不足に対する企業の意識調査」(2020年4月)

企業の人手不足感は急激に低下
~ 人手が過剰とする割合は増加 ~

※詳細はこちら

 

◇東北地方「人手不足に対する企業の意識調査」(2020年4月)

企業の人手不足感は急激に低下
~ 人手が過剰とする企業、5社に1社の割合へ急増 ~

※詳細はこちら

 

◇神奈川県「人手不足に対する企業の意識調査」(2020年4月)

企業の人手不足感、コロナ禍で急速に低下
~ 人手が「過剰」とする割合は急増、「飲食店」で顕著 ~

※詳細はこちら

 

◇茨城県「人手不足に対する企業の意識調査」(2020年4月)

新型コロナウイルスの影響で人手不足感は急激に低下
~正社員、非正社員ともにリーマン・ショック後に次ぐ落ち込み幅~

※詳細はこちら

 

◇近畿地方「人手不足に対する企業の意識調査」(2020年4月)

人手不足感は急激に低下、減少幅はリーマン越え
~ 人手が「過剰」とする割合は増加、特に「旅館・ホテル」で顕著 ~

※詳細はこちら

 

 

 

 

 

 

情報提供元(出所):株式会社帝国データバンク

[M&Aニュース](2020年6月15日〜6月26日)

◇小島鉄工所<6112>、創業家によるMBOで非公開化、◇東京製綱<5981>、中国のスチールコード生産子会社を現地社に譲渡、◇SBテクノロジー<4726>、クラウドワークス傘下でシステム開発の電縁を子会社化、◇ユニチカ<3103>、プラスチック成形加工子会社のコソフを譲渡、◇モブキャストホールディングス<3664>、トヨタ車のコンプリートカー企画・開発を手がける子会社「トムス」をT2に譲渡、◇ヒューマンホールディングス<2415>、プロeスポーツチーム「CREST GAMING」運営のACTRIZEから全事業を取得 ほか

 

 

小島鉄工所<6112>、創業家によるMBOで非公開化

小島鉄工所は26日、MBO(経営陣による買収)を実施し、非公開化すると発表した。同社会長・筆頭株主の児玉正蔵氏ら創業家出身の4氏が設立した新会社「児玉本社」(群馬県高崎市)がTOB(株式公開買い付け)を通じて全株式を目指す。小島鉄工所はMBOに賛成している。

同社は大型油圧プレス機のメーカー。現在、名古屋証券取引所第2部に上場しているが、3月の平均時価総額が5億円未満となり、上場廃止のおそれが出ている。このため、顧客や取引先に対する信用力の低下などから、受注に悪影響が及ぶ懸念が出ており、中長期的な成長を見据えた場合、非公開化により事業基盤を再構築する必要があると判断した。

MBOの主体となる児玉本社は小島鉄工所会長の児玉正蔵、正蔵氏の実兄の児玉恒二、児玉三郎(いずれも取締役相談役)、甥の児玉太郎の4氏が各25%を出資して設立した。

買付価格は1株あたり570円で、TOB公表前日の終値401円に42.14%のプレミアムを加えた。買付予定数は99万9050株。買付予定数の下限は所有割合67%に相当する66万9976株。買付代金は5億6945万円。児玉本社に出資する大株主4氏(所有割合は合計29.17%)はTOBに応募する。

買付期間は6月29日~8月12日。決済の開始日は8月19日。公開買付代理人はSMBC日興証券。

2019年11月期業績は売上高0.6%減の22億4800万円、営業利益74.4%減の2300万円、最終利益66%減の3400万円。今年2月にはやはり時価総額が回復せず、東証2部を廃止となった。

小島鉄工所は1809年に初代の小島弥平が朝廷から免許を得て鋳造所として創業したことを起源とする名門。1930年に合資会社、1936年に株式会社に改組。明治期には水圧機(水圧プレス)の国産第1号を開発したことで知られる。

東京製綱<5981>、中国のスチールコード生産子会社を現地社に譲渡

東京製綱は、傘下の東京製綱海外事業投資(東京都中央区。純資産15億5000万円)を、不動産開発などを手がける中国の大連光伸企業集団有限公司(遼寧省)に譲渡することを決めた。東京製綱海外事業投資は100%出資の中国子会社として、タイヤ補強材のスチールコードを製造する東京製綱(常州)有限公司(江蘇省。売上高約15億円)を抱える。新型コロナ感染の影響で受注が減り、工場の稼働を停止していたが、安定操業再開の見通しが立たないことから、現地での事業継続を断念した。

スチールコード事業についてはグループの東綱スチールコード(岩手県北上市)に経営資源を集中し、収益改善に努めるとしている。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年7月31日。

SBテクノロジー<4726>、クラウドワークス傘下でシステム開発の電縁を子会社化

SBテクノロジーは、クラウドワークス傘下でシステム開発を手がける電縁(東京都品川区。売上高24億1000万円、営業利益6500万円、純資産3億2900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。両社が強みとする通信業、自治体向けに次世代通信規格(5G)や電子自治体といった領域で事業拡大を目指す。

取得価額は14億4100万円。取得予定日は2020年7月10日。

SBテクノロジーは建設業や製造業を中心とした法人、官公庁、自治体向けのIT関連プロジェクトを手がけている。

電縁は2000年設立。クラウドワークスは2017年11月に電縁を子会社化し、通信業や自治体、生命保険業などを主要顧客とする各種システム開発を展開してきた。しかし、マッチング事業を取り巻く環境が副業解禁や新型コロナに端を発するテレワーク(在宅勤務)の普及で、大きな転換点を迎える中、中核事業のマッチング事業へ経営資源を集中することの重要度が高まったとしている。

ユニチカ<3103>、プラスチック成形加工子会社のコソフを譲渡

ユニチカは、プラスチック成形加工の全額出資子会社であるコソフ(京都府久御山町。売上高4億9800万円、営業利益200万円、純資産4億3500万円)の全株式を、自己株取得するコソフ(取得割合90%)と同社社長の谷浩一氏(同10%)に譲渡することを決めた。経営資源の集中の一環という。譲渡価額は3億2000万円。譲渡価額は2020年7月1日。

コソフは1984年に設立し、センサーなどに使われる構造部品、光学部品などの精密射出成形を主力としている。

モブキャストホールディングス<3664>、トヨタ車のコンプリートカー企画・開発を手がける子会社「トムス」をT2に譲渡

モブキャストホールディングスは、トヨタ車をベースとしたコンプリートカーの企画・開発などを手がける全額出資子会社のトムス(東京都世田谷区。売上高24億円、営業利益△2億7500万円、純資産2億5300万円)の株式80%を、T2(東京都世田谷区)に譲渡することを決めた。譲渡価額は8億円。譲渡予定日は2020年6月26日。

トムスは1974年に設立し、モブキャストが2018年2月に子会社化。以降、SUPRA、CENTURYといったトヨタ自動車を代表する車種のコンプリートカー(市販車をベースにチューニングを施し、インテリア、エクステリアを変更したオリジナルな完成車)の発売、グッズ拡充、公認ファンクラブの発足などの新施策を実施してきた。ただ、モブキャストグループとのシナジー(相乗効果)創出には時間をなお要すると判断し、保有株の20%を残して、他社に経営を委ねることにした。

ヒューマンホールディングス<2415>、プロeスポーツチーム「CREST GAMING」運営のACTRIZEから全事業を取得

ヒューマンホールディングスは子会社のヒューマンアカデミー(東京都新宿区)を通じて、プロeスポーツチーム「CREST GAMING」運営のACTRIZE(東京都千代田区)から全事業を取得することを決めた。今後成長が期待されるeスポーツ関連事業の強化が目的。取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月1日。

ヒューマンアカデミーは2019年からスポンサーとしてACTRIZEが運営する「CREST GAMING」を支援してきた経緯がある。

ヒューマンアカデミー傘下の全日制専門校の総合学園ヒューマンアカデミーは2020年4月からeスポーツを学べる「e-Sportsカレッジ」を開講しているが、今回、「CREST GAMING」事業を取り込むことにより、選手からの実践指導、授業カリキュラムの監修・作成、卒業生のチーム加入機会の提供などが可能になると期待している。一連の取り組みを通じて、eスポーツ業界の発展と業界で活躍する人材の輩出を目指す。

オリンパス<7733>、デジカメなどの映像事業を投資ファンドの日本産業パートナーズに譲渡へ

オリンパスは24日、デジタルカメラや交換レンズ、ICレコーダーなどの映像事業を投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP、東京都千代田区)に譲渡する意向確認書を締結したと発表した。赤字が続いている映像事業を新会社として分社化し、新会社の株式をJIPに売却する。今後、映像事業の抜本的な構造改革を実施したうえで、9月末までに最終契約を済ませ、年内の売却完了を目指す。

2020年3月期の映像事業の部門業績は売上高10.4%減の436億円、営業赤字103億円(前期は182億円の赤字)。映像事業の主力であるデジタルカメラはスマートフォンやタブレット端末の普及などに伴い、売上規模が年々縮小し、全社売上高に占める割合は6%に満たない。生産拠点の再編などのコスト構造見直しを進めたものの、収益改善が追い付かず、2020年3月期まで3期連続で営業赤字に陥っている。

三共生興、約30人の早期退職者を募集へ

繊維商社の三共生興は23日、グループ会社を含めて約30人の早期退職者を募集すると発表した。40歳以上の社員が対象。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、繊維アパレル市場を取り巻く先行き不透明な経営環境に対応するため、効率的な組織・人員体制の確立を目指す。募集期間は7月20日~31日。退職日は8月31日とする。

三共生興のほか、子会社の三共生興ファッションサービス、三共生興アパレルファッションから募集する。応募者には特別退職金を支給し、本人の要望に応じて会社負担による再就職支援を行う。

同社の2020年3月期業績は売上高14.6%減の233億円、営業利益94.9%減の9600万円、最終利益78.2%増の30億円。

日立化成、10月1日に「昭和電工マテリアルズ」に社名変更

昭和電工は23日、約9600億円を投じて子会社化した日立化成の社名を10月1日付で「昭和電工マテリアルズ」に変更すると発表した。日立化成は昭和電工によるTOB(株式公開買い付け)を通じた子会社化に伴い、6月19日付で東証1部から上場廃止となった。

日立化成は1962年に日立製作所から分離独立した化学メーカーで、半導体や自動車電池に使われる機能材料などに強みを持つ。日立によるグループ戦略の見直しや親子上場解消策を受け、昭和電工が日立化成の買収に動いた。買収金額約9600億円は昭和電工の連結売上高(2019年12月期9065億円)を上回り、社運をかけた大型M&Aとして注目された。

No.1<3562>、インターネット関連システム・アプリ開発のリライを子会社化

No.1はインターネット関連システム・アプリ開発のリライ(東京都渋谷区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。クラウドサービスを中心としたデジタル分野で新サービスの提供、新規顧客の開拓につなげる。取得価額は3699万円。取得予定日は2020年6月30日。

リライは2012年に設立。7月1日付で「No.1デジタルソリューション」に社名変更を予定している。

FIG<4392>、物流向けシステム開発のプライムキャストを子会社化

FIGは、物流向けシステム開発のプライムキャスト(東京都千代田区。売上高2億2700万円、営業利益708万円、純資産1億3300万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。コンテンツ開発の強化に向け、IT人材の確保などが狙い。

FIGは物流・タクシー・バス事業者向け音声・動態サービスやホテル向けマルチメディアシステムなどの月額サービス契約件数が20万件を突破するなど、顧客基盤の拡大に伴い、コンテンツ開発の強化が課題となっている。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月8日。

ガイアックス<3775>、海外マッチングサイト事業のロコタビを子会社化

ガイアックスは、マッチングサイト事業を手がけるロコタビ(東京都千代田区。売上高9730万円、営業利益△5760万円、純資産△2120万円)を子会社化することを決めた。株式を追加取得し、現在11.56%の持ち株比率を50.002%に引き上げる。シェアリングエコノミー関連サービスの拡充が狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月1日。

ロコタビは海外在住日本人に観光案内や現地サポート、ビジネス翻訳、食事アテンドなどを依頼できるマッチングサイト「ロコタビ」を運営している。

テクノホライゾン・ホールディングス<6629>、AV機器販売・設置工事のシンガポールEscoを子会社化

テクノホライゾン・ホールディングスは、AV機器・システムの販売や設置工事を手がけるシンガポールEsco Pte.Ltd.(売上高22億5000万円、純資産3億1800万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。海外事業強化の一環。取得価額は約13億円。取得予定日は2020年7月上旬。

Escoは1989年設立で、シンガポールのほか、マレーシア、中国、香港、フィリピン、韓国、タイ、インドに拠点を置く。

大和工業<5444>、韓国子会社の棒鋼事業を現地同業の大韓製鋼に譲渡

大和工業は、韓国子会社のワイケー・スチールコーポレーション(釜山市)が営む棒鋼事業を、現地鉄鋼メーカーのDaehan Steel (大韓製鋼、釜山市)に譲渡することを決めた。棒鋼事業を全額出資で設立する新会社「ワイケーエスカンパニーリミテッド」(釜山市)に移管したうえで、大韓製鋼が新会社の株式51%を取得する。分割する事業の直近売上高は559億円。株式の譲渡価額は41億1200万円。譲渡予定日は2020年9月8日。

大和工業は2002年に韓国にヤマト・コリア・スチールコーポレーション(現ワイケー・スチールコーポレーション)を設立し、韓宝釜山製鉄所の営業を譲り受け、同国で建設向けを主用途とするH形鋼など棒鋼事業を展開してきた。しかし、棒鋼市場の縮小や競争激化に伴い、新たな戦略パートナーが必要と判断し、現地での棒鋼事業を合弁運営に切り替えることにした。大韓製鋼は1954年に設立し、従業員は約420人。

オプトホールディング<2389>、動画広告配信子会社のリレイドをCMerTVに譲渡

オプトホールディングは、動画広告配信事業を手がける100%子会社のリレイド(東京都千代田区。売上高7億400万円、営業利益△1億3200万円、純資産2億9500万円)の全株式を、同業のCMerTV(東京都千代田区)に譲渡することを決めた。国内の動画広告市場は急速に拡大する一方で、厳しい競争にさらされ、業績が厳しさを増していた。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年6月30日。

オルトプラス<3672>、アクセルマーク<3624>からゲーム事業を取得

オルトプラスは、アクセルマークからゲーム事業を取得することを決めた。ソーシャルゲーム事業の基盤強化につなげる狙い。対象事業の直近業績は売上高7億3400万円、営業損失5億600万円(セグメント利益)。取得価額は協議中。取得予定は2020年9月。今回、オルトプラス、アクセルマークの両社は、新たな成長分野として期待されるブロックチェーン(分散型台帳)ゲームで協業体制を構築することでも基本合意した。

ウイルテック<7087>、ビジネスホンなどOA機器買取・販売のサザンプランを子会社化

ウイルテックは、中古ビジネスホンなどOA機器の買取・販売を手がけるサザンプラン(東京都新宿区。売上高5億3300万円、営業利益9700万円、純資産2億5900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。取得価額は5億9200万円。取得予定日は2020年6月23日。

サザンプランは2012年設立で、ビジネスホンを中心に仕入れ、メンテナンス、流通の収益モデルを確立し、再生、磨き、塗装といった独自の再生技術を強みに業績を伸ばしてきた。ウイルテックは技術者派遣事業をはじめ、電子部品の卸売りや制御機器ユニットなどの受託生産、修理サービス事業を展開している。サザンプランを傘下に取り込むことで、電子部品の販売力強化などを期待している。

オウケイウェイヴ<3808>、通訳・翻訳子会社のブリックスをMBOで譲渡

オウケイウェイヴは、通訳・翻訳子会社のブリックス(東京都新宿区。売上高9億3400万円、経常利益763万円、純資産6550万円)の全所有株式76.85%を、MBO(経営陣が参加する買収)を通じてブリックス出資組合(東京都新宿区)に譲渡することを決めた。譲渡価額は3億円。譲渡予定日は2020年6月28日。

ブリックス出資組合はブリックス株式の取得を目的に、ブリックス社長の吉川健一氏が中心となって設立した。

オウケイウェイヴは2012年にブリックスを子会社化した。しかし、AI(人工知能)、ブロックチェーン(分散型台帳)、情報セキュリティーの各技術を組み合わせたプラットフォーム事業に経営資源を集中する中で、訪日外国人向けサービスを手がけるブリックスについて好条件での売却を模索していた。

エムジーホーム<8891>、戸建分譲のTAKI HOUSEを子会社化

エムジーホームは、戸建分譲のTAKI HOUSE(川崎市。売上高50億3000万円、営業利益1億2600万円、純資産8億9500万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。エムジーホームは住宅事業でマンション分譲、注文住宅を手がけるが、新たに分譲住宅を取り込む。取得価額は8億9800万円。取得予定日は2020年7月。

TAKI HOUSEは2009年に設立し、神奈川・東京エリアを中心に年間100棟以上の戸建分譲住宅を手がける。東海地域を地盤とするエムジーホームは土地情報の共有を通じて、戸建住宅にとどまらず、マンション、オフィス、テナントビル、工場などで協業を進め、関東での事業拡大につなげる。

KLab<3656>、岡山事業所のゲーム事業をさくらソフトに譲渡

KLabは、岡山事業所(岡山市)で手がけるゲームの企画・制作・運営事業を、ゲーム開発のさくらソフト(千葉市)に譲渡することを決めた。モバイルオンラインゲーム市場が先進国を中心に成熟期を迎える中、ソフト・ハード両面から経営資源の再配分を進めており、その一環。

岡山事業所は2012年に子会社化したメディアインクルーズを前身とし、譲渡対象事業の直近売上高は6億8500万円。7月末に全額出資で設立する新会社「まかねソフト」(岡山市)に事業を移管し、この新会社の全株式をさくらソフトに譲渡する。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年8月1日。

SBIインシュアランスグループ<7326>、常口セーフティ少額短期保険を子会社化

SBIインシュアランスグループは、常口セーフティ少額短期保険(札幌市。売上高13億6000万円、経常利益5200万円、純資産5億300万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。傘下の既存4社との相乗効果を通じて、少額短期保険事業の拡大につなげる。常口セーフティは2008年に北海道で第1号の少額短期保険業者として営業開始し、賃貸住宅入居者向け災害時生活復旧費用保険を取り扱っている。取得価額は非公表。取得予定日は未定。

SBIインシュアランスグループは子会社のSBI少額保険ホールディングスを通じて、現在、SBIいきいき少額短期保険(東京都港区。死亡・医療保険、ペット保険、地震補償保険)、SBI日本少額短期保険(大阪市。賃貸向け保険、バイク・自動車保険)、SBIリスタ少額短期保険(東京都港区。地震補償保険)、日本アニマル倶楽部(仙台市。ペット保険)の4社を持つ。

JKホールディングス<9896>、合板・建材卸の井田商事を子会社化

JKホールディングスは合板・建材卸の井田商事(大阪市。売上高4億3600万円、営業利益800万円、純資産9900万円)の全株式を取得することを決めた。井田商事は1951年に設立し、大阪市内と大阪府北部を地盤とする。JKホールディングスは子会社のKEY BOARD(東京都江東区)を通じて傘下に収める。取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月1日。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

生前贈与がある場合の相続税申告の留意点

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(林 陽子/税理士)

 

 

[関連解説]

■特別縁故者に対する相続財産の分与と相続税

■贈与税の個人版事業承継税制の適用対象となる贈与者の要件

 

 

1. 相続開始前3年以内の贈与


(1)概要

相続又は遺贈により財産を取得した者が、被相続人から相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があるときは、被相続人の相続財産に贈与を受けた財産の額(贈与時の価額)を加算し、加算された者の相続税の計算上、その加算された贈与財産の価額に対応する贈与税の額を控除します。

 

但し、次の財産については加算する必要はありません。

 

①贈与税の配偶者控除の特例を受けている又は受けようとする財産のうち、その配偶者控除額に相当する金額
②直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち、非課税の適用を受けた金額
③直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち、非課税の適用を受けた金額
④直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち、非課税の適用を受けた金額(相続開始時に残額がある場合は、残額を相続財産に加算)

(国税庁HP・タックスアンサー「贈与財産の加算と税額控除」より抜粋・加筆/相続税法第19条)

 

(2)留意点

この規定は、相続又は遺贈により財産を取得した者が対象です。相続人であるかどうか、遺産を取得したかどうかだけで判断しがちですが、死亡保険金など相続税法において相続財産とみなされる財産を取得した者についても、この規定の対象となります。

 

判断を誤りやすいのは、次のような事例です。

 

(加算もれ)
・相続人でない孫が、遺贈により財産を取得した場合
・相続放棄した相続人が、死亡保険金を受け取った場合

 

(誤って加算)
・相続人であるが、遺産を取得せず、死亡保険金などのみなし相続財産も取得しない場合(生前贈与のみ有)

 

 

2. 相続時精算課税制度を適用した贈与


(1)制度の概要

相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の子又は孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。この制度を選択すると、その選択に係る贈与者から贈与を受ける財産については、その選択をした年分以降全てこの制度が適用されます。

 

また、この制度の贈与者である父母又は祖父母が亡くなった時の相続税の計算上、相続財産の価額にこの制度を適用した贈与財産の価額を加算し、加算された者の相続税の計算上、その加算された贈与財産の価額に対応する贈与税の額を控除します。

(国税庁HP・タックスアンサー「相続時精算課税制度の選択」より抜粋・加筆/相続税法第21条の15)

 

(2)留意点

この制度を選択した年分以降は、その選択に係る贈与者からの贈与については、暦年課税の基礎控除(110万円)は使えません。また、この制度の特別控除額(2500万円)以下の贈与で贈与税を納めていない場合や、申告をし忘れている場合でも、相続財産に加算する必要があります。贈与税の申告をしたかどうか、贈与税が課されたかどうかにかかわらず加算しますので、注意が必要です。

 

 

3. 加算する贈与財産の価額と控除する贈与税額


相続財産に加算する贈与財産の価額は、相続開始時の財産の状況にかかわらず、贈与時の価額によることとされています。

 

相続開始前3年以内の贈与については、「贈与により取得した財産の価額」と、相続時精算課税制度による贈与については、「適用を受けるものの価額」と規定されています。「申告書に記載した価額」ではありません(相続税法第19条①,第21条の15①)。

 

では、申告をした贈与財産の価額に誤りがあった場合、贈与税や相続税の申告はどうなるのでしょうか?

 

評価額が過大だった場合、贈与税の更正の請求ができる期限内であれば、更正の請求により贈与税を減額することができます(国税通則法第23条)。

 

評価額が過少だった場合、贈与税の更正(税務署が税額等を更正する手続き)の期限内であれば、速やかに修正申告することが必要です。修正申告書の提出が無い場合は、更正処分を受ける(税務署が税額等を職権で更正する)ことになります(国税通則法第19条,第24条)。

 

 

このように期限内に誤りに気付いた場合は、贈与税について正しい評価額を申告等したうえで、相続税の申告を行います。

 

なお、期限後に誤りに気付いた場合は、実際の申告がどうであれ、贈与財産の正しい評価額を相続財産に加算しますが、相続税額から控除する贈与税額は、「課せられた贈与税」とされているため、誤った評価額に基づく贈与税額(実際の申告額)を相続税額から控除することになります(相続税法第19条①, 第21条の15③)。

 

最近、相続時精算課税制度と事業承継税制を併用して、生前に非上場株式を贈与する事例が増えてきました。

 

生前に贈与した財産を相続財産に加算して相続税の申告をする際は、加算する贈与財産の価額が正しい価額であるかの確認が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/06/22)より転載

[解説ニュース]

地積規模の大きな宅地の適用要件の留意点

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(小関 祐子/税理士)

 

 

[関連解説]

■相続税の家屋評価をめぐる最近の裁判例から

■底地の相続税法上の評価 VS 不動産鑑定士による評価

 

 

1. 地積規模の大きな宅地の評価方法


平成29年9月の財産評価基本通達(以下「評価通達」という)の一部改正により平成30年1月1日以後の土地の評価において、評価通達24-4「広大地の評価」が廃止され、評価通達20-2として「地積規模の大きな宅地の評価」が創設されました。

 

下記2の適用要件に当てはまる評価対象地を下記の算式に基づいて評価することにより、廃止された広大地の評価方法と比較して評価が簡便的になり、かつ、適用地の判断が評価者ごとに異なってしまうケースを減らすことが可能となったのではないかと思われます。

 

 

<評価算式>

評価額=路線価×奥行価格補正率×不整形地補正率などの各種画地補正率×規模格差補正率×地積(㎡)

 

2. 地積規模の大きな宅地の適用要件


(1)三大都市圏においては500㎡以上、三大都市圏以外の地域においては1000㎡以上の地積の宅地であること

 

三大都市圏とは、次の地域をいいます。
①首都圏整備法第2条第3項に規定する既成市街地又は同条第4項に規定する近郊整備地帯
②近畿圏整備法第2条第3項に規定する既成都市区域又は同条第4項に規定する近郊整備区域
③中部圏開発整備法第2条第3項に規定する都市整備区域

 

 

(2)下記のいずれかに該当する宅地は、地積規模の大きな宅地から除かれます。

 

①市街化調整区域(都市計画法第34条第10号又は第11号の規定に基づき宅地分譲に係る同法第4条第12項に規定する開発行為を行うことができる区域を除く)に所在する宅地
②都市計画法の用途地域が工業専用地域に指定されている地域に所在する宅地
③指定容積率が400%(東京都の特別区においては300%)以上の地域に所在する宅地
④評価通達22-2に定める大規模工業用地

 

 

(3)路線価地域に所在するものについては、普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区に所在するものであること、倍率地域に所在するものについては、地積規模の大きな宅地に該当する宅地であれば対象となります。

 

※規模画地補正率の算出方法や倍率地域に所在する宅地の評価算式等については国税庁HPタックスアンサー№4609をご参照ください。

 

 

3. 地積規模の大きな宅地の適用要件の留意点


(1)非線引き区域の適用の有無

市街化区域でも市街化調整区域でもない場所に所在する宅地で地積や容積率等、地積規模の大きな宅地としての要件をすべて満たしている宅地は地積規模の大きな宅地の評価対象となります。都市計画区域に所在しないから適用なしと判断するのではなく、市街化調整区域ではないから適用ありの可能性について検討が必要です。

 

(2)三大都市圏に該当するか否かの判定

三大都市圏の範囲については2(1)の通り、首都圏整備法・近畿圏整備法・中部圏開発整備法の規定を用いています。また「地積規模の大きな宅地の評価」の適用チェックシートの(2面)に該当する市町村名が列挙されていますので照らし合わせれば容易に判定ができそうに思えます。しかし、首都圏で10市、近畿圏で58市町村、中部圏で3市について三大都市圏の該当範囲が「全域」ではなく「一部」となっており、欄外注釈には「評価対象となる宅地等が指定された区域に所在するか否かは、当該宅地等の所在する市町村又は府県にご確認ください」と記載されています。

 

例えば、神奈川県相模原市は政令指定都市でありながら「一部」に区分されています。理由は首都圏整備法に規定される既成市街地及び近郊整備地帯は昭和47年9月1日における行政区画その他の区域に基づいて作られており、平成18年から19年にかけて既成市街地又は近郊整備地帯として指定済の市町村と指定外の市町村が合併し新相模原市が誕生した結果、一部のみが三大都市圏の対象となる市に区分されることとなりました。このように一部となっている市町村については合併の有無などを確認することにより判定の手掛かりを得ることができるようです。

 

(3)その他

京都市が提供している都市計画情報では既成都市区域から外れているが、近畿圏整備法では既成都市区域に指定されている区域があります。この区域にある宅地は整備法において規制都市区域に規定されているわけですから、500㎡以上で地積規模が大きな宅地の評価対象地となります。京都市の都市計画情報のみを確認して1000㎡に満たないからと地積規模の大きな宅地の対象から除外したりしないように十分な調査が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/06/15)より転載

[M&Aニュース](2020年6月1日〜6月12日)

◇三井E&Sホールディングス<7003>、艦艇事業を三菱重工業<7011>に譲渡へ、◇富士山マガジンサービス<3138>、CS放送番組制作・サイト運営受託子会社の103Rを田島直樹社長に譲渡、◇GA technologies<3491>、中国NeoX Chinaグループから中華圏向け不動産サイト「神居秒算」事業を取得、◇アルプス技研<4641>、ソフト開発と技術者派遣のデジタル・スパイスを子会社化、◇ライク<2462>、子会社のライクキッズ<6065>をTOBで完全子会社化ダスキン<4665>、いちごHDグループから宅配ピザ事業を取得 ほか

 

 

三井E&Sホールディングス<7003>、艦艇事業を三菱重工業<7011>に譲渡へ

三井E&Sホールディングスは12日、傘下の三井E&S造船(東京都中央区)が手がける艦艇事業の譲渡に関し、三菱重工業と協議を始めることで基本合意したと発表した。経営再建に向けた事業構造改革の一環。12月末をめどに最終契約書を締結し、2021年10月の譲渡完了を目指す。

三井E&Sホールディングスは三井E&S造船を通じて展開する造船事業について、千葉工場(千葉県市原市)で商船建造からの撤退をすでに決定。今回、譲渡対象となる艦艇事業は玉野艦船工場(岡山県玉野市)が手がけている。三菱重工への事業譲渡後も防衛省を中心とする船舶の建造・修繕は玉野艦船工場で継続する予定としている。

三菱重工は防衛産業の国内トップで、戦車や艦艇、戦闘機など陸海空をフルにカバーしている。三井E&Sは防衛省向け護衛艦、海上保安庁向け巡視船などで実績を持つ。

富士山マガジンサービス<3138>、CS放送番組制作・サイト運営受託子会社の103Rを田島直樹社長に譲渡

富士山マガジンサービスは、CS放送の番組制作などを手がける子会社の103R (東京都港区。売上高8530万円、営業利益△1180万円、純資産310万円)の株式72.1%を同社社長の田島直樹氏に譲渡することを決めた。富士山マガジンは2018年11月に103Rを子会社化したが、103Rの業績が低迷するなど、グループ内で事業を存続することは難しいと判断した。譲渡価額は629円。譲渡予定日は2020年6月26日。

103RはCS放送の番組制作や広告関連サービスを目的に2016年に設立。富士山マガジンの傘下に入ったのに伴い、新事業として同社から雑誌記事紹介サイト「マガジンサミット」、PRマッチングサイト「メディキュレ」の運営業務を受託した。

今回、103R社長の田島氏から祖業であるCS放送の番組制作と広告関連サービスに専念して事業を継続したいとの要望があったという。「マガジンサミット」と「メディキュレ」の運営については富士山マガジンが直接行うこととし、103Rの一部従業員を採用する。また、富士山マガジンは103Rの株式10.1%を引き続き保有する。

GA technologies<3491>、中国NeoX Chinaグループから中華圏向け不動産サイト「神居秒算」事業を取得

GA technologiesは、中国の淼瀛(上海)信息技術有限公司(NeoX China、上海)グループが日本と中国で運営する不動産サイト「神居秒算」事業を取得することを決めた。海外向け不動産サービスの開始が狙い。「神居秒算」は中華圏の投資家向けに日本の不動産情報を提供し、掲載物件数は約1万2000件。

「神居秒算」は現在、NeoX Chinaが中国で、同社の何書勉社長が個人で設立したNeoX Japan(東京都渋谷区)が日本で共同運営しているが、NeoX China、NeoX Japanの両社は今後、AI(人口知能)事業に専念する。これに伴い、GA が両社の「神居秒算」事業を取得することにした。

NeoX ChinaとNeoX Japanは「神居秒算」事業をそれぞれ新会社に移管し、GAが新会社の株式を取得する形となる。取得価額は日中合計で約12億2500万円。取得予定日は2020年7月末。

アルプス技研<4641>、ソフト開発と技術者派遣のデジタル・スパイスを子会社化

アルプス技研は、ソフト受託開発と技術者派遣のデジタル・スパイス(長野県諏訪市。売上高11億7000万円、営業利益2580万円、純資産1億1700万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。デジタル・スパイスは2001年に設立。宇宙小型探査機の開発に協力した実績を持つ。取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月1日。

ダスキン<4665>、いちごHDグループから宅配ピザ事業を取得

ダスキンは、いちごホールディングス(HD、仙台市)と同社子会社のストロベリーコーンズ(同)が展開する宅配ピザ事業を取得することを決めた。「ミスタードーナツ」に次ぐフード事業の育成に向けた取り組みの一環。ダスキンは7月に受け皿となる新会社を設立する。対象事業(ピザ生地の製造販売、直営店運営、FC店管理など)の直近売上高は34億5200万円。取得価額は非公表。取得予定日は2020年11月1日。

ダスキンは2016年にいちごHD傘下のストロベリーコーンズと業務提携し、ストロベリーコーンズの「ナポリの窯」(ピザ商品)をミスタードーナツ店舗で販売してきた。同商品の販売を加速するため、事業取得に動くことにした。

ライク<2462>、子会社のライクキッズ<6065>をTOBで完全子会社化

ライクは、連結子会社のライクキッズに対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。現在50.1%の株式を所有しているが、全株を取得して完全子会社化を目指す。ライクキッズはTOBに賛同を表明している。TOBに上限を設定しておらず、TOB成立後ライクキッズは上場廃止となる見通し。

ライクは保育事業を手掛けるライクキッズを完全子会社化し、保育士の確保や保育施設の新規開設、サービス品質の向上など経営課題の克服を目指す。また、グループからの財務支援や信用力の補完、株式の非公開化によるコスト削減も見込んでいる。

買付価格は1株1005円。TOB公表前営業日の対象株式の終値768円に対して30.86%のプレミアムを加えた。買付予定数は523万136株で、下限は124万205株(所有割合11.83%)。応募が下限に満たない場合は買い付けを実施しない。買付予定額は最大52億5628万6680円。

買付期間は2020年6月10日から7月21日まで。決済の開始日は7月29日。公開買付代理人はSMBC日興証券。

アークランドサカモト<9842>、ホームセンター中堅のLIXILビバを約1085億円で買収へ

アークランドサカモトは9日、同業でホームセンター中堅のLIXILビバ(東証1部)を買収すると発表した。TOB(株式公開買い付け)などを通じて全株式を約1085億円で取得し、完全子会社化する。TOBで46%近い株式を買い付け、そのうえで親会社のLIXILグループが所有する残りの全株式についてLIXILビバが自己株取得する。アークランドはLIXILビバに自己株取得のための資金を提供する。

アークランドは新潟県を中心にホームセンターを展開しているが、LIXILビバを傘下に取り込み、首都圏での事業を一気に拡大する。一方、LIXILグループは主力の建材・住宅設備機器事業に経営資源を集中するため、非中核事業を切り離す。

LIXILビバ株式についてはLIXILグループが53.22%、アークランドが1.33%を所有しており、残る45.45%を買付予定数(1995万5693株)とする。買付価格は1株あたり2600円で、TOB公表前日の終値2506円に3.75%のプレミアムを加えた。買付代金は518億8500万円。買付予定数の下限は所有割合12.12%に設定(LIXILグループとアークランドの所有する株式を合わせると、所有割合は3分の2に相当)。

LIXILビバはTOBに賛同を表明している。買付期間は6月10日~7月21日、決済の開始日は7月30日。公開買付代理人は野村証券。

LIXILグループが所有するビバ株式についてはTOB成立後、ビバが1株2423円で自己株式取得を実施する。実施時期は11月頃を予定。所要金額は約566億円で、アークランドが資金提供する。一連の買収資金としてアークランドは三井住友銀行から1096億円(上限)の融資を受ける。

直近売上高はアークランドサカモトが1126億円(2020年2月期)、LIXILビバが1885億円(20年3月期)。アークランドは、とんかつ専門店「かつや」で知られるアークランドサービスホールディングスを上場子会社に持つ。

西華産業<8061>、三菱重工エンジン&ターボチャージャから国内船舶用エンジン販売・サービス事業を取得

西華産業は、三菱重工エンジン&ターボチャージャ(神奈川県相模原市)とその子会社の三菱重工エンジンシステム(東京都品川区)が手がける国内船舶用エンジン販売・サービス事業を取得することを決めた。対象事業は売上高82億円、従業員数170人、国内拠点数20。西華産業は子会社の敷島機器(札幌市)が北海道地区で展開している船舶用エンジン販売・サービス事業の拡大策をかねて模索していた。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年10月1日。

西華産業は三菱系機械商社で、現在、三菱日立パワーシステムズが筆頭株主。

アイスタイル<3660>、美容・化粧品Eコマースのマレーシア子会社Hermoを譲渡へ

アイスタイルは、美容・化粧品のEコマース(電子商取引)サイトを運営するマレーシア子会社のHermo Creative (M) Sdn. Bhd.(売上高8億5300万円、営業利益△7200万円、純資産4600万円)の全保有株式(所有割合83.1%)を譲渡することを決めた。経営資源の選択と集中の一環。ただ、譲渡先、譲渡日程などは現時点で未定。

ぱど<4833>、地域情報誌のマーケティング子会社のリビングプロシードを譲渡へ

ぱどは、地域情報誌のマーケティング業務を手がける全額出資子会社のリビングプロシード(東京都千代田区。売上高68億2000万円、営業利益△200万円、純資産7億4800万円)の全株式を譲渡することを決めた。株式譲渡に関する基本合意書を締結したが、譲渡先は非公表。譲渡価額は7億5000万円。譲渡予定日は2020年8月10日。手元資金を確保し、構造改革を早期かつ確実に進めるとしている。

リビングプロシードは2018年に、RIZAPグループ傘下のサンケイリビング新聞社から地域情報誌の配布・流通などの事業を引き継いだ。RIZAPグループにおける機能集約を狙いとしたが、ぱどが昨年末、RIZAPグループから離れたことなどから、他社媒体の配布機能を担うリビングプロシードの切り離しによる財務状況の改善を検討していた。

ぱど、希望退職者の追加募集に73人応募

ぱどは4日、希望退職者の追加募集(70人程度)に73人の応募があったと発表した。同社は主力のフリーペーパー事業の業績不振に伴う構造改革の一環として、5月中旬に100人程度の希望退職者の募集を実施(応募105人)した。しかし、足元の業績が当初想定を大きく下回る状況となっていることから、一層のコスト削減を推し進めるため、5月28日~6月3日を期間として希望退職者の追加募集に踏み切った。

クスリのアオキホールディングス<3549>、金沢市内で食品スーパー5店舗運営のナルックスを子会社化

クスリのアオキホールディングス(HD)は、食品スーパーを金沢市内で5店舗運営するナルックス(金沢市。売上高48億7000万円)の株式89.84%を取得し、子会社化することを決めた。クスリのアオキHDは北陸最大手のドラッグストア。ドラッグストアのヘルス&ビューティーや日用品と、食品スーパーならではの新鮮な食材の品ぞろえを組み合わせ、顧客利便の高い店舗づくりにつなげる。

取得価額は非公表。取得予定日2020年6月30日。

ナルックスは1964年設立で、60年近い業歴を持つ。クスリのアオキHDは両社の強みが生かせるようナルックスの店舗の改装を進めるほか、福井県内の「クスリのアオキ」大型店では鮮魚テナントとしてナルックスの出店を予定している。

クスリのアオキHDは主力地盤の北陸をはじめ、信越、関東、東海、近畿、東北の20府県にドラッグストア626店舗(うち調剤薬局併設294店舗)、専門調剤薬局6店舗の合計632店舗を展開している。近年、食品販売に力を入れており、大型店では生鮮3品(魚、肉、野菜)も取り扱っている。

ケーヒン<7251>、自動車用空調製品製造の中国子会社「京濱大洋冷暖工業」を現地社に譲渡

ケーヒンは、自動車用空調製品を製造・販売する中国子会社の京濱大洋冷暖工業(大連)有限公司(大連市。売上高127億円、営業利益4億6000万円、純資産51億円)の全持ち分(所有割合約55%)を、現地同業のSONGZ AUTOMOBILE AIR CONDITIONING(上海市)に譲渡することを決めた。譲渡価額は約11億円。

譲渡は2段階で行い、第1回分が2020年8月31日、第2回分が9月初旬となる見通し。

京濱大洋冷暖工業は1993年に設立した合弁企業で、現在、ケーヒン子会社のケーヒン・サーマル・テクノロジー(栃木県小山市)が持ち分の過半以上を持つ。

日本電波工業<6779>、SAWフィルター事業子会社のNDKを中国投資会社に譲渡

日本電波工業は弾性表面波(SAW)フィルター事業の全額出資子会社NDK SAW devices(北海道函館市)の株式51%を、中国の投資会社Jiaxing Jiawang Investment Partnership(浙江省)に譲渡することを決めた。SAWフィルターは携帯電話など情報通信機器に搭載される重要部品で、中国市場での需要拡大に対応するため、新たなパートナーを通じた事業展開を検討していた。譲渡価額は約35億円。譲渡予定日は2020年8月31日。

SAWフィルターは多様な電波の中から必要な信号だけを取り出す。日本電波は1979年にニオブ酸リチウムを用いた製品の事業化に成功した。

NDK SAW devices は中国企業との合弁運営を前提として今年5月に、子会社の函館エヌ・デー・ケー(北海道函館市)で手がけてきたSAWフィルター事業を分社して設立した。12月31日にNDK SAW devices株式の24%を追加でJiaxing Jiawangに譲渡し、日本電波の持ち株比率は最終的に25%となる予定。

RVH<6786>、レディースウエア卸販売のラブリークィーンをJroutに譲渡

RVHは、レディースウエア卸販売のラブリークィーン(岐阜市)の全株式を、衣料品販売のJrout(大阪市)に譲渡することを決めた。2018年2月に、旧ラブリークィーンの服飾事業を継承した新設子会社(現・ラブリークィーン)を傘下に収めたが、業績改善が進んでいないうえ、足元の業績も新型コロナウイルスの感染拡大の影響で急速に悪化していた。譲渡価額は1000万円。譲渡日は2020年6月3日。

RVHはラブリークィーン株式譲渡にかかる売却損失4億6000万円と債権放棄損7億4200万円を特別損失として2021年3月期第1四半期に計上する予定。

バルクホールディングス<2467>、サイバーセキュリティートレーニングの米国事業をライセンス元のイスラエル企業に譲渡

バルクホールディングス(HD)は、米国子会社を通じて展開している米でのサイバーセキュリティートレーニング事業に関するライセンス・設備などを、イスラエルのサイバージムに譲渡する。バルクHDはサイバージムとの独占的ライセンス契約に基づき、2019年夏に米ニューヨーク州と東京都内にトレーニング施設を開設し、事業に乗り出したが、固定費負担が大きい米では収益化の見通しが立たない状況にあった。

バルクHDの米子会社であるStrategic Cyber Holdins LLC(SCH、デラウェア州)がこれまで日本と米でサーバーセキュリティートレーニング事業を手がけてきたが、今回の事業譲渡に伴い、米での展開は今後、サイバージムが引き継ぎ、バルクHDは日本と近隣アジアでの事業を担当する。これを受け、バルクHDが70%、サイバージムが30%出資する合弁会社を設立する。

対象事業の譲渡価額は330万ドル(約3億5600万円)。譲渡契約は遅くとも2020年12月までに締結される予定。

今回の取引で見込まれる譲渡損失7900万円は2020年3月期に減損損失として計上した。

新生銀行<8303>、ニュージーランド最大手のノンバンクUDC Financeを子会社化

新生銀行は2日、ニュージーランド最大手のノンバンク、UDC Finance(オークランド)を買収することで合意したと発表した。現地大手銀行ANZ Bank New Zealand(同)が保有する全株式(所有割合100%)を8月末に取得する。小口ファイナンス分野の事業強化が狙いで、経済成長が続くニュージーランドを有望市場とみている。取得価額は8月末のUDCの純資産額に1億2500万ニュージーランドドルを加算した額とする。3月末時点の純資産額(6億3700万ニュージーランドドル)に基づくと、取得価額は約515億円。

UDCは1938年に設立。1980年以降はANZ傘下で、個人向け自動車ローン、法人向け(運輸、林業、建設業など)資産担保ファイナンス、オートディーラーに対する在庫ファイナンスに強みを持つという。従業員は225人(2019年9月末)。ニュージーランド全土に営業拠点を展開し、個人約5万8000人、法人約2万4000社の顧客基盤を持つ。

新生銀行は小口ファイナンスを重点分野の一つに位置づける。傘下の昭和リースやアプラスを通じて、UDCと同様な事業を日本国内で行っている。

芝浦機械、希望退職者の募集期間を6月末まで延期

芝浦機械(東芝機械)は1日、希望退職者の募集期間を6月末まで延長すると発表した。当初予定の募集期間は3月中旬~4月上旬。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務や交代勤務などの実施で、従業員との希望退職に関する意思疎通が十分に行えない可能性が出ているのに呼応した措置。200~300人程度とする募集人員に変更はない。

UTグループ<2146>、日立グループ傘下でエレベーター設計・製造請負などの水戸エンジニアリングを子会社化

UTグループは、日立グループ傘下でエレベーター・エスカレーターの設計・製造請負やエンジニア派遣などを手がける水戸エンジニアリング(茨城県ひたちなか市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。UTグループは製造業派遣・請負の大手。日立グループとの関係強化を通じて技術者派遣領域の事業拡大につなげる。

水戸エンジは2001年設立で、日立ビルシステム(東京都千代田区)の100%出資子会社。取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月1日。

ココカラファイン<3098>、千葉県でユーエス・ケミカルの調剤薬局1店舗を取得

ココカラファインは、ユーエス・ケミカル(千葉県松戸市)が千葉県内で営む調剤薬局1店舗を1日付で取得した。取得価額は非公表。地域に集中出店するドミナント戦略の一環。

クロスプラス<3320>、「授乳ブラジャー」のローズマダムからマタニティーウエア事業を取得

クロスプラスは、ローズマダム(東京都墨田区)が展開するマタニティーウエアの企画・販売事業の一部を1日付で取得した。ローズマダムは業界で初めて商品化した「授乳ブラジャー」で知られる。クロスプラスはレディースアパレルを中心にメンズアパレル、キッズアパレル、服飾雑貨などの卸売りを主力とする。マタニティージャンルを取り込むことで、既存事業との補完関係が期待できると判断した。

取得価額は非公表。

穴吹興産<8928>、「和の宿 ホテル祖谷温泉」を運営する祖谷渓温泉観光など2社を子会社化

穴吹興産は、「和の宿 ホテル祖谷温泉」(全20室)を運営する祖谷渓温泉観光(徳島県三好市。売上高3億6400万円、営業利益571万円、純資産2億700万円)の株式約98%を取得し子会社化することを決めた。観光関連事業の拡大戦略の一環。穴吹興産は子会社を通じて香川県と岡山県でホテル5・旅館1施設を展開するほか、四国八十八カ所巡礼の旅をはじめトラベル事業に力を入れている。

祖谷温泉のエリアは「大歩危祖谷温泉郷」ブランドで知られる。穴吹興産は今回、祖谷渓温泉観光と合わせて、現地でケーブルカーを運営する祖谷温泉(高松市。売上高2930万円、営業利益252万円、純資産1億円)の全株式を取得する。祖谷渓温泉観光、祖谷温泉は兄弟会社の関係にあり、筆頭株主の植田佳宏氏が両社の社長を務める。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月1日。

東洋ドライルーブ<4976>、破産手続き中の萬松(東京都新宿区)から九州事業所を取得

東洋ドライルーブは、萬松(東京都新宿区)の九州事業所(大分県中津市)を取得することを決めた。九州事業所は1977年に開設し、自動車内外装部品の組み立て・塗装、塗料販売を手がける。販路の重複がなく、事業拡大に向けてシナジー(相乗効果)が見込めると判断した。萬松は今年4月末、東京地裁から破産手続きの開始決定を受け、スポンサー企業を募っていた。

取得予定日は2020年7月1日

エスプール<2471>、カーボンオフセット事業のブルードットグリーンを子会社化

エスプールは、エコノス傘下でカーボンオフセット事業を手がけるブルードットグリーン(東京都千代田区)の株式70%を取得し子会社化することを決めた。環境ビジネス領域での事業拡大が狙い。ブルードットグリーンは2011年設立で、温暖化対策の一環であるカーボンオフセット事業で大手企業を中心に約60社と取引関係にある。

エスプールは障がい者ら相対的に雇用機会が少ない人々の就労支援、地方創生など社会課題を解決するソーシャルビジネスに取り組んでいる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年6月5日。

東京一番フーズ<3067>、豊田から「寿し常」26店舗を取得

東京一番フーズは、豊田(東京都豊島区)が運営する寿司チェーン「寿し常」など首都圏26店舗の事業を1日付で取得した。豊田は1964年に設立。取得価額は非公表。東京一番フーズは「とらふぐ亭」「魚王KUNI」などの料理店を首都圏を中心に展開し、子会社を通じて平戸養殖場のブランド魚「平戸極海一番まぐろ」など水産品の販売を手がけている。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

土地区画整理事業の施行区域内にある宅地の相続税評価額

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(芦沢 亮介/公認会計士・税理士)

 

 

[関連解説]

■相続税の家屋評価をめぐる最近の裁判例から

■底地の相続税法上の評価 VS 不動産鑑定士による評価

 

 

1.土地区画整理事業とは


土地区画整理事業とは、都市計画区域内の土地について、公共施設(道路、公園等)を整備改善し、土地の区画を整え宅地の利用の増進を図るため、都道府県・市町村・土地区画整理組合などが、土地区画整理法に従って施行する事業をいいます。その事業では地権者からその権利に応じて少しずつ土地を提供してもらい、この土地を道路等の公共用地に充てる他、その一部を売却して事業資金の一部に充てることになります。地権者においては、その事業後の宅地地積は従前に比べて小さくなりますが、道路や公園等の公共施設が整備され、土地の区画が整うことにより、利用価値の高い宅地を得ることができます。そして、事業の施工期間は10数年~と長期間に渡ることが多く、進捗状況に応じて宅地の評価方法が異なります。

 

2.土地区画整理事業の大まかな流れ


 

3.土地区画整理事業の施行区域内にある宅地の評価


【2.①の段階の相続税評価の方法】

土地区画整理事業の計画を策定し、換地設計(当事業前の土地(従前の宅地)に対して、どのような換地を定めたらよいかの計算をして図面に割込み、換地の案(換地図)を作成すること)が行われる段階では、宅地は「従前の宅地」の価額により評価します。

 

【2.②の段階の相続税評価の方法】

施行区域内の地権者が新しく割り当てられる土地を「換地」と言います。工事完了後に地区内のすべての換地を、その位置形状に基づいて登記する行政処分を「換地処分」といいます(2.③④の段階)。しかし、施行区域の土地は広いため場所によって工事の完了時期は大きく異なります。よって、先に工事が終わった土地の使用を目的として、換地処分を行う前に「仮に」換地を指定することを「仮換地の指定」と言います。仮換地の指定により、換地設計に基づいて新しく使える仮換地の位置・形状・地積が指定されます。

 

仮換地の指定が行われた宅地は、状況によって相続税評価の方法が異なります。❶仮換地の使用収益が開始されている場合は、「仮換地」の価額で評価します。❷仮換地の造成工事が施行中であり使用収益が開始されていない場合は、課税時期から工事が完了するまでの期間が1年以内であれば上記の「仮換地」の価額で評価しますが、その期間が1年を超えると見込まれる場合には、仮換地の評価額の100分の95相当額により評価します。❸造成工事が未着手であり、かつ、土地区画整理法第99条第2項の規定により仮換地について使用又は収益を開始する日を別に定めるとされているため、その仮換地について使用又は収益を開始することができない場合には、「従前の宅地」の価額で評価することになります(財基通24-2)。

 

【2.③の段階の相続税評価の方法】

全体の工事が終わったら確定測量を行い、換地計画(事業の施行者が換地処分を行う場合に、従前の宅地が整理後どのような換地になるのかを定める計画をいう。)を定めて換地の権利関係を確定し、従前の宅地と換地の価格差を調整するための清算金の額を定めます。換地処分により徴収又は交付されることとなる清算金のうち、課税時期において確実と見込まれるものがあるときには、その金額を評価上考慮して、徴収されるものは「仮換地の価額」から減算し、交付されるものは加算して評価します(国税庁質疑応答事例「土地区画整理事業施行中の宅地の評価」)。

 

【2.④の段階の相続税評価の方法】

知事が換地処分の公告を行うことで土地区画整理事業に係る債権債務関係が確定し、仮換地に対する権利関係は換地へ移ります。この段階では宅地は「換地」の価額で評価することになります。

 

【その他の評価方法】

上記の評価方法を一律に適用することが適当ではない状況がある場合には、税務署に対して個別評価申請を行って評価するものとされており、評価対象地の財産評価基準書(路線価図等)に、個別評価である旨が記載されています。但し、個別評価の申請先は個別評価を行う評定担当税務署であり、納税地を所轄する税務署ではない場合もあります。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/06/11)より転載