[解説レポート]

オーナー経営者による財団法人への株式の寄附

 

[解説]

税理士法人山田&パートナズ 税のシンクタンク事業部 天木雪絵

 

[内容]

Ⅰ はじめに 

Ⅱ 社会貢献活動を行う財団法人とは

1.社会貢献活動に適している財団法人

2.財団法人の持ち主は誰か

Ⅲ 自社株を財団法人に寄附する場合の優遇税制 

1.自社株を個人から財団法人へ寄附をする場合の優遇税制(譲渡所得等の非課税の特例)

2.この非課税の特例を受けるにあたっての要件

Ⅳ 寄附を行うオーナー経営者に求められる2つの覚悟

1.財団法人への寄附による相続税対策と、自社株の所有権を手放すことについての覚悟

(1)財団法人に株式を所有させることによって生まれる相続税対策とは

(2)自社株の所有権を手放すことについての覚悟

2.長期保有をもたらす安定株主対策と、社会貢献活動を実施し続けなければならないという覚悟

Ⅴ.終わりに 

 

Ⅰ.はじめに 

上場会社の株主名簿を見ると、公益財団法人や一般財団法人が株主として載っ ているケースが散見される。 上場会社の上位 30位までの株主名簿上に公益財団法人や一般財団法人を有する上場会社の数は、2019年 6月時点で確認できただけでも 242社あった(図 1)。日本で 3600社以上ある上場会社のうちの242社は決して多いというわけではないかもしれないが、これらの財団法人が所有する 1 銘柄あたりの上場株式の時価は平均でも120億円を超えており(図 2)、その資産規模は非常に大きなものとなっている。 このような、会社の株式を有する財団は「財団株主」と呼ばれることも多いが、企業のオーナー経営者からその所有する株式の寄附を受けて、これを法人財産の主要な基盤とし、その株式から得られる配当金を財源として社会貢献活動が行われているケースも多い。

 

 

 

 

 

こうした財団などの民間主体による社会貢献活動については、国もこれを促進しているところであり、近年行われた改革では従来の主務官庁主導の体制から法人自治を広く認める新しい公益法人制度を整備するとともに、税制面でも各種優遇措置を設けて十分な社会貢献活動が行えるよう支援している。

 

海外でも巨額の自社株を持つに至った創業者が自己で設立した財団に自社株を寄附し、大規模な慈善活動を行っていると話題になることが多く、日本でも所有する自社株の価値が大規模となっているオーナー経営者の中には、手元の自社株を財団に寄附し、自ら社会貢献活動を行うことに興味をもつ者も多いのではないだろうか。

 

また、このような社会貢献活動への関心に加え、財団法人という別人格に株式を移転し、これを法人内に留めて社会貢献活動の基盤とする、という仕組みがオーナー経営者の相続税対策、株式の分散防止や安定株主対策に非常に有効に機能するとの認識がひろがっており、このことが株式会社の経営とは別に、社会貢献活動を通して世の役に立ちたい、自分の想いを形にしたい、との意向を持つ経営者の財団設立を後押しするものとなっている。その結果が、冒頭の集計にみるような大きな規模の財団法人の誕生を促す結果になったと考えられ る。

 

それならば、社会貢献活動ができて、相続税対策や安定株主対策にも役立つものとして、積極的に財団をつくればいいとの考えに至るかもしれない。しかし、社会貢献活動を行うと同時に相続税対策や安定株主対策の効果を得ようとする場合には、高い公益性をもった社会貢献活動が継続的におこなわれることを担保しようとする「公益法人制度」の活用と、社会貢献活動の促進のために設けられている優遇措置が節税のために利用されることを抑制しようとする「税法」からの制約を受け入れることとなる。 そして、税制上の優遇措置を受けるうえでの制約の内容が、財団法人の運営に大きな影響を与えるものとなっているため、これを受け入れるにあたっては、経営者にはいくつかの覚悟が必要となる。 どのような仕組みや制約が、相続税対策や安定株主対策につながるのか。そしてそこから必要となる覚悟とはどのようなものだろうか。財団法人の仕組みと、それに対する優遇措置の具体的な内容や要件を明らかにしながら、その覚悟の内容を整理する。

 

 

Ⅱ 社会貢献活動を行う財団法人とは

1.社会貢献活動に適している財団法人

株主名簿にたびたび登場する「財団法人」は、自分の財産を社会貢献活動に役立ててほしい等の理由で拠出される財産を受け入れて、これを運用する法人で、その拠出された「財産の集まり」に対して法人格を与えられたものをいう。この財産を拠出した設立者が作成した定款と設立趣意に従い、理事が運営を行い、さらに評議員がこれを監督することにより法人の活動が進められる。 よくある形態としては、創業者がその有する自社株を財団法人に寄附をして、創業者自ら代表理事となって法人運営に入り、自社株の配当金を財源に育英事業や研究助成事業などの社会貢献活動に執り行う。さらに評議員として、地域の名士やその活動分野の大学教授などに入ってもらい、法人運営の監督が行われるといったケースが多くみられる。 この財団法人の最大の特徴は、利益の配当を目的としないことにある。オーナーへの還元のために利益を獲得し配当することを至上命題とする営利法人とは異なり、その収益を十分に公益のために還元することができるため社会貢献活動を行うのに適した法人として位置付けられている。

 

2.財団法人の持ち主は誰か

この財団法人が株式会社と最も大きく違う点は、財団法人には「持分」という概念がないことである。株式会社は、「株式」と呼ばれる持分を所有する「株主」が会社の本来の所有者(オーナー)であり、会社で獲得した利益は、配当金として「株主」に還元される。また、この持分としての「株式」は財産的価値を有するものとして、その所有者が死亡した場合には相続財産の一つとして相続税の課税対象になる。 一方、財団法人にはこの「持分」という概念がない。それでは、財団法人は誰のものであろうか。「持分」がないということは、財団法人には株主に該当するようなオーナーが存在しない。即ち、財団法人を所有するものはおらず、そのため財団法人がどれだけ財産を有していようとも、相続税は課されない。また、財団法人 自身も死亡するという概念がないので、原則的には相続税が課されることはない*1。

 

*1 ただし、同族理事が 50%超である等の要件に該当する一般財団法人では、財団法人に一定の相続税が課される。

 

 

Ⅲ 自社株を財団法人に寄附する場合の優遇税制

1.自社株を個人から財団法人へ寄附をする場合の優遇税制(譲渡所得等の非課税の特例)

持分がなく、誰のものでもないという特徴を有する財団法人にオーナー経営者が自社株を寄附する場合、どのような税金が課されるのだろうか。 本来、個人が、土地、建物、株式などを法人に寄附した場合には、寄附時の時価により法人に譲渡があったものとみなされて、その個人には値上がり益(購入時から寄附時までの値上がり益)に対して譲渡所得税が課される。 しかし、これでは社会貢献活動を行うために無償で株式を手放すにもかかわらず、税金だけ課されるという酷な結果になる。そこで、民間の担う公益活動を促進する観点から、その寄附先が公益財団法人もしくは一般財団法人(非営利型*2に限る。以下同じ。)であって、一定の要件を満たす寄附として国税庁長官の承認を受けたときは、この譲渡所得税を非課税とする制度が設けられている。つまり、税の負担なく、自社株を財団へ移転することができる。

 

*2 ここでの非営利型の一般財団法人とは、①剰余金の分配を行わない旨が定款に定められていること ②解散時の残余財産が、国等に帰属する旨が定款に定められていること ③各理事について、その理事及びその理事の配偶者又は三親等以内の親族等である理事の合計数が理事の総数の3分の1以下であること、等の要件を満たす一般財団法人をいう。

 

2.この非課税の特例を受けるにあたっての要件

この優遇税制を受けて、その個人で所有する自社株を税の負担なく財団法人に移転させるには、それ相応の税制上の要件を満たすことが求められる。重要なものとして、下記要件を満たすことが必要とされている*3。

 

*3 詳細は国税庁ホームページ等をご覧ください

 

 

A 寄附後において、財団法人がその受け入れた寄附財産をもって確実に公益目的事業を実施するよう、公益目的事業の内容や規模の下限、供する期限等に関して下記要件が置かれている。

 

①定款等において公益を目的とする事業を行うことを明らかにしていること。

 

②公益の対価がその事業の遂行に直接必要な経費と比べて過大ではないなど、事業の運営が営利企業的に行われている事実がないこと(一言に換言するなら、儲けていないこと) 。

 

③その寄附に係る公益目的事業が、その事業を行う地域又は分野において社会的存在として認識される程度の規模を有していること。例えば 30人以上の学生等に対して学資の支給若しくは貸与を行う事業又は科学技術その他の学術に関する研究者に対して助成金の支給を行う事業であること等が必要とされる。

 

④寄附財産を、寄附があった日から2年を経過する日までに公益目的事業の用に直接供すること(以後、継続して公益目的事業の用に供することが必要となる) 。

 

 

B 財団法人が特定の役員等に支配・利用されることを防止する観点から、下記議決権に関する要件が置かれている。

 

① 評議員・理事・監事について、同一親族や会社役員・使用人などの特殊な関係にある人の占める割合が3分の1を超えてはならないとする旨の定款の定めがあること(以下、親族等の3分の1の要件という) 。

 

② 保有している株式等の議決権行使について、予め理事総数の3分の2以上の承認を要する旨を定款で定めること*4。

 

*4 寄附をした人又はその親族が役員となっている会社の株式等の寄附を受けた法人である場合に必要な要件

 

 

C 設立者などの特定の者の利益のために法人運営が行われることがないよう下記要件が置かれている。

 

① 定款において残余財産が国等に帰属する旨を定めること。法人内部に蓄積された利益が、法人の解散時に残余財産の分配として実質的に特定の者に配当されてしまうことを防ぐ。

 

 

D 寄附先の財団法人について非営利性が高い法人として要件を具備している下記法人に限られる。

 

① 寄附を受ける法人は一般財団法人(非営利型に限る)か公益財団法人であること。

 

 

Ⅳ 寄附を行うオーナー経営者に求められる2つの覚悟

財団法人に自社株を移転し、そのまま法人内に留めて社会貢献活動を行うという仕組みが、オーナー経営者の相続税対策、株式の分散防止や安定株主対策に役立つものとして認識されているが、この優遇税制を使って社会貢献活動を行うといった場合に、上記要件から導かれるオーナー経営者に求められる覚悟とは何であろうか。一つは、自社株の所有権を手放すことについての覚悟、そしてもう一つが、自社株の寄附後は社会貢献活動を行い続けなければならないことについての覚悟である。

 

1.財団法人への寄附による相続税対策と、自社株の所有権を手放すことについての覚悟
(1)財団法人に株式を所有させることによって生まれる相続税対策とは

もし、オーナー経営者が自社株を個人所有のままで持ち続ければ、いずれ相続した人が相続税を納税すべきこととなるが、これを財団法人に寄附し、その株式の所有権を法人に移転させると、オーナー経営者の財産ではなくなるので、以後オーナー経営者の相続発生時において相続税は発生しないこととなる。前述のとおり、法人に死亡という概念はないので原則として法人が所有する財産に相続税が発生することもない*5。 相続税は、相続する財産が金銭以外の財産であってもその時価に対して課税されるため、別途に納税資金を準備できない場合に株式を売却してこれを調達しなければならないこととなるが、相続税が発生しなければこのような納税を目的とするだけの第三者への株式売却を回避できるため、自社株が分散することを防ぐことができる。また、遺産分割などにより相続人間で自社株が分散することを防止する効果も期待される。

 

*5 ただし、同族理事が 50%超である等の要件に該当する一般財団法人では、財団法人に一定の相続税が課される

 

(2)自社株の所有権を手放すことについての覚悟 

上述(1)の相続税対策とは、財団法人に寄附をして所有権を移転し、個人の所有物でなくすることで相続税の負担がなくなることを意味する。財産権を手放すのであるから当然と言えば当然であろう。 一方、財産権を受け入れた側の財団法人では、財団法人は持分という概念がなく、その実質的な運営は代表理事に任されるため、オーナー経営者が代表理事に就いている場合には所有権移転後も、その運用にかかわることとなる。

 

財団法人では、代表理事等の特定の者の利益に偏った運営がなされることを禁止する必要があることから、税制上の優遇措置を受ける要件として、理事、監事、評議員について親族等の 3 分の 1 の要件がおかれている。この規定により、理事や評議員などの各機関が、同一勢力によって占められるのは 3 分の 1 までとなっている。

 

当初は代表理事の理想や存在に対して強い求心力があって、財団法人の運営や、その有する自社株の議決権行使について、擬似的に代表理事という立場を通してオーナー経営者一族が株式を所有しているのと同じ感覚が生じるかもしれない。しかし、この3分の 1 の規定の存在により、いずれ代表理事の代替わりや、求心力の低下によって他の理事や評議員の賛同が得られなくなるようなことがあれば、一人頭一票である以上、オーナー経営者一族がこれまでの力関係を維持できなくなる可能性を覚悟する必要がある。

 

2.長期保有をもたらす安定株主対策と、社会貢献活動を実施し続けなければならないという覚悟

 

一般に安定株主とは、利益獲得を優先して短期的な視点から株式を売買する株主ではなく、企業業績などに左右されずに長期的な視点で株式を保有する株主のことをいう。企業にとっては安定株主の存在により、経営者は長期的な企業の成長を考えた安定的な経営を行いやすくなるというメリットがある。では財団法人に自社株を寄附するということが、オーナー経営者の会社にとっての安定株主対策につながると考えられるのはなぜだろうか。

 

財団法人に税負担なく株式を寄附することができるというこの優遇税制の最大の目的は、民間部門における公益性の高い社会貢献活動を支援することにある。そのため、未来に向かって安定的にその社会貢献活動が行われるように、優遇税制の適用に当たっては、寄附財産が確実に社会貢献活動の基盤となることを要求している。  具体的には、この優遇税制を受けて財団法人に寄附をされた財産は、社会貢献活動を担う財産基盤として、寄附後 2 年迄の間にその公益を目的とする事業の用に直接供することが必要とされる。直接供するといっても経済的権利を表章している株式が対象である場合、土地や建物とは違い物理的に使用することはできないので、その株式から得られる配当金収入のすべてが、公益目的事業の実施費用として適切に使われていることが必要とされている。従って、運用益として得た配当金収入が公益目的事業の実施が不十分で使い切ることができなった場合や、公益目的事業の妨げになるような株式の売却処分等が行われた場合には、優遇措置を受けることについての承認が取り消され、時価での譲渡があったものとして負担すべき税金(譲渡所得税)を支払うこととなる。

 

また、その寄附先が公益財団法人の公益目的事業であった場合に、その後、公益目的事業が適切に実施されないなどの理由で、公益財団法人としての基準を満たさずに認定が取り消された場合には、その公益財団法人が公益目的のために保有している財産を国等に贈与しなければならなくなる。

 

つまり、この社会貢献活動の財源となる自社株を財団法人内に確実に保有させ、これに反した場合にはペナルティが課されるというこの仕組みこそが、株式を長期保有する強固な安定株主を作り上げるものとして機能することになる。それは裏を返せば、寄附による移転時に税制上の優遇措置を受けるということが、以後、社会貢献活動を行い続けることを約束することに他ならず、代償なくしてこれを止めることはできないという覚悟を求めるものとなる。

 

Ⅴ.終わりに

寄附を受けた財団法人が確実に公益性の高い社会貢献活動を行うよう担保する法制度の仕組みが、相続税対策や安定株主対策の役立つ効果を有している反面、それを受け入れることは経営者に少なくとも2つの覚悟を要求するものであることを理解する必要がある。

 

つまり、①オーナー経営者が自社株を寄附により財団法人に移転して、その所有権を手放しても、財団法人の代表理事として就任し、他の理事や評議員などの対し求心力を得ている間は、自分の想いを財団法人にて実現することができる。これは疑似的に所有している場合と同じような状況となる。しかし、代替わりなどで求心力を失う場合や、そもそも一族からの後継理事がいなかった場合には、財団法人(自社株)と設立者一族との関係が希薄となってしまう可能性がある。

 

また、②ひとたび財団に寄附し、社会貢献事業を始めるならば、以後適切に運営して継続していくことが必要となる。代償なくこれを終わらせることはできないこととなる。

 

ただ、こうした仕組みと覚悟を必要とするものであるが故に、寄附を受けた財団法人は公益事業を行う器として確実に存続し続ける宿命を与えられることとなる。社会貢献活動を通して自己の想いを末永く後世に伝えたい、とするオーナー経営者の希望を叶えるにふさわしい組織形態になっているといえる。十分な社会貢献活動を行い、これを代表理事として運営していくことができるのであれば、寄附を行ったオーナー経営者にとって大きな収穫が得られると思われる。

 

 

 

税理士法人山田&パートナーズ

レポート『オーナー経営者による財団法人への株式の寄附』(2019年9月20日付)より転載

[解説ニュース]

配偶者居住権が消滅した場合の相続税・贈与税の取扱い

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■配偶者居住権等の評価

■配偶者居住権等と相続税の小規模宅地等の特例・物納の取扱い

 

1.配偶者居住権の概要


被相続人の死亡時にその被相続人の財産であった建物に居住していた配偶者は、遺産分割又は遺言(以下「遺産分割等」)により、その居住していた建物(以下「居住建物」)の全部につき無償で居住したり賃貸したりする権利(=「配偶者居住権」)を取得することができます(民法1028条第1項)。

 

配偶者居住権の存続期間は、配偶者が亡くなるまで(遺産分割協議または遺言で別段の定めをした場合には、その期間)です(民法1030条)。

 

2.配偶者の死亡または期間の満了により消滅した場合の相続税・贈与税の取扱い


個人が対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた場合には、相続税法9条により、原則として、その利益を受けた時に、その利益を受けた時におけるその利益の価額に相当する金額(対価の支払があつた場合には、その価額を控除した金額)を、その利益を受けさせた者から贈与により取得したものとみなされます。

 

上記1のとおり、配偶者居住権を取得した配偶者が死亡した場合には、配偶者居住権が消滅します。この場合、居住建物の所有者はその居住建物について使用収益することが可能となったことを利益と考え、上記相続税法9条の規定と同様に居住建物の所有者に対してみなし課税をするという考え方もあります。しかしこれは配偶者の死亡に伴い、民法の規定により予定どおり配偶者居住権が消滅するものであり、配偶者から居住建物の所有者が相続により取得する財産がないことから、相続税は課税されません(相続税法基本通達9-13-2注書)。

 

配偶者居住権の存続期間が終身ではなく、10年などの有期で設定されていた場合に、その存続期間が満了したときも、民法の規定により予定どおり配偶者居住権に基づく建物の使用収益が終了することから、移転し得る経済的価値は存在しないと考えられ、贈与税は課税されません。

 

なお、居住建物の敷地の所有者についても、上記と同様の取扱いがされます。

 

3.配偶者居住権がその存続期間の満了前に消滅した場合の贈与税の取扱い


前述1のとおり、民法は配偶者居住権の存続期間を「配偶者が亡くなるまで(遺産分割協議または遺言で別段の定めをした場合には、その期間)」と定めており、原則として当初設定した存続期間の中途で変更することはできません。

 

ただし、配偶者が用法遵守義務*に違反した場合や、居住建物の所有者の承諾を得ないでその建物の改築や増築または第三者に対する賃貸を行った場合には、居住建物の所有者は配偶者に対して期間を定めて是正の催告を行い、その期間内に是正されないときは配偶者居住権を消滅させることができます(民法1032条第3項、第4項)。また、配偶者が配偶者居住権を放棄又は居住建物の所有者と合意することにより、配偶者居住権を解除することが可能と解されています(堂薗幹一郎・野口宜大「一問一答 新しい相続法」(商事法務)29頁Q20参照)。

 

*民法1032条第1項により、配偶者は従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって居住建物を使用することが義務付けられています。

 

 

配偶者居住権の存続期間の満了前に何らかの事由により配偶者居住権が消滅することとなった場合、居住建物の所有者は、その期間満了前に居住建物の使用収益ができることとなります。その配偶者居住権の消滅により、配偶者から所有者に使用収益する権利が移転したものと考えられることから、相続税法9条の規定により配偶者から贈与があったものとみなされ、居住建物の所有者に対して贈与税が課税されます。

 

具体的には、前述の理由によりその配偶者居住権は消滅した時において、その建物の所有者または建物の敷地の用に供される土地の所有者が、①対価を支払わなかったとき、または②著しく低い価額の対価を支払ったときは、原則、その建物や土地の所有者が、その消滅直前に、その配偶者が有していた配偶者居住権の価額またはその配偶者居住権に基づき土地を使用する権利の価額に相当する利益の額(対価の支払があった場合には、その価額を控除した金額)を、その配偶者から贈与により取得したものとして取扱われ(相続税法基本通達9-13-2)、贈与税が課税されます。

 

なお、居住建物の敷地の所有者についても、上記と同様の取扱いがされます。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/11/05)より転載

[M&Aニュース](2019年10月21日〜11月1日)

◇アイスタディ<2345>、カイカ傘下でソフト開発を手がける東京テックを子会社化、◇フジコー<2405>、経営陣によるTOBで非公開化へ、◇アイカ工業<4206>、メラミン化粧板大手の米ウィルソナート傘下のアジア子会社4社を買収、◇アイシン精機<7259>、変速機子会社のアイシンAWを2021年4月に統合へ、◇アシックス<7936>、カナダFNCからレース登録サイト「Race Roster(レースロースター)」を取得、◇三光産業<7922>、GCネクストからノベルティ部門を取得、◇アインホールディングス<9627>、エステティクスのメイクアップコスメブランド「DAZZSHOP」を取得、◇NSD<9759>、日系企業向けのITシステム開発を手がける米Japan Techを子会社化、◇アエリア<3758>、不動産投資コンサルティングを手がけるインベストオンラインを子会社化 ほか

 

 

 

 

アイスタディ<2345>、カイカ傘下でソフト開発を手がける東京テックを子会社化

◆アイスタディは、カイカ傘下のソフト開発会社である東京テック(東京都目黒区。売上高2億6800万円、営業利益2800万円、純資産4800万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

アイスタディは新規分野として2018年5月に、AI(人工知能)やビッグデータ、IoT(モノのインターネット)などに関連する高度ITスキルを習得するための学習コースと、そのスキルを生かした転職支援を組み合わせた総合サービス「iStudy ACADEMY」の提供を始めた。「iStudy ACADEMY」との連携で、東京テックで実務経験を積んだIT技術者を再育成し、高度IT人材の紹介事業として展開する。

取得価額は6300万円。取得日は2019年11月1日。

 

 

 

フジコー<2405>、経営陣によるTOBで非公開化へ

◆東証2部上場で建設廃棄物の中間処理を主力とするフジコーは1日、MBO(経営陣による買収)を受け入れ、株式を非公開化すると発表した。小林直人社長が設立したHOP(千葉県白井市)がTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株式(小林社長ら経営陣と親族らが所有する不応募株式22.84%を除く)の取得を目指す。

フジコーは1972年にキクイムシ、ダニ、ゴキブリなど家屋害虫の駆除工事を目的にスタートした。その後、家屋の解体工事から発生する建設系廃棄物処理に進出し、主力事業に育てた。食品系廃棄物処理のほか、製材くずなどを利用した森林発電事業も手がける。短期的な業績変動にとらわれず、中長期的に新規事業や新規設備への投資を進めるには株式の非公開化が望ましいと判断したという。

買付価格は1株600円で、TOB公表前日の終値550円に9.09%のプレミアムを加えた。買付予定数は333万9077株で、買付金額は最大20億円強。買付予定数の下限は所有割合43.83%。買付期間は11月5日~12月16日。決済開始日は12月23日。買付代理人はみずほ証券。

 

 

 

アイカ工業<4206>、メラミン化粧板大手の米ウィルソナート傘下のアジア子会社4社を買収

◆アイカ工業は1日、日本政策投資銀行と共同で、メラミン化粧板メーカー大手の米ウィルソナート傘下でタイ、豪州、中国、香港のアジア4カ所にある現地事業会社の全株式を取得し、子会社化すると発表した。アジア・オセアニア地域で新たな生産拠点や販売網を獲得し、海外における建装事業の拡大を目指す。

ウィルソナートから取得するタイ、中国(上海)、豪州の3社は化粧板を製造・販売し、香港は販売会社。これら4社合計の事業規模は売上高約92億2000万円、経常利益約10億円、純資産約45億円。従業員数は約510人。アイカ工業はタイ、中国、香港の3社の株式51%を取得し、残りを政投銀が取得する予定。豪州の会社についてはアイカ工業が完全子会社化する。

取得価額は4社合計で約162億円。取得予定日は2019年12月中。

ウィルソナートは1956年に米テキサス州で設立。メラミン化粧板で米でトップシェアを持ち、アジア・オセアニア地域には1998年に進出した。メラミン化粧板の高級ブランドとして建築・設計業界で受け入れられている。

 

 

 

アイシン精機<7259>、変速機子会社のアイシンAWを2021年4月に統合へ

◆アイシン精機は31日、変速機の製造を主力とする子会社のアイシン・エィ・ダブリュ(AW、愛知県安城市)と経営統合することで基本合意したと発表した。グループの中核2社が結集し、自動運転や電気自動車などに代表される「CASE」分野での競争力強化を目指す。アイシンAWはトヨタ自動車が保有する自社株式のすべてを2020年4月に自己取得する。そのうえで1年後の2021年4月にアイシン精機が同社を吸収合併する予定。

アイシンAWの株式はアイシン精機などグループが約6割、トヨタが約4割を保有する。トヨタは今回の両社の経営統合に賛同し、アイシンAWの株式譲渡で合意している。アイシンAWの2019年3月期の売上高は1兆6758億円。

一方、前日の30日には、日立製作所とホンダがそれぞれの傘下の自動車部品メーカー4社を合併させると発表した。合併するのは日立の完全子会社の日立オートモティブシステムズ、ホンダが筆頭株主となっているケーヒン、ショーワ、日信工業の3社。合併時期は未定だが、合併後の統合会社の売上規模は約1兆8000億円となり、トヨタ自動車系のデンソー、アイシン精機に次ぐ国内第3位の自動車部品メーカーに浮上する。

次世代技術「CASE」分野での開発競争の激化が統合・再編に向けた自動車部品各社の背中を押す格好となっている。

 

 

 

アシックス<7936>、カナダFNCからレース登録サイト「Race Roster(レースロースター)」を取得

◆アシックスは、カナダFast North Corporation(FNC、オンタリオ州)が運営するレース登録サイト「Race Roster(レースロースター)」事業を取得することを決めた。取得価額は約30億円。取得予定日は2019年11月中。

レースロースターはランナーがレースに申し込みをする際のプラットフォームで、登録規模で北米3位。登録ランナーの多くは10キロメートル以下のレースへの参加者が占め、女性や若いランナー層が主体という。アシックスは今回の事業取得で、これらランナー層とシューズのアシックスブランドが接する機会を拡大する。当該事業の直近売上高は約6億円。

 

 

 

三光産業<7922>、GCネクストからノベルティ部門を取得

◆三光産業は、物流業務や販促品の企画・デザインなどを手がけるGCネクスト(東京都新宿区。売上高15億3000万円、営業利益1450万円、純資産△2690万円)からノベルティ部門を取得することで基本合意した。GCネクストがノベルティ部門を分社して設立する新会社の株式を取得して子会社化する形とする。

三光産業としてノベルティ部門を新事業として育成するとともに、既存事業のシール・ラベル印刷事業とのシナジー(相乗効果)も見込めると判断した。

取得価額は未定。取得予定日は2019年11月30日。

 

 

 

アインホールディングス<9627>、エステティクスのメイクアップコスメブランド「DAZZSHOP」を取得

◆アインホールディングスは、エステティクス(東京都港区)が運営するメイクアップコスメブランド「DAZZSHOP(ダズショップ)」事業を2019年11月1日付で取得する。取得価額は非公表。

DAZZSHOPはカラーコンタクトレンズをメイクアップの一つととらえ、アイメイク中心のメイクアップ商品を展開。百貨店、セミセルフ型コスメショップ、EC(電子商取引)など多様な販売チャンネルを持ち、国内で東京、大阪、名古屋、横浜、札幌、海外では台湾、香港、上海に出店している。

アインホールディングスは子会社を通じて、コスメを中心としたドラッグストア「アインズ&コスメ」を大都市圏で展開している。DAZZSHOPを取り込むことで、オリジナル商品の強化や海外を含めた販路拡大につなげる。

 

 

 

NSD<9759>、日系企業向けのITシステム開発を手がける米Japan Techを子会社化

◆NSDは、米国の日系企業向けを中心にITシステムの開発・コンサルティングを手がける現地Japan Tech(ニュージャージー州)の全株式を取得し、子会社化した。米での事業成長を加速するのが狙い。Japan Techは1995年に設立。取得価額、取得日は非公表。

 

 

 

アエリア<3758>、不動産投資コンサルティングを手がけるインベストオンラインを子会社化

◆アエリアは、不動産投資コンサルティング・マッチング事業のインベストオンライン(東京都新宿区。売上高12億3000万円、営業利益△2100万円、純資産7億500万円)の株式80%を取得し子会社化することを決議した。

アエリアは経営多角化の一環として2017年に、不動産や賃貸管理、宿泊施設の企画・運営などのアセットマネジメント事業に進出した。インベストオンラインは「新築一棟投資法」「賃貸併用住宅のススメ」「INVEST ONLINE」などの不動産投資家向け情報サイトを運営している。アエリアは同社を傘下に取り込むことで、不動産関連事業の拡大につなげる。

取得価額は6億円。取得予定日は2019年11月1日。

 

 

 

イチネンホールディングス<9619>、浅間製作所の遊戯機器部品事業を取得

◆イチネンホールディングスは、浅間製作所(名古屋市。売上高99億3000万円、営業利益△7億600万円、純資産54億6000万円)が営む遊戯機器用部品の製造・販売事業を取得することを決めた。受け皿会社を設立して事業を継承する。イチネンは遊技機部品の製造を手がける子会社イチネンジコー(東京都港区)を持ち、シナジー(相乗効果)を見込んでいる。取得価額は未定。

イチネンは10月31日に全額出資で浅間製作所分割準備を設立。浅間製作所を分割会社、浅間製作所準備を承継会社とする吸収分割で、承継完了は2020年3月2日。

 

 

 

アイリックコーポレーション<7325>、新光FPサービスから「保険ラウンジ」2店舗を取得

◆アイリックコーポレーションは、新光FPサービス(横浜市)が運営する来店型保険ショップ「保険ラウンジ」2店舗を取得することを決議した。対象店舗はいずれも横浜市内。アイリックは来店型保険ショップ「保険クリニック」を全国203店舗展開している。取得後は「保険クリニック」の直営店として運営する予定。

 

 

 

グローバルキッズCOMPANY<6189>、保育園入所を支援する「えんマッチ」事業を日本生命傘下のライフケアパートナーズに譲渡

◆グローバルキッズCOMPANYは、子会社を通じて展開する子育て世代の従業員と保育園とのマッチングサービス「えんマッチ」事業を日本生命保険傘下のライフケアパートナーズ(東京都文京区)に譲渡することを決めた。

「えんマッチ」は全国にある企業主導型の保育園の定員数に対する空き枠をシェアし、利用したい企業の従業員と保育園をつなぐサービスで、グローバルキッズCOMPANYの子会社であるグローバルキッズ(東京都千代田区)が手がけている。事業譲渡後、ライフケアパートナーズに一部出資し、引き続き、事業に関わるという。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年1月1日。

 

 

 

ぐるなび<2440>、法人向けフードデリバリー事業をOMOTENASHIに譲渡

◆ぐるなびは法人向けフードデリバリー事業を、インターネット関連のOMOTENASHI(東京都渋谷区)に会社分割により譲渡することを決議した。中核である飲食店販促支援事業に経営資源を集中するため、周辺事業・サービスについて整理を検討してきた。譲渡価額は5億5000万円。譲渡予定日は2020年1月1日。

譲渡するのは法人顧客に対して会議用弁当の注文などを手配する事業。OMOTENASHIは宅配弁当・ケータリングサイト「ごちクル」などを運営するスターフェスティバル(東京都渋谷区)の全額出資子会社。

 

 

 

塩野義製薬<4507>、バイオ医薬品メーカーのUMNファーマをTOBで子会社化

◆塩野義製薬は30日、バイオ医薬品メーカーのUMNファーマ(マザーズ上場)に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。塩野義は2017年10月にヒト用感染症予防ワクチンなどの共同開発に向けて、UMNファーマと資本・業務提携し、現在31.08%の株式を所有する。従来の関係をさらに発展させ、同社を傘下に取り込み、ワクチン事業参入に必要な創薬基盤の獲得を目指す。

買付価格は1株あたり540円。TOB公表前日の終値368円に46.74%のプレミアムを加えた。買付期間は10月31日~12月12日。買付代金は最大66億5325万円。買付予定数の下限は所有割合で35.72%。決済開始日は12月19日。買付代理人は野村証券。

 

 

 

日立とホンダ、傘下の日立オートモティブ・ケーヒン・ショーワ・日信工業の車部品4社合併へ

◆日立製作所とホンダは30日、それぞれの傘下の自動車部品メーカー4社を合併させると発表した。ホンダが筆頭株主となっているケーヒン、ショーワ、日信工業の3社に対してTOB(株式公開買い付け)を実施して完全子会社化する。そのうえで、日立の全額出資子会社である日立オートモティブシステムズ(茨城県ひたちなか市)が3社を吸収合併する。4社統合により、自動運転や電気自動車など次世代技術「CASE」分野での国際的な競争強化を目指す。

合併後の統合会社への出資比率は日立66.6%、ホンダ33.4%となる。統合会社の売上規模は約1兆8000億円となり、トヨタ自動車系のデンソー、アイシン精機に次ぐ国内第3位の自動車部品メーカーに躍進する。合併時期は現時点で未定。

合併に先立つ、ホンダによる系列3社に対するTOB内容は次の通り。▽ケーヒン=買付価格2600円(TOB公表前日の終値1898円に36.99%のプレミアム)、買付代金1127億7967万円)▽ショーワ=買付価格2300円(同1806円に27.35%のプレミアム)、買付代金1161億9083万円▽日信工業=買付価格2250円(同1793円に25.49%のプレミアム)、買付代金953億円5342万円。

TOBの開始日や買付期間は未定。いずれも買付代理人は野村証券。

 

 

 

日信工業<7230>、日本と中国におけるスウェーデンVEONEERとの合弁2社を子会社化

◆日信工業は、持ち分法適用関連会社で自動車部品の開発・製造を手がけるヴィオニア日信ブレーキシステムジャパン(横浜市。売上高309億円)、中国VEONEER NISSIN BRAKE SYSTEMS(中山市。売上高138億円)を子会社化することを決議した。スウェーデンの自動車部品メーカーVeoneer(ストックホルム)との合弁を解消し、2社の持ち株比率をいずれも現在の49%から74%に高める。取得価額は両社合計で94億円。

対象2社の残る26%の株式についてはホンダが取得する。2社はホンダに主力製品の回生ブレーキを供給している。

日本と中国にある合弁会社は2015年に設立。回生ブレーキは制動を行う際に発電機を回し、運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッテリーに蓄電するもので、電気自動車やハイブリッド車に採用が進んでいる。

 

 

 

SCSK<9719>、ソフト開発のMinoriソリューションズをTOBで子会社化

◆SCSKは30日、ソフト開発やシステム運用管理を主力とするMinoriソリューションズ(東証1部)に対してTOB(株式公開買い付け)を行うと発表した。現在10.45%の持ち株比率を100%に引き上げ、完全子会社化を目指す。SCSKはMinoriへの出資を機に同社と10年来のパートナー関係にある。子会社化による一体的な運営を実現し、次世代のIT利用環境とされるDX(デジタルトランスフォーメーション)分野での事業基盤を拡充する。

SCSKは住商情報システムとCSKの上場情報処理会社2社が合併して2011年に発足した。一方、Minoriは1980年に日本システムクリエートとして設立され、2004年に現社名に変更。新興市場を経て2015年に東証1部に上場した。今年3月下旬、Minoriから関係強化に向けた協議の打診があったという。

買付価格は1株あたり2700円で、TOB公表前日の終値2100円に28.57%のプレミアムを加えた。買付期間は10月31日~12月12日。買付代金は最大208億1473万円。買付予定数の下限は所有割合で56.21%。決済開始日は12月19日。買付代理人は大和証券。

 

 

 

アサヒホールディングス<5857>、マッサージチェア最大手の子会社・フジ医療器を台湾ジョンソンヘルステックに譲渡

◆アサヒホールディングス(HD)は29日、マッサージチェア最大手で全額出資子会社のフジ医療器(大阪市。売上高182億円、営業利益10億7000万円、純資産41億7000万円)の株式60%を、台湾のフィットネス機器メーカーであるジョンソンヘルステック(台中市)に譲渡することで基本合意したと発表した。ジョンソンはフジ医療器製マッサージチェアの海外販売代理店で、全世界に30の販売子会社、300強の直営店を持つ。フジ医療器を両社の合弁会社とすることで、海外事業の拡大を目指す。譲渡価額は67億円。譲渡予定日は2020年2月上旬。

アサヒHDは成長分野の健康機器事業を取り込むため、2014年にフジ医療器を傘下に収めた。マッサージチェアを中心とする健康機器事業をさらに拡大させるためには国内シェア向上に加えて、米国や中国など海外市場開拓が不可欠として、グローバルな販売網を展開するジョンソンと協議を重ねてきたという。

 

 

 

カルビー<2229>、スナック菓子メーカーの米ウォーナック・フード・プロダクツを子会社化

◆カルビーは29日、米国のスナック菓子メーカー、ウォーナック・フード・プロダクツ(カリフォルニア州。売上高45億円)の株式80%を取得し子会社化したと発表した。世界最大のスナック菓子市場である米国での事業を拡大する。取得日は25日付。取得金額は非公表。

ウォーナックは1986年に創業し、ポテトチップス、トルティーヤ、パフスナックなど各種スナック菓子の受託製造を手がける。カルビーは米国で2006年から現地子会社を通じて豆系スナック「Harvest Snaps」を中心にスナック菓子を製造・販売している。ウォーナックを傘下に取り込み、商品群を充実させる。

 

 

 

スタンレー電気<6923>、二輪車用ランプメーカーのフィリピンHella―Philを子会社化

◆スタンレー電気は、フィリピンで二輪車用ランプを製造するHella―Phil.,Inc.の株式90%を取得し子会社化した。ASEAN(東南アジア諸国)で第二位の人口を擁し、二輪車・自動車ともに安定成長が期待されているフィリンピン市場へ参入する狙い。取得価額は非公表。取得日は2019年10月22日。

協業関係にある同業のドイツHellaと協議した結果、同社傘下の現地Hella―Philの全持分を譲り受けた。

 

 

 

ワールド<3612>、高級バッグのシェアリングサービスを展開するラクサス・テクノロジーズを子会社化

◆ワールドは、高級バッグのシェアリングサービス事業を展開するラクサス・テクノロジーズ(広島市。売上高13億7000万円、営業利益500万円、純資産8億200万円)の株式62.5%を取得し子会社化することを決議した。

ラクサスはブランドバッグに特化したサブスクリプション(定額課金)型レンタルサービスを主力とする。ワールドはアパレルブランドを中心に約600万人の稼働会員数を持つほか、リユース事業でも一定の顧客基盤を築いている。ラクサスのレンタル・調達両面で顧客基盤の相互補完効果などを期待している。

また、ワールドは100億円規模の成長資金の支援を通じて、ラクサスの潜在力を最大限引き出すとともに、将来的なIPO(株式公開)に向けた事業基盤の確立を後押しする方針。

取得価額は43億4200万円。取得予定日は2019年11月6日。

 

 

 

コメ兵<2780>、中古ブランド品買取販売「ブランドオフ」の全事業を取得

◆コメ兵は、「BRAND OFF」の店名で中古ブランド品の買取販売を手がけるブランドオフ(金沢市。売上高144億円、営業利益△1億4500万円、純資産△29億9000万円)との間でスポンサー支援に関する最終契約を締結した。コメ兵が全額出資で設立した新会社K-ブランドオフ(金沢市)がブランドオフの全事業を12月3日付で継承する。取得価額は非公表。

コメ兵とブランドオフの両社が持つブランド・リユース業界におけるノウハウやネットワーク、顧客基盤、人材などを一体化することで、成長の加速化を見込んでいる。

 

 

 

シャープ<6753>、携帯電話販売の台湾「震旦電信」を子会社化

◆シャープは、携帯電話販売事業を展開する台湾の震旦電信股份有限公司(Aurora Telecom、台北市。売上高57億7000万円、営業利益△8600万円、純資産13億円)の株式を追加取得し、現在33%の持ち株比率を40.09%に引き上げ、子会社化することを決めた。筆頭株主となり、Aurora Telecom取締役の過半数を指名する権利を得る。取得価額は3億3000万円。取得予定日は2019年12月。

Aurora Telecomは台湾全土に119店舗の携帯電話販売店舗を持つ。シャープは現地子会社の台湾夏普股份有限公司(STE、新北市)を通じて、すでにAurora Telecomに33%を出資。さらに新株発行を引き受けて子会社化し、台湾市場での販売拡大につなげる。

 

ワキタ<8125>、工事測量のCSS技術開発を子会社化

◆ワキタは、工事測量や測量機器の販売・賃貸を手がけるCSS技術開発(東京都多摩市。売上高5億1200万円、営業利益5500万円、純資産10億1000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

CSSはi-Constructionと呼ばれる建設工事のIT化に対応したドローン、3次元レーザースキャナー、MMS(モバイルマッピングシステム)などによる最新の測量技術とこれに関連する解析技術を持つ。ワキタは同社を傘下に取り込むことで、建機事業の業容拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月14日。

 

 

 

ポエック<9264>、電気機械機器製作・修理の協立電機工業を子会社化

◆ポエックは、電気機械機器製作・修理を手がける協立電機工業(神奈川県茅ケ崎市。売上高2億6100万円、営業利益6900万円、純資産2億1300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

協立電機は1936年に創業(1952年に法人改組)し、80年を超える業歴を持つ。とくにモーターコイル、陸上ポンプ、水中ポンプなどの機器メンテナンス・修理に強みがあり、約200社の安定的な取引先を持つ。ポエックは同社を傘下に取り込み、関東地区での機器メンテナンス・修理案件の受注拡大などを期待している。

取得価額は2億7075万円。取得予定日は2019年12月3日。

 

 

 

メディアドゥホールディングス<3678>、データ入力子会社の徳島データサービスをテック情報に譲渡

◆メディアドゥホールディングスは、書誌データなどの入力作業を手がける子会社の徳島データサービス(徳島市)の全株式を、持ち分法適用関連会社でソフト開発のテック情報(徳島県板野町)に譲渡することを決めた。メディアドゥは今年1月に株式交換で徳島データサービスを傘下に収めたばかりだが、グループの成長戦略を見直すことにした。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年10月31日。

 

 

 

マイネット<3928>、ネクソン傘下企業から「大戦乱!!三国志バトル」などのブラウザゲーム事業を取得

◆マイネットは、オンラインゲーム大手のネクソン傘下のgloops(東京都港区)からブラウザゲーム事業を買収することを決めた。gloopsの子会社で同事業を継承するMYLOOPS(東京都港区)の全株式を取得して子会社化する形となる。取得価額は5億円。取得予定日は2019年12月1日。

マイネットは今回の買収により、「大戦乱!!三国志バトル」「SKYLOCK(スカイロック)」など複数のブラウザゲームタイトルを獲得する。当該事業の業績は売上高30億5000万円、営業利益7億1500万円。「大戦乱!!三国志バトル」は2012年5月にリリースされ、累計会員200万人を超えるリアルタイムバトルゲーム。マイネットは有力タイトルを取り込み、オンラインゲーム事業の拡大につなげる。

 

 

 

ナ・デックス<7435>、レーザー・FA関連機器のタマリ工業グループを子会社化

◆ナ・デックスは、各種レーザー・機械の設計、製作を主力とするタマリ工業(愛知県西尾市。売上高15億8000万円、営業利益1億500万円、純資産5億6200万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。取得価額は32億6700万円。取得予定日は2019年11月1日。

タマリ工業は傘下にFA関連機器を手がけるシンテック(新潟市。売上高13億2000万円、営業利益1億400万円、純資産2億9300万円)、テクノシステム(浜松市。売上高4億7100万円、営業利益5300万円、純資産2億5300万円)を持ち、これら3社でタマリ工業グループを形成している。

 

 

ビート・ホールディングス・リミテッド<9399>、レンCEOに子会社の新華ファイナンシャル・ネットワークを譲渡

◆ビート・ホールディングス・リミテッドは、香港にある100%子会社で金融情報商品を提供(現在は事業休止)する新華ファイナンシャル・ネットワーク・リミテッド(XFNHK、売上高800万円、営業利益△7700万円、純資産△2億6200万円)の全株式を、ビート・ホールディングスCEO(最高経営責任者)のレン・イー・ハン氏に譲渡することを決議した。譲渡価額は1米ドル(約108円)。譲渡予定日は2019年12月31日。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

遺留分侵害額の請求があった場合の税務上の取扱い

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田房枝/税理士)

 

 

[関連解説]

■遺留分制度を潜脱する意図で利用された信託(東京地裁H30.9.12)

■2次相続の申告後に、1次相続に係る遺留分侵害額請求に基づく支払額が確定した場合

 

 

1 民法改正


遺留分侵害に対する遺留分権利者(兄弟姉妹以外の相続人)の請求権につき、次のとおり改正されました。

 

2 令和元年度(平成31年度)税制改正


民法改正に伴って、遺留分に関する規定が物権的請求権から金銭債権へと変化したものの、権利行使によって生ずる担税力の増減は改正前と同様であると考えられることから、相続税の課税関係は改正前と同様とされ、民法において「遺留分の減殺請求」という用語が「遺留分侵害額の請求」と改正されたことに伴う規定の整備のみが行われました(下記3参照)。

 

ただし、遺留分権利者に支払う金銭を準備することが困難な場合等には、当事者間の合意のもと、金銭ではなく金銭以外の資産を移転することで解決することも想定されますが、その場合の所得税の課税関係については留意が必要となります(下記4参照)。

 

3 基本的な取扱い(相続税法)


(1)遺留分侵害額の支払義務者における取扱い

相続税又は贈与税の申告書を提出した者又は決定を受けた者は、遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が確定したこと(令和元年6月30日以前の相続の場合は、遺留分の減殺請求に基づき返還すべき、又は弁償すべき額が確定したこと)により、その申告又は決定に係る課税価格及び税額が過大となったときは、その額が確定したことを知った日の翌日から4か月以内に、更正の請求をすることができます。

(2)遺留分権利者における取扱い
①申告書を提出していた又は決定を受けていた場合

既に相続税の申告書を提出し又は決定を受けていた遺留分権利者は、上記(1)の更正の請求がされる場合には、既に確定した相続税額に不足を生じることになるため、更正があるまでは、修正申告書を提出することができます。この場合の相続税の納期限はその修正申告書の提出日であり、その提出日までに追加分の相続税を納付した場合には、延滞税は課税されません。

②期限内申告書を提出していなかった場合

遺留分侵害額の請求により新たに申告書を提出すべき要件に該当した遺留分権利者は、上記(1)の更正の請求がされる場合には、決定があるまでは、期限後申告書を提出することができます。この場合の相続税の納期限はその期限後申告書の提出日であり、その提出日までに相続税を納付した場合には延滞税は課税されません。

(3)実務上の対応

上記(1)及び(2)の申告等をしたとしても、しなかった場合と比べて相続税の総額は変わらないため、実務的にはこれらの申告等を行わず、当事者間で修正税額の精算のみを行うこともあります。

 

4 金銭以外の資産を移転した場合(所得税法)


遺留分侵害額の支払義務者が、遺留分侵害額に相当する金銭の支払に代えて、その債務の全部又は一部の履行として、資産を遺留分権利者に移転した場合には、その履行をした者は、原則として、その履行時に、その履行により消滅した債務の額に相当する価額によりその資産を譲渡したものとして取り扱われます。

 

5 終わりに


遺留分侵害額請求権が行使される可能性が高い場合には、次のような検討をしておくとよいと考えます。

 

●遺留分侵害額請求権の行使に備えて、生前から資金準備をする(生命保険、自己株式等を検討)

 

●遺言の見直し(遺留分相当の財産を遺留分権利者へ渡す内容にすること等を検討)

 

●いわゆる事業承継税制の適用を検討している場合には、適用を受ける株式数の検討(遺留分侵害額請求権に対応するためであったとしても、事業承継税制の適用を受けた株式を譲渡したり、遺留分権利者へ移転したりした場合には、取消し事由となるため)

 

●信託の活用を検討(ただし、実態等によっては、遺留分制度を潜脱する意図のある信託として、無効となる場合がある。〈参考ページ〉

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/10/28)より転載

[解説ニュース]

住宅ローン控除・・・マイホームに入居し控除を開始した後に転勤を命じられたら

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(亀山 孝之/税理士)

 

 

[関連記事]

■住宅ローン特別控除適用者が居住用財産を譲渡し3,000万円控除の適用を受ける場合の取扱い

■居住用財産の譲渡に係る3,000万円控除から住宅ローン特別控除への特例選択の変更の可否適用を受けることの可否

 

1.はじめに


表題の控除制度は、租税特別措置法(措置法)41条が規定しています。個人が、国内で住宅の用に供する家屋で床面積が50㎡以上などの要件を満たすものの新築又はその建築後使用されたことのないもの等(以下「マイホーム」)の取得をして、そのマイホームを2021年の年末までにその個人の居住の用に供した場合(その新築・取得の日から6ヶ月以内に居住の用に供した場合に限ります。)、その個人がそのマイホームの新築等のための借入金(住宅借入金)の金額を有するとき適用できます。具体的には、その居住の用に供した日の属する年(居住年)以後10年間(注)の各年(その居住日以後その年の12月31日まで引き続きその居住の用に供している年に限ります。適用年といいます。)のその個人の所得税の額から、住宅借入金の年末の残高に基づく一定の控除額が控除されます。ただし、その年の事業所得の金額、給与所得の金額などの合計額が3000万円超となる年は適用できません。

 

(注)今年の10月1日以降、課される消費税率が10%となるマイホームを取得し、来年の12月31日までに自己の居住の用に供した場合は13年目まで延長されます(同条⑬)。

 

この控除は、マイホームを取得した個人がそこに居住し続けていることを基本的要件としており、居住の用に供しなくなった場合、その年以降はこの控除を受けることはできません。10年は長いので、めでたく新居に入居した会社員が、遠隔地に転勤を命じられるなどにより、やむを得ずそこに居住できなくなる場合もあります。措置法41条は、その場合を想定し救済的な措置も用意しています。その措置とそれに関することを2以下で説明します。

 

 

2. 「居住の用に供した(ている)」ことの判定法


まず、1の下線部の「その居住の用に供した(ている)」とは、原則として、マイホームを新築・取得した者が、現にそれを居住の用に供した(ている)場合をいいます。その判定に関し、たとえば、マイホームを新築又は取得した会社員(A)が、配偶者、扶養親族等(B)とともにそこで居住を開始したところ、会社から転勤を命じられ、やむを得ずマイホームを離れることになった場合でも、Aが単身赴任しBがマイホームに残って引き続き居住しており、その後、Aが転勤前の勤務地に戻されるなど、マイホームを離れた事情が解消されれば、Aが再びマイホームに戻って居住することとなると認められるときは、Aがそのマイホームを引き続き居住の用に供しているものとされます。もし、Bが、Aを追ってその転勤先の社宅等に転居し、Bもそのマイホームから離れることになれば、その時点でAはそのマイホームを「居住の用に供しなくなった」とされます(措置法通達41-1~41-4)。

 

 

3. 居住の用に供しなくなった場合の救済的取り扱い


この控除の適用を受けていた個人が給与所得者で、その勤務先(給与の支払者)からの転勤の命令に伴う転居その他これに準ずるやむを得ない事由によって、そのマイホームをその個人の居住の用に供しなくなると(←2により判定)、その年以降この控除は受けられなくなります。その場合に、その個人が、その後再びそのマイホームを居住の用に供する(←同じく2により判定)と、上記の居住年以後10年間の各年のうち、その個人がマイホームを再び居住の用に供したと認められる日の属する年(居住再開年。その年にマイホームでの居住を再開する前までその家屋を賃貸の用に供していた場合には、その年の翌年)以後の各年(同日以後、その年の12月31日までで引き続きそのマイホームを居住の用に供している年に限ります。)は、上記の「適用年」とみなされ、この控除の再開が認められます(同条㉓)。ただ、居住再開年からこの控除を再開しても、この控除ができるのは当初の居住年から10年目(1の(注)の場合は13年目)までであり、居住していなかった年数分だけ適用年が後ろに伸びることはありません。

 

また、この居住再開による控除再開を受けるためには、転勤の命令に伴う転居等によりマイホームを居住の用に供しなくなる際に、その供しなくなる日までに、マイホームを居住の用に供しなくなる理由その他の財務省令で定める事項を記載した届出書をマイホームの所在地の所轄税務署長に提出し、その後居住を再開してこの控除を再開する年(居住再開年)の確定申告書にそのマイホームを再び居住の用に供したことを証する書類その他の財務省令で定める書類の添付をすることが必要です(同条㉔)。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/10/21)より転載

[M&Aニュース](2019年10月7日〜10月18日)

◇ケアサービス<2425>、サービス付き高齢者向け住宅事業を関東サンガに譲渡、◇岡三証券グループ<8609>、傘下証券を通じて田原証券の事業を取得、◇キャリアインデックス<6538>、リブセンスから成功報酬型賃貸情報サイト「DOOR賃貸」事業を取得、◇エードット<7063>、広告宣伝のBIRDMANを子会社化、◇ZUU<4387>、貸金業のCOOL SERVICESを子会社化、◇ブシロード<7803>、女子プロレスの「スターダム」を買収、◇フリービット<3843>、CCC傘下でインターネット通信事業のトーンモバイルから全事業を取得、◇クロップス<9428>、労働ビザ申請や給与計算などの受託を手がけるシンガポールINNOVARE HOLDINGSを子会社化 など

ケアサービス<2425>、サービス付き高齢者向け住宅事業を関東サンガに譲渡

◆ケアサービスは、埼玉県内4カ所で展開するサービス付き高齢者向け住宅事業を、介護支援事業の関東サンガ(さいたま市)に譲渡することを決議した。ケアサービスは東京23区を中心とした在宅介護事業に経営資源を集中する。譲渡価額は3億4000万円。譲渡予定日は2019年12月1日。

関東サンガは埼玉県内13カ所で介護施設を運営する。

 

岡三証券グループ<8609>、傘下証券を通じて田原証券の事業を取得

◆岡三証券グループは子会社の三縁証券(名古屋市)を通じて、田原証券(愛知県田原市)が手がけるすべての金融商品取引業(レセプト債関連事業を除く)を取得することを決めた。取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月下旬。

田原証券は1929年設立で、愛知県東三河地域を地盤とする。株式営業に強みを持つとされ、預かり資産は355億円(3月末)。

 

キャリアインデックス<6538>、リブセンスから成功報酬型賃貸情報サイト「DOOR賃貸」事業を取得

◆キャリアインデックスは、リブセンスの成功報酬型賃貸情報サイト「DOOR賃貸」事業を取得することを決議した。

「DOOR賃貸」はリブセンスが2010年に運営を開始。複数の不動産会社・不動産ポータルサイトから提供された賃貸物件情報をユーザーの希望とマッチングし、送客するサービスを行っている。当該事業の業績は売上高7億6600万円、経常利益3億5100万円。

キャリアインデックスは人材関連(転職、アルバイト・派遣情報)、スクール関連のサイトを運営し、ユーザー情報をパートナー各社に移送することで、移送数に応じた成果報酬型の集客代行料金を得る事業を主力とする。人材関連サイトで培ってきた集客ノウハウを応用できる新たな事業分野を模索していた。

取得価額は17億5000万円。取得予定日は2019年12月1日。

 

エードット<7063>、広告宣伝のBIRDMANを子会社化

◆エードットは、広告宣伝会社のBIRDMAN(東京都渋谷区。売上高4億9200万円、営業利益3630万円、純資産1億1100万円)の株式71%を取得し子会社化することを決議した。

エードットは一般消費者へのイメージアップや認知度・購買意欲の向上などに向けたソリューションを提供するブランディング事業を主力とする。BIRDMANの広告宣伝やセールスプロモーションに関するクリエイティブ力・開発能力を取り込む狙い。BIRDMANの設立は2004年。

取得価額は2億9200万円。取得予定日は2019年10月31日。

 

ZUU<4387>、貸金業のCOOL SERVICESを子会社化

◆ZUUは、貸金業のCOOL SERVICES(東京都中央区。売上高43万2000円、営業利益△259万円、純資産5200万円)の株式80%を取得し子会社化することを決議した。金融サービスの直接展開が狙い。COOL SERVICESは貸金業の登録を、その子会社のCOOL(東京都中央区)は第二種金融商品取引業と投資助言・代理業の登録を持つ。取得価額は1億1850万円。取得予定日は2019年11月15日。

 

ブシロード<7803>、女子プロレスの「スターダム」を買収

◆ブシロードは17日、女子プロレス団体のスターダム(東京都江東区)から女子プロレス事業を12月1日付で買収すると発表した。ブシロードは国内最大の男子プロレス団体「新日本プロレス」を傘下に持つが、女子プロレスの有力団体を取り込むことで、スポーツ事業の拡大を目指す。買収金額は非公表。

スターダムはロッシー小川(小川宏)氏が2010年に創設した。星輝ありさ、岩谷麻優、鹿島沙希、中野たむ、スターライト・キッド、林下詩美らの人気レスラーを多数抱える。

ブシロードは子会社のキックスロード(東京都中野区)を通じて、スターダムの女子プロレス事業(「スターダム」の運営)を買収する。当該事業の業績については明らかにしていない。女子プロレスや女子格闘技の人気が高まる中、既存のスポーツ事業との相乗効果が期待できると判断した。

キックスロードは2016年8月に、キックボクシング興行を目的に設立した。今回のスターダム買収に伴い、キックスロードはブシロードファイトに社名を変更する予定。

ブシロードは2012年に新日本プロレスリング(東京都品川区)を子会社化した。新日本プロレスはアントニオ猪木さんらが1972年に旗揚げ。現在、内藤哲也、棚橋弘至、オカダ・カズチカ選手ら70人以上のレスラーが所属し、年間に約160試合を開催する。年間延べ40万人の動員を誇る。

 

フリービット<3843>、CCC傘下でインターネット通信事業のトーンモバイルから全事業を取得

◆フリービットは子会社を通じて、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、大阪市)傘下でインターネット通信事業を手がけるトーンモバイル(東京都渋谷区。売上高32億9000万円、営業利益△2億5800万円、純資産1900万円)の全事業を会社分割により取得することを決議した。取得価額は8億8000万円。取得予定日は2019年12月1日。

トーンモバイルはMVNO(仮想移動体通信事業者)サービスの利用者獲得を目的にCCCが60%、フリービットが40%を出資して2015年に設立。CCCグループのTSUTAYAやカメラのキタムラなどの店舗網を利用した対面販売・サポートを組み合わせた独自体制により、他の“格安スマホ”と一線を画すスマホブランドとして「TONE MOBILE」を確立し、子供やシニア、家族向けに支持を広げてきた。

取得するのはトーンモバイルが営む「トーンモバイル事業」「通信プラットフォーム事業」など。今回の全事業取得に伴い、フリービットはCCCとの業務提携を解消するが、CCCグループの店舗でのサービス提供は当面継続する。

フリービットは今年6月に、アルプスアルパインと資本・業務提携し、CaaS(サービスとしての自動車)領域での事業展開にも乗り出している。

 

ユニゾ、ブラックストーンのTOB表明で特別委に諮問へ

◆ユニゾホールディングスは16日、米投資会社ブラックストーンが前日(15日)に1株5000円でユニゾに対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を行う意向を表明したことに関し、社外取締役で構成する特別委員会に諮問すると発表した。ユニゾはすでに、ブラックストーンからの買収提案について、応諾しないことを決議し、同社に通知している。今回の提案は今月23日までにユニゾの同意を得られることを前提としたもので、ユニゾは特別委の答申を踏まえて意思決定する予定。ユニゾが同意しなければ、敵対的TOBに発展する可能性もある。

ユニゾを巡っては、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOBが17日を期限として行われている。全株式の3分の2超の応募がないと不成立となる。

旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の敵対的TOBに対抗し、フォートレスはユニゾ経営陣の賛同を得たホワイトナイト(白馬の騎士)として8月中旬にTOBに参戦した。しかし、9月末に一転、ユニゾがフォートレスのTOBへの賛同を撤回し、異例の展開になっている。

フォートレスによるTOB進行中にユニゾ買収に名乗りを上げたのがブラックストーン。TOB価格の5000円はフォートレスが提示した4000円を25%上回る。HISが提示したTOB価格は3100円だった。

ユニゾ株価の前日の終値は4700円。16日は200円以上値を上げ、5000円に迫っている。

 

クロップス<9428>、労働ビザ申請や給与計算などの受託を手がけるシンガポールINNOVARE HOLDINGSを子会社化

◆クロップスは、労働ビザ申請や給与計算、税金・社会保険計算などの受託を手がけるシンガポールINNOVARE HOLDINGS (売上高3億5200万円、営業利益9100万円、純資産1億3200万円)の株式75%を取得し子会社化することを決議した。INNOVARE HOLDINGSは傘下に14の事業会社を置く持ち株会社で、各社事業会社はいずれも15年以上の業歴を持つという。取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

SBIホールディングス<8473>、カンボジアの小口金融会社LHMFIを子会社化

◆SBIホールディングスは16日、カンボジアでマイクロファイナンス(小口金融)事業を展開するLy Hour Microfinance Institution PLC.(LHMFI、売上高11億円、経常利益1億5000万円、純資産23億円)の株式70%を11月25日付で取得し、子会社化すると発表した。取得価額は約48億円。SBI LYHOUR BANK PLC.に社名変更したうえで、銀行事業に参入する。

LHMFIはカンボジアで両替、住宅用不動産開発、損害保険事業などを手がける金融複合企業Ly Hourグループの中核会社の一つで、2018年末のマイクロファイナンス総資産規模で8位。近く銀行免許を取得する見込み。SBIは子会社化後に40億円規模の増資を引き受ける。

SBIはカンボジアで2010年から日系唯一の証券会社SBIロイヤル証券を営業し、プノンペン経済特区社やシアヌーク港湾公社のカンボジア証券取引所への上場に際して主幹事を務めるなど事業基盤を確立してきた。

 

フェイスネットワーク<3489>、建築設計のザ・スタイルワークスを子会社化

◆フェイスネットワークは、建築設計やコンサルティング業務を手がけるザ・スタイルワークス(東京都渋谷区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。デザイン性の高い設計や企画ノウハウを持つデザイン事務所を取り込み、新たな顧客層の拡大につなげる。ザ・スタイルワークスの設立は2019年4月。取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月1日。

 

ココカラファイン<3098>、北海道で調剤薬局5店舗運営のフライトを子会社化

◆ココカラファインは、調剤薬局5店舗を運営するフライト(札幌市。売上高7億1000万円)の全株式を取得し子会社化した。11日付。北海道におけるドミナント戦略の一環。取得価額は非公表。

 

東宝<9602>、催事企画・運営の日本創造企画を子会社化して東宝舞台と合併へ

◆東宝は、催事企画・運営の日本創造企画(東京都港区。売上高3億7400万円、営業利益356万円、純資産1億100万円)を買収することを決めた。株式を追加取得し、現在50%の持ち株比率を100%に引き上げたうえで、子会社の東宝舞台(東京都千代田区)と12月1日付で合併させる。

日本創造企画は1971年設立で、博覧会やイベント、展示会などの企画、制作、運営を手がけ、東宝は50%を出資している。一方、東宝全額出資子会社の東宝舞台は1951年設立で、演劇・テレビ・イベントなどの美術制作を主力とする。両社のスキルやノウハウを統合し、グループ事業の発展を目指す。

株式の取得価額は非公表。合併に先立つ株式の取得予定日は2019年11月1日。

 

プリントネット<7805>、新晃社の印刷通販サイト「ネットDEコム/ネットデコム」事業を取得

◆プリントネットは、新晃社(東京都北区)から印刷通販サイト「ネットDEコム/ネットデコム」事業を取得することを決めた。ネットDEコムの会員数は法人・個人を合わせて約2万5000人。ネットによる印刷物の通販事業を主力とするプリントネットは同業を傘下に取り込み、事業拡大につなげる。取得価額は1億2000万円。取得予定日は2019年11月1日。

 

米リーバイス、日本法人のリーバイ・ストラウスジャパン<9836>をTOBにより完全子会社化

◆リーバイ・ストラウスジャパンは、米国の親会社であるリーバイ・ストラウス・アンド・カンパニー(カリフォルニア州サンフランシスコ)がTOB(株式公開買い付け)を実施し同社を完全子会社化すると発表した。リーバイ・ストラウス・アンド・カンパニーは現在、同日本法人の株式83.67%を保有する筆頭株主。TOBが成立すればリーバイ・ストラウスジャパンは上場廃止となる。

リーバイ・ストラウス・アンド・カンパニーは2019年3月にニューヨーク証券取引所に再上場を果たしている。TOBにより日本法人の上場を廃止することで、管理コストの削減や経営資源の効率的な活用を進める。

TOBの買付価格は1株あたり1570円。TOB公表前営業日の対象株式の終値1094円に対して 43.51%のプレミアムを加えた。

買付予定数は94万4833株で、上限・下限は設定していない。買付代金は最大で14億8000万円。

公開買付期間は2019年10月15日から2019年12月3日までを予定している。決済の開始日は2019年12月10日。買付代理人は野村証券。

 

サンヨーハウジング名古屋<8904>、住宅リフォーム・不動産仲介のプラスワンを子会社化

◆サンヨーハウジング名古屋は、住宅のリフォームや増改築を手がけるプラスワン(津市。売上高10億円、営業利益2530万円、純資産6810万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

プラスワンは創業40年を超え、リフォーム工事や不動産仲介・売買などを主力とする。昨年2月には四日市市に店舗を新設し、地盤の津市だけでなく、北勢地域に商圏を広げている。サンヨーハウジング名古屋は同社を傘下に取り込み、三重県中勢・北勢地域での営業基盤を拡充する。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月29日。

 

高島屋<8233>、米子高島屋をジョイアーバンに譲渡

◆高島屋は、100%出資子会社の米子高島屋(鳥取県米子市。売上高48億9000万円、営業利益200万円、純資産27億7000万円)の全株式を、ジョイアーバン(鳥取県米子市)に2020年3月1日付で譲渡することで基本合意した。現在使用している商標を継続して使用する。屋号は「JU米子高島屋」(仮称)に変更する予定。

ジョイアーバンは地元で市街地活性化事業などを手がけ、2018年3月には米子高島屋東館を取得し、駐車場施設を含めた一体的な再開発に取り組んできた。今回、米子高島屋の経営についても引き継ぐことになった。

米子高島屋は2003年に設立し、従業員数は約110人。近年は業績が低迷していた。

 

こころネット<6060>、ベトナムの墓石加工販売会社KANNO を子会社化

◆こころネットは、ベトナムの墓石加工販売会社KANNO VIET NAM TRADING COMPANY LIMITED(ホーチミン市)の持分80%を取得し、子会社化することを決議した。ベトナムでは大都市郊外に大規模霊園が建設され、墓石需要が膨らんでいるという。別途、現地の霊園管理会社に資本参加も決めており、安定的な墓石の受注が見込めると判断した。取得価額は約4000万円。取得予定日は2020年1月。

 

アルファグループ<3322>、スマホアクセサリー販売子会社化のインチャージを東群ホールディングスに譲渡

◆アルファグループは、スマートフォン用アクセサリー販売子会社のインチャージ(東京都渋谷区。売上高9億8300万円、営業利益2100万円、純資産1億1300万円)の全株式を、物流・運輸業の東群ホールディングス(群馬県伊勢崎市)に譲渡することを決議した。

アルファグループの主力事業の一つであるモバイル事業について、従来の携帯電話販売に加え、新たにスマホ用アクセサリーの販売に乗り出した。アクセサリー販売の展開に際しては出店費用がかさむことなどから、今回、経営資源の選択と集中の一環として、事業を見直することにした。

譲渡価額は3億3000万円。譲渡予定日は2019年11月1日。

 

日本製紙<3863>、豪州の包装資材大手オローラから段ボール事業を1243億円で買収

◆日本製紙は10日、豪州の包装資材メーカー大手、オローラ(ビクトリア州)から豪とニュージーランドにおける板紙パッケージ(段ボール)部門を買収することで合意したと発表した。買収金額は17億2000万豪ドル(約1243億円)。成長が見込まれるオセアニア地域で、段ボール古紙の回収から、段ボール原紙、段ボール箱、関連包装資材の製造まで一貫体制による段ボール事業に進出する。

オローラは紙やアルミニウムなどのパッケージを製造・販売を主力とする。日本製紙は2009年に子会社化した豪製紙大手のオーストラリアン・ペーパー(AP)を通じて、オローラの板紙パッケージ部門を買収する。2020年1月31日付で買収完了を予定している。当該部門の2019年6月期業績は売上高約1031億円、営業利益約66億円。

取得予定日は2020年1月31日。

 

タナベ経営<9644>、KPO業務のリーディング・ソリューションを子会社化

◆タナベ経営は、デジタルマーケティング支援サービスを手がけるリーディング・ソリューション(東京都中央区。売上高4億300万円、営業利益4500万円、純資産1億1100万円)の株式60%を取得し子会社化することを決議した。

リーディング・ソリューションは2004年に設立。デジタルマーケティングの戦略策定から施策の企画・実施・PDCA(継続的改善手法)までを一括代行するKPO(知的生産活動のアウトソーシング)業務で実績を積んでいる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

エボラブルアジア<6191>、バンクからオンライントラベルサービスアプリ「TRAVEL Now」事業を取得

◆エボラブルアジアは、インターネットサービス企画・運営のバンク(東京都渋谷区)から後払い専用オンライントラベルサービスアプリ「TRAVEL Now」事業を取得した。取得価額は非公表。取得日は2019年10月8日。

「TRAVEL Now」は2018年6月にサービスを開始し、当初からエボラブルアジアが旅行商材を提供してきた。

 

ウエルシアホールディングス<3141>、高知県でドラッグストア24店経営のよどやを子会社化

◆ウエルシアホールディングスは、高知県内でドラッグストア24店を経営するよどや(高知市。売上高102億円、営業利益△6100万円、純資産7億8700万円)の株式50.1%を取得し子会社化することを決議した。四国出店の足掛かりとする狙い。

よどやは1815年に創業し、業歴は200年を超えるが、近年は業績が低迷し赤字が続いていた。ウエルシアは共同仕入れによるスケールメリットを生かしたコスト低減や、よどやへの調剤事業の導入などを通じた相乗効果を期待している。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月2日。

 

バンダイナムコホールディングス<7832>、「ガンダム」版権管理などの創通をTOBで子会社化

◆バンダイナムコホールディングスは9日、アニメ番組の企画・制作や版権管理を手がける創通(ジャスダック上場)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。完全子会社化(現在は22.79%所有)を目指しており、買付金額は最大350億円。バンダイが展開する「機動戦士ガンダム」シリーズで創通が版権管理を受け持つなど両社はかねて緊密な関係にある。顧客ニーズの多様化や世界規模の競争激化などエンターテイメント市場を取り巻く環境変化に的確に対応するため、子会社化に踏み切る。

創通株の買付価格は1株につき3100円。TOB公表前日の終値1865円に66.22%のプレミアムを上乗せした。創通はTOBに賛同を表明している。また、創業者で筆頭株主の那須雄治氏(所有割合29.27%)、第3位株主で同氏の資産管理会社(同19.93%)はTOBに応募する契約を結んだ。買付予定数の下限は49.2%。

買付期間は10月10日~11月25日。買い付け代理人は野村証券。決済日は12月2日。

創通は1962年に東洋エージェンシーとして設立。プロ野球・読売巨人軍から専属代理店に指定され、球団グッズの企画・販売や版権管理などを手がけた。1977年に創通エージェンシーに社名変更し、アニメ分野に事業を拡大した。2007年に現社名の創通となった。

バンダイは2000年に、「ガンダム」シリーズにおける事業連携の強化を目的に創通株式の21.7%を取得。その後、バンダイとナムコの経営統合を経て、現在も20%超を保有し、持ち分法適用関連会社としている。

 

ハピネット<7552>、プラモデルなど模型玩具卸のイリサワを子会社化

◆ハピネットは、模型玩具の総合卸売を手がけるイリサワ(東京都台東区。売上高54億3000万円、営業利益3800万円、純資産10億2000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。イリサワは1952年に設立し、従業員は54人。プラモデルやモデルガン、フィギュアなどの各種ホビー商材を幅広く取り扱う。取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月1日。

 

TOKAIホールディングス<3167>、建設業の日産工業を子会社化

◆TOKAIホールディングスは傘下のTOKAI(静岡市)を通じて、建設業の日産工業(岐阜県下呂市。売上高20億4000万円、営業利益1億9700万円、純資産17億6000万円)の全株式を取得し子会社化した。

日産工業は1970年設立で、岐阜県内を地盤とし、とくに公共土木工事に強みを持つ。TOKAIは日産工業の技術力・ノウハウを吸収し、中京圏のほか、静岡、関東圏で土木・建築・設備工事を総合的に展開する。2016年に進出した中京圏ではLPガス事業でも連携を図る。一方、日産建設は公共土木工事に加え、民間建築案件の受注拡大を目指す。

取得価額は非公表。取得日は2019年9月5日。

 

資生堂<4911>、人気スキンケアブランドの米ドランク・エレファントを約910億円で買収

◆資生堂は8日、米子会社を通じて、米国で人気のスキンケアブランドを持つドランク・エレファント・ホールディングス(デラウェア州。2019年12月期見込みの売上高135億円)を買収すると発表した。12月までに全株式を取得する。買収金額は8億4500万ドル(約910億円)。

ドランク・エレファントはティファニー・マスターソン氏が2012年2月に創業。「DRUNK ELEPHANT」ブランドのスキンケア商品を展開する。同ブランドはマスターソン氏が独学で成分や処方を学び、肌に悪影響をもたらす可能性のある原料を排除するなどの独自の商品性で米国の若年層を中心に支持を得ている。2019年12月期は初めて売上高100億円を突破する見込み。

資生堂は今後の成長が期待される米国発ブランドを取り込み、主力のスキンケア事業を世界規模で拡大する。

 

ブルドックソース<2804>、お好み焼きソースメーカーのサンフーズを子会社化

◆ブルドックソースは、お好み焼きソースなどの液体調味料メーカー、サンフーズ(広島市)の全株式を取得し子会社化した。

サンフーズは1916(大正5)年に創業し、ソース類、食酢を中心とした液体調味料の製造を主力とする。全国的な人気を持つ広島風お好み焼き用ソースの「ミツワソース」「ヒガシマルソース」でも知られる。ブルドックソースは同社をグループに迎え入れることで、「ブルドックソース」「イカリソース」に続く新たなブランドを獲得する。相互の人材・技術交流を通じて競争力向上につなげる。

取得価額は非公表。取得日は2019年10月7日。

 

トーカイ<9729>、寝具の山田屋の福祉用具貸与事業などを取得

◆トーカイは、寝具の山田屋(愛知県大府市)の福祉用具貸与・販売事業、住宅改修事業、居室介護支援事業を取得することを決議した。寝具の山田屋を分割会社とし、トーカイを承継会社とする吸収分割。当該事業の売上高は1億3200万円。取得価額は8000万円。取得予定日は2019年12月1日。

 

ビジョナリーホールディングス<9263>、滋賀県草津市の大塚メガネを子会社化

◆ビジョナリーホールディングスは、大塚メガネ(滋賀県草津市。売上高2億4600万円、営業利益△1209万円、純資産2億5100万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。大塚メガネは1935年創業で、草津地域に5店舗を経営する。取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

介護施設で亡くなった場合の相続税の小規模宅地等の特例

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(小泉紀子/税理士)

 

 

[関連解説]

■介護施設等に入所後、相続が発生した場合の居住用財産の譲渡所得と相続税の取扱い

■小規模宅地等の特例における特定事業用宅地等の規制強化

 

 

1.はじめに


最近相続税申告で、介護施設で亡くなられた場合の小規模宅地等の特例を適用するケースが増えてきているように思われます。今回は、その適用にあたって留意する点をお伝えします。

 

2.概要


介護施設で亡くなった場合でも、被相続人が入所前に居住していた家屋の敷地の用に供されていた宅地等は、次の要件を満たすと、小規模宅地等の特例における「被相続人の居住の用」に供していたものとされます(措令第40の2②、③)。

 

①相続開始の直前に、被相続人が「要介護認定」又は「要支援認定」を受けていること
②老人福祉法等に規定する介護施設等に入所していたこと
③被相続人が居住していた家屋は、入所後に事業の用又は新たに被相続人以外の居住の用に供されていないこと

 

3.要介護認定の申請中に死亡した場合


要介護認定又は要支援認定を受けていたか否かの判定時期は、「相続開始の直前」とされています。

では、介護施設に入所していた被相続人が、要介護認定の申請中に亡くなった場合はどうなるのでしょう。

このような場合に、相続開始後に要介護認定があったときには、要介護認定はその申請のあった日にさかのぼってその効力が生ずることとなり、相続開始の直前において要介護認定を受けていた者に該当するものとして取り扱うことが認められています。

 

4.添付書類


被相続人が介護施設に入所していた場合の小規模宅地等の特例の適用を受けるためには、相続税の申告書に次の書類を添付する必要があります。

 

①被相続人の戸籍の附票の写し(相続開始の日以後に作成されたもの)
②介護保険の被保険者証の写しなど、被相続人が要介護認定又は要支援認定を受けていたことを明らかにする書類
③施設への入所時における契約書の写しなど、その介護施設の名称及び所在地並びにその施設が老人福祉法等に規定する介護施設であることを明らかにする書類

 

①~③の書類のうち、実務上入手に困るのが②の書類です。介護保険の被保険者証は、亡くなると市区町村役場へ返却することになっているため、相続税申告にあたりご用意頂く書類を相続人の方へ伝える頃には、市区町村役場へ返却してしまっていることが多いです。市区町村役場に申請して別途要介護又は要支援の状態であったことを証明する書面を出してもらうことも可能ですが、手間がかかりますので、もしお伝えできるタイミングがありましたら、写しをとっておいてもらうことをお勧めします。

 

5.介護施設に入所中に自宅を相続した場合


以下の事例において、被相続人甲の自宅の建物を「本件家屋」、その敷地の用に供されている宅地等を「本件宅地等」とします。

 

被相続人甲はA有料老人ホームの入所前に、本件宅地等を居住の用に供していましたが、A有料老人ホームの入居中に本件家屋及び本件宅地等を配偶者乙から相続し、その後本件家屋に戻ることなく死亡しました。

 

この場合、被相続人甲は、A老人ホーム入居の直前においては本件宅地等を居住の用に供していたものの本件宅地等の所有者ではなく、本件宅地等を取得した後はこれを居住の用に供していないのですが、本件宅地等は、小規模宅地等の特例対象となるのでしょうか。

 

これについては、国税庁の平成30年12月7日付の文書回答事例で次のような見解が認められています。

 

すなわち、「相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった宅地等が、小規模宅地等の特例対象となる居住用宅地等に該当するか否かは、被相続人が有料老人ホーム等に入所して居住の用に供されなくなった直前の利用状況で判定することとされていますが、その時において被相続人が宅地等を所有していたか否かは、法令上特段の規定は設けられていないことから、小規模宅地等の特例の対象となる宅地等に該当すると解され、特例の適用を受けることができると考えられます。」

 

なお、小規模宅地等の特例の適用判定は難しいため、適用にあたっては十分に要件を確認することが必要です。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/10/15)より転載

[解説ニュース]

贈与税の個人版事業承継税制の適用対象となる贈与者の要件

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎信義/税理士)

 

1.贈与税の個人版事業承継税制の概要


特定事業用資産(本連載2019年7月8号参照)を所有し、事業 不動産貸付業等を除く。を行っていた先代事業者として一定の者等(以下「贈与者」)から、後継者として一定の要件を満たす個人(本連載「特例事業受贈者」2019年9月6日号参照)が、令和10年12月31日までの贈与により、その事業に係る特定事業用資産の全部を取得した場合には、その特定事業用資産に係る贈与税について、担保提供その他一定の要件を満たすことによりその納税が猶予され、贈与者の死亡等により猶予されている贈与税の納付が免除されます(租税特別措置法(措法)70条の6の8第1項)。これが「贈与税の個人版事業承継税制」(以下「本特例」)です。

 

2.贈与者の主な要件


本特例の適用対象となる贈与者とは、次の(1)又は(2)のいずれに該当するかに応じ、それぞれに定める要件を満たす個人をいいます。

 

(1)贈与者が先代事業者の場合

次の①及び②の要件の全てを満たすことは必要です(措法施行令(措令)40条の7の8第1項1号)。

 

①その贈与の時において、所得税の税務署長にその事業を廃止した旨の届出書を提出していること、又は本特例に係る贈与税の申告書の提出期限までに、その事業を廃止した旨の届出書を提出する見込みであること。

 

②その事業について、その贈与の日を含む年、その前年及びその前々年の所得税の確定申告書を、青色申告書(措法25条の2第3項に規定する65万円の青色申告特別控除に係るものに限る。)により税務署長に提出していること。

 

(2)贈与者が先代事業者以外の場合

本特例の適用対象となる贈与者には、先代事業者と生計を一にする配偶者その他の親族等のうち一定の者が含まれます(措法70条の6の8第2項1号かっこ書)。

 

先代事業者の親族が本特例の適用対象となる贈与者に該当するためには、次の①及び②の要件の全てを満たすことが必要です(措令40条の7の8第1項2号)。

 

①(1)の贈与の直前において、(1)の先代事業者と生計を一にする親族であること(注1)。

②(1)の先代事業者の本特例の適用に係る贈与の時後に、その特定事業用資産(注2)の贈与をしていること。

③本特例の適用を受けようとする者が、その贈与の時前に相続又は遺贈により取得した、本特例の適用を受けようとする特定事業用資産に係る事業と同一の事業に係る他の資産について、相続税の個人版事業承継税制(措法70条の6の10)の適用を受けようとする場合、又は受けている場合は、その先代事業者である被相続人の相続の開始の時後に、その特定事業用資産の贈与(注3)をしていること。

 

 

(注1)本特例の適用を受けようとする者(受贈者)が、その贈与の時前に相続又は遺贈により取得した、その特定事業用資産に係る事業と同一の事業に係る他の資産について、相続税の個人版事業承継税制の適用を受けようとする場合、又は受けている場合には、「その先代事業者である被相続人の相続開始の直前において、その被相続人と生計を一にしていた親族であること。」が要件とされます。

 

(注2)先代事業者と生計をーにする親族が有する資産が特定事業用資産に該当するためには、その資産が先代経営者の一定の青色申告書に係る貸借対照表に計上されている必要があります(措法70条の6の8第2項1号かっこ書)。

 

(注3)③の贈与は、平成31(2019)年1月1日から令和10(2028)年12月31日までの間の贈与で、次の[1]又は[2]に掲げる日から1年を経過する日までの贈与に限ります(措法70条の6の8第1項かっこ書、措令40条の7の8第2項)。

 

[1]本特例の適用に係る贈与の日
[2]本特例の適用を受けようとする者が、本特例に係る贈与の時前に、相続等により取得した特定事業用資産に係る事業と同一の事業に係る他の資産について、相続税の個人版事業承継税制の適用を受けようとする場合、又は受けている場合には、最初の相続税の個人版事業承継税制の適用に係る相続開始の日

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/10/07)より転載

[M&Aニュース](2019年9月24日〜10月4日)

◇NCホールディングス<6236>、太陽光発電設備メンテナンスの関西電機工業を子会社化、◇京進<4735>、職業紹介や資格取得スクール運営のヒューマンライフを子会社化、◇フォートレス、対ユニゾTOBの買付期間を再延長、◇デリカフーズホールディングス<3392>、大藤大久保商店を子会社化、◇アイカ工業<4206>、ウレタン樹脂事業拡大を目的にベトナム企業2社を子会社化、◇三菱ロジスネクスト<7105>、巻取機子会社のニチユマシナリーを日本製鋼所に譲渡、◇大成<4649>、シンガポールのファシリティマネジメント会社C+H Associatesを子会社化 ほか

 

 

NCホールディングス<6236>、太陽光発電設備メンテナンスの関西電機工業を子会社化

◆NCホールディングスは、太陽光発電設備のメンテナンスなどを手がける関西電機工業(大阪府東大阪市。売上高15億円、営業利益8100万円、純資産4億2800万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

NCホールディングスは子会社の日本コンベヤ(東京都千代田区)を通じて太陽光発電事業を手がけている。太陽光発電設備のメンテナンス事業に強みを持つ関西電機を傘下に取り込むことで、シナジー(相乗効果)獲得が期待できると判断した。関西電機は1979年に設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月。

 

京進<4735>、職業紹介や資格取得スクール運営のヒューマンライフを子会社化

◆京進は、職業紹介事業や資格取得スクールの運営を手がけるヒューマンライフ(大阪市)の全株式を取得し子会社化することを決議した。介護事業における人材確保とともに、教育事業のノウハウ共有による相乗効果を狙っている。取得価額、取得予定日は非公表。

 

フォートレス、対ユニゾTOBの買付期間を再延長

◆不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対してTOB(株式公開買い付け)を実施している米投資会社フォートレス・インベストメント・グループは3日、10月7日までとしていた買付期間を同17日まで延長(7営業日)すると発表した。買付期間の延長は2度目。

これに先立ち、ユニゾは9月27日、フォートレスによるTOBへの賛成を撤回し、留保すると発表した。旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の敵対的TOBに対抗して、ユニゾの支持で友好的買収者として登場したフォートレスだが、TOB進行中に一転して賛同を得られない異例の展開となっている。

フォートレスは8月19日からユニゾの子会社化を目的にTOBを実施中。買付価格は1株4000円。全株式の3分の2超の買い付けを目指している。

3日のユニゾ株の終値は前日比5円高の4645円。市場価格はフォートレスが提示した買付価格を上回る高値で推移しており、このままだとTOBの成立が危ぶまれる。今後、買付価格の引き上げがあるかどうかに注目が集まっている。

 

デリカフーズホールディングス<3392>、大藤大久保商店を子会社化

◆デリカフーズホールディングスは、青果物販売の大藤大久保商店(札幌市。6億5600万円、営業利益1110万円、純資産4170万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。大藤大久保商店は1962年に創業し、札幌市と近郊で外食・中食産業向けに青果物で豊富な納入実績を持つ。デリカは北海道地区でこれまで大藤大久保をパートナー企業として青果物の納入を手がけてきたが、新たに同社を傘下に取り込むことで、一層の事業シナジー(相乗効果)創出を目指す。取得価額は非公表。取得日は2019年10月3日。

 

アイカ工業<4206>、ウレタン樹脂事業拡大を目的にベトナム企業2社を子会社化

◆アイカ工業は、ポリウレタン樹脂・接着剤を製造するベトナムU-BEST VIET NAM POLYMER INDUSTRY(ベトナムU-Best、売上高3億2000万円、営業利益△1500万円、純資産3億2000万円)、人工皮革製品を製造する同 VIET NAM SUM YAD TECHNOLOGY(ベトナム上曜社、売上高1億8000万円、営業利益△7400万円、純資産3億8500万円)の2社を子会社化することを決議した。

アイカ工業が2018年1月に傘下に収めた台湾子会社Evermore Chemical Industryを通じて2社の全株式を取得する。Evermoreは靴・繊維・日用品用途のウレタン樹脂の製造を手がける。近年、主要顧客の一部に生産拠点を中国からベトナムに移転する動きが出ているが、同社はすでにベトナムの運動靴底用でトップシェアを持つ。今回、現地2社の土地と製造設備(事業そのものは引き継がない)を手に入れ、ウレタン樹脂市場で一層のシェア拡大を目指す。

取得価額は合計約9億8000万円。取得予定日は2020年1月上旬。

 

三菱ロジスネクスト<7105>、巻取機子会社のニチユマシナリーを日本製鋼所に譲渡

◆三菱ロジスネクストは、全額出資子会社の巻取機メーカー、ニチユマシナリー(滋賀県近江八幡市)の全株式を11月1日付で、日本製鋼所に譲渡することを決めた。譲渡価額は非公表。

巻取機は樹脂フィルム・シート、不織布、粘着テープなどの生産ラインの最終工程で製品の巻き取りや巻き出しを行う設備機械。三菱ロジスネクストは1960年代から事業展開しているが、日本製鋼所はニチユマシナリーを傘下に取り込むことで、巻取機の製品ラインナップを拡充し、おう盛な海外需要に対応する。

 

大成<4649>、シンガポールのファシリティマネジメント会社C+H Associatesを子会社化

◆大成は、シンガポールでファシリティマネジメント(建物の修繕・管理業務)を手がけるC+H Associates(売上高約8億9000万円、純資産約2億4500万円)の株式75%を取得し子会社化することを決議した。

C+Hは2008年に設立し、公的物件のファシリティマネジメントで実績を積んできた。大成は2015年に香港、2017年にはベトナムのビルメンテナンス会社をそれぞれ傘下に収めた。今回、新たにファシリティマネジメントを取り込み、成長著しい東南アジアでの事業拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

メニコン<7780>、イタリアのコンタクトレンズ会社SOLEKOを子会社化

◆メニコンは、イタリアのコンタクトレンズ・ケア用品メーカーSOLEKO S.p.A.の全株式を取得し子会社化した。SOLEKOは1975年設立。イタリアは欧州の使い捨てレンズ市場で英国に次ぐ第2位で、1日使い捨てタイプを中心に成長が続いている。メニコンは海外売上の60%を欧州で占める。取得価額は非公表。取得日は2019年10月1日。

 

グッドスピード<7676>、自動車整備のホクトモータースを子会社化

◆グッドスピードは、自動車整備のホクトモータース(名古屋市)の全株式を取得し子会社化した。

ホクトモータースは陸運局指定工場として国内外の乗用車やトラック、自動二輪などの自動車整備を手がける。グッドスピードは東海エリアを地盤とし、中古車販売や自動車買い取り、整備・板金事業を手がける。ホクトを傘下に取り込むことで、整備拠点を増設し、整備や車検などのカーライフサポートの充実につなげる。

取得価額は非公表。取得日は2019年10月1日。

 

みらいワークス<6563>、groovesから地域貢献副業サービス「Skill Shift事業」を取得

◆みらいワークスは、人材サービス会社のgrooves(東京都港区)から地域貢献副業サービス「Skill Shift事業」を取得することを決議した。みらいが約8割、groovesが約2割を出資して設立する子会社・スキルシフト(東京都港区)が事業を承継する。

Skill Shift事業は各地の中小規模企業と何らかの地方貢献を望む首都圏人材を副業でマッチングさせることを目的とする。

取得価額は1100万円。取得予定日は2019年10月15日。

 

オートバックスセブン<9832>、「オートバックス」8店舗運営のオートスターズを子会社化

◆オートバックスセブンは、カー用品販売の「オートバックス」8店舗を経営するオートスターズ(熊本市)の株式83.3%を取得し子会社化することを決議した。取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月1日。買収後、熊本オートバックスに社名変更する予定。

 

フィックスターズ<3687>、Siderからコードレビュー自動化ツール「Sider」事業を取得

◆フィックスターズはソフト開発のSider(東京都渋谷区)が営むコードレビュー自動化ツール「Sider」に関する事業を取得することを決議した。

フィックスターズは子会社のスリーク(東京都品川区)を通じてAI(人工知能)によるソフトウエア開発マネジメントサービス「Sleeek」を提供している。今回、事業取得する「Sider」はコードレビューの自動化により問題の見逃し防止やチーム内での情報共有を促進する開発ツールで、現在、国内外約1万人の利用者がいるという。フィックスターズは同事業を取り込み、自社の「Sleeek」の機能強化や事業を加速する。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

豊田通商<8015>、ITインフラ関連子会社のISAOを譲渡

◆豊田通商は1日付でITインフラ関連子会社のISAO(東京都台東区。売上高31億6000万円、純資産10億9000万円)の全株式を国内在住の第三者に譲渡した。取得価額は非公表。

ISAOはモビリティー(移動手段)以外の領域をメーンとし、クラウドMSP(マネージドサービスプロバイダー)や受託開発(システムインテグレーション)に特化した事業を展開する。豊田通商は2010年に同社を傘下に収めたが、100年に一度の変革を迎えるモビリティー領域に事業を集中するため、グループから切り離す。

 

ケア21<2373>、ジャパンケアニジュウイチの介護事業を取得

◆ケア21は、ジャパンケアニジュウイチ(堺市)から介護事業を取得した。取得対象の事業はみらいケアセンター(堺市)、ジャパンケア21此花事業所(大阪市)で、訪問介護、居室介護支援などを手がける。取得価額は非公表。取得日は2019年10月1日。

 

小野建<7414>、鉄筋丸棒販売の森田鋼材を子会社化

◆小野建は、京阪神地区で鉄筋丸棒の販売、切断、加工や鉄筋工事を行う森田鋼材(大阪府門真市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

森田鋼材は1951年に創業し、地場の中堅中小建設会社を対象に鉄筋コンクリート用異形棒鋼の加工から販売、施工まで手がける。

取得価額、取得日は非公表。

 

VTホールディングス<7593>、愛知県三河地区でBMW正規ディーラーを営むアイモトーレンから事業を取得

◆VTホールディングスは、愛知県三河地区で独BMW車の正規ディーラーを営むアイモトーレン(愛知県岡崎市)の事業(新車販売店3店、中古車販売店1店)を取得することを決めた。

受け皿会社として8月末に新設したモトーレン三河(名古屋市)が事業を承継する。VTホールディングスは静岡県中東部でBMW正規ディーラーを運営する子会社を持つ。今回傘下に収めた三河地区との連携により、エリア内でのBMW車のシェア拡大を目指す。

取得価額は非公表。取得日は2019年10月1日。

 

三菱商事<8058>、豪州の鉄鉱石資源開発子会社Crossland Resourcesを中国系企業に譲渡

◆三菱商事は、豪州の鉄鉱石資源開発子会社Crossland Resources(CRL、ブリスベン)の全株式を、中国国営企業傘下の現地Sinosteel Ocean Capital(SOC、パース)に譲渡することを決めた。

三菱商事は2007年にJack Hills西豪州中西部地区鉄鉱床と新規鉄鉱石輸送鉄道・港湾インフラの開発プロジェクトに参画。2012年には両プロジェクトの保有権益をすべて取得し、その際にJack Hills鉄鉱床権益を保有するCRLを連結子会社化した。

その後、両プロジェクトの事業化調査や新規パートナーの招聘活動を進めてきたが、西豪州での事業を取り巻く環境変化や、今後の事業の方向性を考慮した結果、CRLの全株式をSOCに売却することが最適と判断したという。SOCは中国中钢集团有限公司の豪子会社。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年10月18日。

 

ニレコ<6863>、光学製品メーカーの光学技研を子会社化

◆ニレコは、光学製品メーカーの光学技研(神奈川県厚木市。売上高8億8300万円、営業利益5900万円、純資産19億1000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。ニレコはセンシング、画像処理、光学の中核事業の進化を技術開発の重点課題としている。1978年設立で光学分野で技術的強みを持つ光学技研を傘下に取り込み、製品の差別化や新たな事業展開に生かす。取得価額は5億9700万円。取得予定日は2019年10月11日。

 

フューチャーベンチャーキャピタル<8462>、米ベンチャーキャピタル子会社を米国の個人に譲渡

◆フューチャーベンチャーキャピタルは、米持株会社のFVCA Holdings, LLC(米コロラド州ウェストミンスター市。売上高・営業利益非公表、純資産3400万円)と、同社の完全子会社でベンチャーキャピタル事業や技術移転コンサルティング事業、教育事業などを手がけるFVC Americas, LLC(同。売上高200万円、営業利益△1500万円、純資産100万円)の全株式を米国の個人に譲渡することを決議した。個人の詳細については非公表。

フューチャーベンチャーキャピタルはFVC Americas, LLCを2016年9月に買収したが、業績が振るわず、グループにおける経営資源の最適化の観点から、同社と持株会社の株式を譲渡することが総合的な企業価値向上に資すると判断した。

フューチャーベンチャーキャピタルは同譲渡に伴い、2020年3月期第2四半期個別決算で特別損失300万円を計上する見込み。

譲渡価額は非公表。譲渡日は2019年9月30日。

 

ビケンテクノ<9791>、シンガポールのエアコン設置工事会社を子会社化

◆ビケンテクノは子会社のSINGAPORE BIKEN PTE.LTD.を通じて、シンガポールのエアコン設置工事やその他付随事業を行うLEONG HUM ENGINEERING PTE.LTD.(売上高7億2200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。SINGAPORE BIKEN社はシンガポールでファシリティマネジメント業務を展開しており、シンガポールでさらなる業容拡大のためLEONG HUM ENGINEERING社の子会社化に踏み切った。

取得価格は非公表。

取得予定日は2020年8月31日。

 

住友化学<4005>、豪州農薬大手ニューファーム傘下の南米子会社を約700億円で買収

◆住友化学は30日、豪州の農薬大手ニューファーム(ビクトリア州)傘下でブラジル、アルゼンチンなど南米4カ国にある現地子会社を買収することで合意したと発表した。買収金額は約700億円。南米は世界の農薬市場の約25%を占め、北米や中国を上回る。世界最大の農薬市場の南米で強固な自社販売体制を築くのが狙い。2020年1~6月中に買収完了を目指す。

住友化学はニューファームが持つブラジル、アルゼンチン、チリ、コロンビアの4現地子会社の全株式を取得する。このうち、中核であるブラジル子会社(売上高535億円、純資産181億円)は1968年に設立し、農薬製造を手がける。

住友化学は今回の買収で南米での農薬売上高が約3倍に拡大し、北米での売上高を超える。南米はブラジルでとくに大豆用の需要がおう盛なほか、世界有数の農業国であるアルゼンチンを抱える。世界の食料需要増加を背景に、南米での農薬市場は一層の拡大が予想されている。

 

APAMAN<8889>、賃貸管理・サブリースのレンタルハウスを子会社化

◆APAMANは賃貸管理・サブリース(転貸)のレンタルハウス(和歌山市。売上高6億6900万円、営業利益1900万円、純資産1億7800万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。レンタルハウスは和歌山県を地盤とし、管理戸数4143戸(うち賃貸管理4076戸、サブリース 67戸)、駐車場台数 1252台、2019年8月末日現在)。APAMANは管理戸数の増加を目的に同社を傘下に収める。

取得価額は非公表。取得日は2019年9月30日。

 

Hamee<3134>、韓国JEI DESIGN WORKSの製品製造事業を取得

◆Hameeは韓国子会社を通じて、現地JEI DESIGN WORKS Inc.(JDW、ソウル)が運営する製品製造事業を取得することを決議した。

Hameeは子会社を通じて韓国で「iFace」シリーズに代表されるモバイルアクセサリーの企画やインターネット通信販売などを手がけている。一方、JDWはプロダクトデザインを受託するなど、ブランド企画のノウハウを持つほか、iFaceシリーズの主要な仕入先の1社。

HameeはJDWの製品製造事業を取り込むことで、新たなプロダクトの創出とともに、商品の製造原価低減を目指す。

取得価額は3億6000万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

CRI・ミドルウェア<3698>、スマホゲームの音声制作を手がけるツーファイブを子会社化

◆CRI・ミドルウェアは、音響制作のツーファイブ(東京都豊島区。売上高2億8800万円、営業利益800万円、純資産2300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ツーファイブは1991年設立で、現在、スマートフォンアプリのゲームや家庭用ゲーム機ソフトの音声制作を主力とする。近年はセリフ付きゲームの需要の高まりで、業務内容も声優のキャスティングから、演出・収録・加工・編集・データ化までを総合的に手がけるサウンド制作に拡大している。

CRI・ミドルウェアは同社をグループに迎えることで、サウンドソリューションを上流から下流までワンストップでの提供が可能になるという。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

トランコム<9058>、シンガポールのビルクリーニング会社を子会社化

◆トランコムはシンガポールでビルクリーニング事業を手がけるSergent Services Pte Ltd(売上高14億6600万円、営業利益9100万円、純資産3億9200万円)の株式90%を取得し、子会社化することを決めた。Sergent Services社は国際空港、地下鉄、学校、商業施設などのビルクリーニングサービス事業を行っており、品質の高いサービスが強み。アセアン諸国のビルクリーニング市場は、今後も伸長が期待できると判断、Sergent Services社の子会社化に踏み切った。

取得価額は約11億6000万円。取得予定日は2019年10月28日。

 

FIG<4392>、ホテル業界向け映像・ITシステム開発のケイティーエスを子会社化

◆FIGは、映像・ITシステム開発のケイティーエス(大分県杵築市。売上高21億4000万円、営業利益1億4900万円、純資産5億200万円)を株式交換で子会社化することを決議した。

ケイティーエスは1981年設立で、従業員約120人。ビジネスホテル、シティホテルなどホテル業界を対象に客室のマルチメディアシステムといった宿泊者向けサービス、監視カメラ、リネンシステム(客室清掃管理)、施設混雑案内システムなどの開発を手がける。ホテルでは全国約8万室への導入実績を持ち、定額制のシステム利用料によるストックビジネスを展開している。

FIGは既存の商用車を中心とした車載市場におけるサービス契約台数約12万台に加え、ケイティーエスが強みとするホテル分野を取り込み、顧客基盤の拡大とサブスクリプション(定額)型ビジネスの強化につなげる。

株式交換比率はFIG1:ケイティーエス119。ケイティーエスの1株にFIGの119株を割り当てる。株式交換予定日は2019年10月31日。

 

ファーマライズホールディングス<2796>、電子お薬手帳など医療関連IT企業のメディカルフロントを子会社化

◆ファーマライズホールディングスは、持分法適用関連会社で電子お薬手帳「ポケットファーマーシー」による地域包括ケアサービスなどを展開するメディカルフロント(東京都中央区。売上高1億800万円、営業利益△6400万円、純資産△4700万円)を子会社化することを決議した。株式14.2%を追加取得し、持ち株比率を51.3%に高める。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

イオンモール<8905>、大型ショッピングセンター「横浜ワールドポーターズ」運営の横浜インポートマートを子会社化

◆イオンモールは27日、大型ショッピングセンター「横浜ワールドポーターズ」の管理・運営を手がける横浜インポートマート(横浜市。売上高27億7000億円、経常利益6億800万円、純資産90億8000万円)の株式87.89%を追加取得し、子会社化(所有割合97.75%)したと発表した。

横浜インポートマートは1995年に横浜市など行政機関や地元経済界、流通事業者などが共同出資して設立。イオンモールも横浜ワールドポーターズに「ビブレ」を出店する。

横浜インポートマートの筆頭株主の横浜市(40%所有)が民間主体の経営に移行することを目的に公募型指名競争入札を実施したのを受け、神奈川県、中小企業基盤整備機構など他の既存株主を含めて、90%超の株式を取得した。

取得価額は70億300万円。取得日は2019年8月29日。

 

文教堂グループホールディングス<9978>、アニメキャラクターグッズ販売事業をソフマップに譲渡

◆文教堂グループホールディングスは27日、子会社の文教堂を通じて展開するアニメキャラクターグッズ販売事業を、パソコン・ソフト販売のソフマップ(東京都千代田区)に譲渡することを決議したと発表した。同日付で成立した事業再生ADR(裁判外紛争処理解決手続き)に基づく再生計画に沿った措置。当該事業の業績は売上高5億2500万円、経常損失7750万円。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年10月31日。

 

モブキャストホールディングス<3664>、栗原はるみさん経営「ゆとりの空間」を子会社化

◆モブキャストホールディングスは、料理家の栗原はるみさんが経営するゆとりの空間(東京都目黒区。売上高26億1000万円、営業利益△4230万円、純資産2億7400万円)を子会社化することを決議した。ゆとりの空間が実施する第三者割当増資を引き受け、60.2%の株式を取得する。取得価額は3億円。2019年9月27日に50.4%、12月20日に残りを取得する。

ゆとりの空間は1995年に設立。栗原はるみさんが暮らしのアイデアやライフスタイルを提案する生活雑貨ショップ「Share with Kurihara harumi」、栗原さんのレシピによるレストランの経営をはじめ、オリジナルの食器やキッチン雑貨、調味料、インテリア小物、エプロンなどを全国の百貨店、アウトレットで展開している。栗原さんは同社の代表取締役を務める。

モブキャストはゆとりの空間が保持するブランド資源を高く評価。ネット事業や企業経営のノウハウを注入し、既存事業をテコ入れするとともに、オンラインショップの運営強化などで中長期的な成長が見込めると判断した。

 

三洋貿易<3176>、畜産機能性原料を輸入販売するワイピーテックを子会社化

◆三洋貿易は、畜産機能性原料の輸入販売を手がけるワイピーテック(東京都千代田区。売上高27億9000万円、純資産4億1500万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。ワイピーテックは1984年設立で、機能性飼料原料と飼料添加物の輸入販売を主力とする専門商社。三洋貿易は畜産分野を重点分野と位置づけており、今回の子会社化もその一環。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

Key Holder<4712>、TV業界への人材派遣を手がけるワイゼンラージを子会社化

◆Key Holderは、TV業界を中心にクリエイターやスタッフの派遣業務を手がけるワイゼンラージ(東京都渋谷区。売上高1億7100万円、営業利益1090万円、純資産2820万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ワイゼンラージは2016年に設立された映像制作会社。映像制作の担い手であるクリエーターの養成・育成のほか、約200人の制作スタッフを抱え、人材派遣事業を手がける。Key Holderは同社を傘下に取り込み、映像制作分野での事業基盤を拡充する。

取得価額は1億1000万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

古河電気工業<5801>、銅管・銅管部品・銅板事業を日本産業パートナーズに譲渡

◆古河電気工業は、グループで手がける銅管・銅管部品・銅板事業を会社分割などを通じて、投資ファンドである日本産業パートナーズ(東京都千代田区)傘下の特別目的会社に譲渡することを決議した。

古河電工は今回の分割対象事業(売上高は約103億円)について、同社本体のほか、子会社の奥村金属(兵庫県尼崎市)、タイ現地法人Furukawa Metal(FMT)で展開している。本体と奥村金属の事業は新設する受け皿会社に承継させる。そのうえで、承継会社とFMTの全株式を日本産業パートナーズ傘下のCTJホールディングス2合同会社(特別目的会社)に譲渡する。

株式譲渡価額は非公表。株式譲渡予定日は2020年3月2日。

 

安田倉庫<9324>、北陸3県を地盤とする大西運輸とオオニシ機工を子会社化

◆安田倉庫は、運送会社の大西運輸(金沢市。売上高37億4000万円、営業利益1億5000万円、純資産6億7300万円)、建設業のオオニシ機工(金沢市。売上高6億2600万円、営業利益1200万円、純資産9500万円)の2社の全株式を取得し子会社化することを決議した。

大西運輸は1982年設立で、北陸3県に配送網を築いている。一方のオオニシ機工は2001年設立で、クレーン作業や建材輸配送を得意とする建設業者。両社は兄弟関係にある。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月1日。

 

リミックスポイント<3825>、ホテル運営子会社のアナザーを経営陣に譲渡

◆リミックスポイントは、グループ内のホテル運営を手がける子会社のアナザー(東京都中央区)の全株式を、アナザー社長の安藤健志氏に譲渡することを決議した。

リミックスポイントは主力事業の一つである旅行関連について、事業企画・開発を担うジャービス(東京都港区)、施設運営を行うアナザーの2社体制で展開。アナザーは、今年5月に自社案件第1号として開業したホテル「an/other TOKYO」(東京都中央区)の運営を担っている。

アナザーをグループから切り離して財務面のスリム化を図るとともに、ジャービスが事業企画・開発に特化することで、資本効率の高い事業展開を目指すとしている。

譲渡価額は非公表。譲渡日は2019年9月27日。

 

バークレイズ・キャピタル、ユニゾ株を6.19%新規保有

◆英金融大手バークレイズ傘下のバークレイズ・キャピタル・セキュリティーズ・リミテッドが不動産・ホテル業のユニゾホールディングス株式を新規に6.19%保有した。26日付でバークレイズ・キャピタルが関東財務局に提出した大量保有報告書で分かった。保有目的は「証券業務及びその付随業務としての保有」。

ユニゾをめぐっては現在、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOB(株式公開買い付け)が進行中。フォートレスはユニゾの完全子会社化を目指しており、買付期間は10月7日まで。

 

プロネクサス<7893>、Web制作のレインボー・ジャパンを子会社化

◆プロネクサスは、Web制作のレインボー・ジャパン(東京都渋谷区。売上高4億7700万円、営業利益△2000万円、純資産8400万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

プロネクサスが主力とするディスクロージャー・IR分野では開示書類などのWeb化やコンテンツの充実が進む中で、分かりやすく、デザイン性や訴求性の高いサイト構築が求められている。この分野における同社売上高も急拡大しており、今後の受注増とニーズの多様化に対応できる社内基盤の構築が急務となっていた。

今回傘下に収めるレインボー・ジャパンは1991年に設立し、大手企業を中心にWeb制作で実績を積んできた。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

ハイレックスコーポレーション<7279>、補助人工心臓の治験を手がける米EVAHEARTを子会社化

◆ハイレックスコーポレーションは、補助人工心臓の治験・販売認可申請を手がける米EVAHEART,INC.(テキサス州。売上高2億1800万円、営業利益△1500万円、純資産3400万円)の第三者割当増資を引き受け、同社株式の66.7%を取得し子会社化することを決議した。

ハイレックスはEVAHEARTに米国における補助人工心臓の治験推進を委託しているが、傘下に取り込むことにより、自社の医療機器事業との相乗効果などを期待している。

取得価額は5億8500万円。取得日は2019年9月26日。

 

城南進学研究社<4720>、認可外保育園運営のCheer plusを子会社化

◆城南進学研究社は、認可外保育園を運営するCheer plus(東京都世田谷区。売上高6420万円、営業利益568万円、純資産870万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

Cheer plusは世田谷区内で認可外保育園「サニーキッズインターナショナルアカデミー」(1歳から8歳を対象)を運営し、英語教室や学童保育などでノウハウを持つ。

城南は保育園や英語教室などの乳幼児教育事業を拡大中で、この分野でM&Aを活発化させている。今回、Cheer plusを傘下に取り込むことで、事業規模の拡大と質の高い保育サービスの提供につなげる。

取得価額は非公表。取得日は2019年9月26日。

 

ホットマン<3190>、車検整備の北日本車検整備工場を子会社化

◆ホットマンは、自動車車検整備の北日本車検整備工場(仙台市。売上高1億7000万円、営業利益△700万円、純資産2600万円)の全株式を取得し、子会社化することを決議した。

ホットマンは宮城県を本拠とし、秋田、岩手、福島、茨城、栃木、長野の7県で「イエローハット」「TSUTAYA」「アップガレージ」などを 117店舖運営するメガフランチャイ ジー企業。 一方、北日本車検整備工場は宮城県で車検整備を中心とした東北運輸支局長指定民間車検工場を営む。

ホットマンは同社を傘下に取り込むことで、両社とも送客面でシナジー(相乗効果)が期待できるとみている。イエローハット事業ではピット(整備)技術の向上や車検などカーメンテナンスサービス獲得増加を目指す。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

古河電気工業<5801>、太物巻線・ポリイミドチューブ事業を米エセックスとの合弁会社に譲渡

◆古河電気工業は、太物巻線事業とポリイミドチューブ事業を会社分割・現物出資などを通じて、巻線メーカーの米エセックス(ジョージア州)と合弁で今後設立する新会社Essex Furukawa Magnet Wire LLC(古河電工海外子会社が39%出資。所在地などは未定)に譲渡することを決議した。分割する当該事業の業績は売上高278億円、営業利益7400万円。一連の取引の実行予定日は2020年4月1日。

 

ソースネクスト<4344>、デジタルポストの電子郵便事業を取得

◆ソースネクストは、電子郵便事業を手がけるデジタルポスト(東京都千代田区。売上高5000万円、営業利益△2300万円、純資産△1400万円)のすべての事業を取得することを決議した。

デジタルポストは2011年設立で、日本で先駆けて次世代デジタル郵便サービス事業を開始。スマートフォンやパソコンから手軽に手紙やはがきを送付するサービスを提供してきた。ソースネクストは2013に主力製品の一つである「筆王」シリーズで、デジタルポストのサービスを利用し、年賀状の注文・印刷・郵便サービスを展開している。

今回、デジタルポストの全事業を取得することで、「筆王」のほか、「筆まめ」「宛名職人」シリーズにも利用を広げ、はがき作成ソフトの価値向上につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月30日。

 

伊藤ハム米久ホールディングス<2296>、明治HD傘下の明治ケンコーハムを子会社化

◆伊藤ハム米久ホールディングス(HD)は明治ホールディングス傘下でハム・ソーセージ・ベーコン類を製造販売する明治ケンコーハム(東京都江東区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

明治ケンコーハムは1952年に設立し、静岡県三島市に製造拠点を置く。伊藤ハム米久HDグループの米久(静岡県沼津市)が主力とするポークソーセージ、焼豚などの製造拠点と立地が近く、生産の効率性向上が相互に期待できる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年12月2日。

 

エリオット、ユニゾ株の保有割合が13.14%に上昇

◆米投資会社のエリオット・マネジメントは不動産・ホテル業のユニゾホールディングス株式を1.16%買い増し、保有割合を13.14%(共同保有分を含む)に高めた。25日に関東財務局へ提出した大量保有の変更報告書で判明した。ユニゾをめぐっては8月19日~10月7日(当初予定の10月1日から4営業日延期)を期間として、ソフトバンクグループ傘下の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOB(株式公開買い付け)が進行中。

25日のユニゾ株の終値は前日比75円高の4290円で、フォートレスが提示した買付価格4000円を上回る。フォートレスのTOBが始まって以降、ユニゾ株の市場価格が買付価格を上回る高値で推移しており、TOB成立の前提となる予定数の株式を集められるかどうか極めて微妙な段階になる。

 

 

日本電技<1723>、ソフト製品開発のジュピター電算機システムから全事業を取得

◆日本電技は、汎用ソフトウエア製品の開発などを行うジュピター電算機システム(神戸市)のすべての事業を取得することを決議した。

ジュピター電算機は1981年に設立し、直近業績は売上高5億7000万円、経常利益1300万円。食品製造業を対象に生産・販売・物流業務を一元管理するシステム構築を主力とする。日本電技は事業の受け皿となる新会社「ジュピターアドバンスシステムズ」(神戸市)を2020年2月に設立する予定。産業計測関連事業を強化する一環。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

バリューコマース<2491>、ヤフー傘下で宿泊施設向け予約システムなど開発のダイナテックを子会社化

◆バリューコマースはヤフー傘下で宿泊施設向け予約システムなどの開発を手がけるダイナテック(東京都中央区。売上高17億3000万円、営業利益4億2900万円、純資産13億8000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

バリューコマースは成果報酬型広告「アフィリエイト」や「Yahoo!ショッピング」のストア向けを中心にEコマース(電子商取引)事業者の集客・販促を支援するサービスを展開する。ダイナテックの子会社化を機に、宿泊施設向け事業に新規参入する。

ダイナテックは1987年に設立し、宿泊施設の専用予約システム「Direct In」や宿泊管理システム「Dynalution」などのソリューションを展開している。

取得価額は27億4000万円。取得予定日は2019年9月27日。

 

APAMAN<8889>、家賃保証子会社の全国賃貸保証を新生銀行に譲渡

◆APAMANは家賃保証業務を手がける子会社の全国賃貸保証(東京都千代田区。売上高4億7100万円、営業利益1億5200万円、純資産1億200万円)の全株式を、新生銀行に譲渡することを決議した。

全国賃貸保証は2008年に設立し、APAMANグループにおける管理物件の家賃保証業務を担ってきた。これまで新生銀行子会社のアプラス(東京都千代田区) と共同保証を行うなど協力関係にあった。

APAMANは財務体質の強化や今後の管理戸数増加に向けたM&A資金の確保などを目的に、新生銀行やアプラスと協議を進め、全国賃貸保証の株式を譲渡することにしたという。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年9月27日。

 

JBイレブン<3066>、マウンテンコーヒー傘下で喫茶店・レストラン経営のハットリフーズを子会社化

◆JBイレブンは、業務用コーヒー卸のマウンテンコーヒー傘下で喫茶店・レストラン経営を手がけるハットリフーズ(名古屋市。売上高2億8500万円、営業利益△1750万円、純資産△1400万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ハットリフーズはマウンテンコーヒーが全額出資して1987年に設立。現在、名古屋市内にあんかけスパゲッティとハンバーグをメインとした「ドン・キホーテ」を3店舗運営している。

JBイレブンは東海地区が地盤で、ラーメン店「一刻魁堂」や中華料理「ロンフーダイニング」を主力に外食事業を展開する。今回、同社として新たな業態を取り込み、事業領域を拡大する。これに先立ち、同社は2018年7月に、珈琲所コメダ珈琲店をフランチャイズ展開するハートフルワーク(東京都小平市)を傘下に収めている。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

オンキヨー<6628>、FEAT SPORTSのスポ食サポートプログラム事業などを取得

◆オンキヨーは子会社のオンキヨースポーツ(東京都墨田区)を通じて、スポーツチーム強化のサポート事業を手がけるFEAT SPORTS(東京都千代田区)の事業の一部を取得することを決めた。取得するのはスポ食サポートプログラム「スポ食」と、アスリートのキャリア形成支援サービス「アスリートjob」。スポーツ支援事業の拡大が狙い。

オンキヨースポーツは2018年4月にオンキヨーが子会社として設立し、学校法人至学館(名古屋市)が出資する。オンキヨースポーツと至学館はスポーツ栄養学に基づいて開発したAI(人工知能)活用の食事トレーニングアプリ「food coach」の普及に力を入れている。この「food coach」はFEAT SPORTSの「スポ食」にも採用され、プロサッカーチーム横浜FCユース・Jrユースをサポート中。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

シモジマ<7482>、包装・梱包資材卸のミタチパッケージを子会社化

◆シモジマは、包装・梱包・物流資材卸販売のミタチパッケージ(兵庫県姫路市。売上高15億1000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ミタチは1970年設立で、姫路市を中心に工業関係の顧客を多数抱え、物流にも強みを持つ。シモジマは小売り・流通分野の包装用品や店舗用装飾品の取り扱いを得意とするが、ミタチを傘下に取り込み、事業領域を広げる。

取得価額は非公開。取得予定日は2019年10月3日。

 

CAC Holdings<4725>、シンガポールIT企業のMitraisを子会社化

◆CAC HoldingsはシンガポールのIT企業Mitrais Pte. Ltd.(売上高約17億5000万円、純資産約4億4000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。Mitraisはインドネシア、豪州を主要地盤とし、ソフトウエア製品の販売・メンテナンスや開発受託サービスを展開する。取得価額は28億9000万円。取得予定日は2019年10月中。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

連帯納付義務履行後の還付 ~納付書の記載に注意!~

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田房枝/税理士)

 

 

1.はじめに


同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得したすべての者は、その相続又は遺贈により取得した財産の価額を限度として、他の相続人又は受遺者が納付すべき相続税額について連帯納付義務があります(相法34①)。

 

したがって、例えば、相続人のうちの1人が相続税を滞納した場合には、他の相続人や受遺者にその納付を求められる場合があり、その際は、税務署から連帯納付義務者へ納付通知書が送付されます(相法34⑥)。

 

なお、実務上は、税務署から納付通知書の送付がある前であっても、連帯納付義務者が延滞税を心配して、連帯納付義務を果たすために、自主的に他の者の相続税を納付することがありますが、その際の納付書の記載方法によっては、その後に生じた過誤納金の還付を受ける者が異なるため注意が必要です。

 

2.前提となる事例


本稿では、次の事例を前提として解説します。

 

(1)被相続人甲の相続人は、配偶者乙と長男丙の2名。
(2)丙が相続税を納める様子がないことから、乙は自身の連帯納付義務と延滞税を懸念し、丙に係る相続税を納付した。
(3)その後、丙に係る相続税について過誤納金があることが判明し、その一部が還付されることになった。

 

3.過誤納金があった場合の還付先


(1)丙名義で納付した場合

上記2(2)で、乙が丙に係る相続税を納付する際、丙名義の納付書にて納付した場合には、基本的に※1、税務署においては実質的な出捐者が誰であるかということや、その納付手続を行ったのが誰であるかということに関わらず、丙が納付したものとして処理されます。

 

そして、その後、過誤納金が判明した場合の還付請求権は納税名義人である丙が有し、還付先は丙となります(ただし、乙・丙間では、債権債務が発生します。東京地裁平成25年11月26日判決)。

 

※1 納付時に乙が税務署へその旨の連絡をしていた場合等には、異なる取扱いがされることも考えられます。

 

(2)納付書に連帯納付義務に係る納付である旨を記載し、連帯納付義務者として納付した場合

上記2(2)で、乙が丙に係る相続税を納付する際、乙が下記のような納付書※2により納付していた場合には、税務署においては乙が納付したものとして処理されます。そして、その後、過誤納金が判明した場合の還付請求権は納税名義人である乙が有し、還付先は乙となります。

 

802-1.png

 

※2 実際に東京国税局及び芝税務署の指導に基づき作成・納付した納付書をもとに記載しています。

 

4.最後に


上記3(1)のように、乙が丙名義の納付書で納付をしてしまうと、過誤納金の還付先は丙となります。

 

連帯納付義務を果たすため、他の相続人や受遺者の相続税を納付する場合には、後に税金が還付される場合に備えて、納付書の記載に留意するとともに、納付時には、その旨を税務署へ連絡しておくことが望ましいと考えます。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/09/24)より転載

[M&Aニュース](2019年9月9日〜9月20日)

◇フォートレス、対ユニゾTOBの買付期間を延長、◇ダイキアクシス<4245>、空調換気・給排水設備販売の冨士原冷機など2社を子会社化、◇初穂商事<7425>、エクステリア資産卸販売のアイシンを子会社化、◇日本創発グループ<7814>、ビジュアルコンテンツ事業のVisolabを子会社化、◇キャリア<6198>、高知事務センターで行う派遣社員の勤怠管理・給与計算業務をステラスに譲渡、◇ベネフィットジャパン<3934>、モバイルwi-fiのレンタル事業を手がけるモバイル・プランニングを子会社化、◇エル・ティー・エス<6560>、ソフト開発のワクトを子会社化、◇米エリオット、TOB進行中の「ユニゾ株」保有割合 10.95%に上昇、◇石原ケミカル<4462>、装飾めっき用表面処理薬品製造のキザイを子会社化、◇ヤフー<4689>、衣料品通販サイトのZOZOをTOBで子会社化へ 4007億円を投じる など

 

フォートレス、対ユニゾTOBの買付期間を延長

2019-09-21

◆不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対してTOB(株式公開買い付け)を実施している米投資会社フォートレス・インベストメント・グループは20日、当初10月1日までとしていた買付期間を同7日まで延長(営業日ベースで4日間)すると発表した。対象会社の主要株主に異動が生じたのを受けた措置。ユニゾ株をめぐっては20日までに米投資会社エリオット・マネジメントが保有割合を11.98%まで高めたことが判明している。

フォートレスは8月19からユニゾに対するTOBを実施中。完全子会社化を目指しており、買付代金は最大1368億円。買付価格は1株につき4000円。

一方、エリオットは18日提出した大量保有の変更報告書でユニゾ株の保有割合が10.95%と初めて10%を超える水準まで上昇したことを報告。これに続く20日提出分によると、さらに1.03%を買い増して11.98%まで保有割合を高めた。

20日のユニゾ株の終値は前日比20円安の4200円。フォートレスがTOBを開始後、同日まで一貫して市場価格が買付価格の4000円を上回る高値で推移しており、このままだとTOBの成立が危ぶまれる。

 

ダイキアクシス<4245>、空調換気・給排水設備販売の冨士原冷機など2社を子会社化

2019-09-20

◆ダイキアクシスは、空調換気・給排水設備販売の冨士原冷機(松山市。売上高17億4000万円、営業利益5590万円、純資産1億6000万円)、空調換気設備工事の日本エアーソリューションズ(同。売上高2億5600万円、営業利益8390万円、純資産5750万円)の2社の全株式を取得し、子会社化することを決議した。

ダイキアクシスは水回りを中心とする住設機器の販売を主力事業の一つとする。今回両社を傘下に取り込み、設備関連のソリューション力を向上させる。冨士原冷機は1986年設立、日本エアーソリューションズは2017年設立で、いずれも冨士原裕氏が社長を務める。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

初穂商事<7425>、エクステリア資産卸販売のアイシンを子会社化

2019-09-20

◆初穂商事は、エクステリア資材の卸販売や設計・施工を手がけるアイシン(大阪府高槻市。売上高115億円、営業利益4億5300万円、純資産22億円)の株式49.6%を追加取得し、子会社化(所有割合74.8%)することを決議した。

初穂は中部地区を主体にエクステリア事業を展開する。2017年6月に営業エリアの拡大を目的に関西を地盤とするアイシンと資本業務提携し、同社に25.2%出資した。今回、さらに踏み込み、アイシンを子会社化し、事業シナジー(相乗効果)の拡大につなげる。

取得価額は15億5300万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

日本創発グループ<7814>、ビジュアルコンテンツ事業のVisolabを子会社化

2019-09-20

◆日本創発グループは、ビジュアルコンテンツ事業を手がけるVisolab(東京都港区。売上高1億2900万円、営業利益500万円、純資産1000万円)の株式71.4%を取得し子会社化することを決議した。

日本創発グループは汎用的な一般情報用紙への印刷にとどまらず、特殊素材・立体物への印刷、ノベルティー・フィギュア、3D(三次元)プリンター造形などに幅広く取り組んでいる。Visolabを傘下に取り込み、顧客の多様な要望にこたえられるようワンストップサービスの拡充につなげる。

取得価額は9000万円。取得日は2019年9月20日。

 

キャリア<6198>、高知事務センターで行う派遣社員の勤怠管理・給与計算業務をステラスに譲渡

2019-09-20

◆キャリアは、高知事務センター(高知市)で行う派遣社員の勤怠管理・給与計算業務を、人材ビジネス業界向けシステム開発などを手がけるステラス(東京都千代田区)に譲渡することを決議した。同業務を承継するため設立する新会社「ステラスビジネスサポート」(高知市)の全株式を11月1日付で譲渡する。譲渡価額は2000万円。

 

ベネフィットジャパン<3934>、モバイルwi-fiのレンタル事業を手がけるモバイル・プランニングを子会社化

2019-09-19

◆ベネフィットジャパンは、モバイルwi-fiのレンタル事業を手がけるモバイル・プランニング(東京都中央区。売上高6億3700万円、営業利益5700万円、純資産9800万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

モバイル・プランニングはAKIBAホールディングスの傘下企業。販売・物流・請求・収納・顧客サポートをワンストップで行い、NETAGE(ネットエイジ)という独自ブランドを中心にEC(電子商取引)サイトを通じて出張、旅行、一時帰国などに際し、モバイルwi-fiの短期利用ニーズに応えている。ベネフィットジャパンはモバイル・プランニングを傘下に取り込み、新規事業領域に参入を実現する。

取得価額は5億1000万円。取得予定日は2019年9月30日。

 

エル・ティー・エス<6560>、ソフト開発のワクトを子会社化

2019-09-19

◆エル・ティー・エスは、ソフト開発のワクト(東京都中央区。売上高11億2000万円、営業利益1840万円、純資産4420万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ワクトは2010年に設立し、ITシステム開発の要件定義、設計、構築、運用に関して実績を積んできた。エンジニア180人の稼働体制を実現している。エル・ティー・エスは同社を傘下に取り込み、対応可能な技術範囲やエンジニアリング体制の拡大を目指す。

取得価額は1億6000万円。取得予定日は2019年9月25日。

 

米エリオット、TOB進行中の「ユニゾ株」保有割合 10.95%に上昇

2019-09-18

◆米投資会社のエリオット・マネジメントは不動産・ホテル業を手がけるユニゾホールディングス<3258>株式を1.5%買い増し、保有割合を10.95%(共同保有分を含む)に高めた。18日に関東財務局へ提出した大量保有の変更報告書で分かった。エリオットのユニゾ株買い増しが判明したのは前回8月14日の提出分以来、約1カ月ぶり。ユニゾをめぐっては8月19日~10月1日を期間とし、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOB(株式公開買い付け)が進行中。

18日のユニゾ株の終値は前日比35円安の4125円。これに対し、フォートレスが提示した買付価格は4000円。フォートレスがTOBを開始後、同日まで一貫して市場価格(終値)が買付価格を上回ったまま推移している。

エリオットの保有目的は前回までと同じで、「投資。なお、状況等に応じ、建設的な対話(エンゲージメント)や助言、重要提案行為等を行う可能性もある」という内容。

 

石原ケミカル<4462>、装飾めっき用表面処理薬品製造のキザイを子会社化

2019-09-18

◆石原ケミカルは、装飾めっき用表面処理薬品を製造するキザイ(東京都中央区。売上高13億4000万円、営業利益1億1700万円、純資産18億4000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

キザイは1959年に設立。樹脂めっき薬品、アルミ・マグネシウム合金上の前処理薬品など、石原ケミカルが取り扱っていない装飾めっきの市場で実績を積んできた。石原ケミカルは自社の電子部品用表面処理剤との相互補完により、グループとして表面処理剤事業の拡大を目指す。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月中。

 

日鉄物産<9810>、ソーセージや鴨肉・焼豚など畜肉加工食品の開発・輸入を手がけるコスモフーズを子会社化

2019-09-17

◆日鉄物産は、ソーセージや鴨肉、焼豚など畜肉加工食品を開発・輸入するコスモフーズ(大阪市。売上高16億5000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。日鉄物産が90%、子会社の日協食品(東京都中央区)が10%を保有する。コスモフーズは1982年設立で、従業員は25人。取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

CSSホールディングス<2304>、食材販売・給食事業のヤマト食品を投資会社のケイエフに譲渡

2019-09-17

◆CSSホールディングスは、献立付き食材販売や受託給食を手がけるヤマト食品(神奈川県大和市。売上高24億6000万円、営業利益△7800万円、純資産9000万円)の全株式を、投資会社のケイエフ(兵庫県姫路市)に譲渡することを決議した。

ヤマト食品は1982年に設立。高齢者福祉関連で事業拡大を目指してきたが、大型の受注を失ったことから売上高が減少し、2018年9月期まで2期連続の営業赤字を計上した。19年9月期についても受注の取りこぼしで赤字が見込まれている。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年9月30日。

 

アイ・ケイ・ケイ<2198>、葬儀事業子会社のアイ・セレモニーを木下に譲渡

2019-09-13

◆アイ・ケイ・ケイは、葬儀事業子会社のアイ・セレモニー(佐賀県伊万里市。売上高2億9600万円、営業利益600万円、純資産3億500万円)の株式95%を、冠婚・葬祭事業を手がける木下(福岡県久留米市)に譲渡することを決議した。

アイ・ケイ・ケイは中核である婚礼事業に経営資源を集中させる。葬儀事業については全売上高の2%程度にとどまっていた。

譲渡価額は3億7700万円。譲渡予定日は2019年10月1日。

 

ソフィアホールディングス<6942>、ソフト・機器開発子会社のエリアビイジャパンをオフィス24に譲渡

2019-09-12

◆ソフィアホールディングスは企業向けソフト、機器の開発・販売を手がける子会社のエリアビイジャパン(東京都新宿区)の全株式を、IT機器開発などのオフィス24(東京都新宿区)に譲渡することを決議した。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年10月1日。

 

不二精機<6400>、精密プレス加工の秋元精機工業を子会社化

2019-09-12

◆不二精機は、精密プレス加工の秋元精機工業(横浜市。売上高5億8800万円、営業利益1300万円、純資産5700万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

秋元精機は1964年の設立以来、精密プレス加工用の金型設計・製作と板金プレス部品、インサート成形品、絞り板金プレスなどの製造を手がけ、自動車関連業界を顧客とする。

不二精機はパワートレイン(エンジン、モーター)に左右されない部品の受注拡大に向けて、従来の樹脂成形品にとどまらず、精密金属部品を金型内にあらかじめ組み込んで樹脂成形するインサート成形品などで新製品開発を進めている。秋元精機の技術・ノウハウを取り込み、競争力向上につなげる。

取得価額は非公表。取得日は2019年9月12日。

 

クリエイト・レストランツ・HD<3387>、北米でイタリアンレストランを展開する現地イルフォルナイオを子会社化

2019-09-12

◆クリエイト・レストランツ・ホールディングス(HD)は、北米でイタリアンレストラン「イルフォルナイオ」を展開する米Il Fornaio (America) LLC(カリフォルニア州。売上高122億円、営業利益8億5000万円、純資産46億円)の全持分を取得し、子会社化することを決めた。

イルフォルナイオは1987年に創業。カリフォルニア州など3州で20店舗を持ち、正統派イタリアンとして知られるという。クリエイト・レストランツ・HDは海外事業に関し、アジアにシンガポールを中心に31店舗、米ニューヨークに3店舗を展開する。イルフォルナイオを傘下に収め、北米事業の取り組みを加速する。

取得価額は約80億5000万円。取得予定日は2019年9月30日。

 

ソフィアホールディングス<6942>、茨城県日立市で調剤薬局2店舗を営むメリーコーポレーションを子会社化

2019-09-12

◆ソフィアホールディングスは、茨城県日立市内で調剤薬局2店舗を営むメリーコーポレーション(茨城県日立市。売上高2億9100万円、営業利益689万円、純資産9460万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。取得価額は3億240万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

ヤフー<4689>、衣料品通販サイトのZOZOをTOBで子会社化へ 4007億円を投じる

2019-09-12

◆ヤフー(10月にZホールディングスに社名変更)は12日、衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOの子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。ZOZO株式の50.1%の取得を目指す。買付代金は最大4007億円。ZOZO創業者で前社長(12日付で取締役辞任)の前沢友作氏は36.76%を保有する株式のうち、30.37%についてTOBに応じる。ZOZOは会社としてTOBに賛同している。ZOZOの上場(東証1部)は維持する。

ZOZOが主戦場とする衣料・服飾雑貨は国内B-C(消費者向け電子商取引)市場の物販分野で最大規模(約1兆7700億円)。ヤフーはZOZOを取り込み、ファッションカテゴリーの品ぞろえを強化し、インターネット通販事業を拡大する。

買付価格は1株あたり2620円。TOB公開前日の終値2166円に20.96%のプレミアムを加えた。買付予定数の下限は所有割合が3分の1超に相当する33.4%に設定。買付予定数の上限(50.1%)を超える部分については買い付けを行わない。買付代理人は、みずほ証券。

買付期間は30日間とし、買付開始は10月上旬を予定。前沢前社長とは買付開始日から15営業日以内に同氏がTOBに応募する旨の契約を結んでいる。

ZOZOは1998年に設立し、衣料品通販サイト「ゾゾタウン」は日本最大級の通販サイトに成長を遂げた。2019年3月期の売上高は1184億円、営業利益は256億円、当期純利益は159億円。一方、ヤフーはポータルサイト国内最大手で、今年6月にソフトバンクの子会社となった。

 

三菱商事<8058>、経営再建中の千代田化工建設を10日付で子会社化

2019-09-11

◆三菱商事は11日、経営再建中で持分法適用関連会社の千代田化工建設を連結子会社化したと発表した。7月1日に第三者割当増資を引き受けて700億円で取得したA種優先株式1億7500万株(議決権なし)のすべてについて、10日付で普通株式への転換請求権を行使する場合に必要となる許認可を得られた。これに伴い、議決権ベースで持ち株比率が従来の33.57%から82.06%に高まる。

千代田化工は2019年3月期決算で2149億円の最終赤字を計上し、591億円の債務超過に陥った。これを受け、三菱商事は金融子会社を通じて900億円を融資するとともに、優先株を700億円で引き受けた。

 

立花エレテック<8159>、八洲電機から電子デバイス事業子会社の八洲電子ソリューションズを子会社化

2019-09-10

◆立花エレテックは、八洲電機子会社で電子デバイス・コンポーネント事業を手がける八洲電子ソリューションズ(東京都港区。売上高77億1000万円、経常利益1億2800万円、純資産9億7200万円)の全株式を2020年4月1日付で取得し、子会社化する。取得価額は未定。

立花エレテックは主力事業の一つとして、規格品からユーザー仕様までニーズに合わせた半導体や電子デバイス製品の販売や、マイコンやカスタムLSIの設計開発を手がける。八洲電子をグループに迎え、商材の品ぞろえを拡充するとともに、技術補完によるソリューション提案力の強化を目指す。

八洲電機は鉄鋼、石油業界を中心にエンジニアリング事業に経営資源を集中させる方針を打ち出している。八洲電子は2016年に分社化して設立した。

 

アイスタディ<2345>、システム開発のエイム・ソフトを子会社化

2019-09-09

◆アイスタディはシステム開発のエイム・ソフト(東京都新宿区。売上高8億円、営業利益4400万円、純資産1億1900万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

エイム・ソフトは2005年に設立し、銀行、証券、生損保、カード会社など金融関連と不動産関連で実績を積んできた。アイスタディは同社を傘下に取り込み、AI(人工知能)やビッグデータ、IoT(モノのインターネット)などに関連する高度IT人材育成の取り組みを加速する。

取得価額は3億6800万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

メディカル・データ・ビジョン<3902>、医療系システム開発のメディカルドメインを子会社化

2019-09-09

◆メディカル・データ・ビジョンは、医療系のシステム開発を手がけるメディカルドメイン(東京都千代田区。売上高2億3300万円、営業利益1000万円、純資産4700万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

メディカルドメインはレセプト(診療報酬明細書)や検査領域にかかわる医療系システムの開発やサポートを通じて中小規模病院やクリニックなどの医療機関と医師会にネットワークを持つ。

メディカル・データ・ビジョンは大規模病院の医療ビッグデータ(約2800万人の診察データ)を保有する。今回、メディカルドメインを傘下に取り込み、大規模病院にとどまらず、小規模病院やクリニックまでを網羅した医療ビッグデータの構築に着手する。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

日東工業<6651>、ベトナムのセキュリティー機器卸販売SOECOを子会社化

2019-09-09

◆日東工業は、オフィス・セキュリティー機器の卸販売を手がけるベトナムSAO NAM AN TRADING CORPORATION(SOECO、ホーチミン。売上高13億6000万円、営業利益3700万円、純資産2億5200万円)の株式99.9%を取得し子会社化することを決議した。

SOECOはベトナム全域に400社以上の販売網を持ち、顧客数は1万社を超えるという。日東工業は子会社のサンテレホン(東京都中央区)を通じて、セキュリティーカメラを中心とするソリューション販売事業を手がけるが、SOECOと事業分野が重なり、早期のシナジー(相乗効果)創出が期待できると判断した。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月25日。

 

川崎汽船<9107>、海運関連のドイツ子会社KHL-Gを現地投資会社に譲渡

2019-09-09

◆川崎汽船は、ドイツ子会社の”K” LINE HEAVY LIFT (GERMANY) GmbH(KHL-G、売上高0円、営業利益△82万6000円、純資産△128億円)の全株式を、投資会社の現地Freiherr von Feldegg Vermögenswerte GmbHに譲渡することを決めた。KHL-Gは海運子会社のSAL HEAVY LIFT GmbH(SAL)の持ち株会社として川崎汽船の全額出資で2009年に設立されたが、2017年にSALを売却し、その役割を終えていた。清算に要する時間や費用を考慮し、売却が適切と判断した。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年9月19日。

 

東京センチュリー<8439>、米航空機リース大手Aviation Capital Groupを子会社化

2019-09-09

◆東京センチュリーは9日、米国の航空機リース大手Aviation Capital Group LLC(ACG、カリフォルニア州。売上高約1120億円、当期純利益約284億円、純資産約3450億円)を買収すると発表した。米現地法人を通じて現在24.5%の持分を所有するが、持分を追加取得し、完全子会社化する。新興国・途上国の旅客輸送需要の増加やLCC(格安航空会社)の成長などに伴い、世界的に民間航空機市場の拡大とともに、航空機のオペレーティングリース利用率が一層高まることが見込まれている。取得価額は約30億ドル(約3213億円)。2019年12月に買収完了を目指す。

ACGは1989年設立で、世界最古参の大手航空機リース会社の一つに数えられる。世界45カ国超の90社以上の航空会社に対してリース事業を手がける。6月末時点の保有管理・発注済み機体数は約500機。東京センチュリーは2017年に持分20%(2019年3月に24.5%)を取得した。

 

FRACTALE<3750>、ホテル金沢を子会社化

2019-09-09

◆FRACTALEは、ホテル金沢(金沢市。売上高15億2000万円、営業利益2億8600万円、純資産△12億9000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。ホテル金沢はJR金沢駅から徒歩1分の好立地にある。FRACTALEは既存ホテル・旅館のリノベーション(改修)事業に力を入れている。取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月27日。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[M&Aニュース](2019年8月26日〜9月6日)

◇ベルーナ<9997>、輸入ブランド品のEC事業を手がけるアイシーネットを子会社化、◇クミアイ化学工業<4996>、米コルテバ・アグリサイエンスから水稲用除草剤「ベンスルフロンメチル」事業を取得、◇中広<2139>、アド通信社西部本社の広告事業を取得、◇イトクロ<6049>、子供向け習い事情報ポータルサイト「コドモブースター」など運営のセンジュを子会社化、◇JVCケンウッド<6632>、先進運転支援システム開発子会社のZMPを譲渡、◇フォートレス、ユニゾTOBの公開買付代理人にSMBC日興証券を追加 など

 

ベルーナ<9997>、輸入ブランド品のEC事業を手がけるアイシーネットを子会社化

◆ベルーナは、輸入ブランド品のEC(電子商取引)事業を手がけるアイシーネット(東京都八王子市。売上高12億5000万円、経常利益5700万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

アイシーネットは2008年に設立し、輸入ブランド品を「Import Collection YR」の店名でインターネット販売している。取得価額は非公表。取得日は2019年9月6日。

 

クミアイ化学工業<4996>、米コルテバ・アグリサイエンスから水稲用除草剤「ベンスルフロンメチル」事業を取得

◆クミアイ化学工業は、米国の農業企業コルテバ・アグリサイエンスから中国を除くアジア太平洋地域におけるベンスルフロンメチル事業を買収する契約を結んだ。ベンスルフロンメチルは広葉やカヤツリグサ科雑草に広く効果を示し、移植・直播いずれにも適用可能な水稲用除草剤。日本やインドをはじめアジアで「Londax」「Londax Power」などのブランド名で販売されている。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は9月下旬から10月上旬。

 

中広<2139>、アド通信社西部本社の広告事業を取得

◆中広は6日、広告会社のアド通信社西部本社(旧アド通信社、北九州市。売上高5億1300万円、営業利益△135万円)の広告事業を取得することを決議した。旧アド通信社に対するスポンサー契約に基づき、旧アド通信社の広告事業を会社分割により承継する受け皿会社を近く設立する。同事業の取得価額は5000万円。取得予定日は2019年11月下旬。

中広はハッピーメディア「地域みっちゃく生活情報誌」をVC(ボランタリーチェーン)契約で展開しており、旧アド通信社はそのVC契約先の一つ。同日、旧アド通信社の金融機関、大口債権者などの同意を得て、再建支援のためのスポンサー契約を締結した。新会社は同名のアド通信社西部本社とし、本社は福岡市に置く。

 

イトクロ<6049>、子供向け習い事情報ポータルサイト「コドモブースター」など運営のセンジュを子会社化

◆イトクロは、インターネット・メディア事業のセンジュ(東京都渋谷区。売上高5620万円、営業利益△5250万円、純資産1090万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

センジュは2014年設立で、子供向け習い事情報ポータルサイト「コドモブースター」や子育て情報ポータルサイト「comolib(コモリブ)」を運営している。イトクロは国内最大の学習塾予備校情報ポータルサイト「塾ナビ」で知られる。センジュを傘下に取り込むことで、教育メディアサービスを拡充する。

取得価額は7億円。取得予定日は2019年11月1日。

 

JVCケンウッド<6632>、先進運転支援システム開発子会社のZMPを譲渡

◆JVCケンウッドは、ADAS(先進運転支援)システムの開発を手がける100%子会社のZMP(東京都文京区。資本金約14億4700万円)の全株式を譲渡した。譲渡先、譲渡価額などは非公表。2013年12月にZMPを子会社化したが、事業関連性が低く保有意義が低下したと判断した。

 

フォートレス、ユニゾTOBの公開買付代理人にSMBC日興証券を追加

◆米投資会社フォートレス・インベストメントは5日、不動産・ホテル業を手がけるユニゾホールディングスの完全子会社を目的に実施中のTOB(株式公開買い付け)について、公開買付代理人としてSMBC日興証券を追加したと発表した。これにより、大和証券との2社体制となる。ユニゾ株の買付期間は8月19日~10月1日。ユニゾ株主の利便性を高め、TOBへの応募を促す狙いがあるとみられる。

今回加わったSMBC日興証券を利用すれば、オンライントレードを通じて応募した場合、郵送に代えて買付通知書はインターネット経由で返送される。

ユニゾ株をめぐっては先に、旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)がTOBを実施したが、所有割合45%を目標とした買い付けが行えず、不調に終わった。フォートレス(買付主体は傘下のサッポロ合同会社)はHISの対ユニゾTOBが進行中に、HISを上回る買付価格(1株4000円)で参戦した。

当初TOBを仕掛けたHISはユニゾ株を約5%保有する大株主。今回公開買付代理人に加わったSMBC日興証券はHISの準幹事証券会社を務めている。

公開買付代理人は買付者に代わってTOBの窓口となる証券会社のことで、買い付けの応募受け付けや買付代金の支払いなどの事務を担う。

 

ワールドホールディングス<2429>、債権管理回収業の一富士債権回収を子会社化

◆ワールドホールディングスは、債権管理回収業の一富士債権回収(東京都新宿区。純資産2億3000万円)の全株式を5日付で取得し子会社化した。不動産金融ビジネスに進出するのが狙い。同日付で「みらい債権回収」に社名変更した。取得価額は非公表。

 

ザッパラス<3770>、コンコースから占いサービス事業を取得

◆ザッパラスは、コンテンツサービスなどを手がけるコンコース(東京都渋谷区)から占いサービス事業を取得することで基本合意した。同事業(売上規模は5億1400万円)を分社して設立する新会社の全株式を11月1日付で取得する。取得価額は非公表。

ザッパラスはデジタルコンテンツやチャット、電話など様々な形で占いサービスを提供している。コンコースからISP(インターネットサービスプロバイダー)向け占いコンテンツ提供、占いポータルサイト運営など占い関連サービスの大半を取り込み、事業拡充につなげる。

 

メイコー<6787>、ベトナムの電子機器受託製造サービスTowada Electronicsを子会社化

◆メイコーは電子機器受託製造サービス(EMS)を手がけるベトナムTowada Electronics Vietnam (十和田ベトナム、ハイズオン省。売上高57億9000万円、経常利益1200万円、純資産5億6700万円)の持分60%を取得し子会社化することを決議した。

十和田ベトナムは十和田オーディオ(秋田県小坂町)を中核とする十和田グループのベトナム現地法人で、2005年に設立し、EMS事業で実績を積んできた。メイコーはベトナムのハノイにプリント基板の設計・生産拠点から組み立てまでの一貫供給体制を持つ。今回、十和田ベトナムを傘下に取り込むことで、地域トップの日系EMSメーカーを目指すとともに、外資系顧客を含めた受注拡大につなげる。

取得価額は8億円。取得予定日は2019年10月。

 

アイフリークモバイル<3845>、クラウドファンディング事業「ミライッポStartup IPO」をVカレンシーに譲渡

◆アイフリークモバイルはクラウドファンディング事業「ミライッポStartup IPO」を、為替関連システム開発のVカレンシー(東京都中央区)に譲渡することを決議した。「ミライッポStartup IPO」は2018年9月にサービス提供を始めたが、収益化が見込めず、運用費用がかさみ投資回収が困難な状況にあった。当該事業の業績は売上高1470万円、営業利益△2億2000万円。

譲渡価額は100万円。譲渡予定日は2019年9月30日。

 

エルテス<3967>、Web上の風評被害対策を手がけるエフエーアイを子会社化

◆エルテスは、Web上の風評被害対策を手がけるエフエーアイ(大阪市)の全株式を取得し子会社することを決議した。

エルテスは大都市圏・大企業を中心にデジタルリスクに関するコンサルティングサービスを提供しているが、中堅中小企業や地方マーケットの開拓を経営課題としていた。エフ―エーアイは2016年設立で、関西圏に基盤を置き、中堅中小企業向けに同様のサービスを手がける。

取得価額は非公表。取得予定日は2019月9月6日。

 

クリーク・アンド・リバー社<4763>、インタラクティブブレインズから3DCGアバター事業、VR事業などを取得

◆クリーク・アンド・リバー社は子会社を通じて、インタラクティブブレインズ(東京都渋谷区)から3DCG(3次元コンピューターグラフィックス)アバター事業、VR(仮想現実)事業、コンテンツ開発事業などを取得した。

クリーク・アンド・リバー社は映像、ゲーム、Web、広告・出版、作家、医療、IT、会計、法曹、建築、ファッション、食、研究、舞台芸術、リサーチの15分野で約26万人の専門人材を抱え、派遣・請負事業を展開している。今回の事業取得により、主にゲーム分野での3DCGアバターやVRなどの開発能力の向上につなげる。アバターはコンピューター上やゲーム上で各ユーザーの分身となるキャラクターのこと。

譲渡価額は非公表。譲渡日は2019年9月1日。

 

ひかりホールディングス、れんが工事のスマート・ブリックを子会社化

◆ひかりホールディングスは、れんが工事業のスマート・ブリック(東京都大田区。売上高811万円、営業利益194万円、純資産1760万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ひかりホールディングスは、複数の傘下企業を通じてタイル・レンガ・石材などの加工業務を行うほか、タイル建材の輸入販売を手がける。スマート・ブリックを傘下に取り込むことで、グループ内のシナジー(相乗効果)創出が期待できると判断した。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月12日。

 

クリエイト・レストランツ・HD<3387>、北関東で和食レストランを展開する「いっちょう」を子会社化

◆クリエイト・レストランツ・ホールディングスは北関東を中心に和食レストラン「いっちょう」を展開するいっちょう(群馬県太田市。売上高113億円、営業利益7億9500万円、純資産29億9000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

いっちょうは2003年設立で、和食レストランを「いっちょう」を中心に40店舗、ほかに焼肉「萬家」を5店舗展開している。「いっちょう」は料亭を思わせる雰囲気づくりが特徴で、大小さまざまな個室を用意する。セントラルキッチンや自社物流を通じてコストダウンにつなげている。

クリエイト・レストランツ・HDはしゃぶしゃぶ・すき焼き「しゃぶ菜」、寿司食べ放題「雛鮨」、居酒屋「磯丸水産」、つけ麺・ラーメン「つけめんTETSU」など、様々な業態の飲食店を展開する。今回、いっちょうを傘下に収め、グループ連邦経営を推し進める。

取得価額は70億1000万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

GFA<8783>、ネクスト・セキュリティのコールセンター事業を譲渡

◆GFAは連結子会社であるネクスト・セキュリティ(東京都品川区。売上高1億1900万円、営業利益△4300万円、純資産△700万円)のRISK Management Information Center(RiMIC)事業を、MSDホールディングス(東京都千代田区)へ譲渡することを決議した。2019年10月1日に新設するMSD Secure Service(東京都品川区)へRiMIC事業を移転し、同社株をMSDホールディングスに売却する形を取る。

同事業はネクスト・セキュリティが販売したセキュリティーソフトに対するユーザーからの問い合わせを24時間体制でサポートするコールセンターサービス。GFAは事業譲渡に伴い、約600万円の特別損失を計上する見通し。

GFAは2018年9月25日にネクスト・セキュリティを100%子会社化した。しかし、顧客数の伸び悩みに加えて24時間サービスのRiMIC事業で運営費用がかさみ、子会社化から 2020年3月期第1四半期(2019年4−6月)まで赤字を計上している。そこでRiMIC事業を譲渡することにした。

譲渡価額は非公開。譲渡予定日は2019 年10月1日。

 

デンタス、歯科技工物の販売子会社をシケンに譲渡

◆デンタスは歯科技工物販売子会社F・ソリューションズ(徳島市。売上高2億6185万円、営業利益△1712万円、純資産△1915万円)の全株式を、歯科技工物の製造・販売や歯科材料販売などを手がけるシケン(徳島県小松島市)に譲渡することを決議した。

株式譲渡に当たり、債務超過状態であるF・ソリューションズが有するグループ会社内の一部債務を免除する。

デンタスは赤字の早期解消に向けて、経費の全面的な見直しや歯科技工現場における原価圧縮施策といった合理化、技工現場のラインや機械設備の改善などに取り組んでいる。その一環として外注取引を拡大するシケンに歯科診療所向け営業を手がけるF・ソリューションズを同社に集約し、業績改善に努めることにした。

シケンとの資本関係はないが、島文男デンタス会長の近親者が議決権の過半数を所有している。

譲渡価額は非公開。譲渡実行日は2019年8月30日。

 

ブロッコリー<2706>、ゲーム開発のLANTERN ROOMSを子会社化

◆ブロッコリーは、家庭用ゲームソフトやスマートフォン向けゲームコンテンツの企画・制作などを手がけるLANTERN ROOMS (ランタンルームス、東京都北区。売上高1億286万円、営業利益280万円、純資産△273万円) の全株式を取得し、子会社化することについて決議した。

ブロッコリーは同業であるLANTERN ROOMSの企画力・技術力を高く評価しており、子会社化による協業で自社コンテンツ開発体制の強化・加速を図る。

取得価額はアドバイザリー費用を含めて1861万円。取得実行日は2019年8月30日。

 

イチネンホールディングス<9619>、アクセスから自動車部品付属品卸売事業を譲受

◆イチネンホールディングスは、アクセス(大阪市福島区)の自動車部品付属品卸売事業(事業売上高153億6100万円、同営業利益3億5100万円、同経常利益3億4200万円)を譲受することを決議すると共に吸収分割契約を締結した。イチネンが100%子会社として新たに設立した分割準備会社(同)が、会社分割(吸収分割)で同事業を譲受する。

イチネングループは「自動車リース関連事業」「ケミカル事業」「パーキング事業」「機械工具販売事業」「合成樹脂事業」の5事業を展開。事業領域の枠にとらわれない新規事業への参入や規模拡大を目的としたM&Aを積極的に展開している。

アクセスは長年にわたって各種自動車部品・自動車関連付属品の卸売事業を展開しており、同業界で確固たるビジネスの基盤を確立している。イチネンが譲受する自動車部品付属品卸売事業は、イチネンが展開する機械工具販売事業との親和性が高く、仕入・販売の両面において高い相乗効果が見込まれるという。今回の事業譲受でイチネンは機械工具販売事業のさらなる規模拡大と収益性の向上を狙う。

譲受(取得)価額は非公表。譲受(同)予定日は2019年11月1日。

 

廣済堂<7868>、出版子会社を個人に譲渡

◆廣済堂は連結子会社の廣済堂出版(東京都千代田区。売上高6億100万円、営業利益△1億2500万円、純資産△6億5100万円)の全株式を日本国内在住の個人に譲渡することを決議すると同時に、譲渡契約を締結した。同社に対する債権もあわせて譲渡した。

廣済堂は事業ポートフォリオの見直しを進めており、経営資源をコア事業の印刷・IT、人材関連事業領域とライフスタイル事業領域に集中させている。一方、廣済堂出版は出版不況の影響もあり5期連続赤字を計上し、短期的な収益改善は厳しい状況にある。そこで廣済堂は、出版事業に係る知見とネットワークを持つ個人へ廣済堂出版を譲渡するのが最善と判断した。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年9月30日。

 

ブックオフグループHD<9278>、貴金属買取・販売のJAM社を完全子会社化

◆ブックオフグループホールディングス(HD)は、貴金属買取・販売のジュエリーアセットマネジャーズ(JAM社、東京都中央区。売上高、営業利益、純資産いずれも非公表)の全株式を取得し、完全子会社化することを決議した。

JAM社は貴金属の買取から販売、オーダー受注、リペア・リメイクなどのトータルサービスを提供する「aidect(アイデクト)」を手がけており、大手百貨店や郊外型ショッピングモールなどに18店舗を出店している。

中古商品買取・販売を手がけるブックオフグループHDは、JAM社が持つ顧客基盤や人材、リペア・リメイクなどのノウハウを活用することで新たな顧客層にアプローチするとともに、既存の顧客にも新たなサービスを提案する。

取得価額は非公開。取得予定日は2019年9月6日。

 

リアルワールド<3691>、BPO事業のノーザンライツを譲渡

◆リアルワールドは、子会社でインターネットBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング=業務受託)事業を手がけるノーザンライツ(東京都渋谷区。売上高4億4400万円、営業利益△100万円、純資産5000万円)の全保有株式(持株比率66.7%)をトゥルージオ(東京都港区)に譲渡することを決議した。

リアルワールドは同業のトゥルージオにノーザンライツの全株式を譲渡し経営を委ねることが、自社グループの総合的な企業価値の向上につながると判断した。今後はクラウドソーシングなどのサービスに付加価値をつける事業に注力し、経営資源の「選択と集中」を推進する。

譲渡価額は1億2000万円。譲渡予定日は2019年9月6日。

 

ラックランド<9612>、空調・給排水衛生工事の環境装備エヌ・エス・イーを子会社化

◆ラックランドは、空調・給排水衛生工事を手がける環境装備エヌ・エス・イー(東京都調布市。売上高11億3153万円、営業利益2582万円、純資産2億1208万円)の全株式を取得し、子会社化することを決議した。

環境装備エヌ・エス・イーは1993 年の設立で、店舗ビル、医療施設、公共施設などで、空調・給排水衛生工事の多様な工事実績を持つ。

一方、ラックランドは飲食業界や小売業界をはじめ物販店やアミューズメント施設、病院、リゾートホテル、商業ビルなどを対象に企画、デザイン、設計、施工、メンテナンスなどの商空間の総合サービスを提供している。

ラックランドは環境装備エヌ・エス・イーの子会社化に伴い、関東圏を中心に空調・給排水衛生工事の技術力やコスト競争力を向上させ、営業面や購買面でシナジー効果を目指す。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月7日。

 

電通<4324>、米国のマーケティング会社ミュートシックス社を子会社化

◆電通は、海外本社・電通イージス・ネットワークを通じて、米国のデジタルパフォーマンス(運用型広告)、DTC(消費者直販)のマーケティング会社ミュートシックス社(ロサンゼルス市。売上高18億3000万円)の全株式を取得することで同社株主と合意した。

ミュートシックス社は2015年の設立で、120人の専門家がフェースブックなどのソーシャルプラットフォームのダイレクト広告、コンテンツ制作など手がけている。

米国でのDTC顧客基盤の拡大とソーシャルコンテンツに関するサービス機能の強化が目的。

取得価格は非公表。

 

ソフィアホールディングス<6942>、メディプランが運営する調剤薬局事業を譲受

◆ソフィアホールディングスは子会社ルナ調剤の子会社であるアフファメディックス(神戸市)が、調剤薬局事業や訪問看護事業などを手がけるメディプラン(大阪市)が運営する調剤薬局事業(大阪市内2店舗、大阪府大東市1店舗、売上高8億1800万円、経常利益7100万円)を譲り受けることを決議した。

ソフィアホールディングスはM&Aによって調剤薬局事業の拡大に取り組んでおり、今回の事業譲渡もこの拡大戦略の一環。

取得価額は2億3300万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

DIC<4631>、ドイツ BASF社が保有する顔料事業会社18社を子会社化

◆DICは、ドイツの大手化学メーカー BASF社が保有する顔料事業を手がけるドイツのBASF Colors & Effects GmbHや、米国のBASF Colors & Effects USA LLCなど18社(売上高約1170億円、純資産約1043億円)の株式を取得し、子会社化することを決めた。

DICは有機顔料とエフェクト顔料(アルミ顔料)で高い技術力を持ち、買収対象企業は高級顔料、エフェクト顔料(化粧品向け)、特殊無機顔料で高い技術力を持つ。両事業には重複が少なく製品補完性が極めて高いことから買収を決めた。

取得価額は1162億円。取得予定日は2020年末

 

鶴見製作所<6351>、オーストラリアのポンプ販売会社TSURUMI AUSTRALIA PTY LTDを子会社化

◆鶴見製作所は、オーストラリアのポンプ販売会社TSURUMI AUSTRALIA PTY LTD(パース)の全株式を取得し、子会社化することを決議した。

これまでオーストラリアでは電機規格の問題などで、販売店による鉱山市場への参入が難しかったが、技術開発、業務提携により参入が可能になったと判断し出資を決めた。

今後、鉱山市場を中心にオセアニア地域における全般的なシェアー拡大を目指す。

取得価額は60万オーストラリアドル(約4290万円)。取得予定日は2019年9月2日。

 

ジー・スリーホールディングス<3647>、福津太陽光発電所(福岡県福津市)を保有する永九能源を譲渡

◆ジー・スリーホールディングスは、福津太陽光発電所(福岡県福津市)を保有する子会社の永九能源(東京都品川区。売上高3411万円、営業利益738万円、純資産3億414万円)の全株式を太陽光発電システムの開発関連事業を手がけるユニ・ロット(大阪市中央区)に譲渡することを決議した。

九州電力管内では太陽光発電所の出力制御リスクが高いため、譲渡を決めた。

譲渡価格は11億3500万円、譲渡予定日は2019年8月30日。

 

HIS、米投資会社のユニゾTOBが不成立の場合は「再TOBを検討する可能性」

◆旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)は28日、不動産・ホテル業を手がけるユニゾホールディングスに対するTOB(株式公開買い付け)の不調を受けた今後の方針について、現在進行中の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOBが不成立となった場合は新たな買付価格を設定してTOBを実施、もしくは買い増しを検討する可能性があると発表した。

また、フォートレスが実施しているTOB(ユニゾ株の買付価格は1株4000円)に応募するかどうかについては、ユニゾ株価の推移を注視しつつ決定するとしている。HISはユニゾ株を4.79%(163万9500株)を保有する。

HISは買付価格1株につき3100円を提示し、7月11日から8月23日までユニゾに対してTOBを実施した。所有割合を現在の4.79%から45%に引き上げ、ユニゾを事実上傘下に収める計画だったが、TOBへの応募がゼロという結果に終わった。TOB開始直後からユニゾ株が急上昇し、市場価格が買付価格を上回る高値で推移したのが主因。このTOBの結果を踏まえた今後の方針については「検討中」としていた。

ユニゾをめぐってはフォートレスがHISを上回る買付価格4000円を提示して参戦し、10月1日を期限としてTOBが進行中。買付予定数の下限は所有割合で66.7%に設定している。HISはフォートレスがTOBを実施期間中、ユニゾに対して新たなTOBを実施したり、ユニゾ株を買い増したりする予定はないとしている。

そのうえで、フォートレスのTOBが不成立(66.7%に届かない場合)となり、その時点でユニゾ株価が妥当と考えられる水準で推移していると認められるなどの場合、新たな買付価格を設定して再度のTOBを実施することや、買い増しを検討する可能性があるとの方針を明らかにした。

 

J-オイルミルズ<2613>、坂出事業所(香川県)の倉庫・不動産業を譲渡

◆J-オイルミルズは、坂出事業所(香川県坂出市)で手がける倉庫・不動産業を譲渡することを決議した。譲渡先は明らかにしていない。坂出事業所は1949年に搾油作業を開始し、1965年までは工場として稼働していたが、現在は穀物サイロ(飼料原料、大麦・小麦の保管・入出庫)、定温倉庫、普通倉庫や駐車場などを運営している。併せて、これらの一部事業を受託する子会社の坂出ユタカサービス(同市)の株式も譲渡する。譲渡価額は20億円。譲渡予定日は2019年12月25日。

 

カイカ<2315>、システム開発子会社のネクス・ソリューションズを実業之日本社に譲渡

◆カイカは、システム開発子会社のネクス・ソリューションズ(東京都港区。売上高26億6000万円、営業利益8300万円、純資産6億5600万円)の全株式を、出版社の実業之日本社(大阪府岸和田市)に譲渡することを決議した。

カイカはグループ戦略としてフィンテック分野の中でも暗号資産(仮想通貨)の基幹技術であるブロックチェーン(分散型台帳)や、仮想通貨交換所関連のシステム開発に経営資源を集中する方針を打ち出しており、これに沿った措置。実業之日本社から内製が可能となるシステム開発会社を擁したいとの要望があったという。

譲渡価額は6億5000万円。譲渡予定日は2019年9月2日。

 

バンダイナムコエンターテインメント 、プロバスケットボールチームを運営する山陰スポーツネットワークを子会社化

◆バンダイナムコエンターテインメント (東京都港区)は、山陰スポーツネットワーク(島根県松江市)の株式56.5%を取得し、プロバスケットボールリーグB.LEAGUEに所属する島根スサノオマジックの運営に参画する。

バンダイナムコエンターテインメントはゲーム事業を中心にライブやイベントの企画・実施といった新たなエンターテインメントの創出に取り組んでおり、島根スサノオマジックの運営に参画することで、新たなスポーツというエンターテインメントへの挑戦を始めるという。

株式取得日は2019年8月27日、株式取得金額は非公表

 

日本化薬<4272>、液晶偏光フィルム製造のポラテクノ<4239>をTOBで非公開化

◆日本化薬は、連結子会社であるポラテクノ(新潟県上越市)の全株式をTOB(株式公開買付け)により取得することを決議した。現在、日本化薬はポラテクノ株の66.45%を保有する筆頭株主だが、2位株主で22.38%を保有する有沢製作所もTOBの応募に合意している。TOBが成立すれば、上場は廃止される見通し。

日本化薬の樹脂・色素・粘着剤をはじめとする素材合成技術とポラテクノのフィルム加工技術など、両社が所有する独自技術を融合させた特色ある新製品開発の加速が急務となっている。そこでTOBによって両社を一体化することで、迅速かつ柔軟な意思決定や両社の販売チャネル、生産体制、人材といった経営資源の相互活用を目指す。

買付価格は1株993円。TOB公開前日の終値に対して94.32%のプレミアムを加えた。買付予定数は1390万5885株で、買付総額は138億円。買付期間は2019年8月28日から同10月10日まで。

ポラテクノは象者は、日本化薬が生産するLCD(液晶表示装置)パネル向け偏光フィルムの製造会社として、1991年7月に日本化薬と有沢製作所の合弁で設立。偏光フィルム・位相差フィルムや関連製品の開発・製造に一貫して取り組み、2006年3月にはジャスダック証券取引所(JASDAQ)に上場を果たした。

 

穴吹興産<8928>、ママのセンターのスーパーマーケット事業を取得

◆穴吹興産は、ママのセンター(長崎県長与町。売上高23億3000万円、営業利益△4300万円、純資産△8500万円)が長崎県で手がけるスーパーマーケット事業(全4店舗)を取得することを決議した。同県でスーパー11店舗を展開する穴吹興産100%子会社のジョイフルサンアルファ(長崎市)が事業を承継する。取得金額は2億7800万円。取得日は2019年10月1日。

穴吹興産がまず、ママのセンターの会社分割を通じてスーパー事業を取得。そのうえで穴吹は取得した事業を会社分割により子会社のジョイフルサンアルファに移す。取得する4店舗の売上高は19億5700万円(5店舗を運営していたが、7月に1店舗を閉鎖)。

 

HIS、ユニゾへのTOBは応募ゼロに終わる

◆旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)は24日、不動産・ホテル事業を手がけるユニゾホールディングスに対して7月11日から8月23日まで実施したTOB(株式公開買い付け)の結果について、株主からの応募がなかったと発表した。HISはユニゾ株の所有割合をTOB開始前の4.79%から45%に引き上げ、ユニゾを事実上傘下に収める計画だった。TOBの結果を踏まえた今後の方針については「検討中」としている。

ユニゾをめぐっては米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループがHISを上回る買付価格を提示して参戦し、別途、TOBが進行中(期間は10月1日まで)。

HISによるユニゾ株の買付価格は1株3100円(TOB公表前日の終値に55.78%のプレミアムを上乗せ)。買付予定数の上限は所有割合で40.21%に相当する1375万9700株とし、買付金額は最大426億5500万円を予定。上限まで買い付けられれば、既存分と合わせ所有割合が45%となるはずだった。

しかし、TOB開始直後からユニゾ株価が急上昇し、市場価格が買付価格を上回る高値で推移し、多くの株主にとってはTOBに応募するよりも市場売却する方が有利な状況が続いていた。このため、TOBへの応募がゼロという結果に終わったとみられる。

TOBに途中参戦したフォートレスが提示したユニゾ株の買付価格は4000円。23日のユニゾ株の終値は4335円で、市場価格が買付価格をすでに上回っている。フォートレスのTOBはユニゾの完全子会社化を目的とし、これにユニゾも賛同している。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

贈与税の個人版事業承継税制の対象となる後継者(特例事業受贈者)の要件

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎信義/税理士)

 

1.贈与税の個人版事業承継税制の概要


特定事業用資産(本連載2019年7月8日号参照)を所有し、事業(不動産貸付業等を除く。以下同じ。)を行っていた先代事業者として一定の者 (贈与者)から、後継者として一定の個人(特例事業受贈者)が、令和10年12月31日までの贈与により、その事業に係る特定事業用資産の全部を取得した場合、特定事業用資産のうちこの税制の適用を受けるものに係る贈与税について、担保提供その他一定の要件を満たすことにより納税が猶予され、贈与者の死亡等により猶予されている贈与税の納付が免除されます(租税特別措置法(措法)70条の6の8第1項)。これが、贈与税の個人版事業承継税制(以下「本特例」)です。

 

2.後継者(特例事業受贈者)の要件


本特例の適用を受けるためには、上記1のとおり後継者が「特例事業受贈者」であることが必要です。特例事業受贈者とは、贈与者から贈与により特定事業用資産の取得をした個人で、 次に掲げる要件の全てを満たす者をいいます(措法70条の6の8第2項2号)。

 

 

(1)その贈与の日において20歳以上(令和4年4月1日以後の贈与については、「18歳以上」)であること。

 

 

(2)その個人が、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(以下「円滑化法」)2条に規定する中小企業者に該当し、本特例の適用要件を満たすことにつき同法12条第1項の都道府県知事の認定(注1)を受けていること。

 

(注1)都道府県知事の認定の申請は、原則として、その特定事業用資産の贈与のあった年の翌年1月15日までに、後継者の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に対して行います(円滑化法施行規則7条第10項、第12項)。

 

 

(3)その贈与の日まで引き続き3年以上にわたり特定事業用資産に係る事業又はこれと同種もしくは類似の事業に係る業務(一定の就学を含む)に従事していたこと。

 

 

(4)その贈与の時からその贈与の日を含む年分の贈与税の申告期限まで引き続きその特定事業用資産の全てを有し、かつ、自己の事業の用に供していること。

 

 

(5)その贈与の日を含む年分の贈与税の申告期限において、所得税法の規定によりその特定事業用資産に係る事業について開業届出書を提出し、かつ所得税の青色申告の承認(所得税法143条、147条)を受けていること。

 

 

(6)その特定事業用資産に係る事業が、その贈与の時において、資産保有型事業及び資産運用型事業(注2)ならびにいわゆる風営法が規定する性風俗関連特殊営業のいずれにも該当しないこと。

 

(注2)「資産保有型事業」とは、原則として、贈与の日を含む年の前年1月1日から、その特例事業受贈者の贈与税の納税猶予税額の全額の猶予の期限が確定(猶予の終了)する日までの期間のいずれかの日において、その日におけるその事業に係る貸借対照表上の総資産の帳簿価額のうち、現預金、有価証券、自ら使用していない不動産その他の資産(特定資産)の占める割合が70%以上となる事業をいいます(措法70条の6の8第2項4号、同施行令40条の7の8第14項)。

 

「資産運用型事業」とは、原則として、特例受贈事業用資産の贈与の日を含む年の前年1月1日から、その特例事業受贈者の贈与税の納税猶予税額の全額の猶予の期限が確定(猶予の終了)する日までの期間のいずれかの年において、事業所得に係る総収入金額に占める特定資産の運用収入の合計額の占める割合が75%以上となる事業をいいます(措法70条の6の8第2項5号、同施行令40条の7の8第17項)。

 

 

(7)都道府県知事による個人事業承継計画の確認(円滑化法施行規則17条第1項3号)を受けていること(措法施行規則23条の8の8第6項)。

 

 

なお、後継者が上記の確認を受けるためには、所定の申請書に後継者候補の氏名、事業承継の予定時期、承継時までの経営見通しや承継後の事業計画等を記載し、さらに認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けた旨を記載のうえ、令和6年3月31日までに、これを先代事業者の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事あてに提出する必要があります(円滑化法施行規則17条4項、中小企業庁「個人版事業承継税制の前提となる経営承継円滑化法の認定申請マニュアル」)。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/09/06)より転載

[解説ニュース]

相続税の家屋評価をめぐる最近の裁判例から

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

■不動産の売買契約中に買主に相続があった場合の評価

■最近の事例にみる「不動産所得で経費になるもの」

 

 

1.はじめに


今回は最近の相続税の財産評価をめぐり、家屋の評価で特別の事情が認められるかどうかが問われた裁判例を取り上げます。

 

2.相続税の家屋評価


相続税の計算をする場合には、不動産や株式などの現物の相続財産については、金銭的価値を見積もり評価する必要があります。この際に指針となるのが、国税庁の財産評価基本通達(以下、財基通という)です。

 

財基通の評価の原則1⑵では「財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期(中略)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による」とされています。評価の際には「財産の評価に当たっては、その財産の価額に影響を及ぼすべきすべての事情を考慮する」(財基通1⑶)ことになっています。

 

さて、家屋の評価は「その家屋の固定資産税評価額(地方税法第381条(固定資産課税台帳の登録事項)の規定により家屋課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に登録された基準年度の価格又は比準価格をいう。以下この章において同じ。)に別表1に定める倍率を乗じて計算した金額によって評価」します(財基通89からの引用)。

 

固定資産評価基準(以下、評価基準という)における家屋の評価方法は、建物の構造や設備などの所定の部分について評点数をつけ積算し、建築後の年数に応じた経年減点補正率と評価の年の評点1点当たりの金額を乗じて評価額を求めます。また必要に応じて損耗減点補正、需給事情による減点補正が出来ます(評価基準第2章)。

 

そして、①評価基準及び財基通が、評価方法として合理的であること、②評価基準・財基通の通りに家屋が評価されていること、③明らかに「時価」を超えていないこと、④評価基準・財基通により評価することが適切ではない特別の事情がないこと、この4つを満たす限り、評価基準及び財基通による評価が適正な評価額と推認されるという考え方になっています。

 

3.家屋評価で争いになった裁判例


ここで取り上げる家屋の評価の裁判例は、古い家屋のうち1戸の評価について、「特別の事情」があるため不動産鑑定評価額約300万円で相続税の当初申告、不動産鑑定評価額約400万円で修正申告等をしていた納税者が、税務署から財基通に基づく評価約1,800万円で更正され、争いになった事例です(札幌地裁平成31年3月8日判決、他の争点もありますがここでは割愛します)。

 

4.納税者の主張


納税者は概略「築後約20年から40年が経過したものであり、老朽化が見受けられるものであるから、その評価に際しては、必要な経年減価が行われるべきである。しかし、評価基準及び財基通においては、最低20%という高い補正率(経年減点補正率)が採用されており、減価が不十分なものとなっている」と指摘し、特別の事情があるとしました。

 

そのうえで納税者は「「時価」(中略)の算定方法は評価通達の定める評価方式に限られるものではなく、不動産鑑定評価によってその算出を行うことも可能」との考えで不動産鑑評価額が「客観的な交換価値を反映した評価である」と主張しました。

 

5.裁判所の判断


裁判所は「評価基準により算出された価額を基にして家屋の評価を行う評価通達の定めも、家屋の客観的な交換価値を算出する方法として一般的な合理性を有するもの」と認めました。

 

そのうえで、納税者が「経年減点補正率の下限が20 %と極めて高く、家屋の実際の取引価格との帯離が著しく大きい」ことから評価方法として、一般的な合理性がないと指摘した点について、裁判所は経年減点補正率だけでは適当と認められない場合に個別事情を踏まえた減点補正ができることから「評価基準の一般的な合理性を否定する事情にはならない」としました。

 

また鑑定評価額と財基通に基づく評価額に乖離があることについて裁判所は、「時価を評価する方法として客観的で、一義的なものがあるわけではなく、その評価額にも自ずと一定の幅が生じることは避けられない。(中略)相続財産について評価通達の定める評価方法によって算出した額が不動産鑑定評価基準に則って鑑定した額を上回る場合であっても、それはいずれも合理性を有する異なる評価(の)基準を用いて算出した結果が異なるものであることを意味しているにすぎず、評価通達の定める評価方式によって時価を適切に算定することができない特別の事情があることを推認させるものではない」として納税者の主張を退けています(判決文書からの引用、()括弧内・赤字は筆者加筆)。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/09/02)より転載

[解説ニュース]

民法改正 ~特別の寄与~

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田房枝/税理士)

 

1. はじめに


民法改正により創設された「特別の寄与」について解説します(2019年7月1日以後の相続から適用)。

 

2. 特別の寄与に関する民法規定(民法1050①②⑤)


特別寄与者(下記3.参照)は、相続開始後、相続人に対し、その寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の支払いを請求することができます。また、その支払いについて当事者間に協議が調わない場合等には、一定期間内に、家庭裁判所にそれに代わる処分を請求することができます。

 

相続人が複数いる場合には、各相続人は法定相続分又は指定相続分に応じて特別寄与料を負担します。

 

3. 特別寄与者の要件(民法1050①)


(1)被相続人の親族(相続人、相続放棄をした者、及び相続権を失った者を除く)であること
(2)被相続人に対して無償で療養看護その他の労務提供をしたこと
(3)上記(2)により、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をしたこと

 

4. 相続税法における取扱い


(1)特別寄与料の支払確定前

特別寄与料は、当事者間で協議が調うまで、又は家庭裁判所の審判があるまでは、その支払いが確定しません。したがって、その支払確定前は、請求中であったとしても特別寄与料の支払いがないものとして相続税を計算します。

 

(2)特別寄与料の支払確定後 ※1
①特別寄与者

(a) 相続税の計算(相法4②)
特別寄与料の額が確定した場合には、特別寄与料相当額を被相続人から遺贈により取得したものとみなして、相続税を計算します。

 

(b) 相続税の申告期限等(相法29①、33)
上記(a)による計算の結果、納付すべき相続税額がある場合には、特別寄与料の額が確定したことを知った日の翌日から10か月以内に相続税の期限内申告書を提出し、相続税を納付しなければなりません。

 

②相続人

(a) 相続税の計算(相法13④)
特別寄与料の額が確定した場合には、「各相続人が相続又は遺贈により取得した財産の価額から特別寄与料の額のうちその相続人の負担に属する部分の金額を控除して、相続税を計算します。

 

(b) 相続税の申告期限等(相法27①、32①、33)

5.税務上の留意点等


(1)相続税額の2割加算(相法18)

特別寄与者となり得る者の多くは、相続税額の2割加算の適用対象者でもあるため、特別寄与料の支払いがあった場合には、基本的に、同一の被相続人に係る相続税の納税総額は増加する点に留意が必要です。

 

(2)特別寄与者が相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産がある場合(相法19)

特別寄与者が被相続人から相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があるときは、相続税の計算上、贈与財産の加算と贈与税額控除の適用があります。特別寄与料の額のみを申告すればよいわけではない点に留意が必要です。

 

(3)特別寄与料を金銭ではなく不動産や有価証券等の現物で支払った場合

特別寄与者が有する特別寄与料の支払請求権は、民法上、金銭債権とされています。したがって、相続人がその金銭債権に係る債務を履行するために、特別寄与者に対して不動産や有価証券等の現物を移転した場合には、その相続人が代物弁済をしたものとして取り扱われます(民法482)。

 

税務上、代物弁済があった場合には、その代物弁済により移転する資産の譲渡があったものとして取り扱われます。すなわち、代物弁済により譲渡所得の基因となる資産を移転する場合には、原則として代物弁済により消滅する債務の額(特別寄与料の額)を譲渡所得の総収入金額として譲渡所得を計算することになります。

 

(4)特別寄与料に相当する金額の贈与をする場合

上記(1)に記載のとおり、特別寄与料を加味して相続税申告をする場合には、基本的に納税総額は増加します。

 

また、期限内申告書の提出後に特別寄与料の額が確定したような場合には、あらためて相続税の申告書等を作成しなければならないという実務上の煩雑さもあります。

 

特別寄与料の額、追加で納付することとなる税額、専門家報酬の額等によっては、実務上は、民法の「特別の寄与」の制度によることなく(相続人から特別寄与者への特別寄与料の支払いではなく)、相続人と特別寄与者との合意により、「相続人から特別寄与者への特別寄与料相当額の金銭の贈与」をし、贈与税の申告・納付で解決することもあると考えます。

 

 

※1 特別寄与者は、特別寄与料以外の財産を被相続人からの遺贈により取得していないものとします。
※2 相続人は、相続税の期限内申告・納付をしている場合を前提とします。

 

 

 

 

 

 

 

法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/08/26)より転載

[M&Aニュース](2019年8月13日〜8月23日)

◇アズーム<3496>、ライナフからWeb予約システム「スマート会議室」事業を取得、◇味の素<2802>、米の液体調味料メーカー「モア・ザン・グルメ」を子会社化、◇GA technologies<3491>、賃貸物件専門のリノベーション事業を手がけるイエスリノベーションを子会社化、◇FHTホールディングス<3777>、子会社エリアエナジーが千葉県で手がける太陽光発電所を東時証券投資顧問に譲渡、◇サンコーテクノ<3435>、プラスチック成形機など輸入販売の成光産業を子会社化 など

 

アズーム<3496>、ライナフからWeb予約システム「スマート会議室」事業を取得

◆アズームは、不動産管理向けシステム開発などを手がけるライナフ(東京都千代田区)からWeb予約システム「スマート会議室」運営事業を取得することを決議した。

「スマート会議室」は会議室の予約、決済、入金管理、鍵の自動付与などのサービスをワンストップで提供する。アズームは空き駐車スペースの活用サービスを主力事業の一つとする。「スマート会議室」事業を取り込み、オフィスビルや店舗の空きスペースを会議室として運営することをサポートし、遊休不動産活用に向けた事業拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月30日。

 

味の素<2802>、米の液体調味料メーカー「モア・ザン・グルメ」を子会社化

◆味の素は、液体調味料メーカーの米モア・ザン・グルメ・ホールディングス(MTG、オハイオ州。売上高26億3000万円、営業利益3000万円、純資産21億円)の株式50.1%を取得し子会社化することを決めた。

MTGは1993年に創業し、ブロスやソースなどの液体調味料を製造・販売する。独自の製造技術を持ち、米国の外食・加工食品企業と緊密な関係を築いている。ブロスとは肉や魚、野菜などを煮込んだだし汁。

米の中食・外食向けBtoB市場は183億ドル(約2兆円)規模とされ、世界全体の約4割を占める。米の外食市場では粉末調味料よりも液体調味料が好まれる傾向にあるという。

取得価額は約38億円。取得予定日は2019年8月22日。

 

GA technologies<3491>、賃貸物件専門のリノベーション事業を手がけるイエスリノベーションを子会社化

◆GA technologiesは、賃貸マンション・アパート専門のリノベーション(改修)を手がけるイエスリノベーション(東京都中央区)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

イエスリノベーションは2012年に設立し、賃貸物件の空室対策に強みを持つ。一般的に賃貸物件は築年数が古くなると好立地の物件以外は競争力が低下し、空室リスクが高まる。同社は既設設備の再利用やデザインの標準化などの合理化で、従来のリノベーション費用の約4分の1の単価2万5000円(1平方メートル当たり)を実現している。

GA technologiesは自社の不動産投資、賃貸管理、不動産売却事業とのシナジー(相乗効果)が見込めると判断した。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月11日。

 

FHTホールディングス<3777>、子会社エリアエナジーが千葉県で手がける太陽光発電所を東時証券投資顧問に譲渡

◆FHTホールディングスは、子会社のエリアエナジー(東京都台東区)を通じて保有する香取低圧15区画太陽光発電所(千葉県香取市。総発電出力742.5キロワット)を、東時証券投資顧問(東京都品川区)に譲渡することを決議した。譲渡価額は約3億円。譲渡予定日は2019年10月31日。

 

サンコーテクノ<3435>、プラスチック成形機など輸入販売の成光産業を子会社化

◆サンコーテクノは、機械の輸入を手がける成光産業(東京都杉並区。売上高14億9000万円、営業利益8300万円、純資産5億5500万円)の全株式を取得し子会社化した。取得価額は5億5100万円。取得日は2019年4月10日。成光産業の資本金(8000万円)がサンコーテクノの資本金の10分の1以上であるにもかかわらず、事後での開示となった。

成光産業は1964年に設立。主に欧州からプラスチック成形機やシュリンク包装機を輸入販売している。

 

トーホー<8142>、シンガポールの業務用水産品卸会社GOSを子会社化

◆トーホーは、業務用水産品卸売事業を営むシンガポールGolden Ocean Seafood (S) Pte Ltd(GOS、売上高3億5900万円、当期純利益2400万円、純資産1億3200万円)の全株式を取得し、子会社化することを決議した。

トーホーは現在、シンガポールで現地外食産業向けに日本食材の食品・青果卸売りを手がける。ホテルやレストランに活き水産品(活きロブスター、活きオイスターなど)を取り扱うGOSを傘下に収め、グループの取り扱い商品の充実や販路拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月22日。

 

ソネット・メディア・ネットワークス<6185>、デジタルコンテンツ制作・開発のASAを子会社化

◆ソネット・メディア・ネットワークスは、WebサイトやWebアプリなどデジタルコンテンツ制作・開発のASA(仙台市。売上高9億500万円、営業利益△3500万円、純資産△6800万円)の株式68.6%を取得し子会社化することを決議した。

ASAは2001年に設立。デジタルコンテンツの検証を包括的に行う品質保証(QA)事業などの関連サービスも提供している。ソネットはASAが保有するサービスや顧客基盤を取り込み、事業拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月21日。

 

ソニー<6758>、米ゲーム開発会社インソムニアックを買収

◆ソニーは20日、子会社のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE、東京都港区)を通じて、プレイステーション(PS)向け「スパイダーマン」などの人気ゲームソフトを制作した米インソムニアック・ゲームズを買収すると発表した。買収金額や買収完了時期については非公表。

インソムニアックはカリフォルニア州バーバンクとノースカロライナ州ダーラムに本拠を置く。「スパイロ・ザ・ドラゴン」「ラチェット&クランク」「RESISTANCE」などPS向け人気シリーズを手がけてきた。なかでも昨年9月に発売した「スパイダーマン」は累計販売1320万本を超える世界的ヒットとなった。

 

ヤマシンフィルタ<6240>、エアフィルター製造のアクシーを子会社化

◆ヤマシンフィルタは、エアフィルター製造のアクシー(大阪市。売上高27億5000万円、営業利益1億8800万円、純資産31億8000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。ヤマシンフィルタは建設機械用油圧フィルターを主力とするが、隣接市場であるエアフィルター分野を新たな事業分野として取り込むのが狙い。アクシーは1968年に設立し、50年を超える業歴を持つ。取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月23日。

 

ブイ・テクノロジー<7717>、半導体製造装置関連のナノシステムソリューションズを子会社化

◆ブイ・テクノロジーは、半導体製造装置・検査メーカーのナノシステムソリューションズ(沖縄県うるま市。売上高17億9000万円、営業利益1億3200万円、純資産1億7100万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ナノシステムソリューションズは2004年に産業技術総合研究所の支援を得て創業したベンチャー企業。ウエハー内部や外部に発生する欠陥を高精度に素早く検査する半導体ウエハー外観検査装置、半導体製品の試作やフォトマスク製造に使われるマスクレス露光装置を主力としている。ブイ・テクノロジーは同社を傘下に取り込み、新たな柱として育成中の半導体製造関連装置事業の成長加速につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月22日。

 

北川精機<6327>、合板プレス機械製造の特定子会社キタガワエンジニアリングを譲渡

◆北川精機は、合板プレス機械を製造する特定子会社のキタガワエンジニアリング(広島県府中市。売上高13億2000万円、営業利益2億1800万円、純資産8億2100万円)の全保有株式(48%)を、キタガワエンジニアリングに譲渡(キタガワが自己株式として取得)することを決議した。合板プレス製造を中心とする建材機械事業は北川精機の祖業で、1999年に分社した。しかし、グループ内の事業内容を見直した結果、両社間の事業シナジー(相乗効果)を見いだせないと判断した。

譲渡価額は4億円。譲渡予定日は2019年8月30日。譲渡代金はCFRP(炭素繊維)関連事業などの成長分野に充当する。

 

マツキヨHDとココカラ、統合協議開始で覚書

◆ドラッグストア業界5位のマツモトキヨシホールディングス(HD)と同7位のココカラファインは16日、経営統合に向けた協議開始に関する覚書を締結したと発表した。ココカラはマツキヨHDと同6位のスギホールディングスの両社から統合提案の打診を受け、特別委員会での検討を踏まえ、14日に、マツキヨHDに独占交渉権を付与することを決めていた。独占交渉権の期間は2020年1月末までだが、双方の協議・交渉が継続している場合には延長されるとしている。

マツキヨHDとココカラの統合が実現すれば、売上高は1兆円規模となり、現在業界首位を争うツルハホールディングス、ウエルシアホールディングスの両社を抜き、トップに立つ見通し。

 

キリン堂ホールディングス<3194>、京都府内で調剤薬局1店舗を取得

◆キリン堂ホールディングスは京都府内で調剤薬局事業(対象1店舗)を取得することを決めた。相手企業名、当該事業の直近業績、取得価額のいずれも非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

ケイアイスター不動産<3465>、不動産売買・仲介のハウスラインを子会社化

◆ケイアイスター不動産は、不動産の売買・仲介、リフォーム事業などを手がけるハウスライン(埼玉県朝霞市。2019年4月に設立)の株式80%を取得し子会社化することを決議した。取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月30日。

ケイアイスター不動産は埼玉県本庄市に本社を置き、北関東を営業基盤とする。

 

米フォートレス、ユニゾに対抗TOB 1368億円で完全子会社化へ

◆米投資会社フォートレス・インベストメント・グループ傘下のサッポロ合同会社(東京都港区)は16日、不動産・ホテル事業を手がけるユニゾホールディングスに対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。ユニゾはTOBに賛同している。ユニゾをめぐっては旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の敵対的TOBが進行中だが、これに対抗する第三者による友好的TOBとなる。いわゆる「ホワイトナイト(白馬の騎士)」が登場する構図となった。買付代金は最大1368億円8118万円。

米フォートレスは世界的な不動産投資ファンドを運営し、日本を含めて世界14カ国に拠点を置く。2017年に買収によってソフトバンクグループの傘下となった。不動産・ホテル業界の競争が激化する中、ユニゾの成長を加速するためには、完全子会社化による非上場化の必要があると判断した。フォートレスは不動産運用のノウハウや人材、世界的なネットワークなどの経営資源を投入する。

TOB価格はユニゾ1株につき4000円。HISが設定したTOB価格3100円を3割近く上回る。HISによるTOB公表前日(7月9日)のユニゾ株の終値1990円に対して101.01%とほぼ倍のプレミアムを上乗せした。TOB価格の4000円は提示のあった複数候補者のうち最高値だったという。

買付予定数の下限は発行済み株式の3分の2に相当する2281万3500株。フォートレス側は全株式の買い付けを目指している。買付期間は8月19日~10月1日までの30営業日。決済の開始日は10月8日(代理人は大和証券)。

16日のユニゾ株の終値は前日比565円高の4165円に急騰し、今回のフォートレスのTOB価格をも上回る。

HISはTOBで現在4.79%のユニゾ株の所有割合を45%に高める計画(買付代金は約426億円)。TOB期間は23日までだが、TOB開始直後から市場価格がTOB価格を超える高値圏が続き、予定数の買い付けが困難な状況となっている。

ただ、「ホワイトナイト」として名乗りを上げたフォートレスとしてもTOB価格の4000円を超える高値がこのまま続くようであれば、TOB成立が厳しくなる可能性が出てくる。

ユニゾはお盆前の3連休中の11日に、HISの敵対的TOBに対抗し、複数の候補者からより良い条件の買収提案を受ける可能性があると発表していた。

 

テラ<2191>、 医薬品・医療機器の治験支援を手がける子会社タイタンを元社長の小塚祥吾氏に譲渡

◆テラは、医薬品・医療機器の治験支援を主力とする子会社のタイタン(東京都港区。売上高8000万円、営業利益△1400万円、純資産△200万円)の全株式を、タイタンの元社長の小塚祥吾氏に譲渡することを決議した。

テラは中核である細胞医療事業の早期業績回復を最重要課題と位置づけ、グループ事業の見直しを進めていた。これに伴い、旧経営陣である小塚氏に今後のタイタンの経営を託すことにした。タイタンは2013年に設立し、医薬品・医療機器の治験支援などを手がけてきた。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年8月20日。株式譲渡に伴い、2019年12月期決算に約2000万円の損失を計上する。

テラは2004年に樹状細胞ワクチン療法の研究開発を目的に設立した東大発ベンチャー。樹状細胞ワクチンは日本初の膵臓がんに対する再生医療製品として期待されており、今後、その承認取得に向けた開発に経営資源を集中する。

 

芙蓉総合リース<8424>、経理・人事業務代行のNOCアウトソーシング&コンサルティングを子会社化

◆芙蓉総合リースは、経理や人事・給与業務などを代行するNOCアウトソーシング&コンサルティング(東京都江東区。売上高97億4000万円)を15日付で子会社化した。NOCを傘下に置く持ち株会社の全株式を取得した。新規分野として取り組んでいるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業の強化策の一環。取得価額は非公表。

 

ロゼッタ<6182>、定型的事務作業の自動化コンサルティングを手がけるRPAコンサルティングを子会社化

◆ロゼッタは、AI(人工知能)を活用して定型的事務作業を効率化・自動化するRPA(ロボット・プロセス・オートメーション)に関するコンサルティング業務を手がけるRPAコンサルティング(東京都渋谷区。2019年3月に設立)の全持分を取得し、子会社化することを決議した。

ロゼッタはAI(人工知能)を活用した自動翻訳サービスを主力とする。機械翻訳の精度について目標水準を概ね超えたことから、新たな開発目標としてRPAにAIを組み合わせた「AI RPA」を据えている。その一環としてRPA社が持つRPAのノウハウを取り込む。

まずは第一歩として、ロゼット自体の社内の単純作業を一掃し1年以内に社内の事務要員ゼロの状態を実現するという。子会社化に伴い、RPA社の武井琢治代表はロゼッタのCRO(ロボット最高責任者)に就任する予定。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月1日。

 

日新製糖<2117>、王子製糖の砂糖事業を取得

◆日新製糖は、王子製糖(東京都文京区。売上高12億4000万円、営業利益4900万円、純資産7億4300万円)の砂糖事業を会社分割により取得することを決議した。王子製糖は1952年に設立し、日新製糖傘下の新東日本製糖(千葉市)に委託加工する関係にある。取得価額は6億9100万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

エア・ウォーター<4088>、産業ガス大手の独リンデからインド事業を204億円で取得

◆エア・ウォーターは14日、産業ガス大手の独リンデからインド事業の一部を取得すると発表した。対象はリンデがインド南部で手がける酸素、窒素、アルゴンの製造・販売・供給に関する事業(直近売上高約57億円)。独リンデと同業大手の米プラクスエアが2017年に合併した際、インド当局が独占禁止政策上の理由からリンデにインド事業の一部を第三者に譲渡するよう求めていた。取得価額は204億円(138億インドルピー)。2019年9月中に取得完了を見込む。

エア・ウォーターはこれに先駆け、7月に米プラクスエアからインド東部で手がける事業の一部を約238億円で取得したばかり。

 

トライステージ<2178>、シンガポールのテレビ通販子会社JMLを現地社に譲渡

◆トライステージは、シンガポール子会社でTV通販を手がけるJML Singapore Pte. Ltd.(JML、売上高5億7300万円、営業利益△1億8500万円、純資産△7550万円)の全株式(所有割合75%)を、TVショッピング向け卸事業の現地Responze TV International Limitedに譲渡することを決議した。JMLへの債権約3億1700万円も放棄する。

トライステージは成長著しいASEAN(東南アジア諸国連合)で拠点を確保するため、2016年9月にJMLを傘下に収めた。シンガポールでのテレビ通販事業、リテール卸事業、同社を経由した日本商品の卸売に取り組んできた。しかし、事業環境の変化や取扱商品の陳腐化などにより、業績が取得時の計画を下回り、2019年2月期第2四半期には同社に係るのれんの減損損失を計上した。業績改善への見通しが立たないことから、経営権を手放す。

譲渡価額は2シンガポールドル(約152円)。譲渡予定日は2019年8月30日。

 

ブイキューブ<3681>、コミュニケーションサービス関連のインドネシア子会社PT.V-CUBEを合弁先に譲渡

◆ブイキューブは、コミュニケーションサービスを提供するインドネシア子会社PT.V-CUBE INDONESIA(ジャカルタ。売上高2600万円、営業利益△1400万円、純資産△1億1400万円)の株式90%を、現地投資会社のPT.ALTAVINDO INDONESIA(ジャカルタ) に譲渡することを決めた。

ブイキューブは2012年に現地法人PT.V-CUBEを設立し、インドネシアでWeb会議システムなどのビジュアルコミュニケーションサービスの提供に乗り出した。しかし、約7年が経過しながら、いまだに黒字化を実現できず、現在は債務超過に陥っている。このため、保有株式の大部分を合弁パートナー(5%出資)の投資会社PT.ALTAVINDO INDONESIA に譲渡することを決めた。

株式の譲渡価額は1ドル(約106円)。併せて貸付債権1億2700万円も譲渡。譲渡日は2019年8月14日。

 

リミックスポイント<3825>、第一種金融商品取引業を登録申請中のスマートフィナンシャルをMBOで原田勉社長に譲渡

◆リミックスポイントは、第一種金融商品取引業の登録申請を手続き中のスマートフィナンシャル(東京都港区。純資産4000万円)の全株式を、スマートフィナンシャル社長の原田勉氏に譲渡することを決議した。

リミックスポイントは仮想通貨交換業を営む子会社のビットポイントジャパン(東京都港区)を中心に金融関連事業を手がけるが、証券事業への参入を目的に今年1月にスマートフィナンシャルを設立し、第一種金融商品取引業の登録申請の手続きを進めてきた。その後、戦略を変更し、経営資源を仮想通貨関連に集中する方針を打ち出していた。そうした過程で、原田氏からMBO(経営陣による買収)の申し出があったという。

譲渡価額は非公表。譲渡日は2019年8月14日。

 

スカラ<4845>、コンサルティング事業のジェイ・フェニックス・リサーチを子会社化

◆スカラは、コンサルティング事業とファンド事業を手がけるジェイ・フェニックス・リサーチ(東京都中央区。売上高6600万円、営業利益△200万円、純資産4100万円)を株式交換により完全子会社化することを決議した。

ジェイ・フェニックスは2003年に設立し、上場企業の中期経営計画策定、統合報告書や証券アナリストレポートの作成などを手がけている。近年は企業価値分析体系へのAI(人工知能)の応用に力を入れている。スカラ社長の梛野憲克氏はAIの博士号を持つ。ジェイ・フェニックスを傘下に取り込むことで、AIの分析と価値創造経営コンサルティングの融合が可能になると判断した。

株式交換比率は1:298.4165652。株式交換実行日は2019年9月下旬を予定。

 

関門海<3372>、シンガポールの「玄品」運営会社VLSGを子会社化

◆関門海は、シンガポールでとらふぐ料理店「玄品」を運営する現地VLSG PTE.LTD.(売上高4610万円、営業利益△3880万円、純資産163万円)の全株式を取得し子会社化した。取得日は2019年6月1日。取得価額は非公表。

関門海はとらふぐ料理店「玄品」を中心に飲食店事業を展開する。2017年4月に海外進出のフランチャイズ1号店としてシンガポールに開店した。しかし、フランチャイズ展開が思うように進まず、現地運営会社から株式買い取りの依頼があったという。

 

 

くふうカンパニー<4399>、フジトミ傘下のふくろう少額短期保険を子会社化

◆くふうカンパニーは、フジトミ傘下のふくろう少額短期保険(東京都中央区。売上高8300万円、経常利益△3700万円、純資産1900万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

くふうカンパニーは保険販売子会社の保険のくふう(東京都港区)を通じて、結婚式キャンセル保険などの保険商品を取り扱っている。ふくろう少額短期保険を傘下に取り込むことで、生活シーンに潜む身近なリスクを保証する新たな商品の開発につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月中。

 

フレアス<7062>、群馬県高崎市でマッサージ業を営む大平幸彦氏から事業を取得

◆フレアスは、群馬県高崎市でマッサージ業を営む大平幸彦氏から事業を取得することを決議した。群馬県内でのあん摩マッサージ指圧師による在宅訪問サービス事業の充実が狙い。当該事業の売上高は3200万円。取得価額は未定。取得予定日は2019年9月1日。

 

イー・ガーディアン<6050>、クラウド型セキュリティー対策製品のグレスアベイルを子会社化

◆イー・ガーディアンはクラウド型セキュリティー対策製品を提供するグレスアベイル(東京都中央区)の第三者割当増資を引き受けて子会社化(所有割合64.3%)することを決議した。

イー・ガーディアン子会社で情報セキュリティー分野の監査・コンサルティング業務を手がけるEGセキュアソリューションズ(東京都港区)の徳丸浩社長がグレスアベイルの取締役を務め、グレスアベイルは同氏の監修でセキュリティー対策製品を開発するなどの関係にあった。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月20日。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

会社の特別清算に伴う法人の金銭債権の貸倒処理(参考:東京地裁平29年1月19日判決)

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(亀山 孝之/税理士)

 

 

1. はじめに


特別清算とは、会社法上の制度で、解散後・清算中の株式会社について債務超過の疑いがある場合等に裁判所の命令により開始され、その監督のもとで行われる(特別の)清算手続であり(会社法510条~574条外)、協定型と個別和解型があります。

 

2. 特別清算の2類型と特別清算に伴う貸倒処理に係る法人税基本通達9-6-1(2)とその他の通達


表題の通達9-6-1 (2)は、法人の有する清算会社に対する金銭債権の額のうち、「特別清算に係る協定の認可の決定があった場合において、この決定により切り捨てられることとなった部分の金額」は、その事実の発生した日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入する」旨を定めています。

 

ここでいう「協定」とは、会社法563条以下の定めに従って行われる手続きで、清算会社と協定債権者(一般債権者のこと)との間で、清算会社が協定債権者に弁済をすること及び協定債権者は弁済を受けられなかった部分を免除することを取り決めることで、清算会社が債権者集会に対して協定の申し出をして、債権者集会において法定の要件を満たす同意を得て可決し、さらに、裁判所の認可の決定を得て成立し効力を生じます。協定が成立するとそれに同意しなかった債権者も拘束されます。

 

これに対し、債権者が少数の場合(特に、清算会社の親会社などその関係者のみが債権者である場合)、協定に代え、協定よりコストや迅速性で勝る「個別和解」により清算が行われる場合があります。個別和解は、一部弁済と引き換えに残債免除とする場合が一般的で、裁判所の許可により効力が生じます(同法535条①4)。

 

ここで留意すべきは、特別清算により切り捨てられた金銭債権につき、9-6-1がその(2)該当の貸倒損失として損金の額に算入することを認めるのは、あくまで協定により免除される(切り捨てられる)場合のその免除額に限っており、個別和解による免除(切り捨て)額はこの(2)に当たらないということです。それは、まず、同通達(2)の文言上、そこに個別和解も含むことは読みとれないことから明らかであるといえますが、それを措いても、個別和解は、協定の裁判所による認可とは別個の手続で、当事者間の公平を担保する、又は通常の合理性のない馴れ合い的な和解を修正するための規定もないため、たとえば、親会社と子会社のみが当事者の場合、いかようにも和解(債務免除)の合意ができます。よって、個別和解による債務免除を協定によるそれと同等に扱うことは不合理です。

 

以上の通り、協定型ではなく個別和解型の特別清算手続が多く利用されているとしても、特別清算手続でありさえすれば、子会社の整理に関する親会社の負担(債務免除)額を無条件に損金の額に算入できるわけではありません。基本通達が、特別清算による債権の切り捨てについて協定によるものであることを要件に貸倒損失として損金算入を認めようとしていることには合理性があり、それを満たすことが必要です。

 

以上の通り、個別和解による免除額は上記通達の(2)に当たりませんが、個別和解による債務免除は、同通達が貸倒損失として損金算入を認める4つ目の類型として挙げる「(4)債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額」に当たる余地は残ります。この(4)の「場合」に該当するかどうかの判断は、金銭債権の弁済の可能性の判断につき「債務者の資産状況、支払能力等の債務者側の事情だけでなく、債権回収に必要な労力、債権額と取立費用との比較衡量、債権回収を強行することによって生ずる他の債権者とのあつれき等による経営的損失等といった債権者側の事情、経済的環境等も踏まえ、 社会通念に従って総合的に判断されるべき」と判示した平成16年12月24日の最高裁判決に沿って行うべきと考えられます。

 

この(4)にも当たらない場合は、別の法人税基本通達9-4-1により、法人税法37条の寄附金に該当するか否かの判断をすることになります。つまり、同通達が寄附金に当たらない要件として示す「その損失負担等をしなければ今後より大きな損失を蒙ることになることが社会通念上明らかであると認められるためやむを得ずその損失負担等をするに至った等そのことについて相当な理由があると認められる」か否かを検討することになりますが、この(4)に当たらない場合は、9-4-1が示す要件も満たさないことが多い、すなわち寄附金となる場合が多いと考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/08/19)より転載

[解説ニュース]

配偶者居住権等と相続税の小規模宅地等の特例・物納の取扱い

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■配偶者居住権が消滅した場合の相続税・贈与税の取扱い

■配偶者居住権等の評価

 

 

1.配偶者居住権の意義


被相続人の死亡時にその被相続人の財産であった建物に居住していた配偶者は、遺産分割または遺言により、その居住していた建物(以下「居住建物」)の全部につき無償で居住したり賃貸したりする権利(=「配偶者居住権」)を取得することができます(民法1028条第1項)。

 

2.配偶者居住権等と相続税の小規模宅地等の特例


(1)小規模宅地等の特例の概要

小規模宅地等の特例とは、個人が相続等により取得した宅地(土地又は土地の上に存する権利をいう。以下「宅地等」。)のうち被相続人又は被相続人と生計をーにしていた被相続人の親族(被相続人等)の事業の用又は居住の用に供されていた一定の宅地等(下図の4区分)について、相続税の申告期限までその宅地等を保有し、事業や居住の用に供するなど一定の要件を満たす場合は、被相続人等に係る相続税の計算上、一定の面積(限度面積)までの部分について、その相続税の課税価格を次のとおり減額する特例をいいます(租税特別措置法69条の4)。

 

 

(2)配偶者居住権等と小規模宅地等の特例の適用

配偶者居住権自体は、建物に関する権利であることから、宅地等に係る特例である、小規模宅地等の特例の適用を受けることはできません。
配偶者が配偶者居住権を取得した場合における、居住建物の敷地の利用権は、前述(1)の「土地の上に存する権利」に該当することから、上図④の特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。
居住建物の敷地の所有権についても、その取得者が居住建物に被相続人と同居していた等の要件を満たすことにより、特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例の適用を受けることができます(租税特別措置法69条の4第1項、第3項2号・財務省「平成31(令和元)年度税制改正の解説」539頁)。

 

3.配偶者居住権等と相続税の物納


(1)相続税の物納の概要

相続税法は、納税義務者が延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合に、税務署長の許可を受けることにより、その納付を困難とする金額を限度として金銭以外の一定の財産による納税(物納)が認められています(同41条第1項)。
相続税の物納に充てることができる財産(物納財産)とは、原則、納税義務者の相続税の課税価格計算の基礎となった相続財産(相続時精算課税の適用を受ける財産を除く。)で、日本国内に所在するもののうち一定のものをいい、譲渡制限が付されている株式など一定の財産は、管理処分に不適格な財産(「管理処分不適格財産」)として物納財産から除外されています(相続税法41条第2項、同施行令18条)。また物納財産が複数ある場合には、相続税法上、物納に充てることができる財産の順位が定められています(相続税法41条第2項、第5項)。

(2)配偶者居住権等と物納の適用

配偶者居住権自体は譲渡が禁止(民法1032条第2項)されていることから、上記3(1)の「管理処分不適格財産」に該当し、物納に充てることができません(相続税法41条第2項)。
配偶者居住権が設定された建物およびその敷地の所有権は、他の財産に比べて物納の順位が後れる「物納劣後財産」とされ、他に物納に充てるべき適当な財産がない場合に限り、物納に充てることができます(同法第4項)。

 

4.適用時期


上記2(2)と3(2)の取扱いは、配偶者居住権に関する民法の施行日である、令和2年4月1日以後に開始する相続により取得する財産に係る相続税について適用されます(改正法附則1条7号ロ)。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/08/13)より転載

[M&Aニュース](2019年7月29日〜8月9日)

◇ 昭文社<9475>、グアムのマリンスポーツ会社APRA DIVE & MARINE SPORTSの全事業を取得、◇アイビーシー<3920>、ナビプラスからセキュリティー事業を取得、◇第一交通産業<9035>、戸畑タクシーの事業を取得、◇アイモバイル<6535>、「パズルde懸賞」シリーズなどスマホゲームアプリのオーテを子会社化、◇サーラコーポレーション<2734>、イワキ傘下の動物医薬品卸2社を子会社化、◇伊藤忠テクノソリューションズ<4739>、インドネシアのIT企業Nusantara Compnet Integratorなど2社を子会社化  ほか

 

米投資会社エリオットがユニゾ株をさらに買い増し、所有割合7.71%に

◆米投資会社エリオット・マネジメントがホテル事業とオフィス賃貸事業を手がけるユニゾホールディングス株式の買い増しを続けている。エリオットが9日、前日に続き関東財務局に提出した大量保有の変更報告書によると、ユニゾ株の所有割合は1.09%高まり、7.71%となった。ユニゾは旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)から敵対的TОB(株式公開買い付け)を仕掛けられているが、ユニゾ株価はTOB価格の3100円を上回る高値圏で推移している。

9日のユニゾ株の終値は2日続落し、前日比285円安の3400円。7月30日(3430円)以来の安値となったが、TOB価格よりもなお1割程度高い水準にある。エリオットによるユニゾ株の新規保有(5.51%)が判明したのは6日。

HISは7月11日にTOBを開始し、現在4.79%の所有割合を45%まで高める計画。TOB期間は23日まで。ユニゾ株価がTOB価格を上回る状態が続けば、株主の多くにとって市場売却した方が有利で、予定数の株式を買い付けることが困難とみられる。

TOB価格の3100円はTOB公表前日の終値1990円に55.78%のプレミアム(上乗せ)を加えた額。

 

ズーム<6694>、音楽用電子機器の米国合弁販社Zoom North Americaを子会社化

◆ズームは、持分法適用関連会社で音楽用電子機器の販売を手がける米Zoom North America,LLC(ニューヨーク州。売上高33億7000万円、営業利益4億2800万円、純資産10億3000万円)の株式17.3%を追加取得し、子会社化(所有割合50.6%)することを決議した。

ズームは2013年に北米の販売拠点として合弁でZoom North Americaを設立した。米国の音楽用電子機器市場は世界最大で、ズームの連結売上高の35%を占め、北米販売拠点の重要性が増している。過半数の株式を取得し、経営権を掌握することで北米市場を深耕し、「ズーム」のブランド価値向上につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月30日。

 

エコモット<3987>、暖房設備機器・空調設備の保守管理を主力とするストークを子会社化

◆エコモットは、暖房設備機器・空調設備の製造や保守管理を主力とするストーク(札幌市。売上高8700万円、営業利益△1200万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ストークは2013年設立で、北海道を地盤に商業施設をはじめ公共施設、学校、医療・福祉施設向けに暖房設備機器などの導入実績を積んでいる。

エコモットは融雪システム遠隔監視システム「ゆりもっと」を手がけるが、これまで集合住宅向けが中心で、商業施設などへの展開を今後の課題としている。ストークを傘下に取り込むことで、商業施設を中心とした新たな需要を開拓する。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月30日。

 

アイカ工業<4206>、無水マレイン酸メーカーの中国・南京鐘騰化工を子会社化

◆アイカ工業は、無水マレイン酸メーカーの中国・南京鐘騰化工有限公司(南京市。純資産約7500万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。取得価額は約13億2900万円。取得予定日は2019年8月下旬。

アイカ工業は中国子会社のダイネア南京社(南京市)を通じて南京鐘騰化工を子会社化する。ダイネア南京社は中国で建築用と産業用の接着剤・樹脂事業を手がけているが、販売量の拡大に伴い製造能力の増強が必要になっていた。

傘下に収める南京鐘騰化工は約6万3000平方メートルの土地使用権と化学品製造設備を持つが、現在、生産活動を停止中。ダイネア南京社と隣接する立地関係にある。

 

NJS<2325>、非破壊検査を手がける日本X線検査を子会社化

◆NJSは、鋼構造物やコンクリート構造物の非破壊検査を手がける日本X線検査(東京都大田区。売上高2億200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。日本X検査が持つX線透過検査や超音波探傷検査などの技術を取り込み、サービス拡大につなげる。日本X線検査は1967年設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月。

 

綿半ホールディングス<3199>、戸建木造住宅フランチャイズ事業のサイエンスホームを子会社化

◆綿半ホールディングスは、戸建木造住宅のフランチャイズ事業を手がけるサイエンスホーム(浜松市。売上高23億9000万円、営業利益1億7900万円、純資産4億2600万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

サイエンスホームがフランチャイズ事業として展開する「真壁づくりの家」は柱や梁など家の構造材を見せる日本の伝統工法に基づく。国産の天然ひのきや加盟店の各地域で採材・加工した自然素材を利用し、国内の協力工場で加工した高品質な建材を供給している。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月27日。

 

TKC<9746>、会計事務所向けに出版事業を手がけるTKC出版を株式交換で子会社化

◆TKCは、関連会社のTKC出版(東京都千代田区。売上高15億4000万円、営業利益8100万円、純資産6億1900万円)を株式交換により、完全子会社化することを決議した。

TKC出版は1972年に、TKCと会員の会計事務所(TKC会員)などが共同で出資して設立し、会員向け出版活動などを手がける。TKCの出資比率は現在、31.1%。株式交換で100%子会社化することで広報、出版活動の一層の充実を目指す。

株式交換比率はTKC1:TKC出版5。TKC出版の1株に対し、TKCの5株を割り当てる。株式交換予定日は2019年9月24日。

 

データセクション<3905>、小売り向け画像ソリューション事業のチリJach Technologyを子会社化

◆データセクションは、店舗内カメラの画像解析ソリューションを提供するチリJach Technology SpA(サンティアゴ)の株式の過半数を取得し、子会社化することを決めた。数年後に100%子会社化する見通し。

Jachは2010年に設立し、「FollowUP(フォローアップ)」と名づけた小売店向けの画像ソリューションを中南米や南アジアなど17カ国で展開している。データセクションは「FollowUP」に関して日本国内での営業・販売権を保有しているが、Jachを傘下に取り込むことで、成長著しい新興市場国に積極進出する。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月。

 

ティーケーピー<3479>、レンタルオフィスの台湾リージャス社を買収

◆ティーケーピーは、レンタルオフィスの世界的大手スイスIWG傘下で、台湾で事業を運営する現地子会社13社(台湾リージャス社)の全持分を取得し、子会社化することを決議した。台湾リージャス社は「Regus」「SPACES」「HQ」のブラントを通じて3都市に計14拠点を展開する現地最大手のレンタルオフィス会社。取得価額は13社合算で約29億2700万円。取得予定日は台湾当局の承認後。

ティーケーピーは今後の海外戦略について、貸会議室単独での出店でなく、レンタルオフィスなど他事業と組み合わせた出店を進める方向。台湾進出にあたっては台湾リージャス社を買収し、貸会議室事業とともに出店することが最適と判断した。

スイスIWGは世界110カ国、1000都市・3300拠点以上、会員約250万人(2019年5月末)を持ち、「Regus」を多様なブラントでレンタルオフィス事業を展開する。ティーケーピーは今年6月、500億円近くを投じて、IWG傘下の日本リージャスホールディングス(東京都新宿区。売上高132億円)を買収している。

 

韓国マジェスティゴルフ、ゴルフ用品メーカーのマジェスティゴルフ(旧マルマン)<7834>をTOBで子会社化

◆韓国のマジェスティゴルフコリア(MAJESTY GOLF KOREA、ソウル)は9日、ジャスダック上場でゴルフ用品メーカーのマジェスティゴルフ(旧マルマン)の完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。コリア社は現在、マジェスティゴルフ株式の37.68%を所有する筆頭株主。マジェスティゴルフの金在昱社長、金錫根取締役の両氏がコリア社の代表理事(代表取締役)を兼務していることから、今回のTOBはMBO(経営陣による買収)に該当する。

買付価格1株195円で、TOB公表前日の終値136円に43.38%のプレミアムを加えた。買付予定数は1073万5576株。買付代金は最大20億9343万円。買付予定数の下限は総議決権の3分の2に相当する499万3000株に設定。買付期間は8月13日~9月25日。決済開始日は9月30日。三田証券が代理人。

TOBを実施するコリア社は韓国投資会社モーツァルトアドバイザーズコリア(ソウル)の傘下企業。モーツァルトはマジェスティゴルフの株式13.32%を直接所有し、コリア社を通じた間接所有分を合わせてマジェスティゴルフ株式の51%を持つ親会社の地位にある。

マジェスティゴルフは1950年に創業したマルマンを前身とする。ゴルフクラブ、キャディーバッグなどのゴルフ用品を主力に、禁煙関連商品(禁煙パイポなど)、健康食品(各種サプリメント)を製造・販売している。2005年にジャスダックに上場。2018年10月にマルマンから現社名に変更した。コリア社は韓国の代理店としてゴルフ用品を独占的に販売している。

 

米投資会社エリオット、HISが敵対的TOBのユニゾ株を買い増し保有割合6.62%に

◆米投資会社エリオット・マネジメントは、旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)から敵対的TОB(株式公開買い付け)を仕掛けられているホテル・不動産業のユニゾホールディングの株式を1.1%買い増し、所有割合を6.62%に高めた。8日、関東財務局に提出された大量保有の変更報告書で判明した。6日にエリオットによるユニゾ株の新規保有(5.51%)が明らかになったばかりだが、継続取得の投資スタンスが浮き彫りになった形だ。

8日のユニゾ株の終値は前日比25円安の3685円で、TOB価格の1株3100円を500円以上上回る高値圏にある。HISは7月11日にTOBを開始し、現在4.79%の所有割合を45%まで高める計画。だが、ユニゾ株価がTOB価格を上回ったまま推移すれば、予定数の株式を買い付けることが困難視される。

今後、エリオットが買い増しを継続すれば、TOB価格の引き上げを誘う思惑買いが広がり、ユニゾ株価が上伸する可能性もある。

ユニゾ株価はTOB公表時点から、1700円近く上昇している。

 

朝日印刷<3951>、マレーシアの印刷会社 Harleighなど2社を子会社化

◆朝日印刷は、マレーシアの印刷会社 Harleigh(ジョホールバル)、Shin-Nippon Industries(同) の2社の株式65%をそれぞれ取得し、子会社化することを決めた。

朝日印刷は医薬品・化粧品包材(パッケージ、添付文書、ラベルなど)の製造・販売を中核事業とする。今回傘下に収める両社は兄弟関係にある。いずれも1980年代後半に設立し、マレーシアにおける医薬品の包装資材分野で長年実績を積み、朝日印刷とも取引関係を持つ。現地に強力な足場を築き、ASEAN(東南アジア諸国連合)での事業拡大を目指す。

取得価額は約3億8000万円。取得予定日は2019年9月末日。

 

日本アンテナ<6930>、NTT-MEの「TVまるごとサポートサービス」を取得

◆日本アンテナは、エヌ・ティ・ティ エムイー(NTT-ME、東京都豊島区)の「TVまるごとサポートサービス」事業を取得することを決議した。人口減や新築住宅着工戸数の減少を背景に、日本アンテナが主力とするテレビ受像関連機器市場は変革期を迎えている。こうした中、集合住宅向けテレビ保守サービスを取り込むことで、競争力向上につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月1日。

 

プラッツ<7813>、医療介護用電動ベッド組み立てのベトナム子会社を現地社に譲渡

◆プラッツは、医療介護用電動ベッドなどの品質検査や組み立てを行うベトナムの100%出資子会社 PLATZ VIETNAM(ドンナイ省)の全持分を、持分法適用関連会社の現地 SHENGBANG METAL(ドンナイ省)に譲渡することを決議した。

譲渡先のSHENGBANG METALはプレス加工や溶接加工を手がけ、プラッツが48%を出資する。PLATZ VIETNAMはこれまで医療介護用電動ベッドに使われるスチール部品について、SHENGBANG METALに生産を委託していた。主要部品の生産から品質検査、組み立てまでの工程を1社に集約することで、効率的な運営体制の構築を目指す。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年9月中旬。

 

高島<8007>、トイレブース製作・施工のレストを子会社化

◆高島は、トイレブース製作・施工のレスト(静岡市。売上高18億2000万円、営業利益4000万円、純資産4億6300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

レストは1980年に設立し、オフィスビルなど非住宅分野の新築やリニューアル案件でトイレブースを主体とするパーティションの製作・施工で実績を積んできた。高島は同社を傘下に取り込み、建材ソリューション事業のサービス体制拡充につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

クオールホールディングス<3034>、薬局のセラ・メディックを子会社化

◆クオールホールディングスは、薬局運営のセラ・メディック(大阪府堺市。売上高30億4000万円)の全株式を取得し、8日付で子会社化した。セラは1991年設立で、「プラザ薬局」「まりん薬局」「日の丸薬局」「わかば薬局」の屋号で保険薬局を大阪府に9店舗、奈良県に1店舗運営する。今回の子会社化でクオールグループの薬局数は803店舗となる。取得価額は非公表。

 

東海エレクトロニクス<8071>、藤田電機工業から半導体製品の販売事業を取得で合意

◆東海エレクトロニクスは、藤田電機工業(名古屋市)から半導体製品に関する販売事業を取得することで合意した。取得価額など詳細は未定だが、2020年以降に新体制をスタートする予定。取得する当該事業の業績は東海エレクトロニクスの2019年3月期連結売上高(約415億円)の10%を超える規模という。

藤田電機工業は1944年に設立し、電気・機械設備工事のほか、半導体など電子部品の販売を手がける。

 

レンゴー<3941>、産業用重量物包装メーカーの独トライコーなど2社を323億円で子会社化

◆レンゴーはドイツ子会社を通じて、産業用重量物包装メーカーのTRICOR Packaging&Logistics AG(トライコー社。売上高217億円、当期利益5億1300万円、純資産122億円)、機械製造のGutmann Anlagentechnik GmbH(グットマン社。売上高7億3600万円、当期利益3200万円、純資産8800万円)の現地2社を買収すると発表した。トライコー社の全株式、グットマン社の全出資持分を取得する。取得金額は合計約323億円。取得予定日は2019年8月20日。

トライコー社はドイツ国内に4工場があり、重量物包装の分野で欧州3位、ドイツ国内2位のシェアを持つ。レンゴーは同社を取り込むことで、重量物包装事業にとって重要な顧客である自動車産業のウエートが大きいドイツをはじめ欧州域内での事業拡大を目指す。

トライコー社ともう一方のグットマン社は支配株主が共通しグループ関係にある。

 

じげん<3679>、日本在住の外国人向け少額短期保険販売のビバビーダメディカルライフを子会社化

◆じげんは、日本在住の外国人向け少額短期保険販売のビバビーダメディカルライフ(神奈川県大和市。売上高1億6100万円、経常利益1300万円、純資産3300万円)の株式97.78%を取得し、子会社化することを決議した。

ビバビーダメディカルライフは2009年に少額短期保険業に登録し、主に外国人留学生、外国人技能実習生向けに医療保険、生命保険を提供している。2018年度末の契約保有件数は1万6000件に達し、200以上の学校や監理団体と取引する。

じげんは、グループの営業基盤や法人顧客、外国人ユーザー向けの販路を活用し、ビバビーダの業績向上を目指す。将来的には人材、不動産、自動車、旅行といった各既存領域で少額短期保険を活用した新規商材の開発、販売も視野に入れている。

外国人留学生、外国人実習生の日本国内総数は近年増加傾向が続いている。法務省によると、2018年末で留学生は33万人(前年比8%増)、実習生は32万人(同19%増)。

取得価額は非公表。取得予定日は未定。

 

サンデンHD<6444>、流通システム事業子会社のサンデン・リテールシステムを500億円でインテグラル傘下企業に譲渡

◆サンデンホールディングス(HD)は7日、業務用冷凍・冷蔵ショーケース、飲料用自動販売機を製造・販売する子会社のサンデン・リテールシステム(SDRS、群馬県伊勢崎市。売上高537億円、営業利益7億6400万円、純資産30億2000万円)の全株式を、投資会社インテグラル(東京都千代田区)の傘下企業に10月1日付で譲渡すると発表した。譲渡価額は500億円(株式譲渡398億円、ほかに貸付債権、有利子負債などを含む)。電気自動車の普及加速などに対応して成長領域の自動車機器事業に経営資源を集中するのが狙い。

事業譲渡先はインテグラルが100%出資して7月末に設立したSDRSホールディングス(東京都千代田区)。

サンデンHDは自動車機器事業と流通システム事業を経営の両輪とする。自動車業界は電気自動車や自動運転車に代表される100年に一度の大変革期に突入し、業界構造が大きく変化する中、自動車機器事業は競争力向上が急務になっている。一方、流通システム事業も顧客ニーズの変化や労働人口の減少を背景に、コンビニの24時間営業や物流業界の再配達などに関わる社会問題の解決が求められている。しかし、自動車機器、流通システムの両事業に対して、成長加速のために十分な経営資源を投入することは難しいと判断し、流通システム事業の譲渡を決断した。

自動車機器事業では電動コンプレッサーやヒートポンプ、水加熱電気ヒーターなどの空調領域の強化に加え、バッテリーやモーターなどの機器の温度管理領域への展開に力を入れている。

 

VTホールディングス<7593>、独VW・アウディの自動車ディーラーを子会社化

◆VTホールディングスは、外国車ディーラーの光洋自動車(北海道北見市。売上高31億円、営業利益1億5600万円、13億9000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

光洋自動車は1976年に設立し、北見市、旭川市、札幌市で独フォルクスワーゲン(VW)と独アウディの正規ディーラーとして、VW3店舗、アウディ2店舗を運営する。

取得価額は非公表。取得日は2019年8月6日。

 

SANKYO<6417>、毒島会長の資産管理会社マーフコーポレーションにゴルフ場運営・不動産事業を譲渡

◆SANKYOは子会社の三共クリエイト(東京都渋谷区)からゴルフ場運営事業と不動産賃貸事業の一部を承継するために設立する新会社2社の全株式を、マーフコーポレーション(東京都港区)に譲渡することを決議した。マーフコーポレーションはSANKYO会長の毒島秀行氏の資産管理会社で、SANKYO株式の34.92%を保有する筆頭株主。経営資源をパチンコ・パチスロの遊技機関連事業に集中する一環。

三共クリエイトは群馬県高崎市内にゴルフ場「吉井カントリークラブ」を保有するほか、SANKYO本社ビルなどグループ内使用の不動産(群馬県高崎市)を保有・管理運営する。吉井カントリークラブと、不動産事業を会社分割によりそれぞれ10月1日付で新会社に移管したうえで、両社の全株式をマーフコーポレーションに譲渡する。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年10月1日。

 

ティーライフ<3172>、日本ヘルスケアアドバイザーズから一般漢方製剤の通販事業を取得

◆ティーライフは、日本ヘルスケアアドバイザーズ(東京都港区)から一般用漢方製剤の通信販売事業を取得することを決議した。ティーライフは健康茶や化粧品などを中心に通販事業を手がけるが、今回の事業取得を通じて、伸び代のある医薬品の販売拡大が期待できるとしている。当該事業の業績は売上高3億7200万円、営業利益△2億7100万円。取得価額は非公表。取得日は2019年9月1日。

 

エボラブルアジア<6191>、ディスカウントチケットのナショナル流通産業を子会社化

◆エボラブルアジアは、各種商品券などディスカウントチケット事業を手がけるナショナル流通産業(大阪市。売上高137億円、営業利益7290万円、純資産977万円)を株式交換により、子会社化することを決めた。

ナショナル流通産業の前身の旧ナショナル流通産業は2017年4月に民事再生を申し立てて、同名の新会社を設立したうえで事業を譲渡した。

株式交換比率は未確定。株式交換予定日は2019年8月30日。

 

九州フィナンシャルグループ<7180>、総合リース業のJR九州フィナンシャルマネジメントを子会社化

◆九州フィナンシャルグループは傘下の肥後銀行を通じて、JR九州傘下で金融サービス会社のJR九州フィナンシャルマネジメント(JFM、福岡市。売上高53億2000万円、営業利益1億8600万円、純資産18億8000万円)の株式90%を取得し、子会社化することを決めた。取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月2日。

JFMは1988年に設立し、総合リース事業のほか、JR九州向けにキャッシュマネジメントサービス事業と財務シェアードサービス事業を手がけている。このうち、総合リース以外の2事業は10月1日付でJR九州のグループ子会社に移管したうえで、総合リース事業に専念することになっている。九州フィナンシャルグループはJR九州グループから総合リース事業を取り込み、地域総合金融機能の向上を目指す。

 

アクセル<6730>、ソニーネットワークコミュニケーションズ傘下で画像処理技術のモーションポートレートを子会社化

◆アクセルは、ソニーネットワークコミュニケーションズの全額出資子会社で画像認識に関する技術開発を手がけるモーションポートレート(東京都渋谷区)の全株式を取得し子会社化することを決議した。人工知能の一つである機械学習領域の事業を加速するのが狙い。

モーションポートレートはソニー木原研究所の出身者を中心に設立し、画像認識や画像処理の技術開発力を強みに、静止画から自動的にアニメーションを生成する「MotionPortrait」技術によるIP(知的財産権)ライセンスや開発支援サービスを提供している。

取得価額、取得予定日は非公表。

 

デファクトスタンダード<3545>、wajaの電子商取引事業を取得

◆デファクトスタンダードは、EC(電子商取引)運営のwaja(東京都港区)から主要事業を取得することを決議した。取得するのは、バイヤーが現地で仕入れた商品を販売する「WORLDROBE」、ブランド公式出店のマーケット「REASONアウトレット」、ファッションアイテムの寄付と買い物で社会貢献できる通販サイト「FASHION CHARITY PROJECT」、マーケットモール「waja」の運営。当該事業の売上規模は5億1500万円。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月1日。

 

昭文社<9475>、グアムのマリンスポーツ会社APRA DIVE & MARINE SPORTSの全事業を取得

◆昭文社はグアム子会社を通じて、現地のマリンスポーツ会社APRA DIVE & MARINE SPORTS, INC.の全事業を取得することを決めた。昭文社は今年5月、グアムにジェットスキー、パラセーリングなどアクティビティー事業やリゾート施設からなる「グアムオーシャンパーク(GOP)」を全面開業した。2001年に設立以来、マリンスポーツ分野で実績を積んできたAPRAの事業を取り込み、現地でのサービス体制を充実させる。取得価額は非公表。取得日は2019年8月2日。

GOPの運営にあたり、これまでAPRAと外注関係にあった。GOPのビーチは遠浅のため、引き潮時はジェットスキーやバナナボートなどが実施できないことから、その場合はAPRAへ送客していた。また、APRAはGOPのあるアガニャ湾では実施できないパラセーリング可能な場所を保有する。APRA の事業取得により、各種アクティビティーについて内製化・ 自社催行化が可能となり、収支の向上に寄与すると判断した。

 

アイビーシー<3920>、ナビプラスからセキュリティー事業を取得

◆アイビーシーは、IT関連のナビプラス(東京都渋谷区)からセキュリティー事業を取得した。対象事業は脆弱性診断サービス、Webサイトの身元証明などに必要となるSSL証明書クーポン販売など。サイバーセキュリティー脅威の高まりに対応してサービス体制を拡充する狙い。取得価額、取得日は非公表。

 

第一交通産業<9035>、戸畑タクシーの事業を取得

◆第一交通産業は戸畑タクシー(北九州市)のタクシー事業(タクシー26台を保有)を7月23日付で取得した。これにより、北九州市内では既存のグループ8社608台と合わせて保有634台となる。

 

アイモバイル<6535>、「パズルde懸賞」シリーズなどスマホゲームアプリのオーテを子会社化

◆アイモバイルは、スマートフォン向けアプリの企画・開発などのオーテ(東京都北区。売上高1億4800万円、営業利益7500万円、純資産1億300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

オーテは2014年に設立。「パズルde懸賞」シリーズを中心に「ナンプレde懸賞」「クロスワードde懸賞」などのスマホ用ゲームアプリを提供している。アイモバイルは自社のインターネット広告事業のノウハウを生かし、オーテの保有するアプリ内での広告収入の収益性向上などにつなげる。

取得価額は5億円。取得予定日は2019年8月9日。

 

サーラコーポレーション<2734>、イワキ傘下の動物医薬品卸2社を子会社化

◆サーラコーポレーションは、イワキ子会社で動物用医薬品の卸売りを手がけるホクヤク(札幌市。売上高8億1400万円、営業利益700万円、純資産△1000万円)、エイ・エム・アイ(千葉県山武市。売上高12億5000万円、営業利益2100万円、純資産1億5200万円)の2社の全株式を取得し、子会社化することを決議した。北海道への進出の足掛かりとする一方、関東地区での事業強化が狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月2日。

 

伊藤忠テクノソリューションズ<4739>、インドネシアのIT企業Nusantara Compnet Integratorなど2社を子会社化

◆伊藤忠テクノソリューションズは、インドネシアのIT企業PT. Nusantara Compnet Integrator(ジャカルタ。売上高72億7000万円、純資産17億6000万円)など現地2社の株式それぞれ70%を取得し子会社化することを決めた。取得価額は未確定。取得予定日は2019年9月。

今回子会社化するのはNusantara Compnet のほか、PT. Pro Sistimatika Automasi(ジャカルタ。売上高3億3000万円、純資産8700万円)。両社ともシステム構築とアプリケーション開発を主軸とする。なかでもNusantara Compnetはインドネシア全土に33拠点からなる保守ネットワークを持つ。

伊藤忠テクノは現地有力2社を傘下に取り込み、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域でも市場規模の大きいインドネシアでの事業拡大につなげる。

伊藤忠テクノは現在、ASEANでマレーシア、シンガポール、タイ、インドネシアの4子会社を通じて、金融、政府・公共機関を中心に現地企業や日系企業にITサービスを提供している。

 

クオールホールディングス<3034>、医薬品製造販売の藤永製薬を子会社化

◆クオールホールディングスは、医療用医薬品を製造販売する藤永製薬(東京都千代田区。売上高17億6000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。医薬品の製造販売事業へ本格参入するのが狙い。藤永製薬は1941年に設立。取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月8日。

 

ジェイ・エス・ビー<3480>、学生向け賃貸マンション事業の東京学生ライフなど3社を傘下に

◆ジェイ・エス・ビーは、学生向けに賃貸マンションの管理・運営を手がける東京学生ライフ(東京都渋谷区。売上高2億2300万円、営業利益500万円、純資産6000万円)など3社を買収することを決議した。3社は大株主が共通し兄弟関係にある。それぞれの全株式を取得し、8月30日付で子会社化する。取得価額は非公表。

買収するのは東京学生ライフのほか、学生向け賃貸マンション管理の湘南学生ライフ(神奈川県藤沢市。売上高4700万円、営業利益200万円、純資産600万円)、広告制作のケイエルディ(東京都杉並区。売上高4800万円、営業利益300万円、純資産1600万円)。

ジェイ・エス・ビーは関西を地盤に学生マンション事業の運営を主力とする。今回3社を傘下に取り込むことで、未出店エリアでの事業拡大、未提携の教育機関との関係構築などの相乗効果を期待している。

 

京成電鉄<9009>、茨城県内を地盤とする関東鉄道をTOBで子会社化

◆京成電鉄は31日、茨城県内を中心に鉄道事業やバス事業を手がける関東鉄道(茨城県土浦市)に対し、子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付価格は1株あたり500円。買付予定数は709万5544株で、予定通り買い付けられれば、出資比率は現在の30.09%(間接所有を含む)から約99%に高まる。買付代金は最大35億4700万円。買付期間は8月1日から10月1日まで。

関東鉄道は茨城県内と千葉県の一部を事業エリアとする。同社は1922年に鹿島参宮鉄道として設立され、1965年に常総筑波鉄道と合併し、現在の社名となった。京成鉄道は旧鹿島参宮鉄道、旧常総筑波鉄道とそれぞれ資本関係があり、1992年以降、関東鉄道を持分法適用関連会社としている。

京成電鉄は関東鉄道とこれまで、営業・安全施策で情報交換、資材の共同購入、大規模自然災害時の復旧支援、高速バスの共同運行などの緩やかな連携を行ってきた。グループの経営体制を強化するためには子会社化を通じた強固な協力関係の構築が必要と判断した。

決済日は10月8日。買付の決済は、みずほ証券。

 

日本産業パートナーズ、防衛装備品などの日本アビオニクス<6946>をTOBで子会社化へ

◆事業再生型ファンドの日本産業パートナーズ(東京都千代田区)は、NEC傘下で防衛装備品などを手がける日本アビオニクス(東証2部)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社化すると発表した。親会社のNECは保有する全株式(所有割合50.11%)についてTOBに応募する。日本アビオニクスはTOBに賛同している。買付期間は20営業日とし、12月中旬からのTOB開始を目指している。日本アビオニクスの上場は維持する。

買付主体は日本産業パートナーズ傘下のNAJホールディングス。買付価格は1株につき1100円。TOB公表前日の終値1223円に対して10.06%のディスカウント。買付予定数の上限は155万6500株(所有割合55.12%)で、NECが保有する株式数を下限とする。買付代金は最大17億1200万円。

日本アビオニクスは1960年、防衛用や一般産業用電子機器に使われる部品などの製造販売を目的に、米ヒューズ・エアクラフト・カンパニーとの合弁で日本アビオトロニクスとして発足。1980年に日本アビオニクスに社名変更した。1988年に東証2部に上場した。

近年、宇宙・防衛市場では防衛省が防衛装備品の調達は国内メーカーから海外メーカーへシフトを進めており、国内メーカーの劣勢が今後も予想される。日本アビオニクスの業績も2019年3月期まで2年連続で営業赤字に陥っている。NECは日本産業パートナーズをパートナーとして迎え入れ、日本アビオニクスの事業立て直しを期待している。

 

ワコールホールディングス<3591>、米の女性用インナーウエア企画販売会社「Intimates Online」を子会社化

◆ワコールホールディングスは、米国の女性用インナーウエア企画販売会社Intimates Online, Inc.(IO、ニューヨーク。売上高12億4000万円、営業利益△3億9800万円、純資産8億2200万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

IO 社は2015 年に設立。「LIVELY(ライブリー)」ブランドを主軸に自社Eコマース(電子商取引)を主要販路としつつ、ニューヨーク・シカゴ市内には直営店舗も持つ。SNS(会員制交流サイト) をはじめ新しいデジタルメディアを顧客とのコミュニケーションツールとして活用する DNVB(デジタル・ネイティブ・ヴァーティカル・ブランド)と呼ばれる新興企業の一つ。

ワコールは同社をグループに迎え、ミレニアル世代の顧客を獲得し、Eコマース売上やデジタルマーケティング手法を通して将来の成長を取り込む考え。行く行くはワコールのネットワークを活用して、米国以外の地域への展開も視野に入れる。

取得価額は約91億8000万円。これに加え、業績の達成度に応じて条件付き取得対価(アーンアウト対価)をIO 社の現株式所有者に支払う条項を盛り込む予定。取得予定日は2019年8月2日。

 

アートネイチャー<7823>、女性用ウィッグ製造・販売のNAO-ARTを子会社化

◆アートネイチャーは、女性用ウィッグ(つけ毛)の製造・販売を手がけるNAO-ART(東京都千代田区。売上高9億600万円、営業利益1億5700万円、純資産2億8200万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。多様化する女性用市場のニーズに対応するため、新たな商品ブランドを獲得する。取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

Jストリーム<4308>、医薬系のインターネット関連事業を手がけるビッグエムズワイを子会社化

◆Jストリームは、医薬系のインターネット関連事業を手がけるビッグエムズワイ(東京都文京区。売上高13億2000万円、営業利益1億2100万円、純資産2億1000万円)の株式61%を追加取得し、完全子会社化することを決議した。

ビッグエムズワイは1994年に設立し、インターネットを活用して医師に医薬情報を提供するディテーリングの草創期から、関連するデジタルコンテンツの制作で実績を積んできた。近年はМR(医薬情報担当者)向けのCLМ(クローズド・ループ・マーケティング)のコンテンツ制作に力を入れている。

Jストリームは2018年7月に同社に出資した。自社の主力事業である医薬業界向けライブ映像配信事業とビッグエムズワイが提供するCLМコンテンツ制作などの事業との協業体制を築いてきた。今回の子会社化で事業の深化と業容拡大を推し進める。

取得価額は3億5400万円。取得予定日は2019年8月30日。

 

メルカリ<4385>、プロサッカーチーム「鹿島アントラーズ」を子会社化

◆メルカリは、プロサッカーチーム「鹿島アントラーズ」を運営する鹿島アントラーズ・エフ・シー(茨城県鹿嶋市。売上高73億3000万円、営業利益5億8300万円、純資産21億6000万円)の株式61.6%を取得することを決議し、日本製鉄と株式譲渡契約を締結した。メルカリは2017年からスポンサーとして鹿島アントラーズにかかわってきたが、関係をより強固にするため、子会社化によって経営に参画する。取得価額は15億9700万円。取得予定日は2019年8月30日。

鹿島アントラーズは1991年10月、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)参加球団の一つとして、住友金属サッカー団を母体に発足した。国内3大タイトル(J1リーグ、Jリーグカップ、天皇杯全日本サッカー選手権大会)で最多優勝回数を誇る。2018年にはアジアでのナンバー1クラブを決めるAFCチャンピオンズリーグで優勝するなど、日本だけでなくアジアを代表するサッカークラブとして知られる。

 

日本M&Aセンター<2127>、OKINAWA J-Adviser(沖縄県名護市)から「J-Adviser」事業を取得

◆日本M&Aセンターは、地域振興支援サービスや株式上場支援サービスを手がけるOKINAWA J-Adviser(沖縄県名護市)から「J-Adviser」事業を取得することを決めた。日本M&Aセンターは7月半ば、TOKYO PRO Market(TPM)で上場審査や上場維持のための助言・指導を行うJ-Adviser資格を取得した。TPMの創成期からJ-Adviserとして実績とノウハウを持つ OKINAWAから当該事業(売上高は約1億円)を譲り受けることによって、新たに開始したJ-Adviser 事業の早期立ち上げと収益基盤の構築につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月31日。

 

大阪ガス<9532>、米シェールガス開発「サビン」を約650億円で買収

◆大阪ガスは29日、シェールガス開発会社の米サビン オイル&ガス コーポレーション(テキサス州)を買収すると発表した。米子会社を通じて全株式を取得する契約を締結した。米のシェールガス開発会社を傘下に収めるのは日本企業として初めて。取得価額は約650億円。年内に買収完了を見込む。大阪ガスは米国でフリーポートLNG(液化天然ガス)事業、発電事業に続く3本目の柱として育成する。

サビンは米テキサス州東部に琵琶湖の1.5倍に相当する約1000平方キロメートルの鉱区を保有し、現在約1200本の井戸からLNG換算で年間約170万トン相当のガスを生産している。大阪ガスは2018年7月にサビンが保有する鉱区の約半分にあたる東側のガス田権益35%を取得しているが、今回の買収で西側も含めてサビンが持つ全鉱区を所有することになる。

 

デジタルハーツホールディングス<3676>、ソフトウエアテスト事業の米LOGIGEAR CORPORATIONを子会社化

◆デジタルハーツホールディングスは、ソフトウエアテスト事業やテスト自動化支援を手がける米LOGIGEAR CORPORATION(カリフォルニア州。売上高12億9000万円、当期純利益1100万円、純資産2900万円)の株式51%を第三者割当増資などで取得し、子会社化することを決議した。

LOGIGEARはソフトウエアテスト業界の権威とされるHung Q. Nguyen氏が1996年に設立したテスト自動化の有力企業。同社はシリコンバレーの最先端技術を結集した独自のテスト自動化ツール「TestArchitect」を展開し、ベトナムのオフショア拠点(ホーチミン)では約 500人のテスト自動化エンジニアを抱える。

デジタルハーツはシステムテストサービス事業を経営の柱の一つに育成中。LOGIGEARを傘下に取り込むことで、電子商取引や自動車など自動化と親和性の高い大規模かつ継続的なテスト案件の獲得に注力する。

取得価額は8億6700万円。取得予定日は2019年8月1日。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

令和元年分の路線価公表・地価上昇による相続税への影響

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(厚地満里 /税理士)

 

1.路線価4年連続上昇


国税庁は7月1日、令和元年分の路線価を記載した路線価図を同庁のホームページで公表しました。

http://www.rosenka.nta.go.jp/

 

全国の平均路線価は4年連続で上昇傾向にあり、その上昇率は前年対比で平成30年分の「+0.7%」を上回る「+1.3%」となりました。現在国税庁のホームぺージでは、平成25年分以降の路線価を確認することができます。

 

都道府県別の路線価では、19都道府県で前年より上昇しました。上昇率の上位を見ると、観光客数が増えている沖縄が8.3%と2年連続で全国トップ、2位は東京が4.9%、都市部の再開発が進む宮城が4.4%で3位と続いています。一方、路線価が前年より下落したのは27県で、内22県は下落幅が縮小しているものの、大都市圏や集客力のある観光地と、それ以外の地域との二極化の傾向が続いています。

 

2020年にオリンピック・パラリンピックの開催を控えた東京は、平均路線価が6年連続の上昇中で、訪日外国人の増加に加えて、再開発やホテルの建設が着々と進み、都心部で地価のバブル傾向が続いています。路線価の変動率を見ると、外国人観光客で賑わう浅草・雷門通りの上昇は前年対比で35%上昇と都内最高でした。大学キャンパスの進出が相次ぐ北千住駅前も大きく上昇、複数の路線が乗り入れる利便性の高さから、マンションの建設も続いています。

 

2. 土地の相続税評価額への影響


相続税・贈与税の宅地の評価額は、固定資産税評価額に評価倍率を乗じて算出する地域を除き、基本的には一平方メートル当たりの土地の評価額である路線価に地積を乗じて算出します。つまり路線価の上昇がそのまま相続財産の総額、そして相続税の納税に影響してきます。

 

ここ数年は商業地だけでなく、立地の良い住宅地でも毎年数万円単位で路線価が上昇してきました。現状の路線価ベースで相続税額を試算してみると、何年か前に試算した時より納税額が驚くほど増えていたというケースをよく見かけます。これまで手持ちの金融資産で何とか納税ができそうと考えていた方は、今改めて現状把握をしていただきたいと思います。

 

3.地価の上昇と小規模宅地の評価減の関係


小規模宅地の評価減の特例とは、相続人がその生活を維持するために欠くことのできない被相続人の自宅や事業用の土地を相続した場合に、土地の価額を一定の面積まで50%もしくは80%減額して評価することができる制度です。

 

例えば自宅の宅地の価額が1億円ですと、この制度の適用により価額の80%が減額されますので、相続税の課税対象となる宅地の評価額は2千万円になります。その効果は絶大である上に、現在のように路線価が高い時程、大きな効果を表します。小規模宅地の評価減の適用要件は事前に確認しておきたいところです。

 

4.最後に


空家や空地、その他子供や孫が今後引き継いでいくことが難しい物件があり、いずれは売却をと考えているようでしたら、地価が高騰して市場が動いている時は売却の好機です。相続税の納期限は相続開始から10か月しかありません。相続発生後に、納税のために物件を売却しようとしても、相続人間で話を取りまとめて換金に至るには余りに時間が短く、何よりその時市場が動いていなければ売却の目途が立ちません。問題を先送りしてタイミングを逸してしまわないように、家族でよく話し合い準備しておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/08/05)より転載