[M&Aニュース](2020年1月6日〜1月17日)

◇東芝機械、旧村上ファンド系企業から「TOB」通知を受ける、◇HOYA、東芝傘下のニューフレアテクノロジーTOBを中止、◇JKホールディングス<9896>、建築資材販売のティエフウッドを子会社化、◇前澤給装工業<6485>、住商メタレックスから温水マットなどリビング・ソリューション事業を取得、◇ゼリア新薬工業<4559>、日水製薬傘下の日水製薬医薬品販売を子会社化、◇GFA<8783>、東京・渋谷でナイトクラブ運営のCAMELOTを子会社化、◇セブン&アイ・ホールディングス<3382>、米オクラホマ州でコンビニ102店経営のBrown-Thompson Gereralを子会社化 ほか

 

 

 

 

 

 東芝機械、旧村上ファンド系企業から「TOB」通知を受ける

東芝機械は17日、旧村上ファンド系のオフィスサポート(東京都渋谷区)からTOB(株式公開買い付け)を実施するとの通知を受けたと発表した。通知は、オフィスサポートが20日にTOB計画を公表し、21日から東芝機械株の買い付けを始める内容。オフィスサポートとその共同保有者である野村絢氏、エスグラントコーポレーション(東京都渋谷区)の3者は議決権ベースで東芝機械株の11.49%を保有するという。

東芝機械株の1株あたりの買付価格、買付予定数、買付期間などの詳細は20日に明らかになる見通し。TOB公表前日にあたる17日の東芝機械株の終値は前日比25円高の3115円。

東芝機械の発表によると、オフィスサポート側から1月10日付書面でTOBの予告があり、その後、13日にTOBの公表日と開始日についての通知があり、さらに16日に公表日を20日、開始日を21日にそれぞれ1日早めるとの通知があった。

東芝機械はオフィスサポート側の対応について、実質的な協議を行うことなくTOBが準備され、その諸条件について情報共有がなされておらず、TOB後の経営方針についても一切説明がない、などとしている。

東芝機械は1938年に芝浦製作所(現東芝)の出資で「芝浦工作機械」として発足し、1961年に現社名になった。今では東芝の持ち株比率は約2%まで低下。東芝との資本

HOYA、東芝傘下のニューフレアテクノロジーTOBを中止

HOYAは17日、東芝傘下の半導体製造装置メーカー、ニューフレアテクノロジー(ジャスダック上場)へのTOB(株式公開買い付け)計画を中止すると発表した。東芝が親子上場の解消を目的に進めてきたニューフレアに対するTOBが成立したのを受けた。

HOYAは昨年12月13日に、ニューフレアに対して完全子会社化を目的にTOBを行う計画を発表した。この時点で、ニューフレアをめぐっては東芝が傘下の東芝デバイス&ストレージ(東京都港区)を通じてTOBを実施中だったが、新たに参戦するHOYAは買付価格として東芝側を1000円上回る1万2900円を提示していた(買付代金は最大1477億円)。ただ、東芝側のTOBが不成立となった場合に、HOYAは2020年4月をめどにTOBを開始する予定としていた。

東芝は東芝デバイス&ストレージを通じてニューフレアの株式52.4%を所有する。東芝は買付予定数の下限を66.67%(所有割合)に設定し、1月16日までに14.27%以上の買い付けを目指していたが、ニューフレア株を16%弱所有する東芝機械が最終的に買い付けに応募したことから、TOB成立が確定した。

HOYAは、東芝および直接的に過半数を保有する東芝デバイス&ストレージに対して、メリットのある代替案としてTOBを提案したとしていた。

JKホールディングス<9896>、建築資材販売のティエフウッドを子会社化

JKホールディングスは、建築資材販売のティエフウッド(埼玉県川口市。売上高7億200万円、営業利益1200万円、純資産9400万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。グループ事業の相乗効果が見込まれると判断した。取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

前澤給装工業<6485>、住商メタレックスから温水マットなどリビング・ソリューション事業を取得

前澤給装工業は、住商メタリックス(東京都千代田区)から温水マットなど床暖房・住環境部材を取り扱うリビング・ソリューション事業を買収することを決議した。住商メタレックスが同事業を移管するために設立した新会社「前澤リビング・ソリューションズ」(東京都目黒区)の全株式を取得する。取得価額は15億5000万円。取得予定日は2020年3月31日。

前澤給装は住商メタレックスが築いてきた大手ガス会社をはじめ安定した取引基盤を引き継ぎ、住宅設備事業の規模拡大に結び付けたい考えだ。買収する当該事業の直近売上高は62億円。

ゼリア新薬工業<4559>、日水製薬傘下の日水製薬医薬品販売を子会社化

ゼリア新薬工業は、医薬品や健康食品の製造・販売を手がける日水製薬医薬品販売(東京都台東区。売上高26億800万円、営業利益2億1900万円、純資産31億3000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。取得価額は33億円。取得予定日は2020年4月1日。

日水製薬医薬品販売は2016年に日水製薬の全額出資で、OTC医薬品と健康食品の販売会社として発足。2018年には日水製薬から医薬事業も継承し、医薬原料の開発・製造も手がける。

ゼリア新薬は「医療用医薬品事業」とOTC(一般用)医薬品を中心とする「コンシューマーヘルスケア事業」を両輪とする。日水製薬医薬品販売を傘下に取り込み、コンシューマーヘルスケア事業の拡大につなげる。

GFA<8783>、東京・渋谷でナイトクラブ運営のCAMELOTを子会社化

GFAは、東京・JR渋谷駅近くでナイトクラブ「CLUB CAMELOT」を運営するCAMELOT(東京都渋谷区。売上高8億9800万円、営業利益△562万円、純資産△926万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

CAMELOTは2005年設立。「CLUB CAMELOT」は地下1階から地下3階までの3フロアで約1000平方メートルの広さを持つ大型ナイトクラブで、繁盛日には1日あたり約2000人が来場するという。

一般的に地下はその利用方法が限定され、デッドスペース化してしまいがちだが、地上に比べ賃料が安価なことから事業の展開次第では収益性がより増す可能性を持つ。GFAはCAMELOTを傘下に取り込むのを機に、地下フロアの有効活用の提案力向上を目指す。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月28日と5月29日(2段階)。

セブン&アイ・ホールディングス<3382>、米オクラホマ州でコンビニ102店経営のBrown-Thompson Gereralを子会社化

セブン&アイ・ホールディングスは米子会社7-Eleven,Inc.(テキサス州)を通じて、米オクラホマ州でコンビニ事業(108店)を運営するBrown-Thompson Gereral Partnershipとその関連企業の全株式を取得することを決めた。オクラホマ州は7-Elevenが地盤とするテキサス州に隣接し、当該エリアでの相乗効果を図るとしている。取得価額は非公表。取得予定日は2020年3~5月。

曙ブレーキ、200人の早期退職者を募集

経営再建中の曙ブレーキ工業は16日、200人の早期退職者を募集すると発表した。対象は2020年1月1日時点で①勤続3年以上、満40歳以上の正社員②60歳以上の再雇用契約社員③勤続3年以上の契約社員。2月24日から3月9日まで募集し、退職日は4月30日とする。

曙ブレーキは米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)からの新規受注の失敗に端を発して業績が大幅悪化。私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請し、昨年9月に、37取引金融機関からの560億円に上る債権放棄や国内外6工場の閉鎖などを柱とする再建計画が承認された。この再建計画に沿って早期退職者の募集に踏み切る。

今回募集する200人は曙ブレーキ本体の契約社員を含む全従業員(出向者を含む)のほぼ2割にあたる。所定の退職金に特別加算金を上乗せするとともに、再就職支援も行う。関連費用は2020年3月期決算に特別損失として計上する予定。

国内工場については今後、ドラムブレーキやホイールシリンダーなどの生産子会社である曙ブレーキ山陽製造(岡山県総社市)を閉鎖するほか、曙ブレーキ福島製造(福島県折町)の縮小を進めることにしている。こうした生産再編に伴う人員適正化については別途、決定するとしている。

今年に入り、早期(希望)退職者の募集を発表する上場企業としては曙ブレーキが第1号。昨年、早期退職者の募集を発表した上場企業は30社を超える。

サン電子<6736>、デジタル証拠を収集分析する米ブラックバッグ・テクノロジーズを子会社化

サン電子はイスラエル子会社を通じて、サイバー攻撃発生時などに電子機器に残されたデジタル証拠を収集・分析するデジタルフォレンジック事業を手がける米ブラックバッグ・テクノロジーズ(カリフォルニア州。売上高13億4000万円、経常利益5700万円、純資産2億800万円)の全株式を取得することを決議した。

BlackBagは2001年に設立し、従業員は57人。サイバー攻撃を受けたり、コンピューターセキュリティーが脅かされたりした際、原因調査に必要となるデータ抽出・解析などのサービスを各国の政府機関、捜査機関や民間企業に提供している。

サン電子は2007年、こうしたデジタルフォレンジック事業で先行するイスラエルの Cellebrite Mobile Synchronizationを子会社化した。今回、新たに米の有力企業を傘下に取り込み、世界的なリーディングカンパニーとしての地歩を固めたい考えだ。

取得金額は38億2800万円(アドバイザリー費用を含む)。取得予定日は2020年2月下旬。

 

 

 

ヴィンクス<3784>、ECサイト構築のUi2を子会社化

ヴィンクスは、EC(電子商取引)サイト構築を手がけるUi2(東京都港区。売上高3億5000万円)の株式66.7%を取得し子会社化することを決めた。Ui2は2011年に設立。アジア向けを主体に、自社で企画・製造した商品を自社チャンネルで販売するグローバル「DツーC」サイトの構築も手がける。取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月31日。

サンリン<7486>、えのき茸生産の「えのきボーヤ」を子会社化

サンリンは、えのき茸の生産・販売を手がける、えのきボーヤ(長野県安曇野市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。サンリンはLPガスなどを中心とする燃料商社。傘下企業を通じてえのき茸、ぶなしめじ、エリンギ、なめこなど各種きのこを取り扱っている。取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

フジ<8278>、広島・備後地区を地盤とするスーパーのニチエーを子会社化

フジは、スーパーマーケットのニチエー(広島県福山市)の事業を継承する新会社の全株式を取得し子会社化することを決めた。ニチエーは広島県備後地区を中心にスーパー11店舗を展開し、直近売上高は90億1900万円。取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月1日。

ニチエーは1962年に設立した。フジはニチエーの全11店舗と関連施設、従業員を引き継ぐ。ニチエーは会社分割により受け皿となる同名の新会社を3月2日付で設立する予定。ニチエーを傘下に収めるフジは愛媛県の50店舗をはじめ四国一円を地盤とし、広島県、山口県での出店を合わせて計96店舗のスーパーを展開する。

フィードフォース<7068>、インターネット広告運用代行事業のアナグラムを子会社化

フィードフォースは、インターネット広告運用代行事業のアナグラム(東京都渋谷区。売上高8億3600万円、営業利益2億8500万円、純資産6億2800万円)の株式50.1%を取得し子会社化することを決議した。

フィードフォースも同様に、インターネット広告運用代行を主力事業の一つとする。フィードフォースが検索ワードやユーザーの属性に最適化した個別の商品・案件画像を掲載する「データフィード広告」を主に取り扱っているのに対し、アナグラムは検索ワードに最適化したテキストを検索結果画面に掲載する「リスティング広告」をメーンとする。双方の得意領域を生かし、インターネット広告運用代行事業をワンストップで提供し、顧客基盤の拡充につなげる。

取得価額は12億5900万円(アドバイザリー費用含む)。取得予定日は2020年1月24日。

 

三井松島ホールディングス<1518>、リゾート施設・保養所運営子会社のエムアンドエムサービスを大和PIパートナーズに譲渡

三井松島ホールディングスは、リゾート施設・保養所運営子会社のエムアンドエムサービス(大阪市。売上高53億1000万円、営業利益1億5400万円、純資産9億4500万円)の全株式を、大和証券グループ本社傘下の投資会社である大和PIパートナーズ(東京都千代田区)に譲渡することを決議した。

エムアンドエムは1997年設立で、リゾート型宿泊施設の運営や、企業や自治体が所有する保養所・研修所などの運営受託を手がけ、2012年に三井松島の傘下となった。訪日観光客や団塊世代による底堅い旅行需要が見込まれる好環境にある一方、予約システムや施設設備の導入・更新にかかる積極投資が今後必要となる中、大和PI側から株式取得の申し出があったという。大和PIが2月末に設立する特別目的会社がエムアンドエム株式を取得する。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年3月31日。

SHIFT<3697>、リアルグローブからIT自動化事業を取得

SHIFTは、IT関連企業のリアルグローブ(東京都千代田区)が手がけるIT自動化事業を取得することを決めた。リアルグローブがIT自動化事業を分社化するために2月上旬に新会社「リアルグローブ・オートメーティッド」(同)を設立したうえで、SHIFTはこの新会社の株式51%を取得する。対象事業の直近業績は売上高4370万円、営業利益1610万円。取得価額は1億9900万円。事業取得後、営業利益の実績に応じて最大5600万円の追加対価を支払う。取得予定日は2020年2月上旬。

 

クリーク・アンド・リバー社<4763>、持ち分法適用会社でテレビ局向け人材派遣の韓国CREEK&RIVER ENTERTAINMENTを子会社化

クリーク・アンド・リバー社は、持ち分法適用関連会社でテレビ・映像分野を中心に人材派遣事業を手がける韓国CREEK&RIVER ENTERTAINMENT(CRE、ソウル)の資本構成を見直し、連結子会社化した。9日付。クリーク側の出資比率は75%とした。取得価額は非公表。

クリークは2001年に韓国に現地子会社CREEK&RIVER KOREA(CRK、ソウル)を設立し、テレビ局に対する人材派遣事業を開始。その後、2016年に日韓情勢や韓国固有の市場特性などを踏まえ、CRK の人材派遣事業を引き継ぐ CRE を設立し、現地経営陣の株式保有比率を高めることで CRE を持ち分法適用関連会社と位置付けてきた。

一方、CRKは韓国のゲームライセンスを日本を含めて世界展開を進めてきたが、近年、CREが韓国エンタテインメント分野で培ってきた顧客網と連携する機会が増加してきたことなどを踏まえ、連結子会社化することにしたという。

レントラックス<6045>、中国で越境EC向け一括支援サービス展開の阿迪納市場営銷策劃有限公司を子会社化

レントラックスは、中国で越境EC(電子商取引)の一括支援サービスを展開する阿迪納市場営銷策劃有限公司(上海市。売上高2億7800万円、営業利益△814万円、純資産2360万円)の全株式を取得し、子会社化することを決議した。取得価額は非公表。今後30日以内に取得する予定。

阿迪納市場営銷策劃はメーリングサービスなどを手がけるアテナ(東京都江戸川区)の100%子会社で、2005年に設立。上海に物流拠点を持ち、日本から中国に進出する企業に向けて、販売促進、物流、営業支援などのフルフィルメントと呼ばれる一括支援サービスを展開している。

レントラックスはタイや台湾で同様に越境EC向けの一括支援サービスに力を入れている。この分野で豊富なノウハウを持つ阿迪納市場営銷策劃を傘下に取り込み、事業拡大につなげる。

フリービット<3843>、クラウドビジネスフォン「モバビジ」事業をクラウドテレコムに譲渡

フリービットは、クラウドビジネスフォン事業を会社分割により、クラウドテレコム(東京港区)に譲渡することを決議した。譲渡するのは専用アプリをインストールしたスマートフォンで内線通話機能や固定電話番号による発着信を実現するサービスで、「モバビジ」の名称で事業展開している。対象事業の直近売上高は5200万円。譲渡価額は6億円。譲渡予定日は2020年3月1日。

シェアリングテクノロジー<3989>、不動産売買・仲介子会社の名泗コンサルタントを牧野社長に譲渡

シェアリングテクノロジーは、不動産売買・仲介、賃貸事業を手がける子会社の名泗コンサルタント(三重県四日市市。売上高11億円、営業利益6000万円、純資産11億6000万円)の全株式を、名泗コンサルタント社長の牧野昌良氏に譲渡することを決議した。牧野氏への株式譲渡にあたり、名泗コンサルタントはシェアテクに特別配当を実施する。譲渡価額は8億円(特別配当を含む)。譲渡予定日は2020年2~3月。

シェアテクは2018年春に名泗コンサルタントを子会社化していた。

富士ゼロックスが社名変更、2021年4月「富士フイルムビジネスイノベーション」に

富士フイルムホールディングス(HD)は6日、事務機器子会社の富士ゼロックスの社名を2021年4月1日付で「富士フイルムビジネスイノベーション」に変更すると発表した。昨年11月に米ゼロックスとの合弁関係を解消し、ゼロックスが25%保有する富士ゼロックスを完全子会社化した。これに伴い、技術・ブランドライセンスや販売地域などを規定した契約についても現行の契約期間が満了する2021年3月末をもって終了することを決めた。

富士ゼロックスはアジア太平洋地域、米ゼロックスは米欧などその他地域で、それぞれ複写機やプリンターなど事務機器を販売してきたが、新社名となる現富士ゼロックスは2021年4月以降、地域にとらわれず独自ブランドを展開する。

富士フイルムHDは2018年1月に米ゼロックスを買収することで合意した。しかし、その後、ゼロックス側が合意を破棄して法廷闘争に発展し、1年半以上も対立状態が続いた。富士フイルムHDは2019年11月に、ゼロックスの買収を断念し、代わってゼロックスとの合弁関係を解消し、富士ゼロックスを完全子会社化することで一連の問題にけりをつけた。

 

 

フルサト工業<8087>、日本電産シンポから変速機・減速機の国内販売事業を取得

フルサト工業は、機械工具卸売子会社のジーネット(大阪市)を通じて、日本電産シンポ(京都府長岡京市)が手がけるリングコーン無段変速機とコロネット減速機の国内販売事業を取得した。製造については引き続き、日本電産シンポが行う。取得日、取得価額は非公表。

日本創発グループ<7814>、印刷・広告制作のAPホールディングスを子会社化

日本創発グループは、印刷や広告企画・制作を手がけるAPホールディングス(浜松市)の株式21.25%を追加取得し、子会社化することを決議した。現在37.5%の持ち株比率を58.75%に引き上げる。APホールディングスは持ち株会社で、傘下に事業子会社のアプライズ(浜松市。売上高17億円、営業利益900万円、純資産16億4000万円)を持つ。取得価額は3億8400万円。取得予定日は2020年1月20日。

グッドライフカンパニー<2970>、グローアップから不動産・建築業界向け有料職業紹介事業を取得

グッドライフカンパニーは、不動産・建築業界向け有料職業紹介事業を手がけるプロキャリアエージェント(東京都新宿区)の全株式を取得し、6日付で子会社化した。傘下に収めたプロキャリアエージェントは人材サービス会社のグローアップ(東京都新宿区)が当該事業を切り出すために12月末に設立した会社。取得価額は非公表。

グローアップは2008年設立で、飲食業界と不動産・建築業界を両輪として有料職業紹介事業を展開してきたが、このうち不動産・建築業界向け事業をグッドライフカンパニーに譲渡した。

グッドライフカンパニーは不動産投資家に対し、主に投資用新築一棟賃貸マンションの用地仕入れから、企画、設計、施工、賃貸仲介・管理、売却までのサービスをトータルに提供している。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

贈与税の納税猶予の適用を受ける贈与により非上場株式を取得した者のみなし配当課税の特例

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

1.非上場株式等に係る贈与税の納税猶予(一般措置)


(1)概要

中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律に規定する「中小企業者」に該当する会社で、同法による都道府県知事の認定を受けたものの株式について、その会社の代表権を有していた贈与者から贈与を受けた受贈者が、一定の要件を満たすその会社の後継者(経営承継受贈者)である場合は、経営承継受贈者が納付すべき贈与税のうち、その非上場株式 (一定の部分に限る。)に対応する額の納税が、その贈与者の死亡の日まで猶予されます(租税特別措置法(措法)70条の7第1項)。この猶予税額は、経営承継受贈者より先に贈与者が死亡した等の場合には、その全部又は一部が免除されます(同第15項1号、2号)。

 

(2)(1)の贈与者が死亡した場合の相続税の特例

経営承継受贈者が(1)の納税猶予の適用を受けていた場合において、その者よりも先に贈与者が死亡したときは、経営承継受贈者は(1)の通り猶予税額が免除されるものの、贈与税の納税猶予の適用を受けた非上場株式を贈与者から相続等により取得したものとみなされ(措法70条の7の3第1項前段)、その株式は贈与者に係る相続税の課税対象とされます。

 

 

 

2.個人が非上場株式を発行会社に譲渡した場合の税務


(1)みなし配当課税となる部分

個人が所有する非上場株式をその発行会社に譲渡する場合には、その会社はその時の株式の価額を対価として株主に支払います。この場合に、個人株主が発行会社への株式の譲渡対価として取得した金銭等の額のうち、[その譲渡株式に対応する発行会社の資本金等の額]を超える額は”発行会社からの配当”とみなされ(みなし配当)、配当所得の金額の収入金額とされます(所得税法25条1項5号)。この配当所得の金額は総合課税の対象となり、他の所得と合算されて最高 55.945%の税率(所得税+復興特別所得税+住民税)で課税されます(所得税法89条等)。

 

(2)株式譲渡所得となる部分

個人株主が非上場株式を譲渡した場合、通常その譲渡対価が譲渡所得の金額の総収入金額となりますが、発行会社による自己株式の取得の場合、(1)の通り譲渡対価の形で受領した金銭の一部は配当とみなされ、その配当とみなされる部分を譲渡対価から控除した残額が譲渡所得の金額の総収入金額となります。その総収入金額から取得費と譲渡費用を差引いて、譲渡所得の金額が計算されます。この譲渡所得は他の所得と分離され、20.315%の税率で課税されます(措法37条の10第1項等)。

 

(3)相続等により取得した非上場株式を発行会社へ譲渡した場合のみなし配当課税の特例

相続等により非上場株式を取得(相続税法および租税特別措置法の規定により、相続等による財産の取得とみなされるものを含む)した個人のうち、その相続等につき納付すべき相続税額のあるものが、その相続の開始があった日の翌日から相続税の申告書の提出期限の翌日以後3年を経過する日までの間に、その相続税額に係る課税価格の計算の基礎に算入された非上場株式をその発行会社に譲渡した場合には、2(1)(2)にかかわらず、一定の手続の下で、その譲渡対価の全額が株式に係る譲渡所得として課税されます(措法9条の7第1項、第2項)。

 

 

 

3.贈与税の納税猶予の適用を受ける贈与により非上場株式を取得した者の、みなし配当課税の特例の適用


個人が贈与税の納税猶予の適用を受けて生前贈与により非上場株式を取得したものの、その贈与者の相続の時に全く相続財産を取得していない場合は、その者が他の要件を全て満たすときであっても、上記2(3)の「みなし配当課税の特例」の適用が受けられないのではないかという疑問が生じます。

 

この点について、相続等による財産の取得には、租税特別措置法の規定により相続等による財産の取得とみなされるものが含まれ (2(3)下線部参照)、贈与税の納税猶予の適用を受けた非上場株式は、その贈与者の死亡した場合、その経営承継受贈者が贈与者から相続等により取得したものとみなされます(1(2)下線部参照)。ゆえに表題の場合は一定の手続の下で、2(3)の特例の適用を受けることができます。

 

なお、後継者が非上場株式の贈与による取得において「非上場株式等に係る贈与税の納税猶予の特例措置」(措法70条の7の5)の適用を受ける場合も、上記と同様の取扱いがなされます。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/01/14)より転載

[解説ニュース]

滞納固定資産税の”相続”問題にご用心

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

1. はじめに


相続の現場では、財産整理や遺産分割が速やかに行われていなかったことが災いして、税務上不利な状況に見舞われるケースが少なくありません。

 

よく知られているのは、相続税申告の際、相続税の特例である、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例事業承継税制が適用できないということ。固定資産税にも気を付ける必要があります。財産・債務の整理や遺産分割を放置していたことから、後になって思わぬ税負担を求められるケースが少なくないためです。

 

というのも、不動産の相続があった場合、被相続人の固定資産税の納税義務は、次の通り相続人が承継することになっているからです。「相続があった場合には、その相続人(包括受遺者を含む)は、被相続人(包括遺贈者を含む。以下同)に課されるべき、又は被相続人が納付し、若しくは納入すべき地方団体の徴収金を納付し、又は納入しなければならない」(地法9①)。

 

市町村は、固定資産税の徴収をする場合ときには、納税者に文書で納付又は納入の告知をしなければならないことになっています(地法13)。その上で督促、滞納処分に入ることになります。

 

納税者の中には、このように降って湧いたような納税義務に、抵抗する人もいます。しかしその言い分はなかなか聞いてもらえないのが実情です。そこで最近、実際に税務上争いになった事例を見てみましょう。

 

 

2. 未分割で請求が回ってきた事例


被相続人の滞納固定資産税の納付を管轄の市町村から請求されたとき、無視して支払わないと督促の上、最悪の場合、督促された相続人の預金等が差押えられ、税金を強制的に徴収されることがあります。

 

中でも気を付けたいのは、相続人が複数いる場合に遺産分割をせず相続財産が共有になったままのケースです。

 

なぜなら共有物の税金は連帯納付義務が生じるからです。(地法10の2)。連帯納付義務のある税金については、徴収権のある市町村は、連帯納税義務者の1人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての連帯納税義務者に対し、その税金の支払いを請求することができる点に注意が必要です。

 

 

花巻市の事例です(平成28年11月22日裁決)。

 

市内の30物件の所有者である被相続人Xさん対し数年度分課税していた固定資産税につき、花巻市は、遺産分割前だったことから複数の共同相続人のうち代表者として相続人Aさんを指定し、賦課徴収の書類を送付していました。

 

ところがAさんは、納期限後になっても納付しません。そこで一転、花巻市は平成28年3月、別の相続人Bさんに納期限を3月末とする連帯納税通知書を送付しました。Bさんも無視。花巻市は同年4月20日付で、督促状をBさんに送付しました。

 

Bさんはここで督促処分に不服を申立てました。いわく「Aが単独で課税対象不動産を流用し、年間100万円超の賃料収入を得ており、その固定資産税はAから徴収すべき」と。

 

しかし、審理した花巻市は、督促処分に違法性はないとする裁決を下しています。

 

 

3. 90年以上前の相続が発端の事例


防府市の事例です(平成29年10月4日裁決)。

 

90年以上前に亡くなった祖父の兄弟名義の不動産につき、相続人と見なされて、課税されたうえ、預貯金を差し押さえられたケースがありました。

 

防府市は、平成18年になって、問題の不動産の現況が原野から雑種地に変わっていたことから固定資産税の課税評価をしたところ、免税点を超えたため祖父の代の兄弟やその子の世代も亡くなっている中、相続人14人を確認し、市内に住む祖父の兄弟の孫Cさんを相続人代表者と認定。課税処分したうえ、滞納処分に入り、預貯金を差押さえて、強制的に固定資産税を徴収してしまいました。

 

Cさんは、「市内に居住していることのみを理由として相続人代表者に指定され、自分だけに課税され、それに基づいて差押処分を受けることには納得できない。」と反発、不服申立しました。

 

審査した防府市は、相続人間の公平性を損なう事情があり、新たな課税は取消されるべきだが、不服申立をする期間を過ぎて時効となった課税分は取消できず、徴収した税額については滞納固定資産税に充当済みで、「取消しによって審査請求人の権利の回復を図ることはできず、審査請求の申立ての利益はないことから却下せざるを得ない」としてCさんの言い分を退けています。

 

子や孫が苦労しないためにも財産整理・遺産分割は、しっかり済ませておきたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2020/01/07)より転載

[M&Aニュース](2019年12月16日〜12月27日)

◇みらかホールディングス<4544>、食品検査事業の日本食品エコロジー研究所を子会社化、◇アニコム ホールディングス<8715>、ペット関連インターネットサービスのシムネットを子会社化、◇フリークアウト・ホールディングス<6094>、金融保証業務子会社のGardiaを伊藤忠商事<8001>に譲渡、◇ハマキョウレックス<9037>、九州地盤に物流センター事業を手がけるシティーラインを子会社化、◇ミネベアミツミ<6479>、アナログ半導体メーカーのエイブリックを子会社化、◇アズマハウス<3293>、和歌山市にある賃貸住宅センターなど3社を子会社化、◇エスクリ<2196>、結婚式場「ラヴィマーナ神戸」の運営と衣装事業を取得 ほか

 

 

 

 

 

第一交通産業<9035>、中国専業旅行社の西日本日中旅行社を子会社化

第一交通産業は、中国専業旅行会社の西日本日中旅行社(福岡市)の株式99.8%を取得し、27日付で子会社化した。ツアー業務の企画・募集を通じた外国人観光客の取り込みとともに、上海と大連にある中国子会社との連携による相乗効果を見込む。取得価額は非公表。

 

 

 

小僧寿し<9973>、「サ高住」事業子会社の介護サポートサービスを東洋商事に譲渡

小僧寿しは、サービス付き高齢者住宅の運営事業を手がける子会社の介護サポートサービス(東京都品川区)の全株式を、業務用食品商社の東洋商事(東京都中央区)に譲渡した。小僧寿しは2016年に介護・福祉事業に参入したが、中核と位置づける持ち帰り寿司事業とデリバリー(宅配)事業に経営資源を集中する。譲渡価額は非公表。譲渡日は2019年12月26日。

東洋商事はJFLAホールディングス傘下の業務用食品商社で、病院食や介護食の卸売事業にも取り組んでいる。

 

 

 

アステラス製薬<4503>、がん免疫治療医薬品開発の米ザイフォス・サイエンシズを子会社化

アステラス製薬は27日、がん免疫治療技術を用いた医薬品の研究開発に取り組む米ザイフォス・バイオサイエンシズ(サンフランシスコ)を買収したと発表した。全株式を1億2000万ドル(約130億円)で取得し、完全子会社化した。今後、開発の進捗に応じて支払う対価と合わせると、買収金額は最大で総額6億6500万ドル(約727億円)となる。ザイフォスは2017年に設立した新興企業で、従業員は7人。独自手法により、次世代のがん免疫療法をめぐる研究開発をリードしているという。

 

 

 

ケーユーホールディングス<9856>、メルセデス・ベンツ正規販売店4店舗経営のシュテルン横浜東を子会社化

ケーユーホールディングスは、メルセデス・ベンツの正規販売店を神奈川県内で4店舗展開するシュテルン横浜東(横浜市。売上高114億円、営業利益4億5100万円、純資産146億円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

シュテルン横浜東は1988年設立で、「メルセデス・ベンツ横浜東」「同日吉」「同逗子」「同藤沢」を持つ。ケーユーホールディングスは同社を傘下に取り込むことで、メルセデス・ベンツの販売網が東京都南部、神奈川県北部、静岡県に加え、神奈川県東部、神奈川県南部に広がる。取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月31日。

 

 

 

北越コーポレーション<3865>、感熱紙製造の中国子会社「浙江越宏新材料」を合弁相手に譲渡

北越コーポレーションは、感熱紙を製造する中国合弁子会社「浙江越宏新材料有限公司」(浙江省長興県)の全出資持ち分(89.48%)を、合弁相手の上海敦普貿易中心有限合伙(上海)に譲渡した。2018年11月に合弁会社を設立し、感熱紙製造に向けて準備を進めてきたが、将来的な市場変化などを踏まえ、合弁を解消することにした。譲渡価額は非公表。

 

 

 

安楽亭<7562>、吉野家HD傘下で「ステーキのどん」「フォルクス」展開のアークミールを子会社化

安楽亭は26日、吉野家ホールディングス傘下でレストランチェーンを手がけるアークミール(東京都中央区。売上高202億円、営業利益△9億3000万円、純資産△3億3700万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。アークミールは「ステーキのどん」「どん亭」「フォルクス」「donイタリアーノ」の各ブランドで、ステーキやしゃぶしゃぶのレストランを158店舗(11月末時点)運営するが、外食産業を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、業績が急速に悪化していた。2020年2月末までに買収完了を目指す。取得金額は非公表。

安楽亭は焼肉レストラン「安楽亭」「七輪房」などを中心とする飲食店を関東圏を主体に219店舗(うち直営158店舗、12月時点)を展開する。外食産業は原材料価格や人件費の上昇、消費者の節約志向の高まりなどに直面しているが、安楽亭の主要業態である焼肉とアークミールのステーキ・しゃぶしゃぶ業態の間で、食材や店舗運営など共通部分が多いことから、収益基盤を強化するうえでシナジー(相乗効果)創出が期待できると判断した。

アークミールは1970年にスーパーのダイエーが大阪府内に出店したステーキレストラン「フォルクス」を起源とする。2008年に吉野家の傘下に入った。

アークミールを子会社化する安楽亭の2019年3月期の業績は売上高163億円、営業利益1億8500万円、純資産61億1500万円。売上高が勝るアークミールを傘下に収めることで、経営規模は一挙に倍以上に拡大するが、債務超過状態のアークミールの立て直しが急務となる。

 

 

 

栗田工業<6370>、半導体分野で精密洗浄大手の米ペンタゴン・テクノロジーズを子会社化

栗田工業は、半導体分野の精密洗浄事業を手がける米ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ(カリフォルニア州)の株式を追加取得し子会社化することを決めた。現在26%の持ち株比率を51%に引き上げる。

ペンタゴン・テクノロジーズは米国内に拠点を持つ半導体メーカーと半導体製造装置メーカーを主要顧客とし、半導体精密洗浄市場で世界トップクラスのシェアを持つという。栗田工業は2019年4月に米子会社を通じてペンタゴン・テクノロジーズ株式の25%を取得した。さらに子会社化に踏み切ることで、国内精密洗浄事業との相乗効果を通じてビジネス拡大につなげる。

取得価額は58億7500万円。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

ジャパンシステム<9758>、セキュリティー事業を両備システムズに譲渡

ジャパンシステムは、ICカード認証システム「ARCACLAVIS」を中心とするセキュリティー事業を、システム構築・ソフト開発の両備システムズ(岡山市)に譲渡することを決めた。譲渡対象事業の直近売上高は6億1300万円。事業を譲渡後は両備システムズの販売代理店として「ARCACLAVIS」などの既存製品の販売とサポートを続ける。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年3月31日。

 

 

 

ピーエイ<4766>、認可保育所「ココカラ高津」をソラストに譲渡

ピーエイは、保育事業子会社のピーエイケイ(福島県郡山市)が運営する認可保育所「ココカラ高津」(川崎市。対象5カ月~5歳、定員60人)を、ソラストに譲渡することを決議した。ピーエイケイが中核とする小規模保育施設事業との相乗効果が期待通り発揮できていなかったことから、切り離す。ココカラ高津の直近業績は売上高9780万円、営業利益592万円。譲渡価額は5500万円。譲渡予定日は2020年4月1日。

 

 

 

SAMURAI&J PARTNERS<4764>、maneoのソーシャルレンディングサービスサイトの運営事業を取得

SAMURAI&J PARTNERSは、クラウドファンディングサイト「SAMURAI」を運営する子会社のSAMURAI証券(東京都港区)を通じて、maneoマーケット(東京都千代田区)が管理するソーシャルレンディング(融資仲介)サービスサイト「さくらサイト」の運営事業を取得することを決めた。「SAMURAI」の利便性や効率性を向上させるとともに、安全性の投資型プラットフォームの再構築につなげる狙い。取得価額は100万円。取得日は2019年12月25日。

取得する当該事業の業績は売上高163万円、営業利益163万円。

 

 

 

楽天<4755>、電子書籍・オーディオブック配信の米子会社OverDriveを現地投資会社に譲渡

楽天は、図書館や教育機関に電子書籍、オーディオブック、雑誌などの配信サービスを展開する米子会社OverDrive Holdings,Inc.(クリーブランド市)を、現地投資会社Aragorn Parent Corporation(ニューヨーク市)に譲渡することを決めた。経営資源配分の最適化を図る狙いという。OverDriveは1986年設立。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年1月末。

 

 

 

中電工<1941>、熱絶縁工事の昭和コーポレーションを傘下に持つホライズン1を子会社化

中電工は、投資業のホライズン1(東京都港区)の全株式を取得し子会社化することを決議した。ホライズン1傘下で、熱絶縁工事の設計・施工や断熱配管支持金具の製造を手がける昭和コーポレーション(東京都港区。売上高215億円、営業利益12億9000万円、純資産37億6000万円)を取り込むのが目的。中電工は自社の設備工事部門と昭和コーポの熱絶縁工事部門との協業を進め、総合的なサービスを提供する。昭和コーポは1954年に設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月3日。

 

 

 

サッポロホールディングス<2501>、米飲料統括持ち株会社のカントリーピュアフーズを現地投資会社BPCPに譲渡

サッポロホールディングスは、米国飲料事業を統括する持ち株会社である現地カントリーピュアフーズ(CPF、デラウエア州。売上高279億円、営業利益△7億6300万円、純資産56億6000万円)の全保有株式(所有割合51%)を、米投資会社BPCP CPF Holdings Inc.(オハイオ州)に譲渡することを決めた。サッポロは2012年に米の果汁飲料事業(米ビール市場には1963年進出)に参入したが、苦戦していた。米市場では今後は酒類事業に経営資源を集中する。CPFの合弁相手は豊田通商で、49%を出資する。譲渡価額は約40億円。譲渡日は2019年12月24日。

 

ジー・スリーホールディングス<3647>、渋谷109でショップ運営の子会社「SBY」を双葉貿易に譲渡

ジー・スリーホールディングスは、100%出資子会社のSBY(東京都品川区。売上高9億2700万円、営業利益△4260万円、△純資産4030万円)の全株式を、カラーコンタクトレンズや化粧品の卸売を手がける双葉貿易(新潟県三条市)に譲渡することを決議した。SBYは東京・道玄坂のファッションビル「渋谷109(イチマルキュー)」でエンターテインメントショップを運営する。SBY子会社で米バーガーブランド「FATBURGER」を国内展開するGreen Micro Factory(東京都品川区。売上高9190万円、営業利益△4760万円、純資産△1億3800万円)の譲渡も含まれる。譲渡価額は1円。譲渡予定日は2020年1月1日。

 

 

 

ブティックス<9272>、介護用品・健康器具のEC事業をヤマシタに譲渡

ブティックスは、介護用品や健康器具を取り扱う電子商取引サイトの管理・運営事業を、福祉用具レンタル・販売のヤマシタ(静岡県島田市)に譲渡することを決議した。競合サイトとの販売価格競争に対抗する値下げキャンペーンの実施などで収益が悪化していたことから、事業を切り離す。譲渡先のヤマシタは福祉用レンタル・販売で30年の歴史を持つ業界大手。ブティックスは今後、商談型展示会事業とM&A仲介事業に経営資源を集中させる。譲渡価額は3250万円。譲渡予定日は2020年3月31日。

 

 

 

三井E&Sホールディングス<7003>、プラント子会社の三井E&SプラントエンジニアリングをJFEエンジニアリングに譲渡

三井E&Sホールディングスは24日、プラント設計・建設を手がける傘下の三井E&Sプラントエンジニアリング(千葉市。売上高120億円、営業利益3億3500万円、純資産24億9000万円)の全株式を、JFEエンジニアリング(東京都千代田区)に2020年3月31日付で譲渡することで最終合意したと発表した。譲渡価額は非公表。経営再建中の三井E&Sは子会社などの資産売却やグループ従業員の約1割にあたる1000人規模の削減・配置転換を柱とする事業構造改革を進めており、その一環。

三井E&Sは2019年3月期に695億円の最終赤字となり、20年3月期はさらに880億円に最終赤字幅が拡大する見通し。インドネシアの火力発電所工事関連の巨額損失が経営の屋台骨を揺るがす事態となっている。

 

 

 

ネクソン<3659>、モバイル・ソーシャルゲーム開発子会社のgloopsをジーアールドライブに譲渡

ネクソンは、モバイル・ソーシャルゲーム開発子会社のgloops(東京都港区。売上高43億3000万円、営業利益△3億7400万円、純資産△9億8000万円)の全株式を、コンピューターグラフィックス制作のジーアールドライブ(埼玉県川口市)に譲渡することを決議した。ネクソンは2012年にgloopsを傘下に収めたが、当初の想定を下回る困難な経営状況が続いていた。譲渡価額は1円。譲渡予定日は2020年2月1日。

 

 

 

東芝、ニューフレアテクノロジーTOBの買付期間を10日間延長

東芝は23日、親子上場の解消を目的に半導体製造装置メーカーのニューフレアテクノロジーに対して実施中のTOB(株式公開買い付け)に関し、12月25日までとしていた買付期間を2020年1月16日まで10営業日延長すると発表した。東芝はTOB成立の条件となる買付予定数の下限を14.27%と設定し、最大で100%、最低でもすでに保有する52.4%を合わせて3分の2以上の取得を目指している。ニューフレアを巡っては東芝のTOBが不成立になった場合、HOYAが東芝を上回る買付価格でTOBを2020年4月に実施する意向を表明している。

東芝は子会社の東芝デバイス&ストレージ(東京都港区)を通じて、ニューフレアに対するTOBを11月14日に開始。一方、HOYAは12月13日に、ニューフレアへのTOBを実施すると発表した。HOYAはニューフレア株の買付価格について、東芝を1000円上回る1株1万2900万円を提示している。

東芝によるTOBが成立するかどうかについては、15.8%を保有するニューフレアの第2位株主の東芝機械の動向に注目が集まっている。

 

 

 

トーホー<8142>、業務用食品卸売の香港Suitfitを子会社化

トーホーは、香港の業務用食品卸会社Suitfit Company Limited(売上高20億7000万円、純資産4億8900万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。シンガポール、マレーシアに続く3カ所目の海外進出で、外食向けに日本食材などの業務用食品卸売事業を強化する狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月7日。

 

 

 

エディオン<2730>、プログラミング教室を運営する「夢見る」を子会社化

エディオンは、プログラミング教室を運営する夢見る(堺市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。エディオンは2018年12月からプログラミング教育事業をスタートさせており、事業拡大の一助とする。夢見るは全国100教室以上のロボットプログラミング教室を展開し、STEM教育(Science 科学・Technology 技術・Engineering 工学・Math数学)の基礎を学びながら、プログラミングや論理的思考力・問題解決力などを身につける独自のカリキュラムで知られる。

取得価額は非公表。取得日は2019年12月23日。

 

 

 

JALUX<2729>、農産物加工輸出のタイ子会社Taniyama Siamをソノリクに譲渡

JALUXは、農産物加工輸出を手がけるタイ子会社のTaniyama Siam Co., Ltd.のグループ会社保有分を含めた全株式を、物流会社のソノリク(佐賀県鳥栖市)に譲渡することを決議した。譲渡理由は明らかにしていない。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年3月16日。ソノリクは農産物の一時保管・加工・出荷・配送による一貫物流事業を展開しており、国内とタイでの農産物の流通拡大につなげる。

 

 

 

メディアスホールディングス<3154>、医療機器販売・賃貸のアクティブメディカルを子会社化

メディアスホールディングス(HD)は、医療機器の販売・賃貸を手がけるアクティブメディカル(東京都文京区。売上高171億円、営業利益2億6100万円、純資産12億5000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

メディアスHDは手術室業務支援ソフトウエア「SURGLane」や医療材料 データベース・医療材料分析サービス「meccul」などの医療機関向けサービスの拡充による医療材料の販売に加え、M&Aによる事業規模の拡大を基本方針とする。地域的には東海、首都圏、北関東、北陸、東北で基盤強化に力を入れている。アクティブメディカルは首都圏と北海道で循環器領域を中心に営業展開する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月。

 

 

 

Denkei<9908>、監視システムなど製造の新栄電子計測器を子会社化

Denkeiは、各種電子機器開発の新栄電子計測器(神奈川県藤沢市。売上高2億7500万円、営業利益△2000万円、純資産3億4600万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。新栄電子は1978年に設立し、太陽光発電所の点検・維持管理に必要なメンテナンス機器や監視システムのほか、太陽光発電モニター、耐久試験機、バッテリーテスターなど各種計測機器を手がける。日本電計は「技術商社」を旗印とし、多様な製品群を取り込み、業容拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月16日。

 

 

 

コマニー<7945>、間仕切りの中国生産子会社・格満林新型建材を現地社に譲渡

コマニーは、パーティション(間仕切り)を製造する中国子会社の格満林(南京)新型建材科技有限公司(南京市。売上高21億4000万円、営業利益△9200万円、純資産12億8000万円)の全持ち分を、現地コンサルティング会社の南京若林企業管理諮詢有限公司(南京市)に譲渡することを決議した。事業の選択と集中の一環。譲渡価額は16億8000万円。譲渡予定日は2020年1月15日。

コマニーは2012年に全額出資で格満林を設立し、パーティションの製造・販売に乗り出した。しかし、販売競争の激化で収益確保が困難な状況が続いていた。出資持ち分の譲渡に伴い、貸付金17億4500万円の債権放棄を行う予定。

 

 

 

東和薬品<4553>、スペインの後発医薬品メーカーPensaを子会社化

東和薬品は23日、スペインの後発医薬品メーカーPensa Investments, S.L. (カタルーニャ州、売上高325億円、営業利益2億4200万円、純資産291億円)の全株式を取得し子会社化すると発表した。欧米での販売網とともに、生産面でも欧州に拠点を確保して、海外展開を本格化する。取得価額は320万ユーロ(約389億円)。2020年1月末までの取得完了を目指す。

Pensaはスペインの大手医薬品メーカー、Esteve グループの傘下にあり、グループの後発医薬品事業を手がける。Pensa の後発医薬品事業は1999年にスタートし、現在、20カ国以上で300品目以上を提供している。2009年には同業の米Breckenridge Pharmaceutical Inc.を買収した。

東和薬品はPensaを傘下に取り込むことで、欧州の事業基盤とともに、米での後発医薬品市場への参入も果たす。

 

 

 

ジューテックホールディングス<3157>、プレカット加工や建築資材卸の角野産業を子会社化

ジューテックホールディングスは、プレカット加工・販売や建築資材の卸売りを手がける角野産業(堺市。売上高29億5000万円、営業利益3100万円、純資産13億4000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。関西での事業基盤強化が狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月6日。

 

 

 

ニチレキ<5011>、埋設型伸縮装置を製造するヒートロック工業を子会社化

ニチレキは、橋梁工事に使われる埋設型伸縮装置を製造するヒートロック工業(新潟市)の全株式を取得し子会社化した。橋面舗装・防水事業のメニュー拡大や既存事業との相乗効果を見込む。取得価額は非公表。取得日は2019年12月23日。

 

 

 

Eストアー<4304>、ECサイト構築ソフト開発のコマースニジュウイチを子会社化

Eストアーは、ヤフー子会社でEC(電子商取引)サイト構築ソフトウエアを開発するコマースニジュウイチ(コマース21、東京都港区。売上高20億3000万円、営業利益3億6200万円、純資産7億8300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

コマース21が強みとするパッケージ型インテグレーションECシステムを取り込むことで、大企業から中小企業まで様々なニーズに対応したECシステムの品ぞろえを強化する。

取得価額は13億200万円。取得予定日は2020年1月29日。

 

 

 

ツクイ<2398>、アサヒサンクリーンから訪問看護事業を取得

ツクイは、介護事業を展開するアサヒサンクリーン(静岡市)から訪問介護事業を取得することを決議した。取得対象は訪問介護事業所10カ所で、当該事業の直近売上高は6億4500万円。取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

ツクイは1983年に訪問入浴を開始して介護事業に参入した。その後、訪問介護やデイサービス、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などに事業を展開してきた。

 

 

 

メドピア<6095>、医療品・医療機器コンテンツ制作のコルボを子会社化

メドピアは、医療品・医療機器コンテンツの企画制作を手がけるコルボ(東京都中央区。売上高14億6000万円、営業利益1100万円、純資産3億5000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。取得価額は5億4550万円。取得予定日は2020年1月1日。

メドピアは医師専用コミュニティーサイト「MedPeer」を運営し、医薬品の口コミ情報や症例相談、Web講演会などの各種コンテンツを提供する。現在、MedPeerには12万人の医師(国内医師の3人に1人)が会員登録する。現在、MedPeerを軸に、製薬企業におけるマーケティング戦略の策定からコンテンツ制作、配信、効果検証までのワンストップサービスの実現に力を入れている。

コルボは1993年に創業し、専門性の高い学術情報部、製薬協コードや関連法規制に通じた校閲・校正チーム、グラフィックス・映像からスペースデザインまで実現する制作部を社内に持ち、医療品・医療機器のコンテンツ制作で実績を積んできた。

 

 

 

ユニゾホールディングス<3258>、従業員による買収(EBO)で非公開化

ユニゾホールディングスは22日、従業員による買収(EBO=エンプロイー・バイアウト)を実施して非公開化すると発表した。従業員と米投資ファンドのローン・スターが出資する新会社がユニゾに対してTOB(株式公開買い付け)を行い、全株式の取得を目指す。ユニゾをめぐっては現在、ソフトバンクグループ傘下の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOBが8月以降現在も進行中だが、ユニゾ株の買付価格としてフォートレスを1000円上回る5100円を提示した。買付代金は最大1745億円。

ユニゾ株の買付主体となるチトセア投資(東京都中央区)はユニゾ従業員が73%、ローン・スターが27%を出資して設立した。買付価格5100円は先週末(20日)のユニゾ株の終値4900円に約4%のプレミアムを加えた設定。最大100%(3422万126株)、最低でも3分の2以上(2281万3400株)の取得を目指す。買付資金はローン・スターが支援する。

買付期間は12月24日~2020年2月4日。買付代理人は東海東京証券。

ユニゾに対しては現在、フォートレスによるTOBが進行中。別途、ユニゾは米投資会社のブラックストーンをはじめ、国内外の投資ファンドや事業会社との間で買収提案に関する協議を進めていたが、今回の従業員主導によるTOB開始に伴い、フォートレスを含めて一連の協議を終了する。

今回のTOBが成立すれば、小崎哲資ユニゾ社長はじめ、グループのすべての取締役、監査役、執行役員が2020年3月16日付で辞任する予定。

 

 

 

放電精密加工研究所<6469>、タイのアルミ押出用金型合弁会社を子会社化

放電精密加工研究所は、アルミ押出用金型製造のタイ合弁会社KYODO DIE-WORKS(KDT)の株式を追加取得して子会社化することを決めた。1987年に現地得意先と折半出資でKDTを設立したが、従来50%だった持ち株比率を51%に引き上げる。金型製造に加え、近年は自社開発のサーボプレス機や機能性塗料などの拡販に力を入れており、経営のスピードを速めるには子会社化が欠かせないと判断した。今後、社長を派遣するなど経営資源を投入し、業績拡大を目指す。取得価額は1300万円。取得予定日は2020年1月24日。

 

 

 

スペースシャワーネットワーク<4838>、音楽ソフト企画・制作子会社のPヴァインをMBOで譲渡

スペースシャワーネットワークは、音楽ソフト企画・制作と音楽著作権管理を手がける100%子会社のPヴァイン(東京都渋谷区。売上高6億500万円、純資産7億1500万円)の全株式を、Pヴァインの水谷聡男社長が設立したニュースクール(東京都世田谷区)に2020年3月31日までに譲渡することを決めた。MBO(経営陣が参加する買収)の一環で、水谷氏から譲渡の申し出があったという。譲渡価額は非公表。スペースシャワーネットワークは子会社売却損8億9600万円を2020年3月期決算に計上する。

 

 

 

SGホールディングス<9143>、中国物流企業の上海虹迪物流科技を子会社化

SGホールディングスは、中国上海を拠点に物流事業を手がける上海虹迪物流科技股份有限公司(RUNBOW、売上高79億9000万円、営業利益5億4200万円、純資産47億1000万円)の株式 70%を取得し子会社化することを決議した。中国の日系進出企業への物流サービスの向上が狙い。RUNBOWは上海、成都、武漢、西安、天津、瀋陽に物流拠点を構え、アパレルとケミカル分野に強みを持つという。取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月31日。

 

 

 

ケアサービス<2425>、クレアバーグから訪問看護事業を取得

ケアサービスは、不動産売買・仲介のクレアバーグ(東京都江戸川区)が手がける訪問看護事業を取得することを決議した。ケアサービスは東京23区に出店を集中するドミナント戦略を通じて在宅介護事業を強化しており、その一環。取得するのは江戸川区と墨田区にある訪問介護事業所2カ所で、当該事業の直近売上高は4900万円。取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月1日。

 

 

 

宇部興産<4208>、山口市内のゴルフ場「宇部72カントリークラブ」を市川興業に譲渡

宇部興産は、傘下の宇部興産開発(山口市)が運営するゴルフ場事業を、市川興業(東京都練馬区)に譲渡することを決めた。ゴルフ場名は「宇部72カントリークラブ」(山口市)。宇部興産開発が設立した同名の新会社が事業を引き継いだうえで、新会社の全株式を譲渡する。

宇部72カントリークラブは1960年に営業開始し、4コースを持つ西日本最大級のゴルフ場とされてきたが、プレー人口が減少する中で、厳しい経営が続いていた。宇部興産は譲渡に伴い約48億円の特別損失を2020年3月期決算に計上する。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年3月2日。

 

 

 

ヤマノホールディングス<7571>、個別指導塾「スクールIE」FC加盟店大手のマンツーマンアカデミーを子会社化

ヤマノホールディングス(HD)は、個別指導塾「スクールIE」のFC(フランチャイズ)加盟店事業を手がけるマンツーマンアカデミー(千葉県旭市。売上高6億1800万円、営業利益3600万円、純資産7億3700万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ヤマノHDは美容事業・和装宝飾事業・DSM(訪販)事業を展開するが、新分野開拓に向けてM&Aの取り組みを強化中。創始者・山野愛子の事業の原点が「美容」と「教育」であることを踏まえ、教育を成長分野と位置づける。

マンツーマンアカデミーは、やる気スイッチグループ(東京都中央区)が全国展開する個別指導塾「スクーIE」のFC加盟店事業を主力とし、関東圏(千葉県、茨城県、埼玉県)で36店舗(2019年11月時点)を運営。FC加盟店としては20年以上、生徒数全国トップの実績を誇るメガフランチャイジーという。今後は全国規模で出店エリアの拡大を検討している。

取得価額は4億9300万円。取得予定日は2020年3月2日。

 

 

 

SHIFT<3697>、データ分析の分析屋を子会社化

SHIFTは、データ分析やシステム構築事業を手がける分析屋(神奈川県藤沢市。売上高5億7000万円、営業利益1910万円、純資産1160万円)の全株式を取得し子会社化した。顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みに伴う課題分析やビッグデータ分析基盤の構築につなげる。分析屋は2011年に設立し、医療業界やマーケティングにおける分析領域で実績とノウハウを持つ。取得価額は非公表。取得日は2020年12月20日。

 

 

 

イード<6038>、学研プラスからアニメ出版事業を取得

イードは、学研ホールディングス子会社の学研プラス(東京都品川区)からアニメ出版事業などを取得することを決議した。取得するのはアニメ専門月刊誌「アニメディア」、声優専門誌「声優アニメディア」、男性向けアニメ専門誌「メガミマガジン」、ウェブメディア「超!アニメディア」の運営に関する事業。取得価額は未定。取得予定日は2020年2月1日。

イードはアニメに特化したウェブメディアとして「アニメ!アニメ!」「アニメ!アニメ!ビズ」を運営する。

 

 

 

新田ゼラチン<4977>、コラーゲンケーシング製造の米子会社を現地社に譲渡

新田ゼラチンは、コラーゲンケーシングを製造する米子会社ニッタケーシングズ(ニュージャージー州。売上高44億9000万円、営業利益△9500万円、純資産△1億6100万円)の全株式を、人工ケーシングメーカーの米Viscofan(アラバマ州)に譲渡することを決議した。事業の選択と集中の一環。

新田ゼラチンはカナダにある子会社ニッタケーシングズ(カナダ)(オンタリオ州、売上高4億5400万円、営業利益―、純資産8100万円)の全株式も同時に譲渡する。譲渡価額は2社合計で14億5600万円。譲渡日は2019年12月19日。

 

 

 

ソフィアホールディングス<6942>、和歌山県で調剤薬局を経営する「わかば薬局」を子会社化

ソフィアホールディングスは、調剤薬局のわかば薬局(和歌山県御坊市。売上高2億6800万円、営業利益348万円、純資産2110万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。わかば薬局は御坊市1店舗、岩出市(和歌山県)1店舗を持つ。取得価額は9172万円。取得予定日は2020年2月1日。

 

 

 

新東京グループ<6066>、産業廃棄物業者のグリーンシステムズを子会社化

新東京グループは、産業廃棄物業者のグリーンシステムズ(川崎市。売上高1億2200万円、営業利益△200万円、純資産△2900万円)の全株式を取得し子会社化した。12月19日付。取得価額は200円。新東京グループは今年4月に民事再生手続き中のグリーンシステムズに対する再建支援スポンサー契約を結んでいた。

 

 

 

長谷工コーポレーション<1808>、細田工務店<1906>をTOBで子会社化

長谷工コーポレーションは19日、戸建住宅分譲の細田工務店(ジャスダック上場)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化すると発表した。長谷工はマンション建築最大手だが、戸建住宅分野への本格進出に向けた足がかりとする。細田工務店はTOBに賛同する意見を表明している。

細田工務店株式の買付価格は1株あたり130円で、TOB公表前日の終値121円に7.44%のプレミアムを加えた。買付期間は12月20日~2020年2月4日。買付代金は最大約24億3600万円。買付予定数の下限は所有割合で66.67%。決済の開始日は2020年2月12日。買付代理人は大和証券。

細田工務店は1947年に創業し、1957年に法人化した。木造戸建住宅の開発・分譲を主力とし、2004年にジャスダックに上場した。用地取得競争の激化による仕入原価の上昇や供給過多に伴う販売価格の下落などが重なり、厳しい経営環境が続いていた。

 

 

 

米フォートレスの対ユニゾTOB、1月8日まで9度目の期間延長

不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対して子会社を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施中の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループは18日、12月27日を期限としていた買付期間を2020年1月8日まで営業日ベースで3日延長すると発表した。8月19日にTOBを始めて以降、買付期間の延長は9度目。これにより、買付期間は93日に及ぶとともに、越年が決定した。11月15日に買付価格を当初の4000円から4100円に100円引き上げて以降では4度目の延長。

18日のユニゾ株の終値は前日比10円安の4895円。市場価格が買付価格を大きく上回り、TOB成立が依然難しい状況が続いている。一方、ユニゾはフォートレスとの間で買付価格を5000円に引き上げるよう求めて協議を継続している。

 

 

 

GameWith<6552>、アットフリークスのゲーム攻略情報サービス「@WIKI(アットウィキ)」を取得

GameWithは、アットフリークス(和歌山市)からゲーム攻略情報に特化した掲示板サービス「@WIKI(アットウィキ)」事業を取得することを決議した。これに伴い、同事業を継承する新会社としてアットウィキ(東京都港区)を設立した。当該事業の直近売上高は1億200万円。取得価額は非公表。取得予定日は2019年12月25日。

GameWithはスマホゲームの情報サイト「GameWith」を運営している。

 

 

 

いすゞ自動車<7202>、ボルボと提携しUDトラックスを買収

いすゞ自動車は18日、スウェーデンの商用車大手、ボルボと業務提携し、ボルボ子会社のUDトラックス(旧日産ディーゼル工業、埼玉県上尾市)を買収すると発表した。2000年末までにUDトラックスの全株式の取得を目指す。買収金額は今後詰めるが、いすゞはUDトラックスの事業価値について2500億円程度と見積もっている。

自動車業界は100年に一度といわれる変革期を迎え、商用車分野でも電動化や自動運転など「CASE」と呼ばれる先進技術への対応が待ったなしとなっており、いすゞとボルボの両社は長期的な協力関係の構築で一致した。技術開発面での相互補完をはじめ、日本・アジアを中心とした海外市場での大型トラック事業の強化、物流革命に向けた中・小型トラックの協業可能性の追求などに取り組む。

一連の提携の第一弾がいすゞによるUDトラックスの子会社化。同社の全株式とUDブランドで展開している海外事業を取得する。UDトラックスは中・小型トラックに強みを持ち、旧日産ディーゼル工業時代の2007年にボルボの傘下に入り、2010年に現社名に変更した。

 

 

 

プロルート丸光<8256>、コンサートグッズ制作のSanko Advanceを子会社化

プロルート丸光は、アーティストのコンサートグッズの版権管理などを手がけるSanko Advance(東京都港区。売上高―、営業利益―、純資産98万8000円)を株式交換で完全子会社化することを決議した。Sankoは2018年10月に設立したばかりだが、将来の成長性が有望と判断した。

Sankoはコンサートグッズの製造・販売に関する権利を生産者に許諾し、その対価として商品販売額の一定額をローヤルティーとして受け取る事業を主力としている。コンサートグッズの市場規模は現在約800億円とされる。

株式交換比率はプロルート丸光1:Sanko1450で、Sankoの1株に対してプロルート丸光の1450株を割り当てる。株式交換予定日は2020年1月20日。

 

 

 

富士フイルムホールディングス<4901>、日立から画像診断関連事業を1790億円で買収

富士フイルムホールディングスは18日、傘下の富士フイルムを通じて、日立製作所の画像診断関連事業を買収すると発表した。買収金額は1790億円。日立が展開するCT(コンピューター断層撮影装置)、MRI(核磁気共鳴断層撮影装置)、X線診断装置、超音波診断装置など世界クラスの製品群を取り込み、メディカルシステム事業の拡大を目指す。

日立は新会社を設立して対象事業(2019年3月期の売上高は1432億円)を移管し、そのうえで富士フイルムが新会社の全株式を取得する。2020年7月1日の買収完了を予定する。

 

 

 

昭和電工<4004>、日立化成<4217>を9640億円投じてTOBで子会社化へ

昭和電工は18日、日立製作所傘下で東証1部上場の日立化成に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。日立化成の株式51.24%を保有する親会社の日立はTOBに応募することで合意している。買収金額は最大9640億円。今年の日本企業がかかわるM&Aとして、豪ビール大手を約1兆2000億円で買収することを決めたアサヒグループホールディングスの案件に次ぐ2番目の規模となる。

日立は社会インフラ事業やIoT(モノのインターネット)事業に経営資源を集中させる方針に基づき、グループ子会社の見直しを進めていた。日立化成は1962年に日立から分離独立して発足した中核子会社で、エレクトロニクス関連の機能材料などに強みを持つ。

日立化成株式の買付価格は1株につき4630円。TOB公表前日の終値4080円に13.48%のプレミアムを加えた。買付予定数の下限は議決権ベースで3分の2にあたる1億3881万3300株。昭和電工は買付主体となるHCホールディングス(東京都港区)を設立した。

買い付けは2020年2月開始を目指す。買付代理人はみずほ証券。

 

 

 

ヒビノ<2469>、イベント用映像・音響システム企画立案のシグマ映像を子会社化

ヒビノは、イベント用映像・音響システムの企画立案を手がけるシグマ映像(横浜市。売上高8億9000万円、営業利益1億1900万円、純資産6億円6400万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

シグマ映像は1990年に設立し、展示会や企業イベントなどの大型映像サービスを主力とする。日本では特定複合観光施設区域整備法の成立で、IR(統合型リゾート)施設建設に向けた動きが出ているが、IRでは大規模なMICE施設(国際会議場、展示場)を含むことが要件となっている。ヒビノはシグマ映像を傘下に取り込むことで、MICE市場の拡大に照準を合わせ、大型映像サービスの対応力強化を目指す。

取得価額は6億9500万円。取得予定日は2020年2月1日。

 

 

 

テクノスジャパン<3666>、CRM関連ソフト会社のアックを子会社化

テクノスジャパンは、ソフトウエア関連のアック(大阪市。売上高5億9400万円、営業利益5500万円、純資産1億4300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

アックは1991年に設立。CRM(顧客管理システム)のリーディング企業である米セールスフォース・ドットコムのクラウド関連サービスとERP(統合基幹業務システム)関連サービスを主力とする。近年、ビッグデータの活用が経営課題となり、CRM分野の重要性が一段と増している。こうした中、テクノスジャパンはアックを傘下に取り込み、CRM関連の事業強化を目指す。

取得価額は3億2200万円。取得予定日は2020年1月10日。

 

 

 

エスクリ<2196>、結婚式場「ラヴィマーナ神戸」の運営と衣装事業を取得

エスクリは、ラヴィマーナ神戸(神戸市)が手がける結婚式場「ラヴィマーナ神戸」の運営と扇屋(大阪市)が同施設で営む衣装事業を取得することを決議した。ラヴィマーナ神戸の宮里武司社長が扇屋を兼務し、両社は一体的に事業を行う関係にある。取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月1日。「ラヴィマーナ神戸」は神戸空港島(神戸市)の西岸に位置し、約5万2000平方メートルの敷地に2つの独立型チャペル、貸し切り可能な4つのヴィラ(宿泊所)を含む9つのパーティー会場で構成する。

 

 

 

アズマハウス<3293>、和歌山市にある賃貸住宅センターなど3社を子会社化

アズマハウスは、不動産賃貸事業の賃貸住宅センター(和歌山市。売上高4億900万円、営業利益6770万円、純資産3億1000万円)などグループ3社を子会社化することを決議した。アズマハウスは和歌山市に本社を置き、住宅建設を中心に不動産賃貸事業や土地分譲などを手がけ、対象3社とは取引関係にある。

子会社化するのは賃貸住宅センターのほか、不動産管理事業のシージェーシー管理センター(同。売上高3億9100万円、営業利益7770万円、純資産3億1000万円)、リフォーム工事のアイワライフネット(同。売上高8億6800万円、営業利益1億4200万円、純資産8億5800万円)。3社の株式をそれぞれ70%取得する。3社の社長はいずれも塚本治雄氏が務める。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月31日。

 

 

 

ミネベアミツミ<6479>、アナログ半導体メーカーのエイブリックを子会社化

ミネベアミツミは17日、アナログ半導体メーカーのエイブリック(千葉市。売上高328億円、営業利益41億7000万円、純資産234億円)を買収すると発表した。エイブリックの親会社で70%の株式を保有する日本政策投資銀行と30%の株式を持つセイコーインスツル(千葉市)から全株式を343億9300万円で取得する。医療機器向けのアナログ半導体の拡販や、カーインフォテイメントと呼ばれる次世代車載情報通信システム市場でのシェア向上を目指す。

エイブリックは電源用IC、リチウムイオン電池保護IC、車載用EEPROM(不揮発性メモリーの一種で、書き換え可能)、医療機器用超音波イメージングICなどを中心に小型、低消費電力の高精度アナログ半導体を生産している。2015年にセイコーホールディングスグループのセイコーインスツルから半導体事業を分社し、エスアイアイ・セミコンダクタとして独立。2018年1月に共同出資相手の政投銀が持ち株比率を70%に高め、筆頭株主になったのを機に、現社名に変更した。

ミネベアはアナログ半導体を主力事業の一つとし、産業・住宅機器市場に強みを持つ。医療機器や車載機器向けに特徴のある製品群を展開するエイブリックとは足りない分野を相互補完できる製品構成であることなどから、幅広く相乗効果が期待できると判断した。

買収完了時期は2020年7月ごろを想定している。また、ミネベアは買収後のエイブリックの業績に応じて、最大15億円の追加支払いを行うことで合意している。

 

 

 

ハマキョウレックス<9037>、九州地盤に物流センター事業を手がけるシティーラインを子会社化

ハマキョウレックスは、物流センター事業を手がけるシティーライン(福岡県志免町。売上高20億2000万円、営業利益5100万円、純資産2億8100万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

シティーラインは1984年設立で、福岡県を中心に九州を地盤として、ラストワンマイル(最寄拠点から利用者の間)や医療関連の運送業務を軸に物流サービスを提供している。ハマキョウレックスは同社を取り込み、九州地区での事業拡充につなげる。

取得価額は非公表。取得日は2019年12月17日。

 

 

 

フリークアウト・ホールディングス<6094>、金融保証業務子会社のGardiaを伊藤忠商事<8001>に譲渡

フリークアウト・ホールディングスは、金融関連保証業務を手がける子会社のGardia(東京都港区。売上高10億5000万円、営業利益1億8400万円、純資産1億4700万円)の株式90%を、伊藤忠商事に譲渡することを決議した。豊富な資金力を持つ伊藤忠主導の下、共同経営体制に移行する。フリークアウトは2018年12月に伊藤忠と資本業務提携している。譲渡価額は2億円。譲渡予定日は2019年12月17日。

Gardiaは2017年10月設立で、①飲食店などを無断キャンセルのリスクから守るリスク保証サービス、②Visaプリペイドカードなどに対して保証付き後払い決済を行うペイメントサービスを提供している。

 

 

 

アニコム ホールディングス<8715>、ペット関連インターネットサービスのシムネットを子会社化

アニコム ホールディングスは、ペット関連インターネットサービスの企画・開発を手がけるシムネット(仙台市)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

シムネットは2001年設立で、同社子会社がブリーダーマッチングサイト「みんなのブリーダー」「みんなの子猫ブリーダー」などを運営する。アニコムはペット保険事業を主力とし、近年は遺伝子検査を通じて安心してペットを飼育できる環境の提供に力を入れている。今回、シムネットを傘下に取り込むことで、ブリーダーとの接点を確保し、事業拡大につなげる。

 

 

 

みらかホールディングス<4544>、食品検査事業の日本食品エコロジー研究所を子会社化

みらかホールディングス(HD)は、食品検査事業を手がける日本食品エコロジー研究所(神戸市)の全株式を取得し子会社化することを決議した。みらかHDは今年6月に東京都内に新会社を設立し、食品検査事業に再参入した。関西を地盤とする日本食品エコロジーを傘下に取り込み、食品検査事業の拡大を目指す。取得価額は非公表。取得予定日は12月中。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

相続人が米国の連邦所得税上の居住者である場合の手続、報告義務等

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田 房枝/税理士)

 

【前提】

父(日本国籍・日本在住)が死亡しました。相続人である長男(日本国籍)は、仕事の関係で2年前から米国に住んでおり、日本の市区町村に住民登録はありません。父の財産は、すべて日本の国内財産であり、長男はそのうち1,500万円ほどを相続予定です。

 

〔Q〕日本の相続税法における納税義務者と課税財産の範囲について教えてください。

〔A〕日本の相続税法では、被相続人が日本国籍かつ日本在住であれば、相続人の国籍や居住地に関係なく、相続人は日本の無制限納税義務者となり、相続により取得した国内財産・国外財産すべてに対して、日本の相続税が課税されます。本問の場合、長男は、相続により取得した財産すべてに対して、日本の相続税が課税されます。

 

 

〔Q〕米国の連邦遺産税における納税義務者と課税財産の範囲について教えてください。

〔A〕米国の連邦遺産税では、被相続人が米国市民又は米国居住者でなければ、被相続人は米国の制限納税義務者となり、被相続人の財産のうち、米国国内にある財産のみに対して、連邦遺産税が課税されます。
本問の場合、被相続人である父の財産は日本国内にしかないということですので、米国で連邦遺産税が課税される財産はありません。

 

 

〔Q〕日本の相続税の申告をする上で相続人の住民票や印鑑証明が必要な場合、日本の市区町村に住民登録がない長男はどうすればよいですか?

〔A〕米国の日本大使館や領事館で、住民票に代わる書類として在留証明書の、印鑑証明に代わる書類として署名証明書の発行を受けることができます。
在留証明は、どこに住所を有しているかを証明するものです。また、署名証明は、領事の面前で行われた私文書上の署名が申請された本人のものであることを証明するものです。

 

 

〔Q〕米国の居住者である長男にとって、相続後に米国で必要となる手続はありますか?

〔A〕上述のとおり、本問の場合には連邦遺産税は課税されません。しかし、米国の居住者である長男には次のような報告義務があります。怠った場合のペナルティもあるため、提出を忘れないよう、留意が必要です
(出所:税理士法人タクトコンサルティング編『Q&A国際相続の実務と国外転出時課税』Q125日本法令)。

 

 

(1) IRSへ相続財産の報告


①報告(Form 3520)
米国の居住者は、米国の非居住外国人から年間10万ドルを超える財産を相続や贈与により取得した場合には、原則として翌年4月15日までに、IRS(米国内国歳入庁)へ報告しなければなりません。

 

②ペナルティ
無申告や期限後申告の場合には、1万ドル以下の罰金が科されることがあります。

 

 

(2) 米国財務省へ米国外金融資産の報告


①報告(FinCEN Form 114)
米国の居住者は、米国外にある金融資産の年度内最高残高が1万ドルを超える場合には、翌年4月15日までに、米国財務省へその情報を報告しなければなりません。

 

② ペナルティ
報告漏れが意図的でないと認められる場合には1万ドル以下の罰金が、意図的に隠ぺいしたと判断される場合には10万ドル又は総資産残高の50%の大きいほうの金額以下の罰金が科されることがあり、さらに刑事罰が適用されるケースもあります。

 

 

(3)IRSへ米国外金融資産の報告


①報告(Form 8938)
米国の居住者は、米国外にある金融資産の合計残高が年度内に7.5万ドル超又は年末に5万ドル超(夫婦合算申告の場合はそれぞれ倍額)である場合には、翌年4月15日までに、IRSへその情報を報告しなければなりません。

 

②ペナルティ
報告漏れがあった場合等には、6万ドル以下の罰金が科されることがあり、さらに刑事罰が適用されるケースもあります。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/12/23)より転載

[解説ニュース]

速報!令和2年度税制改正案 ~大綱に盛り込まれた資産課税を中心とする改正案の主な内容は以下のとおり~

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

【土地・住宅税制(所得税・登録免許税・印紙税)】

《「令和2年度税制改正大綱」P33~34、27~28、29、50、52》改正案


1.国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例【創設】

(1)個人が令和3年以後の各年において、国外中古建物から生ずる不動産所得を有する場合に、その年分の不動産所得の金額の計算上、国外不動産所得の損失の金額があるときは、その国外不動産所得の損失の金額のうち国外中古建物の償却費に相当する部分の金額は、所得税に関する法令の規定の適用において生じなかったものとみなされる。

 

(注1)「国外中古建物」とは、個人において使用され又は法人において事業の用に供された国外にある建物であって、個人が取得してその個人の不動産所得を生ずべき業務の用に供したもののうち、不動産所得の金額の計算上その建物の償却費として必要経費に算入する額を計算する際の耐用年数を、次の方法により算定しているものをいう。

 

①法定耐用年数の全部を経過した資産について、その法定耐用年数の20%に相当する年数を耐用年数とする方法。

 

②法定耐用年数の一部を経過した資産について、その資産の法定耐用年数から経過年数を控除した年数に、経過年数の20%に相当する年数を加算した年数を耐用年数とする方法。

 

③その用に供した時以後の使用可能期間の年数を耐用年数とする方法(使用可能期間の年数が適切であることを証する一定の書類の添付がある場合を除く)。

 

(注2)「国外不動産所得の損失の金額」とは、不動産所得の金額の計算上生じた国外中古建物の貸付けによる損失の金額(その国外中古建物以外の国外にある不動産等から生ずる不動産所得の金額がある場合は、その損失の金額をその国外にある不動産等から生ずる不動産所得の金額の計算上控除してもなお控除しきれない金額)をいう。

 

 

(2)上記(1)の適用を受けた国外中古建物を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算上、その取得費から控除する償却費の額の累計額からは、上記(1)によりなかったものとみなされた償却費に相当する部分の金額が除かれる。

 

 

2.配偶者居住権の消滅等に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費【整備】

(1)配偶者居住権及び又は配偶者居住権の目的となっている建物の敷地の用に供される土地等を配偶者居住権に基づき使用する権利(以下「配偶者敷地利用権」)が消滅等し、その消滅等に係る対価の支払を受ける場合には、その対価の額に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、次の算式により計算される。

 

(算式)被相続人に係る配偶者居住権の目的となっている建物又はその建物の敷地の用に供される土地等(以下「居住建物等」)の取得費*1×配偶者居住権等割合*2-配偶者居住権の設定から消滅等までの期間に係る減価の額

 

*1 建物の取得費については、その取得の日からその消滅等の日までの期間に係る減価の額を控除する。
*2 配偶者居住権等割合=その配偶者居住権の設定時における配偶者居住権又は配偶者敷地利用権の価額に相当する金額÷居住建物等の価額に相当する金額

 

 

(2)相続により居住建物等を取得した相続人が、配偶者居住権及び配偶者敷地利用権が消滅する前にその居住建物等を譲渡した場合において、譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、その居住建物等の取得費から配偶者居住権又は配偶者敷地利用権の取得費を控除した金額とされる。

 

(注)上記の居住建物等のうち建物の取得費については、その取得の日から譲渡の日までの期間に係る減価の額を控除することとし、上記の配偶者居住権又は配偶者敷地利用権の取得費については、その配偶者居住権の設定の日から譲渡の日までの期間に係る減価の額を控除する。

 

 

3.居住用財産の譲渡に係る譲渡所得の特例【適用期限の延長・見直し】

(1)①特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例、②居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等及び③特定居住用財産の讓渡損失の繰越控除等の適用期限が、それぞれ2年延長される。

 

 

(2)住宅の取得等をした家屋(以下「新規住宅」)をその居住の用に供した個人が、その居住の用に供した日のする年から3年目に該当する年中に新規住宅及びその敷地の用に供されている土地等以外の資産の譲渡(以下「従前住宅等の譲渡」)をした場合に、その者が従前住宅等の譲渡につき次に掲げる特例の適用を受けるときは、新規住宅について、所得税の住宅借入金等特別控除等の適用を受けることができない。

 

①居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
②居住用財産の譲渡所得の特別控除
③特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期渡所得の課税の特例
④既成市街地等内の土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例

 

(注)上記の改正は、令和2年4月1日以後に従前住宅等の譲渡をする場合について適用される。

 

 

4.登録免許税・印紙税の特例【適用期限の延長】

(1)住宅用家屋の所有権保存登記等に係る登録免許税の税率の特例の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長される。

 

(2)不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例の適用期限が、令和4年3月31日まで2年延長される。

 

【消費税】

《令和2年度税制改正大綱」P84~85、82》改正案


1.居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除制度等【見直し】

(1)住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって高額特定資産に該当するもの(以下「居住用賃貸建物」)の課税仕入れについては、仕入税額控除制度の適用が認められない。ただし、居住用賃貸建物のうち、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分については、引き続き仕入税額控除制度の対象とされる。

 

(注)高額特定資産とは一取引単位につき支払対価の額が税抜1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をいう。

 

 

(2)上記(1)により仕入税額控除制度の適用を認めないこととされた居住用賃貸建物について、その仕入れの日から同日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間の末日までの間に住宅の貸付け以外の貸付けの用に供した場合又は譲渡した場合には、それまでの居住用賃貸建物の貸付け及び譲渡の対価の額を基礎として計算した額を、その課税期間又は譲渡した日の属する課税期間の仕入控除税額に加算して調整が行われる。

 

 

2.住宅の貸付けに係る消費税の非課税【見直し】

契約において貸付けに係る用途が明らかにされていない場合であっても、その貸付けの用に供する建物の状況等から人の居住の用に供することが明らかな貸付けについては、消費税は非課税とされる。

 

 

3.高額特定資産を取得した場合の事業者免税点制度及び簡易課税制度【見直し】

適用を制限する措置の対象に、高額特定資産である棚卸資産が納税義務の免除を受けないこととなった場合等の棚資産に係る消費税額の調整措置(以下「棚卸卸産の調整措置」)の適用を受けた場合が追加される。

 

(注)上記1の改正は令和2年10月1日以後に居住用賃貸建物の仕入れを行った場合について、上記2の改正は同年4月1日以後に行われる貸付けについて、上記3の改正は同日以後に棚卸資産の調整措置の適用を受けた場合について、それぞれ適用される。ただし上記1の改正は、同年3月31日までに締結した契約に基づき同年10月1日以後に居住用賃貸建物の仕入れを行った場合には、適用されない。

 

 

4.法人に係る消費税の申告期限の特例【創設】

法人税の確定申告書の提出期限の延長の特例の適用を受ける法人が、消費税の確定申告書の提出期限を延長する旨の届出書を提出した場合には、その提出をした日の属する事業年度以後の各事業年度の末日の属する課税期間に係る消費税の確定申告書の提出期限が1ヶ月延長される。

 

(注)上記4の改正は、令和3年3月31日以後に終了する事業年度の末日の属する課税期間から適用される。なお上記提出期限が延長された期間の消費税の納付は、その延長された期間に係る利子税を併せて納付する必要がある。

 

 

【その他 (法人税・相続税・贈与税・国外財産調書等)】

《「令和2年度税制改正大綱」P76、50、94~96、93》


1. 法人の長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物等への買換えの特例【適用期限の延長・見直し】

買換資産から鉄道事業用車両運搬具を除外し、所要の経過措置が講じられた上で、その適用期限が令和5年3月31日まで3年延長される。

 

 

2.医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等【適用期限の延長】

良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律の改正を前提に、医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等の適用期限が令和5年9月30日まで3年延長される。

 

 

3.国外財産調書制度等【見直し等】

(1)相続国外財産に係る相続直後の国外財産調書への記載の見直し等

相続開始年の12月31日においてその有する国外財産に係る国外財産調書については、その相続又は遺贈により取得した国外財産(以下「相続国外財産」)を記載しないで提出することができる。この場合において、国外財産調書の提出義務については、国外財産の価額の合計額からその相続国外財産の価額の合計額を除外して判定する。

 

なお上記の取扱いは、財産債務調書における相続又は遺贈により取得した財産(以下「相続財産」)も同様とされる。

 

(注)上記の改正は、令和2年分以後の国外財産調書又は財産債務調書について適用される。

 

(2)国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の見直し

①国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置(以下「加算税の加重措置」)の適用対象に、相続国外財産に対する相続税に関し修正申告等があった場合が追加される。

 

②その年の12月31日において相続国外財産を有する者の責めに帰すべき事由がなく、提出期限内に国外財産調書の提出がない場合や、国外財産調書に記載すべき相続国外財産の記載がない場合(記載不備を含む)には、原則として加算税の加重措置は適用されない。(財産債務調書における相続財産についても同様とされる)。

 

(3)国外財産調書に記載すべき国外財産に関する書類の提示等がない場合の加算税の軽減・加重措置の特例の創設

国外財産を有する者が、国税庁職員から国外財産調書に記載すべき国外財産の取得、運用又は処分等に係る書類のうち、その者が通常保存し、又は取得することができると認められるものの提示又は提出を求められた場合において、その提示等を求められた日から一定の日までにその提示等をしなかったときは、原則として①その国外財産に係る加算税の軽減措置は適用せず、②その国外財産に係る加算税の加重措置については、その加算する割合が10%*(適用前加算割合:5%)とされる。

*上記(2)②に該当する場合には、その加算する割合が5%(適用前加算割合:なし)とされる。

 

(注)上記の改正は、令和2年分以後の所得税又は令和2年4月1日以後に相続若しくは遺贈により取得する財産に係る相続税について適用される。

 

 

4.納税地の異動があった場合の振替納税手続の簡素化【見直し】

個人が令和3年1月1日以後に提出する納税地の異動届出書等について、「振替納税を行う個人が他の税務署管内へ納税地を異動した場合には、異動後も従前の金融機関の口座から振替納税を行う」旨をその異動届出書等に記載したときは、異動後の所轄税務署長に対してする申告等について振替納税を引き続き行うことが可能とされる。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/12/16)より転載

[M&Aニュース](2019年12月3日〜12月13日)

◇ぺんてる陣営が株式「50%超」を確保、コクヨによる子会社化を阻止、◇HOYA<7741>、ニューフレアテクノロジー<6256>の子会社化を目指してTOB参戦、東芝グループに対抗、◇コクヨ、子会社化を目指す「ぺんてる」株の持ち株比率45.66%に、◇サノヤスホールディングス<7022>、電力関連機器メーカーのハピネスデンキを子会社化、◇大王製紙<3880>、民事再生手続き中のカタログ印刷「千明社」の事業を取得、◇西華産業<8061>、水中ポンプの欧州販売代理店である英 Obart Pumpsを子会社化、◇ヤマダ電機<9831>、経営再建中の大塚家具<8186>を子会社化、◇ソニー<6758>、子ども向けアニメ制作会社の米シルバーゲートを買収 ほか

 

 

 

 

 

ぺんてる陣営が株式「50%超」を確保、コクヨによる子会社化を阻止

2019-12-13

筆記具大手のぺんてる(東京都中央区)と文具総合大手のプラス(東京都港区)は13日、ぺんてる株を買い付けるためにプラスが設立したジャパンステーショナリーコンソーシアム合同会社、JSC)が持ち株比率で約30%を取得したと発表した。ぺんてる経営陣の保有分と合わせて、全発行済み株式に対する持ち株比率は「50%を優に超える」としている。ぺんてるを巡っては子会社化を目指して業界最大手のコクヨが株式の買い付けを進めていたが、過半数に届かず、ぺんてる・プラス陣営が勝利した。

コクヨは11月15日に、持ち分法適用関連会社であるぺんてるの株式を追加取得し、37.8%の持ち株比率を50%超に引き上げて子会社化する方針を発表した。これに反発するぺんてる経営陣の賛同を得て、プラスは12月10日を期限として、1株3500円でぺんてる株式の買い付けに乗り出していた。

ぺんてるの発表によると、約200人(持ち株比率約30%)の同社株主がプラス傘下のJSCの株式買い付けに応募した。コクヨはプラスを700円上回る4200円(当初3500円で、その後2度引き上げ)の買付価格を提示したが、ぺんてるの従業員やOBを中心とする株主の多くが会社側を支持した。ぺんてるは、コクヨによる子会社化という目論見が阻止され、自主独立の経営を継続することが確保されたとの判断を示した。

ぺんてるとプラスは今後、協業関係を推し進める考え。一方、ぺんてるは敵対的買い付けを行ったコクヨとの「協力関係構築に向けた協議」を打ち切る。

コクヨは12日、45.66%のぺんてる株式を取得予定だと発表した。これに対し、ぺんてるはコクヨが買い付けた約8%の株式について譲渡を承認しない方針を示した。

ただ、子会社化を阻止したとはいえ、引き続き、対立関係にあるコクヨがぺんてるの筆頭株主であることは変わらず、自主独立の経営を進めるうえで道のりは険しい。

 

 

 

 

HOYA<7741>、ニューフレアテクノロジー<6256>の子会社化を目指してTOB参戦、東芝グループに対抗

2019-12-13

HOYAは13日、東芝グループの半導体製造装置メーカー、ニューフレアテクノロジー(ジャスダック上場)に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付代金は最大約1477億円。ニューフレアを巡っては現在、同じく完全子会社化を目指して東芝子会社の東芝デバイス&ストレージ(東京都港区)によるTOBが12月25日を期間として進行中。このTOBが不成立になった場合に、HOYAは2020年4月をめどにTOBを開始予定。TOBに新たに参戦するHOYAは買付価格として東芝デバイス&ストレージを1000円上回る1万2900円を提示している。

HOYAは買付予定数の下限を総議決権の3分の2以上にあたる66.67%(所有割合)と設定。上限については設定せず、完全子会社化を目指す。ニューフレアの株式52.4%を持つ東芝デバイス&ストレージがHOYAのTOBに応募することが条件となる。ニューフレアについては東芝機械も16%弱を保有する。

買付価格は東芝デバイス&ストレージの1万1900円に対し、HOYAの提示は1万2900円。TOB公表前日のニューフレア株式の終値1万1872円に対して8.13%、直近6カ月間の終値単純平均値8343円に対して54.62%のプレミアムを加えた。HOYAは、東芝グループにとっても今回のTOBは魅力的なものであり、応募いただけるものと考えている、としている。

ニューフレアは親会社の東芝デバイス&ストレージの意向を確認し、対応を検討する予定。

 

 

 

 

コクヨ、子会社化を目指す「ぺんてる」株の持ち株比率45.66%に

2019-12-12

コクヨは12日、子会社化を目指す筆記具大手のぺんてる(東京都中央区)株式の買付状況について、議決権ベースで7.86%の応募があり、同日時点で持ち株比率が45.66%になったと発表した。株主から応募の意向があったもののうち、売買契約が締結されていない株式数(約0.6%)は含まれていない。約300人の全株主のうち、100人を超える応募があったとしている。買付価格は1株あたり4200円。買付期間は15日までで、最終的に50%超の取得を目指している。

コクヨは11月15日に、持ち分法適用関連会社であるぺんてるの株式を追加取得し、子会社化する方針を発表した。1株3500円で既存株主から株式を買い取り、37.8%の持ち株比率を50%超に高める内容だった。ところが、これに反発するぺんてる経営陣の賛同を得て、同業の総合文具大手、プラスが同じ3500円でぺんてる株の買い付けを開始したことを受け、その後、コクヨは買付価格を2度積み増して4200円に引き上げた経緯がある。

プラスによる買い付けは12月10日に終了。20%程度の応募があったとされているが、詳細は明らかにしていない。

コクヨとしては買付期間の15日までに目標とする50%超の持ち株比率に届くかどうか微妙な状況。今後の方針として、今回の買い付けに応募しなかったぺんてる株主のうち、あらためて株式を売却したいとの意向があれば、追加で株式を取得することを検討するとしている。

 

 

 

 

サノヤスホールディングス<7022>、電力関連機器メーカーのハピネスデンキを子会社化

2019-12-12

サノヤスホールディングスは、電力関連機器メーカーのハピネスデンキ(東京都大田区。売上高31億1000万円、営業利益1億8500万円、純資産6億7200万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ハピネスデンキは1919年に創業。動力制御盤や分電盤、配電盤などを製造し、官公庁や大学、大型ビル、空港などに多数の納入実績を持つ。サノヤスは造船・プラント事業を主力とするが、ハピネスを傘下に取り込むことで、第2の柱である各種産業機器事業の基盤強化につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月6日。

 

 

 

 

大王製紙<3880>、民事再生手続き中のカタログ印刷「千明社」の事業を取得

2019-12-12

大王製紙は12日、民事再生手続き中で通販向けカタログ印刷を主力とする千明社(東京都千代田区)に対し、スポンサーとして再建支援することを決めたと発表した。新会社として同名の千明社(埼玉県幸手市)を設立し、千明社の事業を2020年1月7日付で承継する。千明社は11月13日に東京地裁に民事再生法の適用を申請し、約30億円の負債を抱え、行き詰まった。

大王製紙は製紙業界で唯一、商業印刷やシール・ラベル印刷、ビジネスフォーム印刷などからなる総合印刷会社をグループ内に抱え、原紙から印刷まで一貫して対応できる独自の営業体制を築いている。千明社は創業64年で、大手直需ユーザーと強固な取引基盤を持つ。大王製紙グループとの一体運営により早期にシナジー(相乗効果)獲得を目指す。

取得価額は非公表。

 

 

 

 

西華産業<8061>、水中ポンプの欧州販売代理店である英 Obart Pumpsを子会社化

2019-12-12

西華産業は、水中ポンプに関する欧州販売代理店の英 Obart Pumps (Holdings) Limitedの株式80%を取得し子会社化することを決議した。Obart Pumpsは持ち株会社で、その傘下の事業会社の業績は売上高7億1200万円、営業利益7400万円、純資産3億1400万円。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月1日。

 

 

 

 

ヤマダ電機<9831>、経営再建中の大塚家具<8186>を子会社化

2019-12-12

ヤマダ電機は12日、経営再建中の大塚家具の第三者割当増資を引き受け、12月30日付で子会社化すると発表した。43億7400万円を投じて、議決権ベースで51.74%の株式を取得する。住まい分野への事業展開を進めるヤマダ電機は今年2月に大塚家具と業務提携したが、自社の利益向上や大塚家具の経営改革の進展が確認できたとし、子会社化に踏み込むことにした。併せて総額21億8700万円で新株予約権も引き受ける。

ヤマダ電機はリフォームやインテリアなど住宅関連の売り場を充実した「家電住まいる館」の展開に力を入れている。大塚家具との業務提携により、「家電住まいる館」への商品供給やホテル・オフィスといった法人分野での家具納入などで協業を進めてきた。

大塚家具の2018年12月期決算は売上高373億円、営業赤字51億円、最終赤字32億円で、3年連続で減収、3年連続の赤字となった。2020年4月期(16カ月変則決算)はこれまで売上高442億円、営業利益1億5700万円、最終利益2500万円を見込んでいたが、同日、各項目について「未定」に修正した。大塚家具は再建の一環として、昨年12月には中国の家具大手の「居然之家」(イージーホーム)と業務提携している。

 

 

 

 

ソニー<6758>、子ども向けアニメ制作会社の米シルバーゲートを買収

2019-12-11

ソニーは11日、米子会社ソニー・ピクチャーズエンタテイメントの傘下企業を通じて、子ども向けメディア企業の米シルバーゲート・メディアを買収したと発表した。買収金額は約1億9500万ドル(約213億円)。アニメーション「すすめ!オクトノーツ」の権利を保有する会社の49%の持ち分や、「ピーターラビット」テレビシリーズを制作する会社の31%の持ち分が含まれる。

シルバーゲートは2011年に設立し、子ども向けアニメの開発・制作とライセンスの提供を手がける。中国ビジネスに強みを持つという。

 

 

 

 

キングジム<7962>、作業用手袋製造のウインセスなど2社を子会社化

2019-12-11

キングジムは、工場用作業手袋を製造するウインセス(高松市。売上高10億5000万円、営業利益6100万円、純資産10億2000万円)の株式65.7%、クリーンルーム用手袋製造のウインズ(高松市、売上高1億8000万円、営業利益500万円、純資産1億6500万円)の全株式をそれぞれ取得し子会社化することを決議した。両社は兄弟会社。

キングジムは文具事務用品とインテリア雑貨の製造・販売を主力とする。販売面の補完関係など、相互の経営資源を有効活用して事業拡大を目指すことで認識が一致したとしている。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月10日。

 

 

 

 

ベステラ<1433>、インターアクションから3次元スキャン・モデリング事業を取得

2019-12-10

ベステラは、光源装置・画像検査装置メーカーのインターアクション(横浜市)から3次元(3D)事業などを取得することを決議した。ベステラが月内に全額出資で設立する新会社の3Dビジュアル(千葉市)が事業を引き継ぐ。

ベステラは電力や製鉄、石油精製、石油化学などの大規模プラント設備の解体工事を主力とし、3Dスキャン技術などを活用して安全で効率的な解体工事計画の提案に力を入れている。

今回、インターアクションから取得するのは3Dスキャン・3Dモデリング(造形)事業とプラント設計事業。対象事業の直近売上高は1億1300万円。取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月1日。

 

 

 

 

ハークスレイ<7561>、仕出し料理の味工房スイセンを子会社化

2019-12-10

ハークスレイは、仕出し料理やケータリング事業を手がける味工房スイセン(東京都品川区)の全株式を取得し子会社化した。味工房スイセンは1991年に設立。ハークスレイは持ち帰り弁当「ほっかほっか亭」を全国展開する。取得価額は非公表。取得日は2019年12月9日。

 

 

 

 

アイフリークモバイル<3845>、ソフト開発のリアルタイムメディアなど2社を子会社化

2019-12-09

アイフリークモバイルは、ソフト開発のリアルタイムメディア(東京都渋谷区。売上高3億8200万円、営業利益△1210万円、純資産7990万円)、コンテンツ配信サーバーの設計・開発を手がけるリアリゼーション(東京都港区。売上高4億8100万円、営業利益△1310万円、純資産4230万円)の2社を株式交換で子会社化することを決めた。高度なIT技術と人的資源の獲得が狙い。

株式交換比率はアイフリーク1:リアルタイムメディア2831.54、アイフリーク1:リアリゼーション538.67。株式交換日は2020年1月1日。リアリゼーションはリアルタイムメディアの関係会社。

 

 

 

 

GA technologies<3491>、高級賃貸サービスサイトを運営するモダンスタンダードを子会社化

2019-12-09

GA technologiesは、高級賃貸サービスサイトを運営するモダンスタンダード(東京都港区。売上高8億2900万円、営業利益△5100万円、純資産2700万円)の株式67%を取得し、9日付で子会社化した。そのうえで、2020年1月15日に残る株式を株式交換で取得し、完全子会社化する。株式取得価額は10億円。株式交換比率はGA1:モダンスタンダード1515。

モダンスタンダードは2009年設立で、7万人の会員を持つ高級賃貸サービスサイト「Modern Standard」を運営し、富裕層や高所得者層を中心にユーザーを獲得している。

GAは中古不動産の売買を中心にリノベーションや不動産投資などのサービスを提供する自社の不動産テック総合ブランド「RENOSY」を展開している。モダンスタンダードを傘下に取り込むことで、販売網の相互活用などを通じて両社のサービス提供機会を拡大する。

 

 

 

 

ヘリオス テクノ ホールディングス<6927>、人材サービス子会社の日本技術センターをMBOの一環で雄渾キャピタル・パートナーズに譲渡

2019-12-09

ヘリオス テクノ ホールディングスは、100%出資の人材サービス子会社の日本技術センター(兵庫県姫路市。売上高60億5000万円、営業利益8700万円、純資産8億6400万円)の全株式を、投資会社の雄渾キャピタル・パートナーズ(東京都千代田区)に譲渡することを決議した。日本技術センターの竹中隆社長ら経営陣からの申し出に基づくMBO(経営陣による買収)の一環。

ヘリオスが主力とする産業機械や検査・計測装置などの製造装置事業とのシナジー効果が十分に発揮・活用できていない状況にあることから、人材サービス事業を切り離す。併せて、人材サービス子会社のテクノリンク(京都市)も雄渾キャピタル・パートナーズに譲渡する。

日本技術センター、テクノリンクのいずれも譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年1月6日。

 

 

 

 

加賀電子<8154>、エレクトロニクス商社のエクセルを子会社化

2019-12-09

加賀電子は9日、同業のエレクトロニクス商社で東証1部上場のエクセルと2020年4月1日に経営統合すると発表した。旧村上ファンド系の投資会社であるシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が主導したうえで、加賀電子がエクセルの全株式を取得する。株式の取得価額は1億円(別にアドバイザリー費用2億5000万円)。これに伴い、加賀電子は約82億円を負ののれん発生益として、2020年3月期決算の特別利益に計上する。

シティインデックスイレブンスは、金銭対価による株式交換でエクセルを完全子会社化する。旧村上ファンドの関係者が運営する企業グループはエクセル株式の40%弱を保有しており、残る株式について1株あたり1610円で金銭を交付する(総額は約139億円)。そのうえで、エクセルは事業運営上必要な資産を残したうえで、事業運営に必ずしも必要とならない不動産などその他の資産を現物配当としてシティインデックスに移管する。この現物出資を踏まえ、シティインデックスがエクセルの全株式を加賀電子に譲渡する手順となる。

加賀電子はエクセル株の取得に合わせ、エクセルの資金繰りを支援するため、80億円程度の運転資金を貸し付ける予定。

2020年3月期の売上高予想は加賀電子が4300億円、エクセルが570億円。エクセルは2020年2月14日の臨時株主総会で統合を諮る。上場廃止日は同年3月30日。

 

 

 

 

AGC<5201>、セントラル硝子<4044>と国内建築用ガラス事業を2020年12月に統合へ

2019-12-09

AGCとセントラル硝子は9日、国内建築用ガラス事業を統合することで基本合意したと発表した。2020年12月末をめどに事業統合の完了を目指す。新設住宅着工の減少や複層ガラスの普及に伴う需要構造の変化などを受け、今後も厳しい環境が予想されることから、事業統合によって経営の効率化や収益性の向上などを目指す。事業統合の具体的な内容については両社間で今後協議を進める。

AGCは国内ガラス業界首位で、セントラル硝子は同3位。両社とも経営の主軸を自動車用ガラスなどに置いており、とりわけ国内市場が縮小する建築用ガラスについてはかねてから抜本的な構造改革が課題となっていた。

 

 

 

 

ジェイテクト<6473>、トヨタ自動車傘下の豊精密工業を子会社化

2019-12-04

ジェイテクトは4日、トヨタ自動車が100%出資する自動車部品メーカー、豊精密工業(愛知県瀬戸市。売上高485億円、営業利益22億6000万円、純資産126億円)の全株式を取得し、子会社化すると発表した。取得価額は100億4500万円。取得予定日は2020年1月1日。豊精密は1958年設立で、自動車の駆動部品であるデファレンシャルギヤやデファレンシャルアッセンブリーの開発・製造を主力とする。

 

 

日本電産<6594>、無人搬送機用電子部品の米ロボテックを子会社化

2019-12-04

日本電産は、無人搬送機に使われる電子部品(超低電圧ドライブ)の設計・開発を手がける米ロボテック(アリゾナ州)の株式90%を取得し、子会社化した。同社を取り込むことで、無人搬送機メーカーにサーボモーターと精密ギアボックス製品にとどまらず、モーター制御システムに関する各種サポートをワンストップで提供可能になるという。取得価額、取得日は非公表。

ロボテックは2002年に設立し、2019年12月期の売上高は約9億9000万円を見込む。従業員は20人。

 

 

 

 

日本ヒューム<5262>、プレキャストコンクリート製品のタイ子会社化を現地企業に譲渡

2019-12-03

日本ヒュームは、プレキャストコンクリート製品の製造・販売、施工を手がけるタイ子会社NIPPON HUME CONCRETE(バンコク。売上高4億9700万円、営業利益△6940万円、純資産△3億9700万円)の株式60%を、現地投資会社MONGHENG GROUPに譲渡することを決議した。持ち株比率は15.95%に低下するが、現地企業とのパートナーシップを通じて事業再構築を進めることが得策と判断した。NIPPON HUME CONCRETEは1987年に設立。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年12月4日。

 

 

 

 

アステラス製薬<4503>、遺伝子治療分野強化へ米バイオ企業「オーデンテス」を約3200億円で子会社化

2019-12-03

アステラス製薬は3日、米バイオテクノロジー企業のオーデンテス・セラピューティクス(サンフランシスコ)を買収することで合意したと発表した。TOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化を目指す。買収金額は約30億ドル(約3200億円)で、2020年1~3月の完了を見込む。今後の成長領域と位置づける遺伝子治療薬の事業強化につなげる。

オーデンテスは2012年に設立し、米ナスダックに株式上場。希少かつ重篤な神経筋疾患を対象にアデノ随伴ウイルス(AAV)に基づく遺伝子治療薬の研究開発に取り組んでいる。AAVを活用した有望なパイプライン(新薬に結び付く開発中の新規候補物質)を持つ。

アステラスは米子会社を通じてオーデンテスに対してTOBを実施する。買付価格は1株60ドルで、12月2日の終値(28.61ドル)に110%のプレミアムを加えた。オーデンテスの取締役会は株主にTOBへの応募を推奨している。

 

レッグス<4286>、インフルエンサーマーケティング事業のRERAISEを子会社化

2019-12-03

レッグスは、インフルエンサーマーケティング事業を手がけるRERAISE(東京都渋谷区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。インフルエンサーを活用した販促プロモーションの企画・実施やグッズの企画・製作・販売などの取り組みを強めるのが狙い。取得価額は4000万円。取得日は非公表。

 

 

ミンカブ・ジ・インフォノイド<4436>、不動産ファンドに特化した情報・システム会社Prop Tech plusを子会社化

2019-12-03

ミンカブ・ジ・インフォノイドは、不動産ファンドに関する情報サイトの運営などを手がけるProp Tech plus(東京都港区。売上高8億4200万円、営業利益9450万円、純資産6億3700万円)の株式66.73%を取得し子会社化することを決議した。

Prop は不動産投資信託(REIT)など不動産ファンドに特化した個人投資家向け情報サイト「JAPAN REIT.COM」を運営するほか、不動産ファンド向けシステム開発・Web構築などのソリューション事業を展開している。

ミンカブは国内株式を中心に外国株式、外国為替、商品先物、指数、仮想通貨、保険など様々な金融情報を提供している。約17兆円と時価総額で東証2部の倍以上の規模を持つREIT市場の有力情報・システム会社を傘下に取り込むことで、新たな安定収益源を獲得する。

取得価額は12億9200万円。取得予定日は2019年12月27日。

 

 

日本PCサービス<6025>、スマホステーションのスマホ修理事業を取得

2019-12-03

日本PCサービスは、スマホステーション(東京都武蔵野市)が手がけるスマートフォン修理事業を取得することを決めた。当該事業の直近売上高は8620万円。取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月。来年1月に設立する同名の新会社「スマホステーション」(東京都武蔵野市)が事業を引き継ぐ。

スマホステーションはスマホ修理店を関東から沖縄にかけて11店舗(直営店2、フランチャイズ店9)を展開するほか、スマホの修理状況や店舗運用、顧客管理などの関連システムを自社で開発してきた。日本PCサービスは同社をグループに迎えることで、スマホ修理店の増加によるスケールメリットの拡大にとどまらず、システム開発力を取り込み、業務効率改善を期待している。

日本PCサービスは今年3月に、スマホやゲーム機器の修理店「スマホスピタル」を関東や関西で約80店舗運営するスマホスピタル(大阪市)を傘下に収め、出遅れていた修理分野の強化に乗り出している。今回のスマホステーションからの事業取得もこの一環。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

法人税法132条の2・・・組織再編成に係る行為・計算の一般的否認規定・・・の及ぶ範囲

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(亀山 孝之/税理士)

 

1. 法人税法132条の2と同法57条②③


法人税法132条の2は、合併、分割、現物出資(中略)又は株式交換若しくは株式移転」に係る法人の法人税につき更正をする場合において、法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる行為又は計算が行われたときに、税務署長がその行為又は計算にかかわらず法人税額等を計算することができる旨規定しています(組織再編成に係る一般的否認規定)。

 

適格合併(同法2条12の8)が行われた場合、同法57条2項は、被合併法人にいわゆる繰越欠損金があるとき、簡単に言うと、合併法人がその繰越欠損金を引き継いで自らの繰越欠損金として利用できる旨規定しています。一方、その規定に対する個別の否認(制限)規定として同条3項があり、同項は適格合併に係る被合併法人と合併法人等との間に支配関係(いずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式の50%を超える数の株式を直接又は間接に保有する関係その他の一定の関係)があり、その支配関係が、合併法人の適格合併があった事業年度開始の日の5年前の日後に生じている場合は、その適格合併が、共同で事業を営むための一定の場合に該当しない限り、その被合併法人の支配関係が生じた日の属する事業年度より前の事業年度に生じた繰越欠損金は合併法人に引き継げない旨規定しています。この3項の規定は、上記の支配関係が上記5年前の日より前に生じている場合(以下「支配関係5年超」)には適用されないので、2項の規定によれば被合併法人の繰越欠損金は制限なく合併法人に引き継がれます。

 

3項が適用されない支配関係5年超の適格合併に係る繰越欠損金の引継ぎについて、さらに上記の一般的否認規定を適用することが許されるのか、ということが争われた裁判例を2で紹介します。許されるとなれば、次に、その適格合併による繰越欠損金の引継ぎが「法人税の負担を不当に減少させる結果となる」か否かの判定に進むことになります。

 

2. 令和元年6月27日東京地裁判決の判示の要旨


「同法132条の2は、その文言上、組織再編成に係る特定の行為又は計算を否認の対象とし、あるいは否認の対象から除外するとはされていない。また、同条は、組織再編成が、その形態や方法が複雑かつ多様であるため、これを利用して巧妙な租税回避行為が行われやすく、租税回避の手段として濫用されるおそれがあることから、税負担の公平を維持するため、組織再編成において法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる行為又は計算が行われた場合に、それを正常な行為又は計算に引き直して法人税の更正を行う権限を税務署長に認め、組織再編成に係る租税回避を包括的に防止する規定として設けられたものと解される(平成28年の最高裁判決参照)。この一般的否認規定が設けられているのは、立法の際に、組織再編成を利用したあらゆる租税回避行為をあらかじめ想定した上で、個別的な否認規定を網羅的に設けることが困難であることによるものと解される。そうすると、個別の否認規定である同法57条3項が適用されない支配関係5年超の適格合併についても、同項の規定が一般的否認規定の適用を排除するものと解されない限り、(中略)同法132条の2が適用されることを予定しているものと解される。」としました。そして、「同法57条3項の適用が排除される支配関係5年超の適格合併につき、同項の規定が一般的否認規定の適用を排除するものと解されるか否かを原告の主張に基づいて検討する」として、「法人税法57条3項は未処理欠損金額を利用したあらゆる租税回避行為をあらかじめ想定して網羅的に定めたものとはいい難く、支配関係5年超の適格合併であっても、法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる行為又は計算が行われる場合が想定されないとはいい難い。同項は、典型的な租税回避行為としてあらかじめ想定されるものを対象として定めた具体的な否認規定にすぎない」などと判示し、法人税法は支配関係5年超の適格合併についても、同法132条の2が適用されることを予定しているものと解するのが相当と判断しました。

 

この裁判では、この判断に続き、合併の経緯やその後の事業態様等の事実認定を行い、合併法人が同法57条2項により被合併法人の繰越欠損金を引き継いでその所得金額の計算において損金の額に算入したことは「法人税の負担を不当に減少させる」ものと判断し、その損金算入を否認した国税局の処分を適法と認めました。合併法人は控訴中ですが、小職は高裁でも結論は変わらないだろうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/12/09)より転載

[解説ニュース]

美術品(重要文化財)を相続・売却した際の優遇措置について

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(青木 喬/税理士)

 

 

【問】

趣味で美術品の収集をしていますが、収集した日本絵画のうち1点が重要文化財に指定されています。

具体的な評価額は不明ですが、他にも財産があり多額の相続税が生じると考えています。相続税を金銭で納付することができない場合には物納になると思いますが、可能であればこの絵画は相続人に引き継いで貰いたいです。ただ、日常的な保存管理も必要であるため、相続人には負担を掛けると思います。もし相続人が将来的にこの絵画を相続することを了承しない場合には、適切に引き継いでくれる第三者に売却することも考えています。以上を踏まえ、相続の場合と譲渡の場合の税制についてそれぞれ教えてください。

 

 

【回答】

1. 相続の場合


(1)美術品の評価について

相続(遺贈)により取得した財産の価額は、相続が発生した時における時価になります。美術品についての時価の算定は、一般的に画廊やオークションハウスにて鑑定を行うこととなります。相続をした直後に相続人等が売却した場合には、その売却価額を時価とするケースもあります。

 

美術年鑑で記載されている価格は保存状態の良いものを画廊等で販売するときの価格になります。したがって、必ずしも所有されている絵画の時価を表しているものではありません。

 

なお美術品のなかでも「登録美術品」については、相続人からの申請により文化庁長官がその登録美術品の価格を評価し、その結果を通知します。

 

登録美術品制度とは、重要文化財や国宝、世界的に優れた美術品を所有者の申請により、国が審査のうえ登録し、登録した美術品を所有者から美術館に引渡して公開することにより、国民が優れた美術品を鑑賞する機会を拡大することを目的とした制度です。

 

(2)納税資金の手当てができない場合

相続税は金銭による納付が原則ですが、それが困難な場合、税務署長の許可を得て相続財産を物納することができます。物納可能な財産は以下の通りです。数字は物納に充てることができる財産の優先順位です。

 

 

①不動産、船舶、国債、地方債・上場株式等
②非上場株式等
③動産

 

 

美術品は③の動産に該当しますが、登録美術品については、上記の順序に関わらず物納の許可を受けることができます。ただ、相続が発生する前にこの美術品について国から登録を受けておく必要があります(相法41②、措法70の12①)。

 

(3)美術品についての相続税の納税猶予

物納により相続税の納付を行うことは可能ですが、所有権を失うため相続人に美術品を引き継ぐことができません。そこで、「特定の美術品についての相続税の納税猶予及び免除制度」を検討すべきでしょう。

 

この制度は、一定の条件を満たした美術館等に特定美術品(重要文化財として指定された絵画等の動産、登録有形文化財のうち一定のもの)を寄託(※)していた被相続人に相続が発生した場合において、相続人が寄託先美術館の設置者への寄託を継続するときは、納付すべき相続税額のうち、その特定美術品に係る課税価格(評価額)の80%に対応する相続税の納税が猶予される制度です(措法70の6の7)。
(※)被相続人において以下の手続が必要となります。

 

・寄託先美術館の設置者と契約期間、美術品を適切に公開する旨、基本的に所有者からの解約の申し入れができない旨を記載した寄託契約を結んでいること

・寄託契約の内容等を記載した保存活用計画について文化庁の認定を受けていること

 

2. 譲渡の場合


個人が絵画を譲渡した場合には、譲渡による所得について所得税が課税されます。事業所得・不動産所得・給与所得などと合算し、一般の累進税率を適用して税額を計算する総合課税により計算が行われます。

 

ところで、美術品のなかでも重要文化財について第三者に売却しようとするときは、事前に文化庁に「売却の相手方」や「予定対価の額」等を申し出る必要があります(文化財保護法46条)。これは文化財を適正に保護する観点から、国に優先買取権が認められているためです。ただ最近では、無届けの売買が多く、個人所有の重要文化財のほぼ半数の所在が確認できていないといわれています。

 

国が買い取る場合には、申出のあった予定対価の額で買い取りを行いますが、国に譲渡した場合の譲渡所得については、非課税とされています(措法40の2)。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/12/02)より転載

[M&Aニュース](2019年11月18日〜11月29日)

◇米フォートレス、ユニゾTOBで7度目の期間延長、◇コクヨ、ぺんてる株の買付価格を4200円に再引き上げ、◇ヤマノホールディングス<7571>、呉服・和装品小売り「かのこ」の一部店舗を取得、◇平安レイサービス<2344>、葬祭業「さがみライフサービス」とビジネスホテル経営「シンエイ・クリエート・サービス」を子会社化、◇フューチャー<4722>、東大発コンサルティングサービスのイノベーション・ラボラトリを子会社化、◇コーナン商事<7516>、パン・パシフィック傘下「ドイト」のホームセンター事業などを取得、◇エボラブルアジア<6191>、製茶・ショッピングサイト「「斐川茶園」運営のひかわを子会社化、◇富士紡ホールディングス<3104>、プラスチック金型設計・製造の藤岡モールドを子会社化 ほか

 

 

 

米フォートレス、ユニゾTOBで7度目の期間延長

◆不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対して子会社を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施している米投資会社フォートレス・インベストメント・グループは29日、同日を期限としていた買付期間を12月13日まで10営業日延長すると発表した。8月19日にTOBが始まって以降、買付期間の延長は7度目で、買付期間は80日に及ぶ異例の長さになっている。

この間、11月15日には4000円としていた買付価格を100円引き上げ、4100円とした。しかし、29日のユニゾ株の終値は4905円で、市場価格が買付価格を大きく上回り、TOB成立は依然困難視される。

ユニゾに対しては、米投資会社のブラックストーンがユニゾの合意を前提に1株5000円でTOBを持ちかけている。こうした状況下、ユニゾはTOBを実施中のフォートレストに買付価格を5000円に引き上げるよう求めている。

 

 

 

コクヨ、ぺんてる株の買付価格を4200円に再引き上げ

◆コクヨは29日、子会社化を目指す文具大手のぺんてる(東京都中央区)の株式の買付価格をこれまでの3750円から4200円に引き上げると発表した。買付価格の引き上げは2度目。ぺんてるを巡ってはコクヨによる敵対的買収に対抗して、同業大手のプラスがぺんてる経営陣の賛同を得る形で1株3500円で買い付けているが、これを700円上回ることになる。好条件を提示し、買い付けを有利に運ぶ狙いとみられる。

コクヨは11月15日に、ぺんてる株式を追加取得し、子会社化する方針を発表した。1株3500円で既存株主から株式を買い取り、37.8%の持ち株比率を50%超に引き上げることを目指していたが、その後、プラスが同じ3500円でぺんてる株を買い付けているとの情報を得たとして20日に250円を積み増して3750円としていた。プラスによるぺんてる株の買い付けの上限は33.4%で、下限は20%以上とされる。

コクヨによるぺんてる株の買付代金は46億1000万円以上となり、当初(1株3500円で買い付け)に比べ8億円近く増加する。

ぺんてる株の買付期間はコクヨが12月15日まで、プラスは12月10日まで。

 

 

 

ヤマノホールディングス<7571>、呉服・和装品小売り「かのこ」の一部店舗を取得

◆ヤマノホールディングスは、呉服・和装品の小売事業を手がける、かのこ(東京都中央区)の事業を29日付で取得した。取得価額は3000万円。かのこが北海道や関東で運営する10店舗のうちの一部店舗が対象。かのこは、売上高の落ち込みで収益悪化が続き、2019年2月期は12億9000万円の債務超過だった。

 

 

 

平安レイサービス<2344>、葬祭業「さがみライフサービス」とビジネスホテル経営「シンエイ・クリエート・サービス」を子会社化

◆平安レイサービスは、葬祭業のさがみライフサービス(神奈川県小田原市。売上高3億1400万円、営業利益△864万円、純資産9580万円)とビジネスホテル経営のシンエイ・クリエート・サービス(神奈川県開成町。売上高1億3300万円、営業利益860万円、純資産7830万円)の全株式をそれぞれ取得し、子会社化することを決めた。取得価額は現在協議中。取得予定日は2020年1月1日。

子会社化する対象2社は大株主が共通する兄弟会社の関係にある。さがみライフサービスは1998年に設立。一方のシンエイ・クリエート・サービスは1990年に設立し、ビジネスホテルの「ホテル開成」「鴨宮ステーションホテル」を神奈川県内で営む。

平安レイサービスは本拠を置く神奈川県内でトップクラスの冠婚葬祭会社。

 

 

 

フューチャー<4722>、東大発コンサルティングサービスのイノベーション・ラボラトリを子会社化

◆フューチャーは、東京大学発でイノベーション創出に向けた経営コンサルティングサービスを手がけるイノベーション・ラボラトリ(東京都台東区。売上高1億3000万円、営業利益400万円、純資産1800万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。取得価額は非公表。取得予定日は2019年12月26日。

 

 

 

コーナン商事<7516>、パン・パシフィック傘下「ドイト」のホームセンター事業などを取得

◆コーナン商事は、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(旧ドンキホーテホールディングス)傘下のドイト(さいたま市)からホームセンター事業とリフォーム事業を会社分割により取得することを決めた。ドイトは首都圏を中心に16店舗を運営し、事業継承する当該部門の売上高は148億円。取得価額は68億2000万円。取得予定日は2020年2月3日。

コーナン商事は近畿を地盤とするホームセンター大手。今年6月にはLIXILグループ系でプロ顧客向け会員制建築資材卸売店舗「建デポ」を運営する建デポ(東京都千代田区)を239億円で傘下に収めるなど、首都圏での事業基盤拡充に力を入れている。

 

 

 

エボラブルアジア<6191>、製茶・ショッピングサイト「「斐川茶園」運営のひかわを子会社化

◆エボラブルアジアは、製茶やネットショッピングサイト「斐川茶園」運営のひかわ(島根県出雲市。売上高30億6000万円、営業利益5100万円、純資産15億6000万円)を子会社化することを決めた。株式31.9%を取得したうえで、残る68.1%を株式交換を通じて取得する。ライフイノベーション事業強化の一環。

株式取得価額は非公表。株式取得予定日は2019年11月29日。株主交換日は2019年12月23日。ただし株式交換比率は未定。

 

 

 

富士紡ホールディングス<3104>、プラスチック金型設計・製造の藤岡モールドを子会社化

◆富士紡ホールディングスは、プラスチック用金型の設計・製造を手がける藤岡モールド(群馬県藤岡市)の全株式を取得し子会社化することを決議した。化成品事業強化の一環。2018年10月には同じくプラスチック用金型の東京金型(埼玉県越谷市)を傘下に収めており、今回の藤岡モールドの子会社化は東京金型を通じて行う。取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月6日。

 

 

 

インパクトホールディングス<6067>、セガサミー傘下でコールセンターなど受託のジェイエムエス・ユナイテッドを子会社化

◆インパクトホールディングス(HD)は、セガサミーホールディングス傘下でコールセンター・バックオフィスの受託事業を手がけるジェイエムエス・ユナイテッド(東京都新宿区。売上高53億4000万円、営業利益△1370万円、純資産9億5200万円)の全株式を取得して子会社化することを決議した。インパクトHDは2018年6月にジェイエムエスと人材サービス事業の相互補完を目的として業務提携していた。取得価額は9億5800万円。取得予定日は2020年1月31日。

 

 

 

アクロディア<3823>、オーガニックサプリ販売で営業休止中のエミシアを栄光01に譲渡

◆アクロディアは、オーガニックサプリ販売やオーガサロン経営のエミシア(東京都渋谷区。売上高-。営業利益-、純資産△2800万円)の全株式を、投資会社の栄光01(横浜市)に譲渡することを決議した。アクロディアは2016年6月にエミシアを傘下に収めた。しかし、譲渡元に必要な義務の不履行があったとして、株式譲渡契約の解除に伴う損害賠償請求訴訟を提起していた経緯がある(現在は係争終結)。

譲渡価額は1円。譲渡日は2019年11月29日。

 

 

 

中央自動車工業<8117>、三菱商事傘下で全損認定車両処分業務を手がけるABTを子会社化

◆中央自動車工業は、三菱商事の全額出資子会社で損害保険会社の全損認定車両処分に関する業務を手がけるABT(東京都千代田区。売上高54億2000万円、営業利益8億400万円、純資産3億9500万円)を買収することを決議した。ABT株式91%を11月28日付で取得し子会社化したうえで、残りの株式については株式交換を通じて12月20日に取得する。新規顧客の獲得や既存顧客との取引深耕などの相乗効果を期待している。

株式取得価額は52億2500万円。株式交換比率は中央自動車1:ABT1万3266で、ABT1株に対して中央自動車の1万3266株を割り当てる。

 

 

 

三谷商事<8066>、シンガポールの食品卸MJIを子会社化

◆三谷商事は、食品卸売業のシンガポールMJI UNIVERSAL PTE. LTD. (売上高214億円、営業利益4億3000万円、純資産13億7000万円)の株式70%を取得し、28日付で子会社化した。MJIは海外大手食肉会社から畜産用配合飼料の原料を輸入し、インドネシアや中国などアジア諸国で販売している。取得価額は非公表。

三谷商事は化学品や情報システム、建設資材などの取り扱いを主力とするが、近年、国内外で新たな事業領域の開拓に力を入れており、この一環。

 

 

 

パナソニック<6752>、半導体事業を台湾の新唐科技に売却へ

◆パナソニックは28日、半導体事業から撤退すると発表した。半導体事業を手がける子会社のパナソニックセミコンダクターソリューションズ(京都府長岡京市)の全株式を台湾の新唐科技(Nuvoton Technology Corporation)に売却する。2020年6月1日付で売却完了を目指す。売却金額は2億5000万ドル(約270億円)。

パナソニックはオランダのフィリップスとの合弁会社を設立して半導体事業に参入した。1957年に半導体の生産を開始し、1990年代には世界的規模を誇った。韓国や台湾などの海外勢の台頭で、近年は業績が急速に悪化し、工場売却や事業再編などの構造改革を進めてきたが、赤字脱却が困難となっていた。

 

 

 

東京センチュリー<8439>、米の独立系リース・ファイナンス会社Allegiant Partners を子会社化

◆東京センチュリーは、米の独立系リース・ファイナンス会社Allegiant Partners Incorporated(オレゴン州。総資産約97億円)の全株式を取得し子会社化した。Allegiantは中小型トラックや樹木整備機器を中心に取り扱い、顧客数は全米で約3000社。

東京センチュリーはリース・ファイナンスを手がける米子会社Tokyo Century(ニューヨーク州)を通じて傘下に収める。東海岸を本拠にTokyo Centuryと西海岸に強みを持つAllegiantの地域補完により、米での事業連携を進める。取得価額、取得日は非公表。

 

 

 

駒井ハルテック<5915>、川重ファシリテックから鉄構工事業を取得

◆駒井ハルテックは、川崎重工業子会社の川重ファシリテック(兵庫県播磨町)から鉄構工事業を取得することを決議した。橋梁事業と並ぶ鉄骨事業の強化が狙い。川重ファシリテックが鉄構工事業を切り出すために2020年1月に設立する新会社(北九州市)の株式66.6%を取得し、子会社化する形とする。取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

 

 

 

フジ住宅<8860>、大阪地場の雄健建設グループ3社を子会社化

◆フジ住宅は、地場建設会社の雄健建設(大阪市。売上高29億7000万円、営業利益1億4600万円、純資産5億6800万円)をはじめ雄健建設グループ3社の全株式を取得し、子会社化することを決議した。

雄健建設は鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建築工事を主力とし、大阪府内を中心に施工実績を持つ。フジ住宅は雄健建設グループを傘下に取り込むことで、木造以外の住宅についても提供できる体制づくりを目指す。

雄健建設は、電気工事の関西電設工業(大阪市。売上高8億4800万円、営業利益3200万円、純資産2億3700万円)、空調・給排水設備工事の日建設備工業(大阪市。売上高8700万円、営業利益0、純資産8200万円)とともにグループを形成する。3社の社長を務める三井正雄氏が各社の全株式を保有する。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月29日。

 

 

 

丸一鋼管<5463>、神鋼傘下のコベルコ鋼管を子会社化

◆丸一鋼管は、神戸製鋼所傘下でシームレス(継ぎ目なし)ステンレス鋼管の専業メーカー、コベルコ鋼管(山口県下関市。売上高260億円、営業利益10億8000万円、純資産122億円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。丸一鋼管は溶接鋼管のトップメーカーだが、国内市場が縮小する中、新たな商品分野への進出を検討していた。取得価額は約138億円。取得予定日は2020年4月1日。

コベルコ鋼管は1996年に神戸製鋼所から神鋼特殊鋼管として独立し、2016年から現社名となった。配管や熱交換機用のシームレスステンレス鋼管を主力に、今後成長が期待される半導体用クリーンパイプや直噴エンジン用燃料噴射管に使われる精密細管で高い技術力を持つ。

丸一鋼管はコベルコ鋼管を傘下に取り込むことで、新たな成長分野に進出が可能になると判断した。

 

 

 

メガチップス<6875>、米と台湾の子会社のSC事業部門をケイマンKineticに譲渡

◆メガチップスは、米国と台湾の子会社でディスプレー周辺の半導体製品を手がけるスマート・コネクティビィティ事業(SC事業)部門を、半導体製品設計・開発のケイマン諸島Kinetic Technologiesに譲渡することを決めた。事業構造改革の一環。譲渡価額は27億5000万円。譲渡予定日は2019年12月。

SC事業部門を譲渡するのは米メガチップス・テクノロジー・アメリカ(MCA、カリフォルニア州)と台湾の信芯股份有限公司(MCT、台北市)。対象事業部門の直近売上高は約66億円。MCAは事業部門の譲渡後、会社を解散するが、米国内の別のグループ会社を拠点に事業活動を継続する。

 

 

 

プロトコーポレーション<4298>、自動車関連情報の台湾子会社「台湾寶路多股份有限公司」を経営陣に譲渡

◆プロトコーポレーションは、自動車関連情報サイトを運営する台湾子会社、台湾寶路多股份有限公司(新北市。売上高2億4300万円、営業利益△7900万円、純資産8600万円)の全株式を、台湾寶路多董事兼総経理の鈴木伸隆氏に譲渡することを決議した。譲渡価額は1000円。譲渡予定日は2020年1月1日。

プロトコーポレーションは自動車関連情報事業を海外展開するため、2011年に台湾に現地法人を設立し、主に自動車関連の広告ビジネスに取り組んできた。しかし、事業基盤を確立できない状況が続いていることから、事業の選択と集中の一環として、撤退を決めた。

 

 

 

ロイヤルホールディングス<8179>、西洋フード・コンパスグループからサービスエリアなどの食堂・売店事業を取得

◆ロイヤルホールディングス(HD)は、西洋フード・コンパスグループ(東京都中央区)から、サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)における食堂や売店などの運営(コントラクトサービス)事業を取得することを決議した。西洋フーズが対象事業を新会社に移管したうえで、ロイヤルHDがこの新会社の全株式を2023年12月までに段階的に取得し、子会社化する。取得価額は155億円。

西洋フードは子会社のエムエフエス(東京都中央区)と合わせ、海老名SA(下り線)、海ほたるPA、足柄SA(上り線)など合計12拠点で事業を運営している。事業の受け皿となる新会社シーエフエス(東京都中央区)は西洋フーズが100%出資で設立。ロイヤルHDは第一段階として2020年2月1日にシーエフエスの株式50%を取得。続いて2021年12月1日に66.66%、2022年12月1日に94.99%まで持ち株比率を高め、2023年12月1日に残りを取得する。

取得対象事業の直近業績は売上高129億円、営業利益10億円、純資産22億円。

 

 

 

ヤギ<7460>、ヘルスケア関連ベンチャー企業のDream boxを子会社化

◆ヤギは、ヘルスケア関連ベンチャー企業のDream box(福岡市)の全株式を取得し26日付で子会社化した。ヘルスケアとITを融合したヘルステック分野のアパレル商材の開発などを目指す。取得価額は非公表。

Dream boxは2018年6月に設立。フィットネス商材の開発、健康食品・美容品の月額課金制(サブスクリプション)販売、健康管理アプリなどを手がけている。

 

 

 

国際紙パルプ商事<9274>、豪同業Wilmaridgeから紙・板紙の卸売事業を取得

◆国際紙パルプ商事は豪州子会社 Spicers Limited(メルボルン)を通じて、現地同業Wilmaridge Pty Ltd(メルボルン)が営む紙・板紙などの卸売事業を取得することを決めた。取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月1日。

国際紙パルプは今年7月に約73億円を投じて紙・包装資材・紙関連製品 の卸売大手Spicersを傘下に収めた。新たに商業印刷用紙や包装資材、食品用包装材などに強みを持つWilmaridgeの事業を取り込むことで、成長が見込まれる豪市場でのビジネス拡大につなげる。

 

 

 

 

鳥居薬品<4551>、尿酸排泄薬「ユリノーム」をトーアエイヨーに譲渡

◆鳥居薬品は、尿酸排泄薬「ユリノーム錠50mg」「ユリノーム錠25mg」の日本における製造販売承認を、医薬品製造のトーアエイヨー(東京都中央区)に譲渡することを決めた。ユリノームは1979年に発売し、直近売上高は約6億円。新製品に注力する中、長期収載品であるユリノームについては他社への譲渡を検討していた。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年4月1日。

 

 

旭化成<3407>、米製薬会社のベロキシスを1432億円で買収へ

◆旭化成は25日、米製薬会社のベロキシス・ファーマシューティカルズ(ノースカロライナ州)を約1432億円で買収すると発表した。旭化成はデンマーク子会社を通じて、ベロキシス株式を100%保有するデンマークの親会社に対して12月中にTOB(株式公開買い付け)を実施する。買付価格は1株につき6デンマーククローネ(約97円)。議決権比率の80%以上の応募をTOB成立の前提としている。ベロキシス側の主要株主、経営陣からはTOBに同意を得ている。

ベロキシスの製品は腎移植手術患者向けの免疫抑制剤で、独自のドラッグデリバリー技術(体内での吸収・分布・代謝・排泄をコントロールし、薬物の効果を高め、副作用を抑える技術)を活用して他社と差別化を図っている。米国医薬品市場で事業基盤を持つベロキシスを傘下に取り込み、日本・アジアに強みを持つ旭化成との相乗効果を引き出し、医薬品事業の拡大につなげる。

 

 

 

シモジマ<7482>、包装資材メーカーの朝日樹脂工業を子会社化

◆シモジマは、包装資材メーカーの朝日樹脂工業(千葉県流山市。売上高16億8000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

朝日樹脂工業は1968年に創業。ポリエチレン、ポリプロピレンなど化学樹脂製品の包装資材を製造・販売し、「工場・物流」分野に強みを持つ。シモジマは「小売・流通」を得意とするが、同社を傘下に取り込むことで、商品供給体制の充実を見込む。今年10月に子会社化したミタチパッケージ(兵庫県姫路市)との連携も含めて、互いの販路・製品・サービスで協力関係を強め、相乗効果を引き出す。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年12月19日。

 

 

 

ポールトゥウィン・ピットクルーHD<3657>、IPコンテンツプロデュース事業などのCRESTを子会社化

◆ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングスは、IP(知的財産権)コンテンツプロデュース事業などを手がけるCREST(東京都新宿区。売上高2020万円、営業利益△848万円、純資産△353万円)が実施する第三者割当増資を引き受け、同社発行済み株式の60%を取得し、子会社化することを決議した。

ポールトゥウィンはゲームソフトの不具合検出などを行うデバッグ・検証事業を主力事業の一つとする。これまでCREST子会社でゲーム開発人材のマッチングサービス事業を行うCREST JOB(東京都新宿区)に40%出資していたが、CREST本体を傘下に取り込み、協業体制を築くことで企業価値向上につなげる。

取得価額は3億円。取得予定日は2019年11月29日。

 

 

 

キリンホールディングス<2503>、豪子会社の飲料事業を中国・蒙牛乳業に売却

◆キリンホールディングス(HD)は25日、豪州の総合飲料子会社Lion-Dairy and Drinks Pty Ltd(ライオン、メルボルン)の飲料事業を中国蒙牛乳業有限公司に売却すると発表した。売却金額は約600万豪ドル(約456億円)。不振の飲料部門を切り離し、ビールなど酒類事業に経営資源を集中する。2020年上半期に売却手続きを終える見通し。

ライオンの飲料事業はキリンHDが2007年に約2900億円で買収した豪ナショナルフーズが母体。牛乳、乳飲料、ヨーグルト、果汁飲料、氷菓子などを手がけ、2018年12月期の業績は売上高1334億円。一連の飲料事業については今年4月に約571億円の減損損失の計上を発表し、チーズ事業をカナダ企業に売却するなどの構造改革を進めてきた。

飲料事業を整理後、酒類事業はクラフトビールや大人向けプレミアム飲料といった新たな成長分野を重点的に育成し、オセアニア地域で市場拡大を目指す。

 

 

 

FPG<7148>、セスナ機運航の北日本航空を子会社化

◆FPGは、セスナ機によるチャーターフライト(貸し切り飛行)や遊覧飛行を手がける北日本航空(岩手県花巻市。売上高9190万円、営業利益△2840万円、純資産△2億4400万円)の全株式を取得し、25日付で子会社化した。

北日本航空は1981年に設立し、航空機撮影や航空測量、遊覧飛行などのほか、沖縄事業所(那覇市)では離島に所在する病院へのドクター搬送に特化したチャーターフライトに従事している。ただ、業績は低迷し、債務超過に陥っている。

FPGは社会的に有意義な事業を展開する同社を戦略的株式投資として完全子会社化し、収益改善を進める。将来的にはFPGの顧客基盤の一つである個人富裕層向けにプライベートジェット事業への展開も目指すとしている。

取得価額は非公表。

 

 

 

スタンレー電気<6923>、窒化アルミニウム半導体基板開発の米HexaTechを子会社化

◆スタンレー電気は、窒化アルミニウム(AlN)半導体基板を開発・製造する米HexaTech(ノースカロライナ州。資本金31億円、売上高1億5000万円、営業利益△3億4000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。AlN半導体基板の供給体制を確立し、深紫外LED(発光ダイオード)製品の開発・量産スピードを高め、殺菌市場の開拓を促進する。HexaTechは2001年設立で、2019年から両社は共同開発関係にある。取得価額は約42億円。取得予定日は非公表。

 

 

 

サン・ライフホールディング<7040>、東京霊園を管理、運営する高尾山観光開発を子会社化

◆サン・ライフホールディングは日立製作所から東京霊園を管理、運営する高尾山観光開発(東京都八王子市。売上高2億9600万円、営業利益2800万円、純資産15億7500万円)の株式を取得し、子会社化することを決議した。

日立製作所の保有株式(保有割合72.22%)と自己株式(保有割合27.78%)をすべて買い取る。

サン・ライフホールディングの主力事業である冠婚葬祭互助会事業と、東京霊園との親和性が高く、葬儀の延長として霊園への埋葬を組み込むことで、一貫した質の高い事業が可能になると判断した。

取得価格は13億8800万円。取得予定日は2020年1月。

 

 

 

リズム時計工業<7769>、外国製腕時計などの輸入を手がけるアイ・ネクストジーイーを子会社化

◆リズム時計工業は外国製腕時計や海外雑貨などの輸入を手がけるアイ・ネクストジーイー(東京都品川区、売上高10億8594万円、営業利益892万円、純利益3億1039万円)の90%の株式を取得し、子会社化することを決議した。

アイ・ネクストジーイーは北欧ブランドを中心とした腕時計、クロック、北欧雑貨などを輸入し、時計小売店や卸会社に販売しており、同社を子会社化することで時計の事業領域が拡大すると判断した。

取得価格は非公表。取得予定日は2020年1月31日。

 

 

 

豊田合成<7282>、自動車向けシーリング部品メーカーのドイツ子会社を譲渡

◆豊田合成は自動車向けシーリング部品メーカーのドイツ子会社・豊田合成メテオール(売上高145億2000万円、営業損益△43億2000万円、純資産△63億6000万円)の全株式をドイツのプライベートエクイティファンドの傘下企業であるSCUR-Alpha 1123 GmbHに譲渡することを決議した。

各地域の収益構造改革を進めてきたが、欧州事業では苦戦が続いてため、豊田合成メテオールと、その子会社である米国のメテオールシーリングシステムを手放すことにした。これに伴い、豊田合成は2020年3月期に210億円を事業整理損失として計上する。

譲渡価格は非公表。譲渡予定日は2019年12月末。

 

 

 

藤井産業<9906>、路面切削工事専門会社の日本切削工業を子会社化

◆藤井産業は路面切削工事専門会社の日本切削工業(栃木県小山市。売上高2億8100万円、営業利益4800万円、純資産1億1800万円)の全株式を取得し、完全子会社化した。

日本切削工業は栃木県内唯一の切削工事事業者で、道路補修で用いる特殊な道路機械を操る高度なオペレーション技能を持つ。子会社化で社会インフラに重要な道路の維持補修を栃木県エリア中心に担っていく。

取得価格は非公表。取得日は2019年11月22日。

 

 

 

イルグルム<3690>、オプトの広告効果測定ツール事業を譲受

◆イルグルムはオプト(東京都千代田区)から広告効果測定ツール「ADPLAN」を提供する事業(2018年12月期事業売上高2億8600万円、同事業営業利益非公表)を譲り受けることを決めた。

イルグルムは主力のマーケティングプラットフォーム事業で広告効果測定ツールの「ADEBiS(アドエビス)」を提供している。これにオプトの「ADPLAN」を加えることにより広告効果測定ビジネスでの市場競争力を強化し、事業の成長を狙う。

譲受価格は未定だが、現金により決済する見込み。譲受予定日は2020年1月の予定。

 

 

 

ソフィアホールディングス<6942>、子会社を通じてなのはなの調剤薬局事業を譲受

◆ソフィアホールディングス(ソフィアHD)は子会社のルナ調剤を通じて、なのはな(宮城県塩竃市)の調剤薬局事業(事業売上高3億2000万円、事業営業利益300万円)を譲り受けることを決めた。

譲受する調剤薬局は、宮城県多賀城市の2店舗と同岩沼市の1店舗の合計3店舗。譲受事業の固定資産はのれんや設備などを含めて2億8500万円。ソフィアHDは引き続きM&Aによる調剤薬局事業の拡大を図る。

譲受価格は3億1000万円で、現金により決済する。譲受予定日は2020年1月1日。

 

 

 

テクマトリックス<3762>、金融市場系システム開発の山崎情報設計を子会社化

◆テクマトリックスは、金融機関向け市場系システム開発の山崎情報設計(東京都千代田区。売上高・営業利益・純資産非公表)が実施する第三者割当増資を引き受けて同社発行済株式総数の51%を取得し、子会社化すると発表した。

山崎情報設計はITスペシャリストと金融機関出身者が立ち上げた金融系ITベンチャー企業。累計120サイト以上のライセンス出荷実績がある金融機関向けパッケージ製品「Apreccia(アプレシア)」シリーズの設計・開発を手がけている。

テクマトリックスは金融機関向けの時価評価や約定管理、市場・信用リスクなどの機能を網羅したソリューション群の開発を手がける。同社は2009年に山崎情報設計が提供する市場系業務管理システム「Apreccia」の正規販売代理店となり、銀行・証券・商社など多数の企業向けの導入してきた。

子会社化により、テクマトリックスが持つ営業推進力、開発力・プロジェクトマネジメント力と、山崎情報設計が持つ製品企画・開発力を融合し、金融機関に対するトータルソリューション提供の実現を目指す。

取得価格と株式取得予定日は非公表。

 

 

 

日精樹脂工業<6293>、伊射出成形機のネグリ・ボッシグループを子会社化

◆日精樹脂工業は射出成形機を製造・販売するイタリアのNEGRI BOSSI S.P.A.(ネグリ・ボッシ社、ミラノ。売上高9454万4000ユーロ=113億6970万円、営業利益△34万5000ユーロ=△4148万円、純資産1032万2000ユーロ=12億4130万円)グループの株式75%を取得し、子会社化することを決議した。3年後をめどに完全子会社化する。

ボッシ社は1947年にイタリア・ミラノ市で起業した同国最大手の射出成形機メーカーだ。超大型射出成形機と成形システムを得意とし、自動車産業を中心に個々の顧客に合わせた製品・ソリューションを提供している。

日精樹脂工業はボッシ社の買収により、射出成形機分野での事業領域の拡大・強化を図る。併せて両社が得意とする射出成形機と射出成形技術を組み合わせることで、それぞれの製品ポートフォリオの拡大と、より広い顧客層に対する包括的なソリューションを提供していく。さらに日精樹脂工業が得意とする中・小型電動射出成形機の事業拡大を図るために、ボッシ社の研究開発力と販売力を活用する。

取得価格は未定。株式取得予定日は2020年1月の予定。

 

 

 

fonfun<2323>、武蔵野のボイスメール事業を譲受

◆fonfunは武蔵野(東京都小金井市)から、スマートフォンなどで音声データをメールのように送受信するボイスメール事業(事業売上高9700万円、事業営業利益5200万円)を譲り受けることを決めた。

fonfunはメールやショートメッセージ、チャットサービスなどの文字ベースのコミュニケーションサービスを展開しているが、音声情報や画像によるコミュニケーションサービスが不足しているため、武蔵野のボイスメールサービスを譲り受けることで相乗効果が期待できると判断した。

譲受価格は1億9000万円。譲受予定日は2019年12月6日。

 

 

 

ケア21<2373>、就労移行支援事業を手がける子会社かがやく学び舎を譲渡

◆ケア21は子会社のかがやく学び舎(東京都江東区。売上高319万円、営業利益△2383万円、純資産△1824万円)の保有全株式(保有割合50.0%)を野口(東京都江東区)に譲渡することを決議した。

かがやく学び舎は障がい者の就労に必要な知識や能力の向上のための訓練、就労に関する相談や支援を行う目的で、2017年6月に野口と折半出資で設立した企業。野口から就労移行支援型事業を承継したいとの意向表明があったため、株式を譲渡することにした。

譲渡価格は500万円。譲渡予定日は2019年12月2日。

 

 

 

プラップジャパン<2449>、シンガポールの広告代理店を子会社化

◆プラップジャパンはシンガポールで広告代理事業を手がけるポインツシンガポール(売上高95万8000シンガポールドル=約7568万円、営業利益約2万8000シンガポールドル=約221万円、純資産約19万3000シンガポールドル=約1524万円)の株式51%を取得し、子会社化することを決議した。

2018年に設立した海外子会社PRAP SINGAPORE PTE. LTD.と、ポインツシンガポールが有するプロモーションノウハウとのシナジー効果が見込めると判断した。

またポインツシンガポールの関連会社であるポインツジャパン(東京都千代田区)の全株式を2019年12月までに取得する予定。

具体的な株式の取得方法は今後詰める。株式取得予定日は2020年2月。

 

 

 

日本賃貸住宅投資法人<8986>、ヘルスケア施設投資信託の日本ヘルスケア投資法人<3308>を吸収合併

◆賃貸住宅を対象とするJ-REIT(日本版不動産投資信託)の日本賃貸住宅投資法人(JRH)は、ヘルスケア施設を投資対象とするJ-REITの日本ヘルスケア投資法人(NHI、営業収益7億500万円、営業利益2億8100万円、純資産102億9300万円)を2020年4月1日付で吸収合併することを決議した。

JRHは東京都23区を含む3大都市圏を中心に全国の賃貸住宅へ投資している。一方、NHIは全国のヘルスケア施設へ投資している。両社とも大和証券グループ子会社の大和リアル・エステート・アセット・マネジメントが資産運用会社だ。合併により投資先を相互補完し、ポートフォリオの収益安定性向上とリスク分散を図る。

合併比率は存続法人のJRHが1に対して消滅法人のNHIが2.05。NHI投資口1口につきJRH投資口2.05口を割り当てる。

 

 

 

Zホールディングス<4689>、LINE<3938>と経営統合

◆IT大手ヤフーの持株会社であるZホールディングスと、通信アプリ大手のLINEは経営統合することを決めた。

LINEの親会社である韓国のNAVER(保有割合72.6%)と、Zホールディングスの親会社であるソフトバンク(保有割合44.6%)が、LINEの非公開化を目的にTOB(株式の公開買い付け)を行い、LINEの全株式をソフトバンクとNAVERの両社が保有する。

その後ソフトバンクが保有するZホールディングス株をLINEに移管するとともに、LINEの議決権割合がNAVERとソフトバンクで50:50となる取引を行い、ソフトバンクはLINEを連結子会社化する。

合わせてLINEが新たにLINE承継会社を設立し、LINEの全事業を承継させる吸収分割を実施した後、Zホールディングスを株式交換完全親会社とし、LINE承継会社を株式交換完全子会社とする株式交換を行い、Zホールディングスが、LINE承継会社を傘下に収める。

株式交換はLINE承継会社の株式1株につき、Zホールディングス株式11.75株を割り当てる。吸収分割効力発生日、株式交換効力発行日はいずれも2020年10月の予定。

月間利用者が6743万人のヤフーをかかえるZホールディングスと月間利用者が約8200万人のLINEが互いのサービスを連携させることで、双方の事業拡大を目指す。

 

 

 

日本調剤<3341>、薬栄、新栄メディカル、センチュリーオブジャスティスを子会社化

◆日本調剤は、調剤薬局の薬栄(東京都新宿区。売上高56億5100万円、営業利益9700万円、純資産19億1000万円)、新栄メディカル(東京都武蔵野市。売上高0円、営業利益0円、純資産3600万円)、センチュリーオブジャスティス(東京都渋谷区。売上高2億6600万円、営業利益1600万円、純資産1億2300万円)の3社の全株式を取得し、子会社化することを決議した。

3社は東京都を中心に千葉県、埼玉県、神奈川県の 1 都 3 県に調剤薬局 19 店舗を展開しており、子会社化により店舗網を拡充するのが狙い。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年12月25日。

 

 

 

GMOインターネット<9449>、フリーWi-Fi自動接続アプリのタウンWiFiを子会社化

◆GMOインターネットはフリーWi-Fi自動接続アプリを展開するタウンWiFi(東京都港区)の株式をGMOアドパートナーズと合わせて50.4%(GMOインターネット45.4%、GMOアドパートナーズ5.0%)を取得し、子会社化した。

タウンWiFiが有する技術力や顧客基盤が、GMOインターネットグループが展開するインターネット接続サービスやインターネット広告、メディア事業との間で相乗効果が見込めるほか、タウンWiFiもGMOインターネットグループの経営ノウハウやブランド力を活用することで、事業拡大が可能と判断した。

取得価額は非公表。取得日は2019年11月18日。

 

 

 

三菱ケミカルホールディングス<4188>、子会社の田辺三菱製薬をTOBで完全子会社化

◆三菱ケミカルホールディングスは18日、子会社の田辺三菱製薬(東証1部上場)に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。現在の56.39%の持ち株比率を100%に引き上げる。

田辺三菱製薬は2007年10月に、田辺製薬と三菱ウェルファーマが合併して誕生した企業で、合併時に三菱ウェルファーマの親会社だった三菱ケミカルホールディングスが株式の過半数を保有した。

両社による知的財産や人材などの相互活用や、経営資源投入などの連携や協業が十分でないと判断、完全子会社化によって研究開発費の増額や先行投資、技術交流などを進め相乗効果を高めることにした。

買付価格は1株2010円で、TOB公表の前営業日の終値1313円に53.08%のプレミアムを加えた。買付予定数は2億4466万6211株で、買付代金は約4917億7900万円。買付予定数の下限は5767万731株。応募株数が下限に満たない場合は、買い付けを行わない。

買付期間は2019年11月19日から2020年1月7日までで、決済開始日は2020年1月15日。買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券とカブドットコム証券。

 

 

 

日本調剤<3341>、薬栄、新栄メディカル、センチュリーオブジャスティスを子会社化

◆日本調剤は、調剤薬局の薬栄(東京都新宿区。売上高56億5100万円、営業利益9700万円、純資産19億1000万円)、新栄メディカル(東京都武蔵野市。売上高0円、営業利益0円、純資産3600万円)、センチュリーオブジャスティス(東京都渋谷区。売上高2億6600万円、営業利益1600万円、純資産1億2300万円)の3社の全株式を取得し、子会社化することを決議した。

3社は東京都を中心に千葉県、埼玉県、神奈川県の 1 都 3 県に調剤薬局 19 店舗を展開しており、子会社化により店舗網を拡充するのが狙い。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年12月25日。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

特別縁故者に対する相続財産の分与と相続税

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(廣瀬 理佐/税理士)

 

 

[関連解説]

■離婚に伴い自宅を財産分与する場合の税務上の取扱い等-1/2 ~財産分与をする側~

■不動産の財産分与があった場合の不動産取得税

 

 

【事例】

被相続人甲は、平成28年1月に死亡しました。甲と生計を一にしていたAは、甲の死亡により死亡保険金7,000万円を取得したことから、平成28年11月に相続税の期限内申告をしました。

 

甲には相続人がいなかったことから、Aは家庭裁判所に対し甲の特別縁故者であるとして相続財産の分与を申し立てたところ、家庭裁判所の審判があり、平成30年5月1日に、被相続人が所有していた土地(相続開始時の相続税評価額:5,000万円、分与時の相続税評価額:5,500万円)の分与があったことを知りました。

 

①Aの相続税の修正申告書の提出期限はいつですか。
②相続税の計算における土地の評価額はいくらですか。
③Aが分与を受けた土地に係る相続税の課税関係は、平成28年と平成30年のいずれの法令に拠りますか。

 

 

1.特別縁故者が相続財産の分与を受ける場合

被相続人に相続人が存在しない場合などは、最終的に相続財産は国庫に帰属しますが、特別縁故者が財産を取得する場合もあります。

 

特別縁故者とは「被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者」(民法958条の3第1項)とされていますが、具体的に特別縁故者に該当するか否かは家庭裁判所の判断に委ねられています。

 

特別縁故者が相続財産の分与を受けるまでには次のような手続があり、事案により異なりますが、被相続人の相続開始から相続財産分与の審判の確定までには相当の期間がかかります(最短でも13か月以上)。

 

<相続財産法人の成立>
<相続財産管理人の選任と公告>
↓ 2か月以内
<相続債権者等に対する請求申出公告>
↓ 2か月以上
<相続人の捜索の公告>
↓ 6か月以上
相続人の不存在の確定
↓ 3か月以内
<「特別縁故者に対する財産分与」の申立て>

<相続財産分与の審判の確定>

 

2.相続財産の分与を受けた特別受益者に係る相続税

相続財産の分与を受けた特別縁故者は、被相続人から遺贈により財産を取得したものとみなされますが、その相続税の計算には次のような留意点があります。

 

(1)相続財産の評価

特別縁故者は「その与えられた時におけるその財産の時価に相当する金額」を取得したものみなす、と規定されており、例えば相続財産の分与により取得した土地等は、被相続人の相続開始日における時価ではなく、実際に分与を受けた時における時価(相続税評価額)で評価します。

 

(2)負担した債務又は葬式費用

特別縁故者が被相続人の入院費用等を負担していた場合でこれらの費用を別途相続財産から受け取っていない場合には、分与財産の額からこれらの費用を控除した価額をもって分与された価額として扱います。

 

(3)3年以内贈与加算

特別縁故者が被相続人から受けた相続開始前3年以内の贈与も3年以内贈与加算の対象となります。

 

(4)相続税の総額の計算

相続税の総額は相続財産の分与を受けた特別縁故者の課税価格(分与を受けた特別縁故者が2名以上いる場合には、その合計額)から基礎控除額を控除した後の残額に税率を乗じて計算します。被相続人には相続人がいませんので、基礎控除額は3,000万円です。

 

(5)相続税額の加算

特別縁故者も相続税額の2割加算の対象となります。

 

(6)税額控除

贈与税額控除と、分与を受けた相続財産の中に在外財産がある場合の外国税額控除の適用はありますが、その他の税額控除の適用はありません。

 

(7)相続税の申告期限

相続税の申告期限は、審判が確定し相続財産の分与を受けたことを知った日の翌日から10か月以内です。

 

 

3.事例へのあてはめ

①修正申告書の提出期限は、平成31年3月1日です。相続財産の分与により相続税額に不足が生じた場合でも修正申告による過少申告加算税はありません。
②土地の評価額は、5,500万円(分与時の相続税評価額)です。
③Aが分与を受けた土地に係る相続税の課税関係は、平成28年(相続開始時)の法令に拠ります。
(相続税法4条1項、相続税法基本通達4-3、4-4)

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/11/18)より転載

[M&Aニュース](2019年11月6日〜11月15日)

◇米フォートレス、ユニゾ株のTOB価格を100円引き上げ「4100円」に、◇コクヨ<7984>、子会社化へ「ぺんてる」株式を買い付け、1株3500円、◇JFLAホールディングス<3069>、ケータリング事業の仏子会社Riem Becker を譲渡、◇アイカ工業<4206>、ベトナムのメラミン化粧板販売会社CHIグループ各社の事業を取得、◇リンクアンドモチベーション<2170>、就職・転職情報プラットフォーム運営のオープンワークを子会社化、◇テノ.ホールディングス<7037>、トップランから介護事業を取得、◇プレミアグループ<7199>、クレジット事業拡大で中央債権回収を子会社化、◇ドリコム<3793>、イグニス傘下スタジオキングからスマホゲーム「ぼくとドラゴン」など2タイトルを取得、◇フリュー<6238>、オンラインゲーム事業子会社のコアエッジを経営陣に譲渡、◇モブキャストホールディングス<3664>、ゲームIPマネジメント事業のゲームゲートを子会社化・吸収合併 ほか

 

 

 

●M&Aの目的、手法、メリットと流れに関する解説をご覧になりたい方は、下記をご参照ください。

▷参考URL:M&Aとは?M&Aの目的、手法、メリットと流れ【図解付き】/FUNDBOOK

 


 

 

米フォートレス、ユニゾ株のTOB価格を100円引き上げ「4100円」に

◆不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対して子会社を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施している米投資会社フォートレス・インベストメント・グループは15日、4000円としていた買付価格を100円引き上げ、4100円にすると発表した。併せて、同日を期限としていた買付期間を11月29日まで10営業日延長したが、これで買付期間は70営業日に及ぶ。買付価格の変更は8月19日にTOBが始まって以来初めて。一方、買付期間の延長は6度目。

15日のユニゾ株の終値は4970円。フォートレスは今回、買付価格を引き上げたものの、これを市場価格が上回り、TOBの成立は依然困難な状況にある。

ユニゾは9月末に、フォートレスによるTOBへの賛成を撤回した。旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の敵対的TOBに対抗して、ユニゾの支持で友好的買収者として登場したフォートレスだが、TOB進行中に一転して賛同を得られない異例の展開となっている。

これとは別に、米投資会社のブラックストーンもユニゾに対して同社の合意を前提に1株5000円でTOBを持ちかけている。

 

 

 

コクヨ<7984>、子会社化へ「ぺんてる」株式を買い付け、1株3500円 

◆コクヨは15日、文具大手のぺんてる(東京都中央区。売上高403億円、営業利益16億円、純資産208億円)の株式を追加取得し、連結子会社化すると発表した。議決権ベースで37.8%の持ち株比率を過半にあたる50%超に引き上げる。コクヨが求めている業務提携契約の締結について、ぺんてる側が誠実な協議を行わず、株主名簿の開示を拒み続けていることなどから、過半数の株式取得を通じて経営権の掌握を目指す。

買付価格は1株につき3500円。取得株式数は109万7752株以上を予定し、買付代金は38億4200万円以上。ただ、買付予定数の下限・上限は設けていない。株式の取得実行日は11月15日から12月15日までの1日または複数日を予定している。

コクヨは9月に投資会社のマーキュリアインベストメントを通じて間接保有していたぺんてるの株式約37%を直接保有に切り替えた。これに伴い、コクヨが持ちかけた業務提携を拒んできたぺんてるが方向を転換し、両社は協力関係構築に向けた協議を開始することで合意した。

しかし、その後も、ぺんてるが非協力的な姿勢を続け、さらに第三者との資本業務提携の可能性が浮上していたという。第三者によるぺんてる株式の買い増しが行われた場合、コクヨとぺんてるの間の業務提携契約の締結が事実上不可能になるおそれが高まるとして、持ち分法適用関連会社の扱いから今回、子会社化に踏み込み、経営の主導権を握ることにした。

現在、ぺんてるの大株主の持ち株比率はコクヨ37.8%、ぺんてる従業員持株会10.41%、ぺんてる役員持株会3.13%。その他の株主名簿についてはコクヨ側に開示されていない模様で、コクヨの目論見通りに株式の買い付けが行えるかどうかは不透明な情勢だ。

買付価格の1株3500円は大和総研が算定した。

 

 

 

JFLAホールディングス<3069>、ケータリング事業の仏子会社Riem Becker を譲渡

◆JFLAホールディングスは、 ケータリング事業や食材卸事業のフランス子会社Riem Becker SASの保有株式60%を譲渡した。譲渡先、譲渡価額、譲渡日はいずれも非公表。Riem Beckerは1924年に創業し、有名企業のパーティープロデュースを手がける老舗。JFLAは保有株式のうち14%は残す。

 

 

 

アイカ工業<4206>、ベトナムのメラミン化粧板販売会社CHIグループ各社の事業を取得

◆アイカ工業は、ベトナムのメラミン化粧板販売会社CHIグループ8社の事業を取得することを決議した。CHIグループのオーナーが新たに設立する会社がCHI各社の対象事業を承継した後、アイカ工業の海外統括会社(タイ)がこの新設会社の株式70%を取得し、子会社化する。

CHIグループ各社は2004年に創業し、経済成長が続くベトナムでブース用コンパクトメラミン化粧板に関してトップシェアを持ち、家具用でも実績を積んでいる。ハノイ、ホーチミンなどの都市部に加え、ベトナム全土に販売網を築いている。アイカ工業は今年5月にベトナムでメラミン化粧板の現地生産を始めており、今回、販売面での体制が整う。取得する当該事業の売上高は約18億円。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年2月下旬。

 

 

 

リンクアンドモチベーション<2170>、就職・転職情報プラットフォーム運営のオープンワークを子会社化

◆リンクアンドモチベーションは、インターネットを利用した転職情報サービスや有料職業紹介事業を手がける持分法適用関連会社のオープンワーク(旧ヴォーカーズ、東京都渋谷区。売上高10億3000万円、営業利益4億9600万円、純資産22億2000万円)を子会社化することを決議した。株式を追加取得し、現在20%の持ち株比率を56.22%に引き上げる。取得価額は40億7500万円。取得予定日は2020年1月1日。

オープンワークは社員口コミによる就職・転職者向け情報プラットフォーム「OpenWork」を運営。オープンワークとリンクアンドモチベーションは同プラットフォームを利用し、組織状態のスコアが高い企業と就職・転職を考えている個人をマッチングする「OpenWorkリクルーティング」を連携して実施してきた。

労働市場では従業員エンゲージメント(企業と従業員の信頼関係)の高い企業に人材が集まる傾向が顕著になっている。オープンワークを傘下に収めることで、こうした流れを加速し、事業拡大につなげる。

 

 

 

テノ.ホールディングス<7037>、トップランから介護事業を取得

◆テノ.ホールディングスは、家庭用医療機器・美容機器などの開発を手がけるトップラン(福岡市)から介護事業を取得することを決議した。テノは認可保育所と企業内保育所の運営を主力とするが、新規事業として介護サービス分野に進出する。対象事業の直近売上高は1億4100万円。取得価額は未確定。取得予定日は2020年2月。

 

 

 

プレミアグループ<7199>、クレジット事業拡大で中央債権回収を子会社化

◆プレミアグループは、債権管理回収業務の中央債権回収(東京尾中央区。売上高10億2000万円、営業利益8340万円、純資産11億5000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。中古車購入を中心とするクレジット事業の業容拡大に伴い、管理債権残高が増加していることから、債権管理能力を強化するのが狙い。

中央債権回収は2000年設立で、オートクレジット債権、オートリース債権の回収や担保物である車両の引き揚げを得意分野の一つとし、全国で業務展開している。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月。

 

 

 

ドリコム<3793>、イグニス傘下スタジオキングからスマホゲーム「ぼくとドラゴン」など2タイトルを取得

◆ドリコムは、イグニス傘下のスタジオキング(東京都渋谷区)が提供・運営するスマートフォン向けゲームアプリ「ぼくとドラゴン」とブラウザゲーム「猫とドラゴン」の2タイトルを取得することを決議した。取得価額は5億2000万円。取得予定日は2019年11月~12月。

ドリコムはスマホ向けゲームアプリの開発を主力とするが、各タイトルに要求される品質水準やこれに伴う開発費の上昇など競争環境が厳しさを増している。人気の既存ゲームアプリを取得することで、開発コストを抑制しながら、良質なゲームコンテンツの充実につなげる。

取得する2タイトル合計の直近業績は売上高21億3000万円、営業利益5億1100万円。

 

 

 

フリュー<6238>、オンラインゲーム事業子会社のコアエッジを経営陣に譲渡

◆フリューは、オンラインゲーム事業子会社のコアエッジ(東京都品川区。売上高8億3300万円、営業利益△2億5300万円、純資産1億3700万円)の全保有株式75.5%を、コアエッジの宮本貴志代表取締役CEO(最高経営責任者)ら経営陣に譲渡することを決議した。これに伴い、男性向けスマートフォンゲーム事業から撤退し、家庭用ゲームソフト事業、女性向けスマホゲーム(恋愛シミュレーションゲーム)事業、アニメ事業に集中する。

譲渡価額は6772円。譲渡予定日は2019年11月15日。

 

 

 

モブキャストホールディングス<3664>、ゲームIPマネジメント事業のゲームゲートを子会社化・吸収合併

◆モブキャストホールディングスは、ゲーム分野のIP(知的財産権)マネジメント事業を手がけるゲームゲート(東京都渋谷区。売上高8億7000万円、営業利益2億3200万円、純資産1億7600万円)の全株式を取得し、ゲーム事業子会社のモブキャストゲームス(東京都港区)と合併させることを決議した。株式取得は13日付で、取得価額は6億300万円。合併予定日は2020年1月1日。

モブキャストの子会社であるモブキャストゲームスはスポーツやアニメなどのIPを用いたゲームを国内外のパートナーと共同開発し、ゲームをグローバル配信している。しかし、ゲーム開発費の高騰などに伴い赤字が継続しており、収益改善のためにシナジー(相乗効果)や協業の可能性を検討していた。

子会社化後、モブキャストゲームスとゲームゲートが独立して事業を行うより、合併して1つの会社として事業を推し進めることで、経営資源の適正配分と重複する管理コストの削減が図れるメリットがあることから、モブキャストゲームスがゲームゲートを吸収合併する。

 

 

 

オートバックスセブン<9832>、シンガポールで板金・塗装や自動車整備のSKオートモービルを子会社化

◆オートバックスセブンは13日付で、シンガポールで板金・塗装、自動車整備を手がける現地SKオートモービルの株式63%を取得し子会社化することを決議した。シンガポールは安定的な車両登録台数の推移を背景に、継続的なメンテナンスが需要が見込まれる。取得価額は非公表。

 

 

 

ユーザベース<3966>、社内新規事業開発に特化したコンサルティング事業を手がけるアルファドライブを子会社化

◆ユーザベースは13日付で、社内新規事業開発に特化したコンサルティング事業を手がけるアルファドライブ(東京都千代田区。売上高1億5600万円、営業利益8710万円、純資産6280万円)の全株式を取得し子会社化した。取得価額は5億500万円。

アルファドライブは2018年2月に設立。大企業を中心とした25社以上のクライアントで500以上の新規事業開発プロジェクトの立ち上げにかかわったという。

ユーザベースは子会社のニューズピックスを通じてソーシャル経済メディア「NewsPicks」を運営している。NewsPicksは個人向けに10万人を超える有料会員を持つが、2018年9月から法人向け事業「NewsPicks for Business」を新たにスタートした。アルファドライブが持つ企業内新規事業開発支援に関する人材・ノウハウを掛け合わせることで、法人向けの新事業を加速させたい考えだ。アルファドライブの麻生要一社長が「NewsPicks for Business」の事業責任者を務めている関係もあり、事業の一体化を進める。

 

 

 

ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>、業務用厨房機器製造・輸入販売のシンガポールNKR CONTINENTALを子会社化

◆ヨシムラ・フード・ホールディングス(HD)はシンガポールの統括会社を通じて、業務用厨房機器の製造・輸入販売を手がける現地NKR CONTINENTAL(売上高25億5000万円、純資産2億7000万円)の株式70%を取得し子会社化することを決議した。

NKR CONTINENTALは1972年に設立し、欧米や日本のメーカーから仕入れた業務用厨房機器や自社工場で製造した製品を、シンガポールやマレーシアの高級ホテル、病院、ファストフード店、レストランなどに販売している。

ヨシムラ・フードHDはシンガポールで寿司の提供、水産品の卸売り、水産品の加工販売を行う現地企業を傘下に持ち、成長が続く東南アジアでの事業拡大に取り組んでいる。今回の業務用厨房機器メーカーの買収は、販路の共有をはじめ、既存事業とのシナジー(相乗効果)獲得を見込んでいる。

取得価額は20億3600万円。取得予定日は2020年1月15日。

 

 

 

トラスト・テック<2154>、ITエンジニア派遣のアクシス・クリエイトなど3社を子会社化

◆トラスト・テックは、ITエンジニア派遣のアクシス・クリエイト(東京都中央区。売上高10億7000万円、営業利益5700万円、純資産8000万円)など人材サービス3社の全株式を取得し子会社化することを決議した。

トラスト・テックが主力とする技術系派遣市場は拡大基調が続き、なかでも5G(第5世代移動体通信)、IoT(モノのインターネット)に関連したITエンジニアへの需要が膨らんでいる。

今回、子会社化するのはアクシス・クリエイトのほか、ITエンジニア派遣のフェイス(東京都中央区。売上高2億3000万円、営業利益2300万円、純資産2100万円)、IoTエンジニア育成のアクシスヒューマンデベロップメント(東京都中央区。事業休止中)。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月18日。

 

 

 

エディオン<2730>、フリーペーパーや求人誌など雑誌類配送のジェイトップを子会社化

◆エディオンは13日付で、フリーペーパーや求人誌など雑誌類の配送を手がけるジェイトップ(名古屋市)の全株式を取得し子会社化した。ジェイトップは1979年に創業し、鉄道・書店などに配送網を確立し、現在、コンビニエンスストアを含め全国3万カ所を超えるラックメディアを保有する。エディオンは同社を傘下に取り込み、より細かいサービスの提供と物流体制の強化につなげる。取得価額は非公表。

 

 

 

アミューズ<4301>、ライブ・ビューイング事業を手がけるライブ・ビューイング・ジャパンを子会社化

◆アミューズは、コンサートや舞台の映像を映画館などに配信するライブ・ビューイング・ジャパン(東京都渋谷区)を子会社化することを決議した。株式を追加取得し、持ち株比率を現在37.04%から50.1%に引き上げる。ライブエンターテイメントをめぐっては市場の拡大に加え、デジタルコンテンツの普及によるVR(バーチャルリアリティ)ライブの開催など楽しみ方も多様化している。取得価額は非公表。取得予定日は2019年12月1日。

 

 

 

アミューズ<4301>、団野村氏率いる米スポーツエージェント会社を子会社化

◆アミューズは、日本と米国で主にスポーツ選手のエージェント事業を展開する米Ortus Vaux Holdings(ロスアンゼルス)の株式51%を取得し子会社化することを決議した。同社は野茂英雄投手ら大リーグに移籍した数多くの日本人選手の代理人を務めたことで知られる団(ダン)野村氏が率いる。アミューズは同社を傘下に収め、アジアと北米や中南米を舞台としてスポーツエージェント業に本格参入する。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年12月5日。

 

 

 

エコス<7520>、埼玉県で食品スーパー15店舗を展開する与野フードセンターを子会社化

◆エコスは12日、食品スーパーマーケットを展開する与野フードセンター(さいたま市。売上高142億円、営業利益△4億2500万円、純資産500万円)を子会社化することで基本合意したと発表した。全株式を取得し完全子会社化する。与野フードセンターは1960年に設立し、埼玉県内に15店舗(10月末)を持つが、近年は最終赤字に陥っていた。2020年9月末の最終契約書締結を目指す。

エコスは東京・多摩地区から北関東に地盤を広げ、現在、「たいらや」「TAIRAYA」「エコス」「マスダ」のブランドで約110店舗を展開している。

 

 

 

クレステック<7812>、Web制作や販売支援のナビを子会社化

◆クレステックは、Web企画・製作や販売支援事業を手がけるナビ(浜松市。売上高2億7600万円、営業利益1200万円、純資産9900万円)を子会社化することを決議した。ナビの発行済み株式の90%を8505万円で取得し、残りの株式は株式交換で取得する。

クレステックは企業向けに製品取り扱い説明書や各種マニュアル類の製作を主力とする。クレステックとナビがともに本社を置く浜松市には大手から中小企業まで製造業の集積で知られる。クレステックは地元でアフターサービスを含めた販売支援業務などで20年以上実績を持つナビを傘下に取り込み、サービス体制強化の一助とする。

株式交換比率はクレステック1:ナビ378。ナビの1株にクレステックの378株を割り当てる。株式取得と株式交換の予定日は2020年1月1日。

 

 

 

アクトコール<6064>、サービスオフィス運営事業をサーフィスに譲渡

◆アクトコールは、サービスオフィス運営事業を会社分割により、サーフィス(東京都港区)に譲渡することを決議した。水回りなどの生活関連駆け付けサービスや、家賃収納代行に関わる決済ソリューションなど既存の主力事業と、共用オフィス運営といったサービスオフィス事業との相乗効果が乏しいと判断し、現事業責任者が代表を務める法人(サーフィス)に事業を承継することにした。譲渡価額は100万円。譲渡予定日は2019年12月26日。

 

 

 

ウイルコホールディングス<7831>、音の出る絵本のOEM事業子会社のウィズコーポレーションを譲渡

◆ウイルコホールディングスは、音の出る絵本のOEM(相手先ブランドによる生産)事業を主力とする100%子会社のウィズコーポレーション(石川県白山市。売上高30億2000万円、営業利益1億5900万円、純資産4億8300万円)の全株式を、ウィズホールディングス(横浜市)に譲渡することを決議した。グループ全体の経営資源の最適配分の一環としている。譲渡価額は10億円。譲渡予定日は2019年12月2日。

 

 

 

サカイオーベックス<3408>、制御盤メーカーの攝津電機工業を子会社化

◆サカイオーベックスは、制御盤や配電盤の設計・製作を手がける攝津電機工業(大阪府箕面市。売上高18億2000万円、営業利益8250万円、純資産3億5900万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

サカイは染色事業を中核とし、周辺繊維事業の強化による業容拡大を基本戦略とする。その一方で、非繊維事業ではとりわけ制御機器事業を重点分野として競争力向上に取り組んでいる。専業メーカーの攝津電機を傘下に収め、制御機器事業の拡大とともに、人材や技術ノウハウを取り込むことが可能と判断した。攝津電機の設立は1972年。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月19日。

 

 

 

兼松<8020>、寝装具など専門商社で持ち分法適用会社のカネヨウをTOBで子会社化

◆兼松は12日、寝装具やリビング・インテリア用品の専門商社で持ち分法適用関連会社のカネヨウ(東証2部上場)に対して、完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。現在30.83%の持ち株比率を100%に引き上げる。カネヨウはTOBに賛同している。

カネヨウは兼松の羊毛研究所として兵庫県揖斐川町(現たつの市)に設立された。1951年に大阪証券取引所に上場した後、一貫して兼松の持ち分法適用関連会社として歩み、緊密な関係にある。ただ、カネヨウは従来の羽毛原料、寝装、インテリア製品、衣料生地取引を中心とした伝統的な事業にとどまっている。航空機や自動車部品の素材として採用が進むカーボン繊維に象徴される繊維事業の環境変化に対応するためには、兼松との一体的な経営が欠かせないと判断した。

買付価格は1株につき900円で、TOB公開前日の終値716円に25.70%のプレミアムを加えた。買付予定数は約97万株。買付代金は約8億円7332万円。買付期間は11月13日~12月24日。決済開始日は2020年1月6日。買付代理人は大和証券。

 

 

 

アイロムグループ<2372>、CRO事業のIBERICAを子会社化

◆アイロムグループは子会社を通じて、医療品・医療機器の開発業務受託機関(CRO)事業を手がけるIBERICA(福岡市。売上高2億5700万円)の全株式を取得し完全子会社化することを決めた。

アイロムグループは医療機関向け治験支援(SMO)を主力とする。IBERICAを傘下に取り込み、子会社を通じて展開するCRO事業の拡大とともに、SMO事業や先端医療事業との連携を通じて、より専門性の高い開発支援体制を構築できると判断した。

取得価額、取得予定日は非公表。

 

 

 

昭文社<9475>、パラセーリング・マリンスポーツのグアムSUNNY SIDE UP社を子会社化

◆昭文社は、グアムでアガニア港パラセーリングやココス島マリンスポーツを手がける現地SUNNY SIDE UP GUAM INC.の全株式を取得し子会社化することを決めた。“旅ナカ”と呼ばれる滞在中のサービス体制を充実させるのが狙い。昭文社は今年5月、グアムにジェットスキー、パラセーリングなどアクティビティー事業やリゾート施設からなる「グアムオーシャンパーク(GOP)」を全面開業。アクティビティー事業についてはM&Aを通じて現地専門会社を取り込むことで、内製化・自社催行化を進めている。

取得価額は非公表。取得日は2019年11月18日。

 

 

 

マネーフォワード<3994>、SaaS向け見込顧客獲得メディア「BOXIL」運営のスマートキャンプを子会社化

◆マネーフォワードは、SaaS(サービスとしてのソフトウエア)向けリード(見込顧客)獲得メディア「BOXIL」を運営するスマートキャンプ(東京都港区。売上高5億9700万円、営業利益△1億300万円、純資産8900万円)の株式72.3%を取得し子会社化することを決議した。取得価額は新株予約権を含めて19億9800万円。取得予定日は2019年11月末。

BOXILは月間1000万以上のページビュー(PV)を持ち、登録会員(10月末)は12万人以上。SaaS導入を検討するユーザーは自社に最適なサービスを検索可能で、ソフト提供側はBOXILに自社サービスを掲載することで見込顧客の獲得や認知度向上の効果が期待できる。

マネーフォワードはスマートキャンプがBOXILで培ったマーケティングノウハウを活用し、自社の会計ソフト「マネーフォワードクラウドシリーズ」の新規顧客獲得を促進する。

 

 

 

駅探<3646>、旅行ガイドブック制作のラテラ・インターナショナルを子会社化

◆駅探は、旅行ガイドブック制作のラテラ・インターナショナル(東京都中央区。売上高3億500万円、営業利益1470万円、純資産5010万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ラテラは旅行会社向けの国内外の観光ガイドブック事業で国内トップシェアを持つ。世界150都市の観光情報をデジタルコンテンツの形でも旅行各社に提供している。

駅探は自社の月間1000万人が利用する乗換案内、旅行などのWebメディア企画開発・運営ノウハウ、大手を中心とする法人顧客基盤と、ラテラの強みである旅行会社店頭チャネルやガイドブックで培った情報収集力は相互補完関係にあると判断した。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月15日。

 

 

 

新電元工業<6844>、ソフト開発のヘルメスシステムズを子会社化

◆新電元工業は8日付で、ソフトウエア開発のヘルメスシステムズ(東京都港区)の全株式を取得し子会社化した。電動化や自動運転などに代表される「CASE」や「ADAS」(先進運転支援システム)への対応強化の一助とする。取得価額は非公表。

 

 

 

CEホールディングス<4320>、医療品・医療機器の開発業務受託機関マイクロンを子会社化

◆CEホールディングスは、医療品・医療機器の開発業務受託機関(CRO)であるマイクロン(東京都中央区。売上高15億9000万円、営業利益△200万円、純資産1億円)の株式69.87%を取得し子会社化することを決議した。

マイクロンは2005年に設立。CRO業界では国内外の大手による吸収合併や系列化が進んできたが、同社は独自路線を歩み、CT(コンピューター断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像装置)などで得られた画像データを医薬品や医療機器などに活用する臨床試験で実績を積んできた。CEホールディングスは同社を傘下に取り込むことで、既存の医療用ソフトウエア・システム事業を強化するとともに、新たな製品・サービス開発を目指す。

取得価額は1億4200万円。取得予定日は2019年11月29日。

 

 

 

マイスターエンジニアリング<4695>、平野大介社長主導によるMBOで非公開化へ

◆東証2部上場でメカトロ関連の技術者派遣などを手がけるマイスターエンジニアリングは8日、MBO(経営陣による買収)を受け入れ、株式を非公開化すると発表した。平野大介社長が設立したMEホールディングス(東京都港区)がTOB(株式公開買い付け)を行い、完全子会社化を目指す。短期的な業績にとらわれず、中長期的な視点から柔軟な経営判断や機動的な投資を実現できる体制を築く。

買付価格は1株940円。TOB公表前日の終値803円に17.06%のプレミアムを加えた。平野大介社長の実父で、マイスター株の20.23%を持つ平野茂夫会長はTOBには応じない。この不応募株式を除く全株式をTOBを通じて買い付ける。買付価格は最大59億1803万円。買付予定数の下限は所有割合で46.43%。

買付期間は11月11日~12月20日。決済開始日は12月27日。買付代理人はみずほ証券。

マイスターエンジニアリングは1974年にビル設備管理業務を目的に「大阪丸誠」として設立し、1991年に現社名となった。半導体・液晶、自動車などメカトロ関連向け技術者派遣を中心に、ホテルやショッピングセンターの常駐施設管理やスタジオ・ホール・会議場の運営管理などに業容を拡大してきた。1997年に大証2部、2002年に東証2部に上場。

 

 

 

SRSホールディングス<8163>、H2O傘下の飲食企業「家族亭」と「サンローリー」を子会社化

◆SRSホールディングスは8日、エイチ・ツー・オーリテイリング傘下で飲食店を運営する家族亭(大阪市。売上高87億7000万円、営業利益1億円、純資産8億900万円)とサンローリー(大阪市。売上高25億3000万円)、営業利益200万円、純資産5億6900万円)の2社を株式交換により完全子会社化すると発表した。株式交換予定は2020年1月1日。

株式交換比率は未定だが、11月下旬に予定している最終契約までに決める。家族亭はうどん店、そば店を展開している。一方、サンローリーは「ドトールコーヒー」や「大釜屋」などのフランチャイジー事業と直営店事業を手がける。

SRSホールディングスは関西圏を中心に「和食さと」「天丼・天ぷら本舗 さん天」「にぎり長次郎」「めしや宮本むなし」などを451店舗(10月末)展開。2022年に売上高1000億円を目指して、西日本エリアで外食産業へのM&Aを活発化している。

 

 

 

チムニー<3178>、焼肉「牛星」など展開のシーズライフを子会社化

◆チムニーは、都内を中心に焼肉「牛星」などを展開するシーズライフ(東京都渋谷区。売上高8億7300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

シーズライフは都内、埼玉県、香川県に焼肉「牛星」8店舗、焼肉「山河」2店舗を持つ。このほかに居酒屋「熟成魚うらら」を都内で運営する。チムニーは「はなの舞」「さかな道場」など海鮮居酒屋を中心に全国732店舗(9月末)を展開する。焼肉業態のシーズライフを傘下に取り込み、グループの成長につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年12月1日。

 

 

 

フジオフードシステム<2752>、そば専門店「土山人」7店舗を運営する暮布土屋を子会社化

◆フジオフードシステムは、関西を中心に石臼挽き手打ちそば専門店「土山人」7店舗を運営する暮布土屋(兵庫県芦屋市)の株式90%を取得し子会社化することを決議した。

フジオフードは「まいどおおきに食堂」「神楽食堂 串家物語」「手作り居酒屋かっぽうぎ」「つるまる」などのブランドによる飲食事業を展開。また、M&Aを通じて、はらドーナッツ(ドーナツ、東京都中央区)、どん(居酒屋、大阪市)、サバ 6 製麺所(ラーメン、大阪市)、グレートイースタン(ステーキ、沖縄県沖縄市)などをグループに迎えている。そば業態を取り込むのは初めてとなる。

取得価額、取得日は非公表。

 

 

 

エイベックス<7860>、ゲーム企画・開発のfuzzを子会社化

◆エイベックスは、ゲームの企画・開発を手がけるfuzz(東京都品川区)の株式の過半を取得し子会社化した。Fuzzは2010年に設立し、独自のゲームエンジンを使った受託開発や自社コンテンツによる開発で実績を持つ。取得割合、取得価額、取得日などは非公表。

 

 

 

エイベックス<7860>、「ライバー」など個人クリエーターが所属するLIVESTARを子会社化

エイベックスは、ライブ配信を行う「ライバー」などの個人クリーターが所属するLIVESTAR(東京都渋谷区)が実施する第三者割当増資を引き受け、子会社化することを決議した。近年、マスメディアを介さずに直接的にファンを獲得する「個人のメディア化」の動きが広がっているのに対応し、こうしたノウハウ・人材を抱えるLIVESTARをグループに取り込む。取得価額、取得予定日はいずれも非公表。

 

 

 

ホシザキ<6465>、トルコの業務用厨房機器メーカーÖztiを子会社化

ホシザキは7日、トルコの業務用厨房機器メーカーÖztiryakiler Madeni Eşya Sanayi ve Ticaret Anonim Şirketi(Özti、イスタンブール。売上高97億5000万円、営業利益20億9000万円)を子会社化すると発表した。Öztiの増資引き受けと既存株主からの株式取得を通じて28.6%を取得し、持ち分法適用関連会社とする。そのうえで段階的に追加取得し、今後3年間で51%に持ち株比率を高め、子会社化する予定。

Öztiは1958年設立し、中東、欧州、アフリカに営業基盤を築いている。ホシザキは同社を傘下に取り込み、欧州での販売シェア拡大などに取り組む。

取得価額は非公表。取得日は2019年12月中旬。追加取得は2021年2月と2023年2月に予定している。

 

 

三井不動産<8801>、東伊豆エリアの別荘地管理事業をひまわりに譲渡

三井不動産は、静岡県内の伊豆山別荘地と伊豆熱川別荘地に関する別荘地管理事業を、不動産業のひまわり(新潟県湯沢町)に譲渡することを決議した。譲渡対象は温泉供給や簡易水道事業など。ひまわりが受け皿会社として設立したエンゼルフォレストリゾートドゥーエ(静岡県熱海市)が事業を継承する。

三井不動産は伊豆山別荘地と伊豆熱川別荘地を昭和40年代初めに分譲し、50年以上の歴史を持つが、この間、東伊豆エリアでの新たな別荘地分譲は手がけていない。譲渡対象事業の直近売上高は8100万円。譲渡予定日は2020年3月31日。

一方、ひまわりはリゾートホテル・別荘地の分譲、管理を専業とし、東伊豆エリアでも別荘地事業を積極的に展開している。

 

 

 

UTグループ<2146>、バックオフィス業務を手がける東芝グループ3社を子会社化

◆UTグループは、東芝グループのバックオフィス業務を手がけるTBLSサービス(川崎市。売上高4億6400万円、営業利益2700万円、純資産8900万円)など3社を子会社化することを決議した。

子会社化するのは人材サービスのTBLSサービスのほか、購買代行サービスの東芝情報システムプロダクツ(川崎市。売上高69億2000万円、営業利益5800万円、純資産1億2300万円)、プリンティング・情報処理サービスの東芝オフィスメイト(川崎市。売上高21億9000万円、営業利益1100万円、純資産1億3000万円)。東芝オフィスメイトは株式の80%、残る2社は全株式を取得する。

取得価額は3社合計で8億5000万円。取得予定日は2020年4月1日。

UTサービスは大企業向けに人材派遣だけでなく、業務請負、人材育成などを含めた総合的な人材活用ソリューションを提供している。東芝グループ社員の定年後雇用先としての機能も充実させるとしている。

 

 

 

大興電子通信<8023>、電気工事の大協電子通信を子会社化

◆大興電子通信は、電気通信工事の大協電子通信(大阪市。売上高2億2100万円、営業利益1500万円、純資産2億6800万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

大協電子は1981年設立で、電話交換機の販売、設計施工、保守などの電気通信工業を主力とし、大興電子のパートナー企業の一つ。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月11日。

 

 

 

M&A仲介会社経営の畑野幸治氏、RIZAP傘下のぱど<4833>をTOBで子会社化へ

◆ぱどは6日、M&A仲介会社FUNDBOOK(東京都港区)を経営する畑野幸治氏による子会社化を目的としたTOB(株式公開買い付け)に賛同すると発表した。TOBは株式67.56%を所有するRIZAPグループと、5%を所有する第3位株主のサンケイリビング新聞社からの全株式取得(所有割合72.56%)を目的として行われる。ジャスダック上場は維持する予定。ぱどはフリーペーパー最大手で、2017年にRIZAPの傘下に入ったが、経営再建中のRIZAPは事業構造改革の一環として売却を進める。

ぱど株式の買付価格は1株につき170円。RIZAPとサンケイリビングの両社の応募を前提としているため、TOB公表前日の終値213円に対して約20%のディスカウントとした。買付予定数の下限は両社の所有分である1451万3515株。買付代金は24億6700万円。両社はTOBに応募する予定。

買付期間は11月7日~12月4日。決済開始日は12月11日。買付代理人は東海東京証券。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

公益社団法人等へ財産を贈与した場合の譲渡所得の非課税の特例・・・株式を贈与する場合

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(亀山 孝之/税理士)

 

1. はじめに


個人が、財産を会社などの法人に贈与(遺贈も含む)した場合、その個人はその財産を時価で譲渡したものとされて譲渡所得の金額が計算されます(所法59①)。しかし、贈与先の法人が公益社団法人等(以下「公益法人」)で、Aその贈与が、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献など公益の増進に著しく寄与すること、Bその贈与に係る財産が、その贈与があった日から二年を経過する日までに、その公益法人の公益目的事業の用に直接供され、又は供される見込みであること、Cその他の政令で定める要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けた贈与は、’なかった’とみなされます(租特法40①)。それは、その財産の贈与につき上記の譲渡所得が生じない=非課税とするということです。

 

2. Cの要件


AとB以外のCの要件は、措置法令25条の17⑤3が要旨「公益法人等に対して財産の贈与をすることにより、その贈与をした者の所得に係る所得税の負担を不当に減少させ、又は当該贈与若しくは遺贈をした者の親族等、特別の関係がある者の相続税若しくは贈与税の負担を不当に減少させる結果とならなと認められること。」と定めています。これは、相続税等の租税回避目的で、公益法人を設立しそこに財産を寄附することが想定されるため、その歯止めとして定められた要件です。上記「・・・不当に減少させる結果」となるか否かの判定については、同6項が「贈与により財産を取得した公益法人が、次に掲げる5要件を満たすときは、上記所得税又は贈与税若しくは相続税の負担を不当に減少させる結果とならないと認められる」旨を定めています。以下の5要件すべてを満たすことが「ならないと認められる」ために必要です。

 

一 その運営組織が適正であるとともに、その寄附行為、定款等に、〈その理事、監事、評議員その他これらに準ずるもの(役員等)のうち、親族関係を有する者及びこれらと特殊の関係がある者の数が、それぞれの役員等の数のうちに占める割合は、いずれも三分の一以下とする〉旨の定めがある。

 

二 その公益法人に財産の贈与をする者、その公益法人の役員等若しくは社員又はこれらの者の親族等に対し、施設の利用、金銭の貸付け、資産の譲渡、給与の支給、役員等の選任その他財産の運用及び事業の運営に関して特別の利益を与えない。

 

三 その寄附行為、定款等に、〈その公益法人が解散した場合にその残余財産が国若しくは地方公共団体又は他の公益法人に帰属する〉旨の定めがある。

 

四 その公益法人につき公益に反する事実がない。

 

五 その公益法人が贈与により株式の取得をした場合、その公益法人の有することとなるその株式の数がその発行済総数の50%を超えない。

 

 

3. 贈与財産が株式の場合のBの留意点


贈与財産が株式の場合、2の上記「五」の要件に注意する外、1のBの要件=その株式が、その公益法人の公益目的事業の用に直接供されることの判定をどう行うかという問題があります。株式は、不動産などと違いそれ自体を公益目的事業に直接供せないからです。その問題については、国税庁の個別通達が、「株式の各年の配当金などその財産から生ずる果実の全部がその公益目的事業の用に供されるかどうかにより、その株式がその公益目的事業の用に直接供されるかどうかを判定して差し支えない。各年の配当金などの果実の全部がその公益目的事業の用に供されるかどうかは、例えば、公益の増進に著しく寄与する公益目的事業に当たるとされる30人以上の学生に対して学資の支給等を行う公益法人において、学資として支給されるなど、その果実の全部が直接、かつ、継続して、その公益目的事業の用に供されるかどうかにより判定することに留意する。(注)配当金が毎年定期的に生じない株式についてはこの判定はできない」旨規定しています。

 

この定めで疑問な点は、学資の支給を行う公益法人の例でいうと、学資の支給を実行するに必要な最低限の付随的な活動(学生の募集・選考等)に係る費用に配当金の一部を充てることの可否です。「否」なら、その費用の資金手当てが別途必要です。筆者は、それらの活動も、学資の支給に直接必要と思われますから「可」とすべきと考えますが、筆者の見聞するところでは、承認の審査をする税務当局は「否」の考え方に立っており、東京地裁平25年9月12日判決等でも表題の場合の上記波線部について「否」の立場で判定しています。公益法人への株式の贈与を考える際は、この点を知っておくことは必要でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/11/11)より転載

[解説レポート]

オーナー経営者による財団法人への株式の寄附

 

[解説]

税理士法人山田&パートナズ 税のシンクタンク事業部 天木雪絵

 

[内容]

Ⅰ はじめに 

Ⅱ 社会貢献活動を行う財団法人とは

1.社会貢献活動に適している財団法人

2.財団法人の持ち主は誰か

Ⅲ 自社株を財団法人に寄附する場合の優遇税制 

1.自社株を個人から財団法人へ寄附をする場合の優遇税制(譲渡所得等の非課税の特例)

2.この非課税の特例を受けるにあたっての要件

Ⅳ 寄附を行うオーナー経営者に求められる2つの覚悟

1.財団法人への寄附による相続税対策と、自社株の所有権を手放すことについての覚悟

(1)財団法人に株式を所有させることによって生まれる相続税対策とは

(2)自社株の所有権を手放すことについての覚悟

2.長期保有をもたらす安定株主対策と、社会貢献活動を実施し続けなければならないという覚悟

Ⅴ.終わりに 

 

Ⅰ.はじめに 

上場会社の株主名簿を見ると、公益財団法人や一般財団法人が株主として載っ ているケースが散見される。 上場会社の上位 30位までの株主名簿上に公益財団法人や一般財団法人を有する上場会社の数は、2019年 6月時点で確認できただけでも 242社あった(図 1)。日本で 3600社以上ある上場会社のうちの242社は決して多いというわけではないかもしれないが、これらの財団法人が所有する 1 銘柄あたりの上場株式の時価は平均でも120億円を超えており(図 2)、その資産規模は非常に大きなものとなっている。 このような、会社の株式を有する財団は「財団株主」と呼ばれることも多いが、企業のオーナー経営者からその所有する株式の寄附を受けて、これを法人財産の主要な基盤とし、その株式から得られる配当金を財源として社会貢献活動が行われているケースも多い。

 

 

 

 

 

こうした財団などの民間主体による社会貢献活動については、国もこれを促進しているところであり、近年行われた改革では従来の主務官庁主導の体制から法人自治を広く認める新しい公益法人制度を整備するとともに、税制面でも各種優遇措置を設けて十分な社会貢献活動が行えるよう支援している。

 

海外でも巨額の自社株を持つに至った創業者が自己で設立した財団に自社株を寄附し、大規模な慈善活動を行っていると話題になることが多く、日本でも所有する自社株の価値が大規模となっているオーナー経営者の中には、手元の自社株を財団に寄附し、自ら社会貢献活動を行うことに興味をもつ者も多いのではないだろうか。

 

また、このような社会貢献活動への関心に加え、財団法人という別人格に株式を移転し、これを法人内に留めて社会貢献活動の基盤とする、という仕組みがオーナー経営者の相続税対策、株式の分散防止や安定株主対策に非常に有効に機能するとの認識がひろがっており、このことが株式会社の経営とは別に、社会貢献活動を通して世の役に立ちたい、自分の想いを形にしたい、との意向を持つ経営者の財団設立を後押しするものとなっている。その結果が、冒頭の集計にみるような大きな規模の財団法人の誕生を促す結果になったと考えられ る。

 

それならば、社会貢献活動ができて、相続税対策や安定株主対策にも役立つものとして、積極的に財団をつくればいいとの考えに至るかもしれない。しかし、社会貢献活動を行うと同時に相続税対策や安定株主対策の効果を得ようとする場合には、高い公益性をもった社会貢献活動が継続的におこなわれることを担保しようとする「公益法人制度」の活用と、社会貢献活動の促進のために設けられている優遇措置が節税のために利用されることを抑制しようとする「税法」からの制約を受け入れることとなる。 そして、税制上の優遇措置を受けるうえでの制約の内容が、財団法人の運営に大きな影響を与えるものとなっているため、これを受け入れるにあたっては、経営者にはいくつかの覚悟が必要となる。 どのような仕組みや制約が、相続税対策や安定株主対策につながるのか。そしてそこから必要となる覚悟とはどのようなものだろうか。財団法人の仕組みと、それに対する優遇措置の具体的な内容や要件を明らかにしながら、その覚悟の内容を整理する。

 

 

Ⅱ 社会貢献活動を行う財団法人とは

1.社会貢献活動に適している財団法人

株主名簿にたびたび登場する「財団法人」は、自分の財産を社会貢献活動に役立ててほしい等の理由で拠出される財産を受け入れて、これを運用する法人で、その拠出された「財産の集まり」に対して法人格を与えられたものをいう。この財産を拠出した設立者が作成した定款と設立趣意に従い、理事が運営を行い、さらに評議員がこれを監督することにより法人の活動が進められる。 よくある形態としては、創業者がその有する自社株を財団法人に寄附をして、創業者自ら代表理事となって法人運営に入り、自社株の配当金を財源に育英事業や研究助成事業などの社会貢献活動に執り行う。さらに評議員として、地域の名士やその活動分野の大学教授などに入ってもらい、法人運営の監督が行われるといったケースが多くみられる。 この財団法人の最大の特徴は、利益の配当を目的としないことにある。オーナーへの還元のために利益を獲得し配当することを至上命題とする営利法人とは異なり、その収益を十分に公益のために還元することができるため社会貢献活動を行うのに適した法人として位置付けられている。

 

2.財団法人の持ち主は誰か

この財団法人が株式会社と最も大きく違う点は、財団法人には「持分」という概念がないことである。株式会社は、「株式」と呼ばれる持分を所有する「株主」が会社の本来の所有者(オーナー)であり、会社で獲得した利益は、配当金として「株主」に還元される。また、この持分としての「株式」は財産的価値を有するものとして、その所有者が死亡した場合には相続財産の一つとして相続税の課税対象になる。 一方、財団法人にはこの「持分」という概念がない。それでは、財団法人は誰のものであろうか。「持分」がないということは、財団法人には株主に該当するようなオーナーが存在しない。即ち、財団法人を所有するものはおらず、そのため財団法人がどれだけ財産を有していようとも、相続税は課されない。また、財団法人 自身も死亡するという概念がないので、原則的には相続税が課されることはない*1。

 

*1 ただし、同族理事が 50%超である等の要件に該当する一般財団法人では、財団法人に一定の相続税が課される。

 

 

Ⅲ 自社株を財団法人に寄附する場合の優遇税制

1.自社株を個人から財団法人へ寄附をする場合の優遇税制(譲渡所得等の非課税の特例)

持分がなく、誰のものでもないという特徴を有する財団法人にオーナー経営者が自社株を寄附する場合、どのような税金が課されるのだろうか。 本来、個人が、土地、建物、株式などを法人に寄附した場合には、寄附時の時価により法人に譲渡があったものとみなされて、その個人には値上がり益(購入時から寄附時までの値上がり益)に対して譲渡所得税が課される。 しかし、これでは社会貢献活動を行うために無償で株式を手放すにもかかわらず、税金だけ課されるという酷な結果になる。そこで、民間の担う公益活動を促進する観点から、その寄附先が公益財団法人もしくは一般財団法人(非営利型*2に限る。以下同じ。)であって、一定の要件を満たす寄附として国税庁長官の承認を受けたときは、この譲渡所得税を非課税とする制度が設けられている。つまり、税の負担なく、自社株を財団へ移転することができる。

 

*2 ここでの非営利型の一般財団法人とは、①剰余金の分配を行わない旨が定款に定められていること ②解散時の残余財産が、国等に帰属する旨が定款に定められていること ③各理事について、その理事及びその理事の配偶者又は三親等以内の親族等である理事の合計数が理事の総数の3分の1以下であること、等の要件を満たす一般財団法人をいう。

 

2.この非課税の特例を受けるにあたっての要件

この優遇税制を受けて、その個人で所有する自社株を税の負担なく財団法人に移転させるには、それ相応の税制上の要件を満たすことが求められる。重要なものとして、下記要件を満たすことが必要とされている*3。

 

*3 詳細は国税庁ホームページ等をご覧ください

 

 

A 寄附後において、財団法人がその受け入れた寄附財産をもって確実に公益目的事業を実施するよう、公益目的事業の内容や規模の下限、供する期限等に関して下記要件が置かれている。

 

①定款等において公益を目的とする事業を行うことを明らかにしていること。

 

②公益の対価がその事業の遂行に直接必要な経費と比べて過大ではないなど、事業の運営が営利企業的に行われている事実がないこと(一言に換言するなら、儲けていないこと) 。

 

③その寄附に係る公益目的事業が、その事業を行う地域又は分野において社会的存在として認識される程度の規模を有していること。例えば 30人以上の学生等に対して学資の支給若しくは貸与を行う事業又は科学技術その他の学術に関する研究者に対して助成金の支給を行う事業であること等が必要とされる。

 

④寄附財産を、寄附があった日から2年を経過する日までに公益目的事業の用に直接供すること(以後、継続して公益目的事業の用に供することが必要となる) 。

 

 

B 財団法人が特定の役員等に支配・利用されることを防止する観点から、下記議決権に関する要件が置かれている。

 

① 評議員・理事・監事について、同一親族や会社役員・使用人などの特殊な関係にある人の占める割合が3分の1を超えてはならないとする旨の定款の定めがあること(以下、親族等の3分の1の要件という) 。

 

② 保有している株式等の議決権行使について、予め理事総数の3分の2以上の承認を要する旨を定款で定めること*4。

 

*4 寄附をした人又はその親族が役員となっている会社の株式等の寄附を受けた法人である場合に必要な要件

 

 

C 設立者などの特定の者の利益のために法人運営が行われることがないよう下記要件が置かれている。

 

① 定款において残余財産が国等に帰属する旨を定めること。法人内部に蓄積された利益が、法人の解散時に残余財産の分配として実質的に特定の者に配当されてしまうことを防ぐ。

 

 

D 寄附先の財団法人について非営利性が高い法人として要件を具備している下記法人に限られる。

 

① 寄附を受ける法人は一般財団法人(非営利型に限る)か公益財団法人であること。

 

 

Ⅳ 寄附を行うオーナー経営者に求められる2つの覚悟

財団法人に自社株を移転し、そのまま法人内に留めて社会貢献活動を行うという仕組みが、オーナー経営者の相続税対策、株式の分散防止や安定株主対策に役立つものとして認識されているが、この優遇税制を使って社会貢献活動を行うといった場合に、上記要件から導かれるオーナー経営者に求められる覚悟とは何であろうか。一つは、自社株の所有権を手放すことについての覚悟、そしてもう一つが、自社株の寄附後は社会貢献活動を行い続けなければならないことについての覚悟である。

 

1.財団法人への寄附による相続税対策と、自社株の所有権を手放すことについての覚悟
(1)財団法人に株式を所有させることによって生まれる相続税対策とは

もし、オーナー経営者が自社株を個人所有のままで持ち続ければ、いずれ相続した人が相続税を納税すべきこととなるが、これを財団法人に寄附し、その株式の所有権を法人に移転させると、オーナー経営者の財産ではなくなるので、以後オーナー経営者の相続発生時において相続税は発生しないこととなる。前述のとおり、法人に死亡という概念はないので原則として法人が所有する財産に相続税が発生することもない*5。 相続税は、相続する財産が金銭以外の財産であってもその時価に対して課税されるため、別途に納税資金を準備できない場合に株式を売却してこれを調達しなければならないこととなるが、相続税が発生しなければこのような納税を目的とするだけの第三者への株式売却を回避できるため、自社株が分散することを防ぐことができる。また、遺産分割などにより相続人間で自社株が分散することを防止する効果も期待される。

 

*5 ただし、同族理事が 50%超である等の要件に該当する一般財団法人では、財団法人に一定の相続税が課される

 

(2)自社株の所有権を手放すことについての覚悟 

上述(1)の相続税対策とは、財団法人に寄附をして所有権を移転し、個人の所有物でなくすることで相続税の負担がなくなることを意味する。財産権を手放すのであるから当然と言えば当然であろう。 一方、財産権を受け入れた側の財団法人では、財団法人は持分という概念がなく、その実質的な運営は代表理事に任されるため、オーナー経営者が代表理事に就いている場合には所有権移転後も、その運用にかかわることとなる。

 

財団法人では、代表理事等の特定の者の利益に偏った運営がなされることを禁止する必要があることから、税制上の優遇措置を受ける要件として、理事、監事、評議員について親族等の 3 分の 1 の要件がおかれている。この規定により、理事や評議員などの各機関が、同一勢力によって占められるのは 3 分の 1 までとなっている。

 

当初は代表理事の理想や存在に対して強い求心力があって、財団法人の運営や、その有する自社株の議決権行使について、擬似的に代表理事という立場を通してオーナー経営者一族が株式を所有しているのと同じ感覚が生じるかもしれない。しかし、この3分の 1 の規定の存在により、いずれ代表理事の代替わりや、求心力の低下によって他の理事や評議員の賛同が得られなくなるようなことがあれば、一人頭一票である以上、オーナー経営者一族がこれまでの力関係を維持できなくなる可能性を覚悟する必要がある。

 

2.長期保有をもたらす安定株主対策と、社会貢献活動を実施し続けなければならないという覚悟

 

一般に安定株主とは、利益獲得を優先して短期的な視点から株式を売買する株主ではなく、企業業績などに左右されずに長期的な視点で株式を保有する株主のことをいう。企業にとっては安定株主の存在により、経営者は長期的な企業の成長を考えた安定的な経営を行いやすくなるというメリットがある。では財団法人に自社株を寄附するということが、オーナー経営者の会社にとっての安定株主対策につながると考えられるのはなぜだろうか。

 

財団法人に税負担なく株式を寄附することができるというこの優遇税制の最大の目的は、民間部門における公益性の高い社会貢献活動を支援することにある。そのため、未来に向かって安定的にその社会貢献活動が行われるように、優遇税制の適用に当たっては、寄附財産が確実に社会貢献活動の基盤となることを要求している。  具体的には、この優遇税制を受けて財団法人に寄附をされた財産は、社会貢献活動を担う財産基盤として、寄附後 2 年迄の間にその公益を目的とする事業の用に直接供することが必要とされる。直接供するといっても経済的権利を表章している株式が対象である場合、土地や建物とは違い物理的に使用することはできないので、その株式から得られる配当金収入のすべてが、公益目的事業の実施費用として適切に使われていることが必要とされている。従って、運用益として得た配当金収入が公益目的事業の実施が不十分で使い切ることができなった場合や、公益目的事業の妨げになるような株式の売却処分等が行われた場合には、優遇措置を受けることについての承認が取り消され、時価での譲渡があったものとして負担すべき税金(譲渡所得税)を支払うこととなる。

 

また、その寄附先が公益財団法人の公益目的事業であった場合に、その後、公益目的事業が適切に実施されないなどの理由で、公益財団法人としての基準を満たさずに認定が取り消された場合には、その公益財団法人が公益目的のために保有している財産を国等に贈与しなければならなくなる。

 

つまり、この社会貢献活動の財源となる自社株を財団法人内に確実に保有させ、これに反した場合にはペナルティが課されるというこの仕組みこそが、株式を長期保有する強固な安定株主を作り上げるものとして機能することになる。それは裏を返せば、寄附による移転時に税制上の優遇措置を受けるということが、以後、社会貢献活動を行い続けることを約束することに他ならず、代償なくしてこれを止めることはできないという覚悟を求めるものとなる。

 

Ⅴ.終わりに

寄附を受けた財団法人が確実に公益性の高い社会貢献活動を行うよう担保する法制度の仕組みが、相続税対策や安定株主対策の役立つ効果を有している反面、それを受け入れることは経営者に少なくとも2つの覚悟を要求するものであることを理解する必要がある。

 

つまり、①オーナー経営者が自社株を寄附により財団法人に移転して、その所有権を手放しても、財団法人の代表理事として就任し、他の理事や評議員などの対し求心力を得ている間は、自分の想いを財団法人にて実現することができる。これは疑似的に所有している場合と同じような状況となる。しかし、代替わりなどで求心力を失う場合や、そもそも一族からの後継理事がいなかった場合には、財団法人(自社株)と設立者一族との関係が希薄となってしまう可能性がある。

 

また、②ひとたび財団に寄附し、社会貢献事業を始めるならば、以後適切に運営して継続していくことが必要となる。代償なくこれを終わらせることはできないこととなる。

 

ただ、こうした仕組みと覚悟を必要とするものであるが故に、寄附を受けた財団法人は公益事業を行う器として確実に存続し続ける宿命を与えられることとなる。社会貢献活動を通して自己の想いを末永く後世に伝えたい、とするオーナー経営者の希望を叶えるにふさわしい組織形態になっているといえる。十分な社会貢献活動を行い、これを代表理事として運営していくことができるのであれば、寄附を行ったオーナー経営者にとって大きな収穫が得られると思われる。

 

 

 

税理士法人山田&パートナーズ

レポート『オーナー経営者による財団法人への株式の寄附』(2019年9月20日付)より転載

[解説ニュース]

配偶者居住権が消滅した場合の相続税・贈与税の取扱い

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■配偶者居住権等の評価

■配偶者居住権等と相続税の小規模宅地等の特例・物納の取扱い

 

1.配偶者居住権の概要


被相続人の死亡時にその被相続人の財産であった建物に居住していた配偶者は、遺産分割又は遺言(以下「遺産分割等」)により、その居住していた建物(以下「居住建物」)の全部につき無償で居住したり賃貸したりする権利(=「配偶者居住権」)を取得することができます(民法1028条第1項)。

 

配偶者居住権の存続期間は、配偶者が亡くなるまで(遺産分割協議または遺言で別段の定めをした場合には、その期間)です(民法1030条)。

 

2.配偶者の死亡または期間の満了により消滅した場合の相続税・贈与税の取扱い


個人が対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた場合には、相続税法9条により、原則として、その利益を受けた時に、その利益を受けた時におけるその利益の価額に相当する金額(対価の支払があつた場合には、その価額を控除した金額)を、その利益を受けさせた者から贈与により取得したものとみなされます。

 

上記1のとおり、配偶者居住権を取得した配偶者が死亡した場合には、配偶者居住権が消滅します。この場合、居住建物の所有者はその居住建物について使用収益することが可能となったことを利益と考え、上記相続税法9条の規定と同様に居住建物の所有者に対してみなし課税をするという考え方もあります。しかしこれは配偶者の死亡に伴い、民法の規定により予定どおり配偶者居住権が消滅するものであり、配偶者から居住建物の所有者が相続により取得する財産がないことから、相続税は課税されません(相続税法基本通達9-13-2注書)。

 

配偶者居住権の存続期間が終身ではなく、10年などの有期で設定されていた場合に、その存続期間が満了したときも、民法の規定により予定どおり配偶者居住権に基づく建物の使用収益が終了することから、移転し得る経済的価値は存在しないと考えられ、贈与税は課税されません。

 

なお、居住建物の敷地の所有者についても、上記と同様の取扱いがされます。

 

3.配偶者居住権がその存続期間の満了前に消滅した場合の贈与税の取扱い


前述1のとおり、民法は配偶者居住権の存続期間を「配偶者が亡くなるまで(遺産分割協議または遺言で別段の定めをした場合には、その期間)」と定めており、原則として当初設定した存続期間の中途で変更することはできません。

 

ただし、配偶者が用法遵守義務*に違反した場合や、居住建物の所有者の承諾を得ないでその建物の改築や増築または第三者に対する賃貸を行った場合には、居住建物の所有者は配偶者に対して期間を定めて是正の催告を行い、その期間内に是正されないときは配偶者居住権を消滅させることができます(民法1032条第3項、第4項)。また、配偶者が配偶者居住権を放棄又は居住建物の所有者と合意することにより、配偶者居住権を解除することが可能と解されています(堂薗幹一郎・野口宜大「一問一答 新しい相続法」(商事法務)29頁Q20参照)。

 

*民法1032条第1項により、配偶者は従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって居住建物を使用することが義務付けられています。

 

 

配偶者居住権の存続期間の満了前に何らかの事由により配偶者居住権が消滅することとなった場合、居住建物の所有者は、その期間満了前に居住建物の使用収益ができることとなります。その配偶者居住権の消滅により、配偶者から所有者に使用収益する権利が移転したものと考えられることから、相続税法9条の規定により配偶者から贈与があったものとみなされ、居住建物の所有者に対して贈与税が課税されます。

 

具体的には、前述の理由によりその配偶者居住権は消滅した時において、その建物の所有者または建物の敷地の用に供される土地の所有者が、①対価を支払わなかったとき、または②著しく低い価額の対価を支払ったときは、原則、その建物や土地の所有者が、その消滅直前に、その配偶者が有していた配偶者居住権の価額またはその配偶者居住権に基づき土地を使用する権利の価額に相当する利益の額(対価の支払があった場合には、その価額を控除した金額)を、その配偶者から贈与により取得したものとして取扱われ(相続税法基本通達9-13-2)、贈与税が課税されます。

 

なお、居住建物の敷地の所有者についても、上記と同様の取扱いがされます。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/11/05)より転載

[M&Aニュース](2019年10月21日〜11月1日)

◇アイスタディ<2345>、カイカ傘下でソフト開発を手がける東京テックを子会社化、◇フジコー<2405>、経営陣によるTOBで非公開化へ、◇アイカ工業<4206>、メラミン化粧板大手の米ウィルソナート傘下のアジア子会社4社を買収、◇アイシン精機<7259>、変速機子会社のアイシンAWを2021年4月に統合へ、◇アシックス<7936>、カナダFNCからレース登録サイト「Race Roster(レースロースター)」を取得、◇三光産業<7922>、GCネクストからノベルティ部門を取得、◇アインホールディングス<9627>、エステティクスのメイクアップコスメブランド「DAZZSHOP」を取得、◇NSD<9759>、日系企業向けのITシステム開発を手がける米Japan Techを子会社化、◇アエリア<3758>、不動産投資コンサルティングを手がけるインベストオンラインを子会社化 ほか

 

 

 

 

アイスタディ<2345>、カイカ傘下でソフト開発を手がける東京テックを子会社化

◆アイスタディは、カイカ傘下のソフト開発会社である東京テック(東京都目黒区。売上高2億6800万円、営業利益2800万円、純資産4800万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

アイスタディは新規分野として2018年5月に、AI(人工知能)やビッグデータ、IoT(モノのインターネット)などに関連する高度ITスキルを習得するための学習コースと、そのスキルを生かした転職支援を組み合わせた総合サービス「iStudy ACADEMY」の提供を始めた。「iStudy ACADEMY」との連携で、東京テックで実務経験を積んだIT技術者を再育成し、高度IT人材の紹介事業として展開する。

取得価額は6300万円。取得日は2019年11月1日。

 

 

 

フジコー<2405>、経営陣によるTOBで非公開化へ

◆東証2部上場で建設廃棄物の中間処理を主力とするフジコーは1日、MBO(経営陣による買収)を受け入れ、株式を非公開化すると発表した。小林直人社長が設立したHOP(千葉県白井市)がTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株式(小林社長ら経営陣と親族らが所有する不応募株式22.84%を除く)の取得を目指す。

フジコーは1972年にキクイムシ、ダニ、ゴキブリなど家屋害虫の駆除工事を目的にスタートした。その後、家屋の解体工事から発生する建設系廃棄物処理に進出し、主力事業に育てた。食品系廃棄物処理のほか、製材くずなどを利用した森林発電事業も手がける。短期的な業績変動にとらわれず、中長期的に新規事業や新規設備への投資を進めるには株式の非公開化が望ましいと判断したという。

買付価格は1株600円で、TOB公表前日の終値550円に9.09%のプレミアムを加えた。買付予定数は333万9077株で、買付金額は最大20億円強。買付予定数の下限は所有割合43.83%。買付期間は11月5日~12月16日。決済開始日は12月23日。買付代理人はみずほ証券。

 

 

 

アイカ工業<4206>、メラミン化粧板大手の米ウィルソナート傘下のアジア子会社4社を買収

◆アイカ工業は1日、日本政策投資銀行と共同で、メラミン化粧板メーカー大手の米ウィルソナート傘下でタイ、豪州、中国、香港のアジア4カ所にある現地事業会社の全株式を取得し、子会社化すると発表した。アジア・オセアニア地域で新たな生産拠点や販売網を獲得し、海外における建装事業の拡大を目指す。

ウィルソナートから取得するタイ、中国(上海)、豪州の3社は化粧板を製造・販売し、香港は販売会社。これら4社合計の事業規模は売上高約92億2000万円、経常利益約10億円、純資産約45億円。従業員数は約510人。アイカ工業はタイ、中国、香港の3社の株式51%を取得し、残りを政投銀が取得する予定。豪州の会社についてはアイカ工業が完全子会社化する。

取得価額は4社合計で約162億円。取得予定日は2019年12月中。

ウィルソナートは1956年に米テキサス州で設立。メラミン化粧板で米でトップシェアを持ち、アジア・オセアニア地域には1998年に進出した。メラミン化粧板の高級ブランドとして建築・設計業界で受け入れられている。

 

 

 

アイシン精機<7259>、変速機子会社のアイシンAWを2021年4月に統合へ

◆アイシン精機は31日、変速機の製造を主力とする子会社のアイシン・エィ・ダブリュ(AW、愛知県安城市)と経営統合することで基本合意したと発表した。グループの中核2社が結集し、自動運転や電気自動車などに代表される「CASE」分野での競争力強化を目指す。アイシンAWはトヨタ自動車が保有する自社株式のすべてを2020年4月に自己取得する。そのうえで1年後の2021年4月にアイシン精機が同社を吸収合併する予定。

アイシンAWの株式はアイシン精機などグループが約6割、トヨタが約4割を保有する。トヨタは今回の両社の経営統合に賛同し、アイシンAWの株式譲渡で合意している。アイシンAWの2019年3月期の売上高は1兆6758億円。

一方、前日の30日には、日立製作所とホンダがそれぞれの傘下の自動車部品メーカー4社を合併させると発表した。合併するのは日立の完全子会社の日立オートモティブシステムズ、ホンダが筆頭株主となっているケーヒン、ショーワ、日信工業の3社。合併時期は未定だが、合併後の統合会社の売上規模は約1兆8000億円となり、トヨタ自動車系のデンソー、アイシン精機に次ぐ国内第3位の自動車部品メーカーに浮上する。

次世代技術「CASE」分野での開発競争の激化が統合・再編に向けた自動車部品各社の背中を押す格好となっている。

 

 

 

アシックス<7936>、カナダFNCからレース登録サイト「Race Roster(レースロースター)」を取得

◆アシックスは、カナダFast North Corporation(FNC、オンタリオ州)が運営するレース登録サイト「Race Roster(レースロースター)」事業を取得することを決めた。取得価額は約30億円。取得予定日は2019年11月中。

レースロースターはランナーがレースに申し込みをする際のプラットフォームで、登録規模で北米3位。登録ランナーの多くは10キロメートル以下のレースへの参加者が占め、女性や若いランナー層が主体という。アシックスは今回の事業取得で、これらランナー層とシューズのアシックスブランドが接する機会を拡大する。当該事業の直近売上高は約6億円。

 

 

 

三光産業<7922>、GCネクストからノベルティ部門を取得

◆三光産業は、物流業務や販促品の企画・デザインなどを手がけるGCネクスト(東京都新宿区。売上高15億3000万円、営業利益1450万円、純資産△2690万円)からノベルティ部門を取得することで基本合意した。GCネクストがノベルティ部門を分社して設立する新会社の株式を取得して子会社化する形とする。

三光産業としてノベルティ部門を新事業として育成するとともに、既存事業のシール・ラベル印刷事業とのシナジー(相乗効果)も見込めると判断した。

取得価額は未定。取得予定日は2019年11月30日。

 

 

 

アインホールディングス<9627>、エステティクスのメイクアップコスメブランド「DAZZSHOP」を取得

◆アインホールディングスは、エステティクス(東京都港区)が運営するメイクアップコスメブランド「DAZZSHOP(ダズショップ)」事業を2019年11月1日付で取得する。取得価額は非公表。

DAZZSHOPはカラーコンタクトレンズをメイクアップの一つととらえ、アイメイク中心のメイクアップ商品を展開。百貨店、セミセルフ型コスメショップ、EC(電子商取引)など多様な販売チャンネルを持ち、国内で東京、大阪、名古屋、横浜、札幌、海外では台湾、香港、上海に出店している。

アインホールディングスは子会社を通じて、コスメを中心としたドラッグストア「アインズ&コスメ」を大都市圏で展開している。DAZZSHOPを取り込むことで、オリジナル商品の強化や海外を含めた販路拡大につなげる。

 

 

 

NSD<9759>、日系企業向けのITシステム開発を手がける米Japan Techを子会社化

◆NSDは、米国の日系企業向けを中心にITシステムの開発・コンサルティングを手がける現地Japan Tech(ニュージャージー州)の全株式を取得し、子会社化した。米での事業成長を加速するのが狙い。Japan Techは1995年に設立。取得価額、取得日は非公表。

 

 

 

アエリア<3758>、不動産投資コンサルティングを手がけるインベストオンラインを子会社化

◆アエリアは、不動産投資コンサルティング・マッチング事業のインベストオンライン(東京都新宿区。売上高12億3000万円、営業利益△2100万円、純資産7億500万円)の株式80%を取得し子会社化することを決議した。

アエリアは経営多角化の一環として2017年に、不動産や賃貸管理、宿泊施設の企画・運営などのアセットマネジメント事業に進出した。インベストオンラインは「新築一棟投資法」「賃貸併用住宅のススメ」「INVEST ONLINE」などの不動産投資家向け情報サイトを運営している。アエリアは同社を傘下に取り込むことで、不動産関連事業の拡大につなげる。

取得価額は6億円。取得予定日は2019年11月1日。

 

 

 

イチネンホールディングス<9619>、浅間製作所の遊戯機器部品事業を取得

◆イチネンホールディングスは、浅間製作所(名古屋市。売上高99億3000万円、営業利益△7億600万円、純資産54億6000万円)が営む遊戯機器用部品の製造・販売事業を取得することを決めた。受け皿会社を設立して事業を継承する。イチネンは遊技機部品の製造を手がける子会社イチネンジコー(東京都港区)を持ち、シナジー(相乗効果)を見込んでいる。取得価額は未定。

イチネンは10月31日に全額出資で浅間製作所分割準備を設立。浅間製作所を分割会社、浅間製作所準備を承継会社とする吸収分割で、承継完了は2020年3月2日。

 

 

 

アイリックコーポレーション<7325>、新光FPサービスから「保険ラウンジ」2店舗を取得

◆アイリックコーポレーションは、新光FPサービス(横浜市)が運営する来店型保険ショップ「保険ラウンジ」2店舗を取得することを決議した。対象店舗はいずれも横浜市内。アイリックは来店型保険ショップ「保険クリニック」を全国203店舗展開している。取得後は「保険クリニック」の直営店として運営する予定。

 

 

 

グローバルキッズCOMPANY<6189>、保育園入所を支援する「えんマッチ」事業を日本生命傘下のライフケアパートナーズに譲渡

◆グローバルキッズCOMPANYは、子会社を通じて展開する子育て世代の従業員と保育園とのマッチングサービス「えんマッチ」事業を日本生命保険傘下のライフケアパートナーズ(東京都文京区)に譲渡することを決めた。

「えんマッチ」は全国にある企業主導型の保育園の定員数に対する空き枠をシェアし、利用したい企業の従業員と保育園をつなぐサービスで、グローバルキッズCOMPANYの子会社であるグローバルキッズ(東京都千代田区)が手がけている。事業譲渡後、ライフケアパートナーズに一部出資し、引き続き、事業に関わるという。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年1月1日。

 

 

 

ぐるなび<2440>、法人向けフードデリバリー事業をOMOTENASHIに譲渡

◆ぐるなびは法人向けフードデリバリー事業を、インターネット関連のOMOTENASHI(東京都渋谷区)に会社分割により譲渡することを決議した。中核である飲食店販促支援事業に経営資源を集中するため、周辺事業・サービスについて整理を検討してきた。譲渡価額は5億5000万円。譲渡予定日は2020年1月1日。

譲渡するのは法人顧客に対して会議用弁当の注文などを手配する事業。OMOTENASHIは宅配弁当・ケータリングサイト「ごちクル」などを運営するスターフェスティバル(東京都渋谷区)の全額出資子会社。

 

 

 

塩野義製薬<4507>、バイオ医薬品メーカーのUMNファーマをTOBで子会社化

◆塩野義製薬は30日、バイオ医薬品メーカーのUMNファーマ(マザーズ上場)に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。塩野義は2017年10月にヒト用感染症予防ワクチンなどの共同開発に向けて、UMNファーマと資本・業務提携し、現在31.08%の株式を所有する。従来の関係をさらに発展させ、同社を傘下に取り込み、ワクチン事業参入に必要な創薬基盤の獲得を目指す。

買付価格は1株あたり540円。TOB公表前日の終値368円に46.74%のプレミアムを加えた。買付期間は10月31日~12月12日。買付代金は最大66億5325万円。買付予定数の下限は所有割合で35.72%。決済開始日は12月19日。買付代理人は野村証券。

 

 

 

日立とホンダ、傘下の日立オートモティブ・ケーヒン・ショーワ・日信工業の車部品4社合併へ

◆日立製作所とホンダは30日、それぞれの傘下の自動車部品メーカー4社を合併させると発表した。ホンダが筆頭株主となっているケーヒン、ショーワ、日信工業の3社に対してTOB(株式公開買い付け)を実施して完全子会社化する。そのうえで、日立の全額出資子会社である日立オートモティブシステムズ(茨城県ひたちなか市)が3社を吸収合併する。4社統合により、自動運転や電気自動車など次世代技術「CASE」分野での国際的な競争強化を目指す。

合併後の統合会社への出資比率は日立66.6%、ホンダ33.4%となる。統合会社の売上規模は約1兆8000億円となり、トヨタ自動車系のデンソー、アイシン精機に次ぐ国内第3位の自動車部品メーカーに躍進する。合併時期は現時点で未定。

合併に先立つ、ホンダによる系列3社に対するTOB内容は次の通り。▽ケーヒン=買付価格2600円(TOB公表前日の終値1898円に36.99%のプレミアム)、買付代金1127億7967万円)▽ショーワ=買付価格2300円(同1806円に27.35%のプレミアム)、買付代金1161億9083万円▽日信工業=買付価格2250円(同1793円に25.49%のプレミアム)、買付代金953億円5342万円。

TOBの開始日や買付期間は未定。いずれも買付代理人は野村証券。

 

 

 

日信工業<7230>、日本と中国におけるスウェーデンVEONEERとの合弁2社を子会社化

◆日信工業は、持ち分法適用関連会社で自動車部品の開発・製造を手がけるヴィオニア日信ブレーキシステムジャパン(横浜市。売上高309億円)、中国VEONEER NISSIN BRAKE SYSTEMS(中山市。売上高138億円)を子会社化することを決議した。スウェーデンの自動車部品メーカーVeoneer(ストックホルム)との合弁を解消し、2社の持ち株比率をいずれも現在の49%から74%に高める。取得価額は両社合計で94億円。

対象2社の残る26%の株式についてはホンダが取得する。2社はホンダに主力製品の回生ブレーキを供給している。

日本と中国にある合弁会社は2015年に設立。回生ブレーキは制動を行う際に発電機を回し、運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッテリーに蓄電するもので、電気自動車やハイブリッド車に採用が進んでいる。

 

 

 

SCSK<9719>、ソフト開発のMinoriソリューションズをTOBで子会社化

◆SCSKは30日、ソフト開発やシステム運用管理を主力とするMinoriソリューションズ(東証1部)に対してTOB(株式公開買い付け)を行うと発表した。現在10.45%の持ち株比率を100%に引き上げ、完全子会社化を目指す。SCSKはMinoriへの出資を機に同社と10年来のパートナー関係にある。子会社化による一体的な運営を実現し、次世代のIT利用環境とされるDX(デジタルトランスフォーメーション)分野での事業基盤を拡充する。

SCSKは住商情報システムとCSKの上場情報処理会社2社が合併して2011年に発足した。一方、Minoriは1980年に日本システムクリエートとして設立され、2004年に現社名に変更。新興市場を経て2015年に東証1部に上場した。今年3月下旬、Minoriから関係強化に向けた協議の打診があったという。

買付価格は1株あたり2700円で、TOB公表前日の終値2100円に28.57%のプレミアムを加えた。買付期間は10月31日~12月12日。買付代金は最大208億1473万円。買付予定数の下限は所有割合で56.21%。決済開始日は12月19日。買付代理人は大和証券。

 

 

 

アサヒホールディングス<5857>、マッサージチェア最大手の子会社・フジ医療器を台湾ジョンソンヘルステックに譲渡

◆アサヒホールディングス(HD)は29日、マッサージチェア最大手で全額出資子会社のフジ医療器(大阪市。売上高182億円、営業利益10億7000万円、純資産41億7000万円)の株式60%を、台湾のフィットネス機器メーカーであるジョンソンヘルステック(台中市)に譲渡することで基本合意したと発表した。ジョンソンはフジ医療器製マッサージチェアの海外販売代理店で、全世界に30の販売子会社、300強の直営店を持つ。フジ医療器を両社の合弁会社とすることで、海外事業の拡大を目指す。譲渡価額は67億円。譲渡予定日は2020年2月上旬。

アサヒHDは成長分野の健康機器事業を取り込むため、2014年にフジ医療器を傘下に収めた。マッサージチェアを中心とする健康機器事業をさらに拡大させるためには国内シェア向上に加えて、米国や中国など海外市場開拓が不可欠として、グローバルな販売網を展開するジョンソンと協議を重ねてきたという。

 

 

 

カルビー<2229>、スナック菓子メーカーの米ウォーナック・フード・プロダクツを子会社化

◆カルビーは29日、米国のスナック菓子メーカー、ウォーナック・フード・プロダクツ(カリフォルニア州。売上高45億円)の株式80%を取得し子会社化したと発表した。世界最大のスナック菓子市場である米国での事業を拡大する。取得日は25日付。取得金額は非公表。

ウォーナックは1986年に創業し、ポテトチップス、トルティーヤ、パフスナックなど各種スナック菓子の受託製造を手がける。カルビーは米国で2006年から現地子会社を通じて豆系スナック「Harvest Snaps」を中心にスナック菓子を製造・販売している。ウォーナックを傘下に取り込み、商品群を充実させる。

 

 

 

スタンレー電気<6923>、二輪車用ランプメーカーのフィリピンHella―Philを子会社化

◆スタンレー電気は、フィリピンで二輪車用ランプを製造するHella―Phil.,Inc.の株式90%を取得し子会社化した。ASEAN(東南アジア諸国)で第二位の人口を擁し、二輪車・自動車ともに安定成長が期待されているフィリンピン市場へ参入する狙い。取得価額は非公表。取得日は2019年10月22日。

協業関係にある同業のドイツHellaと協議した結果、同社傘下の現地Hella―Philの全持分を譲り受けた。

 

 

 

ワールド<3612>、高級バッグのシェアリングサービスを展開するラクサス・テクノロジーズを子会社化

◆ワールドは、高級バッグのシェアリングサービス事業を展開するラクサス・テクノロジーズ(広島市。売上高13億7000万円、営業利益500万円、純資産8億200万円)の株式62.5%を取得し子会社化することを決議した。

ラクサスはブランドバッグに特化したサブスクリプション(定額課金)型レンタルサービスを主力とする。ワールドはアパレルブランドを中心に約600万人の稼働会員数を持つほか、リユース事業でも一定の顧客基盤を築いている。ラクサスのレンタル・調達両面で顧客基盤の相互補完効果などを期待している。

また、ワールドは100億円規模の成長資金の支援を通じて、ラクサスの潜在力を最大限引き出すとともに、将来的なIPO(株式公開)に向けた事業基盤の確立を後押しする方針。

取得価額は43億4200万円。取得予定日は2019年11月6日。

 

 

 

コメ兵<2780>、中古ブランド品買取販売「ブランドオフ」の全事業を取得

◆コメ兵は、「BRAND OFF」の店名で中古ブランド品の買取販売を手がけるブランドオフ(金沢市。売上高144億円、営業利益△1億4500万円、純資産△29億9000万円)との間でスポンサー支援に関する最終契約を締結した。コメ兵が全額出資で設立した新会社K-ブランドオフ(金沢市)がブランドオフの全事業を12月3日付で継承する。取得価額は非公表。

コメ兵とブランドオフの両社が持つブランド・リユース業界におけるノウハウやネットワーク、顧客基盤、人材などを一体化することで、成長の加速化を見込んでいる。

 

 

 

シャープ<6753>、携帯電話販売の台湾「震旦電信」を子会社化

◆シャープは、携帯電話販売事業を展開する台湾の震旦電信股份有限公司(Aurora Telecom、台北市。売上高57億7000万円、営業利益△8600万円、純資産13億円)の株式を追加取得し、現在33%の持ち株比率を40.09%に引き上げ、子会社化することを決めた。筆頭株主となり、Aurora Telecom取締役の過半数を指名する権利を得る。取得価額は3億3000万円。取得予定日は2019年12月。

Aurora Telecomは台湾全土に119店舗の携帯電話販売店舗を持つ。シャープは現地子会社の台湾夏普股份有限公司(STE、新北市)を通じて、すでにAurora Telecomに33%を出資。さらに新株発行を引き受けて子会社化し、台湾市場での販売拡大につなげる。

 

ワキタ<8125>、工事測量のCSS技術開発を子会社化

◆ワキタは、工事測量や測量機器の販売・賃貸を手がけるCSS技術開発(東京都多摩市。売上高5億1200万円、営業利益5500万円、純資産10億1000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

CSSはi-Constructionと呼ばれる建設工事のIT化に対応したドローン、3次元レーザースキャナー、MMS(モバイルマッピングシステム)などによる最新の測量技術とこれに関連する解析技術を持つ。ワキタは同社を傘下に取り込むことで、建機事業の業容拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月14日。

 

 

 

ポエック<9264>、電気機械機器製作・修理の協立電機工業を子会社化

◆ポエックは、電気機械機器製作・修理を手がける協立電機工業(神奈川県茅ケ崎市。売上高2億6100万円、営業利益6900万円、純資産2億1300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

協立電機は1936年に創業(1952年に法人改組)し、80年を超える業歴を持つ。とくにモーターコイル、陸上ポンプ、水中ポンプなどの機器メンテナンス・修理に強みがあり、約200社の安定的な取引先を持つ。ポエックは同社を傘下に取り込み、関東地区での機器メンテナンス・修理案件の受注拡大などを期待している。

取得価額は2億7075万円。取得予定日は2019年12月3日。

 

 

 

メディアドゥホールディングス<3678>、データ入力子会社の徳島データサービスをテック情報に譲渡

◆メディアドゥホールディングスは、書誌データなどの入力作業を手がける子会社の徳島データサービス(徳島市)の全株式を、持ち分法適用関連会社でソフト開発のテック情報(徳島県板野町)に譲渡することを決めた。メディアドゥは今年1月に株式交換で徳島データサービスを傘下に収めたばかりだが、グループの成長戦略を見直すことにした。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年10月31日。

 

 

 

マイネット<3928>、ネクソン傘下企業から「大戦乱!!三国志バトル」などのブラウザゲーム事業を取得

◆マイネットは、オンラインゲーム大手のネクソン傘下のgloops(東京都港区)からブラウザゲーム事業を買収することを決めた。gloopsの子会社で同事業を継承するMYLOOPS(東京都港区)の全株式を取得して子会社化する形となる。取得価額は5億円。取得予定日は2019年12月1日。

マイネットは今回の買収により、「大戦乱!!三国志バトル」「SKYLOCK(スカイロック)」など複数のブラウザゲームタイトルを獲得する。当該事業の業績は売上高30億5000万円、営業利益7億1500万円。「大戦乱!!三国志バトル」は2012年5月にリリースされ、累計会員200万人を超えるリアルタイムバトルゲーム。マイネットは有力タイトルを取り込み、オンラインゲーム事業の拡大につなげる。

 

 

 

ナ・デックス<7435>、レーザー・FA関連機器のタマリ工業グループを子会社化

◆ナ・デックスは、各種レーザー・機械の設計、製作を主力とするタマリ工業(愛知県西尾市。売上高15億8000万円、営業利益1億500万円、純資産5億6200万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。取得価額は32億6700万円。取得予定日は2019年11月1日。

タマリ工業は傘下にFA関連機器を手がけるシンテック(新潟市。売上高13億2000万円、営業利益1億400万円、純資産2億9300万円)、テクノシステム(浜松市。売上高4億7100万円、営業利益5300万円、純資産2億5300万円)を持ち、これら3社でタマリ工業グループを形成している。

 

 

ビート・ホールディングス・リミテッド<9399>、レンCEOに子会社の新華ファイナンシャル・ネットワークを譲渡

◆ビート・ホールディングス・リミテッドは、香港にある100%子会社で金融情報商品を提供(現在は事業休止)する新華ファイナンシャル・ネットワーク・リミテッド(XFNHK、売上高800万円、営業利益△7700万円、純資産△2億6200万円)の全株式を、ビート・ホールディングスCEO(最高経営責任者)のレン・イー・ハン氏に譲渡することを決議した。譲渡価額は1米ドル(約108円)。譲渡予定日は2019年12月31日。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

遺留分侵害額の請求があった場合の税務上の取扱い

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田房枝/税理士)

 

 

[関連解説]

■遺留分制度を潜脱する意図で利用された信託(東京地裁H30.9.12)

■2次相続の申告後に、1次相続に係る遺留分侵害額請求に基づく支払額が確定した場合

 

 

1 民法改正


遺留分侵害に対する遺留分権利者(兄弟姉妹以外の相続人)の請求権につき、次のとおり改正されました。

 

2 令和元年度(平成31年度)税制改正


民法改正に伴って、遺留分に関する規定が物権的請求権から金銭債権へと変化したものの、権利行使によって生ずる担税力の増減は改正前と同様であると考えられることから、相続税の課税関係は改正前と同様とされ、民法において「遺留分の減殺請求」という用語が「遺留分侵害額の請求」と改正されたことに伴う規定の整備のみが行われました(下記3参照)。

 

ただし、遺留分権利者に支払う金銭を準備することが困難な場合等には、当事者間の合意のもと、金銭ではなく金銭以外の資産を移転することで解決することも想定されますが、その場合の所得税の課税関係については留意が必要となります(下記4参照)。

 

3 基本的な取扱い(相続税法)


(1)遺留分侵害額の支払義務者における取扱い

相続税又は贈与税の申告書を提出した者又は決定を受けた者は、遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が確定したこと(令和元年6月30日以前の相続の場合は、遺留分の減殺請求に基づき返還すべき、又は弁償すべき額が確定したこと)により、その申告又は決定に係る課税価格及び税額が過大となったときは、その額が確定したことを知った日の翌日から4か月以内に、更正の請求をすることができます。

(2)遺留分権利者における取扱い
①申告書を提出していた又は決定を受けていた場合

既に相続税の申告書を提出し又は決定を受けていた遺留分権利者は、上記(1)の更正の請求がされる場合には、既に確定した相続税額に不足を生じることになるため、更正があるまでは、修正申告書を提出することができます。この場合の相続税の納期限はその修正申告書の提出日であり、その提出日までに追加分の相続税を納付した場合には、延滞税は課税されません。

②期限内申告書を提出していなかった場合

遺留分侵害額の請求により新たに申告書を提出すべき要件に該当した遺留分権利者は、上記(1)の更正の請求がされる場合には、決定があるまでは、期限後申告書を提出することができます。この場合の相続税の納期限はその期限後申告書の提出日であり、その提出日までに相続税を納付した場合には延滞税は課税されません。

(3)実務上の対応

上記(1)及び(2)の申告等をしたとしても、しなかった場合と比べて相続税の総額は変わらないため、実務的にはこれらの申告等を行わず、当事者間で修正税額の精算のみを行うこともあります。

 

4 金銭以外の資産を移転した場合(所得税法)


遺留分侵害額の支払義務者が、遺留分侵害額に相当する金銭の支払に代えて、その債務の全部又は一部の履行として、資産を遺留分権利者に移転した場合には、その履行をした者は、原則として、その履行時に、その履行により消滅した債務の額に相当する価額によりその資産を譲渡したものとして取り扱われます。

 

5 終わりに


遺留分侵害額請求権が行使される可能性が高い場合には、次のような検討をしておくとよいと考えます。

 

●遺留分侵害額請求権の行使に備えて、生前から資金準備をする(生命保険、自己株式等を検討)

 

●遺言の見直し(遺留分相当の財産を遺留分権利者へ渡す内容にすること等を検討)

 

●いわゆる事業承継税制の適用を検討している場合には、適用を受ける株式数の検討(遺留分侵害額請求権に対応するためであったとしても、事業承継税制の適用を受けた株式を譲渡したり、遺留分権利者へ移転したりした場合には、取消し事由となるため)

 

●信託の活用を検討(ただし、実態等によっては、遺留分制度を潜脱する意図のある信託として、無効となる場合がある。〈参考ページ〉

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/10/28)より転載

[解説ニュース]

住宅ローン控除・・・マイホームに入居し控除を開始した後に転勤を命じられたら

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(亀山 孝之/税理士)

 

 

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■住宅ローン特別控除適用者が居住用財産を譲渡し3,000万円控除の適用を受ける場合の取扱い

■居住用財産の譲渡に係る3,000万円控除から住宅ローン特別控除への特例選択の変更の可否適用を受けることの可否

 

1.はじめに


表題の控除制度は、租税特別措置法(措置法)41条が規定しています。個人が、国内で住宅の用に供する家屋で床面積が50㎡以上などの要件を満たすものの新築又はその建築後使用されたことのないもの等(以下「マイホーム」)の取得をして、そのマイホームを2021年の年末までにその個人の居住の用に供した場合(その新築・取得の日から6ヶ月以内に居住の用に供した場合に限ります。)、その個人がそのマイホームの新築等のための借入金(住宅借入金)の金額を有するとき適用できます。具体的には、その居住の用に供した日の属する年(居住年)以後10年間(注)の各年(その居住日以後その年の12月31日まで引き続きその居住の用に供している年に限ります。適用年といいます。)のその個人の所得税の額から、住宅借入金の年末の残高に基づく一定の控除額が控除されます。ただし、その年の事業所得の金額、給与所得の金額などの合計額が3000万円超となる年は適用できません。

 

(注)今年の10月1日以降、課される消費税率が10%となるマイホームを取得し、来年の12月31日までに自己の居住の用に供した場合は13年目まで延長されます(同条⑬)。

 

この控除は、マイホームを取得した個人がそこに居住し続けていることを基本的要件としており、居住の用に供しなくなった場合、その年以降はこの控除を受けることはできません。10年は長いので、めでたく新居に入居した会社員が、遠隔地に転勤を命じられるなどにより、やむを得ずそこに居住できなくなる場合もあります。措置法41条は、その場合を想定し救済的な措置も用意しています。その措置とそれに関することを2以下で説明します。

 

 

2. 「居住の用に供した(ている)」ことの判定法


まず、1の下線部の「その居住の用に供した(ている)」とは、原則として、マイホームを新築・取得した者が、現にそれを居住の用に供した(ている)場合をいいます。その判定に関し、たとえば、マイホームを新築又は取得した会社員(A)が、配偶者、扶養親族等(B)とともにそこで居住を開始したところ、会社から転勤を命じられ、やむを得ずマイホームを離れることになった場合でも、Aが単身赴任しBがマイホームに残って引き続き居住しており、その後、Aが転勤前の勤務地に戻されるなど、マイホームを離れた事情が解消されれば、Aが再びマイホームに戻って居住することとなると認められるときは、Aがそのマイホームを引き続き居住の用に供しているものとされます。もし、Bが、Aを追ってその転勤先の社宅等に転居し、Bもそのマイホームから離れることになれば、その時点でAはそのマイホームを「居住の用に供しなくなった」とされます(措置法通達41-1~41-4)。

 

 

3. 居住の用に供しなくなった場合の救済的取り扱い


この控除の適用を受けていた個人が給与所得者で、その勤務先(給与の支払者)からの転勤の命令に伴う転居その他これに準ずるやむを得ない事由によって、そのマイホームをその個人の居住の用に供しなくなると(←2により判定)、その年以降この控除は受けられなくなります。その場合に、その個人が、その後再びそのマイホームを居住の用に供する(←同じく2により判定)と、上記の居住年以後10年間の各年のうち、その個人がマイホームを再び居住の用に供したと認められる日の属する年(居住再開年。その年にマイホームでの居住を再開する前までその家屋を賃貸の用に供していた場合には、その年の翌年)以後の各年(同日以後、その年の12月31日までで引き続きそのマイホームを居住の用に供している年に限ります。)は、上記の「適用年」とみなされ、この控除の再開が認められます(同条㉓)。ただ、居住再開年からこの控除を再開しても、この控除ができるのは当初の居住年から10年目(1の(注)の場合は13年目)までであり、居住していなかった年数分だけ適用年が後ろに伸びることはありません。

 

また、この居住再開による控除再開を受けるためには、転勤の命令に伴う転居等によりマイホームを居住の用に供しなくなる際に、その供しなくなる日までに、マイホームを居住の用に供しなくなる理由その他の財務省令で定める事項を記載した届出書をマイホームの所在地の所轄税務署長に提出し、その後居住を再開してこの控除を再開する年(居住再開年)の確定申告書にそのマイホームを再び居住の用に供したことを証する書類その他の財務省令で定める書類の添付をすることが必要です(同条㉔)。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/10/21)より転載

[M&Aニュース](2019年10月7日〜10月18日)

◇ケアサービス<2425>、サービス付き高齢者向け住宅事業を関東サンガに譲渡、◇岡三証券グループ<8609>、傘下証券を通じて田原証券の事業を取得、◇キャリアインデックス<6538>、リブセンスから成功報酬型賃貸情報サイト「DOOR賃貸」事業を取得、◇エードット<7063>、広告宣伝のBIRDMANを子会社化、◇ZUU<4387>、貸金業のCOOL SERVICESを子会社化、◇ブシロード<7803>、女子プロレスの「スターダム」を買収、◇フリービット<3843>、CCC傘下でインターネット通信事業のトーンモバイルから全事業を取得、◇クロップス<9428>、労働ビザ申請や給与計算などの受託を手がけるシンガポールINNOVARE HOLDINGSを子会社化 など

ケアサービス<2425>、サービス付き高齢者向け住宅事業を関東サンガに譲渡

◆ケアサービスは、埼玉県内4カ所で展開するサービス付き高齢者向け住宅事業を、介護支援事業の関東サンガ(さいたま市)に譲渡することを決議した。ケアサービスは東京23区を中心とした在宅介護事業に経営資源を集中する。譲渡価額は3億4000万円。譲渡予定日は2019年12月1日。

関東サンガは埼玉県内13カ所で介護施設を運営する。

 

岡三証券グループ<8609>、傘下証券を通じて田原証券の事業を取得

◆岡三証券グループは子会社の三縁証券(名古屋市)を通じて、田原証券(愛知県田原市)が手がけるすべての金融商品取引業(レセプト債関連事業を除く)を取得することを決めた。取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月下旬。

田原証券は1929年設立で、愛知県東三河地域を地盤とする。株式営業に強みを持つとされ、預かり資産は355億円(3月末)。

 

キャリアインデックス<6538>、リブセンスから成功報酬型賃貸情報サイト「DOOR賃貸」事業を取得

◆キャリアインデックスは、リブセンスの成功報酬型賃貸情報サイト「DOOR賃貸」事業を取得することを決議した。

「DOOR賃貸」はリブセンスが2010年に運営を開始。複数の不動産会社・不動産ポータルサイトから提供された賃貸物件情報をユーザーの希望とマッチングし、送客するサービスを行っている。当該事業の業績は売上高7億6600万円、経常利益3億5100万円。

キャリアインデックスは人材関連(転職、アルバイト・派遣情報)、スクール関連のサイトを運営し、ユーザー情報をパートナー各社に移送することで、移送数に応じた成果報酬型の集客代行料金を得る事業を主力とする。人材関連サイトで培ってきた集客ノウハウを応用できる新たな事業分野を模索していた。

取得価額は17億5000万円。取得予定日は2019年12月1日。

 

エードット<7063>、広告宣伝のBIRDMANを子会社化

◆エードットは、広告宣伝会社のBIRDMAN(東京都渋谷区。売上高4億9200万円、営業利益3630万円、純資産1億1100万円)の株式71%を取得し子会社化することを決議した。

エードットは一般消費者へのイメージアップや認知度・購買意欲の向上などに向けたソリューションを提供するブランディング事業を主力とする。BIRDMANの広告宣伝やセールスプロモーションに関するクリエイティブ力・開発能力を取り込む狙い。BIRDMANの設立は2004年。

取得価額は2億9200万円。取得予定日は2019年10月31日。

 

ZUU<4387>、貸金業のCOOL SERVICESを子会社化

◆ZUUは、貸金業のCOOL SERVICES(東京都中央区。売上高43万2000円、営業利益△259万円、純資産5200万円)の株式80%を取得し子会社化することを決議した。金融サービスの直接展開が狙い。COOL SERVICESは貸金業の登録を、その子会社のCOOL(東京都中央区)は第二種金融商品取引業と投資助言・代理業の登録を持つ。取得価額は1億1850万円。取得予定日は2019年11月15日。

 

ブシロード<7803>、女子プロレスの「スターダム」を買収

◆ブシロードは17日、女子プロレス団体のスターダム(東京都江東区)から女子プロレス事業を12月1日付で買収すると発表した。ブシロードは国内最大の男子プロレス団体「新日本プロレス」を傘下に持つが、女子プロレスの有力団体を取り込むことで、スポーツ事業の拡大を目指す。買収金額は非公表。

スターダムはロッシー小川(小川宏)氏が2010年に創設した。星輝ありさ、岩谷麻優、鹿島沙希、中野たむ、スターライト・キッド、林下詩美らの人気レスラーを多数抱える。

ブシロードは子会社のキックスロード(東京都中野区)を通じて、スターダムの女子プロレス事業(「スターダム」の運営)を買収する。当該事業の業績については明らかにしていない。女子プロレスや女子格闘技の人気が高まる中、既存のスポーツ事業との相乗効果が期待できると判断した。

キックスロードは2016年8月に、キックボクシング興行を目的に設立した。今回のスターダム買収に伴い、キックスロードはブシロードファイトに社名を変更する予定。

ブシロードは2012年に新日本プロレスリング(東京都品川区)を子会社化した。新日本プロレスはアントニオ猪木さんらが1972年に旗揚げ。現在、内藤哲也、棚橋弘至、オカダ・カズチカ選手ら70人以上のレスラーが所属し、年間に約160試合を開催する。年間延べ40万人の動員を誇る。

 

フリービット<3843>、CCC傘下でインターネット通信事業のトーンモバイルから全事業を取得

◆フリービットは子会社を通じて、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、大阪市)傘下でインターネット通信事業を手がけるトーンモバイル(東京都渋谷区。売上高32億9000万円、営業利益△2億5800万円、純資産1900万円)の全事業を会社分割により取得することを決議した。取得価額は8億8000万円。取得予定日は2019年12月1日。

トーンモバイルはMVNO(仮想移動体通信事業者)サービスの利用者獲得を目的にCCCが60%、フリービットが40%を出資して2015年に設立。CCCグループのTSUTAYAやカメラのキタムラなどの店舗網を利用した対面販売・サポートを組み合わせた独自体制により、他の“格安スマホ”と一線を画すスマホブランドとして「TONE MOBILE」を確立し、子供やシニア、家族向けに支持を広げてきた。

取得するのはトーンモバイルが営む「トーンモバイル事業」「通信プラットフォーム事業」など。今回の全事業取得に伴い、フリービットはCCCとの業務提携を解消するが、CCCグループの店舗でのサービス提供は当面継続する。

フリービットは今年6月に、アルプスアルパインと資本・業務提携し、CaaS(サービスとしての自動車)領域での事業展開にも乗り出している。

 

ユニゾ、ブラックストーンのTOB表明で特別委に諮問へ

◆ユニゾホールディングスは16日、米投資会社ブラックストーンが前日(15日)に1株5000円でユニゾに対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を行う意向を表明したことに関し、社外取締役で構成する特別委員会に諮問すると発表した。ユニゾはすでに、ブラックストーンからの買収提案について、応諾しないことを決議し、同社に通知している。今回の提案は今月23日までにユニゾの同意を得られることを前提としたもので、ユニゾは特別委の答申を踏まえて意思決定する予定。ユニゾが同意しなければ、敵対的TOBに発展する可能性もある。

ユニゾを巡っては、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOBが17日を期限として行われている。全株式の3分の2超の応募がないと不成立となる。

旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の敵対的TOBに対抗し、フォートレスはユニゾ経営陣の賛同を得たホワイトナイト(白馬の騎士)として8月中旬にTOBに参戦した。しかし、9月末に一転、ユニゾがフォートレスのTOBへの賛同を撤回し、異例の展開になっている。

フォートレスによるTOB進行中にユニゾ買収に名乗りを上げたのがブラックストーン。TOB価格の5000円はフォートレスが提示した4000円を25%上回る。HISが提示したTOB価格は3100円だった。

ユニゾ株価の前日の終値は4700円。16日は200円以上値を上げ、5000円に迫っている。

 

クロップス<9428>、労働ビザ申請や給与計算などの受託を手がけるシンガポールINNOVARE HOLDINGSを子会社化

◆クロップスは、労働ビザ申請や給与計算、税金・社会保険計算などの受託を手がけるシンガポールINNOVARE HOLDINGS (売上高3億5200万円、営業利益9100万円、純資産1億3200万円)の株式75%を取得し子会社化することを決議した。INNOVARE HOLDINGSは傘下に14の事業会社を置く持ち株会社で、各社事業会社はいずれも15年以上の業歴を持つという。取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

SBIホールディングス<8473>、カンボジアの小口金融会社LHMFIを子会社化

◆SBIホールディングスは16日、カンボジアでマイクロファイナンス(小口金融)事業を展開するLy Hour Microfinance Institution PLC.(LHMFI、売上高11億円、経常利益1億5000万円、純資産23億円)の株式70%を11月25日付で取得し、子会社化すると発表した。取得価額は約48億円。SBI LYHOUR BANK PLC.に社名変更したうえで、銀行事業に参入する。

LHMFIはカンボジアで両替、住宅用不動産開発、損害保険事業などを手がける金融複合企業Ly Hourグループの中核会社の一つで、2018年末のマイクロファイナンス総資産規模で8位。近く銀行免許を取得する見込み。SBIは子会社化後に40億円規模の増資を引き受ける。

SBIはカンボジアで2010年から日系唯一の証券会社SBIロイヤル証券を営業し、プノンペン経済特区社やシアヌーク港湾公社のカンボジア証券取引所への上場に際して主幹事を務めるなど事業基盤を確立してきた。

 

フェイスネットワーク<3489>、建築設計のザ・スタイルワークスを子会社化

◆フェイスネットワークは、建築設計やコンサルティング業務を手がけるザ・スタイルワークス(東京都渋谷区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。デザイン性の高い設計や企画ノウハウを持つデザイン事務所を取り込み、新たな顧客層の拡大につなげる。ザ・スタイルワークスの設立は2019年4月。取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月1日。

 

ココカラファイン<3098>、北海道で調剤薬局5店舗運営のフライトを子会社化

◆ココカラファインは、調剤薬局5店舗を運営するフライト(札幌市。売上高7億1000万円)の全株式を取得し子会社化した。11日付。北海道におけるドミナント戦略の一環。取得価額は非公表。

 

東宝<9602>、催事企画・運営の日本創造企画を子会社化して東宝舞台と合併へ

◆東宝は、催事企画・運営の日本創造企画(東京都港区。売上高3億7400万円、営業利益356万円、純資産1億100万円)を買収することを決めた。株式を追加取得し、現在50%の持ち株比率を100%に引き上げたうえで、子会社の東宝舞台(東京都千代田区)と12月1日付で合併させる。

日本創造企画は1971年設立で、博覧会やイベント、展示会などの企画、制作、運営を手がけ、東宝は50%を出資している。一方、東宝全額出資子会社の東宝舞台は1951年設立で、演劇・テレビ・イベントなどの美術制作を主力とする。両社のスキルやノウハウを統合し、グループ事業の発展を目指す。

株式の取得価額は非公表。合併に先立つ株式の取得予定日は2019年11月1日。

 

プリントネット<7805>、新晃社の印刷通販サイト「ネットDEコム/ネットデコム」事業を取得

◆プリントネットは、新晃社(東京都北区)から印刷通販サイト「ネットDEコム/ネットデコム」事業を取得することを決めた。ネットDEコムの会員数は法人・個人を合わせて約2万5000人。ネットによる印刷物の通販事業を主力とするプリントネットは同業を傘下に取り込み、事業拡大につなげる。取得価額は1億2000万円。取得予定日は2019年11月1日。

 

米リーバイス、日本法人のリーバイ・ストラウスジャパン<9836>をTOBにより完全子会社化

◆リーバイ・ストラウスジャパンは、米国の親会社であるリーバイ・ストラウス・アンド・カンパニー(カリフォルニア州サンフランシスコ)がTOB(株式公開買い付け)を実施し同社を完全子会社化すると発表した。リーバイ・ストラウス・アンド・カンパニーは現在、同日本法人の株式83.67%を保有する筆頭株主。TOBが成立すればリーバイ・ストラウスジャパンは上場廃止となる。

リーバイ・ストラウス・アンド・カンパニーは2019年3月にニューヨーク証券取引所に再上場を果たしている。TOBにより日本法人の上場を廃止することで、管理コストの削減や経営資源の効率的な活用を進める。

TOBの買付価格は1株あたり1570円。TOB公表前営業日の対象株式の終値1094円に対して 43.51%のプレミアムを加えた。

買付予定数は94万4833株で、上限・下限は設定していない。買付代金は最大で14億8000万円。

公開買付期間は2019年10月15日から2019年12月3日までを予定している。決済の開始日は2019年12月10日。買付代理人は野村証券。

 

サンヨーハウジング名古屋<8904>、住宅リフォーム・不動産仲介のプラスワンを子会社化

◆サンヨーハウジング名古屋は、住宅のリフォームや増改築を手がけるプラスワン(津市。売上高10億円、営業利益2530万円、純資産6810万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

プラスワンは創業40年を超え、リフォーム工事や不動産仲介・売買などを主力とする。昨年2月には四日市市に店舗を新設し、地盤の津市だけでなく、北勢地域に商圏を広げている。サンヨーハウジング名古屋は同社を傘下に取り込み、三重県中勢・北勢地域での営業基盤を拡充する。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月29日。

 

高島屋<8233>、米子高島屋をジョイアーバンに譲渡

◆高島屋は、100%出資子会社の米子高島屋(鳥取県米子市。売上高48億9000万円、営業利益200万円、純資産27億7000万円)の全株式を、ジョイアーバン(鳥取県米子市)に2020年3月1日付で譲渡することで基本合意した。現在使用している商標を継続して使用する。屋号は「JU米子高島屋」(仮称)に変更する予定。

ジョイアーバンは地元で市街地活性化事業などを手がけ、2018年3月には米子高島屋東館を取得し、駐車場施設を含めた一体的な再開発に取り組んできた。今回、米子高島屋の経営についても引き継ぐことになった。

米子高島屋は2003年に設立し、従業員数は約110人。近年は業績が低迷していた。

 

こころネット<6060>、ベトナムの墓石加工販売会社KANNO を子会社化

◆こころネットは、ベトナムの墓石加工販売会社KANNO VIET NAM TRADING COMPANY LIMITED(ホーチミン市)の持分80%を取得し、子会社化することを決議した。ベトナムでは大都市郊外に大規模霊園が建設され、墓石需要が膨らんでいるという。別途、現地の霊園管理会社に資本参加も決めており、安定的な墓石の受注が見込めると判断した。取得価額は約4000万円。取得予定日は2020年1月。

 

アルファグループ<3322>、スマホアクセサリー販売子会社化のインチャージを東群ホールディングスに譲渡

◆アルファグループは、スマートフォン用アクセサリー販売子会社のインチャージ(東京都渋谷区。売上高9億8300万円、営業利益2100万円、純資産1億1300万円)の全株式を、物流・運輸業の東群ホールディングス(群馬県伊勢崎市)に譲渡することを決議した。

アルファグループの主力事業の一つであるモバイル事業について、従来の携帯電話販売に加え、新たにスマホ用アクセサリーの販売に乗り出した。アクセサリー販売の展開に際しては出店費用がかさむことなどから、今回、経営資源の選択と集中の一環として、事業を見直することにした。

譲渡価額は3億3000万円。譲渡予定日は2019年11月1日。

 

日本製紙<3863>、豪州の包装資材大手オローラから段ボール事業を1243億円で買収

◆日本製紙は10日、豪州の包装資材メーカー大手、オローラ(ビクトリア州)から豪とニュージーランドにおける板紙パッケージ(段ボール)部門を買収することで合意したと発表した。買収金額は17億2000万豪ドル(約1243億円)。成長が見込まれるオセアニア地域で、段ボール古紙の回収から、段ボール原紙、段ボール箱、関連包装資材の製造まで一貫体制による段ボール事業に進出する。

オローラは紙やアルミニウムなどのパッケージを製造・販売を主力とする。日本製紙は2009年に子会社化した豪製紙大手のオーストラリアン・ペーパー(AP)を通じて、オローラの板紙パッケージ部門を買収する。2020年1月31日付で買収完了を予定している。当該部門の2019年6月期業績は売上高約1031億円、営業利益約66億円。

取得予定日は2020年1月31日。

 

タナベ経営<9644>、KPO業務のリーディング・ソリューションを子会社化

◆タナベ経営は、デジタルマーケティング支援サービスを手がけるリーディング・ソリューション(東京都中央区。売上高4億300万円、営業利益4500万円、純資産1億1100万円)の株式60%を取得し子会社化することを決議した。

リーディング・ソリューションは2004年に設立。デジタルマーケティングの戦略策定から施策の企画・実施・PDCA(継続的改善手法)までを一括代行するKPO(知的生産活動のアウトソーシング)業務で実績を積んでいる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

エボラブルアジア<6191>、バンクからオンライントラベルサービスアプリ「TRAVEL Now」事業を取得

◆エボラブルアジアは、インターネットサービス企画・運営のバンク(東京都渋谷区)から後払い専用オンライントラベルサービスアプリ「TRAVEL Now」事業を取得した。取得価額は非公表。取得日は2019年10月8日。

「TRAVEL Now」は2018年6月にサービスを開始し、当初からエボラブルアジアが旅行商材を提供してきた。

 

ウエルシアホールディングス<3141>、高知県でドラッグストア24店経営のよどやを子会社化

◆ウエルシアホールディングスは、高知県内でドラッグストア24店を経営するよどや(高知市。売上高102億円、営業利益△6100万円、純資産7億8700万円)の株式50.1%を取得し子会社化することを決議した。四国出店の足掛かりとする狙い。

よどやは1815年に創業し、業歴は200年を超えるが、近年は業績が低迷し赤字が続いていた。ウエルシアは共同仕入れによるスケールメリットを生かしたコスト低減や、よどやへの調剤事業の導入などを通じた相乗効果を期待している。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年3月2日。

 

バンダイナムコホールディングス<7832>、「ガンダム」版権管理などの創通をTOBで子会社化

◆バンダイナムコホールディングスは9日、アニメ番組の企画・制作や版権管理を手がける創通(ジャスダック上場)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。完全子会社化(現在は22.79%所有)を目指しており、買付金額は最大350億円。バンダイが展開する「機動戦士ガンダム」シリーズで創通が版権管理を受け持つなど両社はかねて緊密な関係にある。顧客ニーズの多様化や世界規模の競争激化などエンターテイメント市場を取り巻く環境変化に的確に対応するため、子会社化に踏み切る。

創通株の買付価格は1株につき3100円。TOB公表前日の終値1865円に66.22%のプレミアムを上乗せした。創通はTOBに賛同を表明している。また、創業者で筆頭株主の那須雄治氏(所有割合29.27%)、第3位株主で同氏の資産管理会社(同19.93%)はTOBに応募する契約を結んだ。買付予定数の下限は49.2%。

買付期間は10月10日~11月25日。買い付け代理人は野村証券。決済日は12月2日。

創通は1962年に東洋エージェンシーとして設立。プロ野球・読売巨人軍から専属代理店に指定され、球団グッズの企画・販売や版権管理などを手がけた。1977年に創通エージェンシーに社名変更し、アニメ分野に事業を拡大した。2007年に現社名の創通となった。

バンダイは2000年に、「ガンダム」シリーズにおける事業連携の強化を目的に創通株式の21.7%を取得。その後、バンダイとナムコの経営統合を経て、現在も20%超を保有し、持ち分法適用関連会社としている。

 

ハピネット<7552>、プラモデルなど模型玩具卸のイリサワを子会社化

◆ハピネットは、模型玩具の総合卸売を手がけるイリサワ(東京都台東区。売上高54億3000万円、営業利益3800万円、純資産10億2000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。イリサワは1952年に設立し、従業員は54人。プラモデルやモデルガン、フィギュアなどの各種ホビー商材を幅広く取り扱う。取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月1日。

 

TOKAIホールディングス<3167>、建設業の日産工業を子会社化

◆TOKAIホールディングスは傘下のTOKAI(静岡市)を通じて、建設業の日産工業(岐阜県下呂市。売上高20億4000万円、営業利益1億9700万円、純資産17億6000万円)の全株式を取得し子会社化した。

日産工業は1970年設立で、岐阜県内を地盤とし、とくに公共土木工事に強みを持つ。TOKAIは日産工業の技術力・ノウハウを吸収し、中京圏のほか、静岡、関東圏で土木・建築・設備工事を総合的に展開する。2016年に進出した中京圏ではLPガス事業でも連携を図る。一方、日産建設は公共土木工事に加え、民間建築案件の受注拡大を目指す。

取得価額は非公表。取得日は2019年9月5日。

 

資生堂<4911>、人気スキンケアブランドの米ドランク・エレファントを約910億円で買収

◆資生堂は8日、米子会社を通じて、米国で人気のスキンケアブランドを持つドランク・エレファント・ホールディングス(デラウェア州。2019年12月期見込みの売上高135億円)を買収すると発表した。12月までに全株式を取得する。買収金額は8億4500万ドル(約910億円)。

ドランク・エレファントはティファニー・マスターソン氏が2012年2月に創業。「DRUNK ELEPHANT」ブランドのスキンケア商品を展開する。同ブランドはマスターソン氏が独学で成分や処方を学び、肌に悪影響をもたらす可能性のある原料を排除するなどの独自の商品性で米国の若年層を中心に支持を得ている。2019年12月期は初めて売上高100億円を突破する見込み。

資生堂は今後の成長が期待される米国発ブランドを取り込み、主力のスキンケア事業を世界規模で拡大する。

 

ブルドックソース<2804>、お好み焼きソースメーカーのサンフーズを子会社化

◆ブルドックソースは、お好み焼きソースなどの液体調味料メーカー、サンフーズ(広島市)の全株式を取得し子会社化した。

サンフーズは1916(大正5)年に創業し、ソース類、食酢を中心とした液体調味料の製造を主力とする。全国的な人気を持つ広島風お好み焼き用ソースの「ミツワソース」「ヒガシマルソース」でも知られる。ブルドックソースは同社をグループに迎え入れることで、「ブルドックソース」「イカリソース」に続く新たなブランドを獲得する。相互の人材・技術交流を通じて競争力向上につなげる。

取得価額は非公表。取得日は2019年10月7日。

 

トーカイ<9729>、寝具の山田屋の福祉用具貸与事業などを取得

◆トーカイは、寝具の山田屋(愛知県大府市)の福祉用具貸与・販売事業、住宅改修事業、居室介護支援事業を取得することを決議した。寝具の山田屋を分割会社とし、トーカイを承継会社とする吸収分割。当該事業の売上高は1億3200万円。取得価額は8000万円。取得予定日は2019年12月1日。

 

ビジョナリーホールディングス<9263>、滋賀県草津市の大塚メガネを子会社化

◆ビジョナリーホールディングスは、大塚メガネ(滋賀県草津市。売上高2億4600万円、営業利益△1209万円、純資産2億5100万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。大塚メガネは1935年創業で、草津地域に5店舗を経営する。取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

介護施設で亡くなった場合の相続税の小規模宅地等の特例

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(小泉紀子/税理士)

 

 

[関連解説]

■介護施設等に入所後、相続が発生した場合の居住用財産の譲渡所得と相続税の取扱い

■小規模宅地等の特例における特定事業用宅地等の規制強化

 

 

1.はじめに


最近相続税申告で、介護施設で亡くなられた場合の小規模宅地等の特例を適用するケースが増えてきているように思われます。今回は、その適用にあたって留意する点をお伝えします。

 

2.概要


介護施設で亡くなった場合でも、被相続人が入所前に居住していた家屋の敷地の用に供されていた宅地等は、次の要件を満たすと、小規模宅地等の特例における「被相続人の居住の用」に供していたものとされます(措令第40の2②、③)。

 

①相続開始の直前に、被相続人が「要介護認定」又は「要支援認定」を受けていること
②老人福祉法等に規定する介護施設等に入所していたこと
③被相続人が居住していた家屋は、入所後に事業の用又は新たに被相続人以外の居住の用に供されていないこと

 

3.要介護認定の申請中に死亡した場合


要介護認定又は要支援認定を受けていたか否かの判定時期は、「相続開始の直前」とされています。

では、介護施設に入所していた被相続人が、要介護認定の申請中に亡くなった場合はどうなるのでしょう。

このような場合に、相続開始後に要介護認定があったときには、要介護認定はその申請のあった日にさかのぼってその効力が生ずることとなり、相続開始の直前において要介護認定を受けていた者に該当するものとして取り扱うことが認められています。

 

4.添付書類


被相続人が介護施設に入所していた場合の小規模宅地等の特例の適用を受けるためには、相続税の申告書に次の書類を添付する必要があります。

 

①被相続人の戸籍の附票の写し(相続開始の日以後に作成されたもの)
②介護保険の被保険者証の写しなど、被相続人が要介護認定又は要支援認定を受けていたことを明らかにする書類
③施設への入所時における契約書の写しなど、その介護施設の名称及び所在地並びにその施設が老人福祉法等に規定する介護施設であることを明らかにする書類

 

①~③の書類のうち、実務上入手に困るのが②の書類です。介護保険の被保険者証は、亡くなると市区町村役場へ返却することになっているため、相続税申告にあたりご用意頂く書類を相続人の方へ伝える頃には、市区町村役場へ返却してしまっていることが多いです。市区町村役場に申請して別途要介護又は要支援の状態であったことを証明する書面を出してもらうことも可能ですが、手間がかかりますので、もしお伝えできるタイミングがありましたら、写しをとっておいてもらうことをお勧めします。

 

5.介護施設に入所中に自宅を相続した場合


以下の事例において、被相続人甲の自宅の建物を「本件家屋」、その敷地の用に供されている宅地等を「本件宅地等」とします。

 

被相続人甲はA有料老人ホームの入所前に、本件宅地等を居住の用に供していましたが、A有料老人ホームの入居中に本件家屋及び本件宅地等を配偶者乙から相続し、その後本件家屋に戻ることなく死亡しました。

 

この場合、被相続人甲は、A老人ホーム入居の直前においては本件宅地等を居住の用に供していたものの本件宅地等の所有者ではなく、本件宅地等を取得した後はこれを居住の用に供していないのですが、本件宅地等は、小規模宅地等の特例対象となるのでしょうか。

 

これについては、国税庁の平成30年12月7日付の文書回答事例で次のような見解が認められています。

 

すなわち、「相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった宅地等が、小規模宅地等の特例対象となる居住用宅地等に該当するか否かは、被相続人が有料老人ホーム等に入所して居住の用に供されなくなった直前の利用状況で判定することとされていますが、その時において被相続人が宅地等を所有していたか否かは、法令上特段の規定は設けられていないことから、小規模宅地等の特例の対象となる宅地等に該当すると解され、特例の適用を受けることができると考えられます。」

 

なお、小規模宅地等の特例の適用判定は難しいため、適用にあたっては十分に要件を確認することが必要です。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/10/15)より転載