[解説ニュース]

贈与税の個人版事業承継税制の適用対象となる贈与者の要件

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎信義/税理士)

 

1.贈与税の個人版事業承継税制の概要


特定事業用資産(本連載2019年7月8号参照)を所有し、事業 不動産貸付業等を除く。を行っていた先代事業者として一定の者等(以下「贈与者」)から、後継者として一定の要件を満たす個人(本連載「特例事業受贈者」2019年9月6日号参照)が、令和10年12月31日までの贈与により、その事業に係る特定事業用資産の全部を取得した場合には、その特定事業用資産に係る贈与税について、担保提供その他一定の要件を満たすことによりその納税が猶予され、贈与者の死亡等により猶予されている贈与税の納付が免除されます(租税特別措置法(措法)70条の6の8第1項)。これが「贈与税の個人版事業承継税制」(以下「本特例」)です。

 

2.贈与者の主な要件


本特例の適用対象となる贈与者とは、次の(1)又は(2)のいずれに該当するかに応じ、それぞれに定める要件を満たす個人をいいます。

 

(1)贈与者が先代事業者の場合

次の①及び②の要件の全てを満たすことは必要です(措法施行令(措令)40条の7の8第1項1号)。

 

①その贈与の時において、所得税の税務署長にその事業を廃止した旨の届出書を提出していること、又は本特例に係る贈与税の申告書の提出期限までに、その事業を廃止した旨の届出書を提出する見込みであること。

 

②その事業について、その贈与の日を含む年、その前年及びその前々年の所得税の確定申告書を、青色申告書(措法25条の2第3項に規定する65万円の青色申告特別控除に係るものに限る。)により税務署長に提出していること。

 

(2)贈与者が先代事業者以外の場合

本特例の適用対象となる贈与者には、先代事業者と生計を一にする配偶者その他の親族等のうち一定の者が含まれます(措法70条の6の8第2項1号かっこ書)。

 

先代事業者の親族が本特例の適用対象となる贈与者に該当するためには、次の①及び②の要件の全てを満たすことが必要です(措令40条の7の8第1項2号)。

 

①(1)の贈与の直前において、(1)の先代事業者と生計を一にする親族であること(注1)。

②(1)の先代事業者の本特例の適用に係る贈与の時後に、その特定事業用資産(注2)の贈与をしていること。

③本特例の適用を受けようとする者が、その贈与の時前に相続又は遺贈により取得した、本特例の適用を受けようとする特定事業用資産に係る事業と同一の事業に係る他の資産について、相続税の個人版事業承継税制(措法70条の6の10)の適用を受けようとする場合、又は受けている場合は、その先代事業者である被相続人の相続の開始の時後に、その特定事業用資産の贈与(注3)をしていること。

 

 

(注1)本特例の適用を受けようとする者(受贈者)が、その贈与の時前に相続又は遺贈により取得した、その特定事業用資産に係る事業と同一の事業に係る他の資産について、相続税の個人版事業承継税制の適用を受けようとする場合、又は受けている場合には、「その先代事業者である被相続人の相続開始の直前において、その被相続人と生計を一にしていた親族であること。」が要件とされます。

 

(注2)先代事業者と生計をーにする親族が有する資産が特定事業用資産に該当するためには、その資産が先代経営者の一定の青色申告書に係る貸借対照表に計上されている必要があります(措法70条の6の8第2項1号かっこ書)。

 

(注3)③の贈与は、平成31(2019)年1月1日から令和10(2028)年12月31日までの間の贈与で、次の[1]又は[2]に掲げる日から1年を経過する日までの贈与に限ります(措法70条の6の8第1項かっこ書、措令40条の7の8第2項)。

 

[1]本特例の適用に係る贈与の日
[2]本特例の適用を受けようとする者が、本特例に係る贈与の時前に、相続等により取得した特定事業用資産に係る事業と同一の事業に係る他の資産について、相続税の個人版事業承継税制の適用を受けようとする場合、又は受けている場合には、最初の相続税の個人版事業承継税制の適用に係る相続開始の日

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/10/07)より転載

[M&Aニュース](2019年9月24日〜10月4日)

◇NCホールディングス<6236>、太陽光発電設備メンテナンスの関西電機工業を子会社化、◇京進<4735>、職業紹介や資格取得スクール運営のヒューマンライフを子会社化、◇フォートレス、対ユニゾTOBの買付期間を再延長、◇デリカフーズホールディングス<3392>、大藤大久保商店を子会社化、◇アイカ工業<4206>、ウレタン樹脂事業拡大を目的にベトナム企業2社を子会社化、◇三菱ロジスネクスト<7105>、巻取機子会社のニチユマシナリーを日本製鋼所に譲渡、◇大成<4649>、シンガポールのファシリティマネジメント会社C+H Associatesを子会社化 ほか

 

 

NCホールディングス<6236>、太陽光発電設備メンテナンスの関西電機工業を子会社化

◆NCホールディングスは、太陽光発電設備のメンテナンスなどを手がける関西電機工業(大阪府東大阪市。売上高15億円、営業利益8100万円、純資産4億2800万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

NCホールディングスは子会社の日本コンベヤ(東京都千代田区)を通じて太陽光発電事業を手がけている。太陽光発電設備のメンテナンス事業に強みを持つ関西電機を傘下に取り込むことで、シナジー(相乗効果)獲得が期待できると判断した。関西電機は1979年に設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月。

 

京進<4735>、職業紹介や資格取得スクール運営のヒューマンライフを子会社化

◆京進は、職業紹介事業や資格取得スクールの運営を手がけるヒューマンライフ(大阪市)の全株式を取得し子会社化することを決議した。介護事業における人材確保とともに、教育事業のノウハウ共有による相乗効果を狙っている。取得価額、取得予定日は非公表。

 

フォートレス、対ユニゾTOBの買付期間を再延長

◆不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対してTOB(株式公開買い付け)を実施している米投資会社フォートレス・インベストメント・グループは3日、10月7日までとしていた買付期間を同17日まで延長(7営業日)すると発表した。買付期間の延長は2度目。

これに先立ち、ユニゾは9月27日、フォートレスによるTOBへの賛成を撤回し、留保すると発表した。旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の敵対的TOBに対抗して、ユニゾの支持で友好的買収者として登場したフォートレスだが、TOB進行中に一転して賛同を得られない異例の展開となっている。

フォートレスは8月19日からユニゾの子会社化を目的にTOBを実施中。買付価格は1株4000円。全株式の3分の2超の買い付けを目指している。

3日のユニゾ株の終値は前日比5円高の4645円。市場価格はフォートレスが提示した買付価格を上回る高値で推移しており、このままだとTOBの成立が危ぶまれる。今後、買付価格の引き上げがあるかどうかに注目が集まっている。

 

デリカフーズホールディングス<3392>、大藤大久保商店を子会社化

◆デリカフーズホールディングスは、青果物販売の大藤大久保商店(札幌市。6億5600万円、営業利益1110万円、純資産4170万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。大藤大久保商店は1962年に創業し、札幌市と近郊で外食・中食産業向けに青果物で豊富な納入実績を持つ。デリカは北海道地区でこれまで大藤大久保をパートナー企業として青果物の納入を手がけてきたが、新たに同社を傘下に取り込むことで、一層の事業シナジー(相乗効果)創出を目指す。取得価額は非公表。取得日は2019年10月3日。

 

アイカ工業<4206>、ウレタン樹脂事業拡大を目的にベトナム企業2社を子会社化

◆アイカ工業は、ポリウレタン樹脂・接着剤を製造するベトナムU-BEST VIET NAM POLYMER INDUSTRY(ベトナムU-Best、売上高3億2000万円、営業利益△1500万円、純資産3億2000万円)、人工皮革製品を製造する同 VIET NAM SUM YAD TECHNOLOGY(ベトナム上曜社、売上高1億8000万円、営業利益△7400万円、純資産3億8500万円)の2社を子会社化することを決議した。

アイカ工業が2018年1月に傘下に収めた台湾子会社Evermore Chemical Industryを通じて2社の全株式を取得する。Evermoreは靴・繊維・日用品用途のウレタン樹脂の製造を手がける。近年、主要顧客の一部に生産拠点を中国からベトナムに移転する動きが出ているが、同社はすでにベトナムの運動靴底用でトップシェアを持つ。今回、現地2社の土地と製造設備(事業そのものは引き継がない)を手に入れ、ウレタン樹脂市場で一層のシェア拡大を目指す。

取得価額は合計約9億8000万円。取得予定日は2020年1月上旬。

 

三菱ロジスネクスト<7105>、巻取機子会社のニチユマシナリーを日本製鋼所に譲渡

◆三菱ロジスネクストは、全額出資子会社の巻取機メーカー、ニチユマシナリー(滋賀県近江八幡市)の全株式を11月1日付で、日本製鋼所に譲渡することを決めた。譲渡価額は非公表。

巻取機は樹脂フィルム・シート、不織布、粘着テープなどの生産ラインの最終工程で製品の巻き取りや巻き出しを行う設備機械。三菱ロジスネクストは1960年代から事業展開しているが、日本製鋼所はニチユマシナリーを傘下に取り込むことで、巻取機の製品ラインナップを拡充し、おう盛な海外需要に対応する。

 

大成<4649>、シンガポールのファシリティマネジメント会社C+H Associatesを子会社化

◆大成は、シンガポールでファシリティマネジメント(建物の修繕・管理業務)を手がけるC+H Associates(売上高約8億9000万円、純資産約2億4500万円)の株式75%を取得し子会社化することを決議した。

C+Hは2008年に設立し、公的物件のファシリティマネジメントで実績を積んできた。大成は2015年に香港、2017年にはベトナムのビルメンテナンス会社をそれぞれ傘下に収めた。今回、新たにファシリティマネジメントを取り込み、成長著しい東南アジアでの事業拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

メニコン<7780>、イタリアのコンタクトレンズ会社SOLEKOを子会社化

◆メニコンは、イタリアのコンタクトレンズ・ケア用品メーカーSOLEKO S.p.A.の全株式を取得し子会社化した。SOLEKOは1975年設立。イタリアは欧州の使い捨てレンズ市場で英国に次ぐ第2位で、1日使い捨てタイプを中心に成長が続いている。メニコンは海外売上の60%を欧州で占める。取得価額は非公表。取得日は2019年10月1日。

 

グッドスピード<7676>、自動車整備のホクトモータースを子会社化

◆グッドスピードは、自動車整備のホクトモータース(名古屋市)の全株式を取得し子会社化した。

ホクトモータースは陸運局指定工場として国内外の乗用車やトラック、自動二輪などの自動車整備を手がける。グッドスピードは東海エリアを地盤とし、中古車販売や自動車買い取り、整備・板金事業を手がける。ホクトを傘下に取り込むことで、整備拠点を増設し、整備や車検などのカーライフサポートの充実につなげる。

取得価額は非公表。取得日は2019年10月1日。

 

みらいワークス<6563>、groovesから地域貢献副業サービス「Skill Shift事業」を取得

◆みらいワークスは、人材サービス会社のgrooves(東京都港区)から地域貢献副業サービス「Skill Shift事業」を取得することを決議した。みらいが約8割、groovesが約2割を出資して設立する子会社・スキルシフト(東京都港区)が事業を承継する。

Skill Shift事業は各地の中小規模企業と何らかの地方貢献を望む首都圏人材を副業でマッチングさせることを目的とする。

取得価額は1100万円。取得予定日は2019年10月15日。

 

オートバックスセブン<9832>、「オートバックス」8店舗運営のオートスターズを子会社化

◆オートバックスセブンは、カー用品販売の「オートバックス」8店舗を経営するオートスターズ(熊本市)の株式83.3%を取得し子会社化することを決議した。取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月1日。買収後、熊本オートバックスに社名変更する予定。

 

フィックスターズ<3687>、Siderからコードレビュー自動化ツール「Sider」事業を取得

◆フィックスターズはソフト開発のSider(東京都渋谷区)が営むコードレビュー自動化ツール「Sider」に関する事業を取得することを決議した。

フィックスターズは子会社のスリーク(東京都品川区)を通じてAI(人工知能)によるソフトウエア開発マネジメントサービス「Sleeek」を提供している。今回、事業取得する「Sider」はコードレビューの自動化により問題の見逃し防止やチーム内での情報共有を促進する開発ツールで、現在、国内外約1万人の利用者がいるという。フィックスターズは同事業を取り込み、自社の「Sleeek」の機能強化や事業を加速する。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

豊田通商<8015>、ITインフラ関連子会社のISAOを譲渡

◆豊田通商は1日付でITインフラ関連子会社のISAO(東京都台東区。売上高31億6000万円、純資産10億9000万円)の全株式を国内在住の第三者に譲渡した。取得価額は非公表。

ISAOはモビリティー(移動手段)以外の領域をメーンとし、クラウドMSP(マネージドサービスプロバイダー)や受託開発(システムインテグレーション)に特化した事業を展開する。豊田通商は2010年に同社を傘下に収めたが、100年に一度の変革を迎えるモビリティー領域に事業を集中するため、グループから切り離す。

 

ケア21<2373>、ジャパンケアニジュウイチの介護事業を取得

◆ケア21は、ジャパンケアニジュウイチ(堺市)から介護事業を取得した。取得対象の事業はみらいケアセンター(堺市)、ジャパンケア21此花事業所(大阪市)で、訪問介護、居室介護支援などを手がける。取得価額は非公表。取得日は2019年10月1日。

 

小野建<7414>、鉄筋丸棒販売の森田鋼材を子会社化

◆小野建は、京阪神地区で鉄筋丸棒の販売、切断、加工や鉄筋工事を行う森田鋼材(大阪府門真市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

森田鋼材は1951年に創業し、地場の中堅中小建設会社を対象に鉄筋コンクリート用異形棒鋼の加工から販売、施工まで手がける。

取得価額、取得日は非公表。

 

VTホールディングス<7593>、愛知県三河地区でBMW正規ディーラーを営むアイモトーレンから事業を取得

◆VTホールディングスは、愛知県三河地区で独BMW車の正規ディーラーを営むアイモトーレン(愛知県岡崎市)の事業(新車販売店3店、中古車販売店1店)を取得することを決めた。

受け皿会社として8月末に新設したモトーレン三河(名古屋市)が事業を承継する。VTホールディングスは静岡県中東部でBMW正規ディーラーを運営する子会社を持つ。今回傘下に収めた三河地区との連携により、エリア内でのBMW車のシェア拡大を目指す。

取得価額は非公表。取得日は2019年10月1日。

 

三菱商事<8058>、豪州の鉄鉱石資源開発子会社Crossland Resourcesを中国系企業に譲渡

◆三菱商事は、豪州の鉄鉱石資源開発子会社Crossland Resources(CRL、ブリスベン)の全株式を、中国国営企業傘下の現地Sinosteel Ocean Capital(SOC、パース)に譲渡することを決めた。

三菱商事は2007年にJack Hills西豪州中西部地区鉄鉱床と新規鉄鉱石輸送鉄道・港湾インフラの開発プロジェクトに参画。2012年には両プロジェクトの保有権益をすべて取得し、その際にJack Hills鉄鉱床権益を保有するCRLを連結子会社化した。

その後、両プロジェクトの事業化調査や新規パートナーの招聘活動を進めてきたが、西豪州での事業を取り巻く環境変化や、今後の事業の方向性を考慮した結果、CRLの全株式をSOCに売却することが最適と判断したという。SOCは中国中钢集团有限公司の豪子会社。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年10月18日。

 

ニレコ<6863>、光学製品メーカーの光学技研を子会社化

◆ニレコは、光学製品メーカーの光学技研(神奈川県厚木市。売上高8億8300万円、営業利益5900万円、純資産19億1000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。ニレコはセンシング、画像処理、光学の中核事業の進化を技術開発の重点課題としている。1978年設立で光学分野で技術的強みを持つ光学技研を傘下に取り込み、製品の差別化や新たな事業展開に生かす。取得価額は5億9700万円。取得予定日は2019年10月11日。

 

フューチャーベンチャーキャピタル<8462>、米ベンチャーキャピタル子会社を米国の個人に譲渡

◆フューチャーベンチャーキャピタルは、米持株会社のFVCA Holdings, LLC(米コロラド州ウェストミンスター市。売上高・営業利益非公表、純資産3400万円)と、同社の完全子会社でベンチャーキャピタル事業や技術移転コンサルティング事業、教育事業などを手がけるFVC Americas, LLC(同。売上高200万円、営業利益△1500万円、純資産100万円)の全株式を米国の個人に譲渡することを決議した。個人の詳細については非公表。

フューチャーベンチャーキャピタルはFVC Americas, LLCを2016年9月に買収したが、業績が振るわず、グループにおける経営資源の最適化の観点から、同社と持株会社の株式を譲渡することが総合的な企業価値向上に資すると判断した。

フューチャーベンチャーキャピタルは同譲渡に伴い、2020年3月期第2四半期個別決算で特別損失300万円を計上する見込み。

譲渡価額は非公表。譲渡日は2019年9月30日。

 

ビケンテクノ<9791>、シンガポールのエアコン設置工事会社を子会社化

◆ビケンテクノは子会社のSINGAPORE BIKEN PTE.LTD.を通じて、シンガポールのエアコン設置工事やその他付随事業を行うLEONG HUM ENGINEERING PTE.LTD.(売上高7億2200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。SINGAPORE BIKEN社はシンガポールでファシリティマネジメント業務を展開しており、シンガポールでさらなる業容拡大のためLEONG HUM ENGINEERING社の子会社化に踏み切った。

取得価格は非公表。

取得予定日は2020年8月31日。

 

住友化学<4005>、豪州農薬大手ニューファーム傘下の南米子会社を約700億円で買収

◆住友化学は30日、豪州の農薬大手ニューファーム(ビクトリア州)傘下でブラジル、アルゼンチンなど南米4カ国にある現地子会社を買収することで合意したと発表した。買収金額は約700億円。南米は世界の農薬市場の約25%を占め、北米や中国を上回る。世界最大の農薬市場の南米で強固な自社販売体制を築くのが狙い。2020年1~6月中に買収完了を目指す。

住友化学はニューファームが持つブラジル、アルゼンチン、チリ、コロンビアの4現地子会社の全株式を取得する。このうち、中核であるブラジル子会社(売上高535億円、純資産181億円)は1968年に設立し、農薬製造を手がける。

住友化学は今回の買収で南米での農薬売上高が約3倍に拡大し、北米での売上高を超える。南米はブラジルでとくに大豆用の需要がおう盛なほか、世界有数の農業国であるアルゼンチンを抱える。世界の食料需要増加を背景に、南米での農薬市場は一層の拡大が予想されている。

 

APAMAN<8889>、賃貸管理・サブリースのレンタルハウスを子会社化

◆APAMANは賃貸管理・サブリース(転貸)のレンタルハウス(和歌山市。売上高6億6900万円、営業利益1900万円、純資産1億7800万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。レンタルハウスは和歌山県を地盤とし、管理戸数4143戸(うち賃貸管理4076戸、サブリース 67戸)、駐車場台数 1252台、2019年8月末日現在)。APAMANは管理戸数の増加を目的に同社を傘下に収める。

取得価額は非公表。取得日は2019年9月30日。

 

Hamee<3134>、韓国JEI DESIGN WORKSの製品製造事業を取得

◆Hameeは韓国子会社を通じて、現地JEI DESIGN WORKS Inc.(JDW、ソウル)が運営する製品製造事業を取得することを決議した。

Hameeは子会社を通じて韓国で「iFace」シリーズに代表されるモバイルアクセサリーの企画やインターネット通信販売などを手がけている。一方、JDWはプロダクトデザインを受託するなど、ブランド企画のノウハウを持つほか、iFaceシリーズの主要な仕入先の1社。

HameeはJDWの製品製造事業を取り込むことで、新たなプロダクトの創出とともに、商品の製造原価低減を目指す。

取得価額は3億6000万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

CRI・ミドルウェア<3698>、スマホゲームの音声制作を手がけるツーファイブを子会社化

◆CRI・ミドルウェアは、音響制作のツーファイブ(東京都豊島区。売上高2億8800万円、営業利益800万円、純資産2300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ツーファイブは1991年設立で、現在、スマートフォンアプリのゲームや家庭用ゲーム機ソフトの音声制作を主力とする。近年はセリフ付きゲームの需要の高まりで、業務内容も声優のキャスティングから、演出・収録・加工・編集・データ化までを総合的に手がけるサウンド制作に拡大している。

CRI・ミドルウェアは同社をグループに迎えることで、サウンドソリューションを上流から下流までワンストップでの提供が可能になるという。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

トランコム<9058>、シンガポールのビルクリーニング会社を子会社化

◆トランコムはシンガポールでビルクリーニング事業を手がけるSergent Services Pte Ltd(売上高14億6600万円、営業利益9100万円、純資産3億9200万円)の株式90%を取得し、子会社化することを決めた。Sergent Services社は国際空港、地下鉄、学校、商業施設などのビルクリーニングサービス事業を行っており、品質の高いサービスが強み。アセアン諸国のビルクリーニング市場は、今後も伸長が期待できると判断、Sergent Services社の子会社化に踏み切った。

取得価額は約11億6000万円。取得予定日は2019年10月28日。

 

FIG<4392>、ホテル業界向け映像・ITシステム開発のケイティーエスを子会社化

◆FIGは、映像・ITシステム開発のケイティーエス(大分県杵築市。売上高21億4000万円、営業利益1億4900万円、純資産5億200万円)を株式交換で子会社化することを決議した。

ケイティーエスは1981年設立で、従業員約120人。ビジネスホテル、シティホテルなどホテル業界を対象に客室のマルチメディアシステムといった宿泊者向けサービス、監視カメラ、リネンシステム(客室清掃管理)、施設混雑案内システムなどの開発を手がける。ホテルでは全国約8万室への導入実績を持ち、定額制のシステム利用料によるストックビジネスを展開している。

FIGは既存の商用車を中心とした車載市場におけるサービス契約台数約12万台に加え、ケイティーエスが強みとするホテル分野を取り込み、顧客基盤の拡大とサブスクリプション(定額)型ビジネスの強化につなげる。

株式交換比率はFIG1:ケイティーエス119。ケイティーエスの1株にFIGの119株を割り当てる。株式交換予定日は2019年10月31日。

 

ファーマライズホールディングス<2796>、電子お薬手帳など医療関連IT企業のメディカルフロントを子会社化

◆ファーマライズホールディングスは、持分法適用関連会社で電子お薬手帳「ポケットファーマーシー」による地域包括ケアサービスなどを展開するメディカルフロント(東京都中央区。売上高1億800万円、営業利益△6400万円、純資産△4700万円)を子会社化することを決議した。株式14.2%を追加取得し、持ち株比率を51.3%に高める。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

イオンモール<8905>、大型ショッピングセンター「横浜ワールドポーターズ」運営の横浜インポートマートを子会社化

◆イオンモールは27日、大型ショッピングセンター「横浜ワールドポーターズ」の管理・運営を手がける横浜インポートマート(横浜市。売上高27億7000億円、経常利益6億800万円、純資産90億8000万円)の株式87.89%を追加取得し、子会社化(所有割合97.75%)したと発表した。

横浜インポートマートは1995年に横浜市など行政機関や地元経済界、流通事業者などが共同出資して設立。イオンモールも横浜ワールドポーターズに「ビブレ」を出店する。

横浜インポートマートの筆頭株主の横浜市(40%所有)が民間主体の経営に移行することを目的に公募型指名競争入札を実施したのを受け、神奈川県、中小企業基盤整備機構など他の既存株主を含めて、90%超の株式を取得した。

取得価額は70億300万円。取得日は2019年8月29日。

 

文教堂グループホールディングス<9978>、アニメキャラクターグッズ販売事業をソフマップに譲渡

◆文教堂グループホールディングスは27日、子会社の文教堂を通じて展開するアニメキャラクターグッズ販売事業を、パソコン・ソフト販売のソフマップ(東京都千代田区)に譲渡することを決議したと発表した。同日付で成立した事業再生ADR(裁判外紛争処理解決手続き)に基づく再生計画に沿った措置。当該事業の業績は売上高5億2500万円、経常損失7750万円。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年10月31日。

 

モブキャストホールディングス<3664>、栗原はるみさん経営「ゆとりの空間」を子会社化

◆モブキャストホールディングスは、料理家の栗原はるみさんが経営するゆとりの空間(東京都目黒区。売上高26億1000万円、営業利益△4230万円、純資産2億7400万円)を子会社化することを決議した。ゆとりの空間が実施する第三者割当増資を引き受け、60.2%の株式を取得する。取得価額は3億円。2019年9月27日に50.4%、12月20日に残りを取得する。

ゆとりの空間は1995年に設立。栗原はるみさんが暮らしのアイデアやライフスタイルを提案する生活雑貨ショップ「Share with Kurihara harumi」、栗原さんのレシピによるレストランの経営をはじめ、オリジナルの食器やキッチン雑貨、調味料、インテリア小物、エプロンなどを全国の百貨店、アウトレットで展開している。栗原さんは同社の代表取締役を務める。

モブキャストはゆとりの空間が保持するブランド資源を高く評価。ネット事業や企業経営のノウハウを注入し、既存事業をテコ入れするとともに、オンラインショップの運営強化などで中長期的な成長が見込めると判断した。

 

三洋貿易<3176>、畜産機能性原料を輸入販売するワイピーテックを子会社化

◆三洋貿易は、畜産機能性原料の輸入販売を手がけるワイピーテック(東京都千代田区。売上高27億9000万円、純資産4億1500万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。ワイピーテックは1984年設立で、機能性飼料原料と飼料添加物の輸入販売を主力とする専門商社。三洋貿易は畜産分野を重点分野と位置づけており、今回の子会社化もその一環。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

Key Holder<4712>、TV業界への人材派遣を手がけるワイゼンラージを子会社化

◆Key Holderは、TV業界を中心にクリエイターやスタッフの派遣業務を手がけるワイゼンラージ(東京都渋谷区。売上高1億7100万円、営業利益1090万円、純資産2820万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ワイゼンラージは2016年に設立された映像制作会社。映像制作の担い手であるクリエーターの養成・育成のほか、約200人の制作スタッフを抱え、人材派遣事業を手がける。Key Holderは同社を傘下に取り込み、映像制作分野での事業基盤を拡充する。

取得価額は1億1000万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

古河電気工業<5801>、銅管・銅管部品・銅板事業を日本産業パートナーズに譲渡

◆古河電気工業は、グループで手がける銅管・銅管部品・銅板事業を会社分割などを通じて、投資ファンドである日本産業パートナーズ(東京都千代田区)傘下の特別目的会社に譲渡することを決議した。

古河電工は今回の分割対象事業(売上高は約103億円)について、同社本体のほか、子会社の奥村金属(兵庫県尼崎市)、タイ現地法人Furukawa Metal(FMT)で展開している。本体と奥村金属の事業は新設する受け皿会社に承継させる。そのうえで、承継会社とFMTの全株式を日本産業パートナーズ傘下のCTJホールディングス2合同会社(特別目的会社)に譲渡する。

株式譲渡価額は非公表。株式譲渡予定日は2020年3月2日。

 

安田倉庫<9324>、北陸3県を地盤とする大西運輸とオオニシ機工を子会社化

◆安田倉庫は、運送会社の大西運輸(金沢市。売上高37億4000万円、営業利益1億5000万円、純資産6億7300万円)、建設業のオオニシ機工(金沢市。売上高6億2600万円、営業利益1200万円、純資産9500万円)の2社の全株式を取得し子会社化することを決議した。

大西運輸は1982年設立で、北陸3県に配送網を築いている。一方のオオニシ機工は2001年設立で、クレーン作業や建材輸配送を得意とする建設業者。両社は兄弟関係にある。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年11月1日。

 

リミックスポイント<3825>、ホテル運営子会社のアナザーを経営陣に譲渡

◆リミックスポイントは、グループ内のホテル運営を手がける子会社のアナザー(東京都中央区)の全株式を、アナザー社長の安藤健志氏に譲渡することを決議した。

リミックスポイントは主力事業の一つである旅行関連について、事業企画・開発を担うジャービス(東京都港区)、施設運営を行うアナザーの2社体制で展開。アナザーは、今年5月に自社案件第1号として開業したホテル「an/other TOKYO」(東京都中央区)の運営を担っている。

アナザーをグループから切り離して財務面のスリム化を図るとともに、ジャービスが事業企画・開発に特化することで、資本効率の高い事業展開を目指すとしている。

譲渡価額は非公表。譲渡日は2019年9月27日。

 

バークレイズ・キャピタル、ユニゾ株を6.19%新規保有

◆英金融大手バークレイズ傘下のバークレイズ・キャピタル・セキュリティーズ・リミテッドが不動産・ホテル業のユニゾホールディングス株式を新規に6.19%保有した。26日付でバークレイズ・キャピタルが関東財務局に提出した大量保有報告書で分かった。保有目的は「証券業務及びその付随業務としての保有」。

ユニゾをめぐっては現在、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOB(株式公開買い付け)が進行中。フォートレスはユニゾの完全子会社化を目指しており、買付期間は10月7日まで。

 

プロネクサス<7893>、Web制作のレインボー・ジャパンを子会社化

◆プロネクサスは、Web制作のレインボー・ジャパン(東京都渋谷区。売上高4億7700万円、営業利益△2000万円、純資産8400万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

プロネクサスが主力とするディスクロージャー・IR分野では開示書類などのWeb化やコンテンツの充実が進む中で、分かりやすく、デザイン性や訴求性の高いサイト構築が求められている。この分野における同社売上高も急拡大しており、今後の受注増とニーズの多様化に対応できる社内基盤の構築が急務となっていた。

今回傘下に収めるレインボー・ジャパンは1991年に設立し、大手企業を中心にWeb制作で実績を積んできた。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

ハイレックスコーポレーション<7279>、補助人工心臓の治験を手がける米EVAHEARTを子会社化

◆ハイレックスコーポレーションは、補助人工心臓の治験・販売認可申請を手がける米EVAHEART,INC.(テキサス州。売上高2億1800万円、営業利益△1500万円、純資産3400万円)の第三者割当増資を引き受け、同社株式の66.7%を取得し子会社化することを決議した。

ハイレックスはEVAHEARTに米国における補助人工心臓の治験推進を委託しているが、傘下に取り込むことにより、自社の医療機器事業との相乗効果などを期待している。

取得価額は5億8500万円。取得日は2019年9月26日。

 

城南進学研究社<4720>、認可外保育園運営のCheer plusを子会社化

◆城南進学研究社は、認可外保育園を運営するCheer plus(東京都世田谷区。売上高6420万円、営業利益568万円、純資産870万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

Cheer plusは世田谷区内で認可外保育園「サニーキッズインターナショナルアカデミー」(1歳から8歳を対象)を運営し、英語教室や学童保育などでノウハウを持つ。

城南は保育園や英語教室などの乳幼児教育事業を拡大中で、この分野でM&Aを活発化させている。今回、Cheer plusを傘下に取り込むことで、事業規模の拡大と質の高い保育サービスの提供につなげる。

取得価額は非公表。取得日は2019年9月26日。

 

ホットマン<3190>、車検整備の北日本車検整備工場を子会社化

◆ホットマンは、自動車車検整備の北日本車検整備工場(仙台市。売上高1億7000万円、営業利益△700万円、純資産2600万円)の全株式を取得し、子会社化することを決議した。

ホットマンは宮城県を本拠とし、秋田、岩手、福島、茨城、栃木、長野の7県で「イエローハット」「TSUTAYA」「アップガレージ」などを 117店舖運営するメガフランチャイ ジー企業。 一方、北日本車検整備工場は宮城県で車検整備を中心とした東北運輸支局長指定民間車検工場を営む。

ホットマンは同社を傘下に取り込むことで、両社とも送客面でシナジー(相乗効果)が期待できるとみている。イエローハット事業ではピット(整備)技術の向上や車検などカーメンテナンスサービス獲得増加を目指す。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

古河電気工業<5801>、太物巻線・ポリイミドチューブ事業を米エセックスとの合弁会社に譲渡

◆古河電気工業は、太物巻線事業とポリイミドチューブ事業を会社分割・現物出資などを通じて、巻線メーカーの米エセックス(ジョージア州)と合弁で今後設立する新会社Essex Furukawa Magnet Wire LLC(古河電工海外子会社が39%出資。所在地などは未定)に譲渡することを決議した。分割する当該事業の業績は売上高278億円、営業利益7400万円。一連の取引の実行予定日は2020年4月1日。

 

ソースネクスト<4344>、デジタルポストの電子郵便事業を取得

◆ソースネクストは、電子郵便事業を手がけるデジタルポスト(東京都千代田区。売上高5000万円、営業利益△2300万円、純資産△1400万円)のすべての事業を取得することを決議した。

デジタルポストは2011年設立で、日本で先駆けて次世代デジタル郵便サービス事業を開始。スマートフォンやパソコンから手軽に手紙やはがきを送付するサービスを提供してきた。ソースネクストは2013に主力製品の一つである「筆王」シリーズで、デジタルポストのサービスを利用し、年賀状の注文・印刷・郵便サービスを展開している。

今回、デジタルポストの全事業を取得することで、「筆王」のほか、「筆まめ」「宛名職人」シリーズにも利用を広げ、はがき作成ソフトの価値向上につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月30日。

 

伊藤ハム米久ホールディングス<2296>、明治HD傘下の明治ケンコーハムを子会社化

◆伊藤ハム米久ホールディングス(HD)は明治ホールディングス傘下でハム・ソーセージ・ベーコン類を製造販売する明治ケンコーハム(東京都江東区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

明治ケンコーハムは1952年に設立し、静岡県三島市に製造拠点を置く。伊藤ハム米久HDグループの米久(静岡県沼津市)が主力とするポークソーセージ、焼豚などの製造拠点と立地が近く、生産の効率性向上が相互に期待できる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年12月2日。

 

エリオット、ユニゾ株の保有割合が13.14%に上昇

◆米投資会社のエリオット・マネジメントは不動産・ホテル業のユニゾホールディングス株式を1.16%買い増し、保有割合を13.14%(共同保有分を含む)に高めた。25日に関東財務局へ提出した大量保有の変更報告書で判明した。ユニゾをめぐっては8月19日~10月7日(当初予定の10月1日から4営業日延期)を期間として、ソフトバンクグループ傘下の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOB(株式公開買い付け)が進行中。

25日のユニゾ株の終値は前日比75円高の4290円で、フォートレスが提示した買付価格4000円を上回る。フォートレスのTOBが始まって以降、ユニゾ株の市場価格が買付価格を上回る高値で推移しており、TOB成立の前提となる予定数の株式を集められるかどうか極めて微妙な段階になる。

 

 

日本電技<1723>、ソフト製品開発のジュピター電算機システムから全事業を取得

◆日本電技は、汎用ソフトウエア製品の開発などを行うジュピター電算機システム(神戸市)のすべての事業を取得することを決議した。

ジュピター電算機は1981年に設立し、直近業績は売上高5億7000万円、経常利益1300万円。食品製造業を対象に生産・販売・物流業務を一元管理するシステム構築を主力とする。日本電技は事業の受け皿となる新会社「ジュピターアドバンスシステムズ」(神戸市)を2020年2月に設立する予定。産業計測関連事業を強化する一環。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年4月1日。

 

バリューコマース<2491>、ヤフー傘下で宿泊施設向け予約システムなど開発のダイナテックを子会社化

◆バリューコマースはヤフー傘下で宿泊施設向け予約システムなどの開発を手がけるダイナテック(東京都中央区。売上高17億3000万円、営業利益4億2900万円、純資産13億8000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

バリューコマースは成果報酬型広告「アフィリエイト」や「Yahoo!ショッピング」のストア向けを中心にEコマース(電子商取引)事業者の集客・販促を支援するサービスを展開する。ダイナテックの子会社化を機に、宿泊施設向け事業に新規参入する。

ダイナテックは1987年に設立し、宿泊施設の専用予約システム「Direct In」や宿泊管理システム「Dynalution」などのソリューションを展開している。

取得価額は27億4000万円。取得予定日は2019年9月27日。

 

APAMAN<8889>、家賃保証子会社の全国賃貸保証を新生銀行に譲渡

◆APAMANは家賃保証業務を手がける子会社の全国賃貸保証(東京都千代田区。売上高4億7100万円、営業利益1億5200万円、純資産1億200万円)の全株式を、新生銀行に譲渡することを決議した。

全国賃貸保証は2008年に設立し、APAMANグループにおける管理物件の家賃保証業務を担ってきた。これまで新生銀行子会社のアプラス(東京都千代田区) と共同保証を行うなど協力関係にあった。

APAMANは財務体質の強化や今後の管理戸数増加に向けたM&A資金の確保などを目的に、新生銀行やアプラスと協議を進め、全国賃貸保証の株式を譲渡することにしたという。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年9月27日。

 

JBイレブン<3066>、マウンテンコーヒー傘下で喫茶店・レストラン経営のハットリフーズを子会社化

◆JBイレブンは、業務用コーヒー卸のマウンテンコーヒー傘下で喫茶店・レストラン経営を手がけるハットリフーズ(名古屋市。売上高2億8500万円、営業利益△1750万円、純資産△1400万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ハットリフーズはマウンテンコーヒーが全額出資して1987年に設立。現在、名古屋市内にあんかけスパゲッティとハンバーグをメインとした「ドン・キホーテ」を3店舗運営している。

JBイレブンは東海地区が地盤で、ラーメン店「一刻魁堂」や中華料理「ロンフーダイニング」を主力に外食事業を展開する。今回、同社として新たな業態を取り込み、事業領域を拡大する。これに先立ち、同社は2018年7月に、珈琲所コメダ珈琲店をフランチャイズ展開するハートフルワーク(東京都小平市)を傘下に収めている。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

オンキヨー<6628>、FEAT SPORTSのスポ食サポートプログラム事業などを取得

◆オンキヨーは子会社のオンキヨースポーツ(東京都墨田区)を通じて、スポーツチーム強化のサポート事業を手がけるFEAT SPORTS(東京都千代田区)の事業の一部を取得することを決めた。取得するのはスポ食サポートプログラム「スポ食」と、アスリートのキャリア形成支援サービス「アスリートjob」。スポーツ支援事業の拡大が狙い。

オンキヨースポーツは2018年4月にオンキヨーが子会社として設立し、学校法人至学館(名古屋市)が出資する。オンキヨースポーツと至学館はスポーツ栄養学に基づいて開発したAI(人工知能)活用の食事トレーニングアプリ「food coach」の普及に力を入れている。この「food coach」はFEAT SPORTSの「スポ食」にも採用され、プロサッカーチーム横浜FCユース・Jrユースをサポート中。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

シモジマ<7482>、包装・梱包資材卸のミタチパッケージを子会社化

◆シモジマは、包装・梱包・物流資材卸販売のミタチパッケージ(兵庫県姫路市。売上高15億1000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ミタチは1970年設立で、姫路市を中心に工業関係の顧客を多数抱え、物流にも強みを持つ。シモジマは小売り・流通分野の包装用品や店舗用装飾品の取り扱いを得意とするが、ミタチを傘下に取り込み、事業領域を広げる。

取得価額は非公開。取得予定日は2019年10月3日。

 

CAC Holdings<4725>、シンガポールIT企業のMitraisを子会社化

◆CAC HoldingsはシンガポールのIT企業Mitrais Pte. Ltd.(売上高約17億5000万円、純資産約4億4000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。Mitraisはインドネシア、豪州を主要地盤とし、ソフトウエア製品の販売・メンテナンスや開発受託サービスを展開する。取得価額は28億9000万円。取得予定日は2019年10月中。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

連帯納付義務履行後の還付 ~納付書の記載に注意!~

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田房枝/税理士)

 

 

1.はじめに


同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得したすべての者は、その相続又は遺贈により取得した財産の価額を限度として、他の相続人又は受遺者が納付すべき相続税額について連帯納付義務があります(相法34①)。

 

したがって、例えば、相続人のうちの1人が相続税を滞納した場合には、他の相続人や受遺者にその納付を求められる場合があり、その際は、税務署から連帯納付義務者へ納付通知書が送付されます(相法34⑥)。

 

なお、実務上は、税務署から納付通知書の送付がある前であっても、連帯納付義務者が延滞税を心配して、連帯納付義務を果たすために、自主的に他の者の相続税を納付することがありますが、その際の納付書の記載方法によっては、その後に生じた過誤納金の還付を受ける者が異なるため注意が必要です。

 

2.前提となる事例


本稿では、次の事例を前提として解説します。

 

(1)被相続人甲の相続人は、配偶者乙と長男丙の2名。
(2)丙が相続税を納める様子がないことから、乙は自身の連帯納付義務と延滞税を懸念し、丙に係る相続税を納付した。
(3)その後、丙に係る相続税について過誤納金があることが判明し、その一部が還付されることになった。

 

3.過誤納金があった場合の還付先


(1)丙名義で納付した場合

上記2(2)で、乙が丙に係る相続税を納付する際、丙名義の納付書にて納付した場合には、基本的に※1、税務署においては実質的な出捐者が誰であるかということや、その納付手続を行ったのが誰であるかということに関わらず、丙が納付したものとして処理されます。

 

そして、その後、過誤納金が判明した場合の還付請求権は納税名義人である丙が有し、還付先は丙となります(ただし、乙・丙間では、債権債務が発生します。東京地裁平成25年11月26日判決)。

 

※1 納付時に乙が税務署へその旨の連絡をしていた場合等には、異なる取扱いがされることも考えられます。

 

(2)納付書に連帯納付義務に係る納付である旨を記載し、連帯納付義務者として納付した場合

上記2(2)で、乙が丙に係る相続税を納付する際、乙が下記のような納付書※2により納付していた場合には、税務署においては乙が納付したものとして処理されます。そして、その後、過誤納金が判明した場合の還付請求権は納税名義人である乙が有し、還付先は乙となります。

 

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※2 実際に東京国税局及び芝税務署の指導に基づき作成・納付した納付書をもとに記載しています。

 

4.最後に


上記3(1)のように、乙が丙名義の納付書で納付をしてしまうと、過誤納金の還付先は丙となります。

 

連帯納付義務を果たすため、他の相続人や受遺者の相続税を納付する場合には、後に税金が還付される場合に備えて、納付書の記載に留意するとともに、納付時には、その旨を税務署へ連絡しておくことが望ましいと考えます。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/09/24)より転載

[M&Aニュース](2019年9月9日〜9月20日)

◇フォートレス、対ユニゾTOBの買付期間を延長、◇ダイキアクシス<4245>、空調換気・給排水設備販売の冨士原冷機など2社を子会社化、◇初穂商事<7425>、エクステリア資産卸販売のアイシンを子会社化、◇日本創発グループ<7814>、ビジュアルコンテンツ事業のVisolabを子会社化、◇キャリア<6198>、高知事務センターで行う派遣社員の勤怠管理・給与計算業務をステラスに譲渡、◇ベネフィットジャパン<3934>、モバイルwi-fiのレンタル事業を手がけるモバイル・プランニングを子会社化、◇エル・ティー・エス<6560>、ソフト開発のワクトを子会社化、◇米エリオット、TOB進行中の「ユニゾ株」保有割合 10.95%に上昇、◇石原ケミカル<4462>、装飾めっき用表面処理薬品製造のキザイを子会社化、◇ヤフー<4689>、衣料品通販サイトのZOZOをTOBで子会社化へ 4007億円を投じる など

 

フォートレス、対ユニゾTOBの買付期間を延長

2019-09-21

◆不動産・ホテル業のユニゾホールディングスに対してTOB(株式公開買い付け)を実施している米投資会社フォートレス・インベストメント・グループは20日、当初10月1日までとしていた買付期間を同7日まで延長(営業日ベースで4日間)すると発表した。対象会社の主要株主に異動が生じたのを受けた措置。ユニゾ株をめぐっては20日までに米投資会社エリオット・マネジメントが保有割合を11.98%まで高めたことが判明している。

フォートレスは8月19からユニゾに対するTOBを実施中。完全子会社化を目指しており、買付代金は最大1368億円。買付価格は1株につき4000円。

一方、エリオットは18日提出した大量保有の変更報告書でユニゾ株の保有割合が10.95%と初めて10%を超える水準まで上昇したことを報告。これに続く20日提出分によると、さらに1.03%を買い増して11.98%まで保有割合を高めた。

20日のユニゾ株の終値は前日比20円安の4200円。フォートレスがTOBを開始後、同日まで一貫して市場価格が買付価格の4000円を上回る高値で推移しており、このままだとTOBの成立が危ぶまれる。

 

ダイキアクシス<4245>、空調換気・給排水設備販売の冨士原冷機など2社を子会社化

2019-09-20

◆ダイキアクシスは、空調換気・給排水設備販売の冨士原冷機(松山市。売上高17億4000万円、営業利益5590万円、純資産1億6000万円)、空調換気設備工事の日本エアーソリューションズ(同。売上高2億5600万円、営業利益8390万円、純資産5750万円)の2社の全株式を取得し、子会社化することを決議した。

ダイキアクシスは水回りを中心とする住設機器の販売を主力事業の一つとする。今回両社を傘下に取り込み、設備関連のソリューション力を向上させる。冨士原冷機は1986年設立、日本エアーソリューションズは2017年設立で、いずれも冨士原裕氏が社長を務める。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

初穂商事<7425>、エクステリア資産卸販売のアイシンを子会社化

2019-09-20

◆初穂商事は、エクステリア資材の卸販売や設計・施工を手がけるアイシン(大阪府高槻市。売上高115億円、営業利益4億5300万円、純資産22億円)の株式49.6%を追加取得し、子会社化(所有割合74.8%)することを決議した。

初穂は中部地区を主体にエクステリア事業を展開する。2017年6月に営業エリアの拡大を目的に関西を地盤とするアイシンと資本業務提携し、同社に25.2%出資した。今回、さらに踏み込み、アイシンを子会社化し、事業シナジー(相乗効果)の拡大につなげる。

取得価額は15億5300万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

日本創発グループ<7814>、ビジュアルコンテンツ事業のVisolabを子会社化

2019-09-20

◆日本創発グループは、ビジュアルコンテンツ事業を手がけるVisolab(東京都港区。売上高1億2900万円、営業利益500万円、純資産1000万円)の株式71.4%を取得し子会社化することを決議した。

日本創発グループは汎用的な一般情報用紙への印刷にとどまらず、特殊素材・立体物への印刷、ノベルティー・フィギュア、3D(三次元)プリンター造形などに幅広く取り組んでいる。Visolabを傘下に取り込み、顧客の多様な要望にこたえられるようワンストップサービスの拡充につなげる。

取得価額は9000万円。取得日は2019年9月20日。

 

キャリア<6198>、高知事務センターで行う派遣社員の勤怠管理・給与計算業務をステラスに譲渡

2019-09-20

◆キャリアは、高知事務センター(高知市)で行う派遣社員の勤怠管理・給与計算業務を、人材ビジネス業界向けシステム開発などを手がけるステラス(東京都千代田区)に譲渡することを決議した。同業務を承継するため設立する新会社「ステラスビジネスサポート」(高知市)の全株式を11月1日付で譲渡する。譲渡価額は2000万円。

 

ベネフィットジャパン<3934>、モバイルwi-fiのレンタル事業を手がけるモバイル・プランニングを子会社化

2019-09-19

◆ベネフィットジャパンは、モバイルwi-fiのレンタル事業を手がけるモバイル・プランニング(東京都中央区。売上高6億3700万円、営業利益5700万円、純資産9800万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

モバイル・プランニングはAKIBAホールディングスの傘下企業。販売・物流・請求・収納・顧客サポートをワンストップで行い、NETAGE(ネットエイジ)という独自ブランドを中心にEC(電子商取引)サイトを通じて出張、旅行、一時帰国などに際し、モバイルwi-fiの短期利用ニーズに応えている。ベネフィットジャパンはモバイル・プランニングを傘下に取り込み、新規事業領域に参入を実現する。

取得価額は5億1000万円。取得予定日は2019年9月30日。

 

エル・ティー・エス<6560>、ソフト開発のワクトを子会社化

2019-09-19

◆エル・ティー・エスは、ソフト開発のワクト(東京都中央区。売上高11億2000万円、営業利益1840万円、純資産4420万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ワクトは2010年に設立し、ITシステム開発の要件定義、設計、構築、運用に関して実績を積んできた。エンジニア180人の稼働体制を実現している。エル・ティー・エスは同社を傘下に取り込み、対応可能な技術範囲やエンジニアリング体制の拡大を目指す。

取得価額は1億6000万円。取得予定日は2019年9月25日。

 

米エリオット、TOB進行中の「ユニゾ株」保有割合 10.95%に上昇

2019-09-18

◆米投資会社のエリオット・マネジメントは不動産・ホテル業を手がけるユニゾホールディングス<3258>株式を1.5%買い増し、保有割合を10.95%(共同保有分を含む)に高めた。18日に関東財務局へ提出した大量保有の変更報告書で分かった。エリオットのユニゾ株買い増しが判明したのは前回8月14日の提出分以来、約1カ月ぶり。ユニゾをめぐっては8月19日~10月1日を期間とし、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOB(株式公開買い付け)が進行中。

18日のユニゾ株の終値は前日比35円安の4125円。これに対し、フォートレスが提示した買付価格は4000円。フォートレスがTOBを開始後、同日まで一貫して市場価格(終値)が買付価格を上回ったまま推移している。

エリオットの保有目的は前回までと同じで、「投資。なお、状況等に応じ、建設的な対話(エンゲージメント)や助言、重要提案行為等を行う可能性もある」という内容。

 

石原ケミカル<4462>、装飾めっき用表面処理薬品製造のキザイを子会社化

2019-09-18

◆石原ケミカルは、装飾めっき用表面処理薬品を製造するキザイ(東京都中央区。売上高13億4000万円、営業利益1億1700万円、純資産18億4000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

キザイは1959年に設立。樹脂めっき薬品、アルミ・マグネシウム合金上の前処理薬品など、石原ケミカルが取り扱っていない装飾めっきの市場で実績を積んできた。石原ケミカルは自社の電子部品用表面処理剤との相互補完により、グループとして表面処理剤事業の拡大を目指す。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月中。

 

日鉄物産<9810>、ソーセージや鴨肉・焼豚など畜肉加工食品の開発・輸入を手がけるコスモフーズを子会社化

2019-09-17

◆日鉄物産は、ソーセージや鴨肉、焼豚など畜肉加工食品を開発・輸入するコスモフーズ(大阪市。売上高16億5000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。日鉄物産が90%、子会社の日協食品(東京都中央区)が10%を保有する。コスモフーズは1982年設立で、従業員は25人。取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月31日。

 

CSSホールディングス<2304>、食材販売・給食事業のヤマト食品を投資会社のケイエフに譲渡

2019-09-17

◆CSSホールディングスは、献立付き食材販売や受託給食を手がけるヤマト食品(神奈川県大和市。売上高24億6000万円、営業利益△7800万円、純資産9000万円)の全株式を、投資会社のケイエフ(兵庫県姫路市)に譲渡することを決議した。

ヤマト食品は1982年に設立。高齢者福祉関連で事業拡大を目指してきたが、大型の受注を失ったことから売上高が減少し、2018年9月期まで2期連続の営業赤字を計上した。19年9月期についても受注の取りこぼしで赤字が見込まれている。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年9月30日。

 

アイ・ケイ・ケイ<2198>、葬儀事業子会社のアイ・セレモニーを木下に譲渡

2019-09-13

◆アイ・ケイ・ケイは、葬儀事業子会社のアイ・セレモニー(佐賀県伊万里市。売上高2億9600万円、営業利益600万円、純資産3億500万円)の株式95%を、冠婚・葬祭事業を手がける木下(福岡県久留米市)に譲渡することを決議した。

アイ・ケイ・ケイは中核である婚礼事業に経営資源を集中させる。葬儀事業については全売上高の2%程度にとどまっていた。

譲渡価額は3億7700万円。譲渡予定日は2019年10月1日。

 

ソフィアホールディングス<6942>、ソフト・機器開発子会社のエリアビイジャパンをオフィス24に譲渡

2019-09-12

◆ソフィアホールディングスは企業向けソフト、機器の開発・販売を手がける子会社のエリアビイジャパン(東京都新宿区)の全株式を、IT機器開発などのオフィス24(東京都新宿区)に譲渡することを決議した。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年10月1日。

 

不二精機<6400>、精密プレス加工の秋元精機工業を子会社化

2019-09-12

◆不二精機は、精密プレス加工の秋元精機工業(横浜市。売上高5億8800万円、営業利益1300万円、純資産5700万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

秋元精機は1964年の設立以来、精密プレス加工用の金型設計・製作と板金プレス部品、インサート成形品、絞り板金プレスなどの製造を手がけ、自動車関連業界を顧客とする。

不二精機はパワートレイン(エンジン、モーター)に左右されない部品の受注拡大に向けて、従来の樹脂成形品にとどまらず、精密金属部品を金型内にあらかじめ組み込んで樹脂成形するインサート成形品などで新製品開発を進めている。秋元精機の技術・ノウハウを取り込み、競争力向上につなげる。

取得価額は非公表。取得日は2019年9月12日。

 

クリエイト・レストランツ・HD<3387>、北米でイタリアンレストランを展開する現地イルフォルナイオを子会社化

2019-09-12

◆クリエイト・レストランツ・ホールディングス(HD)は、北米でイタリアンレストラン「イルフォルナイオ」を展開する米Il Fornaio (America) LLC(カリフォルニア州。売上高122億円、営業利益8億5000万円、純資産46億円)の全持分を取得し、子会社化することを決めた。

イルフォルナイオは1987年に創業。カリフォルニア州など3州で20店舗を持ち、正統派イタリアンとして知られるという。クリエイト・レストランツ・HDは海外事業に関し、アジアにシンガポールを中心に31店舗、米ニューヨークに3店舗を展開する。イルフォルナイオを傘下に収め、北米事業の取り組みを加速する。

取得価額は約80億5000万円。取得予定日は2019年9月30日。

 

ソフィアホールディングス<6942>、茨城県日立市で調剤薬局2店舗を営むメリーコーポレーションを子会社化

2019-09-12

◆ソフィアホールディングスは、茨城県日立市内で調剤薬局2店舗を営むメリーコーポレーション(茨城県日立市。売上高2億9100万円、営業利益689万円、純資産9460万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。取得価額は3億240万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

ヤフー<4689>、衣料品通販サイトのZOZOをTOBで子会社化へ 4007億円を投じる

2019-09-12

◆ヤフー(10月にZホールディングスに社名変更)は12日、衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOの子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。ZOZO株式の50.1%の取得を目指す。買付代金は最大4007億円。ZOZO創業者で前社長(12日付で取締役辞任)の前沢友作氏は36.76%を保有する株式のうち、30.37%についてTOBに応じる。ZOZOは会社としてTOBに賛同している。ZOZOの上場(東証1部)は維持する。

ZOZOが主戦場とする衣料・服飾雑貨は国内B-C(消費者向け電子商取引)市場の物販分野で最大規模(約1兆7700億円)。ヤフーはZOZOを取り込み、ファッションカテゴリーの品ぞろえを強化し、インターネット通販事業を拡大する。

買付価格は1株あたり2620円。TOB公開前日の終値2166円に20.96%のプレミアムを加えた。買付予定数の下限は所有割合が3分の1超に相当する33.4%に設定。買付予定数の上限(50.1%)を超える部分については買い付けを行わない。買付代理人は、みずほ証券。

買付期間は30日間とし、買付開始は10月上旬を予定。前沢前社長とは買付開始日から15営業日以内に同氏がTOBに応募する旨の契約を結んでいる。

ZOZOは1998年に設立し、衣料品通販サイト「ゾゾタウン」は日本最大級の通販サイトに成長を遂げた。2019年3月期の売上高は1184億円、営業利益は256億円、当期純利益は159億円。一方、ヤフーはポータルサイト国内最大手で、今年6月にソフトバンクの子会社となった。

 

三菱商事<8058>、経営再建中の千代田化工建設を10日付で子会社化

2019-09-11

◆三菱商事は11日、経営再建中で持分法適用関連会社の千代田化工建設を連結子会社化したと発表した。7月1日に第三者割当増資を引き受けて700億円で取得したA種優先株式1億7500万株(議決権なし)のすべてについて、10日付で普通株式への転換請求権を行使する場合に必要となる許認可を得られた。これに伴い、議決権ベースで持ち株比率が従来の33.57%から82.06%に高まる。

千代田化工は2019年3月期決算で2149億円の最終赤字を計上し、591億円の債務超過に陥った。これを受け、三菱商事は金融子会社を通じて900億円を融資するとともに、優先株を700億円で引き受けた。

 

立花エレテック<8159>、八洲電機から電子デバイス事業子会社の八洲電子ソリューションズを子会社化

2019-09-10

◆立花エレテックは、八洲電機子会社で電子デバイス・コンポーネント事業を手がける八洲電子ソリューションズ(東京都港区。売上高77億1000万円、経常利益1億2800万円、純資産9億7200万円)の全株式を2020年4月1日付で取得し、子会社化する。取得価額は未定。

立花エレテックは主力事業の一つとして、規格品からユーザー仕様までニーズに合わせた半導体や電子デバイス製品の販売や、マイコンやカスタムLSIの設計開発を手がける。八洲電子をグループに迎え、商材の品ぞろえを拡充するとともに、技術補完によるソリューション提案力の強化を目指す。

八洲電機は鉄鋼、石油業界を中心にエンジニアリング事業に経営資源を集中させる方針を打ち出している。八洲電子は2016年に分社化して設立した。

 

アイスタディ<2345>、システム開発のエイム・ソフトを子会社化

2019-09-09

◆アイスタディはシステム開発のエイム・ソフト(東京都新宿区。売上高8億円、営業利益4400万円、純資産1億1900万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

エイム・ソフトは2005年に設立し、銀行、証券、生損保、カード会社など金融関連と不動産関連で実績を積んできた。アイスタディは同社を傘下に取り込み、AI(人工知能)やビッグデータ、IoT(モノのインターネット)などに関連する高度IT人材育成の取り組みを加速する。

取得価額は3億6800万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

メディカル・データ・ビジョン<3902>、医療系システム開発のメディカルドメインを子会社化

2019-09-09

◆メディカル・データ・ビジョンは、医療系のシステム開発を手がけるメディカルドメイン(東京都千代田区。売上高2億3300万円、営業利益1000万円、純資産4700万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

メディカルドメインはレセプト(診療報酬明細書)や検査領域にかかわる医療系システムの開発やサポートを通じて中小規模病院やクリニックなどの医療機関と医師会にネットワークを持つ。

メディカル・データ・ビジョンは大規模病院の医療ビッグデータ(約2800万人の診察データ)を保有する。今回、メディカルドメインを傘下に取り込み、大規模病院にとどまらず、小規模病院やクリニックまでを網羅した医療ビッグデータの構築に着手する。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

日東工業<6651>、ベトナムのセキュリティー機器卸販売SOECOを子会社化

2019-09-09

◆日東工業は、オフィス・セキュリティー機器の卸販売を手がけるベトナムSAO NAM AN TRADING CORPORATION(SOECO、ホーチミン。売上高13億6000万円、営業利益3700万円、純資産2億5200万円)の株式99.9%を取得し子会社化することを決議した。

SOECOはベトナム全域に400社以上の販売網を持ち、顧客数は1万社を超えるという。日東工業は子会社のサンテレホン(東京都中央区)を通じて、セキュリティーカメラを中心とするソリューション販売事業を手がけるが、SOECOと事業分野が重なり、早期のシナジー(相乗効果)創出が期待できると判断した。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月25日。

 

川崎汽船<9107>、海運関連のドイツ子会社KHL-Gを現地投資会社に譲渡

2019-09-09

◆川崎汽船は、ドイツ子会社の”K” LINE HEAVY LIFT (GERMANY) GmbH(KHL-G、売上高0円、営業利益△82万6000円、純資産△128億円)の全株式を、投資会社の現地Freiherr von Feldegg Vermögenswerte GmbHに譲渡することを決めた。KHL-Gは海運子会社のSAL HEAVY LIFT GmbH(SAL)の持ち株会社として川崎汽船の全額出資で2009年に設立されたが、2017年にSALを売却し、その役割を終えていた。清算に要する時間や費用を考慮し、売却が適切と判断した。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年9月19日。

 

東京センチュリー<8439>、米航空機リース大手Aviation Capital Groupを子会社化

2019-09-09

◆東京センチュリーは9日、米国の航空機リース大手Aviation Capital Group LLC(ACG、カリフォルニア州。売上高約1120億円、当期純利益約284億円、純資産約3450億円)を買収すると発表した。米現地法人を通じて現在24.5%の持分を所有するが、持分を追加取得し、完全子会社化する。新興国・途上国の旅客輸送需要の増加やLCC(格安航空会社)の成長などに伴い、世界的に民間航空機市場の拡大とともに、航空機のオペレーティングリース利用率が一層高まることが見込まれている。取得価額は約30億ドル(約3213億円)。2019年12月に買収完了を目指す。

ACGは1989年設立で、世界最古参の大手航空機リース会社の一つに数えられる。世界45カ国超の90社以上の航空会社に対してリース事業を手がける。6月末時点の保有管理・発注済み機体数は約500機。東京センチュリーは2017年に持分20%(2019年3月に24.5%)を取得した。

 

FRACTALE<3750>、ホテル金沢を子会社化

2019-09-09

◆FRACTALEは、ホテル金沢(金沢市。売上高15億2000万円、営業利益2億8600万円、純資産△12億9000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。ホテル金沢はJR金沢駅から徒歩1分の好立地にある。FRACTALEは既存ホテル・旅館のリノベーション(改修)事業に力を入れている。取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月27日。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[M&Aニュース](2019年8月26日〜9月6日)

◇ベルーナ<9997>、輸入ブランド品のEC事業を手がけるアイシーネットを子会社化、◇クミアイ化学工業<4996>、米コルテバ・アグリサイエンスから水稲用除草剤「ベンスルフロンメチル」事業を取得、◇中広<2139>、アド通信社西部本社の広告事業を取得、◇イトクロ<6049>、子供向け習い事情報ポータルサイト「コドモブースター」など運営のセンジュを子会社化、◇JVCケンウッド<6632>、先進運転支援システム開発子会社のZMPを譲渡、◇フォートレス、ユニゾTOBの公開買付代理人にSMBC日興証券を追加 など

 

ベルーナ<9997>、輸入ブランド品のEC事業を手がけるアイシーネットを子会社化

◆ベルーナは、輸入ブランド品のEC(電子商取引)事業を手がけるアイシーネット(東京都八王子市。売上高12億5000万円、経常利益5700万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

アイシーネットは2008年に設立し、輸入ブランド品を「Import Collection YR」の店名でインターネット販売している。取得価額は非公表。取得日は2019年9月6日。

 

クミアイ化学工業<4996>、米コルテバ・アグリサイエンスから水稲用除草剤「ベンスルフロンメチル」事業を取得

◆クミアイ化学工業は、米国の農業企業コルテバ・アグリサイエンスから中国を除くアジア太平洋地域におけるベンスルフロンメチル事業を買収する契約を結んだ。ベンスルフロンメチルは広葉やカヤツリグサ科雑草に広く効果を示し、移植・直播いずれにも適用可能な水稲用除草剤。日本やインドをはじめアジアで「Londax」「Londax Power」などのブランド名で販売されている。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は9月下旬から10月上旬。

 

中広<2139>、アド通信社西部本社の広告事業を取得

◆中広は6日、広告会社のアド通信社西部本社(旧アド通信社、北九州市。売上高5億1300万円、営業利益△135万円)の広告事業を取得することを決議した。旧アド通信社に対するスポンサー契約に基づき、旧アド通信社の広告事業を会社分割により承継する受け皿会社を近く設立する。同事業の取得価額は5000万円。取得予定日は2019年11月下旬。

中広はハッピーメディア「地域みっちゃく生活情報誌」をVC(ボランタリーチェーン)契約で展開しており、旧アド通信社はそのVC契約先の一つ。同日、旧アド通信社の金融機関、大口債権者などの同意を得て、再建支援のためのスポンサー契約を締結した。新会社は同名のアド通信社西部本社とし、本社は福岡市に置く。

 

イトクロ<6049>、子供向け習い事情報ポータルサイト「コドモブースター」など運営のセンジュを子会社化

◆イトクロは、インターネット・メディア事業のセンジュ(東京都渋谷区。売上高5620万円、営業利益△5250万円、純資産1090万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

センジュは2014年設立で、子供向け習い事情報ポータルサイト「コドモブースター」や子育て情報ポータルサイト「comolib(コモリブ)」を運営している。イトクロは国内最大の学習塾予備校情報ポータルサイト「塾ナビ」で知られる。センジュを傘下に取り込むことで、教育メディアサービスを拡充する。

取得価額は7億円。取得予定日は2019年11月1日。

 

JVCケンウッド<6632>、先進運転支援システム開発子会社のZMPを譲渡

◆JVCケンウッドは、ADAS(先進運転支援)システムの開発を手がける100%子会社のZMP(東京都文京区。資本金約14億4700万円)の全株式を譲渡した。譲渡先、譲渡価額などは非公表。2013年12月にZMPを子会社化したが、事業関連性が低く保有意義が低下したと判断した。

 

フォートレス、ユニゾTOBの公開買付代理人にSMBC日興証券を追加

◆米投資会社フォートレス・インベストメントは5日、不動産・ホテル業を手がけるユニゾホールディングスの完全子会社を目的に実施中のTOB(株式公開買い付け)について、公開買付代理人としてSMBC日興証券を追加したと発表した。これにより、大和証券との2社体制となる。ユニゾ株の買付期間は8月19日~10月1日。ユニゾ株主の利便性を高め、TOBへの応募を促す狙いがあるとみられる。

今回加わったSMBC日興証券を利用すれば、オンライントレードを通じて応募した場合、郵送に代えて買付通知書はインターネット経由で返送される。

ユニゾ株をめぐっては先に、旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)がTOBを実施したが、所有割合45%を目標とした買い付けが行えず、不調に終わった。フォートレス(買付主体は傘下のサッポロ合同会社)はHISの対ユニゾTOBが進行中に、HISを上回る買付価格(1株4000円)で参戦した。

当初TOBを仕掛けたHISはユニゾ株を約5%保有する大株主。今回公開買付代理人に加わったSMBC日興証券はHISの準幹事証券会社を務めている。

公開買付代理人は買付者に代わってTOBの窓口となる証券会社のことで、買い付けの応募受け付けや買付代金の支払いなどの事務を担う。

 

ワールドホールディングス<2429>、債権管理回収業の一富士債権回収を子会社化

◆ワールドホールディングスは、債権管理回収業の一富士債権回収(東京都新宿区。純資産2億3000万円)の全株式を5日付で取得し子会社化した。不動産金融ビジネスに進出するのが狙い。同日付で「みらい債権回収」に社名変更した。取得価額は非公表。

 

ザッパラス<3770>、コンコースから占いサービス事業を取得

◆ザッパラスは、コンテンツサービスなどを手がけるコンコース(東京都渋谷区)から占いサービス事業を取得することで基本合意した。同事業(売上規模は5億1400万円)を分社して設立する新会社の全株式を11月1日付で取得する。取得価額は非公表。

ザッパラスはデジタルコンテンツやチャット、電話など様々な形で占いサービスを提供している。コンコースからISP(インターネットサービスプロバイダー)向け占いコンテンツ提供、占いポータルサイト運営など占い関連サービスの大半を取り込み、事業拡充につなげる。

 

メイコー<6787>、ベトナムの電子機器受託製造サービスTowada Electronicsを子会社化

◆メイコーは電子機器受託製造サービス(EMS)を手がけるベトナムTowada Electronics Vietnam (十和田ベトナム、ハイズオン省。売上高57億9000万円、経常利益1200万円、純資産5億6700万円)の持分60%を取得し子会社化することを決議した。

十和田ベトナムは十和田オーディオ(秋田県小坂町)を中核とする十和田グループのベトナム現地法人で、2005年に設立し、EMS事業で実績を積んできた。メイコーはベトナムのハノイにプリント基板の設計・生産拠点から組み立てまでの一貫供給体制を持つ。今回、十和田ベトナムを傘下に取り込むことで、地域トップの日系EMSメーカーを目指すとともに、外資系顧客を含めた受注拡大につなげる。

取得価額は8億円。取得予定日は2019年10月。

 

アイフリークモバイル<3845>、クラウドファンディング事業「ミライッポStartup IPO」をVカレンシーに譲渡

◆アイフリークモバイルはクラウドファンディング事業「ミライッポStartup IPO」を、為替関連システム開発のVカレンシー(東京都中央区)に譲渡することを決議した。「ミライッポStartup IPO」は2018年9月にサービス提供を始めたが、収益化が見込めず、運用費用がかさみ投資回収が困難な状況にあった。当該事業の業績は売上高1470万円、営業利益△2億2000万円。

譲渡価額は100万円。譲渡予定日は2019年9月30日。

 

エルテス<3967>、Web上の風評被害対策を手がけるエフエーアイを子会社化

◆エルテスは、Web上の風評被害対策を手がけるエフエーアイ(大阪市)の全株式を取得し子会社することを決議した。

エルテスは大都市圏・大企業を中心にデジタルリスクに関するコンサルティングサービスを提供しているが、中堅中小企業や地方マーケットの開拓を経営課題としていた。エフ―エーアイは2016年設立で、関西圏に基盤を置き、中堅中小企業向けに同様のサービスを手がける。

取得価額は非公表。取得予定日は2019月9月6日。

 

クリーク・アンド・リバー社<4763>、インタラクティブブレインズから3DCGアバター事業、VR事業などを取得

◆クリーク・アンド・リバー社は子会社を通じて、インタラクティブブレインズ(東京都渋谷区)から3DCG(3次元コンピューターグラフィックス)アバター事業、VR(仮想現実)事業、コンテンツ開発事業などを取得した。

クリーク・アンド・リバー社は映像、ゲーム、Web、広告・出版、作家、医療、IT、会計、法曹、建築、ファッション、食、研究、舞台芸術、リサーチの15分野で約26万人の専門人材を抱え、派遣・請負事業を展開している。今回の事業取得により、主にゲーム分野での3DCGアバターやVRなどの開発能力の向上につなげる。アバターはコンピューター上やゲーム上で各ユーザーの分身となるキャラクターのこと。

譲渡価額は非公表。譲渡日は2019年9月1日。

 

ひかりホールディングス、れんが工事のスマート・ブリックを子会社化

◆ひかりホールディングスは、れんが工事業のスマート・ブリック(東京都大田区。売上高811万円、営業利益194万円、純資産1760万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ひかりホールディングスは、複数の傘下企業を通じてタイル・レンガ・石材などの加工業務を行うほか、タイル建材の輸入販売を手がける。スマート・ブリックを傘下に取り込むことで、グループ内のシナジー(相乗効果)創出が期待できると判断した。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月12日。

 

クリエイト・レストランツ・HD<3387>、北関東で和食レストランを展開する「いっちょう」を子会社化

◆クリエイト・レストランツ・ホールディングスは北関東を中心に和食レストラン「いっちょう」を展開するいっちょう(群馬県太田市。売上高113億円、営業利益7億9500万円、純資産29億9000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

いっちょうは2003年設立で、和食レストランを「いっちょう」を中心に40店舗、ほかに焼肉「萬家」を5店舗展開している。「いっちょう」は料亭を思わせる雰囲気づくりが特徴で、大小さまざまな個室を用意する。セントラルキッチンや自社物流を通じてコストダウンにつなげている。

クリエイト・レストランツ・HDはしゃぶしゃぶ・すき焼き「しゃぶ菜」、寿司食べ放題「雛鮨」、居酒屋「磯丸水産」、つけ麺・ラーメン「つけめんTETSU」など、様々な業態の飲食店を展開する。今回、いっちょうを傘下に収め、グループ連邦経営を推し進める。

取得価額は70億1000万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

GFA<8783>、ネクスト・セキュリティのコールセンター事業を譲渡

◆GFAは連結子会社であるネクスト・セキュリティ(東京都品川区。売上高1億1900万円、営業利益△4300万円、純資産△700万円)のRISK Management Information Center(RiMIC)事業を、MSDホールディングス(東京都千代田区)へ譲渡することを決議した。2019年10月1日に新設するMSD Secure Service(東京都品川区)へRiMIC事業を移転し、同社株をMSDホールディングスに売却する形を取る。

同事業はネクスト・セキュリティが販売したセキュリティーソフトに対するユーザーからの問い合わせを24時間体制でサポートするコールセンターサービス。GFAは事業譲渡に伴い、約600万円の特別損失を計上する見通し。

GFAは2018年9月25日にネクスト・セキュリティを100%子会社化した。しかし、顧客数の伸び悩みに加えて24時間サービスのRiMIC事業で運営費用がかさみ、子会社化から 2020年3月期第1四半期(2019年4−6月)まで赤字を計上している。そこでRiMIC事業を譲渡することにした。

譲渡価額は非公開。譲渡予定日は2019 年10月1日。

 

デンタス、歯科技工物の販売子会社をシケンに譲渡

◆デンタスは歯科技工物販売子会社F・ソリューションズ(徳島市。売上高2億6185万円、営業利益△1712万円、純資産△1915万円)の全株式を、歯科技工物の製造・販売や歯科材料販売などを手がけるシケン(徳島県小松島市)に譲渡することを決議した。

株式譲渡に当たり、債務超過状態であるF・ソリューションズが有するグループ会社内の一部債務を免除する。

デンタスは赤字の早期解消に向けて、経費の全面的な見直しや歯科技工現場における原価圧縮施策といった合理化、技工現場のラインや機械設備の改善などに取り組んでいる。その一環として外注取引を拡大するシケンに歯科診療所向け営業を手がけるF・ソリューションズを同社に集約し、業績改善に努めることにした。

シケンとの資本関係はないが、島文男デンタス会長の近親者が議決権の過半数を所有している。

譲渡価額は非公開。譲渡実行日は2019年8月30日。

 

ブロッコリー<2706>、ゲーム開発のLANTERN ROOMSを子会社化

◆ブロッコリーは、家庭用ゲームソフトやスマートフォン向けゲームコンテンツの企画・制作などを手がけるLANTERN ROOMS (ランタンルームス、東京都北区。売上高1億286万円、営業利益280万円、純資産△273万円) の全株式を取得し、子会社化することについて決議した。

ブロッコリーは同業であるLANTERN ROOMSの企画力・技術力を高く評価しており、子会社化による協業で自社コンテンツ開発体制の強化・加速を図る。

取得価額はアドバイザリー費用を含めて1861万円。取得実行日は2019年8月30日。

 

イチネンホールディングス<9619>、アクセスから自動車部品付属品卸売事業を譲受

◆イチネンホールディングスは、アクセス(大阪市福島区)の自動車部品付属品卸売事業(事業売上高153億6100万円、同営業利益3億5100万円、同経常利益3億4200万円)を譲受することを決議すると共に吸収分割契約を締結した。イチネンが100%子会社として新たに設立した分割準備会社(同)が、会社分割(吸収分割)で同事業を譲受する。

イチネングループは「自動車リース関連事業」「ケミカル事業」「パーキング事業」「機械工具販売事業」「合成樹脂事業」の5事業を展開。事業領域の枠にとらわれない新規事業への参入や規模拡大を目的としたM&Aを積極的に展開している。

アクセスは長年にわたって各種自動車部品・自動車関連付属品の卸売事業を展開しており、同業界で確固たるビジネスの基盤を確立している。イチネンが譲受する自動車部品付属品卸売事業は、イチネンが展開する機械工具販売事業との親和性が高く、仕入・販売の両面において高い相乗効果が見込まれるという。今回の事業譲受でイチネンは機械工具販売事業のさらなる規模拡大と収益性の向上を狙う。

譲受(取得)価額は非公表。譲受(同)予定日は2019年11月1日。

 

廣済堂<7868>、出版子会社を個人に譲渡

◆廣済堂は連結子会社の廣済堂出版(東京都千代田区。売上高6億100万円、営業利益△1億2500万円、純資産△6億5100万円)の全株式を日本国内在住の個人に譲渡することを決議すると同時に、譲渡契約を締結した。同社に対する債権もあわせて譲渡した。

廣済堂は事業ポートフォリオの見直しを進めており、経営資源をコア事業の印刷・IT、人材関連事業領域とライフスタイル事業領域に集中させている。一方、廣済堂出版は出版不況の影響もあり5期連続赤字を計上し、短期的な収益改善は厳しい状況にある。そこで廣済堂は、出版事業に係る知見とネットワークを持つ個人へ廣済堂出版を譲渡するのが最善と判断した。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年9月30日。

 

ブックオフグループHD<9278>、貴金属買取・販売のJAM社を完全子会社化

◆ブックオフグループホールディングス(HD)は、貴金属買取・販売のジュエリーアセットマネジャーズ(JAM社、東京都中央区。売上高、営業利益、純資産いずれも非公表)の全株式を取得し、完全子会社化することを決議した。

JAM社は貴金属の買取から販売、オーダー受注、リペア・リメイクなどのトータルサービスを提供する「aidect(アイデクト)」を手がけており、大手百貨店や郊外型ショッピングモールなどに18店舗を出店している。

中古商品買取・販売を手がけるブックオフグループHDは、JAM社が持つ顧客基盤や人材、リペア・リメイクなどのノウハウを活用することで新たな顧客層にアプローチするとともに、既存の顧客にも新たなサービスを提案する。

取得価額は非公開。取得予定日は2019年9月6日。

 

リアルワールド<3691>、BPO事業のノーザンライツを譲渡

◆リアルワールドは、子会社でインターネットBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング=業務受託)事業を手がけるノーザンライツ(東京都渋谷区。売上高4億4400万円、営業利益△100万円、純資産5000万円)の全保有株式(持株比率66.7%)をトゥルージオ(東京都港区)に譲渡することを決議した。

リアルワールドは同業のトゥルージオにノーザンライツの全株式を譲渡し経営を委ねることが、自社グループの総合的な企業価値の向上につながると判断した。今後はクラウドソーシングなどのサービスに付加価値をつける事業に注力し、経営資源の「選択と集中」を推進する。

譲渡価額は1億2000万円。譲渡予定日は2019年9月6日。

 

ラックランド<9612>、空調・給排水衛生工事の環境装備エヌ・エス・イーを子会社化

◆ラックランドは、空調・給排水衛生工事を手がける環境装備エヌ・エス・イー(東京都調布市。売上高11億3153万円、営業利益2582万円、純資産2億1208万円)の全株式を取得し、子会社化することを決議した。

環境装備エヌ・エス・イーは1993 年の設立で、店舗ビル、医療施設、公共施設などで、空調・給排水衛生工事の多様な工事実績を持つ。

一方、ラックランドは飲食業界や小売業界をはじめ物販店やアミューズメント施設、病院、リゾートホテル、商業ビルなどを対象に企画、デザイン、設計、施工、メンテナンスなどの商空間の総合サービスを提供している。

ラックランドは環境装備エヌ・エス・イーの子会社化に伴い、関東圏を中心に空調・給排水衛生工事の技術力やコスト競争力を向上させ、営業面や購買面でシナジー効果を目指す。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月7日。

 

電通<4324>、米国のマーケティング会社ミュートシックス社を子会社化

◆電通は、海外本社・電通イージス・ネットワークを通じて、米国のデジタルパフォーマンス(運用型広告)、DTC(消費者直販)のマーケティング会社ミュートシックス社(ロサンゼルス市。売上高18億3000万円)の全株式を取得することで同社株主と合意した。

ミュートシックス社は2015年の設立で、120人の専門家がフェースブックなどのソーシャルプラットフォームのダイレクト広告、コンテンツ制作など手がけている。

米国でのDTC顧客基盤の拡大とソーシャルコンテンツに関するサービス機能の強化が目的。

取得価格は非公表。

 

ソフィアホールディングス<6942>、メディプランが運営する調剤薬局事業を譲受

◆ソフィアホールディングスは子会社ルナ調剤の子会社であるアフファメディックス(神戸市)が、調剤薬局事業や訪問看護事業などを手がけるメディプラン(大阪市)が運営する調剤薬局事業(大阪市内2店舗、大阪府大東市1店舗、売上高8億1800万円、経常利益7100万円)を譲り受けることを決議した。

ソフィアホールディングスはM&Aによって調剤薬局事業の拡大に取り組んでおり、今回の事業譲渡もこの拡大戦略の一環。

取得価額は2億3300万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

DIC<4631>、ドイツ BASF社が保有する顔料事業会社18社を子会社化

◆DICは、ドイツの大手化学メーカー BASF社が保有する顔料事業を手がけるドイツのBASF Colors & Effects GmbHや、米国のBASF Colors & Effects USA LLCなど18社(売上高約1170億円、純資産約1043億円)の株式を取得し、子会社化することを決めた。

DICは有機顔料とエフェクト顔料(アルミ顔料)で高い技術力を持ち、買収対象企業は高級顔料、エフェクト顔料(化粧品向け)、特殊無機顔料で高い技術力を持つ。両事業には重複が少なく製品補完性が極めて高いことから買収を決めた。

取得価額は1162億円。取得予定日は2020年末

 

鶴見製作所<6351>、オーストラリアのポンプ販売会社TSURUMI AUSTRALIA PTY LTDを子会社化

◆鶴見製作所は、オーストラリアのポンプ販売会社TSURUMI AUSTRALIA PTY LTD(パース)の全株式を取得し、子会社化することを決議した。

これまでオーストラリアでは電機規格の問題などで、販売店による鉱山市場への参入が難しかったが、技術開発、業務提携により参入が可能になったと判断し出資を決めた。

今後、鉱山市場を中心にオセアニア地域における全般的なシェアー拡大を目指す。

取得価額は60万オーストラリアドル(約4290万円)。取得予定日は2019年9月2日。

 

ジー・スリーホールディングス<3647>、福津太陽光発電所(福岡県福津市)を保有する永九能源を譲渡

◆ジー・スリーホールディングスは、福津太陽光発電所(福岡県福津市)を保有する子会社の永九能源(東京都品川区。売上高3411万円、営業利益738万円、純資産3億414万円)の全株式を太陽光発電システムの開発関連事業を手がけるユニ・ロット(大阪市中央区)に譲渡することを決議した。

九州電力管内では太陽光発電所の出力制御リスクが高いため、譲渡を決めた。

譲渡価格は11億3500万円、譲渡予定日は2019年8月30日。

 

HIS、米投資会社のユニゾTOBが不成立の場合は「再TOBを検討する可能性」

◆旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)は28日、不動産・ホテル業を手がけるユニゾホールディングスに対するTOB(株式公開買い付け)の不調を受けた今後の方針について、現在進行中の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOBが不成立となった場合は新たな買付価格を設定してTOBを実施、もしくは買い増しを検討する可能性があると発表した。

また、フォートレスが実施しているTOB(ユニゾ株の買付価格は1株4000円)に応募するかどうかについては、ユニゾ株価の推移を注視しつつ決定するとしている。HISはユニゾ株を4.79%(163万9500株)を保有する。

HISは買付価格1株につき3100円を提示し、7月11日から8月23日までユニゾに対してTOBを実施した。所有割合を現在の4.79%から45%に引き上げ、ユニゾを事実上傘下に収める計画だったが、TOBへの応募がゼロという結果に終わった。TOB開始直後からユニゾ株が急上昇し、市場価格が買付価格を上回る高値で推移したのが主因。このTOBの結果を踏まえた今後の方針については「検討中」としていた。

ユニゾをめぐってはフォートレスがHISを上回る買付価格4000円を提示して参戦し、10月1日を期限としてTOBが進行中。買付予定数の下限は所有割合で66.7%に設定している。HISはフォートレスがTOBを実施期間中、ユニゾに対して新たなTOBを実施したり、ユニゾ株を買い増したりする予定はないとしている。

そのうえで、フォートレスのTOBが不成立(66.7%に届かない場合)となり、その時点でユニゾ株価が妥当と考えられる水準で推移していると認められるなどの場合、新たな買付価格を設定して再度のTOBを実施することや、買い増しを検討する可能性があるとの方針を明らかにした。

 

J-オイルミルズ<2613>、坂出事業所(香川県)の倉庫・不動産業を譲渡

◆J-オイルミルズは、坂出事業所(香川県坂出市)で手がける倉庫・不動産業を譲渡することを決議した。譲渡先は明らかにしていない。坂出事業所は1949年に搾油作業を開始し、1965年までは工場として稼働していたが、現在は穀物サイロ(飼料原料、大麦・小麦の保管・入出庫)、定温倉庫、普通倉庫や駐車場などを運営している。併せて、これらの一部事業を受託する子会社の坂出ユタカサービス(同市)の株式も譲渡する。譲渡価額は20億円。譲渡予定日は2019年12月25日。

 

カイカ<2315>、システム開発子会社のネクス・ソリューションズを実業之日本社に譲渡

◆カイカは、システム開発子会社のネクス・ソリューションズ(東京都港区。売上高26億6000万円、営業利益8300万円、純資産6億5600万円)の全株式を、出版社の実業之日本社(大阪府岸和田市)に譲渡することを決議した。

カイカはグループ戦略としてフィンテック分野の中でも暗号資産(仮想通貨)の基幹技術であるブロックチェーン(分散型台帳)や、仮想通貨交換所関連のシステム開発に経営資源を集中する方針を打ち出しており、これに沿った措置。実業之日本社から内製が可能となるシステム開発会社を擁したいとの要望があったという。

譲渡価額は6億5000万円。譲渡予定日は2019年9月2日。

 

バンダイナムコエンターテインメント 、プロバスケットボールチームを運営する山陰スポーツネットワークを子会社化

◆バンダイナムコエンターテインメント (東京都港区)は、山陰スポーツネットワーク(島根県松江市)の株式56.5%を取得し、プロバスケットボールリーグB.LEAGUEに所属する島根スサノオマジックの運営に参画する。

バンダイナムコエンターテインメントはゲーム事業を中心にライブやイベントの企画・実施といった新たなエンターテインメントの創出に取り組んでおり、島根スサノオマジックの運営に参画することで、新たなスポーツというエンターテインメントへの挑戦を始めるという。

株式取得日は2019年8月27日、株式取得金額は非公表

 

日本化薬<4272>、液晶偏光フィルム製造のポラテクノ<4239>をTOBで非公開化

◆日本化薬は、連結子会社であるポラテクノ(新潟県上越市)の全株式をTOB(株式公開買付け)により取得することを決議した。現在、日本化薬はポラテクノ株の66.45%を保有する筆頭株主だが、2位株主で22.38%を保有する有沢製作所もTOBの応募に合意している。TOBが成立すれば、上場は廃止される見通し。

日本化薬の樹脂・色素・粘着剤をはじめとする素材合成技術とポラテクノのフィルム加工技術など、両社が所有する独自技術を融合させた特色ある新製品開発の加速が急務となっている。そこでTOBによって両社を一体化することで、迅速かつ柔軟な意思決定や両社の販売チャネル、生産体制、人材といった経営資源の相互活用を目指す。

買付価格は1株993円。TOB公開前日の終値に対して94.32%のプレミアムを加えた。買付予定数は1390万5885株で、買付総額は138億円。買付期間は2019年8月28日から同10月10日まで。

ポラテクノは象者は、日本化薬が生産するLCD(液晶表示装置)パネル向け偏光フィルムの製造会社として、1991年7月に日本化薬と有沢製作所の合弁で設立。偏光フィルム・位相差フィルムや関連製品の開発・製造に一貫して取り組み、2006年3月にはジャスダック証券取引所(JASDAQ)に上場を果たした。

 

穴吹興産<8928>、ママのセンターのスーパーマーケット事業を取得

◆穴吹興産は、ママのセンター(長崎県長与町。売上高23億3000万円、営業利益△4300万円、純資産△8500万円)が長崎県で手がけるスーパーマーケット事業(全4店舗)を取得することを決議した。同県でスーパー11店舗を展開する穴吹興産100%子会社のジョイフルサンアルファ(長崎市)が事業を承継する。取得金額は2億7800万円。取得日は2019年10月1日。

穴吹興産がまず、ママのセンターの会社分割を通じてスーパー事業を取得。そのうえで穴吹は取得した事業を会社分割により子会社のジョイフルサンアルファに移す。取得する4店舗の売上高は19億5700万円(5店舗を運営していたが、7月に1店舗を閉鎖)。

 

HIS、ユニゾへのTOBは応募ゼロに終わる

◆旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)は24日、不動産・ホテル事業を手がけるユニゾホールディングスに対して7月11日から8月23日まで実施したTOB(株式公開買い付け)の結果について、株主からの応募がなかったと発表した。HISはユニゾ株の所有割合をTOB開始前の4.79%から45%に引き上げ、ユニゾを事実上傘下に収める計画だった。TOBの結果を踏まえた今後の方針については「検討中」としている。

ユニゾをめぐっては米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループがHISを上回る買付価格を提示して参戦し、別途、TOBが進行中(期間は10月1日まで)。

HISによるユニゾ株の買付価格は1株3100円(TOB公表前日の終値に55.78%のプレミアムを上乗せ)。買付予定数の上限は所有割合で40.21%に相当する1375万9700株とし、買付金額は最大426億5500万円を予定。上限まで買い付けられれば、既存分と合わせ所有割合が45%となるはずだった。

しかし、TOB開始直後からユニゾ株価が急上昇し、市場価格が買付価格を上回る高値で推移し、多くの株主にとってはTOBに応募するよりも市場売却する方が有利な状況が続いていた。このため、TOBへの応募がゼロという結果に終わったとみられる。

TOBに途中参戦したフォートレスが提示したユニゾ株の買付価格は4000円。23日のユニゾ株の終値は4335円で、市場価格が買付価格をすでに上回っている。フォートレスのTOBはユニゾの完全子会社化を目的とし、これにユニゾも賛同している。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

贈与税の個人版事業承継税制の対象となる後継者(特例事業受贈者)の要件

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎信義/税理士)

 

1.贈与税の個人版事業承継税制の概要


特定事業用資産(本連載2019年7月8日号参照)を所有し、事業(不動産貸付業等を除く。以下同じ。)を行っていた先代事業者として一定の者 (贈与者)から、後継者として一定の個人(特例事業受贈者)が、令和10年12月31日までの贈与により、その事業に係る特定事業用資産の全部を取得した場合、特定事業用資産のうちこの税制の適用を受けるものに係る贈与税について、担保提供その他一定の要件を満たすことにより納税が猶予され、贈与者の死亡等により猶予されている贈与税の納付が免除されます(租税特別措置法(措法)70条の6の8第1項)。これが、贈与税の個人版事業承継税制(以下「本特例」)です。

 

2.後継者(特例事業受贈者)の要件


本特例の適用を受けるためには、上記1のとおり後継者が「特例事業受贈者」であることが必要です。特例事業受贈者とは、贈与者から贈与により特定事業用資産の取得をした個人で、 次に掲げる要件の全てを満たす者をいいます(措法70条の6の8第2項2号)。

 

 

(1)その贈与の日において20歳以上(令和4年4月1日以後の贈与については、「18歳以上」)であること。

 

 

(2)その個人が、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(以下「円滑化法」)2条に規定する中小企業者に該当し、本特例の適用要件を満たすことにつき同法12条第1項の都道府県知事の認定(注1)を受けていること。

 

(注1)都道府県知事の認定の申請は、原則として、その特定事業用資産の贈与のあった年の翌年1月15日までに、後継者の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に対して行います(円滑化法施行規則7条第10項、第12項)。

 

 

(3)その贈与の日まで引き続き3年以上にわたり特定事業用資産に係る事業又はこれと同種もしくは類似の事業に係る業務(一定の就学を含む)に従事していたこと。

 

 

(4)その贈与の時からその贈与の日を含む年分の贈与税の申告期限まで引き続きその特定事業用資産の全てを有し、かつ、自己の事業の用に供していること。

 

 

(5)その贈与の日を含む年分の贈与税の申告期限において、所得税法の規定によりその特定事業用資産に係る事業について開業届出書を提出し、かつ所得税の青色申告の承認(所得税法143条、147条)を受けていること。

 

 

(6)その特定事業用資産に係る事業が、その贈与の時において、資産保有型事業及び資産運用型事業(注2)ならびにいわゆる風営法が規定する性風俗関連特殊営業のいずれにも該当しないこと。

 

(注2)「資産保有型事業」とは、原則として、贈与の日を含む年の前年1月1日から、その特例事業受贈者の贈与税の納税猶予税額の全額の猶予の期限が確定(猶予の終了)する日までの期間のいずれかの日において、その日におけるその事業に係る貸借対照表上の総資産の帳簿価額のうち、現預金、有価証券、自ら使用していない不動産その他の資産(特定資産)の占める割合が70%以上となる事業をいいます(措法70条の6の8第2項4号、同施行令40条の7の8第14項)。

 

「資産運用型事業」とは、原則として、特例受贈事業用資産の贈与の日を含む年の前年1月1日から、その特例事業受贈者の贈与税の納税猶予税額の全額の猶予の期限が確定(猶予の終了)する日までの期間のいずれかの年において、事業所得に係る総収入金額に占める特定資産の運用収入の合計額の占める割合が75%以上となる事業をいいます(措法70条の6の8第2項5号、同施行令40条の7の8第17項)。

 

 

(7)都道府県知事による個人事業承継計画の確認(円滑化法施行規則17条第1項3号)を受けていること(措法施行規則23条の8の8第6項)。

 

 

なお、後継者が上記の確認を受けるためには、所定の申請書に後継者候補の氏名、事業承継の予定時期、承継時までの経営見通しや承継後の事業計画等を記載し、さらに認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けた旨を記載のうえ、令和6年3月31日までに、これを先代事業者の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事あてに提出する必要があります(円滑化法施行規則17条4項、中小企業庁「個人版事業承継税制の前提となる経営承継円滑化法の認定申請マニュアル」)。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/09/06)より転載

[解説ニュース]

相続税の家屋評価をめぐる最近の裁判例から

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

■不動産の売買契約中に買主に相続があった場合の評価

■最近の事例にみる「不動産所得で経費になるもの」

 

 

1.はじめに


今回は最近の相続税の財産評価をめぐり、家屋の評価で特別の事情が認められるかどうかが問われた裁判例を取り上げます。

 

2.相続税の家屋評価


相続税の計算をする場合には、不動産や株式などの現物の相続財産については、金銭的価値を見積もり評価する必要があります。この際に指針となるのが、国税庁の財産評価基本通達(以下、財基通という)です。

 

財基通の評価の原則1⑵では「財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期(中略)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による」とされています。評価の際には「財産の評価に当たっては、その財産の価額に影響を及ぼすべきすべての事情を考慮する」(財基通1⑶)ことになっています。

 

さて、家屋の評価は「その家屋の固定資産税評価額(地方税法第381条(固定資産課税台帳の登録事項)の規定により家屋課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に登録された基準年度の価格又は比準価格をいう。以下この章において同じ。)に別表1に定める倍率を乗じて計算した金額によって評価」します(財基通89からの引用)。

 

固定資産評価基準(以下、評価基準という)における家屋の評価方法は、建物の構造や設備などの所定の部分について評点数をつけ積算し、建築後の年数に応じた経年減点補正率と評価の年の評点1点当たりの金額を乗じて評価額を求めます。また必要に応じて損耗減点補正、需給事情による減点補正が出来ます(評価基準第2章)。

 

そして、①評価基準及び財基通が、評価方法として合理的であること、②評価基準・財基通の通りに家屋が評価されていること、③明らかに「時価」を超えていないこと、④評価基準・財基通により評価することが適切ではない特別の事情がないこと、この4つを満たす限り、評価基準及び財基通による評価が適正な評価額と推認されるという考え方になっています。

 

3.家屋評価で争いになった裁判例


ここで取り上げる家屋の評価の裁判例は、古い家屋のうち1戸の評価について、「特別の事情」があるため不動産鑑定評価額約300万円で相続税の当初申告、不動産鑑定評価額約400万円で修正申告等をしていた納税者が、税務署から財基通に基づく評価約1,800万円で更正され、争いになった事例です(札幌地裁平成31年3月8日判決、他の争点もありますがここでは割愛します)。

 

4.納税者の主張


納税者は概略「築後約20年から40年が経過したものであり、老朽化が見受けられるものであるから、その評価に際しては、必要な経年減価が行われるべきである。しかし、評価基準及び財基通においては、最低20%という高い補正率(経年減点補正率)が採用されており、減価が不十分なものとなっている」と指摘し、特別の事情があるとしました。

 

そのうえで納税者は「「時価」(中略)の算定方法は評価通達の定める評価方式に限られるものではなく、不動産鑑定評価によってその算出を行うことも可能」との考えで不動産鑑評価額が「客観的な交換価値を反映した評価である」と主張しました。

 

5.裁判所の判断


裁判所は「評価基準により算出された価額を基にして家屋の評価を行う評価通達の定めも、家屋の客観的な交換価値を算出する方法として一般的な合理性を有するもの」と認めました。

 

そのうえで、納税者が「経年減点補正率の下限が20 %と極めて高く、家屋の実際の取引価格との帯離が著しく大きい」ことから評価方法として、一般的な合理性がないと指摘した点について、裁判所は経年減点補正率だけでは適当と認められない場合に個別事情を踏まえた減点補正ができることから「評価基準の一般的な合理性を否定する事情にはならない」としました。

 

また鑑定評価額と財基通に基づく評価額に乖離があることについて裁判所は、「時価を評価する方法として客観的で、一義的なものがあるわけではなく、その評価額にも自ずと一定の幅が生じることは避けられない。(中略)相続財産について評価通達の定める評価方法によって算出した額が不動産鑑定評価基準に則って鑑定した額を上回る場合であっても、それはいずれも合理性を有する異なる評価(の)基準を用いて算出した結果が異なるものであることを意味しているにすぎず、評価通達の定める評価方式によって時価を適切に算定することができない特別の事情があることを推認させるものではない」として納税者の主張を退けています(判決文書からの引用、()括弧内・赤字は筆者加筆)。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/09/02)より転載

[解説ニュース]

民法改正 ~特別の寄与~

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田房枝/税理士)

 

1. はじめに


民法改正により創設された「特別の寄与」について解説します(2019年7月1日以後の相続から適用)。

 

2. 特別の寄与に関する民法規定(民法1050①②⑤)


特別寄与者(下記3.参照)は、相続開始後、相続人に対し、その寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の支払いを請求することができます。また、その支払いについて当事者間に協議が調わない場合等には、一定期間内に、家庭裁判所にそれに代わる処分を請求することができます。

 

相続人が複数いる場合には、各相続人は法定相続分又は指定相続分に応じて特別寄与料を負担します。

 

3. 特別寄与者の要件(民法1050①)


(1)被相続人の親族(相続人、相続放棄をした者、及び相続権を失った者を除く)であること
(2)被相続人に対して無償で療養看護その他の労務提供をしたこと
(3)上記(2)により、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をしたこと

 

4. 相続税法における取扱い


(1)特別寄与料の支払確定前

特別寄与料は、当事者間で協議が調うまで、又は家庭裁判所の審判があるまでは、その支払いが確定しません。したがって、その支払確定前は、請求中であったとしても特別寄与料の支払いがないものとして相続税を計算します。

 

(2)特別寄与料の支払確定後 ※1
①特別寄与者

(a) 相続税の計算(相法4②)
特別寄与料の額が確定した場合には、特別寄与料相当額を被相続人から遺贈により取得したものとみなして、相続税を計算します。

 

(b) 相続税の申告期限等(相法29①、33)
上記(a)による計算の結果、納付すべき相続税額がある場合には、特別寄与料の額が確定したことを知った日の翌日から10か月以内に相続税の期限内申告書を提出し、相続税を納付しなければなりません。

 

②相続人

(a) 相続税の計算(相法13④)
特別寄与料の額が確定した場合には、「各相続人が相続又は遺贈により取得した財産の価額から特別寄与料の額のうちその相続人の負担に属する部分の金額を控除して、相続税を計算します。

 

(b) 相続税の申告期限等(相法27①、32①、33)

5.税務上の留意点等


(1)相続税額の2割加算(相法18)

特別寄与者となり得る者の多くは、相続税額の2割加算の適用対象者でもあるため、特別寄与料の支払いがあった場合には、基本的に、同一の被相続人に係る相続税の納税総額は増加する点に留意が必要です。

 

(2)特別寄与者が相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産がある場合(相法19)

特別寄与者が被相続人から相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があるときは、相続税の計算上、贈与財産の加算と贈与税額控除の適用があります。特別寄与料の額のみを申告すればよいわけではない点に留意が必要です。

 

(3)特別寄与料を金銭ではなく不動産や有価証券等の現物で支払った場合

特別寄与者が有する特別寄与料の支払請求権は、民法上、金銭債権とされています。したがって、相続人がその金銭債権に係る債務を履行するために、特別寄与者に対して不動産や有価証券等の現物を移転した場合には、その相続人が代物弁済をしたものとして取り扱われます(民法482)。

 

税務上、代物弁済があった場合には、その代物弁済により移転する資産の譲渡があったものとして取り扱われます。すなわち、代物弁済により譲渡所得の基因となる資産を移転する場合には、原則として代物弁済により消滅する債務の額(特別寄与料の額)を譲渡所得の総収入金額として譲渡所得を計算することになります。

 

(4)特別寄与料に相当する金額の贈与をする場合

上記(1)に記載のとおり、特別寄与料を加味して相続税申告をする場合には、基本的に納税総額は増加します。

 

また、期限内申告書の提出後に特別寄与料の額が確定したような場合には、あらためて相続税の申告書等を作成しなければならないという実務上の煩雑さもあります。

 

特別寄与料の額、追加で納付することとなる税額、専門家報酬の額等によっては、実務上は、民法の「特別の寄与」の制度によることなく(相続人から特別寄与者への特別寄与料の支払いではなく)、相続人と特別寄与者との合意により、「相続人から特別寄与者への特別寄与料相当額の金銭の贈与」をし、贈与税の申告・納付で解決することもあると考えます。

 

 

※1 特別寄与者は、特別寄与料以外の財産を被相続人からの遺贈により取得していないものとします。
※2 相続人は、相続税の期限内申告・納付をしている場合を前提とします。

 

 

 

 

 

 

 

法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/08/26)より転載

[M&Aニュース](2019年8月13日〜8月23日)

◇アズーム<3496>、ライナフからWeb予約システム「スマート会議室」事業を取得、◇味の素<2802>、米の液体調味料メーカー「モア・ザン・グルメ」を子会社化、◇GA technologies<3491>、賃貸物件専門のリノベーション事業を手がけるイエスリノベーションを子会社化、◇FHTホールディングス<3777>、子会社エリアエナジーが千葉県で手がける太陽光発電所を東時証券投資顧問に譲渡、◇サンコーテクノ<3435>、プラスチック成形機など輸入販売の成光産業を子会社化 など

 

アズーム<3496>、ライナフからWeb予約システム「スマート会議室」事業を取得

◆アズームは、不動産管理向けシステム開発などを手がけるライナフ(東京都千代田区)からWeb予約システム「スマート会議室」運営事業を取得することを決議した。

「スマート会議室」は会議室の予約、決済、入金管理、鍵の自動付与などのサービスをワンストップで提供する。アズームは空き駐車スペースの活用サービスを主力事業の一つとする。「スマート会議室」事業を取り込み、オフィスビルや店舗の空きスペースを会議室として運営することをサポートし、遊休不動産活用に向けた事業拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月30日。

 

味の素<2802>、米の液体調味料メーカー「モア・ザン・グルメ」を子会社化

◆味の素は、液体調味料メーカーの米モア・ザン・グルメ・ホールディングス(MTG、オハイオ州。売上高26億3000万円、営業利益3000万円、純資産21億円)の株式50.1%を取得し子会社化することを決めた。

MTGは1993年に創業し、ブロスやソースなどの液体調味料を製造・販売する。独自の製造技術を持ち、米国の外食・加工食品企業と緊密な関係を築いている。ブロスとは肉や魚、野菜などを煮込んだだし汁。

米の中食・外食向けBtoB市場は183億ドル(約2兆円)規模とされ、世界全体の約4割を占める。米の外食市場では粉末調味料よりも液体調味料が好まれる傾向にあるという。

取得価額は約38億円。取得予定日は2019年8月22日。

 

GA technologies<3491>、賃貸物件専門のリノベーション事業を手がけるイエスリノベーションを子会社化

◆GA technologiesは、賃貸マンション・アパート専門のリノベーション(改修)を手がけるイエスリノベーション(東京都中央区)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

イエスリノベーションは2012年に設立し、賃貸物件の空室対策に強みを持つ。一般的に賃貸物件は築年数が古くなると好立地の物件以外は競争力が低下し、空室リスクが高まる。同社は既設設備の再利用やデザインの標準化などの合理化で、従来のリノベーション費用の約4分の1の単価2万5000円(1平方メートル当たり)を実現している。

GA technologiesは自社の不動産投資、賃貸管理、不動産売却事業とのシナジー(相乗効果)が見込めると判断した。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月11日。

 

FHTホールディングス<3777>、子会社エリアエナジーが千葉県で手がける太陽光発電所を東時証券投資顧問に譲渡

◆FHTホールディングスは、子会社のエリアエナジー(東京都台東区)を通じて保有する香取低圧15区画太陽光発電所(千葉県香取市。総発電出力742.5キロワット)を、東時証券投資顧問(東京都品川区)に譲渡することを決議した。譲渡価額は約3億円。譲渡予定日は2019年10月31日。

 

サンコーテクノ<3435>、プラスチック成形機など輸入販売の成光産業を子会社化

◆サンコーテクノは、機械の輸入を手がける成光産業(東京都杉並区。売上高14億9000万円、営業利益8300万円、純資産5億5500万円)の全株式を取得し子会社化した。取得価額は5億5100万円。取得日は2019年4月10日。成光産業の資本金(8000万円)がサンコーテクノの資本金の10分の1以上であるにもかかわらず、事後での開示となった。

成光産業は1964年に設立。主に欧州からプラスチック成形機やシュリンク包装機を輸入販売している。

 

トーホー<8142>、シンガポールの業務用水産品卸会社GOSを子会社化

◆トーホーは、業務用水産品卸売事業を営むシンガポールGolden Ocean Seafood (S) Pte Ltd(GOS、売上高3億5900万円、当期純利益2400万円、純資産1億3200万円)の全株式を取得し、子会社化することを決議した。

トーホーは現在、シンガポールで現地外食産業向けに日本食材の食品・青果卸売りを手がける。ホテルやレストランに活き水産品(活きロブスター、活きオイスターなど)を取り扱うGOSを傘下に収め、グループの取り扱い商品の充実や販路拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月22日。

 

ソネット・メディア・ネットワークス<6185>、デジタルコンテンツ制作・開発のASAを子会社化

◆ソネット・メディア・ネットワークスは、WebサイトやWebアプリなどデジタルコンテンツ制作・開発のASA(仙台市。売上高9億500万円、営業利益△3500万円、純資産△6800万円)の株式68.6%を取得し子会社化することを決議した。

ASAは2001年に設立。デジタルコンテンツの検証を包括的に行う品質保証(QA)事業などの関連サービスも提供している。ソネットはASAが保有するサービスや顧客基盤を取り込み、事業拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月21日。

 

ソニー<6758>、米ゲーム開発会社インソムニアックを買収

◆ソニーは20日、子会社のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE、東京都港区)を通じて、プレイステーション(PS)向け「スパイダーマン」などの人気ゲームソフトを制作した米インソムニアック・ゲームズを買収すると発表した。買収金額や買収完了時期については非公表。

インソムニアックはカリフォルニア州バーバンクとノースカロライナ州ダーラムに本拠を置く。「スパイロ・ザ・ドラゴン」「ラチェット&クランク」「RESISTANCE」などPS向け人気シリーズを手がけてきた。なかでも昨年9月に発売した「スパイダーマン」は累計販売1320万本を超える世界的ヒットとなった。

 

ヤマシンフィルタ<6240>、エアフィルター製造のアクシーを子会社化

◆ヤマシンフィルタは、エアフィルター製造のアクシー(大阪市。売上高27億5000万円、営業利益1億8800万円、純資産31億8000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。ヤマシンフィルタは建設機械用油圧フィルターを主力とするが、隣接市場であるエアフィルター分野を新たな事業分野として取り込むのが狙い。アクシーは1968年に設立し、50年を超える業歴を持つ。取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月23日。

 

ブイ・テクノロジー<7717>、半導体製造装置関連のナノシステムソリューションズを子会社化

◆ブイ・テクノロジーは、半導体製造装置・検査メーカーのナノシステムソリューションズ(沖縄県うるま市。売上高17億9000万円、営業利益1億3200万円、純資産1億7100万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ナノシステムソリューションズは2004年に産業技術総合研究所の支援を得て創業したベンチャー企業。ウエハー内部や外部に発生する欠陥を高精度に素早く検査する半導体ウエハー外観検査装置、半導体製品の試作やフォトマスク製造に使われるマスクレス露光装置を主力としている。ブイ・テクノロジーは同社を傘下に取り込み、新たな柱として育成中の半導体製造関連装置事業の成長加速につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月22日。

 

北川精機<6327>、合板プレス機械製造の特定子会社キタガワエンジニアリングを譲渡

◆北川精機は、合板プレス機械を製造する特定子会社のキタガワエンジニアリング(広島県府中市。売上高13億2000万円、営業利益2億1800万円、純資産8億2100万円)の全保有株式(48%)を、キタガワエンジニアリングに譲渡(キタガワが自己株式として取得)することを決議した。合板プレス製造を中心とする建材機械事業は北川精機の祖業で、1999年に分社した。しかし、グループ内の事業内容を見直した結果、両社間の事業シナジー(相乗効果)を見いだせないと判断した。

譲渡価額は4億円。譲渡予定日は2019年8月30日。譲渡代金はCFRP(炭素繊維)関連事業などの成長分野に充当する。

 

マツキヨHDとココカラ、統合協議開始で覚書

◆ドラッグストア業界5位のマツモトキヨシホールディングス(HD)と同7位のココカラファインは16日、経営統合に向けた協議開始に関する覚書を締結したと発表した。ココカラはマツキヨHDと同6位のスギホールディングスの両社から統合提案の打診を受け、特別委員会での検討を踏まえ、14日に、マツキヨHDに独占交渉権を付与することを決めていた。独占交渉権の期間は2020年1月末までだが、双方の協議・交渉が継続している場合には延長されるとしている。

マツキヨHDとココカラの統合が実現すれば、売上高は1兆円規模となり、現在業界首位を争うツルハホールディングス、ウエルシアホールディングスの両社を抜き、トップに立つ見通し。

 

キリン堂ホールディングス<3194>、京都府内で調剤薬局1店舗を取得

◆キリン堂ホールディングスは京都府内で調剤薬局事業(対象1店舗)を取得することを決めた。相手企業名、当該事業の直近業績、取得価額のいずれも非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

ケイアイスター不動産<3465>、不動産売買・仲介のハウスラインを子会社化

◆ケイアイスター不動産は、不動産の売買・仲介、リフォーム事業などを手がけるハウスライン(埼玉県朝霞市。2019年4月に設立)の株式80%を取得し子会社化することを決議した。取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月30日。

ケイアイスター不動産は埼玉県本庄市に本社を置き、北関東を営業基盤とする。

 

米フォートレス、ユニゾに対抗TOB 1368億円で完全子会社化へ

◆米投資会社フォートレス・インベストメント・グループ傘下のサッポロ合同会社(東京都港区)は16日、不動産・ホテル事業を手がけるユニゾホールディングスに対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。ユニゾはTOBに賛同している。ユニゾをめぐっては旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の敵対的TOBが進行中だが、これに対抗する第三者による友好的TOBとなる。いわゆる「ホワイトナイト(白馬の騎士)」が登場する構図となった。買付代金は最大1368億円8118万円。

米フォートレスは世界的な不動産投資ファンドを運営し、日本を含めて世界14カ国に拠点を置く。2017年に買収によってソフトバンクグループの傘下となった。不動産・ホテル業界の競争が激化する中、ユニゾの成長を加速するためには、完全子会社化による非上場化の必要があると判断した。フォートレスは不動産運用のノウハウや人材、世界的なネットワークなどの経営資源を投入する。

TOB価格はユニゾ1株につき4000円。HISが設定したTOB価格3100円を3割近く上回る。HISによるTOB公表前日(7月9日)のユニゾ株の終値1990円に対して101.01%とほぼ倍のプレミアムを上乗せした。TOB価格の4000円は提示のあった複数候補者のうち最高値だったという。

買付予定数の下限は発行済み株式の3分の2に相当する2281万3500株。フォートレス側は全株式の買い付けを目指している。買付期間は8月19日~10月1日までの30営業日。決済の開始日は10月8日(代理人は大和証券)。

16日のユニゾ株の終値は前日比565円高の4165円に急騰し、今回のフォートレスのTOB価格をも上回る。

HISはTOBで現在4.79%のユニゾ株の所有割合を45%に高める計画(買付代金は約426億円)。TOB期間は23日までだが、TOB開始直後から市場価格がTOB価格を超える高値圏が続き、予定数の買い付けが困難な状況となっている。

ただ、「ホワイトナイト」として名乗りを上げたフォートレスとしてもTOB価格の4000円を超える高値がこのまま続くようであれば、TOB成立が厳しくなる可能性が出てくる。

ユニゾはお盆前の3連休中の11日に、HISの敵対的TOBに対抗し、複数の候補者からより良い条件の買収提案を受ける可能性があると発表していた。

 

テラ<2191>、 医薬品・医療機器の治験支援を手がける子会社タイタンを元社長の小塚祥吾氏に譲渡

◆テラは、医薬品・医療機器の治験支援を主力とする子会社のタイタン(東京都港区。売上高8000万円、営業利益△1400万円、純資産△200万円)の全株式を、タイタンの元社長の小塚祥吾氏に譲渡することを決議した。

テラは中核である細胞医療事業の早期業績回復を最重要課題と位置づけ、グループ事業の見直しを進めていた。これに伴い、旧経営陣である小塚氏に今後のタイタンの経営を託すことにした。タイタンは2013年に設立し、医薬品・医療機器の治験支援などを手がけてきた。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年8月20日。株式譲渡に伴い、2019年12月期決算に約2000万円の損失を計上する。

テラは2004年に樹状細胞ワクチン療法の研究開発を目的に設立した東大発ベンチャー。樹状細胞ワクチンは日本初の膵臓がんに対する再生医療製品として期待されており、今後、その承認取得に向けた開発に経営資源を集中する。

 

芙蓉総合リース<8424>、経理・人事業務代行のNOCアウトソーシング&コンサルティングを子会社化

◆芙蓉総合リースは、経理や人事・給与業務などを代行するNOCアウトソーシング&コンサルティング(東京都江東区。売上高97億4000万円)を15日付で子会社化した。NOCを傘下に置く持ち株会社の全株式を取得した。新規分野として取り組んでいるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業の強化策の一環。取得価額は非公表。

 

ロゼッタ<6182>、定型的事務作業の自動化コンサルティングを手がけるRPAコンサルティングを子会社化

◆ロゼッタは、AI(人工知能)を活用して定型的事務作業を効率化・自動化するRPA(ロボット・プロセス・オートメーション)に関するコンサルティング業務を手がけるRPAコンサルティング(東京都渋谷区。2019年3月に設立)の全持分を取得し、子会社化することを決議した。

ロゼッタはAI(人工知能)を活用した自動翻訳サービスを主力とする。機械翻訳の精度について目標水準を概ね超えたことから、新たな開発目標としてRPAにAIを組み合わせた「AI RPA」を据えている。その一環としてRPA社が持つRPAのノウハウを取り込む。

まずは第一歩として、ロゼット自体の社内の単純作業を一掃し1年以内に社内の事務要員ゼロの状態を実現するという。子会社化に伴い、RPA社の武井琢治代表はロゼッタのCRO(ロボット最高責任者)に就任する予定。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月1日。

 

日新製糖<2117>、王子製糖の砂糖事業を取得

◆日新製糖は、王子製糖(東京都文京区。売上高12億4000万円、営業利益4900万円、純資産7億4300万円)の砂糖事業を会社分割により取得することを決議した。王子製糖は1952年に設立し、日新製糖傘下の新東日本製糖(千葉市)に委託加工する関係にある。取得価額は6億9100万円。取得予定日は2019年10月1日。

 

エア・ウォーター<4088>、産業ガス大手の独リンデからインド事業を204億円で取得

◆エア・ウォーターは14日、産業ガス大手の独リンデからインド事業の一部を取得すると発表した。対象はリンデがインド南部で手がける酸素、窒素、アルゴンの製造・販売・供給に関する事業(直近売上高約57億円)。独リンデと同業大手の米プラクスエアが2017年に合併した際、インド当局が独占禁止政策上の理由からリンデにインド事業の一部を第三者に譲渡するよう求めていた。取得価額は204億円(138億インドルピー)。2019年9月中に取得完了を見込む。

エア・ウォーターはこれに先駆け、7月に米プラクスエアからインド東部で手がける事業の一部を約238億円で取得したばかり。

 

トライステージ<2178>、シンガポールのテレビ通販子会社JMLを現地社に譲渡

◆トライステージは、シンガポール子会社でTV通販を手がけるJML Singapore Pte. Ltd.(JML、売上高5億7300万円、営業利益△1億8500万円、純資産△7550万円)の全株式(所有割合75%)を、TVショッピング向け卸事業の現地Responze TV International Limitedに譲渡することを決議した。JMLへの債権約3億1700万円も放棄する。

トライステージは成長著しいASEAN(東南アジア諸国連合)で拠点を確保するため、2016年9月にJMLを傘下に収めた。シンガポールでのテレビ通販事業、リテール卸事業、同社を経由した日本商品の卸売に取り組んできた。しかし、事業環境の変化や取扱商品の陳腐化などにより、業績が取得時の計画を下回り、2019年2月期第2四半期には同社に係るのれんの減損損失を計上した。業績改善への見通しが立たないことから、経営権を手放す。

譲渡価額は2シンガポールドル(約152円)。譲渡予定日は2019年8月30日。

 

ブイキューブ<3681>、コミュニケーションサービス関連のインドネシア子会社PT.V-CUBEを合弁先に譲渡

◆ブイキューブは、コミュニケーションサービスを提供するインドネシア子会社PT.V-CUBE INDONESIA(ジャカルタ。売上高2600万円、営業利益△1400万円、純資産△1億1400万円)の株式90%を、現地投資会社のPT.ALTAVINDO INDONESIA(ジャカルタ) に譲渡することを決めた。

ブイキューブは2012年に現地法人PT.V-CUBEを設立し、インドネシアでWeb会議システムなどのビジュアルコミュニケーションサービスの提供に乗り出した。しかし、約7年が経過しながら、いまだに黒字化を実現できず、現在は債務超過に陥っている。このため、保有株式の大部分を合弁パートナー(5%出資)の投資会社PT.ALTAVINDO INDONESIA に譲渡することを決めた。

株式の譲渡価額は1ドル(約106円)。併せて貸付債権1億2700万円も譲渡。譲渡日は2019年8月14日。

 

リミックスポイント<3825>、第一種金融商品取引業を登録申請中のスマートフィナンシャルをMBOで原田勉社長に譲渡

◆リミックスポイントは、第一種金融商品取引業の登録申請を手続き中のスマートフィナンシャル(東京都港区。純資産4000万円)の全株式を、スマートフィナンシャル社長の原田勉氏に譲渡することを決議した。

リミックスポイントは仮想通貨交換業を営む子会社のビットポイントジャパン(東京都港区)を中心に金融関連事業を手がけるが、証券事業への参入を目的に今年1月にスマートフィナンシャルを設立し、第一種金融商品取引業の登録申請の手続きを進めてきた。その後、戦略を変更し、経営資源を仮想通貨関連に集中する方針を打ち出していた。そうした過程で、原田氏からMBO(経営陣による買収)の申し出があったという。

譲渡価額は非公表。譲渡日は2019年8月14日。

 

スカラ<4845>、コンサルティング事業のジェイ・フェニックス・リサーチを子会社化

◆スカラは、コンサルティング事業とファンド事業を手がけるジェイ・フェニックス・リサーチ(東京都中央区。売上高6600万円、営業利益△200万円、純資産4100万円)を株式交換により完全子会社化することを決議した。

ジェイ・フェニックスは2003年に設立し、上場企業の中期経営計画策定、統合報告書や証券アナリストレポートの作成などを手がけている。近年は企業価値分析体系へのAI(人工知能)の応用に力を入れている。スカラ社長の梛野憲克氏はAIの博士号を持つ。ジェイ・フェニックスを傘下に取り込むことで、AIの分析と価値創造経営コンサルティングの融合が可能になると判断した。

株式交換比率は1:298.4165652。株式交換実行日は2019年9月下旬を予定。

 

関門海<3372>、シンガポールの「玄品」運営会社VLSGを子会社化

◆関門海は、シンガポールでとらふぐ料理店「玄品」を運営する現地VLSG PTE.LTD.(売上高4610万円、営業利益△3880万円、純資産163万円)の全株式を取得し子会社化した。取得日は2019年6月1日。取得価額は非公表。

関門海はとらふぐ料理店「玄品」を中心に飲食店事業を展開する。2017年4月に海外進出のフランチャイズ1号店としてシンガポールに開店した。しかし、フランチャイズ展開が思うように進まず、現地運営会社から株式買い取りの依頼があったという。

 

 

くふうカンパニー<4399>、フジトミ傘下のふくろう少額短期保険を子会社化

◆くふうカンパニーは、フジトミ傘下のふくろう少額短期保険(東京都中央区。売上高8300万円、経常利益△3700万円、純資産1900万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

くふうカンパニーは保険販売子会社の保険のくふう(東京都港区)を通じて、結婚式キャンセル保険などの保険商品を取り扱っている。ふくろう少額短期保険を傘下に取り込むことで、生活シーンに潜む身近なリスクを保証する新たな商品の開発につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月中。

 

フレアス<7062>、群馬県高崎市でマッサージ業を営む大平幸彦氏から事業を取得

◆フレアスは、群馬県高崎市でマッサージ業を営む大平幸彦氏から事業を取得することを決議した。群馬県内でのあん摩マッサージ指圧師による在宅訪問サービス事業の充実が狙い。当該事業の売上高は3200万円。取得価額は未定。取得予定日は2019年9月1日。

 

イー・ガーディアン<6050>、クラウド型セキュリティー対策製品のグレスアベイルを子会社化

◆イー・ガーディアンはクラウド型セキュリティー対策製品を提供するグレスアベイル(東京都中央区)の第三者割当増資を引き受けて子会社化(所有割合64.3%)することを決議した。

イー・ガーディアン子会社で情報セキュリティー分野の監査・コンサルティング業務を手がけるEGセキュアソリューションズ(東京都港区)の徳丸浩社長がグレスアベイルの取締役を務め、グレスアベイルは同氏の監修でセキュリティー対策製品を開発するなどの関係にあった。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月20日。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

会社の特別清算に伴う法人の金銭債権の貸倒処理(参考:東京地裁平29年1月19日判決)

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(亀山 孝之/税理士)

 

 

1. はじめに


特別清算とは、会社法上の制度で、解散後・清算中の株式会社について債務超過の疑いがある場合等に裁判所の命令により開始され、その監督のもとで行われる(特別の)清算手続であり(会社法510条~574条外)、協定型と個別和解型があります。

 

2. 特別清算の2類型と特別清算に伴う貸倒処理に係る法人税基本通達9-6-1(2)とその他の通達


表題の通達9-6-1 (2)は、法人の有する清算会社に対する金銭債権の額のうち、「特別清算に係る協定の認可の決定があった場合において、この決定により切り捨てられることとなった部分の金額」は、その事実の発生した日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入する」旨を定めています。

 

ここでいう「協定」とは、会社法563条以下の定めに従って行われる手続きで、清算会社と協定債権者(一般債権者のこと)との間で、清算会社が協定債権者に弁済をすること及び協定債権者は弁済を受けられなかった部分を免除することを取り決めることで、清算会社が債権者集会に対して協定の申し出をして、債権者集会において法定の要件を満たす同意を得て可決し、さらに、裁判所の認可の決定を得て成立し効力を生じます。協定が成立するとそれに同意しなかった債権者も拘束されます。

 

これに対し、債権者が少数の場合(特に、清算会社の親会社などその関係者のみが債権者である場合)、協定に代え、協定よりコストや迅速性で勝る「個別和解」により清算が行われる場合があります。個別和解は、一部弁済と引き換えに残債免除とする場合が一般的で、裁判所の許可により効力が生じます(同法535条①4)。

 

ここで留意すべきは、特別清算により切り捨てられた金銭債権につき、9-6-1がその(2)該当の貸倒損失として損金の額に算入することを認めるのは、あくまで協定により免除される(切り捨てられる)場合のその免除額に限っており、個別和解による免除(切り捨て)額はこの(2)に当たらないということです。それは、まず、同通達(2)の文言上、そこに個別和解も含むことは読みとれないことから明らかであるといえますが、それを措いても、個別和解は、協定の裁判所による認可とは別個の手続で、当事者間の公平を担保する、又は通常の合理性のない馴れ合い的な和解を修正するための規定もないため、たとえば、親会社と子会社のみが当事者の場合、いかようにも和解(債務免除)の合意ができます。よって、個別和解による債務免除を協定によるそれと同等に扱うことは不合理です。

 

以上の通り、協定型ではなく個別和解型の特別清算手続が多く利用されているとしても、特別清算手続でありさえすれば、子会社の整理に関する親会社の負担(債務免除)額を無条件に損金の額に算入できるわけではありません。基本通達が、特別清算による債権の切り捨てについて協定によるものであることを要件に貸倒損失として損金算入を認めようとしていることには合理性があり、それを満たすことが必要です。

 

以上の通り、個別和解による免除額は上記通達の(2)に当たりませんが、個別和解による債務免除は、同通達が貸倒損失として損金算入を認める4つ目の類型として挙げる「(4)債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額」に当たる余地は残ります。この(4)の「場合」に該当するかどうかの判断は、金銭債権の弁済の可能性の判断につき「債務者の資産状況、支払能力等の債務者側の事情だけでなく、債権回収に必要な労力、債権額と取立費用との比較衡量、債権回収を強行することによって生ずる他の債権者とのあつれき等による経営的損失等といった債権者側の事情、経済的環境等も踏まえ、 社会通念に従って総合的に判断されるべき」と判示した平成16年12月24日の最高裁判決に沿って行うべきと考えられます。

 

この(4)にも当たらない場合は、別の法人税基本通達9-4-1により、法人税法37条の寄附金に該当するか否かの判断をすることになります。つまり、同通達が寄附金に当たらない要件として示す「その損失負担等をしなければ今後より大きな損失を蒙ることになることが社会通念上明らかであると認められるためやむを得ずその損失負担等をするに至った等そのことについて相当な理由があると認められる」か否かを検討することになりますが、この(4)に当たらない場合は、9-4-1が示す要件も満たさないことが多い、すなわち寄附金となる場合が多いと考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/08/19)より転載

[解説ニュース]

配偶者居住権等と相続税の小規模宅地等の特例・物納の取扱い

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■配偶者居住権が消滅した場合の相続税・贈与税の取扱い

■配偶者居住権等の評価

 

 

1.配偶者居住権の意義


被相続人の死亡時にその被相続人の財産であった建物に居住していた配偶者は、遺産分割または遺言により、その居住していた建物(以下「居住建物」)の全部につき無償で居住したり賃貸したりする権利(=「配偶者居住権」)を取得することができます(民法1028条第1項)。

 

2.配偶者居住権等と相続税の小規模宅地等の特例


(1)小規模宅地等の特例の概要

小規模宅地等の特例とは、個人が相続等により取得した宅地(土地又は土地の上に存する権利をいう。以下「宅地等」。)のうち被相続人又は被相続人と生計をーにしていた被相続人の親族(被相続人等)の事業の用又は居住の用に供されていた一定の宅地等(下図の4区分)について、相続税の申告期限までその宅地等を保有し、事業や居住の用に供するなど一定の要件を満たす場合は、被相続人等に係る相続税の計算上、一定の面積(限度面積)までの部分について、その相続税の課税価格を次のとおり減額する特例をいいます(租税特別措置法69条の4)。

 

 

(2)配偶者居住権等と小規模宅地等の特例の適用

配偶者居住権自体は、建物に関する権利であることから、宅地等に係る特例である、小規模宅地等の特例の適用を受けることはできません。
配偶者が配偶者居住権を取得した場合における、居住建物の敷地の利用権は、前述(1)の「土地の上に存する権利」に該当することから、上図④の特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。
居住建物の敷地の所有権についても、その取得者が居住建物に被相続人と同居していた等の要件を満たすことにより、特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例の適用を受けることができます(租税特別措置法69条の4第1項、第3項2号・財務省「平成31(令和元)年度税制改正の解説」539頁)。

 

3.配偶者居住権等と相続税の物納


(1)相続税の物納の概要

相続税法は、納税義務者が延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合に、税務署長の許可を受けることにより、その納付を困難とする金額を限度として金銭以外の一定の財産による納税(物納)が認められています(同41条第1項)。
相続税の物納に充てることができる財産(物納財産)とは、原則、納税義務者の相続税の課税価格計算の基礎となった相続財産(相続時精算課税の適用を受ける財産を除く。)で、日本国内に所在するもののうち一定のものをいい、譲渡制限が付されている株式など一定の財産は、管理処分に不適格な財産(「管理処分不適格財産」)として物納財産から除外されています(相続税法41条第2項、同施行令18条)。また物納財産が複数ある場合には、相続税法上、物納に充てることができる財産の順位が定められています(相続税法41条第2項、第5項)。

(2)配偶者居住権等と物納の適用

配偶者居住権自体は譲渡が禁止(民法1032条第2項)されていることから、上記3(1)の「管理処分不適格財産」に該当し、物納に充てることができません(相続税法41条第2項)。
配偶者居住権が設定された建物およびその敷地の所有権は、他の財産に比べて物納の順位が後れる「物納劣後財産」とされ、他に物納に充てるべき適当な財産がない場合に限り、物納に充てることができます(同法第4項)。

 

4.適用時期


上記2(2)と3(2)の取扱いは、配偶者居住権に関する民法の施行日である、令和2年4月1日以後に開始する相続により取得する財産に係る相続税について適用されます(改正法附則1条7号ロ)。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/08/13)より転載

[M&Aニュース](2019年7月29日〜8月9日)

◇ 昭文社<9475>、グアムのマリンスポーツ会社APRA DIVE & MARINE SPORTSの全事業を取得、◇アイビーシー<3920>、ナビプラスからセキュリティー事業を取得、◇第一交通産業<9035>、戸畑タクシーの事業を取得、◇アイモバイル<6535>、「パズルde懸賞」シリーズなどスマホゲームアプリのオーテを子会社化、◇サーラコーポレーション<2734>、イワキ傘下の動物医薬品卸2社を子会社化、◇伊藤忠テクノソリューションズ<4739>、インドネシアのIT企業Nusantara Compnet Integratorなど2社を子会社化  ほか

 

米投資会社エリオットがユニゾ株をさらに買い増し、所有割合7.71%に

◆米投資会社エリオット・マネジメントがホテル事業とオフィス賃貸事業を手がけるユニゾホールディングス株式の買い増しを続けている。エリオットが9日、前日に続き関東財務局に提出した大量保有の変更報告書によると、ユニゾ株の所有割合は1.09%高まり、7.71%となった。ユニゾは旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)から敵対的TОB(株式公開買い付け)を仕掛けられているが、ユニゾ株価はTOB価格の3100円を上回る高値圏で推移している。

9日のユニゾ株の終値は2日続落し、前日比285円安の3400円。7月30日(3430円)以来の安値となったが、TOB価格よりもなお1割程度高い水準にある。エリオットによるユニゾ株の新規保有(5.51%)が判明したのは6日。

HISは7月11日にTOBを開始し、現在4.79%の所有割合を45%まで高める計画。TOB期間は23日まで。ユニゾ株価がTOB価格を上回る状態が続けば、株主の多くにとって市場売却した方が有利で、予定数の株式を買い付けることが困難とみられる。

TOB価格の3100円はTOB公表前日の終値1990円に55.78%のプレミアム(上乗せ)を加えた額。

 

ズーム<6694>、音楽用電子機器の米国合弁販社Zoom North Americaを子会社化

◆ズームは、持分法適用関連会社で音楽用電子機器の販売を手がける米Zoom North America,LLC(ニューヨーク州。売上高33億7000万円、営業利益4億2800万円、純資産10億3000万円)の株式17.3%を追加取得し、子会社化(所有割合50.6%)することを決議した。

ズームは2013年に北米の販売拠点として合弁でZoom North Americaを設立した。米国の音楽用電子機器市場は世界最大で、ズームの連結売上高の35%を占め、北米販売拠点の重要性が増している。過半数の株式を取得し、経営権を掌握することで北米市場を深耕し、「ズーム」のブランド価値向上につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月30日。

 

エコモット<3987>、暖房設備機器・空調設備の保守管理を主力とするストークを子会社化

◆エコモットは、暖房設備機器・空調設備の製造や保守管理を主力とするストーク(札幌市。売上高8700万円、営業利益△1200万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ストークは2013年設立で、北海道を地盤に商業施設をはじめ公共施設、学校、医療・福祉施設向けに暖房設備機器などの導入実績を積んでいる。

エコモットは融雪システム遠隔監視システム「ゆりもっと」を手がけるが、これまで集合住宅向けが中心で、商業施設などへの展開を今後の課題としている。ストークを傘下に取り込むことで、商業施設を中心とした新たな需要を開拓する。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月30日。

 

アイカ工業<4206>、無水マレイン酸メーカーの中国・南京鐘騰化工を子会社化

◆アイカ工業は、無水マレイン酸メーカーの中国・南京鐘騰化工有限公司(南京市。純資産約7500万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。取得価額は約13億2900万円。取得予定日は2019年8月下旬。

アイカ工業は中国子会社のダイネア南京社(南京市)を通じて南京鐘騰化工を子会社化する。ダイネア南京社は中国で建築用と産業用の接着剤・樹脂事業を手がけているが、販売量の拡大に伴い製造能力の増強が必要になっていた。

傘下に収める南京鐘騰化工は約6万3000平方メートルの土地使用権と化学品製造設備を持つが、現在、生産活動を停止中。ダイネア南京社と隣接する立地関係にある。

 

NJS<2325>、非破壊検査を手がける日本X線検査を子会社化

◆NJSは、鋼構造物やコンクリート構造物の非破壊検査を手がける日本X線検査(東京都大田区。売上高2億200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。日本X検査が持つX線透過検査や超音波探傷検査などの技術を取り込み、サービス拡大につなげる。日本X線検査は1967年設立。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月。

 

綿半ホールディングス<3199>、戸建木造住宅フランチャイズ事業のサイエンスホームを子会社化

◆綿半ホールディングスは、戸建木造住宅のフランチャイズ事業を手がけるサイエンスホーム(浜松市。売上高23億9000万円、営業利益1億7900万円、純資産4億2600万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

サイエンスホームがフランチャイズ事業として展開する「真壁づくりの家」は柱や梁など家の構造材を見せる日本の伝統工法に基づく。国産の天然ひのきや加盟店の各地域で採材・加工した自然素材を利用し、国内の協力工場で加工した高品質な建材を供給している。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月27日。

 

TKC<9746>、会計事務所向けに出版事業を手がけるTKC出版を株式交換で子会社化

◆TKCは、関連会社のTKC出版(東京都千代田区。売上高15億4000万円、営業利益8100万円、純資産6億1900万円)を株式交換により、完全子会社化することを決議した。

TKC出版は1972年に、TKCと会員の会計事務所(TKC会員)などが共同で出資して設立し、会員向け出版活動などを手がける。TKCの出資比率は現在、31.1%。株式交換で100%子会社化することで広報、出版活動の一層の充実を目指す。

株式交換比率はTKC1:TKC出版5。TKC出版の1株に対し、TKCの5株を割り当てる。株式交換予定日は2019年9月24日。

 

データセクション<3905>、小売り向け画像ソリューション事業のチリJach Technologyを子会社化

◆データセクションは、店舗内カメラの画像解析ソリューションを提供するチリJach Technology SpA(サンティアゴ)の株式の過半数を取得し、子会社化することを決めた。数年後に100%子会社化する見通し。

Jachは2010年に設立し、「FollowUP(フォローアップ)」と名づけた小売店向けの画像ソリューションを中南米や南アジアなど17カ国で展開している。データセクションは「FollowUP」に関して日本国内での営業・販売権を保有しているが、Jachを傘下に取り込むことで、成長著しい新興市場国に積極進出する。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月。

 

ティーケーピー<3479>、レンタルオフィスの台湾リージャス社を買収

◆ティーケーピーは、レンタルオフィスの世界的大手スイスIWG傘下で、台湾で事業を運営する現地子会社13社(台湾リージャス社)の全持分を取得し、子会社化することを決議した。台湾リージャス社は「Regus」「SPACES」「HQ」のブラントを通じて3都市に計14拠点を展開する現地最大手のレンタルオフィス会社。取得価額は13社合算で約29億2700万円。取得予定日は台湾当局の承認後。

ティーケーピーは今後の海外戦略について、貸会議室単独での出店でなく、レンタルオフィスなど他事業と組み合わせた出店を進める方向。台湾進出にあたっては台湾リージャス社を買収し、貸会議室事業とともに出店することが最適と判断した。

スイスIWGは世界110カ国、1000都市・3300拠点以上、会員約250万人(2019年5月末)を持ち、「Regus」を多様なブラントでレンタルオフィス事業を展開する。ティーケーピーは今年6月、500億円近くを投じて、IWG傘下の日本リージャスホールディングス(東京都新宿区。売上高132億円)を買収している。

 

韓国マジェスティゴルフ、ゴルフ用品メーカーのマジェスティゴルフ(旧マルマン)<7834>をTOBで子会社化

◆韓国のマジェスティゴルフコリア(MAJESTY GOLF KOREA、ソウル)は9日、ジャスダック上場でゴルフ用品メーカーのマジェスティゴルフ(旧マルマン)の完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。コリア社は現在、マジェスティゴルフ株式の37.68%を所有する筆頭株主。マジェスティゴルフの金在昱社長、金錫根取締役の両氏がコリア社の代表理事(代表取締役)を兼務していることから、今回のTOBはMBO(経営陣による買収)に該当する。

買付価格1株195円で、TOB公表前日の終値136円に43.38%のプレミアムを加えた。買付予定数は1073万5576株。買付代金は最大20億9343万円。買付予定数の下限は総議決権の3分の2に相当する499万3000株に設定。買付期間は8月13日~9月25日。決済開始日は9月30日。三田証券が代理人。

TOBを実施するコリア社は韓国投資会社モーツァルトアドバイザーズコリア(ソウル)の傘下企業。モーツァルトはマジェスティゴルフの株式13.32%を直接所有し、コリア社を通じた間接所有分を合わせてマジェスティゴルフ株式の51%を持つ親会社の地位にある。

マジェスティゴルフは1950年に創業したマルマンを前身とする。ゴルフクラブ、キャディーバッグなどのゴルフ用品を主力に、禁煙関連商品(禁煙パイポなど)、健康食品(各種サプリメント)を製造・販売している。2005年にジャスダックに上場。2018年10月にマルマンから現社名に変更した。コリア社は韓国の代理店としてゴルフ用品を独占的に販売している。

 

米投資会社エリオット、HISが敵対的TOBのユニゾ株を買い増し保有割合6.62%に

◆米投資会社エリオット・マネジメントは、旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)から敵対的TОB(株式公開買い付け)を仕掛けられているホテル・不動産業のユニゾホールディングの株式を1.1%買い増し、所有割合を6.62%に高めた。8日、関東財務局に提出された大量保有の変更報告書で判明した。6日にエリオットによるユニゾ株の新規保有(5.51%)が明らかになったばかりだが、継続取得の投資スタンスが浮き彫りになった形だ。

8日のユニゾ株の終値は前日比25円安の3685円で、TOB価格の1株3100円を500円以上上回る高値圏にある。HISは7月11日にTOBを開始し、現在4.79%の所有割合を45%まで高める計画。だが、ユニゾ株価がTOB価格を上回ったまま推移すれば、予定数の株式を買い付けることが困難視される。

今後、エリオットが買い増しを継続すれば、TOB価格の引き上げを誘う思惑買いが広がり、ユニゾ株価が上伸する可能性もある。

ユニゾ株価はTOB公表時点から、1700円近く上昇している。

 

朝日印刷<3951>、マレーシアの印刷会社 Harleighなど2社を子会社化

◆朝日印刷は、マレーシアの印刷会社 Harleigh(ジョホールバル)、Shin-Nippon Industries(同) の2社の株式65%をそれぞれ取得し、子会社化することを決めた。

朝日印刷は医薬品・化粧品包材(パッケージ、添付文書、ラベルなど)の製造・販売を中核事業とする。今回傘下に収める両社は兄弟関係にある。いずれも1980年代後半に設立し、マレーシアにおける医薬品の包装資材分野で長年実績を積み、朝日印刷とも取引関係を持つ。現地に強力な足場を築き、ASEAN(東南アジア諸国連合)での事業拡大を目指す。

取得価額は約3億8000万円。取得予定日は2019年9月末日。

 

日本アンテナ<6930>、NTT-MEの「TVまるごとサポートサービス」を取得

◆日本アンテナは、エヌ・ティ・ティ エムイー(NTT-ME、東京都豊島区)の「TVまるごとサポートサービス」事業を取得することを決議した。人口減や新築住宅着工戸数の減少を背景に、日本アンテナが主力とするテレビ受像関連機器市場は変革期を迎えている。こうした中、集合住宅向けテレビ保守サービスを取り込むことで、競争力向上につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年1月1日。

 

プラッツ<7813>、医療介護用電動ベッド組み立てのベトナム子会社を現地社に譲渡

◆プラッツは、医療介護用電動ベッドなどの品質検査や組み立てを行うベトナムの100%出資子会社 PLATZ VIETNAM(ドンナイ省)の全持分を、持分法適用関連会社の現地 SHENGBANG METAL(ドンナイ省)に譲渡することを決議した。

譲渡先のSHENGBANG METALはプレス加工や溶接加工を手がけ、プラッツが48%を出資する。PLATZ VIETNAMはこれまで医療介護用電動ベッドに使われるスチール部品について、SHENGBANG METALに生産を委託していた。主要部品の生産から品質検査、組み立てまでの工程を1社に集約することで、効率的な運営体制の構築を目指す。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年9月中旬。

 

高島<8007>、トイレブース製作・施工のレストを子会社化

◆高島は、トイレブース製作・施工のレスト(静岡市。売上高18億2000万円、営業利益4000万円、純資産4億6300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

レストは1980年に設立し、オフィスビルなど非住宅分野の新築やリニューアル案件でトイレブースを主体とするパーティションの製作・施工で実績を積んできた。高島は同社を傘下に取り込み、建材ソリューション事業のサービス体制拡充につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

クオールホールディングス<3034>、薬局のセラ・メディックを子会社化

◆クオールホールディングスは、薬局運営のセラ・メディック(大阪府堺市。売上高30億4000万円)の全株式を取得し、8日付で子会社化した。セラは1991年設立で、「プラザ薬局」「まりん薬局」「日の丸薬局」「わかば薬局」の屋号で保険薬局を大阪府に9店舗、奈良県に1店舗運営する。今回の子会社化でクオールグループの薬局数は803店舗となる。取得価額は非公表。

 

東海エレクトロニクス<8071>、藤田電機工業から半導体製品の販売事業を取得で合意

◆東海エレクトロニクスは、藤田電機工業(名古屋市)から半導体製品に関する販売事業を取得することで合意した。取得価額など詳細は未定だが、2020年以降に新体制をスタートする予定。取得する当該事業の業績は東海エレクトロニクスの2019年3月期連結売上高(約415億円)の10%を超える規模という。

藤田電機工業は1944年に設立し、電気・機械設備工事のほか、半導体など電子部品の販売を手がける。

 

レンゴー<3941>、産業用重量物包装メーカーの独トライコーなど2社を323億円で子会社化

◆レンゴーはドイツ子会社を通じて、産業用重量物包装メーカーのTRICOR Packaging&Logistics AG(トライコー社。売上高217億円、当期利益5億1300万円、純資産122億円)、機械製造のGutmann Anlagentechnik GmbH(グットマン社。売上高7億3600万円、当期利益3200万円、純資産8800万円)の現地2社を買収すると発表した。トライコー社の全株式、グットマン社の全出資持分を取得する。取得金額は合計約323億円。取得予定日は2019年8月20日。

トライコー社はドイツ国内に4工場があり、重量物包装の分野で欧州3位、ドイツ国内2位のシェアを持つ。レンゴーは同社を取り込むことで、重量物包装事業にとって重要な顧客である自動車産業のウエートが大きいドイツをはじめ欧州域内での事業拡大を目指す。

トライコー社ともう一方のグットマン社は支配株主が共通しグループ関係にある。

 

じげん<3679>、日本在住の外国人向け少額短期保険販売のビバビーダメディカルライフを子会社化

◆じげんは、日本在住の外国人向け少額短期保険販売のビバビーダメディカルライフ(神奈川県大和市。売上高1億6100万円、経常利益1300万円、純資産3300万円)の株式97.78%を取得し、子会社化することを決議した。

ビバビーダメディカルライフは2009年に少額短期保険業に登録し、主に外国人留学生、外国人技能実習生向けに医療保険、生命保険を提供している。2018年度末の契約保有件数は1万6000件に達し、200以上の学校や監理団体と取引する。

じげんは、グループの営業基盤や法人顧客、外国人ユーザー向けの販路を活用し、ビバビーダの業績向上を目指す。将来的には人材、不動産、自動車、旅行といった各既存領域で少額短期保険を活用した新規商材の開発、販売も視野に入れている。

外国人留学生、外国人実習生の日本国内総数は近年増加傾向が続いている。法務省によると、2018年末で留学生は33万人(前年比8%増)、実習生は32万人(同19%増)。

取得価額は非公表。取得予定日は未定。

 

サンデンHD<6444>、流通システム事業子会社のサンデン・リテールシステムを500億円でインテグラル傘下企業に譲渡

◆サンデンホールディングス(HD)は7日、業務用冷凍・冷蔵ショーケース、飲料用自動販売機を製造・販売する子会社のサンデン・リテールシステム(SDRS、群馬県伊勢崎市。売上高537億円、営業利益7億6400万円、純資産30億2000万円)の全株式を、投資会社インテグラル(東京都千代田区)の傘下企業に10月1日付で譲渡すると発表した。譲渡価額は500億円(株式譲渡398億円、ほかに貸付債権、有利子負債などを含む)。電気自動車の普及加速などに対応して成長領域の自動車機器事業に経営資源を集中するのが狙い。

事業譲渡先はインテグラルが100%出資して7月末に設立したSDRSホールディングス(東京都千代田区)。

サンデンHDは自動車機器事業と流通システム事業を経営の両輪とする。自動車業界は電気自動車や自動運転車に代表される100年に一度の大変革期に突入し、業界構造が大きく変化する中、自動車機器事業は競争力向上が急務になっている。一方、流通システム事業も顧客ニーズの変化や労働人口の減少を背景に、コンビニの24時間営業や物流業界の再配達などに関わる社会問題の解決が求められている。しかし、自動車機器、流通システムの両事業に対して、成長加速のために十分な経営資源を投入することは難しいと判断し、流通システム事業の譲渡を決断した。

自動車機器事業では電動コンプレッサーやヒートポンプ、水加熱電気ヒーターなどの空調領域の強化に加え、バッテリーやモーターなどの機器の温度管理領域への展開に力を入れている。

 

VTホールディングス<7593>、独VW・アウディの自動車ディーラーを子会社化

◆VTホールディングスは、外国車ディーラーの光洋自動車(北海道北見市。売上高31億円、営業利益1億5600万円、13億9000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

光洋自動車は1976年に設立し、北見市、旭川市、札幌市で独フォルクスワーゲン(VW)と独アウディの正規ディーラーとして、VW3店舗、アウディ2店舗を運営する。

取得価額は非公表。取得日は2019年8月6日。

 

SANKYO<6417>、毒島会長の資産管理会社マーフコーポレーションにゴルフ場運営・不動産事業を譲渡

◆SANKYOは子会社の三共クリエイト(東京都渋谷区)からゴルフ場運営事業と不動産賃貸事業の一部を承継するために設立する新会社2社の全株式を、マーフコーポレーション(東京都港区)に譲渡することを決議した。マーフコーポレーションはSANKYO会長の毒島秀行氏の資産管理会社で、SANKYO株式の34.92%を保有する筆頭株主。経営資源をパチンコ・パチスロの遊技機関連事業に集中する一環。

三共クリエイトは群馬県高崎市内にゴルフ場「吉井カントリークラブ」を保有するほか、SANKYO本社ビルなどグループ内使用の不動産(群馬県高崎市)を保有・管理運営する。吉井カントリークラブと、不動産事業を会社分割によりそれぞれ10月1日付で新会社に移管したうえで、両社の全株式をマーフコーポレーションに譲渡する。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年10月1日。

 

ティーライフ<3172>、日本ヘルスケアアドバイザーズから一般漢方製剤の通販事業を取得

◆ティーライフは、日本ヘルスケアアドバイザーズ(東京都港区)から一般用漢方製剤の通信販売事業を取得することを決議した。ティーライフは健康茶や化粧品などを中心に通販事業を手がけるが、今回の事業取得を通じて、伸び代のある医薬品の販売拡大が期待できるとしている。当該事業の業績は売上高3億7200万円、営業利益△2億7100万円。取得価額は非公表。取得日は2019年9月1日。

 

エボラブルアジア<6191>、ディスカウントチケットのナショナル流通産業を子会社化

◆エボラブルアジアは、各種商品券などディスカウントチケット事業を手がけるナショナル流通産業(大阪市。売上高137億円、営業利益7290万円、純資産977万円)を株式交換により、子会社化することを決めた。

ナショナル流通産業の前身の旧ナショナル流通産業は2017年4月に民事再生を申し立てて、同名の新会社を設立したうえで事業を譲渡した。

株式交換比率は未確定。株式交換予定日は2019年8月30日。

 

九州フィナンシャルグループ<7180>、総合リース業のJR九州フィナンシャルマネジメントを子会社化

◆九州フィナンシャルグループは傘下の肥後銀行を通じて、JR九州傘下で金融サービス会社のJR九州フィナンシャルマネジメント(JFM、福岡市。売上高53億2000万円、営業利益1億8600万円、純資産18億8000万円)の株式90%を取得し、子会社化することを決めた。取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月2日。

JFMは1988年に設立し、総合リース事業のほか、JR九州向けにキャッシュマネジメントサービス事業と財務シェアードサービス事業を手がけている。このうち、総合リース以外の2事業は10月1日付でJR九州のグループ子会社に移管したうえで、総合リース事業に専念することになっている。九州フィナンシャルグループはJR九州グループから総合リース事業を取り込み、地域総合金融機能の向上を目指す。

 

アクセル<6730>、ソニーネットワークコミュニケーションズ傘下で画像処理技術のモーションポートレートを子会社化

◆アクセルは、ソニーネットワークコミュニケーションズの全額出資子会社で画像認識に関する技術開発を手がけるモーションポートレート(東京都渋谷区)の全株式を取得し子会社化することを決議した。人工知能の一つである機械学習領域の事業を加速するのが狙い。

モーションポートレートはソニー木原研究所の出身者を中心に設立し、画像認識や画像処理の技術開発力を強みに、静止画から自動的にアニメーションを生成する「MotionPortrait」技術によるIP(知的財産権)ライセンスや開発支援サービスを提供している。

取得価額、取得予定日は非公表。

 

デファクトスタンダード<3545>、wajaの電子商取引事業を取得

◆デファクトスタンダードは、EC(電子商取引)運営のwaja(東京都港区)から主要事業を取得することを決議した。取得するのは、バイヤーが現地で仕入れた商品を販売する「WORLDROBE」、ブランド公式出店のマーケット「REASONアウトレット」、ファッションアイテムの寄付と買い物で社会貢献できる通販サイト「FASHION CHARITY PROJECT」、マーケットモール「waja」の運営。当該事業の売上規模は5億1500万円。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月1日。

 

昭文社<9475>、グアムのマリンスポーツ会社APRA DIVE & MARINE SPORTSの全事業を取得

◆昭文社はグアム子会社を通じて、現地のマリンスポーツ会社APRA DIVE & MARINE SPORTS, INC.の全事業を取得することを決めた。昭文社は今年5月、グアムにジェットスキー、パラセーリングなどアクティビティー事業やリゾート施設からなる「グアムオーシャンパーク(GOP)」を全面開業した。2001年に設立以来、マリンスポーツ分野で実績を積んできたAPRAの事業を取り込み、現地でのサービス体制を充実させる。取得価額は非公表。取得日は2019年8月2日。

GOPの運営にあたり、これまでAPRAと外注関係にあった。GOPのビーチは遠浅のため、引き潮時はジェットスキーやバナナボートなどが実施できないことから、その場合はAPRAへ送客していた。また、APRAはGOPのあるアガニャ湾では実施できないパラセーリング可能な場所を保有する。APRA の事業取得により、各種アクティビティーについて内製化・ 自社催行化が可能となり、収支の向上に寄与すると判断した。

 

アイビーシー<3920>、ナビプラスからセキュリティー事業を取得

◆アイビーシーは、IT関連のナビプラス(東京都渋谷区)からセキュリティー事業を取得した。対象事業は脆弱性診断サービス、Webサイトの身元証明などに必要となるSSL証明書クーポン販売など。サイバーセキュリティー脅威の高まりに対応してサービス体制を拡充する狙い。取得価額、取得日は非公表。

 

第一交通産業<9035>、戸畑タクシーの事業を取得

◆第一交通産業は戸畑タクシー(北九州市)のタクシー事業(タクシー26台を保有)を7月23日付で取得した。これにより、北九州市内では既存のグループ8社608台と合わせて保有634台となる。

 

アイモバイル<6535>、「パズルde懸賞」シリーズなどスマホゲームアプリのオーテを子会社化

◆アイモバイルは、スマートフォン向けアプリの企画・開発などのオーテ(東京都北区。売上高1億4800万円、営業利益7500万円、純資産1億300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

オーテは2014年に設立。「パズルde懸賞」シリーズを中心に「ナンプレde懸賞」「クロスワードde懸賞」などのスマホ用ゲームアプリを提供している。アイモバイルは自社のインターネット広告事業のノウハウを生かし、オーテの保有するアプリ内での広告収入の収益性向上などにつなげる。

取得価額は5億円。取得予定日は2019年8月9日。

 

サーラコーポレーション<2734>、イワキ傘下の動物医薬品卸2社を子会社化

◆サーラコーポレーションは、イワキ子会社で動物用医薬品の卸売りを手がけるホクヤク(札幌市。売上高8億1400万円、営業利益700万円、純資産△1000万円)、エイ・エム・アイ(千葉県山武市。売上高12億5000万円、営業利益2100万円、純資産1億5200万円)の2社の全株式を取得し、子会社化することを決議した。北海道への進出の足掛かりとする一方、関東地区での事業強化が狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2019年9月2日。

 

伊藤忠テクノソリューションズ<4739>、インドネシアのIT企業Nusantara Compnet Integratorなど2社を子会社化

◆伊藤忠テクノソリューションズは、インドネシアのIT企業PT. Nusantara Compnet Integrator(ジャカルタ。売上高72億7000万円、純資産17億6000万円)など現地2社の株式それぞれ70%を取得し子会社化することを決めた。取得価額は未確定。取得予定日は2019年9月。

今回子会社化するのはNusantara Compnet のほか、PT. Pro Sistimatika Automasi(ジャカルタ。売上高3億3000万円、純資産8700万円)。両社ともシステム構築とアプリケーション開発を主軸とする。なかでもNusantara Compnetはインドネシア全土に33拠点からなる保守ネットワークを持つ。

伊藤忠テクノは現地有力2社を傘下に取り込み、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域でも市場規模の大きいインドネシアでの事業拡大につなげる。

伊藤忠テクノは現在、ASEANでマレーシア、シンガポール、タイ、インドネシアの4子会社を通じて、金融、政府・公共機関を中心に現地企業や日系企業にITサービスを提供している。

 

クオールホールディングス<3034>、医薬品製造販売の藤永製薬を子会社化

◆クオールホールディングスは、医療用医薬品を製造販売する藤永製薬(東京都千代田区。売上高17億6000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。医薬品の製造販売事業へ本格参入するのが狙い。藤永製薬は1941年に設立。取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月8日。

 

ジェイ・エス・ビー<3480>、学生向け賃貸マンション事業の東京学生ライフなど3社を傘下に

◆ジェイ・エス・ビーは、学生向けに賃貸マンションの管理・運営を手がける東京学生ライフ(東京都渋谷区。売上高2億2300万円、営業利益500万円、純資産6000万円)など3社を買収することを決議した。3社は大株主が共通し兄弟関係にある。それぞれの全株式を取得し、8月30日付で子会社化する。取得価額は非公表。

買収するのは東京学生ライフのほか、学生向け賃貸マンション管理の湘南学生ライフ(神奈川県藤沢市。売上高4700万円、営業利益200万円、純資産600万円)、広告制作のケイエルディ(東京都杉並区。売上高4800万円、営業利益300万円、純資産1600万円)。

ジェイ・エス・ビーは関西を地盤に学生マンション事業の運営を主力とする。今回3社を傘下に取り込むことで、未出店エリアでの事業拡大、未提携の教育機関との関係構築などの相乗効果を期待している。

 

京成電鉄<9009>、茨城県内を地盤とする関東鉄道をTOBで子会社化

◆京成電鉄は31日、茨城県内を中心に鉄道事業やバス事業を手がける関東鉄道(茨城県土浦市)に対し、子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付価格は1株あたり500円。買付予定数は709万5544株で、予定通り買い付けられれば、出資比率は現在の30.09%(間接所有を含む)から約99%に高まる。買付代金は最大35億4700万円。買付期間は8月1日から10月1日まで。

関東鉄道は茨城県内と千葉県の一部を事業エリアとする。同社は1922年に鹿島参宮鉄道として設立され、1965年に常総筑波鉄道と合併し、現在の社名となった。京成鉄道は旧鹿島参宮鉄道、旧常総筑波鉄道とそれぞれ資本関係があり、1992年以降、関東鉄道を持分法適用関連会社としている。

京成電鉄は関東鉄道とこれまで、営業・安全施策で情報交換、資材の共同購入、大規模自然災害時の復旧支援、高速バスの共同運行などの緩やかな連携を行ってきた。グループの経営体制を強化するためには子会社化を通じた強固な協力関係の構築が必要と判断した。

決済日は10月8日。買付の決済は、みずほ証券。

 

日本産業パートナーズ、防衛装備品などの日本アビオニクス<6946>をTOBで子会社化へ

◆事業再生型ファンドの日本産業パートナーズ(東京都千代田区)は、NEC傘下で防衛装備品などを手がける日本アビオニクス(東証2部)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社化すると発表した。親会社のNECは保有する全株式(所有割合50.11%)についてTOBに応募する。日本アビオニクスはTOBに賛同している。買付期間は20営業日とし、12月中旬からのTOB開始を目指している。日本アビオニクスの上場は維持する。

買付主体は日本産業パートナーズ傘下のNAJホールディングス。買付価格は1株につき1100円。TOB公表前日の終値1223円に対して10.06%のディスカウント。買付予定数の上限は155万6500株(所有割合55.12%)で、NECが保有する株式数を下限とする。買付代金は最大17億1200万円。

日本アビオニクスは1960年、防衛用や一般産業用電子機器に使われる部品などの製造販売を目的に、米ヒューズ・エアクラフト・カンパニーとの合弁で日本アビオトロニクスとして発足。1980年に日本アビオニクスに社名変更した。1988年に東証2部に上場した。

近年、宇宙・防衛市場では防衛省が防衛装備品の調達は国内メーカーから海外メーカーへシフトを進めており、国内メーカーの劣勢が今後も予想される。日本アビオニクスの業績も2019年3月期まで2年連続で営業赤字に陥っている。NECは日本産業パートナーズをパートナーとして迎え入れ、日本アビオニクスの事業立て直しを期待している。

 

ワコールホールディングス<3591>、米の女性用インナーウエア企画販売会社「Intimates Online」を子会社化

◆ワコールホールディングスは、米国の女性用インナーウエア企画販売会社Intimates Online, Inc.(IO、ニューヨーク。売上高12億4000万円、営業利益△3億9800万円、純資産8億2200万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

IO 社は2015 年に設立。「LIVELY(ライブリー)」ブランドを主軸に自社Eコマース(電子商取引)を主要販路としつつ、ニューヨーク・シカゴ市内には直営店舗も持つ。SNS(会員制交流サイト) をはじめ新しいデジタルメディアを顧客とのコミュニケーションツールとして活用する DNVB(デジタル・ネイティブ・ヴァーティカル・ブランド)と呼ばれる新興企業の一つ。

ワコールは同社をグループに迎え、ミレニアル世代の顧客を獲得し、Eコマース売上やデジタルマーケティング手法を通して将来の成長を取り込む考え。行く行くはワコールのネットワークを活用して、米国以外の地域への展開も視野に入れる。

取得価額は約91億8000万円。これに加え、業績の達成度に応じて条件付き取得対価(アーンアウト対価)をIO 社の現株式所有者に支払う条項を盛り込む予定。取得予定日は2019年8月2日。

 

アートネイチャー<7823>、女性用ウィッグ製造・販売のNAO-ARTを子会社化

◆アートネイチャーは、女性用ウィッグ(つけ毛)の製造・販売を手がけるNAO-ART(東京都千代田区。売上高9億600万円、営業利益1億5700万円、純資産2億8200万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。多様化する女性用市場のニーズに対応するため、新たな商品ブランドを獲得する。取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

Jストリーム<4308>、医薬系のインターネット関連事業を手がけるビッグエムズワイを子会社化

◆Jストリームは、医薬系のインターネット関連事業を手がけるビッグエムズワイ(東京都文京区。売上高13億2000万円、営業利益1億2100万円、純資産2億1000万円)の株式61%を追加取得し、完全子会社化することを決議した。

ビッグエムズワイは1994年に設立し、インターネットを活用して医師に医薬情報を提供するディテーリングの草創期から、関連するデジタルコンテンツの制作で実績を積んできた。近年はМR(医薬情報担当者)向けのCLМ(クローズド・ループ・マーケティング)のコンテンツ制作に力を入れている。

Jストリームは2018年7月に同社に出資した。自社の主力事業である医薬業界向けライブ映像配信事業とビッグエムズワイが提供するCLМコンテンツ制作などの事業との協業体制を築いてきた。今回の子会社化で事業の深化と業容拡大を推し進める。

取得価額は3億5400万円。取得予定日は2019年8月30日。

 

メルカリ<4385>、プロサッカーチーム「鹿島アントラーズ」を子会社化

◆メルカリは、プロサッカーチーム「鹿島アントラーズ」を運営する鹿島アントラーズ・エフ・シー(茨城県鹿嶋市。売上高73億3000万円、営業利益5億8300万円、純資産21億6000万円)の株式61.6%を取得することを決議し、日本製鉄と株式譲渡契約を締結した。メルカリは2017年からスポンサーとして鹿島アントラーズにかかわってきたが、関係をより強固にするため、子会社化によって経営に参画する。取得価額は15億9700万円。取得予定日は2019年8月30日。

鹿島アントラーズは1991年10月、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)参加球団の一つとして、住友金属サッカー団を母体に発足した。国内3大タイトル(J1リーグ、Jリーグカップ、天皇杯全日本サッカー選手権大会)で最多優勝回数を誇る。2018年にはアジアでのナンバー1クラブを決めるAFCチャンピオンズリーグで優勝するなど、日本だけでなくアジアを代表するサッカークラブとして知られる。

 

日本M&Aセンター<2127>、OKINAWA J-Adviser(沖縄県名護市)から「J-Adviser」事業を取得

◆日本M&Aセンターは、地域振興支援サービスや株式上場支援サービスを手がけるOKINAWA J-Adviser(沖縄県名護市)から「J-Adviser」事業を取得することを決めた。日本M&Aセンターは7月半ば、TOKYO PRO Market(TPM)で上場審査や上場維持のための助言・指導を行うJ-Adviser資格を取得した。TPMの創成期からJ-Adviserとして実績とノウハウを持つ OKINAWAから当該事業(売上高は約1億円)を譲り受けることによって、新たに開始したJ-Adviser 事業の早期立ち上げと収益基盤の構築につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月31日。

 

大阪ガス<9532>、米シェールガス開発「サビン」を約650億円で買収

◆大阪ガスは29日、シェールガス開発会社の米サビン オイル&ガス コーポレーション(テキサス州)を買収すると発表した。米子会社を通じて全株式を取得する契約を締結した。米のシェールガス開発会社を傘下に収めるのは日本企業として初めて。取得価額は約650億円。年内に買収完了を見込む。大阪ガスは米国でフリーポートLNG(液化天然ガス)事業、発電事業に続く3本目の柱として育成する。

サビンは米テキサス州東部に琵琶湖の1.5倍に相当する約1000平方キロメートルの鉱区を保有し、現在約1200本の井戸からLNG換算で年間約170万トン相当のガスを生産している。大阪ガスは2018年7月にサビンが保有する鉱区の約半分にあたる東側のガス田権益35%を取得しているが、今回の買収で西側も含めてサビンが持つ全鉱区を所有することになる。

 

デジタルハーツホールディングス<3676>、ソフトウエアテスト事業の米LOGIGEAR CORPORATIONを子会社化

◆デジタルハーツホールディングスは、ソフトウエアテスト事業やテスト自動化支援を手がける米LOGIGEAR CORPORATION(カリフォルニア州。売上高12億9000万円、当期純利益1100万円、純資産2900万円)の株式51%を第三者割当増資などで取得し、子会社化することを決議した。

LOGIGEARはソフトウエアテスト業界の権威とされるHung Q. Nguyen氏が1996年に設立したテスト自動化の有力企業。同社はシリコンバレーの最先端技術を結集した独自のテスト自動化ツール「TestArchitect」を展開し、ベトナムのオフショア拠点(ホーチミン)では約 500人のテスト自動化エンジニアを抱える。

デジタルハーツはシステムテストサービス事業を経営の柱の一つに育成中。LOGIGEARを傘下に取り込むことで、電子商取引や自動車など自動化と親和性の高い大規模かつ継続的なテスト案件の獲得に注力する。

取得価額は8億6700万円。取得予定日は2019年8月1日。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

令和元年分の路線価公表・地価上昇による相続税への影響

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(厚地満里 /税理士)

 

1.路線価4年連続上昇


国税庁は7月1日、令和元年分の路線価を記載した路線価図を同庁のホームページで公表しました。

http://www.rosenka.nta.go.jp/

 

全国の平均路線価は4年連続で上昇傾向にあり、その上昇率は前年対比で平成30年分の「+0.7%」を上回る「+1.3%」となりました。現在国税庁のホームぺージでは、平成25年分以降の路線価を確認することができます。

 

都道府県別の路線価では、19都道府県で前年より上昇しました。上昇率の上位を見ると、観光客数が増えている沖縄が8.3%と2年連続で全国トップ、2位は東京が4.9%、都市部の再開発が進む宮城が4.4%で3位と続いています。一方、路線価が前年より下落したのは27県で、内22県は下落幅が縮小しているものの、大都市圏や集客力のある観光地と、それ以外の地域との二極化の傾向が続いています。

 

2020年にオリンピック・パラリンピックの開催を控えた東京は、平均路線価が6年連続の上昇中で、訪日外国人の増加に加えて、再開発やホテルの建設が着々と進み、都心部で地価のバブル傾向が続いています。路線価の変動率を見ると、外国人観光客で賑わう浅草・雷門通りの上昇は前年対比で35%上昇と都内最高でした。大学キャンパスの進出が相次ぐ北千住駅前も大きく上昇、複数の路線が乗り入れる利便性の高さから、マンションの建設も続いています。

 

2. 土地の相続税評価額への影響


相続税・贈与税の宅地の評価額は、固定資産税評価額に評価倍率を乗じて算出する地域を除き、基本的には一平方メートル当たりの土地の評価額である路線価に地積を乗じて算出します。つまり路線価の上昇がそのまま相続財産の総額、そして相続税の納税に影響してきます。

 

ここ数年は商業地だけでなく、立地の良い住宅地でも毎年数万円単位で路線価が上昇してきました。現状の路線価ベースで相続税額を試算してみると、何年か前に試算した時より納税額が驚くほど増えていたというケースをよく見かけます。これまで手持ちの金融資産で何とか納税ができそうと考えていた方は、今改めて現状把握をしていただきたいと思います。

 

3.地価の上昇と小規模宅地の評価減の関係


小規模宅地の評価減の特例とは、相続人がその生活を維持するために欠くことのできない被相続人の自宅や事業用の土地を相続した場合に、土地の価額を一定の面積まで50%もしくは80%減額して評価することができる制度です。

 

例えば自宅の宅地の価額が1億円ですと、この制度の適用により価額の80%が減額されますので、相続税の課税対象となる宅地の評価額は2千万円になります。その効果は絶大である上に、現在のように路線価が高い時程、大きな効果を表します。小規模宅地の評価減の適用要件は事前に確認しておきたいところです。

 

4.最後に


空家や空地、その他子供や孫が今後引き継いでいくことが難しい物件があり、いずれは売却をと考えているようでしたら、地価が高騰して市場が動いている時は売却の好機です。相続税の納期限は相続開始から10か月しかありません。相続発生後に、納税のために物件を売却しようとしても、相続人間で話を取りまとめて換金に至るには余りに時間が短く、何よりその時市場が動いていなければ売却の目途が立ちません。問題を先送りしてタイミングを逸してしまわないように、家族でよく話し合い準備しておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/08/05)より転載

[M&Aニュース](2019年7月16日〜7月26日)

◇省電舎ホールディングス<1711>、エネルギー関連子会社のエールを経営陣に譲渡 、◇第一交通産業<9035>、はとタクシーを子会社化 、◇マーケットエンタープライズ<3135>、ENECHANGEから格安SIM・スマートフォン情報サイト「SIMCHANGE」事業を取得 、◇ケアサービス<2425>、介護事業の「ひだまり」を子会社化 、◇TOKAIホールディングス<3167>、ソフト開発のアムズブレーンを子会社化 、◇アサヒグループホールディングス<2502>、ABインベブ傘下の豪ビール大手CUBを1.2兆円で買収へ   ほか

 

アイリッジ<3917>、システム受託開発のキースミスワールドを吸収合併

◆アイリッジは、システム受託開発のキースミスワールド(東京都千代田区。売上高9990万円、営業利益△56万5000円、純資産282万円)を10月1日付で吸収合併することを決議した。キースミスワールドは2013年に設立し、サーバープログラム構築(プログラミング、データ設計、データ分析、運用・保守)やインフラ構築、スマホアプリ開発などを得意領域とする。アイリッジはこれまで同社を開発パートナーとし、緊密な取引関係にあった。開発体制を強化するため、吸収合併する。合併比率はアイリッジ1:キースミスワールド111。キースミスワールドの1株に対しアイリッジの111株を割り当てる。

 

メルカリ<4385>、フリマアプリ事業の英国子会社を現地社に譲渡

◆メルカリは、フリーマーケットアプリ事業を展開するため2016年に設立した英国子会社Merpay Limited(ロンドン)の全株式を譲渡することを決議した。当初は英国からの事業撤退に伴い会社解散を予定していたが、現地企業から株式取得の申し出があったという。譲渡先と譲渡価額は非公表。譲渡日は2019年7月25日。

 

早稲田アカデミー<4718>、NYで日本人子女向け学習塾を経営するSHINKENSHA U.S.A. を子会社化

◆早稲田アカデミーは、米ニューヨーク在住の日本人子女を対象に学習塾を経営するSHINKENSHA U.S.A. INCORPORATED(ニューヨーク州)の全株式を取得し子会社化することを決議した。帰国生入試の分野で業容拡大につなげる狙い。SHINKENSHA U.S.A.は1996年に設立し、「VERITAS ACADEMY(ヴェリタスアカデミー)」の名称で、ニューヨーク在住の小学生から高校生向けに進学指導を行っている。毎年、開成高校・国立高校をはじめ早慶付属中学・高校などの難関校入試で高い合格実績を持つ。早稲田アカデミーは2008年、同社と提携し、帰国生入試対応や海外受験講演会などのイベント共催を通じて緊密な関係にあった。取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月31日。

 

アサヒホールディングス<5857>、消防設備工事子会社の紘永工業を永和ファシリティーズに譲渡

◆アサヒホールディングスは、消防設備工事を主力とする紘永工業(横浜市。売上高24億3000万円、営業利益1億6100万円)の全株式を、同じく消防設備工事を手がける永和ファシリティーズ(神奈川県横須賀市)に譲渡することを決議した。紘永工業は1978年に設立。アサヒは2014年に同社を子会社化していた。東京五輪関連の建設需要の高まりを背景に連結業績に一定に寄与してきたが、グループ全体の経営資源の最適配分の一環として譲渡することにした。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年8月1日。

 

日本管財<9728>、日テレ傘下の清掃・警備会社「サンエイワーク」の関西・九州事業を取得

◆日本管財は、日本テレビホールディングス傘下で建物の清掃・警備などを手がけるサンエイワーク(東京都千代田区)の関西支社と九州営業所の事業を9月1日付で取得することを決議した。サンエイワークは関西支社と九州営業所の事業を会社分割するため、6月に受け皿会社として同名のサンエイワーク(大阪市)を設立。日本管財はこの新設会社の全株式を取得して傘下に収める。取得価額は未定。

 

ヤフー<4689>、岩田アスクル社長の取締役再任に反対の議決権を行使

◆ヤフーは7月24日、2019年8月2日開催予定のアスクルの株主総会の取締役選任議案に関して、岩田彰一郎代表取締役社長の再任に反対の議決権を行使したと発表した。低迷する業績の早期回復、経営体制の若返りなどの観点から抜本的な変革が必要と判断した。また業績低迷の理由である岩田社長を任命した責任など総合的な判断から、独立社外取締役の戸田一雄氏、宮田秀明氏、斉藤惇氏の再任にも反対の議決権を行使した。議決権行使はインターネットを用いた方法により実施した。

 

アルー<7043>、D2Cからクラウド型eラーニングシステム「etudes」 事業を取得

◆アルーは、デジタルマーケティング事業などを手がけるD2C(東京都中央区)が運営するクラウド型eラーニングシステム「etudes」 事業を取得することを決議した。法人向け人材育成事業の取り組みを強化するのが狙い。取得価額は1円。取得日は2019年8月31日。アルーは2000年設立で、NTTドコモ、電通、エヌ・ティ・ティ・アド(東京都品川区)などが主要株主。

 

共同印刷<7914>、クレハからブローボトル事業を取得

◆共同印刷は、クレハからブローボトル(食品用プラスチック容器)事業を会社分割により取得することを決議した。生活・産業資材部門における事業領域拡大の一環。当該事業の直近業績は売上高17億9000万円、営業利益1億800万円。取得価額は約17億円。取得予定日は2019年11月1日。

 

極東開発工業<7226>、バンボディー・特装車生産のタイ子会社を現地合弁先に譲渡

◆極東開発工業は、バンボィーや特装車を生産するタイ合弁子会社TREX THAIRUNG(TTR、バンコク。売上高3億600万円、営業利益△3億8200万円、純資産3億1000万円)の保有株式のすべて(45%)を、合弁パートナーの現地THAI RUNG UNION CAR PUBLIC(バンコク)に譲渡することを決めた。譲渡価額は3億5500万円。譲渡予定日は2019年7月31日。TTRは2014年、極東開発工業と同社子会社の日本トレクス(愛知県豊川市)、三井物産現地子会社、現地THAI RUNG UNIONの4社が出資して設立した。中核製品として期待していたウイングバン(トラックの横から荷上げ・荷下ろしができるタイプ)の需要が当初想定を大きく下回ったことや、現地の不安定な雇用慣行で操業度が向上しないことなどから、業績不振が続いていた。三井物産現地子会社も同様に保有株(15%)を譲渡する

 

パスコ<9232>、測量・計測の米子会社Keystone Aerial Surveysを現地社に譲渡

◆パスコは、測量・計測業務を手がける米子会社Keystone Aerial Surveys,Inc.(ペンシルベニア州。売上高20億1000万円、営業利益3億6300万円、純資産20億800万円)の全株式を、米データ分析会社のGeomni,Inc.(ユタ州)に譲渡することを決議した。Keystone Aerial Surveysは1963年設立で、航空機を主体とした撮影・計測事業を手がける。パスコは2011年に同社株式の70%を取得し、子会社化した(15年に100%取得)。米国における大手企業や異業種からの参入増による市場再編、競争激化、さらに外資規制強化の見通しを踏まえ、会社を手放すことにした。譲渡価額は約32億円。譲渡予定日は2019年7月31日。

アプリックス<3727>、光通信傘下でMVNOサービス「スマモバ」運営のスマートモバイルコミュニケーションズを子会社化

◆アプリックスは、光通信傘下でMVNO(仮想移動体通信)サービス「スマモバ」を運営するスマートモバイルコミュニケーションズ(東京都文京区。売上高56億円、営業利益5640万円、純資産7720万円)を株式交換により、子会社化することを決議した。アプリックスはIoT(モノのインターネット)関連の技術開発を主力とするが、2018年12月期まで7年連続で売上高の減少と営業損失の計上という危機的状況に陥っている。MVNO事業の成長可能性や自社事業とのシナジー(相乗効果)が期待できるとして、スマートモバイルを傘下に取り込む。株式交換比率はアプリックス1:スマート143で、スマートの1株にアプリックスの143株を割り当てる。株式交換日は2019年8月15日。株式交換の実行を前提として、アプリックスはスマートの親会社である光通信と資本業務提携することで合意した。光通信は議決権ベースでアプリックス株式の10%以上を保有し、アプリックスの経営立て直しを後押しする。

 

FHTホールディングス<3777>、福島県と宮崎県で手がける2カ所の太陽光発電所をグローバルエナジーに譲渡

◆FHTホールディングスは子会社のエリアエナジー(東京都千代田区)が福島県と宮崎県の2カ所で運営する太陽光発電所を、グローバルエナジー(東京都港区)に譲渡することを決議した。広野発電所(福島県双葉郡、出力1990キロワット)と児湯発電所(宮崎県児湯郡、出力936キロワット)が対象で、譲渡価額は約17億6000万円。譲渡予定日は2019年8月23日。FHTは4月に、今回の2カ所のほか、北海道、福島県、千葉県の3カ所を合わせて計5カ所の太陽光発電所について、情報処理業務などのコマネチ(東京都港区)に譲渡すると発表した。しかし、その後、コマネチ側が取得代金約27億円を用意できなくなったことから、6月末にFHTは譲渡契約を解除。これを受け、FHTは新たな譲渡先を模索していた。5カ所のうち2カ所について今回、グルーバルエナジーが引き受けることになった。

 

ヤギ<7460>、「泉州タオル」の老舗メーカーのツバメタオルを子会社化

◆ヤギは、「泉州タオル」のトップメーカーであるツバメタオル(大阪府泉佐野市)の全株式を取得し、23日付で子会社化した。ツバメタオルは1913(大正2)年創業の老舗で、年間生産量は2000万枚(フェースタオル換算)。大阪・泉州地域の地場産品「泉州タオル」は国内タオル生産量の4割を占め、「今治タオル」と並ぶ著名ブランド。取得価額は非公表。

 

ハウスドゥ<3457>、不動産売買・賃貸仲介の小山建設を子会社化

◆ハウスドゥは、不動産売買・賃貸仲介を手がける小山建設(埼玉県草加市。売上高31億9000万円、営業利益4億5200万円、純資産18億7000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。小山建設は1970年設立。傘下に小山不動産(売上高4億3800万円、営業利益3300万円、純資産2億7200万円)、草加松原住建(売上高9700万円、営業利益100万円、純資産300万円)を抱え、グループ全体の管理戸数は約6000戸。ハウスドゥは同社グループを傘下に取り込み、不動産事業拡大の一助とする。取得価額は27億5000万円。取得予定日は2019年8月9日。

 

省電舎ホールディングス<1711>、エネルギー関連子会社のエールを経営陣に譲渡

◆省電舎ホールディングスはエネルギーコンサルティング子会社のエール(東京都渋谷区。売上高0円、営業利益0円、純資産3000万円)の全株式を、エール社長の中村健治氏に譲渡することを決議した。太陽光発電事業の縮小に伴う措置。エールは子会社を通じて太陽光発電設備関連事業を手がけている。譲渡価額は8000万円。省電舎は決済資金として全額を中村氏に融資した。中村氏は省電舎の元取締役会長。譲渡日は2019年7月19日。

 

第一交通産業<9035>、はとタクシーを子会社化

◆第一交通産業は、タクシー車両42台を持つ「はとタクシー」(広島市)の全株式を取得し子会社化した。広島県内でのタクシー保有台数は既存のグループ4社255台と合わせ、5社297台となる。はとタクシーは1964年設立で、従業員56人。取得価額は非公表。取得日は2019年7月19日。

 

マーケットエンタープライズ<3135>、ENECHANGEから格安SIM・スマートフォン情報サイト「SIMCHANGE」事業を取得

◆マーケットエンタープライズはENECHANGE(東京都千代田区)から格安SIM・スマートフォンに関する情報サイト「SIMCHANGE」事業を取得することを決議した。今年9月に予定されるSIMロック解除の義務化により中古スマホの流通量拡大や格安SIMへのニーズの高まりが見込まれるのに対応する。マーケットエンタープライズは格安SIMや中古スマホ、データ通信端末などの販売を主力事業の一つとし、シナジー(相乗効果)創出が期待できると判断した。取得する「SIMCHANGE」は格安SIMスピードチェッカー(格安SIMの通信速度をリアルタイムで可視化するサービス)など各種コンテンツを掲載している。当該事業の直近売上高は1億4000万円。取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月1日。

 

ケアサービス<2425>、介護事業の「ひだまり」を子会社化

◆ケアサービスは、居室介護支援・訪問介護事業を手がけるひだまり(東京都江東区。売上高1億3900万円、営業利益△99万4000円、純資産725万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。在宅介護事業の強化が狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月22日。

 

TOKAIホールディングス<3167>、ソフト開発のアムズブレーンを子会社化

◆TOKAIホールディングスはソフトウエア受託開発のアムズブレーン(岡山市。売上高0円、営業利益△17万6000円、純資産3000万円)の株式99%を取得し子会社化した。TOKAIは岡山県内にある自社データセンターを核としたシナジー(相乗効果)創出を期待している。アムズブレーンは1989年に設立。実質的な事業活動については全額出資子会社のアムズユニティー(同。売上高1億8000万円、営業利益△700万円、純資産1億9000万円)を通して展開している。取得価額は非公表。取得日は2019年7月18日。

 

アサヒグループホールディングス<2502>、ABインベブ傘下の豪ビール大手CUBを1.2兆円で買収へ

◆アサヒグループホールディングスは19日、豪州ビール大手、カールトン・アンド・ユナイテッド・ブルワリーズ(CUB)を買収すると発表した。親会社で、ビール世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ、本社ベルギー)と合意に達した。買収金額は160億豪ドル(約1兆2096億円)。2020年第1四半期(1~3月)中の買収完了を見込む。日本企業による酒類事業の買収として、2014年にサントリーホールディングスが米ウイスキー大手のビームを約1兆6000億円で傘下に収めたのに次ぐ規模となる。CUBは「Carton」「Great Northern」などのブランドで知られ、2019年12月期業績見込みは売上高1820億円、営業利益781億円。アサヒは同社の販路を活用して、「スーパードライ」など主力商品の売り上げ拡大を目指す。アサヒは2016年にABインベブから西欧のビール事業を約2900億円で、翌17年には同じくABインベブの中東欧事業を約8800億円で買収しているが、今回の買収はこれを大きく上回る。日本、欧州、豪州の3極を核に強固なグローバルネットワークを築く。

 

平和<6412>、レイクウッドゴルフクラブ「富岡コース」を取得

◆平和は、レイクウッドコーポレーション(神奈川県大磯町)が所有・経営するレイクウッドゴルフクラブ富岡コース(群馬県富岡市、27ホール)を買収すると発表した。同ゴルフ場の事業を承継するために8月1日付で設立される新会社・富岡ゴルフ(神奈川県大磯町)の全株式を取得して子会社化する。当該事業の売上高は3億9900万円(2018年10月期)。取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。平和はパチンコ・パチスロの大手メーカー。2011年にゴルフ場保有・運営大手のPGMホールディングス(現パシフィックゴルフマネージメント、東京都台東区)を傘下に収め、現在、コース数は全国で140を超える。平和はゴルフ事業の拡大ためにゴルフ場の買収に積極的に取り組んでいる。レイクウッドコーポレーションは富岡コースのほか、神奈川県内に2コース、山梨県内に1コースを持つ。富岡コースは1996年に開場した。

 

ネオジャパン<3921>、システム開発のPro-SPIREを子会社化

◆ネオジャパンは、システム開発のPro-SPIRE(東京都大田区)の全株式を取得し子会社化することを決議した。IT人材の確保やシステム開発案件の獲得、新事業への展開などにつなげる。Pro-SPIREは1988年に設立し、システムインテグレーション事業、クラウドインテグレーション事業、Webマーケティング事業を主力領域とする。取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月中。

 

ティーガイア<3738>、ソフト開発のポピュラーソフトを子会社化

◆ティーガイアはソフトウエア開発のポピュラーソフト(東京都渋谷区)の過半の株式を取得し子会社化した。取得割合、取得価額などは非公表。ティーガイアは携帯販売代理店最大手。近年、法人顧客向けに自社ブランドのクラウドサービスの提供や各種ソリューション開発に力を入れている。ポピュラーソフトは2004年に設立し、金融システムなどの大規模プロジェクトからパッケージ製品までソフト開発全般で実績を持つ。

 

ジオスター<5282>、トンネル工事部材のシンガポール販売子会社 GEOSTR-RVを現地合弁先に譲渡

◆ジオスターは、トンネル工事に使われるセグメント(覆工部材)の販売を手がけるシンガポール子会社 GEOSTR-RV PTE. LTD.(売上高3億4100万円、営業利益△1億9900万円、純資産△8500万円)の保有株式のすべて(所有割合51%)を、合弁相手の現地 Robin Village International Pte. Ltd.に譲渡することを決議した。ジオスターはシンガポールでシールドトンネル工事の計画的発注が見込まれるのに対応し、2014年6月にセグメントと呼ばれる工事部材の販売会社を合弁で設立した。しかし、近年、セグメント市場の需給環境悪化で採算性が大幅に低下し、今後も業況の回復は困難と判断。合弁先に経営を移管することにした。譲渡価額は1シンガポールドル(約80円)。譲渡予定日は2019年8月1日。

 

SYSホールディングス<3988>、マスターズソリューションから生保関連情報システム開発事業を取得

◆SYSホールディングスは、IT関連のマスターズソリューション(東京都中央区)から生命保険分野の情報システム開発事業を取得することを決議した。当該事業の直近売上高は9940万円。取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月1日。

 

フジッコ<2908>、中華総菜製造のフーズパレットを子会社化

◆フジッコは、中華総菜の製造・販売を手がけるフーズパレット(神戸市。売上高23億3000万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。フーズパレットは1952年に創業し、百貨店を中心に中華総菜を販売し、「四陸(フォールー)」「チャイナチューボー」のブランドを展開している。フジッコは総菜製品を主力事業の一つと位置づけており、フーズパレットを傘下に取り込み、事業拡大につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月1日。

 

ギフト<9279>、「ラーメン天華」と製麺・餃子製造「ケイアイケイフーズ」の2社を子会社化

◆ギフトは、ラーメン店9店舗を展開するラーメン天華(栃木県那須町。売上高7億7900万円、営業利益329万円、純資産1億3800万円)と、中華麺・餃子製造などのケイアイケイフーズ(栃木県那須塩原市。売上高3億9600万円、営業利益430万円、純資産7210万円)の2社の全株式を取得し、子会社化することを決議した。両社は菊地司氏が社長を務め、同氏が筆頭株主。ラーメン天華は1997年に設立し、味噌ラーメン業態を主体に北関東で展開。一方、ケイアイケイは1989年設立で、自社製麺と自社製造の宇都宮餃子などの食材を天華ラーメン各店と他社のラーメン店に供給している。ギフトは横浜家系ラーメンを中心に、九州釜焚きとんこつラーメン、がっつり系ラーメンなどを427店舗(直営店70、業務委託店5、プロデュース店352。4月末)展開する。同社は将来目標として国内1000店舗を掲げ、M&Aに積極的に取り組んでいる。取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月1日。

 

アークランドサカモト<9842>、ヴァーテックスからフィットネス事業を取得

◆アークランドサカモトは、卸・小売り業のヴァーテックス(新潟市)からフィットネス事業を会社分割により取得することを決議した。アークランドは新潟県を地盤とし、ホームセンターを経営する。ヴァーテックスが新潟県内で運営するスポーツクラブ「ジョイフィット」(5店舗)、「フィット365」(1店舗)を取り込み、ホームセンターとの組み合わせなど複合型店舗の展開につなげる。当該事業の直近業績は売上高9億3600万円、営業利益1億8000万円。取得価額は18億4000万円。取得予定日は2019年9月1日。

 

電通<4324>、インドのデータ分析会社ウガムを子会社化

◆電通は、インドのデータ分析会社ウガム(ムンバイ)の株式87%を取得し子会社化することを決めた。ウガムは2000年設立で、米国をはじめ海外企業に対して調査分析、小売り分析、顧客のIT導入支援、電子商取引のコンテンツ最適化などの各種オフショアサービスをインドから提供している。取得価額、取得日は非公表。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

離婚に伴い自宅を財産分与する場合の税務上の取扱い等-2/2 ~財産分与を受ける側~

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田房枝/税理士)

 

 

[関連解説]

■離婚に伴い自宅を財産分与する場合の税務上の取扱い等-1/2 ~財産分与をする側~

■不動産の財産分与があった場合の不動産取得税

 

【問】

私(妻)はこの度、夫と協議離婚をすることとなりました。離婚に伴い、婚姻期間中の財産の清算として、婚姻期間中に夫名義で取得した自宅の土地及び建物(以下「自宅」)を夫から財産分与により取得する予定です。離婚に伴う税務上の留意点等を教えてください。
(夫における税務上の留意点等については、前回の解説を参照してください。)

 

【回答】

1.贈与税


(1) 離婚後に財産分与する場合

①原則
離婚に伴う財産分与によって取得した財産については、贈与により取得した財産とはならず、元妻に贈与税は課税されません(相基通9-8)。
②例外
次の場合におけるそれぞれに掲げる財産額は、贈与によって取得した財産となり、元妻に贈与税が課税されます(贈与税の基礎控除は、年110万円)。
(a)分与財産額が婚姻中の夫婦の協力で得た財産額その他一切の事情を考慮してもなお過当であると認められる場合・・・その過当である部分の財産額
(b)離婚を手段として贈与税のほ脱を図ると認められる場合・・・離婚により取得した財産額

(2) 離婚前に財産移転する場合

基本的に、夫から妻への贈与として取り扱われ、妻に贈与税が課税されます(贈与税の基礎控除は、年110万円)。なお、財産移転時における婚姻期間が20年以上であり、妻が自宅に住み続けるときは、妻において贈与税の配偶者控除(上記基礎控除のほか2,000万円まで非課税)の適用を受けられます(相法21の6)。

 

2.所得税


(1)自宅の取得時期及び取得費

①離婚後の財産分与によって取得した場合

財産分与により取得した自宅については、元妻がその財産分与を受けた時に、その時の価額により取得したこととなり、後に元妻がその自宅を譲渡した場合の譲渡所得は、これらをもとに計算します(所基通38-6)。

②贈与によって取得した場合

贈与により取得した自宅については、贈与者(元夫)の取得時期及び取得費がそのまま受贈者(元妻)に引き継がれ、後に元妻がその自宅を譲渡した場合の譲渡所得は、これらをもとに計算します(所法60①)。

(2)住宅ローン控除

自宅について金融機関からの借入残高があり、その借入を元妻が負担承継する場合には、元妻が住宅ローン控除の適用要件を満たしていれば、元妻は住宅ローン控除の適用を受けることができます(措法41)。

 

3.不動産取得税


不動産取得税は、財産分与の性質により、その取扱いが異なります。婚姻中の財産関係の清算の場合(実質的共有財産を対象とした清算的財産分与の場合)は基本的に課税されませんが、離婚の原因が元夫にあり元妻への慰謝料として行われる場合(慰謝料的財産分与)や、離婚後の元妻への扶養のために行われる場合(扶養的財産分与)等は課税されます。詳細は、タクトニュース782号を参照してください。

 

4.登録免許税(登法9、別表第1)


財産分与により取得した自宅の登記に際しては、「固定資産税評価額×2 %」の登録免許税が課税されます。

 

5.印紙税


前回の解説の2.参照。

 

6.固定資産税(地法343、350、359)


財産分与の翌年以降、元妻は「固定資産税評価額×1.4%」の固定資産税を負担する必要があります。

 

7.最後に


離婚に伴う財産分与により自宅を取得する場合、基本的に元妻に贈与税は課税されませんが、その後その自宅を譲渡する際には、その自宅の取得時期及び取得費は、元夫のものを引き継がず、財産分与時のものとなります。例えば、財産分与により取得した自宅を5年以内に譲渡する場合には、譲渡所得税等の適用税率は39.63%(所得税、復興特別所得税及び住民税の合計)と高率で課税されます(自宅を譲渡する場合の適用税率はタクトニュース№790の1. (1)①(b)参照)。
また、不動産取得税や登録免許税等の課税もあるため、もし元妻が自宅に居住し続ける予定がないのであれば、将来の税負担も考慮して、どのタイミングでどのような財産で分与を受けるか等、事前に検討し交渉する必要があると思われます。税負担の詳細については、税理士にご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/07/22)より転載

[M&Aニュース](2019年7月1日〜7月12日)

◇日本紙パルプ商事<8032>、英国の紙・包装資材卸売り会社PREMIER PAPER GROUPを子会社化、◇トスネット<4754>、北海道地盤の北日本警備を子会社化、◇モブキャストホールディングス<3664>、エンタメ関連IP管理のゲームゲートを子会社化、◇ソフィアホールディングス<6942>、調剤薬局の盛徳商事を子会社化、◇リコー<7752>、コンテンツ管理システムの独ドキュウェアを子会社化  ほか

 

ショーケース<3909>、スマホWebアプリ「Go!Store」事業をコンコースに譲渡

◆ショーケースは、スマートフォンWebアプリ「Go!Store」事業を、インターネット事業のコンコース(東京都渋谷区)に譲渡することを決めた。当該事業の直近売上高は875万円。譲渡価額は1850万円。譲渡予定日は2019年7月31日。

 

サン・ライフホールディング<7040>、伊豆箱根鉄道から介護事業を取得

◆サン・ライフホールディングは、伊豆箱根鉄道(静岡県三島市)から介護事業を取得することを決めた。ショートステイやデイサービスを提供する「エミーズ東間門」(静岡県沼津市)、「エミーズ原」(同)、「エミーズ鴨宮」(神奈川県小田原市)の3施設が対象。出生から葬儀・法要までのトータルライフサポートの実現の一環。取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

Gunosy<6047>、ブロックチェーン関連子会社LayerXの株式をMBOで譲渡

◆Gunosyは、ブロックチェーン(分散型台帳)に関するコンサルティングやシステム開発を手がける子会社のLayerX(東京都港区。売上高1億400万円、営業利益100万円、純資産1億円)の株式45%を、LayerX社長の福島良典氏に譲渡することを決議した。福島氏から申し出のあったMBO(経営陣による買収)の一環。福島氏はGunosyの取締役ファウンダー(創立者)。譲渡価額は1億3500万円。譲渡予定日は2019年8月23日。

LayerXは2018年8月にGunosyとAnyPay(東京都港区)が折半出資で設立した。この1年間でブロックチェーンをめぐる市場環境が急激に変化したのに伴い、経営の先行きに不透明感が増している。こうした中、同社社長の福島氏からMBOの申し出があったという。

 

リクルートホールディングス<6098>、求人広告自動最適化プラットフォームを運営する英Blackstone Pointを子会社化

◆リクルートホールディングスは欧州子会社を通じて、求人広告自動最適化プラットフォーム「ClickIQ」を運営する英国Blackstone Point LTD(サリー州)の全株式を取得し子会社化することを決議した。Blackstone Pointは2015年に設立。同社が2017年に提供を始めた「ClickIQ」はAI(人工知能)技術を用い、顧客企業の求人広告費用をリアルタイムで管理し、最適な応募者とのマッチングを可能にする。取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月中。

 

ナカシマ、水道工事の安藤建設を完全子会社化

◆上下水道資材や空調機器、住宅設備機器などの販売や工事などを手がけるナカシマ(兵庫県姫路市)は、神戸市を中心に水道工事事業を展開している安藤建設(神戸市、資本金2000万円)を完全子会社化した。神戸市で配水管の更新需要の増大が見込まれているため、工事や営業に関する情報を交換することで両社の事業を拡大するのが狙い。取得金額は非公表。取得日は2019年7月5日。

 

東京エネシス<1945>、発電プラント関係設備製造のタイ合弁「TES Practicum」を特定子会社化

◆東京エネシスは、発電プラント関係設備の製造・販売を目的とするタイの合弁会社TES Practicum(バンコク。売上高800万円、営業利益△900万円、純資産800万円)の増資に伴う株式の追加取得により、同社を特定子会社とする。合弁会社への出資額が東京エネシス本体の資本金額の10%以上に相当するため、従来の関連会社から特定子会社の扱いとなる。取得価額は約8億2300万円。取得予定日は2019年8月。

東京エネシスは2016年に現地企業と合弁でTESを設立した。TESはこのほど、タイ国内で工場(2020年4月に本格稼働を予定)を新規取得。これに伴い、資本金を従来の約3500万円(1000万バーツ)から約17億1500万円に増資することになったもので、東京エネシスは応分の株式を追加取得する。増資後の持ち株比率は49%(増資前48%)、現地企業51%(同52%)。

 

マネックスグループ<8698>、しあわせパートナーズ信託を子会社化

◆マネックスグループは、信託会社のしあわせパートナーズ信託(東京都港区。資本金1億円)の株式90%を取得し連結子会社化し、11日付で「マネックスSP信託」に社名変更した。同社は昨年4月、仮想通貨交換業のコインチェック(東京都渋谷区)を傘下に収めた。今回、新たに信託を取り込み、グループの金融サービス機能を強化する。取得価額は非公表。

 

アゴーラ・ホスピタリティー・グループ、大阪・千日前でホテル運営の難波・ホテル・オペレーションズを子会社化

◆アゴーラ・ホスピタリティー・グループは、宿泊業の難波・ホテル・オペレーションズ(東京都港区。売上高10億9000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。宿泊事業の拡大が狙い。難波・ホテル・オペレーションズは大阪・千日前にある200室規模のホテルを賃貸借契約に基づき運営している。取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月末。

 

クイック<4318>、システム開発のクロノスを子会社化

◆クイックは、システム開発事業などを手がけるクロノス(東京都品川区。売上高5億4500万円、営業利益458万円、純資産1億6000万円)の株式90.79%を追加取得し、完全子会社化することを決議した。

クロノスは2002年に設立し、システム開発事業と教育事業を経営の2本柱とする。近年はAI(人工知能)関連システムの開発、導入支援に積極的に取り組むと同時に、AI分野のエンジニア育成研修に力を入れている。

クイックは人材紹介や求人広告の取り扱いを主力とする。クロノスを傘下に取り込み、人材採用・労務管理などのシステム開発を推し進めるとともに、エンジニア教育事業の拡充を通じて顧客企業の人手不足の解消やIT化を支援する。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年10月1日。

 

HIS、オフィス賃貸・ホテル運営のユニゾHDに426億円投じTOB 「敵対的」の可能性も

◆旅行大手のHIS(エイチ・アイ・エス)は10日、オフィスビル賃貸事業とビジネスホテル事業を手がけるユニゾホールディングス(HD)に対するTOB(株式公開買い付け)を11日から開始すると発表した。現在4.79%の所有割合を45%まで高める。HISは昨年12月から今年4月にかけてユニゾHDに出資を含む資本・業務提携についての協議を申し入れたものの、これに応じてもらえなかったことから、TOBを通じて提携実現に向けた強い意思を示す必要があると判断したという。

HISは今回のTOB実施について、事前にユニゾHD側と協議を行っていない。ユニゾHDは取締役会として10営業日以内に、TOBに賛成、反対、中立などの意見表明を行う。ユニゾHDの意見表明の内容次第では敵対的TOBに発展する可能性がある。同社の上場は維持する。

買付価格は1株3100円で、TOB公表前日のユニゾHD株式の終値1990円に55.78%のプレミアムを加えた。買付予定数の上限は所有割合で40.21%に相当する1375万9700株とし、買付金額は最大426億5500万円。買付期間は7月11日~8月23日。決済開始日は8月30日。公開買付代理人(証券会社)はエイチ・エス証券。

ユニゾHDはオフィスビル賃貸事業を主力とし、米国でも展開する。ビジネスホテル事業については、大都市圏や地方中核都市で「ホテルユニゾ」「ユニゾイン」「ユニゾインエクスプレス」の3ブランドで25ホテルを運営する。HISは自社の旅行事業とユニゾHDのホテルを含む不動産事業との連携を通じて双方の収益機会の拡大を目指す。

ユニゾHDは1959年に大商不動産(東京都中央区)として設立し、合併や再編を重ね、2015年に現社名となった。ホテル事業は1977年から手がけている。この間、2009年に東証2部に上場した(2011年に1部昇格)。

 

ジェイテクト<6473>、トヨタ自動車傘下「豊精密工業」の子会社化を検討

◆ジェイテクトは、トヨタ自動車が100%出資する豊精密工業(愛知県瀬戸市)の全株式を取得し、子会社化する方向で検討することを決議した。実施時期、株式取得方法などの詳細は今後両社で協議する。

豊精密は駆動製品であるデファレンシャルギヤの生産を主力とする。ジェイテクトは同じ駆動製品の電子制御カップリングをはじめとするトルクコントロールデバイスを開発・生産している。豊精密を子会社化することで駆動製品の事業基盤を強化する。

豊精密は1958年に設立し、従業員957人(4月1日時点)。

 

グランディハウス<8999>、不動産仲介・売買のプラザハウスなど2社を子会社化

◆グランディハウスは、不動産売買・仲介を手がけるプラザハウス(川崎市。売上高27億6000万円、営業利益8230万円、純資産10億1300万円)とウェルカムハウス(同。売上高8750万円、営業利益348万円、純資産3080万円)の2社の全株式を取得し子会社化することを決議した。

プラザハウス(1998年設立)とウェルカムハウス(2006年設立)は兄弟会社で、プラザハウス社長の柳英明氏が両社に全額を出資する。2社は川崎市を中心に田園都市線沿線を営業エリアとする。グランディハウスは本社を置く栃木県をはじめ北関東3県を地盤とし、住宅など不動産販売事業を展開する。今回の子会社化を機に、神奈川県に本格進出する。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月19日。

 

ファイズ<9325>、貨物運送のドラゴン・ホールディングスを子会社化

2019-07-08

◆ファイズは、貨物運送のドラゴン・ホールディングス(愛知県大府市。売上高21億2000万円、営業利益1900万円、純資産9億6500万円)の株式51%を取得し子会社化することを決議した。

ファイズはサードパーティーロジスティクス(荷主が第三者であるロジスティクス業者に対し、物流業務全般を長期間一括して委託すること)業務をネット通販向けなどに展開している。中部地区を地盤に中・大型車両による貨物輸送を手がけるドラゴンを傘下に取り込み、物流サービス面での連携強化を目指す。

取得価額は6億2300万円(アドバイザリー費用などを含む)。取得予定日は2019年10月9日。

 

日本紙パルプ商事<8032>、英国の紙・包装資材卸売り会社PREMIER PAPER GROUPを子会社化

◆日本紙パルプ商事は、英国の紙・包装資材卸大手PREMIER PAPER GROUP LIMITEDを傘下に持つRADMS PAPER LIMITED(売上高318億円、営業利益14億2000万円、純資産19億8000万円)の株式60%を取得し子会社化することを決議した。1年後をめどにRADMS株式の追加取得を行い、100%子会社化するオプション権を保有する。日本紙パルプ商事は基幹事業の「国内卸売」に加え、「海外卸売」「製紙・加工」「資源・環境」「不動産賃貸」の各重点分野で事業の拡充に力を入れている。「海外卸売」では2010年に米Gould Paperを買収したのをはじめ、豪州、シンガポールの紙・包装資材会社を相次いで傘下に収めた。英国の紙・板紙の需要は年間約 850 万㌧。その多くを欧州大陸からの輸入に頼り、在庫・物流機能を持つ紙商が重要な役割を担っている。今回子会社化するPREMIERは英国第2位の売上規模を誇る大手紙商で、英国内18 拠点、約3000 の顧客を持つ。従業員は480人。日本紙パルプ商事は両社の国際的なネットワークを融合させることで 英国での卸売事業の拡大を目指す。取得価額は52億2000万円。取得日は2019年7月5日。

 

トスネット<4754>、北海道地盤の北日本警備を子会社化

◆トスネットは警備会社の北日本警備(札幌市。売上高3億1000万円、営業利益837万円、純資産1億4900万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。北日本警備は1970年に設立で、北海道内を地盤とする。工事現場の警備業務を主力に、駐車場での交通誘導警備、イベント会場の雑踏警備、各種施設の常駐警備、巡回警備、機械警備などを幅広く手がける。トスネットは交通誘導警備と施設警備を主力とする。同社は札幌市内にアーバン警備保障とI・C・Cインターナショナルの2警備子会社を持つ。北日本警備を傘下に取り込み、現地2社との連携でシナジー(相乗効果)創出を期待している。取得価額は2億50万円。取得日は2019年7月3日。

 

モブキャストホールディングス<3664>、エンタメ関連IP管理のゲームゲートを子会社化

◆モブキャストホールディングスは、アニメや漫画・ゲームを中心としたエンターテイメント関連の知的財産権(IP)管理を手がけるゲームゲート(東京都渋谷区。売上高6億400万円、営業利益4960万円、純資産1億600万円)の全株式を取得し子会社化することで基本合意した。ゲームゲートは2011年に設立。「ガールズ&パンツァー」「転生したらスライムだった件」などのゲーム化、「ご注文はうさぎですか?」「この素晴らしい世界に祝福を!」などのアプリ化をはじめ、その知的財産利用時のマネジメントで実績を積んできた。取得価額は未定。取得予定日は2019年12月末。

 

ソフィアホールディングス<6942>、調剤薬局の盛徳商事を子会社化

◆ソフィアホールディングスは、調剤薬局3店舗を都内で経営する盛徳商事(東京都世田谷区。売上高2億9100万円、営業利益1120万円、純資産3900万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。盛徳商事は1965年に設立。取得価額は9200万円。取得予定日は2019年8月1日。

 

ソフィアホールディングス<6942>、アールエムエスからSSL証明書事業を取得

◆ソフィアホールディングスは子会社を通じて、アールエムエス(東京都多摩市)からWebサイトの身元証明などに必要となる「SSL証明書」販売事業を取得することを決議した。インターネット関連事業を強化する一環。取得価額は非公表。取得予定日は2019年8月1日。

 

リコー<7752>、コンテンツ管理システムの独ドキュウェアを子会社化

◆リコーは、コンテンツ管理システムを提供するドイツDocuWare GmbH(ドキュウェア)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ドイツ、オーストリアでの競争当局の審議を経て今夏に株式取得を目指す。取得価額は非公表。ドキュウェアは1988年に設立し、画像や動画、音声など様々な形式のコンテンツを統合的に管理するクラウド型・オンプレミス型システムを展開し、ワークフローの自動化や会計システムとの連携を実現している。リコーはこれまでドキュウェア製品の販売を手がけるなどパートナー関係にあった。

 

ログリー<6579>、PLAN-Bからユーザー分析DMPサービス「Juicer事業」を取得

◆ログリーは、デジタルマーケティング事業のPLAN―B(大阪市)からユーザー分析DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)サービス「Juicer事業」を取得することを決議した。当該事業の売上高は9900万円。取得価額は未定。取得予定日の2019年9月30日までに取得価額を確定させる(ただし着手金として4400万円を7月1日付で支払い)。ログリーはネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」を軸に、広告主(代理店を含む)の広告効果の最大化や媒体社(メディア)の満足度向上に向けたサービスを提供している。「Juicer事業」を取り込むことで、インターネット広告市場を牽引している運用型広告の市場領域拡大に生かせると判断した。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

相続税の個人版事業承継税制の対象資産(「特定事業用資産」)

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎信義/税理士)

 

 1.相続税の個人版事業承継税制の概要


相続税の個人版事業承継税制とは、下記2の特定事業用資産を所有し、事業(不動産貸付業等を除く。以下同じ。)を行っていた先代事業者として一定の者(被相続人)から、後継者として一定の者(特例事業相続人等)が、2019年1月1日から2018年12月31日までの相続又は遺贈(相続等)により、その事業にかかる特定事業用資産の全部を取得した場合に、その特定事業用資産にかかる相続税について、担保の提供その他一定の要件を満たすことにより納税が猶予され、後継者の死亡等により猶予されている相続税の納付が免除される税制をいいます(租税特別措置法(措法)70条の6の10第1項)。

 

2.特定事業用資産の意義


(1)特定事業用資産の範囲

「特定事業用資産」とは、先代事業者の事業の用に供されていた次の資産です。ただし、その贈与または相続等の日を含む年の前年分の事業所得にかかる青色申告書(措法25条の2第3項に規定する65万円の青色申告特別控除にかかるものに限る。)の貸借対照表に計上されていたもの限ります(措法70条の6の10第2項1号、同施行規則23条の8の8第2項等)。

 

①宅地等
事業の用に供されていた土地または土地の上に存する権利で、建物または構築物の敷地の用に供されているもののうち、棚卸資産に該当しないもので、面積が400㎡以下の部分。

 

②建物
事業の用に供されていた建物で、棚卸資産に該当しないもののうち床面積の合計が800㎡以下の部分。

 

③減価償却資産
②以外の減価償却資産のうち、構築物、機械装置、器具備品、船舶等、一定の自動車等、乳牛・果樹等の生物、特許権等の無形減価償却資産。

 

(2)先代事業者の生計一親族の所有する資産

上記(1)の「先代事業者」には、先代事業者と生計をーにする配偶者その他の親族が含まれます(措法70条の6の10第2項1号かっこ書)。したがって、先代事業者が配偶者の所有する土地の上に建物を建て、事業を行っていた場合におけるその土地など、先代事業者と生計をーにする親族が所有する資産のうち上記(1)①~③のいずれかに該当するものについても、特定事業用資産に該当します。

 

ただし、先代事業者と生計をーにする親族が所有する資産が特定事業用資産に該当するためには、(1)の下線部の通り、その資産が先代経営者の一定の青色申告書にかかる貸借対照表に計上されている必要があります(措法70条の6の10第2項1号)。所得税の青色申告にかかる貸借対照表に、同一生計親族名義の資産を計上する処理を通常は行わないので、今後の取扱いについては国税庁通達等を確認する必要があります。

 

3.小規模宅地等の特例の適用を受ける者がいる場合


2(1)①の宅地等につき、先代事業者および先代事業者と生計を一にする親族(以下「先代事業者等」)から相続等により取得した宅地等について、措法69条の4の小規模宅地等の特例の適用を受ける者がいる場合には、その適用を受ける小規模宅地等の区分に応じ相続税の個人版事業承継税制の適用が次のとおり制限されます(措法70条の6の10第2項1号イ、2号へ、同施行令40条の7の10第7項)。

 

 

上図①のとおり、特定事業用宅地等にかかる小規模宅地等の特例と相続税の個人版事業承継税制については併用できず、どちらかを選択することになります。

 

相続税の個人版事業承継税制は100%納税猶予・免除が可能ですが、後継者が納税猶予を継続し、免除に至るまでには、原則として終身の事業継続や資産保有が求められます(措法70条の6の10第3項、第15項等)。小規模宅地等の特例に比べて要件が厳しいため、後継者が相続等による取得する特定事業用資産の価額のうち宅地等がその大半を占める場合には、通常は小規模宅地等の特例を選択するケースが多いと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

士法人タクトコンサルティング「TACTニュース」(2019/07/08)より転載

[解説ニュース]

最近の事例にみる「不動産所得で経費になるもの」

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

 1.はじめに


個人でアパート経営をしている場合、不動産所得の計算上、必要経費になる支出の範囲で、税務調査で否認されるかどうか不安になるケースがあります。むろん、必要経費になることがはっきりしているものは、きちんと必要経費に算入して適切な課税所得の計算につなげたいものです。

 

不動産所得は、所得税の計算上、アパートの家賃や地代などの収入から必要経費を差し引いて計算します。不動産所得の必要経費となるもので、よく知られているものといえば、アパートなどの資産についての固定資産税・都市計画税、火災保険などの保険料、減価償却費や修繕費などです。これらについては、大きな争いの種になることはありません。

 

必要経費とは原則、「売上原価その他当該総収入金額を得るために直接した費用及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」(所法37)です。このうち、家事上の経費と明確に区分でき「その年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」については、税務署と見解を異にするケースが少なくないところです。

2.最近の裁決から


最近の裁決で「その年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」で、税務署が否認した支出のうち、国税不服審判所が一部を必要経費と認めた事例が出ています(国税不服審判所平成30年9月12日)。

 

裁決書によると、勤め先を退職する前から不動産賃貸業を始めていたAさんは、退職時期をまたいで不動産賃貸業の業務に励んでいたといいます。

 

しかし、平成25年分から平成27年分の所得税の確定申告では、必要経費をめぐって税務署と争いになり、最終的に国税不服審判所に判断してもらうことになりました。

 

具体的に問題になった支出は①業務の参考図書等の費用「図書研修費」約34万円、②業務を円滑にする「接待交際費」約46万円、③福利厚生費などです。

3.考え方の基本


国税不服審判所は、まず「所得税法第37条第1項に規定する「販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」とは、当該業務の遂行上生じた費用、すなわち業務と関連のある費用をいうが、単に業務と関連があるというだけでなく、客観的にみてその費用が業務と直接の関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要なものに限られると解するのが相当である」と述べ、考え方のポイントを示しました。一方、家事関連費については、「「必要経費」と「家事費」の両要素が混在しているため、原則として必要経費に算入できないが、所得税法第45条第1項第1号及びこれを受けた所得税法施行令第96条第 1号の規定により、その主たる部分が業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、その部分に相当する経費に限り必要経費に算入され、また、同条第 2 号の規定により、青色申告者については、家事関連費のうち業務の遂行上必要である部分が主たる部分でなくても、取引の記録等に基づいて業務の遂行上直接必要であったことが明らかにされる部分がある場合には、その部分に相当する経費は必要経費に算入される」と整理しました。

4.必要経費と認められたもの


そのうえで国税不服審判所は、具体的に次のような支出については、必要経費になると判断しています。

 

ア、不動産賃貸経営及び住まいのリフォーム並びに会社経営及び住宅建築上のノウハウなどの建築工事に関して書かれた書籍を購入するための支出のうち、コンクリートのひび割れ補修等に活用された書籍等の購入費用。

 

Aさん自身においても、賃貸物件の維持管理に際し、コンクリートひび割れ用塗布剤等を購入し、賃貸物件の各室の機器や備品の交換、補修、修理等、各種の作業を行っていることが認められたからです。

 

イ、 事業に係る不動産の管理会社である管理会社Zを訪問した際の手土産代及び管理会社のスタッフに対する謝礼のためのギフト券の購入費。

 

Aさんは、不動産管理会社に対してお菓子を贈答している事実が複数回認められ、そして、平成26年において管理会社Z等が管理する物件に係る収入が前年に比して増加している事実が認められる。この支出は、不動産管理会社との円滑な取引関係を維持するために支出されたものと認めることができるから、当該支出は客観的にみて業務に直接関係し、かつ、業務の遂行上必要な費用であると認められたからです。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/07/01)より転載

[M&Aニュース](2019年6月17日〜6月28日)

◇テクノホライゾン・ホールディングス<6629>、メカトロ関連装置のエムディテクノスを子会社化、◇ハウスコム<3275>、営繕工事のエスケイビル建材を子会社化、◇フォーシーズホールディングス<3726>、総合衛生管理コンサルティングのHACCPジャパンを子会社化、◇エン・ジャパン<4849>、外国人向け求人事業のJapanWorkを子会社化、◇Fonfun<2323>、受託ソフト開発子会社のアドバンティブをAHDに譲渡  ほか

 

日本取引所グループ<8697>、東京商品取引所へのTOB延期

◆日本取引所グループ(JPX)は28日、経営統合で基本合意(3月末)している東京商品取引所(東商取)に対するTOB(株式公開買い付け)を延期すると発表した。6月末にTOB実施を予定していたが、現時点で買付価格について合意にいたっていないのが理由。

当初計画は6月末~9月までをTOB期間として株式を買い付け、10月に決済して東商取を完全子会社化する内容。TOB開始は延期するものの、TOBの終了日や決済日のスケジュールについては変更しないことを前提に今後協議を進めるとしている。

JPXは傘下の東京証券取引所が株式、大阪取引所が金融派生商品(デリバティブ)を扱っている。穀物や原油、金などの商品先物を扱う東商取を取り込むことで、様々な金融商品をワンストップで扱う「総合取引所」の実現を目指している。経営統合したうえで、2020年度の早い時期に商品移管や清算機関の統合を済ませる予定。

JPXは2013年に東京証券取引所グループと大阪証券取引所(現大阪取引所)が経営統合して発足した。一方、東商取も同年、東京工業品取引所が東京穀物品取引所の商品を引き継いで誕生した。JPXと東商取は昨年10月から総合取引所構想に向けて統合協議を進め、今年3月末に基本合意した。

 

ミクシィ<2121>、スマホフォトプリント事業のスフィダンテを子会社化

◆ミクシィはスマホフォトプリント事業を手がけるスフィダンテ(東京都渋谷区。売上高3億5500万円、営業利益4400万円、純資産6700万円)の全株式を取得し子会社化した。

スフィダンテは2009年に設立。スマホで撮影した写真で高品質な写真年賀状を作れる年賀状アプリサービスを複数展開する。ミクシィは2015年4月から写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」を提供し、6月に利用者数が500万人を突破した。スフィダンテのサービスを組み合わせ、付加価値の向上につなげる。

取得価額は非公表。取得日は2019年6月28日。

 

総合メディカルホールディングス<9277>、病院内の売店・コンビニを運営する滋賀文教綜合サービスを子会社化

◆総合メディカルホールディングスは、病院内の売店やコンビニエンスストアなどを運営する滋賀文教綜合サービス(大津市)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

総合メディカルは子会社の文教(東京都千代田区)を通じて滋賀文教綜合サービスを傘下に収める。文教は病院内の売店・コンビニ、レストランなどの事業を関東、中部、九州を中心に約100病院で展開している。今回、滋賀文教綜合サービスを傘下に取り込み、関西での営業基盤を強化する。

取得価額は非公表。取得日は2019年6月28日。

 

カヤック<3904>、木材流通加工の八女・流域資本を子会社化

◆カヤックは、木材流通加工の八女・流域資本(福岡県八女市)が実施する第三者割当増資を引き受け、同社を子会社化(所有割合98.1%)した。

八女・流域資本は2019年2月に、福岡県下で最大の森林を持つ八女市ならではの循環型林業モデルの構築を目的に設立。今後、木材加工・卸売り、建築業、地域プロモーション、賃貸住宅事業などを計画している。

カヤックはグループ会社を通じて、地域創生関連事業を手がける。八女市ではこれまで地元の八女里山賃貸(福岡県八女市)に出資し、定住・移住希望者の地方におけるライフスタイル構築を支援するなどしてきた。

取得価額は510万円。取得日は2019年6月28日。

 

五洋インテックス<7519>、前社長の資産管理会社と持分の帰属を争っていた子会社「キュアリサーチ」を譲渡

◆五洋インテックスは27日、遺伝子検査事業や訪日外国人観光客(インバウンド)向け医療観光事業を手がける全額出資子会社、キュアリサーチ(東京都中央区。売上高1億3900万円、営業利益△3740万円、純資産2250万円)の持分の帰属をめぐり、五洋前社長の大脇功嗣氏が経営する資産管理会社「大倉商事(現オオクラコーポレーション)」(東京都中央区)と争っていた問題から手を引くことを決めたと発表した。キュアリサーチの全株式が4月27日付で大倉商事の所有となり、キュアリサーチは連結子会社から外れた。譲渡価額は4100万円(質権行使価額)。

五洋は4月28日に臨時株主総会を開き、大脇前社長を解任している。

五洋は昨年12月末、カーテンなど室内装飾品事業の運転資金確保を目的に、大脇前社長の資産管理会社である大倉商事から9000万円を借り入れ、その際、子会社のキュアリサーチの全株式を担保に差し出した。その後、両社は2019 年4 月19日に、当初の一括返済から分割返済に返済スケジュールを変更した。ところが、4月26 日に第1回の支払期限が到来したものの、大脇前社長ら旧経営陣が支払いを行わなかったため、債権者の大倉商事が4月27日に質権を行使した。

これに対し、五洋は意図的に支払いを行わなかった大脇前社長の行為は特別背任罪に該当するなどとして、キュアリサーチ株式の帰属を争っていた。

五洋側の発表によると、2019年6月中旬頃、キュアリサーチが税金を期限内に支払えない状況で、しかもキュアリサーチの旧経営陣が別会社を設立し、従業員を移籍させ事実上、同社を抜け殻としたという情報が入ったため、 4月27日の時点でキュアリサーチの株式が大倉商事に移転したことを前提に持分の帰属を争わないことにしたという。

 

アジャイルメディア・ネットワーク<6573>、Webサービスのクリエ・ジャパンを子会社化

◆アジャイルメディア・ネットワークはWebサービスのクリエ・ジャパン(東京都渋谷区。売上高3000万円、営業利益△1600万円、純資産△2580万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

クリエ・ジャパンは2010年に設立し、購買情報、属性情報、契約内容、口コミ情報など各種ユーザーデータに基づき、サーバー上で動画を組み合わせ画像素材を合成して、一人ひとりに合わせて行うone to oneマーケティングを実現する動画ソリューション「PRISM」を提供している。

アジャイルメディアは企業やブランドのファンの育成・活性化を支援するアンバサダー事業を主力とする。クリエ・ジャパンの動画ソリューションを取り込み、業容拡大につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月1日。

 

ヒビノ<2469>、防音設備工事のサンオーを子会社化

◆ヒビノは、防音設備工事のサンオー(東京都台東区。売上高2億4600万円、営業利益2500万円、純資産1900万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

サンオーは1989年に設立し、工場やオフィスビル、公共施設、商業施設の騒音対策工事を主力とするほか、防音パネルやサイレンサーなどの防音設備製品をつくっている。

ヒビノは子会社の日本音響エンジニアリング(東京都墨田区)を通じて、工場などの騒音対策のコンサルティングサービスを提供している。サンオーを傘下に取り込み、騒音対策事業の育成を加速する。

取得価額は7000万円。取得予定日は2019年8月1日。

 

日本エスコン<8892>、戸建分譲のワンズオウンハウスなど2社を子会社化

◆日本エスコンは、戸建分譲のワンズオウンハウス(さいたま市。売上高21億1000万円、営業利益1億6300万円、純資産4億8600万円)、戸建建築工事のライズホーム(さいたま市。売上高11億5000万円、営業利益1億700万円、純資産11億1000万円)の2社の全株式を取得し子会社化することを決議した。

子会社化する2社は兄弟会社。ワンズオウンハウスは年間40戸程度の戸建分譲事業を、ライズホームは年間60戸程度の戸建建築工事を手がけている。両社が地盤とする埼玉県は1年間の人口増加率が東京に次ぐ全国2位で、2018年度のマンション供給戸数は前年度比8.5%増と首都圏で千葉に次ぐ伸び率を示している。

日本エスコンは両社を傘下に取り込み、都心のベッドタウンとして安定的な成長が見込める埼玉エリアでの不動産事業の強化につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月1日。

 

日本エスコン<8892>、戸建分譲のワンズオウンハウスなど2社を子会社化

◆日本エスコンは、戸建分譲のワンズオウンハウス(さいたま市。売上高21億1000万円、営業利益1億6300万円、純資産4億8600万円)、戸建建築工事のライズホーム(さいたま市。売上高11億5000万円、営業利益1億700万円、純資産11億1000万円)の2社の全株式を取得し子会社化することを決議した。

子会社化する2社は兄弟会社。ワンズオウンハウスは年間40戸程度の戸建分譲事業を、ライズホームは年間60戸程度の戸建建築工事を手がけている。両社が地盤とする埼玉県は1年間の人口増加率が東京に次ぐ全国2位で、2018年度のマンション供給戸数は前年度比8.5%増と首都圏で千葉に次ぐ伸び率を示している。

日本エスコンは両社を傘下に取り込み、都心のベッドタウンとして安定的な成長が見込める埼玉エリアでの不動産事業の強化につなげる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月1日。

 

クリエイト・レストランツHD<3387>、西洋フード・コンパスグループからゴルフ場内のレストラン運営事業を取得

◆クリエイト・レストランツ・ホールディングス(HD)は、社員食堂や学校給食などの運営受託を主力とする西洋フード・コンパスグループ(SFCG、東京都中央区)からレストラン運営事業の一部を取得することを決議した。ゴルフ場やテーマパーク、商業施設内でのレストランなど134店舗を対象とする。取得価額は58億8400万円。

クリエイト・レストランツは、SFCGが対象事業を会社分割する目的で5月に新設したエスエスエル(東京都中央区)の全株式を9月1日付で取得して連結子会社化する。株式取得後、社名を「クリエイト・スポーツ&レジャー」に変更する予定。対象事業の直近業績は売上高118億円、営業利益6億円、純資産13億円。ゴルフ場でのレストラン運営では業界トップのシェアを持つという。

クリエイト・レストランツはゴルフ場内のレストラン運営のアウトソーシング(外部委託)化の流れを踏まえ、今後も受託増加が見込め、安定的な収益確保につながると判断した。

 

三菱重工業<7011>、カナダ・ボンバルディアの小型旅客機事業を590億円で買収

◆三菱重工業は25日、カナダの航空機メーカー、ボンバルディアから小型ジェット旅客機事業を買収することで合意したと発表した。座席数50~100席の小型旅客機「CRJ」シリーズに関する保守・顧客サポート、改修、販売、型式証明などを5億5000万ドル(約590億円)で取得する。200億ドル(約210億円)の債務も引き受ける。ボンバルディアの顧客基盤や整備・補修拠点(カナダ、米に各2カ所)を引き継ぎ、子会社の三菱航空機が2020年半ばに納入を目指す国産ジェット「スペースジェット(旧MRJ)」の事業拡大につなげる。

買収するCRJ事業の業績は売上高約1880億円、支払金利前税引き前利益(EBIT)△約807億円。買収対象に製造機能は含まない。2019年末~2020年上期に買収完了を見込む。

CRJの製造拠点(カナダ・ケベック州)はボンバルディアに残り、ボンバルディアが部品や予備部品の供給を継続する。CRJの生産は受注残機体の納入後、2020年後半に終了する予定。

金融情報サービス大手のリフィニティブによると、今回の三菱重工によるボンバルディアのCRJ事業の買収は日本企業によるカナダ案件として2012年の三菱商事によるエンカナの天然ガス開発プロジェクトへの投資約1160億円に次ぐ2番目の規模。

 

アクセル<6730>、ソフト開発のbitcraftを子会社化

◆アクセルは、ソフト開発のbitcraft(東京都渋谷区。本社売上高1億400万円、営業利益2700万円、純資産4800万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

アクセルは2014年設立で、メンバー全員が日本語を母国語としない人材で構成されるという。アクセルは傘下企業のax(東京都千代田区)を通じてミドルウエア、AI(人工知能)関連のソフト開発事業を手がけるが、成長加速のためにAI技術者やグローバル人材の積極的な採用を課題としていた。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月1日。

 

東テク<9960>、太陽光発電子会社のケーピーエネルギーを日本再生可能エネルギーに譲渡

◆東テクは太陽光発電事業子会社のケーピーエネルギー合同会社(東京都千代田区。売上高―、営業利益△8700万円、純資産32億5000万円)の全持分(持分割合84.5%)を、太陽光発電事業の日本再生可能エネルギー(東京都港区)に譲渡することを決議した。

東テクは2017年3月に太陽光発電事業を手がけるケーピーエネルギーに出資し、連結子会社化した。ケーピーエネルギーは栃木県矢板市で太陽光発電所の建設を進めている。しかし、太陽光や風力でつくった電気を大手電力会社が買い取るFIT(固定価格買い取り制度。2012年創設)が終了の方向にあるのに加え、進行中の建設工事でゲリラ豪雨による土砂崩落が発生するなどしており、こうした事業遂行上のリスクを総合的に勘案した結果、譲渡を決めた。

譲渡価額は39億1600万円。譲渡予定日は2019年7月26日。

 

凸版印刷<7911>、建装用化粧シートメーカーの独インタープリントを子会社化

◆凸版印刷は24日、建装材用化粧シートの大手メーカー、ドイツのインタープリント(アルンスベルク市。売上高約438億円、純資産約205億円)の全株式を取得し子会社化すると発表した。取得価額は3億8400万ユーロ(約480億円)。12月中に買収を完了する。

インタープリントは1969年に設立し、従業員約1300人。ドイツ、米国、ポーランド、マレーシア、中国、ロシア、ブラジルに生産拠点を持ち、家具や建具、床などの表面化粧材として使われる建装材で世界有数の規模で事業を展開する。

凸版印刷は1956年に印刷技術を生かして建装材事業に進出し、1970年代から海外市場の開拓に乗り出した。現在、米国内2カ所に建装材印刷工場を持つ。2017年にはスペインのデコテックプリンティング(カタルーニャ州)を買収し、海外での生産体制を強化してきた。

 

テクノホライゾン・ホールディングス<6629>、メカトロ関連装置のエムディテクノスを子会社化

◆テクノホライゾン・ホールディングスは、メカトロニクス関連装置メーカーのエムディテクノス(愛媛県西条市。資本金1000万円)の全株式を取得し子会社化した。FA(ファクトリー・オートメーション)事業強化の一環。取得価額は非公表。取得日は2019年6月21日。

 

ハウスコム<3275>、営繕工事のエスケイビル建材を子会社化

◆ハウスコムは、営繕工事のエスケイビル建材(埼玉県富士見市。売上高6億6800万円、営業利益6020万円、純資産1億4500万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

エスケイビル建材は2007年に設立。塗装工事、金属建具工事、リニューアル工事などの各種営繕工事を主力とし、関東地区で外注業者と緊密な関係を築いている。ハウスコムは経営多角化の一環として2016年3月にリフォーム事業に進出した。今回、エスケイビル建材を傘下に取り込み、同事業の拡大を促す。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月1日。

 

フォーシーズホールディングス<3726>、総合衛生管理コンサルティングのHACCPジャパンを子会社化

◆フォーシーズホールディングスは、総合衛生管理コンサルティングのHACCPジャパン(福岡市)の株式98.9%を取得し、子会社化(非連結)することを決議した。

フォーシーズは現在、化粧品の通信販売事業を主力とする。しかし、化粧品をめぐっては異業種からの新規参入や商品の低価格化、販売チャンネルの多様化などで競争が激化し、同社を取り巻く経営環境は厳しさを増している。こうした中、総合衛生管理コンサルティングを展開するHACCPジャパンを傘下に収め、経営基盤の安定と業績の改善を目指す。HACCPジャパンは2018年10月に設立。

取得価額は890万円。取得予定日は2019年6月24日。

 

エン・ジャパン<4849>、外国人向け求人事業のJapanWorkを子会社化

◆エン・ジャパンは、外国人向け求人事業のJapanWork(東京都港区。売上高1600万円、営業利益△1900万円、純資産100万円)の株式51%を取得し子会社化することを決議した。その後、残る株式について2022年に株式交換で追加取得し同社を完全子会社化する。

JapanWorkは16年2月に設立し、外国人向けに求人一括検索サイト「JapanWork」を運営している。18年12月からは企業と言葉の壁がある外国人とのやりとりを代行するチャットコンシェルジュサービスを始め、清掃や工場系派遣企業を中心に顧客を広げている。

改正出入国管理法が19年4月に施行され、外国人の受け入れ拡大を目的とした単純労働者に対する就労ビザの取得が認められた。ホテルや飲食業界などの現場では慢性的な人手不足で、外国人労働者市場の成長が見込まれている。

エン・ジャパンはJapanWorkを傘下に取り込み、外国人労働者事業を通じた人材サービス拡大を目指す。

第一段階の株式の取得価額は2億3400万円。取得予定日は7月12日。

 

Fonfun<2323>、受託ソフト開発子会社のアドバンティブをAHDに譲渡

◆Fonfunは、受託ソフトウエア開発子会社のアドバンティブ(熊本県益城町。売上高1億200万円、営業利益1000万円、純資産1900万円)の全株式を、ITコンサルティング会社のAHD(熊本市)に譲渡することを決議した。

Fonfunは携帯電話・スマートフォン向けのコンテンツ提供を事業の柱とする。2015年にアドバンティブを設立し、 ソフトウエアの受託開発に乗り出したが、思ったほどの利益水準に達成していなかった。今回、アドバンティブの取締役らが5月に設立したAHDからアドバンティブの株式取得の打診があり、譲渡を決めた。Fonfunは今後、リモートメール事業・SMS (ショートメッセージサービス)事業に経営資源を集中するという。

譲渡価額は2800万円。譲渡予定日は2019年7月1日。

 

UACJ<5741>、銅管子会社「UACJ銅管」を豊川ホールディングスに240億円で譲渡

◆UACJは、全額出資の銅管製造子会社のUACJ銅管(愛知県豊川市。売上高452億円、営業利益16億円1000万円、純資産90億5000万円)の全株式を、豊川ホールディングス(東京都港区)に約240億円で譲渡することを決議した。譲渡予定日は2019年9月30日。豊川ホールディングスは投資ファンドのアスパラントグループ(東京都港区)と大和証券グループの大和PIパートナーズ(東京都千代田区)が出資して5月末に設立した特別目的会社。

UACJ銅管は主に空調機向け銅管を製造する。今後もおう盛な需要が見込まれる東南アジア市場での成長機会が期待されるとしながらも、UACJグループの経営資源の有効活用の観点から銅管事業への追加投資や人的資源の投入が難しいと判断した。

 

PKSHA Technology<3993>、駐車場機器メーカーのアイドラを子会社化

◆PKSHA Technologyは、特別目的会社「桜坂1号」(東京都文京区)を通じて、駐車場機器メーカーのアイドラ(東京都新宿区。売上高44億5000万円、営業利益2億2500万円、純資産6億300万円)の全株式を取得し、7月1日付で子会社化することを決議した。取得価額は28億200万円。これとは別に、業績の達成割合に応じて条件付き対価(アーンアウト対価)を支払うことで合意している。

アイドラは駐車場機器の製造・販売と駐車場運営受託を通じて、全国に10万台以上のIoT(モノのインターネット)機器を配置し、各種データをクラウドで蓄積・管理する。PKSHAは同社を傘下に収め、将来性が期待されるMaas(サービスとしての移動手段)領域での取り組みを強化する。

 

平山ホールディングス<7781>、民事再生計画確定の大松自動車を子会社化

◆平山ホールディングス(HD)は、自動車整備業や介護事業を手がける大松自動車(三重県大台町。売上高4億6400万円、営業利益△2億2400万円、純資産△7億6300万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。6月18日付で大松自動車の民事再生計画が確定したのに伴い減資後、同社の増資を8000万円で引き受ける。大松自動車は新規事業のバイオマス事業で資金繰りに行き詰まり、平山HDに再生支援を要請していた。取得予定日は2019年7月1日。

 

EMシステムズ<4820>、電子カルテシステム販売のポップ・クリエイションを子会社化

◆EMシステムズは、電子カルテ・医療情報システムを販売するポップ・クリエイション(福岡県筑紫野市)の全株式を取得し子会社化することを決議した。ポップ・クリエイションは1999年に設立し、診療所、クリニック、保険薬局を主な顧客とする。EMは同社を傘下に取り込み、北部九州での事業拡大につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月1日。

 

昭和電線HD<5805>と古河電工<5801>、建設・電販市場向け汎用電線の販売事業を2020年4月に統合

◆昭和電線ホールディングス(HD)と古河電気工業は18日、子会社で手がける建設・電販市場向け汎用電線の販売事業を統合することで基本合意したと発表した。新販売会社「SFCC」(仮称、川崎市)を共同出資で設立し、2020年4月1日の営業開始を目指す。単独での収益改善が困難な見通しにあるとの認識で一致した。

新販売会社「SFCC」は昭和電線HDが60%、古河電工が40%を出資する計画。昭和電線HD100%子会社の昭和電線ケーブルシステム(川崎市)、SDS(同)、古河電工100%子会社の古河テレコム(東京都千代田区)の3社が取り扱う建設・電販市場向け汎用電線の販売事業を統合する。新販社では販売業務の効率化を進め、在庫の一括集中管理を実施し、収益改善につなげる。

建設・電販市場向け汎用電線を除いた商品の販売については従来通り、両社の子会社が継続する。

 

三城ホールディングス<7455>、眼鏡フレーム修理のオプトメイク福井を子会社化

◆三城ホールディングスは、眼鏡フレーム修理のオプトメイク福井(福井県鯖江市)の全株式を取得し子会社化した。三城HDはグループに眼鏡フレーム製造のクリエイトスリー(福井県鯖江市)を持つが、アフターサービスについてもグループ内で徹底して行うとしている。オプトメイク福井は1989年設立で、従業員は17人。取得価額は非公表。取得日は2019年6月17日。

 

東海カーボン<5301>、ドイツの炭素黒鉛電極メーカーCOBEXを1000億円で買収

◆東海カーボンは17日、ドイツの炭素黒鉛製品メーカー大手、COBEX HoldCo GmbH(ヴィースバーデン。売上高298億円、営業利益96億円、純資産120億円)を買収すると発表した。約1000億円を投じて全株式を7月下旬に取得する。

COBEXはポーランドに2工場を構え、アルミ精錬用カソード(電極)、高炉の内張りに使われるライニング(高炉用ブロック)、金属シリコンなどの精錬に使われる炭素電極の3分野で世界有数のシェアを持つ。

主力のアルミ精錬用カソードはアルミを溶かす際に使われる消耗品。アルミは自動車や航空機の軽量化ニーズ、建材分野での使用量増加、飲料容器のアルミ化、エレクトロニクス分野における銅の代替需要などを背景に安定的な成長が見込まれている。

東海カーボンは昨年、米のカーボンブラックメーカー大手、シド・リチャードソン・カーボン(テキサス州)を約300億円で買収した。ドイツでは2005年に黒鉛電極製造のエルフトカーボン(現東海エルフトカーボン)を傘下に収めている。

 

日産東京販売ホールディングス<8291>、自動車整備・中古車買い取りのGTNETを子会社化

◆日産東京販売ホールディングスは、自動車整備や中古車の買い取り・販売のGTNET(大阪府茨木市。売上高65億3000万円、営業利益8900万円、純資産38億3000万円)の株式51%を取得し子会社化することを決議した。

GTNETは1999年設立で、スポーツタイプの車両を中心に中古車販売や自動車整備を全国14事業所で展開している。日産東京販売は東京エリアで日産とルノーの新車の販売、中古車販売、自動車整備などを手がけ、2019年度スタートした中期経営計画で重点戦略の一つとしてM&Aによる規模拡大を打ち出している。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月22日。

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

離婚に伴い自宅を財産分与する場合の税務上の取扱い等-1/2 ~財産分与をする側~

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(宮田房枝/税理士)

 

 

[関連解説]

■離婚に伴い自宅を財産分与する場合の税務上の取扱い等-2/2 ~財産分与を受ける側~

■不動産の財産分与があった場合の不動産取得税

 

 

【問】

私(夫)はこの度、妻と協議離婚をすることとなりました。離婚に伴い、婚姻期間中の財産の清算として、婚姻期間中に私名義で取得した自宅の土地及び建物(以下「自宅」)を妻へ財産分与(*)する予定です。離婚に伴う税務上の留意点等を教えてください。
(*) 相手方の請求に基づき、離婚した者の一方から相手方に財産を渡すことを財産分与といいます(民法768)。

(妻における税務上の留意点等については、次回以降に解説予定です。)

 

【回答】

1.所得税


(1) 譲渡所得課税
① 離婚後に財産分与する場合

 

(a)譲渡所得
所得税法上、譲渡所得の基因となる財産(本問の場合は自宅)の財産分与があった場合には、財産分与時に、元夫は、その自宅を財産分与時の価額により元妻へ譲渡したものとして取り扱われます(所基通33-1の4)。
自宅を財産分与した場合の譲渡所得金額は、次の算式により計算します(所法33、措法35①②⑪)

 

〔算式〕
財産分与時の自宅の時価 -(取得費+譲渡費用)- 居住用財産の譲渡所得の特別控除3,000万円※

 

※「居住用財産の譲渡所得の特別控除」の適用については、自宅の所有期間や居住期間についての制限はありません。したがって、この特別控除を適用することにより、元夫の譲渡所得金額がゼロになることもあります。ただし、この特別控除の適用を受けるためには、元夫の財産分与年分の確定申告書にこの規定の適用を受ける旨等の記載をし、この財産分与に係る譲渡所得の明細書等の添付をする必要があるため、確定申告をし忘れないよう留意が必要です。なお、この3,000万円の特別控除の規定は、配偶者のような特別関係者等への譲渡においては適用できないため、この規定の適用を受けたい場合には、離婚後に財産分与する必要があります。

 

(b)税率
上記(a)の算式により計算した譲渡所得金額がある場合(上記(a)の算式により計算した結果がプラスとなる場合)には、その財産分与のあった年の1月1日現在における自宅の所有期間や譲渡所得金額に応じて、次の税率による所得税等が課されます(措法31、31の3、32①、地法附34、34の3、35、復興財源確保法9、13)。

 

② 離婚前に財産移転する場合

財産移転が離婚前に行われる場合には、基本的に、夫から妻への贈与として取り扱われ、夫において譲渡所得課税はありません。

(2) 離婚後の新たな住宅ローン控除の適用

離婚に伴う自宅の財産分与に際し、元夫が、居住用財産の譲渡所得の3,000万円の特別控除(上記1.(1)①(a)※印参照)又は所有期間10年超の場合の譲渡所得の軽減税率(上記1.(1)①(b)の14.21%)等の適用を受けた場合には、その後3年以内に元夫が新たに借入をして自宅を取得等したとしても、元夫は住宅ローン控除の適用を受けることができません(措法41⑮)。

2.印紙税(措法91②)


財産分与契約における自宅の価額に応じて、次の印紙税が課税されます。

3.固定資産税(地法343、350、359)


固定資産税は、1月1日現在の自宅の所有者に対して課税されます(固定資産税評価額×1.4%)。したがって、年の途中で財産分与をして所有者が元妻に変わったとしても、その年分については元夫が納税義務者となります(別途、元夫婦間の合意で固定資産税の精算を行うことはできます)。

4.最後に


離婚に伴って自宅の財産分与をする場合、実行のタイミング等により、課税関係が異なります。詳細は税理士にご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/06/24)より転載