[解説ニュース]

【Q&A】対象会社の代表者経験のない人から株式贈与を受けた場合の贈与税の特例措置の適用

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■【Q&A】贈与を受けた金銭を全て敷地の対価に充てた場合の住宅取得等資金に係る贈与税の非課税の適用

■【Q&A】2回以上にわたって取得した同一銘柄の株式の取得費の計算

 

【問】

㈱Xは発行済株式(すべて議決権あり)の80%を乙(甲の妻)、20%を同社代表取締役の丙(甲の長男)が保有していました。乙はX社の株主ですが、同社の取締役を務めたことがありません。乙は、2012年に死亡した甲(死亡当時X社代表取締役でその株式を全て保有)から、相続税の配偶者の税額軽減の適用を受けるためにX社の発行済株式の80%を相続しています。

 

後継者である丙は、甲からX社の発行済株式の20%を相続しており、2012年以降、同社の代表取締役です。乙と丙は、甲から相続により取得したX社株式について、非上場株式等に係る相続税の納税猶予及び免除(租税特別措置法(措法)70条の7の2)の適用を受けていません。

 

乙は、2022年に保有するX社株式を全て丙に贈与しました。この場合、乙からの贈与により取得したX社株式について、丙は非上場株式等に係る贈与税の納税猶予及び免除の特例(措法70条の7の5・以下「贈与税の特例措置」)の適用を受けることができますか。なおX社は、贈与税の特例措置の適用対象とされる特例認定贈与承継会社(以下「対象会社」)に該当します。

 

【結論】

X社株式を贈与した乙は、後述の解説の通り「特例贈与者」に該当しないことから、その贈与を受けた丙は、贈与税の特例措置の適用を受けることができません。

 

【解説】

贈与税の特例措置の適用を受けるためには、その非上場株式の贈与をした者が「特例贈与者」に該当する必要があります(措法70条の7の5第1項)。特例贈与者とは、措法施行令(措令)40条の8の5第1項(以下「政令」)第1号または第2号の場合の区分に応じ、それぞれに定める者をいいます。

 

この政令において、第1号は「第2号に掲げる場合以外の場合」と定められているので、まず、乙から丙に対するX社株式の贈与が、「政令第2号に掲げる場合」に該当するかどうかを検討します。

 

乙によるX社株式の贈与が「政令第2号に掲げる場合」に該当するのは、その贈与の直前において次のイ、ロ又はハのいずれかの者がいる場合です(措令40条の8の5第1項2号)。

 

イ.対象会社・X社の株式について、既に贈与税の特例措置、非上場株式等に係る相続税の納税猶予及び免除の特例(措法70条の7の6。以下「相続税の特例措置」)又は非上場株式等の特例贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予及び免除の特例(同70条の7の8)の適用を受けている者

 

ロ.その贈与の時前に、政令第1号に定める者(同号の場合で、対象会社・X社の代表権を有していたなど一定の要件を満たす者をいう。)から、贈与税の特例措置の適用に係る贈与によりX社株式を取得している者(イに掲げる者を除く。)

 

ハ.その相続の開始前に特例認定承継会社(相続税の特例措置の対象会社をいう。)の代表権を有していた者から、相続税の特例措置に係る相続または遺贈により対象会社・X社の会社の株式を取得している者(イに掲げる者を除く)。

 

ご質問の場合、乙から丙へのX社株式の贈与の直前において、X社株式につき贈与税の特例措置等の適用を受けている者がいないので、イの要件を満たすことができません。

 

この贈与の時前にX社の代表権を有していた者から、贈与税の特例措置の適用に係る贈与によりX社株式を取得している者がいない(乙から丙へのX社株式の贈与は、乙がX社の代表権を有していたことがないので、「政令第1号に定める者」からの贈与には該当しません。)ので、ロの要件を満たすこともできません。

 

さらに相続税の特例措置に係る相続または遺贈によりX社株式を取得している者もいないので、ハの要件を満たすこともできません。以上により、イ~ハに該当する者がいないので、乙の贈与は「政令第2号に掲げる場合」には該当しません。

 

上記より乙の贈与は、「政令第1号の場合」に該当することになりますが、政令第1号の場合、乙が対象会社・X社の代表権を有していたことが特例贈与者の要件とされ、乙は代表権を有していたことがないので、特例贈与者には該当しません。このため、丙は贈与税の特例措置の適用を受けることができません。

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2022/03/28)より転載

[解説ニュース]

利用価値が著しく低下している宅地(忌み施設近接)評価の現在

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

■相続税の家屋評価をめぐる最近の裁判例から

■譲渡所得税の最近のトラブル事例集

 

 

1、土地評価の10%減が適用される場合


土地の相続税評価の取扱いで認められている「10%評価減」は、付近の土地の利用状況と比較して著しく利用価値が低下している土地の部分に適用できるものとされています。国税庁のホームページでは例示として次のように記載があります。

 

(1)道路より高い位置にある宅地又は低い位置にある宅地で、その付近にある宅地に比べて著しく高低差のあるもの
(2)地盤に甚だしい凹凸のある宅地
(3)震動の甚だしい宅地
(4)(1)から(3)までの宅地以外の宅地で、騒音、日照阻害(建築基準法第56条の2に定める日影時間を超える時間の日照阻害のあるものとします。)、臭気、忌み等により、その取引金額に影響を受けると認められるもの

 

ただし、こうしたマイナス要因が路線価又は固定資産評価額又は倍率に反映されている場合には、重ねて減額が認められることはありません。

 

 

2、最近の事例から


最近、相続税評価の対象となった土地の近隣にお墓があったケースで、上記の10%評価減の適用の是非が問われた事例がありました(国税不服審判所令和3年8月30日裁決)。取引金額への具体的な影響が細かく問われるため、なかなか適用を認めてもらえないケースが少なくないようです。

 

ここでは、上記の10%評価減の適用を巡る争点に絞ってお伝えします。問題となった土地は、間口が約24m、奥行きが約52mの長方形状の土地で、東側に大きな通りがあるほか、南側に幅員2.5mの里道を隔てて、約600㎡の墓地があったというものです。

 

この土地は相続の開始時点で、駐車場と賃貸住宅の敷地として利用されていました。賃貸住宅は全12戸のうち3戸空室でした。相続人(納税者)は、こうした事情を踏まえ上記10%評価減の適用があるものとして相続税の減額を求める「更正の請求」を経て審査請求に及びました。

 

 

3、納税者の主張


納税者の主な主張は次の通りです。

 

(1)問題の土地の目前に墓地がまとまって存在しているため、心理的嫌悪感等により、取引金額に影響を受けることは明らか。
(2)建物は、本件相続開始当時、その空室率は25%であった。予定している賃料収入の25%が得られない状況が取引金額に影響を及ぼさないとはいえない。

 

 

4、審判所の判断


審判所は、まず、納税者が更正の請求で減額を求める場合の立証責任について「一旦申告書を提出した以上、その申告に係る財産の評価に誤りがあることは、最終的に納税義務者の責任において明らかにすべきもの」として、土地の取引金額に影響を及ぼす事情の立証責任が納税者側にあることを示しました。

 

その上で審判所は「忌み等を理由とする減額評価が認められるためには、忌み施設が存すること等の事情による当該宅地の取引金額への影響が、当該宅地の減額評価を正当化する程度に具体的なもので(中略)あることを要する」と判断基準を提示、次のような事実関係を追加的に確認しました。

 

(1)墓地は明治時代から村民の墓地として使用。
(2)問題の土地の固定資産評価において、固定資産評価基準にある「所要の補正」として墓が近接していることによる減額はされていない。納税者は固定資産評価に対する審査申出をしていない。

 

審判所は検討を経て「墓地の存在を理由に売買契約の締結に至らなかった事例の有無や土地及び墓地の周辺に存する宅地の売出価格及び売買契約の成約価格の状況、土地及び墓地の周辺に存する賃貸物件の空室率やその推移といった事情は明らかではなく、墓地の存在が宅地の取引金額や賃貸状況に影響していることを具体的に認めるに足りる事情はうかがわれず、当審判所の調査によっても、墓地の存在が土地の取引金額に影響しているというべき具体的事情は認められない」としました。

審判所は最終的に「忌み施設である墓地の存在が隣接宅地の取引金額に影響する一般的抽象的可能性は否定できない」としながらも、10%減の補正は必要でないと判断しています。

 

納税者には、①忌み施設が近接し心理的嫌悪感があり、受忍限度を超えていること、②周辺の他の土地に比べ土地の価格が下がっていること、③路線価等にその事情が織り込まれていないことの立証が求められていました。最近の事例としてより精緻な立証が求められた事例だったといえそうです。

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2022/03/15)より転載

[解説ニュース]

建物の取壊費等が土地の取得費になるかどうかで争った事例

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

■貸家建築のため既存建物を取壊した場合の取壊し損失等に係る所得税の取扱い

■譲渡所得の計算上、概算取得費を適用すべき場合、取得費を推定できる場合

 

 

1、不動産所得の必要経費それとも…


貸付の事業用などとして土地とともに買っていた建物を後で取壊した場合、建物の価額と取壊費用は、不動産所得の計算上、必要経費になる場合があります。それは、居住者の「事業の用に供される固定資産その他これに準ずる資産で政令で定めるものについて、取りこわし、除却、滅失その他の事由により生じた損失の金額はその者のその損失の生じた日の属する年分の(中略)必要経費に算入する」(所法51)との規定によるものです。

 

一方、建物の取得費と取壊費用が、土地の取得費になる場合もあります。それは、土地と建物等と共に取得した場合で、「その取得後おおむね1年以内に当該建物等の取壊しに着手するなど、その取得が当初からその建物等を取壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められるとき」です(所基通38-1)。
節税の観点からすると、土地の取得費になってしまうのは不利です。その点につき、税務署と争った裁判例が下記の通りです(山形地裁令和3年3月9日判決)。

 

 

2、事案の概要


事案の概要、経過は次の通りです。

 

(1)土地所有者Aさんは、平成27年4月頃、事業者B社から、Aさんの保有土地とともに「倉庫・店舗などの建っている隣地Cも一緒に借り受けたいと話を持ち掛けられました。

 

(2)ただ、隣地Cは他人の土地です。そこでこの際、B社はAさんに、隣地Ⅽも買うことを勧めました。B社は、隣地Cの倉庫などにつき自前で取壊す方針であったということです。

 

(3)Aさんは、同年7月、隣地Cを持つDさんを相手に買取交渉に入り、相場より高い9,000万円で話をまとめました。

 

(4)ところが隣地C土地の売買契約の決済日である8月5日以前に、B社が土地を借り受ける話が壊れてしまいました。

 

(5)Aさんは、仕方なく賃借人の募集を開始しました。ただし、倉庫・店舗の建物は、20年近くテナント入居がなく、屋根や壁の修繕が必要だったため、募集広告には「大幅な修繕が必要」と記載していました。

 

(6)同年11月にE社から借受の申し込みがあり、E社の要望で建物を取り壊すことにしました。

 

(7)Aさんは、平成27年・28年分の不動産所得の計算上、隣地Cの上にあった建物の取得費と取壊費用を必要経費として申告しました。

 

(8)これに対し税務署が上記の必要経費を否認しました。

 

 

 

3、裁判所の判断


裁判は、上記以外の争点もありますが、ここでは、建物の取得費・取壊費用が土地の取得費になるかどうかに絞って述べます。

 

裁判所は、まず、概ね1年以内に取壊した場合の取扱を示した通達(所基通38-1)に関し、「当初から建物を取り壊し、土地を利用する目的であることが明らかか否かについては、土地の取得目的、取得金額、土地の更地としての相場価格、建物の建築年数、現況、老朽度や利用価値、建物の取壊時期や取壊目的等の諸事情を総合し、客観的に判断するのが相当である。

 

また、本件通達は、土地及び建物の所有権を取得した場合と規定しているから、所有権を取得した日を基準として判断するのが相当である」と判断基準を示しました。

 

その上で裁判所は、Aさんが当初の計画とは異なる計画で結局建物を取り壊すことになった場合でも「土地及び建物の取得時に土地のみの価額に着目していたと認められる場合には本件通達が適用される」と考え方を示しました。

 

これは、Aさんが通達(所基通38-1)について「取得の際に計画されていた取壊しが実現した場合に限られるのではないか」との主張に反論したものです。

 

裁判所は事実関係を整理し、最終的に「原告(A)はB社が出店して本件土地のみを利用するために、これを貸し出す目的で、又は、仮にB社が出店しない場合であっても、専ら本件土地を自己の事業に利用する目的で、本件土地を取得しているといえ、また、本件建物は、その建築年数や現状、老朽度からしてそのまま利用できる物件ではなく、利用価値が極めて乏しいものであり、さらに、原告(A)は、本件建物の所有権を取得した後4か月しか経過していない時点で,本件建物を自己資金で取り壊しているのであって、(中略)原告は、専ら本件土地の価値に着目し、本件土地建物を取得したと認められる」として、税務署の処分を支持しています。

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2022/03/01)より転載

[M&A動向レポート](2022年2月)

■IT・ソフトウエア業界の2022年1月のM&A件数は過去最多も金額は3番目に

 

IT・ソフトウエア業界の2022年1月のM&A発表件数は20件で、1月としては2013年以降の10年間では、2020年(13件)を上回り過去最多となった。IT人材の不足や企業の合従連衡などを背景に、M&A市場が活発だった。

 

 

取引金額は137億7300万円で、こちらは1月としては2013年以降の10年間では、2019年(1229億2500万円)、2020年(439億1100万円)に次ぐ3番目となった。100億円を超える案件がなく、金額を公表した10件中8件が10億円未満だったため、件数ほどには金額が伸びなかった。

 

全上場企業に義務づけられた東証適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介のストライク(M&A Online)が集計した。

 

金額トップはGMOインターネットの92億円

 

取引金額のトップは、ネット事業を手がけるGMOインターネットが、サイバーセキュリティー事業のイエラエセキュリティ(東京都渋谷区)の株式50%を取得し、子会社化することを決めた案件で、取得価格は92億6200万円。既存の電子認証、印鑑事業に加え、新たにサイバーセキュリティー事業に本格参入するのが狙い。

 

金額の2番目は、ネット事業のスカラが、システム開発のエッグ(鳥取県米子市)などグループ4社の全株式を取得し、子会社化することを決めた案件で、取得価格は10億600万円。グループの中核会社のエッグは、ふるさと納税制度に関する自治体側の基幹システムを初めて開発した企業で、導入自治体数は全国の3分の1にあたる約680に達するという。同社の子会社化で、地方創生、高齢者の健康といった社会課題を解決する取り組みを推進する。

 

金額の3番目は、電子書籍取り次ぎのメディアドゥが英現地法人を通じ、出版社向けWebサイト構築やEC(電子商取引)サービスの提供を手がける英国Supadü Limited(ロンドン)の全株式を取得し子会社化した案件で、取得価格は8億7400万円。出版、コンテンツ関連の海外ビジネスを強化するのが狙い。

 

このほかに8億円台、6億円台、3億円台がそれぞれ1件ずつと、2億円台、1億円台がそれぞれ2件ずつあった。金額非公表などは10件だった。

 

 

 

【IT・ソフトウエア業界の2022年1月のM&A】

 

 

 

 

 

 

 

情報提供元:株式会社ストライク

[M&A動向レポート](2022年2月)

■1月M&A、前年比10件増の64件 過去2番目の高水準

 

2022年1月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比10件増の64件だった。1月として過去10年で2020年(74件)に次ぐ2番目の高水準。前年1月は新型コロナウイルス感染拡大を受けた2回目の緊急事態宣言と重なり、20件の大幅減となったが、2022年は好調な出足となった。一方、取引金額は2317億円(公表分を集計)で、前年(4374億円)のほぼ半分にとどまった。

 

 

上場企業の適時開示情報のうち経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介のストライク(M&A Online)が集計した。
金額首位は日本製鉄が最大880億円を投じて、タイの電炉メーカー大手のGスチール、GJスチールの2社を子会社化する案件。これまで半製品を輸出して現地で加工していたが、今回の買収で東南アジアにおける一貫生産体制が整う。鉄スクラップを原料とする電炉は鉄鉱石から鉄を取り出す高炉に比べてCO2(二酸化炭素)の排出が抑えられ、脱炭素化を推し進める狙いもある。

 

金額2位は通信工事大手のミライト・ホールディングス(HD)。西武ホールディングス傘下で西武鉄道の直系子会社の西武建設(東京都豊島区)の株式95%を620億円で取得し、子会社化する。西武HDは経営改革としてアセットライト(資産圧縮)な事業運営を推進中で、グループで保有するホテルも売却を進め、運営に特化する姿勢を明確にしている。
ドラッグストア業界は今年も年初からM&Aが活発化している。最大手のウエルシアホールディングスが関西を地盤に約190店舗を展開するコクミン(大阪市)を子会社化すると発表した(金額は未確定)。また、クスリのアオキホールディングスは生鮮品の取り扱い強化を目的に、岩手県の地場食品スーパーの吸収合併を決めた。買付代金が最大714億円に上る片倉工業のMBO(経営陣による買収)は1月上旬、不成立に終わった。投資ファンドが関与しない過去最大規模のMBOとして注目されていたが、予定数まで株式を取得できず、株式の非公開化を断念し、一転、上場を維持することになった。

 

 

 


①日本製鉄

タイの電炉メーカー大手のGスチールとGJスチールを子会社化 (880億円)

 

②ミライト・ホールディングス

西武ホールディングス傘下の西武建設(東京都豊島区)を子会社化(620億円)

 

③ミニストップ

コンビニ事業の韓国子会社をロッテに譲渡(304億円)

 

④愛三工業

デンソーからフューエルポンプモジュール事業を取得(190億円)

 

⑤GMOインターネット

サイバーセキュリティー事業のイエラエセキュリティ(東京都渋谷区)を子会社化(92.6億円)

 

⑥リンテック

米Spinnakerからラベル用粘着紙・粘着フィルム事業を取得(46.6億円)

 

⑦ワールドホールディングス

J.フロントリテイリング傘下で人材サービス事業のディンプル(大阪市)を子会社化(37.8億円)

 

⑧ソラスト

都内で認可保育所を運営する「こころケアプラン」(東京都千代田区)を子会社化(33.4億円)

 

⑨ワールド

子供服大手のナルミヤ・インターナショナルをTOBで子会社化(33億円)

 

⑩トランコム

シンガポール物流会社Starlink Resourcesなど2社を子会社化(11.4億円)

 

 

 

 

 

 


情報提供元:株式会社ストライク

[解説ニュース]

【Q&A】譲渡所得の計算上、概算取得費で申告後に実際の取得費が判明した場合の更正の請求

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■譲渡所得の計算上、概算取得費を適用すべき場合、取得費を推定できる場合

■不動産取得税の「相続による取得」を巡る最近のトラブル

 

【問】

Bさんは、土地の譲渡に係る譲渡所得の申告において、確定申告期限までにその取得価額を明らかにする契約書が見つからなかったため、やむなく下記2(2)の概算取得費により所得税の申告をしました。その所得税の確定申告期限後に、譲渡した土地の取得時の契約書が見つかり、その契約書に記載の買入金額が概算取得費よりも大きいので、譲渡所得の金額の計算をやり直すため更正の請求をしようと考えているのですが、認められるでしょうか。

 

【結論】

当初の申告において概算取得費により譲渡所得の金額の計算を行い、その後、取得時の契約書の発見により真の控除すべき取得費が分かった時点で、その真の取得費を主張して更正の請求を行うことは認められると考えます。

 

【解説】

(1)取得費の原則

土地に係る譲渡所得の金額上控除する取得費は、土地の取得に要した金額(例えば土地の取得にかかる買入代金や宅地建物取引業者に支払った仲介手数料等)及び改良費(例えば土盛り、地ならし等)の合計額とされます(所得税法38条第1項)。

 

(2)概算取得費の特例

昭和27年12月31日以前から引き続き所有していた土地を譲渡した場合における長期譲渡所得の金額の計算上収入金額から控除する取得費は、上記(1)の金額よりもその譲渡に係る収入金額の5%相当額の方が多い場合には、その譲渡に係る収入金額の5%相当額をもって、土地の取得費とすることができます(租税特別措置法31条の4)。

 

なお、昭和28年1月1日以後に取得した土地について、取得費がわからない場合や、実際の取得費が収入金額の5%相当額を下回る場合については、その取得費は譲渡に係る収入金額の5%相当額とすることができます(租税特別措置法通達31の4-1)。

(3)所得税の更正の請求とは

所得税の申告書を提出した人が、その申告書に記載した課税標準等や税額等の計算について、所得税法等の規定に従っていなかったこと、または計算に誤りがあったことにより、所得税を納めすぎたときは、法定申告期限(所得税の場合、原則としてその年の翌年3月15日の確定申告期限)から5年以内に限り、税務署長に対し、その申告に係る課税標準等または所得税額等につき減額更正の請求をすることができます(国税通則法23条第1項)。

 

(4)更正の請求が認められると考える理由

国税通則法第23条第1項第1号は、更正をすべき旨の請求をすることができる場合として、納税申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額が過大であるときを定めています。この点について、ご質問でのBさんは租税特別措置法第31条の4第1項等の規定等に基づき取得費を計算していることから、上記(3)に規定する「計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったこと」に該当せず、更正の請求ができないのではないか、という疑問が生じるところです。

 

しかし租税特別措置法31条の4第1項は、その本文で「取得費は、(中略)当該収入金額の100分の5に相当する金額とする」と規定しているものの、そのただし書において、「当該金額(=概算取得費)がそれぞれ次の各号に掲げる金額に満たないことが証明された場合には、当該各号に掲げる金額とする」とし、その1号において、「その土地等の取得に要した金額と改良費の額との合計額」としています。

 

つまり、概算取得費は、譲渡した土地等の取得に要した金額に満たないことが証明されていない場合に適用するものであり、Bさんの場合はそのことが証明されています。よって、概算取得費ではなく、土地等の取得に要した金額である買入価額により取得費を計算することが正しい処理となります。
したがって、Bさんは、当初申告で行った譲渡所得の金額(取得費)の計算の誤りにより所得税を納めすぎたものとして、国税通則法第23条第1項の規定により、更生の請求を行うことができると考えます(参考:東京国税局「令和3年8月資産税審理研修資料」211頁)。

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2022/02/14)より転載

[M&A動向レポート]

■2021年TOB、3年連続で増加

 

 

2021年のTOB(株式公開買い付け)件数は前年比10件増の70件と、3年連続で増加した。リーマン・ショック後では2009年の79件、2008年の78件に次いで3番目に多かった。新型コロナウイルス感染症の影響が長引き、先行き不透明な中でTOBによる経営規模の拡大や新規事業への進出を狙う企業が増加。日銀の金融緩和などを背景に企業がTOBの費用を調達しやすい環境が続き、件数増を後押しした。

 

一方、取引金額は同73.3%減の1兆7100億円にとどまった。これは前年に3兆円を超えるNTTのNTTドコモに対する超大型TOBがあった反動減。前年は10件あった1000億円を超える大型TOBが3件と少なかったこともあり、金額は伸びなかった。敵対的TOBは過去最高だった前年と同じ5件となっている。

 

MBO(経営陣による企業買収)は前年比8件増の19件と、3年連続の増加となった。10件を超えたのは2年連続で、2008年以降では過去最高の2011年(21件)に次ぐ高水準。経営陣が株主の意向や短期的な株価の動向に左右されない成長戦略を採用したり、TOBによる敵対的買収を回避したりするため、MBOによる上場廃止を目指す動きが出ている。

 

TOBの総プレミアム平均は同3.46ポイント減の37.31%と、2年連続の減少に終わった。一方、ポジティブプレミアム平均は同3.39ポイント増の46.08%と4年連続で増加している。最もプレミアムが高かったのはTCSホールディングス(旧東京コンピュータサービス、東京都中央区)が11月15日に露出計の大手メーカーであるセコニックの非公開化を目的にTOBを実施すると発表した228.19%だった。

 

 

 

 

 


情報提供元:株式会社ストライク

[解説ニュース]

区分所有建物の敷地への小規模宅地特例の適用(生計一が問われる場合)

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

■区分所有建物の敷地への小規模宅地特例の適用巡り争いになった裁決事例

■介護施設で亡くなった場合の相続税の小規模宅地等の特例

 

1、はじめに


小規模宅地等の特例を適用する場面で、被相続人と宅地を相続する親族が生計一であることが問われる場合があります。生計一なら、被相続人が「事業の用」または「居住の用」に供していた宅地等のみならず、その親族が「事業の用」または「居住の用」に供していた宅地等も、所定の要件を満たせば、小規模宅地等の特例の適用が認められるからです。しかも特例の対象となった宅地の相続税課税対象額の減額割合は最大80%、その面積の330㎡(「事業の用」に供していた場合には400㎡)までが特例の対象です(措法69の4)。

 

したがって親の宅地等を子が居住の用等に供している場合には、生計一であると認められるかどうかが適法な相続税の節税に大きな影響があるといえます。

 

今回は、本連載の11月22日号の事例を基に、被相続人と子である相続人が生計一であるかどうかが問われた争点について整理します。

 

2、事例の概要


事例は、父親が建てた1棟の区分所有建物で、1階に子供夫婦が住み、2階にその親夫婦が住んでいたケースにおいて、父親が亡くなって開始した相続で、子が相続した建物1階部分の敷地権につき、「小規模宅地等の特例」の適用があるかどうかが問われたものでした(国税不服審判所(以下、審判所といいます)、令和3年6月21日)。

 

3、建物と敷地


裁決書によると、建物の状況は次のとおりです。

 

ア、建物は被相続人が建てた区分所有建物である旨の登記をされた建物
イ、1階と2階でそれぞれ玄関、リビング、寝室、台所、洗面所、風呂場、トイレがあり、建物の内部では1階と2階で行き来することができず、外階段によって行き来する構造。
ウ、建物の新築から、被相続人の死亡に至るまで、建物1階部分には子らとその子(被相続人の孫)が居住。
エ、建物2階部分には被相続人とその妻が居住していた。
オ、建物の電気、ガス、水道のメーターは建物1階部分と建物2階部分とでそれぞれ分かれており、被相続人が死亡するまでの間、建物1階部分については請求人である子が契約して使用料を支払っており、建物2階部分については被相続人が契約して使用料を支払っていた。
カ、相続開始後、母親(2階に居住)と子(1階に居住)は、遺言通りに相続し、それぞれ居住する敷地権について小規模宅地等の特例を適用して申告。
ところが税務署から子の相続した敷地権部分について特例適用を否認され、最終的に審判所での争いとなったものです。

 

4、審判所の認定・判断


審判所は、この特例について「被相続人の居住の用に供されていた宅地等のほかに、当該被相続人と生計をーにしていた当該被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等についても、その適用の対象としている」と確認。

 

そのうえで、審判所はこの場合の「生計」について、「暮らしを立てるための手立てであって、通常、日常生活の経済的側面を指すものと解すべきもの(中略)、一棟の建物において被相続人の居住の用に供されていた部分以外に居住していた親族が「生計」を一にしていたと認められるためには、親族が被相続人と日常生活の資を共通にしていたと認められることを要し、その判断は社会通念に照らして個々になされるところ、これが認められるためには、少なくとも、居住費、食費、光熱費その他日常の生活に係る費用の主要な部分を共通にしていた関係にあったことを要するものと解するのが相当」との判断基準を示しました。

 

審判所は、事実として、被相続人とその妻の生活費は、被相続人の年金収入等で賄われていることを指摘し、「居住費、食費、光熱費 その他日常の生活に係る費用の主要な部分について独立した資によっていたものと認められるから、請求人ら(子)と日常生活の資を共通にしていた関係にあったと認めることはできない」と判断しています。

 

また、子である請求人が「共用部分の電気代・水道代及び単一の契約となっているケープルテレビやインターネットの料金を支払っていたことからも、本件被相続人と生計を一にしていた親族に該当する」と主張したことに対し、審判所は「共用部分の光熱費等の負担をしていたとしても、これは日常生活に係る費用の主要な部分の負担とまではいえない」として言い分を退けています。

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2022/01/31)より転載

[M&A動向レポート](2021年)

■IT・ソフトウエア業界の2021年のM&A件数は4年連続で過去最多を更新 金額も過去最高に

 

2021年のIT・ソフトウエア業界のM&A発表件数は163件で、2012年以降の10年間では、4年連続で過去最多を更新し、2021年の全業種のM&A件数877件の20%近くに達した。取引金額も大きく膨らみ、2012年以降の10年間で最高だった2016年の1兆2200億円強を大きく上回る2兆2400億円ほどに達し、過去最高を更新した。IT人材の不足に加えて、企業の選択と集中の動きが強まったことが背景にある。

 

全上場企業に義務づけられた東証適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介のストライク(M&A Online)が集計した。

 

 

金額トップは日立の1兆422億円

 

2021年のIT・ソフトウエア業界の取引金額のトップは、日立製作所が米IT企業のグローバルロジック(カリフォルニア州)を子会社化するのに投じた1兆422億円で、全業種でも取引金額のトップになった。

 

グローバルロジックは、顧客企業の競争力強化のためのソフトウエアの設計や開発などを手がけており、世界14カ国に約2万人の従業員を抱える。日立は同社の子会社化で、ITやエネルギー、鉄道、モビリティー(移動手段)、ヘルスケアなどの先進的な社会インフラのDXを世界規模で加速するという。

 

金額の2位はパナソニックが、サプライチェーン・ソフトウエア企業の米ブルーヨンダー(アリゾナ州)の子会社化に投じた7830億円で、こちらは全業種の4位に入った。

 

ブルーヨンダーは3000社を超える顧客基盤を持ち、AI(人工知能)やML(機械学習)をベースとしたサプライチェーンマネジメント(SCM)サービスを提供している。パナソニックは、ブルーヨンダーの子会社化で、顧客企業の生産性向上などに向けたSCMサービスを強化し、世界規模で事業拡大につなげる計画だ。

 

 

MBO3件が金額上位10位内に

 

株式の非公開化を目的にしたMBO(経営陣による買収)は、4件(1件は不成立、2020年のMBOは1件)あり、このうち3件が取引金額上位10位までに入った。

 

最も取引金額が高かったのは、マッチングアプリ運営のイグニスが米投資会社のベインキャピタルと組んで実施するTOB(株式公開買い付け)に投じた262億円。

 

イグニスが主力とするスマートフォン向けアプリの開発や運営を巡る競争環境は目まぐるしく変化するため、非公開化して、機動的で柔軟な意思決定を可能にすることにした。MBOは成立し、同社は6月に上場廃止になった。

 

 

 


①日立製作所

米IT企業のグローバルロジックを子会社化 (1兆422億円)

 

②パナソニック

サプライチェーン・ソフトウエア企業の米ブルーヨンダーを子会社化 (7830億円)

 

③ソニーグループ

米国子会社のゲーム部門「GSN Games」を米スコープリーに売却 (1100億円)

 

④野村総合研究所

DXサービス大手の米Core BTSを子会社化 (523億円)

 

⑤ブリヂストン

車両運行管理サービスの米アズーガ・ホールディングスを子会社化 (428億円)

 

⑥楽天グループ

通信ネットワーク用ソフトウエア企業の米アルティオスター・ネットワークスを子会社化 (400億円)

 

⑦電通グループ

ネット広告大手のセプテーニ・ホールディングスを子会社化 (326億円)

 

⑧イグニス

米ベインキャピタルと組みMBOで株式を非公開化 (262億円)

 

⑨AOI TYO Holdings

米カーライル・グループと組んでMBOで株式を非公開化 (213億円)

 

⑩[不成立]パイプドHD

MBOで株式を非公開化 (143億円)

 

 


情報提供元:株式会社ストライク

[M&A動向レポート](2021年12月)

■12月M&A74件、飯田グループが600億円買収

 

021年12月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比4件減の74件となり、2カ月連続で前年を下回った。前月(11月)比では3件減った。1~12月累計では877件と前年比28件の大幅増で、2年ぶりのプラスに転じるとともに、2008年のリーマン・ショック(870件)後の最多となった。

 

12月の取引金額は1416億円。100億円を超える大型案件が3件にとどまったことから、7月(488億円)に次ぐ低水準に。年間金額は8兆7121億円と前年を約2兆4500億円下回った。

 

上場企業に義務づけられている適時開示情報のうち、経営権の異動を伴うM&Aについて、M&A仲介のストライク(M&A Online編集部)が集計した。

 

 

12月の金額首位は約600億円を投じて、ロシア最大級の林産企業を傘下に置く持ち株会社ロシア・フォレスト・プロダクツ(RFP、英領バージン諸島)を買収する飯田グループホールディングスの案件。株式譲渡と第三者割当増資引き受けで株式75%を取得する。木材の安定的な調達体制を確立し、戸建分譲住宅事業の競争力を高めるのが狙いだ。

 

飯田グループは戸建分譲住宅で約3割の国内販売シェアを持つ業界最大手で、年間に4万6000戸以上を供給する。RFPはロシア極東のハバロフスク地方に約400万ヘクタール(九州の1.08倍)の林区を持つ。

 

12月は金額非公表ながら、注目される売却案件が少なくなかった。その一つは東急不動産ホールディングスによる傘下の生活雑貨大手、東急ハンズ(東京都新宿区)の売却発表。売却先はホームセンター最大手のカインズ(埼玉県本庄市)。カインズは地方の大型店を主力とし、都市型店舗の東急ハンズとの補完性を見込んでいる。

 

オリックスはクラウド会計ソフト「弥生シリーズ」で知られる弥生(東京都千代田区)を米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却することを決めた。売却額は2500億円程度とみられる。オリックスが投資事業の一環として弥生を買収したのは2014年。投資資金を回収するイグジット(出口)の段階と判断したようだ。

 

オリンパスは生物顕微鏡、工業用顕微鏡など祖業の「科学事業」の売却を検討すると発表した。科学事業の直近売上高は958億円とそれなりの規模。同社は内視鏡と治療機器を中心とする医療分野に経営資源を集中させる方針に基づき、2020年にはデジタルカメラなどの映像事業を手放した。

 

 


①飯田グループホールディングス

ロシア最大級の林業グループを傘下に置く持ち株会社Russia Forest Products(英領バージン諸島)を子会社化 (600億円)

 

②東和薬品

米カーライル・グループ傘下で健康食品・医薬品受託製造の三生医薬(静岡県富士市)を子会社化 (476億円)

 

③三井住友建設

海上・水上杭工事のシンガポールAntara Kohを子会社化 (76億円)

 

④トランスジェニック

検査・解析事業子会社のジェネティックラボ(札幌市)をEurofinsの傘下企業に譲渡 (32.1億円)

 

⑤アダストリア

外食のゼットンを第三者割当増資とTOBで子会社化 (28.7億円)

 

⑥ラクスル

ダンボール・梱包材の受発注サイト運営のダンボールワン(金沢市)を子会社化 (20億円)

 

⑦鴨川グランドホテル

MBOで株式を非公開化 (17億円)

 

⑧オウケイウェイヴ

音楽・映像制作のアップライツ(東京都港区)を子会社化 (9.9億円)

 

⑨ヨシムラ・フード・ホールディングス

ソフトふりかけ「梅の実ひじき」製造の十二堂(福岡県太宰府市)を子会社化 (7.5億円)

 

⑩フィードフォースグループ

ブランディング戦略策定などのフラクタ(東京都渋谷区)を子会社化 (6.1億円)

 


情報提供元:株式会社ストライク

[解説ニュース]

【Q&A】被相続人から相続開始の年に贈与を受けた相続人の課税関係

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

[関連解説]

■相続税の債務控除の対象とされる債務の範囲

■遺産分割による配偶者居住権の設定と相続税の小規模宅地等の特例の適用

 

 

 

【問】

Aさん(35歳)の父親(享年70歳)は、令和3年12月に急死しました。父親の相続人はAさんと兄の2人です。Aさんは、起業に伴う開業資金として令和3年4月に父親から現金2,000万円の贈与を受けており、また父親の事業の後継者である兄がその事業に係る多額の債務を承継することから、父親の遺産については相続をしないつもりです。この場合において、Aさんに対する贈与税や相続税の取扱いはどのようになるのでしょうか。

 

なおAさんは父親から令和3年の現金2,000万円以外に贈与を受けておらず、令和3年中に父親以外の人から財産の贈与を受けたことはありません。またAさんの父親は、生前に遺言を作成していません。

 

 

【回答】

1.贈与年に贈与者が死亡した場合における、受贈者の税務の取扱い


財産の贈与をした人(贈与者)が、その贈与をした年に死亡した場合、贈与により財産を取得した人(受贈者)の税務は、受贈者が贈与者から相続または遺贈により財産を取得したかどうかにより、次の通りに取扱われます。

 

(1)受贈者が贈与者から相続または遺贈により財産を取得した場合

相続または遺贈により財産を取得した者が、相続の開始年にその相続に係る被相続人から贈与により財産を取得した場合、その財産の価額は相続税の課税価格に加算されます。この場合、相続税の課税価格に加算されるものの価額は贈与税の課税価格には算入されず、贈与税の申告は不要です(相続税法(相法)21条の2第4項)。

 

(2)受贈者が贈与者から相続または遺贈により財産を取得しなかった場合

相続の開始した年に被相続人から贈与により財産を取得した個人が、被相続人から相続または遺贈により財産を取得しなかった場合には、その贈与財産の価額は、その贈与があった年の受贈者の贈与税の課税価格に算入されるのが原則です(相法基本通達21の2-3(1))。

 

ただし、被相続人からの贈与につき相続時精算課税制度の適用を受ける場合、その贈与により取得した財産の価額は贈与税の課税価格に算入されるものの(相法21条の10)、贈与税の申告書の提出は不要とされます(相法28条第4項、相法基本通達21の2-3(2))。この場合、その贈与により取得した財産は、贈与者より相続により取得したものとみなされ、贈与財産の価額は相続税の課税価格に算入されます(相法21条の15第1項、21条の16第1項)。相続開始の年に被相続人から贈与を受けた財産について相続時精算課税制度の適用を受けるためには、贈与者(被相続人)に係る相続税の申告期限または受贈者に係る贈与税の申告期限のいずれか早い日(本問の場合、Aさんの令和3年分贈与税の申告期限の令和4年3月15日)までに、被相続人(=父親)の所轄税務署長に対し相続時精算課税選択届出書を提出する必要があります(相法施行令5条第3項、第4項、相法基本通達21-9-2(1))。

 

2.結論


ご質問の場合、Aさんが父親から相続により財産を取得せず、かつ、令和3年中に父親から贈与を受けた現金2,000万円について、令和4年3月15日までに相続時精算課税選択届出書を提出して相続時精算課税制度の適用を受ける場合、前述1(2)より、その2,000万円が贈与税の課税価格に算入されますが、特別控除額2,000万円を控除することにより、Aさんの令和3年分の贈与税は生じません。一方、Aさんが父親から贈与を受けた現金2,000万円は相続税の対象となり、その現金の額と兄が相続する父親の相続財産の価額(債務控除後)との合計額が、遺産に係る基礎控除額以下であるときには、相続税も発生しません。

 

なお、上記の場合において、Aさんが令和4年3月15日までに相続時精算課税選択届出書を提出しないときは、相続時精算課税制度の適用を受けることができません。相続時精算課税制度の適用を受けず、かつ父親から相続により財産を取得しない場合は、前述1(2)前段より、父親から贈与を受けた現金2,000万円に贈与税が課税され、Aさんは贈与税額585万5,000円を納めることになりますので、注意が必要です。

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2022/01/17)より転載

[M&A動向レポート](2021年12月)

■IT・ソフトウエア業界の2021年12月のM&A件数、過去2番目の高水準

 

IT・ソフトウエア業界の2021年12月のM&A発表件数は13件で、12月としては2012年以降の10年間では、2018年(15件)に次ぐ2番目(2013年と同数)となった。IT人材の不足や企業の選択と集中の動きなどがM&A件数を押し上げた。

 

一方、取引金額は7億500万円で、こちらは12月としては2012年以降の10年間では、2015年(12億3000万円)を下回る過去最低となった。10億円を超える案件がなく、13件中10件が金額非公表や未確定だったため、金額が伸びなかった。

 

全上場企業に義務づけられた東証適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介のストライク(M&A Online)が集計した。

 

 

金額トップはみらいワークスの3億7000万円

 

取引金額のトップは、みらいワークスが人材分野のリード(見込客)獲得を支援するプラットフォーム「FIND CAREERS」を運営するAnd Technologies(東京都港区)の全株式を取得し子会社化することを決めた案件で、取得価格は3億7000万円。主力事業のビジネスマッチングサービスにおける新規登録者の獲得拡大を見込む。

 

金額の2番目は、エムティーアイがAI(人工知能)関連サービスのAI Infinity(東京都港区)の持ち株比率を17.55%から51.56%に引き上げ、子会社化することを決めた案件で、取得価格は2億円。AI事業の強化が狙いだ。

 

金額の3番目は、アピリッツがWebシステムやスマートフォンアプリを開発するムービングクルー(東京都千代田区)の全株式を取得し子会社化することを決めた案件で、取得価格は1億3500万円。ムービングクルーが得意とするエンターテインメント領域の開発ノウハウやデジタル人材を迎え入れ、デジタル事業の拡大につなげる。

 

 

 

 

 

 

情報提供元:株式会社ストライク

[M&A動向レポート](2022年1月)

■コロナ禍の「M&Aへの悪影響ある」がやや増加~ストライクが経営者アンケート

                           オミクロン株が影響か

 

 

M&A(合併・買収)仲介を手掛けるストライクが2022年1月に実施した経営者アンケートによると、新型コロナウイルスの感染拡大が「M&A市場にマイナスの影響を及ぼしている」と回答した中小企業経営者の比率が全体の36%となり、前回調査(21年7月、32%)からやや上昇していることが明らかになった。新型コロナウイルスの一種で、感染力の強い「オミクロン株」の感染が広がりつつあることが背景にあるとみられる。

 

調査はストライクが22年1月5~7日に実施し、329件の回答を得た。回答した経営者の業種は、建設業、卸売・小売業、運輸業、製造業、情報通信業、不動産業、サービス業などが多い。

 

アンケート(複数回答)によると、M&Aの買い手は18%(前回は16%)、売り手は31%(前回は39%)が「コロナ禍はM&Aにマイナスの影響を及ぼしている」と回答した。事業承継を検討している経営者が「コロナ禍がM&Aにマイナスの影響を及ぼしている」と答えた比率は44%に達した。前回調査は35%だった。具体的な影響については「計画を延期した」が31%でトップ。「内容を再検討することになった」が30%で続いた。

 

「コロナ禍による影響はない」との回答は39%と前回(48%)と比べると低下した。ただ、「マイナスの影響がある」との回答をなお3%ポイント程度上回っており、経営者の間で、コロナ禍への悪影響への懸念が和らいできていることに変わりはなさそうだ。「影響はない」との回答の理由を聞いたところ、「コロナが経営環境にそれほど影響を及ぼしていない」との答えが72%に達した。

 

 

 

情報提供元:株式会社ストライク

[M&Aニュース](2021年12月13日〜2021年12月24日)

◇東京センチュリー<8439>、小型建機・樹木整備機器販売の米国Fiber Marketing Internationalを子会社化、◇MITホールディングス<4016>、アプリ開発やネットワーク構築のエーピーエスを子会社化、◇トレンダーズ<6069>、化粧品・美容機器販売のクレマンスラボラトリーを子会社化、◇日本ピストンリング<6461>、救急災害用器材輸入販売のノルメカエイシアを子会社化、◇神戸製鋼所<5406>、銅管子会社のコベルコマテリアル銅管を三菱商事<8058>傘下の丸の内キャピタルに譲渡、◇三菱製紙、60人の希望退職者を募集、◇加藤製作所、100人程度の希望退職者を募集、◇三井住友建設<1821>、海上・水上杭工事のシンガポールAntara Kohを子会社化、◇共同ピーアール<2436>、インフルエンサーマーケティング事業のVAZを子会社化、◇日本ハウズイング<4781>、三井E&Sホールディングス<7003>傘下で総合サービス業のMESファシリティーズを子会社化、◇みらいワークス<6563>、リード獲得支援プラットフォーム事業のAnd Technologiesを子会社化、◇Robot Home<1435>、不動産賃貸・売買仲介業のアイ・ディー・シーを子会社化 ほか

 

 

 

 

東京センチュリー<8439>、小型建機・樹木整備機器販売の米国Fiber Marketing Internationalを子会社化
2021/12/24

東京センチュリーは米国現地法人を通じて、小型建設機械や樹木整備機器の販売・アフターサービスを手がける現地Fiber Marketing International, Inc.(FMI、ワシントン州)の全株式を取得し子会社化した。従来のリース・ファイナンスの提供に加え、販売・アフターサービスも一体化した「ワンストップ・サービス」拡充の一環。FMIは1991年に設立。取得価額、取得日は非公表。

東京センチュリーは2019年に中小型トラックや樹木整備機器を主な取扱品とするリース・ファイナンス会社AP Equipment Financing Inc.(オレゴン州)を、2021年5月に中小型トラック・樹木整備機器販売のWork Truck Direct, Inc.(オレゴン州)をそれぞれ傘下に収めた。

MITホールディングス<4016>、アプリ開発やネットワーク構築のエーピーエスを子会社化
2021/12/24

MITホールディングスは、アプリケーション開発やサーバー・ネットワーク構築を手がけるエーピーエス(東京都千代田区。売上高2億5600万円、営業利益△2900万円、純資産476万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。システム構築サービスにおける新たな顧客層の獲得や開発体制の充実を目指す。取得価額は非公表。取得予定日は2022年1月1日。

エーピーエスは2005年設立で、NECグループを主要顧客とする。タブレットやスマートフォンのアプリ開発にも強みを持つという。

トレンダーズ<6069>、化粧品・美容機器販売のクレマンスラボラトリーを子会社化
2021/12/24

トレンダーズは、化粧品や健康食品、美容機器を企画・販売するクレマンスラボラトリー(東京都中央区。売上高538万円、営業利益△118万円、純資産97万3000円)を株式交付の手続きで子会社化することを決めた。美容領域の事業拡大につなげる。クレマンスラボラトリーは美容医療・再生医療施術の開発に長年携わってきた平野香奈絵氏が2019年に創業した。トレンダーズは株式取得の対価として現金2165万円と自社株式1万株(835万円)を割り当てる。取得予定日は2022年2月7日。

日本ピストンリング<6461>、救急災害用器材輸入販売のノルメカエイシアを子会社化
2021/12/24

日本ピストンリングは、救急災害用器材を輸入販売するノルメカエイシア(埼玉県越谷市。売上高38億1000万円、営業利益5億200万円、純資産5億1500万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。重点施策の一つに医療分野での新製品事業を打ち出しており、その一環。ノルメカエイシアは1996年設立で、日本初の災害医療機器の専門商社として、国内外に救急災害時の調達、物流体制を構築している。取得価額は非公表。取得予定日は2022年1月11日。

神戸製鋼所<5406>、銅管子会社のコベルコマテリアル銅管を三菱商事<8058>傘下の丸の内キャピタルに譲渡
2021/12/24

神戸製鋼所は、コベルコマテリアル銅管(東京都新宿区。売上高397億円、営業利益5億1900万円、純資産110億円)の全保有株式55%を、三菱商事傘下の投資会社である丸の内キャピタル(東京都千代田区)に譲渡することを決めた。不採算事業の再構築の一環。企業価値として約120億円で合意しており、運転資本や純有利子負債などを調整したうえで譲渡価額を確定する。譲渡予定日は2022年3月31日。

コベルコマテリアル銅管は2004年に神鋼と三菱マテリアルの国内・東南アジアにおける銅管事業を統合して設立し、空調用や建築・給水給湯用の製品を製造・販売している。三菱マテリアルも保有する全45%の株式を譲渡する予定。

コベルコマテリアル銅管を巡っては2019年9月に国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(東京都千代田区)に譲渡することで合意していたが、その後のコロナ禍の影響で実行予定日を延期し、最終的に2020年12月に譲渡の中止にいたっていた。

三菱製紙、60人の希望退職者を募集
2021/12/23

三菱製紙は23日、60人の希望退職者を募集すると発表した。対象は40歳以上の正社員スタッフ職(現業職を除く)で、募集期間は2022年6月1日~6月13日(退職日は7月20日付)。紙需要の減退に原燃料価格の高騰が重なり、厳しい環境が続いている。新規ビジネスによる事業構造転換、コスト削減施策を進めているものの、今後も既存事業の市場縮小が継続するとみて、人員の適正化が不可欠と判断した。2022年3月期業績予想は売上高7.8%増の1750億円、営業利益10億円(前期は17億円の赤字)、最終利益5億円(同25億円の赤字)。

応募者には通常の会社都合退職金に加算金を上乗せ支給し、再就職を支援する。

加藤製作所、100人程度の希望退職者を募集
2021/12/23

加藤製作所は22日、100人程度の希望退職者を募ると発表した。対象は45歳以上65歳未満の正社員のうち勤続10年以上、65歳未満の正社員以外の社員。募集期間は2022年1月24日~2月18日(退職日は3月31日)。建機の国内需要減少が続く中、新型コロナ禍の影響が重なり、2021年3月期まで3年連続の減収、2期連続で営業、経常、最終の各損益で赤字を計上。さまざまな経営努力を行ううえで人件費の削減は不可避と判断した。応募者には特別退職金を支給する。

三井住友建設<1821>、海上・水上杭工事のシンガポールAntara Kohを子会社化
2021/12/23

三井住友建設は、海上・水上杭工事を主力とするシンガポールAntara Koh Private Limited(AKPL、売上高50億2000万円、純資産49億7000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。海外における大型橋梁分野の事業拡大の一環。AKPLは三井住友建設が手がける海外橋梁工事で主に基礎工事を担当するパートナーとして長年信頼関係を築いてきた。取得価額は約76億円。取得予定日は2022年2月15日。

三井住友建設はAKPLが保有する船舶や杭基礎技術の活用、施工管理体制の連携などによる競争力向上に向けてメリットが大きいと判断した。AKPLは1974年に創業。

共同ピーアール<2436>、インフルエンサーマーケティング事業のVAZを子会社化
2021/12/23

共同ピーアールは、インフルエンサーマーケティング事業のVAZ(東京都中央区。売上高8億円、営業利益△1億400万円、純資産2億1500万円)の株式を追加取得し、連結子会社化することを決めた。現在3.66%の持ち株比率を40.19%に引き上げる。VAZは若年層向けマーケティングに強みを持つ。取得価額は非公表。取得予定日は2022年1月14日。

日本ハウズイング<4781>、三井E&Sホールディングス<7003>傘下で総合サービス業のMESファシリティーズを子会社化
2021/12/23

日本ハウズイングは、三井E&Sホールディングス傘下で人材派遣、自動車教習所、保険代理店、薬局、警備などを手がける総合サービス業のMESファシリティーズ(千葉県市原市。売上高82億8000万円、営業利益3億5500万円、純資産41億3000万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。事業基盤の強化と関連事業の拡大につなげる。日本ハウズイングはマンション管理の大手。取得価額は非公表。取得予定日は2022年4月1日。

MESファシリティーズは旧三井造船の非製造部門の直系子会社4社が合併し、2016年4月に発足した。事業は多岐にわたり、旅行代理店、給食・レストラン、ガソリンスタンド、自動車整備なども手がける。

みらいワークス<6563>、リード獲得支援プラットフォーム事業のAnd Technologiesを子会社化
2021/12/23

みらいワークスは、人材分野のリード(見込客)獲得を支援するプラットフォーム「FIND CAREERS」を運営するAnd Technologies(東京都港区。売上高4400万円、営業利益3900万円、純資産2600万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。主力事業のビジネスマッチングサービスにおける新規登録者の獲得強化を見込む。取得価額は3億7000万円。取得予定日は2022年1月4日。

マツオカコーポレーション<3611>、衣料品OEM事業の中国「宿遷茉織華服装」を子会社化
2021/12/23

マツオカコーポレーションは中国子会社を通じて、衣料品OEM(相手先ブランドによる生産)事業の宿遷茉織華服装有限公司(江蘇省宿遷市。売上高8億7200万円、営業利益0百万円、純資産4億7900万円)の持ち分を追加取得し子会社化することを決めた。現在14.9%の持ち分比率を100%に高める。マツオカにとって宿遷茉織華服装は中国における協力工場。同社を傘下に収めることで、中国での生産基盤を強固にし、増加する縫製需要を取り込む。取得価額は非公表。取得予定は2022年1月。

Robot Home<1435>、不動産賃貸・売買仲介業のアイ・ディー・シーを子会社化
2021/12/22

Robot Homeは、不動産賃貸・売買仲介業のアイ・ディー・シー(大阪府吹田市。売上高5億3800万円、営業利益1560万円、純資産9960万円)の全株式を取得し、22日付で子会社化した。グループのAI(人工知能)・IoT(モノのインターネット)事業、不動産コンサルティング事業などの成長促進に役立てる。取得価額は非公表。

東急不動産ホールディングス<3289>、DIYを中心とする子会社の東急ハンズをカインズに譲渡
2021/12/22

東急不動産ホールディングスは22日、DIYを中心に家具、日用品、生活雑貨などを取り扱う子会社の東急ハンズ(東京都新宿区。売上高631億円、営業利益△44億7000万円、純資産36億4000万円)の全株式を、ホームセンター最大手のカインズ(埼玉県本庄市)に譲渡すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2年連続の最終赤字に陥るなど厳しい環境にあり、グループ内の経営資源による事業再構築では限界があると判断した。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2022年3月31日。

東急ハンズは1976年に創業。DIYを中心に新たな生活様式を提案する小売業態の先駆者的存在として知られ、現在、国内海外合わせて86店舗(フランチャイズ24店舗を含む)を展開している。PB(自社企画)商品の開発強化、EC(電子商取引)の拡大、フランチャイズ展開の加速などを通じて再建を進めてきたが、新型コロナ禍が重なり、業績が急速に悪化していた。

カインズはホームセンター最大手で、2021年2月期の売上高は4854億円。店舗数は227(12月22日現在)。東急ハンズを傘下に迎え、オリジナル商品の開発やデジタル基盤の活用などで相乗効果を期待している。

ビックカメラ<3048>、スマホなどデジタル家電買い取りの「じゃんぱら」を子会社化
2021/12/22
ビックカメラは傘下企業を通じて、スマートフォン、パソコンなどデジタル家電や情報通信機器の買い取り・販売を手がける、じゃんぱら(東京都千代田区)の全株式を取得し、22日付で子会社化した。デジタル家電リユース(中古)でのシェア拡大や店舗網の地域補完、仕入ルート拡充などの相乗効果を期待している。じゃんぱらは1997年創業で、全国で50店舗を展開する。取得価額は非公表。
すららネット<3998>、子ども向け知育アプリ開発のファンタムスティックを子会社化
2021/12/22

すららネットは、子ども向け知育アプリや学習コンテンツを開発するファンタムスティック(東京都港区。売上高1億300万円、営業利益△2700万円、純資産1億100万円)の株式39.8%を取得し、子会社化(実質支配力基準)することを決めた。すららネットはファンタムスティック取締役5人のうち3人を派遣する。国内、海外の両面でユーザーの新規獲得や顧客基盤の拡大などの相乗効果を期待している。取得価額は非公表。取得予定日は2022年1月14日。

グッドパッチ<7351>、Webシステム・アプリ開発のスタジオディテイルズを子会社化
2021/12/22

グッドパッチは、Webシステムやアプリ開発などの実装・開発を手がけるスタジオディテイルズ(名古屋市。売上高5億6700万円、営業利益1770万円、純資産6100万円)の全株式を取得し、22日付で子会社化した。Webデザイン領域での総合力向上が狙い。スタジオディテイルズは2009年に創業。取得価額は非公表。

IBJ<6071>、旅行子会社のかもめを個人に譲渡
2021/12/22

IBJは、旅行事業子会社のかもめ(東京都港区。売上高6億9800万円、営業利益△2800万円、純資産1億7200万円)の全株式を個人の原優二氏に譲渡することを決めた。新型コロナ禍の影響で海外への新婚旅行需要の回復には時間を要することが予想されるとの判断。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年12月29日。

IBJ<6071>、雑誌広告子会社のIBJウエディングを日本グローイング社に譲渡
2021/12/22

IBJは、雑誌広告子会社のIBJウエディング(東京都港区。売上高2億8800万円、営業利益△600万円、純資産1億1100万円)の全株式を、ウエディングフォト事業の日本グローイング社(東京都江東区)に譲渡することを決めた。新型コロナ禍の影響でブライダル関連の広告需要の回復は時間を要することが予想され、主力の婚活事業領域との相乗効果の創出が当面難しいと判断した。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年12月29日。

FRACTALE<3750>、競輪・オートレースの会員制場外車券売場を経営するサテライト名古屋を子会社化
2021/12/22

FRACTALEは傘下企業を通じて、競輪とオートレースの会員制場外車券売場を経営するサテライト名古屋(名古屋市。売上高2億1500万円、営業利益△2億8200万円、純資産△8億3300万円)の全株式を取得し、22日付で子会社化した。公営競技のメディア運営、インターネットレジャーサービス事業といった新しい運営要素を場外車券売場に導入し、これまで競輪やオートレースに触れることの少なかった世代の取り込みを目指す。取得価額は非公表。

サテライト名古屋は2012年に中部地区初の競輪会員制場外車券売場「サテライト名古屋」、2016年にオートレースの会員制場外車券売場「オートレース名古屋」をそれぞれ名古屋市内にオープンした。いずれの施設もFRACTALE傘下で不動産事業のデューイ(東京都千代田区)が所有する商業ビルに入居する関係にあった。

フマキラー<4998>、殺虫剤製造のイタリアZapiなど2社を子会社化
2021/12/22

フマキラーは、殺虫剤などを製造・販売するイタリアZapi Industrie Chimiche S.p.A.(売上高43億3000万円、純資産20億7000万円)の株式80%、不動産事業のイタリアTrezeta Immobiliare S.r.L.(売上高7500万円、純資産4億9300万円)の全株式をそれぞれ取得し、子会社化することを決めた。殺虫剤分野の海外展開を強化する狙い。TrezetaはZapiの製造工場の土地・建物を所有している。取得価額は非公表。取得予定は2022年1月~2月中。

アルコニックス<3036>、精密コネクター金属端子部品を製造するジュピター工業を子会社化
2021/12/21

アルコニックスは、精密コネクター金属端子部品のプレス加工、金型製作を手がけるジュピター工業(岩手県宮古市。売上高15億円、経常利益9500万円、純資産14億3000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。コネクター業界は自動車の電装化、5G(高速通信規格)、IoT(モノのインターネット)関連の進展で需要が大きく膨らんでいる。アルコニックスは成長分野と位置づける「電子部品」「半導体」「自動車」との相乗効果を期待している。取得価額は非公表。取得予定日は2022年4月20日。

ジュピター工業は1973年に設立。主力の精密コネクター金属端子部品はスマートフォン、タブレットなどのモバイル製品をはじめ民生用機器に使われている。中国・蘇州市に設計・生産の海外拠点を持つ。

ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>、ソフトふりかけ「梅の実ひじき」製造・販売の十二堂を子会社化
2021/12/21

ヨシムラ・フード・ホールディングスは、海産物・農産物加工販売の十二堂(福岡県太宰府市。売上高6億8000万円、営業利益7000万円、純資産2億5600万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。十二堂は代表商品のソフトふりかけ「梅の実ひじき」で全国的なファンを持つ。取得価額は7億5000万円。取得予定日は2022年1月17日。

ヨシムラ・フードは傘下に、わかめ・ひじきのふりかけ商品を展開する香り芽本舗(島根県出雲市)を持ち、販路の共有や原料の共同購入、商品の共同開発などの相乗効果を期待している。

ダイナパック<3947>、包装資材製造・販売の城西パックなど2社を子会社化
2021/12/21

ダイナパックは傘下企業を通じて、不動産賃貸の城西(東京都西東京市。売上高500万円)と同社子会社でダンボールなど包装資材を製造・販売する城西パック(同。売上高2億800万円)を子会社化することを決めた。関東圏での事業拡大の一助とする。城西の全株式、城西パックの35%(間接保有分を合わせ100%)の株式をそれぞれ取得する。取得価額は非公表。取得予定日は2022年1月20日。

ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス<3657>、サイバーセキュリティー事業のNinjastarsを子会社化
2021/12/21

ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングスは傘下企業を通じて、サイバーセキュリティー事業のNinjastars(東京都品川区。売上高2560万円、営業利益154万円、純資産2850万円)の株式70%を取得し子会社化することを決めた。主力事業のゲームデバッグ(ゲームソフトの不具合検出)でセキュリティー診断を融合した新たなサービスを展開するとともに、ゲーム以外でも顧客企業のアプリやシステムの総合的な品質向上につながると期待している。取得価額は非公表。取得予定日は2022年1月21日。

サウジアラビア企業、KOSDAQ上場でゲームコンテンツ事業のSNKをTOBで子会社化へ
2021/12/20

サウジアラビアの投資会社エレクトロニック・ゲーミング・ディベロップメント・カンパニー(リヤド)は17日、韓国KOSDAQ上場でゲームコンテンツ事業のSNK(大阪市)の完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を始めた。エレクトロニック・ゲーミングはSNKの株式33.3%を持つ大株主。サウジアラビアは石油依存型経済からの脱却を進めるため、ゲームなどエンターテインメント・コンテンツ産業の育成を重点政策の一つに掲げる。SNKは「ザ・キング・オブ・ファイターズ」「サムライスピリッツ」「メタルスラッグ」などのゲームで知られる。

買付価格は1株につき371万9700ウォン。TOBを決議した取締役会開催日前日の終値208万5000ウォンに78.4%のプレミアムを加えた。買付予定数は14万482株、下限は所有割合17.7%にあたる3万7279株。買付代金は最大501億円。

買付期間は12月17日~2022年2月10日。決済の開始日は2022年2月18日。公開買付代理人は三田証券。

エムティーアイ<9438>、AI関連サービスのAI Infinityを子会社化
2021/12/20

エムティーアイは、AI(人工知能)関連サービスのAI Infinity(東京都港区。売上高1700万円、営業利益△2610万円、純資産142万円)の株式を追加取得し、子会社化することを決めた。第三者割当増資を引き受けて、現在17.55%の持ち株比率を51.56%に高める。AI事業の拡大が狙い。AI Infinityは2017年設立。取得価額は2億円。取得予定日は2021年12月24日。

CAICA DIGITAL<2315>、フィスコ<3807>傘下で貸金業のフィスコ・キャピタルを子会社化
2021/12/20

CAICA DIGITALは子会社を通じて、フィスコ傘下で貸金業を手がけるフィスコ・キャピタル(東京都港区。売上高4万2000円、営業利益△82万1000円、純資産7700万円)の全株式を取得し、20日付で子会社化した。暗号資産を担保にした融資など新サービスの提供を目指す。取得価額は7600万円。

CAICAは11月1日付でグループの金融事業を統括するために中間持ち株会社「カイカフィナンシャルホールディングス」(東京都港区)を設立しており、この傘下にフィスコ・キャピタルを配置する。フィスコ・キャピタルはカイカファイナンスに社名を変更する。

日機装<6376>、ポンプ製造の欧州子会社2社を譲渡へ
2021/12/20

日機装は、原油・天然ガス掘削や石油化学プラントで使われるポンプを製造・販売する欧州子会社2社を譲渡することを決めた。ドイツLEWA GmbH(売上高326億円、営業利益36億9000万円)とオランダGeveke B.V.(売上高72億8000万円、営業利益8億5000万円)で、両社の全株式を譲渡する。事業構成見直しの一環で、次世代エネルギー関連市場へ経営資源を集中し、中長期的な安定成長につなげる。譲渡先と譲渡価額は非公表。譲渡予定は2022年5月中。

クシム<2345>、ブロックチェーン関連システム開発のチューリンガムを子会社化
2021/12/20

クシムは、ブロックチェーン(分散型台帳)関連のシステム開発やコンサルティング事業を手がけるチューリンガム(東京都千代田区。売上高5200万円、営業利益△4200万円、純資産5700万円)を株式交換で子会社化することを決めた。成長が見込まれるブロックチェーン技術領域の教育(Eラーニングコンテンツ開発)、システム受託開発などへの事業転換を進める一環。株式交換予定日は2022年3月2日。株式交換比率はクシム1:チューリンガム5.26。

チューリンガムは2019年設立で、暗号資産交換所の改善計画策定、暗号資産のレンディング(貸仮想通貨)サービスプラットフォームの開発などに取り組んできた。

日本駐車場開発<2353>、駐車場事業の中国子会社「邦駐(上海)停車場管理」を現地社に譲渡
2021/12/20

日本駐車場開発は、駐車場事業を手がける中国子会社の邦駐(上海)停車場管理有限公司(上海市。売上高1億9600万円、営業利益4340万円、純資産2億1800万円)の全株式を、現地同業の北京易泊安科技有限公司(北京市)に譲渡することを決めた。海外駐車場事業の見直しの一環。邦駐は2011年に設立したが、足元ではコロナ禍の影響も重なり、当初の期待を超える利益成長が実現せず、今後も成長が見込めないと判断した。譲渡価額は1円。譲渡予定日は2021年12月31日。

東和薬品<4553>、米カーライル・グループ傘下で健康食品・医薬品受託製造の三生医薬を子会社化
2021/12/17

東和薬品は、健康食品・医薬品の受託製造を手がける三生医薬(静岡県富士市。売上高228億円、営業利益21億2000万円、純資産149億円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。三生医薬が持つ高い製剤技術や健康食品に関するノウハウを取り込み、健康関連事業の多角的な展開につなげる。三生医薬は1993年設立で、2014年に米投資ファンドのカーライル・グループの傘下に入った。取得価額は476億9400万円。2022年2月28日に株式99%超を、3月7日に残る株式を取得する予定。

オリンパス<7733>、生物顕微鏡や工業用内視鏡などの「科学事業」を分社したうえで売却へ
2021/12/17

オリンパスは17日、生物顕微鏡や工業用内視鏡などを製造、販売する「科学事業」を分社したうえで売却する方向で検討を進めると発表した。内視鏡事業と治療機器事業を中心とした医療分野に経営資源を投入するのに伴い、非中核と位置付ける科学事業を手放す。科学事業の直近業績は売上高958億円、営業利益49億4000万円。受け皿会社として新設したエビデント(長野県辰野町)に2022年4月1日付で科学事業を移管し、続いて同社の全株式を第三者に譲渡する見通し。

オリックス<8591>、傘下のクラウド会計ソフト大手の弥生を米KKRに譲渡
2021/12/17

オリックスは、業務用ソフトウエア開発を手がける子会社の弥生(東京都千代田区。売上高211億円、経常利益49億3000万円、純資産87億2000万円)を、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に譲渡することを決めた。デジタル革新の進展など事業環境が加速度的に変化する中、世界的なネットワークを持つ有力ファンドのKKRに弥生の今後の成長を託す。弥生はクラウド会計ソフト「弥生シリーズ」で知られ、オリックスが2014年に傘下に収めた。

弥生が会社分割して設立する弥生事業準備会社(新弥生)の全株式を譲渡する。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2022年3月1日。

エクシオグループ<1951>、空調・給排水衛生など管工事の光陽エンジニアリングを子会社化
2021/12/17

エクシオグループは、空調、給排水衛生などの管工事を手がける光陽エンジニアリング(静岡市。売上高16億7000万円、営業利益1億7600万円、純資産9億300万円)を株式交換で子会社化することを決めた。都市インフラ事業の拡大の一環。株式交換比率はエクシオグループ1:光陽エンジニアリング1000。株式交換予定日は2022年1月31日。

フィードフォースグループ<7068>、ブランディング戦略策定やECサイト構築支援のフラクタを子会社化
2021/12/17

フィードフォースグループは、ブランディング戦略策定やEC(電子商取引)サイト構築支援を手がけるフラクタ(東京都渋谷区。売上高4億8600万円、営業利益700万円、純資産1億900万円)の株式51.25%を取得し、子会社化することを決めた。企業のデジタル革新を支援するDX(デジタルトランスフォーメーション)事業の成長加速につなげる。フラクタは2013年設立。取得価額は6億1900万円。取得予定日は2021年12月24日。

SPK<7466>、自動車トランスミッション修理サービスのデルオートを子会社化
2021/12/16

SPKは、自動車トランスミッションの修理サービスやリビルト(再生)を手がけるデルオート(神奈川県厚木市。売上高4億3300万円、営業利益6400万円、純資産4億1900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。国内外の自動車部品卸を主力とするSPKグループにとって相乗効果が大きいと判断した。デルオートは1980年設立。取得価額は非公表。取得予定日は2021年12月22日。

電算システムホールディングス<4072>、システム開発のCMCを子会社化
2021/12/16

電算システムホールディングスは、システム開発のCMC(岐阜市。売上高1億3500万円、営業利益491万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。CMCは1991年に設立で、会計システムを中心とした業務システムの導入や、ネットワーク構築支援、老朽化システムのメンテナンス対応などで実績を積んできた。取得価額は非公表。取得は2022年5月半ばまでに行う予定。

カッシーナ・イクスシー<2777>、生活雑貨販売のコンランショップ・ジャパンをMSD企業投資に譲渡
2021/12/16

カッシーナ・イクスシーは、生活雑貨・家具・食品など販売の「ザ・コンランショップ」を展開する子会社のコンランショップ・ジャパン(東京都新宿区。売上高23億1000万円、営業利益3000万円、純資産△14億3000万円)の全株式を、MSD企業投資(東京都千代田区)に譲渡することを決めた。コンランショップ・ジャパンの収益改善に一定のめどが立ったのを受け、新たな株主体制のもとで再スタートさせるのが得策と判断した。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年12月27日。

譲渡先のMSD企業投資は三井物産、三井住友銀行(東京都千代田区)、日本政策投資銀行(東京都千代田区)が設立した投資会社。

ハリマ化成グループ<4410>、ドイツHenkelからはんだ付け材料事業を取得
2021/12/16

ハリマ化成グループは、ドイツの化学メーカーHenkel AG & Co. KGaA(デュッセルドルフ)から、はんだ付け材料事業を取得することを決めた。両社のはんだ事業を統合することにより、生産規模の拡大と生産効率の向上につなげる。取得対象事業の直近売上高は約36億円。Henkelの創業は1876年。取得価額は非公表。取得予定日は2022年4月1日。

Henkelから取得するのは欧、米、アジアの生産設備、生産技術、商標、特許、従業員、商権など。ハリマ化成は松由来の天然樹脂ロジン(松脂)を原料とする各種化学品を手がける。このうち、電子材料関連で金属粉とロジン誘導体を組み合わせたペースト状はんだ「ソルダーペースト」を主力商品の一つとしている。

リビングプラットフォーム<7091>、千葉県内で保育事業所2施設を運営するID・アーマンを子会社化
2021/12/15

リビングプラットフォームは、千葉県で2カ所の保育事業所を運営するID・アーマン(千葉県市川市。売上高2億円、営業利益173万円、純資産1710万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。主力の介護事業に続く柱である保育事業の成長加速が狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2022年1月1日。

リビングプラットフォームは現在、認可保育所10施設、企業主導型保育事業所4施設を持つ。

GA technologies<3491>、資産運用型マンション販売・賃貸のリコルディを子会社化
2021/12/15

GA technologiesは、資産運用型マンション販売・賃貸のリコルディ(東京都千代田区。売上高69億7000万円、営業利益1億1700万円、純資産1億8000万円)を子会社化することを決めた。株式35.71%を取得したうえで、残る株式を株式交換で取得する。GAは中古マンション領域を主力とするが、上流の新築領域を取り込み、商品ラインナップの充実につなげる。リコルディは2010年設立。

株式交換比率はGA1:リコルディ7124.79。株式交換に先立つ株式の取得価額は非公表。一連の取得予定日は2022年3月1日。

ジェイフロンティア<2934>、医療人材紹介のAIGATEキャリアを子会社化
2021/12/15

ジェイフロンティアは、医療人材紹介やコールセンター事業を手がけるAIGATEキャリア(東京都渋谷区。売上高14億400万円、営業利益3400万円、純資産8100万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。医師、看護師、薬剤師などの医療人材紹介サービスに参入する。将来は臨床検査技師や放射線技師、介護士、医療事務などに紹介領域を広げる。取得価額は4億円。これに加え、子会社化後の業績達成度合いに応じて2023年4月末までに最大4億円を追加で支払う。取得予定日は2021年12月28日。

ジェイフロンティアは健康食品の通信販売でコールセンター業務をAIGATEに委託するなど長年取引関係を持つ。

タナベ経営<9644>、ブランディング構築支援のジェイスリーを子会社化
2021/12/15

タナベ経営は、企業向けにブランディング構築支援などを手がけるジェイスリー(東京都港区)の株式96.2%を取得し子会社化することを決めた。既存株主からの株式取得と第三者割当増資引き受けを組み合わせる。タナベ経営は経営コンサルティングとしての長年の蓄積と、ジェイスリーが強みとするブランディングやCX(顧客体験)に関する知見・ノウハウを連携させ、経営サービスの向上につなげる。ジェイスリーは1986年に設立。取得価額、取得予定日は非公表。

日本創発グループ<7814>、広告・宣伝企画・制作のダイアモンドヘッズを子会社化
2021/12/15

日本創発グループは、広告宣伝企画・制作などのダイアモンドヘッズ(東京都港区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。クリエイティブサービスの多様化につなげる狙い。ダイアモンドヘッズは1982年設立で、ブランド戦略の立案・キャンペーンやプロモーション、グラフィック、Web、ムービーなどの制作を幅広く手がける。取得価額は非公表。取得予定日は2022年1月14日。

オウケイウェイヴ<3808>、音楽・映像制作や著作権管理のアップライツを子会社化
2021/12/15

オウケイウェイヴは傘下の投資ファンドを通じて、音楽・映像制作や著作権管理のアップライツ(東京都港区。売上高5億5500万円、営業利益1960万円、純資産2060万円)の第三者割当増資を引き受けて株式52.6%を取得し、子会社化することを決めた。DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展を見据え、クリエーターとユーザーをつなぐ新たな事業展開を模索する。オウケイウェイヴが運営する国内最大級のQ&Aサイト「OKWAVE」関連ビジネスの活性化も期待している。アップライツは2006年に設立。取得価額は9億9999万円。取得予定日は2021年12月20日。

Oakキャピタル<3113>、キャッシュレス決済事業のユニヴァ・ペイキャストを子会社化
2021/12/15

Oakキャピタルは、キャッシュレス決済事業を展開するユニヴァ・ペイキャスト(東京都港区。売上高25億4000万円、営業利益△4800万円、純資産3億3800万円)を株式交換で子会社化することを決めた。金融ビジネスの多角化を推進する一環。ユニヴァ・ペイキャストは2001年に設立し、中国の銀聯カードによるインターネット上の「越境決済」や、中国人観光客が利用するAlipay、WechatPayをはじめ、他のアジア諸国のモバイル決済に日本国内でいち早く対応したことで知られる。取得予定日は2022年6月15日。株式交換比率は今後、協議のうえ決める。

アクサスホールディングス<3536>、アジアンチーク材加工・販売のウオール・デコを子会社化
2021/12/15

アクサスホールディングスは傘下企業を通じて、アジアンチーク材加工・販売のウオール・デコ(兵庫県西宮市。売上高3000万円、営業利益△1800万円、純資産△3500万円)の全事業の取得と同社の完全子会社化を決めた。ウオール・デコは1985年創業で、アジアンチーク材に関してアジア各地に独自の調達ルートを持ち、工務店や内装業者、ホームセンターなどの顧客に供給するほか、自社加工の木材インテリアも手がける。取得価額は2000万円。取得予定は2022年4月。

アクサスホールディングスは傘下のアクサス(徳島市)を通じて、化粧品、生活雑貨、酒類販売などを手がけている。

トレジャー・ファクトリー<3093>、メディアコンテンツ事業子会社のデジタルクエストを売却検討
2021/12/15

トレジャー・ファクトリーは、2019年に子会社化したデジタルクエスト(東京都千代田区。売上高3億8000万円、営業利益△1700万円、純資産1億900万円)のシステム開発事業などを分社して新会社を設立するとともに、分社後のデジタルクエストの株式について外部第三者への売却を検討する方針を決めた。分社によってデジタルクエストにはスマートフォンゲーム、ブロックチェーン(分散型台帳)ゲームなどのメディアコンテンツ事業が残るが、こうした事業はグループ内で相乗効果が見込めないとの判断による。

トレジャー・ファクトリーはシステム開発力の強化を目的にデジタルクエストを傘下に収め、現在約53%の株式を保有。BtoB(事業者間)オークション事業用などの各種システムやアプリを共同で開発してきた。今後、システム開発のスピードをさらに高めていくために、当該事業を分社して2022年2月14日付で新会社を設立する予定。

シャルレ、早期退職者の募集を今年1月に続き実施
2021/12/14

女性下着や化粧品の訪問販売を手がけるシャルレは14日、早期退職者を募るセカンドキャリア選択支援制度を実施すると発表した。50歳以上の社員と再雇用嘱託社員が対象。人数を定めず、募集期間は12月20日~2022年1月12日(退職日は3月31日付)。中長期的な人員構成の適正化などが目的。同社は今年1月にも同様の内容で早期退職を実施しており、前回は8人の応募があった。

アイケイ<2722>、法人向けモバイル事業のコミュニケーション・ブリッジを子会社化
2021/12/14

アイケイは傘下企業を通じて、法人向けモバイル事業を手がけるコミュニケーション・ブリッジ(東京都港区。売上高1億4200万円、営業利益1320万円、純資産2000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。コンタクトセンター向け有人対応チャットシステム「M-Talk」事業の強化やサービス向上につなげる。コミュニケーション・ブリッジは「M-Talk」の日本総販売代理店。取得価額は非公表。取得予定日は2021年12月30日。

アダストリア<2685>、外食のゼットン<3057>を第三者割当増資とTOBで子会社化
2021/12/14

アダストリアは14日、外食中堅でレストラン「アロハテーブル」などを運営するゼットンを連結子会社化すると発表した。第三者割当増資の引き受けとTOB(株式公開買い付け)を通じて、40%~51%の株式取得を目指す。取得価額は合計で約28億7000万円。カジュアル衣料店大手のアダストリアはゼットンを傘下に取り込み、ファッションビジネスと飲食ブランドの融合による新規事業を目指す。アダストリアはファッション通販サイト最大手のZOZO創業者、前澤友作氏が約7%の株式を持つ大株主として名を連ねる。ゼットンの名証セントレックスへの上場は維持される。

アダストリアは12月30日に第三者割当増資を約12億9200万円で引き受け、ゼットン株式の25.14%(162万1400株)を取得したうえで、TOBを実施する。

ゼットン株式の買付価格は1株950円で、TOB公表前日の終値885円に7.34%のプレミアムを加えた。買付予定数の上限は166万8000株(所有割合25.86%)、下限は95万8600株(同14.86%)に設定した。買付代金は最大約15億8400万円。買付期間は2022年1月4日~2月16日。決済の開始日は2月21日。公開買付代理人は三田証券。

ゼットンは1995年に創業し、飲食事業に乗り出した。主力の外食事業ではハワイ、韓国にも店舗を持つ。名証セントレックスへの上場は2006年。現在は居酒屋など外食大手のDDホールディングスが約37%の株式を持ち、ゼットンを持ち分法適用関連会社としている。

鉄人化計画<2404>、首都圏でまつ毛・ネイルサロンなど32店舗展開のビアンカグループ6社を子会社化
2021/12/14

鉄人化計画は、首都圏でまつ毛・ネイルサロン、ヘッドスパ専門店など32店舗を展開するビアンカグループ(東京都千代田区)6社の全株式を取得し、子会社化することを決めた。美容事業の拡大が狙い。鉄人化計画は首都圏でカラオケ・飲食事業を主力とするほか、美容事業として中京地区で「Rich to」ブランドでまつ毛・ネイルサロンを11店舗を運営している。取得価額は非公表。取得予定日は2021年12月15日。

子会社化する6社はUIM(東京都新宿区。売上高2億6200万円、営業利益△2990万円、純資産7420万円)、Bianca VENUS(さいたま市。売上高2億2800万円、営業利益3580万円、純資産7180万円)、JEWEL(東京都新宿区。売上高1億2300万円、営業利益586万円、純資産2430万円)など。

ヤマト・インダストリー、希望退職に9人応募
2021/12/13

プラスチック部品製造のヤマト・インダストリーは13日、11月に募った希望退職に9人の応募があったと発表した。40歳以上64歳未満の正社員、嘱託社員が対象で、募集人員は10人程度としていた(退職日は12月13日)。コロナ禍に伴う業績悪化を受け、子会社の事業譲渡や経費削減の徹底などの構造改革を進めており、希望退職もその一環。

ダイドーリミテッド、今度は本部勤務者を対象に20人程度の希望退職者を募集
2021/12/13

ダイドーリミテッドは13日、同社と中核子会社のダイドーフォワード(東京都千代田区)で本部勤務者を対象に20人程度の希望退職者を募ると発表した。一部ブランドの休止や不採算店舗の閉店などに伴い、現在、ダイドーフォワードの店舗勤務者(正社員ほか)について100人規模の希望退職を実施中(12月13日~24日)で、今後、ダイドーリミテッド本体を含めた追加策を講じる。

対象は両社に在籍する40歳以上の本部勤務者(正社員、契約社員、再雇用契約社員)。募集期間は2022年2月28日~3月11日(退職日は4月20日)。応募者には特別退職金を支給し、再就職を支援する。

ダイドーリミテッドは「ニューヨーカー」「バークレイ」などのブランドで知られ、トラッドスタイルを基本にビジネスウエアからカジュアルウエアまで幅広く展開する。しかし、ビジネスウエアのカジュアル化でスーツ需要が縮小しているうえ、コロナ禍を契機としたテレワーク(在宅勤務)の拡大などで衣料品を取り巻く消費行動が大きく変化し、厳しい事業環境に置かれている。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

速報!令和4年度税制改正案

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)

 

 

 

~大綱に盛り込まれた資産課税を中心とされる改正案の主な内容は以下のとおり~

 

■【住宅・土地税制(所得税・固定資産税等)】《令和4年度税制改正大綱(「大綱」)P16~17、23、21、34~35、36》

1.住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除【見直し】

 

適用期限が令和7年12月31日まで4年延長されるとともに、次の措置が講じられる。

 

(1)住宅の取得等をして令和4年から令和7年までの間に居住の用に供した場合の、住宅借入金等の年末残高の限度額(借入限度額)、控除率及び控除期間が次のとおりとされる。

【図表①】

*1「認定住宅等で建築後使用されたことのあるもの」の取得である場合、借入限度額は一律 3,000万円。
*2 既存住宅の取得又は住宅の増改築等の場合、借入限度額は一律2,000万円。

 

(2)適用対象者の所得要件が、2,000万円以下(現行:3,000万円以下)に引き下げられる。

 

(3)個人が取得等をした①床面積が40㎡以上50㎡未満である住宅の用に供される家屋で、令和5年12月31日以前に建築確認を受けたものの新築又は②当該家屋で建築後使用されたことのないものの取得についても、本特例の適用ができることとされる。ただし、その者の控除期間のうち、その年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円を超える年については、適用されない。

 

(4)①令和6年1月1日以後に、建築確認を受ける住宅の用に供される家屋(登記簿上の建築日付が同年6月30日以前のも のを除く。)又は②建築確認を受けない住宅の用に供される家屋で登記簿上の建築日付が同年7月1日以降のもののうち、一定の省エネ基準を満たさないものの新築又は③当該家屋で建築後使用されたことのないものの取得については、本特例の適用を受けることができない。

 

(5)適用対象となる既存住宅の要件については、①築年数要件(家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物は25年)以下とする要件)が廃止されるとともに、②新耐震基準に適合している住宅の用に供される家屋(登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋については、新耐震基準に適合している住宅の用に供される家屋とみなされる。)であることが加えられる。

 

(注)上記(2)及び(5)の改正は、住宅の取得等をして令和4年1月1日以後に居住の用に供した場合について適用される。

 

2.居住用財産の譲渡に係る譲渡所得の特例【延長・見直し】

(1)特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例について、買換資産が令和6年1月1日以後に建築確認を受ける住宅(登記簿上の建築日付が同年6月30日以前のものを除く。)又は建築確認を受けない住宅で登記簿上の建築日付が同年7月1日以降のものである場合の要件にその住宅が一定の省エネ基準を満たすものであることを加えた上、その適用期限が令和5年12月31日まで2年延長される。

 

(注)上記の改正は、令和4年1月1日以後に行う譲渡資産の譲渡に係る買換資産について適用する。

 

(2)居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等及び特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の特例の適用期限が、令和5年12月31日まで2年延長される。

 

3.土地に係る固定資産税等の負担調整措置【見直し】

令和4年度限りの措置として、商業地等(負担水準が60%未満の土地に限る。)の令和4年度の課税標準額が、令和3年度の課税標準額に令和4年度の評価額の2.5% (現行:5%)を加算した額(ただし当該額が評価額の60%を上回る場合には60%相当額とし、評価額の20%を下回る場合には20%相当額)とされる。

 

4.登録免許税・印紙税の特例【延長】

(1)住宅用家屋の所有権の移転登記に対する登録免許税の軽減税率について、築年数要件の廃止等上記1(5)と同様の見直しを行った上、適用期限が令和6年3月31日まで2年延長される。

 

(2)住宅用家屋の所有権の保存登記に対する登録免許税の軽減税率及び不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例の適用期限が、令和6年3月31日まで2年延長される。

 

 

■【相続税・贈与税】《「大綱」P34、7、33》

1.事業承継税制(非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予の特例制度)【延長】

特例承継計画の提出期限が、令和6年3月31日まで1年延長される。

 

(注)令和9年12月31日までの特例の適用期限については、今後とも延長は行われない。

 

2.直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置(震災特例法の非課税以外)等【見直し】

(1)適用期限(現行:令和3年12月31日)が、令和5年12月31日まで2年延長される。

 

(2)非課税限度額が、住宅用家屋の取得等に係る契約の締結時期にかかわらず、住宅取得等資金の贈与を受けて新築等をした次に掲げる住宅用家屋の区分に応じ、それぞれ次に定める金額とされる。

①耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋:1,000万円
②上記以外の住宅用家屋:500万円

 

(3)適用対象となる既存住宅用家屋の要件について、①築年数要件(取得の日以前20年(耐火建築物は25年)以内に建築されたものとする要件)が廃止されるとともに、②新耐震基準に適合している住宅用家屋(登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋は、新耐震基準に適合している住宅用家屋とみなされる。)であることが追加される。

 

(4)受贈者の年齢要件が、18歳以上(現行:20歳以上)に引き下げられる。

 

(5)上記((2)を除く。)の改正は、住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例措置も同様とされる。

 

(注)上記の改正は、令和4年1月1日(上記(4)の改正は同年4月1日)以後に贈与により取得される住宅取得等資金に係る贈与税について適用される。

 

 

■【その他(所得税・法人税・消費税・個人住民税等)】《「大綱」P26、59、65、71~72、86~87、27、91》

1.一定の内国法人が支払を受ける配当等に係る所得税の源泉徴収不要

次に掲げる配当等については所得税を課さないこととされ、その源泉徴収は行わないこととされる。

 

①完全子法人株式等(株式等保有割含100%)に該当する株式等に係る配当等
②配当等の支払に係る基準日において、当該内国法人が直接に保有する他の内国法人の株式等(当該内国法人が名義 人として保有されるものに限る。)の発行済株式等の総数等に占める割合が3分の1超である場合における、当該他の内国法人の株式等に係る配当等

 

(注)上記の改正は、令和5年10月1日以後に支払を受けるべき配当等について適用される。

 

2.法人税の一括償却資産の損金算入・中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の見直し

対象資産から貸付け(主要な事業として行われるものを除く。)の用に供した資産を除外した上、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限が2年延長される(所得税についても同様)。

 

3.消費税の免税事業者に係る適格請求書発行事業者の登録の見直し

(1)免税事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に適格請求書発行事業者の登録 を受ける場合には、その登録日から適格請求書発行事業者となることができることとされる。

 

(2)上記(1)の適用を受けて登録日から課税事業者となる適格請求書発行事業者(その登録日が令和5年10月1日の属する課税期間中である者を除く。)の、その登録日の属する課税期間の翌課税期間からその登録日以後2年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間については、事業者免税点制度が適用されない。

 

4.財産債務調書制度等の見直し

(1)令和5年分以後の財産債務調書については、現行の提出義務者のほか、その年の12月31日において有する財産の価額の合計額が10億円以上である居住者が提出義務者とされる。

 

(2)令和5年分以後の財産債務調書の提出期限については、その年の翌年の6月30日(現行:その年の翌年の3月15日) とされる(国外財産調書についても同様)。

 

(3)提出期限後に財産債務調書が提出された場合において、その提出が「調査があったことにより更正又は決定がある べきことを予知してされたもの」でないときは、「その財産債務調書は提出期限内に提出されたものとみなす措置」については、その提出が調査通知前にされたものである場合に限り適用される(国外財産調書についても同様)。

 

(注)上記の改正は、財産債務調書又は国外財産調書を令和6年1月1日以後に提出する場合について適用される。

 

(4)令和5年分以後、財産債務調書への記載を運用上省略することができる「その他の動産の区分に該当する家庭用動産」の取得価額の基準を300万円未満(現行:100万円未満)に引き上げるほか、財産債務調書及び国外財産調書の記載事項について運用上の見直しを行う。

 

5.上場株式等に係る配当所得等の課税の特例の見直し

内国法人から支払を受ける上場株式等の配当等で、その支払を受ける居住者等(以下「対象者」)及びその対象者を判定の基礎となる株主として選定した場合に同族会社に該当する法人が保有する株式等の発行済株式等の総数等に占める割合が100分の3以上となるときにおける、その対象者が支払を受けるものは総合課税の対象とされる。

 

(注)上記の改正は、令和5年10月1日以後に支払を受けるべき上場株式等の配当等について適用される。

 

6.個人住民税の上場株式等の配当所得等に係る課税方式の見直し

令和6年度分以後の個人住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の課税方式が所得税と一致させることとされる。これに伴い、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用要件を所得税と一致させる等の規定の整備が行われる。

 

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2021/12/14)より転載

[M&Aニュース](2021年11月29日〜2021年12月10日)

◇日本パワーファスニング<5950>、建築用ファスナー製造の中国子会社「蘇州強力五金」を譲渡、◇アライドアーキテクツ<6081>、動画広告の企画・制作子会社のAiCON TOKYOを経営陣に譲渡、◇ブリヂストン<5108>、防振ゴム事業を中国投資会社「安徽中鼎控股」に譲渡、◇ブリヂストン<5108>、化成品ソリューション事業を国内投資ファンドのエンデバー・ユナイテッドに譲渡、◇トランスジェニック<2342>、検査・解析事業子会社のジェネティックラボをEurofinsの傘下企業に譲渡、◇鴨川グランドホテル<9695>、MBOで株式を非公開化、◇愛知銀行<8527>と中京銀行<8530>、2022年10月に経営統合で合意、◇博報堂DYホールディングス、博報堂など子会社2社で100人規模の早期退職を実施、◇INCLUSIVE<7078>、マンガの電子書籍配信サービスを手がけるナンバーナインを子会社化、◇ビジョナル<4194>、経費精算クラウドシステム提供のイージーソフトを子会社化、◇ラクスル<4384>、ダンボール・梱包材の受発注サイト運営のダンボールワンを子会社化 ほか

 

 

 

 

 

日本パワーファスニング<5950>、建築用ファスナー製造の中国子会社「蘇州強力五金」を譲渡
2021/12/10

日本パワーファスニングは、建築用ファスナーを製造する中国全額出資子会社の蘇州強力五金有限公司(江蘇省。売上高5億5300万円、営業利益△8080万円、純資産△2億5100万円)の全持ち分を10日付で譲渡した。為替変動や中国現地の人件費上昇、環境規制の強化などから採算性が低下し、10年にわたって営業赤字が続き、今後も黒字化は困難と判断した。譲渡先、譲渡価額は非公表。

蘇州強力五金は日本パワーファスニングの香港子会社Japan Power Fastening Hong Kong Limitedの傘下で、1994年に創業した。

アライドアーキテクツ<6081>、動画広告の企画・制作子会社のAiCON TOKYOを経営陣に譲渡
2021/12/10

アライドアーキテクツは、動画広告の企画・制作子会社のAiCON TOKYO(東京都渋谷区。売上高7800万円、営業利益100万円、純資産3100万円)の保有株式90%を、同社代表取締役の石渡晃一氏に譲渡することを決めた。2018年に石渡氏と共同出資でAiCON TOKYOを設立したが、今後の方針を検討する過程で資本関係を切り離すことが望ましいとの結論に達したとしている。譲渡価額は未確定。譲渡予定日は2022年1月1日。

ブリヂストン<5108>、防振ゴム事業を中国投資会社「安徽中鼎控股」に譲渡
2021/12/10
ブリヂストンは、防振ゴム事業を中国投資会社の安徽中鼎控股(集団)股份有限公司(AZ、安徽省)に譲渡することを決めた。多角化事業の見直しの一環。当該事業の直近売上高は276億円。譲渡価額は非公表。譲渡完了は2022年7月を見込む。

防振ゴム事業を会社分割して設立する新会社にグループ内の関連事業会社を集約する。そのうえで、新会社の全株式をAZに譲渡する。新会社にはグループのブリヂストンエラステック(静岡県掛川市)をはじめ、米国やタイ、インド、中国の子会社・事業が集約される予定。

ブリヂストン<5108>、化成品ソリューション事業を国内投資ファンドのエンデバー・ユナイテッドに譲渡
2021/12/10
ブリヂストンは、化成品ソリューション事業を国内投資ファンドのエンデバー・ユナイテッド(東京都千代田区)に譲渡することを決めた。具体的には、化成品事業を会社分割して設立する新会社にグループ内の子会社などを集約したうえで、新会社の全株式を譲渡する。多角化事業の再編の一環。譲渡価額は非公表。譲渡は2022年8月中に完了する見込み。

譲渡するのは自動車用シートパッド、ウレタンフォームなどの高機能製品、プリンター本体と消耗品(カートリッジ)向け部品にかかわる業務で、直近売上高は265億円。新設される分割会社の名称などは未定。この新会社にはグループ内のブリヂストンケミテック(三重県名張市)をはじめ、国内外の子会社・事業が集約される。

トランスジェニック<2342>、検査・解析事業子会社のジェネティックラボをEurofinsの傘下企業に譲渡
2021/12/10

トランスジェニックは、全額出資子会社で医療関連の検査・解析事業を手がけるジェネティックラボ(札幌市。売上高16億9000万円、営業利益7億6000万円、純資産7億5300万円)の全株式を、Eurofins Clinical Testing Japan Holding(東京都新宿区)に譲渡することを決めた。医薬品会社の創薬を支援するCRO(開発業務受託機関)事業に経営資源を集中するのが目的。譲渡価額は32億1200万円。譲渡予定日は2022年1月1日。

譲渡先のEurofins Clinical Testing Japan Holdingはルクセンブルクに本拠を置くEurofins(ユーロフィン)グループの傘下企業。ユーロフィンは医薬品、食品などの分析・検査サービスを主力とする。

ジェネティックラボの足元の業績は新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査の受託で好調に推移。しかし、検査・解析業界では価格競争や、差別化に向けた最新機器への投資が経営課題となっているほか、トランスジェニックの基幹事業である創薬支援との相乗効果も部分的なものにとどまっていたという。

鴨川グランドホテル<9695>、MBOで株式を非公開化
2021/12/10

鴨川グランドホテルは10日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。国内投資ファンドの日本産業推進機構(東京都港区)の傘下企業がTOB(株式公開買い付け)を行い、議決権ベースで全株取得を目指す。鴨川グランドホテルは新型コロナウイルス感染拡大による稼働率の急低下などで業績が悪化し、2021年3月期は約5億円の債務超過に陥った。ファンドの支援を得て、鴨川グランドホテルは鈴木健史社長のもとで経営の立て直しを進める。TOBが成立すれば、同社のジャスダック上場が廃止となる。

TOB主体は日本産業推進機構が設立したNSSK-V(東京都港区)。TOBは2回に分けて行われ、第1回は鈴木社長の親族らの保有株式を対象とし、1株の買付価格はTOB公表前日の終値265円から54.72%を割り引いた120円。金融機関や一般株主を対象とする第2回TOBでの買付価格は290円で、9.43%のプレミアムを加えた。第1回と第2回を合わせた買付代金は17億129万円(普通株式)。

第1回の買付期間は12月13日~2022年1月14日。決済の開始日は2022年1月20日。公開買付代理人はSMBC日興証券。第2回の買付期間は2022年1月24日~2月21日。

TOB成立後、鈴木社長らは鴨川グランドホテルに2億円を出資する予定。

鴨川グランドホテルは1952年に吉田屋旅館として創業。1965年に千葉県鴨川市にホテルを開業した。1990年に店頭市場(現ジャスダック)に株式を上場。鴨川グランドホテルのほか、ホテル西長門リゾート(山口県下関市)を運営する。

愛知銀行<8527>と中京銀行<8530>、2022年10月に経営統合で合意
2021/12/10

愛知県を地盤とする第二地銀の愛知銀行と中京銀行は10日、経営統合することで基本合意したと発表した。2022年10月3日に共同持ち株会社を設立し、両行を傘下に置く。続いて約2年後をめどに傘下の両行を合併する。歴史的な低金利による預貸金利ザヤの縮小や人口減少などで経営環境が厳しさを増す中、持続的な収益基盤を確立し、高品質で安定的な金融サービスの提供を目指す。

持ち株会社の社長は愛知銀行の頭取、副社長には中京銀行の頭取が就任する予定。持ち株会社の社名は2022年5月の最終契約で決める運び。また基幹システムは愛知銀行のものに統一することで協議を進める。

総資産は愛知銀4兆874億円、中京銀2兆3521億円。貸出金残高は愛知銀2兆6541億円、中京銀1兆5206億円。店舗数は愛知銀106店、中京銀87店(いずれも2021年9月末)。

博報堂DYホールディングス、博報堂など子会社2社で100人規模の早期退職を実施
2021/12/09

博報堂DYホールディングスは9日、傘下の博報堂と博報堂DYメディアパートナーズで合計100人規模の早期退職を実施すると発表した。対象は50歳以上59歳以下、勤続5年以上の社員。想定人数は博報堂80人程度、博報堂DYメディアパートナーズ20人程度とし、募集期間は12月6日~2022年1月14日。中核子会社である両社で早期退職を募るのは2017年12月以来4年ぶり。ビジネス変革時における人事政策の一環としている。

退職日は2022年3月31日。応募者には通常の退職金に加え、特別一時金を支給し、再就職も支援する。

INCLUSIVE<7078>、マンガの電子書籍配信サービスを手がけるナンバーナインを子会社化
2021/12/09

INCLUSIVEは、マンガの電子書籍配信サービスを手がけるナンバーナイン(東京都品川区。売上高4億1900万円、営業利益△841万円、純資産4610万円)の株式76%を取得し、子会社化することを決めた。電子コミックへの事業展開を通じて、個人の発信者が持続的に収益を獲得し活動を継続できる「クリエイターエコノミー」領域を拡張する。取得価額は5億7600万円。取得予定は2022年1月中。

ナンバーナインは2016年に設立。5500冊以上の電子書籍化実績(10月時点)を持つほか、漫画家の確定申告代行、漫画家のマネジメント業務などのサービスを提供している。

ビジョナル<4194>、経費精算クラウドシステム提供のイージーソフトを子会社化
2021/12/09

ビジョナルは傘下の転職サイト運営会社であるビズリーチ(東京都渋谷区)を通じて、経費精算クラウドシステムを提供するイージーソフト(東京都町田市)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。HCM(人的資本管理)ニーズの高まりを見据え、ビズリーチが展開する人財活用クラウド「HRMOS」シリーズとの連携などを進める。イージーソフトは2000年に設立。取得価額は非公表。取得予定日は2022年3月1日。

ラクスル<4384>、ダンボール・梱包材の受発注サイト運営のダンボールワンを子会社化
2021/12/09

ラクスルは、ダンボール・梱包材の受発注サイト「ダンボールワン」を運営する関連会社のダンボールワン(金沢市。売上高43億4000万円、営業利益△8億6600万円、純資産△6億5400万円=2021年7月期、決算期変更に伴う10カ月決算)を子会社化することを決めた。株式を追加取得し、現在49.9%の持ち株比率を100%に引き上げる。これまでの協業関係の成果を踏まえ、企業価値最大化に資すると判断したという。取得価額は20億600万円。取得予定日は2022年2月1日。

ダンボールワンはダンボール・梱包材専門通販EC(電子商取引)サイトとして4年連続国内売上シェアトップを獲得。業界最大規模のネットワークを活用し、低コストで小ロットの商品提供の仕組みを構築している。ラクスルは2020年12月に同社を関連会社化した。

飯田グループホールディングス<3291>、ロシア最大級の林業グループRussia Forest Productsを子会社化
2021/12/08

飯田グループホールディングスは8日、ロシア最大級の林産企業を傘下に置く持ち株会社のRussia Forest Products(BVI)Limited(RFP、英領バージン諸島。売上高231億円、営業利益9億6200万円、純資産△178億円)の株式75%を取得し、子会社化すると発表した。木材の安定的な調達体制を確立し、中核である戸建分譲事業の競争力向上につなげる。株式取得と第三者割当増資引き受けの対価と飯田グループからの融資予定額を合わせ、取得価額は約600億円(5億2500万ドル)。ロシア政府当局から必要な許認可を7日付で得た。取得予定は2022年1月中旬。

飯田グループは戸建分譲で約3割の国内販売シェアを持つ業界大手で、年間4万6000戸以上を供給する。RFPはロシア極東のハバロフスク地方に約400万ヘクタール(九州の約1.08倍)の林区を持つ。年間原木伐採量は170万立方メートルで、これは飯田グループが年間に供給する住宅の木材使用量(原木換算)に相当するという。

木材をめぐっては今年、世界的な需要の高まりを背景に「ウッドショック」と呼ばれる価格急騰が起こり、輸入材に頼る住宅業界は深刻な打撃を受けている。飯田グループはRFPを傘下に迎えることで、需給ひっ迫や市況変動に影響されることなく、安定的で永続的な木材の調達が可能になると判断した。また、木材加工ノウハウを移転し、建材事業の高付加価値化も期待している。

日立造船<7004>、日本製鉄<5401>傘下でごみ焼却発電施設関連のドイツSteinmüller Babcock Environmentを子会社化
2021/12/08

日立造船は、日本製鉄傘下で、ごみ焼却発電施設の設計・建設やメンテナンスを手がけるドイツSteinmüller Babcock Environment GmbH(SBE。売上高110億円、営業利益△99億1000万円、純資産△19億2000万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。日立造船はスイス子会社を通じて、ごみ焼却発電関連事業を欧州で展開しているが、SBEとは得意とする市場や製品分野が異なり相互補完が見込めると判断した。取得価額は非公表。取得予定は2022年2月頃まで。

SBEを子会社化するのは日立造船のスイス現地法人Hitachi Zosen Inova AG(HZI)。ごみ焼却発電施設に関し、HZIは英国やスイス、中東、ロシアなどを主力市場とするが、SBEはドイツ、フィンランドなどの北欧で納入実績を積み重ねてきたほか、ボイラー関連のサービスにも強みを持つ。

スマレジ<4431>、大和ハウス工業<1925>傘下でマルチ決済サービス提供のロイヤルゲートを子会社化
2021/12/08

スマレジは、大和ハウス工業傘下でマルチ決済サービス「PAYGATE」を開発・提供するロイヤルゲート(東京都港区。売上高7億7500万円、営業利益△6億100万円、純資産7億2000万円)の株式99.9%を取得し子会社化することを決めた。従来の代理店業務に代えて、自前の決済システムを保有するのが狙い。スマレジが提供するクラウドPOS(販売時点情報管理)レジ「スマレジ」や関連サービスと「PAYGATE」を密接に連携させ、導入店舗と消費者の双方に便利なキャッシュレス決済の実現などを目指す。取得価額は非公表。取得予定日は2021年12月22日。

ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>、シンガポールの不動産会社SHARIKAT NATIONAL FOODを子会社化
2021/12/08

ヨシムラ・フード・ホールディングスはシンガポールの傘下企業を通じて、食品工場や食品用低温倉庫を持つ不動産業の現地SHARIKAT NATIONAL FOOD PTE. LTD.(売上高1億8700万円、純資産△6億6700万円)の株式70%を取得し、子会社化することを決めた。シンガポールにある子会社4社の拠点を集約するのが目的。取得価額は約2億7500万円。取得予定日は2021年12月17日。

ヨシムラはシンガポールに海外事業統括子会社のYOSHIMURA FOOD HOLDINGS ASIA PTE. LTD.をはじめ、寿司製造、水産品卸、水産品加工・販売を手がける各子会社を持つ。これら4社の拠点を一つにまとめることで、物流費用の削減などの相乗効果が期待できるとしている。

ヨネックス<7906>、ブリヂストン<5108>傘下でテニスボール製造のタイBRIDGESTONE TECNIFIBREを子会社化
2021/12/06

ヨネックスは、ブリヂストン傘下でタイでテニスボールを製造するBRIDGESTONE TECNIFIBRE CO., LTD.(チョンブリー県。売上高18億6000万円)の株式86.8%を取得し子会社化することを決めた。主力のバドミントン用品に次ぐ事業と位置づけるテニス用品事業の強化が狙い。ラケット、ストリング(ガット)、ストリンギングマシン(ガット張り機)は自社工場で生産してきたが、ボールについてはこれまでBRIDGESTONE TECNIFIBREから供給を受けてきた。取得価額は非公表。取得予定日は2021年12月22日。

子会社化するBRIDGESTONE TECNIFIBREは2005年設立で、ブリヂストン子会社のブリヂストンスポーツ(東京都中央区)が86.8%、フランスのテニスブランドであるテクニファイバーが13.2%を出資する。ヨネックスはブリヂストンスポーツが保有する全株式を取得する。

テニスはコロナ禍の中でソーシャルディスタンスを保てるスポーツとして注目され、市場全体が活況を呈している。

月島機械<6332>、JFEエンジニアリングと水エンジニアリング事業を統合へ
2021/12/03

月島機械は3日、JFEホールディングス傘下のJFEエンジニアリング(東京都千代田区)と国内における水エンジニアリング事業の統合に向けた協議に入るとことで基本合意したと発表した。競争環境が厳しさを増す国内上下水道分野でリーディングカンパニーの地位を確立するのが狙い。2022年4月末に最終契約を交わし、2023年4月の事業統合を目指す。

事業統合新会社の出資比率などは今後詰めるが、月島機械が株式の過半数を取得して連結子会社とする予定。

サワイグループホールディングス<4887>、オリックス<8591>傘下で後発薬メーカーの小林化工から全工場を取得
2021/12/03

サワイグループホールディングスは3日、オリックス傘下で後発医薬品メーカーの小林化工(福井県あわら市)の全工場や関連する従業員を譲り受けると発表した。小林化工は昨年末に爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入する問題が起き、医薬品の製造・販売を停止する状態に追い込まれ、経営立て直しが急務になっている。2022年3月末に取得を完了し、2023年4月から出荷開始を予定する。取得価額は非公表。

サワイグループHDは受け皿となる新会社「トラストファーマテック」を3日付で設立。あわら市にある工場、研究所、物流センターなどを引き継ぐ。

後発医薬品市場では小林化工のほかにも品質問題に起因する製造停止で供給不安が生じている状況にある。サワイグループHDは後発医薬品の大手で、安定供給に向けて自社の生産能力増強を段階的に進めているが、需要の伸びに追いつかない懸念もあることから、小林化工の事業を取得することにした。

小林化工は1946年に創業。オリックスが2020年1月に同社株式の過半数を取得し、子会社化した。

東北新社<2329>、PR支援サービスのENJINを子会社化
2021/12/03

東北新社は、広報やブランディングなどのPR支援サービスを手がけるENJIN(東京都世田谷区。売上高42億7000万円、営業利益2億500万円、純資産13億4000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。東北新社が強みとする制作力、クリエイティブ力とENJINの営業・企画力などを組み合わせ、顧客ニーズへの対応領域の拡大やサービス向上につなげる。取得価額は非公表。取得予定は2021年12月中。

ENJINは2012年に創業。東京五輪・パラリンピック招致プロジェクトへの参画や、食育プロジェクト、京都大学とのオンライン講座の企画・制作なども手がけている。

サンデンホールディングス、2年ぶりに早期退職を実施
2021/12/02

自動車用空調大手のサンデンホールディングスは2日、早期退職を実施すると発表した。対象者、想定人数は未定だが、退職予定日は2021年12月末。コロナ禍に半導体不足が重なり、世界的に自動車販売が低迷するなど厳しい環境が続く中、経営再建を確実に遂行するため、人員削減に踏み切る。応募者には通常の退職金に特別退職加算金を上乗せして支給し、再就職を支援する。早期退職者の募集は2019年10月以来2年ぶりで、前回は215人が応募した。

サンデンは私的整理の一種、事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)に基づく再生計画が2021年5月に成立。中国家電大手のハイセンス(海信集団)の傘下に入り、経営再建を進めている。

サンデンの2021年12月期業績予想(決算期変更に伴う9カ月決算)は売上高1200億円、営業赤字120億円、最終利益165億円。最終損益は取引金融機関からの債務免除益を計上するため大幅黒字となる。

同社は2019年10月、店舗用冷蔵・冷凍ショーケース、飲料用自動販売機などの流通システム事業を約500億円で投資ファンドに売却し、カーエアコン部品を中心とする自動車機器に集中する経営改革を断行。さらに200人規模の早期退職者を募った。しかし、翌2020年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で業績が急速に悪化し、事業再生ADRの申請に踏み切った。

ネクスグループ<6634>、ワイン事業のイタリア子会社MECをやしまアートアンドリゾートに譲渡
2021/11/30

ネクスグループは、ワイン事業のイタリア子会社MEC S.R.L SOCIETA’AGRICOLA(レッチェ。売上高0百万円、営業利益△1300万円、純資産△3500万円)の全持ち分を、リゾート事業のやしまアートアンドリゾート(東京都港区)に30日付で譲渡した。MECはイタリアでワイン用ブドウを生産し、自社ブランドワインとして輸出を手がけてきたが、業績が低迷していたところに新型コロナウイルス感染拡大の影響が重なり、収益改善は困難と判断した。譲渡価額は約1円。

ネクスグループ<6634>、アパレル店舗運営の香港子会社のNCXX Internationalを現地社に譲渡
2021/11/30

ネクスグループは、アパレル店舗を運営する香港子会社のNCXX International Limited(売上高1億900万円、営業利益△1億1000万円、純資産△2億8500万円)の全株式を、ファッションアクセサリー小売りの現地SEQUEDGE INTERNATIONAL LIMITEDに譲渡することを決めた。業績不振に伴う措置。譲渡価額、譲渡予定日は未確定。

科研製薬<4521>、創薬バイオベンチャーのARTham Therapeuticsを子会社化
2021/11/30

科研製薬は、創薬バイオベンチャーのARTham Therapeutics(横浜市。純資産7億6000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。開発パイプライン(新薬候補物質)の充実が狙い。ARThamは2018年7月設立で、形成外科領域の開発品ART-001(対象疾患:難治性脈管奇形)と皮膚科領域の開発品ART-648(同:水疱性類天疱瘡)を持ち、いずれも第2相臨床試験が進行中。取得価額は55億円。子会社化後の目標達成の状況に応じて追加対価として最大72億2200万円相当の科研製薬株式が交付される。取得予定日は2021年12月13日。

ジェイフロンティア<2934>、オーダーメイド美容液を提供するmy’sを子会社化
2021/11/30

ジェイフロンティアは、オーダーメイドによるパーソナライズ美容液を提供するmy’s(川崎市。売上高2億1000万円、営業利益600万円、純資産500万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。健康食品、医薬品分野に続き、化粧品分野に本格的に参入する。取得価額は未確定。2021年12月28日までに取得する予定。

my’sはオンライン診断で顧客のスキンレベルを把握し、診断結果に応じて個別注文できる美容液「my’s」をEC(電子商取引)で販売している。スキンレベルの診断結果は12万通りに上り、一人一人の肌質や肌悩みに応じた商品を提供している。

フランスベッドホールディングス<7840>、福祉用具販売・レンタルのホームケアサービス山口を子会社化
2021/11/30

フランスベッドホールディングスは傘下企業を通じて、福祉用具の販売・レンタルを手がけるホームケアサービス山口(山口県下関市。売上高20億2000万円、営業利益2億5200万円、純資産7億2800万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。福祉用具貸与を中心とするメディカルサービス事業の拡大につなげる。ホームケアサービス山口は1986年に設立。取得価額は非公表。取得予定日は2021年12月20日。

ネクスグループ<6634>、アパレル事業子会社のネクスプレミアムグループをアスコに譲渡
2021/11/30

ネクスグループは、アパレル事業のネクスプレミアムグループ(東京都港区。売上高9800万円、営業利益△5300万円、純資産△2億200万円)の全株式を、飲食業のアスコ(東京都港区)に譲渡することを決めた。ネクスプレミアムグループはイタリアのファッションブランド「CoSTUME NATIONAL(コスチューム・ナショナル)」を保有する。コロナ禍で事業の先行きが不透明で、早期の収益改善は難しいと判断した。譲渡価額、譲渡予定日は未確定。

ネクスグループ<6634>、旅行関連商品の通販サイト子会社「イー・旅ネット・ドット・コム」をシークエッジ・ジャパン・ホールディングスに譲渡
2021/11/30

ネクスグループは、旅行関連商品の通販サイトを運営する子会社のイー・旅ネット・ドット・コム(大阪府岸和田市。売上高1200万円、営業利益△2100万円、純資産3億9300万円)の全保有株式77.7%を、投資業のシークエッジ・ジャパン・ホールディングス(大阪府岸和田市)に譲渡することを決めた。業績低迷を受け、これ以上の事業継続はリスクが大きいと判断した。譲渡価額、譲渡予定日は未確定。

シーズメン<3083>、ネクスグループ<6634>傘下でエスニック衣料・雑貨輸入販売のチチカカを子会社化
2021/11/30

シーズメンは、ネクスグループ傘下でエスニック衣料・雑貨輸入販売のチチカカ(東京都中央区。売上高41億円、営業利益△1億円、純資産△1億2200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。企業体質強化に向けた成長戦略の一環。今年10月には新機軸としてメタバースファッション専門アパレルブランド「ポリゴンテーラーファブリック」を立ち上げている。取得価額は未確定。取得予定日は2022年3月1日。

チチカカは1977年に創業し、中南米の民芸品の販売を始めた。現在、国内で約60店舗をチェーン展開する。2016年にネクスグループの傘下に入った。

マネーフォワード<3994>、人事労務関連のチャットボットを展開するHiTTOを子会社化
2021/11/30

マネーフォワードは、人事労務関連のチャットボット「HiTTO(ヒット)」を展開するHiTTO(東京都千代田区。売上高3億3200万円、営業利益11万4000円、純資産3400万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。顧客企業におけるバックオフィスの業務効率化を推進する。取得価額は19億9900万円(新株予約権を含む)。取得予定は2021年12月中。

「HiTTO」は勤怠管理、年末調整、経費精算、福利厚生など人事労務に関する社内からの問い合わせにチャット形式で対応し、AI(人工知能)が自動で即時に回答する。中規模以上の企業を中心に採用が進んでいるという。

SKIYAKI<3995>、エンターメディアからファンクラブ事業を取得
2021/11/30

SKIYAKIは、エンターテインメント関連事業のエンターメディア(東京都渋谷区)からファンクラブ事業を取得することを決めた。ファンクラブ事業の一層の拡大が狙い。手続きとしてはエンターメディアが当該事業を会社分割して設立する新会社エンターメディアFC(同)の全株式を取得し、子会社化する形。取得価額は非公表。取得予定日は2021年12月1日。

SKIYAKIは1000を超えるファンクラブ運営、EC(電子商取引)による物販、電子チケット、ライブ配信などのサービスを総合的に提供するプラットフォーム事業を展開している。エンターメディアのファンクラブ事業を取り込むことで、グループの有料会員数は100万人突破に向けて大きく前進するとしている。

エンターメディアは2007年設立で、音楽アーティストのファンクラブ運営をはじめ、アーティストのマネジメントサポート、グッズ・CD・DVDの販売、野外フェス運営などを手がけている。

TVE<6466>、放射線計測機器管理や電気・計装事業の太陽電業を子会社化
2021/11/29

TVEは、放射線計測機器管理や電気・計装事業を手がける太陽電業(東京都大田区。売上高12億1000万円、営業利益900万円、純資産21億円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。原子力・火力発電所向けを中心とする高温高圧弁に関する事業領域の補完・拡張の一環。太陽電業は1978年に設立。取得価額は非公表。取得予定日は2022年1月4日。

岡谷鋼機<7485>、クレーン設計・製作の菱栄工機を子会社化
2021/11/29

岡谷鋼機は、クレーン設計・製作の菱栄工機(愛知県豊田市。売上高21億円)の株式を追加取得し、29日付で子会社化した。8.81%の持ち株比率を50.001%に引き上げた。クレーンの販売と保守・点検事業を強化する一環。取得価額は非公表。

グローリー<6457>、通貨処理機メーカーの米Revolution Retail Systemsを子会社化
2021/11/29

グローリーは米国子会社を通じて、通貨処理機メーカーの現地Revolution Retail Systems, LLC(テキサス州ダラス。売上高119億円、営業利益9億7500万円、純資産53億9000万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。コア(中核)と位置付ける現金処理の自動化ビジネスに関し、北米での事業拡大を加速する狙い。取得価額は約210億円(1億8500万ドル)。取得予定時期は未確定。

Revolution Retail Systemsは2011年に設立し、大手小売業者やコンビニエンスストア、ホテルなど流通関連のバックオフィス向け通貨処理機で実績を積んできた。グローリーは同社の顧客基盤や販売・保守網を取り込み、北米の流通市場での販売増を目指す。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[M&A動向レポート](2021年11月)

■11月M&A77件、ENEOSは2カ月連続で金額首位

 

2021年11月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比4件減の77件だった。前年同月を下回るのは3カ月ぶりだが、11月として過去10年で2019年(86件)、20年(81件)に続く高水準をキープしている。前月比では7件増えた。1~11月累計は12月を残して800件を突破しており、2021年の年間件数は2008年の870件を超え、リーマンショック後の最多となる可能性が出てきた。

 

全上場企業に義務づけられた適時開示情報から経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介のストライク(M&A Online)が集計した。

 

 

11月の取引金額は5628億円。1000億円超の大型案件は2件あり、クボタがインドのトラクターメーカーを1406億円で買収する一方、ENEOSホールディングスは英国の資源開発子会社を1900億円規模で売却すると発表した。

 

このうち、ENEOSは10月に太陽光発電など再生可能エネルギー企業のジャパン・リニューアブル・エナジー(東京都港区)を2000億円で子会社化することを発表済みで、2カ月連続で金額トップに立つ。大型M&Aを買収・売却の両面から積極的に進める背景には脱炭素化の取り組みを加速する狙いがあるとみられる。

 

英国の北海油田での石油・天然ガス開発事業をめぐってはENEOSと同様に、丸紅も撤退を決め、11月初めに英国子会社Marubeni Oil&Gasの売却を発表した(売却金額は非公表)。

 

片倉工業がMBO(経営陣による買収)で非公開化する案件は買付代金が最大714億円に上り、投資ファンドが関与しないMBOとして過去最大級。同社は祖業の製糸事業の縮小に伴い、不動産や医薬品、機械関連などへの事業展開を進めてきた。非公開化を通じて一連の構造改革を促進する。

 

11月は中国事業を整理する動きが比較的目立った。日立金属は熱間圧延用ロール製造、東海カーボンはカーボンブラック製造、清鋼材は建機用などの鋼材部品製造、ASIAN STARはワンルームマンション賃貸事業を手がける現地子会社をそれぞれ売却することを決めた。

 

11月の金額上位案件は次のとおり。

 

 


① ENEOSホールディングス

英資源子会社JX Nippon Exploration and Productionを現地社に譲渡 (1900億円)

 

②クボタ

インドのトラクターメーカー

大手「エスコーツ」を子会社化 (1406億円)

 

③片倉工業

MBOで株式を非公開化(714億円)

 

④野村総合研究所

DXサービス大手の米Core BTSを子会社化(522億円)

 

⑤ポラリス・キャピタル・グループ

プレハブ建築・立体駐車場のスペースバリューホールディングスをTOBで子会社化 (386億円)

 

⑥グローリー

通貨処理機メーカーの米Revolution Retail Systemsを子会社化 (210億円)

 

⑦日本航空

双日と組んで空港店舗・免税店運営のJALUXをTOBで子会社化 (156億円)

 

⑧科研製薬

バイオ創薬ベンチャーのARTham Therapeutics(横浜市)を子会社化 (55億円)

 

⑨日本電産

工作機械メーカーのOKKを子会社化 (54.7億円)

 

⑩TCSホールディングス

露出計メーカー大手のセコニックをTOBで子会社化 (45.5億円)

 


情報提供元:株式会社ストライク

[M&A動向レポート](2021年11月)

■IT・ソフトウエア業界の2021年11月のM&A  件数3位も金額は過去最高に

 

 

IT・ソフトウエア業界の2021年11月のM&A発表件数は11件で、11月としては2012年以降の10年間では、2019年(14件)、2018年(12件)に次ぐ3番目(2017年は同数)となった。取引金額は575億円で、こちらは11月としては2012年以降の10年間では、2019年(68億円)を上回る過去最高となった。500億円を超える案件があったため一気にそれまでトップだった2019年の8倍強に膨らんだ。IT人材の不足に加えて、企業の選択と集中の動きが強まっており、IT関連業界のM&A市場が活発となっている。

 

全上場企業に義務づけられた東証適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介のストライク(M&A Online)が集計した。

 

取引金額のトップは野村総合研究所の522億円

 

取引金額のトップは、野村総合研究所が米国統括会社を通じて、デジタル技術で企業の業務変革を支援するDX(デジタルトランスフォーメーション)サービス大手の米国Core BTS, Inc.(インディアナ州)を子会社化することを決めた案件で、取得価格は522億9200万円。

 

グローバル事業の拡大の一環で、Core BTSを傘下に置く、持ち株会社のConvergence Technologies, Inc.の全株式を取得する。

 

Core BTSはクラウド、デジタル開発、ネットワーク、セキュリティーの各事業領域でコンサルティングからシステム開発、導入、運用までのサービスをトータルに提供している。

 

金額の2番目は、ポートが新電力への切り替えに際して見積もりや取次業務を代行するマッチングメディア「エネチョイス」などを運営するINE(東京都豊島区)の株式50.91%を取得し子会社化することを決めた案件で、取得価格は約20億6800万円。

 

ポートが強みとする就職領域の会員基盤と組み合わせ、相互の販路活用による収益機会の最大化につなげる。

 

INEは政府の電力自由化が始まった2014年に設立。新電力への切り替え取次件数では業界トップ級で、2022年3月期は10万件を突破する見込みという。

 

金額の3番目は、マネーフォワードが人事労務関連のチャットボット「HiTTO(ヒット)」を展開するHiTTO(東京都千代田区)の全株式を取得し子会社化することを決めた案件で、取得価格は19億9900万円(新株予約権を含む)。顧客企業におけるバックオフィスの業務効率化を推進するのが狙い。

 

「HiTTO」は勤怠管理、年末調整、経費精算、福利厚生など人事労務に関する社内からの問い合わせにチャット形式で対応し、AI(人工知能)が自動で即時に回答する。中規模以上の企業を中心に採用が進んでいる。

 

このほかに10億円未満が4件、金額非公表などが4件あった。

 

 

 

 

 

情報提供元:株式会社ストライク

[M&Aニュース](2021年11月15日〜2021年11月26日)

◇スターティアホールディングス<3393>、リフラックスからオンライン展示会事業「Sokoiru」を取得、◇サクサホールディングス<6675>、子会社のサクサプロアシストが手がける保険代理店事業を銀泉に譲渡、◇三谷産業<8285>、LIXIL<5938>傘下で高級バスタブ製造販売のblisspa japanを子会社化、◇ENEOSホールディングス<5020>、英資源開発子会社のJXNEPUKを現地社に譲渡、◇マネックスグループ<8698>、教育・保育事業のVilingを子会社化、◇フジテレビ、50代を対象に希望退職者を募集、◇エスクロー・エージェント・ジャパン<6093>、日立ソリューションズ・クリエイトから司法書士業務支援システムに関する事業を取得、◇三井E&Sホールディングス<7003>、造船子会社の四国ドックを譲渡、◇三菱マテリアル<5711>、傘下のユニバーサル製缶などを米アポロ傘下の昭和アルミニウム缶に譲渡、◇新生銀行、SBIのTOBに「反対」を撤回 臨時株主総会も中止、◇ポート<7047>、新電力のマッチングメディア「エネチョイス」など運営のINEを子会社化、◇ミクシィ<2121>、Jリーグ「FC東京」を運営する東京フットボールクラブを子会社化 ほか

 

 

 

 

スターティアホールディングス<3393>、リフラックスからオンライン展示会事業「Sokoiru」を取得
2021/11/26

スターティアホールディングスは子会社を通じて、業務改善コンサルティングなどを手がけるリフラックス(東京都渋谷区)からオンライン展示会事業「Sokoiru」を取得することを決めた。自社のマーケティングオートメーションツール「BowNow」などとの連携により、競合するオンライン展示会との差別化につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年11月30日。

サクサホールディングス<6675>、子会社のサクサプロアシストが手がける保険代理店事業を銀泉に譲渡
2021/11/26

サクサホールディングスは、子会社のサクサプロアシスト(相模原市)が手がける保険代理店事業を、同業の銀泉(東京都千代田区)に譲渡することを決めた。グループ再編の一環。譲渡価額は3500万円。譲渡予定日は2021年12月31日。

三谷産業<8285>、LIXIL<5938>傘下で高級バスタブ製造販売のblisspa japanを子会社化
2021/11/26

三谷産業は子会社を通じてLIXIL傘下で高級バスタブ製造販売のblisspa japan(東京都港区)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。バスルーム市場に特化したラグジュアリーブランドビジネスを構築し、国内外での市場開拓を加速する。取得価額は非公表。取得予定日は2022年2月1日。

blisspa japanは1982年に日本古来の風呂文化を伝えるデザイナーの清水秀男氏が設立し、高級バスタブブランド「JAXSON」で知られる。2009年にLIXIL(旧INAX)の子会社となった。

ENEOSホールディングス<5020>、英資源開発子会社のJXNEPUKを現地社に譲渡
2021/11/26
ENEOSホールディングスは26日、傘下のJX石油開発(東京都千代田区)を通じて保有する英国JX Nippon Exploration and Production (U.K.) Limited(JXNEPUK、ロンドン。売上高381億円、営業利益△279億円、純資産291億円)の全株式を、資源開発の同国NEO Energy Upstream UK Limited(アバディーン)に譲渡すると発表した。これにより、英国の北海油田における石油・天然ガスの開発事業から撤退する。譲渡価額は企業価値約1900億円(16億5500万ドル)から借入金や運転資金などを調整したうえで確定する。譲渡予定は2022年3月。
マネックスグループ<8698>、教育・保育事業のVilingを子会社化
2021/11/26

マネックスグループは、教育・保育事業のViling(東京都杉並区)の全株式を取得し子会社化した。本格的な教育事業参入の一環。Vilingは2012年設立で、理数教育に創造性教育を加えた「STEAM教育」を手がけ、直営教室やフランチャイズ(加盟店)形式で事業を展開している。取得価額、取得日は非公表。

STEAM教育はScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の頭文字を組みわせた造語。

フジテレビ、50代を対象に希望退職者を募集
2021/11/25

フジ・メディア・ホールディングス(HD)は25日、傘下のフジテレビジョン(東京都港区)で希望退職者を募集すると発表した。50歳以上勤続10年以上の社員を対象とし、募集期間は2022年1月5日~2月10日(退職日は3月31日付)。50代社員のセカンドキャリアの支援と今後の選択肢の追加として「ネクストキャリア支援希望退職制度」を実施するとしている。募集人数は明らかにしていない。応募者には通常の退職金に特別優遇加算金を上乗せ支給し、再就職を支援する。

フジテレビジョンを中核とするフジ・メディア・HDの2022年3月期業績予想は売上高5201億円(前期比横ばいの0.0%増)、営業利益275億円(同69%増)、最終利益218億円(同115.6%増)。

エスクロー・エージェント・ジャパン<6093>、日立ソリューションズ・クリエイトから司法書士業務支援システムに関する事業を取得
2021/11/25

エクスロー・エージェント・ジャパンは、日立ソリューションズ・クリエイト(東京都品川区)から司法書士業務支援システム「サムポローニア」に関する事業を取得することを決めた。不動産取引の各種手続きの効率化に役立てるのが狙い。当該事業の直近売上高は8億3600万円、営業利益は2700万円。取得価額は5億円を上限として最終決定する。取得予定日は2022年7月31日。

サムポローニアは司法書士が行う登記申請業務について、オンライン申請機能や情報管理機能などを備える。

三井E&Sホールディングス<7003>、造船子会社の四国ドックを譲渡
2021/11/25

三井E&Sホールディングスは、造船子会社の四国ドック(高松市。売上高124億円、営業利益△5300万円、純資産60億3000万円)の全保有株式49.5%を譲渡することを決めた。造船事業の縮小に伴い、自前の船舶建造から撤退して設計・開発だけを行うファブレス化を進めており、その一環。譲渡先と譲渡価額は非公表。譲渡予定は2022年1月中旬。

四国ドックは1927(昭和2)年に創業。1964年に三井造船(現三井E&Sホールディングス)の傘下に入った。バラ積み貨物運搬船、冷凍貨物運搬船の建造を主力としている。

三菱マテリアル<5711>、傘下のユニバーサル製缶などを米アポロ傘下の昭和アルミニウム缶に譲渡
2021/11/25

三菱マテリアルは、子会社で飲料用アルミ缶を製造するユニバーサル製缶(東京都文京区。売上高677億円、営業利益26億9000万円、純資産265億円)の全株式と、同じく子会社の三菱アルミニウム(東京都港区)のアルミ圧延・押出事業を、米投資ファンド「アポロ・グローバル・マネジメント」傘下の昭和アルミニウム缶(東京都品川区)に譲渡することを決めた。グループ内での相乗効果が見いだしにくいアルミ事業について、かねて事業再編の機会を模索していた。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2022年3月31日。

譲渡先の昭和アルミニウム缶は昭和電工のグループ内再編に伴い、今年、アポロ・グローバル・マネジメントの傘下に入った。三菱マテリアルは1962年にアルミ圧延・押出事業に、1972年に飲料用アルミ缶事業に進出し、約半世紀にわたって操業してきたが、アポロのもとで事業の競争力強化を追求していくことがアルミ事業子会社2社にとって最良の選択であると判断した。

新生銀行、SBIのTOBに「反対」を撤回 臨時株主総会も中止
2021/11/24

新生銀行は24日、同社に対してSBIホールディングスが実施中のTOB(株式公開買い付け)に関し、これまでの「反対」から「中立」に立場を変更するとともに、買収防衛策の発動の必要がなくなったとして25日に開催予定の臨時株主総会を中止すると発表した。SBIから新生銀の経営方針・事業戦略を尊重する意向が確認できたとしている。これにより、12月8日を期限とするTOBは大きく前進し、成立の公算が大きくなった。

新生銀は2022年2月初旬をめどに改めて臨時株主総会を開き、SBI側が会長候補として提案している元金融庁長官の五味廣文氏ら3人を取締役に選任する予定。

SBIは9月、新生銀へのTOBを発表した。20%強の保有比率を最大48%に引き上げ、連結子会社化する内容で、地銀連合による「第4のメガバンク構想」の中核として新生銀を傘下に取り込むことを狙った。これに対し、新生銀は反対を表明し、敵対的TOBに発展。対抗措置としてSBIの保有比率を下げるための買収防衛策の導入を決定した。

臨時株主総会では買収防衛策発動の賛否を問うことになっていた。しかし、新生銀の約20%の株式を持つ国が買収防衛策の発動に賛同しない方向となったことから、否決される可能性が高まっていた。

新生銀は買付上限数の撤廃と買付価格(1株2000円)の引き上げをTOBに賛成する条件としているが、SBIは変更に応じていない。SBIは新生銀が「中立」に意見表明を変更したのを受け、「TOBにぜひとも応募いただきたい」とのコメントを発表した。

ポート<7047>、新電力のマッチングメディア「エネチョイス」など運営のINEを子会社化
2021/11/24

ポートは、新電力への切り替えに際して見積もりや取次業務を代行するマッチングメディア「エネチョイス」などを運営するINE(東京都豊島区。売上高32億9000万円、営業利益5億9200万円、純資産7億1700万円)の株式50.91%を取得し、子会社化することを決めた。ポートが強みとする就職領域の会員基盤と組み合わせ、相互の販路活用による収益機会の最大化につなげる。取得価額は約20億6800万円。取得予定日は2022年1月4日。

INEは政府の電力自由化が始まった2014年に設立。新電力への切り替え取次件数では業界トップ級で、2022年3月期は10万件を突破する見込みという。

フィット<1436>、太陽光発電システム開発・販売のPlus one percentを子会社化
2021/11/24

フィットは、太陽光発電システムの開発・販売を手がけるPlus one percent(東京都杉並区。売上高8億5600万円、営業利益3680万円、純資産1億2900万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。コンパクトソーラー(太陽光)発電施設に関する事業エリアはこれまで四国、西日本を中心に展開してきたが、今後は東日本にも広げる。取得価額は4億円(別に業績の進捗など条件付き対価として2億円を予定)。取得予定日は2021年11月30日。

メイホーホールディングス<7369>、サンライフケアから通所介護事業所を取得
2021/11/22

メイホーホールディングスは介護事業子会社のアルト(岐阜市)を通じて、サンライフケア(愛知県常滑市)から通所介護事業所「リハビリデイ えみふる」(同)を取得することを決めた。介護事業を強化する狙い。当該事業の直近売上高は5500万円。取得価額は500万円。取得予定日は2022年1月1日。

メイホーHDのアルトは通所介護(デイサービス)、認知症対応型通所介護(認知症専用デイサービス)、居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)を手がけ、岐阜県に4カ所、愛知県で1カ所の通所施設を運営する。

ベストワンドットコム<6577>、旅行業のJourneyからホテル予約サイト「minite」などを取得
2021/11/22

ベストワンドットコムは、旅行業のJourney(東京都目黒区)から後払い決済ができるホテル予約サイト「minite」と旅行・ホテル情報サイト「miniteマガジン」の両事業を取得した。「minite」の掲載ホテル数は2万7000軒以上、年間取扱高約4000万円、累計取扱人数1万人以上という。ベストワンドットコムはクルーズ予約サイト「ベストワンクルーズ」やホテル・旅館予約サイト「ベストワン宿泊予約」を運営しており、相乗効果を引き出す。取得価額は非公表。取得日は2021年11月19日。

ミクシィ<2121>、Jリーグ「FC東京」を運営する東京フットボールクラブを子会社化
2021/11/22

ミクシィは、プロサッカーJリーグクラブ「FC東京」を運営する東京フットボールクラブ(東京都調布市。売上高45億8000万円、営業利益△4億1900万円、純資産19億5000万円)の株式を追加取得し、子会社化することを決めた。第三者割当増資を11億5000万円で引き受けて、持ち株比率を現在の4.2%から51.3%に引き上げる。取得予定日は2022年2月1日。

ミクシィは2018年に東京フットボールクラブにスポンサーとして加わり、一部を出資。2020年、21年のシーズンは新型コロナウイルス感染拡大の影響から、無観客や5000人制限での試合開催が続き、入場料収入が大きく落ち込み、収支が悪化した。こうした状況を踏まえ、増資の引き受けで経営権を握り、業績立て直しを主導する。

ミクシィは2019年にバスケットボールBリーグ所属の「千葉ジェッツふなばし」を傘下に収めるなど、プロスポーツチームの経営に取り組んでいる。

ファイズホールディングス<9325>、システム開発の日本システムクリエイトを子会社化
2021/11/22

ファイズホールディングスは、コンピューターシステム開発の日本システムクリエイト(東京都大田区。売上高11億1000万円、営業利益400万円、純資産2億2700万円)の株式60%を取得し子会社化することを決めた。グループ内のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進める一環。取得価額は約1億7800万円。取得予定日は2021年11月30日。

日本システムクリエイトは1979年設立で、情報通信・金融分野に強みを持つ。

アイホン<6718>、システム開発のソフトウェア札幌を子会社化
2021/11/19

アイホンはシステム開発のソフトウェア札幌(札幌市)の全株式を取得し、17日付で子会社化した。主力事業のインターホンシステムの開発でソフトウエアの比重が年々高まっているのに対応し、ソフト開発力を強化する。取得価額は非公表。

デジタルハーツホールディングス<3676>、ドリコム<3793>からゲーム事業のQC部門を取得
2021/11/19

デジタルハーツホールディングスは子会社を通じて、ドリコムからゲーム事業の一部であるQC(品質保証)部門を取得することを決めた。これに合わせて業務提携することで合意しており、両社の相互補完関係を一層強化する。取得価額は1億円。取得予定日は2022年2月1日。

QC部門を取得する子会社はゲームの不具合を検出するデバッグ事業を手がけるデジタルハーツ(東京都新宿区)。

ASIAN STAR<8946>、ワンルームマンション賃貸事業の中国子会社2社を譲渡
2021/11/19

ASIAN STARは、中国でワンルームマンション賃貸事業を手がける現地子会社の上海陽光智寓公寓管理有限公司(上海市。売上高6930万円、営業利益△2330万円、純資産1710万円)など2社を、個人(王宜軍氏)に譲渡することを決めた。上海エリアの不動産価格上昇で有望な中古物件の確保が難しく、管理戸数が伸び悩んでいたほか、リース契約の更新に際して改装工事による追加投資が必要となるなど、事業採算の低下が避けられない状況にあった。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年12月20日。

譲渡するのは上海陽光智寓のほか、香港にある陽光智寓公寓管理有限公司(売上高0千円、営業利益△58万5000円、純資産21万5000円)。両社は中国の上海市と蘇州市で中古オフィス、工場などの物件を長期契約で借り上げ、ワンルームマンションへの改装を施し、主に若年層向けに賃貸していた。

淺沼組<1852>、増改築・設備工事のシンガポールEvergreen Engineering & Constructionを子会社化
2021/11/18

淺沼組は、増改築工事や設備工事を手がけるシンガポールEvergreen Engineering & Construction Pte. Ltd.の全株式を取得し子会社化することを決めた。ASEAN(東南アジア諸国連合)地域でのリニューアル事業強化の一環。2022年1月上旬に株式80%を取得し、残る20%は2024年4月に追加取得する予定。取得価額は非公表。

日本電産<6594>、工作機械メーカーのOKK<6205>を子会社化
2021/11/18

日本電産は18日、工作機械メーカーのOKKが実施する第三者割当増資を引き受け、2022年1月末に子会社化すると発表した。54億7800万円を投じて、議決権ベースで66.65%の株式を取得する。日本電産は今年8月に三菱重工工作機械(現日本電産マシンツール、滋賀県栗東市)を子会社化しており、両社間で製品の相互補完が可能となる。業績低迷に苦しむOKKは日本電産の傘下で事業構造改革を進める。

OKKは1915(大正4)年に設立し、渦巻ポンプ、水道メーターの製造を開始。その後、工作機械事業に進出した。しかし、近年、海外展開の遅れや顧客である国内製造業の地盤沈下などで事業規模の縮小を余儀なくされていたところに、新型コロナウイルス感染拡大の影響が重なり、業績が急速に悪化。2021年3月期は売上高43%減の120億円、営業赤字27億円(前期は1億4000万円の黒字)、最終赤字24億円(同91億円の赤字)だった。

OKKが強みとする中小型マシニングセンターと、日本電産マシンツールの門形五面加工機や横中ぐりフライス盤などの大型機を組み合わせ、さまざまなサイズの加工ニーズへの対応が可能になり、顧客への提案力が大幅に向上すると期待している。

GA technologies<3491>、DLホールディングス傘下の日本人駐在員向け不動賃貸仲介事業を取得
2021/11/18

GA technologiesはタイに今後設立する新会社を通じて、現地で日本人駐在員向け不動産賃貸仲介事業を手がけるDear Life Corporation Ltd.(DLC、バンコク)の事業を取得することを決めた。対象事業の直近売上高は2億4600万円。取得価額は6億円。取得予定日は2022年5月1日。これに合わせて同日付で、DLCの親会社であるDLホールディングス(東京都千代田区)を株式交換により子会社化する。タイの不動産市場に早期進出し、東南アジア地域への展開につなげる。

DLCは2012年設立で、タイで主に日系大手企業の駐在員を顧客とし、不動産賃貸仲介事業を展開している。サービス利用者は累計1万2000人以上、年間取扱件数は1800件以上と、タイにおける日本人向け賃貸仲介ではトップシェアを持つ。

GA technologiesとDLホールディングスの株式交換比率は1:35.23。

クボタ<6326>、インドのトラクターメーカー大手「エスコーツ」を約1406億円で子会社化
2021/11/18
 クボタは18日、約1406億円を投じて、インドのトラクターメーカー大手のエスコーツ(ハリヤナ州。売上高1105億円、営業利益177億円、純資産775億円)を子会社化すると発表した。エスコーツに対して2020年に9%余り出資しているが、第三者割当増資の引き受けとTOB(株式公開買い付け)で持ち株比率を最大53.5%に引き上げる。クボタとして過去最大の買収となる。台数ベースで世界最大とされるインドのトラクター市場の開拓を推し進める。

エスコーツは1944年設立で、インドの株式市場に上場する。計画によると、第三者割当増資の引き受けに約281億円、TOBに約1125億円を投じる。エスコーツが行う減資を含めて一連の子会社化の手続きは2022年3月下旬に完了する見通し。

インドではトラクターは農作業のほかに荷物の運搬などで通年使用されることが特徴的で、機能を絞って価格を抑えたタイプのトラクターが主流となっている。インドはもとより、低価格タイプのトラクター市場の拡大が期待される新興国市場を見据え、両社の強みやノウハウを生かす。

将来はインド国内や新興国向けにコンバイン、建設機械の開発・製造も検討する。

清鋼材<3448>、鋼材部品製造の中国子会社「昆山清陽精密機械」を現地社に譲渡
2021/11/18

清鋼材は、建設機械・産業機械用の鋼材部品加工を手がける中国子会社の昆山清陽精密機械有限公司(江蘇省。売上高13億1000万円、営業利益1000万円、純資産8億4900万円)の全出資持ち分79.64%を、現地の経営コンサルティング会社である上海鵬成協通企業発展有限公司(上海市)に譲渡することを決めた。新型コロナウイルス感染拡大の影響などによる経営環境の変化や今後の事業の方向性を踏まえた措置。昆山清陽精密機械の設立は2003年。譲渡価額は約6億3000万円。譲渡予定日は2022年1月31日。

アシックス<7936>、レース登録サイト運営の豪州レジストレーションロジックを子会社化
2021/11/17

アシックスは、ランナーがレースに申し込みをする際の登録サイト「Register Now(レジスターナウ)」を運営する豪州レジストレーションロジック(メルボルン)の全株式を取得し子会社化することを決めた。Register Nowは登録規模で豪州トップ。同国を含むオセアニア地域のランナー層とアシックスブランドの接点機会の拡大の一助とする。取得価額は約4億1900万円。取得予定は2021年12月中。

ビジョン<9416>、グランピング事業の「こしかの温泉」を子会社化
2021/11/17

ビジョンは、温泉旅館やグランピング施設を運営する「こしかの温泉」(鹿児島県霧島市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ホテル並みの快適な設備でキャンプを楽しむ「グランピング事業」を情報通信サービス、グローバルWi-Fiに続く経営の柱に育てる。取得価額は非公表。取得予定日は2022年1月1日。

こしかの温泉は鹿児島県霧島市隼人町で「美肌の湯」として源泉が自噴する良質の温泉を全室に完備するグランピング施設を併設。グランピングではドーム型テントでキャンプの魅力である自然との一体感を得られる施設を用意している。

西本Wismettacホールディングス<9260>、シンガポールの青果卸大手Ban Choon Marketingを子会社化
2021/11/16

西本Wismettacホールディングスはシンガポール現地法人を通じて、同国の青果卸大手Ban Choon Marketing Pte. Ltd.(売上高63億7000万円、純資産5億4500万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。東南アジアにおける食品・食材の卸売ネットワークの拡大が狙い。取得価額は約20億9000万円。取得予定日は2022年1月7日。

Ban Choon Marketingは1983年に設立。シンガポールを代表する青果卸の一つで、現地の大手小売業、EC(電子商取引)事業者、レストラン、ホテルなどを顧客とする。同社を傘下に収める西本Wismettacは日本、北米、欧州、中国、東南アジアの5地域で、農産品や水産品、加工食品(日本食などのアジア食品)を卸売業を展開している。

小僧寿し<9973>、ペット共生型障がい者グループホーム展開のアニスピホールディングスを子会社化
2021/11/16

小僧寿しは、ペット共生型障がい者グループホーム「わおん」「にゃおん」を展開するアニスピホールディングス(東京都千代田区。売上高10億1000万円、営業利益5100万円、純資産1億2800万円)の株式95%を取得し子会社化することを決めた。事業多角化の一環として、高齢者、障がい者の生活を「食」の面から支援する事業の展開につなげる。取得価額は2億3000万円(金銭対価1億3000万円、現物出資分1億円)。取得予定日は2021年12月2日。

アニスピが展開するペット共生型障がい者グループホームは保護犬、保護猫などを引き取り、ホーム内で共同生活を行っている点が特徴で、動物との触れ合いで癒しを与える「アニマルセラピー効果」などが期待されている。

小僧寿し<9973>、食肉製造卸業のミートクレストを子会社化
2021/11/16

小僧寿しは、食肉製造卸業のミートクレスト(大分市。売上高30億4000万円、営業利益800万円、純資産1億6000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。飲食事業部門の基盤強化の一環。小僧寿しは2021年7月に、焼き鳥と鳥料理「とり鉄」など居酒屋チェーン運営の「Tlanseair(トランセア)」(東京都中央区)を子会社化しており、相乗効果を期待している。取得価額は5億5000万円(現物出資による第三者割当増資分4億円、金銭対価1億5000万円)。取得予定日は2021年12月2日。

ミートクレストは牛、豚、鶏の食肉原料調達から、食肉生産加工・販売までを手がける。精肉商品や、自社開発のローストビーフ、ハンバーグなどの加工商品は主にスーパーマーケット、ドラッグストアに提供されている。

東海カーボン<5301>、カーボンブラック製造の中国子会社を米Cabot傘下の現地社に譲渡
2021/11/15

東海カーボンは、カーボンブラック(炭素の黒色微粉末)を製造する中国子会社の東海炭素(天津)有限公司(天津市。売上高38億3000万円、営業利益1億4000万円、純資産23億3000万円)の全株式を、米国材料メーカーCabot Corporationの中国子会社である卡博特(中国)投資有限公司(上海市)に譲渡することを決めた。市場競争の激化、環境規制の強化による操業面の制約などで事業環境が厳しさを増しており、経営資源の再分配をかねて検討していた。譲渡価額は約10億2500万円。譲渡予定は2022年2月中旬。

東海炭素は2004年に合弁会社として設立。その後、東海カーボンは2013年に合弁相手の全持ち分を取得して完全子会社化した。タイヤ、工業用ゴム部品メーカーを中心にカーボンブラックを供給してきた。

シンシア<7782>、小田急電鉄<9007>傘下のEC専業コンタクトレンズ販売会社、ジェネリックコーポレーションを子会社化
2021/11/15

シンシアは、小田急電鉄傘下で「小田急みんなのコンタクト」を運営するEC(電子商取引)専業のコンタクトレンズ販売会社、ジェネリックコーポレーション(東京都世田谷区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。事業規模拡大の一環。取得価額は非公表。取得予定日は2021年11月22日。

シンシアは1日使い捨て、2週間交換、1カ月交換タイプといった使い捨てコンタクトレンズを製造する。2019年にシリコーンハイドロゲル素材コンタクトレンズ「SINCERE 1DAY S」の販売を始め、従来のインターネット通販やドラッグストアに加え、眼科医や処方施設などの新たな流通チャンネルの拡大を進めている。

オプテックスグループ<6914>、産業用画像処理検査装置メーカーのミツテックを子会社化
2021/11/15

オプテックスグループは、産業向け画像処理検査装置メーカーのミツテック(兵庫県淡路市。売上高21億1000万円、営業利益△2億4100万円、純資産33億9000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。制御や測定の先端端末から、装置や製造ラインの構築までトータルソリューションの提供体制を整え、ファクトリー・オートメーション(FA)分野での事業開拓を促進する。取得価額は非公表。取得予定日は2021年11月30日。

傘下に収めるミツテックは1987年設立。近年は装置のIoT(モノのインターネット)対応、トレーサビリティー(追跡可能性)管理機能の充実やAI(人工知能)への取り組みを強化している。

三井物産<8031>、メンタルヘルスケア事業のヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス<6575>をTOBで子会社化
2021/11/15

三井物産は15日、東証マザーズ上場でメンタルヘルスケア事業や人材派遣を手がけるヒューマン・アソシエイツ・ホールディングスにTOB(株式公開買い付け)を行い、完全子会社化すると発表した。買付代金は最大31億5200万円。病院・クリニック、医薬品開発、検査診断、医療・健康データなど「ウェルネス事業」の拡充に向けた一環。ヒューマン・アソシエイツはTOBに賛同している。

TOBの実施主体は三井物産がウェルネス事業の中間持ち株会社の位置づけで10月半ばに設立したMBK Wellness Holdings(東京都千代田区)。ヒューマン・アソシエイツ株の買付価格は1株につき915円で、TOB公表前日の終値688円に32.99%のプレミアムを加えた。

買付予定数は344万5876株。買付予定数の下限は所有割合66.67%にあたる229万7400株に設定した。ヒーマン・アソシエイツ株式31.24%を保有する筆頭株主の大和PIパートナーズ(東京都千代田区)、13.42%を保有する第2位株主でヒューマン・アソシエイツ社長の渡部昭彦氏らの大株主は保有株をTOBに応募することにしている。

買付期間は11月16日~12月28日。決済の開始日は2022年1月6日。公開買付代理人はSMBC日興証券。

三井物産は2020年4月にベストセラー「家庭の医学」の出版で知られる保健同人社(東京都港区)を買収。これを受け、ウェルネス事業のサービスメニューと顧客基盤の拡充にアクセルを踏み込んでいる。

ヒューマン・アソシエイツは1990年に和栄の社名で発足。2018年4月から東証マザーズに上場。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク

[解説ニュース]

区分所有建物の敷地への小規模宅地特例の適用巡り争いになった裁決事例

 

〈解説〉

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

 

 

[関連解説]

■小規模宅地等の評価減『特定事業用宅地等』

■介護施設で亡くなった場合の相続税の小規模宅地等の特例

 

1、はじめに


父親が建てた1棟の区分所有建物で、1階に子供夫婦が住み、2階にその親夫婦が住んでいたケースにおいて、父親が亡くなって開始した相続で、子が相続した建物1階部分の敷地権につき、「小規模宅地等の特例」の適用をめぐり争われた裁決事例が出てきました(国税不服審判所、令和3年6月21日、請求棄却)。

 

平成25年度税制改正で、1棟の建物なら、小規模宅地等の特例の適用対象となる被相続人の居住していた宅地には被相続人の親族の居住している宅地も含めるとされましたが、1棟の建物が区分所有建物である敷地については、被相続人の居住している宅地のみに限る、つまり被相続人の居住していた宅地以外の宅地は小規模宅地等の特例の適用対象にならないとする改正が行われています。その改正後、改めて区分所有建物の敷地について小規模宅地等の特例適用の是非が問われた事例といえます。

 

 

2、小規模宅地等の特例


この特例は、被相続人等(被相続人または被相続人と生計を一にする親族)が「事業の用」または「居住の用」に供していた宅地等のうち所定の要件を満たした宅地等について、相続税の課税対象額を最大80%減額する特例です。被相続人等の居住用宅地の場合は現行制度上、その面積の330㎡までに対し80%減額できます(措法69の4)。

 

 

3、事案の概要


裁決書によると、被相続人は、平成13年1月、2階建ての一棟の建物を新築し、区分所有建物である旨の登記をしました。建物はそれぞれ玄関、リビング、寝室、台所、洗面所、風呂場、トイレがあり、建物の内部では1階と2階で行き来することができず、外階段によって行き来する構造でした。相続開始後、母親と子は、それぞれ居住する敷地権について小規模宅地等の特例を適用して申告したところ、税務署から子の相続した敷地権部分について特例適用を否認し、子供ら相続人が最終的に国税不服審判所(以下、審判所という)に審査請求して争いとなったものです。

 

 

4、争点


争点は、①子の住む建物の敷地権は、被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当するか。②子は、被相続人と生計を一にしていた親族に該当するか否か。
ここでは争点①について見ていくことにします。

 

 

5、審判所の認定・判断


審判所は①の判断に当たり、特例の適用対象となる「被相続人又は当該被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等」について、相続開始直前において、それらの者が現に居住の用に供していた宅地等に限られるものと解されると考え方を示し、その宅地に当たるかどうかの判断基準は、「基本的には、それらの者が、建物に生活の拠点を置いていたかどうかにより判断すべきものと考えられ、(中略)①それらの者の日常生活の状況、②その建物への入居目的、③その建物の構造及び設備の状況、④生活の拠点となるべき他の建物の有無その他の事実を総合勘案して、社会通念に照らして客観的に判断すべき」としました。また区分所有建物について、取扱い(措置法通達69の4-7の3)で区分所有建物である旨の登記がされている建物をいう旨定められていることは、合理的としています。

 

あてはめでは、被相続人が子の住む1階部分にも生活の拠点を置いていたか否かの問題と整理したうえで、次のように認定しています。

 

①日常生活の状況については、各々が現に独立した日常生活を送っていたと認められ、被相続人夫婦が、1階部分において、請求人らと共に生活していた等の事実は認められない。

②被相続人夫婦が2階部分に入居するに当たり、孫の足音を気にすることない生活が出来るなどの事情が認められ、子供らと生活を共にすることも目的としていなかったことがうかがえる。

③設備及び構造の状況については、それぞれの区分ごとに独立して日常生活を送ることのできる構造であったと認められる。

④被相続人の生活の拠点となる建物については、問題の建物以外にはなかった。

 

 

 

審判所は「これらの事実を総合勘案して、社会通念に照らして客観的に判断すると、被相続人夫婦は、1階部分に生活の拠点を置いていたと認めることはできず、敷地権は、被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当するとは認められない」と判断しています。

 

また問題の建物は「一棟の建物と認められるものの、「区分所有建物」に該当することから、問題の敷地権は、被相続人の居住の用に供されていた部分に含めることはできないと判断しています。

 

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2021/11/22)より転載