[M&Aニュース](2020年7月13日〜7月22日)

[M&Aニュース](2020年7月13日〜7月22日)

◇日本ケミファ、支店・営業所で30人程度の希望退職者を募集、◇大気社<1979>、クリーンルーム向けパネル製造のインドNicomacを子会社化、◇LIFULL<2120>、不動産投資・収益物件情報サイト運営の健美家を子会社化、◇ファイズホールディングス<9325>、神奈川県で運送・配送を手がける中央運輸を子会社化、◇IDホールディングス<4709>、ソフト開発のGIテクノスを子会社化、◇大戸屋HD、コロワイドのTOBに「反対」表明、◇ソフトバンク<9434>、アニメ専門コンテンツ配信サービス「アニメ放題」をU-NEXTに譲渡 ほか

 

 

日本ケミファ、支店・営業所で30人程度の希望退職者を募集

日本ケミファは22日、30人程度の希望退職者を募ると発表した。支店・営業所に勤務する医薬営業部門社員を対象とし、募集期間は8月7日~8月28日。退職日は9月30日付。同日発表したグループ構造改革では国内営業組織について現在の8支店22営業所から7支店18営業所への統廃合などを打ち出しており、これに伴う人員体制の適正化の一環。割増退職金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

日本ケミファが主力とする後発医薬品をめぐっては競争激化に加え、薬価制度の抜本改革などで事業環境が厳しさを増している。2020年3月期の業績は売上高7.1%減の317億円、営業利益75.1%減の3億6400万円、最終利益50.5%減の4億3600万円。

大気社<1979>、クリーンルーム向けパネル製造のインドNicomacを子会社化

大気社は、クリーンルーム向けパネルの製造・販売を手がけるインドNicomac Clean Rooms Far East LLP(売上高24億5000万円)に出資して74%の持ち分を取得し、子会社化することを決めた。経済成長が見込まれるインド市場で医薬品製造用などで高機能の空調設備が必要とされるのに伴い、現地での対応力を強化する。出資金額は45億6400万円。出資予定日は2020年7月31日。

Nicomacは大気社からの出資後、会社形態を現在のLLP(有限責任事業組合)から株式会社に変更する。大気社の持ち株比率は74%を維持する。

LIFULL<2120>、不動産投資・収益物件情報サイト運営の健美家を子会社化

LIFULLは、不動産投資・収益物件に関する情報サイト「健美家」を運営する健美家(東京都港区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。LIFULLは国内最大級の不動産・住宅情報検索サイト「LIFULL HOME’S」を展開している。「健美家」を取り込むことで、不動産関連情報や顧客基盤の相互活用を通じて、両社サイトの基盤強化と収益拡大を目指す。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年7月下旬。

ファイズホールディングス<9325>、神奈川県で運送・配送を手がける中央運輸を子会社化

ファイズホールディングスは、神奈川県下で運送・配送を手がける中央運輸(神奈川県厚木市。売上高6億3900万円、営業利益400万円、純資産4000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。EC(電子商取引)分野での物流サービス強化の一環。中央運輸は1979年に設立。取得価額は1億1200万円。取得予定日は2020年7月30日。

IDホールディングス<4709>、ソフト開発のGIテクノスを子会社化

IDホールディングスは、ソフト開発のGIテクノス(東京都豊島区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。市場ニーズが膨らんでいるクラウドをはじめとするシステム基盤分野のサービス力向上が狙い。GIテクノスは1973年に設立し、通信事業者向けなどの基幹システムに関するソフト開発のほか、モバイルアプリケーション開発に強みを持つ。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年8月3日。

大戸屋HD、コロワイドのTOBに「反対」表明

大戸屋ホールディングス(HD)は20日、外食大手のコロワイドが大戸屋HDの子会社化を目的に実施中のTOB(株式公開買い付け)について、社外取締役6人を含む取締役11人の全員一致で反対を決議したと発表した。これにより、敵対的TOBが確定した。コロワイドによるTOBに対し、大戸屋HDは「当社の企業価値・ブランド価値を毀損する可能性が高いと言わざるを得ない」と判断した。

コロワイドはTOBを通じて、32.16%の大戸屋HD株式を追加取得し、所有割合を51.32%に高め、子会社化することを目指している。買付価格は1株につき3081円。買付代金は最大約72億円。買付期間は7月10日~8月25日。

コロワイドは昨年10月、大戸屋HDの創業家から株式を取得して筆頭株主となった。これを受け、コロワイドは大戸屋HDに食材の仕込み・加工を工場で一括集中するセントラルキッチン方式の導入などのコスト削減策を提案したが、店内調理を売り物とする大戸屋HDは受け入れを拒否。コロワイドは6月末の大戸屋HDの株主総会で同社経営陣を刷新する株主提案をしたが、否決された。

ソフトバンク<9434>、アニメ専門コンテンツ配信サービス「アニメ放題」をU-NEXTに譲渡

ソフトバンクは、アニメ専門コンテンツ配信サービスの「アニメ放題」を、USEN‐NEXT HOLDINGS傘下で個人向け映像配信サービスを手がけるU-NEXT(東京都品川区)に譲渡することを決めた。経営効率化の一環で、アニメ作品の調達や企画、配信に関してかねて協業関係にあったU‐NEXTに事業を委ねることにした。当該事業の直近売上高は9億2000万円。譲渡価額は2億5000万円。譲渡予定日は2020年10月1日。

昭和産業<2004>、三井物産傘下で糖化品・乳酸菌製造のサンエイ糖化を子会社化

昭和産業は20日、三井物産傘下で糖化品や乳酸菌を製造・販売するサンエイ糖化(愛知県知多市。売上高146億円、営業利益8億7400万円、純資産113億円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。国内における糖化品の安定供給体制を強固にするのが狙い。サンエイ糖化はブドウ糖を中心に各種糖化品を手がけ、医療用途の厳しい品質基準をクリアするなど競争力を持つ。取得価額は150億7500万円。取得予定日は2020年10月1日。

サンエイ糖化は1987年設立で、現在、三井物産が70%を出資する。三井物産は残る30%の株式を取得し、持ち株比率を100%としたうえで、昭和産業に全株式を譲渡する。

昭和産業は糖質事業に関し、鹿島工場(茨城県神栖市)とグループの敷島スターチ(三重県鈴鹿市)の東西2製造拠点を持つ。

サッポロHD<2501>、傘下のサッポロビールで早期退職制度に51人申請

サッポロホールディングス(HD)は17日、中核子会社のサッポロビールで実施した早期退職優遇制度の第一次分として51人から申請があったと発表した。退職日は11月20日付。勤続10年以上45歳以上の社員を対象とし、目標人数を設けず、5月1日~7月10日に受け付けた。適用者には通常の退職金に加えてセカンドキャリア支援金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

サッポロHDは早期退職優遇制度の第二次分として、10月1日~12月10日に申請を受け付ける(退職日は2021年5月20日)。目標人数は設定していない。

レック<7874>、日用品製造の中国子会社「寧波利克化工」を現地社に譲渡

レックは、日用品の中国製造・販売子会社の寧波利克化工有限公司(浙江省寧波市。売上高2億6500円、営業利益△1600万円、純資産2億7000万円)の全持ち分を、現地の化学工業メーカーの寧波新明化工有限公司(浙江省寧波市)に譲渡することを決めた。レックは2012年に寧波利克化工を設立したが、人件費上昇や生産性低下などで業績低迷が続いていた。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年9月30日。

新日本建物<8893>、自己破産したファーストキャビンのカプセルホテル事業を取得

新日本建物は子会社を通じて、ファーストキャビン(東京都千代田区。破産管財人・上中綾子弁護士)が保有するカプセルホテル「ファーストキャビン」に関するフランチャイズ事業と運営受託事業を取得した。新たな収益物件の開発・販売につなげる。取得価額、取得日はいずれも非公表。

ファーストキャビンは今年4月末、東京地裁に自己破産を申請。帝国データバンクによると、同社の負債は約37億円。

栗林商船<9171>、日本通運傘下で青函フェリー共同運航先の北日本海運を子会社化

栗林商船は、日本通運傘下で函館・青森間の青函フェリーを運航する北日本海運(北海道函館市。売上高23億2000万円、営業利益1640万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。栗林商船子会社の共栄運輸(北海道函館市)が1973年から、北日本海運との共同運航で青函フェリー事業を手がけているが、北日本海運を傘下に取り込むことで、効率的運営による強固な事業基盤を築く。取得価額は20億3500万円。取得予定日は2020年9月1日。

北日本海運は1944年に設立し、1962年に日本通運の傘下となった。日本通運はグループ事業の選択と集中の一環として、かねて緊密な関係にあった栗林商船に譲渡する。

ストライダーズ<9816>、倉敷ロイヤルアートホテルの売却を中止

ストライダーズ<9816>は16日、子会社である倉敷ロイヤルアートホテル(岡山県倉敷市)の全保有株式(所有割合99.82%)の譲渡を中止したと発表した。7月9日を予定していた株式譲渡契約の調印が遅延したままの状態だったが、同日、譲渡予定先から譲渡契約の締結と譲渡決済(7月20日を予定)について撤回の申し入れがあったとしている。ストライダーズは7月3日に同ホテルの譲渡を発表したが、譲渡先は国内事業法人1社とするにとどめ、具体的な社名は非公表としていた。

直近の新型コロナウイルスの感染再拡大が予想以上に深刻化し、観光需要への影響が今後不透明となりつつあり、先方から取得を断念せざるを得ないとの申し入れを受けたという。

倉敷ロイヤルアートホテルは1992年に開業し、71室。ストライダーズは2014年に同ホテル(当時、ホテル日航倉敷)を傘下に収めた。2020年3月期業績は売上高5億8700万円、経常損失220万円、最終損失1090万円で、再建途上にあった。

ストライダーズは不動産を主体に、ホテル、海外への投資に積極的に取り組んでいる。

エプコ<2311>、小売り電力事業者向けクラウド型顧客・需給管理システム「ENESAP」事業をSBパワーに譲渡

エプコは、小売り電気事業者向けのクラウド型顧客・需給管理システム「ENESAP」事業を、ソフトバンク傘下のSBパワー(東京都港区)に譲渡する方向で検討を始めた。住宅のライフサイクル全般(設計・メンテナンス・リフォーム)にかかわる総合サービスの提供に経営資源を集中するのに伴い、事業領域と対象顧客が異なる「ENESAP」事業を切り離す。

SBパワーは2012年にソフトバンクが全額出資して設立し、家庭向け電力小売り事業を手がけている。

JKホールディングス<9896>、日本板硝子傘下の京都板硝子を子会社化

JKホールディングスは、日本板硝子傘下の京都板硝子(京都市。売上高15億9000万円、営業利益3900万円、純資産△2億8900万円)の全株式を取得し、16日付で子会社化した。京都板硝子は1950年に設立し、京都府内を中心に建築用ガラス、住宅用サッシなどの卸売・施工を手がける。建材商社のJKホールディングスは同社を傘下に取り込み、業容拡大につなげる。取得価額は非公表。

ナノキャリア<4571>、核酸医薬品開発ベンチャーのアキュルナを吸収合併

ナノキャリアは、核酸医薬品の研究開発を手がけるアキュルナ(東京都文京区。売上高573万円、営業利益△3億900万円、純資産2億300万円)を9月1日付で吸収合併することを決議した。医薬品事業の基盤構築の一環。

合併比率はナノキャリア1:アキュルナ67.5(普通株式。ほかにA種優先株式などの種類株式あり)。

ナノキャリアはナノテクノロジー(超微細技術)に基づくミセル化ナノ粒子技術を活用した医薬品の開発を進めており、現在、主要パイプライン(候補物質)が臨床試験段階にある。同時にM&Aを通じて外部経営資源の取り込みに積極的に取り組んでいる。

一方、アキュルナは核酸医薬品のナノDDS 技術(ドラッグデリバリーシステム)を社会実装するために2015年に設立された創薬ベンチャー企業。核酸医薬品は天然型と化学修飾型の核酸からなる医薬で、低分子医薬や抗体医薬では標的にできなかった細胞内分子に対して特異性高く作用することを特徴とする。

市進ホールディングス<4645>、居宅介護支援の「ゆい」を子会社化

市進ホールディングスは、居宅介護支援を手がける、ゆい(横浜市。売上高9億6500万円、営業利益2040万円、純資産4億6200万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。市進は進学塾や予備校の運営を主力とするが、経営多角化のため介護事業を育成中。ゆいは2002年に設立。取得価額は6億4700万円。取得予定日は2020年7月16日。

テクノホライゾン・ホールディングス<6629>、ソフト受託開発のファインシステムを子会社化

テクノホライゾン・ホールディングスは、ソフトウエア受託開発のファインシステム(名古屋市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。FA(ファクトリーオートメーション)事業におけるシナジー(相乗効果)創出を期待している。ファインシステムは1986年に設立。取得価額、取得日はいずれも非公表。

サックスバーホールディングス<9990>、ジンズHD傘下のフィールグッドからメンズバッグ・雑貨の小売り事業を取得

サックスバーホールディングス(HD)は、ジンズホールディングス傘下のフィールグッド(東京都千代田区)が手がけるメンズバッグ・雑貨類の小売業態「ノーティアム」事業を取得することを決めた。サックスバーは子会社の東京デリカ(東京都葛飾区)を通じて鞄・袋物、財布、雑貨などの小売りを手がけ、ショッピングセンター・駅ビルなどに直営626店舗(3月末)をテナント出店する。東京デリカの店舗とコンセプトが重複せず、相乗効果が見込めると判断した。

東京デリカが取得するのは「ノーティアム」事業のうち、通信販売事業と7店舗(イオンモール高崎店、イオンモール羽生店、軽井沢・プリンスショッピングプラザ店、ヨドバシAkiba店、東京ドームシティ ラクーア店、二子玉川ライズS.C.店、神戸ハーバーランドumie店)。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年9月1日。

ジンズホールディングスはノーティアム事業の譲渡に伴い、フィールグッドを2021年8月期中に解散・清算する方向。

山王<3441>、貴金属表面加工の中国子会社「山王電子」を現地社に譲渡

山王は、貴金属表面加工や精密プレス加工を手がける100%出資の中国子会社である山王電子(無錫)有限公司(江蘇省。売上高15億1000万円、営業利益7300万円、純資産3億7200万円)の全持ち分を、現地の無錫特恒科技有限公司(江蘇省)に譲渡することを決めた。経営資源の選択と集中の一環。山王電子は2003年に設立。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2020年11月。

中本パックス<7811>、紙加工品製造の三国紙工を子会社化

中本パックスは、持ち分法適用関連会社で紙加工品を製造・販売する三国紙工(大阪府富田林市。売上高23億6000万円、営業利益7690万円、純資産12億2000万円)を子会社化することを決めた。第三者割当増資を引き受け、現在22%の持ち株比率を50.1%に引き上げる。株式約43%を保有する日本紙パルプ商事が現在、三国紙工の筆頭株主だが、これに代わって中本パックスが経営権を握る。

三国紙工は1951年に設立。紙のほか様々な基材への押出ラミネート加工技術を持ち、中本パックスは同社を傘下に収めることで、紙加工品の取り扱いを強化するとともに、環境負荷の低減につながる製品開発を推し進める。

取得価額は4億3010万円。取得予定日は2020年7月15日。

メディカル・データ・ビジョン<3902>、健診システム開発のシステム ビィー・アルファを子会社化

メディカル・データ・ビジョンは、健診システムの開発などを手がけるシステム ビィー・アルファ(福岡市。売上高3億4100万円、営業利益1200万円、純資産1億600万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。

取得価額は非公表。取得予定日は2020年10月1日。

システム ビィー・アルファは1996年設立。健診システムの販売・販売のほか、電子カルテなどの代理店販売を主な事業とする。メディカル・データ・ビジョンは同社を傘下に取り込むことで、疾病領域だけでなく、健康診断など未病領域の情報集積を本格的に進め、より多様な医療ビッグデータの利活用につなげる。

ダントーホールディングス<5337>、米住宅金融会社のSRE Mortgageを子会社化

ダントーホールディングスは米子会社を通じて、現地の住宅金融会社SRE Mortgage Alliance Inc.(カリフォルニア州。売上高11億4000万円、営業利益7900万円、純資産5億1500万円)の第三者割当増資を引き受け、子会社化することを決めた。増資引き受け後の所有割合は50%で、取得価額は14億9600万円。ダントーは祖業である建設用タイル事業の不振に伴い、経営立て直しに向けて不動産関連事業を新たな収益源に育てる方針を打ち出しており、この一環。取得予定日は2020年7月17日。

SREは1994年に設立し、米国政府支援企業(連邦住宅抵当金庫など)の認可を得ているほか、住宅ローンと不動産業の2種ライセンスを持つ。

識学<7049>、モバイルアプリ・ゲーム開発のMAGES.Labを子会社化

識学はシステム開発・運用子会社のシキラボ(東京都品川区)による株式交換を通じて、モバイルアプリ・ゲーム開発のMAGES.Lab(東京都新宿区)を子会社化することを決めた。SaaS(サービスとしてのソフトウエア)型サービス・システムの受託開発を進めるための人材などを確保する狙い。

シキラボは2019年7月に、経営層向け組織運営の独自理論「識学」に関するシステム開発・運用の内製化を目指して設立し、所期の成果を上げつつあるという。その一方で、シキラボ設立のもう一つの目的だったSaaS型サービス・システムの受託開発については手つかずの状態にあり、ノウハウを持つエンジニアらの確保を経営課題としていた。傘下に収めるMAGES.Labとはかねて開発案件で取引関係にあった。

株式交換比率はシキラボ1:MAGES.Lab0.00887324株。株式交換予定日は2020年8月31日。交付するシキラボの普通株式の時価(取得原価)は1953万円。

 

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク