[事業承継・M&A専門家によるコラム]

新型コロナウイルス対策の制度

~特別定額給付金、持続化給付金、家賃支援給付金、緊急雇用安定助成金、雇用調整助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金、都道府県による協力金、各市区町村による支援給付金、小規模持続化補助金コロナ特別対応型、任意団体による支援事業・サポート事業~

 

〈解説〉

ビジネス・ブレイン税理士事務所(畑中孝介/税理士)

 


[関連解説]

■家賃支援給付金の詳細情報が公表(2020年7月7日)。制度内容は、給付額は、申請方法は。

■新型コロナ対策融資と特例リスケ ~事業再生の専門家の観点から~

 

 

 

今回は、コロナ対策として導入された制度のまとめと申請書類を作成して感じたところを書こうと思います。

 

持続化給付金や家賃支援給付金は申請が行われやすいように、要件に該当すれば、用意する書類は簡便です。ですが、普段見慣れていないや聞きなれていない単語による難しさはあるかと思います。申請フォーマットは段々とアップロードされて、当初よりはやりやすくなったかな?と感じます。それでも、特例要件や書類の不備による部分で給付がなかなかされないところかと思います。

 

家賃支援給付金は賃貸借契約書の印が面倒だったりするところかと思います。サンプルとされているひな形通りに契約書が作成されている訳ではありませんので、分からない場合には給付金事務局などにご相談するのも一つかと思います。

 

次に、雇用調整助成金は元々の申請書類に比べるとかなり簡便化されています。しかし、これも普段やられていない方にとっては大変な作業かと思います。簡便化されているとはいえ、不備があると差し戻されるので、意外と手間なところは変わらないのでは?と感じます。また、直接持参する場合には、待ち時間も長いようで・・・3密になっているのでは?と思うところです。

 

東京都の事業継続緊急対策(テレワーク)助成金も申請書類の準備が整えば、比較的申請しやすいものでしたが、件数が多いので交付決定まで結構待たされるようです。当事務所では申請から交付まで約3ヶ月かかりました。

 

小規模持続化補助金新型コロナ特別対応型は申請用紙数が減っているため、要件に合う内容を要約して作成することが必要ですので、申請書の作成には工夫が必要なところです。

 

最後に、新型コロナウイルスによって、多くの給付金、助成金、補助金、協力金、支援金などが創設されました。国や都道府県などの公共団体以外にも任意団体、企業なども独自に支援金を創設していたりします。経済を壊さないための施策を出している部分かと思います。とはいっても、企業努力に任せているところの方が大きいのではと個人的に思います。

 

まだまだ新型コロナウイルスの影響は続くかと思います。既存の事業の在り方では、乗り切れるのか?と疑うところもあるかと思います。この疑いを新たな在り方に転換して、新たなビジネスモデルの仕組みに変えて行くことが求められてきているのではないでしょうか?

 

そのための支援金など活用できるものは十分にあるかと思います。様々なものを活用し、企業を永続させていくこと!!経営者に求められているのでは?と思うところです。

 

 

 

新型コロナウイルス対策の制度


(1)特別定額給付金
1名あたり10万円の給付。
期限が郵送方式の申請受付開始日から3ヶ月以内のため、7月中に申請終了となるのではないでしょうか?

 

(2)持続化給付金
個人事業主は最大100万円、法人は最大200万円。
2020年1~12月の各月で売上高が前年同月比50%減少している場合。
さらに、要件が緩和され、2020年3月までに開業・設立で4月中の届出日であれば、給付金の対象となっています。

 

(3)家賃支援給付金
7月14日から申請開始。
個人事業主は最大300万円、法人は最大600万円。
2020年5~12月の各月で売上高が前年同月比50%減少している場合。
持続化給付金と同様に緩和要件があるようです。

 

(4)雇用調整助成金
雇用保険の被保険者の従業員を対象。
特例措置期間が2020年4月1日から9月30日まで延長されました。
助成額は1人1日15,000円を上限として、休業手当等の10/10を助成。
申請期限は、6月末日支給分まで8月31日が期限です。
7月以降は2ヶ月以内とされています。

 

(5)緊急雇用安定助成金
雇用保険の被保険者以外の従業員を対象としています。
要件は(4)雇用調整助成金と同様。

 

(6)新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
7月10日より申請が開始。
新型コロナウイルスの影響で休業したものの、休業手当金を事業主から受け取れなかった従業員の方が対象。
平均賃金の80%で上限が1日あたり11,000円となっています。

 

(7)都道府県による協力金、各市区町村による支援給付金
それぞれの地方公共団体により任意で用意されています。
申請期限が過ぎていないものや終わってしまっているものもあります。

 

(8)小規模持続化補助金コロナ特別対応型
通常の小規模持続化補助金とは別に新たに設けられています。
要件が異なるため、確認は必要です。

 

(9)任意団体による支援事業・サポート事業
新型コロナウイルスの影響を受けて、影響を受けた業界や所属している方に向けて、独自に行われています。
例えば、公益財団法人日本スポーツ協会は『スポーツ活動継続サポート事業』を行っています。

 


 

「ビジネスブレイン月間メルマガ(2020/07/27号)」より一部修正のうえ掲載

[事業承継・M&A専門家によるコラム]

コロナ対応としての中小企業経営の留意点~コロナとその先へ~

 

〈解説〉

ビジネス・ブレイン税理士事務所(畑中孝介/税理士)

 


[関連解説]

■「超速報!新型コロナウイルス対策税制」

■「M&Aの検討段階における新型コロナウイルス等による影響」とは?

■「新型コロナ対策融資と特例リスケ」 ~事業再生の専門家の観点から~

■「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」

 

 

コロナ対応としての新しい税制、補助金、セーフティーネット融資など4/30の国会での補正予算の成立を受け続々と新しい制度が始まりました。

 

各地ではテレワーク助成金や休業補償金など続々といろいろな給付金の支給も始まっています。いずれにせよ給付金や助成金は自ら取得しにいかないといけないものですので情報集をしましょう。今のところ、経済産業省のページとJ-NET21のページがとてもよくまとまっています。両方とも公的機関の運営する1次情報ですので活用しましょう。

 

その際のポイントは、助成金や融資申請はするものの一定期間がかかることから、
まずは納税猶予等の制度を使い支出を抑えることですね。

 

1 資金流出を抑える

納税猶予制度、社会保険料の猶予、各種共済や保険等の掛け金の減額や支払い猶予制度の活用、家賃の減額や猶予の交渉

 

2 資金の確保をする

セーフティーネット・日本政策公庫・商工中金・各種自治体等の融資制度(補正予算が通ったので公庫さんよりメインバンクのほうが早いかもしれません)、保険会社や中小機構等の契約者貸付制度、各種補助金(持続化助成金・雇用調整助成金等)の活用

 

3 そしてその申請が終わったら次はコロナ後の新しいビジネスモデルを考える(次に資金不足による倒産の増加→与信管理の徹底)
新しいビジネスモデルを付け加えたら、今までよりもビジネスの幅が広がるとかビジネスチャンスも増えるでしょう。飲食店ではテイクアウトや冷凍食品の宅配事業など。それ以外の業種でも意外な強みが発見され、会社の再定義ができるかもしれません。

 

 


 

 

「ビジネスブレイン月間メルマガ(2020/05/11号)」より一部修正のうえ掲載

[事業承継・M&A専門家によるコラム]

超速報!新型コロナウイルス対策税制

 

〈解説〉

ビジネス・ブレイン税理士事務所(畑中孝介/税理士)

 


(本コラムの内容は法律案であり、また4/16現在の情報で記載しています。)

 

 

[関連解説]

■「コロナ対応としての中小企業経営の留意点 」~コロナとその先へ~

■「M&Aの検討段階における新型コロナウイルス等による影響」とは?

■「新型コロナ対策融資と特例リスケ」 ~事業再生の専門家の観点から~

■「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」

 

 

コロナ対策の一環として4月中に成立予定のコロナ対策税制の解説をします。

 

納税猶予・申請期限延長に加え新規設備投資としてテレワーク設備減税や固定資産税の軽減措置が建物構築物にも拡大しています。

 

また、既存の事業用建物の固定資産税償却資産税の減免措置もできています。固定資産税なので赤字企業でも恩恵が受けられます。

 

また、消費税の課税事業者選択届出書の提出期限が申請で申告期限までに延長されますので、事業活動の急変で計算の結果還付してもらえばよかったというケースでも還付を受けることができるようになりました。(2月決算4月申告企業は特に期限に注意)

 


1.納税猶予…納期限までのどこか1か月の売り上げが20%以下の場合
国税・地方税・社会保険料が1年間納税猶予
延滞税免除・申請書の提出が困難な場合は口頭でも可

 

2.申告期限延長…所得税だけでなく法人税・相続税等も延長可
申告書余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」旨を付記でOK

 

3.中小企業経営強化税制の拡充…テレワークのための設備が新たに対象に(現状:機械・工具器具備品・建物付属設備・ソフトウェア)

 

4.新規取得固定資産税の減免措置の拡充…認定先端設備等導入計画に関する固定資産税の3年間減免措置(1/2~全額免除)の対象に建物と構築物が追加 建物の固定資産税が免除となるとかなり大きなものになります。(現状:機械・工具器具備品・建物付属設備)

 

5.既存固定資産税の減免制度…2月~10月までの3か月間の売上が30%以上減少した場合、翌年の事業用家屋の固定資産税と償却資産税が半額(50%以上減少で全額免除)※今年分は納税猶予対象

 

6.法人の繰戻還付…資本金1億円以下が対象だが 10億円までが2年間対象に追加

 

7.消費税課税事業者選択届の提出期限特例…通常は事業年度開始前までに課税事業者の選択届を提出、これが申告期限までに申請書を提出すればOKに
通常課される継続適用義務(2年・3年)もなし

 

8.印紙税免除…コロナ対策融資の印紙税は非課税に(すでに貼ったものは還付)

 

9.チケット払戻し税額控除…コンサートイベントの代金を払いもどさなかった場合放棄金額の40%を税金還付

 

10.住宅ローン控除・耐震改修不動産取得税の要件緩和…入居の遅れなどに対応

 

11.自動車税・軽自動車税の軽減延長…6か月軽減期間を延長

 

 

(参考)

https://www.mof.go.jp/tax_policy/keizaitaisaku.html

 


 

 

「ビジネスブレイン月間メルマガ(2020/04/20号)」より一部修正のうえ掲載

[事業承継・M&A専門家によるコラム]

M&A後-グループ企業の統率とホールディングスの活用-  ~事業承継に活用したい手法~

 

〈解説〉

ビジネス・ブレイン税理士事務所(畑中孝介/税理士)

 


 

当社のお客様でも1昨年からM&Aが急激に増加していまして年間4-5件のペースでM&Aが成立しています。今年は現状で、すでに3件のM&Aが予定されています。

 

昨年から数百万~数千万円の小規模な事業譲渡に近い案件が増加しており、その傾向はこの後もしばらく続きそうと感じています。

 

知り合いの会社とか取引先とか後継者難の会社を引く継ぐようなケースでのM&Aの活用が増えるでしょう。

 

 

 

そうなると重要なのが増えるグループ企業の管理と統率です。

 

 

 

1、PMI(買収後の体制整備)

一点目は買収後の管理体制です。財務・法務や給与計算労務など様々な問題点があります。それに対する体制整備が非常に重要な論点です。買収するのがゴールではありません(PMIについては「ICTを活用しM&A後の経理体制を合理的に作る【体験記】」をご参照ください」)。

 

 

2、グループの管理体制をどう構築するか

ここは、会社が増えるなどした場合どのような体制を作るかという点です。
支店や事業部のような形で会社の中にセグメントとして置く場合と、持株会社を作りホールディングス化をするケースがあります。

 

持株会社も

A 純粋持株会社(経営管理などだけを行い事業は行わない)
B 事業持株会社(中核会社が事業をやりつつ持株会社の役割もこなす)

 

の2つがあります。

 

どちらがいいかはケースバイケースですが純粋持株会社のほうが、事業を行わない分、事業会社のグループ間の関係が兄弟に近くなります。事業持株会社は親子関係に近いと言えます。

 

また、事業を行わないのでグループ全体の統制や投資活動に責任を持つようなイメージになります。「PL」としての短期の業績管理ではなく「BS」による投資の管理や中長期の視点といった役割求められるといえるでしょう。

 

また、グループ管理ではグループ全体での業績管理に加え決算期の統一なども検討するケースが増えています。

 

 

 

 

「ビジネスブレイン月間メルマガ(2020/02/04号)」より一部修正のうえ掲載

[事業承継・M&A専門家によるコラム]

税制改正と補助金の動向(M&A・事業承継の加速)~事業承継に活用したい手法~

 

〈解説〉

ビジネス・ブレイン税理士事務所(畑中孝介/税理士)

 


ここ数年M&Aが一気に進み、当事務所のお客さんや知り合いなど事業承継とM&Aがかなり進んできました。

 

当事務所でも昨年、事業承継のプランニングを5社、M&Aのデューデリジェンスを5社(うち4社買収)、従業員へのM&Aを1社 今年に入っても事業承継プランの作成や、M&Aのスポットのアドバイザー業務を2件、デューデリも打診がかなり来ています。

 

 

今年の税制改正では、さらに第3者承継のM&Aに関する税制措置が置かれます。

 

・後継者難での廃業・解散が増加傾向
・そのうちの半数が黒字
・このままでは日本の産業基盤の衰退になる

 

ということで第3者承継M&Aへの減税措置が検討されています。

 

また、試験研究費減税でのオープンイノベーション型の拡充やエンジェル税制の拡充など
ベンチャーや新規事業開発への大幅な減税措置が検討されています。

 

 

それ以外には連結納税制度の簡素化が議論されていますが、こちらはまだ紆余曲折がありそうで令和2年に間に合うかどうかでしょうか?

 

 

補助金等の動向については ベンチャー・事業承継・IT導入補助金・AI/IT支援などが置かれています。

 

 

・新たな価値を生むプレーヤー・市場の創出【120億(75億)】
J-Startup企業を中心としたスタートアップへの支援、リスクマネー供給や後進の育成

 

・第四次産業革命を進める人材育成【48億(11億)】
STEAM学習コンテンツの開発やEdTech推進を通じ、新しい学びの環境づくりを推進。
企業へのAI/IT導入を進められる人材を育成。

 

・個社の成長の徹底支援【531億(325億)+JETRO交付金271億(250億)の内数】
第三者承継、第二創業・ベンチャー型事業承継、経営資源引継ぎ型の創業への支援重点化 、事業承継時の経営者保証解除に向けた支援を強化。

 

・ 「もの補助」「自治体型持続化補助金」「IT導入補助金」による中小企業の生産性向上。

 

・クラウドファンディングなどの民間の新たな販路の活用も推進。
よろず支援拠点や商工会等による経営相談の実施や、専門家派遣知財戦略構築を支援。

 

・地域の稼ぐ力強化【235億(192億)】
地域中核企業と地域未来牽引企業等への研究開発や販路開拓の支援を充実。

 

 

 

「ビジネスブレイン月間メルマガ(2019/10/15号)」より一部修正のうえ掲載

[事業承継・M&A専門家によるコラム]

株式譲渡と営業譲渡 ~事業承継に活用したい手法~

 

〈解説〉

ビジネス・ブレイン税理士事務所(畑中孝介/税理士)

 


ここ数年M&Aが一気に進み、当社のお客さんや知り合いなど
事業承継とM&Aがかなり進んできました。

 

当社でも昨年、事業承継のプランニングを5社、M&Aのデューデリジェンスを
5社(うち4社買収)、従業員へのM&Aを1社 今年に入っても
事業承継プランの作成や、M&Aのスポットのアドバイザー業務を2件、
デューデリも以前打診がかなり来ています。

 

その中で小規模案件も増加しつつあり、株式譲渡が必ずしも
しっくりこない案件も見受けられるようになっています。

 

そこで、今回は、事業譲渡手法のメリットとデメリット」
お伝えしようと思います。

 

 

[メリット]
・一部の事業や資産のみを切り出しやすい。
・株式譲渡と異なり包括的な権利義務の移転ではないので簿外債務・訴訟リスクなどを引き継ぐリスクが低い。
・資産負債の差額はのれんとして5年償却可能。

 

[デメリット]
・個別に資産負債を移動するため、許認可などは取り直しになるケースが多い。
・資産の移転(売却)を伴うため不動産取得税・登録免許税・消費税など移転コストが高い。
・譲渡益は法人税・所得税の課税となり 株式譲渡より高くなる。

 

 

特に中小企業の場合には、「簿外債務」訴訟リスク」など見えない債務を
引き継がなくていい点が大きな魅力です。

 

 

「ビジネスブレイン月間メルマガ(2019/08/14号)」より一部修正のうえ掲載

[事業承継・M&A専門家によるコラム]

事業承継事例 「子供に株式、甥には議決権」~事業承継に活用したい手法~

 

〈解説〉

ビジネス・ブレイン税理士事務所(畑中孝介/税理士)

 


今回は 当社がスキーム作りを手掛けた事業承継事例をお送りします。

 

直系親族以外への承継・甥への承継事例です。

 

 

A社の創業者は80歳になり、子供さんたちも40歳を超えていますが、
みなさん会社以外に勤務されそれぞれの道を歩んでおられます。

 

会社も継ぐつもりはないと・・・ 唯一親族で甥っ子さんが子会社の社長として
頑張られ徐々に業績も伸長し経営手腕を発揮されつつあります。

 

その状態で当社に保険会社の方を通じて相談に来られました。

 

 

社長は、「子供たちはもう立派に生活しているのだから株はいらないだろう、
会社を継ぐはずの甥っ子に相続してもらいたい」とおっしゃっていました。

 

 

しかし、なんとなく寂しさや決断しきれない様子でした。

 

・親族に継がないのであれば事業承継税制は使えない。
・単に娘に株式を上げてしまうと議決権が確保できず甥っ子さんは経営しにくいだろう
・甥っ子さんも若く数億円での買取も難しそうだ・・・

 

 

そこで社長に、「財産としての株式をお嬢さんに残し、議決権だけを甥っ子さんに

与えることができたらどうします??」と聞いてみました。

 

社長は「そんなことができるなら是非やりたい!」ということでした。
当社が司法書士先生と一緒に組み立てたスキームは下記のとおりです。

 

 

「株主間契約で議決権を甥っ子さんに預ける」

 

 

しかしお子さんたちは、契約なんて破棄できてしまうので、OO君(甥っ子)が
困るよね?きちんとした形で公正証書でやりたいとうことでした。

 

最終的には社長・お子様たち・甥っ子さんと一緒に会議を数度重ね

 

 

(1)配当と譲渡した場合の財産価値としての株式はお子さんたちに順次贈与

 

(2)議決権は民事信託によりまずは社長に信託、社長に万が一のことが
ある場合には甥っ子さんがそれを引継行使する

 

(3)社長の思いや守ってもらいたい約束事は、社長・お子様たち・
甥っ子さんの株主間契約を締結し守ってもらう。

 

 

これにより、後継者へは議決権が渡り、お子さんたちには財産権としての
株式が渡り思いに沿った事業承継ができました。また信託することにより、
受託者・委託者・受益者の全員の合意がない限り信託契約は変更できないため、
かなり強固な権利関係の固定化ができたと思います。
(誰か1名の暴走では契約変更・撤回できない)

 

 

 

「ビジネスブレイン月間メルマガ(2019/02/10号)」より一部修正のうえ掲載

[事業承継・M&A専門家によるコラム]

ICTを活用しM&A後の経理体制を合理的に作る【体験記】 ~事業承継に活用したい手法~

 

畑中孝介先生(ビジネス・ブレイン税理士事務所/税理士)に、「M&A後の経理体制」についてご解説いただきます。ぜひご参考にしてみてください。

 

〈解説〉

ビジネス・ブレイン税理士事務所(畑中孝介/税理士)

 


シリーズ事業承継の活用手法として、中小企業の事業承継や財産の分散防止に効果的な信託などを解説していますが、今回は「M&A後の経理体制を作る」【体験記】をお送りします。

 

 

今年3月にお客様の依頼で、M&Aのデューデリジェンスを行い5月に買収実施しました。

売上10億円の製造業の会社です。

 

その会社は社長と経理の奥様が一緒にご引退されることになりましたので、経理の後釜を探す予定でした。

 

当社に相談が来たのですが

 

(1)経理人材はなかなか募集しても来ない
(2)会社の営業事務や総務がしっかりされているので、基本的な資料はそろっている。

 

上記の2点から当社で経理事務を一括で請け負うことにしました。

結果下記の体制ができました。

 

 

(1)売上・原価は販売管理システムから仕訳を読み込み

(2)預金はFintech機能で自動計上

(3)現金は現金出納帳のエクセルから読み込み

(4)給与は勤怠データと修正事項だけお伝えいただき当社で計算し、振込データ作成→社長に確認承認いただく 会計データは給与計算システムから自動連動

(5)様々な証憑請求書はチャットワークに会社の人に貼っていただき当社で確認読込

(6)2クリックで会計データからデータを切り出し、会社のお好みの形式の経営管理データを一瞬にして作ることができる。

 

結果一部の仕訳以外99%が仕訳読込で 手入力はほぼなくなりました。

会計データも翌月8日程度には完成しています。

 

会社様も経理人材を雇用することなく
大幅なコストカット&属人的な業務に陥っていた体制が改善され
試算表も早く出ることになりました。

 

また、同時に売上データからセグメントデータも読み込んでいるため
セグメント管理も実現することができました。

 

その結果、社長、常務と業績等について話を聞く時間を十分に確保することができ、意思決定も早くなり、

 

会社の社長常務のお好みのセグメントデータも2クリックでリアルタイムに見ることができ経営陣のコミュニケーションも活発化し、大変喜ばれています。

 

ICTの活用で経理は1社一人もいらない時代になったんですね!

 

 

 

 

「ビジネスブレイン月間メルマガ(2018/11/20号)」より一部修正のうえ掲載

[事業承継・M&A専門家によるコラム]

個人版事業承継税制の創設 ~事業承継に活用したい手法~

 

〈解説〉

ビジネス・ブレイン税理士事務所(畑中孝介/税理士)

 


日本の中小企業では事業承継が喫緊の課題となっています。

 

社長の平均年齢は68歳となり、このまま何もしないと127万社もの
中小企業が消滅するかもしれないということで平成30年度税制改正で
特例事業承継税制が創設されました。

 

この特例事業承継税制は、相続税贈与税の全額猶予や雇用確保要件の緩和、
倒産廃業時の価格の引き下げなど懸案事項を大幅に改善され、
事業承継計画の申請件数は例年の約10倍と一気に事業承継税制の適用が増加しています。

 

また、特例事業承継税制の創設が契機となりM&Aなどの事業承継も
一気に加速した感じがあります。
(私の肌感覚では以前の2-3倍の案件が進捗し始めたイメージです)

 

一方で上記の対策は法人に限定されており個人事業者は置き去りにされていました。

法人と異なり事業資産と家計資産が明確に分離されていないなどの懸念点があったためです。

 

しかし、個人事業者209万人のうち150万人(73%)が
70歳以上と高齢化は法人事業者より深刻でして、それに対し平成31年税制改正では
個人版事業承継税制が創設されることになりました。

 

基本的には法人版の事業承継税制と同様のフレームワークとなっています。

 

 

・承継計画は5年間で提出

 

・贈与相続開始期間は約10年間

 

・事業用資産は、土地建物は一定面積まで、その他の減価償却資産は
 青色申告書に添付されているBSに計上されたもの

 

・中小企業経営承継円滑化法の認定が必要

 

・計画には認定支援機関の認定が必要

 

・特定事業用宅地等との併用不可

 

・法人版と異なり事業制限なし(法人版は医療法人税理士法人等は適用不可)

 

・その他全額納税猶予・減免措置などは法人版事業承継税制とほぼ同じです。

 

 

相続後の取り扱いや個人事業との線引きの難しさなどもありますし、
特定事業用宅地の特例との選択などもありますので、
法人版事業承継より若干使いにくい感じがします。

 

法人税率は30%弱まで下がっていますので、将来的な問題まで考えると
個人的には法人化のメリットがあるのではないかなと思っています。

 

 

「ビジネスブレイン月間メルマガ(2019/07/09号)」より一部修正のうえ掲載

[事業承継・M&A専門家によるコラム]

事業承継税制の注意点~事業承継に活用したい手法~

 

〈解説〉

ビジネス・ブレイン税理士事務所(畑中孝介/税理士)

 

 


シリーズ事業承継の活用手法として、中小企業の事業承継や財産の分散防止に効果的な信託などを解説していますが、今回は「事業承継税制の注意点」をお送りします。

 

一般の事業承継税制と特例事業承継税制の違いは以下の通りです。

 

・対象株式:2/3 → 全株
・相続猶予対象:80% → 100%(従来は実質53%→100%へ)
・雇用確保要件:5年平均80%維持 → 実質撤廃
・贈与者:先代経営者のみ → 複数株主(一般も同時に改正)
・受贈者:後継経営者1人 → 後継経営者3名まで(代表権&株10%以上)
・相続時精算課税:推定相続人等 → 推定相続人等以外も適用可
・株価減免要件:民事再生等のみ → 譲渡・合併・解散時を加える

 

など大幅に拡充されています。

 

 

いままでは、50%減免だったものが”100%減免”になり、先代経営者→後継者への1対1にしか使えなかったものが “先代経営者+配偶者+その他”後継者へと贈与者も大幅に拡充されていますのでかなり使い勝手のいい制度となったと言えます。

 

 

 

しかし、いくつかの注意点がありますので下記に記します。

 

 

(1)事業承継税制はあくまでも“納税猶予”です。取消要件に当てはまった場合には課税されます。特に資産保有型会社や資産運用型会社に該当した場合には猶予が取り消され課税されます!

 

(2)その為、いつ猶予が取り消されてもいいように株価対策はしっかりし、株価を引き下げてから実施すべきでしょう!

 

(3)資産保有型会社資産運用型会社にならないためには5名以上の従業員がいるなどいくつかの要がありますので確認しておきましょう

 

(4)後継者が複数も可能ですが、後年で主導権争い起きないようもう一度考えることをお勧めします。

 

(5)推定相続人以外にも事業承継可能ですが、相続人に税負担のしわ寄せが行きますので注意しましょう

 

(6)種類株等を承継後に後継者以外が保有している場合には納税猶予は使えません。

 

(7)後継者にはいい制度ですが、後継者以外にも目を配る必要があります。特に遺留分を侵害していないかなど確認しましょう。

 

 

 

 

「ビジネスブレイン月間メルマガ(2018/08/20号)」より一部修正のうえ掲載