無議決権株式と属人株式の活用(その2) ~事業承継に活用したい手法~
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[事業承継・M&A専門家によるコラム]
無議決権株式と属人株式の活用(その2) ~事業承継に活用したい手法~
畑中孝介先生(ビジネス・ブレイン税理士事務所/税理士)に、前回のコラムで取り上げました「属人株の活用事例」についてご解説いただきます。事業承継や株主対策にぜひご参考にしてみてください。
〈解説〉
属人株とは会社法109条に規定されているもので(詳しくは前回のコラムを参照下さい)なんと、株主ごとに異なる取り決めを定款変更でできちゃうんですね!
さらに登記事項にもなっていないため登記も必要ありません!!
では、どんなことが規定できるかというと
株主の権利のうち“剰余金配当請求権” “残余財産請求権” “議決権”が会社法105条に規定されています。
つまり、配当とか議決権とかが決められるんですね!
当社でも属人株を使った事業承継や株主対策を行っています!
例えば
(1)XXさんの持っている株式を優先配当にしてしまうとか、配当はXX円と決めてしまうということができてしまいます。
(2)議決権もですので、XXさんの持っている株式は配当高いけど、議決権は無し
それを応用すると
「代表者が持っている株式の議決権は5倍とする」
「畑中さんが持っている株式の議決権は10倍にします」
ということができます。
GOOGLEさんとか日本ではサイバーダイン社が使っている
ような特定の株式の議決権を増やすということが可能です。
「株式数は15%しか持ってなくても議決権は2/3を抑えている!!」
といった事業承継対策にも使えますね!
そのまま15%しか持っていないと、重要な決定ができなく会社の運営ができない!
でも株式を増やそうとすると多額の金銭が必要といった場合にも活用できますね!!
また、「持株会の配当は多めにする代わりに無議決権とする」といったように、
議決権をなくす代わりにインセンティブを多めにするということも可能になります!
「属人株はわかると大変活用できる優れものです!!」
AIに負けないよう知恵を使っていきたいものです!
「ビジネスブレイン月間メルマガ(2018/03/10号)」より一部修正のうえ掲載