[M&Aニュース](2020年12月28日〜2021年1月8日)

[M&Aニュース](2020年12月28日〜2021年1月8日)

◇放電精密加工研究所、希望退職に30人応募|予定数の半数にとどまる、◇ムーンバット、希望退職に43人応募、◇マルハニチロ<1333>、水産加工のベトナム「サイゴンフード」を子会社化、◇ケイアイスター不動産<3465>、埼玉県で戸建注文住宅を手がけるプレスト・ホームを子会社化、◇日本創発グループ<7814>、広告子会社のダンサイエンスを経営陣に譲渡、◇J.フロント リテイリング<3086>、大丸・松坂屋で飲食店を運営する子会社のJ.フロントフーズをダンシンダイナーに譲渡、◇ブリヂストン<5108>、屋根材製造の米国子会社ファイアストン・ビルディング・プロダクツをスイス企業に売却、◇ビーネックスグループ<2154>、システム開発のアロートラストシステムズを傘下に持つレフトキャピタルを子会社化、◇ニトリホールディングス、「島忠」へのTOBが成立し1月6日に子会社化、◇壱番屋<7630>、北海道旭川市でジンギスカン料理店経営の大黒商事を子会社化 ほか

 

 

放電精密加工研究所、希望退職に30人応募|予定数の半数にとどまる

放電精密加工研究所は7日、希望退職に30人の応募があったと発表した。60人程度を予定していたが、応募は半数にとどまった。40歳以上の正社員を対象に2020年11月23日~12月11日に募った(退職日は2021年1月31日)。主力の放電加工・表面処理事業が新型コロナウイルス感染拡大の影響で大幅な需要減に見舞われ、業績が悪化している。

ムーンバット、希望退職に43人応募

ムーンバットは8日、希望退職に43人の応募があったと発表した。国内子会社を含む45歳以上の社員・嘱託社員(販売職を除く)を対象とし、40人程度を予定して2020年12月14日~25日に募った。新型コロナの影響拡大で身回り品の販売が落ち込み、2021年3月期は2年連続の最終赤字を見込む。収益改善に向けて営業拠点の集約と合わせ、人員体制の再構築に取り組んでいる。

退職日は年3月10日付。所定の退職金に加え、特別割増退職金を支給し、再就職支援サービスを提供する。

マルハニチロ<1333>、水産加工のベトナム「サイゴンフード」を子会社化

マルハニチロはベトナムの水産・食品加工メーカー、サイゴンフード(ホーチミン)の株式57.93%を取得し子会社化することを決めた。日本向け水産加工品の製造委託先として2017年から取引関係にあった。取得価額は非公表。取得予定日は2021年1月末。

サイゴンフードは2003年に創業し、「SG FOOD」ブランドで冷凍食品やレトルト食品を展開する。ベトナムの朝食として一般的なお粥、食卓を囲む鍋セットなどのほか、近年はベビーフードも手がける。

ケイアイスター不動産<3465>、埼玉県で戸建注文住宅を手がけるプレスト・ホームを子会社化

ケイアイスター不動産は、戸建注文住宅のプレスト・ホーム(埼玉県蓮田市。売上高10億4000万円、営業利益△3910万円、純資産1億7600万円)の全株式を取得し、8日付で子会社化した。プレストホームは2005年設立し、埼玉県中央部、東部、西部エリアを地盤とする。ケイアイスターはコンパクト戸建分譲開発事業の経営ノウハウを移転し、グループとして成長加速につなげる。取得価額は非公表。

日本創発グループ<7814>、広告子会社のダンサイエンスを経営陣に譲渡

日本創発グループは、全額出資する広告子会社のダンサイエンス(東京都中央区。売上高8億2500万円、営業利益500万円、純資産3億1800万円)の株式85.02%を、8日付で経営陣に譲渡した。ダンサイエンスは2017年に日本創発グループの傘下に入ったが、ダンサイエンスの西尾考弘社長から独自の成長戦略を推し進めたいとの申し出があったという。譲渡価額は1億9500万円。

ダンサイエンスの譲渡先は西尾社長が設立した新会社のRIM(千葉県印西市)。ダンサイエンスは1977年に設立し、40年を超える業歴を持つ。

J.フロント リテイリング<3086>、大丸・松坂屋で飲食店を運営する子会社のJ.フロントフーズをダンシンダイナーに譲渡

J.フロント リテイリングは、全額出資子会社で大丸・松坂屋店舗やショッピングセンターなどに飲食店を出店するJ.フロントフーズ(大阪市。売上高23億7000万円、営業利益△1300万円、純資産5億8300万円)の全株式を、飲食店経営のダンシンダイナー(大阪市)に譲渡することを決めた。外食産業を取り巻く事業環境が厳しさを増す中、新型コロナの影響が重なり、業績が低迷したうえ、近年、百貨店事業との相乗効果が低減している状況にあったという。譲渡価額は1億7000万円。譲渡予定日は2021年2月26日。

ブリヂストン<5108>、屋根材製造の米国子会社ファイアストン・ビルディング・プロダクツをスイス企業に売却

ブリヂストンは7日、屋根材など建築資材を製造・販売する米国子会社のファイアストン・ビルディング・プロダクツ・カンパニー(テネシー州。売上高1780億円、営業利益129億円、純資産695億円)を、スイスの建材メーカーLafargeHolcim Ltdに売却することで合意したと発表した。 売却価額は企業価値34億ドル(約3520億円)に運転資本などにかかる調整を行い、確定する。売却完了は2021年上期中を見込む。2021年12月期決算に売却益約2000億円を計上する。

ブリヂストンはファイアストン・ビルディング・プロダクツ・カンパニーの売却により、タイヤ・ゴム事業の収益力の再構築や新たな事業領域への戦略的成長投資が可能になるとしている。

SHIFT<3697>、クラウドサービス提供のVISHを子会社化

SHIFTは、クラウドサービスの提供やシステム開発を手がけるVISH(名古屋市。売上高6億2400万円、営業利益1億6900万円、純資産3億3000万円)の全株式を取得し、7日付で子会社化した。VISHは幼稚園・保育園、スイミングスクール、教習所などを主要顧客とするが、こうした分野はIT化が遅れているとされ、市場開拓余地が大きいと判断。両社一体でサービス向上や事業拡大を目指す。取得価額は非公表。

ビーネックスグループ<2154>、システム開発のアロートラストシステムズを傘下に持つレフトキャピタルを子会社化

ビーネックスグループは、システム開発のアロートラストシステムズ(大阪市)を傘下に持つレフトキャピタル(東京都中央区。売上高27億円、営業利益1億900万円、純資産5100万円)の全株式を取得し、6日付で子会社化した。IT領域で新たな顧客基盤の開拓につなげる。ビーネックスは製造系、開発系の技術者派遣を主力としている。取得価額は13億7500万円。

アロートラストシステムズは2007年設立で、通信や金融、流通、製造、旅行、自治体など幅広い業界を顧客とし、各種システムの受託開発で実績を積んできた。

任天堂<7974>、ゲームソフト開発のカナダNext Level Gamesを子会社化

任天堂は、ゲーム用ソフトウエア開発のカナダNext Level Games Inc.(バンクーバー)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。Next Levelは2002年に設立以来、「ルイージマンション」シリーズをはじめNintendo Switchやニンテンドー3DS向けにソフトウエア・タイトルの開発に携わっている。同社を傘下に取り込むことで、ソフト開発のスピードや質的向上を期待している。取得価額は非公表。取得予定日は2021年3月1日。

JFLAホールディングス<3069>、ドームから身体機能・身体能力向上に関するDAH事業を取得

JFLAホールディングスは、世界的スポーツブランド「アンダーアーマー」など各種スポーツ用品製造・販売のドーム(東京都江東区)から、身体機能・身体能力向上に関するドリームアスリートハウス(DAH)事業を買収した。JFLAホールディングスはグループ企業を通じてアスリート用食事・飲料を提供している。DAH事業を取り込むことで、トレーニングと食事、食材を結び付け、トップアスリートからスポーツ愛好家まで幅広い層を対象に健康食品などの商品化を推し進める。

JFLAホールディングスはドームが会社分割で設立した新会社DAH(東京都江東区)の株式86%を取得した。取得価額、取得日は非公表。

ドームは「アンダーアーマー」などのスポーツ用品の製造・販売のほか、専門的・科学的な知見をもとにアスリート専用にシステマティックなトレーニングを提供する事業(DAH)を展開している。

クオールホールディングス<3034>、調剤薬局11店を経営する勝原薬局を子会社化

クオールホールディングスは、調剤薬局11店を経営する勝原薬局(兵庫県姫路市)の全株式を取得し、5日付で子会社化した。勝原薬局は1915年に創業し、屋号は「かつはら薬局」。取得金額は非公表。

ニトリホールディングス、「島忠」へのTOBが成立し1月6日に子会社化

ニトリホールディングスは29日、ホールセンター中堅の島忠に対するTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。島忠株式の77.04%を買い付けた。2021年1月6日に子会社化する運び。今後、残る株式の取得手続きを進め、完全子会社化する。買収総額は約2142億円(うちTOBでの取得分は1650億円)。

島忠を巡ってはホームセンタ―大手のDCMホールディングスが10月初めにTOBを開始したが、これにニトリが割って入り、島忠争奪戦に発展していた。ニトリはDCMを1300円上回る5500円の買付価格を提示し、11月16日(~12月28日)にTOBを始めた。島忠はDCMによるTOBへの賛同を撤回し、ニトリのTOBを支持した。TOBで先行したDCMの対抗策が注目されたが、買付価格の引き上げは行われず、12月初めにTOBは不成立に終わった。

日本板硝子、国内400人削減の一環として早期退職を実施

日本板硝子は、早期退職者を募集すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大による業績悪化に対応して11月に国内外で2000人規模の人員削減を盛り込んだ事業構造改革を打ち出した。国内では約400人の削減を予定しており、早期退職の実施はその一環。日本板硝子単体の40歳以上の社員が対象で、募集期間は2021年1月18日~2月12日(退職日は3月31日)。募集人数は未定。所定の退職金に加え割増退職金を支給し、再就職を支援する。

2021年3月期業績(通期)予想は売上高13.7%減の4800億円、営業利益57.5%減の90億円。

メディパルホールディングス、希望退職に560人応募

メディパルホールディングスは28日、希望退職者募集に560人の応募があったと発表した。医薬品や医療機器・材料卸売を手がけるメディセオ(東京都中央区)、エバルス(広島市)、アトル(福岡市)の3子会社で、45歳以上勤続10年以上の社員を対象に、12月14日~25日に募った。持続的成長に向けた構造改革の一環として人員の適正化を進めるのが目的。募集人数は特に定めていなかった。

退職日は2021年2月28日。所定の退職金に特別割増退職金を支給し、再就職を支援する。

2021年3月期業績予想は売上高1.4%減の3兆2070億円、営業利益39.7%減の320億円、最終利益40%減の228億円。特別割増退職金など関連費用約101億円を特別損失として計上する。

壱番屋<7630>、北海道旭川市でジンギスカン料理店経営の大黒商事を子会社化

壱番屋は、北海道旭川市でジンギスカン料理店「成吉思汗大黒屋」(1店舗)を経営する大黒商事(北海道旭川市)の全株式を取得し、29日付で子会社化した。大黒屋の創業は2006年。創業者の織田賢児氏から多店舗の実現を託されたとしている。壱番屋は大黒屋の商品力や成長性を高く評価し、グループに迎えることにした。取得価額は非公表。

壱番屋は主力の「カレーハウスCoCo壱番屋」を中心に、鉄板ハンバーグ、カレーラーメン、あんかけスパゲティの専門店を含めて国内外で1480店舗(11月末時点)を展開する。

ヒマラヤ<7514>、創業家がTOBを実施

匕マラヤは創業家の資産管理会社であるコモリ・コーポレーション(岐阜市)が同社株のTOB(公開買い付け)を実施すると発表した。ヒマラヤは三菱商事と2011年10月に資本業務提携を結び、プライベートブランド商品開発や物流効率化などに共同で取り組んできたが、同社との提携解消を受けて今回のTOBを実施することになった。三菱商事は総発行株数の7.84%を保有するヒマラヤ株を全て売却する。

ヒマラヤの創業者である小森裕作代表取締役会長の長男である小森一輝専務が、今回のTOBを実施するコモリ・コーポレーションの全株を保有している。

三菱商事の保有株式を含めて総発行株数の8.08%に当たる99万5300株を上限に、1株当たり805円で買い取る。公表前営業日での終値1004円に対して-19.82%のディスカウントプレミアムとなる。応募が96万6300株を下回る場合は応募株式全ての買い付けをしない。

買付期間は2021年1月4日から2月1日まで。買付代金は約8億円。公開買付代理人は東海東京証券。決済開始日は2月8日。

ジーエヌアイグループ<2160>、米Berkeley Advanced Biomaterialsを子会社化

ジーエヌアイグループは米国子会社を通じて、現地Berkeley Advanced Biomaterials Inc.(BABI、カリフォルニア州。売上高2億8900万円、営業利益2億7900万円、純資産4億7900万円)を買収することを決めた。ジーエヌアイグループは2017年にBABI傘下で生体材料(代替骨)の開発・製造を手がけるBerkeley Advanced Biomaterials LLC(BABL、同)の株式70%を取得して子会社化したが、BABIは引き続き株式30%を保有する大株主の立場にあった。業績面で初期の目標通りに成果が上がりつつあるBABLの経営権を100%掌握し、同社を北米戦略の中核と明確に位置づけるのが狙い。

ジーエヌアイグループの米国子会社GNI USA, Inc.(デラウェア州)がBABIの全株式を取得する。取得価額は約39億円で、ジーエヌアイグループの普通株式を対価とする。取得予定日は2021年1月21日。

RIZAPグループ<2928>、エス・ワイ・エスなど印刷子会社2社をシスコに譲渡

RIZAPグループは事業構造改革の一環として、エス・ワイ・エス(東京都台東区。売上高37億6000万円、営業利益△1億900万円、純資産△3億100万円)と北斗印刷(福島県会津若松市。売上高18億1000万円、営業利益6000万円、純資産4億9200万円)の印刷子会社2社の全株式を、飲食店経営のシスコ(東京都台東区)に譲渡することを決めた。譲渡先のシスコは譲渡対象2社の社長である清水郁男氏が100%出資する企業で、シスコから株式取得の提案があったという。譲渡価額は13億7700万円。譲渡予定日は2020年12月29日。

エス・ワイ・エス(2002年設立)はトレーディングカード印刷を主力とし、RIZAPグループが2017年に子会社化した。一方の北斗印刷(1988年設立)は企業の販促ツール、ノベルティ、会社案内などの冊子類の制作、印刷を手がけ、2015年にRIZAPグループの傘下に入った。当初想定していた事業を達成できていなかったことに加え、RIZAPグループが今後経営資源を集中する美容・ヘルスケア分野との相乗効果が必ずしも高いとはいえなかったことから、事業の整理・売却に動いた。

 

 

 

情報提供:株式会社ストライク