【Q&A】子会社株式の譲渡に係る収益計上時期[税理士のための税務事例解説]

[税理士のための税務事例解説]

事業承継やM&Aに関する税務事例について、国税OB税理士が解説する事例研究シリーズです。

今回は、「子会社株式の譲渡に係る収益計上時期」についてです。

 

 


[質問]

子会社株式の譲渡契約書において、効力発生の時期を譲渡対価の2分の1を支払った時としていますが、先方の資金調達の都合から延期しており、効力発生が事業年度をまたぐ可能性があります。

 

有価証券の譲渡損益の計上時期は法61条の2第1項で契約日とされており、組織再編等の場合の譲渡損益の発生日については、規則27条の3又は通達2-1-22でそれぞれ計上日を定めていますが、子会社株式の譲渡については、特別な規定はないように思われます。

 

子会社株式の譲渡については、組織再編と同じく契約日から効力発生まで期間が長くなることが多いと思いますが、その場合でもやはり、契約日に譲渡損益を計上することになるのでしょうか。

 

 

[回答]

御指摘のとおり、法第61条の2第1項においては「その譲渡に係る契約をした日」の属する事業年度において損益に計上するものとされています。この規定は、企業会計における株式の譲渡時期に関する基準を勘案して創設されたといえますが、企業会計におけるこの基準は、上場株式においては、売買契約が成立すると即その効力が生じることを前提としたものと解されます。

 

したがって、売買契約の効力について、ご質問のような停止条件が付されている場合には、その停止条件が成就して初めて効力が発生しますから、停止条件が付されている場合の売買契約については、その契約に係る停止条件が成就した日をもって譲渡があったものと解すべきであると考えます。

 

したがって、ご質問の場合には、「効力発生の時期を譲渡代金の2分の1を支払った時」としているのであれば、そのことは停止条件と解されますから、その子会社株式の譲渡については、契約日ではなく、譲渡代金の2分の1を支払った時において譲渡があったものとして取り扱うことが相当であると解されます。

 

 

 

 

 

税理士懇話会事例データベースより

(2018年12月18日回答)

 

 

 

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