「必要書類の整理」(スモールM&Aのための必要書類) ー後継者の立場に立って書類を整理し、知識をマニュアル化ー

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第6回:必要書類の整理(スモールM&Aのための必要書類)

ー後継者の立場に立って書類を整理し、知識をマニュアル化ー

 

〈解説〉

税理士 今村仁

 

 

 

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後継者の立場に立って書類を整理


廃業ではなく承継を決断した社長がやるべき2つ目は、会社にある「書類の整理」である。第三者への承継を決断したら、常に後継者側の立場に立って日々の仕事や経営をしていくことが大切である。「自分が後継者側であれば、こんなグチャグチャな帳簿を渡されたら怒るだろうな」と思うのであれば、第三者がみてもわかるように事前に整理をしておくべきであろう。更に後継者側の視点に立って、「こういう資料を事前に準備しておいてもらうと助かるな」と思えるようなものがあれば、やはり対応することが賢明である。事前準備資料の中でも、下記の5つは最低限必要な資料となる。

 

 

● 会社登記簿謄本
● 決算書及び税務申告書一式3期分
● 直近の試算表
● 主要人員の経歴書
● 社内規定(就業規則、給与賞与規程、退職金規程)

 

 

 

これまでなかった書類を作成する必要は?


「会社登記簿謄本」や「決算書及び税務申告書」が存在しない会社はあり得ないが、社内規定である「就業規則」や「退職金規程」が存在しない会社はある。ではこの場合、小さな会社の第三者承継において、新たに就業規則や退職金規程を作成する必要があるのだろうか。

 

答えは、ノーである。これまでなかった書類をわざわざ作成する必要はない。しかし、その社内規定及び書類がないことはきちんと後継者側に伝えておかなければならない(法律上必要なものが整備されていないケースは問題ではあるが、この論点はここでは割愛する)。後継者側の立場に立てば、事業を引き継いだ後、従業員などの退職金をいつまでにどれくらい準備しなければならないのかなどを把握するために、これらの資料を要求するのである。

 

事前準備する書類は最初は一覧に掲げたもののうち赤字のものだけでいいが、承継が決まったら最終的には一覧に掲げた書類すべてが必要となるので、参考にしてもらいたい。多くの書類を準備するのは大変と思われるかもしれないが、やはりここは後継者側の立場に立って、作業を進めてほしい。

 

 

 

 

 

 

社長が会社経営で培った知識をマニュアル化


小さな会社の場合、営業も、入金や請求書発行など経理も、更には商品開発までも社長一人で行っているケースはよくある。

 

しかし承継後はそのまま継続雇用となることが多い従業員とは異なり、社長のほとんどは1ヶ月から1年以内には実質的に退職となる。つまり、社長は、承継後は最終的には会社からいなくなるのである。

 

後継者候補側の方からよく「その会社は社長がいなくても経営がスムーズに回りますか」と聞かれることがある。要は、後継者側は社長がもっている「暗黙知」をきちんと譲り受け後に承継できるのかということが心配なのである。

 

であれば、社長の「暗黙知」を「形式知」に置き換える作業として、「メモ書き(マニュアル)」を作成することをお勧めする。

 

現在小さな会社でここまでできている会社は非常に少ないので、社長が会社経営で培ってきた知識がマニュアル化されていたら後継者候補側に好印象となり、結果的に良い条件で引き継いでもらえる可能性が高まるだろう。

 

 

 

 

 

 

書籍「小さな会社の事業承継・引継ぎ徹底ガイド ~マッチングサイト活用が成功のカギ」より