会社の譲渡後も、社長は会社に残れますか?

[中小企業経営者の悩みを解決!「M&A・事業承継 相談所」]

~M&Aで会社や事業を売却しようとご検討の中小企業経営者におすすめ~

 

第7回:会社の譲渡後も、社長は会社に残れますか?

 

 

〈解説〉

株式会社ストライク

 


M&A(合併・買収)仲介大手のストライク(東証一部上場)が、中小企業の経営者の方々の事業承継やM&Aの疑問や不安にお答えします。

 

 

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Q.会社の譲渡後も、社長は会社に残れますか?

 

48歳の経営者です。25年前に創業し、現在では同業のなかでは中堅クラスの規模になりました。ただ自分の年齢や能力、資本力を考慮すれば、これ以上の事業拡大は難しいと思っております。このため、大会社の資本傘下での成長を考え始めました。

 

心配なのが譲渡後の自分の処遇です。体調に問題なく、これまでの業務経験や人脈もありますので、譲渡した後も会社に貢献した方が、会社にプラスではないかと考えております。ただ、周囲の一部の方からは、引退したら会社には関わらないものだ、と言われました。経営者は譲渡後、会社には残れないのでしょうか。

 

 

 

A.会社に残るか否かは前オーナー経営者の意思が尊重されるのが一般的です。

 

前オーナー経営者は、一般的には他社に会社を譲渡した後でも一定期間は引継ぎ期間として会社に残ります。前オーナー経営者がM&A後にすぐに引退してしまうと会社が円滑に運営できなくなるリスクがあるためです。譲渡された企業の関係者が不安になれば企業間の融和をスムーズにできなくなります。「自分達の処遇や新しい会社の方針はどうなのか」「これまで通り仕事ができなくなるのではないか」。譲渡側の従業員や取引先企業はM&Aの後に不安を感じることがあります。その状況を放置すると従業員が相次いで退職したり、取引先から重要な契約が打ち切られたりするリスクがあります。前の経営者が一定期間在籍することで、従業員も安心して仕事を続けやすくなります。

 

引継ぎ期間が終了した後に前のオーナー経営者が会社に残るか残らないかは、前オーナー経営者自身の意思が最大限尊重されるのが一般的です。自身が高齢で後継者もいないため、引退して第二の人生を歩みたいというオーナー経営者は、引継ぎ期間終了時の引退を望むケースが多いです。

 

一方で、比較的年齢が若く、元気に働ける前オーナー経営者は、肩書や報酬等は別途相談にはなりますが、長期間会社で働くことも可能です。例えば、50歳手前の経営者から、独力での経営に限界を感じ、「M&Aで大企業の傘下に入りたいが60歳までは会社で働きたい」という相談を受けたことがあります。その際は、要望に応じた条件で引き受けてくれる相手を探して実現しました。

 

M&A後にどのような形で会社に関与したいかを私たちに相談していただければ、経営者のご意思を最大限尊重する形でお相手を探しますので、ぜひご連絡いただければと思います。