[M&Aニュース](2019年6月3日〜6月14日)

[M&Aニュース](2019年6月3日〜6月14日)

◇きちりホールディングス<3082>、外食フランチャイジーのインドネシアPT Kichiri Rizki Abadiを子会社化、◇青山商事<8219>、カジュアル衣料「アメリカンイーグル」事業を譲渡、◇INEST<3390>、休眠中の情報処理サービス会社のEPARKマネーライフをトリプルヘッドに譲渡、◇ヒューリック<3003>、日本ビューホテル<6097>を子会社化、◇沖電気工業<6703>、ブラジルATM子会社のサービス事業などを米NCRに譲渡 ほか

 

マネーパートナーズグループ<8732>、仮想通貨交換登録準備会社のコイネージを子会社化

◆マネーパートナーズグループは、仮想通貨交換業登録に向けて準備中のコイネージ(東京都渋谷区。売上高―、営業利益△2億8600万円、純資産5億4000万円)を子会社化することを決議した。コイネージの全株式を所有する特別目的会社・コイネージ投資(同)を100%子会社化(現在持ち株比率は50%)することにより、コイネージを傘下に取り込む。取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月1日。

コイネージの子会社化に伴い、マネーパートナーズは仮想通貨交換業登録準備を進めるために計画していた子会社の設立を取りやめる。

 

エア・ウォーター<4088>、米プラクスエアのインド事業を取得

◆エア・ウォーターは14日、産業ガス大手の米プラクスエアからインド事業の一部を取得すると発表した。対象はプラクスエアのインド東部で手がける酸素、窒素、アルゴンの製造・貯蔵・運搬・販売に関する事業(直近売上高約79億円)。プラクスエアと同業大手の独リンデが2017年に合併した際、インド当局が独占禁止政策上の理由からプラクスエアにインド事業の一部を第三者に譲渡するよう求めていた。取得価額は約238億円(152億5000万インドルピー)。取得予定日は2019年7月12日。

 

トライアンフコーポレーション<3651>、沖縄や北海道でレンタカー事業を行うルフト・トラベルレンタカーを子会社化

◆トライアンフコーポレーションは、レンタカー会社のルフト・トラベルレンタカー(沖縄県豊見城市。売上高29億4000万円、営業利益5460万円、純資産1億5600万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

ルフト・トラベルレンタカーは1995年設立で、沖縄県や北海道などの観光地を中心に営業展開し、約3000台の貸出用車両を保有する。2008年7月に現株主のLUFTホールディングス(東京都港区)傘下となり、インバウンド(訪日外国人観光客)需要に支えられて順調に業容を拡大してきた。

取得価額は8億円。取得予定日は2019年8月1日。

 

チエル<3933>、高校生向け進学説明会を手がける昭栄広報とエーアンドシーを子会社化

◆チエルは、高校生向け進学説明会を手がける昭栄広報(東京都千代田区。売上高13億円、営業利益100万円、純資産10億4000万円)、エーアンドシー(同。売上高4200万円、営業利益500万円、純資産3500万円)の2社を子会社化することを決議した。

昭栄広報は1967年、エーアンドシーは2007年に設立し、現在、瀬戸渡氏が両社の社長を務める。チエルは昭栄広報の株式60.4%、エーアンドシーの全株式をそれぞれ取得する。エーアンドシーが昭栄広報の株式39.6%を保有する資本構成になっているため、間接保有分を含めて、チエルが昭栄広報株式を100%保有する形となる。

取得価額は昭栄広報が4億5300万円、エーアンドシーが2億3000万円。取得予定日はいずれも2019年6月26日。

チエルは授業支援やデジタル教材など学校教育のICT(情報)化事業を専業とする。昭栄広報とエーアンドシーはいずれも高校生を対象とした進学説明会を主力事業とし、高校のほかに大学、専門学校と接点を持つ。チエルは両社を傘下に取り込むことで、ICT化による事業拡大が可能と判断した。

 

五洋インテックス<7519>、医療観光のMNCを子会社化

◆五洋インテックスは、旅行業のMNC(東京都港区。売上高3650万円、営業利益29万8000円、純資産579万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。多角化の一環として取り組むメディカル(医療)ツーリズム事業の早期収益化が狙い。

MNCは2017年に設立し、医療や美容に関する旅行の企画を主力とする。五洋インテックスは旅行業の登録業者である同社を傘下に取り込むことで、直接、メディカルツーリズムを目的とした観光ツアーの手配が行えるようになる。

取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月上旬。

 

新東京グループ<6066>、手続き中の全建設共同事業組合から福島・熊本の災害復興支援事業を取得

◆新東京グループは、子会社の新東京開発(千葉県松戸市)が民事再生手続き中の全建設共同事業組合(東京都東村山市、大原彩希代表)から7月1日付で福島県と熊本県での災害復興支援事業を取得することを決めた。

全建設共同事業組合は1979年に建売住宅の建築工事を行う目的で設立。東日本大震災以降は、被災地復興支援関連工事に事業転換した。宮城県、福島県、熊本県など震災各地での受注が拡大する中、重機などの設備購入の資金負担問題から経営状況が悪化し、4月4日付で東京地方裁判所に民事再生手続きを申し立てていたが、新東京グループがスポンサー企業として名乗りを上げた。

 

ルックホールディングス<8029>、イタリア発の革製品ブランド「IL BISONTE」を買収

◆ルックホールディングス(HD)は12日、イタリアの革製品ブランド「IL BISONTE(イルビゾンテ)」を世界で展開するBisonte Italia Holding S.r.l.(本社ミラノ)を7月1日付で買収すると発表した。ルックHDは1999年から「IL BISONTE」の日本での独占輸入販売を始め、現在、全国に41店舗を展開する。「IL BISONTE」事業はルックHDにとって最大規模の収益事業に成長しているという。買収金額は約109億円(アドバイザリー費用を含む)。

 

UEX<9888>、特殊鋼専門商社の住商特殊鋼を子会社化

◆UEXは、ステンレス鋼など特殊鋼鋼材の販売を手がける住商特殊鋼(東京都千代田区)の全株式を取得し子会社化することを決議した。子会社化に先立ち、住商特殊鋼は会社分割により自動車向け構造用鋼の販売事業を同社親会社の住友商事グローバルメタルズ(東京都千代田)に移管する。そのうえでUEXは会社分割後の住商特殊鋼の全株式を29億1700万円(アドバイザー費用を含む)で取得する。取得予定日は8月1日。

会社分割の対象事業を差し引いた後の住商特殊鋼の売上高は102億円(2018年3月期)。住商特殊鋼は1956(昭和31)年に設立した。ステンレス専門の鉄鋼商社であるUEXは同社を傘下に取り込むことで、物流拠点や配送体制の相互活用などで事業の効率化や競争力向上を目指す。

 

キリン堂ホールディングス<3194>、滋賀県の調剤薬局1店舗を取得

◆キリン堂ホールディングスは10日、子会社のキリン堂(大阪市)を通じて、滋賀県にある調剤薬局1店舗を9月1日付で取得すると発表した。相手先と譲渡価額は非公表。キリン堂は関西を中心にドラッグストアと調剤薬局のチェーンを展開する。

 

きちりホールディングス<3082>、外食フランチャイジーのインドネシアPT Kichiri Rizki Abadiを子会社化

◆きちりホールディングスは、インドネシアで同社外食ブランド「いしがまやハンバーグ」「CHAVATY」をフランチャイズ展開するPT Kichiri Rizki Abadi(ジャカルタ)の株式51%を取得し子会社化することを決議した。インドネシアでの出店を進めたうえで、東南アジアでの展開を目指す。取得価額は約3900万円。取得予定日は2019年7月31日。

PT Kichiri Rizki AbadiはきちりHDが手がける外食事業のフランチャイジーとして今年2月に、現地で貿易業や不動産業を営むPT Mahanaim Sejahtera Mandiriが全額出資で設立した。今回の株式取得により合弁形式で経営にあたることになる。

 

青山商事<8219>、カジュアル衣料「アメリカンイーグル」事業を譲渡

◆青山商事は、衣料販売子会社のイーグルリテイリング(東京都渋谷区)を通じて展開している日本国内でのカジュアル衣料「アメリカンイーグル」事業を、米American Eagle Outfitters,Inc.(AEO)に12月31日を期限として譲渡することを決議した。

青山商事は2010年に住金物産(現日鉄物産)と共同出資(日鉄物産10%出資)でイーグルリテイリングを設立し、AEOのフランチャイジーとしてメンズ・レディースのアメリカンカジュアル衣料を販売してきた。今回、青山商事グループ内の事業戦略上の理由から、2022年2月の契約期限を待たずに当該事業をAEOに譲渡することにした。当該事業の直近売上高は122億9400万円。

 

INEST<3390>、休眠中の情報処理サービス会社のEPARKマネーライフをトリプルヘッドに譲渡

◆INESTは、情報処理サービス子会社で現在休眠中のEPARKマネーライフ(東京都豊島区。売上高―、営業利益△49万6000円、純資産1660万円)の株式90%を、システム開発事業を手がけるトリプルヘッド(東京都港区)に譲渡することを決議した。EPARKマネーライフは2011年設立。譲渡価額は非公表。譲渡日は2019年6月7日。

 

ヒューリック<3003>、日本ビューホテル<6097>を子会社化

◆ヒューリックは7日、日本ビューホテルを株式交換により9月1日付で完全子会社化すると発表した。日本ビューホテルはホテル事業、結婚式場事業、遊園地事業を手がけるが、人手不足に伴う人件費上昇、少子化による婚礼需要の減少、地方遊園地の集客力低下などを背景に事業環境が厳しさを増している。このため、ヒューリックは従来の資本・業務提携関係から子会社化に踏み込む。子会社化を機に、日本ビューホテルはホテル事業に経営資源を集中する。

株式交換比率はヒューリック1:日本ビューホテル1.57で、日本ビューホテル株式1株に対してヒューリック株式1.57株を割り当てる。

両社は2015年10月に資本・業務提携し、ヒューリックが日本ビューホテルを持分法適用関連会社(持株比率約26%)としていた。日本ビューホテルは8月29日付で上場(東証1部)廃止となる予定。

 

沖電気工業<6703>、ブラジルATM子会社のサービス事業などを米NCRに譲渡

◆沖電気工業は、ATM(現金自動預け払い機)を製造するブラジル子会社の金融・リテール・サービス事業を、米NCR(ジョージア州)に譲渡することを決めた。生産機能などは譲渡範囲に含まれていない。当該事業を会社分割して新会社に移管し、この新会社の全株式を譲渡する。

沖電気は2014年にブラジルのItautec社のATM事業を取得し、現地子会社「OKIブラジル」(サンパウロ州)を設立。これまで収益改善に向けて抜本的な構造改革を進めてきたが、赤字が続いており、単独での事業継続は困難と判断し、金融機関に対するサービスやサポート業務などに関する事業を譲渡する。事業譲渡後は、NCRのブラジル子会社に対してATMモジュールを供給する。

譲渡価額は非公表。譲渡予定は2019年12月。

 

サーラコーポレーション<2734>、地場住宅会社の宮下工務店を子会社化

◆サーラコーポレーションは、地場住宅会社の宮下工務店(浜松市。売上高10億8000万円、営業利益7950万円、純資産8億3100万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。

サーラコーポレーションは傘下のサーラ住宅(愛知県豊橋市)を通じて、愛知県、静岡県西部、三重県北部を中心に木造軸組工法による注文住宅の請負・施工、分譲住宅・土地の販売を手がけている。宮下工務店は1988年に設立し、浜松市内の北部を営業エリアとする。

取得価額は非公表。取得日は2019年6月6日。

 

エー・ディー・ワークス<3250>、内装工事の澄川工務店を子会社化

◆エー・ディー・ワークスは、内装工事の澄川工務店(東京都多摩市)の全株式を取得し子会社化した。澄川工務店は1987年に設立した。取得価額は非公表。取得日は2019年4月25日。同日付でエー・ディー・ワークスの米津正五副社長が澄川工務店社長に就いた。

 

ツルハホールディングス<3391>、秋田県大潟村のおおがたむら調剤薬局を子会社化

◆ツルハホールディングスは、おおがたむら調剤薬局(秋田県大潟村。売上高1億7200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。おおがたむら調剤薬局は調剤薬局1店舗を運営する。取得価額は非公表。取得予定日は2019年7月4日。

 

日本ライトン<2703>、コンタクトイメージセンサー組み立てのフィリピン子会社を台湾社に譲渡

◆日本ライトンはフィリピンでコンタクトイメージセンサー組み立てや半導体部品の加工・検査を手がける子会社のL&K INDUSTRIES PHILIPPINES, INC(売上高8億5700万円、営業利益△8120万円、純資産2億5400万円)の株式65%を、台湾の傑田企業股份有限公司(南投市)に譲渡することを決議した。

L&Kは2年前からフィリピンで、多機能センサー、スキャナーなどの読み取り部分に使われるコンタクトイメージセンサーの組み立て業務を行っている。傑田企業股份有限公司はコンタクトイメージセンサー事業で20年以上の実績を持ち、フィリピンに生産拠点の確保を計画していた。

譲渡価額は45万ドル(約4870万円)。取得予定日は2019年8月中旬。

 

長瀬産業<8012>、食品素材販売・加工の米Prinova Groupを子会社化

◆長瀬産業は食品素材の販売・加工を手がけるPrinova Group,LLC(イリノイ州。売上高841億円、営業利益45億3000万円、純資産96億1000万円)の株式93.6%を取得し子会社化することを決議した。取得価額は6億2100万ドル(約680億円)。取得予定日は2019年7月上旬。

Prinovaは1978年設立で、北米、欧州を中心に食品素材販売から配合品製造、最終製品の受託製造までをトータルに手がける。長瀬産業は2011年に買収した有力バイオ企業、林原(岡山市)の食品素材事業と合わせ、日本、アジア、米州、欧州における事業拡大を目指す。

 

日機装<6376>、粒子計測機器製造子会社のマイクロトラック・ベルなど内外2社を蘭社に譲渡

◆日機装は、粒子計測機器を製造するマイクロトラック・ベル(大阪市。売上高46億9000万円、営業利益5億1200万円)など内外子会社2社の全株式を、オランダの科学機器メーカーのVerder International B.V.に譲渡することを決議した。

譲渡するのはマイクロトラック・ベルのほか、米国でマイクロトラック粒子径分布測定などの製造を手がけるMicrotrac,INC.。日機装は両社を通じて、各種粉体計測機器を中心に事業展開しているが、今回、事業ポートフォリオ見直しの一環として、グループから切り離すことにした。

譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2019年6月中。

 

 

情報提供:株式会社ストライク