Q-24 M&Aで借金はどうなる?
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Q-24 M&Aで借金はどうなる?|3分でわかる!M&Aのこと【解説コラム】
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今後、ますます活用が進んでいくであろうM&Aについて、できるだけわかりやすくQ&A形式で解説するコラムを掲載することにしました。ぜひご一読ください!
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Q-24 M&Aで借金はどうなる?
A
実際のM&Aでは譲渡価格条件もさることながら、「借金はどうなるのか」という点も重要な問題となります。借入が残ったままでも売れるのか、譲渡すれば連帯保証からも解放されるのか、オーナーにとっては重要なポイントです。これらは、一見すると同じ問題に見えますが、会社の借金とオーナー個人の保証は別々に考える必要があり、さらに、これらを引き受ける買い手の側から借金がどう見えるかもM&Aの成否に関わってきます。
今回は、(1)売り手企業の借金、(2)オーナー個人の連帯保証、(3)買い手から見た借金、の3つに分けて整理します。
(1)売り手企業の借金
株式譲渡では、株主だけが入れ替わりますので借入金は売り手企業に残ったままです。この場合、借入金は譲渡価格から差し引かれる形で売り手がその負担を引き受けることになります。一方、事業譲渡では借入金は原則として買い手に引き継がれないなど、スキームによって扱いは変わります(Q-21をご参照ください)。
なお、借入契約には支配権が変わると一定の対応が求められる条項(チェンジ・オブ・コントロール条項)が入っていることがあるため、契約の確認と金融機関への事前相談が必要です。
(2)オーナー個人の連帯保証
中小企業の借入では、オーナー個人が連帯保証をしているケースが少なくありませんが、株式を譲渡してもこの保証は自動的に外れません。保証契約は金融機関との契約であって、株式譲渡契約とは別物だからです。何もしなければ、会社を手放した後も保証だけが残ってしまいます。
もっとも、こちらについては国の後押しがあります。「経営者保証に関するガイドライン」とその事業承継時の特則(2019年12月)は、前経営者と後継者の双方から二重に保証を求めることを原則禁止とし、前経営者との保証契約の見直しを金融機関に求めています。また、中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」(第3版・2024年8月)は、保証の扱いについてM&Aの成立前から金融機関へ相談することを基本とし、解除が成立後となる場合には、これを買い手の義務として最終契約に明記しておくことも求めています。単なる努力義務としないことが、後のトラブルを防ぐためにとても重要になります。
(3)買い手からみた借金
では、借金のある会社を買い手は敬遠するのでしょうか。必ずしもそうではありません。借入金は譲渡価格で調整できるため、買い手が警戒するのは、金額そのものよりも「中身の見えない借金」です。帳簿に載っていない保証債務や未払残業代といった簿外債務は価格に織り込めないため、DD(デューデリジェンス)での追加調査や、表明保証・補償条項の交渉に時間がかかる原因になります。また、(2)の保証を引き受けるには買い手自身の信用力が問われ、買収資金を借入で賄うなら金融機関の審査も必要です。借金は、買い手にとっても「整理されているかどうか」が問題になります。
最後に
冒頭の問いに戻ります。会社の借金は譲渡価格の調整という形で反映され、オーナー個人の連帯保証は金融機関との協議を通じて解除・差替えを進める必要があります。買い手にとっても重要なのは、借金の額だけではなく、その中身が説明できる状態にあるかどうかです。借入金、保証、担保、返済予定を日頃から整理しておくことが、M&Aを円滑に進めるための備えになります。
(執筆:税理士・公認会計士 風間啓哉)

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(注意)回答・解説は原則このコラム内で行い、個別の回答はできません。個別事例についてのご相談には対応できませんのであらかじめご承知おきください。
風間啓哉(かざま けいや)
税理士・公認会計士(風間会計事務所 代表)
2005年公認会計士登録、2010年税理士登録。
監査法人にて監査業務を経験後、上場会社オーナー及び富裕層向けの各種税務会計コンサル業務及びM&Aアドバイザリー業務等に従事。その後、事業会社㈱デジタルハーツ(現 ㈱デジタルハーツホールディングス:東証プライム)へ参画し、同社取締役CFOを経て、同社非常勤監査役(現任)を経験。2018年から会計事務所を本格的に立ち上げ、現在に至る。
(著書等)『PB・FPのための上場会社オーナーの資産管理実務(三訂版)』『資産家・事業家 税務コンサルティングマニュアル』(共著、税務研究会)、『ケーススタディ M&A会計・税務戦略』(共著、金融財政事情研究会)
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