[M&Aニュース](2021年5月31日〜2021年6月11日)
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[M&Aニュース](2021年5月31日〜2021年6月11日)
◇さくらさくプラス<7097>、学習塾のVAMOSを子会社化、◇綿半ホールディングス<3199>、木造住宅のフランチャイズ事業を展開する夢ハウスを子会社化、◇レイズネクスト<6379>、サービスステーション工務事業をENEOSトレーディングに譲渡、◇デンタス<6174>、イオン歯ブラシ開発・製造のアイオニックを子会社化、◇フリー<4478>、記帳アプリ「Taxnote」提供のノンモを子会社化、◇理研ビタミン<4526>、冷凍野菜・水産加工品製造の中国子会社「青島福生食品」を現地社に譲渡、◇ロート製薬<4527>、痔治療薬「ボラギノール」の天藤製薬を子会社化、◇中京銀行、希望退職者を募集 地銀として今年初、◇スペースマーケット<4487>、空き家・空きテナントなど対象にレンタルスペースの企画・運営を手がけるスペースモールを子会社化、◇アステラス製薬、早期退職を募集 450人程度、◇東京センチュリー<8439>、中小型トラック・樹木整備機器販売の米国Work Truck Directを子会社化、◇きんでん<1944>、フジクラ<5803>傘下で電気・通信工事のフジクラエンジニアリングを子会社化 ほか
さくらさくプラス<7097>、学習塾のVAMOSを子会社化
さくらさくプラスは都内3カ所で中学受験向けの学習塾を展開するVAMOS(東京都武蔵野市。売上高1億8653万1000円、営業利益1780万6000円、純資産2400万8000円)の全株式を取得し、子会社化すると発表した。
さくらさくプラスは都内を中心に73の保育所を運営をしており、今回の買収で保育園から中学受験までを一貫してサポートする体制づくりを狙う。取得価額は1億7200万円。取得予定日は2021年6月11日。
綿半ホールディングス<3199>、木造住宅のフランチャイズ事業を展開する夢ハウスを子会社化
綿半ホールディングスは、木造住宅のフランチャイズ事業を手がける夢ハウス(新潟県聖籠町。売上高137億円、営業利益2億2600万円、純資産29億8000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。綿半HDはグループ内で木造住宅のフランチャイズ事業を展開している。夢ハウスを傘下に取り込み、両社の経営資源や天然無垢材の仕入調達力を相互活用することで事業拡大につなげる。取得価額は27億1800万円。取得日は2021年7月15日をめどとする。
夢ハウスは1996年設立で、加盟店は全国で約400社。山林の育成から製材、乾燥、プレカット、施工にいたる全工程を自社で手がける一貫体制を確立し、新潟県内に3つの加工工場を持つ。
レイズネクスト<6379>、サービスステーション工務事業をENEOSトレーディングに譲渡
レイズネクストは、ENEOS給油所向けに展開するサービスステーション(SS)工務事業を会社分割により、ENEOSトレーディング(東京都中央区)に譲渡することを決めた。ENEOS側から給油所の建設・補修などに関する工務業務を内製化・効率化するため、事業移管の申し入れがあったという。当該事業の直近売上高12億5000万円。譲渡価額は2億1500万円。譲渡予定日は2021年10月1日。
譲渡先のENEOSトレーディングはENEOS給油所向け商品・サービスや機器の販売を手がけている。
デンタス<6174>、イオン歯ブラシ開発・製造のアイオニックを子会社化
デンタスは傘下企業を通じて、オーラル(口腔)ケア製品を開発・製造するアイオニック(千葉県流山市。売上高7億円2100万円、営業利益1900万円、純資産4億6400万円)の株式76.9%を取得し、子会社化することを決めた。デンタスは歯科技工物(補綴物)の製作を主力とするが、歯科関連で新規ビジネスを模索していた。取得価額は非公表。取得予定日は2021年6月28日。
アイオニックは1977年設立。イオンの効果で歯垢を落とすイオン歯ブラシを手がけ、中国、韓国、タイ、米国、欧州にも進出している。
デンタスは歯科技工物製作のシケン(徳島県小松島市)と共同出資(持ち株比率はデンタス76.9%、シケン23.1%)で設立した投資目的会社DSソリューション(東京都品川区)を通じてアイオニック株式を取得する。DSソリューションはアイオニックの全株式を取得した後、自身を消滅会社とする合併を行う予定。
フリー<4478>、記帳アプリ「Taxnote」提供のノンモを子会社化
フリーは、記帳アプリ「Taxnote」を開発・提供するノンモ(大阪府富田林市。売上高3800万円、営業利益1400万円、純資産3200万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。モバイルでのスモールビジネス向け会計サービスを充実させる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年6月30日。
ノンモが展開する「Taxnote」はスモールビジネスの帳簿作成を簡単に行えるサービス。フリーはノンモを子会社化後、8月10日付で吸収合併する。
理研ビタミン<4526>、冷凍野菜・水産加工品製造の中国子会社「青島福生食品」を現地社に譲渡
理研ビタミンは、冷凍野菜や水産加工品を製造・販売する中国子会社の青島福生食品有限公司(山東省。売上高39億1000万円、営業利益△37億9000万円、純資産△160億円)の全持ち分を、青島農邦農副産品有限公司(山東省)に譲渡することを決めた。青島福生食品の業績悪化と不適切会計問題を契機に、グループ内での同社の位置づけを検討してきたが、収益改善や事業面の相乗効果が見込めないと判断した。譲渡価額は1人民元(約17.2円)。譲渡は2021年6月下旬を予定。
持ち分譲渡の一環として青島福生食品に対する貸付債権の約53億円を放棄する。同時に、譲渡相手の青島農邦農副産品が青島福生食品に10億3000万円余りを貸し付け、これを青島福生食品が債務弁済にあてることで、理研ビタミンは同額相当を債権回収することとなる。
理研ビタミンは1994年に当時中国の国営企業だった青島福生食品を傘下に収めた。しかし、近年は中国国内での人件費高騰や債権の回収遅延による貸倒引当金計上などで業績が悪化していた。
ロート製薬<4527>、痔治療薬「ボラギノール」の天藤製薬を子会社化
ロート製薬は、痔の治療薬「ボラギノール」を展開する天藤製薬(大阪府豊中市。売上高58億6000万円)の株式67.19%を取得し、子会社化することを決めた。OTC(一般用医薬品)領域の事業拡大が狙い。取得価額は非公表。取得予定日は2021年8月31日。
天藤製薬のルーツは江戸時代後期。天藤薬化学研究所として設立された1921(大正10)年に痔の治療薬「ボラギノール」を発売し、1950年に現天藤製薬に改組した。医療用医薬品、OTCでそれぞれ痔の治療薬を展開し、業界をリードしてきた。
中京銀行、希望退職者を募集 地銀として今年初
中京銀行は7日、希望退職者を募ると発表した。一般職と45歳以上の総合職を対象(関連会社以外への出向者らは除く)とし、人数を定めず、8月2日~20日に募集する。マイナス金利の長期化や貸出金利の低下、金融業務のデジタル化の進展など経営環境が厳しさを増す中、店舗の統廃合や業務の削減による組織・人員体制の見直しなどの構造改革を進めており、その一環。
今年に入り、上場企業による希望退職者募集の発表は約25社に上るが、地方銀行として初めてとなる。経営責任を明確にするため、会長、頭取の月額報酬を7月から12月までの6カ月間それぞれ20%減額する。
退職日は協議のうえで個別に設定する。所定の退職金に割増退職金を上乗せ支給し、再就職を支援する。
スペースマーケット<4487>、空き家・空きテナントなど対象にレンタルスペースの企画・運営を手がけるスペースモールを子会社化
スペースマーケットは、空き家、空きテナントなどの遊休不動産を対象にレンタルスペースの設計企画・運営や運営代行を手がけるスペースモール(東京都江東区。売上高1億3500万円、営業利益184万円、純資産257万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。スペースマーケットは1万5000件以上のスペース情報を掲載する専用サイトを構築している。スペースモールが培ってきたレンタルスペース運営のノウハウを取り込み、個人・法人や自治体などが所有する遊休資産の活用促進につなげる。
取得価額は1億8030万円。取得予定日は2021年7月1日。
アステラス製薬、早期退職を募集 450人程度
アステラス製薬は3日、早期退職優遇制度を導入すると発表した。想定対象人数は450人程度で、退職日は12月末日。アステラス製薬本体のほか、医薬品などの製造会社であるアステラスファーマテック(東京都中央区)、グループ内で障がい者雇用を担うアステラスグリーンサプライ(同)の子会社2社を対象とする。5月末に発表した「経営計画2021」(2021年度~25年度)の実行に必要な組織、人員体制の見直しを行った結果だとしている。
早期退職を実施するのは2018年度以来3年ぶりで、前回は600人程度の募集に対して約700人が応募した。
東京センチュリー<8439>、中小型トラック・樹木整備機器販売の米国Work Truck Directを子会社化
東京センチュリーは米国子会社を通じて、Eコマース(電子商取引)向け中小型トラックと樹木整備機器を販売する現地Work Truck Direct, Inc. (オレゴン州)の全株式を取得し、子会社化した。繁忙期における中小型トラック・樹木整備機器の短期利用ニーズに応える新サービスを拡充するなど、ニッチマーケットの輸送需要を取り込むのが狙い。取得価額、取得日は非公表。
東京センチュリーは2019年に中小型トラックや樹木整備機器を中心に取り扱う独立系リース・ファイナンス会社のAP Equipment Financingを傘下に収めたが、APがかねて Work Truck Directと業務提携関係にあった。例えば、樹木整備機器は、森林面積の大きい米国で林野火災防止・環境保護に重要な役割を果たしている。
きんでん<1944>、フジクラ<5803>傘下で電気・通信工事のフジクラエンジニアリングを子会社化
きんでんは、フジクラ傘下で電気・通信工事を手がけるフジクラエンジニアリング(東京都江東区)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。今後成長が期待される再生可能エネルギー関連工事や次世代情報通信関連工事で、両社の経営資源の相互補完・共有を図る。取得価額は非公表。取得予定日は2021年7月30日。
幸楽苑ホールディングス、希望退職に48人応募
ラーメンチェーン大手の幸楽苑ホールディングスは1日、希望退職に48人の応募があったと発表した。新型コロナウイルス感染拡大による業績悪化を受け、40歳以上で5年以上勤務の正社員を対象に50人程度を5月19日~30日に募った(退職日は6月30日)。全正社員の約6%にあたり、人員の適正化と年齢構成の調整が狙い。
同社の2021年3月期業績は売上高30%減の265億円、営業赤字17億2900万円(前期は6億6000万円の黒字)、最終赤字8億4100万円(同6億7700万円の赤字)。最終赤字は2年連続だった。
米スターウッド、インベスコ投資法人へのTOB価格を2万2500円に引き上げ
米投資会社のスターウッド・キャピタル・グループは1日、不動産投資信託(REIT)のインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人に対して実施中のTOB(株式公開買い付け)について、投資口1口あたりの買付価格を2万1750円から750円引き上げて2万2500円にすると発表した。買付価格の引き上げは2度目。インベスコ株式の同日の終値は前日比290円高の2万2800円。
一方、買付予定数の下限は434万1133口から387万7247口に引き下げ、公開買付者の既保有分と合わせて所有割合50.00%(従来は55.27%)の水準に変更した。買付予定数の下限を引き下げるのは2度目。
TOB主体はスターウッド傘下の101投資事業有限責任組合(東京都港区)など5者。4月7日にインベスコの全発行済み投資口の取得を目的に1口2万円で買い付けを始め、当初想定された買付代金は最大1665億円だった。しかし、インベスコ側が5月6日にTOBに反対意見を表明したことで、国内REITとして初の敵対的TOBに発展した。
買付期間はすでに1度延長し、現在の期限は6月15日。
日本管理センター<3276>、賃貸住宅管理のシンエイなど2社を子会社化
日本管理センターは、賃貸住宅の受託管理を手がけるシンエイ(東京都立川市。売上高48億円、営業利益1億3500万円、純資産27億1000万円)とシンエイエステート(同。売上高1億6300万円、営業利益8850万円、純資産6億9800万円)の2社の全株式を取得し、子会社化することを決めた。首都圏エリアでの事業拡大につなげる。取得価額は27億円。取得予定日は2021年7月20日。
シンエイとシンエイエステートは過半の株式を持つ筆頭株主が同じで兄弟関係にある。東京・多摩地区を中心に東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で9000戸を超える賃貸住宅を管理する。設立はシンエイが1969年、シンエイエステートが1984年と業歴も長い。
日本管理センターはグループで展開するリフォーム事業、滞納保証事業、保険事業を提供することで、対象2社の収益性向上や業務効率化といった相乗効果を見込む。
ガイアックス<3775>、SNSマーケティングのGENIC LABを子会社化
ガイアックスは、SNSマーケティング企業のGENIC LAB(東京都渋谷区)の全株式を取得し、1日付で子会社化した。ガイアックスが強みとするデータ分析・戦略設計にGENIC LABの画像コンテンツ制作力を取り込み、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)マーケティング領域での事業拡大につなげる。取得価額は非公表。
PR TIMES、本社を赤坂インターシティに移転|2022年2月
プレスリリース配信サービスのPR TIMESは31日、都内にある本社を現在の港区南青山から港区赤坂の「赤坂インターシティ」内に2022年2月に移転すると発表した。分散しているオフィスを集約すると同時に、今後の事業拡大に備えるのが狙い。
同社は2005年にキジネタコムとして設立し、2007年に現社名に変更。現在の本社には2016年に移転したが、手狭になっていた。プレスリリース配信サービス「PR TIMES」の利用企業数は今年2月に5万社を突破した。
キャリアインデックス<6538>、Web面接専用システム提供のマージナルを子会社化
キャリアインデックスは、Web面接専用システム「BioGraph」を提供するマージナル(広島市。売上高7240万円、営業利益185万円、純資産387万円)を株式交換で子会社化することを決めた。人材領域におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の一環。「BioGraph」は遠隔地での面接を効率化でき、新型コロナウイルス感染拡大で直接会って行う面接が難しい状況の中で需要拡大が見込める。株式交換予定日は2021年8月1日。
株式交換比率はキャリアインデックス1:マージナル147.076。マージナル1株にキャリアインデックスの147.076株を割り当てる。
ブイキューブ<3681>、イベントDX事業拡大へ米Xyvidを子会社化
ブイキューブは、ウェビナー関連のシステム開発や配信を手がける米Xyvid Inc.(売上高5億8900万円、営業利益1億7900万円、純資産1億6700万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。大規模会議やセミナー、催事などをオンライン化したイベントDX(デジタルトランスフォーメーション)事業の成長加速が狙い。取得価額は約16億5000万円。2022年12月期までの2事業年度の業績の達成度合いに応じて17億500万円から最大で42億9000万円が追加で支払われる。取得予定日は2021年6月3日。
ブイキューブは日本で急成長するイベントDX事業の海外での成長可能性を検討してきた。今後、米国やシンガポールなどの先進国で大きな需要が見込まれると判断、米国の有力企業Xyvidと組むことにした。
H.U.グループホールディングス<4544>、子会社「富士レビオ」のラジオイムノアッセイ製品の一部事業をヤマサ醤油に譲渡
H.U.グループホールディングスは傘下企業の富士レビオ(東京都新宿区)が手がけるラジオイムノアッセイ(RIA、放射性同位元素を用いた免疫学的測定法の総称)製品の製造販売事業の一部を、ヤマサ醤油(千葉県銚子市)に譲渡することを決めた。選択と集中の一環。具体的な譲渡対象事業は今後協議して決める。譲渡価額は非公表。譲渡時期は今秋以降となる見通し。
ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>、傘下の栄川酒造をスーパー経営のリオン・ドールコーポレーションに譲渡
ヨシムラ・フード・ホールディングスは、全額出資子会社で日本酒製造の栄川酒造(福島県会津若松市。売上高3億8500万円、営業利益△5900万円、純資産4700万円)を、スーパーマーケット運営のリオン・ドールコーポレーション(福島県会津若松市)に譲渡することを決めた。栄川酒造がリオンを割当先とする1億8000万円の第三者割当増資を2021日6月14日付で実施する。これにより、栄川酒造への持ち株比率はリオン81%、ヨシムラ19%となる。栄川酒造は増資で調達した資金をもとに新たにウイスキー事業を始める。
ヨシムラが2016年に子会社化した栄川酒造は約150年の業歴を持ち、主力の「榮川」は福島県の日本酒を代表するトップブランドの一つ。ただ、日本酒市場は嗜好の多様化や若者のアルコール離れなどで縮小傾向にある。一方、新規参入するウイスキー市場は「ハイボール」を中心とした需要の高まりで活況が続いている。
譲渡先のリオンは福島県、新潟県、栃木県で計67店舗のスーパーを展開する。栄川酒造が製造する日本酒をリオンの店舗で販売するほか、ウイスキー製造に必要な設備投資を行う予定。
情報提供:株式会社ストライク