【Q&A】相続空き家の敷地に係る譲渡所得の3,000万円控除(被相続人が老人ホーム退所後に子の自宅で死亡した場合)
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[解説ニュース]
【Q&A】相続空き家の敷地に係る譲渡所得の3,000万円控除(被相続人が老人ホーム退所後に子の自宅で死亡した場合)
〈解説〉
税理士法人タクトコンサルティング(山崎 信義/税理士)
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| 【問】
Aさんは、令和7年6月に父親のBさんからC家屋とその敷地を相続し、C家屋を取壊し後、その敷地を令和8年5月に上場会社D㈱に譲渡(以下「本件譲渡」)しました。C家屋はBさんが昭和55年に新築し、妻との死別後は一人で居住していましたが、令和6年3月にBさんが老人ホームに入所した後は、その死亡の時まで空き家になっていました。Bさんは令和6年9月にその老人ホームを退所し、以後は死亡の時までAさんの自宅(Aさん所有)で同居していました。C家屋は築46年の古家で、地震に対する安全基準等に適合している家屋ではありません。 |
【回答】
1.結論
被相続人のBさんは相続開始の直前においてC家屋に居住しておらず、その敷地は相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋(「被相続人居住用家屋」)の敷地に該当しないことから、その敷地の譲渡について本特例の適用を受けることはできません。
2.解説
(1)被相続人居住用家屋の意義
本特例の適用対象となる「被相続人居住用家屋」の敷地は、相続開始の直前に被相続人の居住の用に供されていた家屋の敷地であることが要件とされています(措法35条3項2号)。老人ホームに入所中に相続が開始した場合、被相続人が入所前に住んでいた自宅は相続開始の直前に被相続人の居住の用に供されていないことから、本来は被相続人居住用家屋には該当しません。しかし、被相続人が相続開始の直前において老人ホームに入所していて元の自宅に居住していない場合であっても、下記(2)の要件を満たすときには、元の自宅とその敷地が被相続人居住用家屋およびその敷地に該当するものとされ、その譲渡について本特例の適用が認められます。
(2)被相続人が老人ホームに入所していた場合の被相続人居住用家屋の範囲
本特例の適用対象となる被相続人居住用家屋には、『”「対象従前居住の用」に供されていた”被相続人居住用家屋』が含まれます(措法35条5項3号)。「対象従前居住の用」とは、①次のイ~ハの要件を満たし、かつ、②特定事由(注)により相続の開始直前において家屋が被相続人の居住の用に供されていなかった場合における、その特定事由により居住の用に供されなくなる直前のその被相続人の居住の用をいいます(措法35条5項、同施行令23条9項、10項、11項)。
イ.特定事由により、被相続人居住用家屋が被相続人の居住の用に供されなくなった時から相続の開始の直前まで、引き続き被相続人居住用家屋がその被相続人の物品の保管その他の用に供されていたこと。
ロ.特定事由により、被相続人居住用家屋が被相続人の居住の用に供されなくなった時から相続の開始の直前まで、被相続人居住用家屋が事業の用、貸付の用または被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。
ハ.被相続人が有料老人ホーム等に入所等をした時から、相続開始の直前までの間において、被相続人の居住の用に供する家屋が2以上ある場合には、これらの家屋のうち、その施設等が被相続人の主としてその居住の用に供していた一の家屋に該当するものであること。
(注)「特定事由」とは、介護保険法に規定する要介護認定等を受けていた被相続人等が、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設等に入所等をしていたことをいいます(措法35条5項、同施行令23条8項)。
(3)本問へのあてはめ
被相続人のBさんは、相続開始の直前においてC家屋を居住の用に供していないことから、前記(1)下線部の要件を満たしません。また、Bさんが相続開始の直前においてC家屋を居住の用に供さず、C家屋が空き家になった理由が、(2)(注)の特定事由(=老人ホーム等への入所等)によるものでなく、Aさんの自宅での居住によるものであることから、上記(2)下線部の要件も満たしません。
以上によりC家屋は被相続人居住用家屋に該当せず、その敷地の譲渡について本特例の適用を受けることはできません。
税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2026/05/25)より転載



