2019.07.19

「財務デューデリジェンス報告書」作成実務講座の”事前検討課題”【M&Aセミナーのご案内】

全国3会場で開催するおすすめM&A実務セミナー『「財務デューデリジェンス報告書」作成実務講座』”事前検討課題”をご紹介!

 

このセミナーは、中小企業を調査対象とした「財務デューデリジェンス報告書作成」に当たっての重要ポイントと作成方法を、”実際の財務デューデリジェンス報告書”をもとに解説します。

 

今回、ご紹介する検討課題を事前にお考えいただくことで、講義の理解度を深めることができると思います。

※個別回答の返却や、参加者による当日の発表などは行いません。

 

 

【事前検討①

顧問先の社長がM&Aによる土木工事業の取得を考えており、財務DDを依頼されました。対象会社の資本関係及び過去の決算書は以下のとおりですが、何に着眼してDDを進めますか?

 

 

 

 

 

【事前検討②】

顧問先の社長が経営不振の小売業の入札への参加を考えており、財務DDを依頼されました。案件概要は以下のとおりですが何に着眼してDDを進めますか?取得店舗、取得価格、取得スキームを入札時に意向表明することを求められています。

 

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

 

財務デューデリジェンス報告書の作成実務に関して理解を深めたいと考えている方は、ぜひ、セミナーにご参加ください。

 

 

[開催日時]※セミナーの詳細は下記リンクよりご覧ください。

東京会場  2019年8月22日(木)10:00~16:30 ※締め切りまで残り僅かです。

大阪会場 2019年10月3日(木)10:00~16:30

名古屋会場 2019年10月4日(金)10:00~16:30

2019.07.18

M&Aで売却しやすい会社とは? ~ゼロから学ぶ「M&A超入門」④~【初級者のための入門解説】

 

M&A実務の基礎ポイントを、わかりやすく解説する「ゼロから学ぶ『M&A超入門』」シリーズ

今回は、売却しやすい会社の特徴を「業界・ビジネスモデル」「財務面」「組織面」から解説します。皆さまの「売却しやすい会社にするためは?」という疑問にお答えします。

 

 

 

~売却しやすい会社の特徴は?~


売り手の条件と買い手のニーズが合致したとき、M&Aによる会社の売買が成立します。

そのため、買い手のニーズに合致しやすい会社が売却しやすい会社と言えますが、買い手は具体的にどのようなニーズを持っているのでしょうか。

 

ここでは、一般的に買い手のニーズが高いといわれる事項を「業界・ビジネスモデル」「財務面」「組織面」に分けて見ていきましょう 。

 

 

【業界・ビジネスモデル】

買い手がM&Aで会社を取得する目的は様々ですが、一般的には、新規事業への参入・事業拡大が挙げられます。

 

これらの目的を達成するためには、1から会社を立ち上げる方法もあるでしょう。

しかし、コストや時間が多大にかかってしまうケース、業界の規制や契約等により新規参入のハードルが高いケースには、M&Aによりその業界の既存会社を購入するという選択が有効となってきます。いわゆる参入障壁が高い業界は1からの会社立ち上げが困難なことから、一般的に買い手のニーズが高くなります。

 

また、ビジネスモデルの面では、会員からの毎月の利用料収入がある等、ストック型のビジネスモデルは、売上や利益が激減するリスクが少なく、会員を保有している事自体に価値があることから一般的に買い手のニーズは高くなります。

 

【財務面】

売上・利益が大きい会社が魅力的であることは言うまでもありませんが、何よりも重要なことは、財務状況が健全であることです。

 

利益があっても、多額の借入金、簿外債務や連帯保証等によりリスクが高いと判断されれば、魅力的な会社であっても買い手に敬遠されることとなってしまいます。

 

また、粉飾や不正経理がなく、会社の財務が適切に反映された会計処理がなされていることも重要です。

そのうえで、一般的に買い手が重視するポイントとして以下の事項が挙げられます。

 

・適正な営業利益と営業キャッシュフローが確保できている。

・業績が右肩上がりである。

・内部留保があり、財務面が安定している。

 

これらの条件を満たしていれば魅力的な会社でしょう。

 

しかし、満たしていないからと言って会社の売却が出来ないということではありません。

買い手のニーズと合致すれば、どのような会社でも売却のチャンスはあります。

 

例えば、組織再編により事業を整理し、一部の事業のみを切り出す方法(会社分割)より買い手のニーズにマッチさせるという選択肢もあります。

 

詳しくは次の項目(売却しやすい会社へするには)で。

 

【組織面】

中小企業では、オーナー社長等特定個人の属人的なノウハウや人脈により事業が成り立ち、組織的な事業運営が行われていないケースも多々あります。

 

買い手は商品やサービスを購入するのではなく、会社(事業)を購入するわけですから、魅力的な会社であっても、オーナー社長がいなくなることにより会社の価値が大きく下がるような場合には、事業取得の目的を果たすことが出来なくなってしまいます。

 

これはM&Aに限った話ではありませんが、権限が適切に委譲され組織的な事業運営が行われていることが会社(事業)の継続にとって重要であり、買い手のニーズも高まるといえるでしょう。

 

 

~売却しやすい会社へするには?~ 


M&Aの買い手は、目的をもって会社(事業)を購入します。そのため、前の項目で記載したような買い手のニーズに合致する事業が売りやすい会社といえますが、会社は複数の事業を行っていたり、中には業績が良くない、あるいは将来性のない事業を抱えているケースもあります。

 

このような場合、会社をそのまま売却するのではなく、会社を分割することで売却がスムーズに進む可能性があります。

 

例えば、りんごとみかんのセット200円と、みかん単品120円で売っている場合、割安な200円のセットを望む買い手もいれば、セットよりも多少割高であったとしても120円のみかんを望む買い手もいるので、後者のみかんを望む買い手向けには、りんごとみかんを分ける必要があります。

 

 

 

 

会社はこのように単純に分割できるものではありませんが、例えばそれぞれの事業価値の源泉ごとに会社を分割し売却単位をスリム化することで、買い手のニーズにマッチできることがあります。

 

~中小企業では個人依存経営から組織的経営への変革がポイント~

これまでは、M&Aというと大企業や相当規模の事業が対象となるというイメージをもたれる方が多かったかもしれません。

 

しかし、近年では、中小企業経営者の高齢化による事業承継問題等の解決策としても、中小企業でのM&Aに注目が集まっています。

そこで、ここでは中小企業のM&Aで特に解決しておくべき課題を取り上げたいと思います。

 

中小企業では、限られた人材の中で事業を運営している場合も多く、経営者の経営力や特定個人の営業力、属人的なノウハウ等、事業価値の源泉が、個人的な能力に依存している場合が多々あります。

しかし、事業価値の源泉が個人の能力に依存している場合、その個人がいなくなってしまっては事業価値が大幅に下落してしまう可能性が高いといえます。

 

そこで、事業価値を会社組織で維持できる仕組みづくりを行うことが重要となります。

 

具体的には、個人の能力に依存していた事業価値の源泉となる知識やノウハウを会社全体(複数人)で共有できる仕組みを作るとともに、意思決定を個人ではなく組織で行える組織形態を作り、適切な権限委譲を行うことで、特定個人への依存度を低くする必要があります。

また、組織的経営のための形づくりだけではなく、その価値源泉を維持するための根幹となる経営理念を明確にし、浸透させることが重要となります。

 

これは、M&Aに限らず、親族承継・従業員承継の場面でも検討する必要がある事項ですので、自社の個人依存度がどの程度か、経営者や特定個人が事業に関与しない場合の姿を想像することで、個人依存度を判定してみてはいかがでしょうか。

 

 

公認会計士・税理士  植木康彦(Ginza会計事務所)

公認会計士  本山純(Ginza会計事務所)

 

 

 

 

≪前の解説記事へ≫

会社を半年で売却できる?-M&Aのスケジュール-

2019.07.16

城所弘明 先生(城所会計事務所/公認会計士、税理士、行政書士)が専門家(事業承継・M&Aプロフェッショナル)一覧に追加されました【ZEIKEN LINKS 専門家情報の追加】

城所弘明先生(城所会計事務所/公認会計士、税理士、行政書士)がZEIKEN LINKS専門家(事業承継・M&Aプロフェッショナル)一覧に追加されました。

 

詳細はこちら

 

ZEIKEN LINKS 協力パートナー募集について

2019.07.08

相続税の個人版事業承継税制の対象資産(「特定事業用資産」)【解説ニュース】

1.相続税の個人版事業承継税制の概要


相続税の個人版事業承継税制とは、下記2の特定事業用資産を所有し、事業(不動産貸付業等を除く。以下同じ。)を行っていた先代事業者として一定の者(被相続人)から、後継者として一定の者(特例事業相続人等)が、2019年1月1日から2018年12月31日までの相続又は遺贈(相続等)により、その事業にかかる特定事業用資産の全部を取得した場合に、その特定事業用資産にかかる相続税について、担保の提供その他一定の要件を満たすことにより納税が猶予され、後継者の死亡等により猶予されている相続税の納付が免除される税制をいいます(租税特別措置法(措法)70条の6の10第1項)。

 

2.特定事業用資産の意義


(1)特定事業用資産の範囲

「特定事業用資産」とは、先代事業者の事業の用に供されていた次の資産です。ただし、その贈与または相続等の日を含む年の前年分の事業所得にかかる青色申告書(措法25条の2第3項に規定する65万円の青色申告特別控除にかかるものに限る。)の貸借対照表に計上されていたもの限ります(措法70条の6の10第2項1号、同施行規則23条の8の8第2項等)。

 

①宅地等
事業の用に供されていた土地または土地の上に存する権利で、建物または構築物の敷地の用に供されているもののうち、棚卸資産に該当しないもので、面積が400㎡以下の部分。

 

②建物
事業の用に供されていた建物で、棚卸資産に該当しないもののうち床面積の合計が800㎡以下の部分。

 

③減価償却資産
②以外の減価償却資産のうち、構築物、機械装置、器具備品、船舶等、一定の自動車等、乳牛・果樹等の生物、特許権等の無形減価償却資産。

 

(2)先代事業者の生計一親族の所有する資産

上記(1)の「先代事業者」には、先代事業者と生計をーにする配偶者その他の親族が含まれます(措法70条の6の10第2項1号かっこ書)。したがって、先代事業者が配偶者の所有する土地の上に建物を建て、事業を行っていた場合におけるその土地など、先代事業者と生計をーにする親族が所有する資産のうち上記(1)①~③のいずれかに該当するものについても、特定事業用資産に該当します。

 

ただし、先代事業者と生計をーにする親族が所有する資産が特定事業用資産に該当するためには、(1)の下線部の通り、その資産が先代経営者の一定の青色申告書にかかる貸借対照表に計上されている必要があります(措法70条の6の10第2項1号)。所得税の青色申告にかかる貸借対照表に、同一生計親族名義の資産を計上する処理を通常は行わないので、今後の取扱いについては国税庁通達等を確認する必要があります。

 

3.小規模宅地等の特例の適用を受ける者がいる場合


2(1)①の宅地等につき、先代事業者および先代事業者と生計を一にする親族(以下「先代事業者等」)から相続等により取得した宅地等について、措法69条の4の小規模宅地等の特例の適用を受ける者がいる場合には、その適用を受ける小規模宅地等の区分に応じ相続税の個人版事業承継税制の適用が次のとおり制限されます(措法70条の6の10第2項1号イ、2号へ、同施行令40条の7の10第7項)。

 

 

上図①のとおり、特定事業用宅地等にかかる小規模宅地等の特例と相続税の個人版事業承継税制については併用できず、どちらかを選択することになります。

 

相続税の個人版事業承継税制は100%納税猶予・免除が可能ですが、後継者が納税猶予を継続し、免除に至るまでには、原則として終身の事業継続や資産保有が求められます(措法70条の6の10第3項、第15項等)。小規模宅地等の特例に比べて要件が厳しいため、後継者が相続等による取得する特定事業用資産の価額のうち宅地等がその大半を占める場合には、通常は小規模宅地等の特例を選択するケースが多いと思われます。

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング(山崎信義/税理士)

税理士法人タクトコンサルティング「TACTニュース」(2019/07/08)より転載

2019.07.03

税理士のための 中小企業M&Aコンサルティング実務【新刊書籍のご案内】

【新刊書籍のご案内】

公認会計士・税理士 宮口徹 氏 著にて、書籍「税理士のための 中小企業M&Aコンサルティング実務」が出版されます。

 

中小企業M&Aの全体像から具体的な概要までを把握したいとお考えの税理士等の専門家の方々におススメの書籍です。具体的な数値を用いて解説しているため、実務を想定しながらご理解いただけると思います。

 

Amazonにて予約受付(8月26日発売予定)です。

定価:2,400円+税

 

※8月より全国5会場にて開催する税務研究会主催セミナー「事業承継対策として期待される『中小企業のM&A基礎講座』」にて、参考書籍として配付いたします。

 

 

 

●高度成長期を支えた経営者の引退に伴う後継者難が社会問題となっており、その一つの解決策としてM&Aが注目されています。

 

●今後普及する中小・零細企業のM&Aにおいては税理士が関与するケースが増加すると思われますが、税理士の業務知識や経験があれば、中小企業M&Aの株価算定など中小企業のM&A業務に十分対応することができます。

 

●本書はこうした状況を踏まえ、中小企業のM&A業務に初めて取り組む税理士を主な読者として想定し、中小企業M&Aの全体像から具体的な業務の進め方の概要についてまとめたものです。

 

●第1部で「中小企業M&Aの動向」「税理士の関与」について概観し、第2部で「M&A全体の意思決定や業務の進め方」について触れ、第3部では「バリュエーション(価値評価)」「デュー・ディリジェンス(DD)」「スキーム策定」といった個別業務の進め方や着眼点についてモデルとなる会社を設定し、案件の持ち込みからクロージングまでの一連の業務を「B/S、P/Lなど具体的な数値」を用いて説明しています。

 

●また、「基本合意書」「秘密保持契約書」などM&A契約書関係文書のひな形について巻末資料に記載するほか、税務研究会が運営する「ZEIKEN LINKS(ゼイケン リンクス)」からこれら資料のWordファイルをダウンロードすることができます。

 

●事業承継目的のM&Aに取り組まれる税理士の一助となる一冊です。

 

 

[主要目次]


【第1部 事業承継対策としての中小企業M&A総論】

第1章 事業承継目的のM&Aの動向

・中小企業M&Aの動向

・中小企業M&A増加の背景

第2章 M&Aと税理士業務

・M&Aの関連業務と担い手

・税理士が関与できるM&A業務

・M&Aに対する税理士のスタンス

 

【第2部 中小企業のM&A実務(戦略策定・全体統括編)】

第3章 事業承継対策としてのM&Aと戦略策定

・売手に係る検討事項

・親族内承継とM&Aの比較

・買手に係る検討事項

第4章 M&A手続きとM&A支援業務の全体像

・M&A手続きの全体像

・基本合意書の締結

 

【第3部 中小企業のM&A実務(個別業務編)】

第5章 バリュエーション(価値算定)の要点

・M&Aの株式評価方法と中小企業のM&Aに適した方法

・業種特有の株価評価

第6章 デュー・ディリジェンス(DD)の要点

・P/LのDDにおける着眼点

・B/SのDDにおける着眼点

・キャッシュフローにおける調査項目と着眼点

・DD結果を踏まえた営業権評価

第7章 スキーム策定の要点

・スキーム策定の目的と全体像

・株式譲渡と事業譲渡

・役員退職金と税務

・不動産M&A

第8章 DD結果を踏まえた最終判断とクロージングに向けた業務

・DD結果を踏まえた最終判断

・株式譲渡契約書の締結

 

【巻末資料】

1 中小企業M&A用語集

2 各種契約書等のひな形

(1) アドバイザリー契約書

(2) ノンネームシート

(3) 秘密保持契約書

(4) 基本合意書

(5) プロセスレターと意向表明書

(6) 株式譲渡契約書

2019.07.01

最近の事例にみる「不動産所得で経費になるもの」【解説ニュース】

1.はじめに


個人でアパート経営をしている場合、不動産所得の計算上、必要経費になる支出の範囲で、税務調査で否認されるかどうか不安になるケースがあります。むろん、必要経費になることがはっきりしているものは、きちんと必要経費に算入して適切な課税所得の計算につなげたいものです。

 

不動産所得は、所得税の計算上、アパートの家賃や地代などの収入から必要経費を差し引いて計算します。不動産所得の必要経費となるもので、よく知られているものといえば、アパートなどの資産についての固定資産税・都市計画税、火災保険などの保険料、減価償却費や修繕費などです。これらについては、大きな争いの種になることはありません。

 

必要経費とは原則、「売上原価その他当該総収入金額を得るために直接した費用及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」(所法37)です。このうち、家事上の経費と明確に区分でき「その年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」については、税務署と見解を異にするケースが少なくないところです。

2.最近の裁決から


最近の裁決で「その年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」で、税務署が否認した支出のうち、国税不服審判所が一部を必要経費と認めた事例が出ています(国税不服審判所平成30年9月12日)。

 

裁決書によると、勤め先を退職する前から不動産賃貸業を始めていたAさんは、退職時期をまたいで不動産賃貸業の業務に励んでいたといいます。

 

しかし、平成25年分から平成27年分の所得税の確定申告では、必要経費をめぐって税務署と争いになり、最終的に国税不服審判所に判断してもらうことになりました。

 

具体的に問題になった支出は①業務の参考図書等の費用「図書研修費」約34万円、②業務を円滑にする「接待交際費」約46万円、③福利厚生費などです。

3.考え方の基本


国税不服審判所は、まず「所得税法第37条第1項に規定する「販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」とは、当該業務の遂行上生じた費用、すなわち業務と関連のある費用をいうが、単に業務と関連があるというだけでなく、客観的にみてその費用が業務と直接の関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要なものに限られると解するのが相当である」と述べ、考え方のポイントを示しました。一方、家事関連費については、「「必要経費」と「家事費」の両要素が混在しているため、原則として必要経費に算入できないが、所得税法第45条第1項第1号及びこれを受けた所得税法施行令第96条第 1号の規定により、その主たる部分が業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、その部分に相当する経費に限り必要経費に算入され、また、同条第 2 号の規定により、青色申告者については、家事関連費のうち業務の遂行上必要である部分が主たる部分でなくても、取引の記録等に基づいて業務の遂行上直接必要であったことが明らかにされる部分がある場合には、その部分に相当する経費は必要経費に算入される」と整理しました。

4.必要経費と認められたもの


そのうえで国税不服審判所は、具体的に次のような支出については、必要経費になると判断しています。

 

ア、不動産賃貸経営及び住まいのリフォーム並びに会社経営及び住宅建築上のノウハウなどの建築工事に関して書かれた書籍を購入するための支出のうち、コンクリートのひび割れ補修等に活用された書籍等の購入費用。

 

Aさん自身においても、賃貸物件の維持管理に際し、コンクリートひび割れ用塗布剤等を購入し、賃貸物件の各室の機器や備品の交換、補修、修理等、各種の作業を行っていることが認められたからです。

 

イ、 事業に係る不動産の管理会社である管理会社Zを訪問した際の手土産代及び管理会社のスタッフに対する謝礼のためのギフト券の購入費。

 

Aさんは、不動産管理会社に対してお菓子を贈答している事実が複数回認められ、そして、平成26年において管理会社Z等が管理する物件に係る収入が前年に比して増加している事実が認められる。この支出は、不動産管理会社との円滑な取引関係を維持するために支出されたものと認めることができるから、当該支出は客観的にみて業務に直接関係し、かつ、業務の遂行上必要な費用であると認められたからです。

 

 

税理士法人タクトコンサルティング(遠藤 純一)

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/07/01)より転載

 

2019.07.01

2019年6月に最も閲覧された解説レポート/Webセミナーは?【閲覧回数ランキング】

【ZEIKEN LINKS(ゼイケン リンクス) 解説レポート閲覧回数ランキング】

(集計期間 2019/6/01~2019/6/30)

 

1位 事業承継の進め方いろいろ ~ゼロから学ぶ「事業承継 超入門」①~

 

2位 会社を半年で売却できる?-M&Aのスケジュール- ~ゼロから学ぶ「M&A超入門」③~

 

3位 個人版事業承継税制 超入門ガイド(その2)~適用後の手続と注意点~

 

4位 贈与を受けた金銭を全て敷地の対価に充てた場合の住宅取得等資金に係る贈与税の非課税の適用

 

5位 いくらで売却できる?-譲渡金額の算出方法- ~ゼロから学ぶ「M&A超入門」①~

 

 


【ZEIKEN LINKS(ゼイケン リンクス) Q&A解説  閲覧回数ランキング】

(集計期間 2019/6/01~2019/6/30)

 

1位 税理士事務所におけるM&Aの関与

 

2位 従業員への事業承継、個人保証の問題をどう解決する?

 

3位 財務DD(財務デューデリジェンス)でリスクが判明した場合の対応は?
  
4位 株式譲渡契約書における表明保証条項
  
5位 中小企業M&Aで売却しづらい会社

 

※Q&A解説の全文閲覧や質問の投稿には、会員登録(無料)が必要です。

 


  【ZEIKEN LINKS(ゼイケン リンクス) Webセミナー閲覧回数ランキング】

(集計期間 2019/6/01~2019/6/30)

 

 

1位 事業価値、企業価値、株主価値の違い

「企業価値評価の基礎」より

 

2位 純資産法の概要と計算例

「企業価値評価の基礎」より

 

3位 類似上場会社(乗数)法の概要と計算例

「企業価値評価の基礎」より

 

4位 新事業承継税制 改正の背景、改正のポイント

「新事業承継税制 徹底解説」より

 

5位 事業承継対策としてのM&AとM&Aアドバイザリー業務総論

「事業承継対策として期待される”中小企業のM&A入門講座(第2部)」より

 

※フルムービーの視聴、資料のダウンロード等には、会員登録(無料)が必要です。

2019.06.24

離婚に伴い自宅を財産分与する場合の税務上の取扱い等-1/2 ~財産分与をする側~【解説ニュース】

【問】

私(夫)はこの度、妻と協議離婚をすることとなりました。離婚に伴い、婚姻期間中の財産の清算として、婚姻期間中に私名義で取得した自宅の土地及び建物(以下「自宅」)を妻へ財産分与(*)する予定です。離婚に伴う税務上の留意点等を教えてください。
(*) 相手方の請求に基づき、離婚した者の一方から相手方に財産を渡すことを財産分与といいます(民法768)。

(妻における税務上の留意点等については、次回以降に解説予定です。)

 

【回答】

1.所得税


(1) 譲渡所得課税
① 離婚後に財産分与する場合

 

(a)譲渡所得
所得税法上、譲渡所得の基因となる財産(本問の場合は自宅)の財産分与があった場合には、財産分与時に、元夫は、その自宅を財産分与時の価額により元妻へ譲渡したものとして取り扱われます(所基通33-1の4)。
自宅を財産分与した場合の譲渡所得金額は、次の算式により計算します(所法33、措法35①②⑪)

 

〔算式〕
財産分与時の自宅の時価 -(取得費+譲渡費用)- 居住用財産の譲渡所得の特別控除3,000万円※

 

※「居住用財産の譲渡所得の特別控除」の適用については、自宅の所有期間や居住期間についての制限はありません。したがって、この特別控除を適用することにより、元夫の譲渡所得金額がゼロになることもあります。ただし、この特別控除の適用を受けるためには、元夫の財産分与年分の確定申告書にこの規定の適用を受ける旨等の記載をし、この財産分与に係る譲渡所得の明細書等の添付をする必要があるため、確定申告をし忘れないよう留意が必要です。なお、この3,000万円の特別控除の規定は、配偶者のような特別関係者等への譲渡においては適用できないため、この規定の適用を受けたい場合には、離婚後に財産分与する必要があります。

 

(b)税率
上記(a)の算式により計算した譲渡所得金額がある場合(上記(a)の算式により計算した結果がプラスとなる場合)には、その財産分与のあった年の1月1日現在における自宅の所有期間や譲渡所得金額に応じて、次の税率による所得税等が課されます(措法31、31の3、32①、地法附34、34の3、35、復興財源確保法9、13)。

 

② 離婚前に財産移転する場合

財産移転が離婚前に行われる場合には、基本的に、夫から妻への贈与として取り扱われ、夫において譲渡所得課税はありません。

(2) 離婚後の新たな住宅ローン控除の適用

離婚に伴う自宅の財産分与に際し、元夫が、居住用財産の譲渡所得の3,000万円の特別控除(上記1.(1)①(a)※印参照)又は所有期間10年超の場合の譲渡所得の軽減税率(上記1.(1)①(b)の14.21%)等の適用を受けた場合には、その後3年以内に元夫が新たに借入をして自宅を取得等したとしても、元夫は住宅ローン控除の適用を受けることができません(措法41⑮)。

2.印紙税(措法91②)


財産分与契約における自宅の価額に応じて、次の印紙税が課税されます。

3.固定資産税(地法343、350、359)


固定資産税は、1月1日現在の自宅の所有者に対して課税されます(固定資産税評価額×1.4%)。したがって、年の途中で財産分与をして所有者が元妻に変わったとしても、その年分については元夫が納税義務者となります(別途、元夫婦間の合意で固定資産税の精算を行うことはできます)。

4.最後に


離婚に伴って自宅の財産分与をする場合、実行のタイミング等により、課税関係が異なります。詳細は税理士にご相談ください。

 

 

 

税理士法人タクトコンサルティング(宮田房枝/税理士)

税理士法人タクトコンサルティング 「TACTニュース」(2019/06/24)より転載

2019.06.20

「事業承継対策として期待される『中小企業のM&A基礎講座』」(9/19東京、9/25仙台、10/7福岡、10/18札幌、10/24広島)【M&Aセミナーのご案内】

【税務研究会よりM&Aセミナーのお知らせ】

中小企業の事業承継の手段の一つとしてM&A の活用が期待されています。M&A の実務では、経営者の第一の相談役であり、かつ、対象企業の内情を把握している税理士の役割が非常に重要です。税理士が初期段階から、経営者にどのようなアドバイスを提供し、どのような対策を取ってきたかが、その後の事業承継に大きな影響を与えます。

 

そこで、本セミナーでは、中小企業においても、今後確実に増えるであろう事業承継対策として活用されるM&Aに対応するために、税理士として、最低限理解しておくべき“ 基礎知識” と“ 基礎実務” を実例を交えて分かりやすく解説します。本セミナーを通して、中小企業の事業承継の手段の一つとしてのM&A について、理解を深めて頂きたいと存じます。

 

なお、本セミナーは昨年7月に東京、大阪及び名古屋にて実施したセミナーの内容を見直し、拡充してお送りするものです。特にM&Aの上流工程ともいうべきM&Aに関する戦略策定や相手先の探索や交渉などについて時間を割き、講師の体験談を交えて説明します。また、DD 等の個別業務については前回セミナーでは触れなかった実際の業務の進め方などにも言及します。

 

(書籍付き)

「税理士のための中小企業M&Aコンサルティング」 宮口徹 著(2019年8月発行予定)

 

 

≪パンフレット≫

事業承継対策として期待される”中小企業のM&A基礎講座”

 

 

■セミナー概要


[講座名]

事業承継対策として期待される“中小企業のM&A基礎講座”

~税理士として、関与先の事業承継問題への関わり方を考える~

 

[講師]

公認会計士・税理士 宮口 徹

 

[開催日時]

東京会場  2019年9月19日(木) 10:00~16:30

仙台会場 2019年9月25日(水)  10:00~16:30

福岡会場 2019年10月7日(月)  10:00~16:30

札幌会場 2019年10月18日(金)10:00~16:30

広島会場 2019年10月24日(木)10:00~16:30

 

■お申込みについて


税務研究会ホームページ(東京会場仙台会場福岡会場札幌会場広島会場)または、下記パンフレットに必要事項をご記入のうえ、FAXにてお申込みください。

 

≪パンフレット≫

事業承継対策として期待される”中小企業のM&A基礎講座”

 

 

■セミナーの特長


①関与先の後継者問題を解決する手段の一つとして、M&A の全体像を理解・整理したいと考えている税理士の方々、これから、M&A の支援業務を始めていきたいと考えている税理士の方々などに最適な講座です。

 

②ご経験のない方でも、実例を用いて解説しますので、イメージを思い浮かべながら理解することができます。

 

③「関与先がM&Aを検討し始めたら、どのようなアドバイスができるのか?」「経営者がM&Aを進めることを決めたら、どのように関わっていくことができるか?」を専門家と共に考えることができます。

 

 

■セミナー内容


第1部 事業承継対策としての中小企業M&A総論
1.事業承継対策としてのM&A 動向と税理士業務
(1)中小企業M&A の全体動向
(2)地域別のM&A の動向
(3)M&A 増加の背景
2.M&A と税理士業務
(1)M&A の関連業務と担い手
(2)税理士が関与できるM&A 業務
・専門家としての相談相手、中立的なアドバイス提供の必要性
・全体統括、いわゆるFA 業務
・スキーム策定、株価算定、財務DD(売手・買手)
・PMI、税務申告、売却後の資産管理
・各種業務の報酬感
(3)M&A に対する税理士のスタンス
・M&A への対応力が事務所の成長力を左右する時代

 

第2部 中小企業のM&A実務(戦略策定・全体統括編)
1.事業承継対策としてのM&A と戦略策定
(1)売手に係る検討事項
・親族内承継、MBO、M&A 及び廃業の比較
・売却に向く会社と向かない会社
(2)買手に係る検討事項
2.M&A 手続きの全体像とFA 業務
(1)M&A 手続きの全体像
(2)事前準備の手続き
・売却候補先選定の考え方
(3)探索業務の手続き
・相対取引と入札取引
(4)実行段階の手続き
・実行段階におけるM&A 支援業務の相互関連性

 

第3部 中小企業のM&A実務(個別業務編)
1.バリュエーション(価値算定)の基礎知識

(1)各種株価算定手法の概観
・税法評価(純資産、類似業種比準方式)、DCF 方式、マルチプル(EBITDA、PER)
(2)実務上用いられる算定手法と頻出論点
・実務上の評価手法(年買法、EBITDA 倍率方式など)
・実務上の検討論点(役員報酬や節税保険の調整、グループ会社との取引、労働債務等簿外債務)
2.デュー・デリジェンス(DD)の要点
(1)P/L の着眼点と正常収益力の算定
・ビジネスモデル及び損益構造の理解
・収益水準と収益の質、得意先別・製品別損益
・粉飾決算の有無
・役員報酬、私的費用の負担、節税保険
(2)B/S の着眼点と時価純資産の算定
・滞留債権や滞留在庫
・未払残業、未払退職金等のオフバランス債務
・私的財産の存在
(3)財務DD 以外の重要論点
・未払残業、未払退職金等の労働問題
・名義株主などの法務論点
・土壌汚染等の環境問題
・株式売買契約の重要性(表明保証など)
(4)DD 結果を反映したバリュエーション
(5)DD により検出されたリスクへの対処法
3.ストラクチャリング(スキーム策定)のポイント
(1)株式譲渡と事業譲渡
(2)役員退職金の活用
(3)配当金の活用
(4)会社分割の活用
(5)株式売却とふるさと納税
4.クロ―ジングに向けた業務

 

<事前検討事例について>

参会者の皆様の講義の理解度を高めていただくために「事前検討事例」をご用意しております。個別回答の返却や、参加者による当日の発表等はございませんが、予めご覧いただくことをお勧めいたします。

※詳細はパンフレットにてご確認ください。

 

 

※ 上記は予定のものも含まれます。変更となる場合もありますので、予めご了承ください。

 

 

[関連セミナー]

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