後継者が贈与税の特例措置の適用を受けるためには、その非上場株式を発行する会社が特例承継計画を作成し、その記載事項に係る都道府県知事への確認申請を2023年3月31日までに行うことが必要です（円滑化規17条2項）。この場合における特例承継計画に記載すべき事項は、次の通りです。

１．会社が記載する事項（円滑化規16条）
(1)その会社が中小企業者（円滑化法2条。要するに、資本金額が一定額以下又は従業員数が一定の人数以下の会社をいう）であること。

(2)その会社に特例代表者がいること。
なお「特例代表者」とは、特例承継計画提出時にその会社の株式を保有し、かつ、その会社の代表者である者（代表権を制限されている者を除く）又は代表者であった者をいいます（円滑化規16条1号ハ）。

(3)その会社に特例後継者がいること
なお、特例後継者とは、次のいずれかの者（3人を限度）をいいます（同ロ）。
①その会社の代表者（代表者であった者を含む）が死亡又は退任した場合の新たな代表者の候補者であって、その代表者から相続若しくは遺贈又は贈与により、その代表者が有するその会社の株式等を取得することが見込まれるもの
②その会社の代表者であって、その中小企業者の他の代表者（代表者であった者を含む）から相続もしくは遺贈又は贈与により、その会社の株式を取得することが見込まれるもの

(4)特例代表者が有するその会社の株式を特例後継者が取得するまでの期間における経営に関する具体的な計画を有していること。

(5)特例後継者が、特例代表者から株式等を承継後５年間の経営に関する具体的な計画を有していること。
なお、特例承継計画に係る都道府県知事の確認を受けた会社が、特例後継者（すでに株式の贈与を受けて贈与税の特例措置の適用を受けた特例後継者を除く。）を変更しようとするときは、認定支援機関の指導および助言を受け、かつ、都道府県知事に変更申請書（様式第24）を提出し、確認を受ける必要があります（円滑化規18①）。

２．認定支援機関の指導・助言と特例承継計画への記載
特例承継計画の策定の際には、認定支援機関が事業承継を行う時期や準備状況、事業承継時までの経営上の課題とその対処方針、事業承継後の事業計画の取り組みの評価や実現可能性および計画の実現可能性を高めるための指導・助言を行います。
都道府県知事への特例承継計画の確認申請の際には、申請書（様式第21）の「別紙」に、認定支援機関による指導・助言の内容を記載します。

なお、「様式第21　施行規則第17条第2項の規定による確認申請書（特例承継計画）」も記載例は、以下の中小企業庁サイトをご参照ください。

http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2018/180613shoukeizeiseiService.pdf