１．減免制度の概要
特例経営贈与承継期間経過後に、次の２の事由が生じた場合において、特例措置の適用を受ける株式を譲渡、合併による消滅、解散する等のときは、一定の要件を満たすことにより、その譲渡もしくは合併の対価の額（その時の相続税評価額の50％相当額が下限）または解散時の相続税評価額を基に再計算した贈与税等を納付することとし、再計算した税額が当初の納税猶予税額を下回る場合には、その差額が免除されます（措法70の7の5⑫）。

２．事業の継続が困難な事由
１に記載の事業の継続が困難な一定の事由とは、主に次のとおりです（措法70の7の5⑫、措令40の8の5㉒）。
（1）直前事業年度（１に該当することとなった日の属する事業年度の前事業年度）およびその直前の3事業年度のうち2以上の事業年度において、対象会社の経常損益金額が零未満であること。
（2）直前事業年度およびその直前の3事業年度のうち2以上の事業年度において、対象会社の平均総収入金額（総収入金額のうち営業外収益・特別利益以外の金額を、事業　年度の月数で除した金額）が前事業年度のそれを下回ること。
（3）直前事業年度終了の日における有利子負債の帳簿価額が、その直前事業年度の平均総収入金額に6を乗じた金額以上であること。
（4）直前事業年度終了の日の1年前の日の属する月から1年間の対象会社の事業が該当する業種の上場会社の株価が、その前1年間の同様の株価を下回ること。
（5）後継者が心身の不調等により、対象会社の業務に従事できなくなったこと。

３．再減免制度の概要
特例措置の適用を受ける株式を譲渡または対象会社が合併により消滅する場合において、対価の額がその時の相続税評価額の50％相当額を下回るときは、一定要件を満たすことにより、１で再計算した税額の納付が猶予され、実際の譲渡または合併の対価の額を基に再々計算した贈与税額を納付することになります。また、①その譲渡等から2年後において事業が継続しており、かつ②①の譲渡の時点で、譲渡等の時の従業員数の半数以上が雇用されている等の場合には、その再々計算した贈与税額と猶予税額の差額が免除されます（措法70の7の5⑭一）。