１．基本的な考え方
相続税の特例措置の適用を受けるための後継者は、「特例経営承継相続人等」に該当する必要があり、具体的には下記２の要件をすべて満たさなければなりません。なお、これらの要件を満たしている個人が複数いる場合は、この特例措置に係る株式の発行会社すなわち特例認定贈与承継会社(以下「対象会社」といいます。) がそれと定める二人又は三人までに限られます。

２．後継者が「特例経営承継相続人等」に該当するための要件
特例経営承継相続人等に該当するためには、以下のすべての要件を満たすことが必要です（措法70の7の6②七、措規23の12の3⑨）。

（1）その個人が相続開始の日の翌日から5ヶ月を経過する日において、対象会社の代表権を有していること。
（2）相続開始の時において、その個人と同人と一定の特別の関係のある個人（親族等）や法人（以下「特別関係者」。この詳細については、措法70の7の5②六ハ、措令40の8の6⑭が規定しています。）全体の有する対象会社の株式の議決権の数の合計が、その総議決権の数の50%超であること。
（3）次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に定める要件を満たしていること。
①被相続人から相続等により株式を取得した個人が1人の場合
相続開始の時において、その個人が有する対象会社の株式に係る議決権の数が、その個人の特別関係者のいずれの者の有する議決権の数をも下回らないこと。なお、その時点で、他に相続税や相続税の特例措置を受ける個人がいる場合は、その個人は上記「いずれの者」から除かれます。次の②の「いずれの者」も同じです。
②被相続人から同時に、相続等により株式を取得した個人が2人又は3人いる場合
相続開始の時において、その個人が有する対象会社の株式に係る議決権の数が、対象会社の総議決権の数の10%以上であり、かつ、その個人の特別関係者のいずれの者の有する議決権の数をも下回らないこと。
(4)その個人が、‥‥‥