１．対象となる会社の主な要件
(1)中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律第２条に規定する中小企業者で、かつ、都道府県知事の認定を受けた会社であること(措法70の7の5②一柱書)。

(2)常時使用従業員の数が1人以上であること（同②一イ）。
なお「常時使用従業員」とは、対象会社の従業員のうち、次の①又は②に該当する者をいい、後継者の親族であってもかまいません(措規23の 12の2③、23の9④、措通70の7−10）。
① 厚生年金保険、船員保険、もしくは健康保険の被保険者
② 対象会社と2ヶ月を超える雇用契約を締結している者で75歳以上であるもの。

(3)資産保有型会社又は資産運用型会社のうち政令で定めるものに該当しないこと（同ロ）。
「資産保有型会社」とは、相続開始の時においてその会社の貸借対照表上の総資産の帳簿価額のうち、現預金、有価証券、自ら使用していない不動産その他の資産（以し下「特定資産」）の占める割合が70％以上となる会社をいいます(措法70の7の5②三、70の7②八)。
「資産運用型会社」とは、いずれかの事業年度における総収入金額に占める特定資産の運用収入の合計額の割合が75％以上となる会社をいいます(同70の7の5②四、70の7の2②九)。

(4)その会社の発行する株式が非上場株式に該当すること（同ハ）。

(5)風俗営業会社に該当しないこと（同ニ）。
「風俗営業会社」とは、風俗営業等の規制および業務の適正化等に関する法律（風営法）第2条第5項に規定する「性風俗関連特殊営業」を営む会社であり（措法70の7②ーニ）、バー、パチンコ、ゲームセンターなどは風営法の規制対象ですが、「性風俗関連　特殊営業」ではありませんので、要件を満たします。

(6)直近の事業年度における総収入金額（営業外収益及び特別利益を除く）がゼロを超える（＝1円以上である）こと（措法70条の7の5②一へ、措令40の8の5⑨、40の8⑩一）

(7)その他一定の要件を満たしていること。

２．資産保有型会社等であっても事業承継税制の特例措置の対象となる会社の要件
上記１(3)のとおり、‥‥‥