マーケットポートフォリオの収益率の変動に対する個別銘柄の収益率の感応度を⽰す係数である。具体的には、マーケットポートフォリオの超過収益率が1%変化した場合に、個別銘柄の超過収益率がどれだけ変化するかを⽰すのがβである。
βは、マーケットポートフォリオの収益率を説明変数、個別銘柄の収益率を被説明変数として回帰分析を⾏うことにより算出される。実務上⼀般的に⽤いられているのは、過去⼀定期間のマーケットポートフォリオの収益率と個別銘柄の収益率を⽤いたヒストリカルβである。
βについて評価対象会社が⾮上場会社の場合、事業や規模が類似した上場会社を複数社選定してその平均値をβ値として採⽤する等の⽅法によっている。
βには、各企業別の資本構成に依存したレバードβと資本構成の違いに応じたリスク⽔準の変化を考慮したアンレバードβ(100%株主資本で資⾦調達がなされた場合に対応したβ)がある。
解説:野村昌弘(公認会計士・税理士)